JP2004233187A - NOxセンサの検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素分圧検知セルと酸素ポンプセルを備えたガスセンサ、特に、NOxセンサの周波数特性の評価を省力化することができる検査装置を提供する。
【解決手段】NOxセンサの検査装置であって、酸素分圧検知セル3と第1酸素ポンプセル制御手段20との間に接続された酸素分圧検知セル3が出力する酸素分圧検知信号に外乱を重畳する外乱発生手段40と、第1酸素ポンプセル制御手段20と外乱発生手段40との間に接続された、外乱が重畳された酸素分圧検知信号に基づいて、検査時に通常の測定時よりも位相が所定量遅延した状態で第1酸素ポンプセル制御手段20に第1酸素ポンプセル1を制御させる遅延手段41と、を有する。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスセンサ、特に、NOxセンサの検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被測定ガス中の窒素酸化物(NOx)の濃度を測定するためのNOxセンサとしては、例えば、特許文献1のように、被測定ガスの流通を制限する第1拡散抵抗を介して被測定ガスが導入される第1測定室と、前記第1測定室の内側と外側に設けられた一対の電極を備え、該一対の電極間の電位差に基づいて前記第1測定室内における被測定ガス中の酸素分圧を検出する酸素分圧検知セルと、前記第1測定室の内側と外側に設けられた一対の電極を備え、前記第1測定室の内側から外側へ又は外側から内側へ該一対の電極を介して酸素を汲み出すことにより、被測定ガス中の酸素分圧に応じた電流(以下「第1酸素ポンプ電流」という)が流れる第1酸素ポンプセルと、前記第1測定室からのガスの流通を制限する第2拡散抵抗を介してガスが導入される第2測定室と、前記第2測定室の内側と外側に設けられた一対の電極を備え、前記第2測定室内の窒素酸化物を分解し、解離した酸素が移動することによりNOx濃度に応じた電流(以下「第2酸素ポンプ電流」という)が該一対の電極間に流れる第2酸素ポンプセルと、を備えるNOxセンサ素子を、第1測定室内の酸素分圧を検知する酸素分圧検知セルの検出出力に基づいて、第1酸素ポンプセルにより前記第1測定室内の酸素をポンピングして、第1測定室内の酸素分圧を所定濃度に制御する、すなわち、第1酸素ポンプセルに流れる第1酸素ポンプ電流をフィードバック制御するNOxセンサが提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−183337号公報(第1頁、要約)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1のようなNOxセンサにおいて、NOxセンサ素子にはそれぞれ個体差がある。そして本発明者らは、個体及び測定条件によっては、前記フィードバック制御において遅延が発生することで、第1酸素ポンプ電流が発振する現象が生じるおそれがあることを知見した。発振が生じると、NOx濃度を正確に測定することができなくなる。
【0005】
そこで、NOxセンサが発振するか否かを検査する必要があるが、NOxセンサ素子の周波数特性(第1酸素ポンプ電流の酸素分圧検知セルの検出出力に対する周波数特性)を幅広い測定条件で全数検査するには、後述するように手間がかかる。
【0006】
本発明の目的は、酸素濃淡電池セル又は酸素分圧検知セルと、酸素ポンプセルを備えたガスセンサ、特に、NOxセンサの周波数特性の評価を省力化することができる検査装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の原理及び本発明者らが得た知見を説明する。本発明者らは、NOxセンサにおける第1酸素ポンプ電流の発振現象は、NOxセンサ素子単独及びその制御回路単独に起因して起こるものではなく、NOxセンサ素子とその制御回路の合成の位相が−180゜付近の領域で起こることを知見した。そこでNOxセンサ素子とその制御回路を接続し、通常の測定条件でNOxセンサを起動させることで発振するか否かを検査することができる。
【0008】
