JP2004212208A - タイヤ単体台上騒音試験方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで容易にしかも短時間で騒音測定を行うことができるようにする。
【解決手段】テストリング装着ドラム20の移動により回転ドラム10に圧着されるパターン無しのテストタイヤ30にパターンテストリング21を圧接して回転ドラム10とパターンテストリング21との合成音レベル{(A+B)+(B+C)}を測定し、さらにテストリング装着ドラム20をテストタイヤ30から離して回転ドラム10とテストタイヤ30との回転による騒音レベル(A+B)を測定した後、テストリング装着ドラム20をテストタイヤ30から離したときの騒音レベル(A+B)を合成音レベルから減算することで、パターンテストリング21とテストタイヤ30との回転のみによる騒音レベル(B+C)が得られるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】テストリング装着ドラム20の移動により回転ドラム10に圧着されるパターン無しのテストタイヤ30にパターンテストリング21を圧接して回転ドラム10とパターンテストリング21との合成音レベル{(A+B)+(B+C)}を測定し、さらにテストリング装着ドラム20をテストタイヤ30から離して回転ドラム10とテストタイヤ30との回転による騒音レベル(A+B)を測定した後、テストリング装着ドラム20をテストタイヤ30から離したときの騒音レベル(A+B)を合成音レベルから減算することで、パターンテストリング21とテストタイヤ30との回転のみによる騒音レベル(B+C)が得られるようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤが発生する騒音を測定するタイヤ単体台上騒音試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤの騒音試験方法には、JASO C606に定められている単体台上騒音試験がある。これは、ドラム試験とも呼ばれる方法であり、ドラム上でタイヤを所定の速度で走行させ、タイヤの中心から横へ1m、高さ0.25mの位置に設置したマイクロホンで騒音を測定する方法である。
このような単体台上騒音試験を行うものとして、特許文献1に示されたものが提案されている。これは、疑似路面を外周面に備えた回転ドラム上にタイヤを圧着して回転させ、この場合の音場特性を考慮し、タイヤから所定距離離れた複数位置で、タイヤの回転により発生する騒音を測定し、これら複数位置において得られた測定値の平均値をもって評価する騒音試験方法である。
【0003】
また、特許文献2では、ドラム本体の外周表面に、ISO路面で用いる骨材をエポキシ系樹脂のバインダーで固めた疑似路面を設けることで、ISO路面でのタイヤ騒音試験結果に対して相関性の高いタイヤ騒音試験結果を得るようにした騒音試験方法を提案している。
また、特許文献3では、冷凍装置及び加熱装置を備えた恒温槽の内部に、駆動装置を介して金属材料からなる中空筒状の回転ドラムを回転自在に内装し、回転ドラム内に、先端に円板状の試料を回転かつ着脱可能に取付ける試料ホルダーユニットを設け、試料ホルダーユニットに回転自在に取付けられた試料を、回転ドラムの内壁面に圧着又は離反可能に設け、試料の近傍に、試料の回転駆動系に保温防水材からなるカバーで覆ったトルクメータを設け、回転ドラムの内壁面に形成される氷表面を均一な平滑面に切削する氷面切削ユニットと、この氷面切削ユニットで切削された氷屑を回収して恒温槽外に排出させることで、摩擦試験を行う方法を提案している。
【0004】
【特許文献1】
特開平07−55649号公報
【特許文献2】
特開平11−218470号公報
【特許文献3】
特開平08−166339号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した特許文献1,2では、異なるパターンを測定するために、パターン毎のタイヤを試作しなければならず、パターン毎の比較的高価な金型を制作する必要があるので、コストがかかってしまう。しかも、パターン毎の騒音測定に際し、パターン毎にタイヤを付け替えなければならないために、比較的重量のあるタイヤの付け替え作業が繁雑であるばかりか、パターン毎の騒音測定に要する時間が長引いてしまう。
また、上述した特許文献3では、試料を用いているため、パターン毎の金型を制作する必要がないものの、摩擦試験を行う方法であることから、騒音試験を行うことはできない。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、低コストで容易にしかも短時間で騒音測定を行うことができるタイヤ単体台上騒音試験方法を提供することができるようにするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のタイヤ単体台上騒音試験方法は、規定の荷重で圧着されたタイヤを回転させる回転ドラムを備え、タイヤから所定距離離れた位置で、タイヤの回転により発生する騒音レベルを測定するタイヤ単体台上騒音試験方法であって、回転ドラムにパターン無しのテストタイヤを圧着する工程と、外周面に、試験すべきタイヤのパターンを有し、異なるパターンを測定するための複数の樹脂からなる複数のパターンテストリングをテストリング装着ドラムに対して嵌合自在に装着してテストタイヤに圧接する工程と、回転ドラムを回転させる工程とを有することを特徴とする。
