JP2004234471A - 需要予測方法及び需要予測プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】管理コンピュータ21は、受注量の累積量推移に対して成長モデルを適用して、受注実績に対する傾向関数を算出する。次に、管理コンピュータ21は、受注実績と傾向関数との差分の推移を算出する。そして、管理コンピュータ21は、ペリオドグラムを用いて差分推移の周期性の同調強度を算出する。同調強度に基づき周期性を判定した場合、受注実績と傾向曲線との差分推移に、2次関数と三角関数と含んで構成された2次Sinモデルを適用して周期関数を算出する。そして、管理コンピュータ21は、傾向関数と周期関数とを合成して生成した関数を用いて需要予測を行なう。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品の需要予測方法及び需要予測プログラムに係り、詳しくは周期変動を考慮しての商品の需要予測に関する。
【0002】
【従来の技術】
顧客に商品を提供する場合、適切な商品在庫の管理が必要である。この商品には完成品のみならず、完成品等に用いられる消耗品や故障による交換部品等も含まれる。そして、的確な在庫管理を行なうことにより、余剰在庫による在庫損失や、在庫品の不足による機会損失を抑制することが可能である。
【0003】
このような在庫管理を行なうためには、正確な需要予測が必要である。このような需要予測においては、例えば重回帰分析が利用されている。この重回帰分析では過去の実績を分析して予測式を作成する。しかし、一度作成した予測式を継続して使用すると、予測値と実績値との誤差が大きくなる場合がある。そこで、短期間ごとに実績に基づいて予測式を作成し直すことも考えられるが、予測式を作成するための負荷が大きくなる。
【0004】
このため、変動要因を考慮して商品分類別の販売予測を行なう販売予測方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この販売予測方法では、まず、販売数量を予測する商品の所定期間の販売実績を平均して移動平均値を算出する。そして、販売予測日の販売数量に影響を与えると考えられる変動要因から、商品の販売数量の変動予測数量を算出する。さらに、移動平均値を前記変動予測数量に基づいて補正して第1販売予測数量を算出する。これにより、販売予測日直前の所定期間の販売実績を販売予測に反映させることができ、予測値の追従性を向上させることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−339543号公報(第1頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、移動平均値による需要予測は、時間ずれ(タイムラグ)があるため予測誤差が大きく、安全在庫を多めに準備しておく必要があった。また、移動平均値を変動予測数量に基づいて補正して販売予測数量を算出する場合、販売予測日の販売数量に影響を与えると考えられる変動要因を特定した上で、商品の販売数量の変動予測数量を算出する必要がある。しかし、商品販売量の変動は色々な要因に由来することが多く、その特定は容易ではない。
【0007】
本発明は、商品に需要予測を、より効率的かつ的確に行なうことができる需要予測方法及び需要予測プログラムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、商品の提供量についての実績推移に関するデータを記録した実績データ記憶手段と管理コンピュータとを用いて、前記商品の需要を予測する需要予測方法であって、前記管理コンピュータが、前記実績データ記憶手段に記録された実績推移に基づいて、傾向関数を算出する傾向算出段階と、前記実績推移から傾向関数を差し引いた差分推移を算出する差分算出段階と、前記差分推移に対応した周期関数を算出する周期関数算出段階と、前記周期関数と前記傾向関数とを合成した関数を用いて前記商品の需要を予測する需要予測算出段階とを含むことを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の需要予測方法において、前記周期関数は、2次関数と三角関数とを乗算した合成関数を含んで構成されることを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1また2に記載の需要予測方法において、前記需要予測方法は、前記管理コンピュータが、前記差分推移に対して周期変動を判定する周期変動判定段階をさらに含み、前記差分推移に周期変動があると判定した場合のみ、前記管理コンピュータが、前記周期関数算出段階及び前記需要予測算出段階を実行し、前記差分推移に周期変動がないと判定した場合には、前記管理コンピュータが、前記傾向関数を用いて前記商品の需要を予測する段階をさらに有することを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の需要予測方法において、前記周期変動判定段階は、ペリオドグラムを用いて行なうことを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の需要予測方法において、前記周期関数の周期には、前記ペリオドグラムにおいて同