JP2004230569A - 機能性マイクロカプセルシートおよびその製造方法 - Google Patents

機能性マイクロカプセルシートおよびその製造方法 Download PDF

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美希 植田
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Abstract

【課題】基材シート上に機能性マイクロカプセルの単層とさらにその上に接着剤層が形成されている機能性マイクロカプセルシートであって、その機能性を正常に発揮せしめる機能性マイクロカプセルシートとその製造方法の提供にある。
【解決手段】上記機能性マイクロカプセルシート1において、マイクロカプセル110の単層の表面が平滑で、かつマイクロカプセル110同士間、そのマイクロカプセル110と電極層11aを含む基材フィルム10間の空隙が除去されている機能性マイクロカプセルシート1で、2本のロール間を通してプレスする機能性マイクロカプセルシートの製造方法としたものである。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機能性を有するマイクロカプセルシートおよびその製造方法に関するものであり、さらに詳細には、単層でなるマイクロカプセル間、該マイクロカプセルと基材シート間および接着剤層間等に発生する空隙(エアボイド)を除去してその機能性を正常に発揮せしめる機能性マイクロカプセルシートとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、機能性を有するマイクロカプセルを紙やフィルム等基材に塗布された機能性マイクロカプセルシートが知られ、例えば複写用のノーカーボン紙、ストレンゲージ用シート、あるいは示温印刷物や香料印刷物などの他、近年開発されたもので、基材フィルム上に、電極層と、色素材料と溶解物質が包含されているマイクロカプセルの画像表示層と、透明電極層が形成されている薄く可撓性を有する情報表示媒体を用いた複数のページディスプレイを有する電子ブックがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特表平11−502950号公報
【0004】
上記可撓性を有する情報表示媒体をさらに詳しく説明すると、例えば図7に示すように、基材フィルム(10)上に電極層(11a)を介して機能性を有するマイクロカプセル(110)が単層として並んでいる画像表示層(14)が形成され、その上に透明電極層(11b)が施されているフィルム(16)を接着剤層(15)で接着されている機能性マイクロカプセルシート(1)がある。このマイクロカプセル(110)の一例として、図5の模式図に示すように、アラビアゴム等をカプセル殻(111)とし、内部には酸化チタンからなる白の粒子(113)とカーボンブラックからなる黒の粒子(114)が、シリコーンオイル等の粘性の高い分散媒(112)に分散され封入されている。この白の粒子(113)である酸化チタンは正電荷を帯びており、一方黒の粒子(114)であるカーボンブラックは負電荷を帯びている。
【0005】
このため、図6の模式図に示すように、透明電極層(12a)と電極層(11a)に電界を印加し、透明電極層(12a)が負極、電極層(11a)が正極になった場合、正に帯電した白の粒子(113)が透明電極層(12a)側に引かれ、黒の粒子(114)は電極層(11a)側に引かれるので、透明電極層(12a)側の上方から観察するとその部分が白く見える。逆に透明電極層(12a)が正極で、電極層(11a)が負極になった場合は、上記と白黒が逆になって見えるものである。
【0006】
しかしながら、機能性を有するマイクロカプセル(110)は、図7に示すように大きさが一定で整然と並んで単層を形成しているものではなく、例えば図8に示すように、マイクロカプセル(110)の大きさが異なり(径が20〜30μm程度)、そのため単層でなるマイクロカプセル(110)同士の間、そのマイクロカプセル(110)と電極層(11a)を含む基材フィルム(10)の間、特にマイクロカプセル(110)と接着剤層(15)との間に空隙(エアボイド(50)という)ができ、このエアボイド(50)の発生が、この機能性マイクロカプセルシート(1)に電界を印加した際に、内部の白の粒子(113)と黒の粒子(114)への応答が不均一となり、その結果視認される画像にムラが