JP2004227647A - 光記録媒体及び光記録媒体への固有識別情報記録方法、並びに光記録媒体からの固有識別情報読出方法 - Google Patents

光記録媒体及び光記録媒体への固有識別情報記録方法、並びに光記録媒体からの固有識別情報読出方法 Download PDF

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佳弘 高谷
Masayoshi Tsuchiya
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Abstract

【課題】識別番号を手動で入力したり、バーコードを読み取るなどの手間や装置が不要であり、また、当該光記録媒体に識別情報が記録されている場合、これが消去されたり改ざんされたりすることがない光記録媒体を提供する。
【解決手段】光記録媒体10のピット列50を一部破壊し、再生装置で復元不可能とし、かかる破壊されたピット部分52と破壊されていないピット部分54の組み合わせ、あるいは分布により、所定のコードを光記録媒体に記録し、これにより光記録媒体固有の識別情報を記録し、また再生時には、識別情報を読み取るようにしたものである。また、光記録媒体固有の識別情報を読み出すためのプログラムをも当該光記録媒体に記録しておくことは本発明の好ましい態様である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体及び光記録媒体への固有識別情報記録方法、並びに光記録媒体からの固有識別情報読出方法に関し、特にCD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAMなどに最適な光記録媒体及び光記録媒体への固有識別情報記録方法、並びに光記録媒体からの固有識別情報読出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンパクトオーディオディスク(以下CD−DA)に代表される光記録媒体としての光ディスクは、音楽を楽しむだけのために使用されている間はディスクの一枚一枚を特定する必要はほとんど無かったが、リードオンリーメモリー(以下CD−ROM)に発展してコンピュータのソフトウェアを記録する担体として使用されるようになり、これに伴い各々のディスクに固有の番号などを割り付け、個々のディスクを区別する必要が生じてきた。例えば、インターネットのサービスプロバイダ(単にプロバイダとも言う)に登録して、そのサービスを受けるためのプログラムは、その開始当時は初心者にとってはかなり面倒な操作を行わなければならなかったが、CD−ROMに必要な情報を記録しておき、そこからコンピュータに自動的にプログラムをローディングすることにより誰でも容易にインターネットプロバイダのサービスを受けることができるようになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、それに伴いこのCD−ROMを頒布するサービスが登場し、そのサービス会社が頒布料金を当該インターネットプロバイダに請求するようになった。その請求の根拠とするために当該CD−ROMのケースに番号を印刷しておき、プロバイダのサービスを受けようとする者がその数字を打ち込むことにより、その者が当該サービス会社からそのCD−ROMを譲り受けたことをプロバイダが認知でき、したがってサービス会社がその頒布料金をプロバイダに請求しても両者の間に数量の不一致が生じないという方法が取られている。この場合はプロバイダのサービスを受けたいと希望している者が多数の桁の数字を打ち込む必要があり、間違いを起こしやすいという欠点があるし、プロバイダ側にもその間違いを検出し受け付けないためのソフトウェアが必要になるという欠点があった。
【0004】
また、例えばデジタルバーサタイルディスク(DVD)においても、ディスクをプレーヤに取り付けるための中心穴のすぐ外側にある、何も記録していない部分にレーザビームでいわゆるバーコードを記録しておき、そのディスクの所有者や生産場所や販売会社などを特定できるようにするための規格がある。しかしながらこの場合は、そのバーコードが記録されている場所が当該ディスクの内容を検索する情報が記録されている、いわゆるリードインエリアより中側であるため、通常のDVDプレーヤでは読み取りのピックアップがその位置まで行くことができず、当該バーコードの読み取りには特別の装置が必要であるという欠点があった。
【0005】
また、例えば記録可能型もしくは消去可能型コンパクトディスクを用いて、そのユーザデータエリアにディスクの固有番号を書き込み、それを読み出すことにより個々のディスクを認識するという方法も用いられているが、この場合には記録された番号が消去されたり、書き換えられたりする危険性を排除できないという欠点があった。
【0006】
したがって、本発明は、通常のCD−ROMを用いて、ディスクに添付された多くの数字を打ち込む操作や間違いの可能性を排除し、またその利用者が特別の装置を用意する手間や費用がかかるという欠点を解消することを目的とする。また、本発明は、当該ディスクに記録された個々の識別情報が消去されたり改ざんされたりしない安定した個別識別情報をディスクに付加することにより、情報システムへの不法な侵入を防止することをも目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では光記録媒体のピット列を一部破壊し、再生装置で信号の復元を不可能とし、かかる破壊されたピット部分と破壊されていないピット部分の組み合わせ、あるいは分布により、所定のコードを光記録媒体に記録し、これにより光記録媒体固有の識別情報を記録し、また再生時には、この破壊されたピット部分と破壊されていないピット部分の組み合わせ、あるいは分布を読み取ることにより所定のコードを復号して、光記録媒体固有の識別情報を得るようにしたものである。また、光記録媒体固有の識別情報を読み出すためのプログラムをも当該光記録媒体に記録しておくことは本発明の好ましい態様である。
【0008】
すなわち本発明によれば、情報がピットの形成により記録された光記録媒体において、
あらかじめ形成されたピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分がトラックに沿って交互に設けられたトラックが前記トラックの短手方向に連続して設けられた第1の種類のトラック群と、
前記あらかじめ形成されたピットを破壊していないトラックが前記トラックの短手方向に連続して設けられた第2の種類のトラック群とを有し、
前記第1の種類のトラック群と前記第2の種類のトラック群が前記トラックの短手方向に配列され、その配列のパターンにより、当該光記録媒体の固有の識別情報が記録されたことを特徴とする光記録媒体が提供される。
【0009】
また本発明によれば、情報がピットの形成により記録された光記録媒体において、
あらかじめ形成されたピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分がトラックに沿って交互に配列され、その交互に配列された領域の配列パターンにより、当該光記録媒体の固有の識別情報が記録され、かつ前記配列パターンの基準位置を示す部分を設けたことを特徴とする光記録媒体が提供される。
【0010】
また本発明によれば、情報がピットの形成により記録された光記録媒体に、当該光記録媒体を他の光記録媒体から識別する固有の識別情報を付与して記録する光記録媒体への固有識別情報記録方法において、
通常の情報の記録の場合と同様に、所定のアルゴリズムに従いあらかじめ所定の情報、あるいは、無意味な情報を表すピットの列を前記光記録媒体又はその原盤の信号記録面に形成するステップと、
あらかじめ形成されたピットの一部を破壊し、ピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分がトラックに沿って交互に設けられたトラックを前記トラックの短手方向に連続して設けて第1の種類のトラック群を形成するステップと、前記あらかじめ形成されたピットを破壊せず、ピットが破壊されていないトラックが前記トラックの短手方向に連続して設けられた第2の種類のトラック群を形成するステップと、
前記第1の種類のトラック群と前記第2の種類のトラック群を前記トラックの短手方向に配列して、その配列のパターンにより、当該光記録媒体の固有の識別情報を記録するステップとを、
有することを特徴とする光記録媒体への固有識別情報記録方法が提供される。
【0011】
また本発明によれば、情報がピットの形成により記録された光記録媒体に、当該光記録媒体を他の光記録媒体から識別する固有の識別情報を付与して記録する光記録媒体への固有識別情報記録方法において、
通常の情報の記録の場合と同様に、所定のアルゴリズムに従いあらかじめ所定の情報、あるいは、無意味な情報を表すピットの列を前記光記録媒体又はその原盤の信号記録面に形成するステップと、
