JP2004233608A - 露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録媒体に対する画像形成時間を短縮し、かつ記録媒体における描画領域の増加に伴って記録媒体に対する画像形成時間が増加することを防止する。
【解決手段】レーザー露光装置200では、読取キャリッジ210に装着されたステージ部材220を前進させると共に、CCDカメラ284,286,288によりステージ部材220上に載置された基板材料202のアライメントマーク132を読み取る読取工程と、露光キャリッジ214に装着されたステージ部材220を前進させると共に、レーザースキャナ134により基板材料202を画像情報に基づき変調されたレーザービームBにより露光する露光工程とを略同時期に行い、前記読取工程の完了後に、ステージリフタ250がステージ部材220を基板材料202と共に読取キャリッジ210から持ち上げ、これを露光キャリッジ214に載せ替える。
【選択図】 図1
【解決手段】レーザー露光装置200では、読取キャリッジ210に装着されたステージ部材220を前進させると共に、CCDカメラ284,286,288によりステージ部材220上に載置された基板材料202のアライメントマーク132を読み取る読取工程と、露光キャリッジ214に装着されたステージ部材220を前進させると共に、レーザースキャナ134により基板材料202を画像情報に基づき変調されたレーザービームBにより露光する露光工程とを略同時期に行い、前記読取工程の完了後に、ステージリフタ250がステージ部材220を基板材料202と共に読取キャリッジ210から持ち上げ、これを露光キャリッジ214に載せ替える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像情報に応じて変調された光ビームによりプリント配線基板等の記録媒体における描画領域を露光して画像を形成する露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線基板等の配線パターンを形成するためのレーザー露光装置としては、例えば、特許文献1に記載されているものが知られている。この特許文献1に記載された走査式描画装置では、基板搬送用テーブル上に載置されたプリント配線基板の四隅にそれぞれ設けられた位置合せ穴(アライメントマーク)を、テーブルと共に副走査方向に沿って待機位置からCCDカメラによる測定位置へ移動させ、このCCDカメラによりプリント配線基板における各位置合せ穴を撮像し、この撮像に得られたプリント配線基板の位置に合わせて描画座標系中の描画対象領域をシフト(座標変換)することにより、描画情報に対するアライメント処理を実行すると共に、テーブルを待機位置に復帰させた後、このテーブルを副走査へ所定の画像形成速度で移動させつつ、レーザービームによる露光位置にて、描画情報に基づいて変調され、ポリゴンミラーにより主走査方向へ偏向されたレーザービームによりプリント配線基板上に形成された感光性塗膜を走査、露光することにより、プリント配線基板における所定の領域(描画領域)に配線パターンに対応する潜像を形成する。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−275863号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載されているようなレーザー露光装置では、プリント配線基板における1個の描画領域に対する画像形成を行う際には、プリント配線基板を待機位置からアライメントマークの測定位置へ移動させ、プリント配線基板のアライメントマークの位置を測定した後、このプリント配線基板を待機位置に復帰させなければ、プリント配線基板の描画領域に対する露光を開始できない。
【0005】
またプリント配線基板には、描画精度の向上のためそれぞれ独立して配線パターンが形成される複数の描画領域及び、これら複数の描画領域にそれぞれ対応する複数組のアライメントマークが設けられるものがある。このようなプリント配線基板における複数の描画領域に、上記特許文献1に記載されているようなレーザー露光装置により、それぞれ配線パターンを形成する場合には、1個の描画領域に対する露光が完了する毎に、プリント配線基板を露光位置から待機位置へ一旦復帰させ、1組のアライメントマークに対する位置測定を完了した後でなければ、プリント配線基板における次の描画領域に対する露光を開始できない。このため、このようなレーザー露光装置では、記録媒体におけるアライメントマークに対する読取開始から描画領域に対する露光終了までの時間(画像形成時間)が長くなり、またプリント配線基板に設けられた描画領域の個数が増加するに伴って、アライメントマークの位置測定に要する時間が増加し、1枚のプリント配線基板全体に対する画像形成時間も著しく増加してしまう。
【0006】
本発明の目的は、上記事実を考慮して、記録媒体に対する画像形成時間を短縮でき、かつ記録媒体における描画領域の増加に伴って記録媒体に対する画像形成時間が増加することを防止できる露光装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る露光装置は、所定の領域に描画領域が設けられると共に、該描画領域に対応するアライメントマークが形成された記録媒体を移動させつつ、該記録媒体における描画領域を画像情報に基づいて変調された光ビームにより露光し、該描画領域に画像を形成する露光装置であって、記録媒体を保持すると共に、該記録媒体と一体となって移動するステージ部材と、前記ステージ部材が着脱可能とされた読取キャリッジが設けられ、該読取キャリッジに装着された前記ステージ部材を所定の読取搬送経路に沿って移動させる読取搬送手段と、前記読取搬送経路に沿って移動する前記ステージ部材により保持された記録媒体からアライメントマークを前記読取搬送経路における所定の読取位置で読み取る読取手段と、前記読取手段からの読取情報に基づいて記録媒体における描画領域の位置を判断すると共に、この描画領域の位置に応じて画像情報に対する変換処理を行う情報処理部と、前記ステージ部材が着脱可能とされた露光キャリッジが設けられ、該露光キャリッジに装着された前記ステージ部材を所定の露光搬送経路に沿って移動させる露光搬送手段と、前記露光搬送経路に沿って移動する前記ステージ部材により保持された記録媒体における描画領域を、前記露光搬送経路における所定の露光位置で前記情報処理部からの画像情報に基づき変調された光ビームにより露光して、この該描画領域に画像を形成する露光手段と、前記読取手段により記録媒体からアライメントマークを読み取った後、前記ステージ部材を記録媒体と共に前記読取キャリッジから離脱させ前記露光キャリッジに装着する第1の載替手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記本発明に係る露光装置では、読取搬送手段が読取キャリッジに装着されたステージ部材を読取搬送経路に沿って移動させると共に、読取手段が読取搬送経路に沿って移動するステージ部材により保持された記録媒体からアライメントマークを読取位置で読み取る読取工程と、露光搬送手段が露光キャリッジに装着されたステージ部材を露光搬送経路に沿って移動させると共に、露光手段が移動する記録媒体における描画領域を露光位置で情報処理部からの画像情報に基づき変調された光ビームにより露光する露光工程とが行われ、前記読取工程の完了後に、第1の載替手段がステージ部材を記録媒体と共に読取キャリッジから離脱させ露光搬送手段における露光キャリッジに装着する。
【0009】
従って、記録媒体に複数の描画領域及び、これら複数の描画領域にそれぞれ対応する複数組のアライメントマークが設けられている場合にも、1回の読取工程にて記録媒体の全てのアライメントマークを読み取り、これにより得られた読取情報に基づいて記録媒体における全ての描画領域の位置等を判断し、この位置等に応じて画像情報を変換した後、露光手段により各描画領域をそれぞれ変換後の画像情報に基づいて変調された光ビームにより露光できるので、記録媒体に複数の描画領域及び、これら複数の描画領域にそれぞれ対応する複数組のアライメントマークが設けられている場合にも、描画領域の増加に伴う記録媒体に対する画像形成時間の増加を防止できる。
【0010】
また、読取手段による記録媒体のアライメントマークに対する読取工程が完了した後、第1の載替手段が記録媒体を保持したステージ部材を読取キャリッジから離脱させ露光キャリッジに装着することにより、読取キャリッジには他のステージ部材が装着可能になると共に、露光手段による記録媒体の描画領域に対する露光工程が開始可能になるので、複数の記録媒体の描画領域に対する画像形成を連続的に行う場合には、露光手段による先行する記録媒体の描画領域の露光時に、読取手段により後続する記録媒体のアライメントマークを読み取るようにすれば、読取工程と露光工程とを併行して行えるようになるので、記録媒体に対する読取開始から露光完了までの画像形成時間を短縮できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
[レーザー露光装置の構成]
図1及び図2には、本発明の第1の実施形態に係るレーザー露光装置が平面図及び側面図として示されている。このレーザー露光装置200は、プリント配線基板の材料となる薄肉プレート状の基板材料202を画像情報により変調されたレーザービームBにより露光し、この基板材料202にプリント配線基板の配線パターンに対応する画像(潜像)を形成するものである。
【0013】
図2の側面図に示されるように、レーザー露光装置200には、その下端部に肉厚プレート状に形成された支持基台205が設けられており、この支持基台205上には、図1の平面図に示されるように、その幅方向(矢印W方向)に沿って隣接するように読取支持台204及び露光支持台206が配置されている。これらの支持台204,206は、それぞれ幅方向に直交するステージ移動方向(矢印M方向)を長手方向とする略長方形のプレート状に形成されており、防振ゴム等の防振部材(図示省略)を介して支持基台205上に設置されている。
【0014】
一方(図1の上側)の読取支持台204の上面部には、ステージ移動方向へ直線的に延在する一対のガイドレール208が取り付けられており、この一対のガイドレール208上には、プレート状の読取キャリッジ210がステージ移動方向に沿って移動可能に配置されている。ここで、読取キャリッジ210は、ステージ移動方向に沿って所定の読取搬入位置(図1の破線で示される位置)と読取搬出位置(図1の2点鎖線で示される位置)との範囲で移動可能とされている。また、他方(図1の下側)の露光支持台206の上面部にも、ステージ移動方向へ直線的に延在する一対のガイドレール212が取り付けられており、この一対のガイドレール212上にはプレート状の露光キャリッジ214がステージ移動方向に沿って移動可能に配置されている。ここで、露光キャリッジ214はステージ移動方向に沿って所定の露光搬入位置(図1の破線で示される位置)と露光搬出位置(図1の2点鎖線で示される位置)との間で移動可能とされている。
【0015】
なお、読取キャリッジ210がステージ移動方向に沿って読取搬入位置から読取搬出位置側へ向う方向を前進方向とし、これとは逆に、読取搬出位置から読取搬入位置側へ向う方向を後進方向として説明を行う。また露光キャリッジ214がステージ移動方向に沿って露光搬入位置から露光搬出位置側へ向う方向を前進方向とし、これとは逆に、露光搬出位置から露光搬入位置側へ向う方向を後進方向として説明を行う。
【0016】
図1に示されるように、支持台204,206内には、一対のガイドレール208,212の下側にリニアモータ216,218(図6参照)がそれぞれ配置されている。これらのリニアモータ216,218は、それぞれ読取キャリッジ210及び露光キャリッジ214に駆動力が伝達可能に連結されており、後述する搬送制御部194(図6参照)により駆動電流及び駆動パルスが供給されると、キャリッジ210,214に対して駆動力を作用させ、キャリッジ210,214をステージ移動方向に沿って移動(前進又は後進)させる。またリニアモータ216,218には、それぞれリニアエンコーダ217,219(図6参照)が付設されており、これらのリニアエンコーダは、それぞれキャリッジ210,214の移動方向に対応する極性のパルス信号を移動量に比例するパルス数だけ搬送制御部194へ出力する。
【0017】
レーザー露光装置200は、キャリッジ210,214上にそれぞれ装着可能とされたプレート状のステージ部材220を2個備えており、図1に示されるように、一方のステージ部材220は読取キャリッジ210上に装着され、他方のステージ部材220は露光キャリッジ214上に装着されている。ここで、レーザー露光装置200では、2個のステージ部材220が互いに同一構造とされると共に、読取キャリッジ210と露光キャリッジ214とが互いに同一構造とされている。これにより、2個のステージ部材220の何れも、相互に一方のキャリッジ210,214から離脱させ、他方のキャリッジ210,214へ載せ替えることが可能になっている。ステージ部材220はキャリッジ210,214に装着された状態で、キャリッジ210,214と一体となって移動する。
【0018】
図3(A)に示されるように、ステージ部材220は、その上面部が基板材料202を載置するための平面状の載置面222とされており、この載置面222には、基板材料202を負圧により吸着するための吸着溝224が形成されており、この吸着溝224内には、載置面222上への基板材料202の載置時に真空ポンプ等の真空発生装置から負圧が供給される。これにより、載置面222上に載置された基板材料202が吸着溝内の負圧の作用により載置面222上に密着状態で固定される。ここで、基板材料202の上面部は、感光材料により薄膜状の感光性塗膜が成膜された被露光面203(図2参照)とされている。この被露光面203には、レーザー露光装置200による潜像形成後に、エッチング等の所定の処理を受けることにより潜像に対応する配線パターンが形成される。ここで、感光性塗膜は、基板材料202の支持体に液状の感光材料を塗布し、乾燥硬化されて形成されるか、予めフィルム状に成膜された感光材料を支持体上にラミネートして形成されている。
【0019】
図1に示されるように、レーザー露光装置200には、読取搬送方向に沿って読取支持台204の上流側(図1では右側)に基板材料202を載置するためのプリアライメントテーブル226が配置されている。このプリアライメントテーブル226は、図4の側面図に示されるように、アライメント機構228を介してケーシング230により支持され、その上面部が基板材料202を載置するための平面状の載置面227とされている。アライメント機構228は、プリアライメントテーブル226をステージ移動方向、幅方向及び回転方向の各方向に沿って移動可能に支持している。
【0020】
図4に示されるように、プリアライメントテーブル226を支持するケーシング230内には複数個(例えば、2個)の照明装置232が収納されている。これらの照明装置232は、例えば、プリアライメントテーブル226上の基板材料202におけるステージ移動方向に沿った両端部にそれぞれ対応する位置にそれぞれ支持されている。プリアライメントテーブル226の上方には、ブラケッ227トにより複数個の照明装置232にそれぞれ正対するように複数個(本実施形態では2個)のCCDカメラ234が支持されている。またプリアライメントテーブル226には、照明装置232との対向部分に透過窓(図示省略)が設けられている。
【0021】
レーザー露光装置200では、プリアライメントテーブル226上に1枚の基板材料202が載置されると、照明装置232から照明光が出射され、この照明光が透過窓を通してプリアライメントテーブル226の上方へ出射される。これにより、CCDカメラ234は、基板材料202の両端部付近を含む領域を撮像し、この撮像領域の光量分布に対応する撮像信号をアライメント制御部196(図6参照)へ出力する。アライメント制御部196は、CCDカメラ234からの撮像信号に基づいてプリアライメントテーブル226上における基板材料202の位置を判断し、この基板材料202の位置と搬出基準位置との偏差に基づいて位置制御信号を生成し、この位置制御信号をアライメント機構228へ出力する。
【0022】
一方、アライメント機構228は、アライメント制御部196からの位置調整信号に従って、プリアライメントテーブル226をステージ移動方向、幅方向又は回転方向へ駆動し、プリアライメントテーブル226上の基板材料202を所定の搬出基準位置へ位置調整する。これにより、基板材料202をプリアライメントテーブル226上に載置する際に基板材料202の位置にバラツキがあっても、プリアライメントテーブル226上の基板材料202が一定の精度で所定の搬出基準位置に位置調整される。
【0023】
図1及び図4に示されるように、レーザー露光装置200には、プリアライメントテーブル226上に載置された基板材料202を読取キャリッジ210に装着されたステージ部材220上へ搬送するための搬入リフタ236が設けられている。搬入リフタ236は、本体部238及び、この本体部238によりステージ移動方向及び上下方向(図4の矢印H方向)に沿って移動可能に支持されたアーム部240を備えており、このアーム部240の下面は、複数の吸着穴(図示省略)が開口した基板材料202の吸着面とされており、アーム部240の吸着穴には、真空ポンプ等の真空発生装置が配管等を通して接続されている。
【0024】
