JP2004233929A - 液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラビング法を使用することなく液晶分子の配向制御を容易にした液晶表示装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】第1の基板と第2の基板と当該基板間に注入された液晶層とを有する水平配向方式の液晶表示装置において、第1の基板および第2の基板に、親水性領域Aと疎水性領域Bとが交互に並んでいる配向膜5を形成したことにより、上記課題を解決した。このとき、隣り合う親水性領域Aと疎水性領域Bの境界線6が平行または略平行であることが好ましい。この液晶表示装置は、第1の基板表面および第2の基板表面に親水化処理可能な疎水性の配向膜を形成する工程、および、その配向膜の一部を親水化処理して親水性領域を形成する工程を含む製造方法により製造される。
【選択図】 図1
【解決手段】第1の基板と第2の基板と当該基板間に注入された液晶層とを有する水平配向方式の液晶表示装置において、第1の基板および第2の基板に、親水性領域Aと疎水性領域Bとが交互に並んでいる配向膜5を形成したことにより、上記課題を解決した。このとき、隣り合う親水性領域Aと疎水性領域Bの境界線6が平行または略平行であることが好ましい。この液晶表示装置は、第1の基板表面および第2の基板表面に親水化処理可能な疎水性の配向膜を形成する工程、および、その配向膜の一部を親水化処理して親水性領域を形成する工程を含む製造方法により製造される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、テレビジョン画像やコンピュータ画像などを表示する液晶表示パネルにおいて、液晶分子の配向制御を容易にした液晶表示装置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラー表示可能な液晶表示パネルを有する液晶表示装置の利用が急速に拡大している。一般的な液晶表示装置を構成する液晶表示パネルは、図7に示すように、第1の基板101と、これに対向する第2の基板102と、第1の基板および第2の基板間に介在する液晶層103とを備えた構造を有している。第1の基板の内側面には、マトリックス状に配置された画素領域に画素電極104および薄膜トランジスタ(TFT)105が形成され、さらにその画素電極上に液晶配向膜(図示しない)が形成されている。一方、第2の基板の内側面には、R(赤)・G(緑)・B(青)の各画素領域を有するカラーフィルター層107が形成されている。この第2の基板には、カラーフィルター層107以外に、漏れ光を遮蔽するブラックマトリクス層108が形成されている。また、カラーフィルター層上には共通透明電極109が形成され、さらにその共通透明電極上に液晶配向膜(図示しない)が形成されている。また、液晶層103は、第1の基板および第2の基板間に、各画素内の液晶分子のダイレクタが対向する基板面と平行または略平行な面内で回転するツイストネマチック(TN)等の液晶を注入することにより形成されている。
【0003】
こうした液晶表示パネルにおいては、第1の基板101と第2の基板102との間に所定の高さのスペーサ(図示しない)が任意の間隔で形成されており、セルギャップが一定の値となるように設計されている。さらに、液晶表示パネルの両外側面、すなわち第1および第2の基板の外側面には偏光板113、113が設けられると共に、第2の基板102側にバックライトが装着されている。そして、このバックライトから光を照射すると共に、画素電極104および共通透明電極109間の電圧を制御することにより、液晶の配列状態を制御してカラー画像を表示している。
【0004】
液晶配向膜の材料としては、従来よりポリビニルアルコール、ポリイミド、またはその前駆体であるポリアミック酸等の高分子材料が広く用いられている。また、液晶配向膜の成膜方法としては、例えばポリイミド等を有機溶媒に溶解させた溶液をスピンナー等により回転塗布し、焼成する等の方法が行われている。さらに、液晶配向膜の配向処理としてはフェルト布等を用いてラビングするラビング法が行われており、そのラビング法を施すことにより液晶配向能が付与されている。
【0005】
しかし、従来のラビング法においては、液晶配向膜をラビング布で擦る手法であるために、擦る際に発生する静電気またはラビング布のゴミが有する静電気によりTFTが損傷を受け、歩留まりが低下するという問題があった。また、ラビング布から発生するゴミやラビング時に巻き込んだゴミが液晶表示パネル内に残り、表示ムラ等の表示欠陥が生じたりするという問題もあった。
【0006】
こうした問題に対しては、従来より種々の提案がなされており、例えば下記特許文献1、2においては、凹凸パターンを有するマスク基板を利用し、感光性樹脂からなる被膜の表面を露光・現像してその凹凸パターンを転写する方法が提案され、ラビング法を用いない液晶配向膜を形成している。また、下記特許文献3においては、互いに非相溶となる2種類の高分子で形成したミクロ相分離構造の配向膜を形成することにより、ラビング法を用いない液晶配向制御を行っている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−325956号公報(段落番号0005〜0007)
【特許文献2】
特開平10−325957号公報(段落番号0005〜0007)
【特許文献3】
特開平5−323327号公報(段落番号0008〜0009)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のラビング法で生じている上述の問題を解決する他の手段の提供を目的とするものであって、ラビング法を使用することなく液晶分子の配向制御を容易にした液晶表示装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1の液晶表示装置は、第1の基板と第2の基板と当該基板間に注入された液晶層とを有する水平配向方式の液晶表示装置において、第1の基板および第2の基板には、親水性領域と疎水性領域とが交互に並んでいる配向膜が形成されていることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、水平配向方式の液晶表示装置において、その液晶分子の配向制御が、親水性領域と疎水性領域とが交互に並んでいる配向膜により行われる。すなわち、その配向膜に交互に並んだ親水性領域と疎水性領域とにより、液晶分子のダイレクタを両領域の境界線の延長方向に配向制御することができる。したがって、対向する基板面の間に注入された液晶分子は、両基板間で、そのダイレクタが対向する基板面と平行または略平行な面内で回転するように配向することとなる。こうした構造を有する液晶表示装置は、従来のようなラビング布を用いたときに生じる上述した問題を起こすことがなく、歩留まりの低下を起こさない。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の液晶表示装置において、隣り合う親水性領域と疎水性領域の境界線が平行または略平行であることを特徴とする。この発明によれば、液晶分子のダイレクタをその境界線の延長方向に配向制御することができる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置において、第1の基板に形成された配向膜の所定部位における親水性領域と疎水性領域の境界線と、前記所定部位に対向する第2の基板に形成された配向膜の所定部位における親水性領域と疎水性領域の境界線とが、平面視で約90°の角度になっていることを特徴とする。請求項4の発明は、請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置において、第1の基板に形成された配向膜の所定部位における親水性領域と疎水性領域の境界線と、前記所定部位に対向する第2の基板に形成された配向膜の所定部位における親水性領域と疎水性領域の境界線とが、平面視で約0°の角度になっていることを特徴とする。
【0013】
これらの発明によれば、対向する両基板の所定位置における親水性領域と疎水性領域の境界線が平面視で直交(または略直交)または平行(または略平行)となっているので、約90°の捻れ角をもつネマティック液晶分子や約180°の捻れ角をもつスーパーネマティック液晶分子の配向方向を規制することができる。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置において、液晶分子のダイレクタが前記基板面と平行または略平行な面内で回転するIPS(インプレインスイッチング)モードであることを特徴とする。請求項6の発明は、請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置において、液晶分子のダイレクタが前記基板面と平行または略平行な面内で約90°の捻れ角をもって回転するTN(ツイステッドネマチック)モードであることを特徴とする。
【0015】
