JP2004231710A - 寝具用粘弾性ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

寝具用粘弾性ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】衝撃吸収体、振動吸収体として、またシートクッションや寝具に用いた時に体圧分布がより均一になり、疲労感や床ずれが軽減される、寝具用粘弾性ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
【解決手段】ポリイソシアネート(A)及びポリオール(B)を、触媒(C)、発泡剤(D)、整泡剤(E)の存在下で発泡硬化させて得られ、復元時間が1〜30秒、25℃での25%圧縮強度が1〜160N/314cmであるである寝具用粘弾性ポリウレタンフォームの製造方法であって、ポリイソシアネート(A)が、ポリメリックMDIからなるポリイソシアネート(イ)と、1個の活性水素基を有する化合物(ロ−1)を少なくとも含む変性剤(ロ)とを反応させて得られたイソシアネート基含有プレポリマー(A1)を含有し、発泡剤(C)が水であることを特徴とする、前記製造方法により解決する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた低反発性を有し、衝撃吸収体、振動吸収体として、枕やマットレスに用いた時に体圧分布がより均一になり疲労感や床ずれが軽減される、特定のポリイソシアネートを用いた寝具用粘弾性ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリウレタンフォームは、軽量性、弾力性、吸音性、断熱性等の性能に優れていることから、自動車のクッション材、家具、寝具、カーペット等、様々な分野で使用されている。
【0003】
しかし、粘弾性の低いフォームを使用したベッドは、長期の入院者や身動きのできない患者が用いた場合、加えられた荷重に柔軟に追従することができないため、体圧の分散が悪く、人体に対して局部的な負荷がかかる。このため、粘弾性の良好なポリウレタンフォームが求められている。
【0004】
そこで、粘弾性ポリウレタンフォームの検討がなされ、例えば、特許文献1には、特定のポリオールを用いた粘弾性フォームが開示されている。また、特許文献2には、特定のポリオールを用いることで、特定の動的粘弾性を有するポリウレタンフォームが開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−117417号公報
【特許文献2】
特開平11−286566号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特定のポリイソシアネートを用いることにより、遅復元性を有し、衝撃吸収体、振動吸収体として優れた、寝具用粘弾性ポリウレタンフォームの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、以下の(1)〜(6)に示されるものである。
(1) ポリイソシアネート(A)及びポリオール(B)を、触媒(C)、発泡剤(D)、整泡剤(E)の存在下で発泡硬化させて得られ、復元時間が1〜30秒、25℃での25%圧縮強度が1〜160N/314cmであるである寝具用粘弾性ポリウレタンフォームの製造方法であって、ポリイソシアネート(A)が、ジフェニルメタンジイソシアネート(イ−1)及びポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(イ−2)の混合物からなるポリイソシアネート(イ)と、1個の活性水素基を有する化合物(ロ−1)を少なくとも含む変性剤(ロ)とを反応させて得られたイソシアネート基含有プレポリマー(A1)を含有し、発泡剤(C)が水であることを特徴とする、前記製造方法。
【0008】
(2)変性剤(ロ)の平均官能基数が1.8以下であることを特徴とする、前記(1)の製造方法。
【0009】
(3)1個の活性水素基を有する化合物(ロ−1)が、数平均分子量3,000以下のアルコキシポリ(オキシアルキレン)モノオールであることを特徴とする、前記(1)、(2)の製造方法。
【0010】
(4)ポリオール(B)が、公称官能基数2以上、数平均分子量1,000〜10,000、オキシプロピレン基含有量40質量%以上のポリ(オキシアルキレン)ポリオール(B1)を含有することを特徴とする、前記(1)〜(3)の製造方法。
【0011】
(5)触媒(C)が、活性水素基を有する三級アミン(c1)を含有することを特徴とする、前記(1)〜(4)の製造方法。
【0012】
(6)ポリイソシアネート(A)及びポリオール(B)を、発泡硬化させる際のイソシアネートインデックスが50〜150であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
最初に本発明に用いられる原料について説明する。