調強度が最大値になる周期を用いることを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、商品の提供量についての実績推移に関するデータを記録した実績データ記憶手段と管理コンピュータとを用いて、前記商品の需要を予測する需要予測プログラムであって、前記管理コンピュータを、前記実績データ記憶手段に記録された実績推移に基づいて、傾向関数を算出する傾向算出手段と、前記実績推移から傾向関数を差し引いた差分推移を算出する差分算出手段と、前記差分推移に対応した周期関数を算出する周期関数算出手段と、前記周期関数と前記傾向関数とを合成した関数を用いて前記商品の需要を予測する需要予測算出手段として機能させることを要旨とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の需要予測プログラムにおいて、前記周期関数は、2次関数と三角関数とを乗算した合成関数を含んで構成されることを要旨とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の需要予測プログラムにおいて、前記需要予測プログラムは、前記管理コンピュータを、前記差分推移に対して周期変動を判定する周期変動判定手段としてさらに機能させ、前記差分推移に周期変動があると判定した場合のみ、前記管理コンピュータを、前記周期関数算出手段及び前記需要予測算出手段として機能させ、前記差分推移に周期変動がないと判定した場合には、前記管理コンピュータを、前記傾向関数を用いて前記商品の需要を予測する手段をさらに機能させることを要旨とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の需要予測プログラムにおいて、前記周期変動判定手段は、ペリオドグラムを用いて行なうことを要旨とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の需要予測プログラムにおいて、前記周期関数の周期には、前記ペリオドグラムにおいて同調強度が最大値になる周期を用いることを要旨とする。
【0016】
(作用)
請求項1又は6記載の発明によれば、管理コンピュータが、実績データ記憶手段に記録された実績推移に基づいて、傾向関数を算出する。次に、実績推移から傾向関数を差し引いた差分推移を算出する。さらに、前記差分推移に対応した周期関数を算出し、前記周期関数と前記傾向関数とを合成した関数を用いて前記商品の需要を予測する。このため、商品の販売等の開始から終了までのライフサイクルを考慮した需要傾向に、季節変動等の周期変動を加味して、より的確な需要予測を行なうことができる。
【0017】
請求項2又は7に記載の発明によれば、前記周期関数は、2次関数と三角関数とを乗算した合成関数を含んで構成される。周期変動の成分には、商品は需要に応じた振幅を有する傾向がある。そして、商品の開始時期と終了時期は需要が少なくなり、それに応じて周期の振幅の幅が狭くなる。このため、商品の開始・終了時期に共通した傾向を2次関数で振幅の幅を調整し、周期的に変動する成分を三角関数で表わすことができる。従って、商品の需要を、より的確に予測することができる。
【0018】
請求項3又は8に記載の発明によれば、前記管理コンピュータが、前記差分推移に対して周期変動を判定する。そして、前記差分推移に周期変動があると判定した場合のみ、前記管理コンピュータが、前記差分推移に対応した周期関数を算出し、この周期関数と前記傾向関数とを合成した関数を用いて前記商品の需要を予測する。さらに、前記差分推移に周期変動がないと判定した場合には、前記管理コンピュータが、前記傾向関数を用いて前記商品の需要を予測する。このため、周期関数の算出は、周期変動があると判定した場合のみ行なわれるので、管理コンピュータの計算負荷を軽減することができる。
【0019】
請求項4又は9に記載の発明によれば、周期変動判定段階は、ペリオドグラムを用いて行なう。このため、ペリオドグラムを用いて効率的に周期変動の有無を判定することができる。
【0020】
請求項5又は10に記載の発明によれば、周期関数の周期には、前記ペリオドグラムにおいて同調強度が最大値になる周期を用いる。このため、最も確からしい周期を用いて周期関数を算出することができ、より適切な需要予測を行なうことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した需要予測処理の一実施形態を図1〜図17にしたがって説明する。本実施形態では、後述するように、傾向関数に対して一定条件の下で周期関数を適用して、商品としてのサービスパーツの需要予測を行なう。具体的には、顧客に提供した製品のサービスパーツの受注実績に基づいて、サービスパーツの需要予測を行なう場合に用いる需要予測方法及び需要予測プログラムとして説明する。ここで、サービスパーツとは、消耗や故障等においてサービスを伴って交換を行なうパーツを意味する。このパーツは製品の機能を維持するための最小単位であり、サービスパーツは部品のみならず、パーツを組み合わせたユニットをも含む。
【0022】
本実施形態では、図1に示すように、受注システム10を用いて受注実績が入力される。さらに、この受注システム10に出力される需要予測に基づいて発注指示が行なわれる。この受注システム10はサービスパーツを管理するサービスパーツ管理部門に設置され、販売拠点やサービス拠点等での受注実績が入力され、生産部門や購買部門等に対する発注指示を出力する。
