JP2004217652A - コーティング製剤およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本化合物を含む裸錠に対してルチル型酸化チタンを含むコーティング層が設けられているコーティング製剤であって、前記コーティング層が篩を通過した実質的に均質なコーティング剤により形成されたものであり、ルチル型酸化チタンの含有量が裸錠中の本化合物に対して4.5〜8.5質量%であり、かつフィルム基剤に対して50〜100質量%であることを特徴とする黒ずみのないコーティング製剤。
【選択図】 なし
Description
[1]5−[(1Z,2E)−2−メチル−3−フェニル−2−プロペニリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−3−チアゾリジン酢酸を含む裸錠に対してルチル型酸化チタンを含むコーティング層が設けられているコーティング製剤であって、前記コーティング層が篩を通過した実質的に均質なコーティング剤により形成されたものであり、ルチル型酸化チタンの含有量が裸錠中の5−[(1Z,2E)−2−メチル−3−フェニル−2−プロペニリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−3−チアゾリジン酢酸(本化合物)に対して4.5〜8.5質量%であり、かつフィルム基剤に対して50〜100質量%であることを特徴とする黒ずみのないコーティング製剤。
[2]篩の目開きが、約30〜300μmである前記1記載のコーティング製剤。
[3]篩の目開きが、約50〜150μmである前記1記載のコーティング製剤。
[4]篩の目開きが、約75μmである前記1記載のコーティング製剤。
[5]コーティング剤が超音波分散装置を用いて調製されたものである前記1記載のコーティング製剤。
[6]フィルム基剤に対して50〜100質量%のルチル型酸化チタンを含有し、篩を通過した実質的に均質なコーティング剤を用いて本化合物を含む裸錠にコーティングすることを特徴とする黒ずみのないコーティング製剤の製造方法。
[7]フィルム基剤に対して50〜100質量%のルチル型酸化チタンを含有し、篩を通過した実質的に均質であることを特徴とする本化合物裸錠用のコーティング剤。
本発明のコーティング製剤は、好みの色に着色しても構わない。好ましい色は白色である。
常法により、5−[(1Z,2E)−2−メチル−3−フェニル−2−プロペニリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−3−チアゾリジン酢酸(本化合物)、賦形剤(D−マンニトール、5060g)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、660g)、崩壊剤(カルボキシメチルセルロースカルシウム、220g)および滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、60g)を用いて、1錠(110mg)当たり有効成分として本化合物を50mg含有する錠剤(裸錠)を10万錠製造した。
水6.25kgにHPMC(TC−5E、信越化学工業(株)製)495gを溶解し、その混合液に循環式超音波ホモジナイザー(RUS−600TCVP,(株)日本精機製作所製)を用いて酸化チタン(ルチル型、東邦チタニウム社製)330gを分散させてコーティング剤を製造した。その後、コーティング剤を200号篩(目開き75μm)を通過させ、前記の錠剤に4時間かけてコーティングし、酸化チタンをフィルム基剤および本化合物に対してそれぞれ66.7質量%および6.6質量%含むコーティング層が形成されたコーティング製剤を得た。
実施例1と同様にして、本化合物、賦形剤、結合剤、崩壊剤および滑沢剤を用いて、1錠当たり有効成分として本化合物を50mg含有する錠剤(裸錠)を10万錠製造した。
水1.25kgにHPMC(TC−5E、信越化学工業(株)製)99gを溶解し、その混合液に循環式超音波ホモジナイザー(RUS−600TCVP,(株)日本精機製作所製)を用いて酸化チタン(ルチル型、東邦チタニウム社製)66gを分散させてコーティング剤を製造した。その後、コーティング剤を200号篩(目開き75μm)を通過させ、前記の錠剤に50分かけてコーティングし、酸化チタンをフィルム基剤および本化合物に対してそれぞれ66.7質量%および1.32質量%含むコーティング層が形成されたコーティング製剤を得た。
実施例1と同様にして、本化合物、賦形剤、結合剤、崩壊剤および滑沢剤を用いて、1錠当たり有効成分として本化合物を50mg含有する錠剤(裸錠)を10万錠製造した。
水6.25kgにHPMC(TC−5E、信越化学工業(株)製)495gを溶解し、その混合液に循環式超音波ホモジナイザー(RUS−600TCVP,(株)日本精機製作所製)を用いて酸化チタン(ルチル型、東邦チタニウム社製)330gを分散させてコーティング剤を製造した。そのコーティング剤を200号篩(目開き75μm)を通過させてから、前記の錠剤に2時間45分かけてコーティングし、内膜層を形成した。このコーティングされた錠剤を取り出し、機械内部を洗浄後、再投入した。そして残りのコーティング剤を1時間10分かけてコーティングし、外膜層を形成した。得られたコーティング層中の酸化チタンの量はフィルム基剤に対して66.7質量%、本化合物に対して6.6質量%であった。
