JP2004229423A - 電機子の巻線方法、回転子コア及びモータ - Google Patents
電機子の巻線方法、回転子コア及びモータ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】生産性向上及び高占積化が可能な電機子の巻線方法、回転子コア及びモータを提供すること。
【解決手段】コアを形成する第1コア部材27及び第2コア部材28には、コアを構成する全ティース16の半数ずつが等角度間隔に配置されている。2つのティース16が治具36に保持された状態で、治具36を回転させることにより、治具36によって保持されたティース16に巻線25が巻回される。
【選択図】 図5
【解決手段】コアを形成する第1コア部材27及び第2コア部材28には、コアを構成する全ティース16の半数ずつが等角度間隔に配置されている。2つのティース16が治具36に保持された状態で、治具36を回転させることにより、治具36によって保持されたティース16に巻線25が巻回される。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電機子の巻線方法、回転子コア及びモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図7に示すように、モータの回転子コア41には複数のティース42が放射状に延出され、各ティース42には巻線43が巻回されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−19095号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、モータの小型化、高性能化の要請に応えるため、モータのコアにおいては、巻線の高密度化及び巻線収容率の向上が求められている。しかしながら、図7の回転子コア41では、隣接するティース42間に形成されるスロットS1内に、巻線43の収容スペースだけでなくノズルの挿入スペースを確保することが必要になる。そのため、巻線43の占積率が低くなってしまうという問題がある。また、ノズルは、ティース42の外周面に沿って四角形の軌跡を描くように移動することにより巻線43を巻回させるため、巻回速度を向上させるのが困難である。ゆえに、モータの生産性が低くなってしまう。
【0005】
また、フライヤにて巻線43を高速で巻回させる場合は、モータの生産性向上が可能になるが、各ティース42に対して巻線43を整列させて巻回することが困難であるため、巻線43の占積率を高くすることができないという問題がある。
【0006】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、生産性向上及び高占積化が可能な電機子の巻線方法、回転子コア及びモータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、巻線が巻回される巻線巻回部を備える複数のティースが放射状に延出され、前記全ティースの半数ずつがそれぞれ等角度間隔に配置される第1の分割コア部材及び第2の分割コア部材を互いに組み付けることにより形成される回転子コアを備えた電機子に巻線を巻回する電機子の巻線方法であって、前記ティースの少なくとも一つを治具で保持して前記第1の分割コア部材及び前記第2の分割コア部材のそれぞれを前記治具とともに回転させ前記ティースに前記巻線を巻回することを要旨とする。
【0008】
この発明においては、治具の回転とともに、第1の分割コア部材または第2の分割コア部材が回転することにより、ティースに巻線が巻回される。そのため、ノズルでティースに巻線を巻回する場合に比べ、巻線の巻回速度を向上させるのが容易になるため、モータの生産性向上が可能となる。
【0009】
また、回転子コアは、第1の分割コア部材及び第2の分割コア部材にそれぞれ巻線を巻回した後、互いに組み付けることによって形成されるため、隣接するティース間に形成されるスロット内に、巻線の収容スペースだけを確保すれば済む。その結果、巻線の占積率が高くなるため、モータの高占積化が可能となる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記第1の分割コア部材または前記第2の分割コア部材において互いに反対側に位置するティースをそれぞれ前記治具で保持することを要旨とする。
【0011】
この発明においては、互いに反対側に位置するティースがそれぞれ治具で保持されるため、第1の分割コア部材または第2の分割コア部材をブレなく回転させることができる。よって、巻線の巻回が安定して行われるため、モータの生産性をより一層向上させることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記巻線が巻回される工程において、巻線供給部から引き出された巻線を案内する案内部材を、前記巻線が巻回されているティースの軸方向に沿って移動させることを要旨とする。
【0013】
この発明においては、案内部材を移動させることにより、各ティースに巻線を整列させて均一の厚さに巻回させることができるため、巻線の占積率が向上する。
【0014】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記第1の分割コア部材または前記第2の分割コア部材において互いに反対側に位置するティースのそれぞれに、前記巻線が同時に巻回されることを要旨とする。
【0015】
この発明においては、一つのティース毎に順次巻線を巻回した場合に比べ、第1の分割コア部材または第2の分割コア部材に対して2倍の速度で巻線を巻回させることができる。よって、モータの生産性をより一層向上させることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明において、巻線巻回前及び巻線巻回後において、前記巻線の端部は、前記ティースに設けられた突起に仮止めされた後、所定の長さに切断されることを要旨とする。
【0017】
この発明においては、各ティースに巻線が巻回されるだけでなく、突起に仮止めされて切断されるため、モータの生産性をより一層向上させることができる。請求項6に記載の発明では、巻線が巻回される巻線巻回部と同巻線巻回部の先端に設けられた傘部とを備える複数のティースが放射状に延出され、前記全ティースの半数ずつがそれぞれ等角度間隔に配置される第1の分割コア部材及び第2の分割コア部材を互いに組み付けることにより形成される回転子コアであって、前記ティースの少なくとも一つを治具で保持して前記第1の分割コア部材及び前記第2の分割コア部材のそれぞれを前記治具とともに回転させることにより、前記ティースに前記巻線が巻回されるようになっており、前記傘部は、前記巻線巻回部の延出方向と直交する方向において、前記巻線巻回部の基端から先端までの範囲に存在しないように配置されていることを要旨とする。
【0018】
この発明においては、治具の回転とともに、第1の分割コア部材または第2の分割コア部材が回転することにより、ティースに巻線が巻回される。そのため、巻回されないティースの傘部が、案内部材と第1の分割コア部材または第2の分割コア部材との間に存在する巻線に干渉しないため、より一層巻線の巻回速度を向上させるのが容易になり、モータの生産性向上が可能となる。
【0019】
また、回転子コアは、第1の分割コア部材及び第2の分割コア部材にそれぞれ巻線を巻回した後、互いに組み付けることによって形成されるため、隣接するティース間に形成されるスロット内に、巻線の収容スペースだけを確保すれば済む。その結果、巻線の占積率が高くなるため、モータの高占積化が可能となる。
【0020】
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の発明において、前記第1の分割コア部材及び前記第2の分割コア部材に、前記第1の分割コア部材と前記第2の分割コア部材とを互いに組み付けるための係合凹部がそれぞれ設けられ、前記ティースに形成された絶縁部に突起が設けられ、前記第1の分割コア部材及び前記第2の分割コア部材のいずれか一方の突起は前記係合凹部が設けられている側に配置され、他方の突起は前記係合凹部が設けられている側とは反対側に配置されることを要旨とする。
