JP2004229007A - 通信交換機および通信ネットワークシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】障害発生時のデータの送信をよりスムーズにする。
【解決手段】通信交換機2は、幹線用インターフェース部21の各ポート21a〜21dを介して接続されているネットワーク機器7と通信を開始する際に、経路情報テーブル24tを参照して、通信を行うポート番号を取得し、取得したポート番号に対応するポートを介してネットワーク機器7との通信を開始する。通信交換機2は、通信を行っているポート等で障害が発生した場合に、経路情報テーブル24tを参照して、プライオリティの最も高いポート番号を取得し、取得したポート番号に対応するポートを介してネットワーク機器7との通信を再開する。
【選択図】 図2
【解決手段】通信交換機2は、幹線用インターフェース部21の各ポート21a〜21dを介して接続されているネットワーク機器7と通信を開始する際に、経路情報テーブル24tを参照して、通信を行うポート番号を取得し、取得したポート番号に対応するポートを介してネットワーク機器7との通信を開始する。通信交換機2は、通信を行っているポート等で障害が発生した場合に、経路情報テーブル24tを参照して、プライオリティの最も高いポート番号を取得し、取得したポート番号に対応するポートを介してネットワーク機器7との通信を再開する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信交換機および通信ネットワークシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、通信ネットワークシステムに使用される通信交換機として、LANスイッチ(例えば、非特許文献1参照)が知られている。このようなLANスイッチでは、当該LANスイッチに備えられている複数の接続ポートを使用して上位側のネットワーク機器と複数のケーブルにより接続される場合がある。このように接続されたLANスイッチとネットワーク機器との間で通信を開始する場合に、LANスイッチは、ネットワーク機器との間で経路情報を交換して複数ある経路の中から最適な経路を探索した後に、その最適な経路に接続されている接続ポートを使用して通信を開始する。
【0003】
また、上述したLANスイッチとネットワーク機器との間で通信が行われている際に、LANスイッチの一の接続ポートあるいはこの接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、LANスイッチは、定期的に交換している経路情報を障害ポートから受信しない、あるいは受信光を検知できなくなることで一の接続ポートの経路に障害が発生したと認識し、通信を行うポートを一の接続ポートから他の接続ポートに切り替えて、その後に通信を再開する。すなわち、上述した障害が発生した場合に、LANスイッチは、ネットワーク機器との間で経路情報を交換して複数ある経路の中から最適な経路を探索した後に、その最適な経路に接続されている接続ポートを使用して通信を再開する。
【0004】
【非特許文献1】
シスコシステムズ株式会社、”Cisco LANスイッチ Cisco Catalyst 2950C−24,2950T−24,2950G−12,2950G−24,2950G−48,2950G−24−DC インテリジェント イーサネット スイッチ”、[online]、[平成14年10月25日検索]、インターネット
<URL:http://www.cisco.com/japanese/warp/public/3/jp/product/product/switch/cat2950/prodlit/pdf/cat2950_c_t_cat.pdf >
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した通信を開始する際に行われる処理、あるいは障害が発生してから通信が再開されるまでに行われる処理は、一般に、数十秒〜数分程度要してしまう。したがって、上述した障害が発生した場合や、経路上にビル等が建設され支障移転が行われる場合には、経路の切り替え時間が長くなりデータの送信が途切れてしまうという問題があった。これは、動画配信等のように連続的にデータを配信する必要がある場合には重要な問題となる。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するために、データの送信をよりスムーズに行うことができる通信交換機および通信ネットワークシステムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の通信交換機は、外部にある端末と信号の送受を行う複数の接続ポートを有するインターフェース部と、接続ポートの切り替えを行う交換部とを備え、交換部は、一の接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、接続ポートを予め定められた他の接続ポートに切り替えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の通信ネットワークシステムは、通信交換機と、通信交換機と複数の経路で接続されるネットワーク機器とを備える通信ネットワークシステムであって、通信交換機は、ネットワーク機器と信号の送受を行う複数の接続ポートを有するインターフェース部と、接続ポートの切り替えを行う交換部とを備え、交換部は、一の接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、接続ポートを予め定められた他の接続ポートに切り替えることを特徴とする。
【0009】
これらの発明によれば、一の接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合や、支障移転工事のため通信経路を不通にした場合であっても、接続ポートが予め定められた他の接続ポートにすぐに切り替えられるため、障害が発生してから接続ポートが切り替えられるまでに要する時間がより短縮され、データの送信をよりスムーズに行うことができる。
【0010】
本発明の通信交換機において、接続ポートの識別コードに対応してプライオリティを記憶する記憶部をさらに備え、交換部は、一の接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、当該一の接続ポート以外の識別コードに対応するプライオリティのうち、最も高いプライオリティに対応する識別コードを記憶部から取得し、接続ポートを当該抽出した識別コードに対応する接続ポートに切り替えることが好ましい。
【0011】
また、本発明の通信ネットワークシステムにおいて、通信交換機は、接続ポートの識別コードに対応してプライオリティを記憶する記憶部をさらに備え、交換部は、一の接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、当該一の接続ポート以外の識別コードに対応するプライオリティのうち、最も高いプライオリティに対応する識別コードを記憶部から取得し、接続ポートを当該抽出した識別コードに対応する接続ポートに切り替えることが好ましい。
【0012】
このようにすれば、一の接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合であっても、当該一の接続ポート以外の識別コードに対応するプライオリティのうち、最も高いプライオリティに対応する識別コードが記憶部から取得され、接続ポートが当該抽出された識別コードに対応する接続ポートに切り替えられるため、障害が発生してから接続ポートが切り替えられるまでに要する時間がより短縮され、データの送信をよりスムーズに行うことができる。
【0013】
本発明の通信交換機において、接続ポートの識別コードに対応して他の接続ポートの識別コードを記憶する記憶部をさらに備え、交換部は、一の接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、当該一の接続ポートの識別コードに対応する他の接続ポートの識別コードを記憶部から取得し、接続ポートを当該抽出した他の接続ポートに切り替えることが好ましい。
【0014】
また、本発明の通信ネットワークシステムにおいて、通信交換機は、接続ポートの識別コードに対応して他の接続ポートの識別コードを記憶する記憶部をさらに備え、交換部は、一の接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、当該一の接続ポートの識別コードに対応する他の接続ポートの識別コードを記憶部から取得し、接続ポートを当該抽出した他の接続ポートに切り替えることが好ましい。
【0015】
このようにすれば、一の接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合であっても、当該一の接続ポートの識別コードに対応する他の接続ポートの識別コードが記憶部から取得され、接続ポートが当該抽出された他の接続ポートに切り替えられるため、障害が発生してから接続ポートが切り替えられるまでに要する時間がより短縮され、データの送信をよりスムーズに行うことができる。
【0016】
本発明の通信交換機において、インターフェース部、交換部および記憶部を収納する筐体をさらに備えることが好ましい。
【0017】
このようにすれば、通信交換機を屋外に設置することが可能になる。さらに、筐体が耐候性および水密性を有している場合には、風雨に曝される環境や粉塵の多い環境の下で、通信交換機をそのまま屋外に設置しても、特に支障がないため、既存の電柱、新たに立てた設置用柱、あるいは建物の壁面等に設置することが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る通信交換機を含む通信ネットワークシステムの一実施形態を図面に基づき説明する。なお、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0019】
