JP2004221746A - 発声機能を有する携帯端末装置 - Google Patents

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Kiyoshi Yamaki
清志 山木
Nobukazu Toba
伸和 鳥羽
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Abstract

【課題】装置に組み込まれた各アプリケーション・プログラムと連動して、関連する音声を発することにより、当該装置が常に擬人的キャラクタ(性格)を持った装置であるように見せることができる携帯端末装置を提供する。
【解決手段】音声合成機能を有する携帯端末装置において、特有の擬人的発声をさせるための発音ルールを記憶する記憶手段(ROM)と、この携帯端末装置に組み込まれたアプリケーション・プログラムの実行時に、発声すべきイベントが発生すると、発音ルールに従い、該イベントに応じた音声を音声合成により発声させる制御をする制御手段(CPU、制御プログラム)とを備える。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発声機能を有する携帯端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンピュータ装置の画面上に、特有の性格をもたせたマスコットキャラクタを表示させるとともに、ユーザによる操作等に応じてその動作やその発声を制御するアプリケーション・ソフトやゲーム・ソフトがある。その他には、例えば、特許文献1に開示された発明では、ユーザの音声を認識し、このユーザの音声の入力に対応して、所定のルールに従って応答する電子ペット装置、電子ペットを有する情報処理装置、携帯機器等の発明が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−187435号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらのものは、ソフトウェアあるいは装置として実現されるマスコットキャラクタあるいは電子ペット自体が、マスコットキャラクタあるいは電子ペットとして、限られた状況の下でユーザとの対話その他の関係で応対をするものであり、装置にインストールされた他のアプリケーション・プログラムの動作やそのデータあるいはこのアプリケーション・プログラムから発せられる命令に応じて多様に応答するものではなかった。すなわち、他のアプリケーション・プログラムと連動して動作し、当該装置が、擬人的な、キャラクタ(架空の人格)を持った装置であるように見せるものではなかった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、携帯電話機や携帯情報端末等の携帯端末装置において、この装置に組み込まれた各アプリケーション・プログラムと連動して、関連する音声を発することにより、当該装置が常に擬似的に人格を持った装置であるかのように見せることができる携帯端末装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、音声合成機能を有する携帯端末装置において、特有の擬人的発声をさせるための発音ルールを記憶する記憶手段と、前記携帯端末装置に組み込まれたアプリケーション・プログラムのそれぞれの実行時に、発声すべきイベントが発生すると、前記発音ルールに従い、該イベントに応じた音声を音声合成により発声させる制御をする制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0007】
本発明の携帯端末装置は、これに組み込まれたアプリケーション・プログラムの実行時に、発声すべきイベントが発生すると、特有の擬人的発声をさせるための発音ルールに従い、該イベントに応じた音声を音声合成により発声する。これにより、この携帯端末装置は、装置ではあるが、利用者から見て、擬人的な、キャラクタをもった擬似的生命体のように動作するので、遊び的要素の面で楽しいものとなり、また、イベントに応じた所要の情報を音声により利用者に伝えることもできるので、実用性の面でも利便性が高いものとなる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記携帯端末装置は、電話機能を有し、前記制御手段は、着信の際、着信信号に含まれる発信者情報を基に、該携帯端末装置に登録された電話帳情報から発信者の名前等の情報を抽出し、該情報を発声させることを特徴としている。
