JP2004219702A - 液晶表示装置の検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶表示装置のケラレ・写り込み強度を測定可能な検査装置の提供。
【解決手段】照明光学系3からの光が検査対象の液晶表示装置10を通して投影される測定用スクリーン1と、画像データに基づいて液晶表示装置10に画像を表示させる液晶制御部51と、測定用スクリーン1に投影される液晶表示装置10の画像の有効画素領域端部の開口部V1,V2,V3,V4,H1,H2,H3,H4にそれぞれ配置された光測定用センサ2と、液晶表示装置10に表示させた画像の有効画素領域端部の画像データと光測定用センサ2による測定データとを比較演算し、その結果に基づいて良否判定出力をする比較演算部51とを備え、比較演算部51により液晶表示装置の画素不良が定量化される。
【選択図】 図1
【解決手段】照明光学系3からの光が検査対象の液晶表示装置10を通して投影される測定用スクリーン1と、画像データに基づいて液晶表示装置10に画像を表示させる液晶制御部51と、測定用スクリーン1に投影される液晶表示装置10の画像の有効画素領域端部の開口部V1,V2,V3,V4,H1,H2,H3,H4にそれぞれ配置された光測定用センサ2と、液晶表示装置10に表示させた画像の有効画素領域端部の画像データと光測定用センサ2による測定データとを比較演算し、その結果に基づいて良否判定出力をする比較演算部51とを備え、比較演算部51により液晶表示装置の画素不良が定量化される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶表示プロジェクタ等に用いられる液晶表示装置を検査するための検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は液晶表示プロジェクタに用いられる液晶表示装置10の構成図である。図7に示すように、液晶表示装置10は、内部に液晶層を有した液晶表示パネル11、液晶表示パネル11を保持するための液晶表示パネル筐体12、液晶表示パネル11の有効画素部14以外の領域が投射画像に悪影響を及ぼさないように入射光束を規制する見切板15で構成されている。出射側の見切については、液晶表示パネル筐体12の開口部13が見切機能を兼ね備えた構造であり、この開口部13の開口寸法によって見切を管理している。
【0003】
液晶表示パネル11は、入射側防塵ガラス、対向基板、TFT(Thin Film Transistor)基板、出射側防塵ガラス等により構成され、外部回路接続のためのフレキシブル基板16が接続されている。また、図示していないが、液晶表示パネル11と液晶表示パネル筐体12との間には、熱伝導に優れた放熱用樹脂が充填されている。
【0004】
このような液晶表示装置10の検査には、例えば、特許文献1に記載の検査装置が用いられる。この検査装置は、光源からの光を実際に液晶表示装置10を通してスクリーンに投影することにより、液晶表示装置10の画質を検査するものである。画質の評価は、スクリーンに投影された画像を目視することにより行われる。
【0005】
ところで、液晶表示装置10の画像不良として、ケラレや写り込みがある。図8は画像不良の例であって、(a)はケラレ不良の状態を示し、(b)は写り込み不良の状態を示している。
【0006】
図8(a)に示すケラレ不良は、有効画素部14と見切板15の見切部17との間の距離が規格より狭いときに発生する。すなわち、入射見切側が狭い場合に、有効画素領域に照射されない入射光束が生じ、あるいは、出射見切側が狭い場合に、有効画素領域の端部からの光束が出射されず、スクリーン上に投射された投影画像が、有効画素領域に対して一部画素欠けが生じた状態となる。この画像不良をケラレという。
【0007】
