JP2004233549A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転写材のカールに代表される形状変化による転写での飛び散り発生を抑えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】転写材Pに、順次、少なくとも2つ以上の画像を形成することが可能な画像形成装置において、第1画像の定着が完了した転写材Pに対するカール検知センサ15の検知結果に基づいて、第2画像の画像形成方法を変更することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】転写材Pに、順次、少なくとも2つ以上の画像を形成することが可能な画像形成装置において、第1画像の定着が完了した転写材Pに対するカール検知センサ15の検知結果に基づいて、第2画像の画像形成方法を変更することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を採用するレーザービームプリンタや複写機等の画像形成装置に関し、特に好適には、自動にて両面あるいは多重画像形成を行う画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、レーザービームプリンタ等の画像形成装置において、帯電、露光、現像、転写、クリーニング等の一連の画像形成プロセスを、同一の転写材に対して複数回行うことにより、多重あるいは両面の画像形成を自動的に行うようにしたものが知られている。
【0003】
このような画像形成装置に組み込まれる転写方式としては、コロナ転写帯電方式に代表される非接触転写方式、および転写ローラ、転写ベルト等の導電性の転写部材を像担持体表面に対向接触させて両者の間に転写部位を形成し、この転写部位に紙等の転写材を挿通させるとともに転写部材に転写バイアスを印加することにより、像担持体上のトナー像を転写材に転写する接触転写方式のものが提案されている。
【0004】
さらに具体的には、導電性ゴム等によって形成された転写ローラを、像担持体表面に対して所定の押圧力で接触させて両者の間に転写ニップ部を形成し、像担持体の回転駆動に伴って、転写ローラが従動回転する従動回転方式、及び像担持体あるいは任意の手段により転写ローラ自体が回転する駆動回転方式、及び像担持体あるいは任意の手段により転写ベルトの回転を行う方式がある。
【0005】
そして、この像担持体と転写部材により形成されるニップ部(以後、転写ニップ部と称する)に転写材を挿通するとともに、転写ローラまたは転写ベルトを像担持体に接触させるためのバックアップローラ等に転写バイアスを印加することにより、像担持体上に形成されているトナー像を転写材に転写する。
【0006】
このように、転写部材として転写ローラや転写ベルト等の接触転写方式を採用するものは、コロナ転写帯電等の非接触方式のものとは異なり、転写材裏面(トナー像が転写される表面とは反対の面)に過剰の電荷を与えるおそれが少ない。したがって、文字まわりへのトナーの飛び散りがほとんどない。
【0007】
特に、反転現像の場合には、像担持体表面の帯電極性とトナーの帯電極性が同極性となることから、転写バイアスが低圧ですみ、転写手段の構成が簡単になってコスト的にも有利である。
【0008】
さらに、転写部位に挿入された転写材は、転写ニップ部によってしっかりと挟持搬送されながらトナー像の転写が行われるため、転写部位の上流側あるいは下流側に配置された搬送ローラ、定着部、排紙ローラ等に転写材が進入する際のショックによる転写ずれを防止して、良質の画像を得ることができるという利点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、第1画像及び第2画像を転写材の両面に形成するというように、第1画像の形成後の転写材は、定着過程により加熱されることに起因してカール等の形状変形が生じることが知られている。
【0010】
そのため第2画像の画像形成時、転写材の第1画像の定着後に転写材がカールしていると、その後の第2画像の転写時に飛び散りといった不良画像が発生し易い。
【0011】
これは、第1画像の定着後にカールした転写材の第2画像を転写する際に、この転写材が像担持体側の外周面に巻きつく方向にカールしている場合は、像担持体からの転写材の分離性低下とともに、所定の転写部位での像担持体と転写材との距離が長くなるため、トナーの付着量(載り量)が多いと転写材のトナー像に対応した部分への転写が困難になり飛び散りが発生するためである。
【0012】
また、上記と反対方向にカールしている場合は、所定の転写部位の上流側において、像担持体のトナーの付着量が多い部分と転写材との接触によりトナー像が乱れ、飛び散りが発生する。
【0013】
特に反転現像方式の場合には、像担持体表面の帯電極性とトナーの帯電極性が同極性となることから、静電的付着力が小さいため、トナー像の乱れ、飛び散りが生じやすい。
【0014】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、転写材のカールに代表される形状変化による転写での飛び散り発生を抑えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、像担持手段を帯電する帯電手段と、前記像担持手段を像露光することにより静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像の電位と印加バイアスによる電位との現像コントラストに対応して現像剤により可視像を形成する現像手段と、前記像担持手段上の可視像を転写材に静電転写する転写手段と、前記可視像を転写材に定着させるための定着手段と、前記可視像が定着された転写材の形状変化を検知する形状変化検知手段とを備え、前記転写材に、順次、少なくとも2つ以上の画像を形成することが可能な画像形成装置において、第1画像の定着が完了した転写材に対する前記形状変化検知手段の検知結果に基づいて、第2画像の画像形成方法を変更することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記転写材の両面に対する画像形成及び前記転写材に対する多重の画像形成の少なくとも一方が可能であり、前記転写材の両面に対する画像形成及び前記転写材に対する多重の画像形成において、順次、前記転写材に2つ以上の画像を形成することを特徴とする。
【0017】
こうすることにより、転写材がカール等の形状変化した場合でも、極力飛び散りを軽減、防止させることができる。
【0018】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1画像の定着が完了した転写材に対する前記形状変化検知手段の検知結果に基づいて、前記転写材の少なくとも一部における、前記第2画像の画像形成方法を変更することを特徴とする。
【0019】
こうすることにより、例えばカールの少ない場合の両面あるいは多重画像形成した画像との画像の相違を小さくすることができる。
【0020】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記画像形成方法の変更は、前記帯電手段への印加バイアスの変更及び前記現像手段への印加バイアスの変更の少なくともいずれか一方であることを特徴とする。
【0021】
このようにすることで比較的容易にトナーの載り量(現像されるトナー量)を変更させることができる。
【0022】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記画像形成方法の変更は、前記像露光による静電潜像電位の変更であることを特徴とする。
【0023】
このようにすることで、例えば飛び散りにより画像不良が顕著となり易い文字画像のみ、トナー載り量を変更し、写真などに代表される中間調のトナーの載り量を変更することなく実施することができ、よりカールの少ない場合の両面あるいは多重画像形成した画像との画像の相違を極力小さくすることができる。
【0024】
また、本発明に係る画像形成装置は、反転現像方式を用いることを特徴とする。
【0025】
そして、反転現像方式とすることで、像担持体表面の帯電極性とトナーの帯電極性が同極性となることから、静電的付着力が小さいため、特にトナー像の乱れ、飛び散りが生じやすい反転現像方式の場合には極めて有効となる。
【0026】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記形状変化検知手段が検知する形状変化が、前記転写材のカールであることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0028】
また、以下の図面において、既述の図面に記載された部品と同様の部品には同じ番号を付す。