【0023】
受注システム10は、ネットワークNを介してデータを送信する機能や、受信したデータを表示する機能等を有するコンピュータ端末である。この受注システム10は、図示しないCPU、RAM、ROMの他、キーボード、マウス等の入力手段、ディスプレイ等の出力手段、通信インターフェイス等の通信手段等を有する。
【0024】
また、受注システム10は、図1に示すように、ネットワークNを介して需要予測システム20に接続されている。需要予測システム20は、需要予測に関する各種データ処理を行なうコンピュータシステムである。この需要予測システム20は、管理コンピュータ21を備えている。
【0025】
この管理コンピュータ21は、受注システム10との間でのデータ送受信や、需要予測を実行するための各種データの管理処理等を行なう。この管理コンピュータ21は、図示しないCPU、RAM、ROM等を有し、後述する処理(傾向算出段階、差分算出段階、周期関数算出段階、需要予測算出段階、周期変動判定段階等を含む処理)を行なう。そのための需要予測プログラムを実行することにより、管理コンピュータ21は、傾向算出手段、差分算出手段、周期関数算出手段、需要予測算出手段、周期変動判定手段等として機能する。
【0026】
さらに需要予測システム20は、プロフィールデータ記憶部22、及び実績データ記憶手段としての受注実績データ記憶部23を備えている。
プロフィールデータ記憶部22には、図2に示すように、需要予測を行なうサービスパーツに関するプロフィールデータ220が記録されている。このプロフィールデータ220は、サービスパーツが提供可能な状態になった場合に設定される。プロフィールデータ220は、サービスパーツ毎に、サービスパーツ識別子、サービスパーツ名称及び開放月に関するデータを含んで構成される。
【0027】
サービスパーツ識別子データ領域には、サービスパーツを特定するための識別子に関するデータが記録される。例えば、サービスパーツ識別子としては部品番号等が用いられる。
【0028】
サービスパーツ名称データ領域には、サービスパーツの名称に関するデータが記録される。
開放月データ領域には、サービスパーツを提供するために、サービスパーツ識別子を各サービス拠点に開放(拡布)した年月に関するデータが記録される。
【0029】
受注実績データ記憶部23には、図3に示すように、各サービスパーツに関する受注実績データ230が記録されている。この受注実績データ230は、サービスパーツ識別子の開放後に設定され、受注システム10から確定した受注実績を受信した場合に追加記録される。受注実績データ230には、サービスパーツ毎に、サービスパーツ識別子及び受注実績に関するデータが相互に関連づけられて記録される。
【0030】
サービスパーツ識別子データ領域には、受注実績のあったサービスパーツを特定するための識別子に関するデータが記録される。
受注実績データ領域には、商品の提供量として、サービスパーツの受注量に関するデータが、受注月に関するデータとともに記録される。本実施形態では、この受注量は月単位で記録されており、実績推移を構成する。この受注実績は、実績が確定したときに追加記録される。したがって、サービスパーツは開放月によって受注実績の数(n)が異なり、それに応じたデータ数が記録される。
【0031】
上記のように構成されたシステムにおいて、サービスパーツの需要予測を行なう場合の処理手順を、図4〜図17を用いて説明する。
まず、管理コンピュータ21は、商品としてのサービスパーツの属性に基づいてワイブル成長モデルの適用の可否を判定する。本実施形態では、後述するように、属性として受注実績期間、ピークの有無、流動性を用いる。
【0032】
まず、管理コンピュータ21は、サービスパーツの受注実績期間により処理を振り分ける期間判定を行なう。本実施形態では、受注実績期間が18ヶ月以上かどうかによって処理方法を分ける(S1−1)。本実施形態において需要予測に用いるワイブル成長モデルは、過去の実績から次の受注量を予測する手法であるため、ある程度の受注実績期間が必要となるからである。そのため、管理コンピュータ21は、受注予測を行なうサービスパーツに関して、プロフィールデータ記憶部22に記録された開放月から受注実績期間を特定する。
【0033】
(受注実績期間が18ヶ月以上の処理)
ここで、受注実績期間が18ヶ月以上の場合(ステップ(S1−1)において「Yes」の場合)、管理コンピュータ21は受注量の累積量推移を算出する(S1−2)。本実施形態では、すべての受注量を用いて累積量推移を算出する。このため、管理コンピュータ21は受注実績データ記憶部23から過去の受注実績を抽出する。本実施形態では、60ヶ月間の受注実績があるものとする。
【0034】
そして、各月の受注実績をその前の月の累積総和に加算していくことにより、月毎の累積量推移(累積推移)を算出する。ここで、一例を図11に示す受注実績グラフ500を用いて説明する。ここで、受注実績グラフ500の受注実績推移501は、60ヶ月前(1月)を原点として現在(60月)までのサービスパーツの受注個数を表している。
【0035】
