JP2004213737A - 情報記録再生方法及び情報記録再生装置と情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】誤り訂正ブロックで必要とされる機能を考慮しながら最適化させたデータ構造を用いる情報記録再生方法及び装置と情報記録媒体を提供する。
【解決手段】生成したECCブロックに、ECCブロックの同期信号とECCブロック内の位置を示す識別信号とを付加した第1シンクフレームと、同期信号のみを付加した第2シンクフレームとによる行が、複数行設けられて構成される物理クラスタを生成し、これを記録媒体に記録する情報記録方法である。一方のシンクフレームだけに識別信号が設けられているため、第1フレームと第2フレームの長さが異なることで、データブロックの一辺を奇数とすることが可能となる。更に、識別信号を設けたため、同期信号から位置情報成分を除くことができることで、同期信号を短くすることも可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】生成したECCブロックに、ECCブロックの同期信号とECCブロック内の位置を示す識別信号とを付加した第1シンクフレームと、同期信号のみを付加した第2シンクフレームとによる行が、複数行設けられて構成される物理クラスタを生成し、これを記録媒体に記録する情報記録方法である。一方のシンクフレームだけに識別信号が設けられているため、第1フレームと第2フレームの長さが異なることで、データブロックの一辺を奇数とすることが可能となる。更に、識別信号を設けたため、同期信号から位置情報成分を除くことができることで、同期信号を短くすることも可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、所定の規格に基づく情報記録再生方法であり、特に、誤り訂正を伴う最適化されたデータブロック構造による情報記録再生方法及び情報記録再生装置と情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、光ディスクを用いたディジタル機器の普及が目覚しく、光ディスクへの情報が記録される際のデータ構造においても、一層の改良が要望されている。すなわち、例えば、DVD(Digital Versatile Disk)の規格に例をとると、記録すべき情報は、ある特定容量のデータブロック毎に、誤り訂正積符号を生成付加して、一定間隔のデータ長に分割して同期信号を挿入してデータ変調後に伝送或いは記録媒体に記録されるものである。
【0003】
これに関連した従来技術として、積符号を構成する誤り訂正符号の誤り訂正処理が示された例がある(例えば、特許文献1参照)。この従来技術においては、ディジタル信号は、データ制御部で映像音声信号や制御信号等が纏められ、次のデータセクタ化に送られ、2Kバイトのセクタデータに整えられる。また2Kバイトのメインデータに対して誤り検出符号(EDC:Error Detection Code)が付加され、スクランブル処理によりサーボエラー信号検出安定を目的に、同一パターンの連続性が発生しないようID情報で初期値が決められるデータスクランブル処理が行われる。これにより形成されたセクタデータにヘッダ処理でセクタ番号を示すIDやその他の制御信号が付加される。このデータは次の誤り訂正符号化処理により誤り訂正検査積符号が生成付加され、記録信号にされるための変調処理、一定間隔のデータ長に対して同期信号付加処理され、記録信号としてドライバにより記録媒体に記録されるものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−184881号公報。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した記録処理におけるデータ構造の情報処理は、一定のDVD規格によるデータ構造において行われており、一定のデータ容量毎に、一定の効率の範囲で、上述した暗号化や復号が行われ誤り訂正が行われIDや同期信号が付加されて管理されなければならない。しかしながら、これを満足するデータ構造は必ずしも一通りではなく、現行DVD規格のデータ構造が必ずしも最適化されているというわけではない。すなわち、現行DVD規格においては、各データ長が決められた背景は、符号効率や機能などから総合的に検討され決められたものであるが、この中でいくつかの無駄な要素もあり、それらを拾い出して総合的な最適化をすれば、さらに冗長率の少ない効率的なデータ構造が考えられる。
【0006】
下記に検討すべき項目を挙げると、
1.アプリケーション側から、2Kシンボルセクタを最初のデータパケットにしているが、IDは2Kシンボル単位より大きくても、ポジション検索などに影響しない。
【0007】
2.同期信号の機能で、行識別などは全てのフレームで対応する必要はない。
【0008】
3.誤り訂正ブロック又は、2KシンボルセクタがK個集まったクラスタ単位で制御信号を扱っても良い。
【0009】
4.変調方式が変換効率の高い方式が採用される場合、チャネルビット長が短くなるため、多くの同期信号パターンが生成できなくなる。
【0010】
5.制御信号をメイン変調方式とは異なる方式で構成することで、効率よい配置で記録信号が構成できる。
【0011】
この様に、よく検討された現行DVD規格も、最初に構成の考え方を変えるだけで、さらに効率的な最適データ構造を作成することが可能であり、現行DVD規格のデータ構造に最適化の余地を残しているという問題がある。
本発明は、誤り訂正ブロックで必要とされる機能を考慮しながら最適化させたデータ構造を用いる情報記録再生方法及び情報記録再生装置と情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するべく、与えられる情報に応じてECCブロックを生成し、これにインターリーブ処理を施した前記ECCブロックに基づいて、前記ECCブロックの同期信号と前記ECCブロック内の位置を示す識別信号とを前記ECCブロックに付加した第1シンクフレームと、前記同期信号のみを付加した第2シンクフレームとによる行が、複数行設けられて構成される物理クラスタを生成しこれを記録媒体に記録することを特徴とする情報記録方法である。
【0013】
従来のデータ構造においては、物理クラスタに一定間隔で付加されていた同期信号は、位置情報をも含んだ冗長なものであり、更に、偶数個のシンボルによる偶数シンクフレームにより積符号誤り訂正の内符号検査行列が構成されていたため、ECCブロックの基礎となるセクタの一辺は、通常最適化を行うと偶数が使われるという制約ができてしまうことになる。これにより、例えば、一辺を187個等のシンボル数とするというデータ構造をもつことができない。しかし、本発明に係る情報記録方法によれば、一方のシンクフレームにだけ位置情報である識別信号を付加し、他方のシンクフレームにはこれを付加しないため、シンボル数に偏りが生じるため、都合よく一辺を奇数とする、例えば、187個のシンボル数とするというデータ構造をもつことができる。これにより、偶数という制約から離れて自由に最適化したデータ構造をとることができる。