【0029】
(第1の実施形態)
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態の概略構成図である。本例の画像形成装置は、転写式電子写真プロセス利用、接触帯電方式、反転現像方式のレーザービームプリンタである。以下、図1に示される画像形成装置の構成について説明する。
【0030】
[感光体]
1は被帯電体(像担持体)としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光体と略記する)である。
【0031】
本例の感光体1は、アルミニウム等の導電性ドラム基体と、その外周面に形成した感光層(光導電層)で構成された、直径30mm、長さ357mmの、負帯電極性のOPC感光体(ネガ感光体)である。
【0032】
この感光体1は矢印Aの時計回転方向に150mm/sのプロセススピード(周速度)をもって回転駆動されている。
【0033】
[帯電]
2は接触帯電部材(一次帯電装置)としての帯電ローラである。この帯電ローラ2は中心の芯金と、その外周に同心一体にローラ状に形成した弾性導電層と、更にその最外周面に形成した表面層の複合層構造のローラである。
【0034】
弾性導電層は、例えば104Ωcm以下の導電性ゴム(EPDM等)などの単層あるいは複合層である。
【0035】
本実施形態の帯電ローラ2においてはフッ素系樹脂に導電剤(導電カーボン等)を分散したものを表面層として用いた。
【0036】
帯電ローラ2はその芯金の両端部を不図示の軸受け部材に回転自由に軸受けさせて、ドラム型の感光体1に並行に配置して不図示の押圧手段で感光体1に対して所定の押圧力をもって圧接させてあり、本例の場合は感光体1の回転駆動(矢印A)に伴い反時計方向に従動回転(矢印C)する。感光体1と帯電ローラ2の圧接ニップ部近傍が帯電部位(帯電領域)である。
【0037】
3は帯電バイアス印加電源(帯電部材用電源)であり、この帯電バイアス印加電源3から帯電ローラ2の芯金に所定のバイアス電圧が印加されることにより感光体1の外周面が所定の極性・電位に一様に帯電処理される。
【0038】
本実施形態は交流電圧に直流電圧を重畳したバイアス電圧(AC+DC)を帯電ローラ2に印加するAC印加方式(AC帯電)である。
【0039】
本実施形態では通常の画像形成時の直流電圧成分は−700Vの定電圧制御であり、可変幅は−500V〜−850V、また、交流電流成分は周波数1800Hz、2000μAの定電流制御で行う。
【0040】
この帯電バイアスを帯電ローラ2に印加することで、感光体1の表面電位(帯電電位、暗部電位)として−680Vを得ることができる。
【0041】
[露光]
この感光体1の帯電処理面に対して、露光手段5により目的画像情報の露光4がなされることで、その画像情報の静電潜像が形成される。
【0042】
露光手段5は、レーザービーム走査露光手段、原稿画像のスリット露光手段等を用いることができるが、本実施形態では、露光手段5は、レーザービーム走査露光手段である。
【0043】
本実施形態の場合、露光手段5により感光体1の帯電電位を通常−680Vから−150Vまで制御することができ、特に文字画像に代表される最濃度領域は−150Vである(明部電位)。
【0044】
[現像]
次いでその感光体1の静電潜像形成面に対向して現像装置6が配設される。そして現像バイアス印加電源7により所定の現像バイアスが印加され、静電潜像の電位と現像装置6の電位との差(以後現像コントラストと称する)によって現像剤が適量に制御されて静電潜像がトナー画像として現像される。
【0045】
本実施形態の場合は静電潜像の露光明部にマイナストナー(ネガトナー)が付着することで静電潜像が反転現像される。
【0046】
本実施形態における現像装置6は一成分磁性トナーを用いたジャンピング現像方式の装置である。6aは直径20mmの現像スリーブであり、感光体1に0.3mmのギャップを介して対向配設させてあり、矢印Bの反時計方向に回転駆動される。
【0047】
現像スリーブ6aの回転に伴いその外周面に現像装置内に収容させたトナー(不図示)が薄層として塗布され、マグネットローラ(不図示)の磁力で保持されて、感光体1と現像スリーブ6aとの対向部である現像部位に搬送される。
【0048】
また現像スリーブ6aには現像バイアス印加電源7(現像部材用電源)から現像バイアスが印加される。
【0049】
本実施形態においては通常の画像形成時の直流電圧成分は−550Vの定電圧制御であり、可変幅は−300V〜−600V、また交流電圧成分は周波数1800Hz、VPP1400Vの定電圧制御である。この重畳電圧が現像バイアス電圧として印加される。
【0050】
これにより、現像部位においてトナーが飛翔して感光体1面の静電潜像がジャンピング現像され、最終的には潜像電位と現像直流電圧成分の印加電圧(電位)との電位差(現像コントラスト)によりトナー量が決定される。
【0051】
また、現像スリーブ6aは、感光体1に同期して回転しても良いし、クラッチ等のON/OFFで非同期としても良いし、独立の駆動源で回転させても良い。
【0052】
本実施形態においては、クラッチによるON/OFFで非画像形成時は任意のタイミングで停止可能な構成とした。また、回転速度はプロセススピードの120%、即ち180mm/sの周速度で回転させている。
【0053】
[転写]
8は転写手段としてのコロナ転写帯電器である。本実施形態では転写バイアスとしてワイヤ電圧5500Vの定電圧制御、グリッド電圧−1000Vの定電圧制御を印加することで、転写時約60μAの転写電流を得る。
【0054】
転写材Pは不図示の給紙部から給紙され、レジストローラ対16により所定のタイミング合わせされて、コロナ転写帯電器8の感光体1対向部の転写部位8aに給送される。
【0055】
即ち、感光体1の面に形成されたトナー画像の先端部が転写部位8aに到達したとき、転写材Pの先端部も丁度転写部位8aに到達するタイミングにて転写材Pが転写部位8aに給送される。
【0056】
転写部位8aに給送された転写材Pはその表面が感光体1に密着して転写部位8aを搬送されていく。
【0057】
また、転写部位8aに転写材Pの先端部が到達してから後端部が転写部位8aを抜け出るまでの間、転写バイアスが印加される。
【0058】
そして、転写材Pが転写部位8aを搬送されていく過程において、感光体1側のトナー画像が転写材P側に、転写バイアスによって形成される転写電流によって形成される転写電界の作用にて順次に転写されていく。
【0059】
やがて転写後に転写部位8a通過後に設けられた分離手段9によって、転写材Pのコロナ転写帯電器8によって付与された背面電荷を適宜除去され、感光体1から転写材Pが程よく分離する。本実施形態では分離手段9は接地している。
【0060】
[クリーニング]
転写材分離後の感光体1表面は、転写材Pに転写されずに感光体1面に残ったトナー(転写残りトナー)や、紙粉等の残留付着汚染物等の付着物はクリーニング手段10のクリーニングブレード10aで受けて除去、清浄面化され、更に除電器(除電ランプ)11によって全面露光(前露光)されて電気的メモリの消去を受けて初期化され、繰り返して画像形成に使用される。
【0061】
[定着]
転写部位8aを通過し、回転する感光体1面から分離された転写材Pは搬送部材12により定着器13へと搬送される。
【0062】
定着器13により搬送されてきた転写材P上のトナー画像が定着され、その後装置本体外部に排出されるか(矢印D)、または例えば、裏面に像形成(両面画像形成)するものであれば、搬送弁14の移動により矢印E方向へ転写材Pが案内され、再給紙搬送手段(不図示)へ搬送され、やがてレジストローラ対16によって転写部位8aへ再給紙される。
【0063】
[カール検知センサ]
カール検知センサ15は定着後の転写材のカール量を検出するものであり、定着後においてカールにより搬送路の搬送面から所定の高さ以上浮き上がった転写材を検出する。
【0064】
本実施形態では図示される位置に転写材Pの厚み方向(転写材Pの進行方向側面、手前と奥)に複数のフォトセンサが1列に並び、発信器と受信器が対向し、転写材Pの形状に対応して遮断されるセンサの位置によってカール形状の検知を行う(以後エリアセンサと称する)。
【0065】
上述のような構成において、本実施形態の画像形成装置は、両面あるいは多重画像形成時、第1画像定着後の転写材のカールを検知し、その検出結果に基づいて、第2画像形成時の画像形成方法を変更するようにしている。以下、その詳細について説明する。
【0066】
