JP2004230462A - 金属成形方法及び金属成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋳造欠陥の少ない金属成形品を得るには、溶融金属または半溶融金属の粘度制御が重要であるが、この粘度制御は、溶湯温度の制御で行うだけでは難しく、安定的な成形が実現できていなかった。
【解決手段】溶融金属または半溶融金属に固体の金属片を投入し、粘度を制御することで成形品質に優れた成形品を安定的に得ることが出来る。また、このとき、固体金属片を投入後、0〜10秒以内に成形すると好適であると期待される。
【選択図】 図2
【解決手段】溶融金属または半溶融金属に固体の金属片を投入し、粘度を制御することで成形品質に優れた成形品を安定的に得ることが出来る。また、このとき、固体金属片を投入後、0〜10秒以内に成形すると好適であると期待される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属成形方法及び金属成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、大量生産される家電製品は、リサイクル処理や環境問題などの対策の一つとして、家電製品の外装部品を従来の樹脂材料に代えて、金属材料で製作することが注目されつつ開発されている。樹脂のリサイクル率が20%程度であるのに対し、金属材料は90%程度がリサイクル可能であるとされている。
【0003】
このような金属材料の中で、特に注目されている材料はマグネシウムであり、他金属と比較しても軽量・高強度であり、振動減衰性にも優れているため、携帯型の電子機器や自動車部品などで実用化されている。また、比較的低融点であることから、リサイクルエネルギーも少なくてすむという特徴を有している。
【0004】
このマグネシウム合金の主な成形方法は、ダイカストやチクソモールドといった鋳造による成形が主流となっている。しかし、これらの成形方法では、「湯じわ」と呼ばれる鋳造品の表面欠陥や内部への気泡の巻き込みと言った問題が生じやすく歩留まりの低下や、コスト高に繋がるという問題を抱えているのが現状である。
【0005】
チクソモールド成形は、半溶融状態の金属にせん断力を与えると、粘性が低下するというチクソトロピー現象を利用した射出成形方法である。原理的には、固液共存状態で射出成形するため、高固相率となり鋳造欠陥が低減できると予測できるのだが、実際の量産では、射出時の湯温の温度制御が難しいため、安定的に高固相率の成形を行うのは難しいとされている。
【0006】
そのため、現在では、射出時の湯温を上げ、固液共存状態よりも完全溶融状態に近い状態(粘度が低い状態)で成形されることが多くなっており、チクソ成形の利点の一つである鋳造欠陥の低減に繋がっていない状況である。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−025852号公報
【非特許文献1】
「成形加工’02」(第13回プラスチック加工学会)(383ページ)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述するように、現在のチクソ成形は半溶融金属の粘度調整が難しく、安定的に成形を行うには、完全溶融状態に近い低粘度状態で射出成形することが一般的になっている。しかしながら、このような方法では、結果的に良好なチクソトロピー現象を利用した成形になっていないために、鋳造欠陥の低減が十分でなく、成形品質が悪いという問題を生じることになる。
【0009】
一般的に、溶融金属または半溶融金属の粘度を調整するには、温度管理が重要であるとされる。しかし、Mg合金の場合、600℃付近でわずか5〜10K溶湯の温度が変化するだけで、粘度(Pa・s)が100倍〜1000倍程度も変化する(AZ91合金の場合)。実際の量産では、温度制御を5K程度の範囲で厳密に行うのは難しく、そのため、温度制御には依存しない、別方法での粘度制御方法が必要と考えられていた。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、溶湯の温度に大きく依存することなく、溶融金属または半溶融金属の粘度調整を行い、鋳造欠陥の少ない成形品を得ることができる金属材料の成形方法及び、前記方法によって作製された成形品を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
一般的に、液体に対し、その液体に溶解しない固体を混合した場合、その液体のみかけの粘性が増加する事が多い。これは溶融または半溶融金属に固体状の金属を添加する場合も同じで、添加した固体金属片が完全溶融してしまうまでの間は、溶融または半溶融金属としての粘性が増す。
