JP2004213069A - 帳票発行装置およびそれを用いた電子帳票システム - Google Patents

帳票発行装置およびそれを用いた電子帳票システム Download PDF

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Abstract

【課題】帳票の不正な出力をより確実に防止する。帳票の出力に関わる過程を記録することによって、帳票出力の不具合や帳票の不正な出力の追跡を容易する。
【解決手段】印刷処理が開始されると、システムモーダル画面となり(ステップS14)、入力操作が受け付けられなくなる。その状態で、バックグラウンドで帳票の印刷処理が行われる。帳票画像の表示も抑止される(ステップS17)。帳票要求データ送信時(ステップS12)、帳票データ受信時(ステップS15)、印刷データの送出完了時(ステップS20)および印刷完了時(ステップS22)にそれぞれログが作成される。
【選択図】 図40

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、領収書、請求書、在庫管理表、生命保険の提案書、チケットその他の有価証券などに代表される各種の帳票を発行するための帳票発行装置およびそれを用いた電子帳票システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネット上に置かれたサーバに、複雑な背景画像、罫線、文字およびイメージ等からなる固定的な帳票フォームデータを蓄積しておくとともに、帳票フォームデータ上に設定されたフィールドに取り込むべきユーザデータを特定する情報を、インターネットに接続されたパーソナルコンピュータから上記サーバに送信する構成の電子帳票システムが提案されている(たとえば特許文献1)。サーバでは、帳票フォームのフィールドにユーザデータを取り込んでオーバレイすることにより帳票のイメージデータが作成され、この帳票イメージデータがインターネットを介して上記パーソナルコンピュータへと送信されるようになっている。パーソナルコンピュータのユーザは、受信した帳票イメージデータを、プリンタで印刷することによって、所望の帳票を得ることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−163596号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
イベントのチケットなどの有価証券や領収書等のように金銭に関わる業務または対外的信用に関わる業務に使用される帳票は、不正発行がされないように、厳格な管理が求められる。その一方で、管理者のみがそのような帳票を発行できるような態勢では、業務の遂行に支障を来すことが多く、管理者の管理下にある複数の担当者レベルで帳票の発行ができることが好ましい。この場合、管理者が個々の担当者による帳票の発行を管理すればよいが、管理者の負担が重く、帳票の不正な発行を防止するほどの完全な管理は困難な場合が多い。
【0005】
たとえば、帳票発行用のプリンタに対して特定の端末を登録しておき、その端末からしか帳票の発行ができないようにしたり、ユーザの認証を経て端末の帳票発行操作が可能となるようにしたりすることにより、管理者の負担を軽減できる。
【0006】
しかし、帳票印刷を途中で中断させて不完全な状態の帳票を出力させたり、端末の表示装置の画面上に表示された帳票の画像をキャプチャすることにより、この画像を帳票の不正発行に利用したりすることができ、不正な帳票出力のための抜け道が残されている。
【0007】
そこで、この発明の目的は、帳票の不正な出力をより確実に防止することができる帳票発行装置およびそれを用いた電子帳票システムを提供することである。
【0008】
また、この発明の他の目的は、帳票の出力に関わる過程を記録することによって、帳票出力の不具合や帳票の不正な出力の追跡を容易にした帳票発行装置およびそれを用いた電子帳票システムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、帳票データを処理して印刷データを作成し、この印刷データを印刷装置(30)に向けて出力する印刷処理を行う処理手段(222,222a)と、入力操作のための入力手段(213)と、上記処理手段が印刷処理を行っている期間中、当該印刷処理を中断できないように、上記入力手段からの入力操作を制限する入力操作制限手段(S14)とを含むことを特徴とする帳票発行装置である。なお、括弧内の英数字は後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
【0010】
上記の構成によれば、帳票の印刷のための印刷処理が開始されると、この印刷処理を中断することができないから、不完全な帳票が出力されて、それが不正に利用されることを防止できる。
【0011】
たとえば、印刷処理が開始されると、表示装置の表示画面をシステムモーダル画面として、オペレーティングシステムの操作も含めて一切の操作を受け付けない状態とし、バックグラウンドで印刷処理を行うようにすればよい。
【0012】
請求項2記載の発明は、操作画面を提供する表示手段(214)をさらに含み、上記処理手段は、上記表示手段に帳票画像を表示することなく印刷処理を実行するものであることを特徴とする請求項1記載の帳票発行装置である。
【0013】
この発明によれば、表示手段に帳票画像を表示することなく印刷処理が行われるので、表示された帳票画像をキャプチャして、このキャプチャした画像データを利用して帳票を不正に発行したりすることを抑止できる。すなわち、入力手段から、印刷の開始の指示を行うと、帳票画像は表示されず、バックグラウンドで印刷処理が開始され、しかも、印刷処理の中断ができない状態となる。
【0014】
請求項3記載の発明は、印刷処理過程を監視し、印刷処理記録を作成する印刷処理記録作成手段(226,S13,S16,S21,S23)とをさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の帳票発行装置である。
【0015】
この構成によれば、印刷処理記録が作成されるので、印刷処理中にエラーが生じたりしたときに、その状況を仔細に調べることができる。すなわち、たとえば、帳票の出力が始まる前に異常が生じたのか、帳票の出力が開始されてから異常が生じたのかを調べることができる。このようにして、帳票出力の不具合または不正を追跡して調査できる。
【0016】
印刷処理記録は、たとえば、印刷データ出力完了時間、印刷完了時間(帳票の出力が完了した時間)、印刷指示端末、印刷ジョブ名などの情報を含むことが好ましい。印刷完了時間を記録するには、たとえば、印刷装置から印刷完了通知信号を受けるようにし、この印刷完了通知信号が受信された時間を記録するようにすればよい。
【0017】
請求項4記載の発明は、上記帳票発行装置は、ネットワークに接続されたクライアント(20)であり、上記ネットワークに接続された帳票データサーバ(10)に対して、帳票データ要求を上記ネットワークを介して送信する帳票データ要求送信手段をさらに含み、上記処理手段は、上記ネットワークを介して上記帳票データサーバから送信されてくる帳票データ、または上記ネットワークを介して上記帳票データサーバから送られてくる帳票生成情報ファイルに基づいて当該帳票発行装置内で作成された帳票データに対して印刷処理を行うものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の帳票発行装置である。
【0018】
上記帳票データサーバは、上記帳票データ要求に対応したユーザデータ(ユーザの要求に応じて個々の帳票毎に変化するデータ)を含むユーザデータファイルを生成する手段(131)を含むものであってもよい。この場合、上記帳票データサーバは、クライアントとしての上記帳票発行装置に、ユーザデータファイルを含む帳票データを送信するものであってもよいし、上記帳票生成情報ファイルとともにユーザデータファイルを送信するものであってもよい。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の帳票発行装置と、上記ネットワークに接続された帳票データサーバ(10)とを含み、この帳票データサーバは、上記帳票データ要求に対応した帳票データ、または上記帳票データ要求に対応した帳票生成情報ファイルを作成して上記ネットワークを介して上記帳票発行装置に送信する手段(131,132,1311,117)を含むことを特徴とする電子帳票システムである。
【0020】
これらの構成によれば、ネットワークを介して、帳票データサーバから帳票データを受信するか、または帳票生成情報ファイルを取得して帳票データを作成するかして、帳票データが取得され、この帳票データに基づいて、帳票の印刷処理が行われる。このように、帳票データサーバから帳票データ等を取得する構成とすることで、ネットワークを介して接続された複数のクライアントにおいて、フォームの統一された帳票を出力することができる。また、帳票フォームの管理が、帳票データサーバにおいて一括して容易に行える。
【0021】
請求項6記載の発明は、上記帳票データサーバは、上記帳票データまたは帳票生成情報ファイルを送出するに際して、送信記録(たとえば、当該帳票データまたは帳票生成情報ファイルの内容、送信先、送信時間などの情報の記録)を作成する送信記録作成手段(1315)をさらに含むことを特徴とする請求項5記載の電子帳票システムである。
【0022】
この構成では、帳票データまたは帳票生成情報ファイルの送信記録が作成されるので、何らかの不具合が生じたときに、クライアントから帳票データ要求を発行してから帳票の印刷が行われるまでの一連の印刷過程のなかのどの時点で異常が発生したのかを調べる際の資料とすることができる。
【0023】
請求項7記載の発明は、上記帳票発行装置は、帳票発行端末であることを表す認証情報を記録するための認証情報記録手段(217)を含み、上記帳票データサーバは、帳票発行端末であることを表す認証情報を保持しているクライアントに対してのみ帳票データまたは帳票生成情報ファイルを送信するものであることを特徴とする請求項5または6記載の電子帳票システムである。
【0024】
この構成によれば、帳票発行端末であることを表す認証情報を保持しているクライアントのみに帳票の発行が許容される。これにより、帳票の不正発行をより効果的に防止できる。
【0025】
上記認証情報は、たとえば、帳票データサーバからクライアントに送信されて、クライアントの記憶装置に書き込まれるCookieであってもよい。クライアントは、帳票データサーバとの間の接続が確立されると、自己の記憶装置に書き込まれているCookieを帳票データサーバに送信する。このCookieの内容を調べることにより、帳票データサーバにおいて、当該クライアントが帳票発行端末であるかどうかを判断することができる。
【0026】
また、他の方法として、クライアントの記憶装置に、帳票発行端末であることを表す所定のファイルを記録しておき、帳票データサーバから、appletにより、当該ファイルの存在を確認するようにしてもよい。
【0027】
また、上記認証情報は、帳票の種類を特定してクライアントによる帳票発行を許可する内容のものであってもよい。これにより、たとえば、重要性の高い帳票についてのみ、帳票発行端末を制限したりすることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
目次
1.電子帳票システムの全体構成
2.サーバの構成
2−1.サーバのハードウェア構成
2−2.帳票データ作成のために使用されるファイル等
2−3.サーバの機能的構成
3.クライアントの構成
3−1.クライアントのハードウェア構成
3−2.クライアントの機能的構成
4.電子帳票システム全体の動作
5.帳票データファイル(XRFファイル)の説明
6.帳票画像の生成
7.部品XRTファイルの使用態様
8.XRFリーダの動作
9.部品XRTファイルの作成
10.ユーザデータに応じた外観の変更
10−1.ユーザデータに応じた画像部品の選択
10−2.ユーザデータに応じた描画オブジェクトの特性変更
11.帳票フォームの構成要素ファイルのキャッシュが可能な実施形態
12.クライアントにおける描画オブジェクトの特性変更
13.ユーザの認証が可能な実施形態
14.その他の実施形態
1.電子帳票システムの全体構成
図1は、この発明の一実施形態に係る電子帳票システムの全体構成を示すブロック図である。この電子帳票システムは、たとえば、各地に多くの事業所(支所や営業所等)が設置されている会社等の事業体において、業務上使用する帳票(社内で使用したり、顧客や取引先に渡したりするものなど)を統括的に管理するようにしたシステムである。
【0029】
この帳票システムは、インターネット、社内のイントラネット、LAN(ローカルエリアネットワーク)、WAN(ワイドエリアネットワーク)などのネットワーク(以下、代表してインターネットの場合について説明するが、他の形態のネットワークの場合も同様である。)に接続されたサーバ10と、同じくインターネットに接続された複数のクライアント20とを含む。サーバ10は、大規模な処理を行うことのできるコンピュータであって、インターネットと通信可能に接続されている。クライアント20は、各事業所に設置されているパーソナルコンピュータであって、インターネットと通信可能に接続されている。したがって、サーバ10とクライアント20とは、インターネットを利用することによって、互いにデータの送受信を行うことができる。クライアント20には、帳票の印刷を行うためのプリンタ30が接続されている。クライアント20とプリンタ30とは、プリンタケーブルを介して接続されていてもよいし、ローカルエリアネットワークを介して接続され、このローカルエリアネットワークに接続された複数のクライアント20によってプリンタ30が共有されるようになっていてもよい。
【0030】
たとえば、保険会社の場合を例にとると、業務上必要な帳票は、2000〜3000種類であるといわれている。各事業所において、それらの帳票を個別に管理し、かつ、事業所間で統一を図るには相当の労力を要する。そこで、この電子帳票システムでは、サーバ10が全ての帳票フォームを管理し、クライアント20からの要求に応じて、帳票データを提供するようになっている。
【0031】
各事業所で帳票が必要となった場合、ユーザはクライアント20を操作することによって、必要としている帳票の種類およびそれに記入すべき事項を指定した帳票データ要求を、インターネットを介してサーバ10へと送信することができる(矢印A1)。クライアント20は、サーバ10から送信された帳票データ要求に基づいて、ユーザの必要としている帳票の帳票データを作成し、それをインターネットを介してクライアント20へと返信する(矢印A2)。帳票データを受け取ったクライアント20は、この帳票データを印刷用データに展開し、プリンタ30で印刷することができる。こうして、ユーザは所望の帳票を入手することになる。
【0032】
この電子帳票システムによって、各事業所は、帳票の管理作業(更新など)から解放されるとともに、個々のクライアント20を利用することで、所望の帳票を容易に作成できる。さらに、クライアント20からサーバ10にアクセスすることによって、会社全体の帳票の使用状況を詳細に把握できるようにすることも可能なので、クライアント20を利用することによって、その会社全体の営業状況や財務状況等を把握可能とすることもできる。
1. 2.サーバの構成
2−1.サーバのハードウェア構成
図2は、サーバ10の電気的な構成を示すブロック図である。サーバ10には、CPU110、ROM111、RAM112、入力装置113、表示装置114、記憶装置115および通信制御装置118が備えられており、これらはバス116で互いに接続されている。CPU110は、ROM111に格納されているプログラムに基づいて、ROM111、RAM112、入力装置113、表示装置114および記憶装置115の相互間でのデータの送受を制御したり、入力装置113、表示装置114、記憶装置115および通信制御装置118の制御を行ったりしており、通信制御装置118を介してインターネットとの間の接続を制御するようになっている。
【0033】
サーバ10は大規模で複雑な処理を行う場合があるので、高性能であるCPU110を用いることが望ましい。また、CPU110の代わりに、MPU(microprocessor)を用いた構成であってもよい。
【0034】
入力装置113は、キーボードやポインティングデバイス等からなり、その操作信号はCPU110に与えられるようになっている。表示装置114は、CRTや液晶表示パネルのような二次元画像表示の可能なものであり、CPU110からの表示信号に応じた画像表示を行う。
【0035】
記憶装置115は、ハードディスク装置等から構成されており、サーバ10にとって必要なデータやアプリケーションプログラムを記憶しておく記憶媒体として使用される。CPU110は、必要に応じて、データを記憶装置115に記憶させたり、記憶装置115に記憶されているデータを読み取って使用したりすることができるようになっている。
2−2.帳票データ作成のために使用されるファイル等
図3は、記憶装置115に記憶されているファイルを説明するためのブロック図である。記憶装置115は、XML(Extensible Markup Language)ファイルの解析を行うためのXMLパーサ120と、XMLファイルとXMLアプリケーションのデータのやり取りを制御するDOM(Document Object Model)ファイルまたはSAX(Simple API for XML)ファイル121とを記憶している。サーバ10上で動作するXMLアプリケーションプログラムもこの記憶装置115に記録されていて、CPU110によって読み取られて実行されるが、図3では図示を省略してある。
【0036】
記憶装置115は、さらに、顧客等の個人データであるユーザデータを保管管理しているユーザデータベース128、帳票フォームの固定画部分(背景、レイアウト、イメージ、描画オブジェクト、テキスト、バーコード等)を規定する独自形式ファイルであるXRTファイル124と、帳票フォーム中にエリアを指定して組み込み可能な同様の固定画部分を規定する独自形式ファイルである部品XRTファイル126と、帳票フォーム中に組み込み可能な外部リソースファイル127(イメージデータ)と、XRTファイルまたは部品XRTファイル中に設定されたフィールドの数、順序およびデータ型等を表すフィールド情報125と、フィールドとユーザデータとを対応付けるDTD(Document Type Definition)ファイル123とを記憶しており、これらを構成要素として、帳票データファイルとしてのXRFファイルが作成される。