更に、従来方式である同期信号に位置情報も含めるという方法をとってはいないため、同期信号を短くすることができる。具体的には、従来、一つのステートの同期信号で2バイトの容量を必要としていたのに比べ、本発明によれば、一例として、約1.3バイトの容量による同期信号を用意するだけですむこととなる。これによりデータ構造を効率化することが可能となる。
更に、本発明は、各々が一つのID情報を有する情報ブロックであるクラスタを、与えられる情報に応じて生成し、前記クラスタを複数個集め、これに誤り訂正符号を付加してECCブロックを生成し、更に少なくとも同期信号を付加した物理クラスタ毎に、前記与えられた情報を記録媒体に記録することを特徴とする情報記録方法である。
【0014】
従来の例えば現行DVD規格においては、例えば、情報ブロックのIDは、セクタと呼ばれる情報ブロック毎に与えられており、セクタは、172バイト×12行の情報ブロックである。一方、本発明に係る情報記録方法によれば、クラスタと呼ばれる情報ブロックを用い、クラスタは、一例として、187バイト×44行の情報ブロックである。
【0015】
現行DVD規格においては、一つの物理セクタにおいては、12行のセクタを16組用いているため、IDは16個必要となる。12バイトのIDが16個であり、IDのために192バイトの容量を必要としていた。
【0016】
一方、本発明に係る規格においては、一つの物理クラスタ(上記の物理セクタに対応する)においては、44行のクラスタを4組用いているため、IDは4個あればよい。従って、IDが20バイトであれば、IDのために80バイトの容量があればよく、IDのための容量を112バイト(=192−80)節約でき、IDのための容量は約41%に削減することができることとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る情報処理装置が用いるデータ構造の一例を詳細に説明する。本発明の方式で構成されたデータ構造を具体的な構成図で説明する。図1は、本発明の一実施形態であるクラスタデータのデータ構造の一例を示す図、図2は、このクラスタデータを用いたECCブロックの一例を示す図、図3は、このクラスタデータを用いたインターリーブ後のECCブロックの一例を示す図、図4は、このクラスタデータを用いた物理クラスタの一例を示す図、図5は、このクラスタから物理クラスタに至る過程を示す図、図14は、本発明に係る情報処理で用いられる同期信号パターンの一例を示す図である。
【0018】
本発明に係るデータ構造の特徴は、図1に示すようなクラスタ(セクタと呼んでもよいが、説明の便宜上、クラスタと呼ぶ)CLを基本単位とするものである。このクラスタCLは、図1に示すように、一つのID(更に、IED、他)を有しており、一例として、Mを187とし、187シンボル×44行の構成を有している。これは、一般的には、誤り訂正検査符号も含めた(m1+m2)×Nシンボルで、m1+m2=Mシンボルとした時、Mは奇数シンボルでも構わない。
【0019】
又、更に、本発明に係るデータ構造の特徴は、物理クラスタに付加される同期信号SSは、行識別情報等の機能(図14の行識別情報AD)が除外されたものを用いることであり、新たに、各行の偶数SYNCフレームEFにのみ識別情報Iを挿入して、これにより行識別情報やその他の制御信号をもたせている。すなわち、行識別情報等は、データ構造の一行が複数SYNCフレームで構成される場合、全ての同期信号SSにその情報を埋め込む必要はない。そこで先頭の偶数フレームのみに専用の識別情報Iとして配置すれば、用を成すものである。
【0020】
又、この識別情報Iは1シンボル程度で充分であるため、SYNC間距離を等しくする必要があることから、誤り訂正データブロックの行方向データ長に奇数長を採用することができる。
【0021】
<本発明に係るクラスタのデータ構造>
本発明に係るクラスタCLの一例が図1に示されており、データ効率向上のために、現行DVD規格では172バイト×12行のデータブロックに対して一つのID情報等を付与しているのに対して、この規格では、187バイト×11行×4のデータブロック(いわゆるクラスタCL)に対して一つのID情報等を付与している。
【0022】
現行DVD規格においては、一つの物理セクタにおいては、12行のセクタを16組用いているため、IDは16個必要となる。IDが12バイトであれば、IDが16個なので、IDのために192バイトの容量を必要としている。
【0023】
一方、本発明に係る規格においては、一つの物理クラスタ(現行DVD規格の物理セクタに対応)においては、44行のクラスタを4組用いているため、IDは4個あればよい。従って、IDが20バイトであれば、IDのために80バイトの容量があればよく、この結果、現行DVD規格に比べて、IDのための容量を112バイト(=192−80)節約することができる。これにより、IDのために必要な容量を約41%まで削減することができる。
【0024】
なお、このように容量を削減できるデータ構造の例は、上述した187シンボル×44行にて、ID等を20Bとする場合以外にも、175シンボル×47行でID等を17Bとする場合、179シンボル×46行でID等を26Bとする場合等が考えられ、更に、同様に他の値であっても、一定の容量節約を行うことができる。
【0025】
なお、連続エラーの誤り訂正能力を向上させるためには、行方向のシンボル数が多い方がよく、M=187とした場合は、誤り訂正効率を比較的高く得ることが可能となる。
【0026】
更に、図2は、本発明を利用した時のECCブロックの例を示したものである。ECCブロックEBは、図1のクラスタCLを4組集合させ、更に、誤り訂正検査外符号(PO)と内符号(PI)が付加されたものである。
【0027】
図3は、インターリーブ処理が施されたECCブロックEB’を示しており、現行DVD規格と同様に、図2の誤り訂正検査外符号(PO)領域を行インターリーブ処理して、各クラスタに分散配置することにより、全て同じ構成のクラスタを形成させている。
【0028】
図4は、インターリーブ処理が施されたECCブロックEB’を行方向2分割して偶数シンクフレームEFと、奇数シンクフレームOFとにより構成し、行方向の197シンボルは98シンボルと99シンボルに分割して8/16変調して先頭に同期信号SSを挿入することで得られる、物理クラスタPCを示している。但し、先頭フレームには16チャネルビットの識別情報Iを挿入する。ここで、識別情報Iは、行識別情報やその他の制御情報で構成された記録信号である。