【0012】
本願第1発明に関わる金属成形方法は、溶融または半溶融金属に固体の金属片を投入して粘度制御することを特徴とする。このとき、完全溶融状態のMg合金の場合、粘度は攪拌速度に拘らず約0.001〜0.003Pa・sであるが、この状態で射出成形すると、溶融または半溶融金属が乱流となって成形品の鋳造欠陥が多くなる。成形時において、湯じわなどの鋳造欠陥を低減するには0.01Pa・s以上の粘性があることが望ましいとされる。
【0013】
本願第1発明によれば、溶融または半溶融金属に固体の金属片を投入することで、溶湯温度を下げることなく粘性を制御することができ、その状態で射出成形することで鋳造欠陥の少ない良好な品質の成形品を得ることが可能となる。
【0014】
固体の金属片を投入する場合、投入する金属の融点が溶融または半溶融金属の温度より低ければ、金属片が溶解しはじめる。溶解すると、溶融または半溶融金属は急激に温度低下が起こり、溶融または半溶融金属の粘度は一気に増加してしまって、望ましい成形とならない。一般的にマグネシウムなどの反応性の高い金属の固体金属片は、表面に薄い酸化膜が形成されているため、金属片が融点以上の高温にさらされても瞬時に完全溶解することはない。
【0015】
実験的には、600℃のAZ91Mg合金溶融金属内に投入したAZ91Mg合金粉末(粒径は約0.1mm)で10秒間保持後に成形し急冷した場合に、粉末が溶けきっていないことが確認できている。
【0016】
また、投入する固体金属片は、アトマイズ法などで作製できる粉末を使用することができるが、平均直径が0.01mm未満の微小なものとなると作製が難しいうえ、マグネシウム合金のような場合には、大量の微粉末は自然発火の恐れがあり好ましくない。また、平均直径が10mm以上となると、金型内に流し込む際に逆に流動性を阻害する。従って、投入する金属片は平均直径0.01〜10mmが望ましい。
【0017】
金属成形の際、固体金属片の粒径や投入量、投入方法によって、金属片の拡散状態が影響を受ける。その際、金属片が成形品の全部分に均一に分布するとは限らない。そのため、投入する固体金属片の成分が、投入される溶融または半溶融金属に含有されていない成分である場合には、成形品の成分にばらつきが生じる場合があり望ましくない。また、成形品の材料成分が均一でなくなると、材料のリサイクル性に劣る。
【0018】
本発明においては、固体金属片の投入によって、成形時の溶融または半溶融金属の粘度を制御することが第一目的であるから、固体金属片の成分を溶融または半溶融金属の成分と同種のものにしていても、その目的を果たすことができる。それ故、上記理由から、投入する固体金属片は溶融または半溶融金属の成分と近いほうが望ましい。特に、原子数構成比率で50%以上を占める主成分が異なると、成形品内部での電解腐食の恐れなどが考えられ、成形品の強度や腐食特性において悪影響を及ぼす恐れがある。
【0019】
主要な金属や合金の成分はJIS規格やASTM規格に規定されている。工業的に生産やリサイクルを加速していくには、このJIS規格やASTM規格を満足する成分の金属を使うのが望ましい。本発明においては、溶融または半溶融して鋳造または射出成形に用いる材料と、それに投入する金属片とが同一の規格内に収まっていることが、成形品の成分を安定化させ、リサイクル性に優れた成形品を作製するのに望ましい。
【0020】
なお、この2種の材料がもともと同一の材料から作られていて、その元材料がJIS規格やASTM規格の所定の規格を満たしていれば、成形品の成分は安定化するので、リサイクル性に優れて望ましい。
【0021】
アルミニウムやマグネシウムなどの軽金属は、鉄やステンレスと比べて同体積あたりの比熱が小さく、熱しやすくさめやすい性質を持っている。それゆえ、軽金属合金の鋳造・射出成形では、射出時の温度が低いと、金型内まで材料が十分流れる前に凝固してしまう。温度によって粘度の管理を行いながら固液共存状態で射出成形する場合は、重金属よりも軽金属の方が温度に厳しさが必要となる。本発明の金属片投入による粘度調節は対象の金属が軽金属である方が、その効果が大きい。
【0022】
加えて、アルミニウムよりも更に同体積あたりの比熱が小さいマグネシウムにおいては、金属片投入による粘度調節が金属の流動性を改善し、成形品質を向上させる効果は大きい。
【0023】
チクソモールド射出成形機では、シリンダ温度を制御しながら材料の温度管理を行い、固相率の制御と粘性の制御を行っている。しかし、先述の通り、シリンダ温度の制御だけでは、溶融金属の粘度の制御が難しい。
【0024】