本発明に用いられるポリイソシアネート(A)は、ジフェニルメタンジイソシアネート(以後MDIと略称する)(イ−1)及びポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(イ−2)の混合物からなるポリイソシアネート(以後ポリメリックMDIと略称する)(イ)と、1個の活性水素基を有する化合物(ロ−1)を少なくとも含む変性剤(ロ)とを反応させて得られたイソシアネート基含有プレポリマー(A1)を含有することを特徴とするものである。
【0014】
ポリメリックMDI(イ)を構成するMDI(イ−1)は、イソシアネート基及びベンゼン環を各2個有するものであり、二核体と称されるものである。またポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(イ−2)は、イソシアネート基及びベンゼン環を各3個以上有するものであり、多核体と称されるものである。なお、(イ−1)は単品又は(イ−2)との混合物の形で供給され、(イ−2)は(イ−1)との混合物の形で供給される。
【0015】
(イ−1)と(イ−2)の質量比は(イ−1)/(イ−2)=45/55〜95/5が好ましく、(イ−1)/(イ−2)=50/50〜90/10が特に好ましい。(イ−1)が少なすぎる場合は、得られるフォームは柔軟性が失われ、機械的強度が低下しやすい。(イ−1)が多すぎる場合は、ポリイソシアネート(A)の低温貯蔵安定性が低下し、作業性が悪化しやすい。
【0016】
(イ−1)には、2、2′−MDI、2,4′−MDI、4、4′−MDIの3種類の異性体が存在する。(イ−1)の異性体構成比は、2、2′−MDIと2,4′−MDIの合計の含有量が10〜50質量%が好ましく、更には15〜45質量%が好ましい。2、2′−MDIと2,4′−MDIの合計の含有量が下限未満の場合は、ポリイソシアネート(A)の低温貯蔵安定性が低下しやすい。上限を越える場合は、得られる軟質ポリウレタンフォームの硬度が低下しやすい。
【0017】
なお、必要に応じて上記の(イ)以外のポリイソシアネートを併用してもよい。例えば、トリレンジイソシアネート(以後TDIと略称する)、キシレンジイソシアネート、ニトロジフェニルジイソシアネート、ジフェニルプロパンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジメトキシジフェニルジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチルペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加TDI、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加MDI、テトラメチルキシレンジイソシアネート、これらのポリメリック体、これらのウレタン変性体、ウレア変性体、アロファネート変性体、ビウレット変性体、カルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体、更にこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0018】
変性剤(ロ)は、1個の活性水素基を有する化合物(ロ−1)を含有することが必須である。具体的な(ロ−1)としては、メタノール、エタノール、プロパノール及びその異性体、ブタノール及びその異性体、ペンタノール及びその異性体、ヘキサノール及びその異性体、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の飽和脂肪族モノオール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール等の不飽和脂肪族モノオール、シクロヘキサノール、シクロヘキサンメタノール等の脂環族モノオール、ベンジルアルコール等の芳香族モノオール等の非重合系モノオール、前記モノオールやフェノール系化合物を開始剤として、ε−カプロラクトン等の環状エステルや、エチレンオキサイド(以後EOと略称する)やプロピレンオキサイド(以後POと略称する)、テトラヒドロフラン等の環状エーテルを開環付加させて得られる重合系モノオール等のモノオール類、また、本来はポリオール化合物であるが、エーテル化やエステル化等により官能基数を低下させて得られるモノオール、プロピルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等のジアルキルアミン等のモノアミン類等が挙げられる。本発明で好ましい(ロ−1)は、ポリオール(B)との相溶性やポリイソシアネート(A)の流動性を考慮すると、炭素数1〜5の飽和脂肪族モノオールを開始剤として、EO及び/又はPOを開環付加させて得られる、数平均分子量400〜3,000のポリエーテルモノオールが好ましい。
【0019】
イソシアネート基含有プレポリマー(A1)を得る際のウレタン化反応温度は20〜120℃が好ましく、特に40〜100℃が好ましい。また、ウレタン化反応時には、必要に応じジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート等の有機金属化合物や、トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩等の公知のウレタン化触媒を用いることができる。
