JP2004211932A - 熱輸送装置及びこの装置を備えた電子機器 - Google Patents

熱輸送装置及びこの装置を備えた電子機器 Download PDF

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貴之 小坂
Kenji Suzuki
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Abstract

【課題】取扱い易く機器に容易に組込むことが可能な熱輸送装置を得ることにある。
【解決手段】第1流体流路16を有した受熱部2と、第1流体流路に連通される第2流体流路17を有した放熱部3と、熱輸送装置本体4と、を具備する。受熱部2を発熱体に熱的に接続し、放熱部3を放熱体に熱的に接続する。熱輸送装置本体4は、第1流体流路の入口16a及び第2流体流路の出口17bに両端を連通する第3流体流路19、及び受熱部2と放熱部3とに熱輸送流体を強制的に循環させる流体ポンプを有する。受熱部2及び放熱部3並びに熱輸送装置本体4は一体に作られている。これにより、熱輸送装置1全体が板状をなしており、この熱輸送装置1の一部に第1ないし第3の流体流路16、17、19が環状に連続して一体に形成されていることを特徴としている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば携帯形パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、デジタル録音機等の電子機器、及びこれらの電子機器に内蔵された発熱する半導体部品等の冷却や加熱を担う熱輸送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高い冷却効率を得るために流体を熱輸送媒体として用いて、電子機器に組込まれた発熱する半導体部品を強制冷却する冷却装置が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
この特許文献1の冷却装置は、受熱部としての受熱ヘッドと、放熱部としての放熱ヘッドと、これら両ヘッドを接続する循環経路とを備えている。受熱ヘッドは発熱する半導体パッケージに熱的に接続され、放熱ヘッドは液晶表示パネルの背後においてディスプレイハウジングに熱的に接続されている。循環経路は、金属製の丸パイプで作られていて、その途中には熱輸送流体を強制循環させるポンプを取付けているが、このポンプの具体的構成については言及がない。この特許文献1の冷却装置では、ディスプレイユニットを放熱体とする放熱ヘッドと受熱ヘッドとの間に、熱輸送流体をポンプの駆動力で強制的に循環させることにより、発熱体である半導体パッケージの熱を、効率よくディスプレイユニットに輸送してここから放出できる。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−14747号公報(段落0041−0053、0057−0060、図1−図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1では、ポンプと受熱ヘッドとの間、ポンプと放熱ヘッドとの間、及び両ヘッド間を、いずれも金属製丸パイプで接続することにより循環経路を形成している。このため、従来の冷却装置は、枠状をなしており、製造時や機器への組込み時におけるハンドリングに不向きであるので、機器への組込み作業性が良くない。更に、発熱体及び放熱体等は冷却装置が組込まれる機器の様々な場所に配置されているので、従来の冷却装置を、ユニット化した状態で、機器本体に組込むことも困難であり、組込み作業性の改善が求められている。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、取扱い易く機器に容易に組込むことが可能な熱輸送装置を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係る熱輸送装置は、第1流体流路を有して発熱体に熱的に接続される受熱部と、前記第1流体流路に連通される第2流体流路を有して放熱体に熱的に接続される放熱部と、前記第1流体流路の端部及び前記第2流体流路の端部に両端を連通する第3流体流路、及び前記受熱部と放熱部とに熱輸送流体を強制的に循環させる流体ポンプを有する熱輸送装置本体と、を具備する熱輸送装置であって、前記熱輸送装置本体の一部に前記第3流体流路を一体に形成したものである。
