JP2004226274A - 試薬容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動分析装置に対する着脱操作が容易であるとともに、分注不良の発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる試薬容器を提供すること。
【解決手段】試薬を収容する容器本体2と、容器本体2の上面に設けられプローブ20の出入り口となる開口部3と、指fで摘むために容器本体2上面から突設された板状の取手部4とを備え、容器本体2の長手方向に沿った側面2aを隣接面として自動分析装置の載置台9に円周状または直線状に複数配置可能に形成された試薬容器1において、容器本体2の長手方向における取手部4の上部の外形寸法を、当該取手部4の根元部付近もしくは中央部付近の外形寸法よりも大きく形成し、これを大径部4aとした。容器本体2と取手部4は、ブロー成型により一体成型されている。
【選択図】 図1
【解決手段】試薬を収容する容器本体2と、容器本体2の上面に設けられプローブ20の出入り口となる開口部3と、指fで摘むために容器本体2上面から突設された板状の取手部4とを備え、容器本体2の長手方向に沿った側面2aを隣接面として自動分析装置の載置台9に円周状または直線状に複数配置可能に形成された試薬容器1において、容器本体2の長手方向における取手部4の上部の外形寸法を、当該取手部4の根元部付近もしくは中央部付近の外形寸法よりも大きく形成し、これを大径部4aとした。容器本体2と取手部4は、ブロー成型により一体成型されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、試薬容器に関し、さらに詳しくは、自動分析装置に対する着脱操作が容易であるとともに、分注不良の発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる試薬容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動分析装置においては、試薬が入っている試薬容器は、試薬庫内に回転動作可能に設けられた載置台上に円周状に複数本配置され収納されているのが一般的である。この自動分析装置は、試薬の分注が必要な場合には、上記載置台を回転させ、その分注点に試薬容器を移動させてから、試薬プローブをその試薬容器内に降下させ、必要量の試薬を吸引するように構成されている。なお、上記試薬庫は、試薬容器を開栓したままで保存する場合には、試薬の質的劣化を防止するために、ほぼ5〜10℃に保冷されているのが一般的である。
【0003】
試薬庫は、装置全体を小型化するために比較的コンパクトに構成されている場合が多く、また1つの分析項目に対して複数の試薬を必要とする場合も多いため、試薬庫内には複数の試薬容器が高密度状態でセットされている。したがって、試薬容器は、試薬庫内でのスペース効率を高めるため、図20〜図23に示すような形状のものが一般的に広く用いられている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、図20は、従来の試薬容器を示す正面図、図21は、従来の試薬容器を示す平面図、図22は、従来の試薬容器を示す側面図、図23は、自動分析装置の載置台にセットされた試薬容器の取手部を指で摘んだ状態を示す斜視図である。
【0005】
図20〜図23に示すように、この試薬容器101は、試薬を収容する容器本体102と、この容器本体102の上面に設けられ、自動分析装置の分注プローブの出入り口となる開口部103と、オペレータが指fで摘むために容器本体102上面から上方に突設された取手部104とを備えている。
【0006】
容器本体102は、図21に示すように、その長手方向に沿った側面102aを隣接面として自動分析装置の載置台110(図23参照)に円周状に複数配置可能とするために、平面形状がほぼ扇形となっている。取手部104は、図20に示すように、上部が下部よりも短寸の台形状の板部材として形成され、この板面が容器本体102の長手方向に沿うように容器本体102上面に突設されている。
【0007】
このような取手部104が設けられているのは、容器本体102を指fで直接触れることによって試薬温度が上昇するのを防止するとともに、載置台110への着脱操作性を向上させるためである。なお、開口部103の外周には、図示しないキャップを装着するためのねじ部105が設けられている。
【0008】
このような試薬容器101は、コンタミネーションや衛生上の問題から、使い回しは行わずに使い捨てにしている場合が多いため、試薬容器101を安価に製作する必要がある。したがって、試薬容器101は、プラスチック材料のブロー一体型成型品が広く用いられている。その材質としては、試薬成分に影響を与え難いポリエチレンやポリプロピレンが用いられていることが多い。
【0009】
【特許文献1】
意匠登録第918680号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の試薬容器101は、取手部104が上述のように形成されているので、載置台110に対する着脱動作を細心の注意を払って行う必要があり、これを怠ると、図23において試薬容器101の姿勢をセンターラインCLで示したように、隣接してセットされている試薬容器101,101を傾けてしまう可能性がある。
【0011】
試薬容器101が傾いたままで分注用のプローブ(図示せず)を下降させると、試薬液面が傾いているので、液面検知機能に支障を来したり、あるいは予め想定しているデッドボリウム以上に試薬液量があっても、規定量の吸引ができない場合も起こり得るので、分析結果に大きな支障を来すおそれがあるという課題があった。また、操作性も悪く、試薬容器101を落としたり、中身の試薬をこぼす可能性もあった。
【0012】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、自動分析装置に対する着脱操作が容易であるとともに、分注不良の発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる試薬容器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、第1の発明による試薬容器は、試薬を収容する容器本体と、前記容器本体の上面に設けられ自動分析装置の分注プローブの出入り口となる開口部と、指で摘むために前記容器本体上面から上方に突設された取手部とを備え、前記容器本体の長手方向に沿った側面を隣接面として前記自動分析装置の載置台に円周状または直線状に複数配置可能に形成された試薬容器において、前記容器本体の長手方向における前記取手部の上部の外形寸法は、当該取手部の根元部付近もしくは中央部付近の外形寸法よりも大きく形成されたことを特徴とする。
【0014】
また、第2の発明による試薬容器は、上記第1の発明による試薬容器において、取手部は、容器本体の長手方向に沿った平面を有する板状に形成されたことを特徴とする。
【0015】
また、第3の発明による試薬容器は、上記第1の発明による試薬容器において、取手部は、上部に大径部を有する円柱状に形成されたことを特徴とする。
【0016】
また、第4の発明による試薬容器は、上記第1の発明による試薬容器において、取手部の上部には、水平断面がほぼH字状またはT字状の大径部を備え、当該大径部の前記容器本体の長手方向の少なくとも一方には、指が当接する当接面部を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、第5の発明による試薬容器は、試薬を収容する容器本体と、前記容器本体の上面に設けられ自動分析装置の分注プローブの出入り口となる開口部と、指で摘むために前記容器本体上面から上方に突設された取手部とを備え、前記容器本体の長手方向に沿った側面を隣接面として前記自動分析装置の載置台に円周状または直線状に複数配置可能に形成された試薬容器において、前記取手部は、前記容器本体の長手方向から指を添えて摘める円柱状に形成されたことを特徴とする。
【0018】
