JP2004232308A - コラム付き丸形鋼管柱およびコラム付き丸形鋼管柱の製造方法 - Google Patents

コラム付き丸形鋼管柱およびコラム付き丸形鋼管柱の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】形状精度が良く、溶接部の品質も改善し得、残留応力がなく、十分な靱性を有するコラム付き丸形鋼管柱、およびコラム付き丸形鋼管柱の製造方法を提供する。
【解決手段】所定の外径Dよりも大きい外径Dαの半成形丸形鋼管1の端と、所定の外径D,dよりも大きい外径Dα,dαで台形筒状の半成形丸形コラム3のいずれかの端とを、溶接5により結合してコラム付き半成形丸形鋼管6とした。コラム付き半成形丸形鋼管6を加熱したのち成形手段21により熱間成形して、所定の外径D,dに形成したコラム付き丸形鋼管柱7を得た。コラム付き丸形鋼管柱は、曲げ精度が低いコラム付き半成形丸形鋼管を熱間成形することで、多大な労力と時間を要する手作業による精整作業を行うことなく、形状精度が良く、溶接部の品質を改善でき、残留応力が殆どなくて高い座屈強度を得られ、二次溶接性に優れ、十分な靱性を有するものとなる。建築用の柱材に使用される大径で厚肉のコラム付き丸形鋼管柱を好適に提供できる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば建築用の柱材に使用される大径で厚肉のコラム付き丸形鋼管柱、およびコラム付き丸形鋼管柱の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の鋼管柱としては、円形鋼管からなる径の大きい下部柱の上端にレデューサー(コラム)の下端を、裏当て金やダイヤフラムを介して溶接結合し、そしてレデューサーの上端に円形鋼管からなる径の小さい上部柱の下端を、裏当て金やダイヤフラムを介して溶接結合している。ここでレデューサーは、鋼板により円錐台形筒状に形成されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
そして、円形の下部柱や上部柱は、次のような方法で製造していた。すなわち、所定の幅でかつ所定の長さのパイプ用原板を準備しておき、このパイプ用原板における幅方向の端部に対して、プレス加工により所定幅の端曲げを行う。次に、端曲げされたパイプ用原板のほぼ中央部をさらにプレス加工することにより、断面形状がほぼU字状になるように曲げ成形する。そして、半円状の成形面を有する一対の成形型からなるプレス加工手段によって、断面形状がほぼ円形になるように成形する。このとき、凹部と凸部が係合される。なお、断面形状がほぼ円形になるように成形したのち、端部間(継目部)を溶接接合する方法もある(たとえば、特許文献2参照。)。
【0004】
さらにレデューサーも同様であって、円弧の帯状に切断された1枚の鋼板に対してプレス曲げを行ったのち、1箇所を溶接することで円錐台形状に形成している。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−331911号公報(第2頁、図7)
【0006】
【特許文献2】
特開平9−234511号公報(第3−5頁、図1、図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来構成によると、円形の柱、円錐台形筒状のレデューサーともに、プレスによる曲げ精度が低いことから、柱とレデューサーとを溶接結合した鋼管柱は形状精度が悪くなる恐れがある。これを解決するために、柱やレデューサーを手作業によって精整して曲げ精度の補正を行っており、この手作業には多大な労力と時間を要することになる。
【0008】
そこで本発明の請求項1記載の発明は、形状精度が良く、しかも溶接部の品質も改善し得、さらに残留応力がなく、かつ十分な靱性を有するコラム付き丸形鋼管柱を提供することを目的としたものである。
【0009】
また請求項4記載の発明は、請求項1記載のコラム付き丸形鋼管柱を、手作業による精整作業を殆ど行うことなく、容易に確実に製造し得るコラム付き丸形鋼管柱の製造方法を提供することを目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明の請求項1記載のコラム付き丸形鋼管柱は、所定の外径よりも大きい外径の半成形丸形鋼管の端と、所定の外径よりも大きい外径で台形筒状の半成形丸形コラムのいずれかの端とを、溶接により結合してコラム付き半成形丸形鋼管とし、このコラム付き半成形丸形鋼管を加熱したのち成形手段により熱間成形して、所定の外径に形成して得たことを特徴としたものである。
