【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オイルパンに関し、とくに暖機中のオイル昇温性能がよく暖機後のオイル放熱性能がよいオイルパンの構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
内壁と外壁とを有し、内外壁間にスペースをもつ二重壁構造のオイルパンは、たとえば特開平３−２９４６１１号公報、特開平５−３０６６５４号公報等により知られている。
特開平３−２９４６１１号公報のオイルパンでは、内壁と外壁との間のスペースの上部にオイル入口があり、それより下方にオイル出口があり、オイル入口の総面積はオイル出口の総面積より大に形成されている。したがって、内壁と外壁との間のスペースはオイルで充満される。
特開平５−３０６６５４号公報のオイルパンでは、内壁と外壁との間のスペースと内壁内のスペースとが内壁に形成された多数の連通孔によって連通されている。内壁と外壁との間のスペースと内壁内のオイルは液面を有し、その液面より上は空間となっている。
【０００３】
【特許文献１】
特開平３−２９４６１１号公報
【特許文献２】
特開平５−３０６６５４号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術にはつぎの問題がある。
特開平３−２９４６１１号公報のオイルパンでは、温度が高いエンジンからの戻りオイルが内壁と外壁との間のスペースに入って該スペースを全高にわたって満たすので、外壁からの放熱が大となり、暖機後の放熱性はよいが、低温側でも放熱するため暖機性がよくない。そのオイルの昇温特性は図４の特性Ｂのようになる。
特開平５−３０６６５４号公報のオイルパンでは、エンジンからの戻りオイルが積極的に内壁内に落下し、したがって内外壁間スペースに積極的に流れる構造にはなっていないので、放熱性が悪く、暖機後の油温が高くなり過ぎる。そのオイルの昇温特性は図４の特性Ｃのようになる。暖機性と暖機後の油温の過熱防止が両立しない。その結果、オイル劣化、樹脂、ゴム部品の劣化が促進され、軸受潤滑、ピストン冷却などが悪化することでエンジンの耐久性が下がり、対策のためにオイルクーラの設置が必要となりコストアップを招く。
本発明の目的は、暖機性がよく、暖機後は高温での放熱性がよく油温が高くなり過ぎないオイルパンを提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
（１） 内壁と外壁とからなる二重壁構造のオイルパンであって、前記内壁の一部に内壁内のオイルストレーナに向かって下がる斜面部を形成し、該斜面部に内壁内部と内外壁間スペースとを連通する多数の連通孔を設け、前記斜面部のうち前記内外壁間スペースにあるオイルの液面より上方に位置する部分にエンジンからのオイルを戻すようにしたオイルパン。
（２） 内壁と外壁とからなる二重壁構造のオイルパンであって、前記内壁のうち内外壁間スペースにあるオイルの液面より上方に位置する部分にオイル溜めと第１の連通孔を設け、前記内壁のうちオイルに浸漬する部分に内壁内外を連通する第２の連通孔を設け、前記オイル溜めにエンジンからのオイルを戻すようにしたオイルパン。
【０００６】
上記（１）のオイルパンでは、暖機時には油温が低いので、オイルの粘度が高くオイルは内壁の斜面部の連通孔を通り抜けにくく、内壁内にあるオイルが主にエンジンを循環し内外壁間オイルはあまりエンジンを循環せず、その結果、循環量が低減し、速やかにオイル温度が上昇し、暖機性がよい。暖機後は油温が高いので、オイルの粘度が低くオイルは内壁の斜面部の連通孔を通り抜けやすく、内外壁間オイルもエンジンを循環し、オイル循環量が増えてオイルの昇温性が悪く、かつ、エンジンで温められた温度が高いオイルが内外壁間スペースに多量流れて外壁からの放熱がよく、さらに油温の上昇が抑えられる。その結果、油温の過熱が抑制される。
