JP2004231222A - スライドケース - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上部に開口を有する直方体形状の容器、及び該容器に設けられたレールに沿ってスライド可能な、容器開口部を覆うスライド蓋とから成るスライドケースにおいて、
前記スライドケースの隣り合う2つの側面には、複数個の凸部が設けられており、他の隣り合う2つの側面における容器側面が外側壁と内側壁の二重壁から成ると共に、該スライドケース側面には前記凸部と同一形状の凸部が嵌合可能な複数個の凹部が設けられ、該凹部近傍には外側壁と内側壁を繋ぐ仕切り用のリブが形成されており、前記スライド蓋天面内側に設けられた突起が外側壁と内側壁により形成される空間をスライド蓋のスライドに沿って移動すると共に、該仕切り用リブと当接することによりスライド蓋の開蓋の位置決めをすることを特徴とするスライドケース。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、錠剤型の菓子やサプリメント等のための開閉操作がスライド式の容器に関し、より詳細には、容器同士が連結可能であると共に、蓋の開状態及び閉状態の保持が可能なスライドケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
錠剤型の菓子やサプリメントのための容器としては、蓋の開閉操作が蓋を容器に沿ってスライドさせるスライドケースが採用されている。このスライドケースは蓋を容器から取り外す必要がなく、開閉操作が容易であり、しかも内容物の取り出し口が内容物の大きさに適合可能であることから、内容物を必要量だけ取り出すことが可能であるという利点を有するものである。
【0003】
このようなスライドケースは、100〜500錠入りの大型容器から携帯用或いは旅行用等の小分け容器として何度も使用するものは別として、一般に30〜50錠入りの容器として小売されているものは、同じ商品を何回か購入しても、使用済みの空容器は再利用されることはなく、廃棄されていることが多い。
【0004】
使用済み容器の再利用の方法としては、例えば容器の表面に凹凸を設けて、複数の同一空容器の凹凸を嵌合させてブロックとして使用できるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1)。また使用済み容器の再利用ではないが、やはり複数の同一容器に設けられた凹凸を嵌合させて組み合わせて荷崩れを防止したもの等が提案されている(特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】
実公昭58−42294号公報
【特許文献2】
実開昭61−203344号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したようなスライドケースにおいては、再利用を可能にしたものは本発明者の知る限り提案されていない。
また従来のスライドケースにおいては、蓋天面から突出した微小偏平のV字形凸部が、内容物を1錠ずつ取り出すための仕切り壁を若干の抵抗を受けながら越えることにより、蓋の閉状態を維持するため、繰り返しの開閉操作により、上記V字形の凸部が若干磨耗されてストッパー機能が低下し、閉状態を維持できず、ポケットの中等で内容物が出てしまうようなことがあった。
【0007】
また上述したような蓋天面から突出した凸部が、仕切り壁と係合してストッパー機能を果たすものは、蓋のスライドに伴い、かかる凸部は内容物収納空間内を移動するため、内容物が重なりあったような場合には、内容物に凸部が引かかり、容易にスライドすることができなかったり、或いは内容物を破損してしまうおそれもある。
【0008】
従って本発明の目的は、再利用可能なスライドケースであって、蓋の閉状態での維持が容易であると共に、開閉操作に繰り返し付されてもストッパー機能が低下することもなく、しかも開閉操作も容易なスライドケースを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上部に開口を有する直方体形状の容器、及び該容器に設けられたレールに沿ってスライド可能な、容器開口部を覆うスライド蓋とから成るスライドケースにおいて、前記スライドケースの隣り合う2つの側面には、複数個の凸部が設けられており、他の隣り合う2つの側面における容器側面が外側壁と内側壁の二重壁から成ると共に、該スライドケース側面には前記凸部と同一形状の突起が嵌合可能な複数個の凹部が設けられ、該凹部近傍には外側壁と内側壁を繋ぐ仕切り用のリブが形成されており、前記スライド蓋天面内側に設けられた突起が外側壁と内側壁により形成される空間をスライド蓋のスライドに沿って移動すると共に、該仕切り用リブと当接することによりスライド蓋の開蓋の位置決めをすることを特徴とするスライドケースが提供される。