図1は本実施形態における通信ネットワークシステム1の概要構成を例示する図である。図1に示すように通信ネットワークシステム1は、通信ネットワークシステム1を管理する管理センター6と、この管理センター6に幹線ケーブル5を介して接続される通信交換機2と、この通信交換機2に支線ケーブル9を介して接続される複数の通信端末装置10とを有している。
【0020】
管理センター6には、ネットワーク機器7および管理装置8が備えられている。ネットワーク機器7は、複数の端末間で通信を行う際に、各端末間に設置されてネットワーク通信の仲介をする機器である。ネットワーク機器7としては、例えば、レイヤ2スイッチ、レイヤ3スイッチ、レイヤ4スイッチ、ブリッジ、ルータ等が該当する。ネットワーク機器7は、その直下に接続された端末あるいは隣接するネットワーク機器から受信したデータを、その直下に接続された他の端末あるいは隣接する他のネットワーク機器に対して送信を行う機能を有する。管理装置8は、通信交換機2にリモートアクセスする機能を有し、通信交換機2で設定されているIPアドレス等のネットワーク設定情報を変更することや通信交換機2内の温度等を監視することができる。
【0021】
通信端末装置10には、メディアコンバータ11、スイッチ12およびユーザ端末13が備えられている。メディアコンバータ11は、光信号と電気信号とを相互に変換する装置である。スイッチ12は、受信したデータを目的の端末に向けて送信する機能を有する装置で、複数のポートを有している。スイッチ12は、どのポートにどの端末が接続されているかという情報を保持しており、受信したデータを転送するときには、この情報に基づいて送信するポートを決定する。具体的に説明すると、スイッチ12は、受信したデータに含まれる宛先アドレス情報(MACアドレス、IPアドレス、ポート番号等)を参照し、この宛先アドレス情報に対応する端末が直接あるいは間接的に接続しているポートを割り出して、そのポートから当該端末宛てにデータを転送する。ここで、特にMACアドレスを確認するスイッチのことを、一般にレイヤ2スイッチ、ブリッジ等と呼び、IPアドレスを確認するスイッチのことを、一般にレイヤ3スイッチ、ルータ等と呼び、ポート番号を確認するスイッチのことを、レイヤ4スイッチ等と呼ぶ。また、ユーザ端末13は、スイッチ12とメディアコンバータ11を介して通信交換機2に接続される。なお、ユーザ端末13が1台の場合には、スイッチ12を介さずにメディアコンバータ11とユーザ端末13とが直結されることもある。
【0022】
通信交換機2は、ネットワーク機器7と同等の性能を持ち、屋外にも設置可能な装置である。通信交換機2としては、例えば、レイヤ2スイッチ、レイヤ3スイッチ、レイヤ4スイッチ、ブリッジ、ルータ等が該当する。この通信交換機2には電源ケーブル3を介して外部電源4が接続されており、この外部電源4によって通信交換機2に電力が供給される。なお、外部電源4としては、商用電源や無停電電源、通信ケーブルに重畳した電源等が使用される。
【0023】
次に、図2を参照して、通信交換機2のハードウェア構成を説明する。図2に示すように、通信交換機2は、幹線用インターフェース部21と、支線用インターフェース部22と、交換部23と、メモリ24と、CPU25とを備えている。以下において各構成要素の説明をする。
【0024】
幹線用インターフェース部21は、複数のポート21a〜21dを有している。幹線用インターフェース部21は、これら複数のポート21a〜21dを介して接続されるネットワーク機器7とのインターフェース機能を有している。
【0025】
支線用インターフェース部22は、複数のポート22a〜22cを有している。支線用インターフェース部22は、これらの各ポート22a〜22cを介して接続されるユーザ端末13とのインターフェース機能を有している。
【0026】
交換部23は、幹線用インターフェース部21と支線用インターフェース部22との間の電気的な接続を電気信号で切り替えて、データ信号の送受を行うものである。また、交換部23は、幹線用インターフェース部21の各ポート21a〜21d間や、支線用インターフェース部22の各ポート22a〜22c間の電気的な接続電気的な接続の切り替えを行う。
【0027】
メモリ24は、CPU25によって実行される各種プログラムやデータを記憶する。また、このメモリ24には、経路情報テーブル24tが記憶されている。ここで、図3に経路情報テーブル24tの概念図を例示し、この図を参照して経路情報テーブル24tについて説明する。経路情報テーブル24tは、宛先端末アドレスt1、ポート番号t2、プライオリティt3の各データ項目を対応付けて一組とした複数のレコードにより構成されている。
【0028】
宛先端末アドレスt1には、幹線用インターフェース部21の各ポート21a〜21dの接続先となる端末のアドレスを示す情報が格納される。ポート番号t2には、幹線用インターフェース部21の各ポート21a〜21dを一意に特定するポート番号(識別コード)が格納される。プライオリティt3には、幹線用インターフェース部21を介して接続される端末に通信パケットを送出するポートの優先順位が格納される。したがって、例えば、プライオリティが(1)であるポートに障害が発生した場合には、プライオリティが(2)であるポートが切り替え先のポートとなる。また、例えば、プライオリティが(1)であるポートとプライオリティが(2)であるポートにおいて同時に障害が発生した場合には、プライオリティが(3)であるポートが切り替え先のポートとなる。なお、本実施形態においては、図3に示すポート番号t2が“1”であるポートをポート21aに対応させ、ポート番号t2が“2”であるポートをポート21bに対応させ、ポート番号t2が“3”であるポートをポート21cに対応させ、ポート番号t2が“4”であるポートをポート21dに対応させることとする。
【0029】
また、図3に示すレコードr1は、端末アドレスが“A”である端末との間で行う通信は、ポート番号が“1”であるポート21aを使用して行うことを示すとともに、ポート番号が“1”であるポート21aあるいはこのポート21aの通信経路上で障害が発生した場合に切り替え先となるポートは、最も高いプライオリティに対応するポート番号が“2”のポート21bになることを示している。
【0030】
なお、経路情報テーブル24tに格納される内容は、他の通信交換機またはネットワーク機器7からの情報や、通信交換機2の交換部23の情報に基づいて随時書き換えられる。
【0031】
図2に示すCPU25は、メモリ24に記憶されている各種プログラムを実行することにより、上述した通信交換機2の幹線用インターフェース部21、支線用インターフェース部22、交換部23およびメモリ24を制御する。
【0032】
なお、上述した幹線用インターフェース部21、支線用インターフェース部22、交換部23、メモリ24およびCPU25は、例えばアルミダイカストで形成された略箱状の筐体(不図示)に収容されている。この筐体は、本体部とこの本体部に対して開閉可能に設けられた蓋部とで構成されており、十分な耐候性および水密性を有している。このような筐体を有する通信交換機2は、既存の電柱、新たに立てた設置用柱、あるいは建物の壁面等に設置される。ここで、筐体が耐候性および水密性を有している場合には、風雨に曝される環境や粉塵の多い環境の下で、通信交換機2をそのまま屋外に設置しても、特に支障は無い。したがって、通信交換機2を設置する際に、マンションの一室を借りたり、駐車場の空きスペース等に設置用の小屋を建てる必要がなくなるため、通信交換機2の設置に要する手間やコストを軽減することができる。また、通信交換機2を屋外に設置できるため、設置したい場所またはその近傍に通信交換機2を設置することが可能となる。したがって、通信交換機2と接続されるケーブルを最寄りのアクセス機器まで余分に引き回す必要がなくなり、ケーブルの敷設長が最適化できるとともに、ケーブルの配線効率も向上させることができる。
【0033】
次に、図4〜図7を参照して、正常時と障害時(例えば、ポート番号“1”での障害時)のそれぞれにおける経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容について説明する。ここで、本実施形態における通信ネットワークシステム1には、ネットワーク機器7に通信パケットを送出する際の形態として、以下に示す4つの形態がある。(1)通信を1つのポートで行う、すなわち負荷分散せず、かつ、障害時のバックアップルートを1つ用意した形態(図4参照)。(2)2つのポートで負荷分散する形態(図5参照)。(3)負荷分散せず、かつ、障害時のバックアップルートを2つ以上用意した形態(図6参照)。(4)3つ以上のポートで負荷分散する形態(図7参照)。
【0034】
したがって、以下においては、この4つの形態ごとに上述した経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容について説明する。
【0035】