これらの発明によれば、IPSモードやTNモード液晶表示装置に適用することができ、その液晶分子の配向方向を規制することができる。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶表示装置において、配向膜の疎水性領域は、フッ素系シリコーンまたはポリイミドで形成された疎水膜であり、親水性領域は、当該フッ素系シリコーン疎水膜またはポリイミド疎水膜に親水基が付与された親水膜であることを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決するための請求項8の液晶表示装置の製造方法は、第1の基板と第2の基板と当該基板間に注入された液晶層とを有し、第1の基板および第2の基板には親水性領域と疎水性領域とが交互に並んでいる配向膜が形成されている水平配向方式の液晶表示装置の製造方法であって、第1の基板表面および第2の基板表面に親水化処理可能な疎水性の配向膜を形成する工程、および、前記配向膜の一部を親水化処理して親水性領域を形成する工程、を含むことを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、形成された疎水性の配向膜の一部を親水化処理して親水性領域と疎水性領域を区画し、その境界線の延長方向に液晶分子のダイレクタを配向制御するので、従来のようなラビング処理を行ったり特殊構造の薄膜を形成しなくとも、極めて容易な工程により液晶分子の配向制御を可能にする配向膜を形成することができる。その結果、液晶分子の配向制御を可能にする液晶表示装置を効率的に製造することができ、コストダウンに寄与することができる。
【0019】
請求項9の発明は、請求項8に記載の液晶表示装置の製造方法において、前記の親水性領域を形成する工程において、親水化処理するマスクパターンが、隣り合う親水性領域と疎水性領域の境界線を平行または略平行にするパターン形状を有することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、親水性領域と疎水性領域のパターンをマスクパターンにより形成できるので、そのマスクパターンを用いた露光工程により、液晶分子の配向方向を規制するパターンを簡単に形成することができる。
【0021】
請求項10の発明は、請求項8または請求項9に記載の液晶表示装置の製造方法において、前記親水化処理が、光触媒層を有するマスクを用いた露光処理により行われることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、光触媒層を有するマスクを用いた露光処理により行われるので、露光時の光触媒の作用により疎水性領域の一部を極めて容易に親水性領域に変化させることができると共に、露光処理するだけで極めて容易に配向制御可能な表面を形成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液晶表示装置およびその製造方法について図面を参照しつつ説明する。
【0024】
(液晶表示装置)
本発明の液晶表示装置は、第1の基板と、第2の基板と、対向する基板間に注入された液晶層とを有する水平配向方式の液晶表示装置である。図1は、そうした水平配向方式の液晶表示装置において、第1の基板および第2の基板に形成された配向膜5の形態の一例を示す平面図であり、図2は、その配向膜5により配向制御された液晶分子4の配向形態の一例を示す平面図である。
【0025】
(配向膜)
配向膜5は、図1に示すように、親水性領域Aと疎水性領域Bとがストライプ状に交互に並んだ形態で形成される。液晶分子4の配向制御は、図1に示すような配向膜5により行われ、例えば図2に示すように、親水性領域Aと疎水性領域Bの境界線の延長方向に沿って液晶分子4のダイレクタが配向制御される。なお、ダイレクタとは、液晶分子4の平均的配向方向を表す単位ベクトルのことである。
【0026】
配向膜5に形成された親水性領域Aと疎水性領域Bとは、交互に隣り合う領域の境界線6が平行または略平行となるように形成されていることが好ましい。こうすることにより、液晶分子4のダイレクタを平行または略平行な境界線6の延長方向に制御することできる。
【0027】
親水性領域Aの幅WAと疎水性領域Bの幅WBについては特に限定されず、液晶分子の種類や配向パターンに応じて任意に設計することができるが、具体例としては、親水性領域Aの幅WAと疎水性領域Bの幅WBはいずれも10〜30μmの範囲内であることが好ましい。こうした範囲が好まし理由は、領域の幅が狭過ぎる場合には配向力が乏しくなる傾向となり、領域の幅が広過ぎる場合には液晶分子が基板に垂直に配向してしまう傾向となるからである。また、親水性領域Aの幅WAと疎水性領域Bの幅WBを一定にし、両領域を一定のピッチで繰り返し形成することが製造上の観点からも好ましい。
【0028】
配向膜5に形成された両領域の境界線の延長方向は、個々の画素内で一定方向となるように形成することができる。また、視野角補償のために画素内の液晶分子の配向方向を分割する場合、すなわち配向分割する場合には、画素内における両領域の境界線を異なる方向に形成して配向分割することが好ましい。配向分割の形態の例としては、境界線が放射状に延びた形態、境界線が矩形状となるようにした形態、境界線の延びる方向が画素内の区画ごと異なる形態等が挙げられる。
【0029】
本発明の水平配向方式の液晶表示装置を構成する液晶層3は、図3に示すように、各画素領域内の液晶分子4のダイレクタが対向する基板面1、2と平行または略平行な面内で回転するツイストネマチック(以下、TNと略することがある。)等の液晶を注入することにより形成されている。そして、液晶分子4は、両基板1、2の間の液晶層3の厚さ全体にわたって、ねじれ角約90°のねじれ配列をしている水平配列モードとなっている。なお、図3(a)は電圧オフの時のTN液晶分子4のダイレクタのねじれ配列の形態を示しており、図3(b)は電極間に電場を加えた時のTN液晶分子4のダイレクタの変形配列の形態を示している。
【0030】
こうした水平配向方式の液晶配向においては、電圧オフの時の液晶分子4に若干のチルトが生じてダイレクタが基板面に平行にならないものもある。本発明の液晶表示装置においては、液晶分子4のダイレクタの回転軸が基板面に直交する場合(すなわち、液晶分子4のダイレクタが基板面に平行となる場合)に限らず、ダイレクタの回転軸が基板面に直交しない場合(すなわち、液晶分子4のダイレクタが基板面に平行にならない場合)であっても、液晶分子4のダイレクタが対向する基板面と平行な面内で回転する水平配向方式の液晶表示装置を包含するものである。
【0031】
本発明の液晶表示装置においては、図3に示すように、両基板に上記の特徴を有する親水性領域と疎水性領域とが交互に並んだ配向膜5が形成されるので、両基板面における液晶分子4のダイレクタは、その両領域の形態に依存して配向規制される。
【0032】
例えば、図3における上側の基板1に形成された配向膜5の所定部位における親水性領域と疎水性領域の境界線と、その所定部位に対向する下側の基板2に形成された配向膜5の所定部位における親水性領域と疎水性領域の境界線とが、平面視で約90°の角度にした場合には、両基板に形成された境界線6を平面視で直交または略直交とすることができるので、約90°の捻れ角をもつネマティック液晶分子の配向方向を規制することができる。また、その角度を平面視で約0°の角度となる態様で両基板上の配向膜5を形成した場合には、両基板に形成された境界線6を平面視で平行または略平行とすることができるので、約180°の捻れ角をもつスーパーネマティック液晶分子の配向方向を規制することができる。
【0033】
こうした配向膜5は、液晶分子のダイレクタが基板面と平行または略平行な面内で回転するIPS(インプレインスイッチング)モードの水平配向方式からなる液晶表示装置の基板面に好ましく形成したり、液晶分子のダイレクタが基板面と平行または略平行な面内で約90°の捻れ角をもって回転するTN(ツイステッドネマチック)モードの水平配向方式の液晶表示装置に基板面に好ましく形成することができ、液晶分子の配向方向を規制することができる。
【0034】
配向膜5は、もともと疎水性であるが親水化処理をすることにより親水性とすることができる配向膜であり、例えば、疎水膜形成用のフッ素系シリコーン樹脂またはポリイミド樹脂等の疎水性樹脂で形成されてなるものである。なお、疎水膜形成用のフッ素系シリコーン樹脂としては、例えば、東芝シリコーン製等の撥水膜形成用のフッ素系シリコーン樹脂等々の市販の感光性樹脂を例示でき、また、疎水膜形成用のポリイミド樹脂としては、例えば疎水膜形成用のポリイミド樹脂組成物である日本合成ゴム製のJALS−688等々の市販の感光性樹脂を例示できる。配向膜5の厚さについては特に限定されないが、例えば10nm〜100nmであることが好ましい。
【0035】
(基板等)
次に、上述した配向膜5が形成される基板の一例について説明する。第1の基板1および第2の基板2は、図7の液晶表示装置に例示するように、カラーフィルター基板101とデバイス(TFT)基板102の何れかを構成している。なお、以下に説明する基板は本発明に適用される基板の一例を示すものであり、以下に記載の内容に限定されるものではない。例えば、TFT基板102に形成した一対の細線電極により横方向の電界を発生させ、液晶分子配列の方位角変化を引き起こすことで動作するIPSモードの液晶表示装置に対しても本発明を適用できる。
【0036】