【0021】
この発明においては、第1の分割コア部材と第2の分割コア部材とを互いに組み付けると、第1の分割コア部材に巻回される巻線の端部と第2の分割コア部材に巻回される巻線の端部とが同一方向に引き出される。そのため、巻線を整流子に接続するのが容易になる。
【0022】
請求項8に記載の発明では、請求項6または請求項7に記載の回転子コアを備え、前記巻線の端部は整流子に接続されていることを要旨とする。
この発明においては、治具の回転とともに、第1の分割コア部材または第2の分割コア部材が回転することにより、ティースに巻線が巻回される。そのため、ノズルでティースに巻線を巻回する場合に比べ、巻線の巻回速度を向上させるのが容易になるため、モータの生産性向上が可能となる。
【0023】
また、回転子コアは、第1の分割コア部材及び第2の分割コア部材にそれぞれ巻線を巻回した後、互いに組み付けることによって形成されるため、隣接するティース間に形成されるスロット内に、巻線の収容スペースだけを確保すれば済む。その結果、巻線の占積率が高くなるため、モータの高占積化が可能となる。
【0024】
請求項9に記載の発明では、請求項8に記載の発明において、6個のマグネットを備え、前記回転子コアは、前記巻線が巻回される8本の前記ティースを有し、同各ティースにより形成される8つのスロットを備え、前記整流子は24個のセグメントを備えていることを要旨とする。
【0025】
この発明においては、6極8スロット24セグメントのモータであるため、加えて振動が小さくなる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図1に示すように、モータ(直流モータ)1は、固定子2及び電機子3を備えている。固定子2は、有底円筒状をなすヨーク4と、磁極を構成する複数(本実施形態において6個)のマグネット5とを備えている。各マグネット5は、ヨーク4の内周面において等角度間隔に配置されている。ヨーク4の開口部にはエンドフレーム6が取り付けられている。
【0027】
電機子3は、回転軸7、整流子8及び回転子コア(コア)9を備えている。整流子8は回転軸7の一端に固定されており、コア9は回転軸7の中央部に固定されている。回転軸7は、ヨーク4の底部中央及びエンドフレーム6の中央部に設けられた軸受10によって回転可能に支持されている。コア9は、マグネット5に囲まれた状態でヨーク4内に回転可能に収容されている。
【0028】
整流子8は、略円筒状に形成された絶縁体11を備えている。絶縁体11の外周面には、複数個(本実施形態において24個)のセグメント12が配置されている。絶縁体11には、同電位のセグメント12同士を短絡する短絡線13が設けられている。各セグメント12には、ヨーク4内に設けられたブラシ14が摺接するとともに、短絡線13が結線されている。
【0029】
本実施形態では、1本の短絡線13によって同電位となる3つのセグメント12が短絡されている。図2に示すように、本実施形態のブラシ付き直流モータ1は6極8スロットであるため、24個のセグメント12において8個おきに配置されるセグメント12が同電位となる。
【0030】
図3に示すように、コア9は、中心コア15及び複数(本実施形態において8本)のティース16を備えている。各ティース16は、中心コア15の外周から放射状に延出されており、それぞれ等角度間隔に配置されている。それにより、各ティース16間には8個のスロット17が形成される。中心コア15は、中心孔18を有する内環部19と、同内環部19の外周に配設された外環部20とからなり、外環部20の外周には各ティース16が接続されている。内環部19は、磁路の断面積が必要量確保できる範囲内で、外環部20よりも肉薄に形成されている。よって、中心コア15の上面及び下面には、内環部19及び外環部20により環状の凹部21が形成される。
【0031】
各ティース16は、巻線巻回部としてのティース本体22及び傘部23を備えている。ティース本体22は、外環部20の外周に接続されており、その先端は外方に延出されている。図1に示すように、各ティース本体22には、同ティース本体22に装着された絶縁部としてのインシュレータ24を介して巻線25が巻回されている。図2に示すように、各インシュレータ24の先端部には、巻線25を仮止めするために2つの突起26が形成されている。各突起26は、それぞれコア9の軸方向において同じ側に配置されている。ティース本体22に巻回された巻線25の端部は、突起26を介して引き出され、前記短絡線13を介して対応する前記セグメント12に接続されるようになっている。図3に示すように、傘部23は、ティース本体22の先端に設けられており、周方向及び軸方向に沿ってフランジ状に延設されている。
【0032】
図4に示すように、前記コア9は、第1の分割コア部材としての第1コア部材27と第2の分割コア部材としての第2コア部材28とを互いに組み付けることにより形成されている。第1コア部材27及び第2コア部材28は、それぞれ磁性粉体によって一体に圧縮成形されている。なお、第1コア部材27及び第2コア部材28は、金属板を積層することによって形成されていてもよい。
【0033】
第1コア部材27は、中心孔18aを有する第1内環部19aと、同第1内環部19aの外周面に接続される第1外環部20aとを備えている。第1外環部20aの外周面には、4本の前記ティース16が等角度間隔(90°)に配置されている。つまり、第1コア部材27には、コア9を構成する全ティース16の半数が設けられている。
【0034】
第1外環部20aの外周部における肉厚は、各ティース16の基端部における肉厚の半分となっている。第1外環部20aの外周部上面は、各ティース16の基端部上面と面一となっている。つまり、第1内環部19a及び第1外環部20aは、各ティース16の厚さ方向において上側に配置されている。
【0035】
第1外環部20aには4つの切欠29aが形成されている。各切欠29aは、同各切欠29a及び各ティース16が交互に等角度間隔(45°)に配置されるように、隣接する各ティース16の間に設けられている。コア9の形成時において、各切欠29aには第2コア部材28の後記する各連結突部31bが係合するようになっている。
【0036】
また、第1外環部20aの裏面30には、4つの連結突部31aが設けられている。各連結突部31aの外周部は各ティース16の基端部に接続され、各連結突部31aの内周部は第1内環部19a側に延設されている。各連結突部31aは、内周部に行くに従って幅狭となる楔状をなしている。各連結突部31aの外周部における肉厚は、各ティース16の基端部における肉厚の半分となっている。各連結突部31aの外周部下面は、各ティース16の基端部下面と面一となっている。つまり、各連結突部31aは、各ティース16の厚さ方向において下側に配置されている。そして、第1内環部19a、第1外環部20a及び各連結突部31aにより、第1コア部材27と第2コア部材28とを互いに組み付けるための係合凹部27aが構成される。
【0037】
前記第2コア部材28は、中心孔18bを有する第2内環部19bと、同第2内環部19bの外周側に接続される第2外環部20bとを備えている。第2外環部20bの外周側には、4本のティース16が等角度間隔(90°)に配置されている。つまり、第2コア部材28には、前記コア9を構成する全ティース16の半数が設けられている。
【0038】
第2外環部20bの外周部における肉厚は、各ティース16の基端部における肉厚の半分となっている。第2外環部20bの外周部下面は、各ティース16の基端部下面と面一となっている。つまり、第2内環部19b及び第2外環部20bは、各ティース16の厚さ方向において下側に配置されている。
【0039】
第2外環部20bには4つの切欠29bが形成されている。各切欠29bは、同各切欠29b及び各ティース16が交互に等角度間隔(45°)に配置されるように、隣接する各ティース16の間に設けられている。コア9の形成時において、各切欠29bには、前記第1コア部材27の前記各連結突部31aが係合するようになっている。
【0040】