【0029】
この場合、同期信号SSは、図14で示すような現行DVD規格で使用している同期信号SY0〜SY7を必要とするわけではなく、行識別情報成分ADを含めない残りの信号である同一の同期信号SSを用いるだけでよい。これにより、本発明に係るデータ構造においては、同期信号として用いられる容量を、現行DVD規格のデータ構造に比べて、削減することが可能となる。又、同期信号SSは、シンボル分割と記録信号直流成分抑圧制御機能のみでよいため、同期信号SSの信号パターンとして[1a]、[1b]、[2a]、[2b]の4種類だけでよい。又、同期信号SSのパターン生成に余裕がある場合は、クラスタの先頭行のみ別のパターンでも可能である。
【0030】
図5は、このようなデータ構造の処理の過程を一覧として示すものであり、ここで(c)は、L=2の場合の処理、(d)は、L=4の場合の処理がそれぞれ示されている。
【0031】
このように、本発明に係るデータ構造によれば、クラスタCLを用いることでID信号の容量を削減することができ、識別信号Iを用いることで、現行DVD規格の同期信号SYの容量を削減し、更に、奇数シンボルのデータ構造とすることができる。
【0032】
<本発明に係るデータ構造の変形例>
又、次に、これらの処理の変形例をそれぞれ、以下に示す。図6は、本発明に係るクラスタデータが複数集められた集合体を示す図、図7は、識別信号のデータ構成の一例を示す図、図8は、RLL変換テーブルの一例を示す図、図9は、本発明に係る物理クラスタの他の一例を示す図、図10は、ECCブロックの他の一例を示す図、図11は、行インターリーブ処理後のECCブロックの他の一例を示す図である。
【0033】
上記の例では、N=44とした場合が示されたが、本発明は必ずしもこれに限るものではなく、図6に示すように、例えば、一つのID情報をそれぞれ有するクラスタをK個だけ集合して構成するものであってもよい。
【0034】
又、図7の(a)は、本発明の識別情報Iの構成例を示した図である。データブロックの行識別情報や制御信号などの情報を、誤り訂正データブロックに含めないで独立した情報として記録データブロックに挿入する方式では、ECCブロックのデータのように変調器を通す必要がないことから、複数種の情報パターンの組み合わせを利用することが可能である。図7の(a)では、12チャネルビットを行識別信号に利用し、4チャネルビットを(0100)=1・(0010)=0の意味をもたせ、図4に示した48組の識別情報Iから48ビットが纏められ、独立した誤り訂正符号を構成して記録再生できるようにすることが可能である。
【0035】
又、図7の(b)は、本発明に係る識別情報I内のコントロールデータの構成例を示している。この識別情報Iは、メインデータの構成や誤り訂正ブロックがメインデータと独立した情報信号であるため、記録再生ドライブ内のみで利用することが可能である。従って、著作権保護用制御信号などに利用する場合、保護効果を得ることができる。
【0036】
このように本発明は、誤り訂正符号を含むメインデータとそのデータブロックの行識別情報や同期信号SSをそれぞれ最適化した配置にすることを目的にしており、データ伝送・記録効率が高くなるだけでなく、新しい機能効果が生まれている。
【0037】
現行DVD規格の変調方式は、RLL(2,10)の「8−16」変調が用いられているが、最近、最短ピット長の更なる縮小化が可能になりつつあり、RLL(1,7)、又はRLL(1,10)等、その変形の変調方式が次世代の光ディスクで採用検討されている。この場合、8ビットのデータを12チャネルビットに変換、又は「2ビットを3チャネルビット/4ビットを6チャネルビット」に変換する変調方式が考えられる。
【0038】
図8は、(1−7)RLL変調といわれる変調方式の変換テーブルである。このような変調方式を使うと、1シンボル(又はバイト)に対してのチャネルビット長が短くなり、同期信号SSは多種類の信号パターンを構成することは難しくなる。
【0039】
図9は、本発明に係る物理クラスタの二つの変形例を示している。図4では、識別情報Iは各行の先頭フレームの同期信号SSに続いて配置したが、図9の(a)と(b)の変形例では、それぞれ、先頭フレームの同期信号SSの直前に配置している。このため偶数シンクフレームEFと、奇数シンクフレームOFとのデータ長が逆となっている。再生処理システムを構成する上で、同期信号SSの後段はECCデータでそろえた方が構成が簡易になるためである。
【0040】
又、図9の(a)は(2,10)RLLで変調した場合の図であるが、図9の(b)は、(1,7)RLL変調で対応した場合を示している。同期信号SSは同じように2シンボル分を割り当てると24チャネルビット長となり、図14の同期信号SY0〜7で示すように多くの種類の同期信号を構成することが難しくなる。従って、多くの種類の信号パターンを用意する場合は、同期信号SSを2.5シンボルか3シンボル長にする必要が出てきて、データ効率がさらに悪化することにもなりかねない。図9の(b)の例を利用すれば、逆に1.5シンボル長でも可能になり、データ伝送・記録効率を向上させることができる。
【0041】
本発明の実施形態では、現行DVD規格の誤り訂正データブロックとそれに伴う記録データブロックを参考にして説明した。光ディスクは新たにブルーレーザを用いて記録密度を3〜5倍程度に向上させる方式が開発されようとしている。この場合、線記録密度は1.5〜2.5倍程度に上がるため、バーストエラーに対する誤り訂正能力を、データ長換算で2倍以上に向上させる必要がある。
【0042】
しかしながら、現行DVD規格で採用されている誤り訂正方式は、シンボル=バイトによるリードソロモン積符号が用いられているため、8ビットのガロア体演算から、訂正符号長は255バイトが限界である。現行DVD規格では、行方向が182バイト長、列方向が208バイト長であり、これ以上能力向上は難しい。
【0043】
そこで、一行又は一列のデータ列を2組の訂正系列で構成させる、言い換えれば訂正系列側から見れば、2つの訂正ブロックがインターリーブ処理された構造をさせることで、能力向上を考えられる。
【0044】
図10は、本発明に係るECCブロックの他の実施形態を示す図である。ここでは、図1のクラスタを8組集合させ、列方向の誤り訂正検査行列は、偶数行と奇数行で別々の検査行列としている。このようにして生成された訂正符号が付加され、2組の(PO)は、図3と同様に行インターリーブされる。
【0045】
又、図11は、図10に示すECCブロックの行インターリーブ処理後のECCブロックEB’が示されている。
【0046】