【0011】
したがって請求項1の発明によると、コラム付き丸形鋼管柱は、曲げ精度が低いコラム付き半成形丸形鋼管を熱間成形することで、例え厚肉、大径であったとしても、多大な労力と時間を要する手作業による精整作業を行うことなく、その形状精度は良いものになり、しかも溶接部の品質を改善し得る。さらにコラム付き丸形鋼管柱は、熱間成形によって、残留応力が殆どなくて高い座屈強度が得られるとともに、二次溶接性に優れ、かつ十分な靱性を有するものとなる。
【0012】
また本発明の請求項2記載のコラム付き丸形鋼管柱は、上記した請求項1記載の構成において、半成形丸形鋼管の端と、半成形丸形コラムの外径が大きい一端とを、溶接により結合してコラム付き半成形丸形鋼管としたことを特徴としたものである。
【0013】
したがって請求項2の発明によると、コラム部分を上位として使用するコラム付き丸形鋼管柱を好適に提供し得る。
そして本発明の請求項3記載のコラム付き丸形鋼管柱は、上記した請求項1記載の構成において、半成形丸形鋼管の端と、半成形丸形コラムの外径が小さい他端とを、溶接により結合してコラム付き半成形丸形鋼管としたことを特徴としたものである。
【0014】
したがって請求項3の発明によると、コラム部分を下位として使用するコラム付き丸形鋼管柱を好適に提供し得る。
本発明の請求項4記載のコラム付き丸形鋼管柱の製造方法は、所定の外径よりも大きい外径の半成形丸形鋼管と、所定の外径よりも大きい外径で台形筒状の半成形丸形コラムとを用意し、前記半成形丸形鋼管の端と半成形丸形コラムのいずれかの端とを、溶接により結合してコラム付き半成形丸形鋼管とし、このコラム付き半成形丸形鋼管を加熱したのち、成形手段による熱間成形によって、所定の外径のコラム付き角形鋼管柱としたことを特徴としたものである。
【0015】
したがって請求項4の発明によると、外径が大きなコラム付き半成形丸形鋼管を加熱したのち、成形手段によって熱間成形することで、所定の外径のコラム付き丸形鋼管柱を製造し得る。
【0016】
また本発明の請求項5記載のコラム付き丸形鋼管柱の製造方法は、上記した請求項4記載の構成において、成形手段はロール成形形式であって、成形ロールの位置を移動制御しながら熱間成形を行うことを特徴としたものである。
【0017】
したがって請求項5の発明によると、成形ロールの位置を移動制御することで、コラム付き半成形丸形鋼管に対する熱間成形を実現し得る。
そして本発明の請求項6記載のコラム付き丸形鋼管柱の製造方法は、上記した請求項4または5記載の構成において、半成形丸形鋼管の端と、半成形丸形コラムの外径が大きい一端とを、溶接により結合してコラム付き半成形丸形鋼管とし、このコラム付き半成形丸形鋼管を加熱したのち、半成形丸形鋼管側から成形手段に通して熱間成形することを特徴としたものである。
【0018】
したがって請求項6の発明によると、コラム部分を下位として使用するコラム付き丸形鋼管柱を、手作業による精整作業を殆ど行うことなく製造し得る。
さらに本発明の請求項7記載のコラム付き丸形鋼管柱の製造方法は、上記した請求項4または5記載の構成において、半成形丸形鋼管の端と、半成形丸形コラムの外径が小さい他端とを、溶接により結合してコラム付き半成形丸形鋼管とし、このコラム付き半成形丸形鋼管を加熱したのち、半成形丸形鋼管側から成形手段に通して熱間成形することを特徴としたものである。
【0019】
したがって請求項7の発明によると、コラム部分を下位として使用するコラム付き丸形鋼管柱を、手作業による精整作業を殆ど行うことなく製造し得る。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の第1の実施の形態を、真芯台形筒状のコラムを有する中央箇所使用形式のコラム付き丸形鋼管柱を対象として、図1〜図11に基づいて説明する。
【0021】