【0008】
前記課題を解決するために、本発明に係る熱輸送装置は、第1流体流路を有して発熱体に熱的に接続される受熱部と、前記第1流体流路に連通される第2流体流路を有して放熱体に熱的に接続される放熱部と、前記第1流体流路の端部及び前記第2流体流路の端部に両端を連通する第3流体流路、及び前記受熱部と放熱部とに熱輸送流体を強制的に循環させる流体ポンプを有する熱輸送装置本体と、を具備する熱輸送装置であって、前記受熱部及と前記放熱部との少なくとも一方並びに前記熱輸送装置本体が一体に作られているとともに、一部に前記第1流体流路と第2流体流路と第3流体流路を環状に連続して一体に形成したものである。
【0009】
前記課題を解決するために、本発明に係る熱輸送装置は、第1流体流路を有して発熱体に熱的に接続される受熱部品と、第2流体流路を有して放熱体に熱的に接続される放熱部品と、前記受熱部品の収容部及び前記放熱部品の収容部を有して、前記第1流体流路の端部と前記第2流体流路の端部とを連通するとともに前記第1流体流路の端部と前記第2流体流路の端部を連通して環状に連続する環状流体流路、及び前記受熱部品と放熱部品とに熱輸送流体を強制的に循環させる流体ポンプを備える熱輸送装置本体と、を具備する熱輸送装置であって、この本体の一部に環状の前記流体流路を一体に形成したものである。
【0010】
これらの発明で、熱輸送流体には、水、又は水が0℃以下になっても凍結しないようにするための不凍剤を水に加えてなる不凍液を好適に使用できる。これらの発明で、第1、第2の流体流路は受熱部又は発熱部品や放熱部又は放熱部品での流路密度を高めるとともに、熱輸送流体の流れ方向を一定化するために蛇行状に作ることが好ましい。
【0011】
更に、これら各発明の好ましい形態として、前記熱輸送装置本体が、流路溝を有する板状のベースと、前記流路溝を覆って前記ベースの少なくとも一面に被着された封止層とを備えていて、前記流路溝と前記封止層とで前記第1ないし第3の流体流路の内の少なくとも前記第3流体流路又は前記環状流体流路を形成することができる。更に、これらの発明で、少なくとも熱輸送装置本体は、平板状に制約されず、折れ曲がっている形態も含んでいる。
【0012】
各発明の好ましい形態として、前記受熱部又は前記受熱部品と前記放熱部又は前記放熱部品との内の一方を、前記熱輸送装置本体の一面側に設け、他方を前記熱輸送装置本体の他面側に設けることができる。
【0013】
各発明の好ましい形態として、前記ベース及び封止層を自在に変形し得る材料で作るとよい。更に、各発明の好ましい形態として、流体流路に連通する流体注入口を備えるとよい。
【0014】
各発明の好ましい形態として、前記封止層を2層以上とすることができる。この場合、前記封止層が複数層であって、前記受熱部又は前記受熱部品と前記放熱部又は前記放熱部品との内の少なくとも一方に対応する位置の封止層の層数を、他の位置での封止層の層数より少なくするとよい。更に、前記封止層が第1、第2の封止層を備え、前記第2封止層が前記第1封止層よりも良断熱性材料で作られているとともに、前記第1封止層が前記第2封止層よりも熱伝導性に優れた材料で作られていて、前記第2封止層が、前記受熱部又は前記受熱部品と前記放熱部又は前記放熱部品との内の少なくとも一方に対応する位置に開口を有した構成とできる。しかも、前記受熱部又は前記受熱部品を、他より層の数が少ない封止層部分を介して前記発熱体に熱的に接続するとよく、同様に、前記放熱部又は前記放熱部品を、他より層の数が少ない封止層部分を介して前記放熱体に熱的に接続するとよい。
【0015】
各発明の好ましい形態として、少なくとも1層の前記封止層を前記熱輸送装置本体を内包する袋状とすることができる。
【0016】
各発明の好ましい形態として、前記流体ポンプは、ダイアフラム駆動式の容積型流体ポンプであって、前記ベースに作られたポンプ室と、このポンプ室を閉じるダイアフラムと、前記ポンプ室の入口とこれに連通する前記第3流体流路との間に設けられ前記第3流体流路から前記入口への前記熱輸送流体の流れのみを許す入口弁と、前記ポンプ室の出口とこれに連通する前記第3流体流路との間に設けられ前記出口から前記第3流体流路への前記熱輸送流体の流れのみを許す出口弁とを備えることができる。この場合、前記ダイアフラムを、前記ポンプ室を覆っている前記封止層の一部で作るとよい。更に、前記入口弁及び出口弁が固定端を支点に可動し得る薄片状であって、これら両弁を前記ダイアフラムと略平行に配置するとよい。
【0017】