【0020】
(A1)のイソシアネート含量(以後NCO含量と略称する)は、14〜32質量%が好ましく、更に好ましくは15〜30質量%である。また25℃における粘度は1,000mPa・s以下が好ましく、好ましくは800mPa・s以下である。
【0021】
本発明に用いられるポリオール(B)は特に制限はないが、後述するポリ(オキシアルキレン)ポリオール(以後PPG系ポリオールと略称する)(B1)を含有することが好ましい。(B1)は常温液状であるため、粘弾性ポリウレタンフォームの製造時における作業性が良好であり、また、更に得られるフォームは適度な硬度や反発弾性率を有するためである。
【0022】
(B1)は公知の方法で得られるものであり、活性水素を2個以上含有する化合物を開始剤として、POを有するアルキレンオキサイドをランダムに付加させたポリエーテルポリオールである。(B1)の開始剤の官能基数は、2以上であることが好ましく、2〜6が更に好ましい。開始剤の官能基数が下限未満の場合、得られる軟質ポリウレタンフォームは架橋密度低下のために強度や硬度が低下しやすい。上限を超える場合は、フォームの柔軟さが失われやすい。
【0023】
(B1)を得るのに用いられる開始剤としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−n−ヘキサデカン−1,2−エチレングリコール、2−n−エイコサン−1,2−エチレングリコール、2−n−オクタコサン−1,2−エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、あるいはビスフェノールAのEO又はPO付加物、水素添加ビスフェノールA、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオネート、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類、アニリン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類等が挙げられる。本発明では、低分子ポリオール類が好ましい。
【0024】
(B1)中のオキシプロピレン基の含有量は40質量%以上であり、45質量%以上であることが好ましい。オキシプロピレン基含有量が下限未満の場合、得られるフォームの表面にべと付き感が出やすい。
【0025】
(B1)の数平均分子量は1,000〜10,000であることが好ましく、1,200〜9,500が更に好ましい。最も好ましくは、1,500〜9,000の範囲である。数平均分子量が下限未満の場合、得られるフォームの柔軟性が失われ、物性の悪化や弾性性能の低下が発生しやすい。数平均分子量が上限を超える場合は、フォームの硬度が低下しやすい。
【0026】
なお、更に(B1)は、末端にEOを付加させて1級水酸基の量を増やしたものが反応性が向上するので好ましい。付加させるEOの量(以下EOチップ量と略す)は10〜30質量%であり、好ましくは11〜28質量%、更に好ましくは12〜26質量%である。EOチップ量が下限未満の場合は、分子末端の1級水酸基の減少によって活性が低下し、フォームを成形する際にセルの安定性が失われ、成形性が低下しやすい。EOチップ量が上限を超える場合は、水との親和性が向上してコロイドを形成しやすくなるため、ポリオールプレミックスの粘度が上昇する原因となる。
【0027】
また、本発明では必要に応じて(B1)以外のポリオールや架橋剤を用いることができる。(B1)以外のポリオールとしては、EO含有量の多いポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。架橋剤としては、前述の(B1)を得るのに用いられる低分子ポリオールやトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン等の低分子ポリアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン等のアミノアルコール等が挙げられる。
【0028】
触媒(C)としては当該分野において公知である各種ウレタン化触媒が使用できる。例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ジメチルベンジルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N′,N′, N″−ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ブチル−2−メチルイミダゾール等の三級アミン、ジメチルエタノールアミン、N−トリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N,N−ジメチル−N−ヘキサノールアミン等の反応性アミン、又は、これらの有機酸塩、スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、ナフテン酸亜鉛等の有機金属化合物等が挙げられる。また、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン等の活性水素基を有するアミン触媒(c1)も好ましい。触媒(C)の好ましい添加量は、ポリオール(B)に対して、0.01〜10質量%である。
