JP2004228399A - 車両用レクチファイヤレギュレータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面実装部品85が取付けられた基板81に、表面実装部品を覆うようにフィン付きケース86を被せ、このケース内に樹脂83を充填することで、基板をフィン付きケースに一体化してなるレクチファイヤレギュレータ80において、基板の外側の面に樹脂シート88で伝熱板89を接着し、この伝熱板の外側の面を車体フレーム56との接触面にした。
【効果】従来のように、基板を直接に車体フレームに接触するのに比べて、本発明では、基板の外側の面に樹脂シートで伝熱板を接着し、この伝熱板の外側の面を車体フレームに接触するので、熱伝達率が低い空気層を埋め、より基板からの伝熱効率を高めることが可能となる。また、従来のレクチファイヤレギュレータに樹脂シートを介して伝熱板を接着するだけなので、製造コストを高めることなく表面実装部品(電子回路)の熱を効率よく基板側から放熱し、レクチファイヤレギュレータの取り付け位置の自由度を高めることが可能である。
【選択図】 図4
【効果】従来のように、基板を直接に車体フレームに接触するのに比べて、本発明では、基板の外側の面に樹脂シートで伝熱板を接着し、この伝熱板の外側の面を車体フレームに接触するので、熱伝達率が低い空気層を埋め、より基板からの伝熱効率を高めることが可能となる。また、従来のレクチファイヤレギュレータに樹脂シートを介して伝熱板を接着するだけなので、製造コストを高めることなく表面実装部品(電子回路)の熱を効率よく基板側から放熱し、レクチファイヤレギュレータの取り付け位置の自由度を高めることが可能である。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レギュレータを配設する、車体のフレームとの接触部での熱容量を増加することにより、熱を抑制するレクチファイヤレギュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
オルタネータの出力を制御する装置であるレクチファイヤレギュレータは、オルタネータで発生した電圧や電流を調整し、バッテリへの充電、電子機器等への給電を行う。このレクチファイヤレギュレータは電子回路を配設した基板で構成する。この電子回路(表面実装部品)には、整流用ダイオードやサイリスタ等の発熱の大きい電子部品や、制御回路を構成するトランジスタ、抵抗、コンデンサ等のチップ部品や、ジャンパー等が含まれており、回路の動作中や電子回路の短絡時に熱を発生する。この熱を放熱するために、従来、アルミ製のフィン付きケースに樹脂製のプリント基板を挿入し充填剤でポッテイングすることによって、フィン付きケースへ熱を伝達してフィンから空気層へ放熱していた。
【0003】
また、基板側から熱を放熱するために、アルミ製のケースにアルミ基板を組み合わせ、充填剤でポッテイングし、アルミ基板を車体のフレーム等に面接触することによって、アルミ基板からフレーム等へ熱を伝達し、放熱をしていた。さらに、アルミ製のフィン付きケースにアルミ基板を組み合わせ、充填剤でポッテイングし、アルミ基板を車体のフレーム等に面接触することによって、フィンとフレーム等から放熱をしていた。この従来のレクチファイヤレギュレータとして、特許文献1の電子回路装置が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−354956号公報(図1)
【0005】
特許文献1の図1を以下の図8で説明する。なお、符号は振り直した。
図8は従来の電子回路装置の断面図であり、電子回路装置(レクチファイヤレギュレータ)100は、一方の面のみに電子部品101を実装した金属基板102と放熱フィン103とを一体に構成し、金属基板102を蓋として格納するケース104と、金属基板102とケース104との間に充填されたモールド樹脂105とを含み、金属基板102は一方の面をケース104の方向に向け、電子部品101から発せられる熱を放熱フィン103と金属基板102の他方の面の両方から外部へ放出する。しかし、外部への熱伝達が悪い場合には、ケース内に熱が滞留し、レクチファイヤレギュレータの温度が上昇する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1の技術では、電子回路装置100は上面の放熱フィン103と、金属基板102下面と車両の金属製フレームとの接触部により、その放熱性を高めている。しかし、金属基板102下面と車両の金属製フレームとの接触部は金属同士の接触であるため不可避的に微少な隙間が発生し、結果として両者は密着しておらず、接触部に熱伝達率の低い空気層が存在するので、接触部での伝熱効率は小さくなる。従って、放熱フィン103と金属基板102下面の接触部での伝熱効率を見ると、放熱フィン103に依る部分が大きい。つまり、車両の金属製フレームとの接触部での伝熱よりも、放熱フィン103による放熱の方が大きい。このため、レクチファイヤレギュレータ100の取り付け位置は、放熱フィン103に走行風が当たる位置に限定していた。特に、不整地走行車両では、飛び石などから機器やフレームを守るためカバーで覆われている部分が多いので、さらにレクチファイヤレギュレータ100の取り付け位置が制約を受ける。
