JP2004212455A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一度の通紙で両面転写を行うための要素(像担持体等)を簡素・小型にし、効率的な動作を可能とする条件に従い複数枚両面画像形成の連続動作を行わせることにより省スペース化、生産性の向上を両立させる。
【解決手段】転写ベルト:第3像担持体100の周長を用紙の最大サイズに通紙間隔を加えた長さ(複数枚両面画像形成動作に必要な最小限)に等しくし、2枚の両面転写画像を得る場合、通紙間隔をとって用紙の一面に転写される各像を中間転写ベルト:第2像担持体10から転写、担持する。用紙の他面への画像は中間転写ベルト10上に前記一面への画像の後に引き続いて間隔を空けずに作像され、一面の転写ベルト100への転写終了後に直ちに(連続動作)、用紙への両面転写(一面を転写ベルト100、他面を中間転写ベルト10から)を各ベルト10,100から行うことが可能になる。
【選択図】 図2
【解決手段】転写ベルト:第3像担持体100の周長を用紙の最大サイズに通紙間隔を加えた長さ(複数枚両面画像形成動作に必要な最小限)に等しくし、2枚の両面転写画像を得る場合、通紙間隔をとって用紙の一面に転写される各像を中間転写ベルト:第2像担持体10から転写、担持する。用紙の他面への画像は中間転写ベルト10上に前記一面への画像の後に引き続いて間隔を空けずに作像され、一面の転写ベルト100への転写終了後に直ちに(連続動作)、用紙への両面転写(一面を転写ベルト100、他面を中間転写ベルト10から)を各ベルト10,100から行うことが可能になる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式のように、像担持体に作成した画像を記録媒体(用紙)に転写する方法を用いる画像形成装置(例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置及びこれらの機能を複合させた装置等)に関し、より特定すれば、一度の通紙により記録媒体の両面に画像の転写を可能にした前記画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複写機やプリンタなどの画像形成装置において、感光体ドラムの表面に静電潜像を生成し、それに現像剤(トナー)を付着させて現像を行い、さらに可視化(トナー)像を記録紙に転写し、転写された像を記録紙に定着させる、いわゆる電子写真方式が用いられている。なお、この方式では、周知のように、感光体ドラムに静電潜像を生成する際に、走査方式により画像の光書き込みを行う。即ち、感光体ドラムを回転させ(走査させ)ながら、回転と同期をとってライン画像を書き込むというやり方であり、その後、一連の処理として行われる転写ベルト等による像担持体間の転写(最終的に記録紙へ行う転写処理を含め)も走査方式によって行われる。
こうした電子写真方式の画像形成装置において、今日ではすでに記録媒体の両面への画像転写が一般的となっている。
記録媒体の両面への転写方法として導入されている方法の一つは、記録媒体の一方の面へ転写、定着した後に、両面反転装置を用いて記録媒体を反転させた後、他方の面へ転写、定着のプロセスを行っている。しかしながら、この方法によると、両面反転装置等が必要不可欠になるとともに、両面時のファーストプリントが遅くなるのは否めない。
こうした点を克服すべく、下記[特許文献1]に例示するような両面反転装置等を用いずに転写を行うことを可能にする画像形成装置について提案がなされた。
【特許文献1】
特開2000-352889号公報
[特許文献1]記載の画像形成装置では、記録シート(記録媒体)への画像転写は、各面に対応して感光体、現像部、中間転写ベルト等からなる画像形成部を設けるようにしており、こうした構成により、一度の通紙により両面の転写を行うことができるようにしている。しかしながら、[特許文献1]の装置においては、画像形成部を記録媒体の両面に夫々有しており、省スペースに対する要求が強い昨今においては、機械が大型化することはマイナス要因になり、さらに画像形成部をダブルに持つことからコスト面で非常に不利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、画像形成部をダブルに装備しない両面装置を本出願人は、先の出願(特願2002-272498号、以下この出願の発明を「先願発明」という)において提案している。
この先願発明においては、カラー画像の形成に対応する装置が示されており、カラー構成色(4色)の各色に対応する複数の感光体(第1像担持体)をシーケンシャルに並べて転写ベルト(第2像担持体)で色重ねを行う方式(いわゆる“タンデム方式”)によっている。転写ベルト(第2像担持体)で各色が重ねられた画像は、さらにもう一つの転写ベルト(第3像担持体)に転写され、両面転写する記録媒体における一面の画像とする。一面の画像を作成した後、中間転写ベルト(第2像担持体)に他面用の画像を転写し、第3像担持体の画像と第2像担持体の画像とを記録媒体の各面に一度の通紙により転写することによって両面に画像を形成する処理を行う。
この先願発明により、転写ベルト(第2像担持体)で色重ねを行うまでの過程は記録媒体の両面の画像に共通に用いることになるので、特許文献1で問題になった省スペース化やコスト面に対して有利になる。
【0004】
さらに、この先願発明では、転写ベルト(第3像担持体)の長さ(画像を担持し得る無端ベルトの周長)をダブルレターサイズの長辺より長くすることを要件としており、この要件によって、レターサイズ以下の記録媒体であれば2枚連続して画像を形成することを可能にして、処理効率の向上を図ることができるようになる、としている。
しかしながら、この先願発明では、2枚連続して画像を形成する動作を行う際に、この動作をさらに継続して2枚以上の記録媒体に対する連続処理を行う場合を想定し、このような場合ついて、その生産性を向上させるための動作条件や、或いはその動作条件に適合する手段を省スペースで実現するための条件等について考慮していない。従って、画像形成部をダブルに装備しない両面装置の提供という、本来省スペース化を意図してなされた先願発明によりもたらされるメリットを減殺しかねず、上記した生産性との両立も果たせない。
本発明は、記録媒体の両面それぞれに形成すべく像担持体に作成した画像を記録媒体の両面に一度の通紙により転写することを可能にした画像形成装置(例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置及びこれらの機能を複合させた装置等)における上述の従来技術及び先願発明における問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、画像形成部をダブル装備する形式によらず、さらに一度の通紙で両面転写を行うために必要となる像担持体(先願発明における第3像担持体の転写ベルト)をできるだけ小さくして省スペース化、コストの低減化を図り、しかも、複数枚両面画像形成動作(前記像担持体へ複数枚担持可能なサイズを持つ画像を対象にして両面画像を形成する動作)を連続して行わせる際に、生産性の向上を可能にする動作条件に従った転写を行うための手段を備えた前記画像形成装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、無端周面に画像を担持可能とした第1像担持体、第2像担持体、第3像担持体の各像担持体と、第1像担持体上に担持させる画像を生成する画像生成手段と、像担持体間の転写を走査方式により行う第1像担持体上の画像を第2像担持体へ転写する第1転写手段、第2像担持体上の画像を第3像担持体へ転写する第2転写手段、第2像担持体上の画像を記録媒体の一方の面に転写する第3転写手段、第3像担持体上の画像を記録媒体の他方の面に転写する第4転写手段の各転写手段と、記録媒体の両面への転写を行うように前記各転写手段の動作を制御する転写制御手段とを有し、前記第3像担持体の周長を記録媒体の最大サイズに記録媒体間の通紙間隔を加えた長さに等しくした画像形成装置であって、前記画像生成手段は、第3像担持体に複数枚を担持可能なサイズを持つ画像を対象にして複数枚両面画像を形成する動作を行うときに、第2像担持体及び第3像担持体を経て記録媒体の他方の面に転写する画像に続けて間隔を空けずに、第2像担持体を経て記録媒体の一方の面に転写する画像を生成することを特徴とする画像形成装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載された画像形成装置において、前記画像生成手段は、第3像担持体に複数枚を担持可能なサイズを持つ画像を対象にして複数枚両面画像を形成する動作を行うときに、第2像担持体を経て記録媒体の一方の面に転写する画像に続けて間隔を空けずに、次に画像形成を行う記録媒体に対して第2像担持体及び第3像担持体を経て該記録媒体の他方の面に転写する画像を生成することを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された画像形成装置において、前記第2転写手段と第3転写手段を共通の手段としたことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明を添付する図面とともに示す以下の実施形態に基づき説明する。