【0037】
XRFファイルは、独自形式のファイルであり、帳票フォームとユーザデータとを合成したイメージデータ(ビットマップデータやPDFファイルなど)ではなく、帳票を構成する構成要素データ等を一纏めにして格納したファイルである。このXRFファイルに基づき、クライアント20において、帳票フォームおよびユーザデータを合成した表示用および印刷用のイメージデータが作成されることになる。したがって、この電子帳票システムでは、サーバ10から、XRFファイル形式で、帳票データがクライアント20に送信されるから、イメージデータ形式の帳票データを送信する場合に比較してファイル容量が格段に小さく、さらに、圧縮処理を行えば、ファイル容量をさらに小さくできる。これにより、ネットワークのトラフィックを低減できる。
【0038】
XRTファイル124、フィールド情報125、部品XRTファイル126および外部リソースファイル127は、作図アプリケーション等を用いて予め作成され、記憶装置115にそれぞれ複数種類記憶されている。ユーザデータ128も記憶装置115に予め記憶されている。また、XRTファイル124とフィールド情報125とは、一対一に対応付けられて記憶されている。外部リソースファイル127は、図形や写真等がスキャナ装置等に光学的に読み取られることによって作成されたイメージデータファイルである。部品XRTファイル126は、XRTファイル内に埋め込まれるエリアを構成する別のXRTファイルであり、XRTファイルに配置可能な構成要素からなる。この部品XRTファイル126は、複数のXRTファイルに共通して用いる部分のみをエリアを指定して登録し、複数の帳票で共有して用いるファイルである。部品XRTファイル内にエリアを指定して、別の部品XRTファイルを埋め込むこともできる。
【0039】
DTDファイル123、XRTファイル124、フィールド情報125、部品XRTファイル126、外部リソースファイル127およびユーザデータ128は、帳票データファイルとしてのXRFファイルのいわば構成部品であり、これらのファイルまたはデータ群は、記憶装置115の所定の記憶領域に記憶されて、部品サーバ1200を構成している。XRFファイルの構成要素のうち、ユーザデータ128以外のものが、帳票フォームの構成要素である。
2−3.サーバの機能的構成
図4は、サーバ10の機能的な構成を説明するためのブロック図である。サーバ10には、CPU110がROM111や記憶装置115に記憶されているプログラムを実行することによって実現される複数の機能処理部が実質的に備えられている。より具体的には、サーバ10は、制御部130と、この制御部130によって制御されるアプリケーションサーバ117とを備えている。アプリケーションサーバ117は、サーバ10とクライアント20との間で行われる送受信の制御を行うアプリケーションプログラムによって実現され、ユーザからの要求を受け付けて業務システムの処理に橋渡しする機能と、Webサーバ(HTTPサーバ)としての機能を併せ持つ。
【0040】
アプリケーションサーバ117は、HTML(Hyper Text Markup Language)等で記述されたファイル(図示せず)を有している。このファイルは、サーバ10とクライアント20とのインターネットを介する接続が確立されると、アプリケーションサーバ117からクライアント20へと送信される。アプリケーションサーバ117は、そのファイルに応答してクライアント20が送出する帳票データ要求を受信することができるようになっている。受信された帳票データ要求は、制御部130に与えられる。
【0041】
サーバ10には、さらに、要求データ解析部131と、データ収集・結合処理部132とが設けられており、これらは、制御部130によって制御されている。要求データ解析部131は、サーバ10にインストールされてビジネスロジックを実行する業務アプリケーションによって実現される機能処理部であり、クライアント20から与えられる帳票データ要求(帳票の種類およびユーザデータを特定する情報を含む。)を解析し、その帳票データ要求に対応した帳票データファイル(XRFファイル)の部品(構成要素データ)である、DTDファイル123、XRTファイル124、フィールド情報125、部品XRTファイル126、外部リソースファイル127およびユーザデータ128を特定する。また、要求データ解析部131は、帳票データ要求に対応する帳票データを作成するための情報(パラメータやコマンドを含む。)をXMLで記述したXMLファイルである帳票生成情報ファイルを自動作成する。
【0042】
この帳票生成情報ファイルには、帳票データ要求の解析によって特定された帳票データファイル部品(DTDファイル123、XRTファイル124、フィールド情報125、部品XRTファイル126、外部リソースファイル127およびユーザデータ128)のファイル情報も含まれている。さらに、要求データ解析部131は、帳票データ要求に含まれる情報によって特定されたユーザデータをXMLファイルまたはCSV(Comma Separated Value)ファイルの形式のユーザデータファイルに変換することができる。
【0043】
データ収集・結合処理部132には、XMLアプリケーション133が含まれている。XMLアプリケーション133は、XMLファイルに記述された内容を解釈して実行することのできるアプリケーションプログラム、たとえばJava(登録商標)であり、サーバ10に予めインストールされて、実行可能となっている。したがって、データ収集・結合処理部132にXMLファイルである帳票生成情報ファイルが与えられると、XMLアプリケーション133が、これを解釈して実行する。
【0044】
XMLアプリケーション133は、要求データ解析部131が生成する帳票生成情報ファイルに基づいて帳票データファイルとしてのXRFファイルを作成するXRFファイル作成部134と、同じく帳票データファイルとしてのPDFファイルを作成するPDF(Portable Document Format)ファイル作成部135とを有している。
【0045】
XRFファイル作成部134は、要求データ解析部131が生成する帳票生成情報ファイル中の帳票データファイル部品(DTDファイル123、XRTファイル124、フィールド情報125、部品XRTファイル126、外部リソースファイル127およびユーザデータ128)についてのファイル情報を参照し、これらのファイルを記憶装置115内の部品サーバ1200から読み取る。そして、XRFファイル作成部134は、これらの読み取ったファイルを結合して、帳票データファイルとしてのXRFファイルを作成する。データ収集・結合処理部132は、さらに、このXRFファイルをアプリケーションサーバ117へと受け渡す。
【0046】
同様に、PDFファイル作成部134は、要求データ解析部131が生成する帳票生成情報ファイル中の帳票データファイル部品(DTDファイル123、XRTファイル124、フィールド情報125、部品XRTファイル126、外部リソースファイル127およびユーザデータ128)についてのファイル情報を参照し、これらのファイルを記憶装置115内の部品サーバ1200から読み取る。そして、PDFファイル作成部135は、これらの読み取ったファイルを結合し、イメージデータに展開してPDFファイルを作成し、アプリケーションサーバ117へと受け渡す。
【0047】
したがって、サーバ10に帳票データ要求が与えられると、要求データ解析部131によって、帳票データ要求に対応する帳票データを作成するための情報(パラメータ、コマンドなど)がXMLで記述された帳票生成情報ファイルが作成される。そして、XMLアプリケーション133が、この帳票生成情報ファイルを解釈して実行することにより、帳票データファイルであるXRFファイルまたはPDFファイルが作成される。その後、このXRFファイルまたはPDFファイルが、アプリケーションサーバ117からクライアント20へと送信されるようになっている。
3.クライアントの構成
3−1.クライアントのハードウェア構成
図5は、クライアント20の電気的な構成の一例を示すブロック図である。クライアント20には、CPU210、ROM211、RAM212、入力装置213、表示装置214、記憶装置217(ハードディスクドライブなど)、ネットワークインタフェース215および入出力インタフェース(I/O)218が備えられており、これらはバス216で互いに接続されている。CPU210は、ROM211および記憶装置217に格納されているプログラムに基づいて、ROM211、RAM212、入力装置213、表示装置214、ネットワークインタフェース215および入出力インタフェース218の相互間でのデータの送受を制御したり、入力装置213、表示装置214およびネットワークインタフェース215の制御を行ったりしている。
【0048】
入力装置213は、キーボードやポインティングデバイスからなり、その操作信号はCPU210に与えられるようになっている。表示装置214は、CRTや液晶表示パネル等の二次元画像表示装置からなり、CPU210からの表示信号に応じた画像表示をすることができるようになっている。
【0049】
CPU210は、ネットワークインタフェース215を介してインターネットと接続されている。このため、CPU210は、インターネットを介して、サーバ10へ帳票データ要求を送信することができる。
【0050】
また、入出力インタフェース218を介して、プリンタ30を接続することができ、このプリンタ30に印刷用データを与えることができる。クライアント20とプリンタ30とがローカルエリアネットワークを介して接続されている場合には、プリンタ接続用の入出力インタフェース218として、ネットワークアダプタを用いればよい。
3−2.クライアントの機能的構成
図6は、クライアント20の機能的構成を説明するためのブロック図である。クライアント20は、CPU210がROM211や記憶装置217に記憶されているプログラムを実行することによって実現される複数の機能処理部を実質的に備えている。具体的には、クライアント20は、ネットワークインタフェース215を制御する制御部220を備えている。制御部220は、ネットワークインタフェース215を制御することにより、インターネットを介してサーバ10から送信されるファイルを受信する。
【0051】
クライアント20には、さらに、Webブラウザ221、XRFリーダ222およびプリンタドライバ223が備えられており、これらは制御部220によって制御されるようになっている。
【0052】
Webブラウザ221は、たとえばInternet Explorer(注:商標)のような一般に市販されているWebページ閲覧用のアプリケーションプログラムであり、クライアント20に予めインストールされて実行可能とされている。Webブラウザ221が起動されると、HTML等のファイルを閲覧するための画面が表示装置214に表示されるようになっている。Webブラウザ221は、インターネット上の様々なサーバ(サーバ10を含む。)から、HTML等で記述されたファイルを受信し、このファイルをWebブラウザ221の表示ウィンドウ内に表示する。このWebブラウザ221の表示ウィンドウがアクティブ状態のときに、ユーザによって入力装置213が操作されると、その操作情報はWebブラウザ221に与えられるようになっている。入力された情報は、Webブラウザ221内に表示され、さらに所定の入力操作によって、HTMLファイル等の送信元のサーバに送信される。
【0053】
さらにWebブラウザ221は、インターネット上のサーバ(サーバ10を含む。)から、PDFファイルを受信することができ、この受信したPDF形式のファイルをWebブラウザ221内に表示させることができる。より具体的には、Webブラウザ221がPDFファイルを受信すると、アドインソフトのPDFファイル閲覧プログラム(アクロバットリーダ:商標)が起動(Webブラウザ221のウィンドウ内での内部起動)されるようになっている。
【0054】
Webブラウザ221によってPDFファイルが表示されているときに、ユーザが入力装置213に対して所定の操作を行うと、プリンタドライバ223の印刷設定ダイアログが開き、この印刷設定ダイアログで適宜設定操作を行うと、PDF形式のファイルが印刷用データに変換されてプリンタドライバ223に受け渡され、このプリンタドライバ223から印刷用データがプリンタ30に送信されることにより、PDFファイルの印刷が行われるようになっている。
【0055】
また、ユーザは入力装置213を操作することによって、Webブラウザ221上でURL(Uniform Resource Locator)を指定することができる。URLとは、HTML等で記述されたファイルやPDF形式のファイルを提供しているサーバの位置(インターネット上の位置)を特定するための情報である。Webブラウザ221は、URLが指定されたサーバから、HTMLで記述されたファイルやPDF形式のファイルを受信することができる。なお、この実施形態の電子帳票システムを利用するときは、Webブラウザ221のURL入力欄に、サーバ10のURLが入力されることになる。
【0056】
XRFリーダ222は、サーバ10から送信されてくるXRFファイルを表示することができるアプリケーションプログラムであり、クライアント20に予めインストールされて実行可能となっている。たとえば、XRFリーダ222をWebブラウザ221のヘルパーアプリケーションとして設定しておくことにより、Webブラウザ221がXRFファイルを受信したときに、XRFリーダ222を自動的に起動(Webブラウザ221とは別のウィンドウでの外部起動)させることができる。XRFリーダ222が起動すると、XRFファイルの閲覧画面が表示装置214に表示される。この閲覧画面にXRFファイルが表示されている時に、ユーザが入力装置213に対して所定の入力操作を行うと、XRFファイルから印刷用のイメージファイルが作成されて、これに基づいて、プリンタ30からの印刷がされるようになっている。
【0057】
この実施形態では、XRFリーダ222は、印刷制御部222aを内蔵しており、プリンタドライバ223の設定画面とは別の独自のダイアログから印刷条件の設定を行ってプリンタ30の動作を制御できる。印刷時には、印刷制御部22aから、印刷用データがプリンタドライバ223に引き渡され、このプリンタドライバ223からプリンタ30にイメージデータが送られるようになっている。
【0058】
XRFリーダ222の印刷制御部222aは、ユーザによる印刷指示に応答して、印刷ダイアログを表示する。この印刷ダイアログ内において、ユーザは、印刷部数や用紙サイズ等の各種の設定を行うことができ、その設定の後に、印刷開始を指示することができる。印刷開始が指示されると、印刷制御部222aは、印刷ダイアログを閉じて、印刷中であることを表す印刷中ダイアログを表示する。この印刷中ダイアログ内には、印刷を中断するためのキャンセルボタンが設けられており、このキャンセルボタンを操作することによって、印刷を中断できるようになっている。印刷が完了すると(印刷データのプリンタ30への送出が完了すると)、印刷制御部222aは印刷中ダイアログを閉じる。
【0059】
なお、XRTファイルの作成時に、印刷用紙サイズ等の指定が同時に行われ、XRTファイルは印刷条件に関する情報を有しているので、印刷条件の設定は必ずしも必要ではない。
【0060】
XRFファイル内には、XRFリーダ222の動作(画面表示動作や印刷動作)を規定する各種のパラメータを含ませることができる。このパラメータには、クライアントにおけるXRFファイルの保存の可否、印刷の可否、画面表示の可否、印刷ダイアログの表示の可否、印刷中ダイアログの表示の可否などをそれぞれ表すものを任意に含ませることができる。これにより、クライアント20においてXRFファイルを記憶装置217に保存することを制限(禁止)したり、XRFファイルの印刷や画面表示を制限(禁止)したり、印刷ダイアログが表示されないようにしたり、印刷中ダイアログが表示されないようにしたりすることができる。
【0061】
これにより、領収書等の帳票の不正発行を防止できる。すなわち、XRFファイルの保存を禁止することで、XRFファイルを再利用した帳票の不正発行を防止できる。また、印刷を禁止することで、たとえば、特定人に対してのみ帳票の印刷を許可したりすることができる。さらに、画面表示を禁止することで、表示画像をクリップして帳票データを不正にコピーする行為を制限できる。また、印刷ダイアログの表示をしないようにすれば、複数枚の帳票が不正に出力されることを防止できる。さらに、印刷中ダイアログを表示しないようにすれば、印刷中断によって、不完全状態の帳票が出力されたときに、この不完全な帳票が不正使用されることを防止できる。
4.電子帳票システム全体の動作
図7は、サーバ10およびクライアント20により構成される電子帳票システムの概念的な構成を説明するためのブロック図であり、図8は、帳票データ要求の入力を受け付けるための受付画面をWebブラウザ221により表示した例を示す図である。
【0062】
ユーザ(事業所の営業担当者など)は、帳票が必要となった場合、クライアント20のWebブラウザ221を起動して、サーバ10のURLを指定する。すると、Webブラウザ221は、サーバ10のアプリケーションサーバ117からHTML等で記述されたファイルを受信し、図8のような画面を表示する。この画面上で、Webブラウザ221は、ユーザの必要としている帳票に関する要求の入力を受け付けることができる。そして、入力装置213の操作により、Webブラウザ221上で所定の送信操作が行われることによって、入力内容に対応した帳票データ要求が、たとえば、CGIまたはJava(登録商標)アプレットによってアプリケーションサーバ117へと送信される。
【0063】
Webブラウザ221は、URL入力部230と表示部231とを有している。URL入力部230にサーバ10のURLが入力されると、Webブラウザ221は、サーバ10からHTMLファイル等で記述されたファイルを受信し、そのファイルを表示部231に表示させる。
【0064】
図8の例では、表示部231の中央部に、選択項目一覧として、帳票の種類、月度および会社名の各一覧が表示されている。表示部231の下部には、「戻る」ボタン232、「送信」ボタン233、「印刷」ボタン234および「キャンセル」ボタン235が表示されている。
【0065】
ユーザは、入力装置213を操作することによって、帳票の種類、月度および会社名の各一覧表示の中から、所望の帳票の条件をそれぞれ選択することができる。この表示例では、「領収書」、「8月度」、「○○株式会社」がそれぞれ選択されている。つまり、「○○株式会社宛の8月度分の領収書」が選択されている。選択されている項目は、表示色を異ならせたり、反転表示をしたりして、非選択項目と区別して表示されるようになっている。