図11に示す受注実績推移から累積量推移を算出したものを、図12に示す累積量推移グラフ510に示す。ここで、累積量推移グラフ510の累積受注実績推移511は、1月からの受注個数を60月まで月毎に加算した累積個数を表わしている。
【0036】
次に、管理コンピュータ21は成長モデルを適用して傾向曲線の算出処理を行なう(S1−3)。ここで、傾向曲線は、需要傾向を表わした傾向関数によって生成される曲線である。この傾向曲線の算出処理を、図5を用いて説明する。まず、管理コンピュータ21はピーク判定処理を行なう(S2−1)。このピーク判定処理を、図6を用いて説明する。ここでは、受注実績がピークを過ぎているか否かを判別するために、ピーク判定基準期間として過去60ヶ月間の受注量に対して主成分分析を行なう。具体的には、管理コンピュータ21は、各月の受注量に対して、所定の重み付けを行ない、それを総和することによって、第1主成分及び第2主成分の各主成分を算出する。この場合、この重み付けに用いる因子負荷量(L1(i)、L2(i))の値の組み合わせによって、主成分の指標の持つ意味が異なる。
【0037】
この処理では、受注実績が所定量(ここでは「1」)以上になった時期以降の実績を用いる。
なお、このサービスパーツの受注実績が60ヶ月未満の場合には、管理コンピュータ21は、受注実績データ記憶部23に記録された受注実績期間を60ヶ月に引き伸ばした拡張推移を生成し、この拡張推移を各月に割り当て直すことにより受注量を見積もる。
【0038】
まず、管理コンピュータ21は、受注実績の基準化を行なう(S3−1)。ここでは、受注実績Y(i)の平均が「0」で標準偏差が「1」になる基準化受注実績Yn(i)を算出する。具体的には、各月の受注個数から平均値を差し引いた値を標準偏差で除算することにより、基準化受注実績Yn(i)を算出する。
【0039】
次に、管理コンピュータ21は、第1主成分の算出を行なう(S3−2)。第1主成分は、図6に示す因子負荷量31を基準化受注実績Yn(i)に乗算し、総和することにより算出する。
【0040】
次に、管理コンピュータ21は、第2主成分の算出を行なう(S3−3)。第2主成分は、図6に示す因子負荷量32を基準化受注実績Yn(i)に乗算し、総和することにより算出する。
【0041】
因子負荷量L1(i)として図6に示す因子負荷量31を用いる場合、第1主成分は増減傾向によって変化し、減少傾向の実績推移を有するサービスパーツは大きく、増加傾向のパーツは小さくなる。また、因子負荷量L2(i)として図6に示す因子負荷量32を用いる場合、第2主成分は凹凸型傾向によって変化し、凸型形状(山型)の実績推移を有するサービスパーツの値が大きくなる。このようにして第1主成分及び第2主成分の算出後、図5に示す処理に戻る。
【0042】
そして、管理コンピュータ21は、算出した第1主成分と第2主成分とをパラメータとする関数値と所定値とを比較することにより、ピーク経過の判定を行なう(S2−2)。ここでは、関数値が所定値より大きい場合には、サービスパーツの受注量が既にピークを経過していると判定する。
【0043】
ピークを経過していると判定された場合(ステップ(S2−2)において「Yes」の場合)、管理コンピュータ21はサービスパーツの受注量の流動レベルが高いかどうかを判定する流動性判定を行なう(S2−3)。本実施形態では、サービスパーツの受注期間の中で最も大きく流動していた一定期間の平均値(Max平均)を用いて判定する。管理コンピュータ21は、Max平均が所定量以上である場合には、流動レベルが高いと判定する。
【0044】
流動レベルが高い場合(ステップ(S2−3)において「Yes」の場合)、管理コンピュータ21はワイブル成長モデルを用いてフィッティングを行なう。このため、管理コンピュータ21はワイブル成長モデルの適用パラメータ推定処理を行なう(S2−4)。このワイブル成長モデルの適用パラメータ推定処理を、図7を用いて説明する。このワイブル成長モデルは、ワイブル分布の累積した累積分布である。
【0045】
ここでは、予め準備された複数の初期値を用いる。この初期値は、ワイブル成長モデルのモデル関数のパラメータとして用いられる。ワイブル成長モデルのモデル関数は図7に示す式(1)で表される。ここで、「Ye(i)」は累積受注個数予測値であり、「X(i)」は、開放月からの月数である。「Top」は累積上限値であり、パーツの開放月から打切りまでの総受注量の予測値である。また、「m」は形状パラメータであり、累積量推移の形状を決定する値である。「η」は尺度パラメータであり、累積総数の約63%地点を予測する値である。「γ」は位置パラメータであり、開放時期と需要予測に用いる期間の原点との差を補正する値である。
【0046】
まず、管理コンピュータ21は、準備された初期値の中から、この処理で用いる初期値(Top0、m0、η0、γ0)を選択する(S4−1)。
次に、管理コンピュータ21は、選択した初期値を用いて、ワイブル成長モデルのモデル関数における各パラメータの算出を行なう(S4−2)。本実施形態では、受注実績とワイブル成長モデルの関数から得られる理論値の差の二乗和(Se)が最小となるようなパラメータを決定する最小二乗法を用いる。この二乗和(Se)は、図7に示す式(2)によって表される。ここでは、推定するパラメータに対してモデル関数が非線形であるため、ニュートン・ラフソン法(Newton−Raphson法)という数値解析手法を用いることによりパラメータを決定する。具体的には、選択した初期値(Top0、m0、η0、γ0)から、二乗和(Se)の微分係数を用いて各パラメータの繰り返し計算を行なうことにより、収束する近似解を求める。これにより、累積予測関数として、近似解をパラメータに有するモデル関数が算出される。