発生するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、基材シート上に機能性を有するマイクロカプセルの単層が形成され、さらにその上に接着剤層が形成されている機能性マイクロカプセルシートにおいて、単層でなるマイクロカプセル同士の間、マイクロカプセルと基材シートの間および接着剤層の間に空隙(エアボイド)がなくその機能性を正常に発揮せしめる機能性マイクロカプセルシートとその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、基材シート上に機能性を有するマイクロカプセルの単層が形成されている機能性マイクロカプセルシートにおいて、前記マイクロカプセルの単層の表面が平滑で、かつマイクロカプセル同士間およびそのマイクロカプセルと基材シート間の空隙が除去されていることを特徴とする機能性マイクロカプセルシートとしたものである。
【0009】
上記請求項1の発明によれば、基材シート上に機能性を有するマイクロカプセル単層が形成されている機能性マイクロカプセルシートにおいて、マイクロカプセル単層の表面が平滑で、かつマイクロカプセル同士間およびそのマイクロカプセルと基材シート間に空隙(エアボイド)が除去されているので、この空隙がマイクロカプセルの機能性を阻害する機能性マイクロカプセルシートでは、この機能性を正常に発揮せしめる機能性マイクロカプセルシートを提供することができる。
【0010】
また、請求項2の発明では、上記マイクロカプセル単層の表面に接着剤層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の機能性マイクロカプセルシートとしたものである。
【0011】
上記請求項2の発明によれば、上記マイクロカプセル単層の表面に接着剤層が形成されているので、機能性マイクロカプセルシートが電極フィルムやガラス等他の基材に貼り合わせてディスプレイ等に適用可能とし、さらにマイクロカプセルの表面が平滑なので、この接着剤層との間に空隙(エアボイド)がなく、よってこの空隙がマイクロカプセルの機能性を阻害する機能性マイクロカプセルシートでは、この機能性を正常に発揮せしめる機能性マイクロカプセルシートを提供することができる。
【0012】
また、請求項3の発明では、基材シート上に機能性を有するマイクロカプセルを含むスラリーを塗布してマイクロカプセルの単層を形成する機能性マイクロカプセルシートの製造方法において、前記マイクロカプセル単層の形成後、プレスによりマイクロカプセル単層の表面を平滑にし、かつ前記マイクロカブセル同士間およびそのマイクロカプセルと基材シート間の空隙を除去せしめることを特徴とする機能性マイクロカプセルシートの製造方法としたものである。
【0013】
上記請求項3の発明によれば、基材シート上に機能性を有するマイクロカプセル単層を形成せしめる機能性マイクロカプセルシートの製造方法において、形成されたマイクロカプセル単層をプレスすることによって、そのマイクロカプセル単層の表面を平滑にし、かつこのマイクロカプセル同士間およびマイクロカプセルと基材シート間の空隙を除去せしめるので、これら空隙がマイクロカプセルの機能性を阻害する機能性マイクロカプセルシートでは、この機能性を正常に発揮させることのできる機能性マイクロカプセルシートの製造方法とすることができる。
【0014】
また、請求項4の発明では、上記プレスは、2本もしくは複数本のロール間を通すことを特徴とする請求項3記載の機能性マイクロカプセルシートの製造方法としたものである。
【0015】
上記請求項4の発明によれば、基材シート上に形成されたマイクロカプセル単層のプレスを、2本もしくは複数本のロール間を通す方法とすることによって、プレス圧の制御が容易なものとし、マイクロカプセルを壊すことがなく、連続的に効率よくマイクロカプセル単層を平滑にし、かつマイクロカプセル同士間およびマイクロカプセルと基材シート間の空隙を除去せしめるので、これら空隙がマイクロカプセルの機能性を阻害する機能性マイクロカプセルシートでは、この機能性をよりより正常に発揮させることのできる機能性マイクロカプセルシートの製造方法とすることができる。
【0016】
さらにまた、請求項5の発明では、上記マイクロカプセル単層の表面に接着剤層を形成することを特徴とする請求項3または4記載の機能性マイクロカプセルシートの製造方法としたものである。
【0017】