一方、図8(b)に示す写り込み不良は、有効画素部14と見切板15の見切部17との間の距離が規格より広いときに発生する。すなわち、入射見切側が広い場合に、TFT基板の画素周囲に設けられている回路部に光束が照射され、その箇所での乱反射による散乱光が出射光束として、あるいは、出射見切側が広い場合に、液晶表示パネル11内部の乱反射による散乱光が回路部に照射されて遮光されずに出射光束として、スクリーン上に投影され、本来なら黒画像であるべき有効画素領域外に投影画像が観察される。この画像不良を写り込みという。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−330812号(段落番号0002、図5)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、従来、これらの画像不良に対する判定は肉眼で行われており、ケラレ、写り込み不良の発生箇所・範囲については、目視にてある程度の測定を行うことは可能である。しかしながら、ケラレ、写り込みの相対的な強度を測定することはできない。
【0010】
また、今後、プロジェクタ本体の高輝度化が進み、入射光束が増大すると、前述の画像不良の発生頻度が大きくなるため、より一層、ケラレ・写り込み強度の測定の必要性が高まってくる。
【0011】
そこで、本発明は、液晶表示装置のケラレ・写り込み強度を測定可能な検査装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置の検査装置は、光源からの光が検査対象の液晶表示装置を通して投影されるスクリーンと、画像データに基づいて液晶表示装置に画像を表示させる液晶制御部と、スクリーンに投影される液晶表示装置の画像の有効画素領域端部に配置された光測定用センサと、液晶表示装置に表示させた画像の有効画素領域端部の画像データと光測定用センサによる測定データとを比較演算し、その結果に基づいて良否判定出力をする比較演算部とを備えたものである。
【0013】
本発明の検査装置によれば、画像データに基づいて画像を表示させた液晶表示装置を通して光源からの光をスクリーンに投影し、このスクリーン上に投影された液晶表示装置の有効画素領域端部の画像を光測定用センサにより検出し、この測定データと液晶表示装置の有効画素領域端部の画像データとを比較演算することにより、液晶表示装置の画像不良が定量化される。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態における液晶表示装置の検査装置の概略構成図、図2は図1のA部拡大図、図3は図2のB−B線断面図である。
【0015】
図1において、本発明の実施の形態における液晶表示装置の検査装置は、光測定用センサ2を備えた測定用スクリーン1と、光源としての照明光学系3と、照明光学系3から検査対象物としての液晶表示装置10を通した光を測定用スクリーン1に投影する投射光学系4と、各演算および液晶表示装置の制御を行うコンピュータ5とからなる。
【0016】
測定用スクリーン1は、本実施形態においては画角40インチの画像が投影可能なものとしている。測定用スクリーン1には、測定用の開口部が8箇所設けられている。開口部V1,V2,V3,V4は、測定用スクリーン1に投射される液晶表示装置の画像の有効画素領域端部の鉛直境界線上に設けられている。開口部H1,H2,H3,H4は、同じく有効画素領域端部の水平境界線上に設けられている。
【0017】
それぞれの開口部V1〜V4,H1〜H4には、光測定用センサ2が一つずつ設けられている。光測定用センサ2は、図2および図3に示すように、光量センサ21と、光量センサ21の前面に配置され、この光量センサ21に入射する光の幅を制限するスリット22と、光量センサ21を走査させるステージ23とを備える。開口部V1〜V4のステージ23は、それぞれの光量センサ21を水平方向に走査させるものである。また、開口部H1〜H4のステージ23は、それぞれの光量センサ21を鉛直方向に走査させるものである。これらのステージ23の走査は、図示しないステップモータをパルス制御することにより行う。
【0018】
スリット22は、光量センサ21の走査方向と直交方向に開口したものである。本実施形態においては、スリット22のスリット幅を5μmに設定している。また、本実施形態においては、光測定用センサ2の測定面(スリット22のスリット面)は、測定用スクリーン1の非開口部と焦点位置が同じとなるように設定している。
【0019】
このような光測定用センサ2による光測定では、光量センサ21をパルス制御によって一定速度で走査させると同時に、所定間隔(例えば、走査方向3μmステップ)でスリット22を透過した光量を測定する。この測定データを走査方向の各測定位置における透過光量の形態でプロットすると、各測定位置に対する光強度分布波形を得ることができる。