本発明では、予め金型内に固体金属片を投入しておき、溶融金属または半溶融金属を流し込むことで金型内部での粘度制御を行う。固体金属片によって溶湯の粘度制御を行い、溶融金属温度が液相線付近、或いは液相線以上の温度でも、粘性が0.01Pa・s以上の高粘性状態を保ち、湯じわやボイドが発生しにくく、流動性のよい状態で射出成形できることを特徴としている。
【0025】
また、固体金属片の投入方法として射出用ノズルのシリンダ先端部分に金属片投入口を設け、スクリュー先端まで送られた溶融または半溶融状態の金属に対し固体金属片を投入するといった方法とすることも可能である。
【0026】
通常、固液共存状態で鋳造された合金成形品は、その合金状態図における、鋳造時の温度での比率で液相領域と固相領域が分布している。固相領域は、鋳造時の温度における固相線上の比率の合金組成となりα結晶相やβ結晶相などの特定の単一成分を多く含んでいることが多い。固相周辺の液相部分には、固溶し切れなかった金属間化合物や他の元素が存在する。
【0027】
一方、本発明の方法によって成形された成形品は、投入した固体金属片由来の領域を含んでおり、固体金属片由来領域である固相は、前記α結晶相のような特定の単一成分を多く含むのではなく、出発原料の金属成分がほぼ保存されている。従って、本発明によって成形された成形品は、出発原料の金属成分をほぼ維持したままの固相領域を含んでいることを特徴とする。
【0028】
また、純金属の鋳造または射出成形においては、固液共存状態が存在しないため、液相線、すなわち融点以上の温度から成形される。そのため、通常は固相を含まない成形品となる。合金であっても、ダイカスト成形のように完全溶融状態から成形すれば、固相は含まれない。しかし、本発明による鋳造または射出成形によって作製された成形品は、溶融状態の金属に投入された固体金属片が溶解する前に成形されるため、成形品に固相が含まれることが特徴となる。
【0029】
マグネシウムを主成分とし、他にアルミニウム、亜鉛、マンガンなどを含むマグネシウム合金に関すれば、通常の鋳造成形品に含まれる固相部分ではα−Mgが主成分であるのに対し、本発明の成形品に含まれる固相部分では、当初の合金成分が残されていて、結晶粒界も独自に存在する。
【0030】
本発明によって成形された成形品は、従来の射出成形品や鋳造成形品に比較して、湯じわや巣などの鋳造欠陥が少なく、良好な成形品質を有している。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図1〜図5を用いて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明を具現化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0032】
本実施形態では、アルミニウム含有量が9%程度、亜鉛含有量が1%程度、残部がマグネシウムからなるマグネシウム合金AZ91を用いた。AZ91合金のASTM規格及び、本実験で用いた材料の成分を図1に示す。
成形機には型締め力220トンのチクソモールド射出成形機を用い、射出時の半溶融金属温度は約600℃、射出圧力を約1000kg/cm2とし、金型温度を約200℃とした。
【0033】
また、本実施形態においては、射出成形前に、上記材料から作製した平均粒径約0.1mmのAZ91粉末を金型内部に導入し、半溶融金属の射出と共にこの粉末が金型内を流れるようにした。図2は本実施形態によって成形した、このマグネシウム合金成形品1の断面を示す模式図である。
【0034】
本実施形態によって成形したマグネシウム合金成形品1には、断面組織において、半溶融金属液相由来領域2と半溶融金属固相由来領域3、及び投入した固体金属片由来領域4とが含まれている。断面観察において、固相として観察されるのは、半溶融金属固相由来領域3と、投入した固体金属片由来領域4である。両者の違いを把握するために、EPMA分析を行ったところ、半溶融金属固相由来部分には、Alが約3%含まれる主成分がMg相の固相であるのに対し、投入した固体金属片由来領域はAlが約9%含まれるAZ91のASTM規格を満足する合金成分であった。
【0035】
これは、半溶融金属固相由来領域3が、射出成形前の600℃付近の固液共存状態でα−Mg結晶相であった部分であると考えられる。一方、投入した固体金属片は、溶融することなく射出成形され成形品の内部に含有されるために、当初の固体金属片の成分が保持されると考えられる。
【0036】
なお、固体金属片由来領域4の固相内部には、一部に結晶粒界と推測される線5が確認できた。これは、この固相部分が溶解することなく、元の結晶粒が保存されていることを示していると考えられる。