本実施形態では、例えば第1画像と第2画像をそれぞれを片面に形成する場合、第1画像を一面に形成し第2画像を他の面に形成する場合というように、両面あるいは多重画像形成時、第1画像の定着が完了した転写材に対するカール検知センサの検知結果に基づいて、カール量Xが所定値αよりも大きいと判断された場合には、第2画像の画像形成プロセスにおいて、現像バイアスを変更することを特徴とする。なお、多重画像形成時には、片面に形成される画像は2以上の複数でありうる。また、両面画像形成時においても、それぞれの面に形成される画像は複数の画像であって良い。
【0067】
本実施形態においては転写材Pの進行方向距離の先端から50mmまでの距離Y(=50mm)での転写材Pの厚み方向の変位量ZからX=Z/Yを算出している。また、所定値α=0.6とした。
【0068】
第1画像現像時では、図2(a)に示すように感光体1の暗部電位Vdは−680V、明部電位Vlは−150Vに設定され、このとき現像バイアスVdcは−550Vとされる。図2は、本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態における画像形成領域中の潜像電位と現像バイアス値の関係を示すグラフである。
【0069】
ここで、第1画像定着後の転写材のカール量Xが所定値α=0.6よりも小さいと判断された場合には、第2画像形成時(例えば裏面画像形成時)も第1画像形成時と同じ設定値で画像領域全体の画像形成を行なうのに対して、カール量Xが所定値α=0.6以上と判断した場合には、第2画像形成時(例えば裏面画像形成時)では、同図(b)に示すように暗部電位Vdは−680V、明部電位Vlは−150Vとこれらは変化させず、現像バイアスVdcを1回目の−550Vから−450Vに変化させ画像領域全体の画像形成を行う。
【0070】
これにより、第1画像形成時の現像コントラストVc(=|Vdc−Vl|)が|(−550V)−(−150V)|=400Vであったのに対して、第2画像形成時の現像コントラストVcは、|(−450V)−(−150V)|=300Vと小さくなる。
【0071】
このような制御を行うことで第1画像形成時に比べて第2画像形成時(例えは裏面画像形成時)では、画像の品位を比較的変えることなく、感光体1上のトナーの付着量(載り量)を少なくすることができる。また、所定値α=0.6以上のカール量の場合のみ対応するので、常時変更を行うよりも必要最低限のみの変更にとどめることができる。
【0072】
この構成にすることにより、所定値α=0.6以上のカール量の場合、従来発生していたカール部分のトナー像の乱れ、飛び散りが、トナーの付着量(載り量)を少なくすることで、大幅に改善することができる。
【0073】
ここで、図3に、本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態における感光体上のトナー像の模式図を示す。
【0074】
図3において、図3(a)は現像コントラスト−400Vの時の感光体1上に形成されたトナー線画像の断面図、図3(b)は変更を行い現像コントラスト−300Vの時の断面図である。
【0075】
図3中、トナー像51a1、51b1は転写時に転写材P上に比較的忠実にトナー像を形成するトナー凝集部分であり、トナー像51a2は比較的外的要因によって飛び散り等に代表される画像のみだれを生じさせやすいトナー凝集部分である。
【0076】
本実施形態の結果、特に図3(b)において図3(a)中の比較的外的要因によって飛び散り等に代表される画像のみだれを生じさせやすいトナー凝集部分51a2に相当する部分のトナーが減少している。
【0077】
なお、本実施形態では第2画像形成(例えば裏面画像形成)の線画像(文字画像)が第1画像形成に比べて、細くなるという欠点を有しているが、線画像の幅差も、10〜20μm程度であること、また裏面の方が転写時に文字周りの飛び散りが若干増加するために感光体1上のライン幅より若干太めに見えることなどの理由により、実使用上問題なくほとんど差異を確認することができない。
【0078】
なお、本実施形態にて用いた所定値α、転写材Pの先端からの距離Y、及び変位量Z、現像コントラスト等はそれに限定されないのはもちろんである。
【0079】
また本実施形態では転写材Pの先端部分のカール形状に対応させたが、後端でもよく任意の画像不良の発生しやすい部分に対応すればよい。
【0080】
本実施形態では転写手段は非接触転写手段であるコロナ転写帯電器8を用いたが、転写ローラや転写ベルト等の接触転写手段においても効果が期待できるのはもちろんである。
【0081】
そして、本実施形態においては複数のフォトセンサによる検知を行ったが、これに限定されず、例えばレーザ照射による変位センサ等を用いてもかまわない。
【0082】
さらに本実施形態では現像バイアスVdcを変えることにより、現像コントラストを変更したが、例えば帯電手段による帯電電位を変更することでも対応することができる。
【0083】
また、本実施形態における画像形成装置は反転現像方式であり、像担持体表面の帯電極性とトナーの帯電極性が同極性となることから、静電的付着力が小さいため、特にトナー像の乱れ、飛び散りが生じやすいため極めて有効であった。なお、正規現像方式においても有効であることは言うまでもない。
【0084】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る画像形成装置の第2の実施形態について説明する。本実施形態ではカール部分に対応する画像領域のみ画像形成時の現像コントラストを変更することで、転写材のカール部分以外の画像形成に影響させること無く、カール部分の飛び散り等の画像不良を防止する。
【0085】
図4に、本発明に係る画像形成装置の第2の実施形態の概略断面図を示す。本実施形態では転写手段に、転写ローラ80を用いる転写ローラ方式を用い、またカール検知センサ150に超音波センサを用いた。
【0086】
転写ローラ80は、中心の芯金8bと、その外周に同心一体にローラ状に形成した中抵抗の弾性層8cとからなる。本実施形態における該転写ローラ80は、抵抗が5×108Ω、直径16mmの導電性ゴムローラである。
【0087】
そして転写ローラ80はその芯金8bの両端部を不図示の軸受け部材に回転自由に軸受けさせて、ドラム型の感光体1に並行に配置して不図示の押圧手段で感光体1に対して所定の押圧力をもって圧接させてあり、本例の場合は感光体1の回転駆動に伴い矢印Fに示される反時計方向に従動回転する。感光体1と転写ローラ80の圧接ニップ部近傍が転写部位8aである。
【0088】
転写材Pは不図示の給紙部から給紙され、レジストローラ対16により所定のタイミング合わせされて、感光体1と転写ローラ80の転写部位8aに給送される。転写部位8aに給送された転写材Pはその表面を感光体1及び転写ローラ80に密着して転写部位を挟持搬送されていく。
【0089】
また、転写部位8aに転写材Pの先端部が到達してから後端部が転写部位8aを抜け出るまでの間、転写ローラ80の芯金8bには不図示の転写バイアス印加電源(転写部材用電源)からトナーと逆極性の所定の直流バイアスが転写バイアスとして印加される。本実施形態では+3500VのDC電圧を印加した。
【0090】
そして、転写材Pが転写部位8aを挟持搬送されていく過程において、感光体1側のトナー画像が転写材P側に、転写ローラ80によって形成される転写電界の作用と転写部位8aにおける押圧力にて順次に転写されていく。
【0091】
本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態を用いた場合、画像全体に対して現像コントラストを下げるため、カールしていない中央部においてもライン幅を細らせている。この結果、転写材のカールによる飛び散りの発生を抑えることができるが、必要のない部分まで現像コントラストを小さくするため、多少の画像品位の低下が生じる。
【0092】
そこで、本実施形態においては、前述の第1の実施形態に対して例えば先端および後端に発生したカールしている部分のみ、現像コントラストを変更することにより、中央部分の画像品位の低下を防止できる。
【0093】
カール検知センサ150の超音波センサは転写材Pの搬送領域を挟み発信器と受信器を配設して、搬送部材と転写材Pとの隙間の量に対応して受信された超音波の減衰または位相のずれにより検知データが変化するのを応用して、先端および後端のカール量を検知し、検知した先端および後端のカール量がX以上の部分の現像コントラストを第1の実施形態と同様に変更する。
【0094】
本実施形態においては転写材Pの進行1mm間隔にて検知を行い、進行方向の長さY=30(mm)の31個の変位サンプリングデータに対して厚み方向の変位量Z=15(mm)以上(X=Z/Y=0.5以上)の部分に対応する画像領域のみ、現像コントラストを変更する。図5に本実施形態の現像コントラストの変更を示す。図5は、本発明に係る画像形成装置の第2の実施形態における画像形成領域中の潜像電位と現像バイアス値の関係を示すグラフである。
【0095】