【0020】
コンピュータ5は、画像データに基づいて液晶表示装置10に画像を表示させる液晶制御部51、および、この液晶演算部51により液晶表示装置10に表示させた画像データと、光測定用センサ2による測定データとを比較演算する比較演算部52として機能する。
【0021】
なお、本実施形態においては、液晶表示装置10に表示させる画像として、図4に示す検査用パターンを利用する。検査用パターンは、液晶表示装置10の有効画素領域端部に表示させる検査用投影画像のテストパターンであり、開口部V1〜V4,H1〜H4に設けられた有効画素領域端から1画素毎に全透過画素・全遮光画素というように交互に異なるパターンを走査方向と直交する方向に繰り返したものである。
【0022】
本実施形態においては、図4(a)に示すように、開口部V1〜V4に表示させるテストパターンは、水平方向に1画素ライン毎に全透過画素ライン・全遮光画素ラインを周期的に所定ライン数(各8ライン、合計16ライン)繰り返したものを用いている。一方、図4(b)に示すように、開口部H1〜H4に表示させるテストパターンは、鉛直方向に1画素ライン毎に全透過画素ライン・全遮光画素ラインを周期的に所定ライン数(各8ライン、合計16ライン)繰り返したものを用いている。
【0023】
走査開始点については、例えば、有効画素領域端から8周期分の光強度分布波形が観測される地点、つまり、有効画素領域端から16画素内側位置の光強度分布波形から取り込み可能なように設定する。
【0024】
上記構成の検査装置を用いた液晶表示装置の検査手順について、以下、図5のフロー図に基づいて説明する。
【0025】
(S101)液晶表示装置10を検査装置にセットする。
(S102)コンピュータ5の液晶制御部51によって検査用パターンを液晶表示装置10へ表示させ、照明光学系3からこの液晶表示装置10、投射光学系4を通して測定用スクリーン1に投影する。
(S103)測定用スクリーン1上の投影画像の焦点調整を行う。
【0026】
(S104)測定用スクリーン1の開口部V1〜V4,H1〜H4の光量センサ21を走査させ、所定間隔で光量を測定する。
(S105)測定データに基づいて光強度分布をプロットする。
(S106)それぞれの開口部V1〜V4,H1〜H4においてケラレ・写り込み判定を行う。
【0027】
ここで、ケラレ不良・写り込み不良の判定方法について説明する。図6は光強度分布の例であって、それぞれ(a)はOK画像、(b)はケラレ不良画像、(c)は写り込み不良画像を示す図である。判定は、コンピュータ5の比較演算部52により、液晶表示装置10に表示させた画像データと図6(a)〜(c)に示すような光強度分布とを比較することにより行われる。
【0028】
図6(a)に示すように、OK画像の場合、光強度分布波形は8個観測され、それぞれの波形はほぼガウス分布形状をなし、それぞれの波形のピーク間ピッチ、ピーク値およびボトム値に大きなばらつきが発生しない。すなわち、ピーク数と白ライン数とが一致する(S107)。このような光強度分布波形が得られた場合、比較演算部52は良判定を出す(S108)。
【0029】
図6(b)に示すように、ケラレ不良画像が発生する場合、有効画素領域内に画素欠けが生じるので、光強度分布波形の観測数が8個未満となる。すなわち、ピーク数は白ライン数よりも少なくなる(S109)。あるいは、仮に観測波形数が8個観測された場合でも、ケラレ不良が生じている箇所のピーク間ピッチが大きくずれるか、ピーク値が著しく低下し、ケラレ不良箇所の波形はガウス分布形状より大きく歪んだ形状が観測される。このような光強度分布波形が得られた場合、比較演算部52はケラレ不良判定を出す(S110)。
【0030】
また、比較演算部52は、ケラレ度(ケラレ不良の度合い)を定量化し、ケラレ不良発生範囲であるケラレ長と、その不良程度であるケラレ強度との二つの数値を算出する(S111)。比較演算部52は、ケラレ長として、光強度分布波形がガウス分布形状から歪み始めた地点から有効画素領域端までの長さを算出する。また、比較演算部52は、ケラレ強度として、ケラレ発生有無の箇所のピーク値の比を算出する。
【0031】
