JP2004228720A - テレビ通信によるデータ提供方法 - Google Patents

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Toshio Murakoshi
利生 村越
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Abstract

【課題】テレビ通信で映像信号により本来の送信用映像データとともに任意の提供データを伝達するデータ提供方法において、コストアップを招かずに一度に大量の提供データを伝達できる方法を提供する。
【解決手段】送信側では、任意の提供データを二次元コード化した二次元コードの映像を本来の送信用映像に合成し、合成した映像の映像信号を送信する。受信側では、前記映像信号をテレビが受信してI/F装置に出力する(S5,6)。I/F装置は映像信号から二次元コードの映像を抽出する動作を行い、二次元コードの映像データがあればパソコンに出力する(S7,8)。パソコンは前記映像データによる二次元コードをデコードし提供データを復元する。その際に提供データが暗号化されていて復号キーがあればそれで復号して復元する(S9〜11)。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビ通信で映像信号により本来の送信用映像データとともに任意の提供データを伝達するテレビ通信によるデータ提供方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のテレビ通信によるデータ提供の例として、テレビ放送で本来の放送用映像データとともに文字データを映像信号で放送する文字多重放送が知られている。その方法として、例えば本来の放送用映像データの映像信号における特定の走査線の信号に文字データの信号を多重化して送信する方法が採用されている。
【0003】
文字多重放送を受信可能なテレビ受信機では、受信した映像信号から文字データの信号を分離してデコーダで文字データとして復調し、文字データを表示する。その文字データをパソコン(パーソナルコンピュータ)で理解できるフォーマットに変換してパソコンへ出力し、パソコンで文字データを利用できるようにした構成が下記の特許文献1に記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−328320号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の文字多重放送の方法では、一度に伝達できる提供データ(文字データ)の量が制限され、一度に大量の提供データを伝達することができないという問題があった。
【0006】
そこで本発明の課題は、文字多重放送に限らず、テレビ通信で映像信号により本来の送信用映像データとともに任意の提供データを伝達するデータ提供方法において、実施するために従来の方法に比べてコストアップを招くことがない方法で、一度に大量の提供データを伝達することができる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明によれば、
テレビ通信によるデータ提供方法において、
送信側では、任意の提供データを二次元コード化した二次元コードの映像を本来の送信用映像に合成し、合成した映像の映像信号を送信し、
受信側では、前記映像信号を受信して該映像信号から前記二次元コードの映像を抽出し、該映像による二次元コードをデコードして前記提供データを取得する方法を採用した。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明のテレビ通信によるデータ提供方法の実施の形態を説明する。
【0009】
本実施形態でテレビ通信によるデータ提供を行うデータ提供システムでは、送信側はテレビ放送局とし、任意の提供データを二次元コード化した二次元コードの映像を本来の放送(送信)用映像に合成し、合成した映像の映像信号を放送する。受信側では、放送された映像信号を受信してその映像信号から前記の二次元コードの映像を抽出し、その映像の二次元コードをデコードして前記の提供データを取得する。受信側のシステム(以下、提供データ受信システムという)では、パソコンが制御可能なインターフェース装置をパソコンに二次元コードの映像を入力する入力装置として利用する。
【0010】
図1は提供データ受信システムの概略構成を示している。図1において、1はテレビ受信機(以下、テレビと略す)、2はインターフェース装置(以下I/F装置と略す)、3はパソコン、4はプリンタ、5はパソコン3の通信用の入出力端子である。ここで、テレビ1、I/F装置2、パソコン3の間で映像信号の流れる経路をビデオチャンネルとしてV1,V2で表し、制御のための信号あるいはデータが流れる経路をデータチャンネルとしてD1,D2で表してある。また、パソコン3とプリンタ4の間で制御のための信号あるいは制御データや印刷データが流れる経路をデータチャンネルとしてD3で表してある。
