JP2004216803A - 化粧金属板 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属板に透明樹脂フィルムを被覆してなり、透明樹脂を透かして金属表面の美麗な光沢を透視可能であり、表面に手指を触れても指紋等の接触跡が残らず、引っ掻き疵が付いても目立つことのない化粧金属板を提供する。
【解決手段】透明な樹脂フィルム、または金属板の地肌を強調する模様を強調したり美麗な色調を付与するする印刷を施した透明な樹脂フィルムを金属板に被覆し、さらに樹脂フィルム上に選択的にハードコート層を設ける。
【選択図】 無し
【解決手段】透明な樹脂フィルム、または金属板の地肌を強調する模様を強調したり美麗な色調を付与するする印刷を施した透明な樹脂フィルムを金属板に被覆し、さらに樹脂フィルム上に選択的にハードコート層を設ける。
【選択図】 無し
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板に樹脂フィルムを被覆してなる化粧金属板に関し、特に透明樹脂フィルムまたは金属板表面を透視可能な印刷を施した透明樹脂フィルムを金属板に被覆してなり、金属地肌が透明樹脂を透かして見えることを特徴とする化粧金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、冷蔵庫などの家電製品、キャビネットなどの事務機器、システムキッチンなどの住宅設備機器などの用途に、ステンレス鋼板やめっき鋼板などの金属板を、塗装などを施さずに金属板の地肌の美麗な光沢を活かして用いる試みが行われている。しかし金属板の地肌は、表面に手指を触れると指紋等の接触跡が残ったり、わずかな引っ掻き疵が付いても目立つなどの欠点を有している。そのため、金属板の表面に塗膜や樹脂フィルムなどの保護層を設けて手指等の接触跡や引っ掻き疵の発生を防止することが試みられているが、金属板の表面に透視可能な樹脂フィルムを保護膜として設けた例は見当たらない。化粧金属板ではないが、金属の地肌に金属地肌が透視可能な保護皮膜や外面被覆を形成させた例として、以下に示すものが挙げられる。
【0003】
自動車部品であるアルミニウム系合金のロードホイールの金属地肌面に透明な防食性厚膜塗料を塗布し、塗布前の金属地肌の透視性を損なわずに金属の腐食を防止し、かつ外的衝撃による付着阻害を防止することができる途膜の形成方法を開示している(例えば、特許文献1参照。)。この方法においては、ロードホイールの表面が三次元曲面であるため、塗装により保護用の途膜を形成させることは可能であるが、樹脂フィルムなどを被覆して保護皮膜とすることは極めてむずかしい。また、透視可能な印刷を曲面に施すことは極めて困難である。
【0004】
深絞り加工金属缶の外面被覆に用いた際に優れた成形加工性を有し、金属缶の外面被覆面に印刷を施していない部分は金属地肌が透視可能であり、かつ金属板をレトルト殺菌処理した際に外面被覆に白化斑の発生がない、深絞り加工金属缶の外面被覆に用いるポリエステル積層フィルムを開示している(例えば特許文献2参照。)。この深絞り加工金属缶の外面被覆に用いるポリエステルフィルムは、成形加工性を確保するとともにレトルト殺菌処理時の白化斑の発生を防止するために、100〜160℃の結晶化温度を有し、さらに平均粒径が0.01〜2.5μmの滑材0.01〜1重量%配合した特殊なポリエステルフィルムを用いなくてはならず、汎用の安価な樹脂フィルムを用いることができない。
【0005】
本出願に関する先行技術文献情報として次のものがある。
【特許文献1】
特開平06−057178号公報
【特許文献2】
特開平09−277476号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、金属板に透明樹脂フィルムを被覆してなり、透明樹脂を透かして金属表面の美麗な光沢を透視可能であり、表面に手指を触れても指紋等の接触跡が残らず、引っ掻き疵が付いても目立つことのない化粧金属板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の化粧金属板は、金属板上に、金属板表面を透視可能な樹脂フィルムを被覆してなる化粧金属板(請求項1)であり、
金属板が、圧延方向に沿った線状模様の粗面を有すること(請求項2)、
金属板が、ショットブラストロール面の転写面の粗面を有すること(請求項3)、
樹脂フィルムが、透視可能な印刷層を設けてなる透明樹脂フィルムであること(請求項4)、
印刷層が平行な直線群からなる模様で設けられてなること(請求項5)、
樹脂フィルムに印刷された平行な直線群からなる模様の直線群が、金属板の粗面の圧延方向に沿った線状模様と平行になるように樹脂フィルムを被覆してなること(請求項6)、
金属板と樹脂フィルムの間に接着剤を介在してなること(請求項7)、
樹脂フィルムが、ポリエステル樹脂の2軸延伸フィルムであること(請求項8)、
ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートであること(請求項9)、
金属板がステンレス鋼板であること(請求項10)、
金属板がめっき鋼板であること(請求項11)、
樹脂フィルムの表面に透明なハードコート層を設けてなること(請求項12)、
ハードコート層の硬さが鉛筆硬度でHB以上であること(請求項13)を特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。まず、本発明の化粧金属板は、塗装などを施さずに金属板の地肌の美麗な光沢を活かして、冷蔵庫などの家電製品、キャビネットなどの事務機器、システムキッチンなどの住宅設備機器などに適用することを目的とするが、金属板の地肌は表面に手指を触れると指紋等の接触跡が残ったり、わずかな引っ掻き疵が付いても目立つため、本発明の化粧金属板は、金属板板上に金属板表面を透視可能な樹脂フィルムを被覆して構成される。金属板としては、長期間にわたって表面に錆や汚れが発生することがなく、折り曲げ加工などの加工が容易であるものが必要とされ、ステンレス鋼板、アルミニウム合金板、表面処理鋼板、めっき鋼板などを用いることができる。ステンレス鋼板を冷蔵庫に適用する場合は、JIS規格SUS430などの磁石に吸着する強磁性ステンレス鋼板であることが好ましい。加工性および重量の観点から金属板の厚さは0.2〜0.6mmであることが好ましく、0.3〜0.5mmであることがより好ましい。