カラーフィルター基板101は、基板112上にマトリクス状のカラーフィルター層107が形成された基板であり、さらに詳しくは、基板112の内側面に、R(赤)G(緑)B(青)の各画素領域を形成するカラーフィルター層107と、漏れ光を遮蔽するためにその画素領域の周縁部に形成されているブラックマトリクス層108とを有する基板である。カラーフィルター層107上には共通透明電極109が形成され、さらにその共通透明電極109上には液晶分子のダイレクタを一定方向に配列させる配向膜(図示しない。図1および図2に既述。)が形成されている。なお、本発明を構成するカラーフィルター基板101は、現在一般的に使用されている構成を有するものであれば特に限定されず、前記以外の構成を備えているものであっても構わない。
【0037】
一方、デバイス基板102は、基板112上にマトリクス状のTFT素子105が個々の画素領域として形成された基板であり、さらに詳しくは、基板112の内側面に、マトリックス状に配置された画素電極104、薄膜電界トランジスタ(TFT)素子105およびライン電極106が形成され、さらにその画素電極104上には、液晶分子のダイレクタを一定方向に配列させる配向膜(図示しない。図1および図2に既述。)が形成されている。なお、本発明を構成するデバイス基板102は、現在一般的に使用されている構成を有するものであれば特に限定されず、前記以外の構成を備えているものであっても構わない。
【0038】
なお、液晶表示装置において、基板112としては、ガラス基板または透明プラスチック基板等が挙げられ、画素電極104および透明電極109としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の透明電極が挙げられる。また、カラーフィルター基板101とデバイス基板102との間隔を所定の値にするためのスペーサが形成され、セルギャップを一定の値にしている。各基板の外側には、偏光板113が設けられ(図7参照)、デバイス基板側のさらに外側にはバックライトが設けられる。
【0039】
(液晶表示装置の製造方法)
次に、液晶表示装置の製造方法について説明する。本発明の液晶表示装置の製造方法は、上述した構成からなる液晶表示装置の製造方法であって、その特徴は、▲1▼第1の基板表面(例えばカラーフィルター基板の表面および第2の基板表面(例えばデバイス基板の表面)に親水化処理可能な疎水性の配向膜を形成する工程、および、前記配向膜の一部を親水化処理して親水性領域を形成する工程、を含むことにある。なお、液晶表示装置を製造するためのその他の製造工程、例えば図7に示すようなカラーフィルター層、ブラックマトリクス層、透明電極層、THT素子等の形成工程については従来公知の方法と同様である。
【0040】
上記▲1▼の工程において、親水化処理可能な配向膜を形成するための樹脂としては、上述した疎水膜形成用のフッ素系シリコーン樹脂または疎水膜形成用のポリイミド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、両基板の全面にスピンコート等の塗布手段や各種の印刷手段で塗布される。
【0041】
上記▲2▼の工程において、配向膜の一部を親水化処理する手段は、図4および図5に示すように、(i)配向膜である疎水性被膜を光触媒層34を有するマスク38で露光することにより、露光された部分のみを親水化して親水性領域36を形成する方法(図4を参照)、(ii)光触媒を含有する疎水性樹脂をコーティングして光触媒含有配向膜37を形成した後、その配向膜37を露光することにより、露光された部分のみを親水化する方法(図5を参照)、等を挙げることができる。
【0042】
上記(i)工程においては、疎水性の配向膜31として、上述したフッ素系シリコーン被膜やポリイミド被膜を挙げることができる。光触媒層を有するマスクを利用した親水化処理は、図4に示すように、先ず、マスクパターン33が形成された基板32上に光触媒層34を形成したマスク38と、疎水性の配向膜31が形成された第1の基板または第2の基板とを準備し(図4(a))、その光触媒層34を有するマスク38と疎水性の配向膜31とが所定の間隔となるように対向させ(図4(b))、そこに露光光35を照射することにより(図4(c))、親水性領域36を形成する処理方法である(図4(d))。
【0043】
この光触媒層34は、バインダー中に光触媒である酸化チタンを含有させたものである。酸化チタンは、アナターゼ型のものが好ましく、また、バインダー中に20〜40重量%の割合で含有させることが好ましい。酸化チタンの平均粒径はおよそ5〜20μmであることが好ましい。酸化チタンの代わりに、ZnOなどを光触媒として用いてもよい。こうした光触媒層34に例えば380nm以下の露光光35が照射されることにより、光触媒粒子内で光電気化学反応が起こり、露光された疎水性の配向膜31を酸化還元させることができる。その結果、疎水性の配向膜31の一部を親水性領域に変化させることができる。
【0044】
また、マスク38と疎水性の配向膜31との間隔は、光触媒反応により生じた活性酸素種等をその隙間に容易に発生させ、作用させることができる間隔であることが好ましく、およそ5〜20μmの間隔となるように配置することが好ましい。
【0045】
上記(ii)工程においては、疎水性の配向膜37として、上述した光触媒を含有するフッ素系シリコーン被膜やポリイミド被膜を挙げることができる。親水化処理は、図5に示すように、先ず、基板32上にマスクパターン33が形成されたマスク39と、光触媒を含有する疎水性の配向膜31が形成された第1の基板または第2の基板とを準備し(図5(a))、そのマスク39と、光触媒を含有する疎水性の配向膜37とを所定の間隔となるように対向させ(図5(b))、そこに露光光35を照射することにより(図5(c))、親水性領域36を形成する処理方法である(図5(d))。
【0046】
この疎水性の配向膜37は、バインダー中に光触媒である酸化チタンを含有させたものである。酸化チタンは、上記同様、アナターゼ型のものが好ましく、また、バインダー中に20〜40重量%の割合で含有させることが好ましい。酸化チタンの平均粒径はおよそ5〜20μmであることが好ましい。酸化チタンの代わりに、ZnOなどを光触媒として用いてもよい。こうした疎水性の配向膜37に例えば380nm以下の露光光35が照射されることにより、含有する光触媒粒子内で光電気化学反応が起こり、疎水性の配向膜を酸化還元させることができる。その結果、疎水性の配向膜の一部を親水性領域に変化させることができる。また、マスク340疎水性の配向膜37との間隔についても、上記(i)の場合と同様である。なお、(i)の工程と(ii)の工程とを比べると、(i)の工程をより好ましく適用することができる。
【0047】
図6は、疎水性の配向膜の一部が親水性領域に変化する表面反応の一例を示す説明図である。図6(a)は、疎水性の配向膜表面の側鎖に活性酸素種等がアタックし、その側差の結合を切断する様子を示しており、図6(b)は、切断された部位に水酸基が結合して親水性に変化する様子を示している。
【0048】
図6の表面反応を生じさせる親水化処理に際しては、疎水性の配向膜と光触媒層を有するマスクとを、所定の間隔(例えば5〜20μm)で配置することが好ましい。疎水性の配向膜と光触媒層を有するマスクとを所定の間隔に配置することにより、光触媒反応により生じた活性酸素種等をその隙間に容易に発生させることができる。活性酸素種等としては、光触媒粒子内での光電気化学反応に基づいて生じる活性酸素または活性水酸基が挙げられ、それらの活性酸素種等が図6(a)に示す側鎖(例えばアルキル側鎖)にアタックし、その側差の結合が切断される。側鎖が切断された部分には、その活性酸素種等が入れ替わって結合し、図6(b)に示す親水性に変化する。
【0049】
また、この製造方法においては、親水化処理により親水性領域を形成するためのマスクのパターン形状を、図1に示すような親水性領域と疎水性領域とを交互に配列したストライプ状の配向膜と同じ形状になるように形成する。さらに、そのパターン形状が、隣り合う親水性領域と疎水性領域の境界線が平行または略平行であることが好ましい。また、採用する液晶分子の種類により、第1の基板に形成された配向膜を親水化処理するマスクと、第2の基板に形成された配向膜を親水化処理するマスクとを、各マスクに形成された境界線が任意の角度となるように配置することが好ましい。例えば、約90°の捻れ角をもつネマティック液晶を採用する場合には、各マスクに形成された境界線が約90°、例えば70°〜110°程度の角度となるように各基板上にマスクを配置することが好ましい。一方、例えば、約180°の捻れ角をもつスーパーネマティック液晶を採用する場合には、各マスクに形成された境界線が約0°±20°の角度となるように各基板上にマスクを配置することが好ましい。
【0050】
本発明においては、所定形状の親水化処理パターン(例えば露光マスクパターン)を形成し、それを用いて親水化処理するという極めて簡単な方法により、液晶分子のツイスト構造を達成する配向規制パターンを形成することができる。
【0051】
以上のように、本発明の液晶表示装置の製造方法は、極めて容易な工程により液晶の配向制御を可能にする親水性領域を形成することができるので、液晶表示装置を効率的に製造することができ、コストダウンに寄与することができる。
【0052】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳しく説明する。
【0053】
(実施例1)
<カラーフィルター基板側の配向制御膜の形成工程>
