【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電要素を筐体内に封入した積層型電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、リチウム二次電池等の充電可能なコイン形電池が実用化され、各種電子機器の主電源やメモリバックアップ用電源として利用されている。特に、携帯用小型電子機器のメモリバックアップ用としては、直径6mm以下の超小型コイン形電池が主流となっている。また、近年、部品の小型化や実装作業の効率化を図るため、電池にも他の電子部品と同様にハンダリフロー法を用いた自動ソルダリングへの対応が強く求められている。
【0003】
しかしながら、上述のコイン形電池はその上面を正極用端子、その下面を負極用端子とした構造であることから、回路基板に実装する際には別途端子が必要となり、その結果、電池自体の大きさよりも大きな実装面積と高さが必要となるため、小型化することができず、また、部品点数が多くなるために、コストアップにもつながるといった課題があった。
【0004】
そこで、端子等を使うことなく、ハンダリフロー法によって直接回路基板へ実装することが可能な小型の電池として、本発明者らは特許文献1に開示されたセラミックス製の筐体に発電要素を収容し、樹脂接着剤を介して金属箔製の蓋体を接着した積層型電池の開発を行ったが、電池を小型化する目的で発電要素と蓋体の間の空間を少なくしたところ、ハンダリフロー時の発電要素の熱膨張によって金属製の蓋体が押し上げられ、樹脂封止部が開口するという不具合があることが分かった。電池の発電要素はその一部が高分子材料によって形成されているためその発電要素の構成にもよるが、その線熱膨張率が100×10−6〜200×10−6(K−1)と一般的な無機物のみによって構成される電子部品、例えばICやトランジスター、圧電素子、振動子などの線熱膨張率1×10−6(K−1)オーダーに比べ著しく大きいため、外装体を小型化した場合、他の電子素子を封入したときには見られない上述の開口という不具合が顕著に現れることが分かった。
【0005】
そこで、本発明は、従来にないハンダリフロー法によって直接回路基板に実装することができる小型の気密封止された積層型電池を提供することを目的とするものである。
【特許文献1】特開平7−212169号公報
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は正極板および負極板からなる電極板が電解質を介して対向して成る発電要素を、開口部を有するセラミックス製の筐体に配置するとともに、該開口部と蓋体とを樹脂接着剤を介してで封止してなる積層型電池において、前記蓋体をセラミックス製の薄板で形成した。
また、前記蓋体の厚みは0.05mm以上0.5mm以下が好ましい。
さらに、前記蓋体の少なくとも筐体との接着領域の中心平均粗さ(Ra)は0.1〜2.0μmが好ましい。
そして、前記樹脂接着剤にはエポキシ系熱硬化樹脂が好適である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1(a)は本発明の積層型電池の一例を示す平面図、図1(b)は同図(a)のA−A線断面図、図1(c)は本発明の積層型電池に備える発電要素の積層状態を示す斜視図である。図2(a)は図1(c)の極群を形成するための方法を説明するための側面図、図2(b)は図1(c)の極群を形成するための方法を説明するための平面図である。
【0007】
本発明の積層型電池26は、正極板2および負極板3からなる電極板が電解質4を介して対向して成る発電要素1を、開口部17を有するセラミックス製の筐体11に配置するとともに、開口部17に樹脂接着剤18を介してセラミックス製の薄板からなる蓋体12が気密的に封止したものである。
【0008】
次に、積層型電池26の構成要素について具体例を挙げて説明する。
【0009】
一般的に用いられる金属箔の蓋体はその製造工程、特に圧延工程によって箔表面が鏡面に近いレベルまで平滑化されているためアンカー効果がほとんどなく、接合面積が増えても強い接着強度が得られ難いのに対して、本発明の蓋体12はその筐体11との接着面が適度に荒れており、その荒れた表面間隙に樹脂接着剤が流れ込み硬化することによるアンカー効果によって筐体11と強固に、そして気密的に接着(密着)することで封止できる。具体的には、表面平均粗さ(Ra)が0.1〜2.0μmのセラミックスが好ましい。これはRaが0.1μm未満ではアンカー効果が減少してしまい接着強度が低下することになる。逆に2.0μmを越えるということは深い傷があるのと同じことになり薄い蓋体12の強度が低下することになる。
【0010】
蓋体12の材質としては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ムライト、炭化珪素、窒化珪素、ガラスセラミックス等の絶縁性セラミックスが用いられる。
【0011】
上述の絶縁性セラミックスの中でも、特に酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムは工業用のカッター刃などにも利用されており薄板材料の入手が容易なうえに強度も高いことから積層型電池26の蓋体12として好適である。
また、蓋体12の厚みは0.05mm以上0.5mm以下であることが好ましい。
これはいくら強靱なセラミックスといえども0.05mm未満の厚みではハンダリフロー時に発電要素1が蓋体12を押し上げる圧力に耐えられず蓋体12が割れてしまうという不具合が発生するためである。一方、0.5mmを越えると電池体積に占める蓋体12の割合が高くなってしまい、小型化の意味が無くなってしまう。従って、積層型電池26の蓋体12としては厚み0.08mm以上0.2mm以下が最も適当である。
【0012】
筐体11の材質としては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ムライト、炭化珪素、窒化珪素、ガラスセラミックス等の絶縁性セラミックスを用いることができる。この絶縁性セラミックスは、気密性、耐熱性、耐湿性の点で優れ、発電要素1が外気に暴露されるのを効果的に防止することができ、信頼性の高い積層型電池26を提供することができる。特に、酸化アルミニウムを主体とする絶縁性セラミックスは、優れた気密性、耐熱性、耐湿性を有することは勿論のこと、材料の入手が容易であること及びコストの観点から特に好適である。
【0013】
正極用端子14および負極用端子15はセラミックスと金属を接合するのに用いられるメタライズ手法によって筐体11に一体的に形成されている。具体的には焼成前のセラミック成型品の所定箇所ににタングステンを印刷し焼成した後、該タングステン上にニッケルメッキ、金メッキの順でメッキを施したものである。表面が金メッキされた端子は鉛入り半田、鉛なし半田ともに乗りがよく、また、端子表面の酸化劣化や電気化学的な腐食等もなく好適である。また、形状は図1に示すように筐体11の上面から側面および下面にわたって形成されていてもよいし、上面と下面の端子がスルーホールを通じて接続されていてもよい。
【0014】
接着剤18としては、樹脂接着剤が用いられるが特にエポキシ系熱硬化樹脂を用いるのが好ましい。それはセラミックスを含む種々の材質への接着力が大きく、耐湿性も良好であり、熱硬化性であるので耐熱性も高く、更には種々のエポキシ系接着剤が既に上市されており、選択の幅も広いからである。従って、エポキシ系接着剤は本発明の接着剤として最適なものの一つである。ただし、その選定にあたっては注意を要し、エポキシ系熱硬化樹脂の中でも150℃以下の低温硬化が可能なものを選定することが好ましい。
【0015】
低温硬化が可能な樹脂を選択するのは、積層型電池26内の発電要素25は200℃以上のリフロー時の加熱に耐える耐熱性は有していても電解質4として有機電解液や高分子固体電解質といった有機物を含んでいるため、仮に150℃であっても1時間といった加熱には耐えられず、有機物と活物質の反応などによって内部抵抗が上昇し電池性能が劣化するということが起こるためである。従って、積層型電池で表面実装型とするのに使用される樹脂は低温硬化、例えば硬化温度100℃、硬化時間30分といった材料を選択する必要がある。
