JP2004227305A - 地図情報処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】プロバイダから入手する地図画像と組織内で作成したベクトル地図情報を重ね合わせて表示できるシステムを提供する。
【解決手段】プロバイダサーバシステム、組織内サーバシステム又は、クライアントシステムの指定された範囲の地図情報の表示に係る夫々の図形表示又はラベル表示の項目情報を取得する手段と、これらの項目情報に基づいて地図図形表示設定情報を設定する手段と、これらの表示設定情報によりプロバイダが作成した地図画像情報と、組織内サーバシステム又はクライアントシステムから作成したベクトル地図情報とを重ね合わせて表示する手段とにより実施する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地図情報と、該地図情報に関連した情報を検索・閲覧する地図情報処理システムに関し、特に、インターネットやイントラネットを利用して、アプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP)又はコンテンツ・プロバイダ(CP)(以下これらを総称して、単にプロバイダという。)から最新の地図情報を入手し、該地図情報にユーザ独自の地図情報を加えることができる地図情報処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
地図情報システム(GIS)は、市町村といった行政境界や、道路・鉄道・河川・建物などの地理上地物を図形で表した図形情報を、この図形に関連した属性情報、例えば、市町村の人口、面積、高速道路・国道・主要地方道・一般道といった道路種別や幅員などを含む情報と関係付けて管理できるシステムである。
【0003】
GISシステムでは、この図形情報をレイヤと呼ばれる同一種類の図形毎にグループ分けして管理しており、1枚の地図を作る際には、複数のレイヤを組合せ、そして、各レイヤの図形情報に対してユーザの目的に合わせた表示様式(図式と称す)を設定することにより地図を表示している。住宅地図を例に取れば、レイヤは、町丁目界、街路、建物等といった図形表示の種類別にグループ分けされている。更に、各レイヤの各図形には、例えば、町丁目境界を1点鎖線、街路を細い実線、建物を太い実線で表示するようにし、建物には居住者の名前を表示するといった表示様式、即ち図式を設定することができるようになっている。また、都市計画などにおいて利用される土地利用状況図、建物用途図、建物構造階層図などの地図では、土地や建物の利用状況、用途、構造といった属性情報をその内容に従って区分けし、その区分けごとに色分けして表示するという図式を設定し、地図に表示している。
【0004】
近年では、インターネットやイントラネットのWEB上で利用できるGISも使用されており、このWEBを利用した地図情報システムにおいては、サーバからクライアントに地図データを転送しており、その転送方式の代表的なものとして、ベクトル地図データ転送方式と画像地図データ転送方式とがある。
【0005】
ベクトル地図データ転送方式は、サーバに保存されているベクトル地図データ及びこれに関連付けられた属性データを、サーバからそのままクライアントに送信するシステムである。ここで、クライアント側では、この受信したデータを処理するGISエンジン(プログラム)を備えることにより、ユーザは、地図内容の表示様式を利用目的に合せてカスタマイズすることができる。
【0006】
しかし、GISプログラムは大きく、その動作が重いものであり、更に、広域地図データや高密度地図データをベクトル形式のままで、サーバ側からクライアント側に送信した場合には、データ量が膨大になり、レスポンスが著しく悪化するといった問題がある。これを解決するためには、通信帯域の広い高速通信が必要になる。また、サーバからは、地図のソースデータであるベクトルデータが送られるため、地図情報が無断で複写され、そして流用されてしまうというセキュリティ上の問題がある。地図情報の提供を業とするプロバイダとしては、このセキュリティ上の問題を回避することが重要となる。
【0007】
これに対して、画像地図データ転送方式においては、サーバに保存されているベクトル地図データ及びこれに関係付けられている属性データから、要求された範囲の地図をサーバ側で画像情報として作成し、該画像情報をクライアント側に送信するものである。従って、地図データは、要求された範囲部分のみの画像に変換されており、この画像情報しかクライアント側に送信されない。また、広域地図や高密度地図の場合でも、送信されるデータの主要部分は一定サイズの地図画像であり、送信されるデータ量が比較的少なくかつデータ量が一定しているため、システムのレスポンスも比較的一定となり、通信帯域の広くない通常の通信網で利用可能である。また、クライアント側で地図情報を表示する場合、GISプログラムを必要とせず、一般的なWEBブラウザだけで利用できるといった利点がある。しかし、クライアント側では、サーバ側に用意されている表示様式で作成された地図画像を閲覧できるだけである。
【0008】
ここで、上述したベクトル地図データ転送方式を採用し、地図データベースを保存したサーバから、通信ネットワークを介して、指定した座標範囲の地図データをユーザ端末に切り出し、ユーザ端末において地図データの各要素の体裁を夫々指定する仕様データからなる設定ファイルを適用して、地図の体裁を変更することができるシステムが既に公開されている。(例えば、特許文献1参照)
これに対して、プロバイダからユーザへの地図情報の転送方式として、ネットワークを介した画像地図データ転送方式を使用し、ユーザ毎に利用し易いようにプロバイダの地図の表示様式(図式)を変更可能にしたシステムが提案されている。このシステムにおいて、ベクトル地図データは、情報プロバイダのサーバで保存されているが、ユーザへはこのデータが送信されない。この地図情報の図式はユーザであるクライアント毎に設定、保存可能になっており、プロバイダのサーバは、クライアントから要求を受けた場合、この図式設定に従ってベクトル地図データを処理した後、地図画像情報に変換をしてユーザに送信するシステムである。
【0009】
更に、プロバイダからユーザへの地図情報の保存及び提供形態には、次の2つの形態がある。
(1)プロバイダのサーバにある地図情報をそのまま契約ユーザに提供するだけの提供形態
エリアマーケティング情報や高解像度の航空写真情報など、ユーザに有用な地図情報を提供する場合であり、ユーザは、GISプログラムを利用して、送信されてきた地図情報を企業、公共機関、教育機関等(以下組織と略称する。)の内部の業務に利用する場合である。
(2)契約ユーザの地図情報もプロバイダのサーバに保存してプロバイダの地図情報と一緒に送信する提供形態
例えば、店舗の位置を示した案内地図をインターネットで顧客に紹介する場合や、イントラネットを利用した地図情報システムが組織内の業務のために備えられていないユーザの場合、地図情報プロバイダの地図とは別に、契約ユーザ毎に専用の地図情報(店舗や不動産情報など)をプロバイダのサーバに保存しておき、契約ユーザ毎に両者の地図情報を重ね合わせて契約ユーザの顧客又は契約ユーザにインターネットを利用して配信する場合である。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−15331号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
組織外に流失しては困る組織内の固有情報を含む地図情報を扱うために、組織内にネットワークを含むクライアント・サーバ方式のGISシステムを構築する場合には、次のような問題がある。
(1)システムの構築に多くの費用がかかる。
(2)システムの運用要員を含めシステムの維持に特別な技術を要する。
(3)地図情報のベースとなる地形図や施設情報等の地図情報の購入費用やこれらの情報の更新費用がかさむ。
【0012】
また、クライアント・サーバ方式のGISシステムを持たず、プロバイダのサーバに組織内の固有情報を保存しておき、インターネットを経由して当該情報を入手する場合は、この情報が途中で複写や流用される危険がありセキュリティ上好ましくない。組織内の固有情報については、組織内のサーバまたは個人のパソコン内に厳重に管理し、保存しておく必要がある。一方、地図の図形情報は膨大なものであり、絶えず更新が行われる必要があり、プロバイダに頼らざるを得ない。
【0013】