図1に示すように、半成形丸形鋼管1は、所定の板厚tで帯状の鋼板1Aをプレスなどにより曲げ成形したのち、溶接により結合することで、最終形状(最終製品のコラム付き丸形鋼管柱の形状)の外径に対して、外径Dαが大きく形成されている。ここで半成形丸形鋼管1としては、突き合わせ溶接部2が1箇所のワンシーム形状が示されているが、これは突き合わせ溶接部が2箇所のツーシーム形状などであってもよい。
【0022】
図2に示すように、半成形丸形コラム3は、前記半成形丸形鋼管1の板厚tよりも厚い板厚Тでかつ所定の形状に切断形成された鋼板3Aを、プレスなどにより曲げ成形したのち、溶接により結合することで、一端3aの外径と他端3bの外径が異なる真芯台形筒状に形成されている。
【0023】
その際に、最終形状に対して、一端3aは外径Dαが大きく形成され、また他端3bも外径dαが大きく、すなわちDα>dαに形成されている。そして一端3aの外径Dαは、前記半成形丸形鋼管1の外径Dαと同等状に形成されている。ここで半成形丸形コラム3としては、突き合わせ溶接部4が1箇所のワンシーム形状が示されているが、これは突き合わせ溶接部が2箇所のツーシーム形状などであってもよい。
【0024】
上記のように形成された半成形丸形鋼管1と半成形丸形コラム3とは、図3に示すように、半成形丸形鋼管1の端と半成形丸形コラム3の一端3aとを相当接させた状態で、溶接5により結合することによってコラム付き半成形丸形鋼管6とされる。なお、半成形丸形鋼管1と半成形丸形コラム3との相当接部分(溶接5を行う部分)には開先が形成されている。
【0025】
次いで図4に示すように、コラム付き半成形丸形鋼管6を加熱炉(加熱手段の一例)10に入れて加熱する。この加熱炉10は、高周波、ガス、油などによる加熱形式であり、以て全体を600〜1000℃(A変態点を含む。)に加熱する。
【0026】
そしてコラム付き半成形角形鋼管6を加熱炉10から出し、図5に示すように、成形部搬送手段11により搬送する。この成形部搬送手段11は、搬送コンベヤ装置(ローラコンベヤ装置)12と、その搬送経路13中の複数箇所(または単数箇所)に配設された挟持式の搬送力付与装置14とからなる。ここで搬送力付与装置14は、上下一対で鼓形の搬送ロール15,15を有し、これら搬送ロール15は駆動装置(図示せず。)によって、それぞれ駆動回転可能に構成されている。
【0027】
前記搬送経路13中の所定箇所には、加熱されたコラム付き半成形丸形鋼管6を熱間成形する成形手段21が配設されている。この成形手段21は、機枠22の上手部分に設けられた鋼管成形装置23と、機枠22の下手部分に設けられたコラム成形装置31とからなる。
【0028】
図5、図6に示すように、前記鋼管成形装置23は絞り成形が可能なロール成形形式であって、機枠22側に上下一対の成形ロール24,24と左右一対の成形ロール27,27などを設けることにより構成されている。ここで成形ロール24,27は鼓形であって、その円弧状の成形面24a,27aは、最終半径Rに対応するように形成されている。
【0029】
各成形ロール24,27は、それぞれロール支持体25,28に回転可能に支持されており、そして駆動装置(図示せず。)によって、それぞれ駆動回転可能に構成されている。前記ロール支持体25,28は、それぞれ機枠22側に設けられたシリンダー装置26,29における内向きのピストンロッドに着脱自在に連結されており、以てシリンダー装置26,29の伸縮動によって、ロール支持体25,28を介して成形ロール24,27が各別に移動可能に構成される。
【0030】
図5、図7、図8に示すように、前記コラム成形装置31は絞り成形が可能なロール成形形式であり、そのリング状の本体32は、機枠22側に対して適宜の支持手段により支持されることにより、搬送経路13に沿った軸心の回りに回転自在に構成されるとともに、駆動装置(図示せず。)によって強制回転可能に構成されている。
【0031】
前記本体32の内面側で120°置きの3箇所(または1箇所や複数箇所)にはガイド体33が設けられ、このガイド体33には回転軸心に対して接近離間動自在な移動体34が設けられている。そして移動体34にはブラケット35などを介して成形ロール36が、最終形状のテーパ面(傾斜外面)に沿った軸心の回りに遊転自在に設けられている。前記移動体34は、加圧用のシリンダー装置(加圧装置の一例。)37を介して移動自在に構成されており、以てコンピュータなどの制御部41を介してシリンダー装置37を伸縮制御することで、成形ロール36の位置を移動制御可能に構成している。