先ず、透明電極109としてITOが形成されたカラーフィルター基板101を準備し、その透明電極109上に、親水化処理可能な疎水性樹脂組成物(疎水膜形成用樹脂であるポリイミド樹脂組成物、日本合成ゴム製のJALS−688)をスピンコートし、厚さ60nmの疎水性の配向膜を形成した。次に、その疎水性の配向膜上に、光触媒層33を有するマスク38を、約20μmの間隔を保持するように配置し、その後波長200〜370nmの紫外線で露光処理した。露光された部分は、疎水性領域から親水性領域に変化した。
【0054】
なお、マスク38は、基板32上にクロム薄膜からなる所定のマスクパターン33が形成され、さらにそのマスクパターン33上にアナターゼ型酸化チタン粒子を光触媒として含有する厚さ0.05〜0.5μmの光触媒層34が形成されている。マスクパターンは、図1に示すような親水性領域Aと疎水性領域Bとをストライプ状に配列することができる形態とした。そのマスクで形成する親水性領域Aと疎水性領域Bの幅を、それぞれWA=25μm、WB=25μmとした。また、この光触媒層34は、バインダー樹脂(シリコーン樹脂)中に酸化チタン粒子が約10〜100重量%含有されている。なお、酸化チタン100重量%とは、酸化チタンのみで光触媒層34を形成した場合である。
【0055】
こうして、カラーフィルター基板の透明電極上の疎水性の配向膜上に、ストライプ状の親水性領域を形成したカラーフィルター基板を作製した。
【0056】
<デバイス基板側の配向制御膜の形成工程>
先ず、画素電極104としてITOが形成されたデバイス基板102を準備し、その画素電極104上に、親水化処理可能な疎水性樹脂組成物(疎水膜形成用樹脂であるポリイミド樹脂組成物、日本合成ゴム製のJALS−688)をスピンコートし、厚さ60〜100μmの疎水性の配向膜を形成した。次に、その疎水性の配向膜上に、光触媒層33を有するマスク38を、約10〜25μmの間隔を保持するように配置し、その後波長200〜370nmの紫外線で露光処理した。露光された部分は、疎水性領域から親水性領域に変化した。
【0057】
なお、マスク38は、基板32上にクロム薄膜からなる所定のマスクパターン33が形成され、さらにそのマスクパターン33上にアナターゼ型酸化チタン粒子を光触媒として含有する厚さ0.05〜0.5μmの光触媒層34が形成されている。マスクパターンは、図1に示すような親水性領域Aと疎水性領域Bとをストライプ状に配列することができる形態とした。そのマスクで形成する親水性領域Aと疎水性領域Bの幅を、それぞれWA=25μm、WB=25μmとした。なお、上述したカラーフィルター基板用のマスクとデバイス基板用のマスクとを重ね合わせて平面視したとき、それぞれのマスクに形成された親水性領域と疎水性領域の境界線が90°の角度となるように配向膜上にマスクを配置して露光した。また、光触媒層34を構成する光触媒の種類や配合量は、上述のカラーフィルター基板用のマスクと同様な構成とした。
【0058】
こうして、デバイス基板の画素電極上の疎水性の配向膜上に、ストライプ状の親水性領域を形成したデバイス基板を作製した。
【0059】
<液晶表示装置>
上記の方法により形成されたカラーフィルター基板とデバイス基板を一定距離で対向させ、その間にTN液晶を注入して液晶層を形成した。この液晶表示装置は、カラーフィルター基板とデバイス基板とに、液晶分子のダイレクタを一定方向に配列させる配向膜が形成された。
【0060】
この液晶表示装置は、両基板面上の液晶分子が約90°の角度でシフトしているので、対向する基板面の間に注入された液晶分子は、両基板間で、そのダイレクタが対向する基板面と平行または略平行な面内で回転するように配向した。その結果、従来のようなラビング布を用いたときに生じる上述した問題を起こすことがなく、歩留まりの低下を起こさなかった。
【0061】
(実施例2)
実施例1において、親水化処理可能な疎水性の配向膜を形成する樹脂組成物として、撥水性のフッ素系シリコーン樹脂(東芝シリコーン製、TSL8233およびTSL8114)を用いた他は、実施例1と同様にした。
【0062】
<液晶表示装置>
この液晶表示装置は、両基板面上の液晶分子が約90°の角度でシフトしているので、対向する基板面の間に注入された液晶分子は、両基板間で、そのダイレクタが対向する基板面と平行または略平行な面内で回転するように配向した。その結果、従来のようなラビング布を用いたときに生じる上述した問題を起こすことがなく、歩留まりの低下を起こさなかった。
【0063】
(実施例3)
実施例1において、カラーフィルター基板用のマスクとデバイス基板用のマスクとを重ね合わせて平面視したとき、それぞれのマスクに形成された親水性領域と疎水性領域の境界線が0°の角度となるように配向膜上にマスクを配置して露光し、液晶としてスーパーネマチック液晶を用いた他は、実施例1と同様にした。
【0064】
<液晶表示装置>
この液晶表示装置は、両基板面上の液晶分子が約0°の角度でシフトしているので、対向する基板面の間に注入された液晶分子は、両基板間で、そのダイレクタが対向する基板面と平行または略平行な面内で180°回転するように配向した。その結果、従来のようなラビング布を用いたときに生じる上述した問題を起こすことがなく、歩留まりの低下を起こさなかった。
【0065】
(実施例4)
実施例1において、デバイス基板のみに電極を形成したIPSモードの水平配向方式の液晶表示装置を形成した他は、実施例1と同様にした。
【0066】
<液晶表示装置>
この液晶表示装置は、両基板面上の液晶分子のダイレクタが基板面と平行または略平行な面内で回転するように配向した。その結果、従来のようなラビング布を用いたときに生じる上述した問題を起こすことがなく、歩留まりの低下を起こさなかった。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液晶表示装置によれば、親水性領域と疎水性領域とが交互に並んでいる配向膜を備えるので、液晶分子のダイレクタを両領域の境界線の延長方向に配向制御することができる。こうした構造を有する液晶表示装置は、従来のようなラビング布を用いたときに生じる上述した問題を起こすことがなく、歩留まりの低下を起こさない。
【0068】
また、本発明の液晶表示装置の製造方法によれば、形成された疎水性の配向膜の一部を親水化処理して親水性領域と疎水性領域を区画し、その境界線の延長方向に液晶分子のダイレクタを配向制御するので、従来のようなラビング処理を行ったり特殊構造の薄膜を形成しなくとも、極めて容易な工程により液晶分子の配向制御を可能にする配向膜を形成することができる。その結果、液晶分子の配向制御を可能にする液晶表示装置を効率的に製造することができ、コストダウンに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の基板および第2の基板に形成された配向膜の形態の一例を示す平面図である。
【図2】配向膜により配向制御された液晶分子の配向形態の一例を示す平面図である。
【図3】TN液晶分子のねじれ配列の形態を示す説明図である。
【図4】光触媒を用いた親水性領域の形成方法の一例を示す説明図である。
【図5】光触媒を用いた親水性領域の形成方法の他の一例を示す説明図である。
【図6】疎水性の配向膜が親水性に変化する表面反応の一例を示す説明図である。
【図7】一般的な液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 第1の基板
2 第2の基板
3 液晶層
4 液晶分子
5 配向膜
6 境界線
31 配向膜
32 基板
33 マスクパターン
34 光触媒層
35 露光光
36 親水性領域
37 光触媒を含有する配向膜
38、39 マスク
101 カラーフィルター基板
102 TFT基板
103 液晶層
104 画素電極
105 TFT素子
106 ライン電極
107 カラーフィルター層
108 ブラックマトリクス層
109 共通透明電極
112 基板
113 偏光板
A 親水性領域
B 疎水性領域
WA 親水性領域の幅
WB 疎水性領域の幅
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、テレビジョン画像やコンピュータ画像などを表示する液晶表示パネルにおいて、液晶分子の配向制御を容易にした液晶表示装置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラー表示可能な液晶表示パネルを有する液晶表示装置の利用が急速に拡大している。一般的な液晶表示装置を構成する液晶表示パネルは、図7に示すように、第1の基板101と、これに対向する第2の基板102と、第1の基板および第2の基板間に介在する液晶層103とを備えた構造を有している。第1の基板の内側面には、マトリックス状に配置された画素領域に画素電極104および薄膜トランジスタ(TFT)105が形成され、さらにその画素電極上に液晶配向膜(図示しない)が形成されている。一方、第2の基板の内側面には、R(赤)・G(緑)・B(青)の各画素領域を有するカラーフィルター層107が形成されている。この第2の基板には、カラーフィルター層107以外に、漏れ光を遮蔽するブラックマトリクス層108が形成されている。また、カラーフィルター層上には共通透明電極109が形成され、さらにその共通透明電極上に液晶配向膜(図示しない)が形成されている。また、液晶層103は、第1の基板および第2の基板間に、各画素内の液晶分子のダイレクタが対向する基板面と平行または略平行な面内で回転するツイストネマチック(TN)等の液晶を注入することにより形成されている。