【0010】
本発明のスライドケースによれば、
1.外側壁と内側壁の距離が、スライド蓋の開蓋位置を決める仕切り用リブから閉蓋位置を決める仕切り用リブの間で小さくなるテーパー状になっていること、2.凸部がスライドケース側面中心に並んでいること、
3.凹部が、前記外側壁及びスライド蓋スカート部の両方にまたがるように形成されていること、
が好適である。
【0011】
【発明の実施形態】
本発明のスライドケースを添付図面に沿って説明する。
図1は、本発明のスライドケースの一例の斜視図であり、図2は、図1に示すスライドケースの容器を示すものであり、(A)は平面図、(B)は左半分が側面図で右半分がB−B線側断面図、(C)はC−C線側断面図をそれぞれ示す。また図3は、図1に示すスライドケースの蓋を示すものであり、(A)は平面図、(B)は側断面図を示す。尚、本明細書において、上方とは蓋側を意味し、下方とは容器底面側を意味する。
【0012】
本発明のスライドケース1は、上部に開口を有する直方体形状の容器2、及び該容器に設けられたレールに沿ってスライド可能な、容器開口部を覆うスライド蓋20とから成る。
概略的に言って容器2は、図1及び図2から明らかなように、短辺4と長辺5から成る底面3、短辺4及び長辺5に対応する短側壁6a,6b及び長側壁7a,7bから成っている。容器2の長側壁7a,7bの上方には長辺5に平行なスライドレール用溝8が形成されている。
【0013】
短側壁6及び長側壁7の一方の側(図では6b及び7a)には、短側壁6b及び長側壁7aにそれぞれ平行な内側壁9及び10が形成され、この内側壁8及び9、短側壁6a及び長側壁7bにより内容物収納空間11が規定されている。また内容物収納空間の短側壁6a側には、内容物の取り出し量を規制するための仕切り12が形成されている。
【0014】
短側壁6b及び長側壁7aには、側壁の上下方向の長さほぼ中心位置に所定間隔を置いて複数の凹部13が形成されており、短側壁6b及び長側壁7aの内側には、この凹部13の上下方向の開口辺付近から突出し、内側壁9及び10に至る仕切り用リブ14が形成されている。仕切り用リブ14は短側壁6b、長側壁7a及び内側壁9,10と同じ高さであっても良いが、後述する開蓋状態及び閉蓋状態を規定する仕切り用リブ14a及び14bの間に位置する仕切り用リブ14cの高さは若干低く形成されている。
一方、凹部13が形成されていない短側壁6a及び長側壁7bには、凹部13に対応する位置に、凹部13の形状に嵌合可能な断面形状を有する凸部15が形成されている。
【0015】
一方、スライド蓋20は概略的に言って、図1及び図3から明らかなように、短辺21a及び21b、長辺22a及び22bから成る天面23、天面の短辺21bから垂下する短スカート部24、及び長辺22a及び22bから垂下する長スカート部25a及び25bから成る。長スカート部25a及び25bの内側には、容器に設けられたスライドレール用溝8に係合する突条26が形成されている。これにより蓋20は容器の長辺に沿ってスライド可能になる。
また蓋20の天面23の内面側には、容器の長側壁7a及び内側壁10で規定される空間に係合し、且つ開蓋状態において、該空間内の所定の仕切り用リブ14aと係止する位置に、突起27が形成されている。
【0016】
これにより、蓋20の短スカート部24が容器の短側壁6bに係止することにより閉蓋状態が規制されると共に、蓋の突起27が仕切り用リブ14に係止することによって開蓋状態が規制される。
本発明のスライドケースにおいては、外側壁と内側壁の間の距離がスライド蓋の閉蓋位置に向けて小さくなるテーパー状であることが特に好ましく、開蓋状態において突起27が当接する仕切り用リブ14aから、閉蓋状態において突起27が位置する仕切り用リブ14b付近までの、長側壁7aと内側壁10の間の距離が徐々に小さくなるテーパー状である等、少なくとも閉蓋状態において突起27が位置する仕切り用リブ14b近傍でかかる距離が小さくなるテーパー状であることが好ましい。これにより閉蓋状態で突起27が長側壁7a及び内側壁10の間に強固に保持され、意に反して開蓋状態になることが有効に防止される。