【0029】
発泡剤(D)としては水を用いる。水は、イソシアネート基との反応で炭酸ガスを発生し、これにより発泡することになる。また、付加的に少量のシクロペンタンやノルマルペンタン、イソペンタン、HFC−245fa等の低沸点有機化合物を併用することや、ガスローディング装置を用いて原液中に空気、窒素ガス、液化二酸化炭素等を混入溶解させて成形することもできる。発泡剤(D)の好ましい添加量は得られる製品の設定密度によるが、通常、ポリオール(B)に対して、0.5〜15質量%である。
【0030】
整泡剤(E)としては当該分野において公知である有機珪素系界面活性剤が使用可能であり、例えば、日本ユニカー製のL−520、L−540、L−5309、L−5366、SZ−1306、東レ・ダウコーニング製のSRX−274C、SF−2962、SF−2964、エアープロダクツ製のDC−5169、DC−193、信越化学工業製のF−220、F−341等が挙げられる。整泡剤(E)の好ましい添加量は、ポリオール(B)に対して、0.1〜10質量%である。
【0031】
更に必要に応じて、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、各種充填剤、内部離型剤、その他の加工助剤を加えて用いることができる。なお、これらの助剤の中でイソシアネートと反応しうる活性水素を有さないものについては、ポリイソシアネートにあらかじめ混合して使用することもできる。
【0032】
本発明の寝具用粘弾性ポリウレタンフォームの製造方法は、ポリイソシアネート(A)以外の、ポリオール(B)、触媒(C)、発泡剤(D)、整泡剤(E)、必要に応じ用いられる助剤をあらかじめ混合してポリオールプレミックスを準備し、これとポリイソシアネート(A)の2成分を混合発泡させるという方法である。このときのイソシアネートインデックス(イソシアネート基/活性水素基×100)は50〜150が好ましく、特に好ましくは85〜115の範囲である。インデックスが低すぎる場合は、フォーム表面にべと付き感が生じやすい。また、インデックスが高すぎる場合は、発泡しない場合がある。
【0033】
本発明の寝具用粘弾性ポリウレタンフォームは、一般的にはスラブ法により製造される。スラブ法では、公知のメカニカル攪拌装置を備えた低圧注入機や、高圧衝突混合方式を利用した高圧注入機を使用することができる。混合された原料液はその後、走行コンベアに吐出されて、粘弾性ポリウレタンフォームが製造されることになる。スラブフォーム製品はそのままでも使用できるが、従来公知の方法で圧縮又は減圧下でセルを破壊し、製品の外観、寸法を安定化させることもできる。
【0034】
このようにして得られた寝具用粘弾性ポリウレタンフォームの復元時間は、1〜30秒であり、好ましくは4〜25秒である。復元時間が1秒未満の場合は、フォームが粘弾性を有するとは言えない。30秒経っても復元しないものは、元の形に復元しない場合が多い。なお、復元時間は以下に示す手順で測定される。
1.測定環境:温度23±2℃、相対湿度50±5%
2.サンプルサイズ:縦100mm×横100mm×厚40mmのフォームの中心を、直径30mmの加圧子で20mm押し込む。
3.この状態で10秒間保持する。
4.加圧子を取り除いた瞬間から、元の形に復元する(凹みがなくなる)までの時間を測定する。
【0035】
また、密度は20〜100kg/mが好ましく、特に好ましくは25〜80kg/mである。ヒステリシスロスは40%以上が好ましく、特に好ましくは45%以上である。ヒステリシスロスが下限未満の場合は、例えばマットレスに使用した場合、特定部位に荷重が集中し、使用者の体への負担が大きくなりやすい。
【0036】
また、本発明の寝具用粘弾性ポリウレタンフォームの、25℃での25%圧縮硬度は1〜160N/314cmであり、好ましくは3〜100N/314cmが更に好ましい。ボールリバウンドによる反発弾性率は、フォーム厚40mmで30%以下が好ましく、27%以下が更に好ましい。なおこれらの物性は、JIS K−6400(1997)に準じて測定される。
【0037】
【発明の効果】
本発明によって、低反発性を有し、衝撃吸収体、振動吸収体として、フィット感があり、体圧分散性が良好で、底付き感がない快適な座り心地が得られる枕、マットレス等の寝具用ポリウレタンフォームを提供することが可能となった。
【0038】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中において、特に断りのない限り、比率は質量比であり、「%」は「質量%」である。また4,4′−MDI以外のMDI異性体をアイソマーと略称する。
【0039】