そこで、本発明の目的は、プロバイダの地図情報は、プロバイダにおいて地図のレイヤ選択や表示設定内容の変更を簡単にできるようにして、プロバイダからユーザからの要求に応じて表現した画像情報でインターネットを通じて入手する。一方、組織内固有の地図情報は、組織内で作成、変更及び、登録可能とし、更に、組織内でプロバイダの地図情報と組織内の地図情報との両方の情報を重ね合わせて表示するシステムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために本発明では、地図情報処理システムにおいて、指定した範囲と第1地図図形表示情報とに基づいた地図情報から作成された該範囲の第1地図図形を含む地図画像情報と該第1地図図形に属する第1項目情報とを取得する第1情報取得手段と、前記範囲と第2地図図形表示情報とに基づいた該範囲に対応する第2地図図形を含むベクトル地図情報と該第2地図図形に属する第2項目情報とを取得する第2情報取得手段と、第1項目情報に基づいて第1地図図形の表示に用いるレイヤと図式とを選択し第1地図図形表示情報を設定する第1情報設定手段と、第2項目情報に基づいて第2地図図形の表示に用いるレイヤと図式とを選択し第2地図図形表示情報を設定する第2情報設定手段と、第1地図図形表示情報で作成された地図画像と第2地図図形表示情報により作成されたベクトル地図情報とを重ね合わせて地図表示する表示手段とを備えた。
【0015】
そして、第1情報取得手段は、地図画像情報と第1項目情報をプロバイダから取得することとし、組織内ネットワークに接続する地図情報処理端末を有し、第2情報取得手段は、地図情報処理端末に備えられ、組織内ネットワークに接続された保存手段からベクトル地図情報と前記第2項目情報を取得することとする。
【0016】
地図情報処理端末には、前記範囲、第1地図図形表示情報、第2地図図形表示情報を含む表示設定情報を保存手段に登録する情報登録手段を備え、更に、登録された表示設定情報を、選択又は変更する手段と、ベクトル地図情報を登録、変更する手段を備えた。
【0017】
表示設定情報は、第1地図図形及び第2地図図形に係るレイヤの表示又は非表示情報、該レイヤの属性項目の表示又は非表示情報、該レイヤの重ね合せ順序情報を含み、更に、表示設定情報は、第1地図図形及び第2地図図形に係る図式を含み、該図式は、図形表示情報とラベル表示情報を含むこととした。重ね合せ順序情報は、地図画像情報と複数のベクトル地図情報とに対する重ね合わせ順番設定情報を含むこととした。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による地図情報処理システムについて説明する。
【0019】
この地図情報処理システムでは、地図情報のプロバイダが、ユーザの利用目的に合わせて、地図情報の選択や地図表示方法の変更をユーザ毎に対応可能とし、地形や市町村境界等の基本的な情報を最新の状態で供給できるようにした。この地図情報は、画像とテキスト情報の形で提供が行われる。一方で、地図情報を利用する組織内では、組織内固有の地図情報をベクトル地図方式で作成、変更、保存可能とし、これらの組織内地図情報とプロバイダから入手された地図情報とを重ね合わせて表示可能とし、より利用価値の高い地図情報を使用可能とした。
【0020】
そこで、プロバイダからインターネットを介して入手した地図情報と、組織内で保有する地図情報とを重ね合わせることができる地図情報処理システムに関する実施形態について、以下に図を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る地図情報処理システムの全体構成を示した概略ブロック図である。
【0022】
図1の符号10で示される上側半分は、イントラネットやLAN等の組織内ネットワーク5を含む組織内のサーバ・クライアントシステム10の構成例を示し、また、符号11で示される下側半分は、インターネット6を介して接続された地図情報プロバイダのサーバシステム11の構成例を示している。
【0023】
組織内のサーバ・クライアントシステム10は、組織内サーバシステム13と複数のクライアントシステム12−1〜12−N(以下において、クライアントシステム12−1と略記する。)から構成され、組織内サーバシステム13とクライアントシステム12−1は、夫々組織内ネットワーク5により接続されている。
【0024】
ここで、クライアントシステム12−1〜12−Nは、夫々クライアント端末1−1〜1−N(以下において、クライアント端末1−1と略記す。)とクライアント端末記憶装置2−1〜2−N(以下において、クライアント端末記憶装置2−1と略記する。)とから構成され、お互いにバスにより直接接続されている。このクライアントシステム12−1には、一般的なパソコンが使用され、ユーザ毎に配置される。更に、各クライアント端末1−1には、地図情報処理プログラム15が搭載されており、クライアント端末記憶装置2−1には、各ユーザのための地図の表示設定情報及び個人で利用する地図情報が保存されている。
【0025】
また、組織内サーバシステム13は、組織内サーバ3と組織内サーバ記憶装置4から構成され、組織内サーバ3と組織内サーバ記憶装置4は、バスにより直接接続されている。ここで、組織内で共用する地図情報は、組織内ネットワーク5に接続された組織内サーバシステム3の記憶装置4に保存されている。この組織内に保存されている情報は、組織の固有地図情報を含みファイアウオール17により外部のインターネット6からの不法な侵入がガードされている。
【0026】
一方、クライアントシステム12−1は、組織内ネットワーク5、ファイアウォ−ル17、及びインターネット6を介して地図情報プロバイダ11のWEBサーバ7にも接続されている。WEBサーバには、負荷分散ミドルウエアプログラム16が搭載されており、多数のクライアントシステム12−1からの処理要求が集中した場合には、負荷分散を行い、負荷の軽いアプリケーションサーバ8−1〜8−N(以下、アプリケーションサーバ8−1と略記する。)に処理要求を振り分ける。WEBサーバに接続された複数のアプリケーションサーバ8−1には、プロバイダ用のGISが備えられている。また、アプリケーションサーバ8−1で使用される地図情報は、アプリケーションサーバ8−1に接続されたデータベースサーバ9に保存されている。このデータベースには、契約顧客のパスワード等の認証情報の管理に使用されるユーザ管理データベースD1、各種のベクトル地図データを保存したベクトル地図データベースD2、地図データをレイヤ構成にして管理を行うためのレイヤ管理情報D3、又は契約ユーザのリクエストに応じて地図表示図式設定するためのサーバ側表示設定情報D4を含む情報が保存されている。
【0027】
次に、図1に示した地図情報処理システムにおいて、地図情報を保存する各サイト別及び、ベクトル地図データベースに含まれる地図図形レイヤと属性項目との階層構成について、具体的な地図の例を示して説明する。
【0028】
図2は、地図情報を表示するときに使用される地図情報管理方法の一例を示した図である。図2では、渋谷地区を例にしている。ここで、渋谷顧客分布図D5という表示設定名称を持った地図情報は、情報の保存サイトとして、プロバイダサーバシステム11のデータベースサーバ9、組織内サーバ3の記憶装置4、ユーザのクライアント端末記憶装置2−1の3ヶ所に保存されていることが示されている。各サイトの地図情報は、レイヤと称する同種の図形毎にまとめてグループ分けが行われ、管理されている。
【0029】
プロバイダのデータベースサーバ9における地図情報レイヤD7には、例えば、市区町村、字町丁目、水面、鉄道、主要道路、各種施設、目標物が含まれ、これらの各レイヤは、地図図形とその各図形に付属した属性情報から構成されている。属性情報の属性項目D10は、主要道路レイヤの属性項目の例を示しており、道路名、道路種別、地上・地下、構造、幅員、交通量、各種施設が含まれる。
【0030】
組織内サーバの記憶装置4に保存される地図情報のレイヤD8には、例えば、その組織に属する営業所、店舗というレイヤがあることを示している。この内、店舗のレイヤの例では、店舗の位置が地図上の点図形として保存されている。その図形に付属した属性情報の属性項目D11は、店舗レイヤの例をとれば、店舗名、郵便番号、住所、電話番号が含まれる。
【0031】
更に、ユーザのクライアント端末記憶装置2−1には、レイヤの例として、得意先があり、自分の担当する得意先の位置が地図上の点図形として保存されており、店舗の場合と同様な属性情報を保存することもできる。
【0032】
このように情報管理されている地図情報に基づいた、図1に示される地図情報処理システムにおける動作及び処理について以下に説明する。