搬入リフタ236は、基板材料202がプリアライメントテーブル226上に載置され、アライメント機構228により搬出基準位置に位置決めされると、この基板材料202をアーム部240により吸着してプリアライメントテーブル226上からステージ部材220上へ搬送し、基板材料202をステージ部材220の載置面222上に載置する。このとき、搬入リフタ236は、被露光面203の中心と載置面222の中心とが一致し、かつ基板材料202がステージ移動方向に対して傾きが生じないように、基板材料202を載置面222における所定の基準位置に載置する。但し、基板材料202をプリアライメントテーブル226上に載置した際の位置決め誤差、ステージ部材220の搬入位置へ停止させる際の位置決め誤差等の影響により、基準位置に対して基板材料202には若干の位置決め誤差が不可避的に生じる。
【0025】
図1に示されるように、レーザー露光装置200には、前進方向に沿って露光キャリッジ214の下流側にベルトコンベア242が設置されている。このベルトコンベア242は、基板材料202が露光キャリッジ214側の端部に載置されると、基板材料202を搬送し、この基板材料202を一時保管用のスタック台や他のベルトコンベア等へ送り出す。
【0026】
またレーザー露光装置200には、露光キャリッジ214と共に露光搬出位置に移動したステージ部材220上の基板材料202をベルトコンベア242上へ搬送するための搬出リフタ244が設けられている。搬出リフタ244は、搬入リフタ236と同様に、本体部246及び、この本体部246によりステージ移動方向及び上下方向に沿って移動可能に支持されたアーム部248を備えており、このアーム部248の下面は、複数の吸着穴(図示省略)が開口した基板材料202の吸着面とされており、アーム部248の吸着穴には、配管等を通して真空ポンプ等の真空発生装置が接続されている。搬出リフタ244は、基板材料202の載置されたステージ部材220が露光搬出位置に達すると、ステージ部材220上の基板材料202をアーム部248により吸着してステージ部材220上からベルトコンベア242へ搬送し、基板材料202をベルトコンベア242の端部上に載置する。これに連動し、ベルトコンベア242は基板材料202を搬出開始する。
【0027】
図1に示されるように、レーザー露光装置200には、ステージ移動方向に沿って支持台204,206とプリアライメントテーブル226との間にステージリフタ250が設置されると共に、このステージリフタ250とは反対側にステージリフタ256が設置されている。ここで、ステージリフタ250は、露光搬出位置にある露光キャリッジ214に装着されたステージ部材220を読取搬入位置にある読取キャリッジ210へ搬送して装着するためのものであり、ステージリフタ256は、読取搬出位置にある読取キャリッジ210に装着されたステージ部材220を、露光搬入位置にある露光キャリッジ214へ搬送して装着するためのものである。
【0028】
ステージリフタ250は、本体部252及び、この本体部252により幅方向及び及び上下方向に沿って移動可能に支持されたフォーク部254を備えており、このフォーク部254は、本体部252により先端側が支持台204,206上へ延出するように支持されている。またステージリフタ256も、本体部258及び、この本体部258により幅方向及び及び上下方向に沿って移動可能に支持されたフォーク部260を備えており、このフォーク部260は、本体部258により先端側が支持台204,206上へ延出するように支持されている。ここで、ステージリフタ250,256のフォーク部254,260は、それぞれ先端側が二股状に分岐した薄肉プレート状に形成されており、この先端側がキャリッジ210,214の上面部と、このキャリッジ210,214に装着されたステージ部材220の下面部との間に生じる隙間内へステージ移動方向に沿って挿脱可能とされている。
【0029】
ステージリフタ250は、図1に示されるように、露光キャリッジ214が露光搬入位置へ移動すると、フォーク部254を幅方向に沿って露光支持台206上に位置し、上下方向に沿って下限位置まで下降したステージ待機位置に保持する。この状態で、ステージ部材220が装着された露光キャリッジ214が露光搬入位置から露光搬出位置まで移動してくると、フォーク部254の先端側が露光キャリッジ214とステージ部材220との間に挿入される。このとき、ステージ部材220が装着されていない読取キャリッジ210が読取搬入位置にあると、ステージリフタ250はフォーク部254を下限位置から上限位置まで上昇させる。これにより、ステージ部材220がフォーク部材254により支持されつつ露光キャリッジ214の上方へ持ち上げられる。
【0030】
次いで、ステージリフタ250は、フォーク部254を幅方向に沿って読取キャリッジ210上まで移動させた後、このフォーク部254を下限位置まで下降させる。これにより、ステージ部材220がフォーク部254から読取搬出位置にある読取キャリッジ210上に載せ替えられる。この後、ステージリフタ250は、読取キャリッジ210が読取搬出位置に移動し、かつ露光キャリッジ214が露光搬入位置に移動すると、フォーク部254をステージ待機位置に復帰させる。
【0031】
一方、ステージリフタ256も、ステージリフタ250と同様に、読取キャリッジ210が読取搬入位置から読取搬出位置へ移動してくると、この読取キャリッジ210に装着されたステージ部材220をフォーク部260により持ち上げ、露光搬入位置にある露光キャリッジ214上に載せ替える。従って、レーザー露光装置200では、ステージリフタ250により一方のステージ部材220を露光キャリッジ214から読取キャリッジ210へ載せ替え、これと同時期に、ステージリフタ256により他方のステージ部材220を読取キャリッジ210から露光キャリッジ214へ載せ替えることにより、2個のステージ部材220を読取キャリッジ210及び露光キャリッジ214との間で循環的に載せ替えることが可能になっている。
【0032】
図3(A)に示されるように、キャリッジ210,214の上面部には、ステージ部材220を所定の装着位置に位置決めするために3種類の位置決め部材262,266,268がそれぞれ取り付けられている。ここで、位置決め部材262は、図3(B)に示されるように略円柱状に形成されている。この位置決め部材262には、外径が一定とされた円柱状の基端部263と、この基端部263の先端面から突出するテーパ状のガイドピン264とが一体的に形成されており、基端部263の先端面には、ガイドピン264の外周側に軸直角方向へ延出する平面状の高さ基準面265が設けられている。位置決め部材262は、略長方形の面形状を有するキャリッジ210,214における一方の長辺側の両コーナ部にそれぞれ1個ずつ配置されると共に、他方の長辺に沿った中央部に1個配置されている。
【0033】
位置決め部材266は、ステージ移動方向に沿って細長い略直方体状に形成されており、下端面から上端面へ向かって幅方向に沿った寸法が狭くなるようにテーパが付けられている。この位置決め部材266は、その幅方向に沿った両側面がそれぞれ対称的に傾いた平面状の位置基準面267とされている。ここで、位置決め部材266は、幅方向に沿って、キャリッジ210,214における一方の長辺側の両コーナ部にそれぞれ位置する位置決め部材262の内側にそれぞれ1個ずつ配置されている。
【0034】
位置決め部材268は、位置決め部材266と同一形状を有しているが、その長手方向が幅方向と一致するように、位置決め部材266とは90°異なる向きに配置されている。この位置決め部材268では、ステージ移動方向に沿った両側面がそれぞれ対称的に傾いた平面状の位置基準面269とされている。ここで、位置決め部材268は、幅方向に沿って、キャリッジ210,214における他方の長辺に沿った中央部に位置する位置決め部材262の内側に配置されている。
【0035】
一方、ステージ部材220の下面部には、位置決め部材262,266,268にそれぞれ対応して3種類の受け部材270,274,276が固定されている。位置決め部材262に対応する受け部材270は、図3(B)に示されるように下方へ向って開口するカップ状に形成され、その内部には上部側に位置決め部材262のガイドピン264よりも僅かに大径の小径部271が形成されると共に、小径部271の下部側に位置決め部材262の基端部263よりも僅かに大径の大径部272が形成され、小径部271と大径部272との間に形成された段差状の平面部分が高さ基準面273とされている。ここで、位置決め部材262におけるガイドピン264及び基端部263は、受け部材270における小径部271及び大径部272内へ挿入可能とされており、それぞれが所定量だけ挿入された状態で、位置決め部材262の高さ基準面265が受け部材270の高さ基準面273に密着する。
【0036】
位置決め部材266に対応する受け部材274は、図3(C)に示されるように下方へ向って開口するカップ状に形成され、その下面における開口端275の形状がステージ移動方向に沿って細長い略直方形とされている。この受け部材274内には、その開口端275から上面側へ向かって幅方向に沿った開口幅がテーパ状に狭くなるように傾斜した一対の位置基準面276が形成されている。ここで、位置決め部材266の先端側は、開口端275を通して受け部材274内に挿入可能とされており、所定量だけ挿入された状態で、一対の位置基準面267が受け部材274の一対の位置基準面276にそれぞれ密着する。
【0037】
位置決め部材268に対応する受け部材278は、図3(D)に示されるように下方へ向って開口するカップ状に形成され、その下面における開口端279の形状が幅方向に沿って細長い略直方形とされている。この受け部材278内には、その開口端279から上面側へ向かってステージ移動方向に沿った開口幅がテーパ状に狭くなるように傾斜した一対の位置基準面280が形成されている。ここで、位置決め部材268の先端側は、開口端279を通して受け部材278内に挿入可能とされており、所定量だけ挿入された状態で、一対の位置基準面269が受け部材278の一対の位置基準面280にそれぞれ密着する。
【0038】
レーザー露光装置200では、ステージリフタ250,256によりステージ部材220を一方のキャリッジ210,214から他方のキャリッジ210,214へ載せ替える際には、所定の位置決め精度でステージ部材220をキャリッジ210,214の中央に傾きが生じないように載置する。このとき、キャリッジ210,214の上面部に固定された位置決め部材262,266,268がステージ部材220の下面部に固定された受け部材270,274,276内にそれぞれ所定量だけ挿入され、基準面265,267,269がそれぞれ基準面273,276,280に密着する。これにより、ステージ部材220は、常にキャリッジ210,214における中央における装着位置に傾きが生じないように、十分に高い精度で位置決めされる。このとき、読取キャリッジ210に固定された位置決め部材262,266,268と露光キャリッジ214に固定された位置決め部材262,266,268とは、それぞれキャリッジ210,214の中央を基準として、ステージ部材220を相対的には同一位置(装着位置)に位置決めするように予め固定位置が高い精度で調整されている。
【0039】
図1に示されるように、読取支持台204の上面部には、ステージ移動方向に沿った中央部付近に一対のガイドレール208を跨ぐように、下方へ向って開いた略コ字状に形成された支持ゲート282が設置され、この支持ゲート282と読取支持台204との間には読取キャリッジ210及びステージ部材220が通過可能な空間が形成されている。支持ゲート282には、読取搬入位置側の側端部に複数台(本実施形態では3台)のCCDカメラ284,286,288が配置されており、これらのCCDカメラ284,286,288は、それぞれ二次元CCDを撮像素子として備えている。またCCDカメラ284,286,288は、撮像時の光源として1回の発光時間が極めて短いストロボ290(図6参照)を備えており、このストロボ290の発光時のみ撮像が可能となるように、各CCD素子の受光感度が設定されている。
【0040】
CCDカメラ284,286,288は、その真下の撮像位置をステージ部材220が通過する際に、所定のタイミングでストロボ290を発光させ、このストロボ290からの光の反射光を受光することにより、基板材料202におけるアライメントマーク132(図5参照)を含む撮像範囲をそれぞれ撮像する。ここで、CCDカメラ284,286,288は、基板材料202の幅方向(矢印W方向)に沿ってそれぞれ異なる領域を撮像範囲としている。各CCDカメラ284,286,288は、撮像対象となる基板材料202に形成されたアライメントマーク132の位置等に応じて幅方向に沿った位置調整が可能とされている。
【0041】
図1に示されるように、露光支持台206の上面部には、ステージ移動方向に沿った中央部付近に一対のガイドレール212を跨ぐように、下方へ向って開いた略コ字状に形成された支持ゲート292が設置され、この支持ゲート292と露光支持台206との間には露光キャリッジ214及びステージ部材220が通過可能な空間が形成されている。支持ゲート292には、図2に示されるように、読取支持台204に対向するようにレーザースキャナ134が設けられている。レーザースキャナ134は、露光ヘッド166等を収容するケーシング294を備えており、その真下の露光位置PE(図2参照)を基板材料202が通過する時に、画像情報に基づいて変調された複数本のレーザービームBを基板材料202の被露光面203へ照射し、基板材料202の被露光面203にプリント配線基板の配線パターンに対応する画像(潜像)を形成する。
【0042】
図5(A)及び(B)にそれぞれに示されるように、基板材料202には、その被露光面203に予め配線パターンに対応する潜像が形成される複数の描画領域131が設定されると共に、これら複数の描画領域131にそれぞれ対応する複数組のアライメントマーク132が形成されている。図5(A)に示される基板材料202には、1枚の基板材料202から、8枚の比較的小面積のプリント配線基板を製造する場合の描画領域131及びアライメントマーク132の配置が示されている。この図5(A)に示される基板材料202では、1枚のプリント配線基板にそれぞれ1対1で対応する描画領域131が幅方向に沿って2行、走査方向に沿って4列設定されており、描画領域131のコーナ部の外側に所定の間隔を空けてアライメントマーク132が形成されている。
【0043】
また図5(B)に示される基板材料202には、1枚の基板材料202から、2枚の比較的大面積のプリント配線基板を製造する場合の描画領域131及びアライメントマーク132の配置が示されている。この図5(B)に示される基板材料202では、1枚のプリント配線基板にそれぞれ1対1で対応する描画領域131が幅方向に沿って1行、走査方向に沿って2列設定されており、描画領域131の各コーナ部の外側に所定の間隔を空けてアライメントマーク132が形成されると共に、描画領域131の走査方向に沿った辺部中心点の外側に所定の間隔を空けてアライメントマーク132が形成されている。
【0044】
ここで、図5(B)に示される描画領域131は、描画領域131の辺部の外側に形成されたアライメントマーク132の位置を基準とし、走査方向に沿って2個の小領域131A,131Bに区画されている。なお、本実施形態のアライメントマーク132は、基板材料202の被露光面203に円形の貫通穴又は凹部を設けることにより形成されているが、被露光面203に予め形成された配線パターンであるランド等をアライメントマークとしても良い。
【0045】
次に、本実施形態に係るレーザー露光装置200に用いられるレーザースキャナ134について詳細に説明する。レーザースキャナ134は、図7及び図8(B)に示されるように、m行n列(例えば、3行5列)の略マトリックス状に配列された複数(例えば、14個)の露光ヘッド166を備えている。この例では、基板材料202の幅との関係で、3行目には4個の露光ヘッド166を配置した。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド166mnと表記する。
【0046】
露光ヘッド166による露光エリア168は、走査方向(矢印)を短辺とする矩形状とされている。これにより、ステージ部材220がステージ移動方向に沿って前進し、基板材料202が相対的に副走査方向へ移動するに従って、基板材料202には露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア168mnと表記する。
【0047】
また、図8(A)及び(B)に示されるように、帯状の露光済み領域170が副走査方向と直交する方向に隙間無く並ぶように、ライン状に配列された各行の露光ヘッドの各々は、配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本実施形態では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア16811と露光エリア16812との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア16821と3行目の露光エリア16831とにより露光することができる。
【0048】
露光ヘッド16611〜166mn各々は、図9、図10(A)及び(B)に示されるように、入射された光ビームを画像情報に応じて各画素毎に変調する空間変調素子として、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)50を備えている。