【0032】
前記制御部41は共有化され、前記シリンダー装置26,29の伸縮動も制御されるように構成されている。そして、鋼管成形装置23の上手位置には半成形丸形鋼管1の形状検出装置42が設けられるとともに、コラム成形装置31の上手位置には半成形丸形コラム3の形状検出装置43が設けられている。これら形状検出装置42,43は非接触形式(センサーなど)や接触形式などからなり、その検出信号を前記制御部41に入力するように構成されている。
【0033】
以上の22〜43などにより、成形ロール24,27、36の位置を移動制御しながら熱間成形を行う成形手段21の一例が構成される。
前述したように、加熱炉10において加熱されたコラム付き半成形丸形鋼管6は、半成形丸形鋼管1側が先行される(半成形丸形コラム3側が後行される)状態で、搬送コンベヤ装置12上で長さ方向に搬送される。そして、まず搬送力付与装置14の搬送ロール15,15により上下から挟持されることで搬送力が付与されることになり、以てコラム付き半成形丸形鋼管6は搬送経路13上において設定速度で送り搬送される。
【0034】
これにより、コラム付き半成形丸形鋼管6は半成形丸形鋼管1側から成形手段21に搬入される。その際に成形手段21におけるコラム成形装置31は非作用状態にある。そして鋼管成形装置23では、形状検出装置42が半成形丸形鋼管1の部分を検出することで、制御部41を介してシリンダー装置26,29が伸縮動され、以て成形ロール24,27群が所定位置とされている。したがって半成形丸形鋼管1の部分は、図6に示すように、所定位置とされた成形ロール24,27群の成形面24a,27aによって、上下ならびに左右から加圧されながら熱間成形される。この熱間成形によって半成形丸形鋼管1の部分は、最終形状に対応した所定の外径Dに形成される。
【0035】
このようにして半成形丸形鋼管1の部分の熱間成形を行えるのであり、そして形状検出装置42が、半成形丸形鋼管1と半成形丸形コラム3との境界部、たとえば溶接5の部分を検出することで、或る設定した時間後に制御部41を介してシリンダー装置26,29が収縮動され、以て鋼管成形装置23は非作用状態になる。
【0036】
この状態でコラム付き半成形丸形鋼管6は搬送され、そして成形手段21におけるコラム成形装置31では、形状検出装置43が半成形丸形鋼管1と半成形丸形コラム3との境界部、たとえば溶接5の部分を検出することで、制御部41を介して、回転駆動部により本体32を回転させるとともに、シリンダー装置37を伸展制御して移動体34を接近動させる。これにより、半成形丸形コラム3の一端3a側に成形ロール36群を加圧当接させた状態で、成形ロール36群を本体32とともに回転させることになり、以て成形ロール36の遊転を伴いながら、図7、図8に示すように、一端3a側に対して熱間絞り成形を行う。
【0037】
そして、コラム付き半成形丸形鋼管6の搬送に伴って移動体34を接近動させるように制御することで、すなわち成形ロール36群の位置を接近移動制御することで、図9、図10に示すように他端3b側までの熱間絞り成形を行う。その際に成形ロール36の接近動の制御は、半成形丸形コラム3の部分におけるテーパ面(傾斜外面)を形状検出装置43により随時検出することで、あるいは溶接5の部分の検出をスタートとして、あらかじめ設定されたパターンに基づいて行われる。
【0038】
このような成形ロール36の接近動によって半成形丸形コラム3の部分は、上下ならびに左右から加圧されながら熱間成形される。この熱間成形によって半成形丸形コラム3の部分は、一端3aが最終形状に対応した所定の外径Dに形成され、そして他端3bが最終形状に対応した所定の小さな外径dに形成され、また一端3aから他端3bの間では、最終形状に対応した所定の外径D〜d内に形成される。
【0039】
なお半成形丸形コラム3の部分などの熱間成形は、成形手段21の下手に配設された搬送力付与装置14によって、搬送経路13上において設定速度で送り搬送させながら行われる。
【0040】