【0009】
これらの金属板は、圧延工程を経て板状に成形されるので、表面には圧延に用いた圧延ロール表面の凹凸が転写される。表面が凹凸のない鏡面であるロールを用いた場合は、金属板表面は凹凸模様のない鏡面となるが、砥石を用いて研削加工して粗面化したロールを用いた場合、ロールの周方向に沿って研削が行われ、線状の凹凸模様が形成されるので、砥石研削による圧延ロールを用いた場合は、金属板表面に圧延方向に沿った線状の凹凸模様が形成される。またショットブラストで粗面化したロールを用いた場合は、ロールのショットブラスト面の転写面の粗面模様が形成される。これらの凹凸模様は金属板の典型的な表面外観であり、意匠的にも美麗な模様である。この凹凸模様の強弱は、圧延ロール表面の粗面加工条件を調節することにより、用途や好みに応じて選択的に設けることができる。しかし、金属板の表面が鏡面であったり、凹凸模様が薄く、すなわち、表面の粗さ(凹凸部の高さ)が小さかったり、凹凸部が疎らに形成されている場合は、金属板に硬い物質が当たったり擦過して疵が付いた場合、非常に目立ってしまう。凹凸模様が濃く、すなわち、表面の粗さ(凹凸部の高さ)が大きかったり、凹凸部が密に形成されている場合は、疵が付いても目立たなくなるが、模様が強すぎて好みの美麗な表面とはならないこともある。以上の観点から、金属板の表面粗さは算術平均粗さ(Ra,JIS B 0601)で0.02〜2μmであることが好ましく、0.15〜1μmであることがより好ましい。また、裸の金属板に手指などが接触すると、その跡が残ってしまい、汚れた外観となる。そのため、上記のように金属板の表面に好みの表面模様を付与した後、金属板表面に透明な樹脂フィルムを被覆することにより、金属板の地肌が透かして見えつつ、表面に疵が付いても目立たず、手指などが接触してもその跡が残ることがなくなり、美麗な表面が損なわれることのない化粧金属板とすることができる。
【0010】
上記の金属板のうち、ステンレス鋼板やアルミニウム合金板は、そのまま樹脂フィルムを被覆してもよいが、樹脂フィルムとの接着性を高めるための化成処理を施してもよい。また、自身の色調とは異なる色調の金属、例えば銅などをめっきしてもよい。金属板として一般の低炭素鋼板を用いる場合は、耐食性や耐錆性の観点から表面処理やめっきを施す必要がある。表面処理としては、極く薄い金属クロムとクロム水和酸化物からなる、有機被膜との接着性に優れる2層皮膜を形成させる電解クロム酸処理や、リン酸やポリアクリル酸などをベースとして用いるノンクロム処理などが好ましく、めっきとしては、ニッケルめっき、亜鉛めっき、錫めっき、銅めっき、クロムめっき、アルミニウムめっき、またはこれらのめっき金属の2種以上からなる合金めっきが好ましい。また、めっき後、めっき層と鋼板との接着性や耐食性を向上させるために熱拡散処理を施してもよい。さらに、めっき鋼板と樹脂フィルムとの接着性を高めるために、めっき上に上記の電解クロム酸処理やノンクロム処理を施してもよい。
【0011】
樹脂フィルムとしては透明、もしくは金属板に積層した際に金属板が透視可能な程度に着色顔料が添加されてもよく、金属板に接着可能であり、かつ金属板に被覆して被覆金属板とした後に折り曲げ加工などの加工が可能で有れば特に制限するものではなく、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカボネート、アクリル樹脂、フッ素樹脂、塩ビなどの樹脂からなるフィルムなどを用いることができるが、使用後の廃却時に環境に悪影響を及ぼすことがなく、さらに物性として表面に擦疵などが付きにくく、加工性に富み、樹脂フィルムとして適度な硬度と腰の強さ(剛性)を有し、透明性に優れ、印刷が容易なポリエステル樹脂の2軸延伸フィルムを用いることが好ましい。ポリエステル樹脂としてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、またはこれらを構成する多塩基酸や多価アルコールの一部をそれぞれ他の多塩基酸や多価アルコールに置換してなる、エチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体などを初めとする共重合ポリエステル、またはこれらの樹脂の2種類以上をブレンドしてなる樹脂を用いることができるが、なかでも廉価であることからポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィルムを用いることが好ましい。樹脂フィルムの厚さは15〜50μmであることが好ましく、20〜35μmであることがより好ましい。
【0012】
これらの樹脂フィルムは透明、もしくは金属板に積層した際に金属板が等し可能な程度に着色顔料が添加された樹脂フィルムとして金属板に被覆して用いられる。着色した透明樹脂フィルムを金属板に被覆した場合は、美麗な金属地肌の光沢および模様と樹脂フィルムの美麗な色調が相俟って、さらに優れた意匠性を有する化粧金属板とすることができる。
【0013】
またさらに、上記の透明樹脂フィルム、または金属板に積層した際に金属板が透視可能な程度に着色顔料が添加された樹脂フィルムに印刷層を設けることにより、金属地肌の模様に立体感を増幅させることもできる。この印刷層は、コントラストが薄く、印刷模様の輪郭を表す線が細い、透明樹脂フィルムに印刷したままでは微かに視認できる程度に設けることにより、透明樹脂フィルムを透かして金属地肌の模様を見た際の立体感を増幅させることができる。印刷模様としては、金属板の地肌の圧延方向に沿った模様と平行となる連続直線状または断続直線状の模様の印刷(ヘアーライン印刷)、トタン板などに見られる溶融亜鉛めっきの亜鉛の粗大結晶粒の模様を模した印刷(スパングル印刷)、または半透明で深みを感じさせるベタ状の印刷などが好ましい。