しかし、本発明者らは、検査中では発振しないものの、特別な測定条件等によっては、発振が起こる可能性があるNOxセンサがあることを知見した。このNOxセンサの場合、しかし、通常の測定条件で、NOxセンサを起動させるだけでは、そのNOxセンサが発振する虞がある領域に属するものであるかどうかを判断することは困難である。
【0009】
そこでセンサの発振検査方法としては、周波数アナライザ等を用いて、酸素分圧検知セルの検出出力に対する、第1酸素ポンプ電流の利得や位相遅れ等を測定する、具体的には、利得が0dB以上である全周波数領域で(なお、利得が0dB未満では発振が起こらない)、センサ素子とその制御回路の一巡の位相遅れを測定し、その位相遅れが発振する領域にあるかどうか(発振する虞のある領域と発振する虞のない領域との境に設けられた閾値を超えるか否か)を検査する方法が考えられる。
【0010】
ところが、どの周波数で利得が0dB以上となるかは、センサの個体によって異なるため、発振検査を行った場合、発振が起こるセンサであるかどうかを正確に判定するには、全周波数領域において、利得が0dB以上となるときの位相遅れを測定する必要がある。このように、全周波数領域において、センサを全数検査した場合、検査に手間がかかりすぎるといった問題がある。
【0011】
本発明者らは、酸素濃度検出信号(酸素分圧検知セルの検出出力)に対して、酸素をポンピングする制御を通常の測定時よりも位相が所定量遅延した条件で、センサの発振検査を行うことにより、発振が生じやすい位相状態で発振検査ができ、検査したセンサ特有の位相遅れが発振が起こる虞のある領域にあるかどうかを、正確かつ簡便に評価できることを知見した。
【0012】
さらに、本発明者らはNOxセンサ素子が発振し難いものであっても、その制御回路が発振し易いものであれば、発振が起こり易い傾向があることを知見した。したがって、本発明のように、制御側を発振が起こり易い条件に設定することで、より厳格なセンサの発振検査を行うことができる。また、本発明者らの知見から、制御側はそれぞれの個体差が小さいのに対して、NOxセンサ素子側は個体差が大きいということがわかっており、制御側を発振が起こり易い条件にすればより精度良く検査を行うことができる。
【0013】
本発明は、第1の視点において、酸素分圧検知セルが出力する酸素分圧検知信号に外乱を重畳する外乱発生手段と、第1酸素ポンプセル制御手段と外乱発生手段との間に接続され、前記外乱が重畳された酸素分圧検知信号に基づいて、検査時に通常の測定時よりも位相が所定量遅延した状態で該第1酸素ポンプセル制御手段に第1酸素ポンプセルを制御させる遅延手段と、を有し、少なくとも、前記外乱が重畳された酸素分圧検知信号に対する前記第1酸素ポンプ電流の位相の遅延ないし利得に基づいて、前記NOxセンサ素子の周波数特性を評価するNOxセンサの検査装置を提供する。
【0014】
前記検査装置は、被測定ガスの流通を制限する第1拡散抵抗を介して被測定ガスが導入される第1測定室と、前記第1測定室の内側と外側に設けられた一対の電極を備え、該一対の電極間の電位差に基づいて前記第1測定室内における被測定ガス中の酸素分圧を検出する酸素分圧検知セルと、前記第1測定室の内側と外側に設けられた一対の電極を備え、前記第1測定室の内側から外側へ又は外側から内側へ該一対の電極を介して酸素を汲み出すことにより、被測定ガス中の酸素分圧に応じた電流(以下「第1酸素ポンプ電流」という)が流れる第1酸素ポンプセルと、前記第1測定室からのガスの流通を制限する第2拡散抵抗を介してガスが導入される第2測定室と、前記第2測定室の内側と外側に設けられた一対の電極を備え、前記第2測定室内の窒素酸化物を分解し、解離した酸素が移動することによりNOx濃度に応じた電流(以下「第2酸素ポンプ電流」という)が該一対の電極間に流れる第2酸素ポンプセルと、を備えるNOxセンサ素子と、前記酸素分圧検知セルの検出出力に基づいて所定の電圧を前記第1酸素ポンプセルに印加して前記第1酸素ポンプ電流を制御することにより、前記第1測定室内の酸素分圧を制御する第1酸素ポンプセル制御手段と、を備えるNOxセンサ素子の制御手段と、を有するNOx測定装置(NOxセンサ)の検査装置として好適に適用される。
【0015】