記録媒体(転写紙)の両面に一度の通紙により画像を形成する本発明の画像形成装置に係わる実施形態として、ここでは電子写真プロセスにより画像を形成する複写機やプリンタ等の画像形成装置を例示する。
図1は、本実施形態において例示する画像形成装置全体の構成を概略的に示す。図1には、カラー画像を形成する装置が示されており、カラー構成色(4色)の各色に対応する複数の感光体(第1像担持体)をシーケンシャルに並べて中間転写ベルト(第2像担持体)で色重ねを行う方式(いわゆる“タンデム方式”)によっている。中間転写ベルト(第2像担持体)で各色が重ねられた画像は、さらにもう一つの転写ベルト(第3像担持体)に転写され、両面転写する記録媒体における一面の画像とする。転写ベルト(第2像担持体)で色重ねを行うまでの過程は記録媒体の両面の各画像に共通に用いるようにするので、他面用の画像は、一面の画像と同様の処理過程で中間転写ベルトに作られる。従って、他面用の画像は、一面の画像の処理後に、中間転写ベルト(第2像担持体)に転写される。こうして作られた第3像担持体の画像と第2像担持体の画像とを記録媒体の各面に一度の通紙により転写することによって両面に画像を形成する処理を行う。
【0007】
図1を参照して、本実施形態の装置の画像形成プロセスに係わる構成をより詳細に説明する。この実施例装置でも、第1像担持体としての感光体ドラム1に静電潜像を生成する際には、周知の方法である走査方式により画像の光書き込みを行う。この方式による場合、感光体ドラム1を回転させ(走査させ)ながら、回転と同期をとってライン画像を書き込むというやり方をとっており、その後、一連の処理として行われる像担持体間の転写(最終的に記録紙へ行う転写処理を含め)も走査方式によって行う。
走査方式に従って動作するために回転可能に支持され、矢印方向に回転する各色に対応して4個(a,b,c,d)設けられた感光体ドラム1の外周部には、それぞれ除電装置L、クリーニング装置2、帯電装置3、現像装置5が配備されている。帯電装置3と現像装置5の間には、露光装置4から発せられる画像情報を担った光ビームの入るスペースが確保されている。各色の感光体ドラム1それぞれの周囲に設けられる画像形成用の部品構成は同じである。ただし、当然であるが現像装置5が扱う現像材(トナー)の色は異なる。
感光体ドラム1は直径が30〜100mm程度のアルミニュム円筒表面に、光導電性物質である有機半導体の層を設けた感光体である。その一部が、第2像担持体としての中間転写ベルト10に接している。なお、この実施形態では、感光体としてドラム状のものを用いているが、ベルト状の感光体も採用可能である。
【0008】
走査方式に従って動作する感光体ドラム(第1像担持体)1上の画像の転写を受ける中間転写ベルト(第2像担持体)10は、矢印方向に移動可能に、回転するローラ11、12、13間に支持、張架されていて、裏側(ループの内側)には、感光体ドラム1から中間転写ベルト10への転写用の第1転写手段20がドラム1の近傍に配備されている。中間転写ベルト(第2像担持体)10は、厚みが50〜600μmの樹脂フィルムあるいはゴムを基体にしており、感光体ドラム(第1像担持体)1からトナーを転写可能とする抵抗値を備える。
中間転写ベルト10のベルトループの外側に、この中間転写ベルト用のクリーニング装置25が配備されている。中間転写ベルト10上の画像を転写した(後述するように転写ベルト100或いは記録媒体への転写)後に、ベルト表面に残留する不要のトナーを拭い去る。
露光装置4は、公知のレーザビーム書き込み方式で、感光体ドラム1を回転させ(副走査させ)ながら、回転と同期をとって画像情報を担ったレーザビームで一様に帯電された感光体表面を照射(主走査)し、ライン画像を書き込む(感光体表面に潜像を生成する)。本例ではタンデム方式を採用しているから、4個(a,b,c,d)設けられた感光体ドラム1にフルカラー(M:マゼンタ,C:シアン,Y:イエロー,K:ブラックの4色)に対応する画像を書き込み、感光体ドラム1から各色の画像を中間転写ベルト10に転写することにより、ベルト10上で転写される各色の画像の重ね合わせを行う。なお、レーザビーム書き込み方式に代えて、LEDアレイと結像手段から成る露光方式を採用してもよい。
【0009】
走査方式に従って動作する中間転写ベルト(第2像担持体)10上の画像をさらに転写するために第3像担持体として転写ベルト100を設ける。転写ベルト(第3像担持体)100は、矢印方向に移動可能に、回転ローラ111、112、113間に支持、張架されていて、裏側(ループの内側)には、転写手段120が配備されている。転写手段120は、中間転写ベルト(第2像担持体)10から転写ベルト(第3像担持体)100への転写を行う第2転写手段として、さらに中間転写ベルト(第2像担持体)10から記録媒体(転写紙)への転写を行う第3転写手段としても機能する。転写ベルト(第3像担持体)100は、厚みが50〜600μmの樹脂フィルムあるいはゴムを基体にしたベルトで、中間転写ベルト(第2像担持体)10からトナーを転写可能とする抵抗値を備えるベルトである。転写手段120、ローラ113及びローラ11(中間転写ベルト10を支持するローラ)により、中間転写ベルト10と転写ベルト100(或いは転写紙)は接触し、予め定められた転写ニップを形成する。
転写ベルト100のベルトループの外側に、この転写ベルト用のクリーニング装置250、転写ベルト(第3像担持体)100から記録媒体(転写紙)への転写を行う第4転写手段としてのチャージャCH、などを配備する。クリーニング装置250は、転写ベルト100上の画像を転写紙(記録媒体)に転写した後に、残留する不要のトナーを拭い去る。
【0010】
記録媒体(転写紙)Pは図1の下方の給紙装置(給紙カセット)26-1、26-2に収納されており、カセットに載積された最上の転写紙が給紙ローラ27で一枚ずつ取り出され、複数のガイド部材からなるガイド29を経てレジストローラ対28に搬送され、その後転写手段120(第3転写手段)及びチャージャCH(第4転写手段)による転写を受ける。
図1の上方に、画像の転写された記録媒体(転写紙)に対して熱定着の処理をする定着手段30と、排紙部を構成する排紙ガイド対31、排紙ローラ対32、排紙スタック部40を配備する。
中間転写ベルト10の上方で、排紙スタック部40の下方には、補給用のトナーが収納できる収納部TSを設ける。トナーはM:マゼンタ,C:シアン,Y:イエロー,K:ブラックの4色分を、カートリッジTCの形態にして備える。ここから粉体ポンプ等により各色に対応する現像を行う感光体ドラム1に付設する現像装置5に適宜補給される。
本体の一部のフレーム50は、開閉支軸50Aを中心として、回動・開放が可能な構造にしておき、記録媒体(転写紙)の搬送路は大きく開き、ジャム状態にある転写紙の除去等の処理を容易にする。
【0011】
次に、上記した画像形成装置(図1)の動作を説明する。下記では、両面に画像を形成する時の「両面動作モード」と片面のみに画像を形成する「片面動作モード」に分けて説明する。いずれの動作モードも、図示しない操作部からオペレータ(ユーザー)によって原画像情報に対して指示がなされ、指示された動作モード等の設定動作条件に従って、記録媒体(転写紙)に原画像情報に基づく画像を形成する一連の処理を行う。
この一連の画像形成処理は、画像形成装置の動作を制御するシステムコントローラ(図示せず)により本装置のシステムを構成する情報処理系及び駆動系の各部を制御することにより実行される。従って、この画像形成装置のシステムコントローラは、一連の画像形成処理に必要な動作を制御するプログラムを搭載し、内蔵するCPUによってこの制御プログラムを実行することにより、以下に示す画像形成処理の実現を可能にする。
【0012】
「両面動作モード」
中間転写ベルト(第2像担持体)10で色重ねを行うまでの過程は記録媒体の両面の各画像に共通に用い、かつ記録媒体の各面に一度の通紙により画像を形成する処理を行うようにするために、先に感光体ドラム1で作成する画像を転写ベルト(第3像担持体)100に一旦担持させ、次に感光体ドラム1で作成する画像を中間転写ベルト(第2像担持体)10に転写しながら、転写ベルト(第3像担持体)100と中間転写ベルト(第2像担持体)10上に担持させた画像を同時に記録媒体の各面に転写する。
従って、動作の開始持に、まず感光体ドラム1上で作像が行われる。この作像処理は、露光装置4の作動により、LD(レーザ ダイオード)光源から画像(書き込み情報)を担ったレーザビーム光が、ライン走査光学系を経て、帯電装置3で一様に帯電された感光体ドラム1のうち、aと記した感光体の表面を照射し(書き込みを行い)、回転する(走査方式により書き込みを行うために)感光体上にこの色成分の画像情報に対応した潜像を生成する。