<本発明に係る情報処理装置>
次に、本発明に係る情報処理が行われる情報処理装置の記録処理及び再生処理の構成の一例を示す。図12は、本発明に係る情報処理が行われる情報処理装置の記録処理の構成の一例を示すブロック図、図13は、本発明に係る情報処理が行われる情報処理装置の再生処理の構成の一例を示すブロック図である。
【0047】
本発明に係る情報処理が行われる情報処理装置は、図12において、以下のように記録処理を行う。すなわち、記録すべきディジタル信号は、データ制御部R1において、映像音声信号や制御信号等に纏められ、次のデータセクタ化部R2に送られ、2Kバイトのセクタデータに整えられる。そして、2Kバイトのメインデータに対して誤り検出符号(EDC:Error Detection Code)が付加され、スクランブル処理部R3において、サーボエラー信号検出安定を目的に、同一パターンの連続性が発生しないようID情報で初期値が決められるデータスクランブル処理が行われる。
【0048】
次に、クラスタ化部R4に送られ、図1で示したクラスタCLへと変換される。このクラスタCLは、更に、ヘッダ処理部R5に供給され、セクタ番号を示すIDやその他の制御信号が付加される。更に、次の誤り訂正符号化部R6で誤り訂正検査積符号が生成付加され、更に、識別信号I付加部R7において、上述した識別信号Iが付加される。その後、変調部R8において、記録信号にされるための変調処理が施された後に、同期付加部R9において、一定間隔のデータ長に対して上述した同期信号SSが付加され、図4で示した物理クラスタPCが生成される。最後に、この物理クラスタPCが記録信号として、ドライバR10によって、記録媒体Dへ記録されることとなる。
【0049】
又、更に、本発明に係る情報処理が行われる情報処理装置は、図13において、以下のように再生処理を行う。すなわち、記録媒体Dから、データ読み取り用ピックアップヘッドPUによって、記録信号が読み出され、読み出されたアナログ信号は、2値化部P1でディジタル信号に変換される。その後、同期分離部P2によって同期信号SSが検出される。更に、上述した識別信号Iが識別信号I検出部P3より検出され、同期信号SSと識別信号Iとに基づき、記録信号が処理される。その後、記録信号は、復調部P4にてシンボルデータが復調される。これらのシンボルデータにはエラーデータも含まれるので、誤り訂正復号化部P5にて誤り訂正処理が行われる。更に、クラスタのセクタ化部P6にてセクタ毎に分割され、セクタ単位により、デスクランブル処理部P7にてデスクランブル処理が施され、この復号された信号がインターフェースP8を通して出力される。
【0050】
以上記載した様々な実施形態により、当業者は本発明を実現することができるが、更にこれらの実施形態の様々な変形例を思いつくことが当業者によって容易であり、発明的な能力をもたなくとも様々な実施形態へと適用することが可能である。従って、本発明は、開示された原理と新規な特徴に矛盾しない広範な範囲に及ぶものであり、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係る処理方法によれば、本発明に特有なクラスタCLを用いることでID信号の容量を削減することができ、又、更に、識別信号Iを用いることで、現行DVD規格の同期信号SYの容量を削減し、更に、奇数シンボルのデータ構造とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるクラスタデータのデータ構造の一例を示す図。
【図2】本発明に係るクラスタデータを用いたECCブロックの一例を示す図。
【図3】本発明に係るクラスタデータを用いたインターリーブ後のECCブロックの一例を示す図。
【図4】本発明に係るクラスタデータを用いた物理クラスタの一例を示す図。
【図5】本発明に係るクラスタから物理クラスタに至る過程を示す図。
【図6】本発明に係るクラスタデータが複数集められた集合体を示す図。
【図7】本発明に係る識別信号のデータ構成の一例を示す図。
【図8】本発明に係るRLL変換テーブルの一例を示す図。
【図9】本発明に係る物理クラスタの他の一例を示す図。
【図10】本発明に係るECCブロックの他の一例を示す図。
【図11】本発明に係る行インターリーブ処理後のECCブロックの他の一例を示す図。
【図12】本発明に係る情報処理が行われる情報処理装置の記録処理の構成の一例を示すブロック図。
【図13】本発明に係る情報処理が行われる情報処理装置の再生処理の構成の一例を示すブロック図。
【図14】本発明に係る情報処理で用いられる同期信号パターンSSと現行DVD規格の同期信号SYとの関係を示す図。
【符号の説明】
R1…データ制御部、R4…クラスタ化部、R7…識別信号付加部、R9…同期付加部、P1…2値化部、P3…識別信号検出部、P6…クラスタのセクタ化部。
【発明の属する技術分野】
この発明は、所定の規格に基づく情報記録再生方法であり、特に、誤り訂正を伴う最適化されたデータブロック構造による情報記録再生方法及び情報記録再生装置と情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、光ディスクを用いたディジタル機器の普及が目覚しく、光ディスクへの情報が記録される際のデータ構造においても、一層の改良が要望されている。すなわち、例えば、DVD(Digital Versatile Disk)の規格に例をとると、記録すべき情報は、ある特定容量のデータブロック毎に、誤り訂正積符号を生成付加して、一定間隔のデータ長に分割して同期信号を挿入してデータ変調後に伝送或いは記録媒体に記録されるものである。
【0003】
これに関連した従来技術として、積符号を構成する誤り訂正符号の誤り訂正処理が示された例がある(例えば、特許文献1参照)。この従来技術においては、ディジタル信号は、データ制御部で映像音声信号や制御信号等が纏められ、次のデータセクタ化に送られ、2Kバイトのセクタデータに整えられる。また2Kバイトのメインデータに対して誤り検出符号(EDC:Error Detection Code)が付加され、スクランブル処理によりサーボエラー信号検出安定を目的に、同一パターンの連続性が発生しないようID情報で初期値が決められるデータスクランブル処理が行われる。これにより形成されたセクタデータにヘッダ処理でセクタ番号を示すIDやその他の制御信号が付加される。このデータは次の誤り訂正符号化処理により誤り訂正検査積符号が生成付加され、記録信号にされるための変調処理、一定間隔のデータ長に対して同期信号付加処理され、記録信号としてドライバにより記録媒体に記録されるものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−184881号公報。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した記録処理におけるデータ構造の情報処理は、一定のDVD規格によるデータ構造において行われており、一定のデータ容量毎に、一定の効率の範囲で、上述した暗号化や復号が行われ誤り訂正が行われIDや同期信号が付加されて管理されなければならない。しかしながら、これを満足するデータ構造は必ずしも一通りではなく、現行DVD規格のデータ構造が必ずしも最適化されているというわけではない。すなわち、現行DVD規格においては、各データ長が決められた背景は、符号効率や機能などから総合的に検討され決められたものであるが、この中でいくつかの無駄な要素もあり、それらを拾い出して総合的な最適化をすれば、さらに冗長率の少ない効率的なデータ構造が考えられる。