上記（２）のオイルパンでは、暖機時には油温が低いので、オイルの粘度が高くオイルはオイル溜めの第１の連通孔を通り抜けにくく、内壁内のオイルが主にエンジンを循環し内外壁間オイルはあまりエンジンを循環せず、その結果、循環量が低減し、速やかにオイル温度が上昇し、暖機性がよい。暖機後は油温が高いので、オイルの粘度が低くオイルはオイル溜めの第１の連通孔を通り抜けやすく、内外壁間オイルもエンジンを循環し、オイル循環量が増えてオイルの昇温性が悪く、かつ、エンジンで温められた温度が高いオイルが内外壁間スペースに多量流れて外壁からの放熱がよく、さらに油温の上昇が抑えられる。その結果、油温の過熱が抑制される。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のオイルパンを、図１〜図４を参照して説明する。図中、図１、図２は本発明の実施例１を、図３は本発明の実施例２を示す。また、図４は、本発明の実施例１、実施例２に共通に適用できる特性を示す。本発明の実施例１、２に共通する部品名には、両実施例にわたって同じ符合を付してある。
【０００８】
本発明の実施例１のオイルパンを説明する。
本発明の実施例１のオイルパン２は、シリンダブロック１の下部に固定されている。本発明の実施例１のオイルパン２は、内壁４と外壁３を有し、内壁４と外壁３との間にスペース１８を有する二重壁構造のオイルパンからなる。
内壁４の一部には、内壁４内に配置されているオイルストレーナ６に向かって下がる斜面部５が形成されている。オイルストレーナ６の下端は内壁４内のオイル液中に浸漬している。
【０００９】
斜面部５には、内壁内部と内外壁間スペース１８とを連通する多数の連通孔１４が設けられている。連通孔１４は、たとえば、図２（ａ）に示すように、パンチプレート１５の孔１４であってもよいし、図２（ｂ）に示すように、メッシュ１６の孔１４であってもよいし、あるいは、他の複数孔であってもよい。
斜面部５の一部はオイルパン内オイルの液面７より上方の空間にあり、残りの部分はオイルパン内オイルに浸漬している。オイルは矢印８で示すようにオイルストレーナ６からオイルポンプへと流れる。オイルポンプで汲み上げられたオイルは、エンジン各部を循環した後、オイルパン内に戻される。
【００１０】
斜面部５のうち内外壁間スペース１８にあるオイルの液面７より上方の空間に位置する部分に、エンジンからの戻りオイル９が流下するように、斜面部５を配置してある。
エンジンからの戻りオイル９を効果的に斜面部５のうち内外壁間スペース１８にあるオイルの液面７より上方の空間に位置する部分に戻すために、内壁４上に案内板としてバッフルプレート１７を設けてもよい。バッフルプレート１７を設けることにより、エンジンからオイルパンへの流れが数箇所あるエンジンの場合にオイルを効果的に斜面部５に導くことができる。
オイルパン底にはドレンプラグ１２が設けられている。
【００１１】
本発明の実施例１のオイルパンの作用を説明する。
暖機前は、油温が低く、オイル粘度が高いので、オイルは斜面部５の小さな多数の連通孔１４を通過しにくい。オイルは、矢印１０で示すように、斜面部５に沿って流れようとする。また、オイルの一部が斜面部５の連通孔１４を通過しても斜面部５に沿って流れる間に一部のオイルは斜面部５の連通孔１４を通り抜けて斜面上に戻り、斜面部５に沿って流れる作用が強まる。
その結果、エンジンからの戻りオイルの多くが斜面部５に沿って流れ、内外壁間スペース１８を通過せずに、オイルストレーナ６に流れる。内外壁間スペース１８にあるオイルの循環が少ないため、エンジンを循環するオイル量はオイル全量の一部となり、オイルはエンジンによって効果的に温められ、暖機性がよい。
【００１２】
暖機後は、油温が高く、オイル粘度が低いので、オイルは斜面部５の小さな多数の連通孔１４を通過しやすい。また、粘度が低いので、斜面部５から離れて落下しやすい。
その結果、エンジンから戻って来たオイルの多くが、矢印１１で示すように、斜面部５の連通孔１４を通過して落下し、内外壁間スペース１８を経由して、オイルストレーナ６に流れる。内外壁間スペース１８にあるオイルも循環するため、オイル全量のほぼ全てがエンジンを循環するようになり、エンジン循環オイルの熱容量が増え、エンジンによるオイルの昇温は緩やかなものになる。また、エンジンによって温められたオイルの多くが内外壁間スペース１８を循環するので、内外壁間スペース１８にあるオイルの温度が高くなり、外壁３からの放熱が多くなり、オイルの温度が過熱されなくなる。
