JP2004233890A - 液晶表示素子およびその除電方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非表示領域の異常点灯を防止して表示不良のない良好な液晶表示を実現することができる液晶表示素子およびその除電方法を提供する。
【解決手段】二枚のパネル基板24,25の両内側表面上における非表示領域13上に、一対の除電用ダミー電極26,27を形成し、一方の除電用ダミー電極27から引き出されたリード端子27aを端子部15に延出させて、この端子部15に電気的に接続された可撓配線基板20と接続し、他方の除電用ダミー電極26から引き出されたリード端子26aをパネル基板24の延出部30に延出するとともに、前記延出部30に配設された除電手段31と電気的に接続する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶表示素子およびその除電方法に係り、特に、非表示領域の異常点灯を防止するのに好適な液晶表示素子およびその除電方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、携帯電話等の電子機器における表示手段として、液晶分子の旋光性を利用して表示を行う液晶表示素子が採用されていた。
【0003】
図5は、このような液晶表示素子の一例を示したものであり、この液晶表示素子1は、視認側のフロント側パネル基板2と、反視認側のリア側パネル基板3とからなる互いに対向する二枚のパネル基板2,3を有している。これら二枚のパネル基板2,3は、枠状のシール4を介して互いに貼り合わされ、両パネル基板2,3および前記シール4によって囲繞された空間内には、液晶5が封入されている。
【0004】
前記フロント側パネル基板2および前記リヤ側パネル基板3は、それぞれガラス等からなる透明基板7,8の互いに対向する両内側表面における表示領域9上に、互いに交差するように形成された酸化インジウムスズ(ITO)等からなる縞状の一対の表示電極11,12を有している。これら一対の表示電極11,12のうち、フロント側パネル基板2の表示電極11は、走査電極(コモン電極)として機能するようになっている。一方、前記リヤ側パネル基板3の表示電極12は、信号電極(セグメント電極)として機能するようになっている。
【0005】
そして、前記フロント側の表示電極11は、前記シール4の内部に配設された導電性ビーズ等からなる図示しないトランスファを介して互いに導通されている。なお、前記フロント側パネル基板2および前記リヤ側パネル基板3の両内側表面における前記表示領域9の外側の領域は、非表示領域13とされている。
【0006】
前記リヤ側パネル基板3には、図5における右方に向かって端子部15がフロント側パネル基板2の端面より延出形成されており、この端子部15の上には、リード端子16が前記リヤ側表示電極12と連設して形成されている。
【0007】
そして、前記端子16の上には、異方性導電膜(ACF)等の接続手段17を介して液晶駆動用IC等の電子部品18を搭載した可撓配線基板20が接続されている。
【0008】
さらに、前記両パネル基板2,3における各表示電極11,12の厚み方向の上側には、所定のラビング処理が施された配向膜21が形成され、一方、両パネル基板2,3の厚み方向の外側には、図示はしないが、光の振動方向を規制する偏光板が配設されるようになっている。
【0009】
ところで、従来から、このような液晶表示素子1においては、液晶表示素子1を筐体へ組み込む際や、保管場所に保管する際、あるいは、偏光板の保護膜を剥離する際等に、例えば、液晶表示素子1の外側表面に帯電した電荷によって引き起こされる静電誘導等の静電気の影響によって、両パネル基板2,3の非表示領域13に電荷の帯電が生じてしまうことがあった。そして、この帯電によって、両パネル基板2,3の非表示領域13の間に電位差が生じ、本来点灯を予定していない非表示領域13が点灯してしまうといった問題が生じていた。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−153806号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来は、電荷の帯電を解消するために所定の時間を要し、非表示領域に帯電した電荷をすみやかに除去することが容易にできなかった。
