JP2004219342A - 原子炉の安全設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】原子力プラントの安全設備に関し、設備の物量を低減しつつ、共通原因故障等に対応した高い信頼性を得ることである。
【解決手段】原子炉格納容器1内に格納された原子炉圧力容器2と、原子炉圧力容器2に接続された主蒸気配管25と給水配管26と、複数の区分に分離独立して前記原子炉圧力容器2内へ注水する複数の注水系統と、前記区分ごとに分離独立して前記注水系統内の機器に給電する複数の電源設備と、主蒸気配管25から配管9を経由して凝縮器6内に受け入れた蒸気を凝縮器6で凝縮し、凝縮した水を給水配管26へ配管63を通じて戻すアイソレーションコンデンサ系と、配管9,63に備えた電動弁7a,7b,7c,8a,8b,8cへの給電源を前記複数の電源設備としてある原子炉の安全設備である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は原子炉の安全設備に関し、特に原子炉隔離時における原子炉圧力容器内への注水や残留熱除去に有益な技術に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来の沸騰水型原子炉の安全系は、原子炉隔離時冷却系(RCIC),残留熱除去系(LPFL/RHR)、これら両系統に稼働に必要とする電力を発生して供給する非常用ディーゼル発電機(非常用DG)を具備した区分Iと、高圧炉心注水系(HPCF),残留熱除去系(LPFL/RHR)、これら両系統に稼働に必要とする電力を発生して供給する非常用ディーゼル発電機(非常用DG)を具備した区分IIと、区分IIと同一構成の高圧炉心注水系(HPCF),残留熱除去系(LPFL/RHR),非常用ディーゼル発電機(非常用DG)を具備した区分III とからなっている。なお、原子炉隔離時冷却系(RCIC)については、全交流電源喪失時には直流電源のみで起動することが可能である。また、主蒸気逃し安全弁には自動減圧装置(ADS)が設けられている。さらに、関連する安全系としては、原子炉格納容器が高圧となった場合の格納容器ベント設備が1系統設置されている。このような各区分内の系統は系統内のポンプを駆動して注水機能や熱除去機能を発揮する、いわゆる動的機器を用いた安全系である。逆にポンプを用いないで除熱や注水する系統は静的機器を用いた安全系と言われている。
【0003】
また、安全系の動的機器の起動失敗を恐れ、安全への信頼性を向上すべく、静的機器を用いた安全系を追加(例えば、特許文献1参照)したり、各区分の一区分につき、区分内の動的機器を用いた複数の安全系の一つの系統を静的機器を用いた安全系に置き換えたり(例えば、特許文献2参照)した例が公知である。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−253492号公報
【特許文献2】
特開平8−313686号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来例では、3区分に残留熱除去系(低圧系)(LPFL/RHR)が配置されているため、この残留熱除去系熱交換器を冷却し最終的なヒートシンクである海水で冷却させるための補機冷却系が必要となり、そのポンプ数等の多さ故に設備物量やポンプ等の設置スペースが増大し、建設コスト及び保守コストを増加させるという課題があった。
【0006】
また、従来の静的機器を用いた安全系においても、その安全系内の電動弁の電源として使用する直流電源設備に対する共通原因故障に対応する対策が成されていない。
【0007】
さらに、従来例では、原子炉の安全系の起動は、基本的に運転員の手動起動となるが、さらに信頼性を向上させるためには原子炉除熱システムに対する自動起動信号によるバックアップが必要なところ、その必要性を満たしていないという課題が有る。
【0008】
本発明の主目的は、原子炉の安全設備の物量を低減することであり、他の目的は、原子炉の安全設備における共通原因故障を無くすること、更に他の目的は、原子炉の安全設備を自動起動させてより信頼性の高い沸騰水型原子炉の安全設備を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の主目的を達成するための手段は、原子炉格納容器と、前記原子炉格納容器内に格納された原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器に接続された主蒸気配管と、前記原子炉圧力容器に接続された給水配管と、複数の区分に分離独立していて、前記原子炉圧力容器内へ水を注水する複数の注水系統及び複数の区分中において二つの区分に前記原子炉圧力容器を除熱する系統と、前記区分ごとに分離独立していて、前記注水系統内の機器に電力を供給する複数の電源設備と、前記主蒸気配管から第1配管を経由して凝縮器内に受け入れた蒸気を前記凝縮器で凝縮し、凝縮した水を前記給水配管へ第2の配管を通じて戻すアイソレーションコンデンサ系統と、前記第1配管と前記第2配管の少なくとも一方の配管に、その配管内の流れを断続自在に制御する第1電動弁とを有し、前記第1電動弁への給電源を前記複数の電源設備としてある原子炉の安全設備であり、前記第1電動弁は各区分のいずれの電源設備からでも電力を受けて確実に作動し、アイソレーションコンデンサ系統の機能喪失の可能性が少ないから、注水系の動的機器の削減や容量の低減を可能とできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を説明する。沸騰水型原子炉を採用した原子力プラントは、図1に示す原子炉格納容器1を備えている。原子炉格納容器1は、内部に原子炉圧力容器2と圧力抑制室とを気密に格納している。その圧力抑制室は、プール水として水が蓄えられたサプレッションプール4と、プール水の水面上方のウエットウェル58空間とから構成されている。原子炉格納容器1内の圧力抑制室外の空間はドライウェル57として機器配置スペース等に利用されている。そのドライウェル57とサプレッションプール4の水面下はベント通路27と水平ベント管28を通じて連通されている。
【0011】
その原子炉圧力容器2は、内部に核燃料が装荷された炉心3を気密に格納している。その炉心3は、図示していないインターナルポンプによって原子炉圧力容器2内の冷却水を炉心3に循環させることによって、冷却され、その見返りとして炉心3を通過した冷却水が炉心3で加熱される。その加熱により、原子炉圧力容器2内では高温且つ高圧な蒸気が発生する。
【0012】
原子炉圧力容器2内に発生したその蒸気は、原子炉圧力容器2に接続された主蒸気配管25を通過して原子炉格納容器1の外側に存在する蒸気の受け入れ先、例えば、発電機の駆動用蒸気タービンに供給される。その蒸気は蒸気タービン等で消費された後に図示していない復水器で水に戻され、その水は冷却水として、原子炉圧力容器2に接続された給水配管26を通じて原子炉圧力容器2内に戻される。このように戻された水は原子炉圧力容器2内で炉心3へ循環する冷却水として再利用される。