また、第2外環部20bの裏面32には、4つの連結突部31bが設けられている。各連結突部31bの外周部は各ティース16の基端部に接続され、各連結突部31bの内周部は第2内環部19b側に延設されている。各連結突部31bは、内周部に行くに従って幅狭となる楔状をなしている。各連結突部31bの外周部における肉厚は、各ティース16の基端部における肉厚の半分となっている。各連結突部31bの外周部上面は、各ティース16の基端部上面と面一となっている。つまり、各連結突部31bは、各ティース16の厚さ方向において上側に配置されている。コア9の形成時において、各連結突部31bは、第1コア部材27の前記各切欠29aに係合するようになっている。そして、第2内環部19b、第2外環部20b及び各連結突部31bにより、第1コア部材27と第2コア部材28とを互いに組み付けるための係合凹部28aが構成される。即ち、第1コア部材27及び第2コア部材28の構成は互いに同一となっている。
【0041】
次に、各ティース16に巻線25を巻回するのに用いられる巻線巻回装置について説明する。
図5に示すように、巻線巻回装置33は、図示しない2つの巻線供給部、2つのプーリ34、2つの案内部材35及び2つの治具36を備えている。各巻線供給部から引き出された巻線25は、プーリ34及び案内部材35を介して、治具36によって保持される第1コア部材27側(または第2コア部材28側)に送出されるようになっている。
【0042】
各治具36は、巻線25の送出方向において各案内部材35の下流側に配置されている。各治具36はティース保持部37及び回転軸38を備えている。ティース保持部37に形成される保持凹部37aは、各ティース16の前記傘部23と対応する形状をなしている。各ティース保持部37は、第1コア部材27(または第2コア部材28)において互いに反対側に位置するティース16をそれぞれ保持するようになっている。それにより、第1コア部材27(または第2コア部材28)が2つの治具36によって保持される。つまり、各治具36は、保持凹部37aが互いに対向するように設けられ、両治具36間に第1コア部材27(または第2コア部材28)が保持される。
【0043】
回転軸38は、ティース保持部37において保持凹部37aの裏面側に突設されており、図示しない駆動用モータの回転軸に連結されている。各治具36は、駆動用モータの駆動によってそれぞれ同一方向(矢印F1方向)に回転するようになっている。これら治具36の回転とともに第1コア部材27(または第2コア部材28)が回転することにより、ティース保持部37によって保持された2つのティース16のそれぞれに対して巻線25が同時に巻回(ボビン巻き)される。
【0044】
各案内部材35は、巻線25の送出方向において前記各プーリ34の下流側に配置されている。各案内部材35は、前記巻線供給部から引き出された巻線25を案内するためのものである。各案内部材35は、回転軸38の軸方向(矢印F2方向)に沿って移動するようになっている。
【0045】
巻回動作において、各案内部材35は、前記ティース本体22の基端から先端まで巻線25を案内するようになっている。巻回動作は、ティース本体22に巻線25を巻回する動作である。ティース本体22の基端は、同ティース本体22と前記第1外環部20a(または前記第2外環部20b)との接続部分であり、ティース本体22の先端は、同ティース本体22と前記傘部23との接続部分である。それにより、ティース本体22に対して巻線25が均一の厚さに巻回される。
【0046】
結線動作において、各案内部材35は、前記インシュレータ24の先端部に形成された前記突起26に巻線25を案内するようになっている。結線動作は、巻線25の巻回前及び巻回後において、巻線25を突起26に仮止めする動作である。
【0047】
次に、巻線巻回装置33における電機子3の製造方法を説明する。
まず、第1コア部材27及び第2コア部材28の各ティース16に対してインシュレータ24を装着する。第1コア部材27に装着されるインシュレータ24の突起26は、係合凹部27aが設けられている側とは反対側に配置されている。ゆえに、第1コア部材27のティース本体22に巻回される巻線25の端部は、係合凹部27aが設けられている側とは反対側に引き出される。第2コア部材28に装着されるインシュレータ24の突起26は、係合凹部28aが設けられている側に配置されている。ゆえに、第2コア部材28のティース本体22に巻回される巻線25の端部は、係合凹部28aが設けられている側に引き出される。そして、前記治具36によって第1コア部材27(または第2コア部材28)において互いに反対側に位置するティース16をそれぞれ保持させる。
【0048】
巻回動作において、各巻線供給部から引き出された巻線25は、プーリ34及び案内部材35を介して第1コア部材27(または第2コア部材28)に送出され、各治具36を回転させることによって同治具36に保持された2つのティース16に同時に巻回されていく。なお、第1コア部材27(または第2コア部材28)は隣接するティース16の間隔が広い(各ティース16は90°毎に配置されている)ため、巻線供給部から引き出された巻線25に傘部23が接触することはない。
【0049】
2つのティース16において巻線25の巻回が終了すると、結線動作において、巻線25が案内部材35によって突起26に案内され、各治具36が巻回動作の場合とは反対方向(図5に示す矢印F3方向)に回転されることにより、巻線25が突起26に仮止めされる。なお、巻線25の巻回前における結線動作も同様に行われる。
【0050】
そして、巻線25の端部を所定の長さで切断した後、巻線25が巻回されていない残り2つのティース16をティース保持部37で保持し、再び巻回動作及び結線動作を行う。その後、全てのティース16において巻線25の巻回動作及び結線動作を行うことにより、第1コア部材27(または第2コア部材28)に対する巻線25の巻回が完了する。
【0051】
次に、第1コア部材27の第1内環部19aと第2コア部材28の第2内環部19bとを軸線が一致するように配置し、それぞれのティース16の位置が円周方向に45°ずれた状態で第1コア部材27と第2コア部材28とを互いに組み付けることにより、コア9が形成される。詳しくは、第1コア部材27の連結突部31aが第2コア部材28の切欠29bに嵌め込まれるとともに、第2コア部材28の連結突部31bが第1コア部材27の切欠29aに嵌め込まれることにより、第1コア部材27と第2コア部材28とが連結される。
【0052】
そして、第1内環部19aと第2内環部19bにより中心コア15の内環部19が形成され、第1外環部20a、第2外環部20b及び連結突部31a,31bにより外環部20が形成される。その結果、内環部19及び外環部20により形成される中心コア15の外周には各ティース16が等角度間隔に配置される。
【0053】
そして、第1コア部材27及び第2コア部材28は、それぞれの連結突部31a,31bをそれぞれの切欠29b,29aに嵌め込むように連結されるため、各コア部材27,28の突起26は軸方向において同じ側に配置され、それによって各巻線25の端部が同一方向に引き出される。
【0054】
その後、回転軸7にコア9及び整流子8を固定し、各巻線25の端部を短絡線13に接続する。短絡線13は整流子8の対応するセグメント12と接続されている。従って、各巻線25は、短絡線13を介して対応するセグメント12に電気的に接続され、電機子3が完成する。
【0055】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)治具36の回転とともに、第1コア部材27または第2コア部材28が回転することにより、ティース16に巻線25が巻回される。そのため、例えばノズルを回転させてティース16に巻線25を巻回する場合のように、巻線25が複雑な動作で巻回されることがなくなるため、巻線25の巻回速度を向上させるのが容易になり、直流モータ1の生産性向上が可能となる。
【0056】
