JP2004213911A - 電界電子放射定電流ダイオード - Google Patents

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Tatsuo Iwata
達夫 岩田
Tomomi Yoshimoto
智巳 吉本
Masaru Shimaru
大 紙丸
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Abstract

【課題】本発明は、真空中に封入されたp型半導体製の電界放射陰極と陽極からなる2端子の簡単な構造の単一素子であって、kVオーダーの高電圧範囲においても動作可能な定電流特性を有する電子素子を実現すること。
【解決手段】真空容器1と、該真空容器1中に封入された針状のp型半導体製の電界放射陰極2と、前記真空容器1中に封入された前記電界放射陰極2に対向する陽極4とからなること。前記電界放射陰極2と陽極4との間に電圧を印加したときに定電流特性を示すこと。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空中に封入されたp型半導体製の電界放射陰極と陽極からなる2端子の簡単な構造の単一素子であって、kVオーダーの高電圧範囲においても動作可能な定電流特性を有する電子素子を実現することができる電界電子放射定電流ダイオードに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、回路に加わる電圧に関わらず一定の電流を供給しうる様に動作する定電流特性を有する電子素子として、電界効果トランジスタのゲートソース間を接続した定電流ダイオード等が知られている。このような半導体素子を用いた定電流装置では、動作電圧範囲が比較的低い電圧に限られる半導体素子特有の限界がある。
【0003】
具体的には、図4に示すような半導体素子である、電界効果トランジスタのゲートG、ソースS電極を短絡した素子が、定電流ダイオードとして市販されている。この素子はドレイン電流によってゲートGとソースS間の半導体部分に生じる電圧降下が、ゲート電圧として入力されることにより、ドレイン電流がドレインソース間の電圧に係わり無くほぼ一定に保たれることを利用して定電流特性を得ている。つまり、容器内部で予め配線が施された素子が定電流ダイオードとして市販されている。この素子は、基本的に半導体の電界効果トランジスタで、一般に素子を破壊せずにドレイン−ソース間に加えられる電圧は数100V以下で高電圧のものは製作が大変困難で実際に市販されていない。つまり、一つの半導体中に電極を作り込むために、材料本来の絶縁耐圧の制限があったり、或いは、縁面放電や、素子の構造上電界が集中する部分が生じそこから絶縁破壊に至る等の理由による。
【0004】
また、1000Vを超えるような高い電圧を要し、かつ定電流特性を必要とする場合用いられる従来型の例があり、図5に示すとおりである。この場合、負荷に流れる電流IL が電流検出回路を通して増幅器の入力1の信号となる。この信号を、入力2の基準となる値Iref に一致するように可変高電圧電源の電圧を制御することで定電流特性を得ようとするものである。この方式は、単一の素子を用いて実現できず、増幅器(差動負帰還型等)や検出系等複雑なシステムを要する。そのために、コスト、負荷の変動に対する応答速度等の点で安定して動作するためには注意が必要である。つまり、負帰還回路を形成するので、検出回路の調整次第では発振などの不安定を生じる可能性があったり、或いは、検出回路において雑音を十分に押さえる事ができない場合、定電流特性の設定が要諦の値にできないことがあるために注意が必要となる。また電流検出系の存在は負荷に対する余分な条件、例えば、この方式では負荷となる回路を直接接地できない等の点での制限がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−28657