これによって高負荷時の油温が低下するので、エンジンの耐久性が向上する。また、外壁３のオイルの流れが、従来オイルパンに対して緩やかになるので、スラッジが外壁３部に蓄積されやすくなり、ストレーナからの再循環が減る。スラッジはオイル交換時にドレンプラグ１２から排出される。
【００１３】
図４の特性Ａは本発明の実施例１の油温特性を示す。
図４に示すように、暖機時には、従来の一重壁構造の通常のオイルパン（図４の特性Ｄに示したもの）または特性Ｂに示した特開平３−２９４６１１号公報のオイルパンに比べて、オイルの昇温特性がよくなり、速やかにエンジンを暖機できる。
また、暖機後には、特性Ｃに示した特開平５−３０６６５４号公報の、従来の二重壁構造のオイルパンに比べて、オイルの過熱が抑制され、暖機後の最高油温が低い。
また、エンジンからオイルパン２への流れが複数箇所あるエンジンの場合に、オイルパン２への進入部をストレーナ６から離すことによって、暖機後のオイルパン２内のオイル滞留時間が長くなり、オイル内の気泡が分離しやすくなる。
【００１４】
本発明の実施例２のオイルパンを説明する。
本発明の実施例２のオイルパン２は、シリンダブロック１の下部に固定されている。本発明の実施例２のオイルパン２は、内壁４と外壁３を有し、内壁４と外壁３との間にスペース１８を有する二重壁構造のオイルパンからなる。
内壁４のうち内外壁間スペース１８にあるオイルの液面７より上方に位置する部分に、オイル溜め１３と、オイル溜め１３のオイルで浸漬される部分に第１の連通孔１９が設けられており、内壁４のうちオイルに浸漬する部分に内壁４内外を連通する第２の連通孔２０が設けられている。
【００１５】
第１の連通孔１９は小さな複数の孔（たとえば、本発明の実施例１で図２に示したような、パンチプレートの多数の孔やメッシュの多数の孔）であってもよい。同様に、第２の連通孔２０は小さな複数の孔（たとえば、パンチプレートの多数の孔やメッシュの多数の孔）であってもよい。
オイル溜め１３の容積はオイルストレーナ６が浸漬されるオイル溜め２１の容積よりは、小さい。
【００１６】
オイル溜め１３にエンジンからの戻りオイル９が流下するようにしてある。
エンジンからの戻りオイル９を効果的にオイル溜め１３に戻すために、内壁４上に案内板としてバッフルプレート１７を設けてもよい。バッフルプレート１７を設けることにより、エンジンからオイルパンへの流れが数箇所あるエンジンの場合にオイルを効果的にオイル溜め１３に導くことができる。
オイルパン底にはドレンプラグ１２が設けられている。
【００１７】
本発明の実施例２のオイルパンの作用を説明する。
暖機前は、油温が低く、オイル粘度が高いので、オイルはオイル溜め１３の第１の連通孔１９を通過しにくい。オイルの多くの部分が、矢印１０で示すように、内壁４上でオイル溜め１３を溢れて、オイルストレーナ６が浸漬されているオイル溜め２１に流れる。オイルの一部は、オイル溜め１３の第１の連通孔１９を通過し、内外壁間スペース１８のオイルえ液面７上の落下するが、その量は少ない。
その結果、エンジンからの戻りオイルの多くが内壁４上でオイル溜め１３を溢れてオイル溜め２１に流れ、内外壁間スペース１８を通過せずに、オイルストレーナ６に流れる。内外壁間スペース１８にあるオイルの循環が少ないため、エンジンを循環するオイル量はオイル全量の一部となり、オイルはエンジンによって効果的に温められ、暖機性がよい。
【００１８】
暖機後は、油温が高く、オイル粘度が低いので、オイルはオイル溜め１３の第１の連通孔１９を通過しやすい。
その結果、エンジンから戻って来たオイルの多くが、矢印１１で示すように、オイル溜め１３の第１の連通孔１９を通過して落下し、内外壁間スペース１８を経由し第２の連通孔２０を通って、オイルストレーナ６に流れる。内外壁間スペース１８にあるオイルも循環するため、オイル全量のほぼ全てがエンジンを循環するようになり、エンジン循環オイルの熱容量が増え、エンジンによるオイルの昇温は緩やかなものになる。また、エンジンによって温められたオイルの多くが内外壁間スペース１８を循環するので、内外壁間スペース１８にあるオイルの温度が高くなり、外壁３からの放熱が多くなり、オイルの温度が過熱されなくなる。