この発明によれば、着信の際、発信者の名前等の情報を特有の擬人的発声で伝えるので、利用者は、発信者を即時に認知でき利便性がよいものとなると同時に楽しいものとなる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記記憶手段は、該携帯端末装置の利用者のスケジュールを管理するためのスケジュール帳情報を記憶しており、前記制御手段は、該スケジュール帳情報に設定された所定の時刻に、該時刻のスケジュールを告知するための発声を行わせることを特徴としている。
この発明によれば、スケジュール帳情報に設定された所定の時刻に、該時刻のスケジュールを告知するための発声をするので、利用者は、当該時刻のスケジュールを即時に認知でき利便性がよいものとなると同時に楽しいものとなる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明において、前記携帯端末装置は、電源電圧検出手段を有し、前記制御手段は、前記電源電圧検出手段により検出された電源電圧または検出された該電源電圧から推定される電力の残量が、所定値以下となった場合、該携帯端末装置の利用者に充電を促す発声を行わせることを特徴としている。
この発明によれば、電源電圧または検出された該電源電圧から推定される電力の残量が、所定値以下となった場合、該携帯端末装置の利用者に充電を促す発声を特有の擬人的音声でするので、利用者は、電源(2次電池)の充電時期を即時に認知でき利便性がよいものとなると同時に楽しいものとなる。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明において、前記携帯端末装置は、情報を入力するための入力手段を有し、前記制御手段は、利用者による情報の入力に応じて、所定の言葉の発声をすることを特徴としている。
この発明によれば、利用者による情報の入力に応じて、所定の言葉を特有の擬人的音声で発声するので、当該携帯端末装置を楽しく扱うことができる。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、音声合成機能を有する携帯端末装置において、特有の擬人的発声をさせるための発音ルールと、発音する音声データを記憶する記憶手段と、前記発音ルールに従い、ランダムに前記音声データを再生させる制御をする制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0013】
本発明の携帯端末装置は、特有の擬人的発声をさせるための発音ルールに従い、ランダムに、音声データを再生する。これにより、この携帯端末装置は、装置ではあるが、利用者から見て、擬人的な、キャラクタをもった擬似的生命体のように動作するので、遊び的要素の面で楽しいものとなる。
【0014】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明において、前記携帯端末装置は、電話機能を有し、前記制御手段は、該携帯端末装置に設定された着信メロディ等のデータに含まれる音程を決定づけるシーケンスデータを利用して、該シーケンスデータに基づき音程を変化させ前記発声をさせることを特徴している。
この発明によれば、着信メロディ等のデータに含まれる音程を決定づけるシーケンスデータを利用して、発声の音程を変化させるように制御されるので、発声は、鼻歌のように聞こえ、より擬人的で楽しいものとなる。
【0015】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の発明において、前記発音ルールは、前記携帯端末装置に設定されるキャラクタ毎に対応づけられていることを特徴としている。
この発明によれば、携帯端末装置に設定されるキャラクタ毎に対応づけられた発音ルールに基づいて発声されるので、設定されているキャラクタの変更に応じて発声される音声(例えば、その口調、声質等)も変わり、当該携帯端末装置が持つ架空の人格を変更することができ、さらに楽しいものとなる。
【0016】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記制御手段は、複数のキャラクタを同時に設定し、各々のキャラクタに対応した発声を制御することを特徴としている。
この発明によれば、複数のキャラクタを同時に携帯端末装置上に存在させるとともに、それぞれのキャラクタに対応した発声をするので、さらに一段と楽しいものとなる。
【0017】
また、請求項10に記載の発明は、請求項8または請求項9に記載の携帯端末装置において、前記制御手段は、前記携帯端末装置に備わる表示手段に、前記キャラクタに特有のマスコットキャラクタの画像を表示することを特徴としている。