【0016】
また、接着剤18には必要に応じて助剤、充填剤といったものを添加してもよい。特に、湿分不活性な鉱物質、例えばガラス、アルミナ、シリカなどの微粉の添加は、封止部の耐透湿性を高めるために有効である。
【0017】
正極板2および負極板3は活物質を主体とした合剤層19,22と集電体21,24が導電性接着剤層20,23を介してそれぞれ一体化されたものをいう。
【0018】
合剤層19,22としては、活物質に導電剤、バインダー、有機溶剤、さらに必要に応じて電解液や固体電解質を添加して製作したスラリーを乾燥させた複合材、あるいは活物質からなる焼結体を用いることができる。
【0019】
活物質としては、リチウムマンガン複合酸化物、二酸化マンガン、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムバナジウム複合酸化物、リチウムチタン複合酸化物、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化タングステンを用いることができるが、これらの中でもLi1+xMn2−xO4(0≦x≦0.2)、LiMn2−yMeyO4(Me=Ni、Cr、Cu、Zn、0≦y≦0.6)、Li4Ti5O12、あるいはLi4Mn5O12は、充放電中の体積変化が小さいため、活物質として好適である。
【0020】
なお、正極板2や負極板3は相対的なものであって、それぞれの活物質の充放電電位を比較し、より貴な電位を示すものを正極板2、より卑な電位を示すものを負極板3とすれば良く、これらの組み合わせにより任意の電圧の積層型電池26を構成することができる。
【0021】
導電剤としては、アセチレンブラックやケッチェンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素材料が充放電過程での溶出がなく好適であるが、活物質の作動電圧範囲によっては金やニッケルなどの金属も使用可能である。また、導電性は低いが酸化錫や酸化亜鉛、酸化インジウムなどの酸化物も適用可能である。
【0022】
バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン、テフロン(R)、エチレンプロピレン共重合体ゴムなどを挙げることができる。
【0023】
有機溶媒は、主にバインダーを溶解する目的で使用されることからバインダーとの組合せにおいて適切なものを選択すればよい。例えば、ポリフッ化ビニリデン使用の場合N−メチルピロリドンが適切である。
【0024】
正極用集電体21や負極用集電体24の材質としては、例えばステンレス、アルミニウム、ニッケル、銅、コバール、鉄、チタンあるいはアルミニウム合金などの金属薄板を用いることができ、正負極板2,3の動作電圧範囲等を考慮して適宜選択すれば良い。
【0025】
正極用集電体21と正極合剤層19及び負極用集電体24と負極合剤層22とをそれぞれ接合する導電性接着剤20、23としては、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール系樹脂、シリコン系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂もしくはスチレン系の合成ゴムなどの熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂のうち少なくとも一種類の高分子材料からなる接着剤中に、カーボンブラック、グラファイト、金、銀、ニッケル、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アンチモンをドープした酸化錫、酸化インジウム、酸化錫をドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化錫を被覆した酸化チタン、アンチモンをドープした酸化錫を被覆したチタン酸カリウムのうち、少なくとも一種類の導電材を含有させたものを用いれば良い。なお、導電性接着剤19、22は同一のものであっても構わないし、導電剤を電極板の作動電圧範囲に応じて適宜選択し異なるものを用いても何ら差し支えはない。
【0026】
電解質4としては、イオン伝導性を有するものであれば液体でも固体でも構わない。電解質4には有機溶媒に電解質塩を溶解させた有機電解液やイオン伝導性高分子材料に電解質塩を溶解させ、重合させた高分子固体電解質、あるいは有機電解液と高分子固体電解質を複合させたゲル電解質、または無機材料からなる無機固体電解質などを用いることができる。
【0027】
電解質4に有機電解液を用いる場合、有機溶媒には例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ガンマ−ブチロラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、メチルエチルカーボネートから選ばれる1種もしくは2種以上を混合した溶媒を用いることができ、また、電解質塩には例えばLiClO4、LiBF4、LiPF6、LiCF3SO3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2などのリチウム塩を用いることができる。
【0028】
また、電解質4に有機電解液を用いる場合、セパレータに含浸させて用いれば良く、セパレータとしては、例えばポリオレフィン繊維製の不織布やテフロン(R)製、ポリオレフィン製などの微多孔膜を用いることができる。ここで、ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどを挙げることができる。
【0029】
さらに、電解質4に高分子固体電解質を用いる場合、高分子固体電解質には例えばポリエチレンオキシド骨格を持つ高分子やプロピレンオキシド骨格を持つ高分子、あるいはこれらの混合物及び共重合体を用いることができ、高分子固体電解質やゲル電解質を用いる場合には電極間距離を適正に保ったり、電解質層の厚みを一定に制御したり、機械的強度を向上させる目的でフィラーを添加して用いても良い。
【0030】
フィラーとしては、絶縁物でかつ電極間距離を適度に保つ大きさと強度があればよく、例えば、アルミナ(Al2O3),シリカ(SiO2)、ZrO2、ガラス、アクリル樹脂、ナイロンなどの球状粉末や無定型粉末、ウィスカー状粉末などを用いることができる。
【0031】
また、電解質4に無機固体電解質を用いる場合、無機固体電解質には例えばLi1.3Al0.3Ti18(PO4)3やLi3.6Ge0.6V0.4O4などの結晶質固体電解質、30LiI−41Li2O−29P2O5や40Li2O−35B2O3−25LiNbO3などの酸化物系非晶質固体電解質を用いることができる。
【0032】
正極用端面電極5及び負極用端面電極6を形成する導電材としては、カーボン、グラファイト(40〜70μΩ・cm)、酸化亜鉛(1011〜1016μΩ・cm)、酸化錫(108μΩ・cm)、アンチモンをドープした酸化錫(1×106〜5×106μΩ・cm)、酸化インジウム(102〜1011μΩ・cm)、酸化錫をドープした酸化インジウム(102μΩ・cm)、炭化チタン(190μΩ・cm)のうちの少なくとも一種を用いることができる。これらの導電材は充放電を繰り返してもイオン化せず、電解質へ溶出してリチウムイオンの出入りを阻害するようなことがないため、充放電の繰り返しによる放電容量の低下を防止し、積層型電池26の寿命を向上させることができる。なお、積層型電池26の内部抵抗を小さくするためには、抵抗値の小さいカーボンを用いることが好ましい。
【0033】
また、正極用端面電極5及び負極用端面電極6を形成する樹脂としては、ポリブチラール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エポキシ系樹脂のうちの少なくとも一種を用いればよい。
【0034】
また、極群25の最下部に位置する正極板2が導電性接着剤10と接触することが原因となる短絡を防止する目的で、極群25の筐体11との対向面25aに絶縁層を配置することもできる。