【0011】
テレビ1は、送信側のテレビ放送局から放送された上記の映像信号、すなわち、上記二次元コードの映像を本来の放送用映像に合成した映像の映像信号を受信し、その映像信号をビデオチャンネルV1を経由してI/F装置2に伝達する。この映像信号は、アナログあるいはデジタルのどちらでもよい。また、テレビ1は、これに設けられた制御用の入出力端子がデータチャンネルD1を介してI/F装置2と接続され、I/F装置2からデータチャンネルD1を介して前記入出力端子に入力される制御信号やデータにより動作が制御される。また、テレビ1は、内部に映像信号の記憶手段を備えたものとして、I/F装置2からの制御により、その記憶手段に記憶された映像信号のデータをビデオチャンネルV1経由でI/F装置2に出力するものとしてもよい。
【0012】
I/F装置2は、ビデオチャンネルV2およびデータチャンネルD2でパソコン3と接続されている。そして、I/F装置2は、テレビ1からビデオチャンネルV1を介して入力された映像信号から先述した二次元コードの映像を抽出してパソコン3に出力する。その場合、二次元コードの映像をそのまま瞬時の映像信号すなわちライブ映像としてビデオチャンネルV2を介してパソコン3に伝達すること、或いは、二次元コードの静止画データとしてデータチャンネルD2を介してパソコン3に伝達することが可能である。
【0013】
I/F装置2は、前記の静止画データを得るために、映像信号のデータを記憶するメモリ手段(具体的には後述の図3の比較回路12に設けられる)を内蔵しており、パソコン3からの制御データに従い、ビデオチャンネルV1から順次1フレーム分ずつ入力される映像信号から抽出した複数フレーム分の二次元コードの映像データを上記メモリ手段に記憶する。そして、パソコン3からの別の制御データに従って、記憶した二次元コードの映像データ(静止画データ)をデータチャンネルD2を通じてパソコン3に入力する。
【0014】
パソコン3は、ビデオチャンネルV2あるいはデータチャンネルD2から入力される瞬時の映像信号あるいは静止画の映像データの信号を二次元コードの映像信号として処理し、内蔵されたアプリケーションソフトにより前記映像信号の映像による二次元コードをデコードして提供データを取得する。また、パソコン3はI/F装置2に対して、データチャンネルD2を通じて、種々の制御データを伝送する。I/F装置2はこの制御データを解釈し、自身の動作を変更したり、テレビ1に制御データを伝達して、その動作を制御したりする。
【0015】
プリンタ4はデータチャンネルD3を介してパソコンに接続され、パソコン3から入力される上記提供データなどの印刷データを印刷用紙に印刷する。
【0016】
次に、図2はI/F装置2の構成を示すブロック図である。なお、ここでは二次元コードの映像データを静止画データとしてデータチャンネルD2に出力するための構成だけ示してある。
【0017】
図2において、同期分離回路6はテレビ1から入力される映像信号から同期信号成分のみを抽出し、水平同期カウンタ7とクロック信号発生回路8に出力する。
【0018】
水平同期カウンタ7は、同期分離回路6から入力される同期信号の内の水平同期信号をカウントし、そのカウント信号をクロックカウンタ9に出力する。
【0019】
クロック信号発生回路9は、同期分離回路6から入力される同期信号の内の水平同期信号に同期して所定周波数、例えば6MHzのクロック信号を発生し、クロックカウンタ9に出力する。
【0020】
クロックカウンタ9は、水平同期カウンタ7からのカウント信号とクロック信号発生回路9からのクロック信号に基づいて1水平走査期間の特定範囲内において映像信号をサンプルするためのサンプルパルスを発生し、データサンプリング回路11に出力する。具体的には、例えば1水平走査線を400の画素としたサンプルを行うための6MHzのサンプルパルスを出力する。ただし、このサンプルクロックは1H(水平走査期間)の全期間にわたって出力されるのではなく、画面上で提供データの2次元コードの映像が本来の放送用映像に合成される一部分(例えば、右上の部分)に対応する期間中のみ出力される。
【0021】
一方、テレビ1から入力された映像信号は同期分離回路6を経てサンプリング用映像増幅回路10で増幅され、データサンプリング回路11に入力される。データサンプリング回路11は、クロックカウンタ9からのサンプルパルスの出力に応答して、上記画面上の一部分に対応する期間中のみ映像増幅回路10からの映像信号をサンプリングし、映像データとして1ビットの量子化データ列の信号を比較回路12に出力する。