あらかじめ形成されたピットの一部を破壊し、ピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分がトラックに沿って交互に配列され、その交互に配列された領域の配列パターンにより、当該光記録媒体の固有の識別情報を記録するステップと、
前記配列パターンの基準位置を示す部分を設けるステップとを、
有することを特徴とする光記録媒体への固有識別情報記録方法が提供される。
【0012】
また本発明によれば、情報がピットの形成により記録された光記録媒体に、当該光記録媒体を他の光記録媒体から識別する固有の識別情報を付与して記録する光記録媒体への固有識別情報記録方法において、
通常の情報の記録の場合と同様に、所定のアルゴリズムに従いあらかじめ所定の情報、あるいは、無意味な情報を表すピットの列を前記光記録媒体又はその原盤の信号記録面に形成するステップと、
前記ピット列の基準位置を示す部分をトラック内に設けるステップと、
前記基準位置を検出し、前記基準位置を基準として、レーザビームを前記光記録媒体にトラックに沿って照射し、所定のアルゴリズムで、あらかじめ形成されたピットの一部を破壊して、ピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分がトラックに沿って交互に配列され、その交互に配列された領域の配列パターンにより、当該光記録媒体の固有の識別情報を記録するステップとを、
有することを特徴とする光記録媒体への固有識別情報記録方法が提供される。
【0013】
また本発明によれば、情報がピットの形成により記録された光記録媒体であって、あらかじめ形成されたピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分がトラックに沿って交互に設けられたトラックが前記トラックの短手方向に連続して設けられた第1の種類のトラック群と、前記あらかじめ形成されたピットを破壊していないトラックが前記トラックの短手方向に連続して設けられた第2の種類のトラック群とを有し、前記第1の種類のトラック群と前記第2の種類のトラック群が前記トラックの短手方向に配列され、その配列のパターンにより当該光記録媒体の固有の識別情報が記録された光記録媒体から、前記固有識別情報を読み出す光記録媒体からの固有識別情報読出方法であって、
前記第1の種類のトラック群と前記第2の種類のトラック群とを認識するステップと、
前記認識するステップで認識された組み合わせを解読して所定のコードを復号するステップとを、
有する光記録媒体からの固有識別情報読出方法が提供される。
【0014】
また本発明によれば、情報がピットの形成により記録された光記録媒体であって、あらかじめ形成されたピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分がトラックに沿って交互に配列され、その交互に配列された領域の配列パターンにより、当該光記録媒体の固有の識別情報が記録され、かつ前記配列パターンの基準位置を示す部分を設けた光記録媒体から、前記固有識別情報を読み出す光記録媒体からの固有識別情報読出方法であって、
前記配列パターンの基準位置を示す部分を検出するステップと、
前記基準位置に基づいて前記配列パターンを認識するステップと、
前記認識するステップで認識された前記配列パターンにおけるピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分の組み合わせを解読して所定のコードを復号するステップとを、
有する光記録媒体からの固有識別情報読出方法が提供される。
【0015】
なお、前記光記録媒体がスパイラル状又は略同心円上のトラックを有し、前記第1の種類のトラック群と前記第2の種類のトラック群が前記光記録媒体の半径方向に配列されていることは本発明の好ましい態様である。また、前記固有の識別情報を読み出すためのプログラムがさらに記録されたことは本発明の好ましい態様である。また、前記固有の識別情報を読み出すためのプログラムが、前記破壊した部分より先に再生される部分に記録されたことは本発明の好ましい態様である。また、前記光記録媒体がスパイラル状又は略同心円状トラックを有し、内周側から外周側に又はその逆に向かってリードインエリア、記録エリア、リードアウトエリアの順で配置された環状エリアを少なくとも1つ有し、前記識別情報を読み出すためのプログラムが前記記録エリア内の前記リードインエリアに続く部分に記録されていることは本発明の好ましい態様である。
【0016】
また、前記光記録媒体がスパイラル状又は略同心円状トラックを有し、内周側から外周側に又はその逆に向かってリードインエリア、記録エリア、リードアウトエリアの順で配置された環状エリアを少なくとも1つ有し、前記識別情報が前記記録エリア内の前記リードインエリアから所定間隔離れ、かつ前記リードアウトエリアからも所定間隔離れた部分に記録されていることは本発明の好ましい態様である。また、前記光記録媒体がスパイラル状又は略同心円状トラックを有し、内周側から外周側に又はその逆に向かってリードインエリア、記録エリア、リードアウトエリアの順で配置された環状エリアを少なくとも1つ有し、前記識別情報を読み出すためのプログラムが前記記録エリア内の所定アドレスに記録されていて、かつ前記アドレスにアクセスするよう再生装置に指示するためのオートランプログラムが記録されていることは本発明の好ましい態様である。また、前記光記録媒体がCD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAMのいずれかであることは本発明の好ましい態様である。また、前記破壊した部分が、前記光記録媒体の光反射膜の破壊部分であることは本発明の好ましい態様である。
【0017】
また、前記ピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分が交互に配列された領域が連続する複数のトラックに跨って形成されていることは本発明の好ましい態様である。また、前記ピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分が交互に配列された領域が、CAVで形成されていることは本発明の好ましい態様である。また、前記CAVで形成されている領域の形成開始時の角速度は、前記CAVで形成されている領域の直前の領域をCLVで形成したときの角速度と同一か又はほぼ等しいことは本発明の好ましい態様である。また、前記CAVで形成されている領域は、前記CLVで形成されている領域のセッションとは異なる次のセッションとして形成され、前記CLVで形成されている領域のセッションのリードアウト領域と、前記次のセッションのリードイン領域が遷移領域とされていることは本発明の好ましい態様である。また、前記配列パターンの基準位置を示す部分が前記トラックに形成されていることは本発明の好ましい態様である。また、前記配列パターンの基準位置を示す部分が前記トラック以外の場所に形成されていることは本発明の好ましい態様である。また、前記配列パターンの基準位置を示す部分が前記トラックと、前記トラック以外の場所の双方に形成されていることは本発明の好ましい態様である。また、前記トラックがスパイラル状又は略同心円状に形成され、前記配列パターンの基準位置を示す部分とは別に、前記スパイラル状又は略同心円状トラックの中心位置と前記配列パターンの基準位置を示す部分の双方を基準として前記光記録媒体の円周に沿って、複数の位置決め用マークを設けたことは本発明の好ましい態様である。また、前記位置決め用マークの1つが、前記基準位置を示す部分と同一半径方向線上に設けられ、他の部分が所定角度間隔で設けられていることは本発明の好ましい態様である。また、前記基準位置を示す部分と前記位置決め用マークが、前記トラックと共にスタンピングにより形成されたものであることは本発明の好ましい態様である。
【0018】
また、前記固有の識別情報を記録するステップが、前記光記録媒体がスタンピングにより形成された後に、光軸が移動可能なレーザによりレーザビームを前記光記録媒体に照射して行われることは本発明の好ましい態様である。また、前記光記録媒体がスタンピングにより形成される際に、前記配列パターンの基準位置を示す部分と、前記スパイラル状又は略同心円状トラックの中心位置と前記配列パターンの基準位置を示す部分の双方を基準として前記光記録媒体の円周に沿って、複数の位置決め用マークを前記スタンピングにより設けた後に、前記位置決め用マークと前記基準位置を示す部分を撮像して画像処理を施し、前記中心位置を求め、前記中心位置と前記配列パターンの基準位置を示す部分を用いて前記光記録媒体のX−Y方向に移動可能なX−Yステージに搭載されたレーザによりレーザビームを前記光記録媒体に照射して行われることは本発明の好ましい態様である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について説明する。下記の2つの実施の形態では、トラックが連続したほぼ同心円状のスパイラルに記録されている円板状の記録媒体を例にとって説明するが、本発明はこの形状に限定されるものではなく、トラックが直線状に記録されている記録媒体にも以下に説明する方法が適用できる。
【0020】
<第1の実施の形態>