【0037】
ここで従来例として、金属片の導入をせずに、上記のチップ材料だけを用い上記の射出成形機で成形した成形品の断面写真の模式図を図5に示す。固体金属片投入以外の成形条件は、本実施形態と同様とする。
【0038】
この従来例のマグネシウム合金成形品71には、断面組織において、半溶融金属液相由来領域72と半溶融金属固相由来領域73とが存在する。EPMA分析の結果、この半溶融金属固相由来領域はAlが約3%含まれる主成分がMg相の固相であった。この従来例の成形品71には、鋳造欠陥である湯じわ74やボイド75が多く含まれているが、本発明の実施形態の成形品1には湯じわやボイドが極めて少ない。
【0039】
次に、図3として、Mg−Al系及びMg−Al−Zn系のMg隅における二元状態図を示す。同図から判断すると、600℃に加熱された合金材料は半溶融状態というより溶融状態に近く固相率が0に近いと考えられるが、実際の成形品71では、5%程度の固相が存在する。これはシリンダからの熱が材料すべてに均等に伝わっているのではなく、ある程度のばらつきを持って伝わっており、その結果、射出成形時に全ての合金成分が液相になるのではなく、幾分か固相領域が残っているのであると推察される。
【0040】
次に、図4として、投入する金属片の平均粒径と、成形したMg合金成形品の成形品品質との関係を示す。成形品品質としては外観の目視検査によって湯じわなどの鋳造欠陥の有無を確認し、10個の成形品において合否判定を行い、その合格率を示している。投入した固体金属片の平均粒径は、0.01mm,0.1mm,1mm,10mm,20mmである。
【0041】
この結果からすると、投入する金属片の平均粒径が10mmを越えると、かえって成形品不良が多くなることがわかる。従って、投入金属の望ましい平均粒径は、10mm以下と言える。なお、平均粒径が0.01mm未満の粉末に付いては、Mg合金においては、自然発火の危険なども考慮し、実施されない。
【0042】
本実施例では成形品総重量約140gの成形金型を用いたが、評価したのはスプル・ランナー部分を除く、実成形品部分約7gである。
本実施形態によれば、上記の金属片を射出成形時に投入することで、鋳造欠陥の少ないMg合金チクソモールド成形品を得ることが可能となる。
なお、チクソモールド成形に限らず、ダイカストや他の鋳造でも、本実施形態を応用することも可能である。また、Mg合金に限らず、Alなど他の金属を主成分とする合金でも同様の効果が期待できる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、金属の鋳造または射出成形において鋳造欠陥の少ない成形品を安定的に生産することが可能な金属成形方法を提供できるとともに、金属成形方法に係る金属成形品が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るAZ91Mg合金の合金成分の原子構成比率とASTM規格を示す図
【図2】本発明の本実施形態に係るMg合金成形品の断面を示す模式図
【図3】本発明の本実施形態に係るMg−Al系及びMg−Al−Zn系のMg隅における二元状態を示す図
【図4】本発明の本実施形態に係る金属片の平均粒径と成形品の外観検査結果を示す図
【図5】従来のチクソモールド成形で作製したMg合金成形品の断面を示す模式図
【符号の説明】
1 Mg合金成形品
2 半溶融金属液相由来領域
3 半溶融金属固相由来領域
4 固体金属片由来領域
5 固体金属片由来領域における結晶粒界と推察される線
71 Mg合金成形品
72 半溶融金属液相由来領域
73 半溶融金属固相由来領域
74 鋳造欠陥(湯じわ)
75 鋳造欠陥(ボイド)
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属成形方法及び金属成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、大量生産される家電製品は、リサイクル処理や環境問題などの対策の一つとして、家電製品の外装部品を従来の樹脂材料に代えて、金属材料で製作することが注目されつつ開発されている。樹脂のリサイクル率が20%程度であるのに対し、金属材料は90%程度がリサイクル可能であるとされている。
【0003】
このような金属材料の中で、特に注目されている材料はマグネシウムであり、他金属と比較しても軽量・高強度であり、振動減衰性にも優れているため、携帯型の電子機器や自動車部品などで実用化されている。また、比較的低融点であることから、リサイクルエネルギーも少なくてすむという特徴を有している。
【0004】