【0013】
主蒸気配管25や給水配管26は原子炉格納容器1外の蒸気利用先にまで延びているので、事故時の放射能汚染拡大を防ぐことも考慮して、主蒸気配管25には、プラント異常事象である過渡事象の異常事態には閉鎖される隔離弁25a,25bが原子炉圧力容器2の内側と外側とに装備されている。同じく給水配管
26には原子炉格納容器1内側から外側に向かって流れる流れを止める逆止弁
26a,26bが原子炉圧力容器2の内側と外側とに装備されている。
【0014】
原子炉の安全設備、即ち原子炉の安全系は次のような系統や装置や設備から成っている。原子炉の安全系は、2系統の残留熱除去系(LPFL/RHR)と高圧炉心注水系(HPCF)と原子炉隔離時冷却系(RCIC)と自動減圧装置
(ADS)と格納容器ベント設備と、静的格納容器冷却系とアイソレーションコンデンサ系とを備えている。
【0015】
2系統の残留熱除去系(LPFL/RHR)は、サプレッションプール4内のプール水中と原子炉圧力容器2内とを連通する配管20a,20bと、その配管20a,20bに設けられて配管20a,20b内の水を原子炉圧力容器2へ向けて駆動する電動ポンプ18a,18bと、その配管20a,20bに設けられてその配管20a,20b内を流れる水を冷却する熱交換器19a,19bと、原子炉格納容器1の外側においてその配管20a,20b内の流れを断続する様にその配管20a,20bに設けた電動弁21a,21jと、原子炉格納容器1の内側においてその配管20a,20b内の原子炉格納容器1の外側方向への流れを止めるようにその配管20a,20bに設けた逆止弁21b,21fとを備えている。又、熱交換器19a,19bには、熱交換器19a,19bを冷却するための流体として海水を熱交換器19a,19bに通す補機冷却系が装備され、その補機冷却系は残留熱除去系(LPFL/RHR)の電源設備と同じ電源設備で駆動される電動ポンプ及び電動弁等(図示せず)が備えられている。
【0016】
残留熱除去系(LPFL/RHR)の電動弁21a,21jや電動ポンプ18a,18bは二回路の制御回路29a,29bによって制御される。その制御回路29a,29bは一系統の残留熱除去系(LPFL/RHR)につき一回路、計二回路装備されている。
【0017】
このような残留熱除去系(LPFL/RHR)の配管20a,20bから複数の分岐配管201a,202a,203a,201b,202b,203bが分岐し、各分岐配管201a,202a,203a,201b,202b,203bの分岐先が原子炉格納容器1内のドライウェル57内とウエットウェル58内とサプレッションプール4のプール水中へと原子炉格納容器1の外側に配置した電動弁21d,21c,21e,21h,21i,21gを経由して延長されている。ドライウェル57内とウエットウェル58内に延長された分岐配管201a,202a,201b,202bはドライウェル57内とウエットウェル58内とに配備されたスプレイヘッダ30,31に接続されている。
【0018】
残留熱除去系(LPFL/RHR)は複数の運転モードを有する。その運転モードには、格納容器スプレイモードと、サプレッションプールスプレイモードとサプレッションプール冷却モードと低圧注水モードがある。
【0019】
残留熱除去系(LPFL/RHR)の低圧注水モードは、原子炉圧力容器2が低圧の状態において、電動ポンプ18a,18bが起動され、電動弁21a,
21jが開かれることによって運転される。その残留熱除去モードの運転においては、電動ポンプ18a,18bが、サプレッションプール4のプール水を吸い込んで、配管20a,20bと熱交換器19a,19bを通じて原子炉圧力容器2内に注水することができる。
【0020】
残留熱除去系(LPFL/RHR)の格納容器スプレイモードは、熱交換器
19a,19bに補機冷却系で海水が通水されて冷却されている状態において、電動ポンプ18a,18bが起動され、電動弁21b,21hを開くことによって運転される。その格納容器スプレイモードの運転においては、電動ポンプ18a,18bが、サプレッションプール4のプール水を吸い込んで、分岐配管201a,201bと熱交換器19a,19bを通じてスプレイヘッダ30へ給水し、そのスプレイヘッダ30から原子炉格納容器1内のドライウェル57内へプール水が散水される。その散水前にプール水は熱交換器19a,19bで冷却されているので、プール水がドライウェル57内に散水されることでドライウェル57内を冷却する機能が発揮される。
【0021】
残留熱除去系(LPFL/RHR)のサプレッションプールスプレイモードは、熱交換器19a,19bに補機冷却系で海水が通水されて冷却されている状態において、電動ポンプ18a,18bを起動し、電動弁21e,21iを開くことによって運転される。そのサプレッションプールスプレイモードの運転においては、電動ポンプ18a,18bがサプレッションプール4のプール水を吸い込んで、分岐配管202a,202bと熱交換器19a,19bを通じてスプレイヘッダ31へ給水する。その給水によって、そのスプレイヘッダ31から圧力抑制室内のウエットウェル58内へプール水が散水される。そのプール水は散水前に熱交換器19a,19bで冷却されているので、スプレイヘッダ31からプール水がウエットウェル58内に散水されることでウエットウェル58内を冷却する機能が発揮される。
【0022】
残留熱除去系(LPFL/RHR)のサプレッションプール冷却モードは、熱交換器19a,19bに補機冷却系で海水が通水されて冷却されている状態において、電動ポンプ18a,18bを起動し、電動弁21c,21gを開くことによって運転される。そのサプレッションプール冷却モードの運転においては、電動ポンプ18a,18bが、サプレッションプール4のプール水を吸い込んで、熱交換器19a,19bに送り、そこでプール水が熱交換器19a,19bで冷却され、冷却されたプール水は分岐配管203a,203bを通じてサプレッションプール4へ戻し入れられるという循環を繰り返す。そのため、サプレッションプール冷却モードの運転状態にあっては、サプレッションプール4内のプール水は冷却された状態に維持されるという機能が発揮される。
【0023】
高圧炉心注水系(HPCF)は、サプレッションプール4内のプール水中と原子炉圧力容器2内とを連通する配管23と、その配管23に設けられて配管23内の水を原子炉圧力容器2へ向けて駆動する電動ポンプ22と、原子炉格納容器1の外側においてその配管23内の流れを断続する様にその配管23に設けた電動弁24aと、原子炉格納容器1の内側においてその配管23内で原子炉格納容器1の外側方向への流れを止めるようにその配管23に設けた逆止弁24bとを備えている。高圧炉心注水系(HPCF)の電動ポンプ22と電動弁24aは制御回路32で制御するように構成してある。
【0024】
高圧炉心注水系(HPCF)は、電動ポンプ22を起動し、且つ電動弁24aを開くことによって、サプレッションプール4内のプール水を電動ポンプ22で配管23を通じて原子炉圧力容器2内に注水する機能を発揮できる。
【0025】