図5中のVl部の2箇所(先端付近と後端付近)のカール量Xが0.5以上であったため、その部分に対応する画像形成中の現像バイアスを通常のVdc1:−550Vから、VDC2:−450Vに変更する。
【0096】
このように、本実施形態では、飛び散りが発生し易いカール部分のみの現像コントラストを変更することにより、カールしている部分以外のライン幅を細らせ、転写材Pの全体的な画像品位を低下させることなく、かつ飛び散りを防止することができる。本実施形態において、帯電ローラ2および転写ローラ80は感光体1に従動回転させたが、それぞれギア等をとりつけ、モータ等の駆動手段により強制駆動してもよい。
【0097】
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る画像形成装置の第3の実施形態について説明する。本発明に係る画像形成装置の第3の実施形態では、第1画像形成時の画像形成プロセスと第2画像形成時の画像形成プロセスとにおける画像形成条件のうち、像露光時の露光手段5のレーザ光量、すなわち感光体1に対する照射光量を変更することを特徴とする。なお、本実施形態において、カール量X及び判断基準となる所定値等は第2の実施形態と同じである。
【0098】
第1画像形成時においては、図6(a)に示すように感光体1の暗部電位Vdは−680V、明部電位Vlは−150V、現像バイアスVdcは−550Vに設定される。図6は、本発明に係る画像形成装置の第3の実施形態における画像形成領域中の潜像電位と現像バイアス値の関係を示すグラフである。
【0099】
ここで、第1画像定着後の転写材のカール量Xが所定値よりも小さいと判断された場合には、第2画像形成時も図6(a)に示すのと同じ設定で画像形成を行なうのに対して、カール量が所定値以上と判断した場合には、第2画像形成時においては、図6(b)に示すように暗部電位Vd、現像バイアスVdcを第1画像形成時と同じにするのに対し、明部電位Vlをレーザ発光光量あるいは発光デューティー比を小さくして、感光体1表面に対するレーザ光の照射光量を減少させることにより、所定値αより小さいと判断された領域では通常の画像息暗部電位Vlが−150Vであるのに対し、所定値α以上と判断された領域では暗部電位Vlを−250Vとした。
【0100】
図7を用いて、本実施形態においての画像濃度信号(ビデオ画像入力値)とトナー画像濃度の関係について説明する。図7は、本発明に係る画像形成装置の第3の実施形態における画像濃度信号とトナー画像濃度の関係を示すグラフである。
【0101】
本実施形態では通常曲線βに対応する関係にてレーザ出力値または発光デューティー比を制御することにより、画像形成を行う。一方カール量Xが所定値α以上と判断した場合、曲線γに対応する関係にて画像形成を行う。
【0102】
このような制御を行うことで、本実施形態では、カール量Xが所定値α以上と判断された領域においても、例えば写真などに代表される中間調濃度領域の画像品位を変えることなく、飛び散りやすい線画像(文字画像)に対してのみトナーの載り量を抑えることができる。
【0103】
そうすることで本実施形態では、カール量Xが所定値α以上の領域においても中間調濃度に対して変化させないため、最大限画像品位の変化の防止と飛び散り等の画像不良の両立を図ることができる。
【0104】
また、本実施形態では、第1画像と第2画像とにおける、感光体1の暗部電位Vdと現像バイアスVdcとの差であるバックコントラストが同じため、例えば、正規帯電トナーによる正規カブリ現象、及び反転帯電トナーによる反転カブリ現象のレベルをかえることがないため、カブリ現象の観点からも非常に画像品位差が無いという利点がある。
【0105】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0106】
[実施態様1]
像担持手段を帯電する帯電手段と、前記像担持手段を像露光することにより静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像の電位と印加バイアスによる電位との現像コントラストに対応して現像剤により可視像を形成する現像手段と、前記像担持手段上の可視像を転写材に静電転写する転写手段と、前記可視像を転写材に定着させるための定着手段と、前記可視像が定着された転写材の形状変化を検知する形状変化検知手段とを備え、前記転写材に、順次、少なくとも2つ以上の画像を形成することが可能な画像形成装置において、第1画像の定着が完了した転写材に対する前記形状変化検知手段の検知結果に基づいて、第2画像の画像形成方法を変更することを特徴とする画像形成装置。
【0107】
[実施態様2]
前記転写材の両面に対する画像形成及び前記転写材に対する多重の画像形成の少なくとも一方が可能であり、前記転写材の両面に対する画像形成及び前記転写材に対する多重の画像形成において、順次、前記転写材に2つ以上の画像を形成することを特徴とする実施態様1に記載の画像形成装置。
【0108】
[実施態様3]
前記第1画像の定着が完了した転写材に対する前記形状変化検知手段の検知結果に基づいて、前記転写材の少なくとも一部における、前記第2画像の画像形成方法を変更することを特徴とする実施態様1又は2記載の画像形成装置。
【0109】
[実施態様4]
前記画像形成方法の変更は、前記帯電手段への印加バイアスの変更及び前記現像手段への印加バイアスの変更の少なくともいずれか一方であることを特徴とする実施態様1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0110】
[実施態様5]
前記画像形成方法の変更は、前記像露光による静電潜像電位の変更であることを特徴とする実施態様1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0111】
[実施態様6]
反転現像方式を用いることを特徴とする実施態様1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0112】
[実施態様7]
前記形状変化検知手段が検知する形状変化が、前記転写材のカールであることを特徴とする実施態様1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、第1画像の画像形成時と第2画像の画像形成時において、第1画像の画像形成後の転写材の形状変形量の検知結果に応じて、画像形成条件を変更することによって、第2画像の画像形成時の飛び散りを防止することができる。上述画像形成条件の変更としては、現像バイアス値や静電潜像電位等を変更することである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態における画像形成領域中の潜像電位と現像バイアス値の関係を示すグラフである。
【図3】本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態における感光体上のトナー像の模式図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の第2の実施形態を示す概略構成図である。
【図5】本発明に係る画像形成装置の第2の実施形態における画像形成領域中の潜像電位と現像バイアス値の関係を示すグラフである。
【図6】本発明に係る画像形成装置の第3の実施形態における画像形成領域中の潜像電位と現像バイアス値の関係を示すグラフである。
【図7】本発明に係る画像形成装置の第3の実施形態における画像濃度信号とトナー画像濃度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電ローラ
3 帯電バイアス印加電源
4 露光
5 露光手段
6 現像装置
6a 現像スリーブ
7 現像バイアス印加電源
8 コロナ転写帯電器
8a 転写部位
8b 芯金
8c 弾性層
9 分離手段
10 クリーニング手段
10a クリーニングブレード
11 除電器
12 搬送部材
13 定着器
14 搬送弁
15 カール検知センサ
16 レジストローラ対
51a1,51a2,51b1 トナー像
80 転写ローラ
150 カール検知センサ
P 転写材
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を採用するレーザービームプリンタや複写機等の画像形成装置に関し、特に好適には、自動にて両面あるいは多重画像形成を行う画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、レーザービームプリンタ等の画像形成装置において、帯電、露光、現像、転写、クリーニング等の一連の画像形成プロセスを、同一の転写材に対して複数回行うことにより、多重あるいは両面の画像形成を自動的に行うようにしたものが知られている。