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載された装置全体としては直流高電圧を測定することができる構成が開示されている。装置を構成する素子として定電流ダイオードは開示されているが、該素子自体に高電圧を印加できるか否かは不明である。ところで、加速電圧の大きな電子線応用機器の電流安定化に耐圧の高い定電流素子を要求されることがある。このような場合演算増幅器等を利用した負帰還増幅回路を用いることで定電流化を実現できる。しかしながら、装置の大型化や複雑化、応答速度、経済性等の点で単一素子に比べて劣る欠点があり、これらの欠点を解消する電界電子放射定電流ダイオードの開発が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、発明者は上記課題を解決すべく鋭意、研究を重ねた結果、本発明を、真空容器と、該真空容器中に封入された針状のp型半導体製の電界放射陰極と、前記真空容器中に封入された前記電界放射陰極に対向する陽極とからなり、前記電界放射陰極と陽極との間に電圧を印加できるようにしてなる電界電子放射定電流ダイオードとしたことにより、特に高電圧の条件化で簡単な2端子素子で定電流特性を実現せしめる点で電界効果トランジスタを利用したこれまでの素子の限度を拡げることができ、さらに、複雑な制御システムをよりコストが低く、応答の安定性の優れたものとなり、前記課題を解決したものである。
【0008】
また、前述の構成において、前記電界放射陰極の先端半径rを約100nm〜約3μmとしてなる電界電子放射定電流ダイオードとしたり、或いは、前述の構成において、前記電界放射陰極と陽極との間の距離を約5mm〜約10cmにする電界電子放射定電流ダイオードとしたり、さらに、前述の構成において、前記真空容器内の圧力を約10-4Pa程度以下に減圧してなる電界電子放射定電流ダイオードとしたことにより、絶縁は真空の絶縁破壊電圧のため十分高くできるし、縁面放電に関しても容器壁の縁面放電が考慮できるが、FETの様に素子自身の場合と異なり十分高い電圧に対応でき、前記課題を、良好に解決したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態について図面に基づいて説明すると、図1(A)は本発明の電界電子放射定電流ダイオードの基本構造である。1は真空容器であって、電極間の電気的絶縁を保持できるガラスやセラミック製にて構成されているが、形状は限定されない。該真空容器1に一対の電極が封入されている。つまり、電界放射陰極2と、電子を収集する陽極4とから成る。前記電界放射陰極2は、先端を約10nmから約5μm程度の先端半径rで針状に加工したp型にドープされた半導体から成る。好ましくは図1(B)に示すように、約100nm〜約3μmの先端半径rとする。前記電界放射陽極2は耐熱性の任意の導電体又は真空容器1内壁に被覆された任意の導体からなり、引き出し電極3を用いて外部に電流が取り出される。また、前記陽極4からも外部から引き出し電極5を用いて電流を取り入れるように構成されている。また、前記真空容器1内は前記電界放射陰極2からの電子放射を妨げない約10-4Pa程度以下の圧力に減圧することが好ましい。しかしながら減圧しなくとも高電圧用にはできる。
【0010】
本発明の動作を説明すると、電界放射陰極2と陽極4との間に該陽極4が正になるように電圧を加えると、p型にドープされ針状に加工された半導体の電界放射陰極2の先端部には比例して強電界が発生しトンネル現象により電子が放射される(図2▲1▼の領域)。前記電界放射陰極2から放射される電子数は、陰極先端近傍の電界強度と電界放射に寄与できる半導体内の電子数により定まる。p型半導体では伝導帯中の電子数は少ない。したがって、電界放射に寄与できる電子は少数でこの電子数よりも放射電子が増加することはない。陰極先端表面近傍の電界強度がある値に達すると、伝導帯中の電子のトンネル確率が十分大きくなり、1に近づく。この時もはや電界を増加しても電子のトンネル確率は殆ど増加しない。
【0011】
伝導帯中の電子は直ちに電界放射陰極2から放射される。伝導帯より低いエネルギー準位に存在する電子はこの条件でもトンネリング確率は小さく、直接には放射されない。しかし、熱的に伝導帯に励起されると電子放射に寄与できるようになる。温度が変わらなければ励起される電子数は一定で限られている。このようにして、p型半導体からなる電界放射陰極2からの電界放射電流は図2▲2▼の領域に示すように、電流が陽極4の電圧に殆ど依存しなくなる。このために定電流特性を示す。
【0012】
定電流特性が現れ始める電圧は、半導体の電界放射陰極2の先端半径rを小さくすると低くすることができる。また、陰極陽極間を調整することによっても変えることができる。陰極陽極間を小さくする程、定電流特性が現れる電圧を小さくできる。陰極−陽極間、即ち、電界放射陰極2と陽極4との間は、μmからcmオーダーまで変えることができる。p型半導体製の電界放射陰極2の先端半径rと、電極間距離を調整することで、10V程度から、30kV程度の電圧範囲で動作する定電流素子なる電界電子放射定電流ダイオードを実現できる。kVオーダーの場合には、前記先端半径rを約100nm〜約3μmとし、電極間距離を約5mm〜約10cmにすることが好ましい。