【0066】
また、Webブラウザ221にはポインタ(図示せず)が表示されており、ユーザが入力装置213(主にポインティングデバイス)の操作を行うことによって、このポインタを各ボタン232〜235上へ移動し、これらのボタン232〜235を押す(クリック)ことができるようになっている。「戻る」ボタン232が押されると、別のHTMLファイル等が読み込まれ、表示部231にはこの表示例とは異なる表示がされる。たとえば、直前に表示されていたHTMLファイル等が表示されてもよいし、電子帳票システムのメニュー画面が表示されてもよい。
【0067】
一方、「印刷」ボタン234が押されると、そのときに選択されている帳票の条件を含む帳票データ要求が、サーバ10へと送信されるようになっている。また、「キャンセル」ボタン235が押されると、表示部231に表示されている画面上での各項目の選択状態がクリアされるようになっている。
【0068】
「送信」ボタン233は、別の帳票の条件入力を継続して行いたい場合に操作されるボタンである。たとえば、ユーザが複数の帳票を作成したい場合に、一枚分ずつ帳票の条件を選択して「印刷」ボタン234を押す操作を繰り返すと、サーバ10から帳票データを受信してプリンタ30から一枚の帳票が出力されてから、次の帳票の印刷データがプリンタ30に与えられるまでに、空き時間が生じる。この空き時間中に、帳票とは別の印刷データ(たとえば、ローカルエリアネットワーク上でプリンタ30を共有しているほかのユーザからの印刷データ)が、プリンタ30に与えられることがある。すると、プリンタ30から出力される帳票と帳票との間に、その印刷データが印刷された用紙が混じりこんでしまう。したがって、ユーザはプリンタ30から出力される帳票等を一枚一枚確認して、印刷指示した帳票以外の用紙を取り除かなくてはならない。
【0069】
この問題は、「送信」ボタン233を用いることによって回避される。すなわち、「送信ボタン」233が押されると、そのときに選択されている帳票の条件を含む帳票データ要求がサーバ10のアプリケーションサーバ117から要求データ解析部131に受け渡され、サーバ10内のRAM112または記憶装置115に蓄積される。そして、ユーザは別の帳票の条件を選択することができるようになる。必要とされる帳票の数の回数だけ同様の操作が繰り返されることにより、それらの帳票の条件に対応した帳票データ要求が同様にしてサーバ10に蓄積されていく。その後、最後の帳票の条件を選択した後に、「印刷」ボタン234が押されると、そのときにWebブラウザ221上で選択されている帳票の条件を含む帳票データ要求がアプリケーションサーバ117に送信され、要求データ解析部131に受け渡されてRAM112に蓄積される。
【0070】
それとともに、要求データ解析部131は、RAM112に蓄積された複数の帳票データ要求を一つのジョブとしてまとめて複数ページの帳票データを作成するための処理を実行する。これにより、データ収集・結合処理部132などの働きによって、複数の帳票データ要求に対応する帳票データ(複数ページの帳票データ)が作成され、これがアプリケーションサーバ117から、クライアント20へと送信される。これにより、クライアント20は、プリンタ30に対して、複数ページの帳票の印刷データを連続的に与えるから、上述の問題を回避できる。
【0071】
図7を再び参照して、クライアント20からサーバ10へは、ユーザが必要としている帳票の条件の指定などを含む帳票データ要求が送信される(矢印B1)。この帳票データ要求は、アプリケーションサーバ117によって受信され、要求データ解析部131に受け渡される。要求データ解析部131は、この帳票データ要求に対応する帳票データを生成するための情報をXMLで記述したXMLファイル(帳票生成情報ファイル)を作成する。また、要求データ解析部131は、帳票データ要求中の帳票の条件などのようなユーザからの指定情報に基づいて、これに対応する特定のユーザデータを部品サーバ1200から読み出すとともに、このユーザデータをXMLファイルまたはCSVファイルに変換することにより、ユーザデータファイルを作成する。
【0072】
なお、通常、ユーザデータは、サーバ10側に保存されており、クライアント20からの帳票データ要求中で指定された条件(たとえば、顧客の名前、生年月日等)によって特定されたユーザデータが部品サーバ1200から読み出されるのであるが、場合によっては、帳票データ要求中で指定された条件に合致する数値が、業務アプリケーションである要求データ解析部131によって生成され、この数値がユーザデータとされることもある。
【0073】
要求データ解析部131によって生成された帳票生成情報ファイルは、データ収集・結合処理部132に受け渡される(矢印B3)。また、ユーザデータファイルも、データ収集・結合処理部132に受け渡される(矢印B4)。
【0074】
図9は、要求データ解析部131によって帳票生成情報ファイルとして作成されるXMLファイルの一例を示す図である。帳票生成情報ファイル140は、XMLファイルからなり、テキスト形式で記述されているファイルである。そのため、サーバ10の管理者は、帳票生成情報ファイル140の内容を容易に理解することができる。したがって、サーバ10の管理者は、サーバ10で実際に行われる処理内容を把握することができるので、サーバ10の保守や管理を容易に行うことができる。
【0075】
帳票生成情報ファイル140は、帳票データを生成する際の設定等を行うパラメータが記述されている条件設定記述部141と、帳票データ要求に対応する帳票データであるXRFファイルの構成要素データ(XRTファイル124、フィールド情報125、部品XRTファイル126、外部リソースファイル127、DTDファイル123およびユーザデータ128)を特定するための情報が記述されているXRFファイル特定情報記述部142とから構成されている。
【0076】
条件設定記述部141は、サーバ10からXRFファイル形式の帳票データを出力するか、またはPDFファイル形式の帳票データを出力するかの出力ファイルモードが記述される出力ファイルモード記述部1411、帳票データに使用される文字の種類が記述される外字ファイル情報記述部1412、クライアント20におけるXRFリーダ222の動作に関する設定事項(パラメータ)が記述されるXRFリーダ動作設定記述部1413、およびプリンタ30の印刷動作の制御に関する設定事項(パラメータ)が記述されるプリンタ動作設定記述部1414を含む。
【0077】
上述のとおり、データ収集・結合処理部132によって生成される帳票データファイルであるXRFファイル内には、XRFリーダ222の動作(画面表示動作や印刷動作)を規定する各種のパラメータを含ませることができる。このパラメータが、帳票生成情報ファイル140のXRFリーダ動作設定記述部1413に記述され、データ収集・結合処理部132によって、XRFファイルに埋め込まれることになる。
【0078】
このように、帳票生成情報ファイル140にはそれほど多くの記述がされているわけではないが、電子帳票システム全体の動作の設定が可能となっている。
【0079】
また、帳票生成情報ファイル140はXMLファイルであるので、サーバ10の管理者は、帳票生成情報ファイル140を容易に変更することができる。したがって、この電子帳票システムに異常等が発生した場合、その異常に速やかに対処することができる。また、帳票生成情報ファイル140を編集することによって、この電子帳票システムに新たな動作を追加することなども容易に行うことができる。
【0080】
図7を再び参照して、データ収集・結合処理部132は、帳票生成情報ファイル(XMLファイル)とユーザデータファイル(XMLファイルまたはCSVファイル)とを受信すると、XMLパーサ120と、DOMファイルまたはSAXファイル121とを記憶装置115から読み取ることによって(矢印B5)、XMLアプリケーション133を起動(作動)させる。
【0081】
帳票生成情報ファイル140の出力ファイルモード記述部1411において、XRFファイル形式が帳票データの出力ファイルモードとして指定されているとき(またはPDFファイル形式が指定されていないとき)には、XMLアプリケーション133のXRFファイル作成部134は、帳票生成情報ファイル140を解釈して、部品サーバ1200から、DTDファイル123、XRTファイル124、フィールド情報125、部品XRTファイル126および外部リソースファイル127を必要に応じて読み取って収集し(矢印B6)、これらのファイル群およびユーザデータファイルを結合することによって、XRFファイルを作成する。作成されたXRFファイルは、要求データ解析部131に受け渡され、さらに、アプリケーションサーバ117から、クライアント20へと送信されて(矢印B10)、XRFリーダ222によって処理される。クライアント20のユーザは、XRFリーダ222の印刷制御部222aの機能を利用して、XRFファイルを印刷用データに展開させ、このデータをプリンタドライバ223を介してプリンタ30に送信させ、このプリンタ30から帳票を出力させることができる。ただし、XRFファイル中に、印刷を禁止するパラメータが含まれている場合には、印刷不可の状態となる。
【0082】
一方、帳票生成情報ファイル140の出力ファイルモード記述部1411において、PDFファイル形式が帳票データの出力ファイルモードとして指定されているときには、XMLアプリケーション133のPDFファイル作成部135は、帳票生成情報ファイル140を解釈して、部品サーバ1200から、DTDファイル123、XRTファイル124、フィールド情報125、部品XRTファイル126および外部リソースファイル127を必要に応じて読み取って収集し(矢印B6)、これらのファイル群およびユーザデータファイルを結合し、さらにイメージデータに展開してPDFファイルを作成する。こうして得られたPDFファイルは、要求データ解析部131に受け渡され、さらに、アプリケーションサーバ117を介して、クライアント20のWebブラウザ221に与えられる(矢印B8)。Webブラウザ221がこの受信したPDFファイルを表示しているときに、ユーザによって入力装置213の所定操作が行われると、PDF形式の帳票データに対応する印刷データが作成され、プリンタドライバ223を介して、プリンタ30へ送信される(矢印B9)。
【0083】
図10は、帳票生成情報ファイルおよびユーザデータファイルを受信したデータ収集・結合処理部132の動作を説明するためのフローチャートである。データ収集・結合処理部132は、帳票生成情報ファイルとユーザデータファイルとを受信すると、記憶装置115からXMLパーサ120を読み取る(ステップS1)。このXMLパーサ120は、データ収集・結合処理部132が受信した帳票生成情報ファイル(XMLファイル)の解析を行う。
【0084】
XMLパーサ120によって帳票生成情報ファイルが解析されると、その解析内容に従って、その帳票生成情報ファイルがRAM112上に展開される(ステップS2)。そして、記憶装置115からDOMファイルまたはSAXファイル121が読み取られる(ステップS3)。
【0085】
その後、XMLアプリケーション133が起動される(ステップS4)。XMLアプリケーション133は、DOMファイルまたはSAXファイル121を利用することによって、RAM112上に展開された帳票生成情報ファイルを参照し、この帳票生成情報ファイルに基づいて動作する。
【0086】
図11は、XMLアプリケーション133の動作を説明するためのフローチャートである。XMLアプリケーション133が起動すると、帳票生成情報ファイル140の出力ファイルモード記述部1411において、出力ファイルモードがPDFファイル形式に指定されているか否かが判別される(ステップS5)。出力ファイルモード記述部1411にPDFファイル形式を指定する記述がない場合(ステップS5のNO)、XRFファイル作成部134の働きにより、XRFファイルが作成される(ステップS6)。帳票生成情報ファイル140の出力ファイルモード記述部1411にPDFファイル形式を指定する記述がある場合(ステップS5のYES)、PDFファイル作成部135の働きにより、PDFファイルが作成される(ステップS7)。こうして作成されたXRFファイルまたはPDFファイルは、帳票データファイルとして、クライアント20へ送信される(ステップS8)。
【0087】
図7を再び参照して、XMLアプリケーション133によって作成されたXRFファイル150が、アプリケーションサーバ117を介してXRFリーダ222(XRFファイルの受信によりWebブラウザ221がヘルパーアプリケーションとして起動)に送信されると(矢印B10)、XRFリーダ222は、このXRFファイル150から帳票画像のイメージデータを作成し、表示装置214に表示する。そして、XRFリーダ222上で印刷のための操作が行われると、帳票画像の印刷用データがプリンタドライバ223を介してプリンタ30に送信され、帳票が用紙上に印刷される。
【0088】
このように、サーバ10からインターネット等の通信網を介して、クライアント20へXRFファイル150が提供される。そして、クライアント20側において、XRFファイル150を帳票画像のイメージデータに展開することにより、クライアント20のユーザは、所望の帳票を手に入れることができる。XRFファイル150は、展開後の帳票画像(イメージデータ)に比べてデータ容量が小さい。このため、通信網上で伝送されるデータ量を低減させることができる。つまり、サーバ10がクライアント20へとXRFファイル150を送信することによって、ネットワーク上で伝送されるデータ量を減少させつつ、ユーザの所望する帳票を提供することができる。
5.帳票データファイル(XRFファイル)の説明
図12は、XRFファイルの主要な構成要素の1つであるXRTファイル124の構成を説明するための概念図である。記憶装置115の部品サーバ1200には、複数のXRTファイル124が記憶されている。XRTファイル124は、帳票の背景部分やレイアウトなどの固定部分をページ毎に規定するフォームファイルである。XMLアプリケーション133は、帳票生成情報ファイル140のXRFファイル特定情報記述部142によって特定されるXRTファイル124を、記憶装置115から読み取る。クライアント20のWebブラウザ221から同時に処理すべき複数の帳票データ要求を受信した場合、要求データ解析部131は、複数ページの帳票データに関する帳票生成情報を記述した帳票生成情報ファイルを作成してデータ収集・結合処理部132に与える。この場合、XMLアプリケーション133は、帳票生成情報ファイル内に記述された個々の帳票ページに対応したXRFファイル特定情報記述部142を参照し、それぞれの記述に従って、複数のXRTファイル124を記憶装置115から読み取り、複数ページの帳票に対応した帳票データファイルを作成する。
【0089】
図13は、XRTファイル124の構成を説明するためのブロック図である。XRTファイル124は、フォームファイルであり、帳票フォーム上に固定配置される固定部品(枠線、罫線、アンダーライン、テキスト(文字や数字)、イメージ、描画オブジェクト等)の配置位置および種類その他の属性情報(プロパティ)を記述した固定部品プロパティ143Aと、帳票フォーム上に配置された順に自動的に連番が付されるフィールドの配置位置を含む属性情報(プロパティ)を記述したフィールドプロパティ144Aと、部品XRTファイルが配置された領域であるエリアの配置位置、大きさ、リンクされる部品XRTファイル名等の属性情報(プロパティ)を記述したエリアプロパティ145Aとを有している。フィールドは、ユーザデータに応じて変化する文字列、数値、イメージ等の可変情報(個々の帳票毎に変動する情報)を埋め込むための領域であり、XRTファイル中に予め設定されている。
【0090】
固定部品がテキストの場合には、このようなテキストは、XRTファイル上に直接記述されている。また、固定部品がイメージの場合には、対応するイメージファイルのパスおよびファイル名がプロパティとしてXRTファイル上に記述され、そのイメージファイルは、部品サーバ1200内に外部リソースファイルとして格納されている。固定部品が描画オブジェクトの場合には、その形状、配置位置、色、大きさ等のプロパティがXRTファイルに記述されている。
【0091】
部品XRTファイルは、XRTファイルと同形式のファイルであり、1ページの帳票フォームを定義したファイルではなく、XRTファイル中に設定されたエリアに埋め込まれる点においてのみ、通常のXRTファイルと異なる。したがって、部品XRTファイルの構成は、XRTファイルの構成と同様である。むろん、部品XRTファイルのなかにエリアを設定し、このエリアに別の部品XRTを埋め込むこともできる。
【0092】
XRTファイル124は、通常、固定部品プロパティ143Aと、1つ以上のフィールドに関するフィールドプロパティ144Aを有しているが、エリアプロパティ145Aは必ずしも有しているとは限らない。またXRTファイル124にはフィールドがない場合もある。
【0093】
図14は、XRTファイル124の具体的な構成例を示す図である。図14(a)(b)(c)に示すXRTファイル124A,124B,124Cは、いずれも、共通の罫線・枠線・アンダーライン・文字・数字・イメージ・描画オブジェクト等の固定部品143と、共通のフィールド144(宛名フィールド、年月日フィールド、金額フィールド、摘要フィールド)とが設定された領収書のフォームファイルであり、それらのプロパティの記述を含む。そして、同図(b)に示すXRTファイル124Bは、同図(a)のXRTファイル124Aの構成に加えて、エリア145が右下部に設定されていて、このエリアのプロパティを含む。また、同図(c)に示すXRTファイル124Cは、同図(a)のXRTファイル124Aの構成に加えて、固定部品(文字列・イメージ・描画オブジェクト等)146を右下部に有している。
【0094】
図14(a)(b)(c)に示す各XRTファイル124A,124B,124Cは、記憶装置115にそれぞれ別々に記憶されている。したがって、サーバ10は、様々な形態の領収書をクライアント20へと提供することができる。
【0095】
図15は、XRFファイルの構成を説明するためのブロック図である。XRFファイル150は、DTDファイル123と、XRTファイル124と、XRTファイル124と一対一に対応付けられているフィールド情報125と、ユーザデータファイル151とから構成されている。XRFファイル150に含まれるXRTファイル124にエリアが設定されている場合、このXRFファイル150はさらに、エリアと同数の部品XRTファイル126(各エリア領域にリンクされた部品XRTファイル)を含んでいる。また、XRFファイル150に含まれているXRTファイル124が、イメージデータに対応付けられたフィールドを有している場合や、固定部品としてイメージが貼り付けられる内容となっている場合、そのXRFファイル150はさらに、そのようなイメージに対応した外部リソースファイル127を含んでいる。