【0033】
例として、ユーザが地図表示を要求した時、図2に示される管理方法による地図情報を使い、組織内のサーバ・クライアントシステム10のクライアントシステム12−1及び、プロバイダのサーバシステム11におけるアプリケーションサーバ8−1で実施される処理の概要について、図3及び図4を用いて説明する。
【0034】
図3は、ユーザが指定した範囲の地図表示をプロバイダに要求した場合において、プロバイダのサーバシステム11で処理される情報処理の様子を示した図である。
【0035】
図3において、プロバイダサーバシステム11のアプリケーションサーバ8−1は、ユーザ認証システム41とGISエンジン40を有しており、GISエンジン40は地図画像作成・地図範囲情報作成B11、図形属性情報抽出B12、及び、メッセージ作成B13の各機能を実行できる。
【0036】
更に、アプリケーションサーバ8−1は、データベースサーバ9が有するユーザ管理データベースD1、レイヤ・属性項目管理データベースD3、ベクトル地図データベースD2にアクセスし、必要な情報を読み出すことができる。ここでレイヤ・属性項目管理データベースD3には、レイヤ管理情報とサーバ側表示設定情報が含まれ、ベクトル地図データベースD2には、凡例画像・シンボル画像D19、ベクトル地図図形・属性情報データベースD20、航空写真等の画像ファイルD21が含まれている。
【0037】
ユーザが地図情報を要求した時、クライアントシステム12−1内のどれか1つから地図表示に関するリクエスト情報D12が、アプリケーションサーバ8−1に向けて送信される。このリクエスト情報D12には、ユーザID・パスワードD13と地図表示のための表示設定指示情報D14が含まれ、WEBサーバ7を経由して処理の受付可能なアプリケーションサーバ8−1に送信される。
【0038】
アプリケーションサーバ8−1では、最初に、リクエスト情報D12のユーザID・パスワードD13とデータベースサーバ9に予め登録してあるユーザ管理情報D1とを照合して、契約者本人からの要求であることを認証する。この認証が確認されると、表示設定指示情報D14に基づいて、データベースサーバ9のレイヤ・属性項目管理データベースD3に有するレイヤ管理情報及びサーバ側表示設定情報を利用して、表示に必要な凡例画像・シンボル画像D19、ベクトル地図図形・属性情報データベースD20に保存されたベクトル地図図形情報及び属性情報などのデータが選択され、アプリケーションサーバ8−1に読み出される。
【0039】
GISエンジン40は、読み出された各データを使い、指定された範囲に対し、指定されたシンボル等で地図図形を作成した後、地図画像に変換する。そして、該地図画像は、指定された範囲に基づいて作成された地図範囲情報と共に送信情報D16に含められる。また、該地図図形の属性情報は、ベクトル地図画像・属性情報データベース20から別に抽出され図形属性情報D17とされ、最後に、ユ−ザに対する連絡メッセージD18が作成される。その後、地図画像・地図範囲D16、地図属性情報D17、メッセージD18を含むクライアントへの送信情報D15がクライアントシステム12−1へ送信される。
【0040】
次に、図4は、図1に示された地図情報処理システムにおけるクライアントシステム12−1の処理概要について示している。なお、図1で説明したように、クライアントシステム12−1は、クライアント端末1−1とクライアント端末記憶装置2−1からなり、プログラムの処理はクライアント端末で実施され、情報の保存はクライアント記憶装置2−1で実施されるため、ここでは、処理と保存情報を分けて説明するが、一般的には、クライアント端末とその記憶装置を一体にして、クライアントシステム12−1と称する。
【0041】
図4において、クライアント端末1−1は、サイト別管理情報D47と表示管理情報D43を備えたクライアント端末記憶装置2−1を有し、地図情報を保存したプロバイダサーバシステム11、組織内サーバシステム13、又はクライアント端末記憶装置2−1と通信を行ない、その処理結果をクライアント端末1−1の表示器60に出力する構成となっている。
【0042】
この構成において、クライアント端末1−1の処理する機能には、サイト別管理情報D47をクライアント端末記憶装置2−1から読み込み、プロバイダのサーバシステム11、組織内サーバシステム13、又クライアント端末記憶装置2−1に対するリクエスト情報D12、D22、D23を作成し、送信する機能がある。また、このリクエストに対する処理結果を地図情報D44、D45、D46としてプロバイダサーバシステム11、組織内サーバシステム13、又はクライアント端末記憶装置2−1から受信する。更に、クライアント端末GISエンジンは、この受信したベクトル地図情報D45、D46と、サイト別管理情報D47にある地図の表示設定情報とを使い地図図形情報を作成し、表示管理情報D43のレイヤの重ね合せ順番情報を使い、各地図図形の重ね合わせを行い、その結果の地図図形と属性情報をクライアント端末の表示器60に表示する機能がある。
【0043】
次いで、図4を参照しながらクライアントシステム12−1における処理の流れを順次説明する。
【0044】
ユーザから地図情報の表示リクエストをクライアント端末1−1が受け取ると、クライアント端末1−1は、最初に、クライアント端末記憶装置2−1からサイト別管理情報D47を読み込む。即ち、ユーザからプロバイダサイトに保存された地図情報の表示の要求がある場合は、プロバイダサイトのWEBサーバのURL情報、ユーザが選択した地図のレイヤと項目情報、ユーザが設定した地図の表示設定情報を含むプロバイダサイトの地図表示設定情報D40をクライアント端末記憶装置2−1のサイト別管理情報D47から取り出し、プロバイダサーバシステム11へリクエスト情報D12として送信する。プロバイダサーバシステム11は、指定したレイヤと項目情報に対する地図情報をデータベースサーバ9から取り出し、受信した表示設定情報に基づき地図画像を作成し、この地図画像と付属した属性情報D44と共にクライアント端末1−1に返信してくる。
【0045】
また、ユーザから組織内サーバに保存された地図情報の表示要求がある場合は、組織内サーバの地図データの保存場所、ユーザの選択した地図のレイヤと項目情報を含む組織内サーバの地図表示設定情報D41をクライアント端末記憶装置2−1のサイト別管理情報D47から取り出し、組織内サーバシステム13へ地図情報のリクエスト情報D22として送信する。組織内サーバシステム13からこのリクエスト情報D22に基づいて、指定したベクトル地図情報と属性情報D45をクライアント端末1−1に受信する。
【0046】
同様に、ユーザからクライアントシステム12−1に保存された地図情報の表示要求がある場合は、クライアントシステム12−1の地図データの保存場所及び、ユーザが選択した地図情報のレイヤと項目情報を含むクライアントシステム12−1の地図表示設定情報D42をクライアント端末記憶装置2−1へリクエスト情報D23として送信する。クライアント端末記憶装置2−1からこのリクエスト情報D23に基づいて、指定したベクトル地図情報と属性情報D46を取り込む。
【0047】
クライアント端末GISエンジン50は、組織内サーバシステム13又はクライアント端末記憶装置2−1から読み込まれたベクトル地図D45又はD46を組織内サーバの地図表示設定情報D41とクライアント端末表示設定情報D42の夫々に含まれている地図情報の表示設定情報を使ってGISにより地図図形情報の表示設定処理即ち、レンダリング処理を行う。
【0048】
また、クライアント端末GISエンジン50は、プロバイダサーバシステム11から受信した地図画像と、組織内サーバシステム13及びクライアント端末記憶装置2−1から取得したベクトル地図図形情報にレンダリング処理を行った図形とを、表示管理情報D43にあるレイヤ重ね合せ順序により重ね合わせ処理を行い、クライアント1の表示装置60の表示パネルに指定した範囲の地図図形とその属性情報を表示する。
【0049】
表示管理情報43に含まれている初期表示ON/OFF・範囲表示情報は、クライアントシステム12−1起動時に表示する地図表示設定名称及びを座標範囲を示している。
【0050】
以上で、図4に示されたクライアントシステム12−1において、地図情報の表示をリクエストした場合の処理概要を説明したが、続いて、図に示された地図情報処理システムにおいて、ユーザがクライアントシステム12−1で実施するリクエスト指示の具体的設定内容及びその設定に対する処理結果の表示方法について、図5乃至図15を参照しながら表示装置60の画面に表示される画面表示例を用いて詳細に説明する。