【0003】
このような画像形成装置に組み込まれる転写方式としては、コロナ転写帯電方式に代表される非接触転写方式、および転写ローラ、転写ベルト等の導電性の転写部材を像担持体表面に対向接触させて両者の間に転写部位を形成し、この転写部位に紙等の転写材を挿通させるとともに転写部材に転写バイアスを印加することにより、像担持体上のトナー像を転写材に転写する接触転写方式のものが提案されている。
【0004】
さらに具体的には、導電性ゴム等によって形成された転写ローラを、像担持体表面に対して所定の押圧力で接触させて両者の間に転写ニップ部を形成し、像担持体の回転駆動に伴って、転写ローラが従動回転する従動回転方式、及び像担持体あるいは任意の手段により転写ローラ自体が回転する駆動回転方式、及び像担持体あるいは任意の手段により転写ベルトの回転を行う方式がある。
【0005】
そして、この像担持体と転写部材により形成されるニップ部(以後、転写ニップ部と称する)に転写材を挿通するとともに、転写ローラまたは転写ベルトを像担持体に接触させるためのバックアップローラ等に転写バイアスを印加することにより、像担持体上に形成されているトナー像を転写材に転写する。
【0006】
このように、転写部材として転写ローラや転写ベルト等の接触転写方式を採用するものは、コロナ転写帯電等の非接触方式のものとは異なり、転写材裏面(トナー像が転写される表面とは反対の面)に過剰の電荷を与えるおそれが少ない。したがって、文字まわりへのトナーの飛び散りがほとんどない。
【0007】
特に、反転現像の場合には、像担持体表面の帯電極性とトナーの帯電極性が同極性となることから、転写バイアスが低圧ですみ、転写手段の構成が簡単になってコスト的にも有利である。
【0008】
さらに、転写部位に挿入された転写材は、転写ニップ部によってしっかりと挟持搬送されながらトナー像の転写が行われるため、転写部位の上流側あるいは下流側に配置された搬送ローラ、定着部、排紙ローラ等に転写材が進入する際のショックによる転写ずれを防止して、良質の画像を得ることができるという利点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、第1画像及び第2画像を転写材の両面に形成するというように、第1画像の形成後の転写材は、定着過程により加熱されることに起因してカール等の形状変形が生じることが知られている。
【0010】
そのため第2画像の画像形成時、転写材の第1画像の定着後に転写材がカールしていると、その後の第2画像の転写時に飛び散りといった不良画像が発生し易い。
【0011】
これは、第1画像の定着後にカールした転写材の第2画像を転写する際に、この転写材が像担持体側の外周面に巻きつく方向にカールしている場合は、像担持体からの転写材の分離性低下とともに、所定の転写部位での像担持体と転写材との距離が長くなるため、トナーの付着量(載り量)が多いと転写材のトナー像に対応した部分への転写が困難になり飛び散りが発生するためである。
【0012】
また、上記と反対方向にカールしている場合は、所定の転写部位の上流側において、像担持体のトナーの付着量が多い部分と転写材との接触によりトナー像が乱れ、飛び散りが発生する。
【0013】
特に反転現像方式の場合には、像担持体表面の帯電極性とトナーの帯電極性が同極性となることから、静電的付着力が小さいため、トナー像の乱れ、飛び散りが生じやすい。
【0014】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、転写材のカールに代表される形状変化による転写での飛び散り発生を抑えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、像担持手段を帯電する帯電手段と、前記像担持手段を像露光することにより静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像の電位と印加バイアスによる電位との現像コントラストに対応して現像剤により可視像を形成する現像手段と、前記像担持手段上の可視像を転写材に静電転写する転写手段と、前記可視像を転写材に定着させるための定着手段と、前記可視像が定着された転写材の形状変化を検知する形状変化検知手段とを備え、前記転写材に、順次、少なくとも2つ以上の画像を形成することが可能な画像形成装置において、第1画像の定着が完了した転写材に対する前記形状変化検知手段の検知結果に基づいて、第2画像の画像形成方法を変更することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記転写材の両面に対する画像形成及び前記転写材に対する多重の画像形成の少なくとも一方が可能であり、前記転写材の両面に対する画像形成及び前記転写材に対する多重の画像形成において、順次、前記転写材に2つ以上の画像を形成することを特徴とする。
【0017】
こうすることにより、転写材がカール等の形状変化した場合でも、極力飛び散りを軽減、防止させることができる。
【0018】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1画像の定着が完了した転写材に対する前記形状変化検知手段の検知結果に基づいて、前記転写材の少なくとも一部における、前記第2画像の画像形成方法を変更することを特徴とする。
【0019】
こうすることにより、例えばカールの少ない場合の両面あるいは多重画像形成した画像との画像の相違を小さくすることができる。
【0020】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記画像形成方法の変更は、前記帯電手段への印加バイアスの変更及び前記現像手段への印加バイアスの変更の少なくともいずれか一方であることを特徴とする。
【0021】
このようにすることで比較的容易にトナーの載り量(現像されるトナー量)を変更させることができる。
【0022】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記画像形成方法の変更は、前記像露光による静電潜像電位の変更であることを特徴とする。
【0023】
このようにすることで、例えば飛び散りにより画像不良が顕著となり易い文字画像のみ、トナー載り量を変更し、写真などに代表される中間調のトナーの載り量を変更することなく実施することができ、よりカールの少ない場合の両面あるいは多重画像形成した画像との画像の相違を極力小さくすることができる。
【0024】
また、本発明に係る画像形成装置は、反転現像方式を用いることを特徴とする。
【0025】
そして、反転現像方式とすることで、像担持体表面の帯電極性とトナーの帯電極性が同極性となることから、静電的付着力が小さいため、特にトナー像の乱れ、飛び散りが生じやすい反転現像方式の場合には極めて有効となる。
【0026】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記形状変化検知手段が検知する形状変化が、前記転写材のカールであることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0028】
また、以下の図面において、既述の図面に記載された部品と同様の部品には同じ番号を付す。
【0029】
(第1の実施形態)
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態の概略構成図である。本例の画像形成装置は、転写式電子写真プロセス利用、接触帯電方式、反転現像方式のレーザービームプリンタである。以下、図1に示される画像形成装置の構成について説明する。
【0030】
[感光体]
1は被帯電体(像担持体)としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光体と略記する)である。
【0031】
本例の感光体1は、アルミニウム等の導電性ドラム基体と、その外周面に形成した感光層(光導電層)で構成された、直径30mm、長さ357mmの、負帯電極性のOPC感光体(ネガ感光体)である。
【0032】
この感光体1は矢印Aの時計回転方向に150mm/sのプロセススピード(周速度)をもって回転駆動されている。
【0033】
[帯電]
2は接触帯電部材(一次帯電装置)としての帯電ローラである。この帯電ローラ2は中心の芯金と、その外周に同心一体にローラ状に形成した弾性導電層と、更にその最外周面に形成した表面層の複合層構造のローラである。
【0034】
弾性導電層は、例えば104Ωcm以下の導電性ゴム(EPDM等)などの単層あるいは複合層である。
【0035】
本実施形態の帯電ローラ2においてはフッ素系樹脂に導電剤(導電カーボン等)を分散したものを表面層として用いた。
【0036】