6.帳票画像の生成
図16は、XRFファイルに基づいて帳票画像が生成される過程を説明するための図解的な流れ図である。XRTファイル124には、6つのフィールド144と、イメージが直接貼り付けられた1つの固定部品146とを有している。したがって、このXRTファイル124を有するXRFファイル150は、DTDファイル123と、フィールド情報125と、ユーザデータファイル151と、1つの外部リソースファイル127(イメージファイル)とを含んでいる。また、ユーザデータファイル151は、クライアント20からユーザが入力指定した内容対応した帳票データ要求によって特定されたユーザデータを記録したファイルであって、たとえば、「14,8,30,○○株式会社,100,000,書籍代として」というように、各フィールド領域144に挿入されるべき情報を区切り記号(この例ではカンマ「,」で区切った形式(いわゆるCSV形式))で記録している。
【0096】
なお、通常は、帳票データ要求において指定された条件に従って、部品サーバ1200から適切なユーザデータが読み出されるが、クライアント20から、各フィールドに書き込むべき内容が直接指定される場合もありうる。
【0097】
フィールド情報125は、XRTファイル124に設定されたフィールド144とDTDファイルとの関連を表し、個々のフィールドのデータ型(文字、数値、バーコード、イメージ等)やフィールドを設定した順番、およびフィールドの数を表す情報である。DTDファイルには、フィールド情報を介して、個々のフィールドと、ユーザデータとを対応付けるための情報が記述されている。フィールドのデータ型が、文字、数値またはバーコードのように数値等での表現が可能な場合には、個々のフィールドに対応するデータはユーザデータとして部品サーバ1200に記憶される。また、フィールドのデータ型が、イメージの場合には、ユーザデータはイメージファイルのパスおよびファイル名を含み、そのイメージファイルは、外部リソースファイルとして部品サーバ1200に記憶されている。
【0098】
作図アプリケーションを用いて予めXRTファイルを作成するとき、個々のフィールドのプロパティがXRTファイルに記述され、このプロパティには、フィールドを設定した順番が記述される。このフィールドの設定時に、フィールド情報が生成されることになる。
【0099】
DTDファイル123は、フィールド領域144にユーザデータを対応付けるための対応付け情報を格納している。XRFリーダ222およびPDFファイル作成部135は、DTDファイル123を参照し、フィールド情報125および個々のフィールドのプロパティ(とくにフィールドの設定順に関する情報)に従って、ユーザデータおよび外部リソースファイル127を各フィールドに埋め込んでイメージデータに展開する。
【0100】
たとえば、図16のXRTファイル124において、1番目に設定されたフィールド1に、ユーザデータファイル151の1番目の情報である「14」が、2番目に設定されたフィールド2にはユーザデータファイル151の2番目の情報である「8」が、3番目に設定されたフィールド3にはユーザデータファイル151の3番目の情報である「30」が、4番目に設定されたフィールド4にはユーザデータファイル151の4番目の情報である「○○株式会社」が、5番目に設定されたフィールド5にはユーザデータファイル151の5番目の情報である「100,000」が、6番目に設定されたフィールド6にはユーザデータファイル151の6番目の情報である「書籍代として」がそれぞれ埋め込まれる。ただし、個々のフィールドの設定順とユーザデータとの対応付けは、DTDファイル123に記述されるので、フィールドの設定順序と、ユーザデータの並び順とが整合している必要はない。
【0101】
また、XRFリーダ222およびPDFファイル作成部135は、帳票フォーム中の固定部品143を、XRTファイル124に記述されたプロパティに従ってイメージデータに展開する。さらに、固定部品146のように、イメージが貼り付けられる領域については、外部リソースファイル(イメージファイル)を埋め込んで展開する。
【0102】
このようにして帳票画像が作成される。この作成された帳票画像は、XRFリーダ222においては、表示用イメージデータに変換され、さらに印刷操作がされると、印刷用データに変換されて、プリンタドライバ223を介してプリンタ30に与えられる。
7.部品XRTファイルの使用態様
図17は、部品XRTファイル126の使用例を説明するための概念図である。この概念図において、XRFファイル152,153は、1つの部品XRTファイル126に共通にリンクされたエリアを有するXRTファイルを含む。
【0103】
XMLアプリケーション133のXRFファイル作成部134は、帳票生成情報ファイル140に基づいて、記憶装置115の部品サーバ1200から、帳票データ要求に対応したXRTファイル124を読み出し、さらに、このXRTファイル124にリンクされた部品XRTファイル126を部品サーバ1200から読み取り、これらを結合することによって、XRFファイル152,153を作成する。
【0104】
図17の例では、記憶装置115に記憶されている1つの部品XRTファイル126が、XRFファイル152および153の生成のために共通に用いられている。このように、複数のXRFファイルにおいて共通して使用される部品XRTファイル126が存在することがある。たとえば、会社印や社名の画像またはテキストに対応した部品XRTファイル126を予め作成して記憶装置115の部品サーバ1200に格納しておけば、サーバ10が種々の帳票データ(XRFファイル150)を提供するために記憶装置115内に確保すべき記憶容量を低減できる。
【0105】
部品XRTファイルには、固定部品(文字列、数値、バーコード、イメージ)を配置したり、フィールドを設定したり、さらに他の部品XRTファイルにリンクされたエリアを設定したりすることができる。そのため、部品XRTファイルを用いることにより、多様な形態の帳票部品を作成することができ、複数種類の帳票フォームで共用される様々な部品を予め作成しておくことができる。
8.XRFリーダの動作
図18は、XRFファイル150を受信したXRFリーダ222の表示例を示す図である。クライアント20において、サーバ10からXRFファイル150を受信し、これをXRFファイルリーダ222を用いて閲覧すると、XRFリーダ222には、XRFファイル150から作成された帳票画像240と、「前ページへ」ボタン241と、「次ページへ」ボタン242と、「印刷」ボタン243と、「キャンセル」ボタン244とが表示される。これらのボタン240〜244は、入力装置213を用いて操作(クリック)することができる。
【0106】
複数ページの帳票を含む帳票データに対応したXRFファイル150をXRFリーダ222が受信しても、XRFリーダ222は、帳票画像240を一枚ずつしか表示することができない。そのため、「前ページへ」ボタン241や、「次ページへ」ボタン242を押すことによって、帳票画像240を1枚ずつ閲覧することができるようになっている。帳票画像240が表示されているときに、「印刷」ボタン243が押されると、印刷ダイアログボックスが開き、この印刷ダイアログボックスにおいて印刷条件が設定された後に、印刷開始を指示する操作が行われることにより、XRFリーダ222は、その帳票画像240に対応する印刷データをプリンタドライバ223を介してプリンタ30へと送信する(図7の矢印B11)。これにより、プリンタ30からその帳票画像240が用紙上に印刷されて出力される。
【0107】
「キャンセル」ボタン244を押すことによって、帳票の印刷を取りやめることができるが、「印刷」ボタン243が押された後には、印刷ダイアログボックスが開くから、この印刷ダイアログボックスを閉じるまで、「キャンセル」ボタン244は操作することができない。
【0108】
なお、XRFリーダ222の画面は、上記のような画面内にボタン類の設けられたものではなく、メニューバーに矢印ボタンなどが設けられたものでもよい。
【0109】
印刷ダイアログボックスから印刷の開始を指示すると、印刷ダイアログボックスは自動的に閉じられ、印刷中であることを表す印刷中ダイアログボックスが現れる。帳票の種類(たとえば、領収書)によっては、この印刷中ダイアログボックスをシステムモーダルダイアログボックスとする設定が可能である。この場合には、この印刷ダイアログボックスを閉じるまでは、オペレーティングシステムの操作も含めて、他の操作を行うことができないようにされていてもよい。つまり、一旦、印刷処理が開始されると、その印刷処理が終了するまでは、他の操作が不可能となり、途中で印刷動作をキャンセルすることができないようにされてもよい。これにより、不完全状態の帳票が作成されて、これが不正使用されるなどという事態を回避できる。印刷処理が完了(たとえば、印刷データの出力完了やプリンタからの印刷完了通知の受信)すると、印刷中ダイアログは自動的に閉じられる。
【0110】
受信したXRFファイル150内に画面表示を禁止するパラメータが含まれている場合には、帳票画像240は表示されず、ボタン241〜244のみが表示される。これにより、画面上で帳票画像データがコピーされたりすることが防がれ、印刷出力のみが可能となる。
【0111】
また、受信したXRFファイル150内に、印刷を禁止するパラメータが含まれている場合には、たとえば、印刷ボタン243が操作不可能状態(たとえばグレーアウト表示状態)となり、印刷操作を行うことができない状態となる。
【0112】
さらに、受信したXRFファイル150内に、印刷ダイアログの表示を不許可とするパラメータが含まれていれば、印刷ボタン243が操作されても、印刷ダイアログは表示せずに、バックグラウンドで印刷処理が行われる。これにより、複数部数の帳票が印刷されたりすることを防止できる。
【0113】
また、受信したXRFファイル150内に、印刷中ダイアログの表示を禁止するパラメータが含まれていれば、印刷中ダイアログを表示することなく、印刷処理が行われる。印刷中ダイアログボックス内に印刷を途中中断するための中断ボタンが設けられている場合には、印刷中ダイアログの表示をしないことで、帳票印刷の途中中断を防止できる。
【0114】
さらに、受信したXRFファイル150内に、XRFファイルの保存を禁止するパラメータが含まれていれば、XRFリーダ222によるXRFファイルの保存ができない状態とされる。
9.部品XRTファイルの作成
図19は、部品XRTファイルの利用の態様を説明するための概念図である。帳票フォームを形成するXRTファイルおよびこのXRTファイル内にエリアを指定して貼り付けられる部品XRTファイルは、作図アプリケーションを用いて予め作成され、サーバ10の部品サーバ1200に記憶されている。作図アプリケーションでは、XRTファイルの作成時にエリアを確保し、そのエリア内で部品XRTファイルを作成することができる。このようにして作成された部品XRTファイルは、別のXRTファイルまたは部品XRTファイル上に貼り付けて再利用することができる。
【0115】
エリアを確保すると、XRTファイルにエリアプロパティが記述される。このエリアプロパティは、エリアの大きさおよびXRTファイル内での位置情報を含む。
【0116】
既存の部品XRTファイルをXRTファイルに取り込むときには、XRTファイルの内容を表示した作画アプリケーションの画面上でアクティブなカーソル位置に部品XRTファイルが貼り付く。このとき、エリアプロパティがXRTファイルに記述される。このエリアプロパティは、部品XRTファイルが貼り付いている位置と、エリアの大きさの情報を含む。この場合のエリアの大きさは、当該部品XRTファイルを最初に作成したときに確保されたエリアの大きさに等しい。
【0117】
図19に示された部品XRTファイル161は、固定部品としてのイメージファイルが貼り付けられた領域162と、テキストデータが貼り付けられた領域163とを含む。この例では、領域162には、XXX株式会社のロゴを表すイメージファイルが貼り付けられており、領域163には、「XXX株式会社,01−2345−6789」というテキストデータが貼り付けられている。上述のとおり、部品XRTファイルには、XRTファイルの場合と同様に、フィールドを設定することができ、このフィールド内に文字や数値等のユーザデータを貼り付けたり、イメージデータを貼り付けたりすることもできる。
【0118】
図20は、部品XRTファイル126の利用態様を説明するための概念図である。XRFファイル171,172,173,174は、それぞれ、記憶装置115に記憶されている部品XRTファイル161に共通にリンクされたエリアをそれぞれ有するXRTファイルを含むものとする。
【0119】
たとえば、図19に示すように、領域163の「XXX株式会社,01−2345−6789」というテキストデータを、「XXX株式会社,01−2345−6780」というテキストデータに変更する必要が生じた場合を想定する。
【0120】
このとき、サーバ10の管理者は、作図アプリケーションを用いることによって、部品XRTファイル161の領域163のテキストデータを編集して、「XXX株式会社,01−2345−6780」へと変更することができる。この変更された部品XRTファイル161は、作図アプリケーションによって、たとえば、記憶装置115に上書き保存される。領域162のイメージファイルの変更も同様にして行える。
【0121】
変更後の部品XRTファイル161が記憶装置115に記憶されると、その後に部品XRTファイル161を構成要素として含むXRFファイルが生成されたとき、そのXRFファイルは変更後の部品XRTファイル161を構成要素として含むことになる。
【0122】
したがって、サーバ10の管理者は、部品XRTファイル126を編集することにより、部品XRTファイル126を用いて生成される複数種類の帳票に対して、その編集結果を共通に反映させることができる。
10.ユーザデータに応じた外観の変更
10−1.ユーザデータに応じた画像部品の選択
図21は、ユーザデータに応じて帳票の外観を変更するための機能を備えたサーバ10の構成例を説明するためのブロック図である。この図21において、図4に示された構成部分と同等の部分には、図4の場合と同一符号を付して、その説明を省略する。
このサーバ10の業務アプリケーションは、上述の要求データ解析部131の機能のほかに、ユーザデータに応じて適切なイメージファイルを決定し、そのイメージファイルのパスおよびファイル名を帳票生成情報ファイルに記述するイメージファイル設定部136の機能が備えられている。
【0123】
要求データ解析部131は、ユーザデータに応じて複数のイメージファイルから選択された1つのイメージファイルを貼り付けるべき領域が設定されたXRTファイルを帳票データファイルの構成要素とすべき帳票生成情報を生成する場合がある。この場合、要求データ解析部131は、クライアント20からの帳票データ要求に応じて読み出されたユーザデータをイメージファイル設定部136に引き渡す。イメージファイル設定部136は、引き渡されたユーザデータに基づいて、XRTファイル中の当該領域に貼り付けるべきイメージファイルを特定し、そのファイルのパス名およびファイル名を帳票生成情報ファイル中に記述する。
【0124】
図22は、イメージファイル設定部136の機能を説明するための概念図である。図23は、サーバ10からクライアント20へと提供される帳票データ(XRFファイル)の一例を説明するための概念図である。
【0125】
図22の概念図において、帳票データの構成要素であるXRTファイル180には、データ型として文字または数値を指定した14個のフィールド181,182と、イメージが貼り付けられた領域183と、複数のイメージから選択された1つのイメージが貼り付けられるように設定された領域184とが設定されている。一方、記憶装置115には、イメージファイル185,186,187,188,189および1810が記憶されているものとする。領域183には、イメージファイル185が固定部品として貼り付けられている。
【0126】
イメージファイル設定部136は、クライアント20から与えられる帳票データ要求によって特定されたユーザデータのデータ値に応じて、イメージファイル186〜1810のいずれかを、フィールド184に貼り付けるべきイメージファイルとして特定する。たとえば、イメージファイル設定部136は、14番目の入力データのデータ値が、「0」以上「500,000」未満であればイメージファイル186を、「500,001」以上「1,000,000」未満であればイメージファイル187を、「1,000,001」以上「1,500,000」未満であればイメージファイル188を、「1,500,001」以上「2,000,000」未満であればイメージファイル189を、「2,000,001」以上「2,500,000」未満であればイメージファイル1810を、領域184に埋め込むべきイメージファイルとして特定する情報(パスおよびファイル名)を帳票生成情報ファイル140中に記述するようにその動作が設定されている。
【0127】
この実施形態では、イメージファイル186〜1810は、互いに長さの異なる横長の帯状図形と、「現在庫金額」という文字列とでそれぞれ構成されている。帯状図形の長さは、在庫金額の多少を視覚的に表している。必要に応じて、帯状図形部分および/または文字列部分の色を異ならせておいてもよい。たとえば、在庫金額過小や在庫金額過多に対応したイメージファイル186,1810などの帯状図形部分を赤色とし、適正在庫金額に対応したイメージファイル188の帯状図形部分を緑色とし、他のイメージファイル187,189は黄色としたりすれば、在庫の多少を一目で把握できる。
【0128】
たとえば図23に示すように、14番目のユーザデータのデータ値が「1969960」であるとする。すると、イメージファイル設定部136は、領域184に埋め込むべきイメージファイルのパスおよびファイル名として、イメージファイル189のパスおよびファイル名を帳票生成情報ファイル140に記述する。
【0129】
その後、XMLアプリケーション133が、この帳票生成情報ファイル140をもとにXRFファイルまたはPDFファイルを作成する。作成されたXRFファイル150を、XRFリーダ222で表示したものが、図23に示す帳票画像1811である。
【0130】
帳票画像1811は、「8月度在庫管理表」を示す帳票画像である。この帳票画像1811は、イメージファイル185および189によって、8月現在の在庫金額が適正範囲であることを、視覚的に理解しやすい内容となっている。