原子炉隔離時冷却系(RCIC)は、サプレッションプール4内のプール水中と給水配管26との途中とを連通する配管16と、その配管16に設けられて配管16内の水を給水配管26内へ向けて駆動するポンプ14と、そのポンプ14を駆動する蒸気タービン33と、各隔離弁25a,25bよりも原子炉圧力容器2側の主蒸気配管25部分と蒸気タービン33の駆動蒸気の受け入れ口を連通接続した配管34と、その配管34内の流れを断続する様にその配管34に設けた電動弁15aと、その蒸気タービン33の蒸気排気口とサプレッションプール4のプール水中との間を連通する配管35と、その配管35内の流れを断続する様にその配管35に設けた隔離弁15c,15d、および電動弁15aとを備えている。原子炉隔離時冷却系(RCIC)の電動弁15aは制御回路36a,36bで制御するように構成してある。その制御回路36a,36bは2回路用意されている。
【0026】
原子炉隔離時冷却系(RCIC)は、隔離弁15c,15dが開かれている状態において、各電動弁15a,15bを開くことで、原子炉圧力容器2内の蒸気を主蒸気配管25から配管35を通じて蒸気タービン33に供給し、その蒸気によって蒸気タービン33を駆動することにより運転される。このように蒸気タービン33に蒸気が供給されると、その蒸気によって蒸気タービン33のタービンが回転駆動される。蒸気タービン33が駆動されると、その蒸気タービン33によってポンプ14が駆動される。ポンプ14が駆動されると、そのポンプ14は、サプレッションプール4内のプール水を配管16を通じて給水配管26内に注水し、給水配管26内に注水されたプール水は給水配管26を通じて原子炉圧力容器2内に注水される。このように原子炉隔離時冷却系(RCIC)は、原子炉圧力容器2内に注水するに十分な所定の駆動力でポンプを駆動することができるだけの高圧蒸気が原子炉圧力容器2側から供給されている期間において、原子炉圧力容器2内への注水機能を発揮できる。なお、蒸気タービン33で使用された蒸気は配管34を通じてサプレッションプール4内に戻される。
【0027】
自動減圧装置(ADS)は、各隔離弁25a,25bよりも原子炉圧力容器2側の主蒸気配管25部分に設けた複数の主蒸気逃し安全弁17(図1では一弁のみ表示してある。)と、その主蒸気逃し安全弁17の蒸気の排気口とサプレッションプール4内のプール水中とを連通する配管17aとを備える。その主蒸気逃し安全弁17には、その主蒸気逃し安全弁17が開くように作動圧が予め設定されている。その設定した作動圧以上に主蒸気配管25内の圧力が上昇した場合には、主蒸気逃し安全弁17が開いて主蒸気配管25内の蒸気を圧力と共に配管
17aを経由してサプレッションプール4内のプール水中に逃すことができる逃し弁機能を有している。また、主蒸気逃し安全弁17はバネ式安全弁としての安全弁機能もある。主蒸気逃し安全弁17からの蒸気はサプレッションプール4内で凝縮されて、圧力抑制室内の圧力の上昇を極力抑制している。この複数の主蒸気逃し安全弁17に対して、自動減圧装置(ADS)は、原子炉圧力容器2内の圧力を残留熱除去系(LPFL/RHR)の低圧注水モードが起動できるまで減圧するための機能を発揮する。自動減圧装置(ADS)を制御する制御回路66a,66bは主蒸気逃し安全弁を強制的に開く制御回路を有し、2回路備えられている。
【0028】
アイソレーションコンデンサ系は、各隔離弁25a,25bよりも原子炉圧力容器2側の主蒸気配管25部分と凝縮器6の入口とを連通する配管9と、その配管9の途中に並列に設けた3個の電動弁7a,7b,7cと、その凝縮器6内の凝縮後の水を排出する出口と各逆止弁26a,26bよりも原子炉圧力容器2側の給水配管26部分とを連通する配管63と、その配管63の途中に並列に設けた3個の電動弁8a,8b,8cと、その凝縮器6内の凝縮後の水を排出する出口よりも高い位置で凝縮器6内のガスを排気する出口とサプレッションプール4内のプール水中を連通する配管62と、その配管62の途中に並列に設けた3個の電動弁7d,7e,7fと、原子炉格納容器1の外側で凝縮器6を水没させて格納する外部プール5とを備えている。
【0029】
アイソレーションコンデンサ系の電動弁7a,7b,7c,7d,7e,7f,8a,8b,8cは原子炉除熱システム制御回路65a,65b,65cによって制御されている。その原子炉除熱システム制御回路65a,65b,65cは3回路装備されている。各原子炉除熱システム制御回路のうち制御回路65aは電動弁7a,7d,8aを制御し、制御回路65bは電動弁7b,7e,8bを制御し、制御回路65cは電動弁7c,7f,8cを制御している。
【0030】
アイソレーションコンデンサ系は、三弁一組の電動弁7a,7b,7cの少なくとも一弁と三弁一組の電動弁7d,7e,7fの少なくとも一弁と三弁一組の電動弁8a,8b,8cの少なくとも一弁とが開かれることによって運転される。このように、各組ごとに少なくとも一弁が開かれた状態になると、原子炉圧力容器2内の蒸気が主蒸気配管25と配管9を通じて凝縮器6内に入る。凝縮器6が外部プール5のプール水中に水没して冷却されているので、凝縮器6内に入った蒸気は、凝縮器6内で冷却されて凝縮する。凝縮器6内で凝縮した蒸気は水に戻って配管63を通じて給水配管26内に入り、さらに給水配管26内から、原子炉圧力容器2内に注水されて戻される。このようにしてアイソレーションコンデンサ系は、原子炉圧力容器2内で発生した蒸気を凝縮して炉心3の崩壊熱を除去する機能を発揮する。
【0031】
また、凝縮器6による蒸気の凝縮開始前には、凝縮器6内にガスが充満している。そのガスは凝縮器6内に入ってきた蒸気に押されて凝縮器6内から配管62を通じてサプレッションプール4内のプール水中に排気される。
【0032】
静的格納容器冷却系は、原子炉格納容器1のドライウェル57内と熱交換器
10の入口とを連通する配管67と、その熱交換器10の熱交換後の流体を排出する出口とサプレッションプール4内のプール水中を連通する配管11と、原子炉格納容器1の外側で熱交換器10を水没させて格納する外部プール5とを備えている。各外部プール5は一連のもので、密閉されている。
【0033】
静的格納容器冷却系は、例えば、原子炉圧力容器2内で発生した蒸気がドライウェル57内に漏洩して、ドライウェル57内の圧力が圧力抑制室内の圧力よりも相対的に高くなると、ドライウェル57内の蒸気が配管67を通じて熱交換器10内に入り、そこで凝縮して水になる。その水はサプレッションプール4のプール水中に配管11を通じて入れられる。このようにして、静的格納容器冷却系は、原子炉格納容器1内の蒸気を凝縮して原子炉格納容器1内を冷却し、原子炉圧力容器2内の圧力を低下させる機能を発揮する。
【0034】
格納容器ベント設備は、2系統採用されている。そのうちの一系統は、原子炉格納容器1内のウエットウェル58及びドライウェル57から原子炉格納容器1外に設置した排気筒56へガスを導く配管13と、その配管13内の流れを断続できるように配管13の途中に設けた各電動弁12a,12b,12cとを備えている。この系統の電動弁12a,12b,12cは、原子炉除熱システム制御回路65a,65b,65cによって制御されている。