【0049】
図6に示されるように、レーザースキャナ134を駆動制御するスキャナ制御部192には、画像情報処理部とミラー駆動制御部とが組み込まれており、画像情報処理部では、コントローラ190から入力された画像情報に基づいて、各露光ヘッド166毎にDMD50の制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。なお、制御すべき領域については後述する。また、ミラー駆動制御部では、画像情報処理部で生成した制御信号に基づいて、各露光ヘッド166毎にDMD50の各マイクロミラーの角度を制御する。なお、反射面の角度の制御に付いては後述する。
【0050】
図9及び図10示されるように、DMD50の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア168の長辺方向と対応する方向に沿って一列に配列されたレーザー出射部を備えたファイバアレイ光源66、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザー光を補正してDMD50上に集光させるレンズ系67、レンズ系67を透過したレーザー光をDMD50に向けて反射するミラー69が順に配置されている。
【0051】
レンズ系67は、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザー光を平行光化する1対の組合せレンズ71、平行光化されたレーザー光の光量分布が均一になるように補正する1対の組合せレンズ73、及び光量分布が補正されたレーザー光をDMD上に集光する集光レンズ75で構成されている。組合せレンズ73は、レーザー出射端の配列方向に対しては、レンズの光軸に近い部分は光束を広げ且つ光軸から離れた部分は光束を縮め、且つこの配列方向と直交する方向に対しては光をそのまま通過させる機能を備えており、光量分布が均一となるようにレーザー光を補正する。
【0052】
また、DMD50の光反射側には、DMD50で反射されたレーザー光を基板材料202の被露光面203上に結像するレンズ系54、58が配置されている。レンズ系54及び58は、DMD50と被露光面56とが共役な関係となるように配置されている。
【0053】
DMD50は、図11に示されるように、SRAMセル(メモリセル)60上に、微小ミラー(マイクロミラー)62が支柱により支持されて配置されたものであり、画素(ピクセル)を構成する多数の(例えば、600個×800個)の微小ミラーを格子状に配列して構成されたミラーデバイスである。各ピクセルには、最上部に支柱に支えられたマイクロミラー62が設けられており、マイクロミラー62の表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、マイクロミラー62の反射率は90%以上である。また、マイクロミラー62の直下には、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル60が配置されており、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
【0054】
DMD50のSRAMセル60にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラー62が、対角線を中心としてDMD50が配置された基板側に対して±α度(例えば±10度)の範囲で傾けられる。図12(A)は、マイクロミラー62がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図12(B)は、マイクロミラー62がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。従って、画像信号に応じて、DMD50の各ピクセルにおけるマイクロミラー62の傾きを、図11に示されるように制御することによって、DMD50に入射された光はそれぞれのマイクロミラー62の傾き方向へ反射される。
【0055】
なお、図11には、DMD50の一部を拡大し、マイクロミラー62が+α度又は−α度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー62のオンオフ制御は、コントローラ190からの指令を受けてスキャナ制御部192により行われる。なお、オフ状態のマイクロミラー62により光ビームが反射される方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
【0056】
また、DMD50は、短辺が副走査方向と所定角度θ(例えば、1°〜5°)を成すように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。図13(A)はDMD50を傾斜させない場合の各マイクロミラーによる反射光像(露光ビーム)53の走査軌跡を示し、図13(B)はDMD50を傾斜させた場合の露光ビーム53の走査軌跡を示している。
【0057】
DMD50には、長手方向にマイクロミラーが多数個(例えば、800個)配列されたマイクロミラー列が、短手方向に多数組(例えば、600組)配列されているが、図13(B)に示されるように、DMD50を傾斜させることにより、各マイクロミラーによる露光ビーム53の走査軌跡(走査線)のピッチP2が、DMD50を傾斜させない場合の走査線のピッチP1より狭くなり、解像度を大幅に向上させることができる。一方、DMD50の傾斜角は微小であるので、DMD50を傾斜させた場合の走査幅W2と、DMD50を傾斜させない場合の走査幅W1とは略同一である。
【0058】
また、異なるマイクロミラー列により同じ走査線上が重ねて露光(多重露光)されることになる。このように、多重露光されることで、露光位置の微少量をコントロールすることができ、高精細な露光を実現することができる。また、主走査方向に配列された複数の露光ヘッド間のつなぎ目を微少量の露光位置制御により段差無くつなぐことができる。
【0059】
なお、DMD50を傾斜させる代わりに、各マイクロミラー列を副走査方向と直交する方向に所定間隔ずらして千鳥状に配置しても、同様の効果を得ることができる。
【0060】
ファイバアレイ光源66は、図14(A)に示されるように、複数(例えば、6個)のレーザーモジュール64を備えており、各レーザーモジュール64には、マルチモード光ファイバ30の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ30の他端には、コア径がマルチモード光ファイバ30と同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバ30より小さい光ファイバ31が結合され、図14(C)に示されるように、光ファイバ31の出射端部(発光点)が副走査方向と直交する主走査方向に沿って1列に配列されてレーザー出射部68が構成されている。なお、図14(D)に示されるように、発光点を主走査方向に沿って2列に配列することもできる。
【0061】
光ファイバ31の出射端部は、図14(B)に示されるように、表面が平坦な2枚の支持板65に挟み込まれて固定されている。また、光ファイバ31の光出射側には、光ファイバ31の端面を保護するために、ガラス等の透明な保護板63が配置されている。保護板63は、光ファイバ31の端面と密着させて配置してもよく、光ファイバ31の端面が密封されるように配置してもよい。光ファイバ31の出射端部は、光密度が高く集塵し易く劣化し易いが、保護板63を配置することにより端面への塵埃の付着を防止することができると共に劣化を遅らせることができる。
【0062】
この例では、クラッド径が小さい光ファイバ31の出射端を隙間無く1列に配列するために、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30の間にマルチモード光ファイバ30を積み重ね、積み重ねられたマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の出射端が、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30に結合された2本の光ファイバ31の出射端間に挟まれるように配列されている。
【0063】
このような光ファイバは、例えば、図15に示されるように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ30のレーザー光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ31を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバは、光ファイバ31の入射端面が、マルチモード光ファイバ30の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ31のコア31aの径は、マルチモード光ファイバ30のコア30aの径と同じ大きさである。
【0064】
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタ等を介してマルチモード光ファイバ30の出射端に結合してもよい。コネクタ等を用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合等に先端部分の交換が容易になり、露光ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ31を、マルチモード光ファイバ30の出射端部と称する場合がある。
【0065】
マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本実施形態では、マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ30は、クラッド径=125μm、コア径=25μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ31は、クラッド径=60μm、コア径=25μm、NA=0.2である。
【0066】
レーザーモジュール64は、図16に示される合波レーザー光源(ファイバ光源)によって構成されている。この合波レーザー光源は、ヒートブロック10上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのUV系半導体レーザーLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6,及びLD7と、UV系半導体レーザーLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズ11,12,13,14,15,16,及び17と、1つの集光レンズ20と、1本のマルチモード光ファイバ30と、から構成されている。UV系半導体レーザーLD1〜LD7は、発振波長及び最大出力が総て同じである。なお、半導体レーザーの個数は7個には限定されない。
【0067】
上記の合波レーザー光源は、図17及び図18に示されるように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ40内に収納されている。パッケージ40は、開口を閉じるよう作製されたパッケージ蓋41を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ40の開口をパッケージ蓋41で閉じることにより、パッケージ40とパッケージ蓋41とにより形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザー光源が気密封止されている。
【0068】
パッケージ40の底面にはベース板42が固定されており、このベース板42の上面には、前記ヒートブロック10と、集光レンズ20を保持する集光レンズホルダー45と、マルチモード光ファイバ30の入射端部を保持するファイバホルダー46とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ30の出射端部は、パッケージ40の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
【0069】
また、ヒートブロック10の側面にはコリメータレンズホルダー44が取り付けられており、コリメータレンズ11〜17が保持されている。パッケージ40の横壁面には開口が形成され、この開口を通してUV系半導体レーザーLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線47がパッケージ外に引き出されている。
【0070】
なお、図18においては、図の煩雑化を避けるために、複数のUV系半導体レーザーのうちUV系半導体レーザーLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズ17にのみ番号を付している。
【0071】
図19は、上記コリメータレンズ11〜17の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズ11〜17の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズ11〜17は、長さ方向がUV系半導体レーザーLD1〜LD7の発光点の配列方向(図19の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
【0072】
一方、UV系半導体レーザーLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザービームB1〜B7を発するレーザーが用いられている。これらUV系半導体レーザーLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
【0073】
従って、各発光点から発せられたレーザービームB1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズ11〜17に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズ11〜17の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザービームB1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズ11〜17の各々は、焦点距離f1=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
【0074】
集光レンズ20は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズ11〜17の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ20は、焦点距離f2=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ20も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
【0075】
次に、レーザー露光装置200における制御系の構成について説明する。図6に示されるように、レーザー露光装置200は、装置全体を制御するためのコントローラ190を備えており、このコントローラ190には、搬送制御部194、画像処理部195、スキャナ制御部192及びアライメント制御部196がそれぞれ接続されている。
【0076】
ここで、搬送制御部194は、キャリッジ210,214にそれぞれ連結されたリニアモータ216,218及びリニアエンコーダ217,219に接続され、キャリッジ210,214の移動時にリニアモータ216,218に駆動パルス信号を出力する。このとき、搬送制御部194は、リニアエンコーダ217,219からのパルス信号に基づいてリニアモータ216,218をフィードバック制御する。画像処理部195は、CCDカメラ284,286,288からの画像信号を処理し、各CCDカメラ284,286,288により撮像されたアライメントマーク132の位置に対応する位置情報をコントローラ190へ出力する。またスキャナ制御部192は、コントローラ190からのスキャナ駆動信号及び、配線パターンに対応する画像信号に基づいてレーザースキャナ134を制御する。
【0077】
次に、上記のように構成された本実施形態に係るレーザー露光装置200の動作について説明する。
【0078】
レーザースキャナ134の各露光ヘッド166において、図16及び図17に示されるように、ファイバアレイ光源66の合波レーザー光源を構成するUV系半導体レーザーLD1〜LD7の各々から発散光状態で出射したレーザービームB1,B2,B3,B4,B5,B6,及びB7の各々は、対応するコリメータレンズ11〜17によって平行光化される。平行光化されたレーザービームB1〜B7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバ30のコア30aの入射端面に収束する。
【0079】
本実施形態では、コリメータレンズ11〜17及び集光レンズ20によって集光光学系が構成され、その集光光学系とマルチモード光ファイバ30とによって合波光学系が構成されている。即ち、集光レンズ20によって上述のように集光されたレーザービームB1〜B7が、このマルチモード光ファイバ30のコア30aに入射して光ファイバ内を伝搬し、1本のレーザービームBに合波されてマルチモード光ファイバ30の出射端部に結合された光ファイバ31から出射する。