【0131】
イメージファイル設定部136がイメージファイルを選択するときの条件値は、サーバの管理者によって変更可能であるようになっていてもよい。また、その条件値の判断対象となるユーザデータの設定の変更も行うことができるようになっていてもよい。さらに、イメージファイル設定部136によって特定されるイメージファイル(外部リソースファイル)の設定も変更できるようになっていてもよい。
【0132】
このように、ユーザデータに応じて外観を異ならせた帳票を作成することができる。しかも、1つの帳票フォームに選択的に用いられる複数のイメージファイルを、帳票フォームのデータとは別に記憶するようにしているから、記憶装置115の記憶容量を圧迫することがない。
【0133】
なお、上記の例では、特定の領域に、ユーザデータの値に応じて選択されたイメージファイルが貼り付けられる例について説明したが、同様の構成および処理によって、帳票フォームファイルであるXRTファイルに設定されたエリアのプロパティをユーザデータに応じて変化させることにより、複数の部品XRTファイル(部品フォーム)のうちのいずれかをユーザデータの値に応じて選択して、当該エリアにリンクすることもできる。これによっても、ユーザデータに応じて多様に外観を異ならせた帳票を作成できる。
10−2.ユーザデータに応じた描画オブジェクトの特性変更
図24は、ユーザデータに応じて帳票の外観を異ならせるために用いられるサーバ10の他の構成例を説明するためのブロック図である。この図24において、図4に示された各部に対応する部分には、図4の場合と同一符号を付して、その説明を省略する。
【0134】
このサーバ10の業務アプリケーションは、上述の要求データ解析部131としての機能のほかに、描画オブジェクト(線、円、長方形、多角形、円弧、扇形等の図形データ)のプロパティを変更するプロパティ変更処理部137としての機能を有している。
【0135】
クライアント20からの帳票データ要求に対応したXRTファイルには、固定部品としての描画オブジェクトが貼り付けられている場合がある。そして、この実施形態では、特定の描画オブジェクトについて、ユーザデータに基づくプロパティの自動変更が行えるようになっている。
【0136】
XRTファイルを作図アプリケーションを用いて作成するとき、描画オブジェクトを帳票フォーム上に配置することができる。作図アプリケーションは、描画オブジェクトを編集するためのエディタ機能を有していて、たとえば、マウスのドラッグ操作によって、所望の形状の描画オブジェクトを選択して帳票上の所望の位置に配置したり、同じくマウスのドラッグ操作などで当該描画オブジェクトの形状や大きさを変更したりすることができる。こうして作成された描画オブジェクトは、帳票フォーム上での貼り付け位置、大きさ、線種(外形線など)および色などのプロパティを有することになる。これらのプロパティは、作図アプリケーション上で、プロパティ編集ダイアログへの記入によって変更することができる。このようにして生成されるプロパティがXRTファイルに記述されている。
【0137】
図25は、長方形の図形に対応した描画オブジェクトのプロパティ編集ダイアログの表示例を示す図である。このプロパティ編集ダイアログには、長方形オブジェクトの左上頂点の横方向に関する位置データ191と、長方形の左上頂点の縦方向に関する位置データ192と、長方形の横の長さデータ193と、長方形の縦の長さデータ194とが表示されるようになっている。
【0138】
この例では、長方形の左上頂点の横位置データ191は「87.5」、縦方向位置データ192は「6.771」、横の長さデータ193は「25.26」、縦の長さデータ194は「17.969」となっている。各データ191〜194の値が変更されると、長方形の描画オブジェクトの位置、大きさおよび形状(縦横の長さの比)が変化する。
【0139】
描画オブジェクトのプロパティ編集ダイアログには、さらに、オブジェクト名設定部195と、「OK」ボタン196と、「キャンセル」ボタン197とが含まれている。これらのボタンは、マウス等で操作(クリック)できる。「OK」ボタン196を操作することで、プロパティの各値が確定し、デフォルト値としてXRTファイルに書き込まれることになる。
【0140】
プロパティ変更処理部137は、クライアント20からの帳票データ要求に対応したユーザデータの値に基づいて、XRTファイル中の特定の描画オブジェクトに関して、適切なプロパティ値を定め、当該描画オブジェクトのプロパティ値をその値に変更するように指示するためのコマンドを帳票生成情報ファイルに記述する。たとえば、プロパティ中のデータ191〜194の値をユーザデータに対応する値に変更するためのコマンドを帳票生成情報ファイルに記入する。
【0141】
このようにして、ユーザデータの値に応じて位置、大きさおよび形状(必要に応じてさらに色)を変化させるためのコマンドを含む帳票生成情報ファイルが作成されて、データ収集・結合処理部132に与えられることになる。
【0142】
図26は、ユーザデータの値に応じて描画オブジェクトのプロパティが変更されることによる長方形図形の変形を説明するための概念図である。クライアント20からの帳票データ要求に対応した帳票フォームファイル(XRTファイル)に長方形描画オブジェクトのプロパティが記述されている場合を想定する。そして、当該長方形描画オブジェクトのデフォルトプロパティとして、横方向位置データ191が「87.5」、縦方向における位置データ192が「6.771」、横方向長さデータ193が「25.26」、縦方向長さデータ194が「17.969」にそれぞれ設定されているものとする。
【0143】
たとえば、要求データ解析部131による解析の結果、帳票データ要求に対応したユーザデータAが「75%」という値である場合、プロパティ変更処理部137は、上記長方形描画オブジェクトの横方向長さデータ193を、「25.26」から、「25.26」の75%分に相当する「18.945」へと変更するためのコマンドを作成して帳票生成情報ファイルに書き込む。これにより、データ収集・結合処理部132のXMLアプリケーション133がそのコマンドを解釈することにより、XRTファイルを変更し、当該長方形描画オブジェクトのプロパティが変更されたXRTファイルを作成する。これにより、クライアント20のXRFリーダでは、横方向長さを「22.734」とした長方形図形のイメージデータが展開されることになる。
【0144】
また、帳票データ要求に対応するユーザデータBが「90%」という値である場合、プロパティ変更処理部137は、上記基本の長方形描画オブジェクトの横方向長さデータ193を、「25.26」から、「25.26」の90%分に相当する「22.734」へと変更するためのコマンドを作成して帳票生成情報ファイルに記入する。これに応じて、XMLアプリケーション133によって、XRTファイルが変更され、当該長方形描画オブジェクトのプロパティが変更される。これにより、クライアント20のXRFリーダでは、横方向長さを「22.734」とした長方形図形のイメージデータが展開されることになる。
【0145】
このようにして、ユーザデータの値に応じたプロパティ(とくに形態に関するプロパティ)の描画オブジェクトを有するXRTファイルを自動生成することができる。
【0146】
図27は、サーバ10からクライアント20へ提供される帳票データの一例を説明するための概念図である。クライアント20からサーバ10に送信された帳票データ要求(とくに帳票の種類を指定する部分)に対応した帳票フォームファイルであるXRTファイル1911には、フィールド1912,1913が設定されており、さらに、領域1914にイメージデータ1917が貼り付けられ、領域1915,1916にはそれぞれ長方形描画オブジェクト198(デフォルトのプロパティを有するもの)が貼り付けられているものとする。領域1914にリンクされたイメージファイル1917は記憶装置115に記憶されていて、XRTファイルには、イメージのプロパティとして、そのイメージファイル1917のパスおよびファイル名が記述されている。また、描画オブジェクト198はそのプロパティがXRTファイルに記述されている。
さらに、プロパティ変更処理部136が、領域1915,1916に貼り付けられた基本の長方形描画オブジェクト198のプロパティを、ユーザデータ(たとえば、フィールド1912,1913に対応するもの)に応じた値に変更するためのコマンドを帳票生成情報ファイル中に記述するものとする。
【0147】
一方、帳票データ要求に基づいて特定されたユーザデータとして「75%,90%」が部品サーバ1200から読み出されて、業務アプリケーションに与えられている場合を想定する。要求データ解析部131は、フィールド1912に最初のユーザデータ「75%」が埋め込まれ、フィールド1913に2番目のユーザデータ「90%」が埋め込まれるように、ユーザデータファイルを作成する。プロパティ変更処理部136は、領域1915,1916の描画オブジェクト198のプロパティをユーザデータ「75%,90%」に応じてそれぞれ変更すべきことを表すコマンドを生成し、このコマンドを帳票生成情報ファイルに記入する。プロパティ変更後の長方形描画オブジェクトを参照符号199,1910でそれぞれ示す。
【0148】
上記のようにして自動生成された帳票生成情報ファイル140は、XMLアプリケーション133によって解釈され、その結果、XRTファイル1911において領域1915,1916の長方形描画オブジェクトのプロパティが変更され、この変更後のXRTファイルを含むXRFファイル150が作成される。このXRFファイル150は、XRTファイル1911(描画オブジェクトのプロパティが変更されたもの)、イメージファイル1917、およびユーザデータなどを構成要素データとして含むことになる。このXRFファイル150を、アプリケーションサーバ117を介してクライアント20に送信し、XRFリーダ222で表示させることにより、帳票画像1919が得られる。
【0149】
帳票画像1919は、商品A,Bとの在庫品の在庫率を示す帳票データである。この帳票画像1919は、イメージファイル1917および長方形描画オブジェクト199,1910によって、商品A,Bとの在庫品の在庫率が視覚的に表されており、直感的に理解しやすい外観を呈している。
【0150】
ここでは、ユーザデータの値に対応して長方形の横方向長さを変更する例について説明したが、縦方向長さを変化させたり、併せて描画オブジェクトの色をユーザデータの値に応じて変化させたりしてもよい。また、ここでは、百分率で表されるユーザデータに対応するように描画オブジェクトのプロパティを変更させることとしたが、プロパティ変更処理部136に予め基準値を設けておき、ユーザデータと基準値との比較結果(たとえば、基準値とユーザデータとの差の大小)に応じて、描画オブジェクトのプロパティを変化させるような構成であってもよい。
むろん、基本となる描画オブジェクトの形状は、長方形に限らず、円形、円弧、扇形などの他の形状であってもよい。
【0151】
図28は、ユーザデータに応じて描画オブジェクトのプロパティを変更する機能を実現した電子帳票システムの構成を説明するためのブロック図である。クライアント20からの帳票データ要求は、Webブラウザ221から、アプリケーションサーバ117を介して、要求データ解析部131に与えられる(矢印C1)。要求データ解析部131は、帳票要求データに対応したユーザデータを記憶装置115から読み出す(矢印C3)。
【0152】
帳票データ要求に対応する帳票フォーム(XRTファイル)に、ユーザデータによるプロパティ変更の対象となる描画オブジェクトが貼り付けられている場合、要求データ解析部131は、ユーザデータをプロパティ変更処理部137に与える(矢印C3)。
【0153】
プロパティ変更処理部137は、与えられたユーザデータに応じて、対象となる描画オブジェクトのプロパティを変更するためのコマンドを作成して帳票生成情報ファイル中に記入する(矢印C4)。
【0154】
要求データ解析部131は、また、帳票データ要求に対応する帳票データを作成するための帳票生成情報ファイル140と、ユーザデータ151とをデータ収集・結合処理部132へと送信する(矢印C7)。この帳票生成情報ファイル140には、帳票フォームファイル(XRTファイル)中の描画オブジェクトのプロパティを変更すべきことを指示するコマンドが含まれている。
【0155】
帳票生成情報ファイル140と、ユーザデータ151とを受信したデータ収集・結合処理部132は、記憶装置115からXMLパーサ120と、DOMファイルまたはSAXファイル121とを読み取ることによって(矢印C8)、XMLアプリケーション133を起動させる。XMLアプリケーション133は、帳票生成情報ファイル140に基づいて、DTDファイル123、XRTファイル124、フィールド情報125、部品XRTファイル126および外部リソースファイル127を記憶装置115から読み取ることによって(矢印C9)、XRFファイル150を作成する。このとき、上記プロパティ変更処理部137が生成したコマンドに従って、XRTファイル中の描画オブジェクトのプロパティが変更される。
【0156】
帳票生成情報ファイル140の出力ファイルモード記述部に、PDFファイル形式の指定がなければ、XMLアプリケーション133のXRFファイル作成部134によってXRFファイルが作成され、このXRFファイルが、要求データ解析部131に引き渡される。このXRFファイルは、アプリケーションサーバ117を介して、XRFリーダ222(XRFファイルの受信によりWebブラウザ221がヘルパーアプリケーションとして起動)に送信される(矢印C13)。XRFリーダ222がこの受信したXRTファイル150を表示しているときに、入力装置113の所定操作が行われると、帳票の印刷データがプリンタドライバ223を介してプリンタ30に送信され、このプリンタ30から帳票が用紙上に印刷出力される(矢印C14)。このようにして、ユーザデータに応じてプロパティ(とくに形態)が変更された描画オブジェクトが埋め込まれた状態の帳票を得ることができる。
【0157】
帳票生成情報ファイル140の出力ファイルモード記述部において、PDFファイル形式が指定されている場合には、XMLアプリケーション133のPDFファイル作成部135は、XRTファイルに対応したフォームのイメージデータを展開し、さらに、このイメージデータにユーザデータ、イメージおよび描画オブジェクトを展開して埋め込む。このようにして得られたPDFファイルは、要求データ解析部131に引き渡され、アプリケーションサーバ117を介して、クライアント20のWebブラウザ221に与えられる(矢印C11)。Webブラウザ221が、この受信したPDFファイルを表示しているときに、ユーザによって入力装置113の所定操作が行われると、帳票の印刷データが作成されてプリンタドライバ223を介し、プリンタ30に与えられ、このプリンタ30から帳票が印刷出力されることになる(矢印C12)。
【0158】
なお、クライアント20からの帳票データ要求に対応した帳票フォームファイル(XRTファイル)が、ユーザデータに応じて必ずプロパティが変更される描画オブジェクトを有する場合には、要求データ解析部131は、帳票フォームファイル(XRTファイル)のファイル名から、描画オブジェクトのプロパティの変更が必要であると判断して、プロパティ変更処理部137にユーザデータを引き渡すようになっていてもよい。
【0159】
また、帳票によっては、描画オブジェクトのプロパティを変更せずに、デフォルト値を使用するか、描画オブジェクトのプロパティを変更するかをクライアント20から指定(帳票データ要求に指定情報を含ませる。)させる場合も考えられる。このような場合には、要求データ解析部131は、クライアント20からの指定の有無を最初に判断して、描画オブジェクトのプロパティを変更しないことが指定されていれば、プロパティ変更処理部137によるコマンドの作成をスキップするようにすればよい。
11.帳票フォームの構成要素ファイルのキャッシュが可能な実施形態
図29は、この発明の他の実施形態に係る電子帳票システムの全体構成を示すブロック図である。この実施形態では、サーバ10と、複数のプロキシサーバ40とがインターネットに接続されている。サーバ10は、大規模な処理を行うことのできるコンピュータであって、インターネットと通信可能に接続されている。プロキシサーバ40は、記憶手段を有するパーソナルコンピュータであって、たとえばオフィスやビル毎に設置されている。
【0160】
プロキシサーバ40には、LAN(ローカルエリアネットワーク)50が接続されている。LAN50には、たとえばオフィス内に設置された複数のクライアント20やプリンタ30が接続されている。クライアント20は、オフィス等に設置されているパーソナルコンピュータである。そして、クライアント20は、LAN50に接続されている他のクライアント20と、互いにデータの送受を行うことができるようになっており、プリンタ30を共有している。
【0161】
プロキシサーバ40は、インターネットとLAN50とを通信可能に接続することができる。したがって、サーバ10とクライアント20とは、プロキシサーバ40を介して、互いにデータの送受を行うことができるようになっている。
【0162】
この実施形態では、XRFファイルの構成要素がプロキシサーバ40にキャッシュされるようになっており、クライアント20は、XRFファイルの構成要素ファイルのうちプロキシサーバ40にキャッシュされていないもののみをサーバ10から受信してXRFファイルをクライアント20側で作成する。これにより、ネットワークの負荷の軽減が図られている。しかも、構成要素データの単位でキャッシュが行われるから、クライアント20から全く同一内容の帳票の要求が出された場合だけでなく、異なる内容の帳票であっても、構成要素データの一部が共通していれば、キャッシュにヒットすることになるから、キャッシュの効率がよくなる。これにより、ネットワークの負荷を効率的に低減できる。
【0163】
図30は、この実施形態におけるサーバ10の構成例を説明するためのブロック図である。図30のブロック図において、図4に示された各部と同等の構成部には図4の場合と同一符号を付してその説明を省略する。
【0164】
記憶装置115は、XMLパーサと、DOMファイルまたはSAXファイルと、DTDファイルとを記憶している。記憶装置115は、さらに、各複数種類のXRTファイルと、フィールド情報と、部品XRTファイルと、外部リソースファイルとを記憶している。この構成における記憶装置115は、DTDファイル、XRTファイル、フィールド情報、部品XRTファイルおよび外部リソースファイルのそれぞれと一対一に対応付けられている更新日時情報をさらに記憶している。更新日時情報とは、DTDファイル、XRTファイル、フィールド情報、部品XRTファイルおよび外部リソースファイルのそれぞれが、記憶装置115に最後に記憶された日時(最終更新日時)を示す情報である。