感光体ドラム1上の潜像は、現像装置5で現像され、トナーによる顕像が感光体ドラム1の表面に形成・保持される。このトナー像は、第1転写手段20により、感光体ドラム1の移動(回転)と同期して移動する中間転写ベルト10の表面に転写される。
感光体ドラム1の表面は、残存するトナーがクリーニング装置2でクリーニングされ、除電装置Lで除電され次の作像サイクルに備える。
【0013】
中間転写ベルト10は、表面に転写されたトナー像を坦持し、矢印の方向に移動する。bと記された感光体ドラム1に、別の色に対応する潜像が書き込まれ、対応する色のトナーで現像され顕像となる。この像は、既に第2の像担持体に乗っている前の色の顕像に重ねるように転写するといった処理手順で、最終的に4色重ねられるまで順次各色成分の転写を行う。
このとき同期して転写ベルト(第3像担持体)100は矢印方向に移動していて、第2転写手段120の作用で、転写ベルト100の表面に中間転写ベルト(第2像担持体)10表面に作られた画像が転写される。
タンデム形式である4個の感光体ドラム1上で画像を生成しながら、中間転写ベルト(第2像担持体)10、転写ベルト(第3像担持体)100が移動し、作像が進められるので、処理時間の短縮化が図られる。
記録媒体の一面に形成する画像を中間転写ベルト10へ転写する処理の終了に引き続いて、記録媒体の他面に作成されるべきトナー画像を先に行ったと同様の過程で中間転写ベルト10へ転写するために再度感光体ドラム1に作像する。この段階で、記録媒体の両面への転写が可能な状態になるので、給紙が開始される。
【0014】
給紙ローラ27が反時計方向に回転すると、給紙装置の給紙カセット26−1,26−2内の最上部にある記録媒体(転写紙)Pが引き出され、レジストローラ対28に至るまで、搬送される。
レジストローラ対28を経て、中間転写ベルト(第2像担持体)10と転写ベルト(第3像担持体)100の間に送られる記録媒体(転写紙)の片側の面に、第2転写手段120により中間転写ベルト(第2像担持体)10表面のトナー像を転写する。
記録媒体(転写紙)をさらに搬送し続け、記録媒体のもう一方の面にチャージャCHにより第3の像担持体100表面のトナー像を転写する。この転写に際して、記録媒体(転写紙)は転写ベルト100及び中間転写ベルト10と同期し、かつ画像が正規の位置になるよう、レジストローラ対28でタイミングがられて搬送される。
本実施形態では、感光体ドラム1に作像されるトナーの極性は、マイナスである。第1転写手段20にプラスの電荷を与えることで、感光体ドラム1に作像されたトナーは中間転写ベルト(第2像担持体)10に転写される。第2転写手段120にプラスの電荷を与えることで、中間転写ベルト(第2像担持体)10に作像されたトナーは転写ベルト(第3像担持体)100に転写される。さらに、第2転写手段120は中間転写ベルト(第2像担持体)10表面のトナーを記録媒体の片側の面に転写するときにも働く。また、チャージャCHからプラス極性の電荷与えることで、転写ベルト(第3像担持体)100表面のマイナス極性のトナーは吸引されて、記録媒体の他の面に転写される。
【0015】
上記の手順で処理を行うことにより両面にトナー像が転写された記録媒体Pは、定着手段30に送られ、記録媒体(転写紙)上のトナー像(両面)が一度に溶融、定着され、ガイド対31を経て排紙ローラ対32により本体フレーム上部の排紙スタック部40に排出される。
図1のような構造で排紙部を構成した場合、両面画像のうち中間転写ベルト(第2像担持体)10から記録媒体(転写紙)に直接転写される面(頁)、すなわち後から感光体ドラム1上に画像を作成し転写される面が下面となって、排紙スタック部40に載置されるから、頁揃えをしておくには感光体ドラム1上に画像を作成する順序として、2頁目の画像を先に作成し、転写ベルト(第3像担持体)100にそのトナー像を保持し、1頁目の画像を中間転写ベルト(第2像担持体)10から記録媒体(転写紙)に直接転写するようにすれば良い。
ここに、記録媒体(転写紙)両面に転写される画像は、それぞれ転写回数が異なる。つまり、中間転写ベルト(第2像担持体)10から記録媒体に転写されるトナー像は、偶数回であるから感光体ドラム(第1像担持体)1表面で正像にし、他方、転写ベルト(第3像担持体)100から記録媒体に転写されるトナー像は、奇数回であるから感光体ドラム(第1像担持体)1表面で逆像(鏡像)になるように露光する必要がある。
なお、このような頁揃えのための作像順は画像データをメモリに貯蔵する既知の技術で、また正、逆像(鏡像)に切り換える露光も、既知の画像処理技術により、実施することができる。
転写ベルト(第3像担持体)100から記録媒体に転写した後、内部にブラシローラ、回収ローラ、ブレード等を備えたクリーニング装置250は、転写ベルト(第3像担持体)100表面に残留する不要のトナーや紙粉を除去する。また、図1ではローラ250Cが転写ベルト100表面から離れた状態にあるが、支点250Aを中心として揺動可能で、転写ベルト100表面に接離可能な構造になっている。記録媒体に転写する以前で、転写ベルト100がトナー像を担持しているとき離し、クリーニングが必要のとき、図1において反時計方向に揺動させ、接触させ、動作状態とする。除去されたトナーは、トナー収納部250Bに集められる。このようなクリーニング装置250に関する構成は、既知の手段を適用することにより実施し得る。
【0016】
「片面動作モード」
上記したようにして記録媒体の両面への画像形成動作が可能であるから、両面のうちのいずれかの動作により片面の画像形成動作が可能になることは明らかであるが、ここでは、転写ベルト(第3像担持体)100にトナー像を転写する方の工程を省き、中間転写ベルト(第2像担持体)10から記録媒体(転写紙)に直接転写する工程により片面画像を形成する場合を説明する。
本モードでは、まず感光体ドラム(第1像担持体)1の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト(第2像担持体)10に転写しながら、中間転写ベルト10上に転写されたトナー像をさらに記録媒体(転写紙)Pに第2転写手段120によって転写する。
この転写に際して、記録媒体(転写紙)Pは転写ベルト100及び中間転写ベルト10と同期させ、かつ画像が転写紙P上において正規の位置になるよう、中間転写ベルト10上に形成されたトナー像との位置合わせをするためにレジストローラ対28で転写紙に対するタイミングの制御をして搬送を行う。
この転写動作では、転写手段であるチャージャCHは作動することはなく、記録媒体Pは転写ベルト100とともに移動し、定着手段30のある領域に送られ、トナーが定着される。その後、記録媒体Pは転写ベルト100から離れ、ガイド対31、排紙ローラ対32を経て矢印Aの方向に排出され、画像面が下になった状態(フェースダウン)で排紙スタック部40に載置される。上記のような処理手順により動作させた場合には、数頁にわたる原稿を1頁から順に処理しても、排紙スタック部40から取り出したとき、プリント物は頁順になっている。
なお、本実施形態の上述の例では、4色のカラー成分のトナーを使い、カラー画像を作像する場合に関して述べたが、モノクロ画像の作成にも、本発明の技術思想(即ち、中間転写ベルト(第2像担持体)10に転写するまでの過程は記録媒体の両面の各画像に共通に用い、かつ記録媒体の各面に一度の通紙により画像を形成する処理を行うようにする)に沿う実施が可能である。
【0017】
上記では、記録媒体の両面に一度の通紙により画像を形成する画像形成装置において、装置構成の大規模化を解決するために、中間転写ベルト(第2像担持体)10に転写するまでの過程を記録媒体の両面の各画像に共通に用いるようにした装置の基本的な構成及び動作について説明した。
次に示す実施形態では、上記を基本構成とする画像形成装置において、両面転写を行うために必要となる像担持体(第3像担持体の転写ベルト)を可能な限り小さくして省スペース化を図り、コストを低減化すること、しかも、複数枚両面画像形成動作、即ち、第3像担持体の転写ベルトへ複数枚の画像を担持させて両面画像を形成する動作、を連続して行わせる際に、生産性の向上を可能にする動作条件に従った画像形成動作を行わせるようにすることを課題とする。
この課題を、本発明では、上記した画像形成装置(図1)において両面転写を行うために必要とした第3像担持体(転写ベルト)の周長を記録媒体の最大サイズに記録媒体間の通紙間隔を加えた長さに等しくし、複数枚担持可能なサイズを持つ画像を対象にして第3像担持体上に複数枚のトナー像を転写し、両面画像を形成する動作(複数枚両面画像形成動作)を連続して行わせる際に、生産性の向上を図ることを可能にする画像形成、転写等の動作条件を付加することによって解決するものである。以下に、その解決手段に係わる実施形態を「実施形態1」、「実施形態2」として示す。