【0080】
各レーザーモジュールにおいて、レーザービームB1〜B7のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.85で、UV系半導体レーザーLD1〜LD7の各出力が30mWの場合には、アレイ状に配列された光ファイバ31の各々について、出力180mW(=30mW×0.85×7)の合波レーザービームBを得ることができる。従って、6本の光ファイバ31がアレイ状に配列されたレーザー出射部68での出力は約1W(=180mW×6)である。
【0081】
ファイバアレイ光源66のレーザー出射部68には、高輝度の発光点が主走査方向に沿って一列に配列されている。単一の半導体レーザーからのレーザー光を1本の光ファイバに結合させる従来のファイバ光源は低出力であるため、多数列配列しなければ所望の出力を得ることができなかったが、本実施形態で使用する合波レーザー光源は高出力であるため、少数列、例えば1列でも所望の出力を得ることができる。
【0082】
配線パターンに応じた画像情報がコントローラ190に入力されると、コントローラ190内のフレームメモリに一旦記憶される。この画像情報は、画像を構成する各画素の濃度を2値(ドットの記録の有無)で表したデータである。
【0083】
次に、図20を参照してレーザー露光装置200における2個のステージ部材220及び基板材料202の搬送動作について説明する。なお、読取キャリッジ210に装着されたステージ部材220と露光キャリッジ214に装着されたステージ部材220を特に区別する必要がある場合には、読取キャリッジ210に装着されたものをステージ部材220Rと表記し、露光キャリッジ214に装着されたものをステージ部材220Eと表記する。
【0084】
レーザー露光装置200では、図20(A)に示されるように、プリアライメントテーブル226上に基板材料202が載置されると、アライメント制御部196がCCDカメラ234からの画像信号に基づいて基板材料202の位置を検出すると共に、この検出位置に基づいて生成した位置制御信号をアライメント機構228へ出力する。これにより、アライメント機構228は、位置制御信号に従ってプリアライメントテーブル226と共に基板材料202をステージ移動方向、幅方向及び回転方向へそれぞれ駆動するこ
とで、基板材料202を所定の搬出基準位置に位置調整する。なお、この時点で、ステージ部材220が装着された読取キャリッジ210が読取搬出位置にあり、かつステージ部材220が装着された露光キャリッジ214が露光搬出位置にあり、またステージ部材220R上にはアライメントマーク132の読み取りが完了した基板材料202が載置され、かつステージ部材220E上には露光が完了した基板材料202が載置されているものとする。
【0085】
レーザー露光装置200では、読取キャリッジ210が読取搬出位置に達し、かつ露光キャリッジ214が露光搬出位置に達すると、図20(B)に示されるように、搬出リフタ244によりステージ部材220E上の基板材料202をベルトコンベア242上へ搬送し、ベルトコンベア242により基板材料202を次工程が行われる装置等へ搬出する。
【0086】
レーザー露光装置200では、搬出リフタ244により基板材料202がステージ部材220E上からベルトコンベア242側へ離間すると、ステージリフタ250により露光キャリッジ214に装着されているステージ部材220を持ち上げ、このステージ部材220を読取キャリッジ210へ載せ替えると略同時に、露光キャリッジ214を露光搬出位置から露光搬入位置へ高速で復帰させる。これと併行して、レーザー露光装置200では、ステージリフタ256により読取キャリッジ210に装着されているステージ部材220を持ち上げ、このステージ部材220を露光搬入位置に復帰した露光キャリッジ214に載せ替える。これにより、レーザー露光装置200では、図20(C)に示されるように、読取搬入位置にある読取キャリッジ210にはステージ部材220Rが装着され、かつ露光搬入位置にある露光キャリッジ214には、アライメントマーク132の読み取りが完了した基板材料202の載置されたステージ部材220Eが装着される。
【0087】
レーザー露光装置200では、露光キャリッジ214にステージ部材220Eが装着されると、図20(D)に示されるように、露光キャリッジ214を露光搬出位置側へ移動開始させると共に、搬入リフタ236によりプリアライメントテーブル226上の基板材料202を読取搬入位置にあるステージ部材220R上に載せ替えた後、読取キャリッジ210を読取搬出位置側へ移動開始させる。これにより、レーザー露光装置200では、ステージ部材220E上に載置された基板材料202に対する露光工程が開始され、この露光工程の開始から所定の時間遅れて、ステージ部材220R上に載置された基板材料202に対する読取工程が開始される。
【0088】
先ず、基板材料202に対する読取工程について説明する。この読取工程時に、コントローラ190は、リニアエンコーダ217からのパルス信号によりステージ部材220R上の基板材料202の位置を判断すると共に、画像情報に基づいて基板材料202における各アライメントマーク132の位置を判断し、アライメントマーク132がCCDカメラ284,286,288の撮像位置に達すると、読取キャリッジ210を一時停止させた後、ストロボ290を発光させてCCDカメラ284,286,288により被露光面203におけるアライメントマーク132を含む撮像領域を撮像させ、撮像完了後に読取キャリッジ210の移動を再開する。このとき、CCDカメラ284,286,288により得られた撮像情報は画像処理部195へ出力される。画像処理部195は、撮像情報をアライメントマーク132の走査方向及び幅方向に沿った位置に対応する位置情報に変換し、この位置情報をコントローラ190へ出力する。
【0089】
コントローラ190は、画像処理部195からのアライメントマーク132の位置情報に基づき、1個の描画領域131に対応して設けられた複数個のアライメントマーク132の位置をそれぞれ判断し、これらのアライメントマーク132の位置から描画領域131の走査方向及び幅方向に沿った位置及び描画領域131の走査方向に対する傾き量をそれぞれ判断する。
【0090】
この後、コントローラ190は、描画領域131の走査方向に沿った位置に基づいて描画領域131に対する露光開始のタイミングを算出すると共に、描画領域131の幅方向に沿った位置及び走査方向に対する傾き量に基づいて配線パターンに対応する画像情報に対する変換処理を実行し、変換処理した画像情報をフレームメモリ内に格納する。ここで、変換処理の内容としては、座標原点を中心として画像情報を回転させる座標変換処理、幅方向に対応する座標軸に沿って画像情報を平行移動させる座標変換処理が含まれる。更に必要に応じて、コントローラ190は、描画領域131の幅方向及び走査方向に沿った伸長量及び縮長量に対応させて画像情報を伸長又は縮長させる変換処理を実行する。
【0091】
また、図5(B)に示されるように描画領域131がアライメントマーク132により複数の少領域131A,131Bに分割されている場合には、コントローラ190は、各小領域131A,131B毎に位置及び傾きを判断し、それぞれの小領域131A,131Bに対応する画像情報毎に上記の変換処理を実行する。このようにして得られた変換処理後の画像情報及び描画領域131の位置情報は、2個のステージ部材220の何れか一方に関連付けられてコントローラ190のフレームメモリ内に一時記憶され、基板材料202がステージ部材220上からベルトコンベア242上へ搬送された後にフレームメモリ内から消去される。
【0092】
次に、基板材料202に対する露光工程について説明する。この露光工程時に、コントローラ190は、リニアエンコーダ219からのパルス信号によりステージ部材220E上の基板材料202の位置を判断すると共に、フレームメモリ内に格納された描画領域131の位置情報に基づいて描画領域131の先端が露光位置PEに達するタイミングを判断する。コントローラ190は、描画領域131の先端が露光位置PEに達するタイミングに同期して露光開始信号をスキャナ制御部192へ出力する。これにより、スキャナ制御部192は、フレームメモリに記憶された画像情報を複数ライン分ずつ順次読み出し、データ処理部により読み出した画像情報に基づいて各露光ヘッド166毎に制御信号を生成すると共に、ミラー駆動制御部により生成された制御信号に基づいて各露光ヘッド166毎にDMD50のマイクロミラーの各々がオンオフ制御する。
【0093】
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザー光が照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザー光は、レンズ系54、58により基板材料202の被露光面56上に結像される。このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザー光が画素毎にオンオフされて、基板材料202の描画領域131がDMD50の使用画素数と略同数の画素単位(露光エリア168)で露光される。また、基板材料202(基板材料202)がステージ部材220と共に一定速度で移動されることにより、基板材料202がレーザースキャナ134によりステージ移動方向と反対の方向に副走査され、各露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170(図7及び図8参照)が形成される。
【0094】
コントローラ190は、基板材料202の最先端に位置する描画領域131に対する露光を完了すると、この最先端の描画領域131に対する場合と同様に、読取工程により得られた変換処理後の画像情報及び位置情報に基づいて2番目の描画領域131に対する露光を実行し、この動作を最後端に位置する描画領域131に対する露光が完了するまで繰り返す。
【0095】
レーザー露光装置200では、以上説明した基板材料202に対する露光工程が開始された後、基板材料202に対する読取工程が開始されるが、通常、1枚の基板材料202に対する読取工程の所要時間が露光時間よりも短いことから、露光工程と読取工程とを略同一タイミングで完了させることができる。
【0096】
以上説明した本実施形態のレーザー露光装置200では、読取キャリッジ210に装着されたステージ部材220Rを読取搬入位置から読取搬出位置側へ移動させると共に、CCDカメラ284,286,288によりステージ部材220R上に載置された基板材料202からアライメントマーク132を撮像位置で読み取る読取工程と、露光キャリッジ214に装着されたステージ部材220Eを露光搬入位置から露光搬出位置側へ移動させると共に、レーザースキャナ134により基板材料202における描画領域131を露光位置PEでコントローラ190からの画像情報に基づき変調されたレーザービームBにより露光する露光工程とが行われ、前記読取工程の完了後に、ステージリフタ250がステージ部材220を基板材料202と共に読取キャリッジ210から持ち上げ露光キャリッジ214に載せ替える。
【0097】
従って、基板材料202に複数の描画領域131及び、これら複数の描画領域131にそれぞれ対応する複数組のアライメントマーク132が設けられている場合にも、1回の読取工程にて基板材料202の全てのアライメントマーク132を読み取り、これにより得られた撮像情報に基づいて基板材料202における全ての描画領域の位置等を判断し、この位置等に応じて画像情報を変換した後、レーザースキャナ134により各描画領域131をそれぞれ変換後の画像情報に基づいて変調されたレーザービームBにより露光できるので、基板材料202に複数の描画領域131及び、これら複数の描画領域にそれぞれ対応する複数組のアライメントマーク132が設けられている場合にも、描画領域131の増加に伴う基板材料202に対する読取開始から露光完了までの画像形成時間の増加を防止できる。
【0098】
またレーザー露光装置200では、CCDカメラ284,286,288による基板材料202に対する読取工程が完了した後、ステージリフタ256が基板材料202の載置された一方のステージ部材220を読取キャリッジ210から持ち上げ、露光キャリッジ214に載せ替えることにより、読取キャリッジ210には他方のステージ部材が装着可能になると共に、レーザースキャナ134による基板材料202の描画領域131に対する露光工程が開始可能になるので、複数枚の基板材料202の描画領域131に対する画像形成を連続的に行う場合には、レーザースキャナ134による先行する基板材料202の描画領域131の露光時に、CCDカメラ284,286,288により後続する基板材料202のアライメントマーク132を読み取ることができるので、基板材料202に対する読取開始から露光完了までの画像形成時間を短縮できる。
【0099】
なお、以上説明の本実施形態に係る説明では、レーザー露光装置200によりプリント配線基板の素材となる基板材料202を露光する場合のみついて説明したが、本発明に係る構成を有する露光装置は、基板材料202以外にもPS板、CT刷板等の感光性印刷板、感光紙等の感光材料に対する直接露光に用いることでき、これらを露光するための光ビームとしては、レーザービーム以外にも可視光線、X線等も用いることができる。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る露光装置によれば、記録媒体に対する画像形成時間を短縮でき、かつ記録媒体における描画領域の増加に伴って記録媒体に対する画像形成時間が増加することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るレーザー露光装置の構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るレーザー露光装置の構成を示す側面図である。
【図3】(A)は図1に示される露光キャリッジ及び読取キャリッジと露光キャリッジ及び読取キャリッジに着脱可能に装着されるステージ部材との構成を示す斜視図、(B)は露光キャリッジ及び読取キャリッジにおける位置決め部材とステージ部材の受け部材の構成を示す側面断面図である。
【図4】図1に示されるプリアライメントテーブル、アライメント機構及び搬入リフタの構成を示す側面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るレーザー露光装置により露光される基板材料の構成を示す平面図である。
【図6】図1に示されるレーザー露光装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る露光装置のスキャナの構成を示す斜視図である。
【図8】(A)は感光材料に形成される露光済み領域を示す平面図であり、(B)は各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係るレーザー露光装置の露光ヘッドの概略構成を示す斜視図である。
【図10】(A)は図4に示す露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った副走査方向の断面図であり、(B)は(A)の側面図である。
【図11】デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)の構成を示す部分拡大図である。
【図12】(A)及び(B)はDMDの動作を説明するための説明図である。
【図13】(A)及び(B)は、DMDを傾斜配置しない場合と傾斜配置する場合とで、露光ビームの配置及び走査線を比較して示す平面図である。
【図14】(A)はファイバアレイ光源の構成を示す斜視図であり、(B)は(Aの部分拡大図であり、(C)及び(D)はレーザー出射部における発光点の配列を示す平面図である。
【図15】マルチモード光ファイバの構成を示す図である。
【図16】合波レーザー光源の構成を示す平面図である。
【図17】レーザーモジュールの構成を示す平面図である。
【図18】図12に示すレーザーモジュールの構成を示す側面図である。
【図19】図12に示すレーザーモジュールの構成を示す部分側面図である。
【図20】図1に示されるレーザー露光装置の平面図であり、(A)〜(D)は基板材料に対する読取時及び露光時のステージ部材及び基板材料の時系列的な移動動作を示している。
【符号の説明】
131 描画領域
132 アライメントマーク
134 レーザースキャナ(露光手段)
166 露光ヘッド
190 コントローラ(情報処理部)
192 スキャナ制御部(露光手段)
194 搬送制御部(読取搬送手段、露光搬送手段)
195 画像処理部(情報処理部)
200 レーザー露光装置
202 基板材料(記録媒体)
210 読取キャリッジ
214 露光キャリッジ
216 リニアモータ
217 リニアエンコーダ
218 リニアモータ
219 リニアエンコーダ
220 ステージ部材
250 ステージリフタ(第2の載替手段)