図1の(a)は、本発明に係る光記録媒体の第1の実施の形態を示す平面図であり、ここでは光記録媒体(以下ディスクともいう)10の記録部分の一部が示されている。後述する図4に示すように、トラック18上には複数のピットが設けられているが、本発明では、いったん正常に設けられたピット列50の一部を複数のトラック(トラック群51ともいう)に跨って破壊し、破壊された部分(欠陥部とも言う)52を設け、破壊された部分52と破壊されていない部分(正常部ともいう)54をトラックの長手方向(走行方向)に交互に配置している。図1の(a)において、複数のトラックにより複数の略同心環状ゾーン(以下単にゾーンともいう)19−1〜19−nが設けられている。
【0021】
各ゾーンの基本構造は同一であるので、光記録媒体10の内周寄りのゾーン19−1について説明すると、このゾーン19−1は40〜45本のトラック18を有している(図1の(b)及び図4参照)。このゾーン19−1内のトラック数の約85%程度には、トラックの走行方向にピット列50を破壊した部分52が設けられている。各ゾーンの隣接ゾーンとの境界部分には破壊された部分52は設けられることがなく、この部分はガード部分となり、隣接するゾーン間のピット列を破壊した部分52相互の識別を容易にしている。また、破壊された部分52を有するトラック群(第1の種類のトラック群)と破壊された部分52を有さないトラック群(第2の種類のトラック群)は、トラックの短手方向、すなわちスパイラルトラックを有する光記録媒体10の場合は、その半径方向に配列される。すなわちピットが破壊された部分52を有する第1の種類のトラック群(図1の(a)のゾーン19−1、19−2、19−4他の各トラック群)をビット”1”とし、ピットが破壊された部分52を有さない第2の種類のトラック群の(図1の(a)のゾーン19−3、19−5の各トラック群)をビット”0”として、後述するようにデジタル信号の1と0を記録・再生することができる。
【0022】
今、図1の(a)の上部が光記録媒体10の内周寄りで、下部が外周寄りであるとすると、内周から外周に向かって、”11010・・・11”というように対応させることができる。図1の(b)は、1つのゾーン19−1の主要部の詳細図であり、複数のトラック18により構成されるトラック群51に跨ってピットが破壊されて、破壊された部分52が形成されている様子が示されている。図1においてはゾーン19−1のトラック群のピットが破壊された部分52と隣接するゾーン19−2のビットが破壊された部分52が同一半径線状に並ぶよう配されているが、各ゾーンのトラック群に属するピットが破壊された部分52のトラックの進行方向の位置は、特に規定されるものではなく、円周方向にずれていてもよい。
【0023】
ここで本発明の光記録媒体10の第1の実施の形態として、CD−ROMを例にとり説明すると、図2の部分断面図に示すように、CD−ROM10は、ポリカーボネート基板20の表面にアルミニューム反射膜24を有し、このアルミニューム反射膜24に凹凸形状として、ランドに対するピットが形成されている。アルミニューム反射膜24は、紫外線硬化樹脂などからなる保護膜26で覆われ、その上には、印刷層28が設けられている。
【0024】
なお、完成されたCD−ROM10の情報を読み取るときはポリカーボネート基板20の裏面(図2では下側)から読み取り用のレーザビームを照射し、その反射光を光検出器に導入し、光の強弱を電気信号に変換することによりピットとして記録された情報を読み出す。読み出された信号は所定の信号処理回路でデジタル信号とされ、光記録媒体が音楽用CDであるCD−DAの場合には音楽などのアナログ信号に復元され、図2に示す実施の形態のようにCD−ROM10の場合にはコンピュータデータに復号される。すべての光ディスクは、主情報が記録されている部分の前に主情報の内容、例えばCD−DAの場合には曲数やその開始時間を記録した領域、いわゆるリードインエリアが存在する。
【0025】
なお、周知のようにこの種の光記録媒体は、スパイラル状又は略同心円状トラックを有し、内周側から外周側に又はその逆に向かってリードインエリア、記録エリア、リードアウトエリアの順で配置された環状エリアを少なくとも1つ有している。またCD−DAの場合にはすべての曲が終わった位置を示すために、シングルセッションという方式で記録されたCD−ROMの場合にはすべての主たる情報が記録されている部分の後にプログラムの終了を示すために、いわゆるリードアウトエリアが存在する。さらにマルチセッションという方式で記録されたCD−ROMの場合には各々のセッションの初めと終了を示すために各々のセッションごとにリードインエリアとリードアウトエリアが設けられている。
【0026】
いま、図2のCD−ROM10が、2つ以上のプログラム又はデータを別個に記録する2つ以上の環状のセッション12、14、他を有しているものとする。ここでは、簡単のため2つのセッションのみを示し他を省略している。第1セッション12は、ディスクの内周から外周に向かってリードインエリア12A、記録エリア12B、リードアウトエリア12Cを有し、同様に第2セッション14は、ディスクの内周から外周に向かってリードインエリア14A、記録エリア14B、リードアウトエリア14Cを有している。16は、ディスクの中心の貫通孔(中心孔)である。
【0027】
図3は、図1に示したCD−ROM10のデータの配列を模式的に示したものであり、図の左側がディスクの最内周側、右側が最外周側に対応している。図3中、ハッチングで示した部分が図1に示した破壊されたピット部分と破壊されていないピット部分が存在する領域であり、この領域の破壊された部分と破壊されていない部分の組み合わせ、あるいは分布により、コード情報が記録され、光ディスクであるCD−ROM10の固有の識別情報が記録される。図3の例では、固有の識別情報の記録部分14Dは、第2セッション14の記録エリア14B中の中程に位置し、前後の他のセッション部分との境界には固有の識別情報が記録されないマージン部14E、14Fが設けられている。このマージン部14E、14Fには、無意味なデータを記録するか、あるいは、他のプログラムや意味のあるデータを記録することができる。
【0028】
図4は、図3中の固有の識別情報の記録部分14Dにおける、ピットの破壊の様子を示す模式図である。図4中の上段は、データ(意味のあるデータでも、意味のないデータでもよい)がピット列50で表現されて記録された状態を示し、下段は、ピット列50中の連続するいくつかのピットが複数のトラック18、すなわちトラック群51にわたってレーザビーム照射により破壊された様子を示している。すなわち、下段中のハッチングで示された部分が破壊された部分(欠陥部)52であり、ハッチングのないところが破壊されていない部分、すなわち正常部54である。図4からわかるように、ピット間のランド部分とトラック間のランド部分も同様に破壊される。なお、ピットの破壊は、再生時に再生装置の訂正機能によりデータ復元できない程度に、ピットが破壊された部分52が分布するように行われる。もし、数ピットしか破壊しなければ、破壊されたピットにより失われるはずの情報が周囲の情報により訂正されて復元されてしまい、結果として情報が失われないこととなる。そこで、本発明では、光ディスクの再生装置で再生したときに、訂正機能によりデータ復元できない様に、十分な長さ(時間)にわたってピット列50が破壊された部分(欠陥部)52を分布させることとしている。
【0029】
図4に示したピットが破壊された部分52は、図1(a)、(b)に示すように、破壊されていない部分54と交互に配置される。ピットが破壊された部分52のディスク10の回転方向の距離はCD−DAやCD−ROM、DVD−ROMプレーヤの信号読み取り用光学素子、すなわちピックアップがトラックを追跡できる程度に短いことが必要である。ピットが破壊された部分52の回転方向の距離が十分長い場合、破壊された部分52に侵入した読み取り用のレーザ光は破壊された部分52の中にいる間は、追跡すべきピットが破壊されて存在していないので、トラックを追跡することができず、したがってピットが破壊された部分52に進入した方向に真っ直ぐに進行することになる。破壊された部分の長さが十分に短いと、破壊された部分から出てきた読み取りビームは、進入前に追跡してきたトラックの延長線上に続くトラックの上に落ち、スパイラル状のトラックを追跡しながら順次外周又は内周に向かって進むことができる。しかし破壊された部分が十分長い場合には、破壊された部分から出てきた読み取りビームの位置は、ディスクの偏芯やトラッキングサーボ系に入ってくる様々なノイズのために、破壊された部分に進入前のトラックの延長線上に落ちるとは保証できず、場合によっては数トラック前又は後のトラックの上に落ちることがある。
【0030】
後ろに来るべきトラックの上に落ちた場合は、本発明の場合にはまだ個別識別情報が書かれた領域内にあると考えられるので問題はないが、1トラック以上前のトラックに落ちた場合は一周以上後戻りすることになるので読み取り用レーザ光は同じトラック上を廻り続けることになり、プログラムを進行させることができなくなる。この現象を図で示すと図6のようになる。したがってピットが破壊された部分52のトラック走行方向の長さはピックアップがトラックを追跡できるほど十分短く、かつ記録された信号が訂正不能になるほど十分長くなければならない。