帯電ローラ2はその芯金の両端部を不図示の軸受け部材に回転自由に軸受けさせて、ドラム型の感光体1に並行に配置して不図示の押圧手段で感光体1に対して所定の押圧力をもって圧接させてあり、本例の場合は感光体1の回転駆動(矢印A)に伴い反時計方向に従動回転(矢印C)する。感光体1と帯電ローラ2の圧接ニップ部近傍が帯電部位(帯電領域)である。
【0037】
3は帯電バイアス印加電源(帯電部材用電源)であり、この帯電バイアス印加電源3から帯電ローラ2の芯金に所定のバイアス電圧が印加されることにより感光体1の外周面が所定の極性・電位に一様に帯電処理される。
【0038】
本実施形態は交流電圧に直流電圧を重畳したバイアス電圧(AC+DC)を帯電ローラ2に印加するAC印加方式(AC帯電)である。
【0039】
本実施形態では通常の画像形成時の直流電圧成分は−700Vの定電圧制御であり、可変幅は−500V〜−850V、また、交流電流成分は周波数1800Hz、2000μAの定電流制御で行う。
【0040】
この帯電バイアスを帯電ローラ2に印加することで、感光体1の表面電位(帯電電位、暗部電位)として−680Vを得ることができる。
【0041】
[露光]
この感光体1の帯電処理面に対して、露光手段5により目的画像情報の露光4がなされることで、その画像情報の静電潜像が形成される。
【0042】
露光手段5は、レーザービーム走査露光手段、原稿画像のスリット露光手段等を用いることができるが、本実施形態では、露光手段5は、レーザービーム走査露光手段である。
【0043】
本実施形態の場合、露光手段5により感光体1の帯電電位を通常−680Vから−150Vまで制御することができ、特に文字画像に代表される最濃度領域は−150Vである(明部電位)。
【0044】
[現像]
次いでその感光体1の静電潜像形成面に対向して現像装置6が配設される。そして現像バイアス印加電源7により所定の現像バイアスが印加され、静電潜像の電位と現像装置6の電位との差(以後現像コントラストと称する)によって現像剤が適量に制御されて静電潜像がトナー画像として現像される。
【0045】
本実施形態の場合は静電潜像の露光明部にマイナストナー(ネガトナー)が付着することで静電潜像が反転現像される。
【0046】
本実施形態における現像装置6は一成分磁性トナーを用いたジャンピング現像方式の装置である。6aは直径20mmの現像スリーブであり、感光体1に0.3mmのギャップを介して対向配設させてあり、矢印Bの反時計方向に回転駆動される。
【0047】
現像スリーブ6aの回転に伴いその外周面に現像装置内に収容させたトナー(不図示)が薄層として塗布され、マグネットローラ(不図示)の磁力で保持されて、感光体1と現像スリーブ6aとの対向部である現像部位に搬送される。
【0048】
また現像スリーブ6aには現像バイアス印加電源7(現像部材用電源)から現像バイアスが印加される。
【0049】
本実施形態においては通常の画像形成時の直流電圧成分は−550Vの定電圧制御であり、可変幅は−300V〜−600V、また交流電圧成分は周波数1800Hz、VPP1400Vの定電圧制御である。この重畳電圧が現像バイアス電圧として印加される。
【0050】
これにより、現像部位においてトナーが飛翔して感光体1面の静電潜像がジャンピング現像され、最終的には潜像電位と現像直流電圧成分の印加電圧(電位)との電位差(現像コントラスト)によりトナー量が決定される。
【0051】
また、現像スリーブ6aは、感光体1に同期して回転しても良いし、クラッチ等のON/OFFで非同期としても良いし、独立の駆動源で回転させても良い。
【0052】
本実施形態においては、クラッチによるON/OFFで非画像形成時は任意のタイミングで停止可能な構成とした。また、回転速度はプロセススピードの120%、即ち180mm/sの周速度で回転させている。
【0053】
[転写]
8は転写手段としてのコロナ転写帯電器である。本実施形態では転写バイアスとしてワイヤ電圧5500Vの定電圧制御、グリッド電圧−1000Vの定電圧制御を印加することで、転写時約60μAの転写電流を得る。
【0054】
転写材Pは不図示の給紙部から給紙され、レジストローラ対16により所定のタイミング合わせされて、コロナ転写帯電器8の感光体1対向部の転写部位8aに給送される。
【0055】
即ち、感光体1の面に形成されたトナー画像の先端部が転写部位8aに到達したとき、転写材Pの先端部も丁度転写部位8aに到達するタイミングにて転写材Pが転写部位8aに給送される。
【0056】
転写部位8aに給送された転写材Pはその表面が感光体1に密着して転写部位8aを搬送されていく。
【0057】
また、転写部位8aに転写材Pの先端部が到達してから後端部が転写部位8aを抜け出るまでの間、転写バイアスが印加される。
【0058】
そして、転写材Pが転写部位8aを搬送されていく過程において、感光体1側のトナー画像が転写材P側に、転写バイアスによって形成される転写電流によって形成される転写電界の作用にて順次に転写されていく。
【0059】
やがて転写後に転写部位8a通過後に設けられた分離手段9によって、転写材Pのコロナ転写帯電器8によって付与された背面電荷を適宜除去され、感光体1から転写材Pが程よく分離する。本実施形態では分離手段9は接地している。
【0060】
[クリーニング]
転写材分離後の感光体1表面は、転写材Pに転写されずに感光体1面に残ったトナー(転写残りトナー)や、紙粉等の残留付着汚染物等の付着物はクリーニング手段10のクリーニングブレード10aで受けて除去、清浄面化され、更に除電器(除電ランプ)11によって全面露光(前露光)されて電気的メモリの消去を受けて初期化され、繰り返して画像形成に使用される。
【0061】
[定着]
転写部位8aを通過し、回転する感光体1面から分離された転写材Pは搬送部材12により定着器13へと搬送される。
【0062】
定着器13により搬送されてきた転写材P上のトナー画像が定着され、その後装置本体外部に排出されるか(矢印D)、または例えば、裏面に像形成(両面画像形成)するものであれば、搬送弁14の移動により矢印E方向へ転写材Pが案内され、再給紙搬送手段(不図示)へ搬送され、やがてレジストローラ対16によって転写部位8aへ再給紙される。
【0063】
[カール検知センサ]
カール検知センサ15は定着後の転写材のカール量を検出するものであり、定着後においてカールにより搬送路の搬送面から所定の高さ以上浮き上がった転写材を検出する。
【0064】
本実施形態では図示される位置に転写材Pの厚み方向(転写材Pの進行方向側面、手前と奥)に複数のフォトセンサが1列に並び、発信器と受信器が対向し、転写材Pの形状に対応して遮断されるセンサの位置によってカール形状の検知を行う(以後エリアセンサと称する)。
【0065】
上述のような構成において、本実施形態の画像形成装置は、両面あるいは多重画像形成時、第1画像定着後の転写材のカールを検知し、その検出結果に基づいて、第2画像形成時の画像形成方法を変更するようにしている。以下、その詳細について説明する。
【0066】
本実施形態では、例えば第1画像と第2画像をそれぞれを片面に形成する場合、第1画像を一面に形成し第2画像を他の面に形成する場合というように、両面あるいは多重画像形成時、第1画像の定着が完了した転写材に対するカール検知センサの検知結果に基づいて、カール量Xが所定値αよりも大きいと判断された場合には、第2画像の画像形成プロセスにおいて、現像バイアスを変更することを特徴とする。なお、多重画像形成時には、片面に形成される画像は2以上の複数でありうる。また、両面画像形成時においても、それぞれの面に形成される画像は複数の画像であって良い。
【0067】
本実施形態においては転写材Pの進行方向距離の先端から50mmまでの距離Y(=50mm)での転写材Pの厚み方向の変位量ZからX=Z/Yを算出している。また、所定値α=0.6とした。
【0068】
第1画像現像時では、図2(a)に示すように感光体1の暗部電位Vdは−680V、明部電位Vlは−150Vに設定され、このとき現像バイアスVdcは−550Vとされる。図2は、本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態における画像形成領域中の潜像電位と現像バイアス値の関係を示すグラフである。
【0069】
ここで、第1画像定着後の転写材のカール量Xが所定値α=0.6よりも小さいと判断された場合には、第2画像形成時(例えば裏面画像形成時)も第1画像形成時と同じ設定値で画像領域全体の画像形成を行なうのに対して、カール量Xが所定値α=0.6以上と判断した場合には、第2画像形成時(例えば裏面画像形成時)では、同図(b)に示すように暗部電位Vdは−680V、明部電位Vlは−150Vとこれらは変化させず、現像バイアスVdcを1回目の−550Vから−450Vに変化させ画像領域全体の画像形成を行う。