【0035】
もう一系統の格納容器ベント設備は、原子炉格納容器1内のウエットウェル
58及びドライウェル57と外部プール5のプール水中を連通する配管59と、その配管59内の流れを断続できるように配管59の途中に設けた各電動弁12d,12e,12fと、外部プール5のプール水面より上方の気相空間から排気筒56へガスを導く配管60とを備えている。この系統の各電動弁12d,12e,12fは、原子炉除熱システム制御回路65a,65b,65cによって制御されている。
【0036】
格納容器ベント設備は、各電動弁12a,12b,12cを開くことによって一系統が作動し、各電動弁12d,12e,12fを開くことによってもう一系統も作動する。格納容器ベント設備は原子炉格納容器内の圧力を低減する目的から、原子炉格納容器1内の圧力が外界の圧力よりも高い状態で作動させられるものであるから、各電動弁12a,12b,12cが開くと、原子炉格納容器内の圧力と外界との圧力との差圧で、原子炉格納容器1内の雰囲気とともに圧力が配管13を通じて排気筒56に送られ、その排気筒56から外界へ逃される。また、各電動弁12d,12e,12fを開くことによって、原子炉格納容器1内の圧力と雰囲気は、配管59を通じて外部プール5のプール水中に排出され、ここで、その雰囲気中に含まれていた蒸気はプール水中で凝縮し、その雰囲気に含まれていた水溶性放射性核種はそのプール水中に留まり、水溶性放射性核種が除去された雰囲気と圧力とが配管60を通じて排気筒56に送られ、その排気筒56から外界へ逃される。これにより、格納容器ベント設備は、原子炉格納容器1内の圧力や温度の異常な上昇を抑制する機能を発揮する。
【0037】
以上のように、本発明の実施例に係る沸騰水型原子炉の安全系は、残留熱除去系(LPFL/RHR),原子炉隔離時冷却系(RCIC),高圧炉心注水系
(HPCF),自動減圧装置(ADS),格納容器ベント設備,アイソレーションコンデンサ系(IC),静的格納容器冷却系から構成されている。
【0038】
また、図2には本実施例に係る安全系の系統区分を示し、図4には本実施例に係る安全系の電源設備系統の系統区分を示している。いずれの区分も、区分番号については共通の番号を付与している。
【0039】
図2に示す区分Iは、残留熱除去系(LPFL/RHR)とその区分に属する機器に電気を供給する非常用ディーゼル発電機37,区分IIは残留熱除去系
(LPFL/RHR)とその区分に属する機器に電気を供給する非常用ディーゼル発電機38、区分III は高圧炉心注水系(HPCF)とその区分に属する機器に電気を供給する非常用ディーゼル発電機39を備えている。
【0040】
このように安全系は、前述の各区分ごとに非常用ディーゼル発電機を非常用の電源設備として備えている。そのほかにも、原子力プラント外の外部電源、すなわち原子力プラントの外部の電源設備、から送電線を経由して電気が各区分ごとに独立して供給される。
【0041】
前述の各区分ごとの給電系統を示すと、図4のように、各区分ごとに独立した給電系統を成立させている。すなわち、区分Iの給電系統は、外部電源と非常用ディーゼル発電機37との二系統の電源設備が高圧交流電線68aにAC6.9kvの交流電力を供給可能としている。外部電源からの電力の供給が止まらなければ、その外部電源から交流電力を高圧交流電線68aに受け、外部電源からの電力の供給が止まった場合には、非常用ディーゼル発電機37を起動して高圧交流電線68aに交流電力を供給する。その高圧交流電線68aには遮断器を介して区分Iの残留熱除去系(LPFL/RHR)の電動ポンプ18aが接続され、その電動ポンプ18aは高圧交流電線68aから電動ポンプ18aが起動するために必要な電力を得ることができる。
【0042】
高圧交流電線68aから変圧器68aを介して低圧交流電線70aにAC480vの交流電力が供給されている。その低圧交流電線70aには、区分Iの残留熱除去系(LPFL/RHR)の電動弁21cと、格納容器ベント設備の電動弁
12a,12b,12cとが、いずれも遮断器を介して接続され、その電動弁
21c,12a,12b,12cは低圧交流電線70aから電動弁21c,12a,12b,12cが起動するために必要な電力を得ることができる。
【0043】
低圧交流電線70aには遮断器を介して充電器が接続される。その低圧交流電線70aの交流電力は充電器によってDC125vの直流電力に変換されて直流電線71aに流される。その直流電線71aには、遮断器を介して蓄電池40が接続されている。その蓄電池40は遮断器を介して直流電線71aから電力を蓄電したり、交流電源喪失時に直流電線71aへ直流電力を放電することができる。
【0044】
さらに、直流電線71aには、原子炉隔離時冷却系の電動弁15a,15bや隔離弁15c,15dと各制御回路29a,36a,65a,65bとアイソレーションコンデンサ系の電動弁7a,7d,8aとが、個々に遮断器を介して接続され、それらの電動弁や隔離弁が起動するために必要な、あるいはそれらの制御回路が作動するために必要な直流電力を、それらの電動弁やそれらの各制御回路が受電できるようになっている。
【0045】
残留熱除去系(LPFL/RHR)の制御回路29aは、電動ポンプ18aと残留熱除去系(LPFL/RHR)の運転モードに適合した電動弁21a,21c,21d,21eに接続された遮断器を非通電状態から通電状態に切り替えて、非通電状態で閉じられていた電動弁21cを開き、非通電状態で停止していた電動ポンプ18aを起動する制御を行うことができる。
【0046】
原子炉隔離時冷却系(RCIC)の制御回路36aは、隔離弁15c,15dを開いている状態で電動弁15a,15bに接続された遮断器を非通電状態から通電状態とに切り替える制御によって、非通電状態で閉じられていた電動弁を開く制御を行うことができる。
【0047】
自動減圧装置(ADS)の制御回路66aは、主蒸気逃し安全弁17を強制的に開かせるシリンダ装置の圧力回路を制御して、主蒸気逃し安全弁17を制御できる。主蒸気逃し安全弁17が強制的に開くもう一つの状態は、主蒸気逃し安全弁17が主蒸気配管内から設定圧力以上の圧力を受けた場合である。
【0048】
原子炉除熱システム制御回路65aは、残留熱除去系(LPFL/RHR)の制御回路29aの作動とアイソレーションコンデンサ系(IC)の電動弁7a,7d,8aと格納容器ベント設備の電動弁12a,12b,12cとを起動する回路構成を備えている。原子炉除熱システム制御回路65aが起動信号を生成すると、原子炉除熱システム制御回路65aは残留熱除去系(LPFL/RHR)の制御回路29aの遮断器を非通電状態から通電状態に切り替えてその残留熱除去系(LPFL/RHR)の制御回路29aを作動させ、その残留熱除去系
(LPFL/RHR)の制御回路29aは作動することによって電動ポンプ18aを起動し、電動弁21cを開く制御を行う。又、原子炉除熱システム制御回路