【0031】
破壊された部分52の長さLの最短値については、記録されている情報の単位1バイトを全部消すと仮定すると、CDでは約4μmになる。すなわち、CDでは1チャンネルビットは約0.23μmである。情報の単位である1バイトはCD上では14チャンネルビットに置き換えられており、各単位間の繋ぎの3チャンネルビットを合わせて17チャンネルビットで1バイトを形成している。したがって0.23×17=約4μmである。しかし、この値は当該17チャンネルビットのみを消去する場合の値であり、隣の単位に跨って破壊する場合もあるのでバイト単位で破壊するには、少なくとも8μm必要と言うことになる。CDの場合はさらに誤り訂正機能などの効果で約3mmにわたって破壊されても、ほぼ元の情報を再生できると計算されている。
【0032】
しかしながら破壊された部分が、お互いに近傍に存在した場合の最小幅は、その密度の関数となり一概に決めることはできない。また読み取りレーザ光のピットの破壊された部分52への進入前後でトラッキングを維持できる最大の長さとしては特に規定されてはいないが、CDでは信号面のピンホール状の信号の欠落の幅として最大0.1mmと規定されているので、プレーヤがその規格に則って製作されているとすると、ピットが破壊された領域の最大長さとして0.1mmと考えることができる。よって本発明ではピットが破壊された領域の長さの好ましい値として10μm以上0.1mm以下であると規定することができる。またピットが破壊された領域のある半径上の数については特に規定するものではないが、その長さが10μm程度でその間隔としてトラッキングが安定する時間として100μm程度が必要だと仮定すると、訂正不能の欠陥部として確実に認識させるのは300回以上の繰り返し、破壊された部分の長さが100μmの場合は、その間隔をやはり100μm必要と仮定すると30回以上の繰り返しが最小限必要であると考えられる。しかしながら上記の繰り返し数については図6の(b)に示す欠陥部分の幅Wに反比例すると考えられるので、必ずしも上記の回数が必須であると規定するものではない。以上はCDについての説明であるがDVDについても同じように考えることができる。
【0033】
次いで所定の半径方向の距離だけ移動した半径上に再び同様にピットが破壊された部分52と破壊されていない部分54が組み合わされたパターンを形成する。続いて所定の半径方向の距離だけ離れた半径上にピットが破壊された部分52が存在するゾーン(例えばゾーン19−1)と次のゾーン(例えばゾーン19−2)の間、若しくはピットが破壊された部分52が存在するゾーン(例えばゾーン19−2)とピットが破壊された部分52が存在しないゾーン(例えばゾーン19−3)の間には、ガード53を設けるため、破壊された部分52を設けない。このようにして作られたディスクを再生していくと、ある半径の範囲では、再生不能の欠陥部が存在し、ある半径範囲では欠陥部が存在しないと言う分布を作ることができる。この様子は、光記録媒体の半径と訂正不能なエラー発生確率の関係を示す図5に示される。この半径間隔は時間間隔に置き換えることができるので、欠陥部を検出している時間間隔を、”1”、欠陥部を検出していない時間間隔を、”0”とすると、1、1、0、0、0、1、1、1、0というようなコードに置き換えることができる。
【0034】
このコードをディスク固有の識別情報として扱うことができる。このように、ピット列50が破壊された部分52と、破壊されていない部分54の配置の記録媒体の半径方向すなわちトラックのほぼ短手方向の組み合わせ(分布)により、コード情報に対応して記録を行うことができる。本発明では、ピット列50がトラック群51にわたってが破壊された部分52と、破壊されていない部分54の光記録媒体の半径方向の配置の組み合わせ(分布)により、コード情報としてディスク10の固有の識別情報を記録している。かかるコード情報としては、例えば8ビットや16ビットのデータとすることができる。なお、図1の(a)の例では、ピットが破壊された部分52がトラックに対して垂直(本実施の形態では、同一半径線上)に配列されているが、第1の種類のトラック群では、ピットの一部が破壊された部分52と破壊されていない部分54がトラックに沿って交互に設けられたトラックが前記トラックの短手方向に連続して設けられていればよく、ピットが破壊された部分52自体がトラック18に対して垂直に配列される必要はない。また図1の(a)においては、ゾーン19−1のピットが破壊された部分52と、同じくゾーン19−2のピットが破壊された部分52が、トラックが同心円状又はスパイラル状の場合には同一半径線上に並ぶように、もしくはトラックが直線状の場合には、トラックに直角な線上に並ぶように例示されているが、ピットが破壊された部分52は必ずしも同一半径線上又はトラックに直角な線上に位置している必要はなく、ピットが破壊された部分52は円周方向、又はトラックの進行方向にずれていてもよい。
【0035】
ここで、ピット列50の一部を破壊して欠陥部52を設ける方法と、プログラムの記録について説明する。欠陥部52の形成はCD−ROM又はDVD−ROMを通常の方法で製作した後、当該CD−ROM又はDVD−ROMの光反射膜にレーザビームを照射して破壊することにより行うものである。説明を容易にするために図2に示したマルチセッション方式で記録されたCD−ROM10を例にとって説明する。まず第1セッション12には当該CD−ROMを駆動するためのコンピュータプログラム(単にプログラムという)と、例えば第2セッション14に、後ほど故意に形成される欠陥部52の分布により記録される当該ディスク特有の識別情報を読み取るためのプログラム、及び前述の欠陥部52の分布により記録された当該CD−ROM10特有の識別情報を読み取った後、実施すべきプログラムのディスク上の所在地(アドレス)と、そこへ再生装置の光ピックアップを移動させる命令のプログラムを記録し、第2セッション14にはコンピュータでは復号できるが意味の無い情報を記録し、さらに、その後に繋がる図示省略のセッションは、当該ディスクを使用して実施したいプログラムが記録されているCD−ROM10を作成する。
【0036】
第1セッション12には第2セッション14に記録される欠陥部52の分布を測定(解読)するためのプログラムが含まれていることが望ましい。このようにして作成されたCD−ROM10の第2セッション14のピットの反射膜の一部分を幅W長さLにわたってディスク10の出荷前にレーザを用いて記録された信号が再生できない程度に焼き潰し、CD−ROM10の作成時に記録された信号が再生できない部分と再生できる部分に分かれるようにする。この焼き潰す部分は上述した個数以上作ればよい。
【0037】
この欠陥部52を形成する領域はCD−ROM10を作成してから行うために、例えば、第2セッション14を用いる場合、そのリードインエリア14Aは比較的面積が小さく、その部分に訂正できない欠陥部52を作ってしまうと、第2セッション14自体の位置にアクセスすることができなくなる可能性がある。そこで、第2セッション14のリードインエリア14Aを読み取った後、一定時間後に(マージン部14Eを設けて一定間隔をあけて)欠陥部52を形成しておくようにしてもよい。同じく、復元不能の欠陥部52がリードアウトエリア14Cまで入り込むと、第2セッション14の終了を認識できなくなる恐れがあるため、あらかじめ、分かっている第2セッション14のリードアウトエリア14Cの開始時間の少し手前で欠陥部52の形成を停止し(マージン部14Fを設けて)、リードアウト14Cまでの時間を先程述べた意味の無い情報で満たしてもよい。
【0038】
シングルセッションタイプのCD−ROMの場合は、主情報が記録されている領域の一部分に欠陥部52を記録するための領域を設け、以下に説明する装置を用いて欠陥部52を形成していくことができる。欠陥部52を形成する場所を正確に決めなければ、主情報自体を誤って壊してしまう可能性がある場合は、欠陥部を形成する場所全体にわたってあらかじめ意味の無い情報を記録しておく。この意味の無い情報の一部分を検出してから、所定時間後に欠陥部を記録し始め、あらかじめ分かっているこの欠陥部記録領域の時間もしくは半径が終了する所定時間前に欠陥部52の形成を停止すれば、主情報自体を消去してしまうことはない。この所定時間とはCD−ROM10の信号処理方式であるCIRCによる信号単位の分布時間よりも長い時間が望ましい。
【0039】