上記請求項5の発明によれば、上記マイクロカプセル単層の表面に接着剤層を形成することによって、このマイクロカプセルシートが電極フィルムやガラス等他の基材に貼り合わせてディスプレイ等に適用できるとともに、さらにマイクロカプセルの表面が平滑にすることによって、この上に形成する接着剤層にムラがなく、かつこの接着剤層との間に空隙(エアボイド)がなくなり、よってこの空隙がマイクロカプセルの機能性を阻害する機能性マイクロカプセルシートでは、この機能性を正常に発揮せしめる機能性マイクロカプセルシートの製造方法を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0019】
本発明は、機能性を有するマイクロカプセルシートおよびその製造方法に関するものであり、例えば図7に示すように、基材フィルム(10)上に、電極層(11a)を介して単層でなる機能性を有するマイクロカプセル(110)を含む画像表示層(14)が形成され、さらに透明電極層(12a)を有するフィルム(16)が接着剤層(15)を介して施されているもので、画像表示用のディスプレイなどに適用できる機能性マイクロカプセルシート(1)に関するものである。
【0020】
そこで上記請求項1および2に係る発明は、例えば図8に示すような機能性マイクロカプセルシート(1)において、マイクロカプセル(110)同士の間、そのマイクロカプセル(110)と電極層(11a)を含む基材フィルム(10)との間およびマイクロカプセル(110)と接着剤層(15)との間の空隙(以下エアボイド(50)という)が除去されているもので、例えば図1に示すように、大きさの異なるマイクロカプセル(110)が略直方体形状になっていて、その表面が平滑になっているので、その上に形成されている接着剤層(15)との間には、エアボイドがなくなり、かつマイクロカプセル(110)同士の間およびマイクロカプセル(110)と電極層(11a)を含む基材フィルム(10)との間にもエアボイドのない機能性マイクロカプセルシート(1)とするものである。
【0021】
このようにエアボイドのない画像形成層(14)とすることによって、例えば図6に示すように、電界の印加で白黒の画像を形成するような機能性マイクロカプセルの場合、その機能性を正常に発揮することができ、視認される画像にムラ等のない機能性マイクロカプセルシートとすることができる。
さらに接着剤層(15)が形成されているので、例えば透明電極層(12a)を有するフィルム(16)やガラス等他の基材と貼り合わせ、画像表示用のディスプレイなどに適用することができる。
【0022】
また、上記請求項3に係る発明は、例えば図1に示すような電極層(11a)を表面に有する基材フィルム(10)上に、機能性を有するマイクロカプセル(110)の単層でなる画像表示層(14)形成する機能性マイクロカプセルシートの製造方法であって、例えば図2に示すように、基材フィルム(10)上に電極層)11a)を介して大きさの異なるマイクロカプセル(110)を含むスラリーを、そのマイクロカプセル(110)が単層になるように塗布すると、マイクロカプセル(110)同士の間およびこのマイクロカプセル(110)と電極層(11a)との間にエアボイド(50)が発生した画像表示層(14)が形成される。このエアボイド(50)が発生した画像表示層(14)の乾燥後、このマイクロカプセル(110)をプレスすると、このエアボイド(50)が除去され、図3に示すように、マイクロカプセル(110)が略直方体形状にして、エアボイドがなく、かつマイクロカプセル(110)の表面を平滑にすることができる。
【0023】
このように、上記マイクロカプセル(110)は、弾力性があるため、適切なプレスによれば、基材フィルム(10)などに潜り込むことがなく、かつ破裂などがしにくく、変形したものはその形状を維持できる性能を有しているものである。
【0024】
また、上記請求項4に係る発明は、図2に示すマイクロカプセル(110)の表面のプレスを、例えば図4(a)に示すように、2本のロール間を、あるいは図4(b)に示すように、3本のロール間を通す製造方法とするもので、この方法ではプレス圧の制御をロール間のギャップで容易になされるものとし、マイクロカプセル(110)を壊すことがなく、連続的に効率よくマイクロカプセル単層を平滑にし、かつマイクロカプセル(110)同士間およびこのマイクロカプセル(110)と基材フィルム(10)との間のエアボイドを除去する機能性マイクロカプセルシートの製造方法とするものである。
【0025】