65aが起動信号を生成すると、その原子炉除熱システム制御回路65aはアイソレーションコンデンサ系(IC)の電動弁7a,7d,8aに接続されている遮断器と格納容器ベント設備の電動弁12a,12b,12cに接続されている遮断器とを非通電状態から通電状態に切り替える制御をなす。その制御によって、直流電力を受けたアイソレーションコンデンサ系(IC)の電動弁7a,7d,8aと格納容器ベント設備の電動弁12a,12b,12cは、閉じている状態から開く状態になる。
【0049】
原子炉除熱システム制御回路65aの回路構成を等価な論理回路で示せば、図5のようになる。すなわち、原子力プラントは、原子炉圧力容器2内の冷却水の水位や圧力やサプレッションプール4内のプール水の水温や原子炉格納容器1内の圧力や温度や放射線量を計測する計測システム(図示せず)を備えて、原子力プラントの状況を監視している。その計測システムから原子炉圧力容器2内の水位が予め設定した水位よりも低い場合に発せられる原子炉水位低信号(図中では原子炉水位低と表示)50と、その計測システムから原子炉圧力容器2内の圧力が予め設定した圧力よりも高い場合に発せられる格納容器圧力高信号(図中ではPCV圧力高と表示)51と、その計測システムからサプレッションプール4内のプール水の水温が予め設定した温度よりも高い場合に発せられるサプレッションプール水温高信号(図中ではS/P水温高と表示)52と、原子力プラントの制御室にもうけられた手動スイッチを入れることで発せられる手動起動信号(図中では手動起動と表示)53とを原子炉除熱システム制御回路65aが受信できるように構成されている。
【0050】
この場合の格納容器圧力高信号の設定圧力は、原子力プラントが運用される原子炉格納容器1の設定圧力のうち最も高いものであり、サプレッションプール4水温高の設定水温は、原子力プラントが運用されるサプレッションプール4のプール水の設定温度のうち最も高いものであり、原子炉圧力容器2内の水位低の設定水位は原子炉圧力容器2内の炉心3が安全な状態に冷却できる最低水位とされている。
【0051】
原子炉除熱システム制御回路65aが起動信号を生成する場合は、手動起動信号53が原子炉除熱システム制御回路65aに入力された場合か、計測システムから原子炉除熱システム制御回路65aへの信号が以下の条件である場合である。その条件とは、原子炉水位低信号50が発生せず、かつ格納容器圧力高信号
51が発生し、かつサプレッションプール水温高信号52が発生した場合である。
【0052】
このような条件になると、原子炉除熱システム制御回路65aは起動信号を生成し、アイソレーションコンデンサ系(IC)と、格納容器ベント設備と、残留熱除去系(LPFL/RHR)のサプレッションプール冷却モードに関連する各電動弁や電動ポンプとを起動させる起動信号を発生させる。
【0053】
このような原子炉除熱システム制御回路65aを備えることによって、手動起動する必要がある状況を認知しなくとも、最終的に起動信号が自動的に発生し、原子炉の水位が維持された状況で確実にアイソレーションコンデンサ系(IC)と、格納容器ベント設備と、残留熱除去系(LPFL/RHR)を作動させることが可能となる。
【0054】
また、原子炉除熱システム制御回路65aの回路構成と等価な論理回路として、図6のような論理回路構成も図5の論理回路構成と同様の機能を達成する。また、図7及び図8のように時間遅れ信号を備えることで信頼性を向上させる論理回路構成とすることもできる。
【0055】
区分IIの給電系統は、図4のように、区分Iの給電系統から原子炉隔離時冷却系の電動弁への直流電力の供給回路が無い点で相違し、その他は酷似している。すなわち、区分IIの給電系統は次のとおりである。外部電源と非常用ディーゼル発電機38との二系統の電源設備が高圧交流電線68bにAC6.9kv の交流電力を供給可能としている。外部電源からの電力の供給が止まらなければ、その外部電源から交流電力を高圧交流電線68bに受け、外部電源からの電力の供給が止まった場合には、非常用ディーゼル発電機38を起動して高圧交流電線68bに交流電力を供給する。その高圧交流電線68bには遮断器を介して区分IIの残留熱除去系(LPFL/RHR)の電動ポンプ18bが接続され、その電動ポンプ18bは高圧交流電線68bから電動ポンプ18bが起動するために必要な電力を得ることができる。
【0056】
高圧交流電線68bから変圧器69bを介して低圧交流電線70bにAC480vの交流電力が供給されている。その低圧交流電線70bには、区分IIの残留熱除去系(LPFL/RHR)の電動弁21gと、格納容器ベント設備の電動弁
12d,12e,12fとが、いずれも遮断器を介して接続され、その電動弁
21g,12d,12e,12fは低圧交流電線70bから電動弁21g,12d,12e,12fが起動するために必要な電力を得ることができる。
【0057】
低圧交流電線70bには遮断器を介して充電器が接続される。その低圧交流電線70bの交流電力は充電器によってDC125vの直流電力に変換されて直流電線71bに流される。その直流電線71bには、遮断器を介して蓄電池41が接続されている。その蓄電池41は遮断器を介して直流電線71bから電力を蓄電したり、交流電源喪失時に直流電線71bへ直流電力を放電することができる。
【0058】
さらに、直流電線71bには、各制御回路29b,36b,65b,66bとアイソレーションコンデンサ系の電動弁7b,7e,8bとが、個々に遮断器を介して接続され、電動弁7b,7e,8bが起動するために必要な、あるいは制御回路29b,36b,65b,66bが作動するために必要な直流電力を、それらの電動弁7b,7e,8bや各制御回路29b,36b,65b,66bが受電できるようになっている。
【0059】
残留熱除去系(LPFL/RHR)の制御回路29bは、電動ポンプ18bと残留熱除去系(LPFL/RHR)の運転モードに適合した電動弁21g,21h,21i,21jに接続された遮断器を非通電状態から通電状態に切り替える制御によって、非通電状態で閉じられていた電動弁21gを通電状態で開き、非通電状態で停止していた電動ポンプ18bを通電状態で起動する制御を行うことができる。
【0060】
原子炉隔離時冷却系(RCIC)の制御回路36bは、隔離弁15c,15dが開かれている状態で電動弁15a,15bに接続された遮断器を非通電状態から通電状態とに切り替える制御によって、非通電状態で閉じられていた電動弁
15a,15bを通電状態で開く制御を行うことができる。
【0061】
自動減圧装置(ADS)の制御回路66bは、主蒸気逃し安全弁17を強制的に開かせるシリンダ装置の圧力回路を制御して、主蒸気逃し安全弁17を制御できる。主蒸気逃し安全弁17が開くもう一つの状態は、主蒸気逃し安全弁17が主蒸気配管内から設定圧力以上の圧力を受けた場合である。
【0062】
原子炉除熱システム制御回路65bは、残留熱除去系(LPFL/RHR)の制御回路29bの作動とアイソレーションコンデンサ系(IC)の電動弁7b,7e,8bと格納容器ベント設備の電動弁12d,12e,12fとを起動する回路構成を備えている。原子炉除熱システム制御回路65bが起動信号を生成すると、原子炉除熱システム制御回路65bは残留熱除去系(LPFL/RHR)の制御回路29bの遮断器を非通電状態から通電状態に切り替えてその残留熱除去系(LPFL/RHR)の制御回路29bを作動させ、その残留熱除去系