また、回転ドラムとテストタイヤとの回転による騒音レベルと、パターンテストリングとテストタイヤとの回転による騒音レベルとの合成音レベルとを測定する工程と、テストタイヤに対して接離自在とされたテストリング装着ドラムがテストタイヤから離された後、回転ドラムとテストタイヤとの回転による騒音レベルを測定する工程と、テストリング装着ドラムがテストタイヤから離されたときの騒音レベルを合成音レベルから減算し、パターンテストリングとテストタイヤとの回転のみによる騒音テストタイヤが材質や内部構造の異なる他のテストタイヤと入れ替えられたときの合成音レベルの測定と、テストリング装着ドラムがテストタイヤから離されたときの騒音レベルの測定とを行う工程を有するようにすることができる。
本発明に係るタイヤ単体台上騒音試験方法においては、テストリング装着ドラムの移動により回転ドラムに圧着されるパターン無しのテストタイヤにパターンテストリングを圧接して回転ドラムとパターンテストリングとの合成音レベルを測定し、さらにテストリング装着ドラムをテストタイヤから離して回転ドラムとの回転による騒音レベルを測定した後、テストリング装着ドラムをテストタイヤから離したときの騒音レベルを合成音レベルから減算することで、パターンテストリングとテストタイヤとの回転のみによる騒音レベルが得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明のタイヤ単体台上騒音試験装置の一実施の形態を示す斜視図、図2〜図5は、図1のタイヤ単体台上騒音試験装置によるタイヤ単体台上騒音試験方法を説明するための図である。
【0009】
図1に示すように、タイヤ単体台上騒音試験装置は、回転ドラム10、テストリング装着ドラム20、パターンテストリング21を備えている。回転ドラム10は、規定の荷重で圧着されたゴム製のパターン無しのテストタイヤ30を規定の速度で回転させるものである。テストリング装着ドラム20は、パターンテストリング21が着脱自在に嵌合され、その嵌合面が回転ドラム10の外周面と対向するように配置され、さらに回転ドラム10に対して接離自在に設けられている。
パターンテストリング21は、樹脂製であり、外周面に試験すべきタイヤのパターンが形成されている。タイヤのパターンは、たとえば3Dデータを基にNC工作マシーンによって形成されたものである。タイヤのパターンは、各種あるため、それぞれのパターンに合わせたパターンテストリング21が複数用意されている。
【0010】
次に、タイヤ単体台上騒音試験方法について説明する。
まず、図2及び図3に示すように、回転ドラム10上にパターン無しのテストタイヤ30を規定の荷重で圧着させて載置する(ステップS1)。次いで、テストリング装着ドラム20にパターンテストリング21を嵌合した後、そのテストリング装着ドラム20をテストタイヤ30側に移動させ、パターンテストリング21をテストタイヤ30に圧接させる(ステップS2,S3)。
このとき、マイクロホン40をたとえばテストタイヤ30の中心から横へ1mの位置に設置しておく。なお、マイクロホン40の位置は、テストタイヤ30の中心から横へ1mに限るものではなく、周囲の環境に合わせて、適宜に決められるようにすることができる。これらの準備が整った後、回転ドラム10を駆動させる(ステップS4)。回転ドラム10の駆動により、テストタイヤ30が回転するとともに、テストタイヤ30にパターンテストリング21を介して圧接しているテストリング装着ドラム20も回転する。このとき、図4に示すように、樹脂製のパターンテストリング21がゴム製のテストタイヤ30より硬いため、パターンテストリング21がテストタイヤ30に若干食い込んだ状態で両者が互いに逆方向に回転する。また、このときのテストタイヤ30に対するパターンテストリング21の接地長さ及び接地形状は、騒音に影響を及ぼす要因であるが、その要因による騒音もパターンテストリング21によって得られる。
【0011】
この状態でマイクロホン40により、騒音レベルを測定する。このとき、回転ドラム10とテストタイヤ30との回転による騒音レベル(A+B)と、パターンテストリング21とテストタイヤ30との回転による騒音レベル(B+C)との合成音レベル{(A+B)+(B+C)}が測定される(ステップS5)。
次いで、図5に示すように、テストリング装着ドラム20をテストタイヤ30から離し(ステップS6)、回転ドラム10を駆動させ(ステップS7)、マイクロホン40により、騒音レベルを測定する。このとき、回転ドラム10とテストタイヤ30との回転による騒音レベル(A+B)が測定される(ステップS8)。