上記ロールの本数は、マイクロカプセル(110)のカプセル殻の種類等によって本数が多い方が形状の維持に優位な場合があり、またこれらロールは常温でもよいが、加温することによって形状の維持をさらに優位にすることもできる場合がある。
【0026】
以下に本発明の機能性マイクロカプセルシート(1)の材料等について説明する。
【0027】
本発明の機能性マイクロカプセルシート(1)を構成する基材シートとしては、その機能、用途等によって紙(板紙を含む)、プラスチックフィルムあるいはそれらのシートなどがあり、特に限定するものではないが、例えば図7に示す事例の可撓性を有する画像表示体としての機能性マイクロカプセルシートの場合では、表面にITO等電極層(11a)で導電性が付与されたポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、あるいはポリイミドフィルムなどが使用される。
【0028】
また、本発明の機能性マイクロカプセルシート(1)を構成する機能性を有するマイクロカプセル(110)としては、そのカプセル殻として、メタクリル酸樹脂、ユリア樹脂、あるいはアラビアゴム、ゼラチンなどでなり、その粒径は20〜30μmのものが使用され、その内包物は、機能性等によって種々選定される。
【0029】
また、上記マイクロカプセルを含むスラリーとしては、例えばマイクロカプセル50〜100部に、バインダー(ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等)5〜20部、増粘剤(セルロース系樹脂等)0.1〜1部、界面活性剤(ノニルフェノールエトキシレート、オクチルフェニルポリオキシエチレンエーテル等)0.1〜0.5部等が添加されている塗布液が挙げられ、このスラリーをナイフコーター、ダイコーターなどで塗布され、機能性を有するマイクロカプセル(110)の単層が得られる。
【0030】
また、透明電極層を含むフィルムやガラス等他の基材と貼り合わせるための接着剤層(15)としては、貼り合わせ時等を考慮して、感圧接着剤(粘着剤)や感熱接着剤が挙げられ、前者の感圧接着剤としては、例えばウレタン樹脂粘着剤が挙げられ、ポリオールとポリイソシアネートとをヘキサヒドロジメチルアニリン等の触媒の存在下に反応させてなるウレタンプレポリマーと、劣化防止剤とで構成されていて、このポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が用いられ、また、上記ポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートが挙げられ、その芳香族ポリポリイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等が用いられる。さらにまた、上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が用いられる。上記感圧接着剤(粘着剤)がシリコンが塗布されている剥離紙に塗布されていて、これを上記マイクロカプセルの単層に転写することによって接着剤層(15)とするか、あるいは上記感圧接着剤(粘着剤)を直接マイクロカプセルの単層に塗布し、この上にナイフコート方式で塗布して接着剤層とし、この接着剤層上に一時的に剥離紙を貼り合わせておいたものとすることもできる。
【0031】
また、上記接着剤層(15)とする後者の感熱接着剤としては、例えばヒートシール性に優れる樹脂である直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)等でなるポリオレフィン系のフィルムの押出しラミネートが好適に用いられるが、これらポリオレフィン系の樹脂のみでは接着強度と剥離強度のバランスがとれないことがあるので、例えばこれらポリオレフィン系樹脂にさらにポリスチレンやポリブデン等からなるもので、このポリオレフィン系樹脂に対し不相溶性成分を混合したものとすることもでき、これら樹脂を溶融樹脂を押出して易剥離性の接着剤層(15)とすることもできる。また、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂等からなるホットメルト接着剤を塗布して接着剤層(15)としてもよい。
【0032】
【実施例】
次に実施例により、本発明を具体的に説明する。
〈実施例1〉