まず、図4は、(1)負荷分散せず、かつ、バックアップルートを1つ用意して形態において、正常時と障害時(ポート番号“1”での障害)のそれぞれにおける経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容を示したものである。図4(a)は、正常時の経路情報テーブル24tの内容を示したものである。図4(a)に示す経路情報テーブル24tの内容は、宛先端末アドレスt1が“A”であるネットワーク機器7に対して、ポート番号t2が“1”であるポートから通信パケットを送出し、ポート番号t2が“2”であるポートをバックアップルートとして設定している場合のものである。図4(c)は、正常時の各ポートにおける通信の負荷率を示したものである。図4(c)に示す通信の負荷率は、ポート番号t2が“1”であるポートにおける通信の負荷率が100%であり、バックアップルートとして設定されているポート番号t2が“2”であるポートにおける通信の負荷率が0%であることを示している。図4(b)は、障害時の経路情報テーブル24tの内容を示したものである。図4(b)に示す経路情報テーブル24tの内容は、宛先端末アドレスt1が“A”であるネットワーク機器7に対してポート番号t2が“2”であるポートから通信パケットを送出し、ポート番号t2が“1”であるポートは障害により使用することができない場合のものである。すなわち、経路情報テーブル24tの内容が、図4(a)に示す経路情報テーブル24tの内容であった場合に、ポート番号が“1”であるポートに障害が発生した場合には、バックアップルートとして設定されているポート番号が“2”であるポートが切り替え先のポートとして設定された場合のものである。図4(d)は、障害時の各ポートにおける通信の負荷率を示したものである。図4(d)に示す通信の負荷率は、ポート番号t2が“2”であるポートにおける通信の負荷率が100%であることを示している。
【0036】
次に、図5は、(2)2つのポートで負荷分散する形態において、正常時と障害時(ポート番号“1”での障害)のそれぞれにおける経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容を示したものである。図5(a)は、正常時の経路情報テーブル24tの内容を示したものである。図5(a)に示す経路情報テーブル24tの内容は、宛先端末アドレスt1が“A”であるネットワーク機器7に対して、ポート番号t2が“1”および“2”であるポートから負荷分散して通信パケットを送出する場合のものである。図5(c)は、正常時の各ポートにおける通信の負荷率を示したものである。図5(c)に示す通信の負荷率は、ポート番号t2が“1”および“2”であるポートにおける通信の負荷率がそれぞれ50%であることを示している。図5(b)は、障害時の経路情報テーブル24tの内容を示したものである。図5(b)に示す経路情報テーブル24tの内容は、宛先端末アドレスt1が“A”であるネットワーク機器7に対して、ポート番号t2が“2”であるポートから通信パケットを送出し、ポート番号t2が“1”であるポートは障害により使用することができない場合のものである。すなわち、経路情報テーブル24tの内容が、図5(a)に示す経路情報テーブル24tの内容であった場合に、ポート番号が“1”であるポートに障害が発生した場合には、ポート番号が“1”以外である“2”のポートにより通信パケットが送出されるように設定された場合のものである。図5(d)は、障害時の各ポートにおける通信の負荷率を示したものである。図5(d)に示す通信の負荷率は、ポート番号t2が“2”であるポートにおける通信の負荷率が100%であることを示している。
【0037】
次に、図6は、(3)負荷分散せず、かつ、バックアップルートを2つ以上用意した場合において、正常時と障害時(ポート番号“1”での障害)のそれぞれにおける経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容を示したものである。図6(a)は、正常時の経路情報テーブル24tの内容を示したものである。図6(a)に示す経路情報テーブル24tの内容は、宛先端末アドレスt1が“A”であるネットワーク機器7に対して、ポート番号t2が“1”であるポートから通信パケットを送出し、ポート番号t2が“2”〜“4”であるポートをバックアップルートとして設定している場合のものである。また、図6(a)に示す経路情報テーブル24tにおいては、ポート番号t2が“1”〜“4”に対応するプライオリティを、それぞれ(1)〜(4)に設定している。このプライオリティは、ネットワーク機器7と接続する際のポートの接続優先順位を示すものである。図6(c)は、正常時の各ポートにおける通信の負荷率を示したものである。図6(c)に示す通信の負荷率は、ポート番号t2が“1”であるポートにおける通信の負荷率が100%であり、バックアップルートとして設定されているポート番号t2が“2”〜“4”であるポートにおける通信の負荷率がそれぞれ0%であることを示している。図6(b)は、障害時の経路情報テーブル24tの内容を示したものである。図6(b)に示す経路情報テーブル24tの内容は、宛先端末アドレスt1が“A”であるネットワーク機器7に対してポート番号t2が“2”であるポートから通信パケットを送出し、ポート番号t2が“1”であるポートは障害により使用することができず、ポート番号t2が“3”および“4”であるポートをバックアップルートとして設定している場合のものである。すなわち、経路情報テーブル24tの内容が、図6(a)に示す経路情報テーブル24tの内容であった場合に、ポート番号が“1”であるポートに障害が発生した場合には、ポート番号が“1”以外のポートのうち、プライオリティが最も高いポートとなるポート番号が“2”であるポートが切り替え先のポートとして設定された場合のものである。図6(d)は、障害時の各ポートにおける通信の負荷率を示したものである。図6(d)に示す通信の負荷率は、ポート番号t2が“2”であるポートにおける通信の負荷率が100%であり、ポート番号t2が“3”および“4”であるポートにおける通信の負荷率がそれぞれ0%であることを示している。
【0038】
次に、図7は、(4)3つ以上のポートで負荷分散する形態において、正常時と障害時(ポート番号“1”での障害)のそれぞれにおける経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容を示したものである。図7(a)は、正常時の経路情報テーブル24tの内容を示したものである。図7(a)に示す経路情報テーブル24tの内容は、宛先端末アドレスt1が“A”であるネットワーク機器7に対して、ポート番号t2が“1”〜“4”であるポートから負荷分散して通信パケットを送出する場合のものである。図7(c)は、正常時の各ポートにおける通信の負荷率を示したものである。図7(c)に示す通信の負荷率は、ポート番号t2が“1”〜“4”であるポートにおける通信の負荷率がそれぞれ25%であることを示している。図7(b)は、障害時の経路情報テーブル24tの内容を示したものである。図7(b)に示す経路情報テーブル24tの内容は、宛先端末アドレスt1が“A”であるネットワーク機器7に対して、ポート番号t2が“2”〜“4”であるポートから負荷分散して通信パケットを送出し、ポート番号t2が“1”であるポートは障害により使用することができない場合のものである。すなわち、経路情報テーブル24tの内容が、図7(a)に示す経路情報テーブル24tの内容であった場合に、ポート番号が“1”であるポートに障害が発生した場合には、ポート番号が“1”以外である“2”〜“4”のポートにより負荷分散するように設定された場合のものである。図7(d)は、障害時の各ポートにおける通信の負荷率を示したものである。図7(d)に示す通信の負荷率は、ポート番号t2が“2”〜“4”であるポートにおける通信の負荷率がそれぞれ33%であることを示している。
【0039】
次に、図8を参照して、本実施形態における通信交換機2の概要動作について説明する。なお、この動作説明では、上述した4つの形態のうち(1)負荷分散せず、かつ、バックアップルートを1つ用意した形態における動作について説明する。
【0040】
図8に示すように、まず、通信交換機2は、幹線用インターフェース部21の各ポート21a〜21dを介して接続されているネットワーク機器7に通信パケットを転送する際に、経路情報テーブル24tを参照して、通信パケットの送出を行うポート番号を取得する(ステップS1)。
【0041】
ここで、ステップS1において行われるポート番号を取得する際の動作を具体的に説明する。通信交換機2は、転送先となるネットワーク機器7のアドレス(例えば、“A”とする。)に基づいて、図4(a)に示す経路情報テーブル24tを参照する。この結果、通信交換機2は、宛先端末アドレスt1に“A”が格納されているレコードr1を抽出し、このレコードr1のポート番号t2に格納されている“1”を、これから通信パケットの送出を行うポート番号として経路情報テーブル24tから取得する。
【0042】
次に、通信交換機2は、取得したポート番号に対応するポートを介してネットワーク機器7に対する通信パケットの送出を開始する(ステップS2)。すなわち、通信交換機2は、ポート番号が“1”であるポート21aを介してネットワーク機器7に対する通信パケットの送出を開始する。
【0043】
次に、通信交換機2は、ポート21aあるいはポート21aを介した通信経路上において障害が発生したか否かを判定する(ステップS3)。この判定がNOである場合(ステップS3;NO)、すなわち、ポート21aを介して正常に通信パケットが送出されている場合に、通信交換機2は、処理をステップS1に移行する。なお、ネットワーク機器7への通信パケットの送出が終了すると、この通信交換機2の概要動作も終了することになる。
【0044】
一方、ステップS3における判定で、障害が発生したと判定された場合(ステップS3;YES)に、通信交換機2は、図4(b)に示す経路情報テーブル24tを参照して、上述したステップS1と同様に通信パケットの送出を行うポート番号(切り替え先のポート番号)を取得する(ステップS4)。なお、障害が発生した時点で、経路情報テーブル24tの内容が、図4(a)に示す内容から図4(b)に示す内容に書き換えられる。
【0045】