また、第6の発明による試薬容器は、試薬を収容する容器本体と、前記容器本体の上面に設けられ自動分析装置の分注プローブの出入り口となる開口部と、指で摘むために前記容器本体上面から上方に突設された取手部とを備え、前記容器本体の長手方向に沿った側面を隣接面として前記自動分析装置の載置台に円周状または直線状に複数配置可能に形成された試薬容器において、前記取手部は、水平断面がほぼH字状またはT字状に形成され、かつ、前記容器本体の長手方向の少なくとも一方には前記指が当接する当接面部を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、第7の発明による試薬容器は、上記第1〜第6のいずれかの発明による試薬容器において、自動分析装置の載置台に円周状に配置される試薬容器の取手部は、容器本体の開口部に対して当該円周の中心側に位置するように当該容器本体に配設されていることを特徴とする。
【0020】
また、第8の発明による試薬容器は、上記第1〜第7のいずれかの発明による試薬容器において、容器本体と取手部は、ブロー成型により一体的に成型されていることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る試薬容器の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0022】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る試薬容器を示す正面図、図2は、試薬容器を示す平面図、図3は、試薬容器を示す側面図、図4は、試薬容器がセットされた自動分析装置を示す断面図、図5は、自動分析装置の載置台に試薬容器がセットされた状態を示す平面図、図6は、試薬容器を自動分析装置の載置台にセットする様子を示す斜視図である。
【0023】
図1〜図6に示すように、試薬容器1は、試薬を収容する容器本体2と、この容器本体2の上面に設けられ、自動分析装置の分注用のプローブ20(図4参照)の出入り口となる開口部3と、指f(図6参照)で摘むために容器本体2上面から上方に突設された板状の取手部4とを備えている。この容器本体2の平面形状は、図2および図5に示すように、その長手方向に沿った側面2aを隣接面として自動分析装置の載置台9に円周状に複数配置できるようにほぼ扇形状に形成されている。
【0024】
この取手部4は、図4および図5に示すように、容器本体2の開口部3に対して上記円周の中心側に位置するように配設され、かつ、取手部4を上記長手方向(上記円周の半径方向)から指fで摘んでも当該開口部3に指fが触れないように、当該開口部3から一定間隔をあけて配設されている。
【0025】
また取手部4は、図2に示すように、容器本体2の長手方向に沿った平面を有する板状に形成されている。そして、容器本体2の長手方向における取手部4の上部の外形寸法は、図1に示すように、当該取手部4の根元部付近もしくは中央部付近の外形寸法よりも大きく形成されている。
【0026】
すなわち、容器本体2の長手方向における取手部4の上部両端は、当該長手方向に突出する大径部4aとして形成されている。取手部4にこのような大径部4aを設けたのは、オペレータが容器本体2の長手方向から当該大径部4aに指f,fを引っかけ易くし、試薬容器1を確実に保持できるようにするとともに、隣接配置された他の試薬容器1に指fが接触することにより当該他の試薬容器1を傾けてしまうのを防止するためである。
【0027】
なお、開口部3の外周には、図示しないキャップを装着するためのねじ部3aが設けられている。また、容器本体2の底部は、開口部3の下方部分が最も深くなるように若干傾斜させて形成され、少量の試薬液でも安定した分注が行えるようになっている。
【0028】
試薬容器1は、たとえばポリエチレンやポリプロピレンのような樹脂材料にてブロー一体型成型により形成することができる。なお、図3中には、この製作時において型を分割するラインであるパーティングラインPL(Parting Line)を表示してある。
【0029】
つぎに上記試薬容器1を適用する自動分析装置について主に図4〜図6に基づいて説明する。同図に示すように、自動分析装置は、回動可能に形成され複数の試薬容器1を円周状に配列載置する載置台9と、この載置台9に載置された複数の試薬容器1を一定温度(たとえば、5〜10℃に保冷)で格納する格納ケース10と、前記載置台9に載置された試薬容器1の位置を検出する位置検知センサ(図示せず)と、試薬容器1に収容されている試薬の種類を検出する試薬検知センサ(図示せず)と、前記各センサからの信号を受けて前記載置台9を回動させ、所望の試薬容器1を分注位置に位置決めした後、プローブ20を降下させ、試薬容器1内に進入させる制御装置(図示せず)とを備えている。
【0030】
格納ケース10は、試薬庫11と、開口部12aを有した蓋12とから構成されている。載置台9は、図5に示すように、複数の試薬容器1を円周状に配置するために複数の仕切り9aを放射状に有している。また、載置台9は、軸受13によって回転自在に支持された軸14に連結され、回転可能に形成されている。この軸14はギヤ15を備え、このギヤ15はモータ16に連結されたギヤ17と噛み合っている。すなわち、この載置台9は、図示しない制御装置の指令によりモータ16が動作し、ギヤ17,15を介した軸14が回転することにより、所定量回転するように構成されている。
【0031】
つぎに、試薬容器1のセット手順と自動分析装置の動作について説明する。自動分析装置の載置台9には、複数種類の分析項目を分析するために、項目の異なる試薬の入った試薬容器1が各仕切り9a,9a間にセットされ、全体として円周状に配置される。この試薬容器1の載置台9へのセットは、図6に示すように、オペレータが容器本体2の長手方向から取手部4の大径部4aに指f,f(たとえば、親指と人差指あるいは親指と中指)を引っかけて保持しながら行う。
【0032】
このとき、指f,fを容器本体2の長手方向から取手部4の大径部4aに引っかけているので、試薬容器1を確実に保持できるとともに、試薬容器1を載置台9にセットする際に、円周方向に隣接配置されている他の試薬容器1に指fが接触しにくくなり、これらを傾けてしまう事態を防止できる。
【0033】
また、取手部4は、開口部3から一定間隔をあけて配設されているので、容器本体2の長手方向(上記円周の半径方向)から指fで摘んでも当該開口部3に指fが触れることがない。これにより、指fに付着した脂分や汚れ等によって試薬が汚染され、分析結果に異常を来すことを防止できる。
【0034】
また、上記取手部4は、従来のように、容器本体2の開口部3に対して上記円周の中心側に位置するように配設されているので、従来から市場に流通している自動分析装置にこの試薬容器1をそのまま適用でき、自動分析装置側に改良等を加える必要がない。
【0035】
上述のように自動分析装置の載置台9に試薬容器1がセットされたら、選択された分析項目に対応した試薬容器1がプローブ20の真下に配置されるように、図示しない制御装置から指令を出してモータ16を駆動し、ギヤ17,15を介して軸14を回転させ、載置台9を所定量回転させる。
【0036】
すなわち、選択された試薬容器1がプローブ20の真下に配置されたら、モータ16の動作を止めるとともに、図示しない駆動装置によりプローブ20を下降させ、試薬容器1の開口部3から内部に進入させ、試薬を吸引する。このとき、各試薬容器1は、前述した取手部4を摘んでセットされるので、各試薬容器1が傾いた状態でセットされていることはなく、試薬液面が規定位置となっている。したがって、プローブ20により規定量の吸引を行うことができる。
【0037】
そして、吸引動作の終了したプローブ20は、図示しない駆動装置により上昇する。プローブ20によって吸引された試薬は、図示しない反応容器に吐出され、分析される。このような動作を繰り返すことにより、複数種類の分析項目につき、連続分析が可能となる。
【0038】
また、各試薬容器1に予め充填される試薬量が同一であっても、分析項目の依頼率は均一でないため、各試薬容器1内の液は同時に空にはならない。したがって、空になった試薬容器1は、オペレータの手作業によって自動分析装置の載置台9から回収され、新しい所定の試薬容器1が前述した要領にて載置台9にセットされる。この回収作業の際にも、オペレータが容器本体2の長手方向から取手部4の大径部4aに指f,f(たとえば、親指と人差指あるいは親指と中指)を引っかけて持ち上げれば、容易かつ確実に保持できるので、回収しやすい。
【0039】
以上のように、この実施の形態1に係る試薬容器1によれば、取手部4に上述のような大径部4aを設けたことにより、オペレータが容器本体2の長手方向から当該大径部4aに指f,fを引っかけ易くなり、試薬容器1を確実に保持できるので、載置台9に対する試薬容器1の脱着時に当該試薬容器1を落としたり、中身の試薬等をこぼすといった事態を防止できる。