【0018】
「実施形態1」
図2は、本実施形態の第3像担持体(転写ベルト)の構成と、動作時の転写状態を示す図である。図2には、図1に示した画像形成装置(概略全体図)における一部の構成である、転写ベルト(第3像担持体)100と転写ベルト100へ転写されるトナー画像を担持する中間転写ベルト(第2像担持体)10に係わる部分を示すものである。なお、説明の都合上、図1に示した構成要素の一部(例えば、第2転写手段120、チャージャCH等)を省略している。
本実施形態では、転写ベルト(第3像担持体)100の周長を記録媒体の最大サイズに記録媒体間の通紙間隔を加えた長さとすることで転写ベルト(第3像担持体)100に関する機構の省スペース化を図るようにしたものである。ここに示した転写ベルト100は、少なくとも両面画像形成の連続動作時には、トナー像の転写動作のために連続してベルト移動を行う。通紙間隔は、一枚の記録媒体転写を終了した後、次の記録媒体への転写が可能になるまでにベルトが移動する距離に基づいて決まる値(図2参照)で、装置の性能によって異なる値になる。図2に示す例では、転写ベルト100上に記録媒体の最大サイズの半分のトナー像が2枚分転写され、トナー像間に通紙間隔を設けている。トナー像が最大サイズである場合には、通紙間隔をトナー像の端部間に設けることにより、転写ベルト100の周長を両面画像形成の連続動作を可能にするために最低限必要な長さに制限する。
【0019】
最大サイズの半分のトナー像2枚分を転写する場合の動作は、図2に示すように、転写ベルト100に対するクリーニング装置250のブレード等の接触を解いてクリーニング動作を不作動とした後、転写部で中間転写ベルト(第2像担持体)10と転写ベルト(第3像担持体)100とを接触させながら図中の矢印に示す方向に両方のベルトを同期して移動させ、その間に中間転写ベルト10から転写ベルト100表面へトナー像を転写する。一枚目の画像の後に通紙間隔を開けて、2枚面の画像を転写すると、通紙間隔以外の転写ベルト100の全周にわたってトナー像が担持され、図2に示すトナー像の担持状態で中間転写ベルト10からの2枚の画像の転写を終える。
この転写の終了後には直ちに(連続動作により)、次の転写動作として中間転写ベルト(第2像担持体)10と転写ベルト(第3像担持体)100の各々から記録媒体への転写を行うことが可能になり、両面作像時において画像形成処理時間の短縮化、延いては生産性の向上を図ることが可能になる。つまり、図2に示すように、中間転写ベルト(第2像担持体)10には、上記した中間転写ベルト10から転写ベルト100に転写されたトナー画像(この後記録媒体の一面へ転写さえる画像)の後に引き続いて間隔を空けずに、中間転写ベルト10から直接記録媒体の他面に転写されるトナー画像が作像、担持されており、このような作像をすることにより、上記した連続動作が可能となる。
なお、図2に例示した最大サイズの半分のトナー像2枚分を転写する場合に、転写ベルト(第3像担持体)100の利用率が最大になるが、最大サイズの半分以下のトナー像であっても、通紙間隔を間にして複数枚のトナー像がベルトの周長内に収まる場合には適用可能であり、生産性を向上させることができる。ただし、両面の画像を適正位置に形成するためには、中間転写ベルト(第2像担持体)10と転写ベルト(第3像担持体)100から記録媒体へそれぞれ転写する画像の同期性を保証する必要があるが、これを両面画像の作像条件(例えば、感光体ドラムへの作像タイミング)の調整により行うことが可能である。
【0020】
「実施形態2」
上記実施形態1では、転写ベルト(第3像担持体)100の周長を記録媒体の最大サイズに記録媒体間の通紙間隔を加えた長さとすることにより、複数枚両面画像形成の生産性を向上させるようにした画像形成装置の基本的な形態を示した。本実施形態では、上記実施形態1の方法により第3像担持体の転写ベルトへ複数枚の画像を担持させて両面画像を形成する動作を終えた後に、さらに次の記録媒体に対する作像過程を含め、複数枚両面画像形成動作を連続して行わせ、画像形成の生産性の向上を可能にする動作条件を付加して構成した形態を示す。
図3は、本実施形態の第3像担持体(転写ベルト)の構成と、動作時の転写状態を示す図である。図3には、図2の転写状態からさらに動作が進行して、転写ベルト(第3像担持体)100に担持された2枚分の画像を記録媒体の一面に、また対応する中間転写ベルト(第2像担持体)10の画像を記録媒体の他面に転写する両面転写工程の最終状態を示している。
図3に示すように、中間転写ベルト(第2像担持体)10には、この中間転写ベルト10から記録媒体へ直接転写しているトナー像の後に引き続いて、次の記録媒体へ転写するトナー像が間隔を空けずに担持された状態を示している。この後続するトナー像は、次の記録媒体へ転写するトナー像として担持されているもので、転写ベルト(第3像担持体)100への転写を経て記録媒体へと転写処理される。
【0021】
中間転写ベルト(第2像担持体)10上で図3に示すような作像状態をとることにより、中間転写ベルト10から記録媒体へ転写処理が終了したときには直ちに(連続動作により)、中間転写ベルト(第2像担持体)10上に担持された次のトナー像に対する転写ベルト(第3像担持体)100への転写を行うことが可能になり、両面作像時における複数枚両面画像形成動作の短縮化、延いては生産性の向上を図ることが可能になる。つまり、図2と図3の動作を連続させることにより複数の最大サイズの記録媒体に対する複数枚両面画像形成動作を最大の生産性で行うことが可能になる。
ここに、図3の状態(即ち記録媒体への転写の終了時)の次に行う中間転写ベルト(第2像担持体)10上に担持されたトナー像の転写は、転写ベルト(第3像担持体)100上に行われ、2枚分の画像を転写ベルト100に担持させる場合を例にすると、画像間に通紙間隔分の未転写(空白)部分を持つ画像が転写され、転写後には、図2の転写ベルト(第3像担持体)100上における担持状態になる。
なお、この一連の動作を行うために、転写ベルト(第3像担持体)100を中間転写ベルト(第2像担持体)10に対し離間/接触させる方向に可動とし、記録媒体の通紙時に動作させる必要がある。また、クリーニング装置250の動作は、初めのサイクルで記録媒体への転写を行うトナー像の終端通過後のタイミングで、次のサイクルの記録媒体に形成する画像の転写用の表面を用意するために、ベルト上に残存するトナーを除くために動作状態に移行させる必要がある。
【0022】
【発明の効果】
(1) 請求項1の発明に対応する効果
一度の通紙で両面転写を行う画像形成装置において、第2像担持体に転写するまでの過程を記録媒体の両面の各画像に共通に用い、かつ両面転写を行うための要素である第3像担持体の周長を記録媒体の最大サイズに記録媒体間の通紙間隔を加えた長さに等しく(複数枚両面画像形成動作に必要な最小限)し、さらに
複数枚両面画像を形成する動作を行うときに、第2像担持体及び第3像担持体を経て記録媒体の他方の面に転写する画像に続けて間隔を空けずに、第2像担持体を経て記録媒体の一方の面に転写する画像を生成するようにしたので、省スペース化(両面転写を可能にする構成要素の簡素・小型化)と生産性の向上(複数枚両面画像の形成処理時間の短縮化)を両立させることが可能になる。
(2) 請求項2の発明に対応する効果
上記(1)の効果に加えて、第2像担持体を経て直接記録媒体の一方の面に転写する画像に続けて間隔を空けずに、次に画像形成を行う記録媒体に対して第2像担持体及び第3像担持体を経て該記録媒体の他方の面に転写する画像を生成するようにしたので、複数枚両面画像形成の連続動作における第3像担持体の利用率を高め、生産性を向上させることが可能になる。
(3) 請求項3の発明に対応する効果
上記(1)、(2)の効果に加えて、第2転写手段と第3転写手段を共通の手段としたことにより、さらに装置の小型化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わる画像形成装置全体の構成を概略的に示す。
【図2】第3像担持体(転写ベルト)の構成と、動作時の転写状態(実施形態1)を示す。
【図3】第3像担持体(転写ベルト)の構成と、動作時の転写状態(実施形態2)を示す。
【符号の説明】
1…第1像担持体(感光体ドラム)、 4…露光装置、
10…第2像担持体(中間転写ベルト)、20…第1転写手段、
28…レジストローラ対、 CH…チャージャ(第4転写手段)
100…第3像担持体(転写ベルト)、 120…転写手段(第2,3転写手段)、