また、コア9は、第1コア部材27及び第2コア部材28にそれぞれ巻線25を巻回した後、互いに組み付けることによって形成されるため、隣接するティース16間に形成されるスロット17内に、ノズルの挿入スペースを確保する必要がなくなる。つまり、スロット17内には巻線25の収容スペースだけが確保されていればよい。その結果、スロット17内の本来デッドスペースとなる空間にも巻線25を収容することができるため、巻線25の占積率が高くなり、直流モータ1の高占積化が可能となる。
【0057】
(2)2つのティース16がそれぞれ治具36で保持されるため、一つのティース16だけが治具36で保持される場合に比べて、第1コア部材27または第2コア部材28をブレなく回転させることができる。しかも、互いに反対側に位置するティース16がそれぞれ治具36で保持されるため、巻線25をティース16の幅方向とほぼ同一方向に送出させることが可能となり、ティース16に巻線25を均一の厚さに巻回するのが容易になる。よって、巻線25の巻回が安定して行われるため、直流モータ1の生産性をより一層向上させることができる。
【0058】
(3)各案内部材35は、巻線25が巻回されているティース16の軸方向(矢印F2方向)に沿って移動することにより、巻線供給部から引き出された巻線25を案内するためのものである。そのため、治具36の回転とともに案内部材35を移動させることにより、各ティース16に巻線25を整列させて均一の厚さに巻回させることができるため、巻線25の占積率が向上する。
【0059】
(4)各治具36の回転とともに第1コア部材27または第2コア部材28が回転することにより、ティース保持部37によって保持された2つのティース16のそれぞれに対して巻線25が同時に巻回(ボビン巻き)される。よって、一つのティース16毎に順次巻線25を巻回した場合に比べ、第1コア部材27または第2コア部材28に対して2倍の速度で巻線25を巻回させることができる。従って、直流モータ1の生産性をより一層向上させることができる。
【0060】
(5)巻線巻回装置33は、各ティース16に巻線25を巻回させる動作(巻回動作)だけでなく、突起26に仮止めする動作(結線動作)も行うため、直流モータ1の生産性をより一層向上させることができる。
【0061】
(6)組み付け前のコア9が分割されている状態、即ち第1コア部材27及び第2コア部材28においては、隣接するティース16の間隔が広い(各ティース16は90°毎に配置されている)。即ち、傘部23は、ティース本体22の延出方向と直交する方向において、ティース本体22の基端から先端までの範囲に存在しないように配置されている。そのため、傘部23が巻線供給部から引き出された巻線25が傘部23に接触することはない。よって、巻線25の巻回時の制約が少なくなるため、直流モータ1の生産性をより一層向上させることができる。
【0062】
(7)第1コア部材27に装着されるインシュレータ24の突起26は、係合凹部27aが設けられている側とは反対側に配置されており、第2コア部材28に装着されるインシュレータ24の突起26は、係合凹部28aが設けられている側に配置されている。よって、第1コア部材27と第2コア部材28とを互いに組み付けると、第1コア部材27に巻回される巻線25の端部と第2コア部材28に巻回される巻線25の端部とが同一方向に引き出される。そのため、各巻線25を整流子8の各セグメント12に接続するのが容易になる。
【0063】
(8)ヨーク4の内周面には6個のマグネット5が等角度間隔に配置され、コア9には8本のティース16が等角度間隔に配置され、各ティース16間には8個のスロット17が形成される。そして、整流子8の絶縁体11の外周面には、24個のセグメント12が配置される。即ち、6極8スロット24セグメントの直流モータ1である。従って、軸対象の各スロット17間においてトルクベクトルの大きさが等しく相反するため、回転子である電機子3の振動が防止される。その結果、振動の小さい直流モータ1を提供することができる。
【0064】
なお、前記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態では、第1コア部材27または第2コア部材28において互いに反対側に位置するティース16がそれぞれ治具36で保持されていた。しかし、一方のティース16だけを一つの治具36で保持するようにしてもよい。
【0065】
また、図6に示すように、第1コア部材27及び第2コア部材28がそれぞれ奇数個(例えば3個)のティース16を有している場合、一方の治具36の形状を変更して治具36aを形成し、2つの治具36,36aで第1コア部材27または第2コア部材28を保持するようにしてもよい。このように構成した場合、巻線25は一つのティース16毎に巻回されるようになる。
【0066】
・前記実施形態では、第1コア部材27または第2コア部材28の2つのティース16のそれぞれに、巻線25が同時に巻回されるようになっていた。しかし、一つのティース16毎に順次巻線25を巻回するようにしてもよい。
【0067】
・前記実施形態において、案内部材35は移動するものでなくてもよい。また、案内部材35は省略されていてもよい。
・前記実施形態において、第1コア部材27及び第2コア部材28に装着されるインシュレータ24の突起26を、係合凹部27a,28aが設けられている側に配置してもよい。そして、第1コア部材27及び第2コア部材28のティース本体22に巻回された巻線25の端部を、それぞれ係合凹部27a,28aが設けられている側に引き出すようにしてもよい。
【0068】
・前記実施形態では、ティース16の数を8本としたが、その他の本数でもよく、マグネット5の数も6個でなくともよい。即ち、直流モータ1に、6極8スロット24セグメント以外の他のレイアウトが採用されていてもよい。
【0069】
・前記実施形態では、ブラシ付き直流モータ1に具体化したが、ブラシレス直流モータ等の他のモータに具体化してもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、モータの生産性向上が可能となる。また、モータの高占積化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における直流モータの側断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】コアの斜視図。
【図4】第1コア部材及び第2コア部材の斜視図。
【図5】巻線巻回装置の概略図。
【図6】他の実施形態における巻線巻回装置の概略図。
【図7】従来技術における回転子コアの正面図。
【符号の説明】
1…モータ(直流モータ)、3…電機子、5…マグネット、8…整流子、9…回転子コア(コア)、12…セグメント、16…ティース、17…スロット、22…巻線巻回部としてのティース本体、23…傘部、24…絶縁部としてのインシュレータ、25…巻線、26…突起、27…第1の分割コア部材としての第1コア部材、27a…係合凹部、28…第2の分割コア部材としての第2コア部材、28a…係合凹部、35…案内部材、36,36a…治具。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電機子の巻線方法、回転子コア及びモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図7に示すように、モータの回転子コア41には複数のティース42が放射状に延出され、各ティース42には巻線43が巻回されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−19095号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、モータの小型化、高性能化の要請に応えるため、モータのコアにおいては、巻線の高密度化及び巻線収容率の向上が求められている。しかしながら、図7の回転子コア41では、隣接するティース42間に形成されるスロットS1内に、巻線43の収容スペースだけでなくノズルの挿入スペースを確保することが必要になる。そのため、巻線43の占積率が低くなってしまうという問題がある。また、ノズルは、ティース42の外周面に沿って四角形の軌跡を描くように移動することにより巻線43を巻回させるため、巻回速度を向上させるのが困難である。ゆえに、モータの生産性が低くなってしまう。
