JP2004235080A - 燃料電池用電極及びその製造方法並びに燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】白金−ルテニウム合金触媒を電極表面に高密着性で取り付けることができ、また、電解質と電極触媒との接触面積を拡大することができる燃料電池用電極及びその製造方法並びに高性能で耐久性に優れた小型の燃料電池を提供する。
【解決手段】基材1の表面に白金及びルテニウム層2を配置し、その後、前記基材表面に還元性雰囲気下で導電性ダイヤモンドを合成することにより、合成された導電性ダイヤモンドの表面及び内部に白金−ルテニウム合金触媒粒子4を析出させる。これにより、導電性ダイヤモンドの表面に白金−ルテニウム合金触媒を設けた電極が得られる。
【選択図】 図2
【解決手段】基材1の表面に白金及びルテニウム層2を配置し、その後、前記基材表面に還元性雰囲気下で導電性ダイヤモンドを合成することにより、合成された導電性ダイヤモンドの表面及び内部に白金−ルテニウム合金触媒粒子4を析出させる。これにより、導電性ダイヤモンドの表面に白金−ルテニウム合金触媒を設けた電極が得られる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性ダイヤモンド表面に触媒層を有する触媒接合燃料電池用電極及びその製造方法、並びにこの触媒接合電極を使用した燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車、宇宙航空機器等の輸送機器用の電源、携帯用の小型電源等として環境負荷が小さい燃料電池が注目されている。燃料電池に供給される燃料の水素ガスは、多くの場合、天然ガス又はメタノールの改質により製造されており、少量の一酸化炭素、二酸化炭素等を含んでいる。また、貯蔵及び運搬等に際しての液体燃料としての利便性から、メタノールを燃料として直接供給する燃料電池(メタノール燃料電池)が注目を集めている。しかし、このような一酸化炭素含有水素又はメタノールを燃料として使用する場合には、燃料極が被毒して著しく性能低下することが知られており、これが燃料電池の実用化に際しての大きな障壁となっている。この燃料極の被毒という問題点を解決するためには、白金に一酸化炭素又はメタノールの酸化を促進する異種金属を添加した合金を負極に使用することが有効であり、中でも白金−ルテニウム合金が最適な電極触媒材料の一つであることが知られている。
【0003】
例えば、従来の固体高分子型燃料電池用の電極触媒接合体は、白金系貴金属を担持したカーボン粒子、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及び高分子電解質溶液で作製されたガス拡散電極を固体高分子膜の両面にホットプレスして、作製される(非特許文献1:豊田中央研究所R&DレビューVol.29, No.4(1994.12))。一酸化炭素含有水素又はメタノールを燃料ガスとする固体高分子型燃料電池の場合には、上述の方法により、正極には白金を、負極には白金−ルテニウム合金を夫々電極触媒として取り付けた電極触媒接合体が使用されている。
【0004】
このホットプレス法により作製された電極触媒接合体に比べて、密着性が良好で、長時間運転での耐久性にも優れた電極触媒接合体の作製方法として、吸着還元法が提案されている。この吸着還元法では、一旦固体高分子膜中にイオン交換吸着された金属錯体が、還元剤処理により膜の外側に拡散すると同時に還元されて、膜の内表面に金属層として析出する。なお、この還元剤処理は、例えば、特許文献1(特開平9−87882号公報)に記載されている。
【0005】
また、メタノール、エタノール、改質ガス(少量の一酸化炭素と二酸化炭素とを含む水素ガス)を燃料とする燃料電池においては、耐被毒性に優れた白金−ルテニウム合金触媒を負極材料(カーボン)として使用することが有効であることが知られている。
【0006】
【特許文献1】特開平9−87882号公報