〔ポリイソシアネートの製造〕
製造例1
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた容量:1mの反応器を窒素置換した後、MDI(1)を55kg、P−MDI(1)を15kg仕込み、攪拌しながら50℃に加温した。ついで、モノオール(1)を30kg仕込み攪拌しながら80℃にて4時間反応させて、イソシアネート基含有プレポリマーNCO−1を得た。NCO−1のイソシアネート含量は21.3%、25℃の粘度は120mPa・sであった。
【0040】
製造例2〜9
表1に示す原料及び配合比で、製造例1と同様にして、イソシアネート基含有プレポリマーNCO−2〜9を得た。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 2004231710
【0042】
製造例1〜9、表1において
Figure 2004231710
Figure 2004231710
【0043】
〔ポリオールプレミックスの調製〕
調製例1〜9
表2に示す割合で、ポリオールプレミックスOH−1〜9を調製した。
【0044】
【表2】
Figure 2004231710
【0045】
表2において
Figure 2004231710
Figure 2004231710
【0046】
〔ポリウレタンフォームの製造、評価〕
実施例1〜7、比較例1〜2
表3に示す配合で、ポリウレタンスラブフォームを製造した。得られたポリウレタンフォームは、製造後一昼夜放置した後、所定の形状に切り出して各物性を測定した。結果を表3に示す。なお、発泡条件は以下の通り。
〔発泡条件〕
原料温度:25±2℃
攪拌速度:3,000rpm
攪拌時間:10秒
【0047】
【表3】
Figure 2004231710
【0048】
応力緩和率、寝心地性以外の物性は、JIS K−6400(1997)に準じて測定した。なお、応力緩和率の測定方法は以下の通りである。
1)当初の厚みの75%押し込んだ後、直ちに荷重を除く。
2)1分間放置する。
3)当初の厚みの25%押し込み、このときの応力(緩和前応力)を測定する。
4)この状態で20秒間放置した後の応力(緩和後応力)を測定する。
5)以下の測定式で応力緩和率を算出する。
応力緩和率(%)=(緩和前応力−緩和後応力)/緩和前応力×100
なお、測定条件は以下の通り。
フォーム厚 : 50mm
クロスヘッドスピード:100mm/分
なお、寝心地性は、80cm×200cm×10cmのフォームに試験者が実際に寝て、その感触を評価した。
【0049】
表3より、実施例のフォームは、復元時間が適度にあるものであり、また反発性が低く、応力緩和率が大きく、ヒステリシスロスも大きいものであり、粘弾性フォームとしての特性を備えているものであった。一方、比較例のフォームは復元時間が測定できないくらい短かく、反発弾性が大きいため、粘弾性フォームと言えるものではなかった。

Claims (6)

  1. ポリイソシアネート(A)及びポリオール(B)を、触媒(C)、発泡剤(D)、整泡剤(E)の存在下で発泡硬化させて得られ、復元時間が1〜30秒、25℃での25%圧縮強度が1〜160N/314cmであるである寝具用粘弾性ポリウレタンフォームの製造方法であって、ポリイソシアネート(A)が、ジフェニルメタンジイソシアネート(イ−1)及びポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(イ−2)の混合物からなるポリイソシアネート(イ)と、1個の活性水素基を有する化合物(ロ−1)を少なくとも含む変性剤(ロ)とを反応させて得られたイソシアネート基含有プレポリマー(A1)を含有し、発泡剤(C)が水であることを特徴とする、前記製造方法。
  2. 変性剤(ロ)の平均官能基数が1.8以下であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 1個の活性水素基を有する化合物(ロ−1)が、数平均分子量3,000以下のアルコキシポリ(オキシアルキレン)モノオールであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. ポリオール(B)が、公称官能基数2以上、数平均分子量1,000〜10,000、オキシプロピレン基含有量40質量%以上のポリ(オキシアルキレン)ポリオール(B1)を含有することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 触媒(C)が、活性水素基を有する三級アミン(c1)を含有することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の製造方法。
  6. ポリイソシアネート(A)及びポリオール(B)を、発泡硬化させる際のイソシアネートインデックスが50〜150であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
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