【0070】
これにより、第1画像形成時の現像コントラストVc(=|Vdc−Vl|)が|(−550V)−(−150V)|=400Vであったのに対して、第2画像形成時の現像コントラストVcは、|(−450V)−(−150V)|=300Vと小さくなる。
【0071】
このような制御を行うことで第1画像形成時に比べて第2画像形成時(例えは裏面画像形成時)では、画像の品位を比較的変えることなく、感光体1上のトナーの付着量(載り量)を少なくすることができる。また、所定値α=0.6以上のカール量の場合のみ対応するので、常時変更を行うよりも必要最低限のみの変更にとどめることができる。
【0072】
この構成にすることにより、所定値α=0.6以上のカール量の場合、従来発生していたカール部分のトナー像の乱れ、飛び散りが、トナーの付着量(載り量)を少なくすることで、大幅に改善することができる。
【0073】
ここで、図3に、本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態における感光体上のトナー像の模式図を示す。
【0074】
図3において、図3(a)は現像コントラスト−400Vの時の感光体1上に形成されたトナー線画像の断面図、図3(b)は変更を行い現像コントラスト−300Vの時の断面図である。
【0075】
図3中、トナー像51a1、51b1は転写時に転写材P上に比較的忠実にトナー像を形成するトナー凝集部分であり、トナー像51a2は比較的外的要因によって飛び散り等に代表される画像のみだれを生じさせやすいトナー凝集部分である。
【0076】
本実施形態の結果、特に図3(b)において図3(a)中の比較的外的要因によって飛び散り等に代表される画像のみだれを生じさせやすいトナー凝集部分51a2に相当する部分のトナーが減少している。
【0077】
なお、本実施形態では第2画像形成(例えば裏面画像形成)の線画像(文字画像)が第1画像形成に比べて、細くなるという欠点を有しているが、線画像の幅差も、10〜20μm程度であること、また裏面の方が転写時に文字周りの飛び散りが若干増加するために感光体1上のライン幅より若干太めに見えることなどの理由により、実使用上問題なくほとんど差異を確認することができない。
【0078】
なお、本実施形態にて用いた所定値α、転写材Pの先端からの距離Y、及び変位量Z、現像コントラスト等はそれに限定されないのはもちろんである。
【0079】
また本実施形態では転写材Pの先端部分のカール形状に対応させたが、後端でもよく任意の画像不良の発生しやすい部分に対応すればよい。
【0080】
本実施形態では転写手段は非接触転写手段であるコロナ転写帯電器8を用いたが、転写ローラや転写ベルト等の接触転写手段においても効果が期待できるのはもちろんである。
【0081】
そして、本実施形態においては複数のフォトセンサによる検知を行ったが、これに限定されず、例えばレーザ照射による変位センサ等を用いてもかまわない。
【0082】
さらに本実施形態では現像バイアスVdcを変えることにより、現像コントラストを変更したが、例えば帯電手段による帯電電位を変更することでも対応することができる。
【0083】
また、本実施形態における画像形成装置は反転現像方式であり、像担持体表面の帯電極性とトナーの帯電極性が同極性となることから、静電的付着力が小さいため、特にトナー像の乱れ、飛び散りが生じやすいため極めて有効であった。なお、正規現像方式においても有効であることは言うまでもない。
【0084】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る画像形成装置の第2の実施形態について説明する。本実施形態ではカール部分に対応する画像領域のみ画像形成時の現像コントラストを変更することで、転写材のカール部分以外の画像形成に影響させること無く、カール部分の飛び散り等の画像不良を防止する。
【0085】
図4に、本発明に係る画像形成装置の第2の実施形態の概略断面図を示す。本実施形態では転写手段に、転写ローラ80を用いる転写ローラ方式を用い、またカール検知センサ150に超音波センサを用いた。
【0086】
転写ローラ80は、中心の芯金8bと、その外周に同心一体にローラ状に形成した中抵抗の弾性層8cとからなる。本実施形態における該転写ローラ80は、抵抗が5×108Ω、直径16mmの導電性ゴムローラである。
【0087】
そして転写ローラ80はその芯金8bの両端部を不図示の軸受け部材に回転自由に軸受けさせて、ドラム型の感光体1に並行に配置して不図示の押圧手段で感光体1に対して所定の押圧力をもって圧接させてあり、本例の場合は感光体1の回転駆動に伴い矢印Fに示される反時計方向に従動回転する。感光体1と転写ローラ80の圧接ニップ部近傍が転写部位8aである。
【0088】
転写材Pは不図示の給紙部から給紙され、レジストローラ対16により所定のタイミング合わせされて、感光体1と転写ローラ80の転写部位8aに給送される。転写部位8aに給送された転写材Pはその表面を感光体1及び転写ローラ80に密着して転写部位を挟持搬送されていく。
【0089】
また、転写部位8aに転写材Pの先端部が到達してから後端部が転写部位8aを抜け出るまでの間、転写ローラ80の芯金8bには不図示の転写バイアス印加電源(転写部材用電源)からトナーと逆極性の所定の直流バイアスが転写バイアスとして印加される。本実施形態では+3500VのDC電圧を印加した。
【0090】
そして、転写材Pが転写部位8aを挟持搬送されていく過程において、感光体1側のトナー画像が転写材P側に、転写ローラ80によって形成される転写電界の作用と転写部位8aにおける押圧力にて順次に転写されていく。
【0091】
本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態を用いた場合、画像全体に対して現像コントラストを下げるため、カールしていない中央部においてもライン幅を細らせている。この結果、転写材のカールによる飛び散りの発生を抑えることができるが、必要のない部分まで現像コントラストを小さくするため、多少の画像品位の低下が生じる。
【0092】
そこで、本実施形態においては、前述の第1の実施形態に対して例えば先端および後端に発生したカールしている部分のみ、現像コントラストを変更することにより、中央部分の画像品位の低下を防止できる。
【0093】
カール検知センサ150の超音波センサは転写材Pの搬送領域を挟み発信器と受信器を配設して、搬送部材と転写材Pとの隙間の量に対応して受信された超音波の減衰または位相のずれにより検知データが変化するのを応用して、先端および後端のカール量を検知し、検知した先端および後端のカール量がX以上の部分の現像コントラストを第1の実施形態と同様に変更する。
【0094】
本実施形態においては転写材Pの進行1mm間隔にて検知を行い、進行方向の長さY=30(mm)の31個の変位サンプリングデータに対して厚み方向の変位量Z=15(mm)以上(X=Z/Y=0.5以上)の部分に対応する画像領域のみ、現像コントラストを変更する。図5に本実施形態の現像コントラストの変更を示す。図5は、本発明に係る画像形成装置の第2の実施形態における画像形成領域中の潜像電位と現像バイアス値の関係を示すグラフである。
【0095】
図5中のVl部の2箇所(先端付近と後端付近)のカール量Xが0.5以上であったため、その部分に対応する画像形成中の現像バイアスを通常のVdc1:−550Vから、VDC2:−450Vに変更する。
【0096】
このように、本実施形態では、飛び散りが発生し易いカール部分のみの現像コントラストを変更することにより、カールしている部分以外のライン幅を細らせ、転写材Pの全体的な画像品位を低下させることなく、かつ飛び散りを防止することができる。本実施形態において、帯電ローラ2および転写ローラ80は感光体1に従動回転させたが、それぞれギア等をとりつけ、モータ等の駆動手段により強制駆動してもよい。
【0097】
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る画像形成装置の第3の実施形態について説明する。本発明に係る画像形成装置の第3の実施形態では、第1画像形成時の画像形成プロセスと第2画像形成時の画像形成プロセスとにおける画像形成条件のうち、像露光時の露光手段5のレーザ光量、すなわち感光体1に対する照射光量を変更することを特徴とする。なお、本実施形態において、カール量X及び判断基準となる所定値等は第2の実施形態と同じである。
【0098】
第1画像形成時においては、図6(a)に示すように感光体1の暗部電位Vdは−680V、明部電位Vlは−150V、現像バイアスVdcは−550Vに設定される。図6は、本発明に係る画像形成装置の第3の実施形態における画像形成領域中の潜像電位と現像バイアス値の関係を示すグラフである。