図6(c)に示すように、写り込み不良が発生する場合、光強度分布波形が8個以上観測される。有効画素領域端までの波形はほぼ正常なガウス分布形状の波形が観測され、有効画素領域外ではあるピーク値をもった波形が観測される。すなわち、ピーク数は白ライン数よりも大きくなる(S109)。このとき、写り込み不良箇所の波形は、有効画素領域内の観測波形と比較してピーク値が低く大きな拡がりを持った緩やかな形状となる。あるいは、仮に観測波形数が8個の場合であっても、写り込み不良は光漏れの影響により、有効画素領域以外の箇所の黒再現性が悪いために起こるので、有効画素領域外のボトム値が大きくなる。このような光強度分布波形が得られた場合、比較演算部52は写り込み不良判定を出す(S112)。
【0032】
また、比較演算部52は、写り込み度を定量化し、写り込み不良発生範囲である写り込み長と、その不良程度である写り込み強度との二つの数値を算出する(S113)。比較演算部52は、写り込み長として、有効画素領域端の光強度分布波形ピークから有効画素領域外の光強度分布波形ピークまでの長さを算出する。また、比較演算部52は、写り込み強度として、写り込み不良発生有無の箇所のピーク値の比を算出する。
【0033】
以上のように、本実施形態における液晶表示装置の検査装置によれば、検査用パターンを表示させた液晶表示装置10を通して照明光学系3からの光を測定用スクリーン1に投影し、この測定用スクリーン1上に投影された液晶表示装置10の有効画素領域端部の画像を光測定用センサ2により検出し、この測定データと液晶表示装置10の有効画素領域端部の検査用パターンの画像データとを比較演算することにより、液晶表示装置10のケラレ不良および写り込み不良を定量化することができる。
【0034】
なお、本実施形態においては、光量センサ21を、スリット幅5μmのスリット22を用いて、ステージ23により3μmステップで走査させる構成について説明したが、これらの設定は、測定系に要するデータ処理時間・データ処理量に応じて、最適なものに決定すれば良い。
【0035】
また、本実施形態において用いた検査用パターンは、全透過・全遮光を1画素ライン毎に周期的に作成した場合について説明したが、2画素ライン毎の全透過・全遮光や、あるデューティー比を持たせての全透過・全遮光による周期的テストパターンでも同様の測定を行うことができる。測定開始点についても、有効画素領域端から16画素内側から測定を行う構成について説明したが、これについても測定範囲に応じて決定すればよい。さらに、開口部V1〜V4,H1〜H4の設置箇所については、8箇所のみならず、仕様に応じて増減すればよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、画像データに基づいて画像を表示させた液晶表示装置を通して光源からの光をスクリーンに投影し、このスクリーン上に投影された液晶表示装置の有効画素領域端部の画像を光測定用センサにより検出し、この測定データと液晶表示装置の有効画素領域端部の画像データとを比較演算することにより、液晶表示装置の画像不良を定量化することができる。これにより、液晶表示装置のケラレ・写り込み強度を測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における液晶表示装置の検査装置の概略構成図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】図2のB−B線断面図である。
【図4】検査用パターンを示す図である。
【図5】図1の検査装置を用いた検査手順を示すフロー図である。
【図6】光強度分布の例であって、それぞれ(a)はOK画像、(b)はケラレ不良画像、(c)は写り込み不良画像を示す図である。
【図7】液晶表示プロジェクタに用いられる液晶表示装置10の構成図である。
【図8】画像不良の例であって、(a)はケラレ不良の状態を示す図、(b)は写り込み不良の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 測定用スクリーン
2 光測定用センサ
3 照明光学系
4 投射光学系
5 コンピュータ
10 液晶表示装置
21 光量センサ
22 スリット
23 ステージ
51 液晶制御部
52 比較演算部
V1,V2,V3,V4,H1,H2,H3,H4 開口部