【0035】
絶縁層16を形成する材質としては、粘着テープ、塗料、接着剤を用いることができる。
【0036】
このうち、絶縁層16として粘着テープを用いれば、所定の形状に切り出した粘着テープを極群25の筐体11との対向面25aに貼りつけるだけで良いため、電池21の製造における作業性を向上させることができるので好適である。
【0037】
絶縁層16として粘着テープを用いる場合、ポリイミド、フッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル、アラミド樹脂から選ばれた少なくとも1種類の絶縁性樹脂膜の表面にシリコーン系粘着剤又はアクリル系粘着剤からなる粘着剤を有するものを用いれば良い。
【0038】
発電要素1の端面用電極5,6と筐体11の端子14,15を電気的に接続する導電性接着剤10としては合剤層19,22と集電体21,24とを接合する導電性接着剤20あるいは23と同様のもの使用することができる。
【0039】
次に、積層型電池26の製法について具体例を挙げて詳細に説明する。
【0040】
正極板2及び負極板3を形成する合剤層19,22として粉末状の活物質を結着剤で固めたものを用いる場合、金属薄板上に、活物質、導電剤、結着剤を混練したスラリーを塗布した後、乾燥硬化させることにより製作することができる。
【0041】
合剤層19,22として活物質の焼結体を用いる場合、次の(1)〜(3)のいずれかの方法により製作したものも用いることができる。
(1)活物質を、成形助剤を溶解させた水又は溶剤に分散させ、必要に応じて可塑剤、分散材を混合してスラリーを調整し、このスラリーを基材フィルム上に塗布、乾燥させた後、基材フィルムから成形体を剥離して焼成する。
(2)活物質を直接もしくは造粒したものを金型に投入してプレス機で加圧成形した成形体を焼成する。
(3)造粒した活物質をロールプレス機で加圧成形してシート状に成形したものを焼成する。
【0042】
ただし、(2)及び(3)の造粒については、(1)の方法で述べたスラリーから造粒する湿式造粒であっても溶剤を用いない乾式造粒であっても良く、また、(2)の方法では必ずしも成形助剤を用いる必要はない。
【0043】
次に、正極合剤層19の電解質4との接触面と反対側の表面に熱可塑性樹脂と導電剤からなる正極用導電性接着剤層20を配して正極用集電板21を熱圧着し長尺の正極用集電板21付き正極板2(正極材31)を作製するるとともに、負極合剤層22の電解質4との接触面と反対側の表面に同じく導電性接着剤層23を配して負極用集電板24を熱圧着し長尺の負極用集電板24付き負極板3(負極材32)を作製する。
【0044】
図1に示すような発電要素1を形成するには、図2(a)(b)に示すように、負極用集電板24付き負極板3からなる複数枚の負極材32を所定の間隔を隔てて並設した後、これらを覆うように電解質33を積層し、さらに電解質33上に上記負極材32と直交するように正極用集電板20付き正極板2からなる複数枚の正極材31を所定の間隔を隔てて並設した後、これらを覆うようにさらに電解質33を積層する。そして、この作業を繰り返すことで負極材32、電解質33、正極材31、電解質33の順序で複数層積み重ねた井形状の多数個取り極群を製作する。
【0045】
次いで、点線Pで示す正極材31と負極材32が交差していない箇所を切断することにより、図1(c)に示すような平面形状が長方形をした正極板2と負極板3とが交差するように配置され、正極板2と負極板3との間に電解質4を備えた極群25を切り出す。
【0046】
しかる後、切り出した極群25のうち、正極板2が露出する極群25の端面に導電性樹脂層を被着して正極用端面電極5を形成するとともに、負極板3が露出する極群25の端面に導電性樹脂層を被着して負極用端面電極6を形成することにより発電要素1を形成する。
【0047】
この際、端面電極5,6の形成には端面電極5,6を所定形状で形成できる手法が必要で、例えばディスペンサー塗布やスクリーン印刷、メタルマスク印刷、パッド印刷などのパターン印刷手法のほか、マスクを用いたスプレー塗布法などが適用できる。
【0048】
次に、発電要素1を形成する極群25の筐体11との対向面25aに粘着テープからなる絶縁層16を形成する。
【0049】
次に図1(b)に示すように筐体11の各端子14,15上に導電性接着剤10をディスペンサーなどで所定量塗布し、発電要素1を載置して各端面電極5,6と各端子14,15を電気的に接続するとともに、発電要素1を筐体11に接着する。この際、発電要素1の筐体11との対向面25aには絶縁層16を設けてあることから、導電性接着剤10が対向面25aに回り込んだとしても短絡を起こすことがない。
【0050】
しかる後、筐体11の開口部周囲に接着剤18を塗布し、セラミックス製の蓋体12を配置して加圧しながら接着剤を硬化して接合し、発電要素1を筐体11と蓋体12とからなる外装体13内に気密に封入することにより小型で高性能な積層型電池26を得ることができる。
【0051】
【実施例】
以下、本発明の効果を実施例を用いて説明する。
(実施例1)
正極活物質にLiMn2O4を負極活物質にLi4Ti5O12をそれぞれ用いた焼結体電極からなる正極板2と負極板3を作製した。これらをエチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダム共重合体からなる高分子にLiN(SO2CF3)2を溶解した高分子固体電解質を介して6層積層し一体化した厚み約1mmの多数個取り極群を裁断して端面に電極板端部を露出させた極群とし、そこにカーボン系導電性塗料からなる端面電極を形成して発電要素を作製した。
【0052】
この発電要素を酸化アルミニウムからなる筐体に収容し筐体の開口部周囲に接着剤をスクリーン印刷によって塗布し、セラミックス製の蓋体を配置して加圧しながらエポキシ系熱硬化樹脂接着剤を100℃、60分の条件で熱硬化して接合し、発電要素を筐体と蓋体とからなる外装体内に気密に封入することにより積層型電池を得た。
【0053】
この時上述のセラミックス製の蓋体には表1に示す如く接着領域の中心平均粗さ(Ra)の異なる酸化アルミニウムから成る厚み0.2mmの6種類の蓋体を用いそれぞれの蓋体を用いた評価用電池を実施例a〜fとした。なお、評価用電池はそれぞれの条件で10個作製した。
(実施例2)
実施例1と同様に表1に示す如く厚みの異なる酸化アルミから成る中心平均粗さ(Ra)0.8μmの6種類の蓋体を用いた積層型電池(実施例g〜l)を作製した。なお、評価用電池はそれぞれの条件で10個作製した。
(比較例1)
蓋体12にセラミックスに比較的熱膨張係数の近い厚み0.1mmのコバール製金属箔を用いたこと以外は実施例1と同様にして積層型電池(比較例1)を作製した。なお、評価用電池は10個作製した。
(比較例2)
蓋体と筐体とを接合するエポキシ系熱硬化樹脂の代わりにシリコーン系熱硬化性樹脂を用い100℃、60分の条件で熱硬化したこと以外は実施例1と同様にして酸化アルミニウムから成る中心平均粗さ(Ra)0.8μm、厚み0.2mmの蓋体を用いた積層型電池(比較例2)を作製した。なお、評価用電池は10個作製した。
(評価)
実施例1、2により得られた積層型電池と比較例1,2により得られた積層型電池を図3に示す最高温度260℃のハンダリフローに2回かけ、開口や蓋のワレの有無を拡大鏡(10倍)を使った目視により調べた。結果を表1に示す。なお、開口など不具合の有無は分母に評価した電池の個数を、分子に不具合のあった電池の個数の形式で示した。
【0054】
【表1】
【0055】
表1から明らかなように金属箔を用いた比較例の積層型電池に対してセラミックス製の蓋体を用いた積層型電池はバラツキがあるものの全ての条件で良好な結果となった。特に中心平均粗さ(Ra)が0.1〜2.0μmの範囲と厚み0.05mm以上の範囲では不具合は認められなかった。このことから、セラミックス製の薄板からなる蓋体は樹脂接着剤との接着性に優れ、樹脂封止してなる積層型電池用外装体の蓋体として最適であることが分かった。
【0056】