【0040】
また、取手部4を指fで摘む際に、隣接配置された他の試薬容器1に当該指fが接触することがないので、当該他の試薬容器1を傾けることなく載置台9に対して着脱でき、作業性もよい。したがって、試薬容器1内で規定の液面位置を確保でき、プローブ20による分注不良を防止できるので、安定した分析データを得ることができる。
【0041】
また、取手部4は、開口部3から一定間隔をあけて配設されているので、容器本体2の長手方向から指fで摘んでも当該開口部3に指fが触れることがない。したがって、指fに付着した脂分や汚れ等によって試薬が汚染され、分析結果に異常を来すことを防止できる。
【0042】
また、取手部4を摘んで載置台9にセットできるので、容器本体2の側面2aを指fで直接触れるのを防止でき、試薬液の温度上昇による変質等を防止できる。これにより、安定した分析データを得ることができる。
【0043】
また、取手部4は、従来のように、容器本体2の開口部3に対して上記円周の中心側に位置するように配設されているので、従来から市場に流通している自動分析装置にこの試薬容器1をそのまま適用でき、自動分析装置側に改良等を加える必要がない。
【0044】
また、この試薬容器1は、所定の樹脂材料にてブロー一体型成型により形成できるので、容易かつ安価に製造することができる。これにより、使い捨ての試薬容器1を提供しやすくできるので、コンタミネーションや衛生上の問題点の発生を回避することができる。
【0045】
なお、上記実施の形態1においては、容器本体2の平面形状はほぼ扇形状に形成されているものとして説明したが、これに限定されず、たとえば長方形や三角形等、その他の形状であってもよい。
【0046】
また、取手部4の容器本体2上面からの突出長さも、図示例のものに限定されず、容器本体2や自動分析装置の寸法バランス等を勘案して、適宜、長く形成したり、短く形成してもよい。
【0047】
また、上記実施の形態1においては、自動分析装置の載置台9に試薬容器1を円周状に配置する例を示したが、この試薬容器1は、これを直線状に並列配置する自動分析装置に対しても上記と同様に適用できる。
【0048】
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2に係る試薬容器を示す斜視図である。なお、以下の説明において、すでに説明した部材と同一もしくは相当する部材には、同一の符号を付して重複説明を省略または簡略化する。
【0049】
本実施の形態2においては、図7に示すように、取手部4は上部に大径部4aを有する円柱状に形成されている。また、この取手部4は、当該取手部4を容器本体2の長手方向から指で摘んでも当該開口部3に指fが触れないように、当該開口部3から一定間隔をあけて配設されている。なお、その他の構成および基本動作は、上記実施の形態1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0050】
以上のように、この実施の形態2に係る試薬容器1によれば、簡易な構成にて安価に作製できるとともに、円柱状の取手部4に上述のような大径部4aを設けたことにより、オペレータが容器本体2の長手方向から当該大径部4aに指f,fを引っかけ易くなり、試薬容器1を確実に保持できるので、載置台9に対する試薬容器1の脱着時に当該試薬容器1を落としたり、中身の試薬等をこぼすといった事態を防止できる。
【0051】
また、取手部4を指fで摘む際に、隣接配置された他の試薬容器1に当該指fが接触することがないので、当該他の試薬容器1を傾けることなく載置台9に対して着脱でき、作業性もよい。したがって、試薬容器1内で規定の液面位置を確保でき、プローブ20による分注不良を防止できるので、安定した分析データを得ることができる。また、取手部4が円柱状に形成され、当該円柱軸に対して対称形となっているので、指fで摘む方向に自由度がある。
【0052】
また、取手部4は、開口部3から一定間隔をあけて配設されているので、容器本体2の長手方向から指fで摘んでも当該開口部3に指fが触れることがない。したがって、指fに付着した脂分や汚れ等によって試薬が汚染され、分析結果に異常を来すことを防止できる。
【0053】
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3に係る試薬容器の取手部を示す部分斜視図である。図8に示すように、取手部4は、その上部に水平断面がほぼH字状の大径部4aを備え、この大径部4aの容器本体2の長手方向両端部に、指が当接する当接面部4bを備えている。
【0054】
また、この取手部4は、当該取手部4を容器本体2の長手方向から指で摘んでも開口部3に指fが触れないように、当該開口部3から一定間隔をあけて配設されている(図示せず)。なお、その他の構成および基本動作は、上記実施の形態1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0055】
以上のように、この実施の形態3に係る試薬容器1によれば、簡易な構成にて安価に作製できるとともに、取手部4の大径部4aをほぼH字状に形成し、これに当接面部4bを設けたことにより、オペレータが容器本体2の長手方向から当接面部4bに指f,fを当接し易くなり、試薬容器1を確実に保持できるので、載置台9に対する試薬容器1の脱着時に当該試薬容器1を落としたり、中身の試薬等をこぼすといった事態を防止できる。
【0056】
また、取手部4を指fで摘む際に、隣接配置された他の試薬容器1に当該指fが接触することがないので、当該他の試薬容器1を傾けることなく載置台9に対して着脱でき、作業性もよい。したがって、試薬容器1内で規定の液面位置を確保でき、プローブ20による分注不良を防止できるので、安定した分析データを得ることができる。
【0057】
また、取手部4は、開口部3から一定間隔をあけて配設されているので、容器本体2の長手方向から指fで摘んでも当該開口部3に指fが触れることがない。したがって、指fに付着した脂分や汚れ等によって試薬が汚染され、分析結果に異常を来すことを防止できる。
【0058】
なお、上記実施の形態3においては、取手部4の中央部もしくは根元部を同一幅に形成してあるが、これに限定されず、たとえば図9に示すように、当該部分を更に小径に形成し、大径部4aの下方に指fを引っかけ易くなるように形成してもよい。ここで、図9は、試薬容器の他の取手部を示す部分斜視図である。
【0059】
実施の形態4.
図10は、この発明の実施の形態4に係る試薬容器の取手部を示す部分斜視図である。図10に示すように、取手部4は、その上部に水平断面がほぼT字状の大径部4aを備え、この大径部4aの容器本体2の長手方向端部(反開口部3側)に、指が当接する当接面部4bを備えている。
【0060】
また、この取手部4は、当該取手部4を容器本体2の長手方向から指で摘んでも開口部3に指fが触れないように、当該開口部3から一定間隔をあけて配設されている(図示せず)。なお、その他の構成および基本動作は、上記実施の形態1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0061】
以上のように、この実施の形態4に係る試薬容器1によれば、簡易な構成にて安価に作製できるとともに、取手部4の大径部4aをほぼT字状に形成し、これに当接面部4bを設けたことにより、オペレータが容器本体2の長手方向から当接面部4bに指f,fを当接し易くなり、試薬容器1を確実に保持できるので、載置台9に対する試薬容器1の脱着時に当該試薬容器1を落としたり、中身の試薬等をこぼすといった事態を防止できる。
【0062】
また、取手部4を指fで摘む際に、隣接配置された他の試薬容器1に当該指fが接触することがないので、当該他の試薬容器1を傾けることなく載置台9に対して着脱でき、作業性もよい。したがって、試薬容器1内で規定の液面位置を確保でき、プローブ20による分注不良を防止できるので、安定した分析データを得ることができる。
【0063】
また、取手部4は、開口部3から一定間隔をあけて配設されているので、容器本体2の長手方向から指fで摘んでも当該開口部3に指fが触れることがない。したがって、指fに付着した脂分や汚れ等によって試薬が汚染され、分析結果に異常を来すことを防止できる。
【0064】
なお、上記実施の形態4においては、取手部4の当接面部4bを反開口部3側に設けるものとして説明したが、これに限定されず、当接面部4bを開口部3側に設けてもよく、上記と同様の効果を期待できる。
【0065】
実施の形態5.