これらの欠陥部52を形成するために図7に示す識別情報記録装置を用いる。まず通常の方法で製作されたCD−ROM32はターンテーブルに取り付けられた後、所定の回転数で回転する。レーザビームはアルミニューム膜に吸収され、熱に変化しアルミニューム膜及び近接したポリカーボネート樹脂に穴をあける。穴が空けられた部分は欠陥部52となり前述のように、後に再生装置に装填されたとき、そこのピットに対応する情報を読み出すことができなくなる。ターンテーブルには回転角の開始点を発生するための機構が設けられており、識別信号発生用のコンピュータ36から識別情報38が識別情報変調器39に送られてくると、識別情報変調器39は、この回転角の開始点からの信号を受けてから欠陥部発生用のレーザダイオード57の励起(点灯)を開始する。同じ動作を次の半径位置でも繰り返す。また、光記録媒体には基準位置を示すマークがトラック内に記録されていて、このマークをピット読み取り装置にて検出し、欠陥発生用レーザダイオード57の励振を所定のアルゴリズムで開始し、同じ動作を次の半径位置でも繰り返す。
【0040】
このようにすることにより欠陥部52の発生箇所を検出し始めるタイミングを所定の範囲内に収めることができる。欠陥部52発生用のレーザは図示省略の光学系によりビームの形がディスク上で半径方向の長さが約70μm、トラック走行方向の長さが約40μmになるように整えられ、ミラー29によりディスク32に照射される。ミラー29は、半径位置制御信号47により駆動されるモータ44により半径位置が移動するトラッキングサーボユニット30に支持されている。レーザダイオード57の出力は約200mW、波長は780nm(ナノメータ)のものを用いた。ディスク32の回転数は線速0.1m/sに設定した。ミラー29を所定の半径位置に移動させた後、レーザを10000分の1秒点灯、10000分の39秒消灯するサイクルを25回繰り返した。
【0041】
この作業により第1の半径上に幅W70μm、長さL50μmのピットを破壊した部分を400μmピッチで25個形成した。次にミラー29の位置を0.1mm外側に送り、照射と消灯を繰り返した。次いで再びミラー29を0.1mm外側に送ったが、この半径位置では照射は行わない。このようにしてレーザビームを照射する半径位置と照射しない半径位置を半径方向に8箇所作ると、各々が1ビットとして働くので、合計8ビットとなり1バイトの識別情報が記録できる。同じく16回繰り返すと2バイトの識別情報を形成することができる。この方法はCD−ROMを例にとって説明したが、CD−ROMに限るものではなくDVD−VIDEO、DVD−ROM、CD−R、DVD−Rにも適用可能なことは明白である。
【0042】
欠陥部52を形成する命令が出されると、トラッキングサーボユニット30は矢印で示すように所定半径位置に移動し、識別情報発生装置としてのコンピュータ36からの信号に合わせて欠陥部作成用のレーザダイオード57からの記録用レーザビームを断続的に照射し、アルミニューム光反射膜24(図2参照)を破壊する。記録される識別情報は、例えばシリアルナンバーのようにディスクごとに順次変化するものである。なお、この動作を所定の半径ごとに繰り返す。図7において、コンピュータ36からの識別情報38は、一連のパルスの組み合わせ49として出力される。この組み合わせ49の内の1つのパルスは、あるゾーン(例えばゾーン19−1)に、ピットを破壊した部分52を順次形成することに対応し、パルスがないときは、あるゾーンにピットを破壊した部分52を形成しないことに対応する。したがって、識別情報38の1つのパルスを受けると、識別情報変調器39は、上記例で示したように、当該ゾーン内で、複数回のレーザビーム照射を順次行うための連続パルス31を生成する。上記パルスの組み合わせ49中のパルスが存在しないときは、識別情報変調器39はパルスを生成することはない。このようにして、ミラー29は順次、次の半径位置へ移動し、コンピュータ36からの一連のパルスの組み合わせ49によって、各ゾーンごとに第1の種類のトラック群と、第2の種類のトラック群を形成していく。
【0043】
このようにして欠陥部52が形成されたディスク10(図2参照)は、図8に示すように再生装置60に装着され、再生が開始される。再生装置60は、まず第1セッション12のリードインエリア12Aを読み取った後、第1セッション12の記録エリア12Bに記録されているプログラムを読み取り始める。第1セッション12のプログラムの中には、この場合は、第2セッション14に記録された欠陥部52の分布を読み取る(解読する)プログラムが記録されている。なお、前述の方法により一連のピットを破壊すると、それらの欠陥部52はCD−ROM10又はDVD−ROMから再生され、信号処理される過程で多くのフレームに分散してしまう。しかし、再生時には徐々に訂正不能の欠陥部が増えていき、ついにはすべてのデータが訂正不能と判断され、さらに訂正不能の欠陥部の数が徐々に少なくなるという欠陥部の分布になる。このように比較的訂正不能の欠陥部の多い時間帯と訂正不能の欠陥部のほとんど無い時間帯の長短の繰り返しによりディスク固有の識別情報とすることができる。さらには第1セッション12には、この分布を読み出すプログラムを含ませておくことによりディスク10の識別情報を特別の装置を用いずに読み出すことができる。
【0044】
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、欠陥部を光記録媒体の半径方向に配列してディスク固有の識別情報を記録しているが、欠陥部を半径方向ではなく、トラックに沿って配列することも可能である。図9は、ディスク固有の識別情報をトラックに沿って配列した本発明の光記録媒体の第2の実施の形態の部分平面図と、その一部を拡大して示した図である。図10は、本発明の光記録媒体の第2の実施の形態の全体を模式的に示す平面図である。第2の実施の形態の光記録媒体は、第1の実施の形態と区別するために、符号10Aで示す。なお、第2の実施の形態の光記録媒体10Aの基本構造は、例えば、図2に示すようなものであり、第1の実施の形態と同様であるので、異なる点のみを説明する。
【0045】
図9に示すように、この光記録媒体10Aのトラック18には、第1の実施の形態で説明したのと同様な欠陥部52が図1の(b)に示したのと同様に形成される。図9では、欠陥部52をセクタ単位で形成している。すなわち、図9中の上方の4トラック18には、セクタ番号S1、S4、S8の3つのセクタに欠陥部52が形成され、他のセクタ(S2、S3、S5〜S7、S9)には欠陥部52が形成されていない。第1の実施の形態では、欠陥部52のあるトラック群51と欠陥部52の無いトラック群のディスクの半径方向の配列により、ディスク固有の識別情報を記録していたが、第2の実施の形態では、欠陥部52のある領域と欠陥部52の無い領域のトラック18に沿った方向の配列により、ディスク固有の識別情報を記録している。また、第2の実施の形態では、この領域がセクタであるから、欠陥部52のあるセクタと欠陥部52の無いセクタのトラック18に沿った方向の配列により、ディスク固有の識別情報を記録している。
【0046】
図9の第2の実施の形態では、模式的に4本のトラック18に跨って欠陥部52が形成されているように示されているが、これは、記録・再生時の確実性を高めるためであり、確実性が担保されれば、理論的には1本のトラックでもよい。しかし、ディスク固有の識別情報を記録する装置がディスクの偏芯を補正する機能を有していない場合は、ディスク自身の偏芯と記録する装置が、トラックを追随する際の偏芯誤差の合計は、CDの規格による許容偏芯が+・−70μmであるので、140μmの振れ量を見込む必要がある。また、読込装置の偏芯を+・−50μmとすると、100μmの振れ量が見込まれ、両者を加算して、240μmが必要となる。したがって、欠陥部52のディスク半径方向の長さは、240μm程度とすることが好ましい。
【0047】
図9に示したディスク固有の識別情報を記録するトラック18部分は、通常のCLV(線速度一定)ではなく、CAV(角速度一定)でピットがあらかじめディスクのスタンピング時に形成されている。図9の例では、1セクタが(1/75)秒となるよう設定され、図9に示すCAVで形成される領域72では、全てのセクタが同一の時間長となっている。なお、1セクタは、図9の下方に示すように98のEFM変調フレームから構成されている。
【0048】
第2の実施の形態ではこのように、ディスク固有の識別情報をトラック18に沿って記録しているので、ディスクの半径方向に記録する第1の実施の形態と比較すると、ディスク固有の識別情報を記録するために用いる領域が少なくてすみ、それだけ多くの主情報であるコンテンツを記録することが可能となる。図10に示すように、CAVで形成される領域72は、CLVで形成される領域74の外側(外周より)に配されている。
【0049】
CAVで形成される領域72は、他のCLVで形成される領域74と同時にスタンピングにより形成されるが、そのためには、原盤の作成のときに、CLVとCAVの切換を行う必要がある。両領域の間に極端な速度差があることは好ましくないので、CAVで形成されている領域72の形成開始時の角速度は、CAVで形成されている領域72の直前の領域をCLVで形成したときの角速度と同一か又はほぼ等しいことが好ましい。
【0050】
CAVで形成される領域72は、CLVで形成される領域74のセッションとは異なる次のセッションとして形成され、CLVで形成される領域74のセッションのリードアウト領域と、次のセッションのリードイン領域が遷移領域とされることは、本発明の好ましい態様である。