【0013】
【実施例】
実施例による電界電子放射定電流ダイオードとして条件は、抵抗率100Ω−cmのp型シリコン製であって、一辺0.4mmの正方形断面を持つ棒状の結晶を化学的に研磨しその先端を針状に整形した電界放射陰極2とした。該電界放射陰極2の先端半径r:約0.2〜0.3μm(電子顕微鏡の像から計算)とした。前記電界放射陰極2と前記陽極4間の距離3cm、真空容器1内の圧力1×10-7Paとした。
【0014】
そして実測された電界放射陰極からの電界放射電流の特性図は図3に示すとおりである。陽極電圧5.2kVまでは電圧によって電流は大きく変化する。約5.2kV以上では、電流は電圧を変えても殆ど変化しない。この例では、電圧が10kVまで変化しても電流は4nAから5nAに僅かに変化したに過ぎず、定電流特性が得られた。
【0015】
【発明の効果】
請求項1の発明では、真空容器1と、該真空容器1中に封入された針状のp型半導体製の電界放射陰極2と、前記真空容器1中に封入された前記電界放射陰極2に対向する陽極4とからなり、前記電界放射陰極2と陽極4との間に電圧を印加したときに定電流特性を示す電界電子放射定電流ダイオードとしたことにより、高電圧、例えばkVオーダーの高電圧の条件化であっても簡単な2端子素子で定電流特性を実現できる利点がある。特に、複雑な制御システムをよりコストが低く、応答の安定性の優れた効果も奏する。このようなことから、電界効果トランジスタを利用したこれまでの素子の限度を拡げることができる。
【0016】
また、請求項2の発明においては、請求項1において、前記電界放射陰極2の先端半径rを約100nm〜約3μmとしてなる電界電子放射定電流ダイオードとしたことにより、高電圧に対応でき、且つ応答の安定性を図り得る。
【0017】
さらに、請求項3の発明においては、請求項1又は2において、前記電界放射陰極2と陽極4との間の距離を約5mm〜約10cmにする電界電子放射定電流ダイオードとしたことにより、絶縁は真空の絶縁破壊電圧のため十分高くでき、高電圧に対応でき、且つ応答の安定性を図ることができる。
【0018】
請求項4の発明においては、請求項1,2又は3において、前記真空容器1内の圧力を約10-4Pa程度以下に減圧してなる電界電子放射定電流ダイオードとしたことにより、前記電界放射陰極2からの電子放射を妨げないようにでき応答の安定性がより優れた電界電子放射定電流ダイオードにできる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の構成図
(B)は電界放射陰極の先端箇所の拡大図
【図2】本発明による電界放射陰極からの電界放射電流の特性図
【図3】本発明の実施例による電界放射陰極からの電界放射電流の特性図
【図4】従来技術としての電界効果トランジスタの構成図
【図5】従来技術としての高電圧用の定電流測定構成図
【符号の説明】
1…真空容器
2…電界放射陰極
4…陽極
r…先端半径

Claims (4)

  1. 真空容器と、該真空容器中に封入された針状のp型半導体製の電界放射陰極と、前記真空容器中に封入された前記電界放射陰極に対向する陽極とからなり、前記電界放射陰極と陽極との間に電圧を印加したときに定電流特性を示すことを特徴とする電界電子放射定電流ダイオード。
  2. 請求項1において、前記電界放射陰極の先端半径を約100nm〜約3μmとしてなることを特徴とする電界電子放射定電流ダイオード。
  3. 請求項1又は2において、前記電界放射陰極と陽極との間の距離を約5mm〜約10cmにすることを特徴とする電界電子放射定電流ダイオード。
  4. 請求項1,2又は3において、前記真空容器内の圧力につき約10-4Pa程度以下に減圧してなることを特徴とする電界電子放射定電流ダイオード。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009135226A (ja) * 2007-11-29 2009-06-18 Nichia Corp 定電流ダイオード及び定電流ダイオード付き発光装置

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