【0165】
サーバ10の管理者は、作図アプリケーションを使用することにより、DTDファイル、XRTファイル、フィールド情報、部品XRTファイルおよび外部リソースファイル127を必要に応じて編集し、更新後のファイルを記憶装置115に上書きしたり、別名のファイルとして書き込んだりすることができる。このとき、各ファイルに対応付けて、当該ファイルが最後に記憶装置115に書き込まれた時間が、更新日時情報として記憶装置115に併せて書き込まれる。
【0166】
サーバ10の業務アプリケーションは、要求データ解析部131の機能と、XRFファイルの個々の構成要素データについてキャッシュの可否を表す情報(フラグ)を付加するキャッシュ禁止データ設定部1313との機能を有している。この業務アプリケーションは、XMLアプリケーション133からなる帳票生成情報ファイル読取部1311と連携して動作する。
【0167】
要求データ解析部131は、クライアント20からの帳票データ要求に基づいて帳票生成情報ファイルおよびユーザデータファイルを作成するとともに、帳票生成情報ファイルを帳票生成情報ファイル読取部1311に与える。これにより、XMLアプリケーション133が起動され、DOMファイルまたはSAXファイルを介してXMLパーサが呼び出される。
【0168】
XMLアプリケーション133は、このXMLパーサを介してXMLファイル形式で記述された帳票生成情報ファイルを解釈し、その解釈結果に従って、帳票データに対応するXRFファイルを構成するDTDファイル、XRTファイル、フィールド情報、部品XRTファイルおよび外部リソースファイルを特定するための情報(たとえば、パスおよびファイル名)と一対一に対応付けられている更新日時情報を記憶装置115から読み取ることができる。
【0169】
そして、XMLアプリケーション133は、帳票生成情報ファイルに記述されている、XRFファイル(帳票データ)の構成ファイル特定情報(たとえばパスおよびファイル名。帳票フォームデータ特定情報)と、それらのファイルの更新日時情報とをまとめて、更新日時情報の記述を加えた帳票生成情報ファイルを生成する。XMLアプリケーション133は、この更新日時情報付き帳票生成情報ファイルを要求データ解析部131に引き渡す。要求データ解析部131は、この帳票生成情報ファイルを、ユーザデータファイルとともに、アプリケーションサーバ117を介してクライアント20に送信することができる。
【0170】
要求データ解析部131は、クライアント20から、XRFファイルの構成要素ファイルの送信を要求するファイル送信要求をアプリケーションサーバ117が受け付けたときに、要求されたファイル(DTDファイル、XRTファイル、フィールド情報、部品XRTファイルまたは外部リソースファイル)を記憶装置115から読み取ることができる。そして、これらの読み取ったファイルを、アプリケーションサーバ117を介して、クライアント20に与えることができる。
【0171】
要求されたファイルがクライアント20に送信されるときに、その要求されたファイル(DTDファイル、XRTファイル、フィールド情報、部品XRTファイルまたは外部リソースファイル)は、プロキシサーバ40に記憶(キャッシュ)される。このキャッシュされるファイルは、その属性として、更新日時情報を有している。
【0172】
たとえば、会社印等を含むような帳票は、クライアント側でキャッシュすると、不正に使用されるおそれがある。そのため、帳票そのものが重要なものである場合や、会社印等の重要なイメージ等を含む帳票については、少なくともその重要部分を構成するファイルのキャッシュができないように、キャッシュ禁止情報が帳票生成情報ファイルに記入される。
【0173】
具体的には、キャッシュ禁止データ設定部1313は、クライアント20からの帳票データ要求に対応した帳票データが、キャッシュ禁止データ設定部1313によってキャッシュ禁止設定のされたファイルを含む場合に、帳票データの構成要素ファイル(DTDファイル、XRTファイル、フィールド情報、部品XRTファイルまたは外部リソースファイル。すなわち、帳票フォームの構成要素ファイル)の全部または一部のキャッシュを禁止するパラメータを帳票生成情報ファイルに埋め込む。これにより、プロキシサーバ40にキャッシュされるXRTファイル、フィールド情報、部品XRTファイルまたは外部リソースファイルを制限することができるようになっている。
【0174】
以下は、キャッシュ禁止設定のためのパラメータを含む帳票生成情報ファイルの形式例である。
Figure 2004213069
ユーザデータは、帳票毎に異なるのが一般的であるから、キャッシュの必要がない。したがって、ユーザデータファイルについては、たとえば、帳票生成情報ファイル中にキャッシュを禁止するためのパラメータを記述するか、クライアント20側のアプリケーションによる処理によって、ユーザデータをキャッシュ対象外とするようにしておけばよい。
【0175】
図31は、この実施形態の電子帳票システムにおけるクライアント20の構成例を説明するためのブロック図である。図31において、図6に示された各部と同等の構成部分には、図6の場合と同一符号を付して示し、その説明を省略する。
【0176】
クライアント20には、データ結合処理部229と、キャッシュ判定部224とが備えられている。データ結合処理部229と、キャッシュ判定部224とは、制御部220によって制御されている。
【0177】
データ結合処理部229およびキャッシュ判定部224は、XMLアプリケーションによって実現される機能処理部である。これらのうち、データ結合処理部229は、サーバ10から与えられる帳票生成情報ファイルを解釈し、DTDファイル、XRTファイル、フィールド情報、部品XRTファイル、外部リソースファイルおよびユーザデータを結合して、帳票データファイルであるXRFファイルを作成する。
【0178】
一方、キャッシュ判定部224は、サーバ10から与えられる帳票生成情報ファイルに記述されているDTDファイル、XRTファイル、フィールド情報、部品XRTファイルおよび外部リソースファイル、すなわち帳票データとしてのXRFファイルを構成する構成要素ファイル(ただしユーザデータ以外)が、プロキシサーバ40に記憶されているか否かを判別する。帳票生成情報ファイルによって特定されるXRTファイル、フィールド情報、部品XRTファイルおよびイメージファイルが、プロキシサーバ40に記憶されていないと判別された場合、キャッシュ判定部224は、それらのファイルを特定した不足ファイル送信要求をサーバ10へ送信する。
【0179】
また、キャッシュ判定部224は、帳票生成情報ファイルにより示されるXRTファイル、フィールド情報、部品XRTファイルおよび外部リソースファイルがプロキシサーバ40に記憶されていると判別した場合、帳票生成情報ファイル中に記述されているそれらのファイルの更新日時情報と、プロキシサーバ40に記憶されている対応ファイルの更新日時情報とが一致するか否かを判別する。いずれかの構成要素ファイルについて、帳票生成情報ファイルに記述されている更新日時情報と、プロキシサーバ40に記憶されているファイルの更新日時情報とが一致しないと判別された場合、キャッシュ判定部224は、そのファイルを特定した不足ファイル送信要求を、Webブラウザ221を介してサーバ10へ送信する。
【0180】
キャッシュ判定部224は、送信要求を送信する際に、帳票生成情報ファイル内にキャッシュを禁止するパラメータがあるかどうかを調べ、キャッシュを禁止するパラメータが記述されている場合には、Webブラウザ221から送信要求を発信する際に、HTTPプロトコルの設定により、プロキシサーバ40におけるキャッシュを抑止させる。
【0181】
図32は、図30のサーバ10および図31のクライアント20から構成されている電子帳票システムの動作を説明するためのブロック図である。クライアント20のユーザが入力装置213を操作して所要情報をWebブラウザ221に入力すると、入力内容に対応した帳票データ要求が、Webブラウザ221から、アプリケーションサーバ117を介して、要求データ解析部131に与えられる(矢印E1)。
【0182】
要求データ解析部131では、Webブラウザ221から与えられる帳票データ要求をもとに、帳票生成情報ファイルを作成する。また、要求データ解析部131は、帳票データ要求のユーザが指定したデータ部分に基づき、サーバ10に蓄積されているユーザデータを特定して、ユーザデータファイルを作成する。そして、要求データ解析部131は、帳票生成情報ファイルと、ユーザデータファイルとを、帳票生成情報ファイル読取部1311に与える(矢印E2)。もしも、帳票データ要求に対応する帳票データが、キャッシュ禁止の設定された構成要素データを含む場合には、キャッシュ禁止を表すパラメータがキャッシュ禁止データ設定部1313によって帳票生成情報ファイル内に書き込まれる。
【0183】
帳票生成情報ファイル読取部1311に、帳票生成情報ファイル140とユーザデータファイル151とが与えられると、記憶装置115からXMLパーサと、DOMファイルまたはSAXファイルとが読み取られ、XMLアプリケーション133が起動する。XMLアプリケーション133は、帳票生成情報ファイルに基づいて、帳票データ要求に対応するXRTファイルの構成要素ファイルのファイル名およびそのファイルの更新日時情報を記憶装置115から読み取り(矢印E3)、更新日時情報付きの帳票生成情報ファイルを作成して、アプリケーションサーバ117から、クライアント20のキャッシュ判定部224へと送信する(矢印E4)。このとき、ユーザデータファイルも併せて送信される。
【0184】
帳票生成情報ファイルを受信したキャッシュ判定部224は、プロキシサーバ40に記憶されている構成要素ファイル(DTDファイル、XRTファイル、フィールド情報、部品XRTファイルまたは外部リソースファイル)のうち、帳票生成情報ファイルに記述されているファイルを特定する。さらに、その特定されたプロキシサーバ40上の構成要素ファイルの更新日時情報と、帳票生成情報ファイルに示された構成要素ファイルの更新日時情報とが一致する構成要素ファイルを特定し、プロキシサーバ40に対してその送信を要求する(矢印E5)。これに応じて、キャッシュ判定部224によって特定されて送信要求された構成要素ファイルが、プロキシサーバ40から、クライアント20のデータ結合処理部229へと与えられる(矢印E6)。
【0185】
また、キャッシュ判定部224は、帳票生成情報ファイルに示されている構成要素ファイル(DTDファイル、XRTファイル、フィールド情報、部品XRTファイルまたは外部リソースファイル)のうち、プロキシサーバ40から与えられなかった構成要素ファイルを特定した不足ファイル送信要求を、Webブラウザ221およびアプリケーションサーバ117を介して、要求データ解析部131に送信する(矢印E7)。このとき、プロキシサーバ40におけるキャッシュの可/不可が、帳票生成情報ファイル中に記述されたパラメータに従って、HTTPプロトコルにおいて設定される。
【0186】
不足ファイル送信要求を受信した要求データ解析部131は、この不足ファイル要求に対応する構成要素ファイル(XRTファイル、DTDファイル、フィールド情報、部品XRTファイルまたは外部リソースファイル127)を記憶装置115から読み取る(矢印E8)。そして、この読み取った構成要素ファイルを、アプリケーションサーバ117から、プロキシサーバ40およびWebブラウザ221を介して、データ結合処理部229に与える(矢印E9)。不足ファイル送信要求をWebブラウザ221から発信するときのHTTPプロトコルによって、キャッシュの禁止が設定されていた場合には、サーバ10から送信されてきた構成要素ファイルは、プロキシサーバ40にキャッシュされない。キャッシュの禁止が設定されていなかった場合には、サーバ10から送信されてきた構成要素ファイルは、プロキシサーバ40にキャッシュされる。
【0187】
プロキシサーバ40にキャッシュされた構成要素ファイル(XRTファイル、DTDファイル、フィールド情報、部品XRTファイルまたは外部リソースファイル)は、プロキシサーバ40に接続された全てのクライアント20が共通して使用することができる。そのため、この電子帳票システム全体で使用される構成要素ファイル(XRTファイル、DTDファイル、フィールド情報、部品XRTファイルまたは外部リソースファイル)を各クライアント20に効率良く分配することができる。
【0188】
データ結合処理部229は、サーバ10およびプロキシサーバ40から与えられた構成要素ファイル(XRTファイル、DTDファイル、フィールド情報、部品XRTファイルおよび外部リソースファイル)およびユーザデータファイルを結合することによって、帳票データとしてのXRFファイルを作成する。より具体的には、帳票生成情報ファイルに記述されているXRTファイルを取得し、このXRTファイルに部品XRTファイルやイメージデータなどを結合させ、各フィールドに対応したユーザデータを結合することによって、XRFファイルが作成される。
【0189】
こうして作成されたXRFファイルは、XRFリーダ222に与えられるようになっている(矢印E10)。XRFファイルを受け渡されたXRFリーダ222は、XRFファイルをイメージデータに展開することによって帳票画像を作成して、その表示を行う。この帳票画像の表示が行われているときに、入力装置213から所定の印刷指示操作が行われると、帳票画像に対応する印刷データが作成されて、プリンタドライバ223を介して、プリンタ30へと送信される(矢印E11)。これにより、プリンタ30からその帳票画像を担持した用紙が出力される。
【0190】
なお、サーバ10からクライアント20へ帳票生成情報ファイルおよびユーザデータファイルを送信する代わりに、実データを伴わないXRFファイルを送信してもよい。すなわち、通常のXRFファイルは、フォームファイルであるXRTファイルと、これにリンクされる部品XRTファイル、外部リソースファイルおよびユーザデータなどの実データを有しているが、これらの実データを省いたXRFファイルを帳票生成情報ファイルの代わりに用いることもできる。むろん、この場合のXRFファイルには、その構成要素ファイルのファイル名と、それらのファイルの各更新日時情報と、必要に応じてキャッシュ禁止設定のためのパラメータが記述されることになる。
【0191】
また、XRFファイルの構成要素データのキャッシュは、クライアント20において行うこともできる。たとえば、クライアント20の記憶装置217内にキャッシュ領域を設け、このキャッシュ領域をキャッシュ手段として用いて、帳票データ(XRFファイル)の構成要素ファイルをキャッシュするようにしてもよい。この場合には、帳票生成情報ファイル中におけるキャッシュ禁止設定のためのパラメータに従い、クライアント20の内部処理によって、キャッシュするかどうかが決められることになる。ユーザデータのキャッシュは一般に不要であるから、クライアント20側のアプリケーションの設定により、ユーザデータのキャッシュを行わないようにしておけばよい。
【0192】
ただし、プロキシサーバの方が一般に保存容量が大きいからより多くのキャッシュデータを保存でき、キャッシュの効率が増加する。また、複数のクライアント20が共通のキャッシュ領域を共有することになるから、個々のクライアント20でキャッシュを行う場合に比較して、キャッシュの効率が良くなる。
【0193】
なお、キャッシュするデータをWebブラウザからHTTPプロトコルを利用して取得すると、プロキシサーバを利用している場合には、取得したデータは自動的にプロキシサーバにキャッシュされるのであるが、HTTPプロトコルを用いて、プロキシサーバにキャッシュをさせない設定を行うことができる。
12.クライアントにおける描画オブジェクトの特性変更
図33は、図29の構成の電子帳票システムにおいて用いられるサーバ10の他の構成例を説明するためのブロック図である。この図33において、上述の図30に示された各部と同等の機能を有する部分には、図30の場合と同一符号を付して示す。クライアント20側の構成は図31の場合と同様であるので、以下の説明では、図31を併せて参照する。
【0194】
この実施形態では、クライアント20において、ユーザデータに応じたプロパティを有する描画オブジェクトを帳票フォームに埋め込む処理が行われ、その描画オブジェクトを埋め込んだ帳票データであるXRFファイルがクライアント20において作成される。
【0195】
サーバ10側の業務アプリケーションは、要求データ解析部131の機能とともに、クライアント20からの帳票データ要求によって特定されたユーザデータに応じたプロパティを有する描画オブジェクトをXRTファイル中に位置指定して書き込むためのコマンド(描画オブジェクト書込コマンド)を帳票生成情報ファイルに書き込む描画オブジェクト書込コマンド生成部138の機能を有している。
【0196】
一方、クライアント20側では、XMLアプリケーションで構成されるデータ結合処理部229によって、帳票生成情報ファイル中の描画オブジェクト書込コマンドが解釈されて実行される。これにより、XRTファイルに対して、当該コマンドにおいて指定された描画オブジェクトのプロパティ(配置位置、形状、大きさなど)が書き込まれる。つまり、データ結合処理部229は、描画オブジェクト書込コマンドを解釈し、描画オブジェクトをXRTファイルに書き込む機能を有する。
【0197】
図34は、図33のサーバ10および図31のクライアント20から構成されている電子帳票システムの構成を説明するためのブロック図である。クライアント20のユーザが入力装置213を操作して所要情報をWebブラウザ221に入力すると、入力内容に対応した帳票データ要求が、Webブラウザ221から、アプリケーションサーバ117を介して、要求データ解析部131に与えられる(矢印D1)。
【0198】
要求データ解析部131では、Webブラウザ221から与えられる帳票データ要求をもとに、帳票生成情報ファイルを作成する。また、要求データ解析部131は、帳票データ要求によって特定されるユーザデータを記憶装置15から読み出して、ユーザデータファイルを作成する。
【0199】
また、帳票データ要求に対応する帳票フォーム(XRTファイル)が、ユーザデータに応じてプロパティを定めた描画オブジェクトを埋め込むべき帳票フォームである場合、描画オブジェクト書込コマンド生成部138は、要求データ解析部131からユーザデータを得て(矢印D3)、このユーザデータに対応したプロパティの描画オブジェクトを帳票フォーム中に配置を指定して埋め込むための描画オブジェクト書込コマンドを帳票生成情報ファイルに書き込む(矢印D4)。