本発明は、他の視点において、被測定ガスの酸素分圧に基づいて、酸素ポンピングをすることにより所定酸素分圧の雰囲気を生成するフィードバック制御を行うガスセンサの検査方法であって、前記酸素分圧を示す信号に外乱を重畳する行程と、外乱が重畳された前記信号に基づいて検査時に通常の測定時よりも位相が所定量遅延した状態で酸素ポンピングを行う行程と、少なくとも、前記外乱が重畳された信号に対する前記酸素ポンピングによる電流の位相の遅延ないし利得に基づいてガスセンサの周波数特性を評価する行程と、を含む、ことを特徴とするガスセンサの検査方法を提供する。
【0016】
本発明の検査装置によれば、酸素濃度検出出力に対して酸素をポンピングする制御を遅延した条件でセンサを検査することにより、発振が生じやすい位相状態で、検査したセンサが発振が起こり易いセンサであるかどうかを評価することができる。このように、本発明の検査装置によれば、酸素濃度検出出力の周波数や位相条件を変えて多数の試験を行うことなく、特に、第1酸素ポンプ電流が発振するかどうかの評価を正確に行うことができるため、センサの周波数特性の評価を省力化して、センサの位相余裕を保証することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態に係るガスセンサの検査装置は、図2を参照して、酸素濃淡電池セル3が出力する酸素分圧検知信号に基づいて、酸素ポンプセル1により所定酸素分圧の雰囲気を生成するガスセンサの検査装置であって、酸素ポンプセル1とその制御手段20の間に接続され、酸素濃淡電池セル3が出力する酸素分圧検知信号に外乱を重畳する外乱発生手段40と、酸素ポンプセル1の制御手段20と外乱発生手段40との間に接続され、外乱が重畳された酸素分圧検知信号に基づいて、検査時に通常の測定時よりも位相が所定量遅延した状態で酸素ポンプセル1の制御手段20に酸素ポンプセル1を制御させる遅延手段41と、を有し、少なくとも、外乱が重畳された酸素分圧検知信号に対する第1酸素ポンプセルに流れる電流の位相の遅延ないし利得に基づいて、ガスセンサの周波数特性を評価する。
【0018】
なお、遅延手段として、好ましくは、抵抗とコンデンサの組合わせからなる時定数回路を用いることができる。時定数回路の抵抗値及び容量値を調整することにより、所望の遅延量を得ることができる。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態において、NOxセンサの周波数特性の評価は、λ=1の雰囲気を模擬した測定雰囲気に該NOxセンサを晒して行われる。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態において、NOxセンサの周波数特性の評価は、HO=1%以上の雰囲気に該NOxセンサを晒して行われる。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態において、NOxセンサの周波数特性の評価は、周波数1〜100Hzの外乱を前記酸素分圧検知信号に重畳して行われる。
【0022】
【実施例】
以上説明した本発明の好ましい実施の形態をさらに明確化するために、以下図面を参照して、本発明の一実施例を説明する。
【0023】
図1(A)〜図1(D)は、本発明の一実施例に係る検査装置によって検査されるNOxセンサの構成要素であるNOxセンサ素子の構成及び測定原理を説明するための図である。
【0024】
図1(A)を参照すると、NOxセンサ素子は、主として、第1酸素ポンプセル1、第2酸素ポンプセル2及び酸素分圧検知セル3、さらにNOxセンサ素子を所定の作動温度に加熱するヒータ4から構成されている。第1酸素ポンプセル1と酸素分圧検知セル3の間には、第1測定室5が形成されている。第1測定室5には、第1拡散孔7を介して、被測定ガスが導入される。第1測定室5は、第2拡散孔8を通じて、第2測定室6と連通している。
【0025】
第1酸素イオンポンプセル1は、ジルコニアのような酸素イオン伝導性を有する固体電解質と、固体電解質上に形成された一対の電極9,10から構成されている。電極10は第1測定室5に面して配置され、電極9は外部に面して配置されている。電極10上で第1測定室5内の酸素等が解離され生成された酸素イオンが固体電解質を通って電極9上から外部へ導出され、このとき該固体電解質を通じて流れる電流が第1酸素ポンプ電流Ip1である。