【0014】
上記の樹脂フィルムを先に述べた金属板に積層して被覆し、化粧金属板とする。印刷層を設けない透明樹脂フィルムを金属板に積層する場合は、熱接着のみで、すなわち、金属板を樹脂フィルムの溶融温度以上に加熱し、加熱した金属板に樹脂フイルムを当接して圧接ロールで両者を挟み付けて接着することもできるが、この方法は樹脂フィルムの金属板と接する部分を溶融させるため、均一な接着強度と接着後の樹脂フィルムの均一な硬さを両立させるためには極めて狭い熱接着条件を厳密に制御する必要があり、生産性に乏しい。また、印刷層を設けた樹脂フィルムを適用した場合、加熱により印刷が歪むことがある。そのため、金属板と樹脂フィルムの間に接着剤を介在させて両者を接着することが好ましい。接着剤を介在させて接着することにより、均一な接着強度が得られるようになり、樹脂フィルムが溶融することがないので、樹脂フィルムの硬さも全長にわたって一定に保つことができる。
【0015】
接着剤は樹脂フィルムまたは金属板のいずれかのそれぞれの接着予定面に塗布して設けてもよいし、より優れた接着強度を得るために、樹脂フィルムと金属板の両方のそれぞれの接着予定面に塗布して設けてもよい。また、樹脂フィルムに予め接着剤層を設けた後、その上に上記の印刷層を設けてもよい。接着剤としては、ポリエステル樹脂系、ウレタン樹脂系、ポリエステルウレタン樹脂系、尿素樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、エチレン−ビニルアセテート樹脂系、アクリル樹脂系などの接着剤を用いることができる。さらに、上記のベタ状の印刷を施す場合は、接着剤に顔料を含有させることにより、印刷層に接着剤としての機能を担わせることもできる。
【0016】
接着剤を介して金属板と樹脂フィルムを積層する場合は、金属板または樹脂フィルムのいずれかの接着剤塗布面が相手側と接するように、または金属板と樹脂フィルムの両方の接着剤塗布面同士が接するようにして両者を当接し、圧接ロールで両者を挟み付けて接着する。この時、オーブン等を用いて金属板を接着剤が熱融着を開始する温度以上に加熱しておくと優れた接着強度が得られる。以上のようにして、樹脂フィルム被覆金属板が得られる。
【0017】
以上のようにして得られる樹脂フィルム被覆金属板は、そのまま本発明の目的とする化粧金属板として用いてもよいが、樹脂フィルム被覆金属板の樹脂フィルム面を鏡面ロールを用いて加圧して鏡面加工することにより、金属板表面の凹凸模様や金属光沢をより鮮映に際立たせることができる。また、樹脂フィルム被覆金属板の樹脂フィルム面にハードコート層を設けることにより、樹脂フィルム面に耐疵付性を付与するとともに、手指が接触した際の跡をさらに残りにくくすることが可能となる。ハードコート層の硬さが鉛筆庫度でHB以上、好ましくはH以上であると、耐疵付性は極めて優れたものとなる。ハードコート層としては、メラミンエポキシ樹脂、アクリルメラミン樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂などを0.1〜4μmの厚さで塗布し、焼き付けることにより設けることができる。また、シリカなどの透明な無機質被膜を蒸着などにより形成させてもよい。
このようにして、本発明の化粧金属板を得ることができる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
[金属板の作成]
金属板として、ステンレス鋼(JIS規格SUS430)を圧延し、圧延工程の最終の圧延ロールとして、ロール圧延面の周方向に砥石を用いて研磨したロールを用い、板厚:0.4mmで圧延方向に断続的な直線状の圧延模様を有する表面粗さ(算術平均粗さ(Ra)JIS B 0601):0.15μmのステンレス鋼板を得た。
[印刷樹脂フィルムの作成]
厚さ:25μmの透明なポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィルムの片面に、ポリエステル樹脂系の接着剤を0.6μmの厚さに塗布し乾燥した。次いでこの接着剤塗布面に、薄い青色の細い平行な直線群からなる模様を印刷し、100℃で加熱乾燥した。
[樹脂フィルム被覆金属板の作成]
上記のステンレス鋼板の片面にポリエステルウレタン樹脂系の接着材を1.2μmの厚さに塗布し乾燥した。次いで接着剤を塗布したステンレス鋼板を200℃に加熱し、その接着剤塗布面に、その印刷面が接するようにして上記の印刷樹脂フィルムを当接し、一対の加圧ロールで両者を挟み付けて加圧し、樹脂フィルム被覆金属板を得た。なお、ステンレス鋼板に印刷を施した樹脂フィルムを当接する際に、ステンレス鋼板の断続的な直線状の圧延模様と、樹脂フィルムに印刷した薄い青色の細い平行な直線群からなる模様が平行になるように当接した。
[ハードコート層の形成]
上記のようにして得られた樹脂フィルム被覆金属板の樹脂フィルム面に、アクリルメラミン樹脂を2.4μmの厚さに塗布し150℃で加熱乾燥し、ハードコート層を形成させた。以上のようにして化粧金属板を作成した。
【0019】
(実施例2)
[金属板の作成]
金属板として、炭素量が0.02%である低炭素鋼の圧延低板上に、ワット浴を用いて電気めっき法により、厚さ:3μmの半光沢ニッケル層を形成させた。次いでめっきを施した鋼板を還元性雰囲気中で730℃に加熱してニッケルを鋼中に拡散させた。次いで調質圧延を施し、工程の最終の圧延ロールとして、ショットブラストで粗面化したロールを用い、板厚:0.4mmでロールのショットブラスト面が転写された粗面模様を有する表面粗さ(算術平均粗さ(Ra)JIS B 0601):0.86μmの被覆下地用のニッケルめっき鋼板とした。
[印刷樹脂フィルムの作成]
厚さ:28μmの透明なエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体(エチレンイソフタレート:11.2モル%)の2軸延伸フィルムの片面に、ポリエステル樹脂系の接着剤を0.4μmの厚さに塗布し乾燥した。次いでこの接着剤塗布面に、薄い青色のスパングル模様を印刷し、100℃で加熱乾燥した。