【0005】
また、フライヤにて巻線43を高速で巻回させる場合は、モータの生産性向上が可能になるが、各ティース42に対して巻線43を整列させて巻回することが困難であるため、巻線43の占積率を高くすることができないという問題がある。
【0006】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、生産性向上及び高占積化が可能な電機子の巻線方法、回転子コア及びモータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、巻線が巻回される巻線巻回部を備える複数のティースが放射状に延出され、前記全ティースの半数ずつがそれぞれ等角度間隔に配置される第1の分割コア部材及び第2の分割コア部材を互いに組み付けることにより形成される回転子コアを備えた電機子に巻線を巻回する電機子の巻線方法であって、前記ティースの少なくとも一つを治具で保持して前記第1の分割コア部材及び前記第2の分割コア部材のそれぞれを前記治具とともに回転させ前記ティースに前記巻線を巻回することを要旨とする。
【0008】
この発明においては、治具の回転とともに、第1の分割コア部材または第2の分割コア部材が回転することにより、ティースに巻線が巻回される。そのため、ノズルでティースに巻線を巻回する場合に比べ、巻線の巻回速度を向上させるのが容易になるため、モータの生産性向上が可能となる。
【0009】
また、回転子コアは、第1の分割コア部材及び第2の分割コア部材にそれぞれ巻線を巻回した後、互いに組み付けることによって形成されるため、隣接するティース間に形成されるスロット内に、巻線の収容スペースだけを確保すれば済む。その結果、巻線の占積率が高くなるため、モータの高占積化が可能となる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記第1の分割コア部材または前記第2の分割コア部材において互いに反対側に位置するティースをそれぞれ前記治具で保持することを要旨とする。
【0011】
この発明においては、互いに反対側に位置するティースがそれぞれ治具で保持されるため、第1の分割コア部材または第2の分割コア部材をブレなく回転させることができる。よって、巻線の巻回が安定して行われるため、モータの生産性をより一層向上させることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記巻線が巻回される工程において、巻線供給部から引き出された巻線を案内する案内部材を、前記巻線が巻回されているティースの軸方向に沿って移動させることを要旨とする。
【0013】
この発明においては、案内部材を移動させることにより、各ティースに巻線を整列させて均一の厚さに巻回させることができるため、巻線の占積率が向上する。
【0014】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記第1の分割コア部材または前記第2の分割コア部材において互いに反対側に位置するティースのそれぞれに、前記巻線が同時に巻回されることを要旨とする。
【0015】
この発明においては、一つのティース毎に順次巻線を巻回した場合に比べ、第1の分割コア部材または第2の分割コア部材に対して2倍の速度で巻線を巻回させることができる。よって、モータの生産性をより一層向上させることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明において、巻線巻回前及び巻線巻回後において、前記巻線の端部は、前記ティースに設けられた突起に仮止めされた後、所定の長さに切断されることを要旨とする。
【0017】
この発明においては、各ティースに巻線が巻回されるだけでなく、突起に仮止めされて切断されるため、モータの生産性をより一層向上させることができる。請求項6に記載の発明では、巻線が巻回される巻線巻回部と同巻線巻回部の先端に設けられた傘部とを備える複数のティースが放射状に延出され、前記全ティースの半数ずつがそれぞれ等角度間隔に配置される第1の分割コア部材及び第2の分割コア部材を互いに組み付けることにより形成される回転子コアであって、前記ティースの少なくとも一つを治具で保持して前記第1の分割コア部材及び前記第2の分割コア部材のそれぞれを前記治具とともに回転させることにより、前記ティースに前記巻線が巻回されるようになっており、前記傘部は、前記巻線巻回部の延出方向と直交する方向において、前記巻線巻回部の基端から先端までの範囲に存在しないように配置されていることを要旨とする。
【0018】
この発明においては、治具の回転とともに、第1の分割コア部材または第2の分割コア部材が回転することにより、ティースに巻線が巻回される。そのため、巻回されないティースの傘部が、案内部材と第1の分割コア部材または第2の分割コア部材との間に存在する巻線に干渉しないため、より一層巻線の巻回速度を向上させるのが容易になり、モータの生産性向上が可能となる。
【0019】
また、回転子コアは、第1の分割コア部材及び第2の分割コア部材にそれぞれ巻線を巻回した後、互いに組み付けることによって形成されるため、隣接するティース間に形成されるスロット内に、巻線の収容スペースだけを確保すれば済む。その結果、巻線の占積率が高くなるため、モータの高占積化が可能となる。
【0020】
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の発明において、前記第1の分割コア部材及び前記第2の分割コア部材に、前記第1の分割コア部材と前記第2の分割コア部材とを互いに組み付けるための係合凹部がそれぞれ設けられ、前記ティースに形成された絶縁部に突起が設けられ、前記第1の分割コア部材及び前記第2の分割コア部材のいずれか一方の突起は前記係合凹部が設けられている側に配置され、他方の突起は前記係合凹部が設けられている側とは反対側に配置されることを要旨とする。
【0021】
この発明においては、第1の分割コア部材と第2の分割コア部材とを互いに組み付けると、第1の分割コア部材に巻回される巻線の端部と第2の分割コア部材に巻回される巻線の端部とが同一方向に引き出される。そのため、巻線を整流子に接続するのが容易になる。
【0022】
請求項8に記載の発明では、請求項6または請求項7に記載の回転子コアを備え、前記巻線の端部は整流子に接続されていることを要旨とする。
この発明においては、治具の回転とともに、第1の分割コア部材または第2の分割コア部材が回転することにより、ティースに巻線が巻回される。そのため、ノズルでティースに巻線を巻回する場合に比べ、巻線の巻回速度を向上させるのが容易になるため、モータの生産性向上が可能となる。
【0023】
また、回転子コアは、第1の分割コア部材及び第2の分割コア部材にそれぞれ巻線を巻回した後、互いに組み付けることによって形成されるため、隣接するティース間に形成されるスロット内に、巻線の収容スペースだけを確保すれば済む。その結果、巻線の占積率が高くなるため、モータの高占積化が可能となる。
【0024】
請求項9に記載の発明では、請求項8に記載の発明において、6個のマグネットを備え、前記回転子コアは、前記巻線が巻回される8本の前記ティースを有し、同各ティースにより形成される8つのスロットを備え、前記整流子は24個のセグメントを備えていることを要旨とする。
【0025】
この発明においては、6極8スロット24セグメントのモータであるため、加えて振動が小さくなる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図1に示すように、モータ(直流モータ)1は、固定子2及び電機子3を備えている。固定子2は、有底円筒状をなすヨーク4と、磁極を構成する複数(本実施形態において6個)のマグネット5とを備えている。各マグネット5は、ヨーク4の内周面において等角度間隔に配置されている。ヨーク4の開口部にはエンドフレーム6が取り付けられている。
【0027】