【0026】
第2酸素イオンポンプセル2は、ジルコニアのような酸素イオン伝導性を有する固体電解質と、固体電解質上に形成された一対の電極13,14から構成されている。電極13は第2測定室6に面して配置され、電極14は第2測定室6外に配置されると共に酸素濃度が安定した雰囲気に晒されている。電極13上で第2測定室6内のNOx等が解離され生成された酸素イオンが固体電解質を通って電極14上から外部へ導出され、このとき固体電解質を通じて流れる電流が第2酸素ポンプ電流Ip2である。通常の測定モードにおいて、電極13と電極14間には一定の電圧が印加される。
【0027】
酸素分圧検知セル3は、ジルコニアのような酸素イオン伝導性を有する固体電解質と、固体電解質上に形成された一対の電極11,12から構成されている。電極11は第1測定室5に面して配置され、電極12は酸素濃度が安定した雰囲気に晒されている。したがって、電極11と電極12の間に発生する電位差に基づいて、第1測定室5内の酸素濃度、結局、被測定ガス中の酸素濃度を検出することができる。
【0028】
図1(A)を参照すると、センサ制御手段は、酸素分圧検知セルに現れる第1測定室5内の酸素濃度を検出すると共に、第1測定室5外に設けられた電極12上の酸素濃度を制御する酸素分圧セル制御手段21と、酸素分圧検知セル3の検出出力に基づいて第1酸素ポンプ電流Ip1を制御することにより、第1測定室5内の酸素濃度を可及的に一定に制御する第1酸素ポンプセル制御手段20と、第2酸素ポンプセル2に可及的に一定な所定の電圧を印加することにより、NOx濃度に応じた第2酸素ポンプ電流Ip2が流れるように第2酸素ポンプセル2を制御する第2酸素ポンプセル制御手段22と、を含んで構成される。
【0029】
以上説明したNOxセンサ素子及びその制御手段を用いたNOx測定原理については、図1(B)〜図1(D)に示すとおりであるから、これらを参照することとする。
【0030】
図2は、図1に示したNOxセンサに適用される、本発明の一実施例に係るNOxセンサの検査装置を説明するための図である。図2を参照すると、酸素分圧検知セル3と第1酸素ポンプセル制御手段20との間には、酸素分圧検知セル3が出力する酸素分圧検知信号に外乱を重畳する外乱発生手段40が接続されている。第1酸素ポンプセル制御手段20と外乱発生手段40との間には、外乱が重畳された酸素分圧検知信号に基づいて、検査時に通常の測定時よりも位相が所定量遅延した状態で第1酸素ポンプセル制御手段20に第1酸素ポンプセル1を制御させる遅延手段41が接続されている。なお、外乱発生手段40としては市販の周波数発生器を用いることができ、遅延手段41としては時定数回路を用いることができる。
【0031】
以上説明した本発明の一実施例に係るNOxセンサの検査装置を用いたNOxセンサの検査例について説明する。
【0032】
図3は、本発明の一実施例に係るNOxセンサの検査装置を用いたNOxセンサの検査例の説明図であって、通常測定時(通常回路)と検査時(遅延回路)における、NOxセンサの制御回路の周波数特性をそれぞれ示している。図4は、特定条件で発振が起こるNOxセンサの検査例の説明図であって、通常測定時におけるNOxセンサの合成周波数特性(NOxセンサ素子とその制御回路の合成周波数特性)を示している。
【0033】
本検査例においては、NOxセンサの制御回路(図2参照)において、酸素分圧検知セルと第1酸素ポンプセルの間に接続されている時定数回路(遅延手段)の時定数を、通常の測定時より大きく設定することにより、図3に示すように、制御回路の位相を所定量遅延させている。なお、制御回路の利得は、図3に示すように、通常測定時と同様に設定している。これは、利得が変化すると、利得が0dB以上となる周波数ポイント(利得が0dB以下では発振が生じない)が変化してしまうからである。
【0034】