[樹脂フィルム被覆金属板の作成]
上記のニッケルめっき鋼板の片面にポリエステルウレタン樹脂系の接着剤を1.5μmの厚さに塗布し乾燥した。次いで接着剤を塗布したニッケルめっき鋼板を190℃に加熱し、その接着剤塗布面に、その印刷面が接するようにして上記の印刷樹脂フィルムを当接し、一対の加圧ロールで両者を挟み付けて加圧し、樹脂フィルム被覆金属板を得た。
[ハードコート層の形成]
上記のようにして得られた樹脂フィルム被覆金属板の樹脂フィルム面に、メラミンエポキシ樹脂を3.0μmの厚さに塗布し140℃で加熱乾燥し、ハードコート層を形成させた。このようにして化粧金属板を作成した。
【0020】
(実施例3)
[金属板の作成]
金属板として、実施例1に用いたのと同様のステンレス鋼板を、表面粗さを算術平均粗さ(Ra,JIS B 0601):0.62μmとした以外は実施例1と同様にしてステンレス鋼板を得た。
[樹脂フィルムの作成およびハードコート層の形成]
実施例1に用いたのと同様の透明なポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィルムの片面に、ポリエステル樹脂系の接着剤を0.4μmの厚さに塗布した。次いでこの接着剤塗布面に、半透明の黄色のベタを印刷を施し、110℃で加熱乾燥した。次いで、上記のようにして得られた樹脂フィルムの印刷を施していない面に、メラミンエポキシ樹脂を2.0μmの厚さに塗布し、150℃で加熱乾燥してハードコート層を形成させた。
[樹脂フィルム被覆金属板の作成]
上記のステンレス鋼板の片面にポリエステルウレタン樹脂系の接着剤を1.2μmの厚さに塗布し乾燥した。次いで接着剤を塗布したステンレス鋼板を220℃に加熱し、その接着剤塗布面に、その印刷面が接するようにして上記の印刷樹脂フィルムを当接し、一対の加圧ロールで両者を挟み付けて加圧し、樹脂フィルム被覆金属板を得た。
[鏡面加工]
上記のようにして樹脂フィルム表面にハードコート層を形成させた樹脂フィルム被覆金属板を210℃に加熱し、片方のロール表面が鏡面(Ra:0.02μm以下,JIS B 0601)である一対のロールを用い、樹脂フィルムのハードコート層が鏡面ロールと接するようにして両者を挟み付けて加圧し、樹脂フィルム面を鏡面とした。このようにして化粧金属板を作成した。
【0021】
上記のようにして得られた、化粧金属板について、下記の項目の特性を評価した。なお、比較用に、実施例1〜3に用いたそれぞれの金属板に樹脂フィルムを積層しない裸の金属板についても比較例1〜3として、同様にして特性を評価した。
【0022】
[ハードコートの硬さ]
JIS K 5401に基づく鉛筆引掻試験機を使用し、鉛筆(JIS S 6006)の芯の硬さ替えてハードコート層に引掻試験を実施し、ハードコート層に引掻疵が生じた芯の硬さの直前の芯の硬さをハードコートの硬さとした。
【0023】
[耐指紋性]
JIS K 2246に基づく人工汗(pH:3.3)を試料板の表面に押しつけて指紋の付着程度を評価した。また、指紋を付けた試料板を恒温恒湿(60℃、RH:95%)の雰囲気中で50時間放置した後の外観を肉眼観察し、変色の程度を下記の基準で評価した。
◎:指紋の付着、および変色は認められない。
○:わずかに指紋が付着し、わずかな変色が認められる。
△:かなりの程度に指紋が付着し、かなり変色が認められる。
×:指紋が著しく付着し、指紋付着部分の全面に変色が認められる。
【0024】
[引掻疵の目立ち程度]
試料板の表面に、けがき針を用いて金属板の地肌の圧延による直線模様と直角方向にけがき疵を付けた後の外観を肉眼観察し、けがき疵の目視状態を引掻疵の目立ち程度として下記の基準で評価した。
◎:直上から観察した場合にはけがき疵は認められないが、斜め上方から観察した場合に極くかすかにけがき疵が認められる。
○:直上から観察した場合でもかすかにけがき疵が認められる。
△:けがき疵がかなり明瞭に認められる。
×:けがき疵が全く明瞭に認められる。
これらの評価結果を表1に示す。
【0025】
[意匠性]
実施例1および2の化粧金属板については比較例1および2の裸の金属板との金属地肌の模様の強調の程度を、実施例3の化粧金属板については比較例3の裸の金属板との色調および深みについて、それぞれの特徴の差を評価した。
【0026】
【表1】
【0027】
表1に示すように、金属板に透明な樹脂フィルムを被覆し、さらに樹脂フィルム上にハードコート層を設けた実施例の化粧金属板は、いずれも耐指紋性に優れ、また表面に引掻疵が付いても目立つことがない。さらに、直線模様やスパングル模様を印刷した樹脂フィルムを金属板に積層した化粧金属板(実施例1および2)では金属地肌の模様が強調され、黄色のベタ印刷を施した樹脂フィルムを金属板に積層した化粧金属板(実施例3)では黄金色の美麗な色調を有するとともに深みが感じられ、いずれも優れた意匠性を有している。
【0028】
【発明の効果】
本発明の化粧金属板は、透明な樹脂フィルム、または金属板の地肌を強調する模様を強調したり美麗な色調を付与する印刷を施した透明な樹脂フィルムを金属板に被覆し、さらに樹脂フィルム上に選択的にハードコート層を設けたものであり、耐指紋性に優れるとともに表面に引掻疵が付いても目立つことがない。さらに、樹脂フィルムに施された印刷の模様や色調が、樹脂フィルムを透かして見える金属地肌模様と相俟って、優れた意匠性を示す。そのため、本発明の化粧金属板は金属地肌が見える冷蔵庫などの家電製品、キャビネットなどの事務機器、システムキッチンなどの住宅設備機器などに好適に適用することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板に樹脂フィルムを被覆してなる化粧金属板に関し、特に透明樹脂フィルムまたは金属板表面を透視可能な印刷を施した透明樹脂フィルムを金属板に被覆してなり、金属地肌が透明樹脂を透かして見えることを特徴とする化粧金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、冷蔵庫などの家電製品、キャビネットなどの事務機器、システムキッチンなどの住宅設備機器などの用途に、ステンレス鋼板やめっき鋼板などの金属板を、塗装などを施さずに金属板の地肌の美麗な光沢を活かして用いる試みが行われている。しかし金属板の地肌は、表面に手指を触れると指紋等の接触跡が残ったり、わずかな引っ掻き疵が付いても目立つなどの欠点を有している。そのため、金属板の表面に塗膜や樹脂フィルムなどの保護層を設けて手指等の接触跡や引っ掻き疵の発生を防止することが試みられているが、金属板の表面に透視可能な樹脂フィルムを保護膜として設けた例は見当たらない。化粧金属板ではないが、金属の地肌に金属地肌が透視可能な保護皮膜や外面被覆を形成させた例として、以下に示すものが挙げられる。