(LPFL/RHR)の制御回路29bは作動することによって電動ポンプ18bを起動し、電動弁21gを開く制御を行う。原子炉除熱システム制御回路65bが起動信号を生成すると、その原子炉除熱システム制御回路65bはアイソレーションコンデンサ系(IC)の電動弁7b,7e,8bに接続されている遮断器と格納容器ベント設備の電動弁12d,12e,12fに接続されている遮断器とを非通電状態から通電状態に切り替える制御を行う。その制御によって、直流電力を受けたアイソレーションコンデンサ系(IC)の電動弁7b,7e,8bと格納容器ベント設備の電動弁12d,12e,12fは、閉じている状態から開く状態になる。
【0063】
区分IIの原子炉除熱システム制御回路65bの回路構成を等価な論理回路で示せば区分Iと同様なものであり、原子炉除熱システム制御回路65bが起動信号を生成する条件は区分Iの場合と同じく、手動起動信号がある場合か、原子炉水位低信号50が発生せず、かつ格納容器圧力高信号51が発生し、かつサプレッションプール水温高信号52が発生した場合である。
【0064】
このような条件になると、原子炉除熱システム制御回路65bは起動信号を生成し、アイソレーションコンデンサ系(IC)の電動弁7b,7e,8bと、格納容器ベント設備の電動弁12d,12e,12fと、区分IIの残留熱除去系
(LPFL/RHR)の電動ポンプ18bおよび電動弁21gとを開くあるいは起動させる。
【0065】
このような原子炉除熱システム制御回路65bを備えることによって、区分IIにおいても手動起動する必要がある状況を認知しなくとも、最終的に起動信号が発生し、原子炉の水位が維持された状況で確実にアイソレーションコンデンサ系(IC)と、格納容器ベント設備と、区分IIの残留熱除去系(LPFL/RHR)を起動することが可能となる。
【0066】
区分III の給電系統は、図4のように、外部電源と非常用ディーゼル発電機
39との二系統の電源設備が高圧交流電線68cにAC6.9kv の交流電力を供給可能としている。外部電源からの電力の供給があれば、その外部電源から交流電力を高圧交流電線68cに受け、外部電源からの電力の供給が止まった場合には、非常用ディーゼル発電機39を起動して高圧交流電線68cに交流電力を供給する。その高圧交流電線68cには遮断器を介して高圧炉心注水系(HPFL)の電動ポンプ22が接続され、その電動ポンプ22は高圧交流電線68cから電動ポンプ22が起動するために必要な電力を得ることができる。
【0067】
高圧交流電線68cから変圧器69cを介して低圧交流電線70cにAC480vの交流電力が供給されている。その低圧交流電線70cには、高圧炉心注水系(HPFL)の電動弁24aが遮断器を介して接続され、その電動弁24aは低圧交流電線70cから電動弁24aが起動するために必要な電力を得ることができる。
【0068】
低圧交流電線70cには遮断器を介して充電器が接続される。その低圧交流電線70cの交流電力は充電器によってDC125vの直流電力に変換されて直流電線71cに流される。その直流電線71cには、遮断器を介して蓄電池42が接続されている。その蓄電池42は遮断器を介して直流電線71cから電力を蓄電したり、交流電源喪失時に直流電線へ直流電力を放電することができる。
【0069】
さらに、直流電線71cには、各制御回路32,65cとアイソレーションコンデンサ系の電動弁7c,7f,8cとが、個々に遮断器を介して接続され、電動弁7c,7f,8cが起動するために必要な、あるいは制御回路32,65cが作動するために必要な直流電力を、それらの電動弁7c,7f,8cや各制御回路32,65cが受電できるようになっている。
【0070】
高圧炉心注水系(HPFL)の制御回路32は、電動ポンプ22と電動弁24aに接続された遮断器を非通電状態から通電状態に切り替える制御によって、非通電状態で閉じられていた電動弁24aを通電状態で開き、非通電状態で停止していた電動ポンプ22を通電状態で起動する制御を行うことができる。
【0071】
原子炉除熱システム制御回路65cは、アイソレーションコンデンサ系(IC)の電動弁7c,7f,8cを起動する回路構成を備えている。原子炉除熱システム制御回路65cが起動信号を生成すると、原子炉除熱システム制御回路65cはアイソレーションコンデンサ系(IC)の電動弁7c,7f,8cに接続されている遮断器を非通電状態から通電状態に切り替える制御をなす。その制御によって、直流電力を受けたアイソレーションコンデンサ系(IC)の電動弁7c,7f,8cは、閉じている状態から開く状態になる。
【0072】
区分III の原子炉除熱システム制御回路65cの回路構成を等価な論理回路で示せば区分Iと同様なものであり、原子炉除熱システム制御回路65cが起動信号を生成する条件は区分Iの場合と同じく、手動起動信号がある場合か、原子炉水位低信号50が発生せず、かつ格納容器圧力高信号51が発生し、かつサプレッションプール水温高信号52が発生した場合である。
【0073】
このような条件になると、原子炉除熱システム制御回路65cは起動信号を生成し、アイソレーションコンデンサ系(IC)の電動弁7c,7f,8cを開くように作動させる。
【0074】
このような原子炉除熱システム制御回路65cを備えることによって、区分
III においても手動起動する必要がある状況を認知しなくとも、最終的に起動信号が発生し、原子炉の水位が維持された状況で確実にアイソレーションコンデンサ系(IC)を起動することが可能となる。
【0075】
このように、アイソレーションコンデンサ系(IC)は、どの区分の電力によっても作動させることができるので、いずれかの蓄電池40,41,42さえ正常に機能すれば、原子炉圧力容器2内で発生した熱の除去機能が喪失しない。
【0076】
本実施例では、図1のように、白抜きの表示で示した隔離弁25a,25b,15c,15dが開かれ、黒塗りで表示した各弁が閉じられた状態で原子力プラントが運転される。このような通常状態においては、原子炉圧力容器2内の炉心3で加熱された冷却水は蒸気となって主蒸気配管25を通じて原子炉格納容器1外へ供給され、その供給先から使用後の蒸気が腹水となって給水配管26経由で原子炉圧力容器2内へ戻される。このような通常運転時においては、原子炉圧力容器2内や原子炉格納容器1内の温度や圧力やサプレッションプール4のプール水の温度は通常運転で許容できる範囲内の状態に保たれる。
【0077】
原子力プラントが何らかの異常な状態となった場合には、異常な状況での蒸気の供給先への供給を止めるべく、隔離弁25a,25bが閉じられる。隔離弁
25a,25bが閉じられることで、原子炉圧力容器2内の蒸気圧は通常運転で許容する圧力以上、すなわち主蒸気逃し安全弁17が開く設定圧力に上昇し、ついには主蒸気逃し安全弁17が開く。主蒸気逃し安全弁17が開くと、原子炉圧力容器2内の蒸気や圧力は、主蒸気逃し安全弁17と配管17aを通じてサプレッションプール4のプール水中に排気される。その排気中の蒸気はサプレッションプール4のプール水中で凝縮され、非凝縮気体はウエットウェル58内に蓄積し、圧力抑制室内の圧力やそのプール水の温度を上昇させる。