【0003】
こうした液晶表示パネルにおいては、第1の基板101と第2の基板102との間に所定の高さのスペーサ(図示しない)が任意の間隔で形成されており、セルギャップが一定の値となるように設計されている。さらに、液晶表示パネルの両外側面、すなわち第1および第2の基板の外側面には偏光板113、113が設けられると共に、第2の基板102側にバックライトが装着されている。そして、このバックライトから光を照射すると共に、画素電極104および共通透明電極109間の電圧を制御することにより、液晶の配列状態を制御してカラー画像を表示している。
【0004】
液晶配向膜の材料としては、従来よりポリビニルアルコール、ポリイミド、またはその前駆体であるポリアミック酸等の高分子材料が広く用いられている。また、液晶配向膜の成膜方法としては、例えばポリイミド等を有機溶媒に溶解させた溶液をスピンナー等により回転塗布し、焼成する等の方法が行われている。さらに、液晶配向膜の配向処理としてはフェルト布等を用いてラビングするラビング法が行われており、そのラビング法を施すことにより液晶配向能が付与されている。
【0005】
しかし、従来のラビング法においては、液晶配向膜をラビング布で擦る手法であるために、擦る際に発生する静電気またはラビング布のゴミが有する静電気によりTFTが損傷を受け、歩留まりが低下するという問題があった。また、ラビング布から発生するゴミやラビング時に巻き込んだゴミが液晶表示パネル内に残り、表示ムラ等の表示欠陥が生じたりするという問題もあった。
【0006】
こうした問題に対しては、従来より種々の提案がなされており、例えば下記特許文献1、2においては、凹凸パターンを有するマスク基板を利用し、感光性樹脂からなる被膜の表面を露光・現像してその凹凸パターンを転写する方法が提案され、ラビング法を用いない液晶配向膜を形成している。また、下記特許文献3においては、互いに非相溶となる2種類の高分子で形成したミクロ相分離構造の配向膜を形成することにより、ラビング法を用いない液晶配向制御を行っている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−325956号公報(段落番号0005〜0007)
【特許文献2】
特開平10−325957号公報(段落番号0005〜0007)
【特許文献3】
特開平5−323327号公報(段落番号0008〜0009)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のラビング法で生じている上述の問題を解決する他の手段の提供を目的とするものであって、ラビング法を使用することなく液晶分子の配向制御を容易にした液晶表示装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1の液晶表示装置は、第1の基板と第2の基板と当該基板間に注入された液晶層とを有する水平配向方式の液晶表示装置において、第1の基板および第2の基板には、親水性領域と疎水性領域とが交互に並んでいる配向膜が形成されていることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、水平配向方式の液晶表示装置において、その液晶分子の配向制御が、親水性領域と疎水性領域とが交互に並んでいる配向膜により行われる。すなわち、その配向膜に交互に並んだ親水性領域と疎水性領域とにより、液晶分子のダイレクタを両領域の境界線の延長方向に配向制御することができる。したがって、対向する基板面の間に注入された液晶分子は、両基板間で、そのダイレクタが対向する基板面と平行または略平行な面内で回転するように配向することとなる。こうした構造を有する液晶表示装置は、従来のようなラビング布を用いたときに生じる上述した問題を起こすことがなく、歩留まりの低下を起こさない。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の液晶表示装置において、隣り合う親水性領域と疎水性領域の境界線が平行または略平行であることを特徴とする。この発明によれば、液晶分子のダイレクタをその境界線の延長方向に配向制御することができる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置において、第1の基板に形成された配向膜の所定部位における親水性領域と疎水性領域の境界線と、前記所定部位に対向する第2の基板に形成された配向膜の所定部位における親水性領域と疎水性領域の境界線とが、平面視で約90°の角度になっていることを特徴とする。請求項4の発明は、請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置において、第1の基板に形成された配向膜の所定部位における親水性領域と疎水性領域の境界線と、前記所定部位に対向する第2の基板に形成された配向膜の所定部位における親水性領域と疎水性領域の境界線とが、平面視で約0°の角度になっていることを特徴とする。
【0013】
これらの発明によれば、対向する両基板の所定位置における親水性領域と疎水性領域の境界線が平面視で直交(または略直交)または平行(または略平行)となっているので、約90°の捻れ角をもつネマティック液晶分子や約180°の捻れ角をもつスーパーネマティック液晶分子の配向方向を規制することができる。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置において、液晶分子のダイレクタが前記基板面と平行または略平行な面内で回転するIPS(インプレインスイッチング)モードであることを特徴とする。請求項6の発明は、請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置において、液晶分子のダイレクタが前記基板面と平行または略平行な面内で約90°の捻れ角をもって回転するTN(ツイステッドネマチック)モードであることを特徴とする。
【0015】
これらの発明によれば、IPSモードやTNモード液晶表示装置に適用することができ、その液晶分子の配向方向を規制することができる。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶表示装置において、配向膜の疎水性領域は、フッ素系シリコーンまたはポリイミドで形成された疎水膜であり、親水性領域は、当該フッ素系シリコーン疎水膜またはポリイミド疎水膜に親水基が付与された親水膜であることを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決するための請求項8の液晶表示装置の製造方法は、第1の基板と第2の基板と当該基板間に注入された液晶層とを有し、第1の基板および第2の基板には親水性領域と疎水性領域とが交互に並んでいる配向膜が形成されている水平配向方式の液晶表示装置の製造方法であって、第1の基板表面および第2の基板表面に親水化処理可能な疎水性の配向膜を形成する工程、および、前記配向膜の一部を親水化処理して親水性領域を形成する工程、を含むことを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、形成された疎水性の配向膜の一部を親水化処理して親水性領域と疎水性領域を区画し、その境界線の延長方向に液晶分子のダイレクタを配向制御するので、従来のようなラビング処理を行ったり特殊構造の薄膜を形成しなくとも、極めて容易な工程により液晶分子の配向制御を可能にする配向膜を形成することができる。その結果、液晶分子の配向制御を可能にする液晶表示装置を効率的に製造することができ、コストダウンに寄与することができる。
【0019】
請求項9の発明は、請求項8に記載の液晶表示装置の製造方法において、前記の親水性領域を形成する工程において、親水化処理するマスクパターンが、隣り合う親水性領域と疎水性領域の境界線を平行または略平行にするパターン形状を有することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、親水性領域と疎水性領域のパターンをマスクパターンにより形成できるので、そのマスクパターンを用いた露光工程により、液晶分子の配向方向を規制するパターンを簡単に形成することができる。
【0021】
請求項10の発明は、請求項8または請求項9に記載の液晶表示装置の製造方法において、前記親水化処理が、光触媒層を有するマスクを用いた露光処理により行われることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、光触媒層を有するマスクを用いた露光処理により行われるので、露光時の光触媒の作用により疎水性領域の一部を極めて容易に親水性領域に変化させることができると共に、露光処理するだけで極めて容易に配向制御可能な表面を形成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液晶表示装置およびその製造方法について図面を参照しつつ説明する。
【0024】
(液晶表示装置)
本発明の液晶表示装置は、第1の基板と、第2の基板と、対向する基板間に注入された液晶層とを有する水平配向方式の液晶表示装置である。図1は、そうした水平配向方式の液晶表示装置において、第1の基板および第2の基板に形成された配向膜5の形態の一例を示す平面図であり、図2は、その配向膜5により配向制御された液晶分子4の配向形態の一例を示す平面図である。