また、シリコーン系熱硬化樹脂を用いた比較例2の積層型電池は全てハンダリフローで開口したのに対しエポキシ系熱硬化樹脂を用いた積層型電池(実施例j)は不具合が生じなかった。このことからエポキシ系熱硬化樹脂が本発明の接着剤として最適なものの一つであることが分かった。
【0057】
以上、本発明について説明したが、本発明は上述した実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能であることは言う迄もない。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば電解質からなる極群の内部に、正負極から成る電極板を交互に交差させて配置するとともに、前記電極板の同一極と接合する二つの端面電極を、前記極群の互いに隣り合う端面に形成してなる発電要素を、開口部を有する筐体に配置するとともに、該開口部を蓋体で封止してなる積層型電池において、前記蓋体をアルミナもしくはジルコニアの薄板で形成しておくことで、従来にないハンダリフロー法によって直接回路基板に実装することができる小型の積層型電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の積層型電池の一例を示す上面図、(b)は同図(a)のA−A線断面図、(c)は本発明の積層型電池に備える発電要素の積層状態を示す斜視図である。
【図2】(a)は図1(c)の極群を形成するための方法を説明するための側面図、(b)は図1(c)の極群を形成するための方法を説明するための平面図である。
【図3】評価に用いたハンダリフロー温度プロファイルを示す図である。
【符号の説明】
1…発電要素
2…正極板
3…負極板
4…電解質
5…正極用端面電極
6…負極用端面電極
10…導電性接着剤層
11…筐体
12…セラミックス製の蓋体
13…外装体
14…正極用端子
15…負極用端子
16…絶縁層
17…開口部
18…樹脂接着剤
19…正極合剤層
20…正極用導電性接着剤層
21…正極用集電板
22…負極合剤層
23…負極用導電性接着剤層
24…負極用集電板
25…極群
26…積層型電池
31…正極材
32…負極材
33…電解質[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a stacked battery in which a power generation element is enclosed in a housing.
[0002]
Problems to be solved by the prior art and the invention
2. Description of the Related Art Conventionally, rechargeable coin batteries such as lithium secondary batteries have been put to practical use and used as main power supplies for various electronic devices and power supplies for memory backup. In particular, a micro coin type battery having a diameter of 6 mm or less is mainly used as a memory backup for a portable small electronic device. Also, in recent years, in order to reduce the size of parts and increase the efficiency of mounting work, there is a strong demand for batteries to be compatible with automatic soldering using a solder reflow method like other electronic components.
[0003]
However, since the above-mentioned coin-type battery has a structure in which the upper surface has a positive electrode terminal and the lower surface has a negative electrode terminal, a separate terminal is required when mounting on a circuit board. Since a larger mounting area and height are required, the size cannot be reduced, and the number of components increases, leading to an increase in cost.
[0004]
Therefore, as a small battery that can be directly mounted on a circuit board by a solder reflow method without using terminals and the like, the present inventors housed a power generation element in a ceramic housing disclosed in Patent Document 1. However, we have developed a stacked battery in which a cover made of metal foil is bonded via a resin adhesive, but when the space between the power generation element and the cover was reduced for the purpose of miniaturizing the battery, solder reflow was performed. It was found that there was a problem that the metal lid was pushed up due to thermal expansion of the power generating element at that time, and the resin sealing portion was opened. The power generating element of the battery has a linear thermal expansion coefficient of 100 × 10 −6 to 200 × 10 −6 (K −1 ) depending on the configuration of the power generating element because a part thereof is formed of a polymer material. Since the coefficient of linear thermal expansion of electronic components composed only of general inorganic substances, for example, ICs, transistors, piezoelectric elements, vibrators, etc., is significantly larger than the order of 1 × 10 −6 (K −1 ), the outer package is small. It has been found that the above-described problem of the opening, which is not seen when other electronic elements are sealed, appears remarkably in the case where the electronic device is formed.