図11は、この発明の実施の形態5に係る試薬容器を示す正面図、図12は、試薬容器を示す平面図、図13は、試薬容器を示す側面図である。これらの図に示すように、取手部4は、容器本体2の長手方向から指fを添えて摘める円柱状に形成されている。また、この取手部4は、当該取手部4を容器本体2の長手方向から指fで摘んでも開口部3に指fが触れないように、当該開口部3から一定間隔をあけて配設されている。
【0066】
また、この試薬容器1は、たとえばポリエチレンやポリプロピレンのような樹脂材料にてブロー一体型成型により形成することができる。なお、その他の構成および基本動作は、上記実施の形態1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0067】
以上のように、この実施の形態5に係る試薬容器1によれば、簡易な構成にて安価に作製できるとともに、取手部4を容器本体2の長手方向から指fを添えて摘める円柱状に形成したことにより、オペレータが試薬容器1を確実に保持できるので、載置台9に対する試薬容器1の脱着時に当該試薬容器1を落としたり、中身の試薬等をこぼすといった事態を防止できる。また、取手部4が円柱状に形成され、当該円柱軸に対して対称形となっているので、指fで摘む方向に自由度がある。
【0068】
また、取手部4を指fで摘む際に、隣接配置された他の試薬容器1に当該指fが接触することがないので、当該他の試薬容器1を傾けることなく載置台9に対して着脱でき、作業性もよい。したがって、試薬容器1内で規定の液面位置を確保でき、プローブ20による分注不良を防止できるので、安定した分析データを得ることができる。
【0069】
また、取手部4は、開口部3から一定間隔をあけて配設されているので、容器本体2の長手方向から指fで摘んでも当該開口部3に指fが触れることがない。したがって、指fに付着した脂分や汚れ等によって試薬が汚染され、分析結果に異常を来すことを防止できる。
【0070】
実施の形態6.
図14は、この発明の実施の形態6に係る試薬容器を示す正面図、図15は、試薬容器を示す平面図、図16は、試薬容器を示す側面図である。これらの図に示すように、取手部4は、水平断面がほぼH字状に形成され、かつ、容器本体2の長手方向両端部に、指が当接する当接面部4bを備えている。また、この取手部4は、当該取手部4を容器本体2の長手方向から指で摘んでも開口部3に指fが触れないように、当該開口部3から一定間隔をあけて配設されている。
【0071】
また、この試薬容器1は、たとえばポリエチレンやポリプロピレンのような樹脂材料にてブロー一体型成型により形成することができる。なお、その他の構成および基本動作は、上記実施の形態1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0072】
以上のように、この実施の形態6に係る試薬容器1によれば、簡易な構成にて安価に作製できるとともに、水平断面H字状の取手部4を形成し、これに当接面部4bを設けたことにより、オペレータが容器本体2の長手方向から当接面部4bに指f,fを当接し易くなり、試薬容器1を確実に保持できるので、載置台9に対する試薬容器1の脱着時に当該試薬容器1を落としたり、中身の試薬等をこぼすといった事態を防止できる。
【0073】
また、取手部4を指fで摘む際に、隣接配置された他の試薬容器1に当該指fが接触することがないので、当該他の試薬容器1を傾けることなく載置台9に対して着脱でき、作業性もよい。したがって、試薬容器1内で規定の液面位置を確保でき、プローブ20による分注不良を防止できるので、安定した分析データを得ることができる。
【0074】
また、取手部4は、開口部3から一定間隔をあけて配設されているので、容器本体2の長手方向から指fで摘んでも当該開口部3に指fが触れることがない。したがって、指fに付着した脂分や汚れ等によって試薬が汚染され、分析結果に異常を来すことを防止できる。
【0075】
実施の形態7.
図17は、この発明の実施の形態7に係る試薬容器を示す正面図、図18は、試薬容器を示す平面図、図19は、試薬容器を示す側面図である。これらの図に示すように、取手部4は、水平断面がほぼT字状に形成され、容器本体2の長手方向端部(反開口部3側)に、指が当接する当接面部4bを備えている。また、この取手部4は、当該取手部4を容器本体2の長手方向から指fで摘んでも開口部3に指fが触れないように、当該開口部3から一定間隔をあけて配設されている。
【0076】
また、この試薬容器1は、たとえばポリエチレンやポリプロピレンのような樹脂材料にてブロー一体型成型により形成することができる。なお、その他の構成および基本動作は、上記実施の形態1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0077】
以上のように、この実施の形態7に係る試薬容器1によれば、簡易な構成にて安価に作製できるとともに、水平断面T字状の取手部4を形成し、これに当接面部4bを設けたことにより、オペレータが容器本体2の長手方向から当接面部4bに指fを当接し易くなり、試薬容器1を確実に保持できるので、載置台9に対する試薬容器1の脱着時に当該試薬容器1を落としたり、中身の試薬等をこぼすといった事態を防止できる。
【0078】
また、取手部4を指fで摘む際に、隣接配置された他の試薬容器1に当該指fが接触することがないので、当該他の試薬容器1を傾けることなく載置台9に対して着脱でき、作業性もよい。したがって、試薬容器1内で規定の液面位置を確保でき、プローブ20による分注不良を防止できるので、安定した分析データを得ることができる。
【0079】
また、取手部4は、開口部3から一定間隔をあけて配設されているので、容器本体2の長手方向から指fで摘んでも当該開口部3に指fが触れることがない。したがって、指fに付着した脂分や汚れ等によって試薬が汚染され、分析結果に異常を来すことを防止できる。
【0080】
なお、上記実施の形態7においては、取手部4の当接面部4bを反開口部3側に設けるものとして説明したが、これに限定されず、当接面部4bを開口部3側に設けてもよく、上記と同様の効果を期待できる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、自動分析装置に対する着脱操作が容易であるとともに、分注不良の発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる試薬容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る試薬容器を示す正面図である。
【図2】試薬容器を示す平面図である。
【図3】試薬容器を示す側面図である。
【図4】試薬容器がセットされた自動分析装置を示す断面図である。
【図5】自動分析装置の載置台に試薬容器がセットされた状態を示す平面図である。
【図6】試薬容器を自動分析装置の載置台にセットする様子を示す斜視図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る試薬容器を示す斜視図である。
【図8】この発明の実施の形態3に係る試薬容器の取手部を示す部分斜視図である。
【図9】試薬容器の他の取手部を示す部分斜視図である。
【図10】この発明の実施の形態4に係る試薬容器の取手部を示す部分斜視図である。
【図11】この発明の実施の形態5に係る試薬容器を示す正面図である。
【図12】試薬容器を示す平面図である。
【図13】試薬容器を示す側面図である。
【図14】この発明の実施の形態6に係る試薬容器を示す正面図である。
【図15】試薬容器を示す平面図である。
【図16】試薬容器を示す側面図である。
【図17】この発明の実施の形態7に係る試薬容器を示す正面図である。
【図18】試薬容器を示す平面図である。
【図19】試薬容器を示す側面図である。
【図20】従来の試薬容器を示す正面図である。
【図21】従来の試薬容器を示す平面図である。
【図22】従来の試薬容器を示す側面図である。
【図23】自動分析装置の載置台にセットされた試薬容器の取手部を指で摘んだ状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 試薬容器
2 容器本体
2a 側面
3 開口部
4 取手部
4a 大径部
4b 当接面部
9 載置台
10 格納ケース
11 試薬庫
20 プローブ
f 指
【発明の属する技術分野】