【0017】
図4は、図1に示すスライドケースを2つ連結した状態を示す側断面図である。
前述した通り、本発明のスライドケースは、スライドケースの一方の短側壁6b及び長側壁7aに凹部13を有し、他方の短側壁6a及び長側壁7bに凸部15を有し、凹部13は、凸部15に対応する位置に同一数形成されているため、本発明のスライドケースを同一方向(上下方向及び蓋のスライド方向)に隣り合わせて並べることにより(図4では、長側壁同士を隣接させている)、凸部15は凹部13に、挿入可能となる。しかも凹部13の形状は、凸部15の少なくとも側壁付け根付近の断面形状に合致した形状であるため、凸部15を凹部13に完全に挿入すると凸部15は凹部13に完全に嵌合されて、図4に示すように、2つのスライドケースは連結された状態になる。同様に、短側壁同士、長側壁同士等をいくつか組み合わせることによってブロックと同じような機能を有することが可能となる。
【0018】
また図4から明らかなように、本発明のスライドケースにおいては、凸部15は長側壁或いは短側壁と内側壁で形成される空間16に挿入されるのみで、内容物収納空間11は内側壁10で区画されているため、凹部13を設けることによる内容物収納空間11の密封性が損なわれないことは勿論、挿入された凸部15により、内容物を破損したり、或いは内容物の自由な移動を妨げることもない。同様に、蓋天面内面側に設けられた突起27も長側壁或いは短側壁と内側壁で形成される空間16内を移動するので、かかる突起によって内容物を破損することや、或いは内容物の移動を妨げることもない。
【0019】
図1乃至図4に示す態様では、蓋のスカート部下端28は、凹部13の開口上辺17及び凸部15の上部と同一ライン上に位置していたが、図5に示す態様においては、凹部が形成される長側壁7aに対応する、蓋の長スカート部25aが他方の長スカート部25bよりも長く、その下端が凹部13の開口上辺17よりも下方に位置し、凹部13が、前記長側壁7a及びスカート部25aの両方にまたがるように形成されている。
このように、凹部が容器の長側壁及び蓋のスカート部の両方にまたがるように形成されていることにより、隣り合う2つのスライドケースの凸部及び凹部を嵌合すると、蓋の移動が確実に防止されるため、複数個のスライドケースを用いてブロック等として使う場合に、より使いやすくなる。
【0020】
本発明のスライドケースは、図1乃至5に示した具体例に限定されず、種々の変更が可能である。
例えばスライドケース側面に設けられる凸部及び凹部の個数は、スライドケースの大きさにもよるが、長辺には4〜8個程度、短辺には2〜4個程度設けることができる。
また凸部及び凹部の形状も種々変更することができる。例えば、凸部の形状として図に示した先端が半球状で、断面形状が円のものの他、断面形状が四角形などを採用することもできる。また凹部の形状も、図示したように、凸部の断面形状の直径とほぼ同じ大きさの四角形でもよいし、勿論、凸部の断面形状と同一形状にすることもできる。
更に、開蓋状態を規定する仕切り用リブから、閉蓋状態を規定する仕切り用リブ付近までの、長側壁と内側壁の間の距離を徐々に小さくするテーパー状とするには、内側壁を若干斜めに設けてもよいし、或いは内側壁或いは長側壁の厚みを変化させてもよい。
【0021】
本発明のスライドケースは、アンダーカット部分が少なく、型からの無理抜きが可能で成形が容易であるという利点もあり、射出成形、圧縮成形等従来公知の成形法により容易に成形することができる。