【非特許文献1】豊田中央研究所R&DレビューVol.29, No.4(1994.12)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、触媒活性が優れた白金−ルテニウム合金触媒を如何に高密着性で電極表面に取り付けるかが、この種の電極を実用化するための重要な課題である。より具体的には、燃料電池反応は、電解質と触媒と反応ガスとが接する三相界面のみで起こるため、電解質と電極触媒との接触面積(反応面積)の拡大と、反応ガスの拡散が容易な電極構造の形成とが必要である。しかし、従来の燃料電池用電極は上述の要求を満足するものではなかった。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、白金−ルテニウム合金触媒を電極表面に高密着性で取り付けることができ、また、電解質と電極触媒との接触面積を拡大することができる燃料電池用電極及びその製造方法並びに高性能で耐久性に優れた小型の燃料電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る燃料電池用電極は、導電性ダイヤモンドの表面に白金−ルテニウム合金触媒を設けた電極であって、前記白金−ルテニウム触媒は、その少なくとも一部が前記導電性ダイヤモンドの表面及び内部に粒子状に析出していることを特徴とする。
【0010】
この燃料電池用電極において、前記白金−ルテニウム合金触媒の粒子は、例えば、前記導電性ダイヤモンドの結晶粒界に析出している。
【0011】
本発明に係る燃料電池用電極の製造方法は、基材表面に白金及びルテニウムを配置し、その後、前記基材表面に還元性雰囲気下で導電性ダイヤモンドを合成することにより、合成された導電性ダイヤモンドの表面及び内部に白金−ルテニウム合金触媒の粒子を析出させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る燃料電池は、前記電極を使用したことを特徴とする。この燃料電池は、例えば、燃料がアルコール又は改質ガスを含むことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明者等は、従来技術の課題を解決するために、白金−ルテニウム触媒を導電性ダイヤモンド電極表面近傍に選択的に取り付けることができる実用的な電極触媒接合体を作製する技術を開発すべく研究を重ねた。その結果、白金とルテニウムとを予め基材の表面に付着した後、CVD(化学気相蒸着法:Chemical Vapor Deposition)法により導電性ダイヤモンドを成膜することにより、任意の組成の白金−ルテニウム触媒を導電性ダイヤモンド電極表面に高密着性で取り付けることができることを見いだした。
【0014】
本発明の燃料電池用電極は、導電性ダイヤモンドの表面に、白金−ルテニウム合金触媒の粒子が、その少なくとも一部が前記導電性ダイヤモンドの表面及び内部に析出するように設けられている。特に、この白金−ルテニウム合金触媒の粒子は、前記導電性ダイヤモンドの結晶粒界に析出している。
【0015】
本発明による電極触媒接合体においては、電解質膜表面近傍の数ミクロン程度の領域に白金−ルテニウム触媒粒子が埋め込まれた状態で存在している。白金−ルテニウム触媒は、一酸化炭素及びアルコール類の酸化に対し、高い活性を有しているので、この電極触媒接合体を改質ガス又はアルコールを燃料とする燃料電池(例えば、メタノール還元型燃料電池)の電極に使用すると、その性能は高く、小型で耐久性にも優れている。
【0016】
次に、この燃料電池用電極の製造方法について説明する。先ず、高融点金属からなる基材の表面に、白金とルテニウムを付着させる。この白金又はルテニウムの付着方法は、湿式メッキ及び真空蒸着等、種々の方法がある。この付着方法において、メッキ液又は蒸着原料等を調整することにより、白金とルテニウムの比率を任意に制御することができる。
【0017】
次に、白金及びルテニウムが付着した基材に対し、その表面に導電性ダイヤモンドを成膜する。原料ガスとして、メタンと水素を含有し、更にダイヤモンドに導電性を付与する不純物元素としてボロン又はリンを含有するガスを使用し、公知の気相合成技術(マイクロ波CVD法、熱フィラメントCVD法等)を使用してダイヤモンド膜を形成する。この場合に、成膜条件を調整することにより、白金及びルテニウムの合金が、ダイヤモンド表面近傍の結晶粒子間及び結晶粒子内に、粒径が1μm以下、通常は数十〜数百nm径の粒子となって取り込まれる。一般に、ダイヤモンド成膜時の基材の温度を高く、メタン及び一酸化炭素等の炭素含有原料ガスの濃度を低く設定すると、白金及びルテニウムのダイヤモンド膜表面への拡散が十分に進行するので、白金−ルテニウム合金は、主として膜表面近傍に偏析する。