【0025】
(配向膜)
配向膜5は、図1に示すように、親水性領域Aと疎水性領域Bとがストライプ状に交互に並んだ形態で形成される。液晶分子4の配向制御は、図1に示すような配向膜5により行われ、例えば図2に示すように、親水性領域Aと疎水性領域Bの境界線の延長方向に沿って液晶分子4のダイレクタが配向制御される。なお、ダイレクタとは、液晶分子4の平均的配向方向を表す単位ベクトルのことである。
【0026】
配向膜5に形成された親水性領域Aと疎水性領域Bとは、交互に隣り合う領域の境界線6が平行または略平行となるように形成されていることが好ましい。こうすることにより、液晶分子4のダイレクタを平行または略平行な境界線6の延長方向に制御することできる。
【0027】
親水性領域Aの幅WAと疎水性領域Bの幅WBについては特に限定されず、液晶分子の種類や配向パターンに応じて任意に設計することができるが、具体例としては、親水性領域Aの幅WAと疎水性領域Bの幅WBはいずれも10〜30μmの範囲内であることが好ましい。こうした範囲が好まし理由は、領域の幅が狭過ぎる場合には配向力が乏しくなる傾向となり、領域の幅が広過ぎる場合には液晶分子が基板に垂直に配向してしまう傾向となるからである。また、親水性領域Aの幅WAと疎水性領域Bの幅WBを一定にし、両領域を一定のピッチで繰り返し形成することが製造上の観点からも好ましい。
【0028】
配向膜5に形成された両領域の境界線の延長方向は、個々の画素内で一定方向となるように形成することができる。また、視野角補償のために画素内の液晶分子の配向方向を分割する場合、すなわち配向分割する場合には、画素内における両領域の境界線を異なる方向に形成して配向分割することが好ましい。配向分割の形態の例としては、境界線が放射状に延びた形態、境界線が矩形状となるようにした形態、境界線の延びる方向が画素内の区画ごと異なる形態等が挙げられる。
【0029】
本発明の水平配向方式の液晶表示装置を構成する液晶層3は、図3に示すように、各画素領域内の液晶分子4のダイレクタが対向する基板面1、2と平行または略平行な面内で回転するツイストネマチック(以下、TNと略することがある。)等の液晶を注入することにより形成されている。そして、液晶分子4は、両基板1、2の間の液晶層3の厚さ全体にわたって、ねじれ角約90°のねじれ配列をしている水平配列モードとなっている。なお、図3(a)は電圧オフの時のTN液晶分子4のダイレクタのねじれ配列の形態を示しており、図3(b)は電極間に電場を加えた時のTN液晶分子4のダイレクタの変形配列の形態を示している。
【0030】
こうした水平配向方式の液晶配向においては、電圧オフの時の液晶分子4に若干のチルトが生じてダイレクタが基板面に平行にならないものもある。本発明の液晶表示装置においては、液晶分子4のダイレクタの回転軸が基板面に直交する場合(すなわち、液晶分子4のダイレクタが基板面に平行となる場合)に限らず、ダイレクタの回転軸が基板面に直交しない場合(すなわち、液晶分子4のダイレクタが基板面に平行にならない場合)であっても、液晶分子4のダイレクタが対向する基板面と平行な面内で回転する水平配向方式の液晶表示装置を包含するものである。
【0031】
本発明の液晶表示装置においては、図3に示すように、両基板に上記の特徴を有する親水性領域と疎水性領域とが交互に並んだ配向膜5が形成されるので、両基板面における液晶分子4のダイレクタは、その両領域の形態に依存して配向規制される。
【0032】
例えば、図3における上側の基板1に形成された配向膜5の所定部位における親水性領域と疎水性領域の境界線と、その所定部位に対向する下側の基板2に形成された配向膜5の所定部位における親水性領域と疎水性領域の境界線とが、平面視で約90°の角度にした場合には、両基板に形成された境界線6を平面視で直交または略直交とすることができるので、約90°の捻れ角をもつネマティック液晶分子の配向方向を規制することができる。また、その角度を平面視で約0°の角度となる態様で両基板上の配向膜5を形成した場合には、両基板に形成された境界線6を平面視で平行または略平行とすることができるので、約180°の捻れ角をもつスーパーネマティック液晶分子の配向方向を規制することができる。
【0033】
こうした配向膜5は、液晶分子のダイレクタが基板面と平行または略平行な面内で回転するIPS(インプレインスイッチング)モードの水平配向方式からなる液晶表示装置の基板面に好ましく形成したり、液晶分子のダイレクタが基板面と平行または略平行な面内で約90°の捻れ角をもって回転するTN(ツイステッドネマチック)モードの水平配向方式の液晶表示装置に基板面に好ましく形成することができ、液晶分子の配向方向を規制することができる。
【0034】
配向膜5は、もともと疎水性であるが親水化処理をすることにより親水性とすることができる配向膜であり、例えば、疎水膜形成用のフッ素系シリコーン樹脂またはポリイミド樹脂等の疎水性樹脂で形成されてなるものである。なお、疎水膜形成用のフッ素系シリコーン樹脂としては、例えば、東芝シリコーン製等の撥水膜形成用のフッ素系シリコーン樹脂等々の市販の感光性樹脂を例示でき、また、疎水膜形成用のポリイミド樹脂としては、例えば疎水膜形成用のポリイミド樹脂組成物である日本合成ゴム製のJALS−688等々の市販の感光性樹脂を例示できる。配向膜5の厚さについては特に限定されないが、例えば10nm〜100nmであることが好ましい。
【0035】
(基板等)
次に、上述した配向膜5が形成される基板の一例について説明する。第1の基板1および第2の基板2は、図7の液晶表示装置に例示するように、カラーフィルター基板101とデバイス(TFT)基板102の何れかを構成している。なお、以下に説明する基板は本発明に適用される基板の一例を示すものであり、以下に記載の内容に限定されるものではない。例えば、TFT基板102に形成した一対の細線電極により横方向の電界を発生させ、液晶分子配列の方位角変化を引き起こすことで動作するIPSモードの液晶表示装置に対しても本発明を適用できる。
【0036】
カラーフィルター基板101は、基板112上にマトリクス状のカラーフィルター層107が形成された基板であり、さらに詳しくは、基板112の内側面に、R(赤)G(緑)B(青)の各画素領域を形成するカラーフィルター層107と、漏れ光を遮蔽するためにその画素領域の周縁部に形成されているブラックマトリクス層108とを有する基板である。カラーフィルター層107上には共通透明電極109が形成され、さらにその共通透明電極109上には液晶分子のダイレクタを一定方向に配列させる配向膜(図示しない。図1および図2に既述。)が形成されている。なお、本発明を構成するカラーフィルター基板101は、現在一般的に使用されている構成を有するものであれば特に限定されず、前記以外の構成を備えているものであっても構わない。
【0037】
一方、デバイス基板102は、基板112上にマトリクス状のTFT素子105が個々の画素領域として形成された基板であり、さらに詳しくは、基板112の内側面に、マトリックス状に配置された画素電極104、薄膜電界トランジスタ(TFT)素子105およびライン電極106が形成され、さらにその画素電極104上には、液晶分子のダイレクタを一定方向に配列させる配向膜(図示しない。図1および図2に既述。)が形成されている。なお、本発明を構成するデバイス基板102は、現在一般的に使用されている構成を有するものであれば特に限定されず、前記以外の構成を備えているものであっても構わない。
【0038】
なお、液晶表示装置において、基板112としては、ガラス基板または透明プラスチック基板等が挙げられ、画素電極104および透明電極109としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の透明電極が挙げられる。また、カラーフィルター基板101とデバイス基板102との間隔を所定の値にするためのスペーサが形成され、セルギャップを一定の値にしている。各基板の外側には、偏光板113が設けられ(図7参照)、デバイス基板側のさらに外側にはバックライトが設けられる。
【0039】
(液晶表示装置の製造方法)
次に、液晶表示装置の製造方法について説明する。本発明の液晶表示装置の製造方法は、上述した構成からなる液晶表示装置の製造方法であって、その特徴は、▲1▼第1の基板表面(例えばカラーフィルター基板の表面および第2の基板表面(例えばデバイス基板の表面)に親水化処理可能な疎水性の配向膜を形成する工程、および、前記配向膜の一部を親水化処理して親水性領域を形成する工程、を含むことにある。なお、液晶表示装置を製造するためのその他の製造工程、例えば図7に示すようなカラーフィルター層、ブラックマトリクス層、透明電極層、THT素子等の形成工程については従来公知の方法と同様である。
【0040】
上記▲1▼の工程において、親水化処理可能な配向膜を形成するための樹脂としては、上述した疎水膜形成用のフッ素系シリコーン樹脂または疎水膜形成用のポリイミド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、両基板の全面にスピンコート等の塗布手段や各種の印刷手段で塗布される。
【0041】