【0003】
自動車部品であるアルミニウム系合金のロードホイールの金属地肌面に透明な防食性厚膜塗料を塗布し、塗布前の金属地肌の透視性を損なわずに金属の腐食を防止し、かつ外的衝撃による付着阻害を防止することができる途膜の形成方法を開示している(例えば、特許文献1参照。)。この方法においては、ロードホイールの表面が三次元曲面であるため、塗装により保護用の途膜を形成させることは可能であるが、樹脂フィルムなどを被覆して保護皮膜とすることは極めてむずかしい。また、透視可能な印刷を曲面に施すことは極めて困難である。
【0004】
深絞り加工金属缶の外面被覆に用いた際に優れた成形加工性を有し、金属缶の外面被覆面に印刷を施していない部分は金属地肌が透視可能であり、かつ金属板をレトルト殺菌処理した際に外面被覆に白化斑の発生がない、深絞り加工金属缶の外面被覆に用いるポリエステル積層フィルムを開示している(例えば特許文献2参照。)。この深絞り加工金属缶の外面被覆に用いるポリエステルフィルムは、成形加工性を確保するとともにレトルト殺菌処理時の白化斑の発生を防止するために、100〜160℃の結晶化温度を有し、さらに平均粒径が0.01〜2.5μmの滑材0.01〜1重量%配合した特殊なポリエステルフィルムを用いなくてはならず、汎用の安価な樹脂フィルムを用いることができない。
【0005】
本出願に関する先行技術文献情報として次のものがある。
【特許文献1】
特開平06−057178号公報
【特許文献2】
特開平09−277476号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、金属板に透明樹脂フィルムを被覆してなり、透明樹脂を透かして金属表面の美麗な光沢を透視可能であり、表面に手指を触れても指紋等の接触跡が残らず、引っ掻き疵が付いても目立つことのない化粧金属板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の化粧金属板は、金属板上に、金属板表面を透視可能な樹脂フィルムを被覆してなる化粧金属板(請求項1)であり、
金属板が、圧延方向に沿った線状模様の粗面を有すること(請求項2)、
金属板が、ショットブラストロール面の転写面の粗面を有すること(請求項3)、
樹脂フィルムが、透視可能な印刷層を設けてなる透明樹脂フィルムであること(請求項4)、
印刷層が平行な直線群からなる模様で設けられてなること(請求項5)、
樹脂フィルムに印刷された平行な直線群からなる模様の直線群が、金属板の粗面の圧延方向に沿った線状模様と平行になるように樹脂フィルムを被覆してなること(請求項6)、
金属板と樹脂フィルムの間に接着剤を介在してなること(請求項7)、
樹脂フィルムが、ポリエステル樹脂の2軸延伸フィルムであること(請求項8)、
ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートであること(請求項9)、
金属板がステンレス鋼板であること(請求項10)、
金属板がめっき鋼板であること(請求項11)、
樹脂フィルムの表面に透明なハードコート層を設けてなること(請求項12)、
ハードコート層の硬さが鉛筆硬度でHB以上であること(請求項13)を特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。まず、本発明の化粧金属板は、塗装などを施さずに金属板の地肌の美麗な光沢を活かして、冷蔵庫などの家電製品、キャビネットなどの事務機器、システムキッチンなどの住宅設備機器などに適用することを目的とするが、金属板の地肌は表面に手指を触れると指紋等の接触跡が残ったり、わずかな引っ掻き疵が付いても目立つため、本発明の化粧金属板は、金属板板上に金属板表面を透視可能な樹脂フィルムを被覆して構成される。金属板としては、長期間にわたって表面に錆や汚れが発生することがなく、折り曲げ加工などの加工が容易であるものが必要とされ、ステンレス鋼板、アルミニウム合金板、表面処理鋼板、めっき鋼板などを用いることができる。ステンレス鋼板を冷蔵庫に適用する場合は、JIS規格SUS430などの磁石に吸着する強磁性ステンレス鋼板であることが好ましい。加工性および重量の観点から金属板の厚さは0.2〜0.6mmであることが好ましく、0.3〜0.5mmであることがより好ましい。
【0009】
これらの金属板は、圧延工程を経て板状に成形されるので、表面には圧延に用いた圧延ロール表面の凹凸が転写される。表面が凹凸のない鏡面であるロールを用いた場合は、金属板表面は凹凸模様のない鏡面となるが、砥石を用いて研削加工して粗面化したロールを用いた場合、ロールの周方向に沿って研削が行われ、線状の凹凸模様が形成されるので、砥石研削による圧延ロールを用いた場合は、金属板表面に圧延方向に沿った線状の凹凸模様が形成される。またショットブラストで粗面化したロールを用いた場合は、ロールのショットブラスト面の転写面の粗面模様が形成される。これらの凹凸模様は金属板の典型的な表面外観であり、意匠的にも美麗な模様である。この凹凸模様の強弱は、圧延ロール表面の粗面加工条件を調節することにより、用途や好みに応じて選択的に設けることができる。しかし、金属板の表面が鏡面であったり、凹凸模様が薄く、すなわち、表面の粗さ(凹凸部の高さ)が小さかったり、凹凸部が疎らに形成されている場合は、金属板に硬い物質が当たったり擦過して疵が付いた場合、非常に目立ってしまう。