そして、テストリング装着ドラム20のパターンテストリング21を用いた場合の合成音レベル{(A+B)+(B+C)}から、テストリング装着ドラム20のパターンテストリング21を用いない場合の騒音レベル(A+B)を減算することで(ステップS9)、パターンテストリング21とテストタイヤ30との回転による騒音レベル(B+C)が測定される。
【0012】
以上のようなパターンテストリング21とテストタイヤ30との回転による騒音レベルの測定を、テストリング装着ドラム20にパターンの異なる他のパターンテストリング21に付け替えて行うことにより、各種パターンに合わせた騒音レベルの測定を行うことができる。この場合、ゴム材質や内部構造等を変えたパターン無しのテストタイヤ30を何本か用意しておくことで、パターンテストリング21の各種パターンとテストタイヤ30のゴム材質や内部構造等との組み合わせによる騒音レベルの測定も行うことができる。
【0013】
このように、本実施の形態では、テストリング装着ドラム20の移動により回転ドラム10に圧着されるパターン無しのテストタイヤ30にパターンテストリング21を圧接して回転ドラム10とパターンテストリング21との合成音レベル{(A+B)+(B+C)}を測定し、さらにテストリング装着ドラム20をテストタイヤ30から離して回転ドラム10とテストタイヤ30との回転による騒音レベル(A+B)を測定した後、テストリング装着ドラム20をテストタイヤ30から離したときの騒音レベル(A+B)を合成音レベルから減算することで、パターンテストリング21とテストタイヤ30との回転のみによる騒音レベル(B+C)が得られるようにした。
【0014】
これにより、異なるパターンの騒音レベルを測定するために、テストリング装着ドラム20に着脱自在に嵌合されるパターンの異なるパターンテストリング21のみを試作すればよいので、従来のように、パターン毎の比較的高価な金型を制作する必要がなくなり、コストを大幅に低減することができる。
また、異なるパターンの騒音レベルを測定するために、パターンの異なるパターンテストリング21をテストリング装着ドラム20に付け替えればよいので、従来のように、比較的重量のあるタイヤの付け替え作業が不要となり、騒音測定を極めて容易に行うことができる。
しかも、異なるパターンの騒音レベルの測定は、パターンの異なるパターンテストリング21の付け替えによって行われるため、騒音測定を短時間で行うことができる。
また、ゴム材質や内部構造等を変えたパターン無しのテストタイヤ30を何本か用意しておくことで、パターンテストリング21の各種パターンとテストタイヤ30のゴム材質等との組み合わせによる騒音測定も行うことができる。
【0015】
【発明の効果】
以上の如く本発明に係るタイヤ単体台上騒音試験方法によれば、低コストで容易にしかも短時間で騒音測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤ単体台上騒音試験装置の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1のタイヤ単体台上騒音試験装置によるタイヤ単体台上騒音試験方法を説明するためのフローチャートである。
【図3】図1のタイヤ単体台上騒音試験装置によるテストリング装着ドラム有りの場合のタイヤ単体台上騒音試験方法を説明するための正面図である。
【図4】図1のパターンテストリングとテストタイヤとの接地状態を示す図である。
【図5】図1のタイヤ単体台上騒音試験装置によるテストリング装着ドラム無しの場合のタイヤ単体台上騒音試験方法を説明するための正面図である。
【符号の説明】
10 回転ドラム
20 テストリング装着ドラム
21 パターンテストリング
30 テストタイヤ
40 マイクロホン
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤが発生する騒音を測定するタイヤ単体台上騒音試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤの騒音試験方法には、JASO C606に定められている単体台上騒音試験がある。これは、ドラム試験とも呼ばれる方法であり、ドラム上でタイヤを所定の速度で走行させ、タイヤの中心から横へ1m、高さ0.25mの位置に設置したマイクロホンで騒音を測定する方法である。
このような単体台上騒音試験を行うものとして、特許文献1に示されたものが提案されている。これは、疑似路面を外周面に備えた回転ドラム上にタイヤを圧着して回転させ、この場合の音場特性を考慮し、タイヤから所定距離離れた複数位置で、タイヤの回転により発生する騒音を測定し、これら複数位置において得られた測定値の平均値をもって評価する騒音試験方法である。
【0003】
また、特許文献2では、ドラム本体の外周表面に、ISO路面で用いる骨材をエポキシ系樹脂のバインダーで固めた疑似路面を設けることで、ISO路面でのタイヤ騒音試験結果に対して相関性の高いタイヤ騒音試験結果を得るようにした騒音試験方法を提案している。