250…クリーニング装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式のように、像担持体に作成した画像を記録媒体(用紙)に転写する方法を用いる画像形成装置(例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置及びこれらの機能を複合させた装置等)に関し、より特定すれば、一度の通紙により記録媒体の両面に画像の転写を可能にした前記画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複写機やプリンタなどの画像形成装置において、感光体ドラムの表面に静電潜像を生成し、それに現像剤(トナー)を付着させて現像を行い、さらに可視化(トナー)像を記録紙に転写し、転写された像を記録紙に定着させる、いわゆる電子写真方式が用いられている。なお、この方式では、周知のように、感光体ドラムに静電潜像を生成する際に、走査方式により画像の光書き込みを行う。即ち、感光体ドラムを回転させ(走査させ)ながら、回転と同期をとってライン画像を書き込むというやり方であり、その後、一連の処理として行われる転写ベルト等による像担持体間の転写(最終的に記録紙へ行う転写処理を含め)も走査方式によって行われる。
こうした電子写真方式の画像形成装置において、今日ではすでに記録媒体の両面への画像転写が一般的となっている。
記録媒体の両面への転写方法として導入されている方法の一つは、記録媒体の一方の面へ転写、定着した後に、両面反転装置を用いて記録媒体を反転させた後、他方の面へ転写、定着のプロセスを行っている。しかしながら、この方法によると、両面反転装置等が必要不可欠になるとともに、両面時のファーストプリントが遅くなるのは否めない。
こうした点を克服すべく、下記[特許文献1]に例示するような両面反転装置等を用いずに転写を行うことを可能にする画像形成装置について提案がなされた。
【特許文献1】
特開2000-352889号公報
[特許文献1]記載の画像形成装置では、記録シート(記録媒体)への画像転写は、各面に対応して感光体、現像部、中間転写ベルト等からなる画像形成部を設けるようにしており、こうした構成により、一度の通紙により両面の転写を行うことができるようにしている。しかしながら、[特許文献1]の装置においては、画像形成部を記録媒体の両面に夫々有しており、省スペースに対する要求が強い昨今においては、機械が大型化することはマイナス要因になり、さらに画像形成部をダブルに持つことからコスト面で非常に不利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、画像形成部をダブルに装備しない両面装置を本出願人は、先の出願(特願2002-272498号、以下この出願の発明を「先願発明」という)において提案している。
この先願発明においては、カラー画像の形成に対応する装置が示されており、カラー構成色(4色)の各色に対応する複数の感光体(第1像担持体)をシーケンシャルに並べて転写ベルト(第2像担持体)で色重ねを行う方式(いわゆる“タンデム方式”)によっている。転写ベルト(第2像担持体)で各色が重ねられた画像は、さらにもう一つの転写ベルト(第3像担持体)に転写され、両面転写する記録媒体における一面の画像とする。一面の画像を作成した後、中間転写ベルト(第2像担持体)に他面用の画像を転写し、第3像担持体の画像と第2像担持体の画像とを記録媒体の各面に一度の通紙により転写することによって両面に画像を形成する処理を行う。
この先願発明により、転写ベルト(第2像担持体)で色重ねを行うまでの過程は記録媒体の両面の画像に共通に用いることになるので、特許文献1で問題になった省スペース化やコスト面に対して有利になる。
【0004】
さらに、この先願発明では、転写ベルト(第3像担持体)の長さ(画像を担持し得る無端ベルトの周長)をダブルレターサイズの長辺より長くすることを要件としており、この要件によって、レターサイズ以下の記録媒体であれば2枚連続して画像を形成することを可能にして、処理効率の向上を図ることができるようになる、としている。
しかしながら、この先願発明では、2枚連続して画像を形成する動作を行う際に、この動作をさらに継続して2枚以上の記録媒体に対する連続処理を行う場合を想定し、このような場合ついて、その生産性を向上させるための動作条件や、或いはその動作条件に適合する手段を省スペースで実現するための条件等について考慮していない。従って、画像形成部をダブルに装備しない両面装置の提供という、本来省スペース化を意図してなされた先願発明によりもたらされるメリットを減殺しかねず、上記した生産性との両立も果たせない。
本発明は、記録媒体の両面それぞれに形成すべく像担持体に作成した画像を記録媒体の両面に一度の通紙により転写することを可能にした画像形成装置(例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置及びこれらの機能を複合させた装置等)における上述の従来技術及び先願発明における問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、画像形成部をダブル装備する形式によらず、さらに一度の通紙で両面転写を行うために必要となる像担持体(先願発明における第3像担持体の転写ベルト)をできるだけ小さくして省スペース化、コストの低減化を図り、しかも、複数枚両面画像形成動作(前記像担持体へ複数枚担持可能なサイズを持つ画像を対象にして両面画像を形成する動作)を連続して行わせる際に、生産性の向上を可能にする動作条件に従った転写を行うための手段を備えた前記画像形成装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、無端周面に画像を担持可能とした第1像担持体、第2像担持体、第3像担持体の各像担持体と、第1像担持体上に担持させる画像を生成する画像生成手段と、像担持体間の転写を走査方式により行う第1像担持体上の画像を第2像担持体へ転写する第1転写手段、第2像担持体上の画像を第3像担持体へ転写する第2転写手段、第2像担持体上の画像を記録媒体の一方の面に転写する第3転写手段、第3像担持体上の画像を記録媒体の他方の面に転写する第4転写手段の各転写手段と、記録媒体の両面への転写を行うように前記各転写手段の動作を制御する転写制御手段とを有し、前記第3像担持体の周長を記録媒体の最大サイズに記録媒体間の通紙間隔を加えた長さに等しくした画像形成装置であって、前記画像生成手段は、第3像担持体に複数枚を担持可能なサイズを持つ画像を対象にして複数枚両面画像を形成する動作を行うときに、第2像担持体及び第3像担持体を経て記録媒体の他方の面に転写する画像に続けて間隔を空けずに、第2像担持体を経て記録媒体の一方の面に転写する画像を生成することを特徴とする画像形成装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載された画像形成装置において、前記画像生成手段は、第3像担持体に複数枚を担持可能なサイズを持つ画像を対象にして複数枚両面画像を形成する動作を行うときに、第2像担持体を経て記録媒体の一方の面に転写する画像に続けて間隔を空けずに、次に画像形成を行う記録媒体に対して第2像担持体及び第3像担持体を経て該記録媒体の他方の面に転写する画像を生成することを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された画像形成装置において、前記第2転写手段と第3転写手段を共通の手段としたことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明を添付する図面とともに示す以下の実施形態に基づき説明する。
記録媒体(転写紙)の両面に一度の通紙により画像を形成する本発明の画像形成装置に係わる実施形態として、ここでは電子写真プロセスにより画像を形成する複写機やプリンタ等の画像形成装置を例示する。
図1は、本実施形態において例示する画像形成装置全体の構成を概略的に示す。図1には、カラー画像を形成する装置が示されており、カラー構成色(4色)の各色に対応する複数の感光体(第1像担持体)をシーケンシャルに並べて中間転写ベルト(第2像担持体)で色重ねを行う方式(いわゆる“タンデム方式”)によっている。中間転写ベルト(第2像担持体)で各色が重ねられた画像は、さらにもう一つの転写ベルト(第3像担持体)に転写され、両面転写する記録媒体における一面の画像とする。転写ベルト(第2像担持体)で色重ねを行うまでの過程は記録媒体の両面の各画像に共通に用いるようにするので、他面用の画像は、一面の画像と同様の処理過程で中間転写ベルトに作られる。従って、他面用の画像は、一面の画像の処理後に、中間転写ベルト(第2像担持体)に転写される。こうして作られた第3像担持体の画像と第2像担持体の画像とを記録媒体の各面に一度の通紙により転写することによって両面に画像を形成する処理を行う。
【0007】
図1を参照して、本実施形態の装置の画像形成プロセスに係わる構成をより詳細に説明する。この実施例装置でも、第1像担持体としての感光体ドラム1に静電潜像を生成する際には、周知の方法である走査方式により画像の光書き込みを行う。この方式による場合、感光体ドラム1を回転させ(走査させ)ながら、回転と同期をとってライン画像を書き込むというやり方をとっており、その後、一連の処理として行われる像担持体間の転写(最終的に記録紙へ行う転写処理を含め)も走査方式によって行う。