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶表示プロジェクタ等に用いられる液晶表示装置を検査するための検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は液晶表示プロジェクタに用いられる液晶表示装置10の構成図である。図7に示すように、液晶表示装置10は、内部に液晶層を有した液晶表示パネル11、液晶表示パネル11を保持するための液晶表示パネル筐体12、液晶表示パネル11の有効画素部14以外の領域が投射画像に悪影響を及ぼさないように入射光束を規制する見切板15で構成されている。出射側の見切については、液晶表示パネル筐体12の開口部13が見切機能を兼ね備えた構造であり、この開口部13の開口寸法によって見切を管理している。
【0003】
液晶表示パネル11は、入射側防塵ガラス、対向基板、TFT(Thin Film Transistor)基板、出射側防塵ガラス等により構成され、外部回路接続のためのフレキシブル基板16が接続されている。また、図示していないが、液晶表示パネル11と液晶表示パネル筐体12との間には、熱伝導に優れた放熱用樹脂が充填されている。
【0004】
このような液晶表示装置10の検査には、例えば、特許文献1に記載の検査装置が用いられる。この検査装置は、光源からの光を実際に液晶表示装置10を通してスクリーンに投影することにより、液晶表示装置10の画質を検査するものである。画質の評価は、スクリーンに投影された画像を目視することにより行われる。
【0005】
ところで、液晶表示装置10の画像不良として、ケラレや写り込みがある。図8は画像不良の例であって、(a)はケラレ不良の状態を示し、(b)は写り込み不良の状態を示している。
【0006】
図8(a)に示すケラレ不良は、有効画素部14と見切板15の見切部17との間の距離が規格より狭いときに発生する。すなわち、入射見切側が狭い場合に、有効画素領域に照射されない入射光束が生じ、あるいは、出射見切側が狭い場合に、有効画素領域の端部からの光束が出射されず、スクリーン上に投射された投影画像が、有効画素領域に対して一部画素欠けが生じた状態となる。この画像不良をケラレという。
【0007】
一方、図8(b)に示す写り込み不良は、有効画素部14と見切板15の見切部17との間の距離が規格より広いときに発生する。すなわち、入射見切側が広い場合に、TFT基板の画素周囲に設けられている回路部に光束が照射され、その箇所での乱反射による散乱光が出射光束として、あるいは、出射見切側が広い場合に、液晶表示パネル11内部の乱反射による散乱光が回路部に照射されて遮光されずに出射光束として、スクリーン上に投影され、本来なら黒画像であるべき有効画素領域外に投影画像が観察される。この画像不良を写り込みという。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−330812号(段落番号0002、図5)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、従来、これらの画像不良に対する判定は肉眼で行われており、ケラレ、写り込み不良の発生箇所・範囲については、目視にてある程度の測定を行うことは可能である。しかしながら、ケラレ、写り込みの相対的な強度を測定することはできない。
【0010】
また、今後、プロジェクタ本体の高輝度化が進み、入射光束が増大すると、前述の画像不良の発生頻度が大きくなるため、より一層、ケラレ・写り込み強度の測定の必要性が高まってくる。
【0011】
そこで、本発明は、液晶表示装置のケラレ・写り込み強度を測定可能な検査装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置の検査装置は、光源からの光が検査対象の液晶表示装置を通して投影されるスクリーンと、画像データに基づいて液晶表示装置に画像を表示させる液晶制御部と、スクリーンに投影される液晶表示装置の画像の有効画素領域端部に配置された光測定用センサと、液晶表示装置に表示させた画像の有効画素領域端部の画像データと光測定用センサによる測定データとを比較演算し、その結果に基づいて良否判定出力をする比較演算部とを備えたものである。
【0013】