NOxセンサの合成周波数特性を示す図4を参照すると、周波数が約1〜20Hzの領域で、利得が0dB以上となっている。そこで、センサの個体差を考慮して、全てのセンサは、周波数が1〜100Hzの領域で利得が0dB以上となると仮定した。また、位相に関して、発振が起こる領域は−180゜付近である。図4を参照すると、周波数が1〜100Hzの領域で位相の最低値は約−165゜である。そこで、センサの個体差を考慮して前記時定数回路の時定数を調整して、NOxセンサ素子の制御回路の位相が、図3に示すように、通常測定時よりも20゜遅れるように設定した。なお、図3を参照すると、周波数が100Hzを大きく超える領域では、位相遅れが20゜以上になっているが、前述したように、利得が0dB以上となる領域(発振する可能性がある領域)は、周波数が1〜100Hzの領域であるので、この周波数が1〜100Hzの領域で位相が20゜遅れれば、発振する虞のあるセンサを確実に捉えることができる。
【0035】
このように、位相を遅らせて発振検査を行うことにより、通常の測定条件では発振しないが、特定の測定条件で発振するセンサ、例えば、通常の測定条件では位相が−170゜までしか遅れないセンサを、全周波数領域について発振試験を行うことなく、発振する虞があるセンサとして掴まえることができる。
【0036】
次に、発振検査方法の一例について説明する。まず、NOxセンサ素子を測定チャンバー内に設置し、測定チャンバーに内燃機関の排気ガスを模擬した所定のモデルガス、例えば、λ=1のときの組成を模擬したモデルガスを流入させる。測定雰囲気の一例は、CO=10%、HO=5%、N=bal.である。次に、NOxセンサの制御手段の電源をオンし、ヒータ通電を行い、所定時間経過後、酸素分圧検知信号に外乱(sin波)を入力ないし重畳して、第1酸素ポンプ電流ないし第1酸素ポンプセルに印加される電圧を計測して、酸素分圧検知信号と第1酸素ポンプ電流ないし第1酸素ポンプセルに印加される電圧を入力とする周波数応答分析器を用いて、第1酸素ポンプ電流が発振するかどうかを検査する。
【0037】
なお、評価方法としては、例えば、NOxセンサの発振試験中、第1酸素ポンプ電流Ip1ないし第1酸素ポンプセルに印加される電圧Vp1が閾値(所定の位相以下になった場合)を所定回数以上通過した場合、そのNOxセンサを不良品と判定することができる。また、外乱を酸素分圧検知信号に重畳する方法として、電気的外乱、圧力変化、センサ素子の温度変化、センサ雰囲気の温度変化、電磁波の印加などがある。
【0038】
次に、本発明の一実施例に係るNOxセンサの検査装置を用いて、測定雰囲気、特に、HO濃度がNOxセンサの周波数特性に与える影響を調べた。図5(A)及び図5(B)は、測定雰囲気、特に、HO濃度がNOxセンサの周波数特性に与える影響を示すグラフである。図5(A)及び図5(B)を参照すると、HO濃度が利得及び位相に影響を与えており、HO濃度が高いほど利得が高く、位相遅れが大きいことがわかる。したがって、内燃機関の排気ガスの組成及びその変動を考慮すると、HO=1%以上付近で発振検査を行うことが好ましいことがわかる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、酸素濃淡電池セル又は酸素分圧検知セルと、酸素ポンプセルを備えたガスセンサ、特に、NOxセンサの周波数特性の評価を省力化することができる検査装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(D)は、本発明の一実施例に係る検査装置によって検査されるNOxセンサの構成要素であるNOxセンサ素子の構成及び測定原理を説明するための図である。
【図2】図1に示したNOxセンサに適用される、本発明の一実施例に係るNOxセンサの検査装置を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施例に係るNOxセンサの検査装置を用いたNOxセンサの検査例の説明図であって、通常測定時(通常回路)と検査時(遅延回路)における、NOxセンサの制御回路の周波数特性をそれぞれ示している。
【図4】本発明の一実施例に係るNOxセンサの検査装置を用いたNOxセンサの検査例の説明図であって、通常測定時におけるNOxセンサの合成周波数特性(NOxセンサ素子とその制御回路の合成周波数特性をそれぞれ示している。