この発明は、試薬容器に関し、さらに詳しくは、自動分析装置に対する着脱操作が容易であるとともに、分注不良の発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる試薬容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動分析装置においては、試薬が入っている試薬容器は、試薬庫内に回転動作可能に設けられた載置台上に円周状に複数本配置され収納されているのが一般的である。この自動分析装置は、試薬の分注が必要な場合には、上記載置台を回転させ、その分注点に試薬容器を移動させてから、試薬プローブをその試薬容器内に降下させ、必要量の試薬を吸引するように構成されている。なお、上記試薬庫は、試薬容器を開栓したままで保存する場合には、試薬の質的劣化を防止するために、ほぼ5〜10℃に保冷されているのが一般的である。
【0003】
試薬庫は、装置全体を小型化するために比較的コンパクトに構成されている場合が多く、また1つの分析項目に対して複数の試薬を必要とする場合も多いため、試薬庫内には複数の試薬容器が高密度状態でセットされている。したがって、試薬容器は、試薬庫内でのスペース効率を高めるため、図20〜図23に示すような形状のものが一般的に広く用いられている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、図20は、従来の試薬容器を示す正面図、図21は、従来の試薬容器を示す平面図、図22は、従来の試薬容器を示す側面図、図23は、自動分析装置の載置台にセットされた試薬容器の取手部を指で摘んだ状態を示す斜視図である。
【0005】
図20〜図23に示すように、この試薬容器101は、試薬を収容する容器本体102と、この容器本体102の上面に設けられ、自動分析装置の分注プローブの出入り口となる開口部103と、オペレータが指fで摘むために容器本体102上面から上方に突設された取手部104とを備えている。
【0006】
容器本体102は、図21に示すように、その長手方向に沿った側面102aを隣接面として自動分析装置の載置台110(図23参照)に円周状に複数配置可能とするために、平面形状がほぼ扇形となっている。取手部104は、図20に示すように、上部が下部よりも短寸の台形状の板部材として形成され、この板面が容器本体102の長手方向に沿うように容器本体102上面に突設されている。
【0007】
このような取手部104が設けられているのは、容器本体102を指fで直接触れることによって試薬温度が上昇するのを防止するとともに、載置台110への着脱操作性を向上させるためである。なお、開口部103の外周には、図示しないキャップを装着するためのねじ部105が設けられている。
【0008】
このような試薬容器101は、コンタミネーションや衛生上の問題から、使い回しは行わずに使い捨てにしている場合が多いため、試薬容器101を安価に製作する必要がある。したがって、試薬容器101は、プラスチック材料のブロー一体型成型品が広く用いられている。その材質としては、試薬成分に影響を与え難いポリエチレンやポリプロピレンが用いられていることが多い。
【0009】
【特許文献1】
意匠登録第918680号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の試薬容器101は、取手部104が上述のように形成されているので、載置台110に対する着脱動作を細心の注意を払って行う必要があり、これを怠ると、図23において試薬容器101の姿勢をセンターラインCLで示したように、隣接してセットされている試薬容器101,101を傾けてしまう可能性がある。
【0011】
試薬容器101が傾いたままで分注用のプローブ(図示せず)を下降させると、試薬液面が傾いているので、液面検知機能に支障を来したり、あるいは予め想定しているデッドボリウム以上に試薬液量があっても、規定量の吸引ができない場合も起こり得るので、分析結果に大きな支障を来すおそれがあるという課題があった。また、操作性も悪く、試薬容器101を落としたり、中身の試薬をこぼす可能性もあった。
【0012】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、自動分析装置に対する着脱操作が容易であるとともに、分注不良の発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる試薬容器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、第1の発明による試薬容器は、試薬を収容する容器本体と、前記容器本体の上面に設けられ自動分析装置の分注プローブの出入り口となる開口部と、指で摘むために前記容器本体上面から上方に突設された取手部とを備え、前記容器本体の長手方向に沿った側面を隣接面として前記自動分析装置の載置台に円周状または直線状に複数配置可能に形成された試薬容器において、前記容器本体の長手方向における前記取手部の上部の外形寸法は、当該取手部の根元部付近もしくは中央部付近の外形寸法よりも大きく形成されたことを特徴とする。
【0014】
また、第2の発明による試薬容器は、上記第1の発明による試薬容器において、取手部は、容器本体の長手方向に沿った平面を有する板状に形成されたことを特徴とする。
【0015】
また、第3の発明による試薬容器は、上記第1の発明による試薬容器において、取手部は、上部に大径部を有する円柱状に形成されたことを特徴とする。
【0016】
また、第4の発明による試薬容器は、上記第1の発明による試薬容器において、取手部の上部には、水平断面がほぼH字状またはT字状の大径部を備え、当該大径部の前記容器本体の長手方向の少なくとも一方には、指が当接する当接面部を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、第5の発明による試薬容器は、試薬を収容する容器本体と、前記容器本体の上面に設けられ自動分析装置の分注プローブの出入り口となる開口部と、指で摘むために前記容器本体上面から上方に突設された取手部とを備え、前記容器本体の長手方向に沿った側面を隣接面として前記自動分析装置の載置台に円周状または直線状に複数配置可能に形成された試薬容器において、前記取手部は、前記容器本体の長手方向から指を添えて摘める円柱状に形成されたことを特徴とする。
【0018】
また、第6の発明による試薬容器は、試薬を収容する容器本体と、前記容器本体の上面に設けられ自動分析装置の分注プローブの出入り口となる開口部と、指で摘むために前記容器本体上面から上方に突設された取手部とを備え、前記容器本体の長手方向に沿った側面を隣接面として前記自動分析装置の載置台に円周状または直線状に複数配置可能に形成された試薬容器において、前記取手部は、水平断面がほぼH字状またはT字状に形成され、かつ、前記容器本体の長手方向の少なくとも一方には前記指が当接する当接面部を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、第7の発明による試薬容器は、上記第1〜第6のいずれかの発明による試薬容器において、自動分析装置の載置台に円周状に配置される試薬容器の取手部は、容器本体の開口部に対して当該円周の中心側に位置するように当該容器本体に配設されていることを特徴とする。
【0020】
また、第8の発明による試薬容器は、上記第1〜第7のいずれかの発明による試薬容器において、容器本体と取手部は、ブロー成型により一体的に成型されていることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る試薬容器の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0022】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る試薬容器を示す正面図、図2は、試薬容器を示す平面図、図3は、試薬容器を示す側面図、図4は、試薬容器がセットされた自動分析装置を示す断面図、図5は、自動分析装置の載置台に試薬容器がセットされた状態を示す平面図、図6は、試薬容器を自動分析装置の載置台にセットする様子を示す斜視図である。
【0023】
図1〜図6に示すように、試薬容器1は、試薬を収容する容器本体2と、この容器本体2の上面に設けられ、自動分析装置の分注用のプローブ20(図4参照)の出入り口となる開口部3と、指f(図6参照)で摘むために容器本体2上面から上方に突設された板状の取手部4とを備えている。この容器本体2の平面形状は、図2および図5に示すように、その長手方向に沿った側面2aを隣接面として自動分析装置の載置台9に円周状に複数配置できるようにほぼ扇形状に形成されている。