この発明によれば、携帯端末装置に設定されているキャラクタを視覚的に表現するマスコットキャラクタの画像を表示するので、さらに楽しいものとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の携帯端末装置の一実施の形態である携帯電話機の概略構成を示すブロック図である。なお、本発明は、携帯電話機に限らず、PHS(登録商標)(Personal handyphone system)や、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)等にも適用できるものである。
【0019】
図1において、符号11は、CPU(中央処理装置)であり、各種プログラムを実行することにより携帯端末装置1の各部の動作を制御する。
このCPU・11は、また、バッテリー管理プログラムにより、図示しないバッテリー(電源)の電圧を検出するデバイス(電源電圧検出手段)から供給されるバッテリーの電源電圧に応じた制御をする。例えば、周知のように、このバッテリーの電源電圧を基にバッテリーの残量を推定し、下記の表示部21に表示させるといった制御をする。本実施の形態では、特に、バッテリー残量(あるいはバッテリーの電圧)が所定値以下となった場合には、利用者に充電を促す言葉(ここでは、設定されたキャラクタ(架空の人格)の種別に応じた口調等で、例えば、「充電してよ〜」など)を発声させる音声データを生成し(詳細は後述する)、下記の音声合成機能付音源部16に与える。
【0020】
符号12は、通信部であり、この通信部12に備わるアンテナ12aで受信された信号の復調を行うとともに、送信する信号を変調してアンテナ12aに供給している。
符号13は、音声処理部である。通信部12で復調された電話回線の着信信号は、この音声処理部13において復号され、スピーカ14から出力される。一方、マイク15から入力された音声信号はデジタル化され音声処理部13において圧縮符号化される。そして、通信部12にて変調されアンテナ12aから携帯電話網の基地局へ出力される。音声処理部13は、例えばCELP(Code Excited LPC)系やADPCM(適応差分PCM符号化)方式により、音声データを高能率圧縮符号化/復号化している。
【0021】
符号16は、音声合成機能付音源部であり、着信音として選択された楽曲データを再生しスピーカ17から放音する。また、所定の音声データおよび所要のパラメータを受けた場合には(以下、音声データは、所要のパラメータを含むものとする)、これを音声合成してスピーカ17から発音(発声)する。この音声合成機能付音源部16による音声合成方式は任意であるが、例えば、特公昭58−53351号公報に開示されたCSM音声合成の技術をFM音源に適用することで実現できる。
また、符号18は、操作部であり、携帯電話機1の本体に設けられた英数字のボタンを含む各種ボタン(図示せず)やその他の入力デバイスからの入力を検知する入力手段である。
【0022】
符号19は、RAM(Random Access Memory)であり、CPU・11のワークエリアや、ダウンロードされた楽曲データや伴奏データ(これらは着信メロディの再生に用い、その音程を決定づけるシーケンスデータを含んでいる)の格納エリアや、受信した電子メールのデータが格納されるメールデータ格納エリアや、さらに、少なくとも氏名とこの者が使用する電話番号を記述した電話帳情報を格納する格納エリアや、ユーザ自身がそのスケジュールとして登録する少なくとも時刻とこの時刻に行う予定の内容を記述したスケジュール帳情報を格納する格納エリア等がさらに設定される。
【0023】
符号20は、ROM(Read Only Memory)である。このROM・20は、CPU・11が実行する、発信・着信等の制御をする各種電話機能プログラムや楽曲再生処理を補助するプログラムや、電子メールの送受信を制御するメール送受信機能プログラムやインターネット・サイトへのアクセスを制御するプログラム等の各種アプリケーション・プログラムの他、本携帯電話機1に擬似的な人格(キャラクタ)を持たせるため常駐し、常時発声等のための制御を行う制御プログラムや、音声合成処理を補助するプログラム等と、さらに下記の表示部21に表示させるマスコットキャラクタ(ここでは、キャラクタを視覚的に表現する像)のCG(Computer Graphics)画像の表示態様を制御するプログラムおよびそのCGデータや、発音ルールの基となる、基本的な発音パターンの文を含む基本語彙データベース、および各キャラクタの口調を規定する語句や、その声を音声合成する際の声質・音程等を規定するパラメータ(所要のパラメータ)のデータを含むキャラクタ別語彙データベース等の各種データが格納されている。
【0024】