走査方式に従って動作するために回転可能に支持され、矢印方向に回転する各色に対応して4個(a,b,c,d)設けられた感光体ドラム1の外周部には、それぞれ除電装置L、クリーニング装置2、帯電装置3、現像装置5が配備されている。帯電装置3と現像装置5の間には、露光装置4から発せられる画像情報を担った光ビームの入るスペースが確保されている。各色の感光体ドラム1それぞれの周囲に設けられる画像形成用の部品構成は同じである。ただし、当然であるが現像装置5が扱う現像材(トナー)の色は異なる。
感光体ドラム1は直径が30〜100mm程度のアルミニュム円筒表面に、光導電性物質である有機半導体の層を設けた感光体である。その一部が、第2像担持体としての中間転写ベルト10に接している。なお、この実施形態では、感光体としてドラム状のものを用いているが、ベルト状の感光体も採用可能である。
【0008】
走査方式に従って動作する感光体ドラム(第1像担持体)1上の画像の転写を受ける中間転写ベルト(第2像担持体)10は、矢印方向に移動可能に、回転するローラ11、12、13間に支持、張架されていて、裏側(ループの内側)には、感光体ドラム1から中間転写ベルト10への転写用の第1転写手段20がドラム1の近傍に配備されている。中間転写ベルト(第2像担持体)10は、厚みが50〜600μmの樹脂フィルムあるいはゴムを基体にしており、感光体ドラム(第1像担持体)1からトナーを転写可能とする抵抗値を備える。
中間転写ベルト10のベルトループの外側に、この中間転写ベルト用のクリーニング装置25が配備されている。中間転写ベルト10上の画像を転写した(後述するように転写ベルト100或いは記録媒体への転写)後に、ベルト表面に残留する不要のトナーを拭い去る。
露光装置4は、公知のレーザビーム書き込み方式で、感光体ドラム1を回転させ(副走査させ)ながら、回転と同期をとって画像情報を担ったレーザビームで一様に帯電された感光体表面を照射(主走査)し、ライン画像を書き込む(感光体表面に潜像を生成する)。本例ではタンデム方式を採用しているから、4個(a,b,c,d)設けられた感光体ドラム1にフルカラー(M:マゼンタ,C:シアン,Y:イエロー,K:ブラックの4色)に対応する画像を書き込み、感光体ドラム1から各色の画像を中間転写ベルト10に転写することにより、ベルト10上で転写される各色の画像の重ね合わせを行う。なお、レーザビーム書き込み方式に代えて、LEDアレイと結像手段から成る露光方式を採用してもよい。
【0009】
走査方式に従って動作する中間転写ベルト(第2像担持体)10上の画像をさらに転写するために第3像担持体として転写ベルト100を設ける。転写ベルト(第3像担持体)100は、矢印方向に移動可能に、回転ローラ111、112、113間に支持、張架されていて、裏側(ループの内側)には、転写手段120が配備されている。転写手段120は、中間転写ベルト(第2像担持体)10から転写ベルト(第3像担持体)100への転写を行う第2転写手段として、さらに中間転写ベルト(第2像担持体)10から記録媒体(転写紙)への転写を行う第3転写手段としても機能する。転写ベルト(第3像担持体)100は、厚みが50〜600μmの樹脂フィルムあるいはゴムを基体にしたベルトで、中間転写ベルト(第2像担持体)10からトナーを転写可能とする抵抗値を備えるベルトである。転写手段120、ローラ113及びローラ11(中間転写ベルト10を支持するローラ)により、中間転写ベルト10と転写ベルト100(或いは転写紙)は接触し、予め定められた転写ニップを形成する。
転写ベルト100のベルトループの外側に、この転写ベルト用のクリーニング装置250、転写ベルト(第3像担持体)100から記録媒体(転写紙)への転写を行う第4転写手段としてのチャージャCH、などを配備する。クリーニング装置250は、転写ベルト100上の画像を転写紙(記録媒体)に転写した後に、残留する不要のトナーを拭い去る。
【0010】
記録媒体(転写紙)Pは図1の下方の給紙装置(給紙カセット)26-1、26-2に収納されており、カセットに載積された最上の転写紙が給紙ローラ27で一枚ずつ取り出され、複数のガイド部材からなるガイド29を経てレジストローラ対28に搬送され、その後転写手段120(第3転写手段)及びチャージャCH(第4転写手段)による転写を受ける。
図1の上方に、画像の転写された記録媒体(転写紙)に対して熱定着の処理をする定着手段30と、排紙部を構成する排紙ガイド対31、排紙ローラ対32、排紙スタック部40を配備する。
中間転写ベルト10の上方で、排紙スタック部40の下方には、補給用のトナーが収納できる収納部TSを設ける。トナーはM:マゼンタ,C:シアン,Y:イエロー,K:ブラックの4色分を、カートリッジTCの形態にして備える。ここから粉体ポンプ等により各色に対応する現像を行う感光体ドラム1に付設する現像装置5に適宜補給される。
本体の一部のフレーム50は、開閉支軸50Aを中心として、回動・開放が可能な構造にしておき、記録媒体(転写紙)の搬送路は大きく開き、ジャム状態にある転写紙の除去等の処理を容易にする。
【0011】
次に、上記した画像形成装置(図1)の動作を説明する。下記では、両面に画像を形成する時の「両面動作モード」と片面のみに画像を形成する「片面動作モード」に分けて説明する。いずれの動作モードも、図示しない操作部からオペレータ(ユーザー)によって原画像情報に対して指示がなされ、指示された動作モード等の設定動作条件に従って、記録媒体(転写紙)に原画像情報に基づく画像を形成する一連の処理を行う。
この一連の画像形成処理は、画像形成装置の動作を制御するシステムコントローラ(図示せず)により本装置のシステムを構成する情報処理系及び駆動系の各部を制御することにより実行される。従って、この画像形成装置のシステムコントローラは、一連の画像形成処理に必要な動作を制御するプログラムを搭載し、内蔵するCPUによってこの制御プログラムを実行することにより、以下に示す画像形成処理の実現を可能にする。
【0012】
「両面動作モード」
中間転写ベルト(第2像担持体)10で色重ねを行うまでの過程は記録媒体の両面の各画像に共通に用い、かつ記録媒体の各面に一度の通紙により画像を形成する処理を行うようにするために、先に感光体ドラム1で作成する画像を転写ベルト(第3像担持体)100に一旦担持させ、次に感光体ドラム1で作成する画像を中間転写ベルト(第2像担持体)10に転写しながら、転写ベルト(第3像担持体)100と中間転写ベルト(第2像担持体)10上に担持させた画像を同時に記録媒体の各面に転写する。
従って、動作の開始持に、まず感光体ドラム1上で作像が行われる。この作像処理は、露光装置4の作動により、LD(レーザ ダイオード)光源から画像(書き込み情報)を担ったレーザビーム光が、ライン走査光学系を経て、帯電装置3で一様に帯電された感光体ドラム1のうち、aと記した感光体の表面を照射し(書き込みを行い)、回転する(走査方式により書き込みを行うために)感光体上にこの色成分の画像情報に対応した潜像を生成する。
感光体ドラム1上の潜像は、現像装置5で現像され、トナーによる顕像が感光体ドラム1の表面に形成・保持される。このトナー像は、第1転写手段20により、感光体ドラム1の移動(回転)と同期して移動する中間転写ベルト10の表面に転写される。
感光体ドラム1の表面は、残存するトナーがクリーニング装置2でクリーニングされ、除電装置Lで除電され次の作像サイクルに備える。
【0013】
中間転写ベルト10は、表面に転写されたトナー像を坦持し、矢印の方向に移動する。bと記された感光体ドラム1に、別の色に対応する潜像が書き込まれ、対応する色のトナーで現像され顕像となる。この像は、既に第2の像担持体に乗っている前の色の顕像に重ねるように転写するといった処理手順で、最終的に4色重ねられるまで順次各色成分の転写を行う。
このとき同期して転写ベルト(第3像担持体)100は矢印方向に移動していて、第2転写手段120の作用で、転写ベルト100の表面に中間転写ベルト(第2像担持体)10表面に作られた画像が転写される。
タンデム形式である4個の感光体ドラム1上で画像を生成しながら、中間転写ベルト(第2像担持体)10、転写ベルト(第3像担持体)100が移動し、作像が進められるので、処理時間の短縮化が図られる。
記録媒体の一面に形成する画像を中間転写ベルト10へ転写する処理の終了に引き続いて、記録媒体の他面に作成されるべきトナー画像を先に行ったと同様の過程で中間転写ベルト10へ転写するために再度感光体ドラム1に作像する。この段階で、記録媒体の両面への転写が可能な状態になるので、給紙が開始される。
【0014】
給紙ローラ27が反時計方向に回転すると、給紙装置の給紙カセット26−1,26−2内の最上部にある記録媒体(転写紙)Pが引き出され、レジストローラ対28に至るまで、搬送される。