電機子3は、回転軸7、整流子8及び回転子コア(コア)9を備えている。整流子8は回転軸7の一端に固定されており、コア9は回転軸7の中央部に固定されている。回転軸7は、ヨーク4の底部中央及びエンドフレーム6の中央部に設けられた軸受10によって回転可能に支持されている。コア9は、マグネット5に囲まれた状態でヨーク4内に回転可能に収容されている。
【0028】
整流子8は、略円筒状に形成された絶縁体11を備えている。絶縁体11の外周面には、複数個(本実施形態において24個)のセグメント12が配置されている。絶縁体11には、同電位のセグメント12同士を短絡する短絡線13が設けられている。各セグメント12には、ヨーク4内に設けられたブラシ14が摺接するとともに、短絡線13が結線されている。
【0029】
本実施形態では、1本の短絡線13によって同電位となる3つのセグメント12が短絡されている。図2に示すように、本実施形態のブラシ付き直流モータ1は6極8スロットであるため、24個のセグメント12において8個おきに配置されるセグメント12が同電位となる。
【0030】
図3に示すように、コア9は、中心コア15及び複数(本実施形態において8本)のティース16を備えている。各ティース16は、中心コア15の外周から放射状に延出されており、それぞれ等角度間隔に配置されている。それにより、各ティース16間には8個のスロット17が形成される。中心コア15は、中心孔18を有する内環部19と、同内環部19の外周に配設された外環部20とからなり、外環部20の外周には各ティース16が接続されている。内環部19は、磁路の断面積が必要量確保できる範囲内で、外環部20よりも肉薄に形成されている。よって、中心コア15の上面及び下面には、内環部19及び外環部20により環状の凹部21が形成される。
【0031】
各ティース16は、巻線巻回部としてのティース本体22及び傘部23を備えている。ティース本体22は、外環部20の外周に接続されており、その先端は外方に延出されている。図1に示すように、各ティース本体22には、同ティース本体22に装着された絶縁部としてのインシュレータ24を介して巻線25が巻回されている。図2に示すように、各インシュレータ24の先端部には、巻線25を仮止めするために2つの突起26が形成されている。各突起26は、それぞれコア9の軸方向において同じ側に配置されている。ティース本体22に巻回された巻線25の端部は、突起26を介して引き出され、前記短絡線13を介して対応する前記セグメント12に接続されるようになっている。図3に示すように、傘部23は、ティース本体22の先端に設けられており、周方向及び軸方向に沿ってフランジ状に延設されている。
【0032】
図4に示すように、前記コア9は、第1の分割コア部材としての第1コア部材27と第2の分割コア部材としての第2コア部材28とを互いに組み付けることにより形成されている。第1コア部材27及び第2コア部材28は、それぞれ磁性粉体によって一体に圧縮成形されている。なお、第1コア部材27及び第2コア部材28は、金属板を積層することによって形成されていてもよい。
【0033】
第1コア部材27は、中心孔18aを有する第1内環部19aと、同第1内環部19aの外周面に接続される第1外環部20aとを備えている。第1外環部20aの外周面には、4本の前記ティース16が等角度間隔(90°)に配置されている。つまり、第1コア部材27には、コア9を構成する全ティース16の半数が設けられている。
【0034】
第1外環部20aの外周部における肉厚は、各ティース16の基端部における肉厚の半分となっている。第1外環部20aの外周部上面は、各ティース16の基端部上面と面一となっている。つまり、第1内環部19a及び第1外環部20aは、各ティース16の厚さ方向において上側に配置されている。
【0035】
第1外環部20aには4つの切欠29aが形成されている。各切欠29aは、同各切欠29a及び各ティース16が交互に等角度間隔(45°)に配置されるように、隣接する各ティース16の間に設けられている。コア9の形成時において、各切欠29aには第2コア部材28の後記する各連結突部31bが係合するようになっている。
【0036】
また、第1外環部20aの裏面30には、4つの連結突部31aが設けられている。各連結突部31aの外周部は各ティース16の基端部に接続され、各連結突部31aの内周部は第1内環部19a側に延設されている。各連結突部31aは、内周部に行くに従って幅狭となる楔状をなしている。各連結突部31aの外周部における肉厚は、各ティース16の基端部における肉厚の半分となっている。各連結突部31aの外周部下面は、各ティース16の基端部下面と面一となっている。つまり、各連結突部31aは、各ティース16の厚さ方向において下側に配置されている。そして、第1内環部19a、第1外環部20a及び各連結突部31aにより、第1コア部材27と第2コア部材28とを互いに組み付けるための係合凹部27aが構成される。
【0037】
前記第2コア部材28は、中心孔18bを有する第2内環部19bと、同第2内環部19bの外周側に接続される第2外環部20bとを備えている。第2外環部20bの外周側には、4本のティース16が等角度間隔(90°)に配置されている。つまり、第2コア部材28には、前記コア9を構成する全ティース16の半数が設けられている。
【0038】
第2外環部20bの外周部における肉厚は、各ティース16の基端部における肉厚の半分となっている。第2外環部20bの外周部下面は、各ティース16の基端部下面と面一となっている。つまり、第2内環部19b及び第2外環部20bは、各ティース16の厚さ方向において下側に配置されている。
【0039】
第2外環部20bには4つの切欠29bが形成されている。各切欠29bは、同各切欠29b及び各ティース16が交互に等角度間隔(45°)に配置されるように、隣接する各ティース16の間に設けられている。コア9の形成時において、各切欠29bには、前記第1コア部材27の前記各連結突部31aが係合するようになっている。
【0040】
また、第2外環部20bの裏面32には、4つの連結突部31bが設けられている。各連結突部31bの外周部は各ティース16の基端部に接続され、各連結突部31bの内周部は第2内環部19b側に延設されている。各連結突部31bは、内周部に行くに従って幅狭となる楔状をなしている。各連結突部31bの外周部における肉厚は、各ティース16の基端部における肉厚の半分となっている。各連結突部31bの外周部上面は、各ティース16の基端部上面と面一となっている。つまり、各連結突部31bは、各ティース16の厚さ方向において上側に配置されている。コア9の形成時において、各連結突部31bは、第1コア部材27の前記各切欠29aに係合するようになっている。そして、第2内環部19b、第2外環部20b及び各連結突部31bにより、第1コア部材27と第2コア部材28とを互いに組み付けるための係合凹部28aが構成される。即ち、第1コア部材27及び第2コア部材28の構成は互いに同一となっている。
【0041】
次に、各ティース16に巻線25を巻回するのに用いられる巻線巻回装置について説明する。
図5に示すように、巻線巻回装置33は、図示しない2つの巻線供給部、2つのプーリ34、2つの案内部材35及び2つの治具36を備えている。各巻線供給部から引き出された巻線25は、プーリ34及び案内部材35を介して、治具36によって保持される第1コア部材27側(または第2コア部材28側)に送出されるようになっている。
【0042】
各治具36は、巻線25の送出方向において各案内部材35の下流側に配置されている。各治具36はティース保持部37及び回転軸38を備えている。ティース保持部37に形成される保持凹部37aは、各ティース16の前記傘部23と対応する形状をなしている。各ティース保持部37は、第1コア部材27(または第2コア部材28)において互いに反対側に位置するティース16をそれぞれ保持するようになっている。それにより、第1コア部材27(または第2コア部材28)が2つの治具36によって保持される。つまり、各治具36は、保持凹部37aが互いに対向するように設けられ、両治具36間に第1コア部材27(または第2コア部材28)が保持される。
【0043】