なお、白金とルテニウムとが合金化するのは、基材に白金とルテニウムを付着させる過程でも一部合金化するが、導電性ダイヤモンドの成膜時に基材温度が高くなるので、そのときに完全に合金化する。これに対し、基材温度が低く、炭素原料ガス濃度が高い条件下でダイヤモンド成膜を行う場合には、白金とルテニウムの膜表面への拡散が十分に進行する以前に、ダイヤモンドが形成されるので、白金−ルテニウムは、主として膜表面よりも基材に近い側のダイヤモンド中に取込まれる。また、基材表面に予め付着しておく白金及びルテニウムの量又は導電性ダイヤモンドの成膜時間を調整することにより、白金−ルテニウム触媒の組成、析出量の他、白金−ルテニウム合金触媒の粒子径及び粒子密度を制御することができる。この白金−ルテニウム合金触媒の粒子径及び粒子密度を制御方法は、一般に、白金及びルテニウムの量が多いと、粒子径が大きくなり、導電性ダイヤモンドの成膜時間を長く、成膜温度を高くすると、粒子密度が小さくなることを利用して行うことができる。
【0018】
このようにして得られた白金−ルテニウム合金触媒接合体の断面を電子顕微鏡により観察すると、白金−ルテニウム合金触媒は、ダイヤモンド電極表面近傍、即ち、表面から2〜3μmの深さの層領域に粒子状で点在している。このようにして得られたダイヤモンド電極は、「Incorporation of Pt nanoparticles intoboron−doped diamond thin films: dimensionally stable catalytic electrodes: J.Wang,G.M.Swain,T. Tachibana and K.Kobashi,Journal of New Materialsfor Electrochemical Syste1ms,vol.3,pp.75−82(2000)」に開示されているようなダイヤモンド表面に白金又はルテニウムを被覆した上でダイヤモンドを積層して形成したダイヤモンド電極とは、製法上も構造上全く異なるものである。
【0019】
図2(a)、(b)は本発明の方法により成膜したダイヤモンド膜を示す模式図、図3(a)、(b)は上記文献に記載された方法により成膜したダイヤモンド膜を示す模式図である。図2(a)、(b)に示すように、本発明の方法においては、図2(a)に示すように、基材1の表面にPt及びRhからなる層2を形成した後、ダイヤモンドを合成すると、図2(b)に示すように、基材1の表面にダイヤモンド膜3が成膜されると共に、このダイヤモンド膜3の表面及びその2〜3μm深さの表層部における結晶粒界又は結晶粒界内に、PtRh粒子4が存在する。
【0020】
これに対し、前述の文献に記載された方法においては、図3(a)に示すように、基材11上にダイヤモンド膜12を成膜し、その上に、Pt及びRhからなる層13を被覆した上で、図3(b)に示すように、更にプラズマ処理してダイヤモンドを積層すると、このダイヤモンド膜12の表面にPtRh粒子14が付着する。
【0021】
このように、本発明のダイヤモンド電極は上記文献に記載されたダイヤモンド電極とは、その製造方法が異なるために、その構造が全く異なるものである。
【0022】
上述の方法により、導電性ダイヤモンドの表面近傍に白金−ルテニウム触媒を担持した電極が得られる。本発明の燃料電池は、この電極を負極とする。正極触媒層は、例えば、市販の白金触媒をPTFE及び電極触媒溶液と混合してペーストを作り、薄膜化して乾燥するなどの公知の方法により、作製できる。次いで、得られた電極接合体の両面に撥水処理を施したカーボンペーパーなどの集電体を取り付けることにより、燃料電池用の電極接合体が得られる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例の燃料電池用電極を製造し、その特性を比較例と比較した結果について説明する。
【0024】
基材として30mm×10mmのニオブ、モリブデン、タングステンのメッシュを用意し、これにスパッタ法で白金とルテニウムを蒸着した。組成比は白金:ルテニウム=(1:0.1)〜(1:0.35)に制御し、蒸着量は0.1〜3μmの厚さとした。
【0025】
次に、この白金・ルテニウム蒸着済み金属メッシュ基材表面に、CVD法で導電性ダイヤモンド膜を形成した。原料ガス中にホウ素を添加することで、ダイヤモンド膜中にホウ素を原子密度5×1019×1021/cm3で取り込ませ、導電性を確保した。ダイヤモンドの膜厚は1〜3μmであった。なお、このようにして成膜したダイヤモンド膜には、ピンホールが存在していなかった。