【0200】
もしも、帳票データ要求に対応する帳票データが、キャッシュ禁止の設定された構成要素データを含む場合には、キャッシュ禁止データ設定部1313(図34では図示を省略した。)によって、キャッシュ禁止を表すパラメータが帳票生成情報ファイル内に書き込まれる。
【0201】
要求データ解析部131は、描画オブジェクト書込コマンドや各種のパラメータなどが記述された帳票生成情報ファイルと、ユーザデータファイルとを、帳票生成情報ファイル読取部1311に与える(矢印D5)。
【0202】
帳票生成情報ファイル読取部1311に、帳票生成情報ファイルとユーザデータファイルとが与えられると、記憶装置115から、XMLパーサと、DOMファイルまたはSAXファイルとが読み取られ、XMLアプリケーション133が起動する。XMLアプリケーション133は、帳票生成情報ファイル140に基づいて、帳票データ要求に対応するXRTファイルの構成要素ファイルのファイル名およびそのファイルの更新日時情報を記憶装置115から読み取り(矢印D6)、更新日時情報付きの帳票生成情報ファイルを作成して、アプリケーションサーバ117から、クライアント20のキャッシュ判定部224へと送信する(矢印D7)。このとき、ユーザデータファイルも併せてクライアント20へと送信され、データ結合処理部229に与えられる。
【0203】
帳票生成情報ファイルを受信したキャッシュ判定部224は、プロキシサーバ40に記憶されている構成要素ファイル(XRTファイル、DTDファイル、フィールド情報、部品XRTファイルまたは外部リソースファイル)のうち、帳票生成情報ファイルに記述されているファイルを特定する。さらに、その特定されたプロキシサーバ40上の構成要素ファイルの更新日時情報と、帳票生成情報ファイルに示された構成要素ファイルの更新日時情報とが一致する構成要素ファイルを特定し、その送信を要求する(矢印D8)。これに応じて、プロキシサーバ40は、キャッシュ判定部224によって特定されて送信要求された構成要素ファイルを、クライアント20のデータ結合処理部229に与える(矢印D9)。
【0204】
また、キャッシュ判定部224は、帳票生成情報ファイルに示されている構成要素ファイル(XRTファイル、DTDファイル、フィールド情報、部品XRTファイルまたは外部リソースファイル)のうち、プロキシサーバ40から与えられなかった構成要素ファイルを特定した不足ファイル送信要求を、Webブラウザ221およびアプリケーションサーバ117を介して、要求データ解析部131に送信する(矢印D10)。このとき、個々の構成要素ファイルについて、プロキシサーバ40におけるキャッシュの可/不可が、HTTPプロトコルにおいて設定される。
【0205】
不足ファイル送信要求を受信した要求データ解析部131は、この不足ファイル要求に対応する構成要素ファイル(XRTファイル、DTDファイル、フィールド情報、部品XRTファイルまたは外部リソースファイル)を記憶装置115から読み取る(矢印D11)。そして、この読み取った構成要素ファイルを、アプリケーションサーバ117から、プロキシサーバ40およびWebブラウザ221を介して、データ結合処理部229に与える(矢印D12)。不足ファイル送信要求をWebブラウザ221から発信するときのHTTPプロトコルによって、キャッシュの禁止が設定されていた場合には、サーバ10から送信されてきた構成要素ファイルは、プロキシサーバ40にキャッシュされず、また、キャッシュの禁止が設定されていなかった場合には、サーバ10から送信されてきた構成要素ファイルはプロキシサーバ40にキャッシュされる。
【0206】
データ結合処理部229は、サーバ10およびプロキシサーバ40から与えられた構成要素ファイル(XRTファイル、DTDファイル、フィールド情報、部品XRTファイルまたは外部リソースファイル)およびユーザデータを結合し、さらに、帳票生成情報ファイル中の描画オブジェクト書込コマンドに従って、XRTファイル中に新たな描画オブジェクトを書き込むことによって、帳票データとしてのXRFファイルを作成する。
【0207】
作成されたXRFファイルは、XRFリーダ222に与えられるようになっている(矢印D18)。XRFファイルを受け渡されたXRFリーダ222は、XRFファイルをイメージデータに展開することによって帳票画像を作成して、その表示を行う。この帳票画像の表示が行われているときに、入力装置213から所定の印刷指示操作が行われると、帳票画像に対応する印刷データが作成されて、プリンタドライバ223を介して、プリンタ30へと送信される(矢印D19)。これにより、プリンタ30からその帳票画像を担持した用紙が出力される。このようにして、ユーザデータに応じたプロパティ(とくに形態)を有する描画オブジェクトが埋め込まれた状態の帳票を得ることができる。
【0208】
また、クライアント20側では、既存の描画オブジェクトのプロパティを変更する処理ではなく、帳票生成情報ファイル中のコマンドに基づいて新たな描画オブジェクトを生成する処理がXMLアプリケーションによって行われるようになっているから、ビジネスロジックを必要としない。したがって、複数のクライアント20におけるプログラムの保守および管理が容易になる。
【0209】
しかも、プロキシサーバ40をキャッシュとして利用し、XRFファイルの構成要素データをプロキシサーバ40から取得し、クライアント20においてXRFファイルを作成する構成であるので、ネットワークの負荷を著しく軽減することができる。
【0210】
なお、この構成例の場合にも、サーバ10からクライアント20へ帳票生成情報ファイルを送信する代わりに、実データを伴わないXRFファイルを送信してもよい。
【0211】
また、XRFファイルの構成要素データのキャッシュをクライアント20において行うようにしてもよい。
13.ユーザの認証が可能な実施形態
図35は、この発明のさらに他の実施形態におけるサーバ10の構成例を説明するためのブロック図である。図35において、上述の図4に示された各部と同等の構成部分には、図4の場合と同一符号を付して示し、その説明を省略する。
【0212】
この実施形態の電子帳票システムは、上述の図29に示された構成と同様な全体構成を有している。ただし、この実施形態の電子帳票システムでは、帳票データの要求や出力ができるクライアント端末が予め設定され、クライアントの認証を行うことによって、特定の端末以外では帳票データの要求や帳票の出力を制限できるようになっている。
【0213】
サーバ10には、業務アプリケーションの機能処理部としての認証部1314およびログ作成部1315が備えられており、これらは制御部130によって制御されている。
【0214】
認証部1314は、記憶装置115に予め記憶された、クライアント20の管理者の「ユーザ名」および「パスワード」を参照する。そして、サーバ10とクライアント20とのインターネットを介する接続が確立されている間に、クライアント20からクライアント20の管理者の「ユーザ名」および「パスワード」がサーバ10に与えられると、認証部1314は、クライアント20から与えられた「ユーザ名」および「パスワード」が、記憶装置115に記憶されている「ユーザ名」および「パスワード」と一致するか否かを判別する。それらが一致すると判別されると、クライアント20の管理者は、入力装置213から所定の操作を行うことによって、そのクライアント20に提供を許可する帳票の設定を行うことができる。すなわち、特定のクライアント20を、特定の帳票を出力するための端末として設定できる。
【0215】
このような設定が行われると、認証部1314は、そのクライアント20に当該帳票の帳票データの送信を行うことを許可する送信許可情報であるCookieを送信する。このCookieは、サーバ10から、クライアント20に送信されると、クライアント20の記憶装置217に記憶されるようになっている。Cookieを受信したクライアント20が、そのCookieの送信元であるサーバと再びインターネットを介して接続されると、クライアント20は、Cookieをそのサーバ10に与えるようになっている。
【0216】
また、ユーザが、帳票データの送信許可を表すCookieを有するクライアント20を使用することによって、サーバ10に接続すると、そのCookieは、アプリケーションサーバ117を介して認証部1314に与えられる。そして、認証部1314は、クライアント20から送信されてくるCookieの内容に応じて、そのクライアント20に提供することのできる帳票データを提供し、その他の帳票データについては、送信を制限する。
【0217】
一方、帳票データの送信許可を表すCookieを有するクライアント20と、サーバ10とのインターネットを介する接続が確立されている間に、クライアント20からクライアント20の管理者の「ユーザ名」および「パスワード」がサーバ10に与えられることがある。このとき、認証部1314は、クライアント20から与えられた「ユーザ名」および「パスワード」が、認証部1314に記憶されている「ユーザ名」および「パスワード」と一致するか否かを判別する。その一致が確認された後、クライアント20の管理者が入力装置213から所定の解除操作を行うと、そのクライアント20への提供が許可されていた帳票データの送信許可の設定を解除することができるようになっている。その送信許可設定が解除されると、認証部1314は、そのクライアント20に、帳票データの送信許可設定を解除したCookieを送信することができる。
【0218】
ユーザが、帳票画像の送信許可設定が解除された状態(すなわち、送信許可設定のされていない状態)のCookieを有する(またはそのようなCookieを有しない)クライアント20を使用することによって、サーバ10に接続すると、帳票データの送信許可設定のない当該Cookieは、アプリケーションサーバ117を介して認証部1314に与えられる(またはCookieが与えられない)。帳票データの送信許可設定のないCookieを受信した(またはCookieを受信しなかった)認証部1314は、要求された帳票データをクライアント20に送信することを禁止する。
【0219】
ログ作成部1315は、XMLアプリケーション133によって作成されたXRFファイルやPDFファイルをクライアント20へ送信した日時情報を記憶装置115に記憶させることができる。つまり、サーバ10からクライアント20へと送信された帳票データファイルの送信記録(ログ)を作成することができる。
【0220】
図36は、この実施形態におけるクライアント20の構成例を説明するためのブロック図である。この図36において、図6に示された各部と同等の構成部分には図6の場合と同一符号を付して示し、その説明を省略する。
【0221】
この構成では、クライアント20に記憶装置217が設けられている。記憶装置217は、サーバ(サーバ10を含む)から制御部220に与えられるCookieを記憶しておくことができる。また、以前にCookieが与えられたサーバ(サーバ10を含む)との間の接続が再び確立された場合には、制御部220は、そのサーバから以前に与えられたCookieを記憶装置217から読み出して、そのサーバに送信する。
【0222】
クライアント20にはさらに、表示制御部225と、ログ作成部226と、出力情報表示禁止部227と、ユーザ認証部228とが備えられており、これらは制御部220によって制御されている。
【0223】
表示制御部225は、帳票データ要求がサーバ10に送信されて帳票印刷の指示がされてから、その帳票データ要求に対応する帳票画像がプリンタ30によって印刷され終わるまでの間、表示装置214の表示画面をシステムモーダル画面に固定させ、入力装置213から制御部230への操作信号を無効化する。
【0224】
ログ作成部226は、帳票データ要求が当該クライアント20からサーバ10に送信された日時情報と、サーバ10から与えられるXRFファイルやPDFファイルを受信した日時情報と、印刷データをプリンタ30に送信した日時情報と、プリンタ30から与えられる印刷データの印刷完了を示す印刷終了信号を受信した日時情報と、その帳票種類の情報とを含むログ(帳票出力記録)を記憶装置217に記憶させることができる。また、クライアント20の管理者は、入力装置213から所定の操作を行うことによって、記憶装置217に記憶されているログを閲覧することができるようになっている。
【0225】
出力情報表示禁止部227は、XRFファイル内のパラメータの設定に応じて、帳票画像の表示を禁止するための制御を行う。
【0226】
クライアント20のユーザのユーザ名およびパスワードは、記憶装置217に記憶され、ユーザ認証部228によって管理されるようになっている。そして、入力装置213から入力されるユーザ名およびパスワードが、記憶装置217に記憶されているユーザ名およびパスワードに一致するか否かを判別することができるようになっている。入力装置213から入力されたユーザ名およびパスワードが、ユーザ認証部228によって、記憶装置217に記憶されているユーザ名およびパスワードに一致すると判別されない限り、ユーザはクライアント20を使用して帳票の出力を行うことができないようになっている。
【0227】
図37は、図35のサーバ10および図36のクライアント20から構成される電子帳票システムの概念的な構成を説明するためのブロック図であり、図38は、帳票データ送信許可の設定を受け付けるための受付画面をWebブラウザ221により表示した例を示す図であり、図39は、帳票データ要求の入力を受け付けるための受付画面(メニュー画面)をWebブラウザ221により表示した例を示す図である。
【0228】
クライアント20の管理者は、Webブラウザ221のURL入力部にサーバ10のURLを入力して、入力装置213から所定の操作を行うことによって、アプリケーションサーバ117からHTMLファイル等を受信して、Webブラウザ221の表示部231に、図38に示すような表示を行わせることができる。図38は、サーバ10からクライアント20へ提供する領収書の帳票データの送信許可設定を受け付けるための受付画面である。表示部中央付近には、クライアント20の管理者のユーザ名を入力させるためのユーザ名入力部236と、クライアント20の管理者のパスワードを入力させるためのパスワード入力部237とが表示されている。ユーザ名入力部236およびパスワード入力部237の下部には、「端末に指定」ボタン238と、「端末指定解除」ボタン239とが表示されている。また、この受付画面において、Webブラウザ221にはポインタ(図示せず)が表示されており、ユーザが入力装置213(主にポインティングデバイス)の操作を行うことによって、このポインタをボタン238または239上へ移動し、ボタン238または239を押す(クリック)ことができるようになっている。
【0229】
ユーザ名入力部236にクライアント20の管理者のユーザ名が、パスワード入力部237にクライアント20の管理者のパスワードが、それぞれ入力されて、「端末に指定」ボタン238が押されると(矢印F1)、認証部1314は、認証処理を行い、ユーザ名およびパスワードが事前に登録されたものと一致することを条件に、領収書の帳票データの送信許可を表すCookie(端末識別情報としての登録IDを含む)を、そのクライアント20へと送信するようになっている(矢印F2)。クライアント20は、そのCookieを記憶装置217に記憶するようになっている。これにより、当該クライアント20は、領収書の帳票データの受信が可能な端末として設定されることになる。なお、ユーザの認証は、指紋や掌紋等を用いたバイオメトリック認証やIDカードを用いた認証により行うようにしてもよい。
【0230】
一方、クライアント20の記憶装置217に領収書の帳票データの送信許可を表すCookieが記憶されている時に、そのクライアント20によってユーザ名入力部236にクライアント20の管理者のユーザ名が、パスワード入力部237にクライアント20の管理者のパスワードがそれぞれ入力されて、「端末指定解除」ボタン239が押されると(矢印G1)、認証部1314は、認証処理を実行し、ユーザ名およびパスワードが事前に登録されたものと一致することを条件に、領収書の帳票データの送信許可を解除した内容のCookieを、そのクライアント20へと送信するようになっている(矢印G2)。クライアント20は、そのCookieを記憶装置217に記憶するようになっている。これにより、当該クライアント20は、領収書の帳票データの受信ができない状態となる。
【0231】
ユーザが、Webブラウザ221のURL入力部230にサーバ10のURLを入力すると、記憶装置217に記憶されている全てのCookieが認証部1314に送信される(矢印F3)。認証部1314は、クライアント20から与えられるCookieに応じて、HTML等で記述されたファイルを選択するようになっている。そして、アプリケーションサーバ117は、そのHTML等で記述されたファイルをクライアント20へと送信する(矢印F4)。したがって、クライアント20からサーバ10に与えられるCookieの内容に応じて、クライアント20の表示装置214に表示される内容が異なるようになっている。
【0232】
たとえば、サーバ10から与えられたCookieを何も有していないクライアント20、または領収書帳票データの送信許可のないCookieが記憶装置217に記憶されているクライアント20とサーバ10とがインターネットを介して接続されると、クライアント20のWebブラウザ221の表示部231には、図39(a)に示すような画面が表示される。図39(a)の画面では、そのクライアント20には領収書の帳票データの提供ができない旨が表示されている。その後、そのクライアント20のWebブラウザ221の表示部231には、図39(b)に示すような画面が表示される。
【0233】
図39(b)には帳票の種類を選択するメインメニュー画面の例が示されており、この例では、Webブラウザ221の表示部231には、「提案書」ボタン2310、「申込書」ボタン2311、「領収書」ボタン2312および「受領書」ボタン2313が表示されている。「領収書」ボタン2312は、たとえば、グレーアウト(操作不能状態を表す表示状態。図中では斜線を付して表す。)されて操作不能状態とされていて、押すことができないようになっている。つまり、ユーザは、「領収書」ボタン2312にリンクされたWebページに入ることができず、領収書の帳票データ要求をサーバ10に送信することができない。なお、「領収書」ボタン2321を操作不能とする代わりに、認証されていない端末から「領収書」ボタン2321が操作された場合に、サーバ10から、領収書印刷不可の端末であることを通知する画面を表示させるためのHTMLファイル等を送出するようにしてもよい。