[0005]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a small-sized hermetically sealed laminated battery that can be directly mounted on a circuit board by a solder reflow method that has not been conventionally used.
[Patent Document 1] JP-A-7-212169 [Means for Solving the Problems]
Therefore, the present invention arranges a power generation element in which an electrode plate composed of a positive electrode plate and a negative electrode plate faces each other with an electrolyte interposed therebetween in a ceramic housing having an opening, and connects the opening and the lid with a resin. In the stacked battery sealed with an adhesive, the lid was formed of a ceramic thin plate.
The thickness of the lid is preferably 0.05 mm or more and 0.5 mm or less.
Further, the center average roughness (Ra) of at least the bonding area of the lid to the housing is preferably 0.1 to 2.0 μm.
An epoxy-based thermosetting resin is suitable for the resin adhesive.
[0006]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
1A is a plan view showing an example of the stacked battery of the present invention, FIG. 1B is a cross-sectional view taken along line AA of FIG. 1A, and FIG. 1C is a stacked battery of the present invention. It is a perspective view which shows the lamination state of the electric power generation element with which it is equipped. FIG. 2A is a side view for explaining a method for forming the pole group in FIG. 1C, and FIG. 2B is a view for explaining a method for forming the pole group in FIG. 1C. FIG.
[0007]
In the stacked battery 26 of the present invention, the power generating element 1 in which the electrode plates including the positive electrode plate 2 and the negative electrode plate 3 face each other with the electrolyte 4 interposed therebetween is arranged in the ceramic housing 11 having the opening 17. A lid 12 made of a ceramic thin plate is hermetically sealed in the opening 17 via a resin adhesive 18.
[0008]
Next, the components of the stacked battery 26 will be described with reference to specific examples.
[0009]
Generally used metal foil lids have almost no anchor effect because their manufacturing process, especially the rolling process, smoothes the foil surface to a level close to the mirror surface, and strong adhesion strength is obtained even if the bonding area increases. On the other hand, the lid 12 of the present invention has a moderately rough adhesive surface with the housing 11, and the resin adhesive flows into the rough surface gap and is hardened by the anchor effect. It can be sealed by tightly and airtightly bonding (adhering). Specifically, ceramics having a surface average roughness (Ra) of 0.1 to 2.0 μm are preferable. This means that if Ra is less than 0.1 μm, the anchor effect is reduced and the bonding strength is reduced. Conversely, exceeding 2.0 μm is the same as having a deep flaw, and the strength of the thin lid 12 is reduced.
[0010]
As a material of the lid 12, insulating ceramics such as aluminum oxide, aluminum nitride, zirconium oxide, mullite, silicon carbide, silicon nitride, and glass ceramics are used.
[0011]
Among the above-mentioned insulating ceramics, aluminum oxide and zirconium oxide are particularly used for industrial cutter blades and the like, and since the thin plate material is easily available and the strength is high, the lid 12 of the stacked battery 26 is used. It is suitable.
The thickness of the lid 12 is preferably 0.05 mm or more and 0.5 mm or less.
This is because even if the ceramics are tough, if the thickness is less than 0.05 mm, the power generating element 1 cannot withstand the pressure of pushing up the lid 12 during solder reflow, and the lid 12 may be broken. On the other hand, when the thickness exceeds 0.5 mm, the ratio of the lid 12 to the battery volume increases, and the meaning of miniaturization is lost. Therefore, the thickness of the cover 12 of the stacked battery 26 is most preferably 0.08 mm or more and 0.2 mm or less.
[0012]
As a material of the housing 11, insulating ceramics such as aluminum oxide, aluminum nitride, mullite, silicon carbide, silicon nitride, and glass ceramics can be used. This insulating ceramic is excellent in airtightness, heat resistance, and moisture resistance, can effectively prevent the power generation element 1 from being exposed to the outside air, and provides a highly reliable stacked battery 26. be able to. In particular, insulating ceramics mainly composed of aluminum oxide are particularly suitable from the viewpoints of not only having excellent airtightness, heat resistance, and moisture resistance, but also of being easily available and of cost.
[0013]
The positive electrode terminal 14 and the negative electrode terminal 15 are formed integrally with the housing 11 by a metallizing method used for joining ceramics and metal. More specifically, tungsten is printed on a predetermined portion of a ceramic molded product before firing, fired, and then nickel is plated on the tungsten in order of gold plating. Terminals having a gold-plated surface are suitable for both lead-containing solder and lead-free solder, and are suitable without oxidative deterioration or electrochemical corrosion of the terminal surface. Further, as shown in FIG. 1, the shape may be formed from the upper surface to the side surface and the lower surface of the housing 11, or the terminals on the upper surface and the lower surface may be connected through through holes.
[0014]
As the adhesive 18, a resin adhesive is used, but it is particularly preferable to use an epoxy-based thermosetting resin. It has high adhesive strength to various materials including ceramics, good moisture resistance, high heat resistance due to thermosetting, and various epoxy adhesives are already on the market. Is also large. Therefore, the epoxy adhesive is one of the most suitable as the adhesive of the present invention. However, care must be taken in the selection, and it is preferable to select an epoxy-based thermosetting resin that can be cured at a low temperature of 150 ° C. or lower.
[0015]
The resin that can be cured at a low temperature is selected because the power generation element 25 in the stacked battery 26 has heat resistance enough to withstand heating during reflow at 200 ° C. or higher, but the organic electrolyte or polymer solid electrolyte 4 is used as the electrolyte 4. Because it contains organic substances such as electrolytes, even if the temperature is 150 ° C., it cannot withstand heating for one hour, and the internal resistance increases due to the reaction between the organic substances and the active material, thereby deteriorating the battery performance. is there. Therefore, it is necessary to select a material that is cured at a low temperature, for example, a curing temperature of 100 ° C. and a curing time of 30 minutes, for the resin used for the surface mount type in the stacked battery.