【0026】
一方、白金ブラック(ジョンソンマッセイ社製)をPTFEディスパージョンで撥水処理した後、上記イオン交換膜と同材質の高分子溶液(アルコール/水混合物を溶媒とする高分子濃度5%の市販品)に分散してペースト化し、ドクターブレード法により薄膜化した白金電極(4mg/cm2)を正極とした。これと白金−ルテニウム触媒担持型ダイヤモンドを負極とし、直接型メタノール燃料電池を組み立てた後、負極には1mol/1のメタノールを、正極には水蒸気で加湿した酸素を供給して、直接型メタノール燃料電池としての性能を評価した。
【0027】
図1はセル温度80℃、2気圧下での電池性能を示す。この電池性能(I−V(電流−電圧)特性)は、3000時間の使用後、及び95℃での高温連続動作試験後も劣化せず、優れた耐久性が得られた。
【0028】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明によれば、導電性ダイヤモンド膜と白金−ルテニウム触媒との密着性が優れ、接触抵抗が少ない電極触媒接合体を得ることができる。また、本発明においては、白金−ルテニウム触媒が、耐久性が優れたダイヤモンド不溶性電極に担持されているので、これを電極とすることにより、メタノール、エタノール等のアルコール類、改質ガス(少量の一酸化炭素と二酸化炭素を含む水素ガス)等を燃料とする直接型燃料電池の性能及び耐久性を向上させることができる。更に、本発明の白金−ルテニウム触媒層を備えた電極を負極として使用することにより、改質ガス、アルコール等を燃料とする直接型燃料電池は、極めて優れた性能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の効果を説明するグラフ図である。
【図2】(a)、(b)は本発明の電極の表層部の触媒粒子の存在状態を示す模式図である。
【図3】(a)、(b)は従来の電極の表層部の触媒粒子の存在状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1,11:基材
2,13:PtRh層
3,12:ダイヤモンド層
4,14:PtRh粒子
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性ダイヤモンド表面に触媒層を有する触媒接合燃料電池用電極及びその製造方法、並びにこの触媒接合電極を使用した燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車、宇宙航空機器等の輸送機器用の電源、携帯用の小型電源等として環境負荷が小さい燃料電池が注目されている。燃料電池に供給される燃料の水素ガスは、多くの場合、天然ガス又はメタノールの改質により製造されており、少量の一酸化炭素、二酸化炭素等を含んでいる。また、貯蔵及び運搬等に際しての液体燃料としての利便性から、メタノールを燃料として直接供給する燃料電池(メタノール燃料電池)が注目を集めている。しかし、このような一酸化炭素含有水素又はメタノールを燃料として使用する場合には、燃料極が被毒して著しく性能低下することが知られており、これが燃料電池の実用化に際しての大きな障壁となっている。この燃料極の被毒という問題点を解決するためには、白金に一酸化炭素又はメタノールの酸化を促進する異種金属を添加した合金を負極に使用することが有効であり、中でも白金−ルテニウム合金が最適な電極触媒材料の一つであることが知られている。
【0003】
例えば、従来の固体高分子型燃料電池用の電極触媒接合体は、白金系貴金属を担持したカーボン粒子、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及び高分子電解質溶液で作製されたガス拡散電極を固体高分子膜の両面にホットプレスして、作製される(非特許文献1:豊田中央研究所R&DレビューVol.29, No.4(1994.12))。一酸化炭素含有水素又はメタノールを燃料ガスとする固体高分子型燃料電池の場合には、上述の方法により、正極には白金を、負極には白金−ルテニウム合金を夫々電極触媒として取り付けた電極触媒接合体が使用されている。
【0004】
このホットプレス法により作製された電極触媒接合体に比べて、密着性が良好で、長時間運転での耐久性にも優れた電極触媒接合体の作製方法として、吸着還元法が提案されている。この吸着還元法では、一旦固体高分子膜中にイオン交換吸着された金属錯体が、還元剤処理により膜の外側に拡散すると同時に還元されて、膜の内表面に金属層として析出する。なお、この還元剤処理は、例えば、特許文献1(特開平9−87882号公報)に記載されている。