【0047】
なお、収束しない場合には、管理コンピュータ21は他の初期値を選択して再計算を行なう。
そして、収束した近似解を算出できた場合、及び準備された全初期値を用いても収束しなかった場合には、図5の処理に戻る。
【0048】
図5の処理においては、ワイブル成長モデルを用いて推定処理ができたかどうかによって処理が異なる(S2−5)。ワイブル成長モデルを適用することにより近似解が得られた場合(ステップ(S2−5)において「Yes」の場合)には、管理コンピュータ21は、算出したパラメータを用いるワイブル成長モデルを用いて傾向曲線の算出処理を行なう(S2−7)。この傾向曲線の算出処理については後述する。
【0049】
一方、サービスパーツの受注量がピークを経過していないと判定された場合(ステップ(S2−2)において「No」の場合)、管理コンピュータ21は、他のモデルを用いてのフィッティングを行なうための適用処理を行なう(S2−6)。この他のモデルの適用処理を、図8を用いて説明する。この処理においても、図4のステップ(S1−2)で算出した累積量推移を用いる。
【0050】
ここでは、管理コンピュータ21は他のモデルの適用を行なう(S5−1)。本実施形態では、図8に示すように、他のモデルとして、「累積2次モデル」、「累積3次モデル」及び「累積4次モデル」を用いる。ここで、「累積2次モデル」、「累積3次モデル」、「累積4次モデル」とは、それぞれ2次、3次、4次の重回帰モデルである。ここでも、ステップ(S4−2)の処理と同様に、最小二乗法を用いてモデル関数のパラメータの算出を行なう。
【0051】
そして、管理コンピュータ21は予測モデルの中から最適モデルの選択処理を行なう(S5−2)。ここでは、モデル関数と実績との差分が最小になるモデル関数を採用する。そして、図5に示す処理に戻る。
【0052】
なお、図5に示す流動レベルが低い場合(ステップ(S2−3)において「No」の場合)や、ワイブル成長モデルを適用した時に解が収束しなかった場合(ステップ(S2−5)において「No」の場合)も、管理コンピュータ21は、上述した図8に示す他のモデルの適用処理を行なう(S2−6)。
【0053】
ステップ(S2−4)又はステップ(S2−6)により、モデル関数を用いてフィッティングが行なわれた様子を図13に示す累積量推移グラフ520を用いて説明する。この累積量推移グラフ520には、累積受注実績推移511に対してモデル関数を用いて算出した累積フィッティング曲線521が表示されている。
【0054】
次に、管理コンピュータ21は傾向曲線の算出を行なう(S2−7)。ここでは、ステップ(S2−4)又はステップ(S2−6)で特定されたモデル関数の微分を行なうことにより傾向関数を算出し、月毎の予測受注量を算出する。この様子を図14に示す受注実績グラフ530を用いて説明する。図14には、受注実績推移501に対して、予測受注量を表示した傾向曲線531を示されている。傾向曲線531は、図13の累積量推移グラフ520の傾き(微分係数)を計算することにより算出される。このように、傾向曲線を算出後、図4に示す処理に戻る。
【0055】
そこで、管理コンピュータ21は、サービスパーツの受注量推移に周期変動があるかどうかを判定するため周期変動判定処理を行なう(S1−4)。この周期変動判定処理を、図9を用いて説明する。本実施形態では、公知のペリオドグラムを用いて判定する。
【0056】
まず、管理コンピュータ21は受注実績と傾向曲線との差分から差分推移を算出する(S6−1)。この差分推移は、受注実績(実績推移)と傾向関数との差分により算出される。ここで、例えば、図14に示す受注実績推移501と傾向曲線531とを用いて説明する。両者の差分を算出することにより、図15に示す差分グラフ600が得られる。この差分グラフ600には、受注実績と傾向曲線との差分を月毎に表示した差分曲線601が表されている。
【0057】
次に、管理コンピュータ21は、算出した差分に対して同調強度を算出する(S6−2)。ここでは、この同調強度は図9に示す式(3)を用いて、6ヶ月周期又は12ヶ月周期の同調強度を算出する。ペリオドグラムでは、ある周期(μ)で振幅する三角関数と実データ(残差)を同調させることを考える。このようにして考えられた統計量を同調強度と呼ぶ。実データが周期(μ)で振幅している場合、同調強度は大きくなり、周期(μ)とはまったく異なる動きをしている場合、同調強度は小さくなる。なお、検定にはシェスターの検定を用いる。具体的には、同調強度が1%有意点より大きくなる場合には周期性がある判定し、その中で同調強度が最大になるものを周期として用いる。そして、図4に示す処理に戻る。
【0058】
同調強度が1%有意点より大きくなり周期性があると判定される場合(ステップ(S1−5)において「Yes」の場合)、管理コンピュータ21は季節変動を予測する周期変動モデルの適用処理を行なう(S1−6)。
【0059】