各発明の好ましい形態として、前記流体ポンプを動作させる駆動アクチュータを前記熱輸送装置本体に搭載することができる。この場合、前記駆動アクチュータが、固定端部及び自由端部を有する可撓性の片持ち板ばねと、このばねと前記ダイアフラムとを接続して設けられた連動部と、前記自由端部に取付けられたマグネットと、このマグネットに対応させて前記熱輸送装置本体に内蔵された電磁コイルとを具備する構成とできる。更に、前記駆動アクチュータと電気的に接続して前記封止層に取付けられた電極とを具備した構成とすることもできる。
【0018】
各発明の好ましい形態として、前記熱輸送装置本体が環状に連続している前記流体流路に沿う流体溜まり部を有した構成とすることもできる。この場合、前記流体溜まり部への流体の流入を検出する流体検出手段を備えるとよい。しかも、前記流体検出手段を、前記流体溜まり部内に配置されて相互間の電気的特性の変化を検出する複数の電極と、これら電極に接続されて前記熱輸送装置本体外に導出された端子とを有した構成とすることができる。
【0019】
各発明の好ましい形態として、前記受熱部又は前記受熱部品と前記放熱部又は前記放熱部品との内の少なくとも一方に対応する前記熱輸送装置本体の位置に、補強部材を設けることができる。この場合、前記補強部材が良熱伝導性であって、前記受熱部又は前記受熱部品と前記放熱部又は前記放熱部品との内の少なくとも一方が、前記補強部材を介して前記発熱体又は前記放熱体に熱的に接続されている構成とすることができる。
【0020】
以上の各発明に係る熱輸送装置では、その少なくとも熱輸送装置本体が板状に作られていて、この板状部分に流体ポンプとこれと連続した第3流体流路とが一体に形成されている。このため、少なくとも熱輸送装置本体の様々な部位をハンドリングできるので取扱いが容易となり、更に重ねて保管しても第3流体流路が絡み合うこと等がなくなり、この点においても取扱い易い。
【0021】
前記課題を解決するために、本発明に係る電子機器は、発熱体を内蔵する機器本体と、この機器本体に設けられたディスプレイユニットと、前記機器本体に内蔵された前記各発明に係る熱輸送装置とを具備し、前記熱輸送装置の受熱部又は受熱部品を前記発熱体に熱的に接続するとともに、前記熱輸送装置の放熱部又は放熱部品を、前記ディスプレイユニットの裏面に沿うように配置してこのディスプレイユニットに熱的に接続している。
【0022】
前記課題を解決するために、本発明に係る電子機器は、発熱体を内蔵するとともに放熱体を有する機器本体と、この機器本体に内蔵された前記各発明に係る熱輸送装置であって、この熱輸送装置の受熱部又は受熱部品が前記発熱体に熱的に接続されているとともに、前記熱輸送装置の放熱部又は放熱部品が、前記放熱体に熱的に接続されている熱輸送装置と、を具備している。
【0023】
これらの発明に係る機器としては、例えば携帯形或いは据置き形のパーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、デジタル録音機等を挙げることができ、更に他の電子機器にも本発明は適用可能である。これらの電子機器が有する発熱体としては、発熱する半導体を有する電子部品例えばCPU、LSI、CCDなどを挙げることができる。なお、これらの電子機器において、本発明の熱輸送装置以外に他の冷却手段等を併用することは妨げない。
【0024】
これらの発明に係る電子機器は、流体を強制循環させて冷却を担う既述の熱輸送装置を備えているので、発熱体の冷却効率がよいだけではなく、この熱輸送装置を機器本体に容易に組込むことが可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0026】
第1実施形態の熱輸送装置は例えば発熱する電子部品の冷却装置1として使用されるもので、図1及び図2等に示すように受熱部2、放熱部3、及び熱輸送装置本体(以下装置本体と略称する。)4とを一体に形成した板状をなしているとともに、前記各部2〜4にわたって連続して環状をなす流体流路を備えている。この環状の流体流路はそれ自体が装置本体4とは独立した流路構造をなすものではなく、装置本体4と一体に取扱われるように装置本体4の一部に作られている。
【0027】
装置本体4は、ベース11と、例えばこのベース11の厚み方向両面に個別に積層された封止層12、13とを備えている。
【0028】