また、表示部21は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり、CPU・11の制御により、メニュー等の表示や、サイトからダウンロードした情報や、マスコットキャラクタの画像等の表示や、操作部18の操作に応じた表示をする表示器である。
符号22は、着信時に着信音に代えて携帯電話機1の本体を振動させることにより、着信をユーザに知らせるバイブレータである。
なお、各機能ブロックはバス30を介してデータや命令の授受を行っている。
【0025】
ここでさらに、上記基本語彙データベースおよびキャラクタ別語彙データベースについて詳述する。
基本語彙データベースには、アプリケーション・プログラム等から受ける命令およびこの命令とともに受ける情報別に、対応する発音パターンの文が登録されている。例えば、電話機能プログラムが、着信を検出し、これに応じて出される発声命令に対応する発音パターンの文として「“A”さんから電話です。」などが登録されている(なお、実際に発声させる発音パターンの文としては、“A”部分に、電話帳情報から、発信者電話番号に対応して登録されている名前等が挿入される。登録されていない場合は、例えば、発信者電話番号が挿入される)。
【0026】
また、スケジュール管理プログラム(スケジューラ)が設定されている時刻を検出し、これに応じて出される発声命令に対応する発音パターンの文として「“B”の時刻です。」などが登録され(なお、実際の発声させる発音パターンの文としては、“B”部分に、スケジュール帳情報から、これに登録されたスケジュールの内容またはジャンル(会議、出発、…)等が挿入される。)、また、バッテリー管理プログラムが、バッテリーの充電時期を検出し、これに応じて出される発声命令に対応する発音パターンの文として「充電してください。」などが登録される。また、制御プログラム自体が、ランダムに、あるいは、所定の時刻に発声させる発音パターンの文(任意に登録された文、例えば、待受時等に発声させる文として「退屈だねぇ。」などや、所定の時刻にその時刻を発声させる場合には、例えば、3時に対応して「3時です。」などの文)等も登録されている。
【0027】
また、ユーザによる入力を管理するプログラム(例えば、OS/BIOS)が、ユーザにより入力された情報(例えば、文)を検出し、これに応じて出される発声命令に対応する発音パターンの文として、例えば、入力された情報を確認する「“…”が入力されました。」などが登録されている(なお、“…”部分には、入力された文等が挿入される)。
また、インターネット・サイトへのアクセスを制御するプログラムが、ユーザによる操作に応じて、あるいは自動的にサイトへアクセスし情報取得する際、これに応じて出される発声命令に対応する発音パターンの文として、例えば、「“…”だそうです。」などが登録されている(なお“…”部分には、取得した情報に含まれる文等が挿入される)。
【0028】
キャラクタ別語彙データベース(キャラクタA語彙DB、キャラクタB語彙DB、キャラクタC語彙DB、…)には、キャラクタ毎に割り当てられた、それぞれの性格に合った表現を有する文字列が、上記基本語彙データベースに登録された発音パターンとなる文(に含まれる文字列)と対応づけられ登録されている。例えば、「充電してください。」(または「してください」)に対し、あるキャラクタに対して、例えば「充電してよ〜」(または「してよ〜」)が対応づけられ登録されている。また、このキャラクタ別語彙データベースには、さらに、キャラクタ毎の、発音パターンの文を発音させる際の音程・声質等を規定し音声合成機能付音源部16に与えるパラメータが登録されている。
本実施の形態における携帯電話機1は、以上のように構成される。
【0029】
次に、このように構成された本実施形態の携帯電話機1の動作について説明する。なお、通常の電話機能による発信・着信時の動作やメールの送受信等に係る動作については、周知の技術でありその説明は省略する。
まず、図2を参照し、アプリケーション・プログラムを含む携帯電話機1の動作の概要を説明する。
【0030】
同図に示すように、制御プログラムを核に、着信通知プログラム(電話機能プログラムの一部)、スケジューラ(スケジュール管理プログラム)、バッテリー管理プログラム等のアプリケーション・プログラムがあり、各アプリケーション・プログラムからは、それぞれの条件に応じて発声命令が制御プログラムに与えられる。電話機能プログラムにあっては、着信の際、この着信をユーザに知らせるための発声命令を制御プログラムに与え、スケジューラにあっては、設定されている時刻に到達した時点で、そのことをユーザに伝えるための発声命令を制御プログラムに与える。また、バッテリー管理プログラムにあっては、バッテリーの残量が、規定の残量に到達した時点で、ユーザに充電を促すための発声命令を制御プログラムに与える。