【0024】
この取手部4は、図4および図5に示すように、容器本体2の開口部3に対して上記円周の中心側に位置するように配設され、かつ、取手部4を上記長手方向(上記円周の半径方向)から指fで摘んでも当該開口部3に指fが触れないように、当該開口部3から一定間隔をあけて配設されている。
【0025】
また取手部4は、図2に示すように、容器本体2の長手方向に沿った平面を有する板状に形成されている。そして、容器本体2の長手方向における取手部4の上部の外形寸法は、図1に示すように、当該取手部4の根元部付近もしくは中央部付近の外形寸法よりも大きく形成されている。
【0026】
すなわち、容器本体2の長手方向における取手部4の上部両端は、当該長手方向に突出する大径部4aとして形成されている。取手部4にこのような大径部4aを設けたのは、オペレータが容器本体2の長手方向から当該大径部4aに指f,fを引っかけ易くし、試薬容器1を確実に保持できるようにするとともに、隣接配置された他の試薬容器1に指fが接触することにより当該他の試薬容器1を傾けてしまうのを防止するためである。
【0027】
なお、開口部3の外周には、図示しないキャップを装着するためのねじ部3aが設けられている。また、容器本体2の底部は、開口部3の下方部分が最も深くなるように若干傾斜させて形成され、少量の試薬液でも安定した分注が行えるようになっている。
【0028】
試薬容器1は、たとえばポリエチレンやポリプロピレンのような樹脂材料にてブロー一体型成型により形成することができる。なお、図3中には、この製作時において型を分割するラインであるパーティングラインPL(Parting Line)を表示してある。
【0029】
つぎに上記試薬容器1を適用する自動分析装置について主に図4〜図6に基づいて説明する。同図に示すように、自動分析装置は、回動可能に形成され複数の試薬容器1を円周状に配列載置する載置台9と、この載置台9に載置された複数の試薬容器1を一定温度(たとえば、5〜10℃に保冷)で格納する格納ケース10と、前記載置台9に載置された試薬容器1の位置を検出する位置検知センサ(図示せず)と、試薬容器1に収容されている試薬の種類を検出する試薬検知センサ(図示せず)と、前記各センサからの信号を受けて前記載置台9を回動させ、所望の試薬容器1を分注位置に位置決めした後、プローブ20を降下させ、試薬容器1内に進入させる制御装置(図示せず)とを備えている。
【0030】
格納ケース10は、試薬庫11と、開口部12aを有した蓋12とから構成されている。載置台9は、図5に示すように、複数の試薬容器1を円周状に配置するために複数の仕切り9aを放射状に有している。また、載置台9は、軸受13によって回転自在に支持された軸14に連結され、回転可能に形成されている。この軸14はギヤ15を備え、このギヤ15はモータ16に連結されたギヤ17と噛み合っている。すなわち、この載置台9は、図示しない制御装置の指令によりモータ16が動作し、ギヤ17,15を介した軸14が回転することにより、所定量回転するように構成されている。
【0031】
つぎに、試薬容器1のセット手順と自動分析装置の動作について説明する。自動分析装置の載置台9には、複数種類の分析項目を分析するために、項目の異なる試薬の入った試薬容器1が各仕切り9a,9a間にセットされ、全体として円周状に配置される。この試薬容器1の載置台9へのセットは、図6に示すように、オペレータが容器本体2の長手方向から取手部4の大径部4aに指f,f(たとえば、親指と人差指あるいは親指と中指)を引っかけて保持しながら行う。
【0032】
このとき、指f,fを容器本体2の長手方向から取手部4の大径部4aに引っかけているので、試薬容器1を確実に保持できるとともに、試薬容器1を載置台9にセットする際に、円周方向に隣接配置されている他の試薬容器1に指fが接触しにくくなり、これらを傾けてしまう事態を防止できる。
【0033】
また、取手部4は、開口部3から一定間隔をあけて配設されているので、容器本体2の長手方向(上記円周の半径方向)から指fで摘んでも当該開口部3に指fが触れることがない。これにより、指fに付着した脂分や汚れ等によって試薬が汚染され、分析結果に異常を来すことを防止できる。
【0034】
また、上記取手部4は、従来のように、容器本体2の開口部3に対して上記円周の中心側に位置するように配設されているので、従来から市場に流通している自動分析装置にこの試薬容器1をそのまま適用でき、自動分析装置側に改良等を加える必要がない。
【0035】
上述のように自動分析装置の載置台9に試薬容器1がセットされたら、選択された分析項目に対応した試薬容器1がプローブ20の真下に配置されるように、図示しない制御装置から指令を出してモータ16を駆動し、ギヤ17,15を介して軸14を回転させ、載置台9を所定量回転させる。
【0036】
すなわち、選択された試薬容器1がプローブ20の真下に配置されたら、モータ16の動作を止めるとともに、図示しない駆動装置によりプローブ20を下降させ、試薬容器1の開口部3から内部に進入させ、試薬を吸引する。このとき、各試薬容器1は、前述した取手部4を摘んでセットされるので、各試薬容器1が傾いた状態でセットされていることはなく、試薬液面が規定位置となっている。したがって、プローブ20により規定量の吸引を行うことができる。
【0037】
そして、吸引動作の終了したプローブ20は、図示しない駆動装置により上昇する。プローブ20によって吸引された試薬は、図示しない反応容器に吐出され、分析される。このような動作を繰り返すことにより、複数種類の分析項目につき、連続分析が可能となる。
【0038】
また、各試薬容器1に予め充填される試薬量が同一であっても、分析項目の依頼率は均一でないため、各試薬容器1内の液は同時に空にはならない。したがって、空になった試薬容器1は、オペレータの手作業によって自動分析装置の載置台9から回収され、新しい所定の試薬容器1が前述した要領にて載置台9にセットされる。この回収作業の際にも、オペレータが容器本体2の長手方向から取手部4の大径部4aに指f,f(たとえば、親指と人差指あるいは親指と中指)を引っかけて持ち上げれば、容易かつ確実に保持できるので、回収しやすい。
【0039】
以上のように、この実施の形態1に係る試薬容器1によれば、取手部4に上述のような大径部4aを設けたことにより、オペレータが容器本体2の長手方向から当該大径部4aに指f,fを引っかけ易くなり、試薬容器1を確実に保持できるので、載置台9に対する試薬容器1の脱着時に当該試薬容器1を落としたり、中身の試薬等をこぼすといった事態を防止できる。
【0040】
また、取手部4を指fで摘む際に、隣接配置された他の試薬容器1に当該指fが接触することがないので、当該他の試薬容器1を傾けることなく載置台9に対して着脱でき、作業性もよい。したがって、試薬容器1内で規定の液面位置を確保でき、プローブ20による分注不良を防止できるので、安定した分析データを得ることができる。
【0041】
また、取手部4は、開口部3から一定間隔をあけて配設されているので、容器本体2の長手方向から指fで摘んでも当該開口部3に指fが触れることがない。したがって、指fに付着した脂分や汚れ等によって試薬が汚染され、分析結果に異常を来すことを防止できる。
【0042】
また、取手部4を摘んで載置台9にセットできるので、容器本体2の側面2aを指fで直接触れるのを防止でき、試薬液の温度上昇による変質等を防止できる。これにより、安定した分析データを得ることができる。
【0043】
また、取手部4は、従来のように、容器本体2の開口部3に対して上記円周の中心側に位置するように配設されているので、従来から市場に流通している自動分析装置にこの試薬容器1をそのまま適用でき、自動分析装置側に改良等を加える必要がない。
【0044】
また、この試薬容器1は、所定の樹脂材料にてブロー一体型成型により形成できるので、容易かつ安価に製造することができる。これにより、使い捨ての試薬容器1を提供しやすくできるので、コンタミネーションや衛生上の問題点の発生を回避することができる。
【0045】
なお、上記実施の形態1においては、容器本体2の平面形状はほぼ扇形状に形成されているものとして説明したが、これに限定されず、たとえば長方形や三角形等、その他の形状であってもよい。
【0046】
また、取手部4の容器本体2上面からの突出長さも、図示例のものに限定されず、容器本体2や自動分析装置の寸法バランス等を勘案して、適宜、長く形成したり、短く形成してもよい。
【0047】