【0022】
比較回路12は、メモリを有し、データサンプリング回路11から入力された一連の1ビットの量子化データ列を各フレーム毎に取り込んで記憶し、例えば3フレーム分のデータが入力された時点で、3フレーム分のデータを比較し、それぞれの同一のサンプル位置に同一のサンプルデータ(「0」か「1」)が存在するか否かを検出する。すなわち第1フレームから第3フレームについての比較処理において全部一致しているデータがあるか否かを検出する。そして、全部一致したデータがあったら、そのデータが二次元コードの映像データであるものとして、その映像データとこれの取り込みを指示するための制御信号ONをデータ出力ON/OFF回路13に出力する。また、一致したデータがなかったら、二次元コードの映像データがないものとして、その取り込みを行わない旨の制御信号OFFを出力する。
【0023】
データ出力ON/OFF回路13は、比較回路12からの制御信号ONに応答して、比較回路12から出力される二次元コードの映像データを取り込み、パソコン3に出力する。また、比較回路12からの制御信号OFFに応答して二次元コードの映像データの取り込みと出力を停止する。
【0024】
自動/手動切替え装置15は、データ出力ON/OFF回路13からの二次元コードの映像データの出力を行うタイミングを自動にする場合と手動にする場合に切り替えるものである。
【0025】
また、検出位置モニタ16は、データサンプリング回路12によってサンプルされる映像信号の水平走査線上の特定領域、すなわち二次元コードの映像が本来の放送用映像に合成されている場合の二次元コードの映像領域を検出し、検出結果のデータをパソコン3に出力してパソコン3のディスプレイ上で上記特定領域を可視化するためのものである。
【0026】
次に、本実施形態のデータ提供システムにおける提供データの送受信動作を図3と図4のフローチャートにより説明する。図3は送信側(テレビ放送局)の動作手順、図4は受信側の動作手順を示している。
【0027】
送信側では、まず図3のステップS1で提供データがあるか否か判定し、あればステップS2で提供データを二次元コード化する。この際に提供データの種類などにより必要がある場合は提供データを暗号化してから二次元コード化する。暗号化することにより、受信側で暗号を復号するのに必要な復号キーの有無により提供データの取得が制限されるようにすることができる。
【0028】
次にステップS3において、ステップS2で生成した二次元コードの映像データを本来の放送用映像データに合成する。例えば、二次元コードの映像を本来の放送用映像の画面上で右上の位置などに合成する。そして、ステップS4で上記の合成した映像データの映像信号を放送(送信)した後、動作を終了する。
【0029】
また、ステップS1で提供データがなければステップS4にジャンプし、本来の放送用映像データのみの映像信号を放送した後、動作を終了する。
【0030】
一方、受信側では、まず図4のステップS5でテレビ1が放送された映像信号を受信し、ステップS6でI/F装置2へ出力する。
【0031】
次に、ステップS7でI/F装置2がテレビ1から入力された映像信号からの二次元コードの映像データの抽出動作を行い、先述した比較回路12による比較で二次元コードの映像データの有無を判定する。
【0032】
そして二次元コードの映像データがなければ動作終了となるが、あればステップS8でI/F装置2が二次元コードの映像データをパソコン3に出力する。
【0033】
二次元コードの映像データを受け取ったパソコン3は、ステップS9で復号キーが必要か否か、すなわちその映像データによる二次元コードが提供データを暗号化して二次元コード化したものか否か判定する。そして復号キーが必要でない(暗号化されていない)場合はステップS11に進むが、必要である(暗号化されている)場合はステップS10に進む。
【0034】
ステップS10では復号キーがあるか否かを判定する。復号キーは必要に応じて予め与えられるものとする。そして復号キーがなければ動作を終了するが、あればステップS11に進む。
【0035】
ステップS11ではパソコン3がステップS8で受け取った映像データによる二次元コードをデコードし、提供データを復元する。ここで提供データが暗号化されており、かつ復号キーがある場合は、二次元コードをデコードした結果のデータを復号キーで復号して提供データを復元する。
【0036】
次に、ステップS12で、上記の提供データが印刷すべきデータであるか否か判定し、印刷すべきデータであればステップS14でその提供データをプリンタ4に出力し印刷用紙に印刷させた後、動作を終了する。また、印刷すべきデータでなければステップS13で提供データをパソコン3のディスプレイに表示させた後、動作を終了する。