[0016]
Further, an auxiliary agent, a filler, and the like may be added to the adhesive 18 as necessary. In particular, the addition of a fine powder such as a moisture-inactive mineral substance such as glass, alumina, or silica is effective to enhance the moisture-permeation resistance of the sealing portion.
[0017]
The positive electrode plate 2 and the negative electrode plate 3 mean that the mixture layers 19 and 22 mainly composed of an active material and the current collectors 21 and 24 are integrated via conductive adhesive layers 20 and 23, respectively.
[0018]
The mixture layers 19 and 22 are formed of a composite material obtained by drying a slurry prepared by adding a conductive agent, a binder, an organic solvent, and, if necessary, an electrolytic solution or a solid electrolyte to the active material, or a firing material made of the active material. Consolidation can be used.
[0019]
The active materials include lithium manganese composite oxide, manganese dioxide, lithium nickel composite oxide, lithium cobalt composite oxide, lithium nickel cobalt composite oxide, lithium vanadium composite oxide, lithium titanium composite oxide, titanium oxide, and niobium oxide. , vanadium oxide, may be used tungsten oxide, among these Li 1 + x Mn 2-x O 4 (0 ≦ x ≦ 0.2), LiMn 2-y Me y O 4 (Me = Ni, Cr, Cu , Zn, 0 ≦ y ≦ 0.6), Li 4 Ti 5 O 12 , or Li 4 Mn 5 O 12 are suitable as active materials because of their small volume change during charging and discharging.
[0020]
In addition, the positive electrode plate 2 and the negative electrode plate 3 are relative ones. The charge and discharge potentials of the respective active materials are compared. The negative electrode plate 3 may be used, and a stacked battery 26 having an arbitrary voltage can be formed by a combination thereof.
[0021]
As the conductive agent, carbon materials such as acetylene black, Ketjen black, carbon black, and graphite are suitable because they do not elute during the charge / discharge process, but metals such as gold and nickel are also used depending on the operating voltage range of the active material. It is possible. Further, oxides such as tin oxide, zinc oxide, and indium oxide, which have low conductivity, can be used.
[0022]
Examples of the binder include polyvinylidene fluoride, Teflon (R), and ethylene propylene copolymer rubber.
[0023]
Since the organic solvent is mainly used for dissolving the binder, an appropriate solvent may be selected in combination with the binder. For example, when using polyvinylidene fluoride, N-methylpyrrolidone is suitable.
[0024]
As the material of the positive electrode current collector 21 or the negative electrode current collector 24, for example, a metal thin plate such as stainless steel, aluminum, nickel, copper, Kovar, iron, titanium, or an aluminum alloy can be used. 3 may be appropriately selected in consideration of the operating voltage range and the like.
[0025]
Acrylic resin, epoxy resin, butyral resin may be used as the conductive adhesives 20 and 23 for joining the positive electrode current collector 21 and the positive electrode mixture layer 19 and the negative electrode current collector 24 and the negative electrode mixture layer 22, respectively. In an adhesive made of at least one kind of polymer material among thermoplastic or thermosetting resins such as silicone resin, polyamide resin, phenol resin, polyester resin, polyimide resin or styrene synthetic rubber, Carbon black, graphite, gold, silver, nickel, zinc oxide, tin oxide, tin oxide doped with antimony oxide, indium oxide, indium oxide doped with tin oxide, titanium oxide coated with antimony doped tin oxide, antimony It contains at least one kind of conductive material among potassium titanate coated with doped tin oxide. The may be used ones were. Note that the conductive adhesives 19 and 22 may be the same, or the conductive agent may be appropriately selected according to the operating voltage range of the electrode plate and different conductive adhesives may be used.
[0026]
The electrolyte 4 may be a liquid or a solid as long as it has ion conductivity. The electrolyte 4 is prepared by dissolving an electrolyte salt in an organic solvent or an ion-conductive polymer material in which an electrolyte salt is dissolved in an organic solvent, or polymerizing a polymer solid electrolyte or a composite of an organic electrolyte and a polymer solid electrolyte. A gel electrolyte or an inorganic solid electrolyte made of an inorganic material can be used.
[0027]
When an organic electrolyte is used for the electrolyte 4, examples of the organic solvent include ethylene carbonate, propylene carbonate, butylene carbonate, dimethyl carbonate, gamma-butyrolactone, sulfolane, 1,2-dimethoxyethane, 1,3-dimethoxypropane, dimethyl ether, and tetrahydrofuran. , 2-methyltetrahydrofuran, dimethyl carbonate, diethyl carbonate, a mixture of two or more selected from methyl ethyl carbonate can be used, and as the electrolyte salt, for example, LiClO 4 , LiBF 4 , LiPF 6 , A lithium salt such as LiCF 3 SO 3 , LiN (SO 2 CF 3 ) 2 , and LiN (SO 2 C 2 F 5 ) 2 can be used.
[0028]
When an organic electrolytic solution is used as the electrolyte 4, the separator may be impregnated and used. As the separator, for example, a nonwoven fabric made of polyolefin fiber or a microporous film made of Teflon (R) or polyolefin can be used. . Here, examples of the polyolefin include polypropylene and polyethylene.
[0029]
Furthermore, when a polymer solid electrolyte is used as the electrolyte 4, for example, a polymer having a polyethylene oxide skeleton or a polymer having a propylene oxide skeleton, or a mixture or copolymer thereof can be used as the polymer solid electrolyte. When a polymer solid electrolyte or a gel electrolyte is used, a filler may be added for the purpose of properly maintaining the distance between the electrodes, controlling the thickness of the electrolyte layer, or improving the mechanical strength.
[0030]
The filler only needs to be an insulator and have a size and strength to keep the distance between the electrodes at an appropriate level. Examples of the filler include alumina (Al 2 O 3 ), silica (SiO 2 ), ZrO 2 , glass, acrylic resin, and nylon. Spherical powder, amorphous powder, whisker-like powder and the like can be used.
[0031]
When an inorganic solid electrolyte is used for the electrolyte 4, the inorganic solid electrolyte may be, for example, Li 1.3 Al 0.3 Ti 18 (PO 4 ) 3 or Li 3.6 Ge 0.6 V 0.4 O 4 . crystalline solid electrolyte, it is possible to use an oxide-based amorphous solid electrolytes such as 30LiI-41Li 2 O-29P 2 O 5 and 40Li 2 O-35B 2 O 3 -25LiNbO 3.