基材フィルムとして、ITO(透明電極)が施されている厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、そのITO面に、下記組成のマイクロカプセルのスラリーをナイフコーターで厚さ50μmになるように塗布し、乾燥後ギャップが125μmに調整された70℃の2本のロール間を通してプレスしてマイクロカプセルの単層を形成した。
〔スラリーの組成〕
マイクロカプセル:粒径20〜30μmのアラビアゴムでなるカプセル殻に、カーボンブラック粒子と酸化チタン粒子をシリコンオイルに分散したものを内包物としたもの 90部
バインダー:アクリル樹脂 10部
増粘剤、界面活性剤:それぞれ0.5部
【0033】
続いて上記で得られたマイクロカプセルの単層上に、ウレタン樹脂粘着剤でなる感圧接着剤をナイフコーターで塗布し、厚さ15μm(ドライ)の接着剤層を形成して機能性マイクロカプセルシートとし、この接着剤層上に一時的に剥離紙を貼り合わせた。
【0034】
〈実施例2〉
ウレタン樹脂粘着剤でなる接着剤層が剥離紙のシリコン面に形成されている剥離シートを用い、その接着剤層をマイクロカプセルの単層面に転写した以外は、上記実施例1と同様にして機能性マイクロカプセルシートを得た。
【0035】
〈比較例1〉
マイクロカプセルの単層面をプレスしないこと以外は、実施例2と同様にしてテスト用の機能性マイクロカプセルシートを得た。
【0036】
上記実施例1、実施例2および比較例1の剥離紙または剥離シートを剥離し、ITO(透明電極層)が施された厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートのITO面を接着剤層に貼り合わせ、このITOと基材フィルムに施されたITO間に15ボルトの電圧を印加し、このときのマイクロカプセルの外観(応答、未応答)を顕微鏡150倍でランダムに5か所について観察し、その結果を表1に示した。
【0037】
【表1】
Figure 2004230569
【0038】
上記表1より、実施例1、2では、20μm以上のエアボイドは、いずれでも0であり、20μm未満のエアボイドでも、接着剤層が転写で得られた実施例2で、5か所の平均でわずか1個であり、画像のムラ等には全く影響のないものであった。
これに対し、比較例1のプレス工程のないものでは、20μm以上のエアボイドは、5か所の平均で27個、20μm未満のエアボイドでも、8個と多数の未応答部が発生し、画像ムラ等が多数発生するものであった。
【0039】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、上記請求項1に係る発明において、マイクロカプセル単層の表面が平滑で、かつマイクロカプセル同士間およびそのマイクロカプセルと基材シート間に空隙(エアボイド)が除去されているので、このエアボイドがマイクロカプセルの機能性を阻害する機能性マイクロカプセルシートでは、この機能性を正常に発揮せしめる機能性マイクロカプセルシートを提供する効果がある。
【0040】
また、上記請求項2に係る発明においては、上記マイクロカプセル単層の表面に接着剤層が形成されているので、機能性マイクロカプセルシートが電極フィルムやガラス等他の基材に貼り合わせてディスプレイ等に適用可能とし、さらにマイクロカプセルの表面が平滑なので、この接着剤層との間に空隙(エアボイド)がなく、よってこの空隙がマイクロカプセルの機能性を阻害する機能性マイクロカプセルシートでは、この機能性を正常に発揮せしめる機能性マイクロカプセルシートを提供することができる効果がある。
【0041】
また、上記請求項3に係る発明においては、基材シート上に機能性を有するマイクロカプセル単層を形成せしめる機能性マイクロカプセルシートの製造方法において、形成されたマイクロカプセル単層をプレスすることによって、そのマイクロカプセル単層の表面を平滑にし、かつこのマイクロカプセル同士間およびマイクロカプセルと基材シート間の空隙を除去せしめるので、これら空隙がマイクロカプセルの機能性を阻害する機能性マイクロカプセルシートでは、この機能性を正常に発揮させることのできる機能性マイクロカプセルシートの製造方法を提供できる効果がある。
【0042】
また、上記請求項4に係る発明においては、基材シート上に形成されたマイクロカプセル単層のプレスを、2本もしくは複数本のロール間を通す方法とすることによって、プレス圧の制御が容易なものとし、マイクロカプセルを壊すことがなく、連続的に効率よくマイクロカプセル単層を平滑にし、かつマイクロカプセル同士間およびマイクロカプセルと基材シート間のエアボイドを除去せしめるので、これらエアボイドがマイクロカプセルの機能性を阻害する機能性マイクロカプセルシートでは、この機能性をよりより正常に発揮させることのできる機能性マイクロカプセルシートの製造方法とすることができる。