このマグネシウム合金の主な成形方法は、ダイカストやチクソモールドといった鋳造による成形が主流となっている。しかし、これらの成形方法では、「湯じわ」と呼ばれる鋳造品の表面欠陥や内部への気泡の巻き込みと言った問題が生じやすく歩留まりの低下や、コスト高に繋がるという問題を抱えているのが現状である。
【0005】
チクソモールド成形は、半溶融状態の金属にせん断力を与えると、粘性が低下するというチクソトロピー現象を利用した射出成形方法である。原理的には、固液共存状態で射出成形するため、高固相率となり鋳造欠陥が低減できると予測できるのだが、実際の量産では、射出時の湯温の温度制御が難しいため、安定的に高固相率の成形を行うのは難しいとされている。
【0006】
そのため、現在では、射出時の湯温を上げ、固液共存状態よりも完全溶融状態に近い状態(粘度が低い状態)で成形されることが多くなっており、チクソ成形の利点の一つである鋳造欠陥の低減に繋がっていない状況である。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−025852号公報
【非特許文献1】
「成形加工’02」(第13回プラスチック加工学会)(383ページ)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述するように、現在のチクソ成形は半溶融金属の粘度調整が難しく、安定的に成形を行うには、完全溶融状態に近い低粘度状態で射出成形することが一般的になっている。しかしながら、このような方法では、結果的に良好なチクソトロピー現象を利用した成形になっていないために、鋳造欠陥の低減が十分でなく、成形品質が悪いという問題を生じることになる。
【0009】
一般的に、溶融金属または半溶融金属の粘度を調整するには、温度管理が重要であるとされる。しかし、Mg合金の場合、600℃付近でわずか5〜10K溶湯の温度が変化するだけで、粘度(Pa・s)が100倍〜1000倍程度も変化する(AZ91合金の場合)。実際の量産では、温度制御を5K程度の範囲で厳密に行うのは難しく、そのため、温度制御には依存しない、別方法での粘度制御方法が必要と考えられていた。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、溶湯の温度に大きく依存することなく、溶融金属または半溶融金属の粘度調整を行い、鋳造欠陥の少ない成形品を得ることができる金属材料の成形方法及び、前記方法によって作製された成形品を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
一般的に、液体に対し、その液体に溶解しない固体を混合した場合、その液体のみかけの粘性が増加する事が多い。これは溶融または半溶融金属に固体状の金属を添加する場合も同じで、添加した固体金属片が完全溶融してしまうまでの間は、溶融または半溶融金属としての粘性が増す。
【0012】
本願第1発明に関わる金属成形方法は、溶融または半溶融金属に固体の金属片を投入して粘度制御することを特徴とする。このとき、完全溶融状態のMg合金の場合、粘度は攪拌速度に拘らず約0.001〜0.003Pa・sであるが、この状態で射出成形すると、溶融または半溶融金属が乱流となって成形品の鋳造欠陥が多くなる。成形時において、湯じわなどの鋳造欠陥を低減するには0.01Pa・s以上の粘性があることが望ましいとされる。
【0013】
本願第1発明によれば、溶融または半溶融金属に固体の金属片を投入することで、溶湯温度を下げることなく粘性を制御することができ、その状態で射出成形することで鋳造欠陥の少ない良好な品質の成形品を得ることが可能となる。
【0014】
固体の金属片を投入する場合、投入する金属の融点が溶融または半溶融金属の温度より低ければ、金属片が溶解しはじめる。溶解すると、溶融または半溶融金属は急激に温度低下が起こり、溶融または半溶融金属の粘度は一気に増加してしまって、望ましい成形とならない。一般的にマグネシウムなどの反応性の高い金属の固体金属片は、表面に薄い酸化膜が形成されているため、金属片が融点以上の高温にさらされても瞬時に完全溶解することはない。
【0015】
実験的には、600℃のAZ91Mg合金溶融金属内に投入したAZ91Mg合金粉末(粒径は約0.1mm)で10秒間保持後に成形し急冷した場合に、粉末が溶けきっていないことが確認できている。
【0016】
また、投入する固体金属片は、アトマイズ法などで作製できる粉末を使用することができるが、平均直径が0.01mm未満の微小なものとなると作製が難しいうえ、マグネシウム合金のような場合には、大量の微粉末は自然発火の恐れがあり好ましくない。また、平均直径が10mm以上となると、金型内に流し込む際に逆に流動性を阻害する。従って、投入する金属片は平均直径0.01〜10mmが望ましい。