上述したような熱間成形を行ったのち放冷(冷却)することで、図11の実線に示すように、真芯台形筒状のコラムを有する中央箇所使用形式のコラム付き丸形鋼管柱(最終製品)7を得ることができる。このようにして製造したコラム付き丸形鋼管柱7は、曲げ精度が低いコラム付き半成形丸形鋼管6を熱間成形することで、例え厚肉、大径であったとしても、多大な労力と時間を要する手作業による精整作業を行うことなく、その形状精度は良いものになり、しかも溶接部2,4,5の品質を改善し得る。さらに熱間成形によって、残留応力が殆どなくて高い座屈強度が得られるとともに、二次溶接性に優れ、かつ十分な靱性を有するものとなる。
【0041】
そして図11の実線に示すように、コラム付き丸形鋼管柱7は立設され、図11の仮想線に示すように、コラムの他端(上端)に上部丸形鋼管柱8の端が当接されて溶接されることで、建築用の中央箇所使用の柱材とされる。なおコラムの部分には梁材9が連結される。
【0042】
次に、本発明の第2の実施の形態を、真芯台形筒状のコラムを有する中央箇所使用形式のコラム付き丸形鋼管柱を対象として、図12〜図21に基づいて説明する。
【0043】
図12に示すように、半成形丸形コラム51は、前記半成形丸形鋼管1の板厚tよりも厚い板厚Тでかつ所定の形状に切断形成された鋼板51Aを、プレスなどにより曲げ成形したのち、溶接により結合することで、一端51aの外径と他端51bの外径が異なる断面台形筒状に形成されている。
【0044】
その際に、最終形状に対して、一端51aは外径Dαが大きく形成され、また他端51bも外径DDαが大きく、すなわちDα<DDαに形成されている。そして一端51aの外径Dαは、前記半成形丸形鋼管1の外径Dαと同等状に形成されている。ここで半成形丸形コラム51としては、突き合わせ溶接部52が1箇所のワンシーム形状が示されているが、これは突き合わせ溶接部が2箇所のツーシーム形状などであってもよい。
【0045】
上記のように形成された半成形丸形鋼管1と半成形丸形コラム51とは、図13に示すように、半成形丸形鋼管1の端と半成形丸形コラム51の一端51aとを相当接させた状態で、溶接53により結合することによってコラム付き半成形丸形鋼管54とされる。次いで図14に示すように、コラム付き半成形丸形鋼管54を加熱炉10に入れて加熱する。
【0046】
このコラム付き半成形丸形鋼管54を加熱炉10から出し、図15に示すように、成形部搬送手段61により搬送する。この成形部搬送手段61は、成形手段21の上手に配設される搬送用台車62と、成形手段21の下手に配設される搬送コンベヤ装置(ローラコンベヤ装置)63と、これらにより形成される搬送経路64中の複数箇所に配設された挟持式の搬送力付与装置65などからなる。
【0047】
ここで搬送力付与装置65は、上下一対で鼓形の搬送ロール66,66を有し、これら搬送ロール66は駆動装置(図示せず。)によって、それぞれ駆動回転可能に構成されている。その際に、成形手段21の上手に配設される搬送力付与装置65は、両搬送ロール66が互いに離間動することで半成形丸形コラム51の通過を許す構成とされ、また成形手段21の下手に配設される搬送力付与装置65は、熱間成形後のコラム付き丸形鋼管柱を上方や横側方へ取り出し可能に構成されている。
【0048】
なお成形手段21は、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の構成であって、異なるところは、成形ロール36の遊転が行われる軸心が、図18に示すように、最終形状のテーパ面(傾斜外面)に沿うように逆方向に傾斜している点である。
【0049】
前述したように、加熱炉10において加熱されたコラム付き半成形丸形鋼管54は、図15の実線に示すように、半成形丸形鋼管1側が先行され、半成形丸形コラム51側が搬送用台車62に支持されて後行される状態で、搬送経路64上で長さ方向に搬送され、そして成形手段21に搬入される。
【0050】
これにより半成形丸形鋼管1の部分は、図16に示すように、所定位置とされた成形ロール24,27群によって、上下ならびに左右から加圧されながら熱間成形される。この熱間成形によって半成形丸形鋼管1の部分は、最終形状に対応した所定の外径Dに形成される。
【0051】
そして形状検出装置43が、半成形丸形鋼管1と半成形丸形コラム51との境界部、たとえば溶接53の部分を検出することで、制御部41を介して、回転駆動部により本体32を回転させるとともに、シリンダー装置37を伸展制御して移動体34を接近動させる。これにより、半成形丸形コラム51の一端51a側に成形ロール36群を加圧当接させた状態で、成形ロール36群を本体32とともに回転させることになり、以て成形ロール36の遊転を伴いながら、図17、図18に示すように、一端3a側に対して熱間絞り成形を行う。