【0031】
制御プログラムは、各アプリケーション・プログラムから発声命令を受けた場合や、自身に設定された条件(ランダムに、あるいは、ある時刻で)に基づいて発声をするための制御をする。まず、制御プログラムは、発音パターンの文となるテキストを生成する。ここでは、前述のように、基本語彙データベースを用いて、発声命令に応じた発音パターンの文を生成する。例えば、前述の例で、電話機能プログラムが、着信を検出し、これに応じて出される発声命令に対しては、発音パターンの文として「“A”さんから電話です。」が基本語彙データベース(同図の基本語彙DB)から読み出され、さらに、電話帳情報から、発信者の電話番号に対応して登録されている名前(例えば、山葉太郎)を読み出し、これを“A”部分に挿入して、「山葉太郎さんから電話です。」という発音パターンの文を完成させる。
【0032】
次に、キャラクタ別語彙データベース(同図のキャラクタA語彙DB、キャラクタB語彙DB、キャラクタC語彙DB、…)を用いて、使用するキャラクタ(ここではキャラクタAとする)に対応するキャラクタA語彙DBを基に、先に生成された発音パターンの文を当該キャラクタAに合った文に変換する。例えば、キャラクタA語彙DBから、「電話です。」に対応して登録された「電話だよ〜。」を読み出して、「山葉太郎さんから電話です。」を「山葉太郎さんから電話だよ〜。」などと変換する。そして、この「山葉太郎さんから電話だよ〜。」の文から、音声合成機能付音源16に供給する音声データを生成する。このとき、この音声データに、着信メロディの音程を決定づけるシーケンスデータを含めるようにしてもよい。
この音声データを受けた音声合成機能付音源16は、「山葉太郎さんから電話だよ〜。」を音声合成し、スピーカ17から発声する。この音声合成の際、音声データに、着信メロディのシーケンスデータが含まれている場合には、そのメロディの音程(音階)で発声される(図4参照)。
なお、発声する際の発音ルールは、以上のように、制御プログラムと基本語彙データベースとキャラクタ別語彙データベースにより規定される。
【0033】
次に、携帯電話機1の制御プログラムの動作について、図3を参照して説明する。
はじめ、制御プログラムは、各アプリケーション・プログラムからの発声命令待ちの状態にある。同図に示す例では、ステップS01にて、スケジューラからの発声命令が有るか否かの判断をし、ステップS02にて、着信通知プログラムからの発声命令が有るか否かの判断をし、ステップS03にて、バッテリー管理プログラムの発声命令が有るか否かの判断をし、発声命令が有ると判定されるまで(あるいは、図示しないが、ランダムに選ばれた時点または所定の時刻にこの制御プログラムが発声処理を開始するまで)待ちの状態となる。
【0034】
ここで、いずれかのアプリケーション・プログラムから発声命令を受けたとすると、上記判断で、Yesの判定がなされ、ステップS04に移る。
ステップS04では、受けた発声命令に応じたテキスト(発音パターンの文)を前述のようにして生成する。
さらに、ステップS05にて、使用するキャラクタの語彙データベース(キャラクタ別語彙データベース)を基に、発音パターンの文を変換するとともに、変換された文を基に、さらにその口調・声質・音程を決定づけるパラメータを含めた音声データを生成する。なお、音程を決定づけるパラメータとしては、着信メロディ等のデータに含まれる音程を決定づけるシーケンスデータを利用することができる。この場合、発声する際には、着信メロディのメロディと同じ音程(音階)で音声合成され、鼻歌を歌うような感じで発声が行われる。
【0035】
次に、ステップS05にて生成した音声データを音声合成機能付音源16に供給する(ステップS06)。
ステップS07では、音声データを受けた音声合成機能付音源16が、この音声データを基に音声合成を行い、スピーカ17から発声する。こうして、一連の処理を終了し、次の発声命令を受けるまで(あるいは制御プログラム自体の条件として(同図に図示せず)、ランダムに、あるいは、所定の時刻になるまで)、ステップS01〜ステップS03および図示しない判断を繰り返す待ち状態となる。
なお、上記で説明した動作フローは本実施の形態を説明するための一例であり、本発明は、上記の処理の流れに限定されるものではない。
【0036】