回転軸38は、ティース保持部37において保持凹部37aの裏面側に突設されており、図示しない駆動用モータの回転軸に連結されている。各治具36は、駆動用モータの駆動によってそれぞれ同一方向(矢印F1方向)に回転するようになっている。これら治具36の回転とともに第1コア部材27(または第2コア部材28)が回転することにより、ティース保持部37によって保持された2つのティース16のそれぞれに対して巻線25が同時に巻回(ボビン巻き)される。
【0044】
各案内部材35は、巻線25の送出方向において前記各プーリ34の下流側に配置されている。各案内部材35は、前記巻線供給部から引き出された巻線25を案内するためのものである。各案内部材35は、回転軸38の軸方向(矢印F2方向)に沿って移動するようになっている。
【0045】
巻回動作において、各案内部材35は、前記ティース本体22の基端から先端まで巻線25を案内するようになっている。巻回動作は、ティース本体22に巻線25を巻回する動作である。ティース本体22の基端は、同ティース本体22と前記第1外環部20a(または前記第2外環部20b)との接続部分であり、ティース本体22の先端は、同ティース本体22と前記傘部23との接続部分である。それにより、ティース本体22に対して巻線25が均一の厚さに巻回される。
【0046】
結線動作において、各案内部材35は、前記インシュレータ24の先端部に形成された前記突起26に巻線25を案内するようになっている。結線動作は、巻線25の巻回前及び巻回後において、巻線25を突起26に仮止めする動作である。
【0047】
次に、巻線巻回装置33における電機子3の製造方法を説明する。
まず、第1コア部材27及び第2コア部材28の各ティース16に対してインシュレータ24を装着する。第1コア部材27に装着されるインシュレータ24の突起26は、係合凹部27aが設けられている側とは反対側に配置されている。ゆえに、第1コア部材27のティース本体22に巻回される巻線25の端部は、係合凹部27aが設けられている側とは反対側に引き出される。第2コア部材28に装着されるインシュレータ24の突起26は、係合凹部28aが設けられている側に配置されている。ゆえに、第2コア部材28のティース本体22に巻回される巻線25の端部は、係合凹部28aが設けられている側に引き出される。そして、前記治具36によって第1コア部材27(または第2コア部材28)において互いに反対側に位置するティース16をそれぞれ保持させる。
【0048】
巻回動作において、各巻線供給部から引き出された巻線25は、プーリ34及び案内部材35を介して第1コア部材27(または第2コア部材28)に送出され、各治具36を回転させることによって同治具36に保持された2つのティース16に同時に巻回されていく。なお、第1コア部材27(または第2コア部材28)は隣接するティース16の間隔が広い(各ティース16は90°毎に配置されている)ため、巻線供給部から引き出された巻線25に傘部23が接触することはない。
【0049】
2つのティース16において巻線25の巻回が終了すると、結線動作において、巻線25が案内部材35によって突起26に案内され、各治具36が巻回動作の場合とは反対方向(図5に示す矢印F3方向)に回転されることにより、巻線25が突起26に仮止めされる。なお、巻線25の巻回前における結線動作も同様に行われる。
【0050】
そして、巻線25の端部を所定の長さで切断した後、巻線25が巻回されていない残り2つのティース16をティース保持部37で保持し、再び巻回動作及び結線動作を行う。その後、全てのティース16において巻線25の巻回動作及び結線動作を行うことにより、第1コア部材27(または第2コア部材28)に対する巻線25の巻回が完了する。
【0051】
次に、第1コア部材27の第1内環部19aと第2コア部材28の第2内環部19bとを軸線が一致するように配置し、それぞれのティース16の位置が円周方向に45°ずれた状態で第1コア部材27と第2コア部材28とを互いに組み付けることにより、コア9が形成される。詳しくは、第1コア部材27の連結突部31aが第2コア部材28の切欠29bに嵌め込まれるとともに、第2コア部材28の連結突部31bが第1コア部材27の切欠29aに嵌め込まれることにより、第1コア部材27と第2コア部材28とが連結される。
【0052】
そして、第1内環部19aと第2内環部19bにより中心コア15の内環部19が形成され、第1外環部20a、第2外環部20b及び連結突部31a,31bにより外環部20が形成される。その結果、内環部19及び外環部20により形成される中心コア15の外周には各ティース16が等角度間隔に配置される。
【0053】
そして、第1コア部材27及び第2コア部材28は、それぞれの連結突部31a,31bをそれぞれの切欠29b,29aに嵌め込むように連結されるため、各コア部材27,28の突起26は軸方向において同じ側に配置され、それによって各巻線25の端部が同一方向に引き出される。
【0054】
その後、回転軸7にコア9及び整流子8を固定し、各巻線25の端部を短絡線13に接続する。短絡線13は整流子8の対応するセグメント12と接続されている。従って、各巻線25は、短絡線13を介して対応するセグメント12に電気的に接続され、電機子3が完成する。
【0055】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)治具36の回転とともに、第1コア部材27または第2コア部材28が回転することにより、ティース16に巻線25が巻回される。そのため、例えばノズルを回転させてティース16に巻線25を巻回する場合のように、巻線25が複雑な動作で巻回されることがなくなるため、巻線25の巻回速度を向上させるのが容易になり、直流モータ1の生産性向上が可能となる。
【0056】
また、コア9は、第1コア部材27及び第2コア部材28にそれぞれ巻線25を巻回した後、互いに組み付けることによって形成されるため、隣接するティース16間に形成されるスロット17内に、ノズルの挿入スペースを確保する必要がなくなる。つまり、スロット17内には巻線25の収容スペースだけが確保されていればよい。その結果、スロット17内の本来デッドスペースとなる空間にも巻線25を収容することができるため、巻線25の占積率が高くなり、直流モータ1の高占積化が可能となる。
【0057】
(2)2つのティース16がそれぞれ治具36で保持されるため、一つのティース16だけが治具36で保持される場合に比べて、第1コア部材27または第2コア部材28をブレなく回転させることができる。しかも、互いに反対側に位置するティース16がそれぞれ治具36で保持されるため、巻線25をティース16の幅方向とほぼ同一方向に送出させることが可能となり、ティース16に巻線25を均一の厚さに巻回するのが容易になる。よって、巻線25の巻回が安定して行われるため、直流モータ1の生産性をより一層向上させることができる。
【0058】
(3)各案内部材35は、巻線25が巻回されているティース16の軸方向(矢印F2方向)に沿って移動することにより、巻線供給部から引き出された巻線25を案内するためのものである。そのため、治具36の回転とともに案内部材35を移動させることにより、各ティース16に巻線25を整列させて均一の厚さに巻回させることができるため、巻線25の占積率が向上する。
【0059】
(4)各治具36の回転とともに第1コア部材27または第2コア部材28が回転することにより、ティース保持部37によって保持された2つのティース16のそれぞれに対して巻線25が同時に巻回(ボビン巻き)される。よって、一つのティース16毎に順次巻線25を巻回した場合に比べ、第1コア部材27または第2コア部材28に対して2倍の速度で巻線25を巻回させることができる。従って、直流モータ1の生産性をより一層向上させることができる。
【0060】
(5)巻線巻回装置33は、各ティース16に巻線25を巻回させる動作(巻回動作)だけでなく、突起26に仮止めする動作(結線動作)も行うため、直流モータ1の生産性をより一層向上させることができる。
【0061】