次に、通信交換機2は、ネットワーク機器7への通信パケットの送出を行うポートを、取得したポート番号に対応するポートに切り替え、その切り替え後のポートを介してネットワーク機器7への通信パケットの送出を再開する(ステップS5)。すなわち、通信交換機2は、ポート番号が“2”であるポート21bを介してネットワーク機器7への通信パケットの送出を再開する。
【0046】
以上のように、本実施形態における通信交換機2においては、通信パケットの送出をしているポートあるいは当該ポートを介する通信経路上において障害が発生した場合には、経路情報テーブル24tに記憶されている他のポート番号に対応するポートに切り替えるため、障害が発生してから通信パケットの送出が再開されるまでに要する時間は、数秒程度となる。したがって、上述したように障害が発生してから通信パケットの送出が再開されるまでに数十秒〜数分程度要していた従来の通信交換機に比べて、その所要時間が格段に短縮されている。これにより、本実施形態における通信交換機を通信ネットワークシステムに用いることで、データの送信をよりスムーズに行うことができる。
【0047】
また、このような効果は、通信交換機2がネットワーク機器7に対して通信パケットの送出を開始する際にも同様にして得られる。すなわち、従来の通信交換機では、上述したように通信パケットの送出が開始されるまでに数十秒〜数分程度要しているのに対し、本実施形態における通信交換機2では、通信パケットの送出を開始する際に、予め定められているポート番号に対応するポートを使用して通信パケットの送出を開始するため、通信パケットの送出が開始されるまでに要する時間は、数秒程度であり、その所要時間が格段に短縮されている。
【0048】
また、障害が復旧した場合には、その復旧した時点で、経路情報テーブル24tの内容が、図4(b)に示す内容から図4(a)に示す内容に書き換えられる。したがって、障害が復旧した場合には、図4(a)に示す経路情報テーブル24tのプライオリティに応じて通信パケットが送出されるポートが切り替えられる。これにより、障害が復旧してからその復旧したポートにより通信パケットが送出されるまでに要する時間は、数秒程度となる。すなわち、本実施形態における通信交換機を通信ネットワークシステムに用いることで、データの送信をよりスムーズに行うことができる。
【0049】
なお、上述した動作説明においては、本実施形態における通信ネットワークシステム1における4つの形態のうち、(1)負荷分散せず、かつ、バックアップルートを1つ用意した形態について説明しているが、(2)2つのポートで負荷分散する形態、(3)負荷分散せず、かつ、障害時のバックアップルートを2つ以上用意した形態、(4)3つ以上のポートで負荷分散する形態においても同様の動作となるため、それぞれの形態における詳細な動作説明は省略し、以下において、それぞれの形態における動作の概要を簡単に説明する。
【0050】
まず、(2)2つのポートで負荷分散する形態(図5参照)においては、例えば、ネットワーク機器7への通信パケットの送出を2つのポート21a,21bで負荷分散している際に、ポート21aあるいはポート21aを介する通信経路上において障害が発生した場合には、図5(b)に示す経路情報テーブルに基づいて、負荷分散するポートを、2つのポート21a,21bから、ポート21a以外の1つのポート21bに切り替えて通信パケットの送出を行う。この場合、ポート21bを経由する通信量は、全体の通信量の50%であったのが100%になる。
【0051】
次に、(3)負荷分散せず、かつ、障害時のバックアップルートを2つ以上用意した形態(図6参照)においては、例えば、ネットワーク機器7への通信パケットの送出を1つのポート21aで行っている際に、ポート21aあるいはポート21aを介する通信経路上において障害が発生した場合には、図6(b)に示す経路情報テーブルに基づいて、通信パケットを送出するポートを、ポート21a以外のポートのうちプライオリティが最も高いポートであるポート21bに切り替えて通信パケットの送出を行う。
【0052】
次に、(4)3つ以上のポートで負荷分散する形態(図7参照)においては、例えば、ネットワーク機器7への通信パケットの送出を4つのポート21a,21b,21c,21dで負荷分散している際に、ポート21aあるいはポート21aを介する通信経路上において障害が発生した場合には、図7(b)に示す経路情報テーブルに基づいて、負荷分散するポートを、4つのポート21a,21b,21c,21dから、ポート21a以外の3つのポート21b,21c,21dに切り替えて負荷分散する。この場合、ポート21b,21c,21dを経由する通信量は、全体の通信量の25%であったのが33%になる。
【0053】
なお、上述した4つの形態のいずれにおいても、障害が復旧した場合には、経路情報テーブルのプライオリティに応じて、通信の負荷を見直すようにすればよい。
【0054】
また、上述した実施形態においては、障害が発生した場合には、経路情報テーブル24tのプライオリティt3に応じて切り替え先のポートを決定しているが、切り替え先のポートを決定する方法はこれに限られない。例えば、障害が発生した場合に切り替え先となるポートを予め設定しておいて、障害が発生した場合には、予め設定されたポートに切り替えることとしてもよい。具体的に説明すると、経路情報テーブルには、宛先端末アドレスと、ポート番号と、切替先ポート番号とを対応付けて記憶させる。ここで、宛先端末アドレスとポート番号については、上述した実施形態の宛先端末アドレスとポート番号と同じものである。切替先ポート番号には、ポート番号に対応するポートに障害が発生した場合等に、切り替え先となるポート21a〜21dを一意に特定するポート番号が格納される。このような経路情報テーブルを備えることにより、例えば、ポート番号が“1”であるポート21aあるいはこのポート21aの通信経路上で障害が発生した場合には、このポート番号に対応して切替先ポート番号に記憶されているポート番号が、切り替え先のポートのポート番号となる。また、上述した障害が復旧した場合には、復旧したポートに切り替えることとしてもよい。
【0055】
【発明の効果】
本発明に係る通信交換機および通信ネットワークシステムによれば、データの送信をよりスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における通信ネットワークシステムの構成図である。
【図2】図1に示す通信交換機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】経路情報テーブルの概念図である。
【図4】経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容を示す図である。
【図5】経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容を示す図である。
【図6】経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容を示す図である。
【図7】経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容を示す図である。
【図8】通信交換機の概要動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・通信ネットワークシステム、2・・・通信交換機、5・・・幹線ケーブル、6・・・管理センター、7・・・ネットワーク機器、8・・・管理装置、9・・・支線ケーブル、10・・・通信端末装置、11・・・メディアコンバータ、12・・・スイッチ、13・・・ユーザ端末、21・・・幹線用インターフェース部、22・・・支線用インターフェース部、21a〜21d,22a〜22c・・・ポート(接続ポート)、23・・・交換部、24・・・メモリ、24t・・・経路情報テーブル。
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信交換機および通信ネットワークシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、通信ネットワークシステムに使用される通信交換機として、LANスイッチ(例えば、非特許文献1参照)が知られている。このようなLANスイッチでは、当該LANスイッチに備えられている複数の接続ポートを使用して上位側のネットワーク機器と複数のケーブルにより接続される場合がある。このように接続されたLANスイッチとネットワーク機器との間で通信を開始する場合に、LANスイッチは、ネットワーク機器との間で経路情報を交換して複数ある経路の中から最適な経路を探索した後に、その最適な経路に接続されている接続ポートを使用して通信を開始する。
【0003】
また、上述したLANスイッチとネットワーク機器との間で通信が行われている際に、LANスイッチの一の接続ポートあるいはこの接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、LANスイッチは、定期的に交換している経路情報を障害ポートから受信しない、あるいは受信光を検知できなくなることで一の接続ポートの経路に障害が発生したと認識し、通信を行うポートを一の接続ポートから他の接続ポートに切り替えて、その後に通信を再開する。すなわち、上述した障害が発生した場合に、LANスイッチは、ネットワーク機器との間で経路情報を交換して複数ある経路の中から最適な経路を探索した後に、その最適な経路に接続されている接続ポートを使用して通信を再開する。
【0004】
【非特許文献1】
シスコシステムズ株式会社、”Cisco LANスイッチ Cisco Catalyst 2950C−24,2950T−24,2950G−12,2950G−24,2950G−48,2950G−24−DC インテリジェント イーサネット スイッチ”、[online]、[平成14年10月25日検索]、インターネット