【0006】
下記に検討すべき項目を挙げると、
1.アプリケーション側から、2Kシンボルセクタを最初のデータパケットにしているが、IDは2Kシンボル単位より大きくても、ポジション検索などに影響しない。
【0007】
2.同期信号の機能で、行識別などは全てのフレームで対応する必要はない。
【0008】
3.誤り訂正ブロック又は、2KシンボルセクタがK個集まったクラスタ単位で制御信号を扱っても良い。
【0009】
4.変調方式が変換効率の高い方式が採用される場合、チャネルビット長が短くなるため、多くの同期信号パターンが生成できなくなる。
【0010】
5.制御信号をメイン変調方式とは異なる方式で構成することで、効率よい配置で記録信号が構成できる。
【0011】
この様に、よく検討された現行DVD規格も、最初に構成の考え方を変えるだけで、さらに効率的な最適データ構造を作成することが可能であり、現行DVD規格のデータ構造に最適化の余地を残しているという問題がある。
本発明は、誤り訂正ブロックで必要とされる機能を考慮しながら最適化させたデータ構造を用いる情報記録再生方法及び情報記録再生装置と情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するべく、与えられる情報に応じてECCブロックを生成し、これにインターリーブ処理を施した前記ECCブロックに基づいて、前記ECCブロックの同期信号と前記ECCブロック内の位置を示す識別信号とを前記ECCブロックに付加した第1シンクフレームと、前記同期信号のみを付加した第2シンクフレームとによる行が、複数行設けられて構成される物理クラスタを生成しこれを記録媒体に記録することを特徴とする情報記録方法である。
【0013】
従来のデータ構造においては、物理クラスタに一定間隔で付加されていた同期信号は、位置情報をも含んだ冗長なものであり、更に、偶数個のシンボルによる偶数シンクフレームにより積符号誤り訂正の内符号検査行列が構成されていたため、ECCブロックの基礎となるセクタの一辺は、通常最適化を行うと偶数が使われるという制約ができてしまうことになる。これにより、例えば、一辺を187個等のシンボル数とするというデータ構造をもつことができない。しかし、本発明に係る情報記録方法によれば、一方のシンクフレームにだけ位置情報である識別信号を付加し、他方のシンクフレームにはこれを付加しないため、シンボル数に偏りが生じるため、都合よく一辺を奇数とする、例えば、187個のシンボル数とするというデータ構造をもつことができる。これにより、偶数という制約から離れて自由に最適化したデータ構造をとることができる。
更に、従来方式である同期信号に位置情報も含めるという方法をとってはいないため、同期信号を短くすることができる。具体的には、従来、一つのステートの同期信号で2バイトの容量を必要としていたのに比べ、本発明によれば、一例として、約1.3バイトの容量による同期信号を用意するだけですむこととなる。これによりデータ構造を効率化することが可能となる。
更に、本発明は、各々が一つのID情報を有する情報ブロックであるクラスタを、与えられる情報に応じて生成し、前記クラスタを複数個集め、これに誤り訂正符号を付加してECCブロックを生成し、更に少なくとも同期信号を付加した物理クラスタ毎に、前記与えられた情報を記録媒体に記録することを特徴とする情報記録方法である。
【0014】
従来の例えば現行DVD規格においては、例えば、情報ブロックのIDは、セクタと呼ばれる情報ブロック毎に与えられており、セクタは、172バイト×12行の情報ブロックである。一方、本発明に係る情報記録方法によれば、クラスタと呼ばれる情報ブロックを用い、クラスタは、一例として、187バイト×44行の情報ブロックである。
【0015】
現行DVD規格においては、一つの物理セクタにおいては、12行のセクタを16組用いているため、IDは16個必要となる。12バイトのIDが16個であり、IDのために192バイトの容量を必要としていた。
【0016】
一方、本発明に係る規格においては、一つの物理クラスタ(上記の物理セクタに対応する)においては、44行のクラスタを4組用いているため、IDは4個あればよい。従って、IDが20バイトであれば、IDのために80バイトの容量があればよく、IDのための容量を112バイト(=192−80)節約でき、IDのための容量は約41%に削減することができることとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る情報処理装置が用いるデータ構造の一例を詳細に説明する。本発明の方式で構成されたデータ構造を具体的な構成図で説明する。図1は、本発明の一実施形態であるクラスタデータのデータ構造の一例を示す図、図2は、このクラスタデータを用いたECCブロックの一例を示す図、図3は、このクラスタデータを用いたインターリーブ後のECCブロックの一例を示す図、図4は、このクラスタデータを用いた物理クラスタの一例を示す図、図5は、このクラスタから物理クラスタに至る過程を示す図、図14は、本発明に係る情報処理で用いられる同期信号パターンの一例を示す図である。
【0018】
本発明に係るデータ構造の特徴は、図1に示すようなクラスタ(セクタと呼んでもよいが、説明の便宜上、クラスタと呼ぶ)CLを基本単位とするものである。このクラスタCLは、図1に示すように、一つのID(更に、IED、他)を有しており、一例として、Mを187とし、187シンボル×44行の構成を有している。これは、一般的には、誤り訂正検査符号も含めた(m1+m2)×Nシンボルで、m1+m2=Mシンボルとした時、Mは奇数シンボルでも構わない。
【0019】
又、更に、本発明に係るデータ構造の特徴は、物理クラスタに付加される同期信号SSは、行識別情報等の機能(図14の行識別情報AD)が除外されたものを用いることであり、新たに、各行の偶数SYNCフレームEFにのみ識別情報Iを挿入して、これにより行識別情報やその他の制御信号をもたせている。すなわち、行識別情報等は、データ構造の一行が複数SYNCフレームで構成される場合、全ての同期信号SSにその情報を埋め込む必要はない。そこで先頭の偶数フレームのみに専用の識別情報Iとして配置すれば、用を成すものである。