【0017】
金属成形の際、固体金属片の粒径や投入量、投入方法によって、金属片の拡散状態が影響を受ける。その際、金属片が成形品の全部分に均一に分布するとは限らない。そのため、投入する固体金属片の成分が、投入される溶融または半溶融金属に含有されていない成分である場合には、成形品の成分にばらつきが生じる場合があり望ましくない。また、成形品の材料成分が均一でなくなると、材料のリサイクル性に劣る。
【0018】
本発明においては、固体金属片の投入によって、成形時の溶融または半溶融金属の粘度を制御することが第一目的であるから、固体金属片の成分を溶融または半溶融金属の成分と同種のものにしていても、その目的を果たすことができる。それ故、上記理由から、投入する固体金属片は溶融または半溶融金属の成分と近いほうが望ましい。特に、原子数構成比率で50%以上を占める主成分が異なると、成形品内部での電解腐食の恐れなどが考えられ、成形品の強度や腐食特性において悪影響を及ぼす恐れがある。
【0019】
主要な金属や合金の成分はJIS規格やASTM規格に規定されている。工業的に生産やリサイクルを加速していくには、このJIS規格やASTM規格を満足する成分の金属を使うのが望ましい。本発明においては、溶融または半溶融して鋳造または射出成形に用いる材料と、それに投入する金属片とが同一の規格内に収まっていることが、成形品の成分を安定化させ、リサイクル性に優れた成形品を作製するのに望ましい。
【0020】
なお、この2種の材料がもともと同一の材料から作られていて、その元材料がJIS規格やASTM規格の所定の規格を満たしていれば、成形品の成分は安定化するので、リサイクル性に優れて望ましい。
【0021】
アルミニウムやマグネシウムなどの軽金属は、鉄やステンレスと比べて同体積あたりの比熱が小さく、熱しやすくさめやすい性質を持っている。それゆえ、軽金属合金の鋳造・射出成形では、射出時の温度が低いと、金型内まで材料が十分流れる前に凝固してしまう。温度によって粘度の管理を行いながら固液共存状態で射出成形する場合は、重金属よりも軽金属の方が温度に厳しさが必要となる。本発明の金属片投入による粘度調節は対象の金属が軽金属である方が、その効果が大きい。
【0022】
加えて、アルミニウムよりも更に同体積あたりの比熱が小さいマグネシウムにおいては、金属片投入による粘度調節が金属の流動性を改善し、成形品質を向上させる効果は大きい。
【0023】
チクソモールド射出成形機では、シリンダ温度を制御しながら材料の温度管理を行い、固相率の制御と粘性の制御を行っている。しかし、先述の通り、シリンダ温度の制御だけでは、溶融金属の粘度の制御が難しい。
【0024】
本発明では、予め金型内に固体金属片を投入しておき、溶融金属または半溶融金属を流し込むことで金型内部での粘度制御を行う。固体金属片によって溶湯の粘度制御を行い、溶融金属温度が液相線付近、或いは液相線以上の温度でも、粘性が0.01Pa・s以上の高粘性状態を保ち、湯じわやボイドが発生しにくく、流動性のよい状態で射出成形できることを特徴としている。
【0025】
また、固体金属片の投入方法として射出用ノズルのシリンダ先端部分に金属片投入口を設け、スクリュー先端まで送られた溶融または半溶融状態の金属に対し固体金属片を投入するといった方法とすることも可能である。
【0026】
通常、固液共存状態で鋳造された合金成形品は、その合金状態図における、鋳造時の温度での比率で液相領域と固相領域が分布している。固相領域は、鋳造時の温度における固相線上の比率の合金組成となりα結晶相やβ結晶相などの特定の単一成分を多く含んでいることが多い。固相周辺の液相部分には、固溶し切れなかった金属間化合物や他の元素が存在する。
【0027】
一方、本発明の方法によって成形された成形品は、投入した固体金属片由来の領域を含んでおり、固体金属片由来領域である固相は、前記α結晶相のような特定の単一成分を多く含むのではなく、出発原料の金属成分がほぼ保存されている。従って、本発明によって成形された成形品は、出発原料の金属成分をほぼ維持したままの固相領域を含んでいることを特徴とする。
【0028】
また、純金属の鋳造または射出成形においては、固液共存状態が存在しないため、液相線、すなわち融点以上の温度から成形される。そのため、通常は固相を含まない成形品となる。合金であっても、ダイカスト成形のように完全溶融状態から成形すれば、固相は含まれない。しかし、本発明による鋳造または射出成形によって作製された成形品は、溶融状態の金属に投入された固体金属片が溶解する前に成形されるため、成形品に固相が含まれることが特徴となる。