【0234】
一方、帳票データの送信許可が設定されたCookieを有するクライアント20のWebブラウザ221のURL入力部230にサーバ10のURLを入力すると、図39(c)に示すような画面が表示される。図39(c)の画面では、Webブラウザ221の表示部231には、「提案書」ボタン2310、「申込書」ボタン2311、「領収書」ボタン2312および「受領書」ボタン2313が表示されている。いずれのボタンも操作可能状態とされ、ユーザは、サーバ10から提供可能な全ての帳票データ(提案書、申込書、領収書および受領書)の要求をサーバ10に送信することができる。
【0235】
このように、クライアント20からサーバ10へと送信されるCookieの内容に応じて、帳票データ要求が制限されることがある。ユーザは、この制限の範囲内において、帳票データ送信要求を要求データ解析部131へと送信することができる(図37の矢印F5)。
【0236】
要求データ解析部131に帳票データ要求が与えられると、要求データ解析部131は、この帳票データ要求に対応する帳票データを生成するための情報(コマンドやパラメータ)をXMLで記述した帳票生成情報ファイルを作成する。また、要求データ解析部131は、帳票データ要求に対応するユーザデータを記憶装置115から読み出してユーザデータファイルを作成する。
【0237】
要求データ解析部131によって生成された帳票生成情報ファイルおよびユーザデータファイルは、データ収集・結合処理部132に送信される(矢印F6,F7)。
【0238】
データ収集・処理結合部132は、帳票生成情報ファイルとユーザデータファイルとを受信すると、XMLパーサと、DOMファイルまたはSAXファイルとを記憶装置115から読み取ることによって(矢印F8)、XMLアプリケーション133を起動させる。
【0239】
帳票生成情報ファイルの出力ファイルモード記述部に、帳票データの出力ファイルモードとしてPDFファイル形式が指定されていなければ、XMLアプリケーション133のXRFファイル作成部134は、帳票生成情報ファイルに基づいて、XRTファイル、DTDファイル、フィールド情報、部品XRTファイルおよび外部リソースファイル127を必要に応じて記憶装置115から読み取って収集し(矢印F9)、それらを結合し、さらにユーザデータを結合することによって、XRFファイルを作成する。
【0240】
作成されたXRFファイルは、アプリケーションサーバ117から、クライアント20へ送信され(矢印F13)、XRFリーダ222によって処理される。XRFリーダ222は、XRFファイルから帳票画像を作成する。そして、その帳票画像に対応する印刷データを作成して、プリンタドライバ223を介して、プリンタ30へと送信する(矢印F14)。
【0241】
帳票生成情報ファイル140の出力ファイルモード記述部1411に、帳票データの出力ファイルモードとしてPDFファイル形式が指定されている場合、XMLアプリケーション133のPDFファイル作成部135は、帳票生成情報ファイルに基づいて、XRTファイルファイル、DTDファイル、フィールド情報、部品XRTファイルおよび外部リソースファイル127を必要に応じて記憶装置115から読み取って収集し(矢印F9)、それらを結合し、さらにユーザデータを結合して、帳票のイメージデータに展開することにより、PDFファイルを作成する。このPDFファイルは、アプリケーションサーバ117を介して、クライアント20のWebブラウザ221に与えられるようになっている(矢印F11)。Webブラウザ221がこの受信したPDFファイルを表示しているときに、ユーザによって入力装置213の所定の操作が行われると、PDF形式の帳票データに対応する印刷データが作成されて、プリンタドライバ223から、プリンタ30へ送信される(矢印F12)。
【0242】
XRFファイルまたはPDFファイルがアプリケーションサーバ117からクライアント20へ送信されると、ログ作成部1315は、XRFファイルまたはPDFファイルをクライアント20へ送ったことを表すログを作成して記憶装置115に書き込む。このログには、日時、ジョブ名、帳票番号、帳票名、枚数、証跡管理の要否などが含まれる。
【0243】
図40は、クライアント20の制御動作を説明するためのフローチャートである。クライアント20は、ユーザ認証部228によって、入力装置213から入力されるユーザ名およびパスワードが、記憶装置217に記憶されているユーザ名およびパスワードに一致しない限り、帳票出力のための操作を行うことができないようになっている。入力装置213から入力されるユーザ名およびパスワードと、記憶装置217に記憶されているユーザ名およびパスワードとが一致すると(ステップS10)、制御部220によって、プリンタ30が印刷可能状態か否かが判別されるようになっている(ステップS11)。プリンタ30が印刷可能状態でなければ(ステップS11でNo)、表示装置214にエラー表示がされ(ステップS28)、強制終了する。この場合、ユーザは、プリンタ30が印刷可能となるまで待つか、管理者に連絡してプリンタ30の異常を知らせるか、または帳票の印刷をキャンセルする。
【0244】
プリンタ30が印刷可能状態である場合(ステップS11でYes)、ユーザの所望する帳票データ要求の入力が受け付けられ、その入力された帳票データ要求がサーバ10へと送信される(ステップS12)。そして、ログ作成部226によって、送信ログが作成されて記憶装置217に記憶される(ステップS13)。この送信ログは、帳票データ要求をサーバ10へと送信した日時、ジョブ名、帳票番号、帳票名、枚数、証跡管理の要否などの情報を含む。
【0245】
その後、XRFファイル中のパラメータの設定に従い、出力情報表示設定部225によって、表示装置214の表示画面は、システムモーダル画面に固定され(ステップS14)、一切の入力操作を受け付けず、帳票印刷をキャンセルできない状態とされて、バックグラウンドで印刷処理が行われる。システムモーダル画面は、ユーザが所望する帳票データの要求を入力した画面であってもよい。
【0246】
このように、ユーザは、帳票データの要求を入力した後に、クライアント20を操作することができない。したがって、帳票の印刷途中で印刷処理をキャンセルして未印字状態の帳票や印刷が不完全な状態の帳票を出力したりすることはできず、このような未印字状態の帳票等が不正使用されたりすることを防止できる。
【0247】
帳票データ要求がサーバ10に送信された後に、クライアント20はサーバ10からXRFファイルを受信し(ステップS15)、ログ作成部226によって、XRFファイルまたはPDFファイルの受信に関する受信ログが作成されて記憶装置217に記憶される(ステップS16)。この受信ログは、受信日時、ジョブ名、帳票番号、帳票名、枚数、証跡管理の要否などの情報を含む。
【0248】
一方、XRFファイル内のパラメータの設定に従い、出力情報表示禁止部227によって、帳票画像の表示が禁止される(ステップS17)。これにより、表示装置214に表示された帳票画像をコピーして帳票を作成するなどという不正を防止できる。
【0249】
その後、XRFリーダ222が起動されて、XRFリーダ222によって、そのXRFファイルから帳票画像が自動的に作成される(ステップS18)。そして、制御部220によって、プリンタ30が印刷可能であるか否か判別される(ステップS19)。プリンタ30が印刷不可能である場合は(ステップS19でNo)、システムモーダル画面が終了され(ステップS27)、入力操作が可能な状態となる。そして、エラー表示がされ(ステップS28)、印刷処理が強制終了する。
【0250】
プリンタ30が印刷可能である場合は(ステップS19でYes)、XRFリーダ222によって、帳票画像に対応する印刷データが作成されて、その印刷データがプリンタ30へ送出される(ステップS20)。そして、ログ作成部226によって、印刷データ送出ログが作成されて記憶装置217に格納される(ステップS231)。印刷データ送出ログは、印刷データ送出が完了(スプールからプリンタへのデータ出力完了)した日時、ジョブ名、スプール出力結果などの情報を含む。
【0251】
一方、バックグラウンド処理によって、印刷データがプリンタ30に送出された後、プリンタ30からその印刷データを印刷した旨の印刷完了通知がクライアント20に与えられる(ステップS22)。
【0252】
そして、ログ作成部226によって、印刷完了ログが作成されて記憶装置217に記憶される(ステップS23)。そして、システムモーダル画面が終了し(ステップS25)、入力操作が可能な状態に戻る。印刷完了ログは、印刷完了通知を受信した日時、ジョブ名、枚数、トレイ情報、用紙情報、出力結果などの情報を含む。
【0253】
上記のように印刷処理の各ステップでログを作成しているので、印刷処理中に不具合が発生したときに、どの時点で不具合が発生したのかを特定することができる。これにより、たとえば、印刷が本当にできなかったのか、それとも、印刷ができたにもかかわらず出力された用紙が紛失したのかを特定でき、帳票の不正使用を効果的に防止できる。
【0254】
なお、Cookieを用いて端末を認証する代わりに、領収書等の特定の帳票の印刷を許可した端末であることを判定するためのファイルを記憶装置217に記憶させておき、appletにより当該ファイルが端末に存在するかどうかを判別することにより端末の認証を行うようにしてもよい。
14.その他の実施形態
上述の実施形態では、サーバ10とクライアント20とは、インターネットを介してデータのやり取りを行うとしたが、会社等が有する専用のネットワークを用いてデータのやり取りを行う構成であってもよい。
【0255】
また、同一ビル内や同一オフィス内にクライアント20が多数存在する場合、サーバ10はそのビルやオフィス内に設置されて、そのビル内やオフィス内のクライアント20を管理する構成であってもよい。このとき、サーバ10とクライアント20とは、インターネットを介してデータのやり取りを行うのではなく、LANを介してデータのやりとりを行う構成であってもよい。
【0256】
さらに、サーバ10はインターネット等のネットワークに1台のみ存在している必要はなく、複数のサーバ10がネットワークに接続されている構成であってもよい。
【0257】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る電子帳票システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】サーバの電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】サーバの記憶装置に記憶されているファイルを説明するためのブロック図である。
【図4】サーバの機能的な構成を説明するためのブロック図である。
【図5】クライアントの電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【図6】クライアントの機能的構成を説明するためのブロック図である。
【図7】サーバおよびクライアントにより構成される電子帳票システムの概念的な構成を説明するためのブロック図である。
【図8】帳票データ要求の入力を受け付けるための受付画面をWebブラウザにより表示した例を示す図である。
【図9】要求データ解析部によって帳票生成情報ファイルとして作成されるXMLファイルの一例を示す図である。
【図10】帳票生成情報ファイルおよびユーザデータファイルを受信したデータ収集・結合処理部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】XMLアプリケーションの動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】XRFファイルの主要な構成要素の1つであるXRTファイルの構成を説明するための概念図である。
【図13】XRTファイルの構成を説明するためのブロック図である。
【図14】XRTファイルの具体的な構成例を示す図である。
【図15】XRFファイルの構成を説明するためのブロック図である。
【図16】XRFファイルに基づいて帳票画像が生成される過程を説明するための図解的な流れ図である。
【図17】部品XRTファイルの典型的な利用態様を説明するための概念図である。
【図18】XRFファイルを受信したXRFリーダの表示例を示す図である。
【図19】部品XRTファイルの編集例を説明するための概念図である。
【図20】部品XRTファイルを用いることの効果を説明するための概念図である。
【図21】ユーザデータに応じて帳票の外観を変更するための機能を備えたサーバ構成例を説明するためのブロック図である。
【図22】ユーザデータに応じたイメージファイルの選択を説明するための概念図である。
【図23】サーバからクライアントへと提供される帳票データ(XRFファイル)の一例を説明するための概念図である。
【図24】ユーザデータに応じて帳票の外観を異ならせるために用いられるサーバの他の構成例を説明するためのブロック図である。
【図25】長方形の図形に対応した描画オブジェクトのプロパティ編集ダイアログの表示例を示す図である。
【図26】ユーザデータの値に応じて描画オブジェクトのプロパティが変更されることによる長方形図形の変形を説明するための概念図である。
【図27】サーバからクライアントへ提供される帳票データの一例を説明するための概念図である。
【図28】ユーザデータに応じて描画オブジェクトのプロパティを変更する機能を実現した電子帳票システムの構成を説明するためのブロック図である。
【図29】この発明の他の実施形態に係る電子帳票システムの全体構成を示すブロック図である。
【図30】この実施形態におけるサーバの構成例を説明するためのブロック図である。
【図31】この実施形態の電子帳票システムにおけるクライアントの構成例を説明するためのブロック図である。
【図32】図30のサーバおよび図31のクライアントから構成されている電子帳票システムの動作を説明するためのブロック図である。
【図33】図29の構成の電子帳票システムにおいて用いられるサーバの他の構成例を説明するためのブロック図である。
【図34】図33のサーバおよび図31のクライアントから構成されている電子帳票システムの構成を説明するためのブロック図である。
【図35】この発明のさらに他の実施形態におけるサーバの構成例を説明するためのブロック図である。
【図36】図35の実施形態におけるクライアントの構成例を説明するためのブロック図である。
【図37】図35のサーバおよび図36のクライアントから構成される電子帳票システムの概念的な構成を説明するためのブロック図である。
【図38】帳票データ送信許可の設定を受け付けるための受付画面をWebブラウザにより表示した例を示す図である。
【図39】帳票データ要求の入力を受け付けるための受付画面(メニュー画面)をWebブラウザにより表示した例を示す図である。
【図40】クライアントの制御動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 サーバ
115 記憶装置
117 アプリケーションサーバ
1200 部品サーバ
130 制御部
131 要求データ解析部
132 データ収集・結合処理部
133 XMLアプリケーション
134 XRFファイル作成部
135 PDFファイル作成部
136 イメージファイル設定部
137 プロパティ変更処理部
138 描画オブジェクト書込コマンド生成部
1313 キャッシュ禁止データ設定部
1311 帳票生成情報ファイル読取部
1314 認証部
1315 ログ作成部
20 クライアント
213 入力装置
214 表示装置
215 ネットワークインタフェース
220 制御部
221 Webブラウザ
222 XRFリーダ
222a 印刷制御部
223 プリンタドライバ
224 キャッシュ判定部
225 表示制御部
226 ログ作成部
227 出力情報表示禁止部
228 ユーザ認証部
229 データ結合処理部
30 プリンタ
40 プロキシサーバ
50 LAN

Claims (7)

  1. 帳票データを処理して印刷データを作成し、この印刷データを印刷装置に向けて出力する印刷処理を行う処理手段と、
    入力操作のための入力手段と、
    上記処理手段が印刷処理を行っている期間中、当該印刷処理を中断できないように、上記入力手段からの入力操作を制限する入力操作制限手段とを含むことを特徴とする帳票発行装置。
  2. 操作画面を提供する表示手段をさらに含み、
    上記処理手段は、上記表示手段に帳票画像を表示することなく印刷処理を実行するものであることを特徴とする請求項1記載の帳票発行装置。
  3. 印刷処理過程を監視し、印刷処理記録を作成する印刷処理記録作成手段とをさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の帳票発行装置。
  4. 上記帳票発行装置は、ネットワークに接続されたクライアントであり、
    上記ネットワークに接続された帳票データサーバに対して、帳票データ要求を上記ネットワークを介して送信する帳票データ要求送信手段をさらに含み、
    上記処理手段は、上記ネットワークを介して上記帳票データサーバから送信されてくる帳票データ、または上記ネットワークを介して上記帳票データサーバから送られてくる帳票生成情報ファイルに基づいて当該帳票発行装置内で作成された帳票データに対して印刷処理を行うものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の帳票発行装置。
  5. 請求項4記載の帳票発行装置と、
    上記ネットワークに接続された帳票データサーバとを含み、
    この帳票データサーバは、
    上記帳票データ要求に対応した帳票データ、または上記帳票データ要求に対応した帳票生成情報ファイルを作成して上記ネットワークを介して上記帳票発行装置に送信する手段を含むことを特徴とする電子帳票システム。
  6. 上記帳票データサーバは、上記帳票データまたは帳票生成情報ファイルを送出するに際して、送信記録を作成する送信記録作成手段をさらに含むことを特徴とする請求項5記載の電子帳票システム。
  7. 上記帳票発行装置は、帳票発行端末であることを表す認証情報を記録するための認証情報記録手段を含み、
    上記帳票データサーバは、帳票発行端末であることを表す認証情報を保持しているクライアントに対してのみ帳票データまたは帳票生成情報ファイルを送信するものであることを特徴とする請求項5または6記載の電子帳票システム。
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