【0020】
又、この識別情報Iは1シンボル程度で充分であるため、SYNC間距離を等しくする必要があることから、誤り訂正データブロックの行方向データ長に奇数長を採用することができる。
【0021】
<本発明に係るクラスタのデータ構造>
本発明に係るクラスタCLの一例が図1に示されており、データ効率向上のために、現行DVD規格では172バイト×12行のデータブロックに対して一つのID情報等を付与しているのに対して、この規格では、187バイト×11行×4のデータブロック(いわゆるクラスタCL)に対して一つのID情報等を付与している。
【0022】
現行DVD規格においては、一つの物理セクタにおいては、12行のセクタを16組用いているため、IDは16個必要となる。IDが12バイトであれば、IDが16個なので、IDのために192バイトの容量を必要としている。
【0023】
一方、本発明に係る規格においては、一つの物理クラスタ(現行DVD規格の物理セクタに対応)においては、44行のクラスタを4組用いているため、IDは4個あればよい。従って、IDが20バイトであれば、IDのために80バイトの容量があればよく、この結果、現行DVD規格に比べて、IDのための容量を112バイト(=192−80)節約することができる。これにより、IDのために必要な容量を約41%まで削減することができる。
【0024】
なお、このように容量を削減できるデータ構造の例は、上述した187シンボル×44行にて、ID等を20Bとする場合以外にも、175シンボル×47行でID等を17Bとする場合、179シンボル×46行でID等を26Bとする場合等が考えられ、更に、同様に他の値であっても、一定の容量節約を行うことができる。
【0025】
なお、連続エラーの誤り訂正能力を向上させるためには、行方向のシンボル数が多い方がよく、M=187とした場合は、誤り訂正効率を比較的高く得ることが可能となる。
【0026】
更に、図2は、本発明を利用した時のECCブロックの例を示したものである。ECCブロックEBは、図1のクラスタCLを4組集合させ、更に、誤り訂正検査外符号(PO)と内符号(PI)が付加されたものである。
【0027】
図3は、インターリーブ処理が施されたECCブロックEB’を示しており、現行DVD規格と同様に、図2の誤り訂正検査外符号(PO)領域を行インターリーブ処理して、各クラスタに分散配置することにより、全て同じ構成のクラスタを形成させている。
【0028】
図4は、インターリーブ処理が施されたECCブロックEB’を行方向2分割して偶数シンクフレームEFと、奇数シンクフレームOFとにより構成し、行方向の197シンボルは98シンボルと99シンボルに分割して8/16変調して先頭に同期信号SSを挿入することで得られる、物理クラスタPCを示している。但し、先頭フレームには16チャネルビットの識別情報Iを挿入する。ここで、識別情報Iは、行識別情報やその他の制御情報で構成された記録信号である。
【0029】
この場合、同期信号SSは、図14で示すような現行DVD規格で使用している同期信号SY0〜SY7を必要とするわけではなく、行識別情報成分ADを含めない残りの信号である同一の同期信号SSを用いるだけでよい。これにより、本発明に係るデータ構造においては、同期信号として用いられる容量を、現行DVD規格のデータ構造に比べて、削減することが可能となる。又、同期信号SSは、シンボル分割と記録信号直流成分抑圧制御機能のみでよいため、同期信号SSの信号パターンとして[1a]、[1b]、[2a]、[2b]の4種類だけでよい。又、同期信号SSのパターン生成に余裕がある場合は、クラスタの先頭行のみ別のパターンでも可能である。
【0030】
図5は、このようなデータ構造の処理の過程を一覧として示すものであり、ここで(c)は、L=2の場合の処理、(d)は、L=4の場合の処理がそれぞれ示されている。
【0031】
このように、本発明に係るデータ構造によれば、クラスタCLを用いることでID信号の容量を削減することができ、識別信号Iを用いることで、現行DVD規格の同期信号SYの容量を削減し、更に、奇数シンボルのデータ構造とすることができる。
【0032】
<本発明に係るデータ構造の変形例>
又、次に、これらの処理の変形例をそれぞれ、以下に示す。図6は、本発明に係るクラスタデータが複数集められた集合体を示す図、図7は、識別信号のデータ構成の一例を示す図、図8は、RLL変換テーブルの一例を示す図、図9は、本発明に係る物理クラスタの他の一例を示す図、図10は、ECCブロックの他の一例を示す図、図11は、行インターリーブ処理後のECCブロックの他の一例を示す図である。
【0033】
上記の例では、N=44とした場合が示されたが、本発明は必ずしもこれに限るものではなく、図6に示すように、例えば、一つのID情報をそれぞれ有するクラスタをK個だけ集合して構成するものであってもよい。
【0034】
又、図7の(a)は、本発明の識別情報Iの構成例を示した図である。データブロックの行識別情報や制御信号などの情報を、誤り訂正データブロックに含めないで独立した情報として記録データブロックに挿入する方式では、ECCブロックのデータのように変調器を通す必要がないことから、複数種の情報パターンの組み合わせを利用することが可能である。図7の(a)では、12チャネルビットを行識別信号に利用し、4チャネルビットを(0100)=1・(0010)=0の意味をもたせ、図4に示した48組の識別情報Iから48ビットが纏められ、独立した誤り訂正符号を構成して記録再生できるようにすることが可能である。
【0035】
又、図7の(b)は、本発明に係る識別情報I内のコントロールデータの構成例を示している。この識別情報Iは、メインデータの構成や誤り訂正ブロックがメインデータと独立した情報信号であるため、記録再生ドライブ内のみで利用することが可能である。従って、著作権保護用制御信号などに利用する場合、保護効果を得ることができる。
【0036】
このように本発明は、誤り訂正符号を含むメインデータとそのデータブロックの行識別情報や同期信号SSをそれぞれ最適化した配置にすることを目的にしており、データ伝送・記録効率が高くなるだけでなく、新しい機能効果が生まれている。
【0037】
現行DVD規格の変調方式は、RLL(2,10)の「8−16」変調が用いられているが、最近、最短ピット長の更なる縮小化が可能になりつつあり、RLL(1,7)、又はRLL(1,10)等、その変形の変調方式が次世代の光ディスクで採用検討されている。この場合、8ビットのデータを12チャネルビットに変換、又は「2ビットを3チャネルビット/4ビットを6チャネルビット」に変換する変調方式が考えられる。