【0007】
従って、レクチファイヤレギュレータ100の取り付け位置の自由度を高めるためには、放熱フィン103による放熱によらず、車両の金属製フレームとの接触部での伝熱効率を高めて、レクチファイヤレギュレータ100の温度を下げることが必要である。
【0008】
上記要求に応えるため、車両の金属製フレームとの接触部での伝熱効率を高める方法として、金属基板102の板厚を上げることで基板の熱容量を大きくし、電子部品101で発生した熱を基板でより多く吸熱して、基板からフレーム等へ熱を伝達し、フレーム等から放熱することが考えられる。しかし、金属基板192は電子部品101を配設するため、金属基板102の板厚を上げることは、製造ラインの変更もしくは、金型の変更をする必要があるので、製造コストの上昇を招く。
【0009】
そこで、本発明の目的は、製造コストを高めることなく電子回路の熱を効率よく基板側から放熱し、レクチファイヤレギュレータの取り付け位置の自由度を高めることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、表面実装部品が取付けられた基板に、表面実装部品を覆うようにフィン付きケースを被せ、このケース内に樹脂を充填することで、基板をフィン付きケースに一体化してなるレクチファイヤレギュレータにおいて、基板の外側の面に樹脂シートで伝熱板を接着し、この伝熱板の外側の面を車体フレームとの接触面にしたことを特徴とする。
【0011】
従来のように、基板を直接に車体フレームに接触するのに比べて、本発明では、基板の外側の面に樹脂シートで伝熱板を接着し、この伝熱板の外側の面を車体フレームに接触するので、熱伝達率が低い空気層を埋め、より基板からの伝熱効率を高めることが可能となる。また、これにより製造コストを高めることなく電子回路の熱を効率よく基板側から放熱し、レクチファイヤレギュレータの取り付け位置の自由度を高めることが可能である。
【0012】
請求項2は、基板、ケースおよび伝熱板が金属製であることを特徴とする。基板、ケースおよび伝熱板が金属製であるので、比熱が大きい金属を用いることによって、伝熱効率を高めることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータを備える車両の側面図であり、車両10は、車体フレーム11の前部にハンドルポスト12を取付け、このハンドルポスト12の下端部側を左右の前輪13,14(手前側の前輪13のみ図示)に連結し、ハンドルポスト12の上端部側にハンドル15を取付け、車体フレーム11の中間部にエンジン16及び変速機17からなるパワーユニット18を取付け、メインフレーム55,56(手前側のメインフレーム55のみ図示)からなる車体フレーム11の後部側にパワーユニット18で前輪13,14と共に駆動する後輪21,22(手前側の後輪21のみ図示)を配置した不整地走行用車両である。
【0014】
ここで、31は車体前面を保護するフロントガード、32はヘッドランプ、33は前輪13用のショックアブソーバ、34は車体フレーム11に取付けた燃料タンク、35はエンジン16の高温部にエアを供給するエアダクト、36はオイルクーラ、37はオイルクーラ36用のファンを囲むシュラウド、38はエンジン16の前部に接続するとともに曲げて後方へ延ばした排気装置、42は後輪21,22用のショックアブソーバ、43は荷物を載せるリヤキャリア、44は前輪13,14の上方及び後方を覆うフロントフェンダ、45は運転者が足を載せるステップ、46は後輪21,22の前方及び上方を覆うリヤフェンダ、47はシートである。
【0015】
71はオルタネータであり、エンジン16に装着する。オルタネータ71は車両の電気負荷に電力を供給するとともに、レクチファイヤレギュレータ80を介してバッテリ72を充電する。73はレクチファイヤレギュレータ80を制御するコントローラである。レクチファイヤレギュレータ80はオルタネータ71から交流電圧を入力し、整流用ダイオードで形成されるブリッジを介してバッテリ72に直流を供給する。このレクチファイヤレギュレータ80からの発熱量は非常に大きいため、効率の良い放熱が要求される。
【0016】
図2は本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータを備える車両の平面図であり、車体フレーム11の一部を構成する左右のメインフレーム55,56を車体中央部で且つ前後方向に延びるように配置し、これらのメインフレーム55,56の間に、パワーユニット18と、エンジン冷却用のエアダクト35とを配置し、エアダクト35の前端部をメインフレーム55,56の幅とほぼ同一にし、エンジン16から排気装置38をU字状に折曲げて後方に延ばしたことを示す。