256 ステージリフタ(第1の載替手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像情報に応じて変調された光ビームによりプリント配線基板等の記録媒体における描画領域を露光して画像を形成する露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線基板等の配線パターンを形成するためのレーザー露光装置としては、例えば、特許文献1に記載されているものが知られている。この特許文献1に記載された走査式描画装置では、基板搬送用テーブル上に載置されたプリント配線基板の四隅にそれぞれ設けられた位置合せ穴(アライメントマーク)を、テーブルと共に副走査方向に沿って待機位置からCCDカメラによる測定位置へ移動させ、このCCDカメラによりプリント配線基板における各位置合せ穴を撮像し、この撮像に得られたプリント配線基板の位置に合わせて描画座標系中の描画対象領域をシフト(座標変換)することにより、描画情報に対するアライメント処理を実行すると共に、テーブルを待機位置に復帰させた後、このテーブルを副走査へ所定の画像形成速度で移動させつつ、レーザービームによる露光位置にて、描画情報に基づいて変調され、ポリゴンミラーにより主走査方向へ偏向されたレーザービームによりプリント配線基板上に形成された感光性塗膜を走査、露光することにより、プリント配線基板における所定の領域(描画領域)に配線パターンに対応する潜像を形成する。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−275863号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載されているようなレーザー露光装置では、プリント配線基板における1個の描画領域に対する画像形成を行う際には、プリント配線基板を待機位置からアライメントマークの測定位置へ移動させ、プリント配線基板のアライメントマークの位置を測定した後、このプリント配線基板を待機位置に復帰させなければ、プリント配線基板の描画領域に対する露光を開始できない。
【0005】
またプリント配線基板には、描画精度の向上のためそれぞれ独立して配線パターンが形成される複数の描画領域及び、これら複数の描画領域にそれぞれ対応する複数組のアライメントマークが設けられるものがある。このようなプリント配線基板における複数の描画領域に、上記特許文献1に記載されているようなレーザー露光装置により、それぞれ配線パターンを形成する場合には、1個の描画領域に対する露光が完了する毎に、プリント配線基板を露光位置から待機位置へ一旦復帰させ、1組のアライメントマークに対する位置測定を完了した後でなければ、プリント配線基板における次の描画領域に対する露光を開始できない。このため、このようなレーザー露光装置では、記録媒体におけるアライメントマークに対する読取開始から描画領域に対する露光終了までの時間(画像形成時間)が長くなり、またプリント配線基板に設けられた描画領域の個数が増加するに伴って、アライメントマークの位置測定に要する時間が増加し、1枚のプリント配線基板全体に対する画像形成時間も著しく増加してしまう。
【0006】
本発明の目的は、上記事実を考慮して、記録媒体に対する画像形成時間を短縮でき、かつ記録媒体における描画領域の増加に伴って記録媒体に対する画像形成時間が増加することを防止できる露光装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る露光装置は、所定の領域に描画領域が設けられると共に、該描画領域に対応するアライメントマークが形成された記録媒体を移動させつつ、該記録媒体における描画領域を画像情報に基づいて変調された光ビームにより露光し、該描画領域に画像を形成する露光装置であって、記録媒体を保持すると共に、該記録媒体と一体となって移動するステージ部材と、前記ステージ部材が着脱可能とされた読取キャリッジが設けられ、該読取キャリッジに装着された前記ステージ部材を所定の読取搬送経路に沿って移動させる読取搬送手段と、前記読取搬送経路に沿って移動する前記ステージ部材により保持された記録媒体からアライメントマークを前記読取搬送経路における所定の読取位置で読み取る読取手段と、前記読取手段からの読取情報に基づいて記録媒体における描画領域の位置を判断すると共に、この描画領域の位置に応じて画像情報に対する変換処理を行う情報処理部と、前記ステージ部材が着脱可能とされた露光キャリッジが設けられ、該露光キャリッジに装着された前記ステージ部材を所定の露光搬送経路に沿って移動させる露光搬送手段と、前記露光搬送経路に沿って移動する前記ステージ部材により保持された記録媒体における描画領域を、前記露光搬送経路における所定の露光位置で前記情報処理部からの画像情報に基づき変調された光ビームにより露光して、この該描画領域に画像を形成する露光手段と、前記読取手段により記録媒体からアライメントマークを読み取った後、前記ステージ部材を記録媒体と共に前記読取キャリッジから離脱させ前記露光キャリッジに装着する第1の載替手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記本発明に係る露光装置では、読取搬送手段が読取キャリッジに装着されたステージ部材を読取搬送経路に沿って移動させると共に、読取手段が読取搬送経路に沿って移動するステージ部材により保持された記録媒体からアライメントマークを読取位置で読み取る読取工程と、露光搬送手段が露光キャリッジに装着されたステージ部材を露光搬送経路に沿って移動させると共に、露光手段が移動する記録媒体における描画領域を露光位置で情報処理部からの画像情報に基づき変調された光ビームにより露光する露光工程とが行われ、前記読取工程の完了後に、第1の載替手段がステージ部材を記録媒体と共に読取キャリッジから離脱させ露光搬送手段における露光キャリッジに装着する。
【0009】
従って、記録媒体に複数の描画領域及び、これら複数の描画領域にそれぞれ対応する複数組のアライメントマークが設けられている場合にも、1回の読取工程にて記録媒体の全てのアライメントマークを読み取り、これにより得られた読取情報に基づいて記録媒体における全ての描画領域の位置等を判断し、この位置等に応じて画像情報を変換した後、露光手段により各描画領域をそれぞれ変換後の画像情報に基づいて変調された光ビームにより露光できるので、記録媒体に複数の描画領域及び、これら複数の描画領域にそれぞれ対応する複数組のアライメントマークが設けられている場合にも、描画領域の増加に伴う記録媒体に対する画像形成時間の増加を防止できる。
【0010】
また、読取手段による記録媒体のアライメントマークに対する読取工程が完了した後、第1の載替手段が記録媒体を保持したステージ部材を読取キャリッジから離脱させ露光キャリッジに装着することにより、読取キャリッジには他のステージ部材が装着可能になると共に、露光手段による記録媒体の描画領域に対する露光工程が開始可能になるので、複数の記録媒体の描画領域に対する画像形成を連続的に行う場合には、露光手段による先行する記録媒体の描画領域の露光時に、読取手段により後続する記録媒体のアライメントマークを読み取るようにすれば、読取工程と露光工程とを併行して行えるようになるので、記録媒体に対する読取開始から露光完了までの画像形成時間を短縮できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
[レーザー露光装置の構成]
図1及び図2には、本発明の第1の実施形態に係るレーザー露光装置が平面図及び側面図として示されている。このレーザー露光装置200は、プリント配線基板の材料となる薄肉プレート状の基板材料202を画像情報により変調されたレーザービームBにより露光し、この基板材料202にプリント配線基板の配線パターンに対応する画像(潜像)を形成するものである。
【0013】
図2の側面図に示されるように、レーザー露光装置200には、その下端部に肉厚プレート状に形成された支持基台205が設けられており、この支持基台205上には、図1の平面図に示されるように、その幅方向(矢印W方向)に沿って隣接するように読取支持台204及び露光支持台206が配置されている。これらの支持台204,206は、それぞれ幅方向に直交するステージ移動方向(矢印M方向)を長手方向とする略長方形のプレート状に形成されており、防振ゴム等の防振部材(図示省略)を介して支持基台205上に設置されている。
【0014】
一方(図1の上側)の読取支持台204の上面部には、ステージ移動方向へ直線的に延在する一対のガイドレール208が取り付けられており、この一対のガイドレール208上には、プレート状の読取キャリッジ210がステージ移動方向に沿って移動可能に配置されている。ここで、読取キャリッジ210は、ステージ移動方向に沿って所定の読取搬入位置(図1の破線で示される位置)と読取搬出位置(図1の2点鎖線で示される位置)との範囲で移動可能とされている。また、他方(図1の下側)の露光支持台206の上面部にも、ステージ移動方向へ直線的に延在する一対のガイドレール212が取り付けられており、この一対のガイドレール212上にはプレート状の露光キャリッジ214がステージ移動方向に沿って移動可能に配置されている。ここで、露光キャリッジ214はステージ移動方向に沿って所定の露光搬入位置(図1の破線で示される位置)と露光搬出位置(図1の2点鎖線で示される位置)との間で移動可能とされている。
【0015】
なお、読取キャリッジ210がステージ移動方向に沿って読取搬入位置から読取搬出位置側へ向う方向を前進方向とし、これとは逆に、読取搬出位置から読取搬入位置側へ向う方向を後進方向として説明を行う。また露光キャリッジ214がステージ移動方向に沿って露光搬入位置から露光搬出位置側へ向う方向を前進方向とし、これとは逆に、露光搬出位置から露光搬入位置側へ向う方向を後進方向として説明を行う。
【0016】
図1に示されるように、支持台204,206内には、一対のガイドレール208,212の下側にリニアモータ216,218(図6参照)がそれぞれ配置されている。これらのリニアモータ216,218は、それぞれ読取キャリッジ210及び露光キャリッジ214に駆動力が伝達可能に連結されており、後述する搬送制御部194(図6参照)により駆動電流及び駆動パルスが供給されると、キャリッジ210,214に対して駆動力を作用させ、キャリッジ210,214をステージ移動方向に沿って移動(前進又は後進)させる。またリニアモータ216,218には、それぞれリニアエンコーダ217,219(図6参照)が付設されており、これらのリニアエンコーダは、それぞれキャリッジ210,214の移動方向に対応する極性のパルス信号を移動量に比例するパルス数だけ搬送制御部194へ出力する。
【0017】
レーザー露光装置200は、キャリッジ210,214上にそれぞれ装着可能とされたプレート状のステージ部材220を2個備えており、図1に示されるように、一方のステージ部材220は読取キャリッジ210上に装着され、他方のステージ部材220は露光キャリッジ214上に装着されている。ここで、レーザー露光装置200では、2個のステージ部材220が互いに同一構造とされると共に、読取キャリッジ210と露光キャリッジ214とが互いに同一構造とされている。これにより、2個のステージ部材220の何れも、相互に一方のキャリッジ210,214から離脱させ、他方のキャリッジ210,214へ載せ替えることが可能になっている。ステージ部材220はキャリッジ210,214に装着された状態で、キャリッジ210,214と一体となって移動する。
【0018】
図3(A)に示されるように、ステージ部材220は、その上面部が基板材料202を載置するための平面状の載置面222とされており、この載置面222には、基板材料202を負圧により吸着するための吸着溝224が形成されており、この吸着溝224内には、載置面222上への基板材料202の載置時に真空ポンプ等の真空発生装置から負圧が供給される。これにより、載置面222上に載置された基板材料202が吸着溝内の負圧の作用により載置面222上に密着状態で固定される。ここで、基板材料202の上面部は、感光材料により薄膜状の感光性塗膜が成膜された被露光面203(図2参照)とされている。この被露光面203には、レーザー露光装置200による潜像形成後に、エッチング等の所定の処理を受けることにより潜像に対応する配線パターンが形成される。ここで、感光性塗膜は、基板材料202の支持体に液状の感光材料を塗布し、乾燥硬化されて形成されるか、予めフィルム状に成膜された感光材料を支持体上にラミネートして形成されている。
【0019】
図1に示されるように、レーザー露光装置200には、読取搬送方向に沿って読取支持台204の上流側(図1では右側)に基板材料202を載置するためのプリアライメントテーブル226が配置されている。このプリアライメントテーブル226は、図4の側面図に示されるように、アライメント機構228を介してケーシング230により支持され、その上面部が基板材料202を載置するための平面状の載置面227とされている。アライメント機構228は、プリアライメントテーブル226をステージ移動方向、幅方向及び回転方向の各方向に沿って移動可能に支持している。
【0020】
図4に示されるように、プリアライメントテーブル226を支持するケーシング230内には複数個(例えば、2個)の照明装置232が収納されている。これらの照明装置232は、例えば、プリアライメントテーブル226上の基板材料202におけるステージ移動方向に沿った両端部にそれぞれ対応する位置にそれぞれ支持されている。プリアライメントテーブル226の上方には、ブラケッ227トにより複数個の照明装置232にそれぞれ正対するように複数個(本実施形態では2個)のCCDカメラ234が支持されている。またプリアライメントテーブル226には、照明装置232との対向部分に透過窓(図示省略)が設けられている。
【0021】
レーザー露光装置200では、プリアライメントテーブル226上に1枚の基板材料202が載置されると、照明装置232から照明光が出射され、この照明光が透過窓を通してプリアライメントテーブル226の上方へ出射される。これにより、CCDカメラ234は、基板材料202の両端部付近を含む領域を撮像し、この撮像領域の光量分布に対応する撮像信号をアライメント制御部196(図6参照)へ出力する。アライメント制御部196は、CCDカメラ234からの撮像信号に基づいてプリアライメントテーブル226上における基板材料202の位置を判断し、この基板材料202の位置と搬出基準位置との偏差に基づいて位置制御信号を生成し、この位置制御信号をアライメント機構228へ出力する。
【0022】
一方、アライメント機構228は、アライメント制御部196からの位置調整信号に従って、プリアライメントテーブル226をステージ移動方向、幅方向又は回転方向へ駆動し、プリアライメントテーブル226上の基板材料202を所定の搬出基準位置へ位置調整する。これにより、基板材料202をプリアライメントテーブル226上に載置する際に基板材料202の位置にバラツキがあっても、プリアライメントテーブル226上の基板材料202が一定の精度で所定の搬出基準位置に位置調整される。
【0023】
図1及び図4に示されるように、レーザー露光装置200には、プリアライメントテーブル226上に載置された基板材料202を読取キャリッジ210に装着されたステージ部材220上へ搬送するための搬入リフタ236が設けられている。搬入リフタ236は、本体部238及び、この本体部238によりステージ移動方向及び上下方向(図4の矢印H方向)に沿って移動可能に支持されたアーム部240を備えており、このアーム部240の下面は、複数の吸着穴(図示省略)が開口した基板材料202の吸着面とされており、アーム部240の吸着穴には、真空ポンプ等の真空発生装置が配管等を通して接続されている。
【0024】
搬入リフタ236は、基板材料202がプリアライメントテーブル226上に載置され、アライメント機構228により搬出基準位置に位置決めされると、この基板材料202をアーム部240により吸着してプリアライメントテーブル226上からステージ部材220上へ搬送し、基板材料202をステージ部材220の載置面222上に載置する。このとき、搬入リフタ236は、被露光面203の中心と載置面222の中心とが一致し、かつ基板材料202がステージ移動方向に対して傾きが生じないように、基板材料202を載置面222における所定の基準位置に載置する。但し、基板材料202をプリアライメントテーブル226上に載置した際の位置決め誤差、ステージ部材220の搬入位置へ停止させる際の位置決め誤差等の影響により、基準位置に対して基板材料202には若干の位置決め誤差が不可避的に生じる。
【0025】
図1に示されるように、レーザー露光装置200には、前進方向に沿って露光キャリッジ214の下流側にベルトコンベア242が設置されている。このベルトコンベア242は、基板材料202が露光キャリッジ214側の端部に載置されると、基板材料202を搬送し、この基板材料202を一時保管用のスタック台や他のベルトコンベア等へ送り出す。
【0026】
またレーザー露光装置200には、露光キャリッジ214と共に露光搬出位置に移動したステージ部材220上の基板材料202をベルトコンベア242上へ搬送するための搬出リフタ244が設けられている。搬出リフタ244は、搬入リフタ236と同様に、本体部246及び、この本体部246によりステージ移動方向及び上下方向に沿って移動可能に支持されたアーム部248を備えており、このアーム部248の下面は、複数の吸着穴(図示省略)が開口した基板材料202の吸着面とされており、アーム部248の吸着穴には、配管等を通して真空ポンプ等の真空発生装置が接続されている。搬出リフタ244は、基板材料202の載置されたステージ部材220が露光搬出位置に達すると、ステージ部材220上の基板材料202をアーム部248により吸着してステージ部材220上からベルトコンベア242へ搬送し、基板材料202をベルトコンベア242の端部上に載置する。これに連動し、ベルトコンベア242は基板材料202を搬出開始する。