用いる樹脂としては、スチロール樹脂、ポリプロピレン樹脂等の成形体の表面硬度を比較的高くできる樹脂を好適に用いることができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明においては、上部に開口を有する直方体形状の容器、及び該容器に設けられたレールに沿ってスライド可能な、容器開口部を覆うスライド蓋とから成るスライドケースにおいて、前記スライドケースの隣り合う2つの側面には、複数個の突起が設けられており、他の隣り合う2つの側面における容器側面が外側壁と内側壁の二重壁から成ると共に、該スライドケース側面には前記突起と同一形状の突起が嵌合可能な複数個の凹部が設けられ、該凹部近傍には外側壁と内側壁を繋ぐ仕切り用のリブが形成されており、前記スライド蓋天面内側に設けられたストッパーが外側壁と内側壁により形成される空間をスライド蓋のスライドに沿って移動すると共に、該仕切り用リブと当接することによりスライド蓋の閉蓋の位置決めを行うことができ、更に閉蓋状態を強固に保持することができ、意図せず開蓋状態になることが有効に防止され、しかも蓋の開閉状態を規制する突起は内容物収容空間内に位置しないので、突起が内容物に当たり、スライド開閉に支障をきたすことや、或いは突起により、内容物の破損を破損したり、内容物の取出しを妨げるようなこともない。
また内容物使用後の複数個の空のスライドケースを用い、スライドケースの側壁に設けられた凸部及び凹部を組み合わせることにより、玩具的に使用することや、スライドケースを連結させた組み立て体を飾り等にすることもでき、スライドケースを複数個収集することにより、販売促進効果を図ることも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスライドケースの一例の斜視図である。
【図2】図1に示すスライドケースの容器を示すものであり、(A)は平面図、(B)は左半分が側面図で右半分がB−B線側断面図、(C)はC−C線側断面図をそれぞれ示す。
【図3】図1に示すスライドケースの蓋を示すものであり、(A)は平面図、(B)は側断面図を示す。
【図4】図1に示すスライドケースを2つ連結した状態を示す側断面図である。
【図5】本発明のスライドケースの他の態様における側面図である。
【符号の説明】
2 容器、
6 短側壁、
7 長側壁、
8 スライドレール用溝、
9,10 内側壁、
11 内容物収納空間、
12 仕切り、
13 凹部、
14 仕切り用リブ、
15 凸部、
20 蓋、
24 短スカート部、
25 長スカート部、
26 突条、
27 突起。
Claims (4)
- 上部に開口を有する直方体形状の容器、及び該容器に設けられたレールに沿ってスライド可能な、容器開口部を覆うスライド蓋とから成るスライドケースにおいて、
前記スライドケースの隣り合う2つの側面には、複数個の凸部が設けられており、他の隣り合う2つの側面における容器側面が外側壁と内側壁の二重壁から成ると共に、該スライドケース側面には前記凸部と同一形状の凸部が嵌合可能な複数個の凹部が設けられ、該凹部近傍には外側壁と内側壁を繋ぐ仕切り用のリブが形成されており、前記スライド蓋天面内側に設けられた突起が外側壁と内側壁により形成される空間をスライド蓋のスライドに沿って移動すると共に、該仕切り用リブと当接することによりスライド蓋の開蓋の位置決めをすることを特徴とするスライドケース。 - 前記外側壁と内側壁の距離が、スライド蓋の閉蓋位置に向けて小さくなるテーパー状になっている請求項1記載のスライドケース。
- 前記凸部がスライドケース側面中心に並んでいる請求項1又は2記載のスライドケース。
- 前記凹部が、前記外側壁及びスライド蓋スカート部の両方にまたがるように形成されている請求項1乃至3の何れかに記載のスライドケース。
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JP2007238176A (ja) * | 2006-02-07 | 2007-09-20 | Michio Hongo | 錠剤容器 |
JP2013133135A (ja) * | 2011-12-27 | 2013-07-08 | Yoshino Kogyosho Co Ltd | 粒状物用容器 |
-
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- 2003-01-29 JP JP2003020734A patent/JP4200018B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2013133135A (ja) * | 2011-12-27 | 2013-07-08 | Yoshino Kogyosho Co Ltd | 粒状物用容器 |
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