<URL:http://www.cisco.com/japanese/warp/public/3/jp/product/product/switch/cat2950/prodlit/pdf/cat2950_c_t_cat.pdf >
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した通信を開始する際に行われる処理、あるいは障害が発生してから通信が再開されるまでに行われる処理は、一般に、数十秒〜数分程度要してしまう。したがって、上述した障害が発生した場合や、経路上にビル等が建設され支障移転が行われる場合には、経路の切り替え時間が長くなりデータの送信が途切れてしまうという問題があった。これは、動画配信等のように連続的にデータを配信する必要がある場合には重要な問題となる。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するために、データの送信をよりスムーズに行うことができる通信交換機および通信ネットワークシステムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の通信交換機は、外部にある端末と信号の送受を行う複数の接続ポートを有するインターフェース部と、接続ポートの切り替えを行う交換部とを備え、交換部は、一の接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、接続ポートを予め定められた他の接続ポートに切り替えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の通信ネットワークシステムは、通信交換機と、通信交換機と複数の経路で接続されるネットワーク機器とを備える通信ネットワークシステムであって、通信交換機は、ネットワーク機器と信号の送受を行う複数の接続ポートを有するインターフェース部と、接続ポートの切り替えを行う交換部とを備え、交換部は、一の接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、接続ポートを予め定められた他の接続ポートに切り替えることを特徴とする。
【0009】
これらの発明によれば、一の接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合や、支障移転工事のため通信経路を不通にした場合であっても、接続ポートが予め定められた他の接続ポートにすぐに切り替えられるため、障害が発生してから接続ポートが切り替えられるまでに要する時間がより短縮され、データの送信をよりスムーズに行うことができる。
【0010】
本発明の通信交換機において、接続ポートの識別コードに対応してプライオリティを記憶する記憶部をさらに備え、交換部は、一の接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、当該一の接続ポート以外の識別コードに対応するプライオリティのうち、最も高いプライオリティに対応する識別コードを記憶部から取得し、接続ポートを当該抽出した識別コードに対応する接続ポートに切り替えることが好ましい。
【0011】
また、本発明の通信ネットワークシステムにおいて、通信交換機は、接続ポートの識別コードに対応してプライオリティを記憶する記憶部をさらに備え、交換部は、一の接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、当該一の接続ポート以外の識別コードに対応するプライオリティのうち、最も高いプライオリティに対応する識別コードを記憶部から取得し、接続ポートを当該抽出した識別コードに対応する接続ポートに切り替えることが好ましい。
【0012】
このようにすれば、一の接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合であっても、当該一の接続ポート以外の識別コードに対応するプライオリティのうち、最も高いプライオリティに対応する識別コードが記憶部から取得され、接続ポートが当該抽出された識別コードに対応する接続ポートに切り替えられるため、障害が発生してから接続ポートが切り替えられるまでに要する時間がより短縮され、データの送信をよりスムーズに行うことができる。
【0013】
本発明の通信交換機において、接続ポートの識別コードに対応して他の接続ポートの識別コードを記憶する記憶部をさらに備え、交換部は、一の接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、当該一の接続ポートの識別コードに対応する他の接続ポートの識別コードを記憶部から取得し、接続ポートを当該抽出した他の接続ポートに切り替えることが好ましい。
【0014】
また、本発明の通信ネットワークシステムにおいて、通信交換機は、接続ポートの識別コードに対応して他の接続ポートの識別コードを記憶する記憶部をさらに備え、交換部は、一の接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、当該一の接続ポートの識別コードに対応する他の接続ポートの識別コードを記憶部から取得し、接続ポートを当該抽出した他の接続ポートに切り替えることが好ましい。
【0015】
このようにすれば、一の接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合であっても、当該一の接続ポートの識別コードに対応する他の接続ポートの識別コードが記憶部から取得され、接続ポートが当該抽出された他の接続ポートに切り替えられるため、障害が発生してから接続ポートが切り替えられるまでに要する時間がより短縮され、データの送信をよりスムーズに行うことができる。
【0016】
本発明の通信交換機において、インターフェース部、交換部および記憶部を収納する筐体をさらに備えることが好ましい。
【0017】
このようにすれば、通信交換機を屋外に設置することが可能になる。さらに、筐体が耐候性および水密性を有している場合には、風雨に曝される環境や粉塵の多い環境の下で、通信交換機をそのまま屋外に設置しても、特に支障がないため、既存の電柱、新たに立てた設置用柱、あるいは建物の壁面等に設置することが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る通信交換機を含む通信ネットワークシステムの一実施形態を図面に基づき説明する。なお、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0019】
図1は本実施形態における通信ネットワークシステム1の概要構成を例示する図である。図1に示すように通信ネットワークシステム1は、通信ネットワークシステム1を管理する管理センター6と、この管理センター6に幹線ケーブル5を介して接続される通信交換機2と、この通信交換機2に支線ケーブル9を介して接続される複数の通信端末装置10とを有している。
【0020】
管理センター6には、ネットワーク機器7および管理装置8が備えられている。ネットワーク機器7は、複数の端末間で通信を行う際に、各端末間に設置されてネットワーク通信の仲介をする機器である。ネットワーク機器7としては、例えば、レイヤ2スイッチ、レイヤ3スイッチ、レイヤ4スイッチ、ブリッジ、ルータ等が該当する。ネットワーク機器7は、その直下に接続された端末あるいは隣接するネットワーク機器から受信したデータを、その直下に接続された他の端末あるいは隣接する他のネットワーク機器に対して送信を行う機能を有する。管理装置8は、通信交換機2にリモートアクセスする機能を有し、通信交換機2で設定されているIPアドレス等のネットワーク設定情報を変更することや通信交換機2内の温度等を監視することができる。
【0021】
通信端末装置10には、メディアコンバータ11、スイッチ12およびユーザ端末13が備えられている。メディアコンバータ11は、光信号と電気信号とを相互に変換する装置である。スイッチ12は、受信したデータを目的の端末に向けて送信する機能を有する装置で、複数のポートを有している。スイッチ12は、どのポートにどの端末が接続されているかという情報を保持しており、受信したデータを転送するときには、この情報に基づいて送信するポートを決定する。具体的に説明すると、スイッチ12は、受信したデータに含まれる宛先アドレス情報(MACアドレス、IPアドレス、ポート番号等)を参照し、この宛先アドレス情報に対応する端末が直接あるいは間接的に接続しているポートを割り出して、そのポートから当該端末宛てにデータを転送する。ここで、特にMACアドレスを確認するスイッチのことを、一般にレイヤ2スイッチ、ブリッジ等と呼び、IPアドレスを確認するスイッチのことを、一般にレイヤ3スイッチ、ルータ等と呼び、ポート番号を確認するスイッチのことを、レイヤ4スイッチ等と呼ぶ。また、ユーザ端末13は、スイッチ12とメディアコンバータ11を介して通信交換機2に接続される。なお、ユーザ端末13が1台の場合には、スイッチ12を介さずにメディアコンバータ11とユーザ端末13とが直結されることもある。
【0022】
通信交換機2は、ネットワーク機器7と同等の性能を持ち、屋外にも設置可能な装置である。通信交換機2としては、例えば、レイヤ2スイッチ、レイヤ3スイッチ、レイヤ4スイッチ、ブリッジ、ルータ等が該当する。この通信交換機2には電源ケーブル3を介して外部電源4が接続されており、この外部電源4によって通信交換機2に電力が供給される。なお、外部電源4としては、商用電源や無停電電源、通信ケーブルに重畳した電源等が使用される。
【0023】