レジストローラ対28を経て、中間転写ベルト(第2像担持体)10と転写ベルト(第3像担持体)100の間に送られる記録媒体(転写紙)の片側の面に、第2転写手段120により中間転写ベルト(第2像担持体)10表面のトナー像を転写する。
記録媒体(転写紙)をさらに搬送し続け、記録媒体のもう一方の面にチャージャCHにより第3の像担持体100表面のトナー像を転写する。この転写に際して、記録媒体(転写紙)は転写ベルト100及び中間転写ベルト10と同期し、かつ画像が正規の位置になるよう、レジストローラ対28でタイミングがられて搬送される。
本実施形態では、感光体ドラム1に作像されるトナーの極性は、マイナスである。第1転写手段20にプラスの電荷を与えることで、感光体ドラム1に作像されたトナーは中間転写ベルト(第2像担持体)10に転写される。第2転写手段120にプラスの電荷を与えることで、中間転写ベルト(第2像担持体)10に作像されたトナーは転写ベルト(第3像担持体)100に転写される。さらに、第2転写手段120は中間転写ベルト(第2像担持体)10表面のトナーを記録媒体の片側の面に転写するときにも働く。また、チャージャCHからプラス極性の電荷与えることで、転写ベルト(第3像担持体)100表面のマイナス極性のトナーは吸引されて、記録媒体の他の面に転写される。
【0015】
上記の手順で処理を行うことにより両面にトナー像が転写された記録媒体Pは、定着手段30に送られ、記録媒体(転写紙)上のトナー像(両面)が一度に溶融、定着され、ガイド対31を経て排紙ローラ対32により本体フレーム上部の排紙スタック部40に排出される。
図1のような構造で排紙部を構成した場合、両面画像のうち中間転写ベルト(第2像担持体)10から記録媒体(転写紙)に直接転写される面(頁)、すなわち後から感光体ドラム1上に画像を作成し転写される面が下面となって、排紙スタック部40に載置されるから、頁揃えをしておくには感光体ドラム1上に画像を作成する順序として、2頁目の画像を先に作成し、転写ベルト(第3像担持体)100にそのトナー像を保持し、1頁目の画像を中間転写ベルト(第2像担持体)10から記録媒体(転写紙)に直接転写するようにすれば良い。
ここに、記録媒体(転写紙)両面に転写される画像は、それぞれ転写回数が異なる。つまり、中間転写ベルト(第2像担持体)10から記録媒体に転写されるトナー像は、偶数回であるから感光体ドラム(第1像担持体)1表面で正像にし、他方、転写ベルト(第3像担持体)100から記録媒体に転写されるトナー像は、奇数回であるから感光体ドラム(第1像担持体)1表面で逆像(鏡像)になるように露光する必要がある。
なお、このような頁揃えのための作像順は画像データをメモリに貯蔵する既知の技術で、また正、逆像(鏡像)に切り換える露光も、既知の画像処理技術により、実施することができる。
転写ベルト(第3像担持体)100から記録媒体に転写した後、内部にブラシローラ、回収ローラ、ブレード等を備えたクリーニング装置250は、転写ベルト(第3像担持体)100表面に残留する不要のトナーや紙粉を除去する。また、図1ではローラ250Cが転写ベルト100表面から離れた状態にあるが、支点250Aを中心として揺動可能で、転写ベルト100表面に接離可能な構造になっている。記録媒体に転写する以前で、転写ベルト100がトナー像を担持しているとき離し、クリーニングが必要のとき、図1において反時計方向に揺動させ、接触させ、動作状態とする。除去されたトナーは、トナー収納部250Bに集められる。このようなクリーニング装置250に関する構成は、既知の手段を適用することにより実施し得る。
【0016】
「片面動作モード」
上記したようにして記録媒体の両面への画像形成動作が可能であるから、両面のうちのいずれかの動作により片面の画像形成動作が可能になることは明らかであるが、ここでは、転写ベルト(第3像担持体)100にトナー像を転写する方の工程を省き、中間転写ベルト(第2像担持体)10から記録媒体(転写紙)に直接転写する工程により片面画像を形成する場合を説明する。
本モードでは、まず感光体ドラム(第1像担持体)1の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト(第2像担持体)10に転写しながら、中間転写ベルト10上に転写されたトナー像をさらに記録媒体(転写紙)Pに第2転写手段120によって転写する。
この転写に際して、記録媒体(転写紙)Pは転写ベルト100及び中間転写ベルト10と同期させ、かつ画像が転写紙P上において正規の位置になるよう、中間転写ベルト10上に形成されたトナー像との位置合わせをするためにレジストローラ対28で転写紙に対するタイミングの制御をして搬送を行う。
この転写動作では、転写手段であるチャージャCHは作動することはなく、記録媒体Pは転写ベルト100とともに移動し、定着手段30のある領域に送られ、トナーが定着される。その後、記録媒体Pは転写ベルト100から離れ、ガイド対31、排紙ローラ対32を経て矢印Aの方向に排出され、画像面が下になった状態(フェースダウン)で排紙スタック部40に載置される。上記のような処理手順により動作させた場合には、数頁にわたる原稿を1頁から順に処理しても、排紙スタック部40から取り出したとき、プリント物は頁順になっている。
なお、本実施形態の上述の例では、4色のカラー成分のトナーを使い、カラー画像を作像する場合に関して述べたが、モノクロ画像の作成にも、本発明の技術思想(即ち、中間転写ベルト(第2像担持体)10に転写するまでの過程は記録媒体の両面の各画像に共通に用い、かつ記録媒体の各面に一度の通紙により画像を形成する処理を行うようにする)に沿う実施が可能である。
【0017】
上記では、記録媒体の両面に一度の通紙により画像を形成する画像形成装置において、装置構成の大規模化を解決するために、中間転写ベルト(第2像担持体)10に転写するまでの過程を記録媒体の両面の各画像に共通に用いるようにした装置の基本的な構成及び動作について説明した。
次に示す実施形態では、上記を基本構成とする画像形成装置において、両面転写を行うために必要となる像担持体(第3像担持体の転写ベルト)を可能な限り小さくして省スペース化を図り、コストを低減化すること、しかも、複数枚両面画像形成動作、即ち、第3像担持体の転写ベルトへ複数枚の画像を担持させて両面画像を形成する動作、を連続して行わせる際に、生産性の向上を可能にする動作条件に従った画像形成動作を行わせるようにすることを課題とする。
この課題を、本発明では、上記した画像形成装置(図1)において両面転写を行うために必要とした第3像担持体(転写ベルト)の周長を記録媒体の最大サイズに記録媒体間の通紙間隔を加えた長さに等しくし、複数枚担持可能なサイズを持つ画像を対象にして第3像担持体上に複数枚のトナー像を転写し、両面画像を形成する動作(複数枚両面画像形成動作)を連続して行わせる際に、生産性の向上を図ることを可能にする画像形成、転写等の動作条件を付加することによって解決するものである。以下に、その解決手段に係わる実施形態を「実施形態1」、「実施形態2」として示す。
【0018】
「実施形態1」
図2は、本実施形態の第3像担持体(転写ベルト)の構成と、動作時の転写状態を示す図である。図2には、図1に示した画像形成装置(概略全体図)における一部の構成である、転写ベルト(第3像担持体)100と転写ベルト100へ転写されるトナー画像を担持する中間転写ベルト(第2像担持体)10に係わる部分を示すものである。なお、説明の都合上、図1に示した構成要素の一部(例えば、第2転写手段120、チャージャCH等)を省略している。
本実施形態では、転写ベルト(第3像担持体)100の周長を記録媒体の最大サイズに記録媒体間の通紙間隔を加えた長さとすることで転写ベルト(第3像担持体)100に関する機構の省スペース化を図るようにしたものである。ここに示した転写ベルト100は、少なくとも両面画像形成の連続動作時には、トナー像の転写動作のために連続してベルト移動を行う。通紙間隔は、一枚の記録媒体転写を終了した後、次の記録媒体への転写が可能になるまでにベルトが移動する距離に基づいて決まる値(図2参照)で、装置の性能によって異なる値になる。図2に示す例では、転写ベルト100上に記録媒体の最大サイズの半分のトナー像が2枚分転写され、トナー像間に通紙間隔を設けている。トナー像が最大サイズである場合には、通紙間隔をトナー像の端部間に設けることにより、転写ベルト100の周長を両面画像形成の連続動作を可能にするために最低限必要な長さに制限する。
【0019】
最大サイズの半分のトナー像2枚分を転写する場合の動作は、図2に示すように、転写ベルト100に対するクリーニング装置250のブレード等の接触を解いてクリーニング動作を不作動とした後、転写部で中間転写ベルト(第2像担持体)10と転写ベルト(第3像担持体)100とを接触させながら図中の矢印に示す方向に両方のベルトを同期して移動させ、その間に中間転写ベルト10から転写ベルト100表面へトナー像を転写する。一枚目の画像の後に通紙間隔を開けて、2枚面の画像を転写すると、通紙間隔以外の転写ベルト100の全周にわたってトナー像が担持され、図2に示すトナー像の担持状態で中間転写ベルト10からの2枚の画像の転写を終える。