【0027】
図1に示されるように、レーザー露光装置200には、ステージ移動方向に沿って支持台204,206とプリアライメントテーブル226との間にステージリフタ250が設置されると共に、このステージリフタ250とは反対側にステージリフタ256が設置されている。ここで、ステージリフタ250は、露光搬出位置にある露光キャリッジ214に装着されたステージ部材220を読取搬入位置にある読取キャリッジ210へ搬送して装着するためのものであり、ステージリフタ256は、読取搬出位置にある読取キャリッジ210に装着されたステージ部材220を、露光搬入位置にある露光キャリッジ214へ搬送して装着するためのものである。
【0028】
ステージリフタ250は、本体部252及び、この本体部252により幅方向及び及び上下方向に沿って移動可能に支持されたフォーク部254を備えており、このフォーク部254は、本体部252により先端側が支持台204,206上へ延出するように支持されている。またステージリフタ256も、本体部258及び、この本体部258により幅方向及び及び上下方向に沿って移動可能に支持されたフォーク部260を備えており、このフォーク部260は、本体部258により先端側が支持台204,206上へ延出するように支持されている。ここで、ステージリフタ250,256のフォーク部254,260は、それぞれ先端側が二股状に分岐した薄肉プレート状に形成されており、この先端側がキャリッジ210,214の上面部と、このキャリッジ210,214に装着されたステージ部材220の下面部との間に生じる隙間内へステージ移動方向に沿って挿脱可能とされている。
【0029】
ステージリフタ250は、図1に示されるように、露光キャリッジ214が露光搬入位置へ移動すると、フォーク部254を幅方向に沿って露光支持台206上に位置し、上下方向に沿って下限位置まで下降したステージ待機位置に保持する。この状態で、ステージ部材220が装着された露光キャリッジ214が露光搬入位置から露光搬出位置まで移動してくると、フォーク部254の先端側が露光キャリッジ214とステージ部材220との間に挿入される。このとき、ステージ部材220が装着されていない読取キャリッジ210が読取搬入位置にあると、ステージリフタ250はフォーク部254を下限位置から上限位置まで上昇させる。これにより、ステージ部材220がフォーク部材254により支持されつつ露光キャリッジ214の上方へ持ち上げられる。
【0030】
次いで、ステージリフタ250は、フォーク部254を幅方向に沿って読取キャリッジ210上まで移動させた後、このフォーク部254を下限位置まで下降させる。これにより、ステージ部材220がフォーク部254から読取搬出位置にある読取キャリッジ210上に載せ替えられる。この後、ステージリフタ250は、読取キャリッジ210が読取搬出位置に移動し、かつ露光キャリッジ214が露光搬入位置に移動すると、フォーク部254をステージ待機位置に復帰させる。
【0031】
一方、ステージリフタ256も、ステージリフタ250と同様に、読取キャリッジ210が読取搬入位置から読取搬出位置へ移動してくると、この読取キャリッジ210に装着されたステージ部材220をフォーク部260により持ち上げ、露光搬入位置にある露光キャリッジ214上に載せ替える。従って、レーザー露光装置200では、ステージリフタ250により一方のステージ部材220を露光キャリッジ214から読取キャリッジ210へ載せ替え、これと同時期に、ステージリフタ256により他方のステージ部材220を読取キャリッジ210から露光キャリッジ214へ載せ替えることにより、2個のステージ部材220を読取キャリッジ210及び露光キャリッジ214との間で循環的に載せ替えることが可能になっている。
【0032】
図3(A)に示されるように、キャリッジ210,214の上面部には、ステージ部材220を所定の装着位置に位置決めするために3種類の位置決め部材262,266,268がそれぞれ取り付けられている。ここで、位置決め部材262は、図3(B)に示されるように略円柱状に形成されている。この位置決め部材262には、外径が一定とされた円柱状の基端部263と、この基端部263の先端面から突出するテーパ状のガイドピン264とが一体的に形成されており、基端部263の先端面には、ガイドピン264の外周側に軸直角方向へ延出する平面状の高さ基準面265が設けられている。位置決め部材262は、略長方形の面形状を有するキャリッジ210,214における一方の長辺側の両コーナ部にそれぞれ1個ずつ配置されると共に、他方の長辺に沿った中央部に1個配置されている。
【0033】
位置決め部材266は、ステージ移動方向に沿って細長い略直方体状に形成されており、下端面から上端面へ向かって幅方向に沿った寸法が狭くなるようにテーパが付けられている。この位置決め部材266は、その幅方向に沿った両側面がそれぞれ対称的に傾いた平面状の位置基準面267とされている。ここで、位置決め部材266は、幅方向に沿って、キャリッジ210,214における一方の長辺側の両コーナ部にそれぞれ位置する位置決め部材262の内側にそれぞれ1個ずつ配置されている。
【0034】
位置決め部材268は、位置決め部材266と同一形状を有しているが、その長手方向が幅方向と一致するように、位置決め部材266とは90°異なる向きに配置されている。この位置決め部材268では、ステージ移動方向に沿った両側面がそれぞれ対称的に傾いた平面状の位置基準面269とされている。ここで、位置決め部材268は、幅方向に沿って、キャリッジ210,214における他方の長辺に沿った中央部に位置する位置決め部材262の内側に配置されている。
【0035】
一方、ステージ部材220の下面部には、位置決め部材262,266,268にそれぞれ対応して3種類の受け部材270,274,276が固定されている。位置決め部材262に対応する受け部材270は、図3(B)に示されるように下方へ向って開口するカップ状に形成され、その内部には上部側に位置決め部材262のガイドピン264よりも僅かに大径の小径部271が形成されると共に、小径部271の下部側に位置決め部材262の基端部263よりも僅かに大径の大径部272が形成され、小径部271と大径部272との間に形成された段差状の平面部分が高さ基準面273とされている。ここで、位置決め部材262におけるガイドピン264及び基端部263は、受け部材270における小径部271及び大径部272内へ挿入可能とされており、それぞれが所定量だけ挿入された状態で、位置決め部材262の高さ基準面265が受け部材270の高さ基準面273に密着する。
【0036】
位置決め部材266に対応する受け部材274は、図3(C)に示されるように下方へ向って開口するカップ状に形成され、その下面における開口端275の形状がステージ移動方向に沿って細長い略直方形とされている。この受け部材274内には、その開口端275から上面側へ向かって幅方向に沿った開口幅がテーパ状に狭くなるように傾斜した一対の位置基準面276が形成されている。ここで、位置決め部材266の先端側は、開口端275を通して受け部材274内に挿入可能とされており、所定量だけ挿入された状態で、一対の位置基準面267が受け部材274の一対の位置基準面276にそれぞれ密着する。
【0037】
位置決め部材268に対応する受け部材278は、図3(D)に示されるように下方へ向って開口するカップ状に形成され、その下面における開口端279の形状が幅方向に沿って細長い略直方形とされている。この受け部材278内には、その開口端279から上面側へ向かってステージ移動方向に沿った開口幅がテーパ状に狭くなるように傾斜した一対の位置基準面280が形成されている。ここで、位置決め部材268の先端側は、開口端279を通して受け部材278内に挿入可能とされており、所定量だけ挿入された状態で、一対の位置基準面269が受け部材278の一対の位置基準面280にそれぞれ密着する。
【0038】
レーザー露光装置200では、ステージリフタ250,256によりステージ部材220を一方のキャリッジ210,214から他方のキャリッジ210,214へ載せ替える際には、所定の位置決め精度でステージ部材220をキャリッジ210,214の中央に傾きが生じないように載置する。このとき、キャリッジ210,214の上面部に固定された位置決め部材262,266,268がステージ部材220の下面部に固定された受け部材270,274,276内にそれぞれ所定量だけ挿入され、基準面265,267,269がそれぞれ基準面273,276,280に密着する。これにより、ステージ部材220は、常にキャリッジ210,214における中央における装着位置に傾きが生じないように、十分に高い精度で位置決めされる。このとき、読取キャリッジ210に固定された位置決め部材262,266,268と露光キャリッジ214に固定された位置決め部材262,266,268とは、それぞれキャリッジ210,214の中央を基準として、ステージ部材220を相対的には同一位置(装着位置)に位置決めするように予め固定位置が高い精度で調整されている。
【0039】
図1に示されるように、読取支持台204の上面部には、ステージ移動方向に沿った中央部付近に一対のガイドレール208を跨ぐように、下方へ向って開いた略コ字状に形成された支持ゲート282が設置され、この支持ゲート282と読取支持台204との間には読取キャリッジ210及びステージ部材220が通過可能な空間が形成されている。支持ゲート282には、読取搬入位置側の側端部に複数台(本実施形態では3台)のCCDカメラ284,286,288が配置されており、これらのCCDカメラ284,286,288は、それぞれ二次元CCDを撮像素子として備えている。またCCDカメラ284,286,288は、撮像時の光源として1回の発光時間が極めて短いストロボ290(図6参照)を備えており、このストロボ290の発光時のみ撮像が可能となるように、各CCD素子の受光感度が設定されている。
【0040】
CCDカメラ284,286,288は、その真下の撮像位置をステージ部材220が通過する際に、所定のタイミングでストロボ290を発光させ、このストロボ290からの光の反射光を受光することにより、基板材料202におけるアライメントマーク132(図5参照)を含む撮像範囲をそれぞれ撮像する。ここで、CCDカメラ284,286,288は、基板材料202の幅方向(矢印W方向)に沿ってそれぞれ異なる領域を撮像範囲としている。各CCDカメラ284,286,288は、撮像対象となる基板材料202に形成されたアライメントマーク132の位置等に応じて幅方向に沿った位置調整が可能とされている。
【0041】
図1に示されるように、露光支持台206の上面部には、ステージ移動方向に沿った中央部付近に一対のガイドレール212を跨ぐように、下方へ向って開いた略コ字状に形成された支持ゲート292が設置され、この支持ゲート292と露光支持台206との間には露光キャリッジ214及びステージ部材220が通過可能な空間が形成されている。支持ゲート292には、図2に示されるように、読取支持台204に対向するようにレーザースキャナ134が設けられている。レーザースキャナ134は、露光ヘッド166等を収容するケーシング294を備えており、その真下の露光位置PE(図2参照)を基板材料202が通過する時に、画像情報に基づいて変調された複数本のレーザービームBを基板材料202の被露光面203へ照射し、基板材料202の被露光面203にプリント配線基板の配線パターンに対応する画像(潜像)を形成する。
【0042】
図5(A)及び(B)にそれぞれに示されるように、基板材料202には、その被露光面203に予め配線パターンに対応する潜像が形成される複数の描画領域131が設定されると共に、これら複数の描画領域131にそれぞれ対応する複数組のアライメントマーク132が形成されている。図5(A)に示される基板材料202には、1枚の基板材料202から、8枚の比較的小面積のプリント配線基板を製造する場合の描画領域131及びアライメントマーク132の配置が示されている。この図5(A)に示される基板材料202では、1枚のプリント配線基板にそれぞれ1対1で対応する描画領域131が幅方向に沿って2行、走査方向に沿って4列設定されており、描画領域131のコーナ部の外側に所定の間隔を空けてアライメントマーク132が形成されている。
【0043】
また図5(B)に示される基板材料202には、1枚の基板材料202から、2枚の比較的大面積のプリント配線基板を製造する場合の描画領域131及びアライメントマーク132の配置が示されている。この図5(B)に示される基板材料202では、1枚のプリント配線基板にそれぞれ1対1で対応する描画領域131が幅方向に沿って1行、走査方向に沿って2列設定されており、描画領域131の各コーナ部の外側に所定の間隔を空けてアライメントマーク132が形成されると共に、描画領域131の走査方向に沿った辺部中心点の外側に所定の間隔を空けてアライメントマーク132が形成されている。
【0044】
ここで、図5(B)に示される描画領域131は、描画領域131の辺部の外側に形成されたアライメントマーク132の位置を基準とし、走査方向に沿って2個の小領域131A,131Bに区画されている。なお、本実施形態のアライメントマーク132は、基板材料202の被露光面203に円形の貫通穴又は凹部を設けることにより形成されているが、被露光面203に予め形成された配線パターンであるランド等をアライメントマークとしても良い。
【0045】
次に、本実施形態に係るレーザー露光装置200に用いられるレーザースキャナ134について詳細に説明する。レーザースキャナ134は、図7及び図8(B)に示されるように、m行n列(例えば、3行5列)の略マトリックス状に配列された複数(例えば、14個)の露光ヘッド166を備えている。この例では、基板材料202の幅との関係で、3行目には4個の露光ヘッド166を配置した。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド166mnと表記する。
【0046】
露光ヘッド166による露光エリア168は、走査方向(矢印)を短辺とする矩形状とされている。これにより、ステージ部材220がステージ移動方向に沿って前進し、基板材料202が相対的に副走査方向へ移動するに従って、基板材料202には露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア168mnと表記する。
【0047】
また、図8(A)及び(B)に示されるように、帯状の露光済み領域170が副走査方向と直交する方向に隙間無く並ぶように、ライン状に配列された各行の露光ヘッドの各々は、配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本実施形態では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア16811と露光エリア16812との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア16821と3行目の露光エリア16831とにより露光することができる。
【0048】
露光ヘッド16611〜166mn各々は、図9、図10(A)及び(B)に示されるように、入射された光ビームを画像情報に応じて各画素毎に変調する空間変調素子として、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)50を備えている。
【0049】
図6に示されるように、レーザースキャナ134を駆動制御するスキャナ制御部192には、画像情報処理部とミラー駆動制御部とが組み込まれており、画像情報処理部では、コントローラ190から入力された画像情報に基づいて、各露光ヘッド166毎にDMD50の制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。なお、制御すべき領域については後述する。また、ミラー駆動制御部では、画像情報処理部で生成した制御信号に基づいて、各露光ヘッド166毎にDMD50の各マイクロミラーの角度を制御する。なお、反射面の角度の制御に付いては後述する。
【0050】
図9及び図10示されるように、DMD50の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア168の長辺方向と対応する方向に沿って一列に配列されたレーザー出射部を備えたファイバアレイ光源66、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザー光を補正してDMD50上に集光させるレンズ系67、レンズ系67を透過したレーザー光をDMD50に向けて反射するミラー69が順に配置されている。
【0051】
レンズ系67は、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザー光を平行光化する1対の組合せレンズ71、平行光化されたレーザー光の光量分布が均一になるように補正する1対の組合せレンズ73、及び光量分布が補正されたレーザー光をDMD上に集光する集光レンズ75で構成されている。組合せレンズ73は、レーザー出射端の配列方向に対しては、レンズの光軸に近い部分は光束を広げ且つ光軸から離れた部分は光束を縮め、且つこの配列方向と直交する方向に対しては光をそのまま通過させる機能を備えており、光量分布が均一となるようにレーザー光を補正する。