本発明の検査装置によれば、画像データに基づいて画像を表示させた液晶表示装置を通して光源からの光をスクリーンに投影し、このスクリーン上に投影された液晶表示装置の有効画素領域端部の画像を光測定用センサにより検出し、この測定データと液晶表示装置の有効画素領域端部の画像データとを比較演算することにより、液晶表示装置の画像不良が定量化される。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態における液晶表示装置の検査装置の概略構成図、図2は図1のA部拡大図、図3は図2のB−B線断面図である。
【0015】
図1において、本発明の実施の形態における液晶表示装置の検査装置は、光測定用センサ2を備えた測定用スクリーン1と、光源としての照明光学系3と、照明光学系3から検査対象物としての液晶表示装置10を通した光を測定用スクリーン1に投影する投射光学系4と、各演算および液晶表示装置の制御を行うコンピュータ5とからなる。
【0016】
測定用スクリーン1は、本実施形態においては画角40インチの画像が投影可能なものとしている。測定用スクリーン1には、測定用の開口部が8箇所設けられている。開口部V1,V2,V3,V4は、測定用スクリーン1に投射される液晶表示装置の画像の有効画素領域端部の鉛直境界線上に設けられている。開口部H1,H2,H3,H4は、同じく有効画素領域端部の水平境界線上に設けられている。
【0017】
それぞれの開口部V1〜V4,H1〜H4には、光測定用センサ2が一つずつ設けられている。光測定用センサ2は、図2および図3に示すように、光量センサ21と、光量センサ21の前面に配置され、この光量センサ21に入射する光の幅を制限するスリット22と、光量センサ21を走査させるステージ23とを備える。開口部V1〜V4のステージ23は、それぞれの光量センサ21を水平方向に走査させるものである。また、開口部H1〜H4のステージ23は、それぞれの光量センサ21を鉛直方向に走査させるものである。これらのステージ23の走査は、図示しないステップモータをパルス制御することにより行う。
【0018】
スリット22は、光量センサ21の走査方向と直交方向に開口したものである。本実施形態においては、スリット22のスリット幅を5μmに設定している。また、本実施形態においては、光測定用センサ2の測定面(スリット22のスリット面)は、測定用スクリーン1の非開口部と焦点位置が同じとなるように設定している。
【0019】
このような光測定用センサ2による光測定では、光量センサ21をパルス制御によって一定速度で走査させると同時に、所定間隔(例えば、走査方向3μmステップ)でスリット22を透過した光量を測定する。この測定データを走査方向の各測定位置における透過光量の形態でプロットすると、各測定位置に対する光強度分布波形を得ることができる。
【0020】
コンピュータ5は、画像データに基づいて液晶表示装置10に画像を表示させる液晶制御部51、および、この液晶演算部51により液晶表示装置10に表示させた画像データと、光測定用センサ2による測定データとを比較演算する比較演算部52として機能する。
【0021】
なお、本実施形態においては、液晶表示装置10に表示させる画像として、図4に示す検査用パターンを利用する。検査用パターンは、液晶表示装置10の有効画素領域端部に表示させる検査用投影画像のテストパターンであり、開口部V1〜V4,H1〜H4に設けられた有効画素領域端から1画素毎に全透過画素・全遮光画素というように交互に異なるパターンを走査方向と直交する方向に繰り返したものである。
【0022】
本実施形態においては、図4(a)に示すように、開口部V1〜V4に表示させるテストパターンは、水平方向に1画素ライン毎に全透過画素ライン・全遮光画素ラインを周期的に所定ライン数(各8ライン、合計16ライン)繰り返したものを用いている。一方、図4(b)に示すように、開口部H1〜H4に表示させるテストパターンは、鉛直方向に1画素ライン毎に全透過画素ライン・全遮光画素ラインを周期的に所定ライン数(各8ライン、合計16ライン)繰り返したものを用いている。
【0023】
走査開始点については、例えば、有効画素領域端から8周期分の光強度分布波形が観測される地点、つまり、有効画素領域端から16画素内側位置の光強度分布波形から取り込み可能なように設定する。
【0024】
上記構成の検査装置を用いた液晶表示装置の検査手順について、以下、図5のフロー図に基づいて説明する。
【0025】
(S101)液晶表示装置10を検査装置にセットする。