これによって高負荷時の油温が低下するので、エンジンの耐久性が向上する。また、外壁３のオイルの流れが、従来オイルパンに対して緩やかになるので、スラッジが外壁３部に蓄積されやすくなり、ストレーナからの再循環が減る。スラッジはオイル交換時にドレンプラグ１２から排出される。
【００１９】
図４の特性Ａは本発明の実施例２の油温特性（本発明の実施例１の油温特性に類似）を示す。
図４に示すように、暖機時には、従来の一重壁構造の通常のオイルパン（図４の特性Ｄに示したもの）または特性Ｂに示した特開平３−２９４６１１号公報のオイルパンに比べて、オイルの昇温特性がよくなり、速やかにエンジンを暖機できる。
また、暖機後には、特性Ｃに示した特開平５−３０６６５４号公報の、従来の二重壁構造のオイルパンに比べて、オイルの過熱が抑制され、暖機後の最高油温が低い。
また、エンジンからオイルパン２への流れが複数箇所あるエンジンの場合に、オイルパン２への進入部をストレーナ６から離すことによって、暖機後のオイルパン２内のオイル滞留時間が長くなり、オイル内の気泡が分離しやすくなる。
【００２０】
【発明の効果】
請求項１のオイルパンによれば、内壁に連通孔をもつ斜面部を設けたので、暖機時には油温が低いため、オイルの粘度が高くオイルは内壁の斜面部の連通孔を通り抜けにくく、内壁内にあるオイルが主にエンジンを循環し内外壁間オイルはあまりエンジンを循環せず、その結果、循環量が低減し、速やかにオイル温度が上昇し、暖機性がよい。また、暖機後は油温が高いため、オイルの粘度が低くオイルは内壁の斜面部の連通孔を通り抜けやすく、内外壁間オイルもエンジンを循環し、オイル循環量が増えてオイルの昇温性が悪く、かつ、エンジンで温められた温度が高いオイルが内外壁間スペースに多量流れて外壁からの放熱がよく、さらに油温の上昇が抑えられる。その結果、油温の過熱が抑制される。
請求項２のオイルパンによれば、内壁に第１の連通孔をもつオイル溜めを設けたので、暖機時には油温が低いため、オイルの粘度が高くオイルはオイル溜めの第１の連通孔を通り抜けにくく、内壁内のオイルが主にエンジンを循環し内外壁間オイルはあまりエンジンを循環せず、その結果、循環量が低減し、速やかにオイル温度が上昇し、暖機性がよい。また、暖機後は油温が高いため、オイルの粘度が低くオイルはオイル溜めの第１の連通孔を通り抜けやすく、内外壁間オイルもエンジンを循環し、オイル循環量が増えてオイルの昇温性が悪く、かつ、エンジンで温められた温度が高いオイルが内外壁間スペースに多量流れて外壁からの放熱がよく、さらに油温の上昇が抑えられる。その結果、油温の過熱が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例１のオイルパンの断面図である。
【図２】本発明の実施例１のオイルパンの斜面部の一部拡大平面図である。
【図３】本発明の実施例２のオイルパンの断面図である。
【図４】本発明の実施例１、実施例２の油温の特性図（オイルの温度と時間の関係図）である。従来の油温の特性も併せて示してある。
【符号の説明】
１ エンジンのシリンダブロック
２ オイルパン
３ 外壁
４ 内壁
５ 斜面部
６ オイルストレーナ
７ 油面
８ オイルポンプへのオイル流れ
９ エンジンからの戻りオイル
１０ 低油温時のオイル流れ
１１ 高油温時のオイル流れ
１２ ドレンプラグ
１３ オイル溜め
１４ 連通孔
１５ パンチプレート
１６ メッシュ
１７ バッフルプレート
１８ 内外壁間スペース
１９ 第１の連通孔
２０ 第２の連通孔
２１ オイルストレーナが浸漬されるオイル溜め[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an oil pan, and more particularly to a structure of an oil pan having good oil temperature rising performance during warm-up and good oil heat radiation performance after warm-up.