次に、図2を参照して、通信交換機2のハードウェア構成を説明する。図2に示すように、通信交換機2は、幹線用インターフェース部21と、支線用インターフェース部22と、交換部23と、メモリ24と、CPU25とを備えている。以下において各構成要素の説明をする。
【0024】
幹線用インターフェース部21は、複数のポート21a〜21dを有している。幹線用インターフェース部21は、これら複数のポート21a〜21dを介して接続されるネットワーク機器7とのインターフェース機能を有している。
【0025】
支線用インターフェース部22は、複数のポート22a〜22cを有している。支線用インターフェース部22は、これらの各ポート22a〜22cを介して接続されるユーザ端末13とのインターフェース機能を有している。
【0026】
交換部23は、幹線用インターフェース部21と支線用インターフェース部22との間の電気的な接続を電気信号で切り替えて、データ信号の送受を行うものである。また、交換部23は、幹線用インターフェース部21の各ポート21a〜21d間や、支線用インターフェース部22の各ポート22a〜22c間の電気的な接続電気的な接続の切り替えを行う。
【0027】
メモリ24は、CPU25によって実行される各種プログラムやデータを記憶する。また、このメモリ24には、経路情報テーブル24tが記憶されている。ここで、図3に経路情報テーブル24tの概念図を例示し、この図を参照して経路情報テーブル24tについて説明する。経路情報テーブル24tは、宛先端末アドレスt1、ポート番号t2、プライオリティt3の各データ項目を対応付けて一組とした複数のレコードにより構成されている。
【0028】
宛先端末アドレスt1には、幹線用インターフェース部21の各ポート21a〜21dの接続先となる端末のアドレスを示す情報が格納される。ポート番号t2には、幹線用インターフェース部21の各ポート21a〜21dを一意に特定するポート番号(識別コード)が格納される。プライオリティt3には、幹線用インターフェース部21を介して接続される端末に通信パケットを送出するポートの優先順位が格納される。したがって、例えば、プライオリティが(1)であるポートに障害が発生した場合には、プライオリティが(2)であるポートが切り替え先のポートとなる。また、例えば、プライオリティが(1)であるポートとプライオリティが(2)であるポートにおいて同時に障害が発生した場合には、プライオリティが(3)であるポートが切り替え先のポートとなる。なお、本実施形態においては、図3に示すポート番号t2が“1”であるポートをポート21aに対応させ、ポート番号t2が“2”であるポートをポート21bに対応させ、ポート番号t2が“3”であるポートをポート21cに対応させ、ポート番号t2が“4”であるポートをポート21dに対応させることとする。
【0029】
また、図3に示すレコードr1は、端末アドレスが“A”である端末との間で行う通信は、ポート番号が“1”であるポート21aを使用して行うことを示すとともに、ポート番号が“1”であるポート21aあるいはこのポート21aの通信経路上で障害が発生した場合に切り替え先となるポートは、最も高いプライオリティに対応するポート番号が“2”のポート21bになることを示している。
【0030】
なお、経路情報テーブル24tに格納される内容は、他の通信交換機またはネットワーク機器7からの情報や、通信交換機2の交換部23の情報に基づいて随時書き換えられる。
【0031】
図2に示すCPU25は、メモリ24に記憶されている各種プログラムを実行することにより、上述した通信交換機2の幹線用インターフェース部21、支線用インターフェース部22、交換部23およびメモリ24を制御する。
【0032】
なお、上述した幹線用インターフェース部21、支線用インターフェース部22、交換部23、メモリ24およびCPU25は、例えばアルミダイカストで形成された略箱状の筐体(不図示)に収容されている。この筐体は、本体部とこの本体部に対して開閉可能に設けられた蓋部とで構成されており、十分な耐候性および水密性を有している。このような筐体を有する通信交換機2は、既存の電柱、新たに立てた設置用柱、あるいは建物の壁面等に設置される。ここで、筐体が耐候性および水密性を有している場合には、風雨に曝される環境や粉塵の多い環境の下で、通信交換機2をそのまま屋外に設置しても、特に支障は無い。したがって、通信交換機2を設置する際に、マンションの一室を借りたり、駐車場の空きスペース等に設置用の小屋を建てる必要がなくなるため、通信交換機2の設置に要する手間やコストを軽減することができる。また、通信交換機2を屋外に設置できるため、設置したい場所またはその近傍に通信交換機2を設置することが可能となる。したがって、通信交換機2と接続されるケーブルを最寄りのアクセス機器まで余分に引き回す必要がなくなり、ケーブルの敷設長が最適化できるとともに、ケーブルの配線効率も向上させることができる。
【0033】
次に、図4〜図7を参照して、正常時と障害時(例えば、ポート番号“1”での障害時)のそれぞれにおける経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容について説明する。ここで、本実施形態における通信ネットワークシステム1には、ネットワーク機器7に通信パケットを送出する際の形態として、以下に示す4つの形態がある。(1)通信を1つのポートで行う、すなわち負荷分散せず、かつ、障害時のバックアップルートを1つ用意した形態(図4参照)。(2)2つのポートで負荷分散する形態(図5参照)。(3)負荷分散せず、かつ、障害時のバックアップルートを2つ以上用意した形態(図6参照)。(4)3つ以上のポートで負荷分散する形態(図7参照)。
【0034】
したがって、以下においては、この4つの形態ごとに上述した経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容について説明する。
【0035】
まず、図4は、(1)負荷分散せず、かつ、バックアップルートを1つ用意して形態において、正常時と障害時(ポート番号“1”での障害)のそれぞれにおける経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容を示したものである。図4(a)は、正常時の経路情報テーブル24tの内容を示したものである。図4(a)に示す経路情報テーブル24tの内容は、宛先端末アドレスt1が“A”であるネットワーク機器7に対して、ポート番号t2が“1”であるポートから通信パケットを送出し、ポート番号t2が“2”であるポートをバックアップルートとして設定している場合のものである。図4(c)は、正常時の各ポートにおける通信の負荷率を示したものである。図4(c)に示す通信の負荷率は、ポート番号t2が“1”であるポートにおける通信の負荷率が100%であり、バックアップルートとして設定されているポート番号t2が“2”であるポートにおける通信の負荷率が0%であることを示している。図4(b)は、障害時の経路情報テーブル24tの内容を示したものである。図4(b)に示す経路情報テーブル24tの内容は、宛先端末アドレスt1が“A”であるネットワーク機器7に対してポート番号t2が“2”であるポートから通信パケットを送出し、ポート番号t2が“1”であるポートは障害により使用することができない場合のものである。すなわち、経路情報テーブル24tの内容が、図4(a)に示す経路情報テーブル24tの内容であった場合に、ポート番号が“1”であるポートに障害が発生した場合には、バックアップルートとして設定されているポート番号が“2”であるポートが切り替え先のポートとして設定された場合のものである。図4(d)は、障害時の各ポートにおける通信の負荷率を示したものである。図4(d)に示す通信の負荷率は、ポート番号t2が“2”であるポートにおける通信の負荷率が100%であることを示している。
【0036】
次に、図5は、(2)2つのポートで負荷分散する形態において、正常時と障害時(ポート番号“1”での障害)のそれぞれにおける経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容を示したものである。図5(a)は、正常時の経路情報テーブル24tの内容を示したものである。図5(a)に示す経路情報テーブル24tの内容は、宛先端末アドレスt1が“A”であるネットワーク機器7に対して、ポート番号t2が“1”および“2”であるポートから負荷分散して通信パケットを送出する場合のものである。図5(c)は、正常時の各ポートにおける通信の負荷率を示したものである。図5(c)に示す通信の負荷率は、ポート番号t2が“1”および“2”であるポートにおける通信の負荷率がそれぞれ50%であることを示している。図5(b)は、障害時の経路情報テーブル24tの内容を示したものである。図5(b)に示す経路情報テーブル24tの内容は、宛先端末アドレスt1が“A”であるネットワーク機器7に対して、ポート番号t2が“2”であるポートから通信パケットを送出し、ポート番号t2が“1”であるポートは障害により使用することができない場合のものである。すなわち、経路情報テーブル24tの内容が、図5(a)に示す経路情報テーブル24tの内容であった場合に、ポート番号が“1”であるポートに障害が発生した場合には、ポート番号が“1”以外である“2”のポートにより通信パケットが送出されるように設定された場合のものである。図5(d)は、障害時の各ポートにおける通信の負荷率を示したものである。図5(d)に示す通信の負荷率は、ポート番号t2が“2”であるポートにおける通信の負荷率が100%であることを示している。
【0037】