凹凸模様が濃く、すなわち、表面の粗さ(凹凸部の高さ)が大きかったり、凹凸部が密に形成されている場合は、疵が付いても目立たなくなるが、模様が強すぎて好みの美麗な表面とはならないこともある。以上の観点から、金属板の表面粗さは算術平均粗さ(Ra,JIS B 0601)で0.02〜2μmであることが好ましく、0.15〜1μmであることがより好ましい。また、裸の金属板に手指などが接触すると、その跡が残ってしまい、汚れた外観となる。そのため、上記のように金属板の表面に好みの表面模様を付与した後、金属板表面に透明な樹脂フィルムを被覆することにより、金属板の地肌が透かして見えつつ、表面に疵が付いても目立たず、手指などが接触してもその跡が残ることがなくなり、美麗な表面が損なわれることのない化粧金属板とすることができる。
【0010】
上記の金属板のうち、ステンレス鋼板やアルミニウム合金板は、そのまま樹脂フィルムを被覆してもよいが、樹脂フィルムとの接着性を高めるための化成処理を施してもよい。また、自身の色調とは異なる色調の金属、例えば銅などをめっきしてもよい。金属板として一般の低炭素鋼板を用いる場合は、耐食性や耐錆性の観点から表面処理やめっきを施す必要がある。表面処理としては、極く薄い金属クロムとクロム水和酸化物からなる、有機被膜との接着性に優れる2層皮膜を形成させる電解クロム酸処理や、リン酸やポリアクリル酸などをベースとして用いるノンクロム処理などが好ましく、めっきとしては、ニッケルめっき、亜鉛めっき、錫めっき、銅めっき、クロムめっき、アルミニウムめっき、またはこれらのめっき金属の2種以上からなる合金めっきが好ましい。また、めっき後、めっき層と鋼板との接着性や耐食性を向上させるために熱拡散処理を施してもよい。さらに、めっき鋼板と樹脂フィルムとの接着性を高めるために、めっき上に上記の電解クロム酸処理やノンクロム処理を施してもよい。
【0011】
樹脂フィルムとしては透明、もしくは金属板に積層した際に金属板が透視可能な程度に着色顔料が添加されてもよく、金属板に接着可能であり、かつ金属板に被覆して被覆金属板とした後に折り曲げ加工などの加工が可能で有れば特に制限するものではなく、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカボネート、アクリル樹脂、フッ素樹脂、塩ビなどの樹脂からなるフィルムなどを用いることができるが、使用後の廃却時に環境に悪影響を及ぼすことがなく、さらに物性として表面に擦疵などが付きにくく、加工性に富み、樹脂フィルムとして適度な硬度と腰の強さ(剛性)を有し、透明性に優れ、印刷が容易なポリエステル樹脂の2軸延伸フィルムを用いることが好ましい。ポリエステル樹脂としてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、またはこれらを構成する多塩基酸や多価アルコールの一部をそれぞれ他の多塩基酸や多価アルコールに置換してなる、エチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体などを初めとする共重合ポリエステル、またはこれらの樹脂の2種類以上をブレンドしてなる樹脂を用いることができるが、なかでも廉価であることからポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィルムを用いることが好ましい。樹脂フィルムの厚さは15〜50μmであることが好ましく、20〜35μmであることがより好ましい。
【0012】
これらの樹脂フィルムは透明、もしくは金属板に積層した際に金属板が等し可能な程度に着色顔料が添加された樹脂フィルムとして金属板に被覆して用いられる。着色した透明樹脂フィルムを金属板に被覆した場合は、美麗な金属地肌の光沢および模様と樹脂フィルムの美麗な色調が相俟って、さらに優れた意匠性を有する化粧金属板とすることができる。
【0013】
またさらに、上記の透明樹脂フィルム、または金属板に積層した際に金属板が透視可能な程度に着色顔料が添加された樹脂フィルムに印刷層を設けることにより、金属地肌の模様に立体感を増幅させることもできる。この印刷層は、コントラストが薄く、印刷模様の輪郭を表す線が細い、透明樹脂フィルムに印刷したままでは微かに視認できる程度に設けることにより、透明樹脂フィルムを透かして金属地肌の模様を見た際の立体感を増幅させることができる。印刷模様としては、金属板の地肌の圧延方向に沿った模様と平行となる連続直線状または断続直線状の模様の印刷(ヘアーライン印刷)、トタン板などに見られる溶融亜鉛めっきの亜鉛の粗大結晶粒の模様を模した印刷(スパングル印刷)、または半透明で深みを感じさせるベタ状の印刷などが好ましい。
【0014】
上記の樹脂フィルムを先に述べた金属板に積層して被覆し、化粧金属板とする。印刷層を設けない透明樹脂フィルムを金属板に積層する場合は、熱接着のみで、すなわち、金属板を樹脂フィルムの溶融温度以上に加熱し、加熱した金属板に樹脂フイルムを当接して圧接ロールで両者を挟み付けて接着することもできるが、この方法は樹脂フィルムの金属板と接する部分を溶融させるため、均一な接着強度と接着後の樹脂フィルムの均一な硬さを両立させるためには極めて狭い熱接着条件を厳密に制御する必要があり、生産性に乏しい。また、印刷層を設けた樹脂フィルムを適用した場合、加熱により印刷が歪むことがある。そのため、金属板と樹脂フィルムの間に接着剤を介在させて両者を接着することが好ましい。接着剤を介在させて接着することにより、均一な接着強度が得られるようになり、樹脂フィルムが溶融することがないので、樹脂フィルムの硬さも全長にわたって一定に保つことができる。
【0015】