【図5】(A)及び(B)は、測定雰囲気、特に、HO濃度がNOxセンサの周波数特性に与える影響を示すグラフである。
【符号の説明】
1 第1酸素ポンプセル
2 第2酸素ポンプセル
3 酸素分圧検知セル
4 ヒータ
5 第1測定室
6 第2測定室
7 第1拡散孔
8 第2拡散孔
9 電極
10 電極
11 電極
12 電極
13 電極
14 電極
20 第1酸素ポンプセル制御手段(Ip1ドライブ)
20a 検出抵抗
21 酸素分圧検知セル制御手段(Vsドライブ)
22 第2酸素ポンプセル制御手段(Ip2ドライブ)
22a 検出抵抗
40 外乱発生手段
41 遅延手段

Claims (5)

  1. 被測定ガスの流通を制限する第1拡散抵抗を介して被測定ガスが導入される第1測定室と、前記第1測定室の内側と外側に設けられた一対の電極を備え、該一対の電極間の電位差に基づいて前記第1測定室内における被測定ガス中の酸素分圧を検出する酸素分圧検知セルと、前記第1測定室の内側と外側に設けられた一対の電極を備え、前記第1測定室の内側から外側へ又は外側から内側へ該一対の電極を介して酸素を汲み出すことにより、被測定ガス中の酸素分圧に応じた電流(以下「第1酸素ポンプ電流」という)が流れる第1酸素ポンプセルと、前記第1測定室からのガスの流通を制限する第2拡散抵抗を介してガスが導入される第2測定室と、前記第2測定室の内側と外側に設けられた一対の電極を備え、前記第2測定室内の窒素酸化物を分解し、解離した酸素が移動することによりNOx濃度に応じた電流(以下「第2酸素ポンプ電流」という)が該一対の電極間に流れる第2酸素ポンプセルと、を備えるNOxセンサ素子と、前記酸素分圧検知セルの検出出力に基づいて所定の電圧を前記第1酸素ポンプセルに印加して前記第1酸素ポンプ電流を制御することにより、前記第1測定室内の酸素分圧を制御する第1酸素ポンプセル制御手段と、を有するNOxセンサの検査装置であって、
    前記酸素分圧検知セルと前記第1酸素ポンプセル制御手段との間に接続され、前記酸素分圧検知セルが出力する酸素分圧検知信号に外乱を重畳する外乱発生手段と、
    前記第1酸素ポンプセル制御手段と前記外乱発生手段との間に接続され、前記外乱が重畳された酸素分圧検知信号に基づいて、検査時に通常の測定時よりも位相が所定量遅延した状態で該第1酸素ポンプセル制御手段に前記第1酸素ポンプセルを制御させる遅延手段と、を有し、
    少なくとも、前記外乱が重畳された酸素分圧検知信号に対する前記第1酸素ポンプ電流の位相の遅延ないし利得に基づいて、前記NOxセンサの周波数特性を評価することを特徴とするNOxセンサの検査装置。
  2. 前記遅延手段は、前記外乱が重畳された酸素分圧検知信号に対して位相が20度遅延して前記第1酸素ポンプセルを制御することを特徴とする請求項1記載のNOxセンサの検査装置。
  3. 前記NOxセンサの周波数特性の評価は、λ=1の雰囲気を模擬した測定雰囲気に該NOxセンサを晒して行われることを特徴とする請求項1又は2記載のNOxセンサの検査装置。
  4. 前記NOxセンサの周波数特性の評価は、HO=1%以上の雰囲気に該NOxセンサを晒して行われることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のNOxセンサの検査装置。
  5. 酸素濃淡電池セルが出力する酸素分圧検知信号に基づいて、酸素ポンプセルにより所定酸素分圧の雰囲気を生成するガスセンサの検査装置であって、
    前記酸素ポンプセルとその制御手段の間に接続され、酸素濃淡電池セルが出力する酸素分圧検知信号に外乱を重畳する外乱発生手段と、
    前記酸素ポンプセルの制御手段と前記外乱発生手段との間に接続され、前記外乱が重畳された酸素分圧検知信号に基づいて、検査時に通常の測定時よりも位相が所定量遅延した状態で該酸素ポンプセルの制御手段に前記第1酸素ポンプセルを制御させる遅延手段と、を有し、
    少なくとも、前記外乱が重畳された酸素分圧検知信号に対する前記第1酸素ポンプセルに流れる電流の位相の遅延ないし利得に基づいて、ガスセンサの周波数特性を評価することを特徴とするガスセンサの検査装置。
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