【0051】
図5は、ユーザが使用するクライアント端末の表示装置60に表示される画面の全体を示した図である。図5に示された画面表示例は、地図表示の初期状態を表している。そして、この画面表示例における表示画面は、パネルP1乃至P6によって形成され、図示のように配列されている。この各パネルで入力操作及び表示が夫々行えるようになっている。
【0052】
図5に示された画面の最上段にあるパネルP1には、各種の指示を行う処理指示ボタンF1乃至F8が配置されている。この画面の左上側のパネルP2は、表示設定名称を表示するパネルであり、パネルP3、P4は、地図図形及びラベルに対する各種の選択、設定の操作を行うパネルになっている。画面の右側のパネルP5は、地図を表示するための地図画面表示パネルである。また、画面の最下段には、プロバイダからのメッセージを表示する表示パネルP6が配置されている。
【0053】
このように形成された画面中に設けられた処理指示ボタンF1乃至F8の中で、目標とする地域の地図表示を行うことに関連する各ボタンの機能を説明する。なお、処理指示ボタンF1乃至F8による各機能は、通常のGISにおいて用いられているもので、ここでは、概要のみを説明する。
【0054】
地域検索処理指示ボタンF3は、指定の地域の地図を検索をするためのものであり、現在表示されている地域の代わりに、特定の地域の住所、駅名、目標物等の名称を指定することにより、指定地域の地図に切り替えるために使用する。何の地域指定もしないで本システムを使用開始した時には、パネルP5には全域地図が表示される。また、起動時に特定の地域を自動的に表示するように事前に設定しておくことも可能である。
【0055】
拡大・縮小指示ボタンF5は、表示中の地図を選択した倍率で拡大・縮小処理をするために使用する。
【0056】
範囲拡大指示ボタンF4は、マウスで指定した2点を対角とするボックスの範囲の地図を画面全体に拡大して表示する時に使われる。
【0057】
移動指示ボタンF6は、地図画面上でマウスにより指定した第1点から次に指定した第2点まで地図の表示範囲を移動する時に使われる。
【0058】
情報指示ボタンF8は、対象とする図形をクリックし、図形に付属した属性情報を表示するときに使われる。
【0059】
表示設定呼出指示ボタンF2は、予め独自の表示設定で登録してある地図を表示する時に使われる。表示設定呼出指示ボタンF2を使用すると、以上に述べた地図の表示選択操作を行わず、直ちに、予め設定された範囲の地図が、予め設定された図式で表示することができる。表示設定呼出指示ボタンF2を押すと、図6に示されるような予め登録された地図表示設定名称一覧を表示できるサブウインドウW7が、地図表示用のパネルP5の上に重ねて表示される。
【0060】
図6に示されるプルダウンメニューH12を押すと、予め登録されている地図の表示設定名称一覧が表示さる。この中から必要とする表示設定名称を選択し、更に選択指示ボタンF10を押すと、先に図4で説明したように、プロバイダサーバシステム11、組織内のサーバ3、クライアント端末記憶装置2−1の夫々に、選択した地図表示のリクエストD12、D22、D23が送信される。そして、プロバイダサーバシステム11からは、予め設定された地図画像が、また組織内サーバシステム13またはクライアント端末記憶装置2−1からは、ベクトル地図図形が送信されてくる。
【0061】
また、図6に示された設定ボックスH13にチェックを入れると、次のシステムの起動時に名称設定ボックスH12に設定した地図表示設定名称で、自動的に地図が表示されるようになる。ここで選択した地図の表示設定名称は、図5の画面中の表示パネルP2に表示される。
【0062】
表示設定の削除指示ボタンF11は、地図表示設定名称設定ボックスH12に設定された表示設定を削除する時に使用する。
【0063】
「閉じる」の処理指示ボタンF12は、表示設定呼出のサブウインドウW7を操作完了により閉じるときに使用する。この名称のボタンの機能は、以下のサブウインドウにおいても同様である。
【0064】
上記の操作により目標とする地域の地図の表示が行えたことになり、ここで表示された地域の地図図形に対して次に述べる表示設定・変更の操作を行うことができる。
【0065】
図5のパネルP3で設定操作することにより、上記で選択された範囲の地図図形に対し、ユーザ独自の表示方法を設定することができる。このパネルP3は、図形情報が保存されているサイトの選択、表示するレイヤの選択、選択されたレイヤの属性項目名のシンボル図形の表示、及び選択されたレイヤの表示順序設定に使用される。
【0066】
図形情報保存サイト及びレイヤの表示・非表示の選択は、併設された2個のボックスで実施できるようになっており、その2個のうち左側のボックスは、保存サイトに属するレイヤ名一覧又は、レイヤに付属した下位情報である図形表示項目の名称一覧をツリー構造で展開表示するものであり、その右側のボックスは、該当する表示項目の図形を地図に追加表示するか否かをチェックマークで指示するものである。項目名称のツリー構造は、図2で説明したように、その最上層が情報保存サイト名であり、中間層がレイヤ名であり、最下層が属性項目名になっている。
【0067】
図5の表示例におけるパネルP3では、組織内サーバシステム13に係るボックスH1の左側ボックスのマーク「−」は、組織内サーバのレイヤ図形項目名称が展開されていることを示し、その右側のボックスにマーク「V」のチェックが入っていることは、組織内サーバシステム13に保存された図形情報を表示することを示している。次の中間層はレイヤ名のリストであり、図示の例では、レイヤ名として「営業所」と「店舗」が表示されている。その1番目の営業所に係る左ボックスにマーク「+」が表示されているが、これは、最下層に属性項目のリストはあるが展開されていないことを示している。その右ボックスのマーク「V」は、このレイヤの図形を表示することを示している。また、2番目のレイヤである店舗については、左ボックスが「−」であり、その下に最下層の属性項目が展開され、その名称と表示記号が、パネルP3の表示エリアJ1に表示される。
【0068】
次に、レイヤに属する属性項目の表示図形の図式設定を変更したい場合には、図式を変更したい図形のレイヤ名にカーソルを置きマウスをダブルクリックすると、図7に示したサブウインドウW8が表示される。このレイヤの項目選択のサブウインドウにおいて、属性項目の一覧をプルダウンメニューH14で表示し、表示したい属性項目を選択する。ここで選択された属性項目のシンボル表示が情報設定ボックスH15に表示される。
【0069】
以上のサブウインドウW8の設定操作が完了すると、「設定」指示ボタンF13を押し、以上の設定をクライアントシステム12−1に保存する。また、以上の設定を取り消す場合には、「キャンセル」指示ボタンF14を押す。
【0070】
図5において、パネルP3に表示されたレイヤ名の左側にある2つの設定ボックスの右ボックスのチェックマークをはずし、当該レイヤの図形を非表示とした場合には、当該するレイヤの図形は、非表示になる。保存サイトについても、各ボックスの設定は同様の意味を示している。また、1つのレイヤに対する属性項目の図形表示は、1項目だけ設定可能であり、1つの項目の設定を行うと、他の項目の設定は、非表示となる。
【0071】
レイヤのボックスH3の下側に設けられた情報保存サイトに係る「クライアント端末」のボックスH5において、その右ボックスにはチェックマークが入っていないので、ここに保存された情報は表示されないことを示している。
【0072】
次の情報保存サイトである「プロバイダサーバ」に係る2つのボックスH6の設定は、その表示レイヤの内訳は展開表示されていない(+マーク)が、そのレイヤ図形は表示される(Vマーク)ということを示している。
【0073】
以上において、図5の画面表示例におけるパネルP3の操作が説明された。次いで、同画面例におけるパネルP4の操作を説明する。
【0074】
地図図形の近傍に表示され、図形属性データの文字表示をラベルと称する。
【0075】
図形の場合と同様に、ラベルのパネルP4に表示された名称の左側にある2つの設定ボックスの左側がその名称に属する下位情報を展開表示するか否かを設定するボックスであり、右ボックスは、その名称の情報を表示するか否かを設定するボックスである。また、1つのレイヤに対するラベル表示項目は、1項目だけが設定可能になっている。
【0076】