【0078】
サプレッションプール4のプール水の温度は、残留熱除去系(LPFL/RHR)のサプレッションプール冷却モードの運転で低下するので安全であるが、残留熱除去系(LPFL/RHR)が機能せずにサプレッションプール4のプール水中への排気が継続すると、圧力抑制室の圧力や雰囲気の温度が上昇する。又、図示していないが圧力抑制室内の圧力を逆止弁26a,26bを介してドライウェル57内に逃す流路を通じて、圧力抑制室内の圧力や雰囲気がドライウェル57内に移行する。そのため、原子力プラントの放射能や放射線などの一次境界を構成する原子炉格納容器1が設計条件を超えて危険となることを想定して対応を考える必要がある。そのような危険を招くと考えられる原因、すなわち原子力プラントの異常事象を想定して、本実施例の原子力プラントではそのような原因が起こりにくい安全設備であることを以下に説明する。
【0079】
本実施例の構成では図4に示すように、交流電源を動力、直流電源を制御に必要とする系統としては残留熱除去系(LPFL/RHR)2系統と高圧炉心冷却系1系統を持ち、直流電力のみで起動および制御可能な系統としては原子炉隔離時冷却系(RCIC),アイソレーションコンデンサ系(IC)を持っている。そのため、外部電源喪失時にも全交流電源喪失時などの、交流電源を失うことで残留熱除去系(LPFL/RHR)2系統と高圧炉心3冷却系1系統が起動しなくとも、蓄電池からの直流電源のみで原子炉隔離時冷却系(RCIC),アイソレーションコンデンサ系(IC)を起動および制御して信頼性の高い注水能力と除熱能力が確保できる。
【0080】
また、区分III に必要な交流電源は高圧炉心冷却系とその補機を冷却する系統(図示せず)のみであり、他の区分と比べ非常用ディーゼル発電機39の負荷を低減でき、その区分III に他の区分と比べ小容量で型式の異なる非常用ディーゼル発電機39及び型式の異なる蓄電池42を採用することにより各区分間での共通原因故障を低減することができる。このようにして、非常用ディーゼル発電機37,38と非常用ディーゼル発電機39及び蓄電池40,41と蓄電池42の形式が同じことによる3区分同時の交流電力あるいは直流電力の喪失状態の発生確率を低下させている。
【0081】
また、沸騰水型原子炉のプラント異常事象として、外部電源喪失が発生し蓄電池40,41の共通原因故障により区分I,IIの非常用ディーゼル発電機が蓄電池40,41から起動時の電力を受けれずに起動せずに残留熱除去系(LPFL/RHR)による除熱ができない場合でも、区分III の蓄電池42から給電されるアイソレーションコンデンサ系(IC)の電動弁7c,7f,8cが開くように作動するため、アイソレーションコンデンサ系による除熱が可能となり、除熱機能がまったく喪失するという懸念が無い。
【0082】
さらに、原子力プラントの異常事象である過渡事象としてタービントリップや給水喪失等が発生した場合に、隔離弁25a,25bが閉じられて原子炉が隔離された直後の初期段階に原子炉圧力容器2内の圧力、すなわち炉圧が上昇し複数の主蒸気逃し安全弁17が開いた場合に、複数の主蒸気逃し安全弁17のうちの1弁が閉じないという状態、すなわち1弁開固着するという異常事象が想定される。
【0083】
その場合、開いたままの主蒸気逃し安全弁17を通じて原子炉圧力容器2内の蒸気、すなわち炉蒸気はサプレッションプール4に導かれるため炉圧は減圧し、ついには炉蒸気を駆動エネルギー源とする蒸気タービン33は、原子炉隔離時冷却系(RCIC)のポンプ14を十分駆動できずに、原子炉隔離時冷却系(RCIC)は起動できなくなり、原子炉隔離時冷却系(RCIC)による原子炉圧力容器2内への注水が不可能となる。そのため、高圧炉心注水系(HPCF)で原子炉圧力容器2内へサプレッションプール4内の冷却水(プール水)を注水する。
【0084】
この場合に、高圧炉心注水系(HPCF)で原子炉圧力容器2内への注水は成功するが、炉心3の崩壊熱はサプレッションプール4へ移行しており、サプレッションプール4のプール水を冷却する必要がある。しかし、サプレッションプール4のプール水を冷却する残留熱除去系(LPFL/RHR)の2系統が起動失敗した場合には、その冷却機能を利用できないので、格納容器ベント設備にて原子炉格納容器1内の気相部から原子炉格納容器1内の雰囲気や圧力を排気筒56を介して大気に開放し崩壊熱を発散する。
【0085】
格納容器ベント設備は、原子炉格納容器1から配管13を通じて排気筒56につながる一系統と、原子炉格納容器1から外部プール内へ通じる配管59と外部プール5の気相部から配管60を排気筒へ通じるもう一系統との二系統で、原子炉格納容器1内の雰囲気や圧力を大気に開放する多重性を確保し、アイソレーションコンデンサ系(IC)による原子炉圧力容器2内で発生した熱の除熱が不可能な場合における排熱機能の信頼性を向上させている。
【0086】
また、この格納容器ベント設備は、設計基準事故を超える安全系の多重故障による炉心損傷事故条件下において、原子炉格納容器1内の圧力が設計条件を超えて、原子炉格納容器1のドライウェル57部から排気筒へのベントが必要となった場合に、原子炉格納容器1内の圧力や雰囲気を外部プール5の水中を通じて排気筒56へ導くことができるため、炉心損傷時にドライウェル57部に漏れ出てくるあるいはすでにドライウェル57部に存在する放射性核種のうち水溶性放射性核種を外部プールの水中で除去することができる。
【0087】
また、本実施例では事故条件下で原子炉格納容器1のドライウェル57部の圧力が原子炉格納容器1のウエットウェル58部より高い場合に、静的格納容器冷却系の熱交換器10でドライウェル57部の蒸気を凝縮ないしは雰囲気を冷却して原子炉圧力容器2内の圧力と温度を低減できる。
【0088】
次に、原子力プラントにおける計測システムによる計測結果、原子炉水位低信号50が発生せず、かつ格納容器圧力高信号51が発生し、かつサプレッションプール水温高信号52が発生した場合に、原子炉除熱システム制御回路65a,65b,65cは起動信号54を自動的に生成するので、アイソレーションコンデンサ系(IC)の電動弁と、格納容器ベント設備の電動弁と、残留熱除去系
(LPFL/RHR)の電動ポンプおよび電動弁が自動的に開くないしは起動する。格納容器圧力高の設定圧力とサプレッションプール水温高の設定温度は、当該沸騰水型原子炉の設定値の中で最も高いものであることから、運転員がアイソレーションコンデンサ系(IC)と、格納容器ベント設備と、残留熱除去系
(LPFL/RHR)のサプレッションプール冷却モードを手動起動する必要がある状況を認知しなくとも、最終的に起動信号54が生成されて、原子炉の水位が維持された状況で確実にアイソレーションコンデンサ系(IC)と、格納容器ベント設備と、残留熱除去系(LPFL/RHR)のサプレッションプール冷却モードを起動することが可能となる。
【0089】