【0005】
また、メタノール、エタノール、改質ガス(少量の一酸化炭素と二酸化炭素とを含む水素ガス)を燃料とする燃料電池においては、耐被毒性に優れた白金−ルテニウム合金触媒を負極材料(カーボン)として使用することが有効であることが知られている。
【0006】
【特許文献1】特開平9−87882号公報
【非特許文献1】豊田中央研究所R&DレビューVol.29, No.4(1994.12)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、触媒活性が優れた白金−ルテニウム合金触媒を如何に高密着性で電極表面に取り付けるかが、この種の電極を実用化するための重要な課題である。より具体的には、燃料電池反応は、電解質と触媒と反応ガスとが接する三相界面のみで起こるため、電解質と電極触媒との接触面積(反応面積)の拡大と、反応ガスの拡散が容易な電極構造の形成とが必要である。しかし、従来の燃料電池用電極は上述の要求を満足するものではなかった。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、白金−ルテニウム合金触媒を電極表面に高密着性で取り付けることができ、また、電解質と電極触媒との接触面積を拡大することができる燃料電池用電極及びその製造方法並びに高性能で耐久性に優れた小型の燃料電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る燃料電池用電極は、導電性ダイヤモンドの表面に白金−ルテニウム合金触媒を設けた電極であって、前記白金−ルテニウム触媒は、その少なくとも一部が前記導電性ダイヤモンドの表面及び内部に粒子状に析出していることを特徴とする。
【0010】
この燃料電池用電極において、前記白金−ルテニウム合金触媒の粒子は、例えば、前記導電性ダイヤモンドの結晶粒界に析出している。
【0011】
本発明に係る燃料電池用電極の製造方法は、基材表面に白金及びルテニウムを配置し、その後、前記基材表面に還元性雰囲気下で導電性ダイヤモンドを合成することにより、合成された導電性ダイヤモンドの表面及び内部に白金−ルテニウム合金触媒の粒子を析出させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る燃料電池は、前記電極を使用したことを特徴とする。この燃料電池は、例えば、燃料がアルコール又は改質ガスを含むことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明者等は、従来技術の課題を解決するために、白金−ルテニウム触媒を導電性ダイヤモンド電極表面近傍に選択的に取り付けることができる実用的な電極触媒接合体を作製する技術を開発すべく研究を重ねた。その結果、白金とルテニウムとを予め基材の表面に付着した後、CVD(化学気相蒸着法:Chemical Vapor Deposition)法により導電性ダイヤモンドを成膜することにより、任意の組成の白金−ルテニウム触媒を導電性ダイヤモンド電極表面に高密着性で取り付けることができることを見いだした。
【0014】
本発明の燃料電池用電極は、導電性ダイヤモンドの表面に、白金−ルテニウム合金触媒の粒子が、その少なくとも一部が前記導電性ダイヤモンドの表面及び内部に析出するように設けられている。特に、この白金−ルテニウム合金触媒の粒子は、前記導電性ダイヤモンドの結晶粒界に析出している。
【0015】
本発明による電極触媒接合体においては、電解質膜表面近傍の数ミクロン程度の領域に白金−ルテニウム触媒粒子が埋め込まれた状態で存在している。白金−ルテニウム触媒は、一酸化炭素及びアルコール類の酸化に対し、高い活性を有しているので、この電極触媒接合体を改質ガス又はアルコールを燃料とする燃料電池(例えば、メタノール還元型燃料電池)の電極に使用すると、その性能は高く、小型で耐久性にも優れている。
【0016】
次に、この燃料電池用電極の製造方法について説明する。先ず、高融点金属からなる基材の表面に、白金とルテニウムを付着させる。この白金又はルテニウムの付着方法は、湿式メッキ及び真空蒸着等、種々の方法がある。この付着方法において、メッキ液又は蒸着原料等を調整することにより、白金とルテニウムの比率を任意に制御することができる。