[0002]
[Prior art]
An oil pan having a double wall structure having an inner wall and an outer wall and having a space between the inner and outer walls is known from, for example, Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 3-294611 and 5-306654.
In the oil pan disclosed in JP-A-3-294611, an oil inlet is provided above a space between an inner wall and an outer wall, and an oil outlet is provided below the oil inlet. The total area of the oil inlet is larger than the total area of the oil outlet. Is formed. Thus, the space between the inner and outer walls is filled with oil.
In the oil pan disclosed in JP-A-5-306654, the space between the inner wall and the outer wall and the space in the inner wall are communicated by a large number of communication holes formed in the inner wall. The space between the inner wall and the outer wall and the oil in the inner wall have a liquid level, and the space above the liquid level is a space.
[0003]
[Patent Document 1]
JP-A-3-294611 [Patent Document 2]
JP-A-5-306654
[Problems to be solved by the invention]
However, the above prior art has the following problems.
In the oil pan disclosed in Japanese Unexamined Patent Publication No. 3-294611, return oil from a high-temperature engine enters the space between the inner wall and the outer wall and fills the space over the entire height. The heat radiation afterwards is good, but the heat is radiated even on the low temperature side, so the warm-up property is not good. The temperature rise characteristics of the oil are as shown in a characteristic B of FIG.
The oil pan disclosed in JP-A-5-306654 does not have a structure in which the return oil from the engine falls positively into the inner wall and thus does not actively flow into the space between the inner and outer walls. Oil temperature after warming up is too high. The temperature rise characteristics of the oil are as shown in a characteristic C of FIG. Warm-up performance and prevention of overheating of oil temperature after warm-up are not compatible. As a result, oil deterioration, deterioration of resin and rubber parts are promoted, and bearing lubrication, piston cooling and the like are deteriorated, so that the durability of the engine is reduced. As a result, an oil cooler needs to be installed as a countermeasure, resulting in an increase in cost.
An object of the present invention is to provide an oil pan that has good warm-up properties, has good heat radiation at high temperatures after warm-up, and does not have an excessively high oil temperature.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The present invention that achieves the above object is as follows.
(1) An oil pan having a double wall structure including an inner wall and an outer wall, wherein a slope is formed on a part of the inner wall so as to descend toward an oil strainer in the inner wall, and the inner wall and the inner and outer walls are formed on the slope. An oil pan provided with a large number of communication holes communicating with the interspace, and returning oil from the engine to a portion of the inclined surface located above the oil level in the space between the inner and outer walls.
(2) An oil pan having a double wall structure including an inner wall and an outer wall, wherein an oil reservoir and a first communication hole are provided in a portion of the inner wall located above a liquid level of oil in a space between the inner and outer walls. An oil pan provided with a second communication hole communicating between the inside and outside of the inner wall at a portion of the inner wall immersed in oil, so as to return oil from an engine to the oil reservoir.
[0006]
In the oil pan of the above (1), since the oil temperature is low at the time of warming up, the viscosity of the oil is high and the oil does not easily pass through the communication hole on the slope of the inner wall, and the oil in the inner wall mainly circulates through the engine to circulate the inner and outer walls. The oil does not circulate much in the engine, and as a result, the amount of circulation decreases, the oil temperature rises quickly, and the warm-up property is good. After warming up, the oil temperature is high, so the oil viscosity is low and the oil easily passes through the communication hole on the slope of the inner wall, the oil between the inner and outer walls also circulates through the engine, increasing the amount of oil circulation and increasing the oil temperature rise A large amount of poor and high-temperature oil warmed by the engine flows into the space between the inner and outer walls, radiating heat from the outer wall is good, and an increase in oil temperature is suppressed. As a result, overheating of the oil temperature is suppressed.
In the oil pan of the above (2), the oil temperature is low during warm-up, so that the oil has a high viscosity and does not easily pass through the first communication hole of the oil reservoir, and the oil in the inner wall mainly circulates through the engine to circulate through the inner and outer walls. The oil does not circulate much in the engine, and as a result, the amount of circulation decreases, the oil temperature rises quickly, and the warm-up property is good. After warming up, the oil temperature is high, so the oil viscosity is low and it is easy for the oil to pass through the first communication hole of the oil reservoir, the oil between the inner and outer walls circulates through the engine, and the amount of oil circulation increases and the oil temperature rises In addition, a large amount of oil heated at a high temperature and heated by the engine flows into the space between the inner and outer walls, so that heat is radiated from the outer wall, and the rise in oil temperature is further suppressed. As a result, overheating of the oil temperature is suppressed.