【0052】
そして、コラム付き半成形丸形鋼管6の搬送に伴ってシリンダー装置37を収縮動させ、移動体34を離間動させるように制御することで、すなわち成形ロール36群の位置を離間移動制御することで、図19、図20に示すように他端3b側までの熱間絞り成形を行う。その際に成形ロール36の離間動の制御は、半成形丸形コラム51の部分におけるテーパ面(傾斜外面)を形状検出装置43により随時検出することで、あるいは溶接53の部分の検出をスタートとして、あらかじめ設定されたパターンに基づいて行われる。さらに成形ロール36群の離間動は、半成形丸形コラム51に対する加圧成形状態を維持しながら行われる。
【0053】
このような成形ロール36の離間動によって半成形丸形コラム51の部分は、上下ならびに左右から加圧されながら熱間成形される。この熱間成形によって半成形丸形コラム51の部分は、一端51aが最終形状に対応した所定の外径Dに形成され、そして他端51bが最終形状に対応した所定の大きな外径DDに形成され、また一端51aから他端51bの間では、最終形状に対応した所定の外形寸法D〜DD内に形成される。
【0054】
上述したような熱間成形を行うことで、図15の仮想線に示すように、成形手段21から搬出され、その後に搬送経路13から別の箇所に取り出したのち放冷(冷却)することで、図21の実線に示すように、真芯台形筒状のコラムを有する中央箇所使用形式のコラム付き丸形鋼管柱(最終製品)57を得ることができる。
【0055】
このようにして製造したコラム付き丸形鋼管柱57は、曲げ精度が低いコラム付き半成形丸形鋼管54を熱間成形することで、例え厚肉、大径であったとしても、多大な労力と時間を要する手作業による精整作業を行うことなく、その形状精度は良いものになり、しかも溶接部2,52,53の品質を改善し得る。さらに熱間成形によって、残留応力が殆どなくて高い座屈強度が得られるとともに、二次溶接性に優れ、かつ十分な靱性を有するものとなる。
【0056】
そして図21の実線に示すように、コラム付き丸形鋼管柱57は立設され、図21の仮想線に示すように、コラムの他端(下端)に下部丸形鋼管柱58の端が当接されて溶接されることで、建築用の中央箇所使用の柱材とされる。なおコラムの部分には梁材59が連結される。
【0057】
上記した実施の形態のように、成形手段21におけるロール支持体25,28が、シリンダー装置26,29のピストンロッドに着脱自在に連結される構成と、各別に移動可能な構成とによって、その円弧状の成形面の円弧半径が異なる成形ロール群を、上下方向や左右方向で取り換えて配置し得、以て最終形状の直径が異なる種々な半成形丸形鋼管1に対処し得る。
【0058】
上記した実施の形態では、真芯台形筒状のコラムを有する中央箇所使用形式のコラム付き丸形鋼管柱7,57を得ているが、これは偏芯台形筒状の半成形丸形コラムを使用し、そして成形ロール36群の移動を制御などすることで、同様にして、偏芯台形筒状のコラムを有する隅箇所使用形式のコラム付き丸形鋼管柱などを得ることができる。
【0059】
上記した実施の形態では、鋼管成形装置23によって半成形丸形鋼管1の部分の熱間成形を行い、そしてコラム成形装置33によって半成形丸形コラム3,51の熱間成形を行っているが、これは制御部41において適宜に制御することで、鋼管成形装置23によって、半成形丸形鋼管1の部分の熱間成形に連続して半成形丸形コラム3,51の上手部分(前端部分)の熱間成形を行い、引き続いてコラム成形装置33によって半成形丸形コラム3,51の残りの部分の熱間成形を行ってもよい。
【0060】
上記した実施の形態では、鋼管成形装置23によって半成形丸形鋼管1の部分の熱間成形を行い、そしてコラム成形装置33によって半成形丸形コラム3,51の熱間成形を行っているが、これは半成形丸形鋼管1から半成形丸形コラム3,51に亘っての全長を、同じ成形装置により熱間成形を行う成形手段などであってもよい。
【0061】
上記した実施の形態では、成形手段21としてロール成形形式が採用されているが、これはプレス成形形式などであってもよい。