このように、原子炉水位高と、格納容器圧力高と、サプレッションプール水温高の信号により自動的に生成される起動信号54によりアイソレーションコンデンサ系(IC)と、格納容器ベント設備と、残留熱除去系(LPFL/RHR)のサプレッションプール冷却モードの起動がより確実となり、これらで構成される原子炉除熱システムに対する信頼性が向上する。
【0090】
又、図3のように、アイソレーションコンデンサ系(IC)を、図1の電動弁7a,7b,7c,7d,7e,7fと配管62を省略し、その代わりに配管9の途中に各隔離弁7,64を設け、その他の構成は図1の場合と同じとするようにして構成しても良い。この場合には、通常時には、各隔離弁7,64を開いておいて主蒸気配管25内と凝縮器6とを配管9を通じて開通状態とし、アイソレーションコンデンサ系(IC)を起動する場合に電動弁8a,8b,8cを開くようにする。このようにすると、アイソレーションコンデンサ系(IC)を起動する前から常時、蒸気の熱と圧力が配管9や凝縮器6や電動弁8a,8b,8cに加わっているので、アイソレーションコンデンサ系(IC)を起動した際に、アイソレーションコンデンサ系(IC)の構成機器に加わる熱荷重や圧力変動などのショックを少なくでき、アイソレーションコンデンサ系(IC)の損傷を抑制できる。
【0091】
このように、本発明の実施例によれば、原子力プラントの安全設備に関して、設備の物量を低減しつつ、外部電源が喪失したような事象が発生した場合に、発生が想定される共通原因故障に対し、信頼性を高めることができる。また、原子力プラントの安全設備のうちの静的なシステムであるアイソレーションコンデンサ系(IC)及び格納容器ベント設備の多重化を採用して、原子力プラントの安全設備の除熱系統の多重化及び多様化を図った。さらに、その除熱系統に対する自動的な起動を可能として、運転員の負担低減、及び安全設備の信頼性向上を確立した。
【0092】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、静的な除熱設備であるアイソレーションコンデンサ系(IC)をいずれの区分の電源設備を利用してでも起動させることができるので、動的な除熱設備である残留熱除去系をすべての区分に用意する必要が無くなり、原子力プラントの安全設備の物量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による原子力プラントの安全設備の系統図である。
【図2】図1の安全設備の系統の区分図である。
【図3】図1のアイソレーションコンデンサ系(IC)の変形例を示す系統図である。
【図4】図1の安全設備の電源系の区分図である。
【図5】図1の安全設備の原子炉除熱システムの制御回路の論理回路図である。
【図6】図5の論理回路の変形例による論理回路図である。
【図7】図5の論理回路の他の変形例による論理回路図である。
【図8】図5の論理回路のさらに他の変形例による論理回路図である。
【符号の説明】
1…原子炉格納容器、2…原子炉圧力容器、3…炉心、4…サプレッションプール、5…外部プール、6…凝縮器、7a〜7f,8a〜8c,12a〜12f,15a,15b,21a〜21j,24a…電動弁、9,11,13,16,20a,20b,23,34,35,59,60,62,63,67…配管、
10,19a,19b…熱交換器、14…ポンプ、17…主蒸気逃し安全弁、
18a,18b,22…電動ポンプ、25…主蒸気配管、26…給水配管、37,38,39…非常用ディーゼル発電機、40,41,42…蓄電池、50…原子炉水位低信号、51…格納容器圧力高信号、52…サプレッションプール水温高信号、53…手動起動信号、54…起動信号、56…排気筒、57…ドライウェル、58…ウエットウェル、65a,65b,65c…原子炉除熱システム制御回路。

Claims (6)

  1. 原子炉格納容器と、
    前記原子炉格納容器内に格納された原子炉圧力容器と、
    前記原子炉圧力容器に接続された主蒸気配管と、
    前記原子炉圧力容器に接続された給水配管と、
    複数の区分に分離独立していて、前記原子炉圧力容器内へ水を注水する複数の注水系統及び複数の区分中において二つの区分に前記原子炉圧力容器を除熱する系統と、
    前記区分ごとに分離独立していて、前記注水系統内の機器に電力を供給する複数の電源設備と、
    前記主蒸気配管から第1配管を経由して凝縮器内に受け入れた蒸気を前記凝縮器で凝縮し、凝縮した水を前記給水配管へ第2の配管を通じて戻すアイソレーションコンデンサ系統と、
    前記第1配管と前記第2配管の少なくとも一方の配管に、その配管内の流れを断続自在に制御する第1電動弁とを有し、
    前記第1電動弁への給電源を前記複数の電源設備としてある原子炉の安全設備。
  2. 請求項1において、前記第1電動弁が複数弁並列にして少なくとも前記一方の配管に装備され、前記区分ごとに前記電源設備として蓄電池を備え、前記原子炉圧力容器を除熱する系統を有する二つの区分以外の一区分に属する前記蓄電池が他区分の前記蓄電池の形式と相異する形式である原子炉の安全設備。
  3. 請求項1又は請求項2において、原子炉格納容器の外側に配備されたプールと、前記プールの水位以下の領域と前記原子炉格納容器内の気相領域とを接続する第3配管と、前記第3配管に装備されて前記第3配管内の流れの断続を成す第2電動弁と、前記原子炉格納容器内に設けられた圧力抑制室の気相領域と前記原子炉格納容器の外界とを連通する第4配管と、前記第4配管に前記第4配管内の流れの断続を成す第3電動弁とを有する原子炉格納容器ベント設備を備えた原子炉の安全設備。
  4. 請求項3において、前記原子炉格納容器ベント設備は前記第2電動弁の制御手段として、原子炉格納容器内の圧力が予め設定した条件で前記第2電動弁を開く制御を成す構成を備えている原子炉の安全設備。
  5. 請求項1又は請求項2又は請求項3において、前記原子炉格納容器内に設けられた圧力抑制室のプール内と前記原子炉圧力容器内とを連通する第5配管と、前記第5配管に装備されて前記第5配管内の水を駆動するポンプと前記第5配管に装備されて前記水を冷却する熱交換器と、前記第5配管に装備されて前記第5配管内の流れの断続を成す第4電動弁とを有する残留熱除去系統と、
    前記第1電動弁と前記第3電動弁と前記第4電動弁とを、前記原子炉圧力容器内の水位が予め設定した水位を確保されていること、前記原子炉格納容器内の圧力が予め設定した高圧であること、前記圧力抑制室のプールの水温が予め設定した高温であること、を条件に開く制御装置を備え、
    前記制御装置には、手動で前記第1電動弁と前記第3電動弁と前記第4電動弁とを開く構成を備えている原子炉の安全設備。
  6. 請求項5において、前記予め設定した高圧は、原子炉が運用される前記原子炉格納容器内の設定圧力のうち最も高いものとし、前記予め設定した高温は、原子炉が運用される前記プールの設定水温のうち最も高いものとした原子炉の安全設備。
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