上記▲2▼の工程において、配向膜の一部を親水化処理する手段は、図4および図5に示すように、(i)配向膜である疎水性被膜を光触媒層34を有するマスク38で露光することにより、露光された部分のみを親水化して親水性領域36を形成する方法(図4を参照)、(ii)光触媒を含有する疎水性樹脂をコーティングして光触媒含有配向膜37を形成した後、その配向膜37を露光することにより、露光された部分のみを親水化する方法(図5を参照)、等を挙げることができる。
【0042】
上記(i)工程においては、疎水性の配向膜31として、上述したフッ素系シリコーン被膜やポリイミド被膜を挙げることができる。光触媒層を有するマスクを利用した親水化処理は、図4に示すように、先ず、マスクパターン33が形成された基板32上に光触媒層34を形成したマスク38と、疎水性の配向膜31が形成された第1の基板または第2の基板とを準備し(図4(a))、その光触媒層34を有するマスク38と疎水性の配向膜31とが所定の間隔となるように対向させ(図4(b))、そこに露光光35を照射することにより(図4(c))、親水性領域36を形成する処理方法である(図4(d))。
【0043】
この光触媒層34は、バインダー中に光触媒である酸化チタンを含有させたものである。酸化チタンは、アナターゼ型のものが好ましく、また、バインダー中に20〜40重量%の割合で含有させることが好ましい。酸化チタンの平均粒径はおよそ5〜20μmであることが好ましい。酸化チタンの代わりに、ZnOなどを光触媒として用いてもよい。こうした光触媒層34に例えば380nm以下の露光光35が照射されることにより、光触媒粒子内で光電気化学反応が起こり、露光された疎水性の配向膜31を酸化還元させることができる。その結果、疎水性の配向膜31の一部を親水性領域に変化させることができる。
【0044】
また、マスク38と疎水性の配向膜31との間隔は、光触媒反応により生じた活性酸素種等をその隙間に容易に発生させ、作用させることができる間隔であることが好ましく、およそ5〜20μmの間隔となるように配置することが好ましい。
【0045】
上記(ii)工程においては、疎水性の配向膜37として、上述した光触媒を含有するフッ素系シリコーン被膜やポリイミド被膜を挙げることができる。親水化処理は、図5に示すように、先ず、基板32上にマスクパターン33が形成されたマスク39と、光触媒を含有する疎水性の配向膜31が形成された第1の基板または第2の基板とを準備し(図5(a))、そのマスク39と、光触媒を含有する疎水性の配向膜37とを所定の間隔となるように対向させ(図5(b))、そこに露光光35を照射することにより(図5(c))、親水性領域36を形成する処理方法である(図5(d))。
【0046】
この疎水性の配向膜37は、バインダー中に光触媒である酸化チタンを含有させたものである。酸化チタンは、上記同様、アナターゼ型のものが好ましく、また、バインダー中に20〜40重量%の割合で含有させることが好ましい。酸化チタンの平均粒径はおよそ5〜20μmであることが好ましい。酸化チタンの代わりに、ZnOなどを光触媒として用いてもよい。こうした疎水性の配向膜37に例えば380nm以下の露光光35が照射されることにより、含有する光触媒粒子内で光電気化学反応が起こり、疎水性の配向膜を酸化還元させることができる。その結果、疎水性の配向膜の一部を親水性領域に変化させることができる。また、マスク340疎水性の配向膜37との間隔についても、上記(i)の場合と同様である。なお、(i)の工程と(ii)の工程とを比べると、(i)の工程をより好ましく適用することができる。
【0047】
図6は、疎水性の配向膜の一部が親水性領域に変化する表面反応の一例を示す説明図である。図6(a)は、疎水性の配向膜表面の側鎖に活性酸素種等がアタックし、その側差の結合を切断する様子を示しており、図6(b)は、切断された部位に水酸基が結合して親水性に変化する様子を示している。
【0048】
図6の表面反応を生じさせる親水化処理に際しては、疎水性の配向膜と光触媒層を有するマスクとを、所定の間隔(例えば5〜20μm)で配置することが好ましい。疎水性の配向膜と光触媒層を有するマスクとを所定の間隔に配置することにより、光触媒反応により生じた活性酸素種等をその隙間に容易に発生させることができる。活性酸素種等としては、光触媒粒子内での光電気化学反応に基づいて生じる活性酸素または活性水酸基が挙げられ、それらの活性酸素種等が図6(a)に示す側鎖(例えばアルキル側鎖)にアタックし、その側差の結合が切断される。側鎖が切断された部分には、その活性酸素種等が入れ替わって結合し、図6(b)に示す親水性に変化する。
【0049】
また、この製造方法においては、親水化処理により親水性領域を形成するためのマスクのパターン形状を、図1に示すような親水性領域と疎水性領域とを交互に配列したストライプ状の配向膜と同じ形状になるように形成する。さらに、そのパターン形状が、隣り合う親水性領域と疎水性領域の境界線が平行または略平行であることが好ましい。また、採用する液晶分子の種類により、第1の基板に形成された配向膜を親水化処理するマスクと、第2の基板に形成された配向膜を親水化処理するマスクとを、各マスクに形成された境界線が任意の角度となるように配置することが好ましい。例えば、約90°の捻れ角をもつネマティック液晶を採用する場合には、各マスクに形成された境界線が約90°、例えば70°〜110°程度の角度となるように各基板上にマスクを配置することが好ましい。一方、例えば、約180°の捻れ角をもつスーパーネマティック液晶を採用する場合には、各マスクに形成された境界線が約0°±20°の角度となるように各基板上にマスクを配置することが好ましい。
【0050】
本発明においては、所定形状の親水化処理パターン(例えば露光マスクパターン)を形成し、それを用いて親水化処理するという極めて簡単な方法により、液晶分子のツイスト構造を達成する配向規制パターンを形成することができる。
【0051】
以上のように、本発明の液晶表示装置の製造方法は、極めて容易な工程により液晶の配向制御を可能にする親水性領域を形成することができるので、液晶表示装置を効率的に製造することができ、コストダウンに寄与することができる。
【0052】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳しく説明する。
【0053】
(実施例1)
<カラーフィルター基板側の配向制御膜の形成工程>
先ず、透明電極109としてITOが形成されたカラーフィルター基板101を準備し、その透明電極109上に、親水化処理可能な疎水性樹脂組成物(疎水膜形成用樹脂であるポリイミド樹脂組成物、日本合成ゴム製のJALS−688)をスピンコートし、厚さ60nmの疎水性の配向膜を形成した。次に、その疎水性の配向膜上に、光触媒層33を有するマスク38を、約20μmの間隔を保持するように配置し、その後波長200〜370nmの紫外線で露光処理した。露光された部分は、疎水性領域から親水性領域に変化した。
【0054】
なお、マスク38は、基板32上にクロム薄膜からなる所定のマスクパターン33が形成され、さらにそのマスクパターン33上にアナターゼ型酸化チタン粒子を光触媒として含有する厚さ0.05〜0.5μmの光触媒層34が形成されている。マスクパターンは、図1に示すような親水性領域Aと疎水性領域Bとをストライプ状に配列することができる形態とした。そのマスクで形成する親水性領域Aと疎水性領域Bの幅を、それぞれWA=25μm、WB=25μmとした。また、この光触媒層34は、バインダー樹脂(シリコーン樹脂)中に酸化チタン粒子が約10〜100重量%含有されている。なお、酸化チタン100重量%とは、酸化チタンのみで光触媒層34を形成した場合である。
【0055】
こうして、カラーフィルター基板の透明電極上の疎水性の配向膜上に、ストライプ状の親水性領域を形成したカラーフィルター基板を作製した。
【0056】
<デバイス基板側の配向制御膜の形成工程>
先ず、画素電極104としてITOが形成されたデバイス基板102を準備し、その画素電極104上に、親水化処理可能な疎水性樹脂組成物(疎水膜形成用樹脂であるポリイミド樹脂組成物、日本合成ゴム製のJALS−688)をスピンコートし、厚さ60〜100μmの疎水性の配向膜を形成した。次に、その疎水性の配向膜上に、光触媒層33を有するマスク38を、約10〜25μmの間隔を保持するように配置し、その後波長200〜370nmの紫外線で露光処理した。露光された部分は、疎水性領域から親水性領域に変化した。
【0057】
なお、マスク38は、基板32上にクロム薄膜からなる所定のマスクパターン33が形成され、さらにそのマスクパターン33上にアナターゼ型酸化チタン粒子を光触媒として含有する厚さ0.05〜0.5μmの光触媒層34が形成されている。マスクパターンは、図1に示すような親水性領域Aと疎水性領域Bとをストライプ状に配列することができる形態とした。そのマスクで形成する親水性領域Aと疎水性領域Bの幅を、それぞれWA=25μm、WB=25μmとした。なお、上述したカラーフィルター基板用のマスクとデバイス基板用のマスクとを重ね合わせて平面視したとき、それぞれのマスクに形成された親水性領域と疎水性領域の境界線が90°の角度となるように配向膜上にマスクを配置して露光した。また、光触媒層34を構成する光触媒の種類や配合量は、上述のカラーフィルター基板用のマスクと同様な構成とした。
【0058】
こうして、デバイス基板の画素電極上の疎水性の配向膜上に、ストライプ状の親水性領域を形成したデバイス基板を作製した。