上記した実施の形態において、シリンダー装置26,29,37としては油圧形式や空圧形式などが採用される。またシリンダー装置の形式に代えて、螺子形式なども採用できる。
【0062】
上記した実施の形態では、半成形丸形コラム3,51を、半成形丸形鋼管1の板厚tよりも厚い板厚Тとしているが、これは半成形丸形鋼管1の板厚tと同じものであってもよい。
【0063】
上記した実施の形態では、コラム付き半成形丸形鋼管6,54を加熱したのち、半成形丸形鋼管1側から成形手段21に通して熱間成形を行っているが、これは半成形丸形コラム3,51側から成形手段21に通して熱間成形を行ってもよい。
【0064】
上記した実施の形態では、成形手段21におけるコラム成形装置31として、回転自在な本体32を介して成形ロール36群を半成形丸形コラム3,51の周りで回転させる形式が示されているが、これは本体32を固定として、コラム付き半成形丸形鋼管6,54、すなわち半成形丸形コラム3,51を自転させる形式などであってもよい。
【0065】
【発明の効果】
上記した本発明の請求項1によると、コラム付き丸形鋼管柱は、曲げ精度が低いコラム付き半成形丸形鋼管を熱間成形することで、例え厚肉、大径であったとしても、多大な労力と時間を要する手作業による精整作業を行うことなく、その形状精度を良いものにでき、しかも溶接部の品質を改善できる。さらにコラム付き丸形鋼管柱は、熱間成形によって、残留応力が殆どなくて高い座屈強度を得ることができるとともに、二次溶接性に優れ、かつ十分な靱性を有するものにできる。これにより、たとえば建築用の柱材に使用される大径で厚肉のコラム付き丸形鋼管柱を好適に提供できる。
【0066】
また上記した本発明の請求項2によると、コラム部分を上位として使用するコラム付き丸形鋼管柱を好適に提供できる。
そして上記した本発明の請求項3によると、コラム部分を下位として使用するコラム付き丸形鋼管柱を好適に提供できる。
【0067】
さらに上記した本発明の請求項4によると、外径が大きなコラム付き半成形丸形鋼管を加熱したのち、成形手段によって熱間成形することで、所定の外径のコラム付き丸形鋼管柱を製造できる。これにより、請求項1記載のコラム付き丸形鋼管柱を、手作業による精整作業を殆ど行うことなく、容易に確実に製造できる。
【0068】
しかも上記した本発明の請求項5によると、成形ロールの位置を移動制御することで、コラム付き半成形丸形鋼管に対する熱間成形を容易に確実に実現できる。
【0069】
また上記した本発明の請求項6によると、コラム部分を下位として使用するコラム付き丸形鋼管柱を、手作業による精整作業を殆ど行うことなく、容易に確実に製造できる。
【0070】
そして上記した本発明の請求項7によると、コラム部分を下位として使用するコラム付き丸形鋼管柱を、手作業による精整作業を殆ど行うことなく、容易に確実に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、コラム付き丸形鋼管柱の製造方法に使用される半成形丸形鋼管で、(a)は一部切り欠き側面図、(b)は正面図である。
【図2】同コラム付き丸形鋼管柱の製造方法に使用される半成形丸形コラムで、(a)は一部切り欠き側面図、(b)は正面図である。
【図3】同コラム付き丸形鋼管柱の製造方法におけるコラム付き半成形丸形鋼管の一部切り欠き側面図である。
【図4】同コラム付き丸形鋼管柱の製造方法における加熱の説明図である。
【図5】同コラム付き丸形鋼管柱の製造方法における成形ラインの概略側面図である。
【図6】同コラム付き丸形鋼管柱の製造方法において、成形手段による丸形鋼管部の成形時の正面図である。
【図7】同コラム付き丸形鋼管柱の製造方法において、成形手段によるコラム部の一端成形時の正面図である。
【図8】同コラム付き丸形鋼管柱の製造方法において、成形手段によるコラム部の一端成形時の一部切り欠き側面図である。
【図9】同コラム付き丸形鋼管柱の製造方法において、成形手段によるコラム部の他端成形時の正面図である。
【図10】同コラム付き丸形鋼管柱の製造方法において、成形手段によるコラム部の他端成形時の一部切り欠き側面図である。
【図11】同コラム付き丸形鋼管柱の側面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態を示し、コラム付き丸形鋼管柱の製造方法に使用される半成形丸形コラムで、(a)は一部切り欠き側面図、(b)は正面図である。