【0017】
次に、白金及びルテニウムが付着した基材に対し、その表面に導電性ダイヤモンドを成膜する。原料ガスとして、メタンと水素を含有し、更にダイヤモンドに導電性を付与する不純物元素としてボロン又はリンを含有するガスを使用し、公知の気相合成技術(マイクロ波CVD法、熱フィラメントCVD法等)を使用してダイヤモンド膜を形成する。この場合に、成膜条件を調整することにより、白金及びルテニウムの合金が、ダイヤモンド表面近傍の結晶粒子間及び結晶粒子内に、粒径が1μm以下、通常は数十〜数百nm径の粒子となって取り込まれる。一般に、ダイヤモンド成膜時の基材の温度を高く、メタン及び一酸化炭素等の炭素含有原料ガスの濃度を低く設定すると、白金及びルテニウムのダイヤモンド膜表面への拡散が十分に進行するので、白金−ルテニウム合金は、主として膜表面近傍に偏析する。なお、白金とルテニウムとが合金化するのは、基材に白金とルテニウムを付着させる過程でも一部合金化するが、導電性ダイヤモンドの成膜時に基材温度が高くなるので、そのときに完全に合金化する。これに対し、基材温度が低く、炭素原料ガス濃度が高い条件下でダイヤモンド成膜を行う場合には、白金とルテニウムの膜表面への拡散が十分に進行する以前に、ダイヤモンドが形成されるので、白金−ルテニウムは、主として膜表面よりも基材に近い側のダイヤモンド中に取込まれる。また、基材表面に予め付着しておく白金及びルテニウムの量又は導電性ダイヤモンドの成膜時間を調整することにより、白金−ルテニウム触媒の組成、析出量の他、白金−ルテニウム合金触媒の粒子径及び粒子密度を制御することができる。この白金−ルテニウム合金触媒の粒子径及び粒子密度を制御方法は、一般に、白金及びルテニウムの量が多いと、粒子径が大きくなり、導電性ダイヤモンドの成膜時間を長く、成膜温度を高くすると、粒子密度が小さくなることを利用して行うことができる。
【0018】
このようにして得られた白金−ルテニウム合金触媒接合体の断面を電子顕微鏡により観察すると、白金−ルテニウム合金触媒は、ダイヤモンド電極表面近傍、即ち、表面から2〜3μmの深さの層領域に粒子状で点在している。このようにして得られたダイヤモンド電極は、「Incorporation of Pt nanoparticles intoboron−doped diamond thin films: dimensionally stable catalytic electrodes: J.Wang,G.M.Swain,T. Tachibana and K.Kobashi,Journal of New Materialsfor Electrochemical Syste1ms,vol.3,pp.75−82(2000)」に開示されているようなダイヤモンド表面に白金又はルテニウムを被覆した上でダイヤモンドを積層して形成したダイヤモンド電極とは、製法上も構造上全く異なるものである。
【0019】
図2(a)、(b)は本発明の方法により成膜したダイヤモンド膜を示す模式図、図3(a)、(b)は上記文献に記載された方法により成膜したダイヤモンド膜を示す模式図である。図2(a)、(b)に示すように、本発明の方法においては、図2(a)に示すように、基材1の表面にPt及びRhからなる層2を形成した後、ダイヤモンドを合成すると、図2(b)に示すように、基材1の表面にダイヤモンド膜3が成膜されると共に、このダイヤモンド膜3の表面及びその2〜3μm深さの表層部における結晶粒界又は結晶粒界内に、PtRh粒子4が存在する。
【0020】
これに対し、前述の文献に記載された方法においては、図3(a)に示すように、基材11上にダイヤモンド膜12を成膜し、その上に、Pt及びRhからなる層13を被覆した上で、図3(b)に示すように、更にプラズマ処理してダイヤモンドを積層すると、このダイヤモンド膜12の表面にPtRh粒子14が付着する。
【0021】
このように、本発明のダイヤモンド電極は上記文献に記載されたダイヤモンド電極とは、その製造方法が異なるために、その構造が全く異なるものである。
【0022】