【0017】
排気装置38は、U字状に曲げたU字排気管63と、このU字排気管63の後部に連結した中間部排気管64と、この中間部排気管64の後部に取付けた消音器65とからなり、消音器65は図1に示したように一方のメインフレーム55の後部に取付ける。消音器65を取付けたメインフレーム55と対向する位置に配置したメインフレーム56にバッテリ72とレクチファイヤレギュレータ80を取付ける。
【0018】
図3は、図2中の矢印Aから見たバッテリ72およびレクチファイヤレギュレータ80の斜視図である。バッテリ72およびレクチファイヤレギュレータ80は車両10のメインフレーム56に接して設けられる。このメインフレーム56は消音器65を取付けたメインフレーム55と対向する位置に配置するため、排気ガスにより温度が高くなった消音器65からの温度影響がない。
【0019】
図4は、図3におけるB−B断面を示す図である。図中右側が図3の配置における上である。図4において、81は金属基板、82はケース、83はモールド樹脂、84はカプラ、85は表面実装部品、86は放熱フィン、87は電極、88は樹脂シート、89は伝熱板を示す。
【0020】
金属基板81は、銅やアルミニウム、銅合金等を基材とし、その上にエポキシ等の絶縁膜を介して銅等で導電パターンを形成したものである。表面実装部品85には、整流用ダイオードやサイリスタ等の発熱の大きい電子部品や、制御回路を構成するトランジスタ、抵抗、コンデンサ等のチップ部品や、ジャンパー等が含まれる。電極87は、この電子回路装置を外部の回路と電気的に接続するために用いられるものである。カプラ84は、電極87を保護するとともに、外部回路との接続のためのガイドとなる。ケース82は、背の低い表面実装部品85を格納する部分においては金属基板81に接近するように浅くして熱伝導を良好にしており、背の高い電極87を格納する部分においては金属基板81から離れるように深く形成する。表面実装部品85を覆うようにフィン付きケース82を被せる。金属基板81とケース82との間には、熱伝導を向上させるためのモールド樹脂83を充填する。
【0021】
ケース82の周囲(カプラ84が取り付けられる部分を除く)には、金属基板81を固定するためのガイドが設けられており、金属基板81の位置ずれを防止するとともに金属基板81とケース82との間の熱伝導を良好にする。金属基板81の外側の面である、表面実装部品85が設けられていない側の面に樹脂シート88で伝熱板89を接着する。この伝熱板89の外側の面をメインフレーム56と接触するように、レクチファイヤレギュレータ80を設けた。これにより、レクチファイヤレギュレータ80で発生した熱が、樹脂シート88および伝熱板89を介してメインフレーム56に伝熱する。フレーム56に伝熱した熱は、フレーム56内を伝達し、フレーム56の広い範囲から空気層へ放熱する。ここで、伝熱板89とフレーム56は密着して形成し、伝熱されやすいようになっているが、伝熱板89とフレーム56の間に樹脂シート等を入れることにより、フレーム56への伝熱効率を高くすることも可能である。図5は図4の左側の部分の拡大図である。ケース82の突出部82aが金属基板81と樹脂シート88をガイドし、固定する。樹脂シート88は金属基板81との間の空気層を埋め、熱伝達率をよくする。ここで、樹脂シート88と伝熱板89を1枚づつとしたが、これに限らず、レクチファイヤレギュレータ80を設ける場所に応じて複数枚重ねてもよい。樹脂シート88と伝熱板89により熱容量を大きくする。
【0022】
図6は、本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータ80の作成工程を示す図である。図8で示した従来のレクチファイヤレギュレータ100に伝熱板89を樹脂シート88を介して接着する。ここで、レクチファイヤレギュレータのケース82は樹脂シート88の厚さ分の突出部82aを有する。これは図5で示したように樹脂シート88をガイドし、固定するためである。
【0023】