(6)組み付け前のコア9が分割されている状態、即ち第1コア部材27及び第2コア部材28においては、隣接するティース16の間隔が広い(各ティース16は90°毎に配置されている)。即ち、傘部23は、ティース本体22の延出方向と直交する方向において、ティース本体22の基端から先端までの範囲に存在しないように配置されている。そのため、傘部23が巻線供給部から引き出された巻線25が傘部23に接触することはない。よって、巻線25の巻回時の制約が少なくなるため、直流モータ1の生産性をより一層向上させることができる。
【0062】
(7)第1コア部材27に装着されるインシュレータ24の突起26は、係合凹部27aが設けられている側とは反対側に配置されており、第2コア部材28に装着されるインシュレータ24の突起26は、係合凹部28aが設けられている側に配置されている。よって、第1コア部材27と第2コア部材28とを互いに組み付けると、第1コア部材27に巻回される巻線25の端部と第2コア部材28に巻回される巻線25の端部とが同一方向に引き出される。そのため、各巻線25を整流子8の各セグメント12に接続するのが容易になる。
【0063】
(8)ヨーク4の内周面には6個のマグネット5が等角度間隔に配置され、コア9には8本のティース16が等角度間隔に配置され、各ティース16間には8個のスロット17が形成される。そして、整流子8の絶縁体11の外周面には、24個のセグメント12が配置される。即ち、6極8スロット24セグメントの直流モータ1である。従って、軸対象の各スロット17間においてトルクベクトルの大きさが等しく相反するため、回転子である電機子3の振動が防止される。その結果、振動の小さい直流モータ1を提供することができる。
【0064】
なお、前記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態では、第1コア部材27または第2コア部材28において互いに反対側に位置するティース16がそれぞれ治具36で保持されていた。しかし、一方のティース16だけを一つの治具36で保持するようにしてもよい。
【0065】
また、図6に示すように、第1コア部材27及び第2コア部材28がそれぞれ奇数個(例えば3個)のティース16を有している場合、一方の治具36の形状を変更して治具36aを形成し、2つの治具36,36aで第1コア部材27または第2コア部材28を保持するようにしてもよい。このように構成した場合、巻線25は一つのティース16毎に巻回されるようになる。
【0066】
・前記実施形態では、第1コア部材27または第2コア部材28の2つのティース16のそれぞれに、巻線25が同時に巻回されるようになっていた。しかし、一つのティース16毎に順次巻線25を巻回するようにしてもよい。
【0067】
・前記実施形態において、案内部材35は移動するものでなくてもよい。また、案内部材35は省略されていてもよい。
・前記実施形態において、第1コア部材27及び第2コア部材28に装着されるインシュレータ24の突起26を、係合凹部27a,28aが設けられている側に配置してもよい。そして、第1コア部材27及び第2コア部材28のティース本体22に巻回された巻線25の端部を、それぞれ係合凹部27a,28aが設けられている側に引き出すようにしてもよい。
【0068】
・前記実施形態では、ティース16の数を8本としたが、その他の本数でもよく、マグネット5の数も6個でなくともよい。即ち、直流モータ1に、6極8スロット24セグメント以外の他のレイアウトが採用されていてもよい。
【0069】
・前記実施形態では、ブラシ付き直流モータ1に具体化したが、ブラシレス直流モータ等の他のモータに具体化してもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、モータの生産性向上が可能となる。また、モータの高占積化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における直流モータの側断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】コアの斜視図。
【図4】第1コア部材及び第2コア部材の斜視図。
【図5】巻線巻回装置の概略図。
【図6】他の実施形態における巻線巻回装置の概略図。
【図7】従来技術における回転子コアの正面図。
【符号の説明】
1…モータ(直流モータ)、3…電機子、5…マグネット、8…整流子、9…回転子コア(コア)、12…セグメント、16…ティース、17…スロット、22…巻線巻回部としてのティース本体、23…傘部、24…絶縁部としてのインシュレータ、25…巻線、26…突起、27…第1の分割コア部材としての第1コア部材、27a…係合凹部、28…第2の分割コア部材としての第2コア部材、28a…係合凹部、35…案内部材、36,36a…治具。
Claims (9)
- 巻線が巻回される巻線巻回部を備える複数のティースが放射状に延出され、前記全ティースの半数ずつがそれぞれ等角度間隔に配置される第1の分割コア部材及び第2の分割コア部材を互いに組み付けることにより形成される回転子コアを備えた電機子に巻線を巻回する電機子の巻線方法であって、
前記ティースの少なくとも一つを治具で保持して前記第1の分割コア部材及び前記第2の分割コア部材のそれぞれを前記治具とともに回転させ前記ティースに前記巻線を巻回することを特徴とする電機子の巻線方法。 - 前記第1の分割コア部材または前記第2の分割コア部材において互いに反対側に位置するティースをそれぞれ前記治具で保持することを特徴とする請求項1に記載の電機子の巻線方法。
- 前記巻線が巻回される工程において、巻線供給部から引き出された巻線を案内する案内部材を、前記巻線が巻回されているティースの軸方向に沿って移動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電機子の巻線方法。
- 前記第1の分割コア部材または前記第2の分割コア部材において互いに反対側に位置するティースのそれぞれに、前記巻線が同時に巻回されることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の電機子の巻線方法。
- 巻線巻回前及び巻線巻回後において、前記巻線の端部は、前記ティースに設けられた突起に仮止めされた後、所定の長さに切断されることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の電機子の巻線方法。
- 巻線が巻回される巻線巻回部と同巻線巻回部の先端に設けられた傘部とを備える複数のティースが放射状に延出され、前記全ティースの半数ずつがそれぞれ等角度間隔に配置される第1の分割コア部材及び第2の分割コア部材を互いに組み付けることにより形成される回転子コアであって、
前記ティースの少なくとも一つを治具で保持して前記第1の分割コア部材及び前記第2の分割コア部材のそれぞれを前記治具とともに回転させることにより、前記ティースに前記巻線が巻回されるようになっており、
前記傘部は、前記巻線巻回部の延出方向と直交する方向において、前記巻線巻回部の基端から先端までの範囲に存在しないように配置されていることを特徴とする回転子コア。 - 前記第1の分割コア部材及び前記第2の分割コア部材に、前記第1の分割コア部材と前記第2の分割コア部材とを互いに組み付けるための係合凹部がそれぞれ設けられ、
前記ティースに形成された絶縁部に突起が設けられ、
前記第1の分割コア部材及び前記第2の分割コア部材のいずれか一方の突起は前記係合凹部が設けられている側に配置され、他方の突起は前記係合凹部が設けられている側とは反対側に配置されることを特徴とする請求項6に記載の回転子コア。 - 請求項6または請求項7に記載の回転子コアを備え、前記巻線の端部は整流子に接続されていることを特徴とするモータ。
- 6個のマグネットを備え、
前記回転子コアは、前記巻線が巻回される8本の前記ティースを有し、同各ティースにより形成される8つのスロットを備え、
前記整流子は24個のセグメントを備えていることを特徴とする請求項8に記載のモータ。
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-
2003
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