[0007]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the oil pan of the present invention will be described with reference to FIGS. 1 and 2 show a first embodiment of the present invention, and FIG. 3 shows a second embodiment of the present invention. FIG. 4 shows characteristics that can be commonly applied to the first and second embodiments of the present invention. Component names common to the first and second embodiments of the present invention are given the same reference numerals in both embodiments.
[0008]
First Embodiment An oil pan according to a first embodiment of the present invention will be described.
The oil pan 2 according to the first embodiment of the present invention is fixed to a lower portion of the cylinder block 1. The oil pan 2 according to the first embodiment of the present invention includes an oil pan having a double wall structure having an inner wall 4 and an outer wall 3 and having a space 18 between the inner wall 4 and the outer wall 3.
A slope 5 is formed on a part of the inner wall 4 so as to descend toward an oil strainer 6 arranged in the inner wall 4. The lower end of the oil strainer 6 is immersed in the oil liquid in the inner wall 4.
[0009]
The slope portion 5 is provided with a large number of communication holes 14 that communicate the inside of the inner wall and the space 18 between the inner and outer walls. The communication hole 14 may be, for example, a hole 14 of a punch plate 15 as shown in FIG. 2A, or a hole 14 of a mesh 16 as shown in FIG. 2B. Alternatively, other multiple holes may be used.
A part of the slope 5 is located in a space above the liquid level 7 of the oil in the oil pan, and the remaining part is immersed in the oil in the oil pan. The oil flows from the oil strainer 6 to the oil pump as shown by the arrow 8. The oil pumped by the oil pump circulates through various parts of the engine and is returned to the oil pan.
[0010]
The slope 5 is disposed in a portion of the slope 5 located in a space above the oil level 7 in the space 18 between the inner and outer walls so that the return oil 9 from the engine flows down.
A baffle plate 17 as a guide plate on the inner wall 4 is provided on the inner wall 4 to effectively return the return oil 9 from the engine to the portion of the slope 5 located above the oil level 7 in the space 18 between the inner and outer walls. May be provided. By providing the baffle plate 17, it is possible to effectively guide the oil to the slope 5 in the case of an engine in which there are several flows from the engine to the oil pan.
A drain plug 12 is provided on the bottom of the oil pan.
[0011]
The operation of the oil pan according to the first embodiment of the present invention will be described.
Before the warm-up, the oil temperature is low and the oil viscosity is high, so that it is difficult for the oil to pass through many small communication holes 14 in the slope 5. The oil tends to flow along the slope 5 as shown by the arrow 10. Further, even if a part of the oil passes through the communication hole 14 of the slope 5, a part of the oil passes through the communication hole 14 of the slope 5 and returns to the slope while flowing along the slope 5, and the oil returns to the slope. The action flowing along 5 is strengthened.
As a result, most of the return oil from the engine flows along the slope 5 and flows to the oil strainer 6 without passing through the space 18 between the inner and outer walls. Since the amount of oil circulating in the space 18 between the inner and outer walls is small, the amount of oil circulating in the engine becomes a part of the total amount of oil, and the oil is effectively warmed by the engine and has good warm-up properties.
[0012]
After warming up, the oil temperature is high and the oil viscosity is low, so that the oil easily passes through a large number of small communication holes 14 in the slope 5. In addition, since the viscosity is low, it is easy to drop away from the slope 5.
As a result, most of the oil returned from the engine falls through the communication hole 14 of the slope 5 as shown by the arrow 11, and flows to the oil strainer 6 via the space 18 between the inner and outer walls. . Since the oil in the space 18 between the inner and outer walls also circulates, almost all of the oil circulates in the engine, the heat capacity of the engine circulating oil increases, and the temperature rise of the oil by the engine becomes gentle. Further, since most of the oil warmed by the engine circulates in the space 18 between the inner and outer walls, the temperature of the oil in the space 18 between the inner and outer walls becomes higher, the heat radiation from the outer wall 3 increases, and the temperature of the oil is overheated. Disappears.