図7は、本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータ80の変形例である。ケース82の周囲が金属基板81のみをガイドし、固定する。従って、従来のレクチファイヤレギュレータに対して樹脂シート88を介して伝熱板89を接着するのみで、本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータ80ができる。このため、ケース82に図5,6で示した樹脂シート88用の突出部82aを設ける必要がなく、従来のレクチファイヤレギュレータを流用することができ、製造ラインの変更もしくは、金型の変更をすることなく、製造コストも高めることなく製造することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の車両用レクチファイヤレギュレータは、表面実装部品が取付けられた基板に、表面実装部品を覆うようにフィン付きケースを被せ、このケース内に樹脂を充填することで、基板をフィン付きケースに一体化してなるレクチファイヤレギュレータにおいて、基板の外側の面に樹脂シートで伝熱板を接着し、この伝熱板の外側の面を車体フレームとの接触面にしたので、従来のように、直接に車体フレームへ車両用レクチファイヤレギュレータを取付けた場合の放熱に比べて、本発明では樹脂シートと伝熱板での熱容量が大きく、より車体フレームへ放熱する。また、車両用レクチファイヤレギュレータのケースのフィンによる放熱だけでなく、車体フレーム側からも効率よく放熱するため、車両用レクチファイヤレギュレータの取付け位置の自由度を高めることができる。また、基板の板厚を上げた場合の吸熱効果と同様の高い吸熱効果を安価に得ることができる。
【0025】
請求項2の車両用レクチファイヤレギュレータは、基板、ケースおよび伝熱板が金属製であるので、従来よりも効率よく放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータを備える車両の側面図
【図2】本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータを備える車両の平面図
【図3】図2中の矢印Aから見たバッテリおよびレクチファイヤレギュレータの斜視図
【図4】本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータの断面図
【図5】本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータの拡大図
【図6】本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータの作成を示す図
【図7】本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータの変形例
【図8】従来の車両用レクチファイヤレギュレータの断面図
【符号の説明】
10…車両、55,56…メインフレーム、65…消音器、71…オルタネータ、72…バッテリ、80…レクチファイヤレギュレータ、81…金属基板、82…ケース、82a…突出部、83…モールド樹脂、85…表面実装部品、88…樹脂シート、89…伝熱板。
【発明の属する技術分野】
本発明は、レギュレータを配設する、車体のフレームとの接触部での熱容量を増加することにより、熱を抑制するレクチファイヤレギュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
オルタネータの出力を制御する装置であるレクチファイヤレギュレータは、オルタネータで発生した電圧や電流を調整し、バッテリへの充電、電子機器等への給電を行う。このレクチファイヤレギュレータは電子回路を配設した基板で構成する。この電子回路(表面実装部品)には、整流用ダイオードやサイリスタ等の発熱の大きい電子部品や、制御回路を構成するトランジスタ、抵抗、コンデンサ等のチップ部品や、ジャンパー等が含まれており、回路の動作中や電子回路の短絡時に熱を発生する。この熱を放熱するために、従来、アルミ製のフィン付きケースに樹脂製のプリント基板を挿入し充填剤でポッテイングすることによって、フィン付きケースへ熱を伝達してフィンから空気層へ放熱していた。
【0003】
また、基板側から熱を放熱するために、アルミ製のケースにアルミ基板を組み合わせ、充填剤でポッテイングし、アルミ基板を車体のフレーム等に面接触することによって、アルミ基板からフレーム等へ熱を伝達し、放熱をしていた。さらに、アルミ製のフィン付きケースにアルミ基板を組み合わせ、充填剤でポッテイングし、アルミ基板を車体のフレーム等に面接触することによって、フィンとフレーム等から放熱をしていた。この従来のレクチファイヤレギュレータとして、特許文献1の電子回路装置が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−354956号公報(図1)
【0005】
特許文献1の図1を以下の図8で説明する。なお、符号は振り直した。