また、特許文献3では、冷凍装置及び加熱装置を備えた恒温槽の内部に、駆動装置を介して金属材料からなる中空筒状の回転ドラムを回転自在に内装し、回転ドラム内に、先端に円板状の試料を回転かつ着脱可能に取付ける試料ホルダーユニットを設け、試料ホルダーユニットに回転自在に取付けられた試料を、回転ドラムの内壁面に圧着又は離反可能に設け、試料の近傍に、試料の回転駆動系に保温防水材からなるカバーで覆ったトルクメータを設け、回転ドラムの内壁面に形成される氷表面を均一な平滑面に切削する氷面切削ユニットと、この氷面切削ユニットで切削された氷屑を回収して恒温槽外に排出させることで、摩擦試験を行う方法を提案している。
【0004】
【特許文献1】
特開平07−55649号公報
【特許文献2】
特開平11−218470号公報
【特許文献3】
特開平08−166339号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した特許文献1,2では、異なるパターンを測定するために、パターン毎のタイヤを試作しなければならず、パターン毎の比較的高価な金型を制作する必要があるので、コストがかかってしまう。しかも、パターン毎の騒音測定に際し、パターン毎にタイヤを付け替えなければならないために、比較的重量のあるタイヤの付け替え作業が繁雑であるばかりか、パターン毎の騒音測定に要する時間が長引いてしまう。
また、上述した特許文献3では、試料を用いているため、パターン毎の金型を制作する必要がないものの、摩擦試験を行う方法であることから、騒音試験を行うことはできない。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、低コストで容易にしかも短時間で騒音測定を行うことができるタイヤ単体台上騒音試験方法を提供することができるようにするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のタイヤ単体台上騒音試験方法は、規定の荷重で圧着されたタイヤを回転させる回転ドラムを備え、タイヤから所定距離離れた位置で、タイヤの回転により発生する騒音レベルを測定するタイヤ単体台上騒音試験方法であって、回転ドラムにパターン無しのテストタイヤを圧着する工程と、外周面に、試験すべきタイヤのパターンを有し、異なるパターンを測定するための複数の樹脂からなる複数のパターンテストリングをテストリング装着ドラムに対して嵌合自在に装着してテストタイヤに圧接する工程と、回転ドラムを回転させる工程とを有することを特徴とする。
また、回転ドラムとテストタイヤとの回転による騒音レベルと、パターンテストリングとテストタイヤとの回転による騒音レベルとの合成音レベルとを測定する工程と、テストタイヤに対して接離自在とされたテストリング装着ドラムがテストタイヤから離された後、回転ドラムとテストタイヤとの回転による騒音レベルを測定する工程と、テストリング装着ドラムがテストタイヤから離されたときの騒音レベルを合成音レベルから減算し、パターンテストリングとテストタイヤとの回転のみによる騒音テストタイヤが材質や内部構造の異なる他のテストタイヤと入れ替えられたときの合成音レベルの測定と、テストリング装着ドラムがテストタイヤから離されたときの騒音レベルの測定とを行う工程を有するようにすることができる。
本発明に係るタイヤ単体台上騒音試験方法においては、テストリング装着ドラムの移動により回転ドラムに圧着されるパターン無しのテストタイヤにパターンテストリングを圧接して回転ドラムとパターンテストリングとの合成音レベルを測定し、さらにテストリング装着ドラムをテストタイヤから離して回転ドラムとの回転による騒音レベルを測定した後、テストリング装着ドラムをテストタイヤから離したときの騒音レベルを合成音レベルから減算することで、パターンテストリングとテストタイヤとの回転のみによる騒音レベルが得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明のタイヤ単体台上騒音試験装置の一実施の形態を示す斜視図、図2〜図5は、図1のタイヤ単体台上騒音試験装置によるタイヤ単体台上騒音試験方法を説明するための図である。
【0009】
図1に示すように、タイヤ単体台上騒音試験装置は、回転ドラム10、テストリング装着ドラム20、パターンテストリング21を備えている。回転ドラム10は、規定の荷重で圧着されたゴム製のパターン無しのテストタイヤ30を規定の速度で回転させるものである。テストリング装着ドラム20は、パターンテストリング21が着脱自在に嵌合され、その嵌合面が回転ドラム10の外周面と対向するように配置され、さらに回転ドラム10に対して接離自在に設けられている。
パターンテストリング21は、樹脂製であり、外周面に試験すべきタイヤのパターンが形成されている。タイヤのパターンは、たとえば3Dデータを基にNC工作マシーンによって形成されたものである。タイヤのパターンは、各種あるため、それぞれのパターンに合わせたパターンテストリング21が複数用意されている。
【0010】
次に、タイヤ単体台上騒音試験方法について説明する。
まず、図2及び図3に示すように、回転ドラム10上にパターン無しのテストタイヤ30を規定の荷重で圧着させて載置する(ステップS1)。次いで、テストリング装着ドラム20にパターンテストリング21を嵌合した後、そのテストリング装着ドラム20をテストタイヤ30側に移動させ、パターンテストリング21をテストタイヤ30に圧接させる(ステップS2,S3)。