この転写の終了後には直ちに(連続動作により)、次の転写動作として中間転写ベルト(第2像担持体)10と転写ベルト(第3像担持体)100の各々から記録媒体への転写を行うことが可能になり、両面作像時において画像形成処理時間の短縮化、延いては生産性の向上を図ることが可能になる。つまり、図2に示すように、中間転写ベルト(第2像担持体)10には、上記した中間転写ベルト10から転写ベルト100に転写されたトナー画像(この後記録媒体の一面へ転写さえる画像)の後に引き続いて間隔を空けずに、中間転写ベルト10から直接記録媒体の他面に転写されるトナー画像が作像、担持されており、このような作像をすることにより、上記した連続動作が可能となる。
なお、図2に例示した最大サイズの半分のトナー像2枚分を転写する場合に、転写ベルト(第3像担持体)100の利用率が最大になるが、最大サイズの半分以下のトナー像であっても、通紙間隔を間にして複数枚のトナー像がベルトの周長内に収まる場合には適用可能であり、生産性を向上させることができる。ただし、両面の画像を適正位置に形成するためには、中間転写ベルト(第2像担持体)10と転写ベルト(第3像担持体)100から記録媒体へそれぞれ転写する画像の同期性を保証する必要があるが、これを両面画像の作像条件(例えば、感光体ドラムへの作像タイミング)の調整により行うことが可能である。
【0020】
「実施形態2」
上記実施形態1では、転写ベルト(第3像担持体)100の周長を記録媒体の最大サイズに記録媒体間の通紙間隔を加えた長さとすることにより、複数枚両面画像形成の生産性を向上させるようにした画像形成装置の基本的な形態を示した。本実施形態では、上記実施形態1の方法により第3像担持体の転写ベルトへ複数枚の画像を担持させて両面画像を形成する動作を終えた後に、さらに次の記録媒体に対する作像過程を含め、複数枚両面画像形成動作を連続して行わせ、画像形成の生産性の向上を可能にする動作条件を付加して構成した形態を示す。
図3は、本実施形態の第3像担持体(転写ベルト)の構成と、動作時の転写状態を示す図である。図3には、図2の転写状態からさらに動作が進行して、転写ベルト(第3像担持体)100に担持された2枚分の画像を記録媒体の一面に、また対応する中間転写ベルト(第2像担持体)10の画像を記録媒体の他面に転写する両面転写工程の最終状態を示している。
図3に示すように、中間転写ベルト(第2像担持体)10には、この中間転写ベルト10から記録媒体へ直接転写しているトナー像の後に引き続いて、次の記録媒体へ転写するトナー像が間隔を空けずに担持された状態を示している。この後続するトナー像は、次の記録媒体へ転写するトナー像として担持されているもので、転写ベルト(第3像担持体)100への転写を経て記録媒体へと転写処理される。
【0021】
中間転写ベルト(第2像担持体)10上で図3に示すような作像状態をとることにより、中間転写ベルト10から記録媒体へ転写処理が終了したときには直ちに(連続動作により)、中間転写ベルト(第2像担持体)10上に担持された次のトナー像に対する転写ベルト(第3像担持体)100への転写を行うことが可能になり、両面作像時における複数枚両面画像形成動作の短縮化、延いては生産性の向上を図ることが可能になる。つまり、図2と図3の動作を連続させることにより複数の最大サイズの記録媒体に対する複数枚両面画像形成動作を最大の生産性で行うことが可能になる。
ここに、図3の状態(即ち記録媒体への転写の終了時)の次に行う中間転写ベルト(第2像担持体)10上に担持されたトナー像の転写は、転写ベルト(第3像担持体)100上に行われ、2枚分の画像を転写ベルト100に担持させる場合を例にすると、画像間に通紙間隔分の未転写(空白)部分を持つ画像が転写され、転写後には、図2の転写ベルト(第3像担持体)100上における担持状態になる。
なお、この一連の動作を行うために、転写ベルト(第3像担持体)100を中間転写ベルト(第2像担持体)10に対し離間/接触させる方向に可動とし、記録媒体の通紙時に動作させる必要がある。また、クリーニング装置250の動作は、初めのサイクルで記録媒体への転写を行うトナー像の終端通過後のタイミングで、次のサイクルの記録媒体に形成する画像の転写用の表面を用意するために、ベルト上に残存するトナーを除くために動作状態に移行させる必要がある。
【0022】
【発明の効果】
(1) 請求項1の発明に対応する効果
一度の通紙で両面転写を行う画像形成装置において、第2像担持体に転写するまでの過程を記録媒体の両面の各画像に共通に用い、かつ両面転写を行うための要素である第3像担持体の周長を記録媒体の最大サイズに記録媒体間の通紙間隔を加えた長さに等しく(複数枚両面画像形成動作に必要な最小限)し、さらに
複数枚両面画像を形成する動作を行うときに、第2像担持体及び第3像担持体を経て記録媒体の他方の面に転写する画像に続けて間隔を空けずに、第2像担持体を経て記録媒体の一方の面に転写する画像を生成するようにしたので、省スペース化(両面転写を可能にする構成要素の簡素・小型化)と生産性の向上(複数枚両面画像の形成処理時間の短縮化)を両立させることが可能になる。
(2) 請求項2の発明に対応する効果
上記(1)の効果に加えて、第2像担持体を経て直接記録媒体の一方の面に転写する画像に続けて間隔を空けずに、次に画像形成を行う記録媒体に対して第2像担持体及び第3像担持体を経て該記録媒体の他方の面に転写する画像を生成するようにしたので、複数枚両面画像形成の連続動作における第3像担持体の利用率を高め、生産性を向上させることが可能になる。
(3) 請求項3の発明に対応する効果
上記(1)、(2)の効果に加えて、第2転写手段と第3転写手段を共通の手段としたことにより、さらに装置の小型化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わる画像形成装置全体の構成を概略的に示す。
【図2】第3像担持体(転写ベルト)の構成と、動作時の転写状態(実施形態1)を示す。
【図3】第3像担持体(転写ベルト)の構成と、動作時の転写状態(実施形態2)を示す。
【符号の説明】
1…第1像担持体(感光体ドラム)、 4…露光装置、
10…第2像担持体(中間転写ベルト)、20…第1転写手段、
28…レジストローラ対、 CH…チャージャ(第4転写手段)
100…第3像担持体(転写ベルト)、 120…転写手段(第2,3転写手段)、
250…クリーニング装置。
Claims (3)
- 無端周面に画像を担持可能とした第1像担持体、第2像担持体、第3像担持体の各像担持体と、第1像担持体上に担持させる画像を生成する画像生成手段と、像担持体間の転写を走査方式により行う第1像担持体上の画像を第2像担持体へ転写する第1転写手段、第2像担持体上の画像を第3像担持体へ転写する第2転写手段、第2像担持体上の画像を記録媒体の一方の面に転写する第3転写手段、第3像担持体上の画像を記録媒体の他方の面に転写する第4転写手段の各転写手段と、記録媒体の両面への転写を行うように前記各転写手段の動作を制御する転写制御手段とを有し、前記第3像担持体の周長を記録媒体の最大サイズに記録媒体間の通紙間隔を加えた長さに等しくした画像形成装置であって、前記画像生成手段は、第3像担持体に複数枚を担持可能なサイズを持つ画像を対象にして複数枚両面画像を形成する動作を行うときに、第2像担持体及び第3像担持体を経て記録媒体の他方の面に転写する画像に続けて間隔を空けずに、第2像担持体を経て記録媒体の一方の面に転写する画像を生成することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1に記載された画像形成装置において、前記画像生成手段は、第3像担持体に複数枚を担持可能なサイズを持つ画像を対象にして複数枚両面画像を形成する動作を行うときに、第2像担持体を経て記録媒体の一方の面に転写する画像に続けて間隔を空けずに、次に画像形成を行う記録媒体に対して第2像担持体及び第3像担持体を経て該記録媒体の他方の面に転写する画像を生成することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1又は2に記載された画像形成装置において、前記第2転写手段と第3転写手段を共通の手段としたことを特徴とする画像形成装置。
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- 2002-12-27 JP JP2002379125A patent/JP2004212455A/ja active Pending
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