【0037】
以上のような本実施形態のデータ提供方法によれば、小さな面積で大量のデータを表現することができる二次元コードを利用して提供データを送信側から受信側に伝達するので、一度に大量の提供データを伝達することができる。しかも、本実施形態の方法は、送信側も受信側も簡単な構成で実施することができ、実施する上で従来の方法に比べてコストアップを招くことがない。
【0038】
なお、本実施形態では送信側がテレビ放送局であるものとしたが、特定の送信相手にのみ送信を行う送信局としてよい。
【0039】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の趣旨と範囲は実施形態で説明したものに限定されないことは勿論である。本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0040】
[実施態様1] 送信側では、任意の提供データを二次元コード化した二次元コードの映像を本来の送信用映像に合成し、合成した映像の映像信号を送信し、受信側では、前記映像信号を受信して該映像信号から前記二次元コードの映像を抽出し、該映像による二次元コードをデコードして前記提供データを取得することを特徴とするテレビ通信によるデータ提供方法。
【0041】
[実施態様2] 送信側で前記提供データを二次元コード化する際に暗号化しておくことにより、受信側で復号化のための復号キーの有無により前記提供データの取得が制限されるようにすることを特徴とする実施態様1に記載のテレビ通信によるデータ提供方法。
【0042】
[実施態様3] 実施態様1に記載のテレビ通信によるデータ提供方法を実施する場合に送信される前記映像信号を受信する受信手段と、
該受信手段が受信した前記映像信号から前記二次元コードの映像を抽出する抽出手段と、
該抽出手段により抽出された映像による二次元コードをデコードして前記提供データを復元するデコード手段を有することを特徴とする提供データ受信システム。
【0043】
[実施態様4] 表示手段を有し、前記デコード手段により復元した前記提供データを前記表示手段により表示することを特徴とする実施態様3に記載の提供データ受信システム。
【0044】
[実施態様5] 印刷手段を有し、前記デコード手段により復元した前記提供データを前記印刷手段により印刷用紙に印刷することを特徴とする実施態様3に記載の提供データ受信システム。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、テレビ通信によるデータ提供方法において、送信側では、任意の提供データを二次元コード化した二次元コードの映像を本来の送信用映像に合成し、合成した映像の映像信号を送信し、受信側では、前記映像信号を受信して該映像信号から前記二次元コードの映像を抽出し、該映像による二次元コードをデコードして前記提供データを取得するようにしたので、一度に大量の提供データを伝達することができ、しかも簡単な構成で実施することができ、実施する上で従来の方法に比べてコストアップを招くことがないという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における提供データ受信システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1中のインターフェース装置の構成の詳細を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態における送信側の動作手順を示すフローチャート図である。
【図4】本発明の実施形態における受信側の動作手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1 テレビ受信機
2 インターフェース装置
3 パソコン
4 プリンタ
5 通信用の入出力端子
6 同期分離回路
7 水平同期カウンタ
8 クロック信号発生回路
9 クロックカウンタ
10 サンプリング用映像増幅回路
11 データサンプリング回路
12 比較回路
13 データ出力ON/OFF回路
15 自動/手動切り替え装置
16 検出位置モニタ

Claims (1)

  1. 送信側では、任意の提供データを二次元コード化した二次元コードの映像を本来の送信用映像に合成し、合成した映像の映像信号を送信し、
    受信側では、前記映像信号を受信して該映像信号から前記二次元コードの映像を抽出し、該映像による二次元コードをデコードして前記提供データを取得することを特徴とするテレビ通信によるデータ提供方法。
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