【0038】
図8は、(1−7)RLL変調といわれる変調方式の変換テーブルである。このような変調方式を使うと、1シンボル(又はバイト)に対してのチャネルビット長が短くなり、同期信号SSは多種類の信号パターンを構成することは難しくなる。
【0039】
図9は、本発明に係る物理クラスタの二つの変形例を示している。図4では、識別情報Iは各行の先頭フレームの同期信号SSに続いて配置したが、図9の(a)と(b)の変形例では、それぞれ、先頭フレームの同期信号SSの直前に配置している。このため偶数シンクフレームEFと、奇数シンクフレームOFとのデータ長が逆となっている。再生処理システムを構成する上で、同期信号SSの後段はECCデータでそろえた方が構成が簡易になるためである。
【0040】
又、図9の(a)は(2,10)RLLで変調した場合の図であるが、図9の(b)は、(1,7)RLL変調で対応した場合を示している。同期信号SSは同じように2シンボル分を割り当てると24チャネルビット長となり、図14の同期信号SY0〜7で示すように多くの種類の同期信号を構成することが難しくなる。従って、多くの種類の信号パターンを用意する場合は、同期信号SSを2.5シンボルか3シンボル長にする必要が出てきて、データ効率がさらに悪化することにもなりかねない。図9の(b)の例を利用すれば、逆に1.5シンボル長でも可能になり、データ伝送・記録効率を向上させることができる。
【0041】
本発明の実施形態では、現行DVD規格の誤り訂正データブロックとそれに伴う記録データブロックを参考にして説明した。光ディスクは新たにブルーレーザを用いて記録密度を3〜5倍程度に向上させる方式が開発されようとしている。この場合、線記録密度は1.5〜2.5倍程度に上がるため、バーストエラーに対する誤り訂正能力を、データ長換算で2倍以上に向上させる必要がある。
【0042】
しかしながら、現行DVD規格で採用されている誤り訂正方式は、シンボル=バイトによるリードソロモン積符号が用いられているため、8ビットのガロア体演算から、訂正符号長は255バイトが限界である。現行DVD規格では、行方向が182バイト長、列方向が208バイト長であり、これ以上能力向上は難しい。
【0043】
そこで、一行又は一列のデータ列を2組の訂正系列で構成させる、言い換えれば訂正系列側から見れば、2つの訂正ブロックがインターリーブ処理された構造をさせることで、能力向上を考えられる。
【0044】
図10は、本発明に係るECCブロックの他の実施形態を示す図である。ここでは、図1のクラスタを8組集合させ、列方向の誤り訂正検査行列は、偶数行と奇数行で別々の検査行列としている。このようにして生成された訂正符号が付加され、2組の(PO)は、図3と同様に行インターリーブされる。
【0045】
又、図11は、図10に示すECCブロックの行インターリーブ処理後のECCブロックEB’が示されている。
【0046】
<本発明に係る情報処理装置>
次に、本発明に係る情報処理が行われる情報処理装置の記録処理及び再生処理の構成の一例を示す。図12は、本発明に係る情報処理が行われる情報処理装置の記録処理の構成の一例を示すブロック図、図13は、本発明に係る情報処理が行われる情報処理装置の再生処理の構成の一例を示すブロック図である。
【0047】
本発明に係る情報処理が行われる情報処理装置は、図12において、以下のように記録処理を行う。すなわち、記録すべきディジタル信号は、データ制御部R1において、映像音声信号や制御信号等に纏められ、次のデータセクタ化部R2に送られ、2Kバイトのセクタデータに整えられる。そして、2Kバイトのメインデータに対して誤り検出符号(EDC:Error Detection Code)が付加され、スクランブル処理部R3において、サーボエラー信号検出安定を目的に、同一パターンの連続性が発生しないようID情報で初期値が決められるデータスクランブル処理が行われる。
【0048】
次に、クラスタ化部R4に送られ、図1で示したクラスタCLへと変換される。このクラスタCLは、更に、ヘッダ処理部R5に供給され、セクタ番号を示すIDやその他の制御信号が付加される。更に、次の誤り訂正符号化部R6で誤り訂正検査積符号が生成付加され、更に、識別信号I付加部R7において、上述した識別信号Iが付加される。その後、変調部R8において、記録信号にされるための変調処理が施された後に、同期付加部R9において、一定間隔のデータ長に対して上述した同期信号SSが付加され、図4で示した物理クラスタPCが生成される。最後に、この物理クラスタPCが記録信号として、ドライバR10によって、記録媒体Dへ記録されることとなる。
【0049】
又、更に、本発明に係る情報処理が行われる情報処理装置は、図13において、以下のように再生処理を行う。すなわち、記録媒体Dから、データ読み取り用ピックアップヘッドPUによって、記録信号が読み出され、読み出されたアナログ信号は、2値化部P1でディジタル信号に変換される。その後、同期分離部P2によって同期信号SSが検出される。更に、上述した識別信号Iが識別信号I検出部P3より検出され、同期信号SSと識別信号Iとに基づき、記録信号が処理される。その後、記録信号は、復調部P4にてシンボルデータが復調される。これらのシンボルデータにはエラーデータも含まれるので、誤り訂正復号化部P5にて誤り訂正処理が行われる。更に、クラスタのセクタ化部P6にてセクタ毎に分割され、セクタ単位により、デスクランブル処理部P7にてデスクランブル処理が施され、この復号された信号がインターフェースP8を通して出力される。
【0050】
以上記載した様々な実施形態により、当業者は本発明を実現することができるが、更にこれらの実施形態の様々な変形例を思いつくことが当業者によって容易であり、発明的な能力をもたなくとも様々な実施形態へと適用することが可能である。従って、本発明は、開示された原理と新規な特徴に矛盾しない広範な範囲に及ぶものであり、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係る処理方法によれば、本発明に特有なクラスタCLを用いることでID信号の容量を削減することができ、又、更に、識別信号Iを用いることで、現行DVD規格の同期信号SYの容量を削減し、更に、奇数シンボルのデータ構造とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるクラスタデータのデータ構造の一例を示す図。
【図2】本発明に係るクラスタデータを用いたECCブロックの一例を示す図。
【図3】本発明に係るクラスタデータを用いたインターリーブ後のECCブロックの一例を示す図。