この処理を、図10を用いて説明する。まず、管理コンピュータ21は、受注実績と傾向曲線との差分推移に、周期関数を用いた周期変動モデルを用いてフィッティングを行なう(S7−1)。ここで、差分としては、ステップ(S1−4)で算出したものを用いる。本実施形態では、周期変動モデルのモデル関数として、図10に示す式(4)の「2次Sinモデル」を適用する。この「2次Sinモデル」は、2次関数と三角関数とを乗算した合成関数を含んで構成される。ここで、「D」は、受注実績と傾向曲線との差分の予測値である。また、「X(1−i)」は、開放月からの通し月であり、「X(2−i)」は1月から12月までを示す月である。また、「ProD」はペリオドグラムを用いて算出した周期であり、6ヶ月周期の場合には「6」、12ヶ月周期の場合には「12」を用いる。k1〜k3、d、Cは、フィッティングのためのパラメータである。このパラメータを変化させることによりフィッティングを行なう。例えば、差分グラフ600に示す差分曲線601に対してフィッティングを行なった場合、図16に示す周期曲線621のような周期変動モデルが得られる。
【0060】
そして、管理コンピュータ21は、フィッティングさせて特定したパラメータを用いて算出した周期変動モデルの周期関数と、ステップ(S2−7)で算出した傾向曲線(傾向関数)とを合成して需要予測曲線を生成する(S7−2)。例えば、図14に示す傾向曲線531に、図16に示す周期曲線621を合成した場合、図17に示す受注実績グラフ630のようになる。このように、受注実績推移501、傾向曲線531に対して、需要予測曲線631を引くことができる。このように、周期性がある場合には、傾向関数と周期関数とを合成して生成した関数を需要予測モデルを選択する。
【0061】
そして、図10に示す周期変動モデルの適用処理を終了した場合、図4に示す処理に戻る。なお、図4において、同調強度が小さく周期性がないと判定される場合(ステップ(S1−5)において「No」の場合)、ステップ(S1−6)の処理をスキップし、ステップ(S1−3)で算出した傾向曲線(傾向関数)を需要予測モデルとして用いる。
【0062】
(受注実績期間が18ヶ月未満の処理)
また、図4のステップ(S1−1)において「No」の場合、すなわち受注実績期間が18ヶ月未満の場合、管理コンピュータ21は受注量の累積量推移を算出する(S1−7)。
【0063】
次に、管理コンピュータ21は他のモデルの適用を行なう(S1−8)。本実施形態では、図4に示すように、ここでの他のモデルとして「累積2次モデル」、「6ヶ月平均モデル」、「12ヶ月平均モデル」を用いる。ステップ(S1−7)で算出した累積量推移は、累積2次モデルを適用する場合に用いられる。
【0064】
ここで、「累積2次モデル」とは2次の重回帰モデルである。「6ヶ月平均モデル」とは受注量直近6ヶ月平均値、「12ヶ月平均モデル」とは、受注量直近12ヶ月平均値である。
【0065】
そして、管理コンピュータ21は最適モデルの選択処理を行なう(S1−9)。ここでは、フィッティング結果と実績との差分を算出し、差分が最小になるモデルを需要予測モデルとして採用する。
【0066】
(需要予測の出力処理)
そして、管理コンピュータ21は、ステップ(S1−3)、ステップ(S1−6)又はステップ(S1−9)で選択された需要予測モデルを用いて、将来の需要を予測し、この結果を、ネットワークNを介して受注システム10に出力する(S1−10)。この需要予測を用いることにより、サービスパーツ管理部門は需要に応じた発注指示を行なうことができる。
【0067】
上記実施形態の需要予測処理によれば、以下のような効果を得ることができる。
・ 上記実施形態では、管理コンピュータ21は、サービスパーツの受注量推移に周期変動があるかどうかを判定するため周期変動判定処理を行なう。例えば、季節変動等の周期変動のないサービスパーツに対して周期変動モデルを適用すると、ケースによっては予測値が暴走する場合がある。このため、より的確に需要予測を行なうことができる。また、周期変動モデルの適用には計算負荷がかかるが、周期変動のないサービスパーツに対して周期変動モデルを適用することなく、効率的に需要予測を行なうことができる。
【0068】
・ 上記実施形態では、管理コンピュータ21はペリオドグラムを用いて周期性の有無を判定する。このため、同調強度を用いて効率的に周期性を判定することができる。
【0069】
・ 上記実施形態では、管理コンピュータ21は、受注実績と傾向関数との差分推移を算出し、この差分推移に対して周期変動モデルを適用する。この場合、周期変動モデルのモデル関数(周期関数)として、2次関数と三角関数とを乗算した合成関数を含んで構成される「2次Sinモデル」を用いる。サービスパーツの需要変動は、受注量に応じて変化する。「2次Sinモデル」は、サービスパーツの受注開始時期や受注終了時期に比べ、ピーク時期の振幅を大きくしながら周期成分を表わすことができる。このため、より的確にサービスパーツの周期変動を予測することができる。
【0070】
・ 上記実施形態では、管理コンピュータ21はワイブル成長モデルを用いてサービスパーツの需要予測を行なう。ワイブル分布は、通常、成長モデルには利用されない分布であるが、信頼性工学の分野で製品寿命を推定する際に広く用いられる分布である。このため、予測対象であるサービスパーツの需要は、製品の寿命・故障率等の製品の信頼性に関わる分野に密接な関係がある。従って、製品の機能を維持するためサービスパーツの需要を、より的確に予測することができる。