【0099】
ここで、第1画像定着後の転写材のカール量Xが所定値よりも小さいと判断された場合には、第2画像形成時も図6(a)に示すのと同じ設定で画像形成を行なうのに対して、カール量が所定値以上と判断した場合には、第2画像形成時においては、図6(b)に示すように暗部電位Vd、現像バイアスVdcを第1画像形成時と同じにするのに対し、明部電位Vlをレーザ発光光量あるいは発光デューティー比を小さくして、感光体1表面に対するレーザ光の照射光量を減少させることにより、所定値αより小さいと判断された領域では通常の画像息暗部電位Vlが−150Vであるのに対し、所定値α以上と判断された領域では暗部電位Vlを−250Vとした。
【0100】
図7を用いて、本実施形態においての画像濃度信号(ビデオ画像入力値)とトナー画像濃度の関係について説明する。図7は、本発明に係る画像形成装置の第3の実施形態における画像濃度信号とトナー画像濃度の関係を示すグラフである。
【0101】
本実施形態では通常曲線βに対応する関係にてレーザ出力値または発光デューティー比を制御することにより、画像形成を行う。一方カール量Xが所定値α以上と判断した場合、曲線γに対応する関係にて画像形成を行う。
【0102】
このような制御を行うことで、本実施形態では、カール量Xが所定値α以上と判断された領域においても、例えば写真などに代表される中間調濃度領域の画像品位を変えることなく、飛び散りやすい線画像(文字画像)に対してのみトナーの載り量を抑えることができる。
【0103】
そうすることで本実施形態では、カール量Xが所定値α以上の領域においても中間調濃度に対して変化させないため、最大限画像品位の変化の防止と飛び散り等の画像不良の両立を図ることができる。
【0104】
また、本実施形態では、第1画像と第2画像とにおける、感光体1の暗部電位Vdと現像バイアスVdcとの差であるバックコントラストが同じため、例えば、正規帯電トナーによる正規カブリ現象、及び反転帯電トナーによる反転カブリ現象のレベルをかえることがないため、カブリ現象の観点からも非常に画像品位差が無いという利点がある。
【0105】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0106】
[実施態様1]
像担持手段を帯電する帯電手段と、前記像担持手段を像露光することにより静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像の電位と印加バイアスによる電位との現像コントラストに対応して現像剤により可視像を形成する現像手段と、前記像担持手段上の可視像を転写材に静電転写する転写手段と、前記可視像を転写材に定着させるための定着手段と、前記可視像が定着された転写材の形状変化を検知する形状変化検知手段とを備え、前記転写材に、順次、少なくとも2つ以上の画像を形成することが可能な画像形成装置において、第1画像の定着が完了した転写材に対する前記形状変化検知手段の検知結果に基づいて、第2画像の画像形成方法を変更することを特徴とする画像形成装置。
【0107】
[実施態様2]
前記転写材の両面に対する画像形成及び前記転写材に対する多重の画像形成の少なくとも一方が可能であり、前記転写材の両面に対する画像形成及び前記転写材に対する多重の画像形成において、順次、前記転写材に2つ以上の画像を形成することを特徴とする実施態様1に記載の画像形成装置。
【0108】
[実施態様3]
前記第1画像の定着が完了した転写材に対する前記形状変化検知手段の検知結果に基づいて、前記転写材の少なくとも一部における、前記第2画像の画像形成方法を変更することを特徴とする実施態様1又は2記載の画像形成装置。
【0109】
[実施態様4]
前記画像形成方法の変更は、前記帯電手段への印加バイアスの変更及び前記現像手段への印加バイアスの変更の少なくともいずれか一方であることを特徴とする実施態様1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0110】
[実施態様5]
前記画像形成方法の変更は、前記像露光による静電潜像電位の変更であることを特徴とする実施態様1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0111】
[実施態様6]
反転現像方式を用いることを特徴とする実施態様1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0112】
[実施態様7]
前記形状変化検知手段が検知する形状変化が、前記転写材のカールであることを特徴とする実施態様1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、第1画像の画像形成時と第2画像の画像形成時において、第1画像の画像形成後の転写材の形状変形量の検知結果に応じて、画像形成条件を変更することによって、第2画像の画像形成時の飛び散りを防止することができる。上述画像形成条件の変更としては、現像バイアス値や静電潜像電位等を変更することである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態における画像形成領域中の潜像電位と現像バイアス値の関係を示すグラフである。
【図3】本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態における感光体上のトナー像の模式図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の第2の実施形態を示す概略構成図である。
【図5】本発明に係る画像形成装置の第2の実施形態における画像形成領域中の潜像電位と現像バイアス値の関係を示すグラフである。
【図6】本発明に係る画像形成装置の第3の実施形態における画像形成領域中の潜像電位と現像バイアス値の関係を示すグラフである。
【図7】本発明に係る画像形成装置の第3の実施形態における画像濃度信号とトナー画像濃度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電ローラ
3 帯電バイアス印加電源
4 露光
5 露光手段
6 現像装置
6a 現像スリーブ
7 現像バイアス印加電源
8 コロナ転写帯電器
8a 転写部位
8b 芯金
8c 弾性層
9 分離手段
10 クリーニング手段
10a クリーニングブレード
11 除電器
12 搬送部材
13 定着器
14 搬送弁
15 カール検知センサ
16 レジストローラ対
51a1,51a2,51b1 トナー像
80 転写ローラ
150 カール検知センサ
P 転写材
Claims (1)
- 像担持手段を帯電する帯電手段と、
前記像担持手段を像露光することにより静電潜像を形成する露光手段と、
前記静電潜像の電位と印加バイアスによる電位との現像コントラストに対応して現像剤により可視像を形成する現像手段と、
前記像担持手段上の可視像を転写材に静電転写する転写手段と、
前記可視像を転写材に定着させるための定着手段と、
前記可視像が定着された転写材の形状変化を検知する形状変化検知手段とを備え、
前記転写材に、順次、少なくとも2つ以上の画像を形成することが可能な画像形成装置において、
第1画像の定着が完了した転写材に対する前記形状変化検知手段の検知結果に基づいて、第2画像の画像形成方法を変更することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
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JP2003020714A JP2004233549A (ja) | 2003-01-29 | 2003-01-29 | 画像形成装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009096601A (ja) * | 2007-10-17 | 2009-05-07 | Ricoh Elemex Corp | カール検出装置 |
-
2003
- 2003-01-29 JP JP2003020714A patent/JP2004233549A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009096601A (ja) * | 2007-10-17 | 2009-05-07 | Ricoh Elemex Corp | カール検出装置 |
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A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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