【0051】
図9及び図10に示すように、ディスク固有の識別情報を示す欠陥部の配列パターンの基準位置を示す部分80がCAVで形成される領域72の各トラック18に形成されている。この基準位置を示す部分80は、欠陥部52の配列パターンを形成する際、すなわちディスクの固有の識別情報を書き込む際の始点を示すものであり、配列パターンを正しく書き込むために用いられる。基準位置を示す部分80は、CCDカメラなどで撮像して画像処理により位置を判断できるように、円周方向の長さが50μm以上あることが好ましく、トラック18上に形成する場合は、あまり長いとトラッキングエラーを生じるので、100μm以下が好ましい。なお、図9、図10の例では、基準位置を示す部分80がCAVで形成される領域72の各トラック18に形成されているが、トラック18以外の場所、例えば、CAVで形成される領域72の更に外側の外周無信号領域84に形成してもよい。また、基準位置を示す部分80はトラック18と、トラック18以外の場所の双方に形成してもよい。この場合、外周無信号領域84に形成するものは、例えば円周方向の長さが100μmのものを2つ所定の空白を挟んで配置することができる。
【0052】
また、図10に示されるように、ディスクの円周に沿って、外周無信号領域84に複数の位置決め用マーク82A、82B、82C、82Dが設けられている。この位置決め用マーク82A〜82Dは、ディスクの固有の識別情報を書き込む際の書き込み装置の書き込み中心と、ディスクのトラック18の円中心を限りなく一致させるために用いられる。すなわち、位置決め用マーク82A〜82Dは、CCDカメラなどで撮像して画像処理により位置が判断されるが、図10に示すように、90度間隔で4個、あるいは、さらに狭角度間隔でさらに多くの個数を設けることが好ましい。なお、図10に示されるように、1つの位置決め用マーク82Aは、基準位置を示す部分80と同一半径方向線上に設けられている。これらの基準位置を示す部分80と位置決め用マーク82A〜82Dは、トラック18と共にスタンピングにより形成される。位置決め用マーク82A〜82Dの各々は、画像認識が容易なように、円周方向の長さが数100μmであることが好ましい。
【0053】
ここで第2の実施の形態における固有識別情報記録方法について説明する。第2の実施の形態では、情報がピットの形成により記録された光記録媒体に当該光記録媒体を他の光記録媒体から識別する固有の識別情報を付与して記録する光記録媒体への固有識別情報記録方法において、通常の情報の記録の場合と同様に、所定のアルゴリズムに従いあらかじめ所定の情報、あるいは、無意味な情報を表すピットの列を光記録媒体又はその原盤の信号記録面に形成しておき、あらかじめ形成されたピットの一部を破壊し、ピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分がトラックに沿って交互に配列され、その交互に配列された領域の配列パターンにより、当該光記録媒体の固有の識別情報を記録し、配列パターンの基準位置を示す部分を設けるようにしている。
【0054】
また、固有の識別情報を記録するために、光記録媒体がスタンピングにより形成された後に、光記録媒体の半径方向に移動可能なレーザによりレーザビームを光記録媒体に照射することができる。固有の識別情報を記録する他の方法として光記録媒体がスタンピングにより形成される際に、配列パターンの基準位置を示す部分と、スパイラル状又は略同心円状トラックの中心位置と配列パターンの基準位置を示す部分80の双方を基準として光記録媒体の円周に沿って、複数の位置決め用マーク82A〜82Dを前記スタンピングにより設けた後に、位置決め用マーク82A〜82Dと基準位置を示す部分80を撮像して画像処理を施し、中心位置を求め、中心位置と配列パターンの基準位置を示す部分80を用いて光記録媒体のX−Y方向に移動可能なX−Yステージに搭載されたYAGレーザによりレーザビームを光記録媒体に対してX、Y軸方向に移動させて照射することができる。上記X−Yステージに搭載されたYAGレーザを用いた場合は、光記録媒体の半径方向に移動可能なレーザにより欠陥部52を形成する場合に比較して、3から5倍の速度が得られるので、短時間で固有の識別情報を記録することができる。
【0055】
固有の識別情報を記録するさらに他の方法として、光記録媒体のトラックに基準位置を示すマークを記録しておき、このマークをピット読み取り装置にて検出し、欠陥部発生用のレーザダイオード57の励起を所定のアルゴリズムで開始し、円周方向に欠陥を形成するようにすることもできる。
【0056】
第2の実施の形態では、上記いずれの方法を採用する場合であっても、基準位置を示す部分80に続いて欠陥部52の有無の配列パターンを形成し、ディスクの1回転の長さにわたって形成される情報を1群の識別情報とする。前述のように欠陥部52を形成するセクタと形成しないセクタができるが、各セクタはディスク上のアドレスを有しているので、アドレスごとの欠陥部52の形成の有無が異なることとなる。なお、周知のクロスインターリーブが施されているが、セクタ単位に欠陥部52の形成の有無が異なるので、欠陥部のあるセクタ(アドレス)は訂正不能領域となる。また、図9に示すように、各セクタのEFM変調信号の98フレーム分中、先頭部分にある同期信号部分に欠陥部52を配置すれば、それだけエラー訂正不能の確立が高くなる。
【0057】
1つの欠陥部52の円周方向の長さは、上記第2の実施の形態では、50μm以上で100μm以下が好ましいと説明したが、10μm以上で150μm以下であっても実用可能である。なお本発明者の実験や検討によれば、1つの欠陥部52の円周方向の長さは、50μmであって、かつ隣接する欠陥部52との間に500μmのスペースをおき、1つのセクタなどのトラックの単位長当たり80%にわたってこの条件(50μmの欠陥部と500μmのスペース)で欠陥部52を形成することにより良好な結果が得られることがわかった。この構成は、仮にCLVで駆動したとして、ディスクの線速度が1.2m/sのとき、1セクタは16mmに相当するが、その場合、円周方向の12.8mmの長さが欠陥部52の長さの合計となる。
【0058】
第2の実施の形態の場合、再生時にディスク固有の識別情報を読み出す際、配列パターンの始点、すなわち図9、図10における基準位置を示す部分80の検出が必要となる。この検出のためには、第1の実施の形態で説明した欠陥部52の分布を読み取る(解読する)プログラムに併せて、基準位置を示す部分80のディスクの半径方向の中心位置のアドレスと、このアドレスと隣接トラックのアドレスの差分をあらかじめ記録しておく。したがってプログラムが起動されると、基準位置を示す部分80のディスクの半径方向の中心位置のアドレスにヘッドがアクセスするので、欠陥部52の有無の配列パターンを最初のセクタから正確に読み取ることができる。こうしてピックアップからの読み取り信号が訂正不能なデータ、すなわち欠陥部52のものであるか否かを演算より判別する。
【0059】
ディスクの1周分の配列パターンを読み終えると、アドレスの差分だけ行き先のアドレスを変更することにより、最初に読み取ったトラックの外周側又は内周側の隣接トラックから同様に欠陥部52の有無の配列パターンを最初のセクタから正確に読み取ることができる。この差分は、CAVでは一定であるので、差分を増減することで、所望のトラックの基準位置を示す部分80にアクセスできる。こうして隣接する複数のトラックにもアクセスして、同様の演算によって、同様の結果が得られるまで演算による判別を行う。なお、ディスク上の傷などにより、演算による判別結果が同一とならない場合には、このままでは、無限に演算による判別が繰り返されるので、所定の上限回数以上は演算を行わないようプログラムしておくことが望ましい。
【0060】
上記第1の実施の形態と第2の実施の形態の説明はマルチセッションの構造を持つCD−ROM10を例にとって行ったが、本発明の実施に当たってはマルチセッションの構造を用いることは必須要件ではなく、シングルセッションの構造の光記録媒体にも本発明は適用可能である。すなわち、シングルセッションの場合には、そのプログラムの一部分にコンピュータで復号はできるが意味の無い情報が記録された領域を設けておき、その領域に上記と同じ方法で欠陥部を記録していくことにより同じ効果が得られる。また同様に本発明はCD−ROMに限られるものではなくDVD−ROMにおいても全く同じ方法でディスク固有の識別情報を記録再生することができる。
【0061】
ここで、上記第1の実施の形態と第2の実施の形態に共通な本発明の用途について説明する。
<用途例−1>
従来の技術で説明したように、インターネットサービスプロバイダのサービスを申し込む際に、本発明により作成されたディスクをコンピュータに挿入することにより、ディスク記載のシリアルナンバーが自動的にプロバイダのメインコンピュータに届けられ、ユーザはパスワードを登録するだけで直ちにサービスを受けることが可能になる。
【0062】
<用途例−2>