[0032]
Examples of the conductive material forming the positive electrode end face electrode 5 and the negative electrode end face electrode 6 include carbon, graphite (40 to 70 μΩ · cm), zinc oxide (10 11 to 10 16 μΩ · cm), and tin oxide (10 8 μΩ · cm). cm), tin oxide doped with antimony (1 × 10 6 to 5 × 10 6 μΩ · cm), indium oxide (10 2 to 10 11 μΩ · cm), indium oxide doped with tin oxide (10 2 μΩ · cm) ) And titanium carbide (190 μΩ · cm). These conductive materials do not ionize even after repeated charge and discharge, and do not elute into the electrolyte and hinder the entry and exit of lithium ions. 26 can be extended. Note that in order to reduce the internal resistance of the stacked battery 26, it is preferable to use carbon having a small resistance value.
[0033]
In addition, as the resin forming the positive electrode end face electrode 5 and the negative electrode end face electrode 6, at least one of polybutyral resin, polyamide resin, polystyrene resin, and epoxy resin may be used.
[0034]
Further, in order to prevent a short circuit caused by contact of the positive electrode plate 2 located at the lowermost part of the electrode group 25 with the conductive adhesive 10, an insulating layer is provided on a surface 25 a of the electrode group 25 facing the housing 11. Can also be arranged.
[0035]
As a material for forming the insulating layer 16, an adhesive tape, a paint, or an adhesive can be used.
[0036]
Of these, if an adhesive tape is used as the insulating layer 16, it is only necessary to attach the adhesive tape cut into a predetermined shape to the surface 25 a of the electrode group 25 facing the housing 11, so that the workability in manufacturing the battery 21 is improved. It is preferable because it can be improved.
[0037]
When an adhesive tape is used as the insulating layer 16, a silicone adhesive or an acrylic adhesive is applied to the surface of at least one kind of insulating resin film selected from polyimide, fluororesin, polyphenylene sulfide, polyethylene naphthalate, polyester, and aramid resin. What is necessary is just to use what has an adhesive consisting of.
[0038]
As the conductive adhesive 10 for electrically connecting the end surface electrodes 5 and 6 of the power generating element 1 and the terminals 14 and 15 of the housing 11, conductive adhesive for bonding the mixture layers 19 and 22 and the current collectors 21 and 24 is used. The same as the adhesive 20 or 23 can be used.
[0039]
Next, a method for manufacturing the stacked battery 26 will be described in detail with reference to specific examples.
[0040]
When a mixture of powdered active materials solidified with a binder is used as the mixture layers 19 and 22 forming the positive electrode plate 2 and the negative electrode plate 3, the active material, the conductive agent, and the binder are kneaded on a thin metal plate. It can be manufactured by applying the prepared slurry, followed by drying and curing.
[0041]
When a sintered body of an active material is used as the mixture layers 19 and 22, those manufactured by any of the following methods (1) to (3) can also be used.
(1) The active material is dispersed in water or a solvent in which a molding aid is dissolved, and a plasticizer and a dispersant are mixed as necessary to prepare a slurry. The slurry is applied to a base film and dried. After that, the molded body is peeled from the base film and fired.
(2) An active material directly or granulated is put into a mold, and a pressed body is fired by a press machine.
(3) The active material that has been granulated is pressure-formed with a roll press, and then formed into a sheet and fired.
[0042]
However, the granulation of (2) and (3) may be wet granulation from the slurry described in the method (1) or dry granulation without using a solvent. In the method (2), it is not always necessary to use a molding aid.
[0043]
Next, a positive electrode conductive adhesive layer 20 made of a thermoplastic resin and a conductive agent is disposed on the surface of the positive electrode mixture layer 19 opposite to the surface in contact with the electrolyte 4, and the positive electrode current collector plate 21 is thermocompressed. In addition to producing a long positive electrode plate 2 (positive electrode material 31) with a positive electrode current collector plate 21, a conductive adhesive layer 23 is formed on the surface of the negative electrode mixture layer 22 opposite to the surface in contact with the electrolyte 4. The negative electrode current collector plate 24 is thermocompressed to produce a long negative electrode plate 3 (negative electrode material 32) with the negative electrode current collector plate 24.
[0044]
In order to form the power generating element 1 as shown in FIG. 1, as shown in FIGS. 2 (a) and 2 (b), a plurality of negative electrode members 32 composed of the negative electrode plate 3 with the negative electrode current collector plate 24 are arranged at a predetermined interval. After that, a plurality of positive electrode materials composed of a positive electrode plate 2 with a current collector plate 20 for a positive electrode are laminated on the electrolyte 33 so as to cover them, so as to be orthogonal to the negative electrode material 32. After arranging 31 at a predetermined interval, an electrolyte 33 is further laminated so as to cover them. By repeating this operation, a well-shaped multi-cavity electrode group in which a plurality of layers are stacked in the order of the negative electrode material 32, the electrolyte 33, the positive electrode material 31, and the electrolyte 33 is manufactured.
[0045]
Next, by cutting a portion where the positive electrode material 31 and the negative electrode material 32 do not intersect with each other as indicated by a dotted line P, the positive electrode plate 2 and the negative electrode plate 3 having a rectangular planar shape as shown in FIG. The electrode group 25 provided with the electrolyte 4 between the positive electrode plate 2 and the negative electrode plate 3 is cut out.
[0046]
Thereafter, of the cut-out electrode group 25, a conductive resin layer is applied to the end face of the electrode group 25 where the positive electrode plate 2 is exposed to form the positive electrode end face electrode 5, and the electrode group where the negative electrode plate 3 is exposed. The power generating element 1 is formed by applying a conductive resin layer to the end face of the negative electrode 25 to form the negative electrode end face electrode 6.
[0047]
At this time, in order to form the end face electrodes 5 and 6, a technique capable of forming the end face electrodes 5 and 6 in a predetermined shape is required. For example, in addition to a pattern printing technique such as dispenser application, screen printing, metal mask printing, pad printing, and the like, a mask And a spray coating method using the same.
[0048]
Next, an insulating layer 16 made of an adhesive tape is formed on a surface 25a of the pole group 25 forming the power generating element 1 facing the housing 11.