【図4】本発明に係るクラスタデータを用いた物理クラスタの一例を示す図。
【図5】本発明に係るクラスタから物理クラスタに至る過程を示す図。
【図6】本発明に係るクラスタデータが複数集められた集合体を示す図。
【図7】本発明に係る識別信号のデータ構成の一例を示す図。
【図8】本発明に係るRLL変換テーブルの一例を示す図。
【図9】本発明に係る物理クラスタの他の一例を示す図。
【図10】本発明に係るECCブロックの他の一例を示す図。
【図11】本発明に係る行インターリーブ処理後のECCブロックの他の一例を示す図。
【図12】本発明に係る情報処理が行われる情報処理装置の記録処理の構成の一例を示すブロック図。
【図13】本発明に係る情報処理が行われる情報処理装置の再生処理の構成の一例を示すブロック図。
【図14】本発明に係る情報処理で用いられる同期信号パターンSSと現行DVD規格の同期信号SYとの関係を示す図。
【符号の説明】
R1…データ制御部、R4…クラスタ化部、R7…識別信号付加部、R9…同期付加部、P1…2値化部、P3…識別信号検出部、P6…クラスタのセクタ化部。
Claims (15)
- 与えられる情報に応じてECCブロックを生成し、これにインターリーブ処理を施した前記ECCブロックに基づいて、
前記ECCブロックの同期信号と前記ECCブロック内の位置を示す識別信号とを前記ECCブロックに付加した第1シンクフレームと、前記同期信号のみを付加した第2シンクフレームとによる行が、複数行設けられて構成される物理クラスタを生成しこれを記録媒体に記録することを特徴とする情報記録方法。 - 前記生成されたECCブロックは、一つのID情報をそれぞれ有する4つのクラスタを有しており、各クラスタは、1行ごとに誤り訂正符号が付加される44行を有していることを特徴とする請求項1記載の情報記録方法。
- 記録媒体から、ECCブロックの同期信号と前記ECCブロック内の位置を示す識別信号とを付加した第1シンクフレームと前記同期信号のみを付加した第2シンクフレームとによる行が、複数行設けられて構成される物理クラスタ毎に情報を読み出し、前記識別信号により各データの位置を検出し前記同期信号で同期を取りながら、前記物理クラスタに含まれる情報を再生することを特徴とする情報再生方法。
- 前記生成されたECCブロックは、一つのID情報をそれぞれ有する4つのクラスタを有しており、各クラスタは、1行ごとに誤り訂正符号が付加される44行を有していることを特徴とする請求項3記載の情報再生方法。
- 各々が一つのID情報を有する情報ブロックであるクラスタを、与えられる情報に応じて生成し、前記クラスタを複数個集め、これに誤り訂正符号を付加してECCブロックを生成し、更に少なくとも同期信号を付加した物理クラスタ毎に、前記与えられた情報を記録媒体に記録することを特徴とする情報記録方法。
- 各一つのID情報を有する情報ブロックであるクラスタが複数個集められ、これに誤り訂正符号を付加して生成したECCブロックに少なくとも同期信号を付加した物理クラスタ毎に、情報記録媒体から情報を読み出し、前記同期信号により同期を取り、前記クラスタのID情報に基づいてクラスタを識別することで、情報を再生することを特徴とする情報記録方法。
- 前記生成された各クラスタは、1行ごとに誤り訂正符号が付加される44行を有していることを特徴とする請求項5又は6記載の情報記録方法。
- 前記生成された各クラスタは、187シンボルからなる、1行ごとに誤り訂正符号が付加される44行を有していることを特徴とする請求項5又は6記載の情報記録方法。
- 与えられる情報をセクタ化し誤り訂正符号を付加してECCブロックを生成する誤り訂正符号化部と、
前記ECCブロックに前記ECCブロック内の位置を示す識別信号を付加する識別信号付加部と、
更に前記ECCブロックに同期信号を付加することで、前記ECCブロックの同期信号と前記識別信号とを付加した第1シンクフレームと、前記同期信号のみを付加した第2シンクフレームとによる行が、複数行設けられて構成される物理クラスタを生成する同期信号付加部と、
前記同期信号付加部により生成された前記物理クラスタを記録媒体に記録するドライバと、を具備することを特徴とする情報記録装置。 - 記録媒体から検出信号を読み出し2値化して、ECCブロックの同期信号と前記ECCブロック内の位置を示す識別信号とを付加した第1シンクフレームと、前記同期信号のみを付加した第2シンクフレームとによる行が、複数行設けられて構成される物理クラスタ毎に情報を読み取る2値化部と、
前記2値化部で読み取られた前記物理クラスタから前記同期信号を分離し、これに基づき前記フレームとの同期をとる同期分離部と、
前記2値化部で読み取られた前記物理クラスタから、前記識別信号により各フレームの位置を検出し、これに基づいて前記物理クラスタに含まれる情報を再生する識別信号検出部と、を具備することを特徴とする情報再生装置。 - 与えられた情報をブロック化して一つのID情報が付与されるクラスタを生成するクラスタ化部と、
前記クラスタを複数個集め、これに誤り訂正符号を付加してECCブロックを生成する誤り訂正符号化部と、
前記ECCブロックに少なくとも同期信号を付加した物理クラスタを生成しこれを記録媒体へと記録するドライバ部と、
を具備することを特徴とする情報記録装置。 - 前記生成された各クラスタは、187シンボルからなる、1行ごとに誤り訂正符号が付加される44行を有していることを特徴とする請求項11記載の情報記録装置。
- 記録媒体からの検出信号を2値化して、一つのID情報を有する情報ブロックであるクラスタが複数個集められ、これに誤り訂正符号を付加して生成したECCブロックに少なくとも同期信号を付加した物理クラスタ毎に、前記記録媒体から情報を読み取る2値化部と、
前記クラスタからそれぞれのID情報を検出し、これに基づいて、前記クラスタをセクタ化して前記セクタ中の情報を読み取ることで再生するセクタ化部と、
を具備することを特徴とする情報再生装置。 - 前記生成された各クラスタは、187シンボルからなる、1行ごとに誤り訂正符号が付加される44行を有していることを特徴とする請求項13記載の情報再生装置。
- 一つのID情報を有する情報ブロックであるクラスタが複数個集められ、これに誤り訂正符号を付加してECCブロックを生成し、これにインターリーブ処理を施して形成された前記ECCブロックに基づいて、
前記ECCブロックの同期信号と前記ECCブロック内の位置を示す識別信号とを前記ECCブロックに付加した第1シンクフレームと、前記同期信号のみを付加した第2シンクフレームとによる行が、複数行設けられて構成される物理クラスタが、複数個、記録されていることを特徴とする情報記録媒体。
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