さらに、水1.05kgにHPMC(TC−5E、信越化学工業(株)製)55gを溶解して製造したコーティング剤を、前記錠剤に40分かけてコーティングした。続いて、水830gにポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)(PEP−101,フロイント産業社製)を溶解し、30分かけてコーティングした。
得られたコーティング層の内膜層の厚みは約30μm、外膜層の厚みは約15μm、セルロース層の厚みは約2.5μmであった。
常法により、本化合物、賦形剤、結合剤、崩壊剤および滑沢剤を用いて、1錠当たり有効成分として本化合物を50mg含有する錠剤を10万錠製造した。
水6.25kgにHPMC(TC−5E、信越化学工業(株)製)495gを溶解し、その混合液にホモジナイザー(LR400C型,ヤマト科学(株)製)を用いて酸化チタン(ルチル型、東邦チタニウム社製)330gを分散させてコーティング剤を製造した。その後、そのコーティング剤を200号篩(目開き75μm)に通過させようとしたができなかったので、篩を通過させずに比較例1で製造した錠剤に、4時間かけてコーティングした。
水6.25kgにHPMC(TC−5E、信越化学工業(株)製)495gを溶解し、その混合液にプロペラ式撹拌機(T.K.HOMO MIXER M型,特殊機化工業(株)製)を用いて酸化チタン(ルチル型、東邦チタニウム社製)330gを分散させようしたが、全く分散しなかったため比較例1で製造した錠剤にコーティングを施すことができなかった。
実施例1および比較例1で製造した製剤をシャーレに並べ、太陽光を8時間照射した後の、本化合物の残存率、およびそれが二量体および異性体に変化した割合を高速液体カラムクロマトグラフィーで測定した。結果を表1に示す。
実施例2および比較例1で製造した製剤をシャーレに並べ、太陽光を16時間照射した後の、本化合物の残存率、およびそれが二量体および異性体に変化した割合を高速液体カラムクロマトグラフィーで測定した。結果を表2に示す。
使用カラム:Develosil ODS-5 (NOMURA CHEMICAL)、
流速 :0.9ml/分、
溶媒 :0.05Mリン酸塩緩衝液(pH6〜6.5):アセトニトリル=2:1、
検出波長 :280nm、
保持時間 :4.0分(二量体),10.5分(異性体),11.8分(本化合物)、
温度 :室温。
実施例1および比較例2で製造した製剤を、製剤直後の錠剤表面の色の変化について目視による官能試験を行った。結果を表3に示す。
比較例3においては、酸化チタンはまったく分散せず、凝集物が大量に発生したたため、コーティング剤として相応しいものではなく、またコーティング自体行なえなかった。
実施例1で製造した製剤を、苛酷条件、すなわち40℃、湿度80%下で、1週間保存した後、それぞれの錠剤表面の色の変化を、目視による官能試験および分光測色計(ミノルタ社製,型式3500d)を用いて測定した色差値△Eにより評価した。
その結果、製剤表面の色は白色のままで変化せず、色差値△Eは2.20であった。このように、本発明の製剤は、一定条件下での保存においても、変色することがなく安定に保たれた。
Claims (7)
- 5−[(1Z,2E)−2−メチル−3−フェニル−2−プロペニリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−3−チアゾリジン酢酸を含む裸錠に対してルチル型酸化チタンを含むコーティング層が設けられているコーティング製剤であって、前記コーティング層が篩を通過した実質的に均質なコーティング剤により形成されたものであり、ルチル型酸化チタンの含有量が裸錠中の5−[(1Z,2E)−2−メチル−3−フェニル−2−プロペニリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−3−チアゾリジン酢酸に対して4.5〜8.5質量%であり、かつフィルム基剤に対して50〜100質量%であることを特徴とする黒ずみのないコーティング製剤。
- 篩の目開きが、約30〜300μmである請求項1記載のコーティング製剤。
- 篩の目開きが、約50〜150μmである請求項1記載のコーティング製剤。
- 篩の目開きが、約75μmである請求項1記載のコーティング製剤。
- コーティング剤が超音波分散装置を用いて調製されたものである請求項1記載のコーティング製剤。
- フィルム基剤に対して50〜100質量%のルチル型酸化チタンを含有し、篩を通過した実質的に均質なコーティング剤を用いて5−[(1Z,2E)−2−メチル−3−フェニル−2−プロペニリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−3−チアゾリジン酢酸を含む裸錠にコーティングすることを特徴とする黒ずみのないコーティング製剤の製造方法。
- フィルム基剤に対して50〜100質量%のルチル型酸化チタンを含有し、篩を通過した実質的に均質であることを特徴とする5−[(1Z,2E)−2−メチル−3−フェニル−2−プロペニリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−3−チアゾリジン酢酸裸錠用のコーティング剤。
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