上述の方法により、導電性ダイヤモンドの表面近傍に白金−ルテニウム触媒を担持した電極が得られる。本発明の燃料電池は、この電極を負極とする。正極触媒層は、例えば、市販の白金触媒をPTFE及び電極触媒溶液と混合してペーストを作り、薄膜化して乾燥するなどの公知の方法により、作製できる。次いで、得られた電極接合体の両面に撥水処理を施したカーボンペーパーなどの集電体を取り付けることにより、燃料電池用の電極接合体が得られる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例の燃料電池用電極を製造し、その特性を比較例と比較した結果について説明する。
【0024】
基材として30mm×10mmのニオブ、モリブデン、タングステンのメッシュを用意し、これにスパッタ法で白金とルテニウムを蒸着した。組成比は白金:ルテニウム=(1:0.1)〜(1:0.35)に制御し、蒸着量は0.1〜3μmの厚さとした。
【0025】
次に、この白金・ルテニウム蒸着済み金属メッシュ基材表面に、CVD法で導電性ダイヤモンド膜を形成した。原料ガス中にホウ素を添加することで、ダイヤモンド膜中にホウ素を原子密度5×1019×1021/cm3で取り込ませ、導電性を確保した。ダイヤモンドの膜厚は1〜3μmであった。なお、このようにして成膜したダイヤモンド膜には、ピンホールが存在していなかった。
【0026】
一方、白金ブラック(ジョンソンマッセイ社製)をPTFEディスパージョンで撥水処理した後、上記イオン交換膜と同材質の高分子溶液(アルコール/水混合物を溶媒とする高分子濃度5%の市販品)に分散してペースト化し、ドクターブレード法により薄膜化した白金電極(4mg/cm2)を正極とした。これと白金−ルテニウム触媒担持型ダイヤモンドを負極とし、直接型メタノール燃料電池を組み立てた後、負極には1mol/1のメタノールを、正極には水蒸気で加湿した酸素を供給して、直接型メタノール燃料電池としての性能を評価した。
【0027】
図1はセル温度80℃、2気圧下での電池性能を示す。この電池性能(I−V(電流−電圧)特性)は、3000時間の使用後、及び95℃での高温連続動作試験後も劣化せず、優れた耐久性が得られた。
【0028】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明によれば、導電性ダイヤモンド膜と白金−ルテニウム触媒との密着性が優れ、接触抵抗が少ない電極触媒接合体を得ることができる。また、本発明においては、白金−ルテニウム触媒が、耐久性が優れたダイヤモンド不溶性電極に担持されているので、これを電極とすることにより、メタノール、エタノール等のアルコール類、改質ガス(少量の一酸化炭素と二酸化炭素を含む水素ガス)等を燃料とする直接型燃料電池の性能及び耐久性を向上させることができる。更に、本発明の白金−ルテニウム触媒層を備えた電極を負極として使用することにより、改質ガス、アルコール等を燃料とする直接型燃料電池は、極めて優れた性能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の効果を説明するグラフ図である。
【図2】(a)、(b)は本発明の電極の表層部の触媒粒子の存在状態を示す模式図である。
【図3】(a)、(b)は従来の電極の表層部の触媒粒子の存在状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1,11:基材
2,13:PtRh層
3,12:ダイヤモンド層
4,14:PtRh粒子
Claims (5)
- 導電性ダイヤモンドの表面に白金−ルテニウム合金触媒を設けた電極であって、前記白金−ルテニウム触媒は、その少なくとも一部が前記導電性ダイヤモンドの表面及び内部に粒子状に析出していることを特徴とする燃料電池用電極。
- 前記白金−ルテニウム合金触媒の粒子は、前記導電性ダイヤモンドの結晶粒界に析出していることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用電極。
- 基材表面に白金及びルテニウムを配置し、その後、前記基材表面に還元性雰囲気下で導電性ダイヤモンドを合成することにより、合成された導電性ダイヤモンドの表面及び内部に白金−ルテニウム合金触媒の粒子を析出させることを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の電極を使用したことを特徴とする燃料電池。
- 燃料がアルコール又は改質ガスを含むことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池。
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