図8は従来の電子回路装置の断面図であり、電子回路装置(レクチファイヤレギュレータ)100は、一方の面のみに電子部品101を実装した金属基板102と放熱フィン103とを一体に構成し、金属基板102を蓋として格納するケース104と、金属基板102とケース104との間に充填されたモールド樹脂105とを含み、金属基板102は一方の面をケース104の方向に向け、電子部品101から発せられる熱を放熱フィン103と金属基板102の他方の面の両方から外部へ放出する。しかし、外部への熱伝達が悪い場合には、ケース内に熱が滞留し、レクチファイヤレギュレータの温度が上昇する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1の技術では、電子回路装置100は上面の放熱フィン103と、金属基板102下面と車両の金属製フレームとの接触部により、その放熱性を高めている。しかし、金属基板102下面と車両の金属製フレームとの接触部は金属同士の接触であるため不可避的に微少な隙間が発生し、結果として両者は密着しておらず、接触部に熱伝達率の低い空気層が存在するので、接触部での伝熱効率は小さくなる。従って、放熱フィン103と金属基板102下面の接触部での伝熱効率を見ると、放熱フィン103に依る部分が大きい。つまり、車両の金属製フレームとの接触部での伝熱よりも、放熱フィン103による放熱の方が大きい。このため、レクチファイヤレギュレータ100の取り付け位置は、放熱フィン103に走行風が当たる位置に限定していた。特に、不整地走行車両では、飛び石などから機器やフレームを守るためカバーで覆われている部分が多いので、さらにレクチファイヤレギュレータ100の取り付け位置が制約を受ける。
【0007】
従って、レクチファイヤレギュレータ100の取り付け位置の自由度を高めるためには、放熱フィン103による放熱によらず、車両の金属製フレームとの接触部での伝熱効率を高めて、レクチファイヤレギュレータ100の温度を下げることが必要である。
【0008】
上記要求に応えるため、車両の金属製フレームとの接触部での伝熱効率を高める方法として、金属基板102の板厚を上げることで基板の熱容量を大きくし、電子部品101で発生した熱を基板でより多く吸熱して、基板からフレーム等へ熱を伝達し、フレーム等から放熱することが考えられる。しかし、金属基板192は電子部品101を配設するため、金属基板102の板厚を上げることは、製造ラインの変更もしくは、金型の変更をする必要があるので、製造コストの上昇を招く。
【0009】
そこで、本発明の目的は、製造コストを高めることなく電子回路の熱を効率よく基板側から放熱し、レクチファイヤレギュレータの取り付け位置の自由度を高めることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、表面実装部品が取付けられた基板に、表面実装部品を覆うようにフィン付きケースを被せ、このケース内に樹脂を充填することで、基板をフィン付きケースに一体化してなるレクチファイヤレギュレータにおいて、基板の外側の面に樹脂シートで伝熱板を接着し、この伝熱板の外側の面を車体フレームとの接触面にしたことを特徴とする。
【0011】
従来のように、基板を直接に車体フレームに接触するのに比べて、本発明では、基板の外側の面に樹脂シートで伝熱板を接着し、この伝熱板の外側の面を車体フレームに接触するので、熱伝達率が低い空気層を埋め、より基板からの伝熱効率を高めることが可能となる。また、これにより製造コストを高めることなく電子回路の熱を効率よく基板側から放熱し、レクチファイヤレギュレータの取り付け位置の自由度を高めることが可能である。
【0012】
請求項2は、基板、ケースおよび伝熱板が金属製であることを特徴とする。基板、ケースおよび伝熱板が金属製であるので、比熱が大きい金属を用いることによって、伝熱効率を高めることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータを備える車両の側面図であり、車両10は、車体フレーム11の前部にハンドルポスト12を取付け、このハンドルポスト12の下端部側を左右の前輪13,14(手前側の前輪13のみ図示)に連結し、ハンドルポスト12の上端部側にハンドル15を取付け、車体フレーム11の中間部にエンジン16及び変速機17からなるパワーユニット18を取付け、メインフレーム55,56(手前側のメインフレーム55のみ図示)からなる車体フレーム11の後部側にパワーユニット18で前輪13,14と共に駆動する後輪21,22(手前側の後輪21のみ図示)を配置した不整地走行用車両である。
【0014】
ここで、31は車体前面を保護するフロントガード、32はヘッドランプ、33は前輪13用のショックアブソーバ、34は車体フレーム11に取付けた燃料タンク、35はエンジン16の高温部にエアを供給するエアダクト、36はオイルクーラ、37はオイルクーラ36用のファンを囲むシュラウド、38はエンジン16の前部に接続するとともに曲げて後方へ延ばした排気装置、42は後輪21,22用のショックアブソーバ、43は荷物を載せるリヤキャリア、44は前輪13,14の上方及び後方を覆うフロントフェンダ、45は運転者が足を載せるステップ、46は後輪21,22の前方及び上方を覆うリヤフェンダ、47はシートである。
【0015】