(S102)コンピュータ5の液晶制御部51によって検査用パターンを液晶表示装置10へ表示させ、照明光学系3からこの液晶表示装置10、投射光学系4を通して測定用スクリーン1に投影する。
(S103)測定用スクリーン1上の投影画像の焦点調整を行う。
【0026】
(S104)測定用スクリーン1の開口部V1〜V4,H1〜H4の光量センサ21を走査させ、所定間隔で光量を測定する。
(S105)測定データに基づいて光強度分布をプロットする。
(S106)それぞれの開口部V1〜V4,H1〜H4においてケラレ・写り込み判定を行う。
【0027】
ここで、ケラレ不良・写り込み不良の判定方法について説明する。図6は光強度分布の例であって、それぞれ(a)はOK画像、(b)はケラレ不良画像、(c)は写り込み不良画像を示す図である。判定は、コンピュータ5の比較演算部52により、液晶表示装置10に表示させた画像データと図6(a)〜(c)に示すような光強度分布とを比較することにより行われる。
【0028】
図6(a)に示すように、OK画像の場合、光強度分布波形は8個観測され、それぞれの波形はほぼガウス分布形状をなし、それぞれの波形のピーク間ピッチ、ピーク値およびボトム値に大きなばらつきが発生しない。すなわち、ピーク数と白ライン数とが一致する(S107)。このような光強度分布波形が得られた場合、比較演算部52は良判定を出す(S108)。
【0029】
図6(b)に示すように、ケラレ不良画像が発生する場合、有効画素領域内に画素欠けが生じるので、光強度分布波形の観測数が8個未満となる。すなわち、ピーク数は白ライン数よりも少なくなる(S109)。あるいは、仮に観測波形数が8個観測された場合でも、ケラレ不良が生じている箇所のピーク間ピッチが大きくずれるか、ピーク値が著しく低下し、ケラレ不良箇所の波形はガウス分布形状より大きく歪んだ形状が観測される。このような光強度分布波形が得られた場合、比較演算部52はケラレ不良判定を出す(S110)。
【0030】
また、比較演算部52は、ケラレ度(ケラレ不良の度合い)を定量化し、ケラレ不良発生範囲であるケラレ長と、その不良程度であるケラレ強度との二つの数値を算出する(S111)。比較演算部52は、ケラレ長として、光強度分布波形がガウス分布形状から歪み始めた地点から有効画素領域端までの長さを算出する。また、比較演算部52は、ケラレ強度として、ケラレ発生有無の箇所のピーク値の比を算出する。
【0031】
図6(c)に示すように、写り込み不良が発生する場合、光強度分布波形が8個以上観測される。有効画素領域端までの波形はほぼ正常なガウス分布形状の波形が観測され、有効画素領域外ではあるピーク値をもった波形が観測される。すなわち、ピーク数は白ライン数よりも大きくなる(S109)。このとき、写り込み不良箇所の波形は、有効画素領域内の観測波形と比較してピーク値が低く大きな拡がりを持った緩やかな形状となる。あるいは、仮に観測波形数が8個の場合であっても、写り込み不良は光漏れの影響により、有効画素領域以外の箇所の黒再現性が悪いために起こるので、有効画素領域外のボトム値が大きくなる。このような光強度分布波形が得られた場合、比較演算部52は写り込み不良判定を出す(S112)。
【0032】
また、比較演算部52は、写り込み度を定量化し、写り込み不良発生範囲である写り込み長と、その不良程度である写り込み強度との二つの数値を算出する(S113)。比較演算部52は、写り込み長として、有効画素領域端の光強度分布波形ピークから有効画素領域外の光強度分布波形ピークまでの長さを算出する。また、比較演算部52は、写り込み強度として、写り込み不良発生有無の箇所のピーク値の比を算出する。
【0033】
以上のように、本実施形態における液晶表示装置の検査装置によれば、検査用パターンを表示させた液晶表示装置10を通して照明光学系3からの光を測定用スクリーン1に投影し、この測定用スクリーン1上に投影された液晶表示装置10の有効画素領域端部の画像を光測定用センサ2により検出し、この測定データと液晶表示装置10の有効画素領域端部の検査用パターンの画像データとを比較演算することにより、液晶表示装置10のケラレ不良および写り込み不良を定量化することができる。
【0034】