【0043】
さらにまた、上記請求項5に係る発明においては、上記マイクロカプセル単層の表面に接着剤層を形成することによって、このマイクロカプセルシートが電極フィルムやガラス等他の基材に貼り合わせてディスプレイ等に適用できるとともに、さらにマイクロカプセルの表面が平滑にすることによって、この上に形成する接着剤層にムラがなく、かつこの接着剤層との間に空隙(エアボイド)がなくなり、よってこの空隙がマイクロカプセルの機能性を阻害する機能性マイクロカプセルシートでは、この機能性を正常に発揮せしめる機能性マイクロカプセルシートの製造方法を提供することができる効果がある。
【0044】
従って本発明は、機能性を有するマイクロカプセルシートおよびその製造方法で、特に単層でなるマイクロカプセル間、該マイクロカプセルと基材シート間および接着剤層間等に発生する空隙(エアボイド)を除去してその機能性を正常に発揮せしめる機能性マイクロカプセルシートとその製造方法として、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機能性マイクロカプセルシートの一実施の形態を側断面で表した説明図である。
【図2】本発明の機能性マイクロカプセルシートの製造方法の一工程の実施の形態を説明する側断面図である。
【図3】本発明の機能性マイクロカプセルシートの製造方法の他の一工程の実施の形態を説明する側断面図である。
【図4】本発明の機能性マイクロカプセルシートの製造方法のプレス工程の一実施の形態を説明する側面図で、(a)は、2本ロールの事例であり、(b)は、3本ロールの事例である。
【図5】本発明の機能性マイクロカプセルシートを構成するマイクロカプセルの一事例を模式的に表した説明図である。
【図6】本発明の機能性マイクロカプセルシートを構成する画像表示層の表示形態の一事例を模式的に表した斜視図である。
【図7】本発明の機能性マイクロカプセルシートを構成する画像表示層の表示形態の一事例を模式的に表した側断面図である。
【図8】従来の機能性マイクロカプセルシートの一事例を側断面で表した説明図である。
【符号の説明】
1‥‥機能性マイクロカプセルシート
10‥‥基材フィルム
11a‥‥電極層
12a‥‥透明電極層
14‥‥画像表示層
15‥‥接着剤層
16‥‥透明電極層を有するフィルム
50‥‥エアボイド
110‥‥マイクロカプセル
111‥‥カプセル殻
112‥‥分散媒
113‥‥白の粒子
114‥‥黒の粒子

Claims (5)

  1. 基材シート上に機能性を有するマイクロカプセルの単層が形成されている機能性マイクロカプセルシートにおいて、前記マイクロカプセルの単層の表面が平滑で、かつマイクロカプセル同士間およびそのマイクロカプセルと基材シート間の空隙が除去されていることを特徴とする機能性マイクロカプセルシート。
  2. 上記マイクロカプセル単層の表面に接着剤層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の機能性マイクロカプセルシート。
  3. 基材シート上に機能性を有するマイクロカプセルを含むスラリーを塗布してマイクロカプセルの単層を形成する機能性マイクロカプセルシートの製造方法において、前記マイクロカプセル単層の形成後、プレスによりマイクロカプセル単層の表面を平滑にし、かつ前記マイクロカブセル同士間およびそのマイクロカプセルと基材シート間の空隙を除去せしめることを特徴とする機能性マイクロカプセルシートの製造方法。
  4. 上記プレスは、2本もしくは複数本のロール間を通すことを特徴とする請求項3記載の機能性マイクロカプセルシートの製造方法。
  5. 上記マイクロカプセル単層の表面に接着剤層を形成することを特徴とする請求項3または4記載の機能性マイクロカプセルシートの製造方法。
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KR101153368B1 (ko) * 2008-11-25 2012-06-08 한국전자통신연구원 전기유변유체 마이크로캡슐을 포함하는 투과도가변필름 및 이의 제조 방법

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