【0071】
・ 上記実施形態では、管理コンピュータ21は、受注実績期間が18ヶ月以上の場合にワイブル成長モデルを用いてサービスパーツの需要予測を行なう。ワイブル成長モデルは、過去の実績から次の受注量を予測する手法であるため、所定の受注実績期間に基づいて、より的確な需要予測を行なうことができる。
【0072】
・ 上記実施形態では、管理コンピュータ21は、サービスパーツの受注量推移がピークを過ぎている場合にワイブル成長モデルを用いて需要予測を行なう。ワイブル成長モデルはサービスパーツにより、サービスパーツの受注開始から受注終了までのライフサイクルを描くものである。そのために最終の累積量(累積上限値)がどの程度になるのかを予測する。累積上限値を予測するためにはサービスパーツの受注量がピークを過ぎて落ち始めていないと予測が困難である。受注量が上昇傾向にあるパーツに対してワイブル成長モデルを適用すると、その累積上限値が予測できないために解析不能になったり、間違ったピークを付与しまったりすることがある。このため、サービスパーツの受注量推移がピークを過ぎている場合にワイブル成長モデルを適用することにより、より的確な需要予測を行なうことができる。
【0073】
・ 上記実施形態では、管理コンピュータ21は、サービスパーツの流動レベルが高い場合にワイブル成長モデルを用いて需要予測を行なう。サービスパーツの中には、月に数万個単位で流動するものから月に1個〜2個程度しか流動しないものまで様々な流動レベルで推移する。流動レベルが低いところで推移しているサービスパーツの推移が不安定でまた変動バラツキも大きく、これまでの受注量の傾向が変わってしまうこともある。このため、流動レベルが高いところで推移し、受注量の推移が安定しているサービスパーツを対象としてワイブル成長モデルを適用することにより、より的確な需要予測を行なうことができる。
【0074】
・ 上記実施形態では、管理コンピュータ21がピーク判定処理を行なう。このピーク判定処理では、管理コンピュータ21は、各月の受注量に対して、所定の重み付けを行ない、それを総和することによって、第1主成分及び第2主成分の各主成分を算出する。因子負荷量L1(i)として、図6に示す因子負荷量31を用いる場合、第1主成分は、減少傾向のサービスパーツは大きく、増加傾向のパーツは小さくなる。また、因子負荷量L2(i)として、図6に示す因子負荷量32を用いる場合、第2主成分は、山型のサービスパーツの値が大きくなる。そして、管理コンピュータ21は、算出した第1主成分と第2主成分とをパラメータとする関数値と所定値とを比較することにより、ピーク経過の判定を行なう。このため、管理コンピュータ21は、受注実績がピークを過ぎているか否かを、効率的に判別することができる。
【0075】
・ 上記実施形態では、ピーク判定処理を行なう場合、管理コンピュータ21は受注実績の基準化を行なう。このため、受注量はサービスパーツによって、その規模がまったく異なる場合においても、同じ尺度でピーク判定を行なうことができる。
【0076】
・ 上記実施形態では、サービスパーツの受注実績が60ヶ月未満の場合には、管理コンピュータ21は、受注実績データ記憶部23に記録された受注実績期間を60ヶ月に引き伸ばし、各月に割り当て直すことにより受注量を見積もる。このため、受注実績が60ヶ月以上あるサービスパーツと同様に、因子負荷量(L1(i)、L2(i))として、因子負荷量31や因子負荷量32を用いることができる。
【0077】
・ 上記実施形態では、受注実績期間が18ヶ月未満の場合、管理コンピュータ21はワイブル成長モデル以外のモデルの適用を行なう。本実施形態では、「累積2次モデル」、「6ヶ月平均モデル」、「12ヶ月平均モデル」を用いる。また、サービスパーツの受注量がピークを経過していないと判定された場合、ワイブル成長モデル以外のモデルを用いてのフィッティングを行なうための適用処理を行なう。本実施形態では、「累積2次モデル」、「累積3次モデル」及び「累積4次モデル」を用いる。これらのモデルは、流動レベルが低い場合や、ワイブル成長モデルを適用したときに解が収束しなかった場合にも用いられる。ワイブル成長モデルはすべてサービスパーツに対して適用できる訳でない。ワイブル成長モデルが不適合と判定されたサービスパーツに対しては、ワイブル成長モデルとは別の予測モデルを複数用意されているので、より的確な需要予測を行なうことができる。
【0078】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 上記実施形態では、サービスパーツの需要予測を行なう。需要予測の対象はこれに限られるものではなく、季節変動等の周期変動を含む可能性がある商品であればよい。
【0079】
・ 上記実施形態では、傾向曲線の算出処理において、ワイブル成長モデルを用いる。また、ワイブル成長モデルを適用できない場合には、「累積2次モデル」、「累積3次モデル」及び「累積4次モデル」を用いて傾向関数を算出する。傾向関数の算出方法はこれに限られるものではなく、これらに代えて、管理コンピュータ21は他の成長モデルやこれらのモデルの一部等を用いて傾向曲線を算出してもよい。