【0052】
また、DMD50の光反射側には、DMD50で反射されたレーザー光を基板材料202の被露光面203上に結像するレンズ系54、58が配置されている。レンズ系54及び58は、DMD50と被露光面56とが共役な関係となるように配置されている。
【0053】
DMD50は、図11に示されるように、SRAMセル(メモリセル)60上に、微小ミラー(マイクロミラー)62が支柱により支持されて配置されたものであり、画素(ピクセル)を構成する多数の(例えば、600個×800個)の微小ミラーを格子状に配列して構成されたミラーデバイスである。各ピクセルには、最上部に支柱に支えられたマイクロミラー62が設けられており、マイクロミラー62の表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、マイクロミラー62の反射率は90%以上である。また、マイクロミラー62の直下には、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル60が配置されており、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
【0054】
DMD50のSRAMセル60にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラー62が、対角線を中心としてDMD50が配置された基板側に対して±α度(例えば±10度)の範囲で傾けられる。図12(A)は、マイクロミラー62がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図12(B)は、マイクロミラー62がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。従って、画像信号に応じて、DMD50の各ピクセルにおけるマイクロミラー62の傾きを、図11に示されるように制御することによって、DMD50に入射された光はそれぞれのマイクロミラー62の傾き方向へ反射される。
【0055】
なお、図11には、DMD50の一部を拡大し、マイクロミラー62が+α度又は−α度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー62のオンオフ制御は、コントローラ190からの指令を受けてスキャナ制御部192により行われる。なお、オフ状態のマイクロミラー62により光ビームが反射される方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
【0056】
また、DMD50は、短辺が副走査方向と所定角度θ(例えば、1°〜5°)を成すように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。図13(A)はDMD50を傾斜させない場合の各マイクロミラーによる反射光像(露光ビーム)53の走査軌跡を示し、図13(B)はDMD50を傾斜させた場合の露光ビーム53の走査軌跡を示している。
【0057】
DMD50には、長手方向にマイクロミラーが多数個(例えば、800個)配列されたマイクロミラー列が、短手方向に多数組(例えば、600組)配列されているが、図13(B)に示されるように、DMD50を傾斜させることにより、各マイクロミラーによる露光ビーム53の走査軌跡(走査線)のピッチP2が、DMD50を傾斜させない場合の走査線のピッチP1より狭くなり、解像度を大幅に向上させることができる。一方、DMD50の傾斜角は微小であるので、DMD50を傾斜させた場合の走査幅W2と、DMD50を傾斜させない場合の走査幅W1とは略同一である。
【0058】
また、異なるマイクロミラー列により同じ走査線上が重ねて露光(多重露光)されることになる。このように、多重露光されることで、露光位置の微少量をコントロールすることができ、高精細な露光を実現することができる。また、主走査方向に配列された複数の露光ヘッド間のつなぎ目を微少量の露光位置制御により段差無くつなぐことができる。
【0059】
なお、DMD50を傾斜させる代わりに、各マイクロミラー列を副走査方向と直交する方向に所定間隔ずらして千鳥状に配置しても、同様の効果を得ることができる。
【0060】
ファイバアレイ光源66は、図14(A)に示されるように、複数(例えば、6個)のレーザーモジュール64を備えており、各レーザーモジュール64には、マルチモード光ファイバ30の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ30の他端には、コア径がマルチモード光ファイバ30と同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバ30より小さい光ファイバ31が結合され、図14(C)に示されるように、光ファイバ31の出射端部(発光点)が副走査方向と直交する主走査方向に沿って1列に配列されてレーザー出射部68が構成されている。なお、図14(D)に示されるように、発光点を主走査方向に沿って2列に配列することもできる。
【0061】
光ファイバ31の出射端部は、図14(B)に示されるように、表面が平坦な2枚の支持板65に挟み込まれて固定されている。また、光ファイバ31の光出射側には、光ファイバ31の端面を保護するために、ガラス等の透明な保護板63が配置されている。保護板63は、光ファイバ31の端面と密着させて配置してもよく、光ファイバ31の端面が密封されるように配置してもよい。光ファイバ31の出射端部は、光密度が高く集塵し易く劣化し易いが、保護板63を配置することにより端面への塵埃の付着を防止することができると共に劣化を遅らせることができる。
【0062】
この例では、クラッド径が小さい光ファイバ31の出射端を隙間無く1列に配列するために、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30の間にマルチモード光ファイバ30を積み重ね、積み重ねられたマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の出射端が、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30に結合された2本の光ファイバ31の出射端間に挟まれるように配列されている。
【0063】
このような光ファイバは、例えば、図15に示されるように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ30のレーザー光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ31を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバは、光ファイバ31の入射端面が、マルチモード光ファイバ30の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ31のコア31aの径は、マルチモード光ファイバ30のコア30aの径と同じ大きさである。
【0064】
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタ等を介してマルチモード光ファイバ30の出射端に結合してもよい。コネクタ等を用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合等に先端部分の交換が容易になり、露光ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ31を、マルチモード光ファイバ30の出射端部と称する場合がある。
【0065】
マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本実施形態では、マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ30は、クラッド径=125μm、コア径=25μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ31は、クラッド径=60μm、コア径=25μm、NA=0.2である。
【0066】
レーザーモジュール64は、図16に示される合波レーザー光源(ファイバ光源)によって構成されている。この合波レーザー光源は、ヒートブロック10上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのUV系半導体レーザーLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6,及びLD7と、UV系半導体レーザーLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズ11,12,13,14,15,16,及び17と、1つの集光レンズ20と、1本のマルチモード光ファイバ30と、から構成されている。UV系半導体レーザーLD1〜LD7は、発振波長及び最大出力が総て同じである。なお、半導体レーザーの個数は7個には限定されない。
【0067】
上記の合波レーザー光源は、図17及び図18に示されるように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ40内に収納されている。パッケージ40は、開口を閉じるよう作製されたパッケージ蓋41を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ40の開口をパッケージ蓋41で閉じることにより、パッケージ40とパッケージ蓋41とにより形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザー光源が気密封止されている。
【0068】
パッケージ40の底面にはベース板42が固定されており、このベース板42の上面には、前記ヒートブロック10と、集光レンズ20を保持する集光レンズホルダー45と、マルチモード光ファイバ30の入射端部を保持するファイバホルダー46とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ30の出射端部は、パッケージ40の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
【0069】
また、ヒートブロック10の側面にはコリメータレンズホルダー44が取り付けられており、コリメータレンズ11〜17が保持されている。パッケージ40の横壁面には開口が形成され、この開口を通してUV系半導体レーザーLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線47がパッケージ外に引き出されている。
【0070】
なお、図18においては、図の煩雑化を避けるために、複数のUV系半導体レーザーのうちUV系半導体レーザーLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズ17にのみ番号を付している。
【0071】
図19は、上記コリメータレンズ11〜17の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズ11〜17の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズ11〜17は、長さ方向がUV系半導体レーザーLD1〜LD7の発光点の配列方向(図19の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
【0072】
一方、UV系半導体レーザーLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザービームB1〜B7を発するレーザーが用いられている。これらUV系半導体レーザーLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
【0073】
従って、各発光点から発せられたレーザービームB1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズ11〜17に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズ11〜17の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザービームB1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズ11〜17の各々は、焦点距離f1=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
【0074】
集光レンズ20は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズ11〜17の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ20は、焦点距離f2=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ20も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
【0075】
次に、レーザー露光装置200における制御系の構成について説明する。図6に示されるように、レーザー露光装置200は、装置全体を制御するためのコントローラ190を備えており、このコントローラ190には、搬送制御部194、画像処理部195、スキャナ制御部192及びアライメント制御部196がそれぞれ接続されている。
【0076】
ここで、搬送制御部194は、キャリッジ210,214にそれぞれ連結されたリニアモータ216,218及びリニアエンコーダ217,219に接続され、キャリッジ210,214の移動時にリニアモータ216,218に駆動パルス信号を出力する。このとき、搬送制御部194は、リニアエンコーダ217,219からのパルス信号に基づいてリニアモータ216,218をフィードバック制御する。画像処理部195は、CCDカメラ284,286,288からの画像信号を処理し、各CCDカメラ284,286,288により撮像されたアライメントマーク132の位置に対応する位置情報をコントローラ190へ出力する。またスキャナ制御部192は、コントローラ190からのスキャナ駆動信号及び、配線パターンに対応する画像信号に基づいてレーザースキャナ134を制御する。
【0077】
次に、上記のように構成された本実施形態に係るレーザー露光装置200の動作について説明する。
【0078】
レーザースキャナ134の各露光ヘッド166において、図16及び図17に示されるように、ファイバアレイ光源66の合波レーザー光源を構成するUV系半導体レーザーLD1〜LD7の各々から発散光状態で出射したレーザービームB1,B2,B3,B4,B5,B6,及びB7の各々は、対応するコリメータレンズ11〜17によって平行光化される。平行光化されたレーザービームB1〜B7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバ30のコア30aの入射端面に収束する。
【0079】
本実施形態では、コリメータレンズ11〜17及び集光レンズ20によって集光光学系が構成され、その集光光学系とマルチモード光ファイバ30とによって合波光学系が構成されている。即ち、集光レンズ20によって上述のように集光されたレーザービームB1〜B7が、このマルチモード光ファイバ30のコア30aに入射して光ファイバ内を伝搬し、1本のレーザービームBに合波されてマルチモード光ファイバ30の出射端部に結合された光ファイバ31から出射する。
【0080】
各レーザーモジュールにおいて、レーザービームB1〜B7のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.85で、UV系半導体レーザーLD1〜LD7の各出力が30mWの場合には、アレイ状に配列された光ファイバ31の各々について、出力180mW(=30mW×0.85×7)の合波レーザービームBを得ることができる。従って、6本の光ファイバ31がアレイ状に配列されたレーザー出射部68での出力は約1W(=180mW×6)である。
【0081】
ファイバアレイ光源66のレーザー出射部68には、高輝度の発光点が主走査方向に沿って一列に配列されている。単一の半導体レーザーからのレーザー光を1本の光ファイバに結合させる従来のファイバ光源は低出力であるため、多数列配列しなければ所望の出力を得ることができなかったが、本実施形態で使用する合波レーザー光源は高出力であるため、少数列、例えば1列でも所望の出力を得ることができる。
【0082】
配線パターンに応じた画像情報がコントローラ190に入力されると、コントローラ190内のフレームメモリに一旦記憶される。この画像情報は、画像を構成する各画素の濃度を2値(ドットの記録の有無)で表したデータである。
【0083】
次に、図20を参照してレーザー露光装置200における2個のステージ部材220及び基板材料202の搬送動作について説明する。なお、読取キャリッジ210に装着されたステージ部材220と露光キャリッジ214に装着されたステージ部材220を特に区別する必要がある場合には、読取キャリッジ210に装着されたものをステージ部材220Rと表記し、露光キャリッジ214に装着されたものをステージ部材220Eと表記する。
【0084】