As a result, the oil temperature at the time of high load is reduced, and the durability of the engine is improved. In addition, since the oil flow on the outer wall 3 becomes gentler than that of the conventional oil pan, sludge is easily accumulated on the outer wall 3 and recirculation from the strainer is reduced. Sludge is discharged from the drain plug 12 at the time of oil change.
[0013]
The characteristic A in FIG. 4 shows the oil temperature characteristic of the first embodiment of the present invention.
As shown in FIG. 4, when the engine is warmed up, a conventional oil pan having a single-wall structure (shown as a characteristic D in FIG. 4) or an oil pan shown in a characteristic B in Japanese Patent Application Laid-Open No. 3-294611 is used. As a result, the temperature rise characteristics of the oil are improved, and the engine can be quickly warmed up.
Further, after the warm-up, overheating of the oil is suppressed and the maximum oil temperature after the warm-up is lower than that of the conventional oil pan having a double wall structure disclosed in JP-A-5-306654 shown in the characteristic C. .
Also, in the case of an engine having a plurality of flows from the engine to the oil pan 2, by separating the entrance to the oil pan 2 from the strainer 6, the oil residence time in the oil pan 2 after warm-up becomes longer, Air bubbles in the oil are easily separated.
[0014]
Second Embodiment An oil pan according to a second embodiment of the present invention will be described.
The oil pan 2 according to the second embodiment of the present invention is fixed to a lower part of the cylinder block 1. The oil pan 2 according to the second embodiment of the present invention includes an oil pan having an inner wall 4 and an outer wall 3 and a double wall structure having a space 18 between the inner wall 4 and the outer wall 3.
An oil reservoir 13 is provided in a portion of the inner wall 4 located above the oil level 7 in the space 18 between the inner and outer walls, and a first communication hole 19 is provided in a portion of the oil reservoir 13 immersed in oil. In addition, a second communication hole 20 that communicates the inside and outside of the inner wall 4 is provided in a portion of the inner wall 4 that is immersed in oil.
[0015]
The first communication hole 19 may be a plurality of small holes (for example, a number of holes in a punch plate or a number of holes in a mesh as shown in FIG. 2 in the first embodiment of the present invention). Similarly, the second communication hole 20 may be a plurality of small holes (for example, many holes in a punch plate or many holes in a mesh).
The volume of the oil reservoir 13 is smaller than the volume of the oil reservoir 21 in which the oil strainer 6 is immersed.
[0016]
The return oil 9 from the engine flows down to the oil reservoir 13.
A baffle plate 17 may be provided as a guide plate on the inner wall 4 to effectively return the return oil 9 from the engine to the oil reservoir 13. By providing the baffle plate 17, it is possible to effectively guide the oil to the oil reservoir 13 in the case of an engine in which there are several flows from the engine to the oil pan.
A drain plug 12 is provided on the bottom of the oil pan.
[0017]
The operation of the oil pan according to the second embodiment of the present invention will be described.
Before the warm-up, the oil temperature is low and the oil viscosity is high, so that it is difficult for the oil to pass through the first communication hole 19 of the oil reservoir 13. Most of the oil overflows the oil reservoir 13 on the inner wall 4 and flows into the oil reservoir 21 in which the oil strainer 6 is immersed, as indicated by the arrow 10. Part of the oil passes through the first communication hole 19 of the oil reservoir 13 and falls on the oil level 7 in the space 18 between the inner and outer walls, but the amount is small.
As a result, most of the return oil from the engine overflows the oil reservoir 13 on the inner wall 4 and flows to the oil reservoir 21 and flows to the oil strainer 6 without passing through the space 18 between the inner and outer walls. Since the amount of oil circulating in the space 18 between the inner and outer walls is small, the amount of oil circulating in the engine becomes a part of the total amount of oil, and the oil is effectively warmed by the engine and has good warm-up properties.
[0018]
After warming up, the oil temperature is high and the oil viscosity is low, so that the oil easily passes through the first communication hole 19 of the oil reservoir 13.
As a result, most of the oil returned from the engine falls through the first communication hole 19 of the oil reservoir 13 as shown by the arrow 11, and passes through the space 18 between the inner and outer walls to form the second communication. It flows through the hole 20 to the oil strainer 6. Since the oil in the space 18 between the inner and outer walls also circulates, almost all of the oil circulates in the engine, the heat capacity of the engine circulating oil increases, and the temperature rise of the oil by the engine becomes gentle. Further, since most of the oil warmed by the engine circulates in the space 18 between the inner and outer walls, the temperature of the oil in the space 18 between the inner and outer walls becomes higher, the heat radiation from the outer wall 3 increases, and the temperature of the oil is overheated. Disappears.
