JP2004230363A - 貫通穴を有する油吸着シートおよび排水浄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の油吸着シートは油がシートに完全に浸透するのに時間が掛かり費用の増大している。
【解決手段】天然植物繊維、化学繊維、積層した天然植物繊維、積層した化学繊維より選択される少なくとも一種類より形成されるシートに多数の貫通穴を開けることにより断面積を増やし、油吸着効率を促進した。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油の吸着効果を高めた油吸着シートおよび油吸着シートの使用方法に関している。
【0002】
【従来の技術】
油吸着材は天然植物繊維、化学繊維、積層した天然植物繊維、積層した化学繊維等をシートやマットに加工して船舶、オイルタンカー等の油流出事故時、各種機械周りの漏油、飛散油、排水路等の油の吸着に使用されている。油の吸着効率は素材によって異なるが、油の上にシートやマットを置いたり、予め置いたシートやマットに油を吸着させる方法が多い。排水路に使用する場合は排水路にシートを設置して排水を遮る方法で使用している。 天然植物繊維としてカポックを利用した場合は、油の吸収効率は高く、水分を吸収しない特徴がある。化学繊維としてはポリエステルを利用することが多く、また、活性炭、セラミック、コーヒー豆粕等の材質を利用しているにもある。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】
従来の油吸着材としてのシートを海上に流出したオイル回収用に油吸着シートとして使用する場合、オイルのある海面に油吸着シートを撒き、自然に油がシートの下から浸透するのを待っている。このため、シートの表面まで完全に油が浸透するのには時間が掛かるため作業時間を要するのと費用の増大の問題がある。そこで、迅速に処理する方法が必要になるが、従来は適当な方法が提供されていない。
【0004】
食品工場、化学工場、浄水所等における排水路に油吸着シートが利用されている。しかし、従来の油吸着シートは油の浸透を待つ方式なので油の浸透速度が遅く、水もシートを通過するのに時間が掛かるため、油の吸収効率が落ちる問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
天然植物繊維カポックは極細の繊維の集合体で中空構造であり、撥水性があり、浮遊性に富み、油吸収能力は1グラムの重量に対する体積で40グラムの油を吸収する能力を持っている。しかし、水面の油を吸着する際に、従来のカポックシートの使用方法では、水面に浮かべたカポックシートの裏面から油を吸収し、徐々に表面まで油が浸潤するのを待たなければならない。カポックシートを効率的に使用するため、本発明においては油吸着材で形成されたシートに表面から裏面への貫通穴を開け、シートの裁断面に加え貫通穴の断面より油をシートに吸収するので油の浸潤速度は速まる。このように断面積を増やし、更にシートの貫通穴を通り抜けてシートの表面に接した油も吸着されるので貫通穴を開けた油吸着シートを海面に撒くと流出したオイルの回収スピードが早まり、作業効率の改善と経費の節約になる。
【0006】
食品工場、化学工場、浄水所等における排水路や家庭の排水に含まれる油、洗剤、その他のごみ等の汚水を下水に流す前に浄化する際に本発明による貫通穴を有する油吸収シートを使用することができる。従来の油吸収シートを排水路や下水升に使用すると、最初の油吸収シートで排水はせき止められ、流れが悪くなり、油の吸収にも時間が掛かるので効率的でなく使用に適していないことが判明している。油吸収シートを縦列に使用すると、排水の流れは良くなるが油吸収シートを多量に必要とするためコスト高になる。本発明による油吸収シートを使用し、貫通穴の穴径の大きい油吸収シートを一枚目に設置し、順次穴径の小さな油吸収シートへと配列することで、穴を通り抜ける油やごみを漸減し、最終の油吸収シートでは完全に油やごみを除去することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態につき実施例にもとづき図面を参照して説明する。
図1は本発明になる貫通穴を有する油吸着シートの平面図である。天然植物繊維、化学繊維、積層した天然植物繊維、積層した化学繊維、天然植物繊維と化学繊維の混合等より形成されたシート1に多数の貫通穴2を開けている。このため、従来の油吸着シートに不足していた通水性が大幅に高まり、シートの断面積も増大するので油がシートの表面だけでなく断面や裏面からも吸収されるので油吸着効率は画期的に向上している。
【0008】
図2は本発明になる貫通穴を有する油吸着シートを図1のA−A‘線で切断し、貫通穴の状態を示している。油吸着シート1を貫通穴2の位置で切断すると、貫通穴2は表面より裏面へ突き抜けている状態が判明する。貫通穴2の穴径や間隔は一定でなく、
適宜穴径と間隔を決定することができる。また、形状も円に限らず、角、楕円、その他の特殊形状とすることができる。
【0009】
図3は海上に流出した油を回収する際の使用例を示している。海面に油吸着シート1を撒いているが、従来の油吸着シートと異なり貫通穴2を開けているので油の吸着スピードが速くなり大幅なコストダウンを達成することができる。
【0010】
図4は本発明になる油吸着シートを家庭用下水桝に使用した状態を示している。油吸着シート1を貫通穴2の穴径の大きなシートより穴径の小さなシートへと順番に配列した構造であり、排水は一枚目の油吸着シート1に流通を妨げられることなく二枚目の油吸着シート1へ到達する。大部分の油や穴径より大きい不純物は穴径を大きくした一枚目の油吸着シート1で吸収したり阻止したりできる。このような過程を経て最終の油吸着シート1では殆どの油や不純物が除去されているので穴径が小さくても排水の流通を妨げなくなる。
【0011】
【発明の効果】
本発明になる貫通穴を有する油吸着シートを使用すると、作業時間の大幅な短縮ができる。
【0012】
油吸着シートを無駄なく完全に使用することができる。
【0013】
穴が開いているため油吸着シートの回収が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】平面図である。
【図2】A−A′線に沿った断面図である。
【図3】使用例を表す説明図である。
【図4】使用例を表す説明図である。
【符号の説明】
1 油吸着シート
2 貫通穴

Claims (2)

  1. 天然植物繊維、化学繊維、積層した天然植物繊維、積層した化学繊維より選択される少なくとも一種類より形成されるシートに多数の貫通穴を開けることにより通水性を高めると共にシートの断面積を増大して油吸着効率を促進したことを特徴とする貫通穴を有する油吸着シート。
  2. 天然植物繊維、化学繊維、積層した天然植物繊維、積層した化学繊維より選択される少なくとも一種類より形成されるシートに多数の貫通穴を開けることにより通水性を高めると共にシートの断面積を増大して油吸着効率を促進した油吸着シートを貫通穴の穴径の大きなシートより穴径の小さなシートへと順番に配列した構造を有する排水浄化方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017186816A (ja) * 2016-04-07 2017-10-12 コウキ株式会社 油の吸着シート及び吸着装置
JP2021133307A (ja) * 2020-02-27 2021-09-13 エスペーセーエム・エスアー 廃水から油を除去するための処理方法

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