また、上記動作の説明においては、携帯電話機1自体が発声することにより、これに設定されたキャラクタを表現するものであるが、他の動作例として、この携帯電話機1の表示部21に、さらに、ROM・20に格納されたマスコットキャラクタのCGデータとCG画像の表示態様を制御するプログラムにより、このマスコットキャラクタの画像を表示させ、このマスコットキャラクタの表示態様と発声とを同期させて、このマスコットキャラクタが発声しているように見せることにより、そのキャラクタを表現するようにしてもよい(図5参照)。
【0037】
また、表示するマスコットキャラクタを複数とし、これらを同時に制御して、それぞれのマスコットキャラクタの表示態様と、それぞれのマスコットキャラクタに対応した発声とを同期させ、それぞれのマスコットキャラクタが発声しているように見せることにより、複数のキャラクタ(架空の人格)を同時に表現するようにしてもよい。なお、1または複数のCG画像の表示およびその動作制御は、周知の技術により実現でき、その説明は省略する。
【0038】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の構成等も含まれる。例えば、上記実施の形態では、各アプリケーション・プログラムが、発声命令を制御プログラムに与える構成としているが、アプリケーション・プログラム間、または、アプリケーション・プログラムと携帯端末装置のOS(Operating System)等のプログラム間の命令(メッセージ)をフックし、所定の命令に対してそれを発声命令とみなし、上記動作を行うようにしてもよい。このようにすれば、各アプリケーション・プログラムに発声命令を出す機構を組み込む必要が無く、任意のアプリケーション・プログラムに対して、その動作に応じた発声の制御をすることができるようになる。
【0039】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、請求項1に記載の発明によれば、アプリケーション・プログラムの実行時に、発声すべきイベントが発生すると、特有の擬人的発声をさせるための発音ルールに従い、該イベントに応じた音声を音声合成により発声する。これにより、この携帯端末装置は、装置ではあるが、利用者から見て、擬人的な、キャラクタをもった擬似的生命体のように動作するので、遊び的要素の面で楽しいものとなり、また、イベントに応じた所要の情報を音声により利用者に伝えることもできるので、実用性の面でも利便性が高いものとなる。
【0040】
また、請求項2に記載の発明によれば、着信の際、発信者の名前等の情報を特有の擬人的発声で伝えるので、利用者は、発信者を即時に認知でき利便性がよいものとなると同時に楽しいものとなる。
また、請求項3に記載の発明によれば、スケジュール帳情報に設定された所定の時刻に、該時刻のスケジュールを告知するための発声をするので、利用者は、当該時刻のスケジュールを即時に認知でき利便性がよいものとなると同時に楽しいものとなる。
また、請求項4に記載の発明によれば、電源電圧または検出された該電源電圧から推定される電力の残量が、所定値以下となった場合、該携帯端末装置の利用者に充電を促す発声を特有の擬人的音声でするので、利用者は、電源(2次電池)の充電時期を即時に認知でき利便性がよいものとなると同時に楽しいものとなる。
【0041】
また、請求項5に記載の発明によれば、利用者による情報の入力に応じて、所定の言葉を特有の擬人的音声で発声するので、当該携帯端末装置を楽しく扱うことができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、特有の擬人的発声をさせるための発音ルールに従い、ランダムに、音声データを再生する。これにより、この携帯端末装置は、装置ではあるが、利用者から見て、擬人的な、キャラクタをもった擬似的生命体のように動作するので、遊び的要素の面で楽しいものとなる。
また、請求項7に記載の発明によれば、着信メロディ等のデータに含まれる音程を決定づけるシーケンスデータを利用して、発声の音程を変化させるように制御されるので、発声は、鼻歌のように聞こえ、より擬人的で楽しいものとなる。
【0042】
また、請求項8に記載の発明によれば、携帯端末装置に設定されるキャラクタ毎に対応づけられた発音ルールに基づいて発声されるので、設定されているキャラクタの変更に応じて発声される音声も変わり、当該携帯端末装置が持つ架空の人格を変更することができ、さらに楽しいものとなる。
また、請求項9に記載の発明によれば、複数のキャラクタを同時に携帯端末装置上に存在させるとともに、それぞれのキャラクタに対応した発声をするので、さらに一段と楽しいものとなる。