接着剤は樹脂フィルムまたは金属板のいずれかのそれぞれの接着予定面に塗布して設けてもよいし、より優れた接着強度を得るために、樹脂フィルムと金属板の両方のそれぞれの接着予定面に塗布して設けてもよい。また、樹脂フィルムに予め接着剤層を設けた後、その上に上記の印刷層を設けてもよい。接着剤としては、ポリエステル樹脂系、ウレタン樹脂系、ポリエステルウレタン樹脂系、尿素樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、エチレン−ビニルアセテート樹脂系、アクリル樹脂系などの接着剤を用いることができる。さらに、上記のベタ状の印刷を施す場合は、接着剤に顔料を含有させることにより、印刷層に接着剤としての機能を担わせることもできる。
【0016】
接着剤を介して金属板と樹脂フィルムを積層する場合は、金属板または樹脂フィルムのいずれかの接着剤塗布面が相手側と接するように、または金属板と樹脂フィルムの両方の接着剤塗布面同士が接するようにして両者を当接し、圧接ロールで両者を挟み付けて接着する。この時、オーブン等を用いて金属板を接着剤が熱融着を開始する温度以上に加熱しておくと優れた接着強度が得られる。以上のようにして、樹脂フィルム被覆金属板が得られる。
【0017】
以上のようにして得られる樹脂フィルム被覆金属板は、そのまま本発明の目的とする化粧金属板として用いてもよいが、樹脂フィルム被覆金属板の樹脂フィルム面を鏡面ロールを用いて加圧して鏡面加工することにより、金属板表面の凹凸模様や金属光沢をより鮮映に際立たせることができる。また、樹脂フィルム被覆金属板の樹脂フィルム面にハードコート層を設けることにより、樹脂フィルム面に耐疵付性を付与するとともに、手指が接触した際の跡をさらに残りにくくすることが可能となる。ハードコート層の硬さが鉛筆庫度でHB以上、好ましくはH以上であると、耐疵付性は極めて優れたものとなる。ハードコート層としては、メラミンエポキシ樹脂、アクリルメラミン樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂などを0.1〜4μmの厚さで塗布し、焼き付けることにより設けることができる。また、シリカなどの透明な無機質被膜を蒸着などにより形成させてもよい。
このようにして、本発明の化粧金属板を得ることができる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
[金属板の作成]
金属板として、ステンレス鋼(JIS規格SUS430)を圧延し、圧延工程の最終の圧延ロールとして、ロール圧延面の周方向に砥石を用いて研磨したロールを用い、板厚:0.4mmで圧延方向に断続的な直線状の圧延模様を有する表面粗さ(算術平均粗さ(Ra)JIS B 0601):0.15μmのステンレス鋼板を得た。
[印刷樹脂フィルムの作成]
厚さ:25μmの透明なポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィルムの片面に、ポリエステル樹脂系の接着剤を0.6μmの厚さに塗布し乾燥した。次いでこの接着剤塗布面に、薄い青色の細い平行な直線群からなる模様を印刷し、100℃で加熱乾燥した。
[樹脂フィルム被覆金属板の作成]
上記のステンレス鋼板の片面にポリエステルウレタン樹脂系の接着材を1.2μmの厚さに塗布し乾燥した。次いで接着剤を塗布したステンレス鋼板を200℃に加熱し、その接着剤塗布面に、その印刷面が接するようにして上記の印刷樹脂フィルムを当接し、一対の加圧ロールで両者を挟み付けて加圧し、樹脂フィルム被覆金属板を得た。なお、ステンレス鋼板に印刷を施した樹脂フィルムを当接する際に、ステンレス鋼板の断続的な直線状の圧延模様と、樹脂フィルムに印刷した薄い青色の細い平行な直線群からなる模様が平行になるように当接した。
[ハードコート層の形成]
上記のようにして得られた樹脂フィルム被覆金属板の樹脂フィルム面に、アクリルメラミン樹脂を2.4μmの厚さに塗布し150℃で加熱乾燥し、ハードコート層を形成させた。以上のようにして化粧金属板を作成した。
【0019】
(実施例2)
[金属板の作成]
金属板として、炭素量が0.02%である低炭素鋼の圧延低板上に、ワット浴を用いて電気めっき法により、厚さ:3μmの半光沢ニッケル層を形成させた。次いでめっきを施した鋼板を還元性雰囲気中で730℃に加熱してニッケルを鋼中に拡散させた。次いで調質圧延を施し、工程の最終の圧延ロールとして、ショットブラストで粗面化したロールを用い、板厚:0.4mmでロールのショットブラスト面が転写された粗面模様を有する表面粗さ(算術平均粗さ(Ra)JIS B 0601):0.86μmの被覆下地用のニッケルめっき鋼板とした。
[印刷樹脂フィルムの作成]
厚さ:28μmの透明なエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体(エチレンイソフタレート:11.2モル%)の2軸延伸フィルムの片面に、ポリエステル樹脂系の接着剤を0.4μmの厚さに塗布し乾燥した。次いでこの接着剤塗布面に、薄い青色のスパングル模様を印刷し、100℃で加熱乾燥した。
[樹脂フィルム被覆金属板の作成]
上記のニッケルめっき鋼板の片面にポリエステルウレタン樹脂系の接着剤を1.5μmの厚さに塗布し乾燥した。次いで接着剤を塗布したニッケルめっき鋼板を190℃に加熱し、その接着剤塗布面に、その印刷面が接するようにして上記の印刷樹脂フィルムを当接し、一対の加圧ロールで両者を挟み付けて加圧し、樹脂フィルム被覆金属板を得た。
[ハードコート層の形成]
上記のようにして得られた樹脂フィルム被覆金属板の樹脂フィルム面に、メラミンエポキシ樹脂を3.0μmの厚さに塗布し140℃で加熱乾燥し、ハードコート層を形成させた。このようにして化粧金属板を作成した。
【0020】
(実施例3)
[金属板の作成]
金属板として、実施例1に用いたのと同様のステンレス鋼板を、表面粗さを算術平均粗さ(Ra,JIS B 0601):0.62μmとした以外は実施例1と同様にしてステンレス鋼板を得た。
[樹脂フィルムの作成およびハードコート層の形成]
実施例1に用いたのと同様の透明なポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィルムの片面に、ポリエステル樹脂系の接着剤を0.4μmの厚さに塗布した。次いでこの接着剤塗布面に、半透明の黄色のベタを印刷を施し、110℃で加熱乾燥した。次いで、上記のようにして得られた樹脂フィルムの印刷を施していない面に、メラミンエポキシ樹脂を2.0μmの厚さに塗布し、150℃で加熱乾燥してハードコート層を形成させた。