このラベルの設定パネルP4を図5に例示された画面に従い説明する。パネルP4において、情報を保存しているサイトが組織内サーバシステム13の場合、「組織内サーバ」の2つのボックスH7に組織内サーバに保存されたレイヤ名のリストを展開するか否かの設定(左側ボックスの「−」マーク、即ち展開表示する。)と、組織内サーバシステム13に保存されたラベル情報を表示するか否かの設定(右側ボックスの「V」マーク、即ち表示する。)を行う。次に、展開したレイヤ「営業所」及び「店舗」の2つのボックスH8、H9に対して、属性情報を展開するか否か(左側ボックス)と、その属性情報を表示するか否か(右側ボックス)の設定を行う。属性項目を展開した場合には、属性項目名が表示J2として表示される。
【0077】
次の行のクライアントシステム12−1に保存したラベル情報に対するボックスH10の設定の意味は、そのレイヤ項目が展開されず、且つ表示されない、ということである。また、その次の行のプロバイダサーバシステム11に対するボックスH11の意味は、当該のレイヤ項目は展開しないが、各レイヤ項目の設定に従って表示されるということを示している。
【0078】
パネルP3及びP4の図形及びラベルの表示設定において、地図情報保存サイト及びレイヤ項目の並んでいる順序は、作成された各地図図形を表示する時に重ね合わせる順序を示している。ここで、並びの最下行のサイト又はレイヤの地図図形が最下層に表示され、その上に次の行のサイト又はレイヤを順次重ね合わせていく。ここで、重なって上の図形の陰になった部分の図形は、上の図形が透明という設定でない限り、上の図形の陰になり見えなくなる。
【0079】
図5のパネルP3の例で説明すると、プロバイダサーバからの画像が最下層に表示され、その上に組織内サーバの店舗の図形が重ねられ、更にその上に営業所の図形が重ねられることになる。
【0080】
この表示重ね合わせの順序は、地図情報保存サイト又はレイヤの項目名をクリックし、これをドラッグすることにより入れ替えることができる。
【0081】
以上のように、図5に示された画面例におけるパネルP3及びP4を使用して、地図の図形表示項目及びラベル表示項目を設定した場合について、その結果の表示例を図8に示した。
【0082】
図6で説明した表示設定呼出の選択により、地図図形が、全域図から渋谷店舗分布図に替わり、図5で例示した設定により、例えば、パネルP3の「店舗」レイヤの「店舗種類」で選択した表示シンボルにより、各サイト及びレイヤの配列順序で地図図形上に表示されている。
【0083】
また、地図図形の表示処理方法として、組織内サーバシステム13又はクライアント端末記憶装置2−1に保存された図形情報の処理の場合は、地図情報がベクトル図形情報で保存されているため、読み出された図形情報に対して指定した表示設定で直接図形の表示変更処理(レンダリング処理)を行い、表示する。これに対して、プロバイダサーバシステム11に保存された図形情報の場合は、プロバイダサーバシステム11からクライアントシステム12−1がレイヤやその属性項目情報を読み込み、クライアントシステム12−1でその1項目に対して表示設定を行うと、その設定のたびにクライアントシステム12−1からプロバイダサーバシステム11に設定値が送信され、プロバイダサーバシステム11で表示設定が処理され、その処理結果が、変更された地図表示の画像としてクライアントシステム12−1に返信されてくる。この画像と前記でレンダリング処理した組織内サーバシステム13又はクライアントシステム12−1の地図図形とを重ね合わせて表示する。
【0084】
図5または図8に示された画面の左下に設けられた表示設定保存の指示ボタンF9は、以上の表示設定に名前を付けてファイルとして保存し、同じ設定を再度利用可能にするために使用する。この指示ボタンF9を押すと、図9に示す表示設定保存のサブウインドウW9が表示される。このサブウインドウW9において、現在の表示設定名称で保存する場合は、ラジオボタンH16にマークを設定する。新規に表示設定名称を登録する場合には、ラジオボタンH17にマークを設定して、設定ボックスH28に保存する地図の名称を記入する。図9の例では、地図の名称として、「渋谷店舗分布図」と入力される。更に、起動時に同じ設定で自動的に表示する場合には、ボックスH18にチェックを入れる。最後に、保存ボタンF15を押すと上記の設定情報が、クライアントシステム12−1に保存される。
【0085】
次に、図5の画面例に示された指示ボタンの中で、システム使用準備時に操作するボタンと、その時の設定画面について説明する。
【0086】
図5に示された「サイト登録」の指示ボタンF1を押すと、図10に示すサブウインドウW10が表示される。該サブウインドウW10では、地図情報が保存されているサイトのアドレス及び名称を設定することができる。ここで、プロバイダのサイトを新たに登録する場合には、ラジオボタンH19をチェックして、「新規登録」の指示ボタンF17を押すと、情報設定ボックスH21にURLを、そして、設定ボックスH22にその名称を新規に設定することができる。前に登録されているプロバイダのURLを選択する場合には、設定ボックスH21のプルダウンメニューを表示して、表示されたURLの中から該当するものを選択する。
【0087】
また、クライアント端末記憶装置2−1を含めた組織内サーバ3の記憶装置4のパスを新たに設定する場合は、ラジオボタンH20をチェックして、「新規登録」の指示ボタンF18を押して新規パスの設定を行うことができる。設定ボックスH23にパスを、設定ボックスH24にその名称を設定し、最後に「サイト登録」の指示ボタンF19を押して、パスの登録操作を完了する。
【0088】
上記のサイト登録の設定は、プロバイダサーバの場合はサイト登録で完了するが、組織内のサイトを新たに登録した場合は、新たに登録したサイト(クライアント端末記憶装置2−1を含む。)内のレイヤや属性項目を続けて設定することが必要になる。この設定操作のために「レイヤ登録・更新」の指示ボタンF21を使用する。この指示ボタンF21を押すと、図11に示すレイヤ登録・更新のサブウインドウW11が表示される。
【0089】
図11において、新規にレイヤ名を登録する場合は、「新規」の指示ボタンF23を押すと、レイヤ名設定ボックスH26の欄にレイヤ名が記入可能となる。既に登録されているレイヤについて変更を行う場合は、設定ボックスH26のプルダウンメニューでレイヤ名一覧を表示して該当のレイヤ名を選択する。続いて、登録するレイヤの図形のタイプを設定ボックスH27のラジオボタンのいずれかを選択することにより設定する。点図形のレイヤの場合の凡例では、設定ボックスH30でデフォルトとして設定されている図形の名称の中から該当するものを選択すると、表示ボックスJ3にそのイメージが表示される。最後に、上記の設定をクライアントシステム12−1に保存するため、「登録・更新」の指示ボタンF24を押す。
【0090】
レイヤ登録に続いて、レイヤの属性項目の登録・更新を行う場合は、図11の「項目登録・変更」の指示ボタンF26を押し、図12に示されるサブウインドウW12を表示する。
【0091】
図12において、先に登録したレイヤに対し、新たな属性項目を追加する場合には、「新規」の指示ボタンF28を押すと、設定ボックスH32の記入欄に属性項目の名称が追加できるようになる。更に、追加する項目のデータのタイプ(様式)について、数値、分類、文字のラジオボタンH33〜H35のいずれか1つを選択してチェックを入れる。そして、その桁数、文字数、単位などを設定ボックスに記入する。既に登録されている項目についての変更を行う場合には、設定ボックスH32のプルダウンメニューを表示して、該当する項目名を選択し、必要な部分の変更を行う。
【0092】
更に、属性項目データを分類し、分類ごとにシンボル設定や色分けをして表示する場合には、「分類表示設定」の指示ボタンF30を押す。この指示ボタンF30を押すことにより、図13に示すサブウインドウW13が表示される。図13の例では、点図形レイヤの属性情報を分類表示する場合に設定する画面を示し、線図形または面図形のレイヤの属性情報を分類表示する場合は、異なった設定メニュー画面が表示される。
【0093】
図13のレイヤ名H40には、指定したレイヤ名が表示され、情報設定ボックスH41〜H46には、指定したレイヤの各項目に対し予め設定された設定内容の値が表示されている。設定ボックスH48〜H53は、項目を選んで、必要とする情報を設定するボックスになっている。この例では、「図の種類」の設定ボックスH51で分類図を選択した場合を示している。分類図は、分類文字や番号の夫々に対して、色やシンボルなどを割り当てて表示する図である。この例では、ベクトル記号を選択した場合において、各分類文字に対し、凡例名称、シンボル記号、及び夫々のシンボルのサイズ、色、透明度の設定情報を示している。