[0049]
Next, as shown in FIG. 1B, a predetermined amount of a conductive adhesive 10 is applied to each terminal 14 and 15 of the housing 11 by using a dispenser or the like, and the power generating element 1 is placed thereon and the end face electrodes 5 and 6 are placed. And the terminals 14 and 15 are electrically connected, and the power generating element 1 is bonded to the housing 11. At this time, since the insulating layer 16 is provided on the surface 25a of the power generating element 1 facing the housing 11, even if the conductive adhesive 10 goes around the facing surface 25a, no short circuit occurs.
[0050]
Thereafter, an adhesive 18 is applied to the periphery of the opening of the housing 11, the lid 12 made of ceramics is arranged, and the adhesive is cured by applying pressure and bonded, and the power generation element 1 is connected to the housing 11 and the lid. By airtightly sealing the inside of the exterior body 13 made of the composite 12, a small-sized and high-performance stacked battery 26 can be obtained.
[0051]
【Example】
Hereinafter, the effects of the present invention will be described using examples.
(Example 1)
A positive electrode plate 2 and a negative electrode plate 3 each composed of a sintered body electrode using LiMn 2 O 4 as a positive electrode active material and Li 4 Ti 5 O 12 as a negative electrode active material were produced. These are stacked in six layers via a polymer solid electrolyte in which LiN (SO 2 CF 3 ) 2 is dissolved in a polymer composed of a random copolymer of ethylene oxide and propylene oxide, and are integrated into a multi-pole electrode group having a thickness of about 1 mm. Was cut to form a group of electrodes with the end portions of the electrode plate exposed at the end faces, and end face electrodes made of a carbon-based conductive paint were formed thereon to produce power generating elements.
[0052]
This power generating element is housed in a housing made of aluminum oxide, an adhesive is applied around the opening of the housing by screen printing, and a ceramic lid is placed and an epoxy-based thermosetting resin adhesive is applied while pressing. A thermosetting and bonding was performed at 60 ° C. for 60 minutes, and the power generation element was hermetically sealed in an exterior body composed of a housing and a lid to obtain a stacked battery.
[0053]
At this time, as shown in Table 1, six kinds of lids made of aluminum oxide having different center average roughnesses (Ra) of the bonding region and having a thickness of 0.2 mm were used for the above-mentioned ceramic lids. The batteries for evaluation used were Examples a to f. In addition, 10 batteries for evaluation were produced under each condition.
(Example 2)
As in Example 1, laminated batteries (Examples g to l) using six kinds of lids made of aluminum oxide having different thicknesses and having a center average roughness (Ra) of 0.8 μm as shown in Table 1 were produced. . In addition, 10 batteries for evaluation were produced under each condition.
(Comparative Example 1)
A laminated battery (Comparative Example 1) was produced in the same manner as in Example 1, except that a 0.1 mm-thick Kovar metal foil having a relatively close thermal expansion coefficient was used for the lid 12 as ceramics. In addition, 10 batteries for evaluation were produced.
(Comparative Example 2)
It is made of aluminum oxide in the same manner as in Example 1 except that a silicone-based thermosetting resin is used instead of the epoxy-based thermosetting resin for joining the lid and the housing, and thermosetting is performed at 100 ° C. for 60 minutes. A stacked battery (Comparative Example 2) using a lid having a center average roughness (Ra) of 0.8 μm and a thickness of 0.2 mm was produced. In addition, 10 batteries for evaluation were produced.
(Evaluation)
The stacked batteries obtained in Examples 1 and 2 and the stacked batteries obtained in Comparative Examples 1 and 2 were subjected to solder reflow at a maximum temperature of 260 ° C. twice shown in FIG. It was examined visually using a magnifying glass (10 times). Table 1 shows the results. The presence or absence of a defect such as an opening is represented by the number of batteries evaluated in the denominator in the form of the number of batteries having a defect in the numerator.
[0054]
[Table 1]
[0055]
As is clear from Table 1, the stacked battery using the ceramic lid compared to the stacked battery of the comparative example using a metal foil showed good results under all conditions, although there were variations. In particular, no problem was observed when the center average roughness (Ra) was in the range of 0.1 to 2.0 μm and the thickness was 0.05 mm or more. From this, it was found that the lid made of a ceramic thin plate was excellent in adhesiveness to a resin adhesive, and was most suitable as a lid of a laminated battery exterior body sealed with resin.
[0056]
In addition, all of the stacked batteries of Comparative Example 2 using the silicone-based thermosetting resin were opened by solder reflow, whereas no problems occurred in the stacked battery using the epoxy-based thermosetting resin (Example j). From this, it was found that the epoxy-based thermosetting resin was one of the most suitable as the adhesive of the present invention.
[0057]
Although the present invention has been described above, the present invention is not limited to the above-described embodiments and examples, and needless to say, various modifications can be made without departing from the gist of the present invention. Absent.
[0058]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, inside the electrode group made of the electrolyte, while alternately arranging electrode plates made of positive and negative electrodes, two end face electrodes joined to the same electrode of the electrode plate, In a stacked battery in which the power generating elements formed on the end faces adjacent to each other of the electrode group are arranged in a housing having an opening, and the opening is sealed with a lid, the lid is made of alumina. Alternatively, by forming the battery from a zirconia thin plate, it is possible to provide a small-sized stacked battery that can be directly mounted on a circuit board by an unconventional solder reflow method.
[Brief description of the drawings]
1A is a top view showing an example of the stacked battery of the present invention, FIG. 1B is a sectional view taken along line AA of FIG. 1A, and FIG. 1C is provided in the stacked battery of the present invention; It is a perspective view which shows the lamination state of a power generation element.
2A is a side view for explaining a method for forming the pole group shown in FIG. 1C, and FIG. 2B is a side view for explaining a method for forming the pole group shown in FIG. 1C. FIG.
FIG. 3 is a view showing a solder reflow temperature profile used for evaluation.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Power generation element 2 ... Positive electrode plate 3 ... Negative electrode plate 4 ... Electrolyte 5 ... Positive end face electrode 6 ... Negative end face electrode 10 ... Conductive adhesive layer 11 ... Housing 12 ... Ceramic lid 13 ... Exterior 14 ... Positive electrode terminal 15 ... Negative electrode terminal 16 ... Insulating layer 17 ... Opening 18 ... Resin adhesive 19 ... Positive electrode mixture layer 20 ... Positive electrode conductive adhesive layer 21 ... Positive electrode current collector plate 22 ... Negative electrode mixture layer 23 conductive adhesive layer for negative electrode 24 current collector plate 25 for negative electrode group of electrodes 26 stacked battery 31 positive electrode material 32 negative electrode material 33 electrolyte