【0029】
マグネシウムを主成分とし、他にアルミニウム、亜鉛、マンガンなどを含むマグネシウム合金に関すれば、通常の鋳造成形品に含まれる固相部分ではα−Mgが主成分であるのに対し、本発明の成形品に含まれる固相部分では、当初の合金成分が残されていて、結晶粒界も独自に存在する。
【0030】
本発明によって成形された成形品は、従来の射出成形品や鋳造成形品に比較して、湯じわや巣などの鋳造欠陥が少なく、良好な成形品質を有している。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図1〜図5を用いて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明を具現化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0032】
本実施形態では、アルミニウム含有量が9%程度、亜鉛含有量が1%程度、残部がマグネシウムからなるマグネシウム合金AZ91を用いた。AZ91合金のASTM規格及び、本実験で用いた材料の成分を図1に示す。
成形機には型締め力220トンのチクソモールド射出成形機を用い、射出時の半溶融金属温度は約600℃、射出圧力を約1000kg/cm2とし、金型温度を約200℃とした。
【0033】
また、本実施形態においては、射出成形前に、上記材料から作製した平均粒径約0.1mmのAZ91粉末を金型内部に導入し、半溶融金属の射出と共にこの粉末が金型内を流れるようにした。図2は本実施形態によって成形した、このマグネシウム合金成形品1の断面を示す模式図である。
【0034】
本実施形態によって成形したマグネシウム合金成形品1には、断面組織において、半溶融金属液相由来領域2と半溶融金属固相由来領域3、及び投入した固体金属片由来領域4とが含まれている。断面観察において、固相として観察されるのは、半溶融金属固相由来領域3と、投入した固体金属片由来領域4である。両者の違いを把握するために、EPMA分析を行ったところ、半溶融金属固相由来部分には、Alが約3%含まれる主成分がMg相の固相であるのに対し、投入した固体金属片由来領域はAlが約9%含まれるAZ91のASTM規格を満足する合金成分であった。
【0035】
これは、半溶融金属固相由来領域3が、射出成形前の600℃付近の固液共存状態でα−Mg結晶相であった部分であると考えられる。一方、投入した固体金属片は、溶融することなく射出成形され成形品の内部に含有されるために、当初の固体金属片の成分が保持されると考えられる。
【0036】
なお、固体金属片由来領域4の固相内部には、一部に結晶粒界と推測される線5が確認できた。これは、この固相部分が溶解することなく、元の結晶粒が保存されていることを示していると考えられる。
【0037】
ここで従来例として、金属片の導入をせずに、上記のチップ材料だけを用い上記の射出成形機で成形した成形品の断面写真の模式図を図5に示す。固体金属片投入以外の成形条件は、本実施形態と同様とする。
【0038】
この従来例のマグネシウム合金成形品71には、断面組織において、半溶融金属液相由来領域72と半溶融金属固相由来領域73とが存在する。EPMA分析の結果、この半溶融金属固相由来領域はAlが約3%含まれる主成分がMg相の固相であった。この従来例の成形品71には、鋳造欠陥である湯じわ74やボイド75が多く含まれているが、本発明の実施形態の成形品1には湯じわやボイドが極めて少ない。
【0039】
次に、図3として、Mg−Al系及びMg−Al−Zn系のMg隅における二元状態図を示す。同図から判断すると、600℃に加熱された合金材料は半溶融状態というより溶融状態に近く固相率が0に近いと考えられるが、実際の成形品71では、5%程度の固相が存在する。これはシリンダからの熱が材料すべてに均等に伝わっているのではなく、ある程度のばらつきを持って伝わっており、その結果、射出成形時に全ての合金成分が液相になるのではなく、幾分か固相領域が残っているのであると推察される。
【0040】
次に、図4として、投入する金属片の平均粒径と、成形したMg合金成形品の成形品品質との関係を示す。成形品品質としては外観の目視検査によって湯じわなどの鋳造欠陥の有無を確認し、10個の成形品において合否判定を行い、その合格率を示している。投入した固体金属片の平均粒径は、0.01mm,0.1mm,1mm,10mm,20mmである。
【0041】
この結果からすると、投入する金属片の平均粒径が10mmを越えると、かえって成形品不良が多くなることがわかる。従って、投入金属の望ましい平均粒径は、10mm以下と言える。なお、平均粒径が0.01mm未満の粉末に付いては、Mg合金においては、自然発火の危険なども考慮し、実施されない。