【図13】同コラム付き丸形鋼管柱の製造方法におけるコラム付き半成形丸形鋼管の一部切り欠き側面図である。
【図14】同コラム付き丸形鋼管柱の製造方法における加熱の説明図である。
【図15】同コラム付き丸形鋼管柱の製造方法における成形ラインの概略側面図である。
【図16】同コラム付き丸形鋼管柱の製造方法において、成形手段による丸形鋼管部の成形時の正面図である。
【図17】同コラム付き丸形鋼管柱の製造方法において、成形手段によるコラム部の一端成形時の正面図である。
【図18】同コラム付き丸形鋼管柱の製造方法において、成形手段によるコラム部の一端成形時の一部切り欠き側面図である。
【図19】同コラム付き丸形鋼管柱の製造方法において、成形手段によるコラム部の他端成形時の正面図である。
【図20】同コラム付き丸形鋼管柱の製造方法において、成形手段によるコラム部の他端成形時の一部切り欠き側面図である。
【図21】同コラム付き丸形鋼管柱の側面図である。
【符号の説明】
1 半成形丸形鋼管
3 半成形丸形コラム
3a 一端
3b 他端
5 溶接
6 コラム付き半成形丸形鋼管
7 コラム付き丸形鋼管柱(最終製品)
8 上部丸形鋼管柱
9 梁材
10 加熱炉(加熱手段)
11 成形部搬送手段
13 搬送経路
14 搬送力付与装置
21 成形手段
23 鋼管成形装置
24 成形ロール
24a 成形面
26 シリンダー装置
27 成形ロール
27a 成形面
29 シリンダー装置
31 コラム成形装置
32 本体
34 移動体
36 成形ロール
37 シリンダー装置(加圧装置)
41 制御部
42 形状検出装置
43 形状検出装置
51 半成形丸形コラム
51a 一端
51b 他端
53 溶接
54 コラム付き半成形丸形鋼管
57 コラム付き丸形鋼管柱(最終製品)
58 下部丸形鋼管柱
59 梁材
61 成形部搬送手段
62 搬送用台車
64 搬送経路
65 搬送力付与装置
Dα 大きな外径
DDα 大きな外径
D 所定の外径
DD 所定の外径
dα 大きな外径
d 所定の外径
R 最終半径

Claims (7)

  1. 所定の外径よりも大きい外径の半成形丸形鋼管の端と、所定の外径よりも大きい外径で台形筒状の半成形丸形コラムのいずれかの端とを、溶接により結合してコラム付き半成形丸形鋼管とし、このコラム付き半成形丸形鋼管を加熱したのち成形手段により熱間成形して、所定の外径に形成して得たことを特徴とするコラム付き丸形鋼管柱。
  2. 半成形丸形鋼管の端と、半成形丸形コラムの外径が大きい一端とを、溶接により結合してコラム付き半成形丸形鋼管としたことを特徴とする請求項1記載のコラム付き丸形鋼管柱。
  3. 半成形丸形鋼管の端と、半成形丸形コラムの外径が小さい他端とを、溶接により結合してコラム付き半成形丸形鋼管としたことを特徴とする請求項1記載のコラム付き丸形鋼管柱。
  4. 所定の外径よりも大きい外径の半成形丸形鋼管と、所定の外径よりも大きい外径で台形筒状の半成形丸形コラムとを用意し、前記半成形丸形鋼管の端と半成形丸形コラムのいずれかの端とを、溶接により結合してコラム付き半成形丸形鋼管とし、このコラム付き半成形丸形鋼管を加熱したのち、成形手段による熱間成形によって、所定の外径のコラム付き角形鋼管柱としたことを特徴とするコラム付き丸形鋼管柱の製造方法。
  5. 成形手段はロール成形形式であって、成形ロールの位置を移動制御しながら熱間成形を行うことを特徴とする請求項4記載のコラム付き丸形鋼管柱の製造方法。
  6. 半成形丸形鋼管の端と、半成形丸形コラムの外径が大きい一端とを、溶接により結合してコラム付き半成形丸形鋼管とし、このコラム付き半成形丸形鋼管を加熱したのち、半成形丸形鋼管側から成形手段に通して熱間成形することを特徴とする請求項4または5記載のコラム付き丸形鋼管柱の製造方法。
  7. 半成形丸形鋼管の端と、半成形丸形コラムの外径が小さい他端とを、溶接により結合してコラム付き半成形丸形鋼管とし、このコラム付き半成形丸形鋼管を加熱したのち、半成形丸形鋼管側から成形手段に通して熱間成形することを特徴とする請求項4または5記載のコラム付き丸形鋼管柱の製造方法。
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