また、上記実施の形態1においては、自動分析装置の載置台9に試薬容器1を円周状に配置する例を示したが、この試薬容器1は、これを直線状に並列配置する自動分析装置に対しても上記と同様に適用できる。
【0048】
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2に係る試薬容器を示す斜視図である。なお、以下の説明において、すでに説明した部材と同一もしくは相当する部材には、同一の符号を付して重複説明を省略または簡略化する。
【0049】
本実施の形態2においては、図7に示すように、取手部4は上部に大径部4aを有する円柱状に形成されている。また、この取手部4は、当該取手部4を容器本体2の長手方向から指で摘んでも当該開口部3に指fが触れないように、当該開口部3から一定間隔をあけて配設されている。なお、その他の構成および基本動作は、上記実施の形態1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0050】
以上のように、この実施の形態2に係る試薬容器1によれば、簡易な構成にて安価に作製できるとともに、円柱状の取手部4に上述のような大径部4aを設けたことにより、オペレータが容器本体2の長手方向から当該大径部4aに指f,fを引っかけ易くなり、試薬容器1を確実に保持できるので、載置台9に対する試薬容器1の脱着時に当該試薬容器1を落としたり、中身の試薬等をこぼすといった事態を防止できる。
【0051】
また、取手部4を指fで摘む際に、隣接配置された他の試薬容器1に当該指fが接触することがないので、当該他の試薬容器1を傾けることなく載置台9に対して着脱でき、作業性もよい。したがって、試薬容器1内で規定の液面位置を確保でき、プローブ20による分注不良を防止できるので、安定した分析データを得ることができる。また、取手部4が円柱状に形成され、当該円柱軸に対して対称形となっているので、指fで摘む方向に自由度がある。
【0052】
また、取手部4は、開口部3から一定間隔をあけて配設されているので、容器本体2の長手方向から指fで摘んでも当該開口部3に指fが触れることがない。したがって、指fに付着した脂分や汚れ等によって試薬が汚染され、分析結果に異常を来すことを防止できる。
【0053】
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3に係る試薬容器の取手部を示す部分斜視図である。図8に示すように、取手部4は、その上部に水平断面がほぼH字状の大径部4aを備え、この大径部4aの容器本体2の長手方向両端部に、指が当接する当接面部4bを備えている。
【0054】
また、この取手部4は、当該取手部4を容器本体2の長手方向から指で摘んでも開口部3に指fが触れないように、当該開口部3から一定間隔をあけて配設されている(図示せず)。なお、その他の構成および基本動作は、上記実施の形態1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0055】
以上のように、この実施の形態3に係る試薬容器1によれば、簡易な構成にて安価に作製できるとともに、取手部4の大径部4aをほぼH字状に形成し、これに当接面部4bを設けたことにより、オペレータが容器本体2の長手方向から当接面部4bに指f,fを当接し易くなり、試薬容器1を確実に保持できるので、載置台9に対する試薬容器1の脱着時に当該試薬容器1を落としたり、中身の試薬等をこぼすといった事態を防止できる。
【0056】
また、取手部4を指fで摘む際に、隣接配置された他の試薬容器1に当該指fが接触することがないので、当該他の試薬容器1を傾けることなく載置台9に対して着脱でき、作業性もよい。したがって、試薬容器1内で規定の液面位置を確保でき、プローブ20による分注不良を防止できるので、安定した分析データを得ることができる。
【0057】
また、取手部4は、開口部3から一定間隔をあけて配設されているので、容器本体2の長手方向から指fで摘んでも当該開口部3に指fが触れることがない。したがって、指fに付着した脂分や汚れ等によって試薬が汚染され、分析結果に異常を来すことを防止できる。
【0058】
なお、上記実施の形態3においては、取手部4の中央部もしくは根元部を同一幅に形成してあるが、これに限定されず、たとえば図9に示すように、当該部分を更に小径に形成し、大径部4aの下方に指fを引っかけ易くなるように形成してもよい。ここで、図9は、試薬容器の他の取手部を示す部分斜視図である。
【0059】
実施の形態4.
図10は、この発明の実施の形態4に係る試薬容器の取手部を示す部分斜視図である。図10に示すように、取手部4は、その上部に水平断面がほぼT字状の大径部4aを備え、この大径部4aの容器本体2の長手方向端部(反開口部3側)に、指が当接する当接面部4bを備えている。
【0060】
また、この取手部4は、当該取手部4を容器本体2の長手方向から指で摘んでも開口部3に指fが触れないように、当該開口部3から一定間隔をあけて配設されている(図示せず)。なお、その他の構成および基本動作は、上記実施の形態1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0061】
以上のように、この実施の形態4に係る試薬容器1によれば、簡易な構成にて安価に作製できるとともに、取手部4の大径部4aをほぼT字状に形成し、これに当接面部4bを設けたことにより、オペレータが容器本体2の長手方向から当接面部4bに指f,fを当接し易くなり、試薬容器1を確実に保持できるので、載置台9に対する試薬容器1の脱着時に当該試薬容器1を落としたり、中身の試薬等をこぼすといった事態を防止できる。
【0062】
また、取手部4を指fで摘む際に、隣接配置された他の試薬容器1に当該指fが接触することがないので、当該他の試薬容器1を傾けることなく載置台9に対して着脱でき、作業性もよい。したがって、試薬容器1内で規定の液面位置を確保でき、プローブ20による分注不良を防止できるので、安定した分析データを得ることができる。
【0063】
また、取手部4は、開口部3から一定間隔をあけて配設されているので、容器本体2の長手方向から指fで摘んでも当該開口部3に指fが触れることがない。したがって、指fに付着した脂分や汚れ等によって試薬が汚染され、分析結果に異常を来すことを防止できる。
【0064】
なお、上記実施の形態4においては、取手部4の当接面部4bを反開口部3側に設けるものとして説明したが、これに限定されず、当接面部4bを開口部3側に設けてもよく、上記と同様の効果を期待できる。
【0065】
実施の形態5.
図11は、この発明の実施の形態5に係る試薬容器を示す正面図、図12は、試薬容器を示す平面図、図13は、試薬容器を示す側面図である。これらの図に示すように、取手部4は、容器本体2の長手方向から指fを添えて摘める円柱状に形成されている。また、この取手部4は、当該取手部4を容器本体2の長手方向から指fで摘んでも開口部3に指fが触れないように、当該開口部3から一定間隔をあけて配設されている。
【0066】
また、この試薬容器1は、たとえばポリエチレンやポリプロピレンのような樹脂材料にてブロー一体型成型により形成することができる。なお、その他の構成および基本動作は、上記実施の形態1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0067】
以上のように、この実施の形態5に係る試薬容器1によれば、簡易な構成にて安価に作製できるとともに、取手部4を容器本体2の長手方向から指fを添えて摘める円柱状に形成したことにより、オペレータが試薬容器1を確実に保持できるので、載置台9に対する試薬容器1の脱着時に当該試薬容器1を落としたり、中身の試薬等をこぼすといった事態を防止できる。また、取手部4が円柱状に形成され、当該円柱軸に対して対称形となっているので、指fで摘む方向に自由度がある。
【0068】
また、取手部4を指fで摘む際に、隣接配置された他の試薬容器1に当該指fが接触することがないので、当該他の試薬容器1を傾けることなく載置台9に対して着脱でき、作業性もよい。したがって、試薬容器1内で規定の液面位置を確保でき、プローブ20による分注不良を防止できるので、安定した分析データを得ることができる。
【0069】
また、取手部4は、開口部3から一定間隔をあけて配設されているので、容器本体2の長手方向から指fで摘んでも当該開口部3に指fが触れることがない。したがって、指fに付着した脂分や汚れ等によって試薬が汚染され、分析結果に異常を来すことを防止できる。
【0070】
実施の形態6.