図8に示すように、限定された人物のみが限定されたコンピュータ62からサーバ64にアクセスした場合にのみサーバ64に保存されているデータを用いて作業ができる様な機密性の高い作業を行う場合、例えば、パスワードをキーボードから入力していると、そばに居る人物がキーボードを見ることによりパスワードを知られてしまい悪用されてしまう危険性がある。このような場合ディスク10に本発明の形でパスワードが記録されていれば、近傍に居る人物にパスワードを盗み見られることなくサーバ64にアクセスできる。また本発明ではパスワードは欠陥部の形で記録されており、欠陥部の分布を読み取るプログラム自体も当該CD−ROM10の中に書き込まれていれば、パスワードを改ざんしたり読み取りプログラムを改ざんしたりすることができない。図8において、65はコンピュータのID番号とディスクの識別情報、66はアクセス許可情報、68はアクセス情報、70はデータなどである。
【0063】
上記実施の形態は、CD−ROMを例にとって説明したが、本発明は、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAMなどにも好適に適用可能であり、同様の効果を生じせしめるものである。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、光記録媒体のピット列を一部破壊し、再生装置で復元不可能とし、かかる破壊されたピット部分と破壊されていないピット部分の組み合わせ、あるいは分布により、所定のコードを光記録媒体に記録し、これにより光記録媒体固有の識別情報を記録し、また再生時には、この破壊されたピット部分と破壊されていないピット部分の組み合わせ、あるいは分布を読み取ることにより所定のコードを復号して、光記録媒体固有の識別情報を得るようにしたので、従来のように識別番号を手動で入力したり、バーコードを読み取るなどの手間や装置が不要であり、また、当該ディスクに記録された個々の識別情報が消去されたり改ざんされたりすることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光記録媒体の第1の実施の形態における複数のトラック上のピット列の一部が破壊された様子を示す平面図であり、(a)は、複数のトラック群をそれぞれ含む複数のゾーンを示す図であり、(b)は、1つのゾーンを示す詳細図である。
【図2】本発明に係る光記録媒体の第1の実施の形態における光ディスクの部分断面図である。
【図3】本発明に係る光記録媒体の第1の実施の形態における光ディスクに記録された信号のフォーマットを示す模式図である。
【図4】本発明に係る光記録媒体の第1の実施の形態におけるトラック上のピット列の一部の破壊の前後の様子を示す模式図である。
【図5】本発明に係る光記録媒体の第1の実施の形態における光記録媒体の半径(再生経過時間)と訂正不能なエラー発生確率の関係を示す図である。
【図6】本発明に係る光記録媒体の第1の実施の形態における光記録媒体に設ける欠陥部のトラック方向長さを決める手法を説明する図であり、(a)は、トラック方向長さLが短い場合を、(b)は、トラック方向長さLが長い場合をそれぞれ示す図である。
【図7】本発明に係る光記録媒体を製造するための識別信号記録装置の好ましい実施の形態のブロック図である。
【図8】本発明の用途例の1つを示す模式図である。
【図9】本発明に係る光記録媒体の第2の実施の形態における複数のトラック上のピット列の一部が破壊された様子を示す部分平面図である。
【図10】本発明に係る光記録媒体の第2の実施の形態の全体を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
10、10A 光記録媒体(識別情報が記録されたCD−ROM)
12 第1セッション
12A 第1セッションのリードインエリア
12B 第1セッションの記録エリア
12C 第1セッションのリードアウトエリア
14 第2セッション
14A 第2セッションのリードインエリア
14B 第2セッションの記録エリア
14C 第2セッションのリードアウトエリア
14D 欠陥部による識別情報記録領域(識別情報の記録部分)
14E、14F 第2セッションのマージン部
16 中心穴
18 トラック
19−1〜19−n 略同心環状ゾーン
20 ポリカーボネート基板
24 アルミニューム光反射膜
26 保護膜
28 印刷層
29 ミラー
30 トラッキングサーボユニット
31 識別情報変調器の出力する連続パルス
32 CD−ROM(ディスク)
35 プログラム復号ユニット
36、62 コンピュータ
37 半径情報・プログラム情報等
38 識別情報
39 識別情報変調器
43、44 モータ
46 回転数制御情報
47 半径位置制御信号
48 スイッチ
49 識別情報に対応するコンピュータの出力のパルスの組み合わせ
50 ピット列
51 複数のトラック(トラック群)
52 ピットが破壊された部分(欠陥部)
53 ガード
54 ピットが破壊されていない部分(正常部)
57 レーザダイオード
60 CD−ROM再生装置(又はDVD−ROMプレーヤ)
64 サーバ
65 コンピュータのID番号とディスクの識別情報
66 アクセス許可情報
68 アクセス情報
70 データなど
72 CAVで形成される領域
74 CLVで形成される領域
80 基準位置を示す部分
82A〜82D 位置決め用マーク
84 外周無信号領域
S1〜S9 セクタ

Claims (27)

  1. 情報がピットの形成により記録された光記録媒体において、
    あらかじめ形成されたピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分がトラックに沿って交互に設けられたトラックが前記トラックの短手方向に連続して設けられた第1の種類のトラック群と、
    前記あらかじめ形成されたピットを破壊していないトラックが前記トラックの短手方向に連続して設けられた第2の種類のトラック群とを有し、
    前記第1の種類のトラック群と前記第2の種類のトラック群が前記トラックの短手方向に配列され、その配列パターンにより、当該光記録媒体の固有の識別情報が記録されたことを特徴とする光記録媒体。
  2. 前記光記録媒体がスパイラル状又は略同心円上のトラックを有し、前記第1の種類のトラック群と前記第2の種類のトラック群が前記光記録媒体の半径方向に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 情報がピットの形成により記録された光記録媒体において、
    あらかじめ形成されたピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分がトラックに沿って交互に配列され、その交互に配列された領域の配列パターンにより、当該光記録媒体の固有の識別情報が記録され、かつ前記配列パターンの基準位置を示す部分を設けたことを特徴とする光記録媒体。
  4. 前記固有の識別情報を読み出すためのプログラムがさらに記録されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の光記録媒体。
  5. 前記固有の識別情報を読み出すためのプログラムが、前記破壊した部分より先に再生される部分に記録されたことを特徴とする請求項4に記載の光記録媒体。
  6. 前記光記録媒体がスパイラル状又は略同心円状トラックを有し、内周側から外周側に又はその逆に向かってリードインエリア、記録エリア、リードアウトエリアの順で配置された環状エリアを少なくとも1つ有し、前記識別情報を読み出すためのプログラムが前記記録エリア内の前記リードインエリアに続く部分に記録されていることを特徴とする請求項4に記載の光記録媒体。
  7. 前記光記録媒体がスパイラル状又は略同心円状トラックを有し、内周側から外周側に又はその逆に向かってリードインエリア、記録エリア、リードアウトエリアの順で配置された環状エリアを少なくとも1つ有し、前記識別情報が前記記録エリア内の前記リードインエリアから所定間隔離れ、かつ前記リードアウトエリアからも所定間隔離れた部分に記録されていることを特徴とする請求項4に記載の光記録媒体。
  8. 前記光記録媒体がスパイラル状又は略同心円状トラックを有し、内周側から外周側に又はその逆に向かってリードインエリア、記録エリア、リードアウトエリアの順で配置された環状エリアを少なくとも1つ有し、前記識別情報を読み出すためのプログラムが前記記録エリア内の所定アドレスに記録されていて、かつ前記アドレスにアクセスするよう再生装置に指示するためのオートランプログラムが記録されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の光記録媒体。
  9. 前記光記録媒体がCD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAMのいずれかであることを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の光記録媒体。
  10. 前記破壊した部分が、前記光記録媒体の光反射膜の破壊部分であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載の光記録媒体。