【0094】
図14、図15は、組織内のサーバ3又はクライアントシステム12−1に新規の図形を登録したり、削除したり、その図形の属性情報を変更したりするために使用するサブウインドウ画面表示例の図である。
【0095】
組織内サーバシステム13又はクライアントシステム12−1で使用する地図図形に新たなシンボルや図形及びその図形の属性情報を追加、登録する場合には、最初に、図5の画面例における「情報登録」の指示ボタンF8を押す。この操作により、図14(a)のプルダウンメニューW16が表示される。該プルダウンメニューには、新規図形登録F43、属性更新F44、図形削除F45の3つ処理指示の選択肢がある。
【0096】
ここで、新規図形登録の指示メニューF43を選択すると、図14(b)の新規図形登録のサブウインドウW14が表示される。この表示に続いて、マウスを使って、点、線、又は面の図形を描くと、ここで描いた図形を組織内サーバシステム13又はクライアントシステム12−1に登録することができる。この図形の描画完了後に、「OK」の指示ボタンF39を押すと、図15のサブウインドウが表示されるので、描画した図形の属性情報の各項目に対してデータの登録と更新を行うことができる。
【0097】
図14(a)の属性更新の指示メニューF44を選択した場合には、マウスにより属性を更新する対象の図形を選択すると、前記の新規図形登録の場合と同じ図15のサブウインドウが表示される。図15のサブウインドウW15には、指定した図形の属性情報が設定ボックスH54に表示されるので、ここで必要な情報の更新を行う。
【0098】
図14(a)の図形削除の指示メニューF45を選択した場合には、削除対象となる図形をマウスで選択すると、「削除してもよいか」という確認メッセージが表示され(本画面は図面として添付されていない。)、「OK」と指示ボタンを選択すると、その図形が削除される。
【0099】
図15に示されたサブウインドウW15では、属性項目のデータを新規入力又は、更新を行うことができる。新規に属性項目データを登録する場合は、図15のサブウインドウW15を表示した後、情報設定ボックスH54にデータを入力し、最後に、「登録・更新」の指示ボタンF41を押す。属性項目データの更新を行う場合には、表示された設定ボックスH54内の該当する個所を更新する。
【0100】
以上の地図表示のための設定手順に従って設定操作を行った時、クライアントシステム12−1と、プロバイダサーバシステム11又は組織内サーバシステム13との間で実施される通信の手順、クライアントシステム12−1内の処理の流れ、プロバイダのサーバ11内の処理の流れについて、図16乃至図22のフロー図を参照しながら説明する。
【0101】
なお、図16乃至図20では、クライアントシステム12−1とデータ保存場所、或いは、クライアントシステム12−1とプロバイダサーバ11との通信手順がフロー図で示されている。
【0102】
最初に、クライアントシステム12−1と通信するサーバとの通信確認を行う手順を図16に示した。
【0103】
図16は、図5の画面例に示された「サイト登録」の指示ボタンF1を押した時に、クライアントシステム12−1とプロバイダサーバシステム11、組織内サーバシステム13、及びクライアント端末記憶装置2−1の各データ保存場所との間で行われるデータ保存場所の所在確認のための通信手順を示している。
【0104】
図16において、最初に、ユーザはクライアントシステム12−1を使い、各データ保存場所の確認を行う。この結果確認された各データ保存場所へのURL又はパスは、サイトの登録に関する情報D25、即ち、プロバイダサーバシステムのURL、組織内サーバシステムの地図DBのパス、クライアント端末記憶装置の地図情報保存場所のパス、としてクライアントシステム12−1に保存する。
【0105】
本地図情報処理システム使用開始時の通信手順を図17に示す。この図17は、特定の地域指定を行わずに地図情報処理システムの使用を開始した場合における、クライアントシステム12−1からのプロバイダサーバシステム11への送信情報D26、プロバイダサーバでの処理内容B1、プロバイダサーバからクライアントへの返信情報D27、及びクライアント端末での表示処理B2示したフロー図である。
【0106】
図17のフロー図において、クライアントシステム12−1は、プロバイダサーバシステム11へユーザIDとパスワードからなる認証情報、及び地図の全域範囲のリクエスト情報を送信情報D26として送信する。この要求情報を受信したプロバイダサーバシステム11のサイトでは、レイヤ項目情報の収集、表示するレイヤに対しデフォルトで表示設定を行い、これに基づき全域の地図画像を作成し、その範囲座標を計算し、ユーザに対するメッセージ作成などの処理を行う(B1)。その処理結果として、レイヤ情報、全域の地図画像とその範囲座標、及びメッセージがクライアントシステム12−1への送信情報D27として送信される。クライアントシステム12−1は、この情報を受信し、全域の地図画像とメッセージの画面表示を行う(B2)。
【0107】
図18は、ユーザにより希望する地図の選択、表示を行った後、プロバイダに保存された地図表示情報を変更する場合におけるクライアントシステム12−1とプロバイダサーバシステム11との間での通信手順を説明した図である。
【0108】
ユーザが、クライアントシステム12−1の表示画面で変更するレイヤの属性項目である図形表示項目又は、ラベル表示項目の1つを選択した場合に(B3)、クライアントシステム12−1は、表示情報を保存しているプロバイダサーバシステム11へ変更するレイヤ属性項目の図形表示情報、及びラベル表示情報の要求と対応する各種コマンドとをサーバへの送信情報D28として送信する。プロバイダサーバシステム11では、この要求に対して指定したレイヤの属性項目の図形表示情報、及びラベル表示情報をデータベースサーバ9から収集し(B4)、その結果をクライアントへの送信情報(D29)としてプロバイダサーバシステム11からクライアントシステム12−1へ送信する。この送信情報D29から、ユーザはクライアントシステム12−1で希望する図形表示項目やラベル表示項目を選択する。ここで設定された起動時表示ON/OFF情報、レイヤ表示ON/OFF情報、レイヤ図形・ラベル表示項目選択情報を含む設定情報D30については、次に説明する表示変更要求で利用するため、クライアント端末記憶装置2−1に保存される。この表示設定処理は、表示設定が1項目行われる毎に、プロバイダサーバシステム11に送信され、その結果をプロバイダサーバシステム11から受信する手順が繰り返し実施される。
【0109】
図19は、組織内サーバ13又はクライアント端末記憶装置2−1にある地図情報の表示設定を変更するときにおける通信手順を説明する図である。
【0110】
組織内サーバ13又はクライアント端末記憶装置2−1にある地図情報は、ベクトル表示の地図情報であるため、クライアントシステム12−1でGISエンジンを使い自由に表示設定することができる。ここで使用する表示設定名称ファイルは、クライアントシステム12−1内に保存されており、先に説明した図18のプロバイダサーバシステムの場合のように、表示項目ごとに通信を行なう必要はない。
【0111】
図19において、ユーザがクライアントシステム12−1の図5に示した表示画面を使い図形又はラベルの表示項目毎に、組織内サーバシステム13やクライアントシステム12−1内のレイヤの設定を行うと(B10)、組織内サーバシステム13又はクライアント端末記憶装置2−1に対して、レイヤの存在を確認する通信を行なう。図5のパネルP3又はP4に設定された表示設定情報である、起動時表示ON/OFF情報、レイヤ表示ON/OFF情報、レイヤ図形・ラベル表示項目選択情報、レイヤの描画表示情報を含む表示設定情報D38は、他のシステムと通信は行なわずそのままクライアントシステム内の表示設定名称ファイルに記述され、保存される。
【0112】
図20は、クライアントシステム12−1において、地図の表示範囲や表示設定の変更要求を行った場合における各地図情報保存サイトとの間の通信手順及び各装置内での処理の内容を説明するフロー図である。
【0113】
図20のフローにおいて、クライアントシステム12−1は、図18のフローで保存された、または以前に名前を付けて保存された表示設定名称ファイルから、各レイヤを表示するか否かのレイヤ表示ON/OFF情報、各レイヤで表示される図形の図式選択情報とラベル表示項目選択情報、レイヤの表示順序等のレイヤ描画表示情報を含む表示設定情報D31を読み込む。