【0012】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、非表示領域に帯電する電荷を容易に除電でき表示不良のない良好な表示を実現することができる液晶表示素子およびその除電方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の請求項1に係る液晶表示素子の特徴は、互いに対向する両内側表面における表示領域上に表示電極が形成された二枚のパネル基板がシールを介して互いに貼り合わされ、前記二枚のパネル基板および前記シールによって囲繞された空間内に液晶が封入され、一方のパネル基板に前記表示電極から引き出されたリード端子を有する端子部が形成され、前記端子部上に可撓配線基板が接続された液晶表示素子において、前記二枚のパネル基板の互いに対向する両内側表面上における非表示領域上に一対の除電用ダミー電極が形成され、前記端子部が形成された一方のパネル基板側の除電用ダミー電極の一部が前記端子部に延出されて、該端子部に接続された前記可撓配線基板と電気的に接続され、他方のパネル基板側の除電用ダミー電極は前記他方のパネル基板に形成された延出部にその一部が延出されるとともに、前記延出部に配設された除電手段と電気的に接続されている点にある。
【0014】
そして、このような構成を採用したことにより、非表示領域に帯電した電荷をすみやかに除去することが可能となる。
【0015】
請求項2に係る液晶表示素子の特徴は、請求項1において、前記除電手段は、可撓配線基板またはインターコネクタを備えた基板である点にある。
【0016】
そして、このような構成を採用したことにより、さらに簡易な構成によって非表示領域に帯電した電荷を簡便に除去することが可能となる。
【0017】
請求項3に係る液晶表示素子の除電方法の特徴は、互いに対向する両内側表面における表示領域上に表示電極が形成された二枚のパネル基板がシールを介して互いに貼り合わされ、前記二枚のパネル基板および前記シールによって囲繞された空間内に液晶が封入され、一方のパネル基板に前記表示電極から引き出されたリード端子を有する端子部が形成され、前記端子部上に可撓配線基板が電気的に接続された液晶表示素子に帯電した電荷の除去を行う液晶表示素子の除電方法において、前記二枚のパネル基板の互いに対向する両内側表面上における非表示領域上に、一対の除電用ダミー電極を形成し、前記端子部が形成された一方のパネル基板の除電用ダミー電極の一部を前記端子部に延出させて前記端子部に接続された前記可撓配線基板に電気的に接続させるとともに、他方のパネル基板の除電用ダミー電極の一部を前記他方のパネル基板に形成された延出部に延出させて該延出部に配設される除電手段に電気的に接続させる点にある。
【0018】
そして、このような方法を採用したことにより、非表示領域に帯電した電荷を、
前記一対の除電用ダミー電極および各除電用ダミー電極に接続された前記可撓配線基板ならびに前記除電手段によってすみやかに除去することが可能となる。
【0019】
請求項4に係る液晶表示素子の除電方法の特徴は、請求項3において、前記除電手段として、可撓配線基板またはインターコネクタを備えた基板を用いる点にある。
【0020】
そして、このような方法を採用したことにより、さらに簡便な方法によって非表示領域に帯電した電荷を除去することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る液晶表示素子およびその除電方法の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。
【0022】
なお、従来と基本的構成の同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。また、本明細書における除電とは、帯電した電荷を除去して帯電状態を解消することを指すものとする。
【0023】
図1乃至図3に示すように、本実施形態における液晶表示素子23は、フロント側パネル基板24およびリヤ側パネル基板25からなる二枚のパネル基板24,25の互いに対向する両内側表面における非表示領域13の上に、この非表示領域13に帯電した電荷を除去するための除電用フロント側ダミー電極26と、除電用リヤ側ダミー電極27とからなる一対の除電用ダミー電極26,27を有している。
【0024】
図2に示すように、前記除電用リヤ側ダミー電極27は、前記リヤ側表示電極12を図2における両側方および下方の三方から囲繞するようにして、その平面形状が図2における上側に開口部が形成された略U字形状に形成されている。
【0025】
図2における前記リヤ側表示電極12の上端部からは、前記リード端子16が前記端子部15まで引き出されて延出形成されている。そして、前記リード端子16は、前記端子部15において前記リード端子16と液晶駆動用IC等の電子部品18を搭載した前記可撓配線基板20とは電気的に接続されており、これによって、可撓配線基板20とリヤ側表示電極12との電気的な接続が図られている。
【0026】
そして、本実施形態において、前記除電用リヤ側ダミー電極27における前記端子部15側の端部には、リード電極端子27aが接続され、前記端子部15に延出して形成されており、このリード電極端子27aは、前記端子部15において、前記可撓配線基板20における接地部(グランド部)と電気的に接続されている。
【0027】
これにより、リヤ側パネル基板25の非表示領域13が、外部からの影響によって帯電したとしても、この帯電によって生じた電荷を前記除電用リヤ側ダミー電極27によって前記可撓配線基板20の側へすみやかに逃がすことができる。