次に、図6は、(3)負荷分散せず、かつ、バックアップルートを2つ以上用意した場合において、正常時と障害時(ポート番号“1”での障害)のそれぞれにおける経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容を示したものである。図6(a)は、正常時の経路情報テーブル24tの内容を示したものである。図6(a)に示す経路情報テーブル24tの内容は、宛先端末アドレスt1が“A”であるネットワーク機器7に対して、ポート番号t2が“1”であるポートから通信パケットを送出し、ポート番号t2が“2”〜“4”であるポートをバックアップルートとして設定している場合のものである。また、図6(a)に示す経路情報テーブル24tにおいては、ポート番号t2が“1”〜“4”に対応するプライオリティを、それぞれ(1)〜(4)に設定している。このプライオリティは、ネットワーク機器7と接続する際のポートの接続優先順位を示すものである。図6(c)は、正常時の各ポートにおける通信の負荷率を示したものである。図6(c)に示す通信の負荷率は、ポート番号t2が“1”であるポートにおける通信の負荷率が100%であり、バックアップルートとして設定されているポート番号t2が“2”〜“4”であるポートにおける通信の負荷率がそれぞれ0%であることを示している。図6(b)は、障害時の経路情報テーブル24tの内容を示したものである。図6(b)に示す経路情報テーブル24tの内容は、宛先端末アドレスt1が“A”であるネットワーク機器7に対してポート番号t2が“2”であるポートから通信パケットを送出し、ポート番号t2が“1”であるポートは障害により使用することができず、ポート番号t2が“3”および“4”であるポートをバックアップルートとして設定している場合のものである。すなわち、経路情報テーブル24tの内容が、図6(a)に示す経路情報テーブル24tの内容であった場合に、ポート番号が“1”であるポートに障害が発生した場合には、ポート番号が“1”以外のポートのうち、プライオリティが最も高いポートとなるポート番号が“2”であるポートが切り替え先のポートとして設定された場合のものである。図6(d)は、障害時の各ポートにおける通信の負荷率を示したものである。図6(d)に示す通信の負荷率は、ポート番号t2が“2”であるポートにおける通信の負荷率が100%であり、ポート番号t2が“3”および“4”であるポートにおける通信の負荷率がそれぞれ0%であることを示している。
【0038】
次に、図7は、(4)3つ以上のポートで負荷分散する形態において、正常時と障害時(ポート番号“1”での障害)のそれぞれにおける経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容を示したものである。図7(a)は、正常時の経路情報テーブル24tの内容を示したものである。図7(a)に示す経路情報テーブル24tの内容は、宛先端末アドレスt1が“A”であるネットワーク機器7に対して、ポート番号t2が“1”〜“4”であるポートから負荷分散して通信パケットを送出する場合のものである。図7(c)は、正常時の各ポートにおける通信の負荷率を示したものである。図7(c)に示す通信の負荷率は、ポート番号t2が“1”〜“4”であるポートにおける通信の負荷率がそれぞれ25%であることを示している。図7(b)は、障害時の経路情報テーブル24tの内容を示したものである。図7(b)に示す経路情報テーブル24tの内容は、宛先端末アドレスt1が“A”であるネットワーク機器7に対して、ポート番号t2が“2”〜“4”であるポートから負荷分散して通信パケットを送出し、ポート番号t2が“1”であるポートは障害により使用することができない場合のものである。すなわち、経路情報テーブル24tの内容が、図7(a)に示す経路情報テーブル24tの内容であった場合に、ポート番号が“1”であるポートに障害が発生した場合には、ポート番号が“1”以外である“2”〜“4”のポートにより負荷分散するように設定された場合のものである。図7(d)は、障害時の各ポートにおける通信の負荷率を示したものである。図7(d)に示す通信の負荷率は、ポート番号t2が“2”〜“4”であるポートにおける通信の負荷率がそれぞれ33%であることを示している。
【0039】
次に、図8を参照して、本実施形態における通信交換機2の概要動作について説明する。なお、この動作説明では、上述した4つの形態のうち(1)負荷分散せず、かつ、バックアップルートを1つ用意した形態における動作について説明する。
【0040】
図8に示すように、まず、通信交換機2は、幹線用インターフェース部21の各ポート21a〜21dを介して接続されているネットワーク機器7に通信パケットを転送する際に、経路情報テーブル24tを参照して、通信パケットの送出を行うポート番号を取得する(ステップS1)。
【0041】
ここで、ステップS1において行われるポート番号を取得する際の動作を具体的に説明する。通信交換機2は、転送先となるネットワーク機器7のアドレス(例えば、“A”とする。)に基づいて、図4(a)に示す経路情報テーブル24tを参照する。この結果、通信交換機2は、宛先端末アドレスt1に“A”が格納されているレコードr1を抽出し、このレコードr1のポート番号t2に格納されている“1”を、これから通信パケットの送出を行うポート番号として経路情報テーブル24tから取得する。
【0042】
次に、通信交換機2は、取得したポート番号に対応するポートを介してネットワーク機器7に対する通信パケットの送出を開始する(ステップS2)。すなわち、通信交換機2は、ポート番号が“1”であるポート21aを介してネットワーク機器7に対する通信パケットの送出を開始する。
【0043】
次に、通信交換機2は、ポート21aあるいはポート21aを介した通信経路上において障害が発生したか否かを判定する(ステップS3)。この判定がNOである場合(ステップS3;NO)、すなわち、ポート21aを介して正常に通信パケットが送出されている場合に、通信交換機2は、処理をステップS1に移行する。なお、ネットワーク機器7への通信パケットの送出が終了すると、この通信交換機2の概要動作も終了することになる。
【0044】
一方、ステップS3における判定で、障害が発生したと判定された場合(ステップS3;YES)に、通信交換機2は、図4(b)に示す経路情報テーブル24tを参照して、上述したステップS1と同様に通信パケットの送出を行うポート番号(切り替え先のポート番号)を取得する(ステップS4)。なお、障害が発生した時点で、経路情報テーブル24tの内容が、図4(a)に示す内容から図4(b)に示す内容に書き換えられる。
【0045】
次に、通信交換機2は、ネットワーク機器7への通信パケットの送出を行うポートを、取得したポート番号に対応するポートに切り替え、その切り替え後のポートを介してネットワーク機器7への通信パケットの送出を再開する(ステップS5)。すなわち、通信交換機2は、ポート番号が“2”であるポート21bを介してネットワーク機器7への通信パケットの送出を再開する。
【0046】
以上のように、本実施形態における通信交換機2においては、通信パケットの送出をしているポートあるいは当該ポートを介する通信経路上において障害が発生した場合には、経路情報テーブル24tに記憶されている他のポート番号に対応するポートに切り替えるため、障害が発生してから通信パケットの送出が再開されるまでに要する時間は、数秒程度となる。したがって、上述したように障害が発生してから通信パケットの送出が再開されるまでに数十秒〜数分程度要していた従来の通信交換機に比べて、その所要時間が格段に短縮されている。これにより、本実施形態における通信交換機を通信ネットワークシステムに用いることで、データの送信をよりスムーズに行うことができる。
【0047】
また、このような効果は、通信交換機2がネットワーク機器7に対して通信パケットの送出を開始する際にも同様にして得られる。すなわち、従来の通信交換機では、上述したように通信パケットの送出が開始されるまでに数十秒〜数分程度要しているのに対し、本実施形態における通信交換機2では、通信パケットの送出を開始する際に、予め定められているポート番号に対応するポートを使用して通信パケットの送出を開始するため、通信パケットの送出が開始されるまでに要する時間は、数秒程度であり、その所要時間が格段に短縮されている。
【0048】
また、障害が復旧した場合には、その復旧した時点で、経路情報テーブル24tの内容が、図4(b)に示す内容から図4(a)に示す内容に書き換えられる。したがって、障害が復旧した場合には、図4(a)に示す経路情報テーブル24tのプライオリティに応じて通信パケットが送出されるポートが切り替えられる。これにより、障害が復旧してからその復旧したポートにより通信パケットが送出されるまでに要する時間は、数秒程度となる。すなわち、本実施形態における通信交換機を通信ネットワークシステムに用いることで、データの送信をよりスムーズに行うことができる。
【0049】
なお、上述した動作説明においては、本実施形態における通信ネットワークシステム1における4つの形態のうち、(1)負荷分散せず、かつ、バックアップルートを1つ用意した形態について説明しているが、(2)2つのポートで負荷分散する形態、(3)負荷分散せず、かつ、障害時のバックアップルートを2つ以上用意した形態、(4)3つ以上のポートで負荷分散する形態においても同様の動作となるため、それぞれの形態における詳細な動作説明は省略し、以下において、それぞれの形態における動作の概要を簡単に説明する。
【0050】
まず、(2)2つのポートで負荷分散する形態(図5参照)においては、例えば、ネットワーク機器7への通信パケットの送出を2つのポート21a,21bで負荷分散している際に、ポート21aあるいはポート21aを介する通信経路上において障害が発生した場合には、図5(b)に示す経路情報テーブルに基づいて、負荷分散するポートを、2つのポート21a,21bから、ポート21a以外の1つのポート21bに切り替えて通信パケットの送出を行う。この場合、ポート21bを経由する通信量は、全体の通信量の50%であったのが100%になる。