【0059】
<液晶表示装置>
上記の方法により形成されたカラーフィルター基板とデバイス基板を一定距離で対向させ、その間にTN液晶を注入して液晶層を形成した。この液晶表示装置は、カラーフィルター基板とデバイス基板とに、液晶分子のダイレクタを一定方向に配列させる配向膜が形成された。
【0060】
この液晶表示装置は、両基板面上の液晶分子が約90°の角度でシフトしているので、対向する基板面の間に注入された液晶分子は、両基板間で、そのダイレクタが対向する基板面と平行または略平行な面内で回転するように配向した。その結果、従来のようなラビング布を用いたときに生じる上述した問題を起こすことがなく、歩留まりの低下を起こさなかった。
【0061】
(実施例2)
実施例1において、親水化処理可能な疎水性の配向膜を形成する樹脂組成物として、撥水性のフッ素系シリコーン樹脂(東芝シリコーン製、TSL8233およびTSL8114)を用いた他は、実施例1と同様にした。
【0062】
<液晶表示装置>
この液晶表示装置は、両基板面上の液晶分子が約90°の角度でシフトしているので、対向する基板面の間に注入された液晶分子は、両基板間で、そのダイレクタが対向する基板面と平行または略平行な面内で回転するように配向した。その結果、従来のようなラビング布を用いたときに生じる上述した問題を起こすことがなく、歩留まりの低下を起こさなかった。
【0063】
(実施例3)
実施例1において、カラーフィルター基板用のマスクとデバイス基板用のマスクとを重ね合わせて平面視したとき、それぞれのマスクに形成された親水性領域と疎水性領域の境界線が0°の角度となるように配向膜上にマスクを配置して露光し、液晶としてスーパーネマチック液晶を用いた他は、実施例1と同様にした。
【0064】
<液晶表示装置>
この液晶表示装置は、両基板面上の液晶分子が約0°の角度でシフトしているので、対向する基板面の間に注入された液晶分子は、両基板間で、そのダイレクタが対向する基板面と平行または略平行な面内で180°回転するように配向した。その結果、従来のようなラビング布を用いたときに生じる上述した問題を起こすことがなく、歩留まりの低下を起こさなかった。
【0065】
(実施例4)
実施例1において、デバイス基板のみに電極を形成したIPSモードの水平配向方式の液晶表示装置を形成した他は、実施例1と同様にした。
【0066】
<液晶表示装置>
この液晶表示装置は、両基板面上の液晶分子のダイレクタが基板面と平行または略平行な面内で回転するように配向した。その結果、従来のようなラビング布を用いたときに生じる上述した問題を起こすことがなく、歩留まりの低下を起こさなかった。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液晶表示装置によれば、親水性領域と疎水性領域とが交互に並んでいる配向膜を備えるので、液晶分子のダイレクタを両領域の境界線の延長方向に配向制御することができる。こうした構造を有する液晶表示装置は、従来のようなラビング布を用いたときに生じる上述した問題を起こすことがなく、歩留まりの低下を起こさない。
【0068】
また、本発明の液晶表示装置の製造方法によれば、形成された疎水性の配向膜の一部を親水化処理して親水性領域と疎水性領域を区画し、その境界線の延長方向に液晶分子のダイレクタを配向制御するので、従来のようなラビング処理を行ったり特殊構造の薄膜を形成しなくとも、極めて容易な工程により液晶分子の配向制御を可能にする配向膜を形成することができる。その結果、液晶分子の配向制御を可能にする液晶表示装置を効率的に製造することができ、コストダウンに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の基板および第2の基板に形成された配向膜の形態の一例を示す平面図である。
【図2】配向膜により配向制御された液晶分子の配向形態の一例を示す平面図である。
【図3】TN液晶分子のねじれ配列の形態を示す説明図である。
【図4】光触媒を用いた親水性領域の形成方法の一例を示す説明図である。
【図5】光触媒を用いた親水性領域の形成方法の他の一例を示す説明図である。
【図6】疎水性の配向膜が親水性に変化する表面反応の一例を示す説明図である。
【図7】一般的な液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 第1の基板
2 第2の基板
3 液晶層
4 液晶分子
5 配向膜
6 境界線
31 配向膜
32 基板
33 マスクパターン
34 光触媒層
35 露光光
36 親水性領域
37 光触媒を含有する配向膜
38、39 マスク
101 カラーフィルター基板
102 TFT基板
103 液晶層
104 画素電極
105 TFT素子
106 ライン電極
107 カラーフィルター層
108 ブラックマトリクス層
109 共通透明電極
112 基板
113 偏光板
A 親水性領域
B 疎水性領域
WA 親水性領域の幅
WB 疎水性領域の幅
Claims (10)
- 第1の基板と第2の基板と当該基板間に注入された液晶層とを有する水平配向方式の液晶表示装置において、
第1の基板および第2の基板には、親水性領域と疎水性領域とが交互に並んでいる配向膜が形成されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 隣り合う親水性領域と疎水性領域の境界線が平行または略平行であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 第1の基板に形成された配向膜の所定部位における親水性領域および疎水性領域の境界線と、前記所定部位に対向する第2の基板に形成された配向膜の所定部位における親水性領域および疎水性領域の境界線とが、平面視で約90°の角度になっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置。
- 第1の基板に形成された配向膜の所定部位における親水性領域および疎水性領域の境界線と、前記所定部位に対向する第2の基板に形成された配向膜の所定部位における親水性領域および疎水性領域の境界線とが、平面視で約0°の角度になっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置。
- 液晶分子のダイレクタが前記基板面と平行または略平行な面内で回転するIPS(インプレインスイッチング)モードであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置。
- 液晶分子のダイレクタが前記基板面と平行または略平行な面内で約90°の捻れ角をもって回転するTN(ツイステッドネマチック)モードであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置。
- 配向膜の疎水性領域は、フッ素系シリコーンまたはポリイミドで形成された疎水膜であり、親水性領域は、当該フッ素系シリコーン疎水膜またはポリイミド疎水膜に親水基が付与された親水膜であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の液晶表示装置。
- 第1の基板と第2の基板と当該基板間に注入された液晶層とを有し、第1の基板および第2の基板には親水性領域と疎水性領域とが交互に並んでいる配向膜が形成されている水平配向方式の液晶表示装置の製造方法であって、
第1の基板表面および第2の基板表面に親水化処理可能な疎水性の配向膜を形成する工程、および、前記配向膜の一部を親水化処理して親水性領域を形成する工程、を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 前記の親水性領域を形成する工程において、親水化処理するマスクパターンが、隣り合う親水性領域と疎水性領域の境界線を平行または略平行にするパターン形状を有することを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置の製造方法。
- 前記親水化処理が、光触媒層を有するマスクを用いた露光処理により行われることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の液晶表示装置の製造方法。
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Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN100561317C (zh) * | 2005-03-03 | 2009-11-18 | 友达光电股份有限公司 | 液晶面板的基板及形成配向膜的方法 |
| US8693085B2 (en) | 2012-03-14 | 2014-04-08 | Liquavista B.V. | Electrowetting display device and manufacturing method thereof |
| US20220068876A1 (en) * | 2019-01-15 | 2022-03-03 | Samsung Display Co., Ltd. | Display device and manufacturing method therefor |
-
2003
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