71はオルタネータであり、エンジン16に装着する。オルタネータ71は車両の電気負荷に電力を供給するとともに、レクチファイヤレギュレータ80を介してバッテリ72を充電する。73はレクチファイヤレギュレータ80を制御するコントローラである。レクチファイヤレギュレータ80はオルタネータ71から交流電圧を入力し、整流用ダイオードで形成されるブリッジを介してバッテリ72に直流を供給する。このレクチファイヤレギュレータ80からの発熱量は非常に大きいため、効率の良い放熱が要求される。
【0016】
図2は本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータを備える車両の平面図であり、車体フレーム11の一部を構成する左右のメインフレーム55,56を車体中央部で且つ前後方向に延びるように配置し、これらのメインフレーム55,56の間に、パワーユニット18と、エンジン冷却用のエアダクト35とを配置し、エアダクト35の前端部をメインフレーム55,56の幅とほぼ同一にし、エンジン16から排気装置38をU字状に折曲げて後方に延ばしたことを示す。
【0017】
排気装置38は、U字状に曲げたU字排気管63と、このU字排気管63の後部に連結した中間部排気管64と、この中間部排気管64の後部に取付けた消音器65とからなり、消音器65は図1に示したように一方のメインフレーム55の後部に取付ける。消音器65を取付けたメインフレーム55と対向する位置に配置したメインフレーム56にバッテリ72とレクチファイヤレギュレータ80を取付ける。
【0018】
図3は、図2中の矢印Aから見たバッテリ72およびレクチファイヤレギュレータ80の斜視図である。バッテリ72およびレクチファイヤレギュレータ80は車両10のメインフレーム56に接して設けられる。このメインフレーム56は消音器65を取付けたメインフレーム55と対向する位置に配置するため、排気ガスにより温度が高くなった消音器65からの温度影響がない。
【0019】
図4は、図3におけるB−B断面を示す図である。図中右側が図3の配置における上である。図4において、81は金属基板、82はケース、83はモールド樹脂、84はカプラ、85は表面実装部品、86は放熱フィン、87は電極、88は樹脂シート、89は伝熱板を示す。
【0020】
金属基板81は、銅やアルミニウム、銅合金等を基材とし、その上にエポキシ等の絶縁膜を介して銅等で導電パターンを形成したものである。表面実装部品85には、整流用ダイオードやサイリスタ等の発熱の大きい電子部品や、制御回路を構成するトランジスタ、抵抗、コンデンサ等のチップ部品や、ジャンパー等が含まれる。電極87は、この電子回路装置を外部の回路と電気的に接続するために用いられるものである。カプラ84は、電極87を保護するとともに、外部回路との接続のためのガイドとなる。ケース82は、背の低い表面実装部品85を格納する部分においては金属基板81に接近するように浅くして熱伝導を良好にしており、背の高い電極87を格納する部分においては金属基板81から離れるように深く形成する。表面実装部品85を覆うようにフィン付きケース82を被せる。金属基板81とケース82との間には、熱伝導を向上させるためのモールド樹脂83を充填する。
【0021】
ケース82の周囲(カプラ84が取り付けられる部分を除く)には、金属基板81を固定するためのガイドが設けられており、金属基板81の位置ずれを防止するとともに金属基板81とケース82との間の熱伝導を良好にする。金属基板81の外側の面である、表面実装部品85が設けられていない側の面に樹脂シート88で伝熱板89を接着する。この伝熱板89の外側の面をメインフレーム56と接触するように、レクチファイヤレギュレータ80を設けた。これにより、レクチファイヤレギュレータ80で発生した熱が、樹脂シート88および伝熱板89を介してメインフレーム56に伝熱する。フレーム56に伝熱した熱は、フレーム56内を伝達し、フレーム56の広い範囲から空気層へ放熱する。ここで、伝熱板89とフレーム56は密着して形成し、伝熱されやすいようになっているが、伝熱板89とフレーム56の間に樹脂シート等を入れることにより、フレーム56への伝熱効率を高くすることも可能である。図5は図4の左側の部分の拡大図である。ケース82の突出部82aが金属基板81と樹脂シート88をガイドし、固定する。樹脂シート88は金属基板81との間の空気層を埋め、熱伝達率をよくする。ここで、樹脂シート88と伝熱板89を1枚づつとしたが、これに限らず、レクチファイヤレギュレータ80を設ける場所に応じて複数枚重ねてもよい。樹脂シート88と伝熱板89により熱容量を大きくする。
【0022】
図6は、本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータ80の作成工程を示す図である。図8で示した従来のレクチファイヤレギュレータ100に伝熱板89を樹脂シート88を介して接着する。ここで、レクチファイヤレギュレータのケース82は樹脂シート88の厚さ分の突出部82aを有する。これは図5で示したように樹脂シート88をガイドし、固定するためである。