ベース11は、装置本体4全体に所定の強度を与えるための構造体としての機能を備えるものであって、その形状や厚みは任意に設定でき、例えば四角形状としてある。このベース11は、金属、合成樹脂、ゴム等の材料で作ることができる。本実施形態では、装置本体4全体が自在に変形できるようにし、かつ電気絶縁性及び断熱性を持たせるために、可撓性材料例えばゴム、好適にはシリコンゴム製としてある。
【0029】
図2に例示するようにベース11にはその厚み方向両面に夫々開放する環状の流路溝15が一体に設けられている。この流路溝15は、流体流路16〜19を備えている。第1流体流路16はベース11の長手方向一端部に設けられて蛇行状をなしている。第2流体流路17はベース11の長手方向他端部に設けられて蛇行状をなしている。
【0030】
中継用の流体流路18は、第1流体流路16の端部である出口16bと第2流体流路17の端部である入口17aとに両端を一体に連続してベース11の長手方向中間部に、このベース11の一方の長辺に沿って設けられている。流体流路18は第1、第2の流体流路16、17を連通している。第3流体流路19は、第1流体流路16の入口16aと第2流体流路17の出口17bとに両端を一体に連続してベース11に、このベース11の他方の長辺に沿って設けられている。第3流体流路19は第1、第2の流体流路16、17を連通している。
【0031】
第3流体流路19は、その一部例えば長手方向中間部に後述の流体ポンプのポンプ室20を含んでいる。このポンプ室20は第1、第2の流体流路16、17間に位置してベース11の長手方向中央部に作られていて、入口20aと出口20bとを有している。
【0032】
第3流体流路19はポンプ室20を境に流入側流路部分19aと流出側流路部分19bとに分けられている。流入側流路部分19aの一端は前記出口17bに連通され、流入側流路部分19aの他端はポンプ室20の入口20aに連通されている。流出側流路部分19bの一端は前記入口16aに連通され、流入側流路部分19bの他端はポンプ室20の出口20bに連通されている。
【0033】
図4(A)に例示するようにポンプ室20の入口20aと出口20bとは例えば並設されている。入口20aと出口20bとには、夫々液圧により動かされる薄板状の逆止弁からなる入口弁21又は出口弁22が個別に設けられている。図2では説明の都合上、これらの弁21、22は省略してある(なお、この点は、第1実施形態等を援用する後述の各実施形態でも格別な説明を加えない限り同様である。)。
【0034】
入口弁21及び出口弁22は、封止層12、13と略直交する方向に沿って、言い換えれば、装置本体4の厚み方向に沿って立つように配置されている。入口弁21は、流路溝15の一部である流入側流路部分19aから入口20aへの流体の流れ(図4(A)中に矢印Xで示す。)のみを許し、この逆の流れを妨げるように入口20aを開閉する。出口弁22は、出口20bから流路溝15の一部である流出側流路部分19bへの流体の流れ(図4(A)中に矢印Yで示す。)のみを許し、この逆の流れを妨げるように出口20bを開閉する。
【0035】
図2及び図4(A)(B)中符号23は装置本体4に作られた駆動部収容溝23を示している。この収容溝23はベース11の幅方向に沿ってポンプ室20に並設されている。
【0036】
前記第1、第2の封止層12、13は、いずれもベース11の変形に自在に追従できる材料で、かつ、ベース11よりもかなり薄く作られている。このような材料としては合成樹脂製の可撓性フィルムを好適に使用可能である。なお、ベース11が硬質である場合には封止層12、13は変形が困難な材料で作ることができる。
【0037】
ベース11よりも熱伝導性に優れた良熱伝導性フィルムを用いることは、受熱部2での受熱特性と放熱部3での放熱特性を向上させ得る点で好ましい。しかも、第1実施形態では、第1封止層12を良熱伝導性の可撓性フィルムとし、第2封止層13を第1封止層12より熱伝導性が劣リ、好ましく断熱性能に優れた可撓性フィルムを採用して、受熱特性と放熱特性とをより向上させるようにしている。更に、第1、第2の封止層12、13に電気絶縁性を有するフィルムを採用する場合には、後述する機器内への設置において回路基板などに積層しても、基板上の電気部品との間での電気絶縁が可能である点で好ましい。
【0038】
封止層12、13は、いずれもベース11と略同じ大きさである。第1封止層12はベース11の一面に被着され、第2封止層13はベース11の他面に被着されている。これらの被着は、熱圧着によって、或いは接着剤を介して行われ、それによってベース11に形成された各種の溝15、23等の開放面が閉じられている。接着剤を用いて封止層12、13をベース11に接着する場合、ベース11への封止層12、13の接合面の少なくとも所定領域に予め接着剤が層をなして設けられている封止層12、13を好適に使用可能である。