As a result, the oil temperature at the time of high load is reduced, and the durability of the engine is improved. In addition, since the oil flow on the outer wall 3 becomes gentler than that of the conventional oil pan, sludge is easily accumulated on the outer wall 3 and recirculation from the strainer is reduced. Sludge is discharged from the drain plug 12 at the time of oil change.
[0019]
The characteristic A in FIG. 4 shows the oil temperature characteristic of the second embodiment of the present invention (similar to the oil temperature characteristic of the first embodiment of the present invention).
As shown in FIG. 4, when the engine is warmed up, a conventional oil pan having a single-wall structure (shown as a characteristic D in FIG. 4) or an oil pan shown in a characteristic B in Japanese Patent Application Laid-Open No. 3-294611 is used. As a result, the temperature rise characteristics of the oil are improved, and the engine can be quickly warmed up.
Further, after the warm-up, overheating of the oil is suppressed and the maximum oil temperature after the warm-up is lower than that of the conventional oil pan having a double wall structure disclosed in JP-A-5-306654 shown in the characteristic C. .
Also, in the case of an engine having a plurality of flows from the engine to the oil pan 2, by separating the entrance to the oil pan 2 from the strainer 6, the oil residence time in the oil pan 2 after warm-up becomes longer, Air bubbles in the oil are easily separated.
[0020]
【The invention's effect】
According to the oil pan of the first aspect, since the slope portion having the communication hole is provided on the inner wall, the oil temperature is low at the time of warm-up, so that the viscosity of the oil is high and the oil hardly passes through the communication hole on the slope portion of the inner wall, The oil in the inner wall mainly circulates through the engine, and the oil between the inner and outer walls does not circulate much in the engine. As a result, the amount of circulation decreases, the oil temperature rises quickly, and the warm-up property is good. After warming up, the oil temperature is high, so the viscosity of the oil is low and the oil easily passes through the communication hole on the slope of the inner wall, and the oil between the inner and outer walls circulates through the engine, increasing the amount of oil circulation and increasing the oil temperature. A large amount of oil, which has poor performance and is warmed by the engine, flows into the space between the inner and outer walls, radiates heat from the outer wall well, and suppresses a rise in oil temperature. As a result, overheating of the oil temperature is suppressed.
According to the oil pan of the second aspect, since the oil reservoir having the first communication hole is provided on the inner wall, the oil temperature is low at the time of warm-up, so that the viscosity of the oil is high and the oil is in the first communication hole of the oil reservoir. The oil in the inner wall circulates mainly through the engine, and the oil between the inner and outer walls does not circulate much in the engine. As a result, the amount of circulation decreases, the oil temperature rises quickly, and the warm-up property is good. After warming up, since the oil temperature is high, the viscosity of the oil is low and it is easy for the oil to pass through the first communication hole of the oil reservoir, the oil between the inner and outer walls circulates through the engine, and the amount of oil circulation increases and the oil rises. A large amount of oil, which is poor in thermal properties and warmed by the engine, flows into the space between the inner and outer walls, radiates heat from the outer wall well, and suppresses an increase in oil temperature. As a result, overheating of the oil temperature is suppressed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view of an oil pan according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a partially enlarged plan view of a slope portion of the oil pan according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a sectional view of an oil pan according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a characteristic diagram of oil temperature (a relationship diagram between oil temperature and time) according to the first and second embodiments of the present invention. Conventional oil temperature characteristics are also shown.
[Explanation of symbols]
REFERENCE SIGNS LIST 1 engine cylinder block 2 oil pan 3 outer wall 4 inner wall 5 slope 6 oil strainer 7 oil level 8 oil flow to oil pump 9 return oil from engine 10 oil flow at low oil temperature 11 oil flow at high oil temperature 12 drain plug 13 oil reservoir 14 communication hole 15 punch plate 16 mesh 17 baffle plate 18 space between inner and outer walls 19 first communication hole 20 second communication hole 21 oil reservoir in which oil strainer is immersed