【0080】
・ 上記実施形態では、管理コンピュータ21は、算出した差分に対して同調強度を算出する。ここでは、6ヶ月周期又は12ヶ月周期の同調強度を算出する。これに代えて、1月から12月までのすべての月や、12の約数の月の周期性の同調強度を算出してもよい。これにより、特殊な周期の商品の需要を予測できる。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、所定の商品に関して周期変動を考慮して、効率的かつ的確に需要を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のシステム概略図。
【図2】プロフィールデータ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図3】受注実績データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図4】本実施形態の処理手順の説明図。
【図5】本実施形態の処理手順の説明図。
【図6】本実施形態の処理手順の説明図。
【図7】本実施形態の処理手順の説明図。
【図8】本実施形態の処理手順の説明図。
【図9】本実施形態の処理手順の説明図。
【図10】本実施形態の処理手順の説明図。
【図11】本実施形態の受注量推移を示すグラフ。
【図12】本実施形態の累積量推移を示すグラフ。
【図13】本実施形態の累積量推移を示すグラフ。
【図14】本実施形態の受注量推移を示すグラフ。
【図15】本実施形態の受注実績と傾向曲線との差分を示すグラフ。
【図16】本実施形態の受注実績と傾向曲線との差分を示すグラフ。
【図17】本実施形態の受注量推移を示すグラフ。
【符号の説明】
20…需要予測システム、21…管理コンピュータ、23…実績データ記憶手段としての受注実績データ記憶部。
Claims (10)
- 商品の提供量についての実績推移に関するデータを記録した実績データ記憶手段と管理コンピュータとを用いて、前記商品の需要を予測する需要予測方法であって、
前記管理コンピュータが、
前記実績データ記憶手段に記録された実績推移に基づいて、傾向関数を算出する傾向算出段階と、
前記実績推移から傾向関数を差し引いた差分推移を算出する差分算出段階と、
前記差分推移に対応した周期関数を算出する周期関数算出段階と、
前記周期関数と前記傾向関数とを合成した関数を用いて前記商品の需要を予測する需要予測算出段階と
を含むことを特徴とする需要予測方法。 - 前記周期関数は、2次関数と三角関数とを乗算した合成関数を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の需要予測方法。
- 前記需要予測方法は、
前記管理コンピュータが、前記差分推移に対して周期変動を判定する周期変動判定段階をさらに含み、
前記差分推移に周期変動があると判定した場合のみ、前記管理コンピュータが、前記周期関数算出段階及び前記需要予測算出段階を実行し、
前記差分推移に周期変動がないと判定した場合には、
前記管理コンピュータが、前記傾向関数を用いて前記商品の需要を予測する段階をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の需要予測方法。 - 前記周期変動判定段階は、ペリオドグラムを用いて行なうことを特徴とする請求項3に記載の需要予測方法。
- 前記周期関数の周期には、前記ペリオドグラムにおいて同調強度が最大値になる周期を用いることを特徴とする請求項4に記載の需要予測方法。
- 商品の提供量についての実績推移に関するデータを記録した実績データ記憶手段と管理コンピュータとを用いて、前記商品の需要を予測する需要予測プログラムであって、
前記管理コンピュータを、
前記実績データ記憶手段に記録された実績推移に基づいて、傾向関数を算出する傾向算出手段と、
前記実績推移から傾向関数を差し引いた差分推移を算出する差分算出手段と、
前記差分推移に対応した周期関数を算出する周期関数算出手段と、
前記周期関数と前記傾向関数とを合成した関数を用いて前記商品の需要を予測する需要予測算出手段
として機能させることを特徴とする需要予測プログラム。 - 前記周期関数は、2次関数と三角関数とを乗算した合成関数を含んで構成されることを特徴とする請求項6に記載の需要予測プログラム。
- 前記需要予測プログラムは、
前記管理コンピュータを、前記差分推移に対して周期変動を判定する周期変動判定手段としてさらに機能させ、
前記差分推移に周期変動があると判定した場合のみ、前記管理コンピュータを、前記周期関数算出手段及び前記需要予測算出手段として機能させ、
前記差分推移に周期変動がないと判定した場合には、
前記管理コンピュータを、前記傾向関数を用いて前記商品の需要を予測する手段をさらに機能させることを特徴とする請求項6又は7に記載の需要予測プログラム。 - 前記周期変動判定手段は、ペリオドグラムを用いて行なうことを特徴とする請求項8に記載の需要予測プログラム。
- 前記周期関数の周期には、前記ペリオドグラムにおいて同調強度が最大値になる周期を用いることを特徴とする請求項9に記載の需要予測プログラム。
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