図14は、この発明の実施の形態6に係る試薬容器を示す正面図、図15は、試薬容器を示す平面図、図16は、試薬容器を示す側面図である。これらの図に示すように、取手部4は、水平断面がほぼH字状に形成され、かつ、容器本体2の長手方向両端部に、指が当接する当接面部4bを備えている。また、この取手部4は、当該取手部4を容器本体2の長手方向から指で摘んでも開口部3に指fが触れないように、当該開口部3から一定間隔をあけて配設されている。
【0071】
また、この試薬容器1は、たとえばポリエチレンやポリプロピレンのような樹脂材料にてブロー一体型成型により形成することができる。なお、その他の構成および基本動作は、上記実施の形態1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0072】
以上のように、この実施の形態6に係る試薬容器1によれば、簡易な構成にて安価に作製できるとともに、水平断面H字状の取手部4を形成し、これに当接面部4bを設けたことにより、オペレータが容器本体2の長手方向から当接面部4bに指f,fを当接し易くなり、試薬容器1を確実に保持できるので、載置台9に対する試薬容器1の脱着時に当該試薬容器1を落としたり、中身の試薬等をこぼすといった事態を防止できる。
【0073】
また、取手部4を指fで摘む際に、隣接配置された他の試薬容器1に当該指fが接触することがないので、当該他の試薬容器1を傾けることなく載置台9に対して着脱でき、作業性もよい。したがって、試薬容器1内で規定の液面位置を確保でき、プローブ20による分注不良を防止できるので、安定した分析データを得ることができる。
【0074】
また、取手部4は、開口部3から一定間隔をあけて配設されているので、容器本体2の長手方向から指fで摘んでも当該開口部3に指fが触れることがない。したがって、指fに付着した脂分や汚れ等によって試薬が汚染され、分析結果に異常を来すことを防止できる。
【0075】
実施の形態7.
図17は、この発明の実施の形態7に係る試薬容器を示す正面図、図18は、試薬容器を示す平面図、図19は、試薬容器を示す側面図である。これらの図に示すように、取手部4は、水平断面がほぼT字状に形成され、容器本体2の長手方向端部(反開口部3側)に、指が当接する当接面部4bを備えている。また、この取手部4は、当該取手部4を容器本体2の長手方向から指fで摘んでも開口部3に指fが触れないように、当該開口部3から一定間隔をあけて配設されている。
【0076】
また、この試薬容器1は、たとえばポリエチレンやポリプロピレンのような樹脂材料にてブロー一体型成型により形成することができる。なお、その他の構成および基本動作は、上記実施の形態1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0077】
以上のように、この実施の形態7に係る試薬容器1によれば、簡易な構成にて安価に作製できるとともに、水平断面T字状の取手部4を形成し、これに当接面部4bを設けたことにより、オペレータが容器本体2の長手方向から当接面部4bに指fを当接し易くなり、試薬容器1を確実に保持できるので、載置台9に対する試薬容器1の脱着時に当該試薬容器1を落としたり、中身の試薬等をこぼすといった事態を防止できる。
【0078】
また、取手部4を指fで摘む際に、隣接配置された他の試薬容器1に当該指fが接触することがないので、当該他の試薬容器1を傾けることなく載置台9に対して着脱でき、作業性もよい。したがって、試薬容器1内で規定の液面位置を確保でき、プローブ20による分注不良を防止できるので、安定した分析データを得ることができる。
【0079】
また、取手部4は、開口部3から一定間隔をあけて配設されているので、容器本体2の長手方向から指fで摘んでも当該開口部3に指fが触れることがない。したがって、指fに付着した脂分や汚れ等によって試薬が汚染され、分析結果に異常を来すことを防止できる。
【0080】
なお、上記実施の形態7においては、取手部4の当接面部4bを反開口部3側に設けるものとして説明したが、これに限定されず、当接面部4bを開口部3側に設けてもよく、上記と同様の効果を期待できる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、自動分析装置に対する着脱操作が容易であるとともに、分注不良の発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる試薬容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る試薬容器を示す正面図である。
【図2】試薬容器を示す平面図である。
【図3】試薬容器を示す側面図である。
【図4】試薬容器がセットされた自動分析装置を示す断面図である。
【図5】自動分析装置の載置台に試薬容器がセットされた状態を示す平面図である。
【図6】試薬容器を自動分析装置の載置台にセットする様子を示す斜視図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る試薬容器を示す斜視図である。
【図8】この発明の実施の形態3に係る試薬容器の取手部を示す部分斜視図である。
【図9】試薬容器の他の取手部を示す部分斜視図である。
【図10】この発明の実施の形態4に係る試薬容器の取手部を示す部分斜視図である。
【図11】この発明の実施の形態5に係る試薬容器を示す正面図である。
【図12】試薬容器を示す平面図である。
【図13】試薬容器を示す側面図である。
【図14】この発明の実施の形態6に係る試薬容器を示す正面図である。
【図15】試薬容器を示す平面図である。
【図16】試薬容器を示す側面図である。
【図17】この発明の実施の形態7に係る試薬容器を示す正面図である。
【図18】試薬容器を示す平面図である。
【図19】試薬容器を示す側面図である。
【図20】従来の試薬容器を示す正面図である。
【図21】従来の試薬容器を示す平面図である。
【図22】従来の試薬容器を示す側面図である。
【図23】自動分析装置の載置台にセットされた試薬容器の取手部を指で摘んだ状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 試薬容器
2 容器本体
2a 側面
3 開口部
4 取手部
4a 大径部
4b 当接面部
9 載置台
10 格納ケース
11 試薬庫
20 プローブ
f 指
Claims (8)
- 試薬を収容する容器本体と、
前記容器本体の上面に設けられ自動分析装置の分注プローブの出入り口となる開口部と、
指で摘むために前記容器本体上面から上方に突設された取手部と、
を備え、
前記容器本体の長手方向に沿った側面を隣接面として前記自動分析装置の載置台に円周状または直線状に複数配置可能に形成された試薬容器において、
前記容器本体の長手方向における前記取手部の上部の外形寸法は、当該取手部の根元部付近もしくは中央部付近の外形寸法よりも大きく形成されたことを特徴とする試薬容器。 - 取手部は、容器本体の長手方向に沿った平面を有する板状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の試薬容器。
- 取手部は、上部に大径部を有する円柱状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の試薬容器。
- 取手部の上部には、水平断面がほぼH字状またはT字状の大径部を備え、当該大径部の前記容器本体の長手方向の少なくとも一方には、指が当接する当接面部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の試薬容器。
- 試薬を収容する容器本体と、
前記容器本体の上面に設けられ自動分析装置の分注プローブの出入り口となる開口部と、
指で摘むために前記容器本体上面から上方に突設された取手部と、
を備え、
前記容器本体の長手方向に沿った側面を隣接面として前記自動分析装置の載置台に円周状または直線状に複数配置可能に形成された試薬容器において、
前記取手部は、前記容器本体の長手方向から指を添えて摘める円柱状に形成されたことを特徴とする試薬容器。 - 試薬を収容する容器本体と、
前記容器本体の上面に設けられ自動分析装置の分注プローブの出入り口となる開口部と、
指で摘むために前記容器本体上面から上方に突設された取手部と、
を備え、
前記容器本体の長手方向に沿った側面を隣接面として前記自動分析装置の載置台に円周状または直線状に複数配置可能に形成された試薬容器において、
前記取手部は、水平断面がほぼH字状またはT字状に形成され、かつ、前記容器本体の長手方向の少なくとも一方には前記指が当接する当接面部を備えたことを特徴とする試薬容器。 - 自動分析装置の載置台に円周状に配置される試薬容器の取手部は、容器本体の開口部に対して当該円周の中心側に位置するように当該容器本体に配設されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の試薬容器。
- 容器本体と取手部は、ブロー成型により一体的に成型されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の試薬容器。
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- 2003-01-23 JP JP2003015311A patent/JP2004226274A/ja not_active Withdrawn
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