また、請求項10に記載の発明によれば、携帯端末装置に設定されているキャラクタを視覚的に表現するマスコットキャラクタの画像を表示するので、さらに楽しいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の携帯端末装置の一実施の形態である携帯電話機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】同実施の形態の携帯電話機の動作の概要を説明する図である。
【図3】同実施の形態の携帯電話機の制御プログラムの動作フローチャートである。
【図4】同実施の形態の携帯電話機の動作例を示す図である。
【図5】同実施の形態の携帯電話機の他の動作例を示す図である。
【符号の説明】
1…携帯電話機(携帯端末装置)、11…CPU、12…通信部、12a…アンテナ、13…音声処理部、14,17…スピーカ、15…マイク、16…音声合成機能付音源、18…操作部、19…RAM、20…ROM、21…表示部、22…バイブレータ、30…バス

Claims (10)

  1. 音声合成機能を有する携帯端末装置において、
    特有の擬人的発声をさせるための発音ルールを記憶する記憶手段と、
    前記携帯端末装置に組み込まれたアプリケーション・プログラムのそれぞれの実行時に、発声すべきイベントが発生すると、前記発音ルールに従い、該イベントに応じた音声を音声合成により発声させる制御をする制御手段と、を備える
    ことを特徴とする発声機能を有する携帯端末装置。
  2. 前記携帯端末装置は、電話機能を有し、
    前記制御手段は、着信の際、着信信号に含まれる発信者情報を基に、該携帯端末装置に登録された電話帳情報から発信者の名前等の情報を抽出し、該情報を発声させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の発声機能を有する携帯端末装置。
  3. 前記記憶手段は、該携帯端末装置の利用者のスケジュールを管理するためのスケジュール帳情報を記憶しており、
    前記制御手段は、該スケジュール帳情報に設定された所定の時刻に、該時刻のスケジュールを告知するための発声を行わせる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発声機能を有する携帯端末装置。
  4. 前記携帯端末装置は、電源電圧検出手段を有し、
    前記制御手段は、前記電源電圧検出手段により検出された電源電圧または検出された該電源電圧から推定される電力の残量が、所定値以下となった場合、該携帯端末装置の利用者に充電を促す発声を行わせる
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の発声機能を有する携帯端末装置。
  5. 前記携帯端末装置は、情報を入力するための入力手段を有し、
    前記制御手段は、利用者による情報の入力に応じて、所定の言葉の発声をすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の発声機能を有する携帯端末装置。
  6. 音声合成機能を有する携帯端末装置において、
    特有の擬人的発声をさせるための発音ルールと、発音する音声データを記憶する記憶手段と、
    前記発音ルールに従い、ランダムに前記音声データを再生させる制御をする制御手段と、を備える
    ことを特徴とする発声機能を有する携帯端末装置。
  7. 前記携帯端末装置は、電話機能を有し、
    前記制御手段は、該携帯端末装置に設定された着信メロディ等のデータに含まれる音程を決定づけるシーケンスデータを利用して、該シーケンスデータに基づき音程を変化させ前記発声をさせる
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の発声機能を有する携帯端末装置。
  8. 前記発音ルールは、前記携帯端末装置に設定されるキャラクタ毎に対応づけられている
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の発声機能を有する携帯端末装置。
  9. 前記制御手段は、複数のキャラクタを同時に設定し、各々のキャラクタに対応した発声を制御する
    ことを特徴とする請求項8に記載の発声機能を有する携帯端末装置。
  10. 前記制御手段は、
    前記携帯端末装置に備わる表示手段に、前記キャラクタに特有のマスコットキャラクタの画像を表示する
    ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の携帯端末装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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