【0114】
クライアントシステム12−1は、読み込まれた表示設定情報で地図表示を行うため、プロバイダサーバシステム11、組織内サーバシステム13、及びクライアント端末記憶装置2−1のそれぞれに対して、保存されている地図情報の送信を要求する。
【0115】
クライアントシステム12−1からプロバイダサーバシステム11へ要求を送信する場合は、地図画像の縮尺サイズ、地図の指定地域範囲の座標値、表示するレイヤ及びその図形表示の図式選択、ラベル表示項目選択、重ね合せ順番情報を含むプロバイダサーバへの送信情報D32をプロバイダサーバシステム11に送信する。この送信情報D32を受信したプロバイダサーバシステム11では、ベクトル地図情報を読み込み、縮尺に応じた地図図形の設定及び地図図形に付属した情報表示の設定を行い、各レイヤを指定された重ね合せ順に重ね合わせた後、地図画像ファイルに変換を行い、指定範囲の地図作成を行う。更に、地図画像範囲の座標値計算、ユーザへのメッセージ作成の処理を行う(B7)。この処理の結果結果として、指定した範囲の地図画像、地図画像範囲の座標値、及びメッセージを含むプロバイダサーバからの受信情報D33がクライアントシステム12−1に返信される。
【0116】
組織内サーバシステム13又はクライアントシステム12−1に保存されている地図情報については、組織内サーバ3の記憶装置4又はクライアント端末記憶装置2−1に対し表示する指定地域範囲と夫々に保存された表示レイヤ名を含む組織内サーバへの送信情報D34、又はクライアント端末への送信情報D36を送信し、夫々のデータ保存場所から指定した範囲のレイヤ図形及びレイヤ図形の属性情報を組織内サーバからのレイヤデータとして受信情報D35、又はクライアント端末記憶装置2−1からの受信情報D37を取得し、クライアントシステム12−1に読み込む。
【0117】
クライアントシステム12−1では、各装置から取り込だ表示情報に表示順番を設定する。組織内サーバシステム13又はクライアント端末記憶装置2−1から読み込んだレイヤデータに対しては、保存されている表示設定情報D31によりGISを使い表示設定処理を行う。続いて、ここで作成されたレイヤ別のベクトル表示図形とプロバイダサーバシステム11から受信した地図画像とを設定された順番で重ね合わせを行う(B5)。この結果を地図図形表示と属性情報の表示としてクライアントシステム12−1の表示装置60に画面表示する(B6)。
【0118】
次に、図17及び図18で説明した通信において送受信した情報をクライアントシステム12−1とプロバイダサーバシステム11において処理される主な手順について、図21乃至図23のフローチャートを参照して説明する。
【0119】
図21は、クライアントシステム12−1内で行われる処理手順を示したフローチャートである。クライアントシステム12−1は、ユーザからの地図情報の表示要求をプロバイダサーバシステム11、組織内サーバシステム13、及びクライアント端末記憶装置2−1それぞれに送信し、この要求に対する地図情報をプロバイダサーバシステム11、組織内サーバシステム13、及びクライアント端末記憶装置2−1のそれぞれから受信し、その結果をクライアントシステム12−1の表示器60に表示する処理を行っている。
【0120】
先ず、ユーザからの地図表示要求により、クライアントシステム12−1は、表示装置60の表示画面における設定パネルP3、P4で設定された表示設定を保存した表示設定ファイルを読み込み(S1)、必要に応じて表示設定パネルP3、P4により表示設定データを設定する(S2)。
【0121】
表示設定データの中にプロバイダサーバシステム11に保存された地図データに対する表示要求の指定がある場合(S5のYes)には、プロバイダサーバシステム11に対して指定地域の地図データ及びその属性情報の送信要求を出す(S6)。組織内サーバシステム13に保存された地図データの要求がある場合(S8のYes)には、組織内サーバシステム13から地図データ及び属性情報を取得する(S9)。同様に、クライアント端末記憶装置2−1に保存されている地図データの要求がある場合(S10のYes)には、クライアント端末記憶装置2−1から地図データ及び属性情報を取得する(S11)。
【0122】
ここで、ステップS6において、プロバイダサーバ11に対して送信要求が出されていると、プロバイダサーバシステム11からは、そのまま表示可能な指定範囲の地図画像、画像範囲の座標値、メッセージを含むプロバイダサーバからの受信情報を受信する(S7)。一方、ステップS9又はS11において取得された組織内サーバシステム13又はクライアント端末記憶装置2−1からの地図情報は、ベクトル地図データであるので、設定された表示設定により表示する地図図形に対し色や線の太さ等の表示設定処理(レンダリング処理と称す。)をクライアントシステム12−1で実施する(S12)。
【0123】
最後に、メッセージ表示や凡例表示がある場合には夫々の表示を行い(S13)、プロバイダサーバシステム11から受信した地図画像と、組織内サーバシステム13又はクライアントシステム12−1から取得し、レンダリング処理をしたベクトル地図図形とを指定した順番で重ね合わせ処理を行い、1枚の地図として、クライアントシステム12−1の表示画面として地図表示のパネルP5に表示する(S14)。この重ね合わせの順番は、地図情報が保存されていたサーバ別にユーザが指定することができ、更に各サーバ内の図形の重ね合せ順序もユーザが指示可能となっている。
【0124】
次に、図22、図23は、クライアントシステム12−1からの地図配信要求に対して、プロバイダのサーバ11で実施される処理内容を示したフローチャートである。
【0125】
図22において、先ず、プロバイダのサーバ11は、クライアント1からインターネット6を経由して、ユーザIDとパスワード及び地図の表示指定地域の設定を含む表示設定指示情報を受信する(S21)。最初に、ユーザIDとパスワードを使用してユーザの認証を実施する(S22)。次に、各レイヤのON/OFF表示設定情報から表示ONに設定されたレイヤを選択する(S23)。レイヤの重ね合せ順番を表示設定情報から読取り(S24)、重ね合せ順に表示するレイヤを設定する(S25)。続いて、レイヤ毎に以下の処理を行う。指定したレイヤの指示範囲のベクトル地図データをベクトル地図図形・属性情報データからなる地図データ・データベースD20から読み込み(S26)、図形描画とラベル表示に関する表示設定情報に基づき、データベースサーバ9に保存されているサーバ側表示設定情報D4とシンボル画像・凡例画像D19を読み込み、これらの読み込んだ情報とクライアントシステム12−1から受信した表示設定情報とを使い、指定されたレイヤの地図図形のレンダリング処理とラベル表示処理を行う(S27)。次にステップS27で作成したレイヤの地図図形と前回の処理で作成されたレイヤの地図図形とを重ね合わせを行う(S28)。重ね合わせは表示設定パネルP3、P4の下段に表示されたレイヤから上に順次重ね合わせていく。ステップS26からステップS28までの処理を表示する全てのレイヤについて順次繰り返す。
【0126】
ベクトル図形による地図図形の作成が終わると、図23のフローチャートの処理に移行する。ベクトル表示の地図図形を画像表示に変換し、地図画像を作成する(S30)。更に、表示する地図の範囲を示す座標を計算し(S31)、メッセージ表示欄で伝えるメッセージを作成し(S32)、データ送信のための設定を行い(S33)、クライアントに地図画像、地図座標、その他情報を纏めて送信する(S34)。
【0127】
以上に説明してきたように、本実施形態による地図情報処理システムによると、地図情報のプロバイダが、ユーザの利用目的に合わせて、地図情報の選択や地図表示方法の変更をユーザ毎に対応可能とし、地形や市町村境界等の基本的な情報を最新の状態で供給できるようにし、画像情報により地図情報の提供が行われようになった。一方、地図情報を利用する組織内では、組織内固有の地図情報をベクトル地図方式で作成、変更、保存可能とし、これらの組織内地図情報とプロバイダから入手された地図情報とを重ね合わせて表示可能となった。これにより利用価値の高い地図情報を使用可能とすることができた。
【0128】
【発明の効果】
本発明において、プロバイダの地図情報とユーザ固有の地図情報とをユーザのニーズに合わせて処理できるようにし、このプロバイダの地図情報とユーザ固有の地図情報を重ね合わせて表示可能とすることにより、組織内固有情報のセキュリティを守りかつ、より利用価値の高い地図情報が得られるようになった。