【0042】
本実施例では成形品総重量約140gの成形金型を用いたが、評価したのはスプル・ランナー部分を除く、実成形品部分約7gである。
本実施形態によれば、上記の金属片を射出成形時に投入することで、鋳造欠陥の少ないMg合金チクソモールド成形品を得ることが可能となる。
なお、チクソモールド成形に限らず、ダイカストや他の鋳造でも、本実施形態を応用することも可能である。また、Mg合金に限らず、Alなど他の金属を主成分とする合金でも同様の効果が期待できる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、金属の鋳造または射出成形において鋳造欠陥の少ない成形品を安定的に生産することが可能な金属成形方法を提供できるとともに、金属成形方法に係る金属成形品が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るAZ91Mg合金の合金成分の原子構成比率とASTM規格を示す図
【図2】本発明の本実施形態に係るMg合金成形品の断面を示す模式図
【図3】本発明の本実施形態に係るMg−Al系及びMg−Al−Zn系のMg隅における二元状態を示す図
【図4】本発明の本実施形態に係る金属片の平均粒径と成形品の外観検査結果を示す図
【図5】従来のチクソモールド成形で作製したMg合金成形品の断面を示す模式図
【符号の説明】
1 Mg合金成形品
2 半溶融金属液相由来領域
3 半溶融金属固相由来領域
4 固体金属片由来領域
5 固体金属片由来領域における結晶粒界と推察される線
71 Mg合金成形品
72 半溶融金属液相由来領域
73 半溶融金属固相由来領域
74 鋳造欠陥(湯じわ)
75 鋳造欠陥(ボイド)
Claims (11)
- 金属材料の成形において、溶融状態または半溶融状態とした前記金属材料に固体の金属片を投入した後、直ちに鋳造または射出成形することを特徴とする金属成形方法。
- 固体金属片を投入後、0〜10秒以内に成形することを特徴とする請求項1記載の金属成形方法。
- 固体金属片の平均直径が0.01〜10mmの粉末または粒子状であることを特徴とする請求項1または2記載の金属成形方法。
- 固体金属片において、その原子数構成比率の50%以上を占める金属主成分が、溶融または半溶融させる金属にその比率で50%以上含有されている金属成分であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属成形方法。
- 投入する固体金属片が、その合金成分において特定のJIS規格またはASTM規格を満たし、溶融または半溶融させる金属が前記規格の合金成分を満たしていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属成形方法。
- 金属の成形において、成形用材料の一部を抜き取って平均直径が0.01〜10mmの粉末または粒子状に加工しておき、溶融または半溶融状態とした残部の成形用材料に、この粉末または粒子状の材料を添加して成形することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属成形方法。
- 溶融または半溶融させる金属において、その原子数構成比率の50%以上を占める主成分が、軽金属であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の金属成形方法。
- 溶融または半溶融させる金属及び/または投入する固体金属片において、その原子数構成比率の50%以上を占める主成分が、マグネシウムであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の金属成形方法。
- 金型内部の金属流動空間に予め固体金属片を投入しておき、その部分に溶融金属または半溶融金属を射出することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の金属成形方法。
- JIS規格またはASTM規格によって定められた特定の金属成分を満たす純金属または合金成形品であって、前記成形品の内部に液相由来の鋳造組織と平均直径が0.01〜10mmの固相を含有し、前記固相部分のみの金属成分が前記規格による前記金属成分を満足することを特徴とする金属成形品。
- 合金が原子数構成比率でマグネシウムを50%以上含有するマグネシウム合金であることを特徴とする請求項10に記載の金属成形品。
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