[樹脂フィルム被覆金属板の作成]
上記のステンレス鋼板の片面にポリエステルウレタン樹脂系の接着剤を1.2μmの厚さに塗布し乾燥した。次いで接着剤を塗布したステンレス鋼板を220℃に加熱し、その接着剤塗布面に、その印刷面が接するようにして上記の印刷樹脂フィルムを当接し、一対の加圧ロールで両者を挟み付けて加圧し、樹脂フィルム被覆金属板を得た。
[鏡面加工]
上記のようにして樹脂フィルム表面にハードコート層を形成させた樹脂フィルム被覆金属板を210℃に加熱し、片方のロール表面が鏡面(Ra:0.02μm以下,JIS B 0601)である一対のロールを用い、樹脂フィルムのハードコート層が鏡面ロールと接するようにして両者を挟み付けて加圧し、樹脂フィルム面を鏡面とした。このようにして化粧金属板を作成した。
【0021】
上記のようにして得られた、化粧金属板について、下記の項目の特性を評価した。なお、比較用に、実施例1〜3に用いたそれぞれの金属板に樹脂フィルムを積層しない裸の金属板についても比較例1〜3として、同様にして特性を評価した。
【0022】
[ハードコートの硬さ]
JIS K 5401に基づく鉛筆引掻試験機を使用し、鉛筆(JIS S 6006)の芯の硬さ替えてハードコート層に引掻試験を実施し、ハードコート層に引掻疵が生じた芯の硬さの直前の芯の硬さをハードコートの硬さとした。
【0023】
[耐指紋性]
JIS K 2246に基づく人工汗(pH:3.3)を試料板の表面に押しつけて指紋の付着程度を評価した。また、指紋を付けた試料板を恒温恒湿(60℃、RH:95%)の雰囲気中で50時間放置した後の外観を肉眼観察し、変色の程度を下記の基準で評価した。
◎:指紋の付着、および変色は認められない。
○:わずかに指紋が付着し、わずかな変色が認められる。
△:かなりの程度に指紋が付着し、かなり変色が認められる。
×:指紋が著しく付着し、指紋付着部分の全面に変色が認められる。
【0024】
[引掻疵の目立ち程度]
試料板の表面に、けがき針を用いて金属板の地肌の圧延による直線模様と直角方向にけがき疵を付けた後の外観を肉眼観察し、けがき疵の目視状態を引掻疵の目立ち程度として下記の基準で評価した。
◎:直上から観察した場合にはけがき疵は認められないが、斜め上方から観察した場合に極くかすかにけがき疵が認められる。
○:直上から観察した場合でもかすかにけがき疵が認められる。
△:けがき疵がかなり明瞭に認められる。
×:けがき疵が全く明瞭に認められる。
これらの評価結果を表1に示す。
【0025】
[意匠性]
実施例1および2の化粧金属板については比較例1および2の裸の金属板との金属地肌の模様の強調の程度を、実施例3の化粧金属板については比較例3の裸の金属板との色調および深みについて、それぞれの特徴の差を評価した。
【0026】
【表1】
【0027】
表1に示すように、金属板に透明な樹脂フィルムを被覆し、さらに樹脂フィルム上にハードコート層を設けた実施例の化粧金属板は、いずれも耐指紋性に優れ、また表面に引掻疵が付いても目立つことがない。さらに、直線模様やスパングル模様を印刷した樹脂フィルムを金属板に積層した化粧金属板(実施例1および2)では金属地肌の模様が強調され、黄色のベタ印刷を施した樹脂フィルムを金属板に積層した化粧金属板(実施例3)では黄金色の美麗な色調を有するとともに深みが感じられ、いずれも優れた意匠性を有している。
【0028】
【発明の効果】
本発明の化粧金属板は、透明な樹脂フィルム、または金属板の地肌を強調する模様を強調したり美麗な色調を付与する印刷を施した透明な樹脂フィルムを金属板に被覆し、さらに樹脂フィルム上に選択的にハードコート層を設けたものであり、耐指紋性に優れるとともに表面に引掻疵が付いても目立つことがない。さらに、樹脂フィルムに施された印刷の模様や色調が、樹脂フィルムを透かして見える金属地肌模様と相俟って、優れた意匠性を示す。そのため、本発明の化粧金属板は金属地肌が見える冷蔵庫などの家電製品、キャビネットなどの事務機器、システムキッチンなどの住宅設備機器などに好適に適用することができる。
Claims (13)
- 金属板上に、金属板表面を透視可能な樹脂フィルムを被覆してなる化粧金属板。
- 金属板が、圧延方向に沿った線状模様の粗面を有する、請求項1に記載の化粧金属板。
- 金属板が、ショットブラストロール面の転写面の粗面を有する、請求項1に記載の化粧金属板。
- 樹脂フィルムが、透視可能な印刷層を設けてなる透明樹脂フィルムである、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧金属板。
- 印刷層が平行な直線群からなる模様で設けられてなる、請求項4に記載の化粧金属板。
- 樹脂フィルムに印刷された平行な直線群からなる模様の直線群が、金属板の粗面の圧延方向に沿った線状模様と平行になるように樹脂フィルムを被覆してなる、請求項1、2、4または5のいずれかに記載の化粧金属板。
- 金属板と樹脂フィルムの間に接着材を介在してなる、請求項1〜6のいずれかに記載の化粧金属板。
- 樹脂フィルムが、ポリエステル樹脂の2軸延伸フィルムである、請求項1〜7のいずれかに記載の化粧金属板。
- ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートである、請求項8に記載の化粧金属板。
- 金属板がステンレス鋼板である、請求項1〜9のいずれかに記載の化粧金属板。
- 金属板がめっき鋼板である、請求項1〜9のいずれかに記載の化粧金属板。
- 樹脂フィルムの表面に透明なハードコート層を設けてなる、請求項1〜11のいずれかに記載の化粧金属板。
- ハードコート層の硬さが鉛筆硬度でHB以上である、請求項12に記載の化粧金属板。
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