レーザー露光装置200では、図20(A)に示されるように、プリアライメントテーブル226上に基板材料202が載置されると、アライメント制御部196がCCDカメラ234からの画像信号に基づいて基板材料202の位置を検出すると共に、この検出位置に基づいて生成した位置制御信号をアライメント機構228へ出力する。これにより、アライメント機構228は、位置制御信号に従ってプリアライメントテーブル226と共に基板材料202をステージ移動方向、幅方向及び回転方向へそれぞれ駆動するこ
とで、基板材料202を所定の搬出基準位置に位置調整する。なお、この時点で、ステージ部材220が装着された読取キャリッジ210が読取搬出位置にあり、かつステージ部材220が装着された露光キャリッジ214が露光搬出位置にあり、またステージ部材220R上にはアライメントマーク132の読み取りが完了した基板材料202が載置され、かつステージ部材220E上には露光が完了した基板材料202が載置されているものとする。
【0085】
レーザー露光装置200では、読取キャリッジ210が読取搬出位置に達し、かつ露光キャリッジ214が露光搬出位置に達すると、図20(B)に示されるように、搬出リフタ244によりステージ部材220E上の基板材料202をベルトコンベア242上へ搬送し、ベルトコンベア242により基板材料202を次工程が行われる装置等へ搬出する。
【0086】
レーザー露光装置200では、搬出リフタ244により基板材料202がステージ部材220E上からベルトコンベア242側へ離間すると、ステージリフタ250により露光キャリッジ214に装着されているステージ部材220を持ち上げ、このステージ部材220を読取キャリッジ210へ載せ替えると略同時に、露光キャリッジ214を露光搬出位置から露光搬入位置へ高速で復帰させる。これと併行して、レーザー露光装置200では、ステージリフタ256により読取キャリッジ210に装着されているステージ部材220を持ち上げ、このステージ部材220を露光搬入位置に復帰した露光キャリッジ214に載せ替える。これにより、レーザー露光装置200では、図20(C)に示されるように、読取搬入位置にある読取キャリッジ210にはステージ部材220Rが装着され、かつ露光搬入位置にある露光キャリッジ214には、アライメントマーク132の読み取りが完了した基板材料202の載置されたステージ部材220Eが装着される。
【0087】
レーザー露光装置200では、露光キャリッジ214にステージ部材220Eが装着されると、図20(D)に示されるように、露光キャリッジ214を露光搬出位置側へ移動開始させると共に、搬入リフタ236によりプリアライメントテーブル226上の基板材料202を読取搬入位置にあるステージ部材220R上に載せ替えた後、読取キャリッジ210を読取搬出位置側へ移動開始させる。これにより、レーザー露光装置200では、ステージ部材220E上に載置された基板材料202に対する露光工程が開始され、この露光工程の開始から所定の時間遅れて、ステージ部材220R上に載置された基板材料202に対する読取工程が開始される。
【0088】
先ず、基板材料202に対する読取工程について説明する。この読取工程時に、コントローラ190は、リニアエンコーダ217からのパルス信号によりステージ部材220R上の基板材料202の位置を判断すると共に、画像情報に基づいて基板材料202における各アライメントマーク132の位置を判断し、アライメントマーク132がCCDカメラ284,286,288の撮像位置に達すると、読取キャリッジ210を一時停止させた後、ストロボ290を発光させてCCDカメラ284,286,288により被露光面203におけるアライメントマーク132を含む撮像領域を撮像させ、撮像完了後に読取キャリッジ210の移動を再開する。このとき、CCDカメラ284,286,288により得られた撮像情報は画像処理部195へ出力される。画像処理部195は、撮像情報をアライメントマーク132の走査方向及び幅方向に沿った位置に対応する位置情報に変換し、この位置情報をコントローラ190へ出力する。
【0089】
コントローラ190は、画像処理部195からのアライメントマーク132の位置情報に基づき、1個の描画領域131に対応して設けられた複数個のアライメントマーク132の位置をそれぞれ判断し、これらのアライメントマーク132の位置から描画領域131の走査方向及び幅方向に沿った位置及び描画領域131の走査方向に対する傾き量をそれぞれ判断する。
【0090】
この後、コントローラ190は、描画領域131の走査方向に沿った位置に基づいて描画領域131に対する露光開始のタイミングを算出すると共に、描画領域131の幅方向に沿った位置及び走査方向に対する傾き量に基づいて配線パターンに対応する画像情報に対する変換処理を実行し、変換処理した画像情報をフレームメモリ内に格納する。ここで、変換処理の内容としては、座標原点を中心として画像情報を回転させる座標変換処理、幅方向に対応する座標軸に沿って画像情報を平行移動させる座標変換処理が含まれる。更に必要に応じて、コントローラ190は、描画領域131の幅方向及び走査方向に沿った伸長量及び縮長量に対応させて画像情報を伸長又は縮長させる変換処理を実行する。
【0091】
また、図5(B)に示されるように描画領域131がアライメントマーク132により複数の少領域131A,131Bに分割されている場合には、コントローラ190は、各小領域131A,131B毎に位置及び傾きを判断し、それぞれの小領域131A,131Bに対応する画像情報毎に上記の変換処理を実行する。このようにして得られた変換処理後の画像情報及び描画領域131の位置情報は、2個のステージ部材220の何れか一方に関連付けられてコントローラ190のフレームメモリ内に一時記憶され、基板材料202がステージ部材220上からベルトコンベア242上へ搬送された後にフレームメモリ内から消去される。
【0092】
次に、基板材料202に対する露光工程について説明する。この露光工程時に、コントローラ190は、リニアエンコーダ219からのパルス信号によりステージ部材220E上の基板材料202の位置を判断すると共に、フレームメモリ内に格納された描画領域131の位置情報に基づいて描画領域131の先端が露光位置PEに達するタイミングを判断する。コントローラ190は、描画領域131の先端が露光位置PEに達するタイミングに同期して露光開始信号をスキャナ制御部192へ出力する。これにより、スキャナ制御部192は、フレームメモリに記憶された画像情報を複数ライン分ずつ順次読み出し、データ処理部により読み出した画像情報に基づいて各露光ヘッド166毎に制御信号を生成すると共に、ミラー駆動制御部により生成された制御信号に基づいて各露光ヘッド166毎にDMD50のマイクロミラーの各々がオンオフ制御する。
【0093】
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザー光が照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザー光は、レンズ系54、58により基板材料202の被露光面56上に結像される。このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザー光が画素毎にオンオフされて、基板材料202の描画領域131がDMD50の使用画素数と略同数の画素単位(露光エリア168)で露光される。また、基板材料202(基板材料202)がステージ部材220と共に一定速度で移動されることにより、基板材料202がレーザースキャナ134によりステージ移動方向と反対の方向に副走査され、各露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170(図7及び図8参照)が形成される。
【0094】
コントローラ190は、基板材料202の最先端に位置する描画領域131に対する露光を完了すると、この最先端の描画領域131に対する場合と同様に、読取工程により得られた変換処理後の画像情報及び位置情報に基づいて2番目の描画領域131に対する露光を実行し、この動作を最後端に位置する描画領域131に対する露光が完了するまで繰り返す。
【0095】
レーザー露光装置200では、以上説明した基板材料202に対する露光工程が開始された後、基板材料202に対する読取工程が開始されるが、通常、1枚の基板材料202に対する読取工程の所要時間が露光時間よりも短いことから、露光工程と読取工程とを略同一タイミングで完了させることができる。
【0096】
以上説明した本実施形態のレーザー露光装置200では、読取キャリッジ210に装着されたステージ部材220Rを読取搬入位置から読取搬出位置側へ移動させると共に、CCDカメラ284,286,288によりステージ部材220R上に載置された基板材料202からアライメントマーク132を撮像位置で読み取る読取工程と、露光キャリッジ214に装着されたステージ部材220Eを露光搬入位置から露光搬出位置側へ移動させると共に、レーザースキャナ134により基板材料202における描画領域131を露光位置PEでコントローラ190からの画像情報に基づき変調されたレーザービームBにより露光する露光工程とが行われ、前記読取工程の完了後に、ステージリフタ250がステージ部材220を基板材料202と共に読取キャリッジ210から持ち上げ露光キャリッジ214に載せ替える。
【0097】
従って、基板材料202に複数の描画領域131及び、これら複数の描画領域131にそれぞれ対応する複数組のアライメントマーク132が設けられている場合にも、1回の読取工程にて基板材料202の全てのアライメントマーク132を読み取り、これにより得られた撮像情報に基づいて基板材料202における全ての描画領域の位置等を判断し、この位置等に応じて画像情報を変換した後、レーザースキャナ134により各描画領域131をそれぞれ変換後の画像情報に基づいて変調されたレーザービームBにより露光できるので、基板材料202に複数の描画領域131及び、これら複数の描画領域にそれぞれ対応する複数組のアライメントマーク132が設けられている場合にも、描画領域131の増加に伴う基板材料202に対する読取開始から露光完了までの画像形成時間の増加を防止できる。
【0098】
またレーザー露光装置200では、CCDカメラ284,286,288による基板材料202に対する読取工程が完了した後、ステージリフタ256が基板材料202の載置された一方のステージ部材220を読取キャリッジ210から持ち上げ、露光キャリッジ214に載せ替えることにより、読取キャリッジ210には他方のステージ部材が装着可能になると共に、レーザースキャナ134による基板材料202の描画領域131に対する露光工程が開始可能になるので、複数枚の基板材料202の描画領域131に対する画像形成を連続的に行う場合には、レーザースキャナ134による先行する基板材料202の描画領域131の露光時に、CCDカメラ284,286,288により後続する基板材料202のアライメントマーク132を読み取ることができるので、基板材料202に対する読取開始から露光完了までの画像形成時間を短縮できる。
【0099】
なお、以上説明の本実施形態に係る説明では、レーザー露光装置200によりプリント配線基板の素材となる基板材料202を露光する場合のみついて説明したが、本発明に係る構成を有する露光装置は、基板材料202以外にもPS板、CT刷板等の感光性印刷板、感光紙等の感光材料に対する直接露光に用いることでき、これらを露光するための光ビームとしては、レーザービーム以外にも可視光線、X線等も用いることができる。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る露光装置によれば、記録媒体に対する画像形成時間を短縮でき、かつ記録媒体における描画領域の増加に伴って記録媒体に対する画像形成時間が増加することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るレーザー露光装置の構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るレーザー露光装置の構成を示す側面図である。
【図3】(A)は図1に示される露光キャリッジ及び読取キャリッジと露光キャリッジ及び読取キャリッジに着脱可能に装着されるステージ部材との構成を示す斜視図、(B)は露光キャリッジ及び読取キャリッジにおける位置決め部材とステージ部材の受け部材の構成を示す側面断面図である。
【図4】図1に示されるプリアライメントテーブル、アライメント機構及び搬入リフタの構成を示す側面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るレーザー露光装置により露光される基板材料の構成を示す平面図である。
【図6】図1に示されるレーザー露光装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る露光装置のスキャナの構成を示す斜視図である。
【図8】(A)は感光材料に形成される露光済み領域を示す平面図であり、(B)は各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係るレーザー露光装置の露光ヘッドの概略構成を示す斜視図である。
【図10】(A)は図4に示す露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った副走査方向の断面図であり、(B)は(A)の側面図である。
【図11】デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)の構成を示す部分拡大図である。
【図12】(A)及び(B)はDMDの動作を説明するための説明図である。
【図13】(A)及び(B)は、DMDを傾斜配置しない場合と傾斜配置する場合とで、露光ビームの配置及び走査線を比較して示す平面図である。
【図14】(A)はファイバアレイ光源の構成を示す斜視図であり、(B)は(Aの部分拡大図であり、(C)及び(D)はレーザー出射部における発光点の配列を示す平面図である。
【図15】マルチモード光ファイバの構成を示す図である。
【図16】合波レーザー光源の構成を示す平面図である。
【図17】レーザーモジュールの構成を示す平面図である。
【図18】図12に示すレーザーモジュールの構成を示す側面図である。
【図19】図12に示すレーザーモジュールの構成を示す部分側面図である。
【図20】図1に示されるレーザー露光装置の平面図であり、(A)〜(D)は基板材料に対する読取時及び露光時のステージ部材及び基板材料の時系列的な移動動作を示している。
【符号の説明】
131 描画領域
132 アライメントマーク
134 レーザースキャナ(露光手段)
166 露光ヘッド
190 コントローラ(情報処理部)
192 スキャナ制御部(露光手段)
194 搬送制御部(読取搬送手段、露光搬送手段)
195 画像処理部(情報処理部)
200 レーザー露光装置
202 基板材料(記録媒体)
210 読取キャリッジ
214 露光キャリッジ
216 リニアモータ
217 リニアエンコーダ
218 リニアモータ
219 リニアエンコーダ
220 ステージ部材
250 ステージリフタ(第2の載替手段)
256 ステージリフタ(第1の載替手段)
Claims (3)
- 所定の領域に描画領域が設けられると共に、該描画領域に対応するアライメントマークが形成された記録媒体を移動させつつ、該記録媒体における描画領域を画像情報に基づいて変調された光ビームにより露光し、該描画領域に画像を形成する露光装置であって、
記録媒体を保持すると共に、該記録媒体と一体となって移動するステージ部材と、
前記ステージ部材が着脱可能とされた読取キャリッジが設けられ、該読取キャリッジに装着された前記ステージ部材を所定の読取搬送経路に沿って移動させる読取搬送手段と、
前記読取搬送経路に沿って移動する前記ステージ部材により保持された記録媒体からアライメントマークを前記読取搬送経路における所定の読取位置で読み取る読取手段と、
前記読取手段からの読取情報に基づいて記録媒体における描画領域の位置を判断すると共に、この描画領域の位置に応じて画像情報に対する変換処理を行う情報処理部と、
前記ステージ部材が着脱可能とされた露光キャリッジが設けられ、該露光キャリッジに装着された前記ステージ部材を所定の露光搬送経路に沿って移動させる露光搬送手段と、
前記露光搬送経路に沿って移動する前記ステージ部材により保持された記録媒体における描画領域を、前記露光搬送経路における所定の露光位置で前記情報処理部からの画像情報に基づき変調された光ビームにより露光して、この該描画領域に画像を形成する露光手段と、
前記読取手段により記録媒体からアライメントマークを読み取った後、前記ステージ部材を記録媒体と共に前記読取キャリッジから離脱させ前記露光キャリッジに装着する第1の載替手段と、
を有することを特徴とする露光装置。 - 前記露光手段による記録媒体の描画領域に対する露光が完了した後に、前記ステージ部材を、前記露光キャリッジから離脱させ前記読取キャリッジに装着する第2の載替手段を有することを特徴とする請求項1記載の露光装置。
- 2以上の記録媒体の描画領域に対して連続的に画像を形成する場合に、前記読取手段は、前記露光手段による先行する記録媒体の描画領域の露光時に、後続する記録媒体のアライメントマークに対する読み取りを実行することを特徴とする請求項1又は2記載の露光装置。
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2003
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