【0028】
なお、前記除電用リヤ側ダミー電極27の図2における右側近傍位置には、リヤ側のリード端子29bと前記フロント側表示電極11とを互いに導通させるためのトランスファ部29が形成されている。このトランスファ部29は、複数本のリード端子29bを介して前記可撓配線基板20に接続されている。
【0029】
一方、図3に示すように、前記除電用フロント側ダミー電極26は、前記フロント側表示電極11を図3における上下および左方の三方から囲繞するようにして、その平面形状が図3における右側に開口部が形成された形状に形成されている。
【0030】
この除電用フロント側ダミー電極26と前記除電用リヤ側ダミー電極27とは、両側パネル基板24,25が互いに重ね合わされた状態において、少なくとも1部を互いに対向させるようになっている。
【0031】
前記フロント側パネル基板24の図3における下端部には、前記リヤ側パネル基板25の端面より延出した平面形状とされた延出部30が、下方に向かって延出形成されている。
【0032】
そして、前記除電用フロント側ダミー電極26における図3の下端部には、前記除電用フロント側ダミー電極26と接続されたリード電極端子26aが、前記延出部30へ延出して形成されている。
【0033】
そして、前記延出部30において、前記リード電極端子26aは、除電手段としての可撓配線基板31と異方性導電膜等の接続手段17を介して電気的に接続されている。
【0034】
これにより、フロント側パネル基板24の非表示領域13が、外部からの影響によって帯電したとしても、この帯電によって生じた電荷を、前記除電用フロント側ダミー電極26によってすみやかに可撓配線基板31側へ逃がすことができるようになっている。
【0035】
なお、前記フロント側表示電極11の図3における右側には、フロント側表示電極11と前記リヤ側パネル基板25に配設され可撓配線基板20とを導通させるための前記トランスファ部29が形成されている。このトランスファ部29は、複数本のフロント側引き回し配線29aを介して前記フロント側表示電極11に接続されている。
【0036】
次に、本発明に係る液晶表示素子の除電方法の実施形態について説明する。
【0037】
本実施形態における除電方法に用いられる液晶表示素子は、前述のように、前記リヤ側パネル基板25の非表示領域13に前記除電用リヤ側ダミー電極27が形成され、この除電用リヤ側ダミー電極27が、前記端子部15に電気的に接続された可撓配線基板20における接地部と接続され、かつ、前記フロント側パネル基板24の非表示領域13に前記除電用フロント側ダミー電極26が形成され、この除電用フロント側ダミー電極26を、前記延出部30上に接続された除電手段としての可撓配線基板31における接地部に接続されることによって形成されている。
【0038】
そして、このように形成した液晶表示素子23を用いれば、前記リヤ側パネル基板25の非表示領域13に、外部からの影響によって帯電が生じても、この帯電による電荷は、前記リヤ側パネル基板25の非表示領域13に形成された前記除電用リヤ側ダミー電極27を介して前記端子部15に電気的に接続された可撓配線基板20へ即時に移動する。
【0039】
これにより、前記リヤ側パネル基板25の非表示領域13の帯電状態をすみやかに解消することができる。
【0040】
これに平行して、前記フロント側パネル基板24の非表示領域13に、外部からの影響によって帯電が生じた場合、この帯電による電荷は、前記フロント側パネル基板24の非表示領域13に形成された前記除電用フロント側ダミー電極27を介して前記延出部30に電気的に接続された可撓配線基板31へ即時に移動する。
【0041】
これにより、前記フロント側パネル基板24の非表示領域13の帯電状態をすみやかに解消することができる。
【0042】
したがって、本実施形態によれば、前記除電用リヤ側ダミー電極27およびこの除電用リヤ側ダミー電極27に接続された可撓配線基板20と、前記除電用フロント側ダミー電極26およびこの除電用フロント側ダミー電極26に接続された除電手段としての可撓配線基板31とによって、非表示領域13の帯電状態を即時に解消することができ、この結果、非表示領域13の異常点灯を防止することができる。
【0043】
なお、本発明は前記実施形態のものに限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
【0044】
たとえば、前記実施形態においては、前記除電用フロント側ダミー電極26に接続される除電手段として、前記可撓配線基板31を採用していたが、この可撓配線基板31の替わりに、図4に示すようなインターコネクタ32を備えた接地部を有する基板33を前記延出部30と電気的に接続するようにしてもよい。
【0045】
この場合においても、前記可撓配線基板31の場合と同様に、前記フロント側パネル基板24の非表示領域13に帯電した電荷を基板33側へ即時に逃がすことができ、フロント側パネル基板24の非表示領域13をすみやかに除電することができる。