このとき、マイクロホン40をたとえばテストタイヤ30の中心から横へ1mの位置に設置しておく。なお、マイクロホン40の位置は、テストタイヤ30の中心から横へ1mに限るものではなく、周囲の環境に合わせて、適宜に決められるようにすることができる。これらの準備が整った後、回転ドラム10を駆動させる(ステップS4)。回転ドラム10の駆動により、テストタイヤ30が回転するとともに、テストタイヤ30にパターンテストリング21を介して圧接しているテストリング装着ドラム20も回転する。このとき、図4に示すように、樹脂製のパターンテストリング21がゴム製のテストタイヤ30より硬いため、パターンテストリング21がテストタイヤ30に若干食い込んだ状態で両者が互いに逆方向に回転する。また、このときのテストタイヤ30に対するパターンテストリング21の接地長さ及び接地形状は、騒音に影響を及ぼす要因であるが、その要因による騒音もパターンテストリング21によって得られる。
【0011】
この状態でマイクロホン40により、騒音レベルを測定する。このとき、回転ドラム10とテストタイヤ30との回転による騒音レベル(A+B)と、パターンテストリング21とテストタイヤ30との回転による騒音レベル(B+C)との合成音レベル{(A+B)+(B+C)}が測定される(ステップS5)。
次いで、図5に示すように、テストリング装着ドラム20をテストタイヤ30から離し(ステップS6)、回転ドラム10を駆動させ(ステップS7)、マイクロホン40により、騒音レベルを測定する。このとき、回転ドラム10とテストタイヤ30との回転による騒音レベル(A+B)が測定される(ステップS8)。
そして、テストリング装着ドラム20のパターンテストリング21を用いた場合の合成音レベル{(A+B)+(B+C)}から、テストリング装着ドラム20のパターンテストリング21を用いない場合の騒音レベル(A+B)を減算することで(ステップS9)、パターンテストリング21とテストタイヤ30との回転による騒音レベル(B+C)が測定される。
【0012】
以上のようなパターンテストリング21とテストタイヤ30との回転による騒音レベルの測定を、テストリング装着ドラム20にパターンの異なる他のパターンテストリング21に付け替えて行うことにより、各種パターンに合わせた騒音レベルの測定を行うことができる。この場合、ゴム材質や内部構造等を変えたパターン無しのテストタイヤ30を何本か用意しておくことで、パターンテストリング21の各種パターンとテストタイヤ30のゴム材質や内部構造等との組み合わせによる騒音レベルの測定も行うことができる。
【0013】
このように、本実施の形態では、テストリング装着ドラム20の移動により回転ドラム10に圧着されるパターン無しのテストタイヤ30にパターンテストリング21を圧接して回転ドラム10とパターンテストリング21との合成音レベル{(A+B)+(B+C)}を測定し、さらにテストリング装着ドラム20をテストタイヤ30から離して回転ドラム10とテストタイヤ30との回転による騒音レベル(A+B)を測定した後、テストリング装着ドラム20をテストタイヤ30から離したときの騒音レベル(A+B)を合成音レベルから減算することで、パターンテストリング21とテストタイヤ30との回転のみによる騒音レベル(B+C)が得られるようにした。
【0014】
これにより、異なるパターンの騒音レベルを測定するために、テストリング装着ドラム20に着脱自在に嵌合されるパターンの異なるパターンテストリング21のみを試作すればよいので、従来のように、パターン毎の比較的高価な金型を制作する必要がなくなり、コストを大幅に低減することができる。
また、異なるパターンの騒音レベルを測定するために、パターンの異なるパターンテストリング21をテストリング装着ドラム20に付け替えればよいので、従来のように、比較的重量のあるタイヤの付け替え作業が不要となり、騒音測定を極めて容易に行うことができる。
しかも、異なるパターンの騒音レベルの測定は、パターンの異なるパターンテストリング21の付け替えによって行われるため、騒音測定を短時間で行うことができる。
また、ゴム材質や内部構造等を変えたパターン無しのテストタイヤ30を何本か用意しておくことで、パターンテストリング21の各種パターンとテストタイヤ30のゴム材質等との組み合わせによる騒音測定も行うことができる。
【0015】
【発明の効果】
以上の如く本発明に係るタイヤ単体台上騒音試験方法によれば、低コストで容易にしかも短時間で騒音測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤ単体台上騒音試験装置の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1のタイヤ単体台上騒音試験装置によるタイヤ単体台上騒音試験方法を説明するためのフローチャートである。
【図3】図1のタイヤ単体台上騒音試験装置によるテストリング装着ドラム有りの場合のタイヤ単体台上騒音試験方法を説明するための正面図である。