なお、本実施形態においては、光量センサ21を、スリット幅5μmのスリット22を用いて、ステージ23により3μmステップで走査させる構成について説明したが、これらの設定は、測定系に要するデータ処理時間・データ処理量に応じて、最適なものに決定すれば良い。
【0035】
また、本実施形態において用いた検査用パターンは、全透過・全遮光を1画素ライン毎に周期的に作成した場合について説明したが、2画素ライン毎の全透過・全遮光や、あるデューティー比を持たせての全透過・全遮光による周期的テストパターンでも同様の測定を行うことができる。測定開始点についても、有効画素領域端から16画素内側から測定を行う構成について説明したが、これについても測定範囲に応じて決定すればよい。さらに、開口部V1〜V4,H1〜H4の設置箇所については、8箇所のみならず、仕様に応じて増減すればよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、画像データに基づいて画像を表示させた液晶表示装置を通して光源からの光をスクリーンに投影し、このスクリーン上に投影された液晶表示装置の有効画素領域端部の画像を光測定用センサにより検出し、この測定データと液晶表示装置の有効画素領域端部の画像データとを比較演算することにより、液晶表示装置の画像不良を定量化することができる。これにより、液晶表示装置のケラレ・写り込み強度を測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における液晶表示装置の検査装置の概略構成図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】図2のB−B線断面図である。
【図4】検査用パターンを示す図である。
【図5】図1の検査装置を用いた検査手順を示すフロー図である。
【図6】光強度分布の例であって、それぞれ(a)はOK画像、(b)はケラレ不良画像、(c)は写り込み不良画像を示す図である。
【図7】液晶表示プロジェクタに用いられる液晶表示装置10の構成図である。
【図8】画像不良の例であって、(a)はケラレ不良の状態を示す図、(b)は写り込み不良の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 測定用スクリーン
2 光測定用センサ
3 照明光学系
4 投射光学系
5 コンピュータ
10 液晶表示装置
21 光量センサ
22 スリット
23 ステージ
51 液晶制御部
52 比較演算部
V1,V2,V3,V4,H1,H2,H3,H4 開口部
Claims (4)
- 光源からの光が検査対象の液晶表示装置を通して投影されるスクリーンと、
画像データに基づいて前記液晶表示装置に画像を表示させる液晶制御部と、
前記スクリーンに投影される前記液晶表示装置の画像の有効画素領域端部に配置された光測定用センサと、
前記液晶表示装置に表示させた画像の有効画素領域端部の画像データと前記光測定用センサによる測定データとを比較演算し、その結果に基づいて良否判定出力をする比較演算部と
を備えた液晶表示装置の検査装置。 - 前記画像データは、前記液晶表示装置の有効画素領域端部に検査用パターンを表示させるものである請求項1記載の液晶表示装置の検査装置。
- 前記検査用パターンは、前記光測定用センサの走査方向に周期的に異なるパターンを配置したものである請求項2記載の液晶表示装置の検査装置。
- 前記光測定用センサは、光量センサと、走査方向と直交方向に開口したスリットとにより構成されたものである請求項1記載の液晶表示装置の検査装置。
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JP2004219702A true JP2004219702A (ja) | 2004-08-05 |
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ID=32897140
Family Applications (1)
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- 2003-01-15 JP JP2003006888A patent/JP2004219702A/ja active Pending
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