  11. 前記ピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分が交互に配列された領域が連続する複数のトラックに跨って形成されていることを特徴とする請求項2から10のいずれか1つに記載の光記録媒体。
  12. 前記ピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分が交互に配列された領域が、CAVで形成されていることを特徴とする請求項2から11のいずれか1つに記載の光記録媒体。
  13. 前記CAVで形成されている領域の形成開始時の角速度は、前記CAVで形成されている領域の直前の領域をCLVで形成したときの角速度と同一か又はほぼ等しいことを特徴とする請求項12に記載の光記録媒体。
  14. 前記CAVで形成されている領域は、前記CLVで形成されている領域のセッションとは異なる次のセッションとして形成され、前記CLVで形成されている領域のセッションのリードアウト領域と、前記次のセッションのリードイン領域が遷移領域とされていることを特徴とする請求項12又は13に記載の光記録媒体。
  15. 前記配列パターンの基準位置を示す部分が前記トラックに形成されていることを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体。
  16. 前記配列パターンの基準位置を示す部分が前記トラック以外の場所に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体。
  17. 前記配列パターンの基準位置を示す部分が前記トラックと、前記トラック以外の場所の双方に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体。
  18. 前記トラックがスパイラル状又は略同心円状に形成され、前記配列パターンの基準位置を示す部分とは別に、前記スパイラル状又は略同心円状トラックの中心位置と前記配列パターンの基準位置を示す部分の双方を基準として前記光記録媒体の円周に沿って、複数の位置決め用マークを設けたことを特徴とする請求項15から17のいずれか1つに記載の光記録媒体。
  19. 前記位置決め用マークの1つが、前記基準位置を示す部分と同一半径方向線上に設けられ、他の部分が所定角度間隔で設けられていることを特徴とする請求項18に記載の光記録媒体。
  20. 前記基準位置を示す部分と前記位置決め用マークが、前記トラックと共にスタンピングにより形成されたものであることを特徴とする請求項18又は19に記載の光記録媒体。
  21. 情報がピットの形成により記録された光記録媒体に、当該光記録媒体を他の光記録媒体から識別する固有の識別情報を付与して記録する光記録媒体への固有識別情報記録方法において、
    通常の情報の記録の場合と同様に、所定のアルゴリズムに従いあらかじめ所定の情報、あるいは、無意味な情報を表すピットの列を前記光記録媒体又はその原盤の信号記録面に形成するステップと、
    あらかじめ形成されたピットの一部を破壊し、ピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分がトラックに沿って交互に設けられたトラックを前記トラックの短手方向に連続して設けて第1の種類のトラック群を形成するステップと、
    前記あらかじめ形成されたピットを破壊せず、ピットが破壊されていないトラックが前記トラックの短手方向に連続して設けられた第2の種類のトラック群を形成するステップと、
    前記第1の種類のトラック群と前記第2の種類のトラック群を前記トラックの短手方向に配列して、前記第1の種類のトラック群と前記第2の種類のトラック群の前記トラックに対する垂直な方向の配列により、当該光記録媒体の固有の識別情報を記録するステップとを、
    有することを特徴とする光記録媒体への固有識別情報記録方法。
  22. 情報がピットの形成により記録された光記録媒体に、当該光記録媒体を他の光記録媒体から識別する固有の識別情報を付与して記録する光記録媒体への固有識別情報記録方法において、
    通常の情報の記録の場合と同様に、所定のアルゴリズムに従いあらかじめ所定の情報、あるいは、無意味な情報を表すピットの列を前記光記録媒体又はその原盤の信号記録面に形成するステップと、
    あらかじめ形成されたピットの一部を破壊し、ピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分がトラックに沿って交互に配列され、その交互に配列された領域の配列パターンにより、当該光記録媒体の固有の識別情報を記録するステップと、
    前記配列パターンの基準位置を示す部分を設けるステップとを、
    有することを特徴とする光記録媒体への固有識別情報記録方法。
  23. 情報がピットの形成により記録された光記録媒体に、当該光記録媒体を他の光記録媒体から識別する固有の識別情報を付与して記録する光記録媒体への固有識別情報記録方法において、
    通常の情報の記録の場合と同様に、所定のアルゴリズムに従いあらかじめ所定の情報、あるいは、無意味な情報を表すピットの列を前記光記録媒体又はその原盤の信号記録面に形成するステップと、
    前記ピット列の基準位置を示す部分をトラック内に設けるステップと、
    前記基準位置を検出し、前記基準位置を基準として、レーザビームを前記光記録媒体にトラックに沿って照射し、所定のアルゴリズムで、あらかじめ形成されたピットの一部を破壊して、ピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分がトラックに沿って交互に配列され、その交互に配列された領域の配列パターンにより、当該光記録媒体の固有の識別情報を記録するステップとを、
    有することを特徴とする光記録媒体への固有識別情報記録方法。
  24. 前記固有の識別情報を記録するステップが、前記光記録媒体がスタンピングにより形成された後に、光軸が移動可能なレーザによりレーザビームを前記光記録媒体に照射して行われることを特徴とする請求項22又は23に記載の光記録媒体への固有識別情報記録方法。
  25. 前記光記録媒体がスタンピングにより形成される際に、前記配列パターンの基準位置を示す部分と、前記スパイラル状又は略同心円状トラックの中心位置と前記配列パターンの基準位置を示す部分の双方を基準として前記光記録媒体の円周に沿って、複数の位置決め用マークを前記スタンピングにより設けた後に、前記位置決め用マークと前記基準位置を示す部分を撮像して画像処理を施し、前記中心位置を求め、前記中心位置と前記配列パターンの基準位置を示す部分を用いて前記光記録媒体のX−Y方向に移動可能なX−Yステージに搭載されたレーザによりレーザビームを前記光記録媒体に照射して行われることを特徴とする請求項22に記載の光記録媒体への固有識別情報記録方法。
  26. 情報がピットの形成により記録された光記録媒体であって、あらかじめ形成されたピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分がトラックに沿って交互に設けられたトラックが前記トラックの短手方向に連続して設けられた第1の種類のトラック群と、前記あらかじめ形成されたピットを破壊していないトラックが前記トラックの短手方向に連続して設けられた第2の種類のトラック群とを有し、前記第1の種類のトラック群と前記第2の種類のトラック群が前記トラックの短手方向に配列され、その配列のパターンにより、当該光記録媒体の固有の識別情報が記録された光記録媒体から、前記固有識別情報を読み出す光記録媒体からの固有識別情報読出方法であって、
    前記第1の種類のトラック群と前記第2の種類のトラック群とを認識するステップと、
    前記認識するステップで認識された組み合わせを解読して所定のコードを復号するステップとを、
    有する光記録媒体からの固有識別情報読出方法。
  27. 情報がピットの形成により記録された光記録媒体であって、あらかじめ形成されたピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分がトラックに沿って交互に配列され、その交互に配列された領域の配列パターンにより、当該光記録媒体の固有の識別情報が記録され、かつ前記配列パターンの基準位置を示す部分を設けた光記録媒体から、前記固有識別情報を読み出す光記録媒体からの固有識別情報読出方法であって、
    前記配列パターンの基準位置を示す部分を検出するステップと、
    前記基準位置に基づいて前記配列パターンを認識するステップと、
    前記認識するステップで認識された前記配列パターンにおけるピットの一部を破壊した部分と破壊していない部分の組み合わせを解読して所定のコードを復号するステップとを、
    有する光記録媒体からの固有識別情報読出方法。
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