【0051】
次に、(3)負荷分散せず、かつ、障害時のバックアップルートを2つ以上用意した形態(図6参照)においては、例えば、ネットワーク機器7への通信パケットの送出を1つのポート21aで行っている際に、ポート21aあるいはポート21aを介する通信経路上において障害が発生した場合には、図6(b)に示す経路情報テーブルに基づいて、通信パケットを送出するポートを、ポート21a以外のポートのうちプライオリティが最も高いポートであるポート21bに切り替えて通信パケットの送出を行う。
【0052】
次に、(4)3つ以上のポートで負荷分散する形態(図7参照)においては、例えば、ネットワーク機器7への通信パケットの送出を4つのポート21a,21b,21c,21dで負荷分散している際に、ポート21aあるいはポート21aを介する通信経路上において障害が発生した場合には、図7(b)に示す経路情報テーブルに基づいて、負荷分散するポートを、4つのポート21a,21b,21c,21dから、ポート21a以外の3つのポート21b,21c,21dに切り替えて負荷分散する。この場合、ポート21b,21c,21dを経由する通信量は、全体の通信量の25%であったのが33%になる。
【0053】
なお、上述した4つの形態のいずれにおいても、障害が復旧した場合には、経路情報テーブルのプライオリティに応じて、通信の負荷を見直すようにすればよい。
【0054】
また、上述した実施形態においては、障害が発生した場合には、経路情報テーブル24tのプライオリティt3に応じて切り替え先のポートを決定しているが、切り替え先のポートを決定する方法はこれに限られない。例えば、障害が発生した場合に切り替え先となるポートを予め設定しておいて、障害が発生した場合には、予め設定されたポートに切り替えることとしてもよい。具体的に説明すると、経路情報テーブルには、宛先端末アドレスと、ポート番号と、切替先ポート番号とを対応付けて記憶させる。ここで、宛先端末アドレスとポート番号については、上述した実施形態の宛先端末アドレスとポート番号と同じものである。切替先ポート番号には、ポート番号に対応するポートに障害が発生した場合等に、切り替え先となるポート21a〜21dを一意に特定するポート番号が格納される。このような経路情報テーブルを備えることにより、例えば、ポート番号が“1”であるポート21aあるいはこのポート21aの通信経路上で障害が発生した場合には、このポート番号に対応して切替先ポート番号に記憶されているポート番号が、切り替え先のポートのポート番号となる。また、上述した障害が復旧した場合には、復旧したポートに切り替えることとしてもよい。
【0055】
【発明の効果】
本発明に係る通信交換機および通信ネットワークシステムによれば、データの送信をよりスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における通信ネットワークシステムの構成図である。
【図2】図1に示す通信交換機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】経路情報テーブルの概念図である。
【図4】経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容を示す図である。
【図5】経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容を示す図である。
【図6】経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容を示す図である。
【図7】経路情報テーブルの内容および通信の負荷率の内容を示す図である。
【図8】通信交換機の概要動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・通信ネットワークシステム、2・・・通信交換機、5・・・幹線ケーブル、6・・・管理センター、7・・・ネットワーク機器、8・・・管理装置、9・・・支線ケーブル、10・・・通信端末装置、11・・・メディアコンバータ、12・・・スイッチ、13・・・ユーザ端末、21・・・幹線用インターフェース部、22・・・支線用インターフェース部、21a〜21d,22a〜22c・・・ポート(接続ポート)、23・・・交換部、24・・・メモリ、24t・・・経路情報テーブル。
Claims (7)
- 外部にある端末と信号の送受を行う複数の接続ポートを有するインターフェース部と、
前記接続ポートの切り替えを行う交換部とを備え、
前記交換部は、一の前記接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、前記接続ポートを予め定められた他の接続ポートに切り替えることを特徴とする通信交換機。 - 前記接続ポートの識別コードに対応してプライオリティを記憶する記憶部をさらに備え、
前記交換部は、一の前記接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、当該一の接続ポート以外の識別コードに対応するプライオリティのうち、最も高いプライオリティに対応する識別コードを前記記憶部から取得し、前記接続ポートを当該抽出した識別コードに対応する接続ポートに切り替えることを特徴とする請求項1記載の通信交換機。 - 前記接続ポートの識別コードに対応して他の接続ポートの識別コードを記憶する記憶部をさらに備え、
前記交換部は、一の前記接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、当該一の接続ポートの識別コードに対応する他の接続ポートの識別コードを前記記憶部から取得し、前記接続ポートを当該抽出した他の接続ポートに切り替えることを特徴とする請求項1記載の通信交換機。 - 前記インターフェース部、前記交換部および前記記憶部を収納する筐体をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の通信交換機。
- 通信交換機と、前記通信交換機と複数の経路で接続されるネットワーク機器とを備える通信ネットワークシステムであって、
前記通信交換機は、
ネットワーク機器と信号の送受を行う複数の接続ポートを有するインターフェース部と、
前記接続ポートの切り替えを行う交換部とを備え、
前記交換部は、一の前記接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、前記接続ポートを予め定められた他の接続ポートに切り替えることを特徴とする通信ネットワークシステム。 - 前記通信交換機は、
前記接続ポートの識別コードに対応してプライオリティを記憶する記憶部をさらに備え、
前記交換部は、一の前記接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、当該一の接続ポート以外の識別コードに対応するプライオリティのうち、最も高いプライオリティに対応する識別コードを前記記憶部から取得し、前記接続ポートを当該抽出した識別コードに対応する接続ポートに切り替えることを特徴とする請求項5記載の通信ネットワークシステム。 - 前記通信交換機は、
前記接続ポートの識別コードに対応して他の接続ポートの識別コードを記憶する記憶部をさらに備え、
前記交換部は、一の前記接続ポートあるいは当該一の接続ポートの通信経路上に障害が発生した場合に、当該一の接続ポートの識別コードに対応する他の接続ポートの識別コードを前記記憶部から取得し、前記接続ポートを当該抽出した他の接続ポートに切り替えることを特徴とする請求項5記載の通信ネットワークシステム。
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---|---|---|---|
JP2003015184A JP2004229007A (ja) | 2003-01-23 | 2003-01-23 | 通信交換機および通信ネットワークシステム |
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JP2003015184A JP2004229007A (ja) | 2003-01-23 | 2003-01-23 | 通信交換機および通信ネットワークシステム |
Publications (1)
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JP (1) | JP2004229007A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009078241A1 (ja) * | 2007-12-17 | 2009-06-25 | Sharp Kabushiki Kaisha | サーバ装置、通信端末装置、アクセスシステム、アクセス方法およびアクセスプログラム |
JP2009206581A (ja) * | 2008-02-26 | 2009-09-10 | Nec Computertechno Ltd | マルチノードネットワークシステム、通信方法、及び、プログラム |
JP2017184087A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | Necプラットフォームズ株式会社 | ネットワーク機器及びその制御方法 |
-
2003
- 2003-01-23 JP JP2003015184A patent/JP2004229007A/ja not_active Withdrawn
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