【0023】
図7は、本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータ80の変形例である。ケース82の周囲が金属基板81のみをガイドし、固定する。従って、従来のレクチファイヤレギュレータに対して樹脂シート88を介して伝熱板89を接着するのみで、本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータ80ができる。このため、ケース82に図5,6で示した樹脂シート88用の突出部82aを設ける必要がなく、従来のレクチファイヤレギュレータを流用することができ、製造ラインの変更もしくは、金型の変更をすることなく、製造コストも高めることなく製造することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の車両用レクチファイヤレギュレータは、表面実装部品が取付けられた基板に、表面実装部品を覆うようにフィン付きケースを被せ、このケース内に樹脂を充填することで、基板をフィン付きケースに一体化してなるレクチファイヤレギュレータにおいて、基板の外側の面に樹脂シートで伝熱板を接着し、この伝熱板の外側の面を車体フレームとの接触面にしたので、従来のように、直接に車体フレームへ車両用レクチファイヤレギュレータを取付けた場合の放熱に比べて、本発明では樹脂シートと伝熱板での熱容量が大きく、より車体フレームへ放熱する。また、車両用レクチファイヤレギュレータのケースのフィンによる放熱だけでなく、車体フレーム側からも効率よく放熱するため、車両用レクチファイヤレギュレータの取付け位置の自由度を高めることができる。また、基板の板厚を上げた場合の吸熱効果と同様の高い吸熱効果を安価に得ることができる。
【0025】
請求項2の車両用レクチファイヤレギュレータは、基板、ケースおよび伝熱板が金属製であるので、従来よりも効率よく放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータを備える車両の側面図
【図2】本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータを備える車両の平面図
【図3】図2中の矢印Aから見たバッテリおよびレクチファイヤレギュレータの斜視図
【図4】本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータの断面図
【図5】本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータの拡大図
【図6】本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータの作成を示す図
【図7】本発明に係る車両用レクチファイヤレギュレータの変形例
【図8】従来の車両用レクチファイヤレギュレータの断面図
【符号の説明】
10…車両、55,56…メインフレーム、65…消音器、71…オルタネータ、72…バッテリ、80…レクチファイヤレギュレータ、81…金属基板、82…ケース、82a…突出部、83…モールド樹脂、85…表面実装部品、88…樹脂シート、89…伝熱板。
Claims (2)
- 表面実装部品が取付けられた基板に、前記表面実装部品を覆うようにフィン付きケースを被せ、このケース内に樹脂を充填することで、前記基板を前記フィン付きケースに一体化してなるレクチファイヤレギュレータにおいて、
前記基板の外側の面に樹脂シートで伝熱板を接着し、この伝熱板の外側の面を車体フレームとの接触面にしたことを特徴とする車両用レクチファイヤレギュレータ。 - 前記基板、前記ケースおよび前記伝熱板が金属製であることを特徴とする請求項1記載の車両用レクチファイヤレギュレータ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009214679A (ja) * | 2008-03-10 | 2009-09-24 | Suzuki Motor Corp | 自動二輪車のレクチファイア取付構造 |
US8348006B2 (en) | 2009-12-02 | 2013-01-08 | Honda Motor Co., Ltd. | Structure for mounting ancillaries on vehicle |
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2003
- 2003-01-24 JP JP2003015805A patent/JP2004228399A/ja active Pending
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