【0046】
さらに、前記実施形態においては、前記除電手段を接続するための前記延出部30を、前記フロント側パネル基板24の、前記端子部15に対して平面において対向する一端部側に形成しているが、これに限る必要はなく、前記延出部を前記フロント側パネル基板の他の3つの端部側のいずれかに形成するようにしてもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の請求項1に係る液晶表示素子によれば、非表示領域の帯電状態をすみやかに解消することができ、非表示領域の異常点灯を防止することができる。これによって、点灯不良のない高品位な液晶表示を実現することができる。
【0048】
請求項2に係る液晶表示素子によれば、請求項1に係る液晶表示素子の効果に加えて、より安価にかつ効率的に非表示領域の帯電状態を解消することができる。
【0049】
請求項3に係る液晶表示素子の除電方法によれば、非表示領域の帯電状態を簡便かつ迅速に解消して非表示領域の異常点灯を防止することができ、これによって、表示品位に優れた液晶表示素子を得ることができる。
【0050】
請求項4に係る液晶表示素子の除電方法によれば、請求項3に係る液晶表示素子の除電方法の効果に加えて、表示品位に優れた液晶表示素子をより安価に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示素子の実施形態を模式的に示した概略断面図
【図2】本発明に係る液晶表示素子の実施形態において、リヤ側パネル基板の構成を示した概略平面図
【図3】本発明に係る液晶表示素子の実施形態において、フロント側パネル基板の構成を示した概略平面図
【図4】本発明に係る液晶表示素子の実施形態において、図1と異なる他の実施形態を模式的に示した概略断面図
【図5】従来から採用されていた液晶表示素子を示した概略断面図
【符号の説明】
4 シール
5 液晶
9 表示領域
11 フロント側表示電極
12 リヤ側表示電極
13 非表示領域
15 端子部
16 リード端子
17 接続手段
18 液晶駆動用IC
20 可撓配線基板
23 液晶表示素子
24 フロント側パネル基板
25 リヤ側パネル基板
26 除電用フロント側ダミー電極
26a リード端子
27 除電用リヤ側ダミー電極
27a リード端子
30 延出部
31 可撓配線基板
32 インターコネクタ
33 基板

Claims (4)

  1. 互いに対向する両内側表面における表示領域上に表示電極が形成された二枚のパネル基板がシールを介して互いに貼り合わされ、前記二枚のパネル基板および前記シールによって囲繞された空間内に液晶が封入され、一方のパネル基板に前記表示電極から引き出されたリード端子を有する端子部が形成され、前記端子部上に可撓配線基板が接続されている液晶表示素子において、
    前記二枚のパネル基板の互いに対向する両内側表面上における非表示領域上に一対の除電用ダミー電極が形成され、前記端子部が形成された一方のパネル基板側の除電用ダミー電極は、その一部が前記端子部に延出されて、該端子部に接続された前記可撓配線基板と電気的に接続され、他方のパネル基板側の除電用ダミー電極は前記他方のパネル基板に形成された延出部にその一部が延出されるとともに、前記延出部に配設された除電手段と電気的に接続されていることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記除電手段は、可撓配線基板またはインターコネクタを備えた基板である請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 互いに対向する両内側表面における表示領域上に表示電極が形成された二枚のパネル基板がシールを介して互いに貼り合わされ、前記二枚のパネル基板および前記シールによって囲繞された空間内に液晶が封入され、一方のパネル基板に前記表示電極から引き出されたリード端子を有する端子部が形成され、前記端子部上に可撓配線基板が電気的に接続された液晶表示素子に帯電した電荷の除去を行う液晶表示素子の除電方法において、
    前記二枚のパネル基板の互いに対向する両内側表面上における非表示領域上に、一対の除電用ダミー電極を形成し、前記端子部が形成された一方のパネル基板の除電用ダミー電極の一部を前記端子部に延出させて前記端子部に接続された前記可撓配線基板に電気的に接続させるとともに、他方のパネル基板の除電用ダミー電極の一部を前記他方のパネル基板に形成された延出部に延出させて該延出部に配設される除電手段に電気的に接続させることを特徴とする液晶表示素子の除電方法。
  4. 前記除電手段として、可撓配線基板またはインターコネクタを備えた基板を用いる請求項3に記載の液晶表示素子の除電方法。
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