【図4】図1のパターンテストリングとテストタイヤとの接地状態を示す図である。
【図5】図1のタイヤ単体台上騒音試験装置によるテストリング装着ドラム無しの場合のタイヤ単体台上騒音試験方法を説明するための正面図である。
【符号の説明】
10 回転ドラム
20 テストリング装着ドラム
21 パターンテストリング
30 テストタイヤ
40 マイクロホン
Claims (3)
- 規定の荷重で圧着されたタイヤを回転させる回転ドラムを備え、前記タイヤから所定距離離れた位置で、前記タイヤの回転により発生する騒音レベルを測定するタイヤ単体台上騒音試験方法であって、
前記回転ドラムにパターン無しのテストタイヤを圧着する工程と、
外周面に、試験すべきタイヤのパターンを有し、異なるパターンを測定するための複数の樹脂からなる複数のパターンテストリングをテストリング装着ドラムに対して嵌合自在に装着して前記テストタイヤに圧接する工程と、
前記回転ドラムを回転させる工程とを有する
ことを特徴とするタイヤ単体台上騒音試験方法。 - 前記回転ドラムと前記テストタイヤとの回転による騒音レベルと、前記パターンテストリングと前記テストタイヤとの回転による騒音レベルとの合成音レベルとを測定する工程と、
前記テストタイヤに対して接離自在とされた前記テストリング装着ドラムが前記テストタイヤから離された後、前記回転ドラムと前記テストタイヤとの回転による騒音レベルを測定する工程と、
前記テストリング装着ドラムが前記テストタイヤから離されたときの前記騒音レベルを前記合成音レベルから減算し、前記パターンテストリングと前記テストタイヤとの回転のみによる騒音レベルを得る工程とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ単体台上騒音試験方法。 - 前記テストタイヤが材質や内部構造の異なる他のテストタイヤと入れ替えられたときの前記合成音レベルの測定と、前記テストリング装着ドラムが前記テストタイヤから離されたときの前記騒音レベルの測定とを行う工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ単体台上騒音試験方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002381893A JP2004212208A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | タイヤ単体台上騒音試験方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002381893A JP2004212208A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | タイヤ単体台上騒音試験方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004212208A true JP2004212208A (ja) | 2004-07-29 |
Family
ID=32817678
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002381893A Pending JP2004212208A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | タイヤ単体台上騒音試験方法 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2004212208A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005116638A1 (en) * | 2004-05-27 | 2005-12-08 | Better Loggers Pty Ltd | Apparatus for testing a tyre and/or road surface |
JP2006306278A (ja) * | 2005-04-28 | 2006-11-09 | Railway Technical Res Inst | 推定方法 |
JP2015152583A (ja) * | 2014-02-19 | 2015-08-24 | 東洋ゴム工業株式会社 | 騒音低減装置の性能評価システム及び騒音低減装置の性能評価方法 |
-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002381893A patent/JP2004212208A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2005116638A1 (en) * | 2004-05-27 | 2005-12-08 | Better Loggers Pty Ltd | Apparatus for testing a tyre and/or road surface |
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