【0129】
ここで、プロバイダサーバシステムからの地図画像転送方式として、画像転送方式を採用しているため、広範囲の地図や複雑な地図の表示においても、データの転送量が一定しており、インターネット通信路の応答が悪くなることはない。
また、プロバイダにとっては、ソースデータとしてのベクトル情報でなく、アウトプットとしての画像情報を配信するため、インターネット通信網を利用しても、貴重な地図ソースデータの複写や流用の恐れがなくなっている。
【0130】
また、クライアントシステムからプロバイダサーバシステムの地図情報の表示項目をユーザの業務に合わせて選択し、ユーザのニーズに合わせて設定することが可能になっているので画像転送方式でも不便を感じることはない。
【0131】
更に、プロバイダの地図情報契約ユーザは、プロバイダの膨大な地図情報から何時でも最新で詳細な地図情報を利用できるので、ユーザ自らこれらの地図情報を保守する手間と費用が削減できる。
【0132】
また、クライアントシステムには、地図情報の登録機能があり、ユーザが個人的に使用する地図情報を作成、保存したり、組織内で共用する固有の地図情報を作成、保存したりすることが可能になっており、これらの情報がインターネットにより外部に流失しないように管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地図情報処理システムの全体構成を示した図である。
【図2】地図情報を表示するときに使用される地図情報管理方法の一部を例示した図である。
【図3】クライアント端末からの地図表示要求に応じて、プロバイダのサーバが処理する内容と構成を説明する図である。
【図4】各データ保存場所から取り込んだ地図情報を用い、クライアント端末が処理する内容と構成を説明する図である。
【図5】システム使用開始初期において、クライアント端末の表示装置に表示される画面例を示した図である。
【図6】表示設定呼出のサブウインドウの画面例を示した図である。
【図7】レイヤ項目を選択しマウスをダブルクリックした時に表示されるレイヤの項目選択のサブウインドウの画面例を示した図である。
【図8】地図の図形表示項目及びラベル表示項目に設定変更を行った結果の表示例を示す図である。
【図9】表示設定保存を行う時に使用するサブウインドウの画面例を示した図である。
【図10】クライアント端末の使用準備段階において、サイト登録を行う時に使用するサブウインドウの画面例を示した図である。
【図11】組織内サーバ又はクライアント端末に保存された地図情報にレイヤ登録・更新を行う時に使用するサブウインドウの画面例を示した図である。
【図12】組織内サーバ又はクライアント端末に保存された地図情報に属性項目登録・更新を行う時に使用するサブウインドウの画面例を示した図である。
【図13】組織内サーバ又はクライアント端末に保存された地図(点図形)の属性項目データに分類表示設定を行う時に使用するサブウインドウの画面例を示した図である。
【図14】(a)組織内サーバ又はクライアント端末に保存された地図情報に、新規図形を登録、図形削除、属性情報の更新のいずれかの選択を行うプルダウンメニューの表示例を示した図である。
(b)新規図形登録の操作をする時に使用するサブウインドウの画面例を示した図である。
【図15】組織内サーバ又はクライアント端末に保存された地図情報に属性情報の登録・更新を行う場合に使用するサブウインドウの画面例を示した図である。
【図16】クライアント端末と各データ保存場所の所在確認を行う通信手順を説明するフロー図である。
【図17】特定の地域指定を行わずシステムを使用開始した時に、プロバイダサーバから全域地図情報を取得する通信手順を説明するフロー図である。
【図18】プロバイダサーバにある地図の表示設定を変更する場合における通信手順を説明するフロー図である。
【図19】組織内サーバ又はクライアント端末記憶装置にある地図の表示設定を変更する場合における通信手順を説明するフロー図である。
【図20】地図の表示範囲や表示設定の変更要求を行った場合における各地図情報保存サイトとの間の通信手順及び各装置内での処理の内容を説明するフロー図である。
【図21】クライアント端末での処理内容を示したフローチャートである。
【図22】クライアント端末からの地図配信要求に対しプロバイダのサーバで実施される処理内容を示したフローチャート(その1)である。
【図23】クライアント端末からの地図配信要求に対しプロバイダのサーバで実施される処理内容を示したフローチャート(その2)である。
【符号の説明】
1−1〜1−N…クライアント端末
2−1〜2−N…クライアント端末記憶装置
3…組織内サーバ
4…組織内サーバ記憶装置
5…ネットワーク
6…インターネット
7…WEBサーバ
8−1〜8−N…アプリケーションサーバ
9…データベースサーバ
10…組織内のサーバ・クライアントシステム
11…プロバイダのサーバシステム
12−1〜12−N…クライアントシステム
13…組織内サーバシステム
15…地図情報プログラム
16…負荷分散ミドルウエア
17…ファイアウォ−ル
40、50…GISエンジン
60…表示装置
D1〜D47…設定情報
B1〜B13…機能実行ブロック
F1〜F45…処理指示ボタン
H1〜H54…情報設定ボックス、又はプルダウンメニューの表示選択ボックスJ1〜J3…情報表示エリア
P1〜P6…パネル(ウインドウの一区画)
S1〜S34…フローチャートの実行ステップ
W7〜W16…サブウインドウ

Claims (8)

  1. 指定した範囲と第1地図図形表示情報とに基づいた地図情報から作成された該範囲の第1地図図形を含む地図画像情報と該第1地図図形に属する第1項目情報とを取得する第1情報取得手段と、
    前記範囲と第2地図図形表示情報とに基づいた該範囲に対応する第2地図図形を含むベクトル地図情報と該第2地図図形に属する第2項目情報とを取得する第2情報取得手段と、
    前記第1項目情報に基づいて、前記第1地図図形の表示に用いるレイヤと図式とを選択し第1地図図形表示情報を設定する第1情報設定手段と、
    前記第2項目情報に基づいて、前記第2地図図形の表示に用いるレイヤと図式とを選択し第2地図図形表示情報を設定する第2情報設定手段と、
    前記第1地図図形表示情報で作成された前記地図画像と、前記第2地図図形表示情報により作成された前記ベクトル地図情報とを重ね合わせて地図表示する表示手段とを備えたことを特徴とする地図情報処理システム。
  2. 前記第1情報取得手段は、前記地図画像情報と前記第1項目情報をプロバイダから取得することを特徴とする請求項1に記載の地図情報処理システム。
  3. 組織内ネットワークに接続する地図情報処理端末を有し、
    前記第2情報取得手段は、前記地図情報処理端末に備えられ、前記組織内ネットワークに接続された保存手段から前記ベクトル地図情報と前記第2項目情報を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の地図情報処理システム。
  4. 前記地図情報処理端末は、前記範囲、前記第1地図図形表示情報、前記第2地図図形表示情報を含む表示設定情報を前記保存手段に登録する情報登録手段を有することを特徴とする請求項3に記載の地図情報処理システム。
  5. 前記表示設定情報は、前記第1地図図形及び第2地図図形に係る前記レイヤの表示又は非表示情報、該レイヤの属性項目の表示又は非表示情報、該レイヤの重ね合せ順序情報を含むことを特徴とする請求項4に記載の地図情報処理システム。
  6. 前記重ね合せ順序情報は、前記地図画像情報と複数の前記ベクトル地図情報とに対する重ね合わせ順番設定情報を含むことを特徴とする請求項5に記載の地図情報処理システム。
  7. 前記表示設定情報は、前記第1地図図形及び前記第2地図図形に係る前記図式を含み、
    前記図式は、図形表示情報とラベル表示情報を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の地図情報システム。
  8. 前記地図情報処理端末は、前記の登録された前記表示設定情報を、選択又は変更する手段と、前記ベクトル地図情報を登録、変更する手段を有すること特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の地図情報処理システム。
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