【0039】
蛇行状の第1流体流路16及びこれを覆っている封止層12の流路カバー領域2a(図2参照)とによって、装置本体4と一体の受熱部2が作られている。蛇行状の第1流体流路16及びこれを覆っている封止層12の流路カバー領域3a(図2参照)とによって放熱部3が作られている。第1実施形態では受熱部2と放熱部3とは装置本体4の同一面に設けられている。
【0040】
装置本体4は例えば周部に位置して流体注入口24を備えている。流体注入口24は環状流路溝15に連通している。図2及び図4に示すように流体注入口24は、ベース11の周縁から一体に突出された出入り口部24aの一面を、封止層12から一体に突出された閉鎖部12aで閉じるとともに、出入り口部24aの先端及び他面を、閉鎖部12aより長く封止層13から一体に突出された閉鎖部13aで閉じることによって作られている。閉鎖部13aは閉鎖部12aに重なって接着されている。なお、この構成に代えて、閉鎖部12aを閉鎖部13aより長くして、この閉鎖部12aで出入り口部24aの先端及び他面を閉じるようにしてもよい。
【0041】
流体注入口24は必要に応じて開閉可能である。流体注入口24を開くには、閉鎖部13a又は12aを剥がすことで行われる。このように流体注入口24を開閉できることにより、製造時における環状流体流路16〜19への熱輸送流体の注入が可能であるだけではなく、冷却装置1の使用後に、何らかの原因で熱輸送流体を補充する必要を生じた場合に、流体注入口24を用いて熱輸送流体を補充するメンテナンスが可能となる。熱輸送流体には不凍液を好適に使用できる。不凍液の使用により、低温環境下での使用においても熱輸送機能を発揮できる。
【0042】
装置本体4には、その第3流体流路19の途中に位置してダイアフラム駆動式の容積型流体ポンプ(以下ポンプと略称する。)25が一体に設けられている。ポンプ25は、前記ポンプ室20と、入口弁21と、出口弁22と、ダイアフラム26とを備えて作られている。ポンプ室20はその厚み方向片側から封止層12で閉じられている。
【0043】
ダイアフラム26はポンプ室20を片側から覆っている可撓性合成樹脂フィルム製の封止層12の一部で作られている。このようにダイアフラム26を封止層12の一部で兼ねる構成は、特別にダイアフラムを用意する必要がない。このため、ポンプ25を構成する上での部品点数及び組立工数を削減できる等の点で有利であり、コストダウンを図る上での貢献が可能である。
【0044】
ポンプ25のダイアフラム26がベース11の装置本体4の厚み方向に沿ってポンプ室20内に押込まれるように可撓変形する場合は、ポンプ室20の内圧が高まるので、ポンプ室20内の流体が出口弁22を通って流出側流路部分19bに排出される。この時、入口弁21にはこれを閉じるようにポンプ室20の内圧が作用するので、この入口弁21は閉じている。この逆に、ポンプ25のダイアフラム26が装置本体4の厚み方向に沿ってポンプ室20外に持ち上がるように可撓変形する場合は、ポンプ室20の内圧が低くなるので、流入側流路部分19a内の流体が入口弁21を通ってポンプ室20に吸込まれる。この時、出口弁22にはこれを閉じるようにポンプ室20の内圧が作用するので、この出口弁22は閉じている。このようにダイアフラム26をその膜厚方向に振動させることにより、ポンプ25は冷却装置1の環状流体流路に熱輸送流体を強制的に循環させるポンプ動作を営むことができる。
【0045】
装置本体4に搭載されてダイアフラム26を振動させる駆動部としての駆動アクチュエータ31が、図4(A)(B)に例示されている。この構成により、熱輸送装置1と駆動アクチュエータ31とがユニット化されるので、これらを一体に取扱うことができ、後述の機器本体等への組込みが容易となる。
【0046】
駆動アクチュエータ31は、片持ち板ばね32と、連動部33と、電磁コイル34とを備えている。詳しくは、可撓性を有した平板からなる片持ち板ばね32の一端部は、台座35を介して装置本体4の第1封止層12上に固定されている。これらの固定は接着によりなされている。この固定により片持ち板ばね32は、ポンプ室20を恰も横切るようにポンプ室20に対応してその真上に(図4において)に配置されるとともに、片持ち板ばね32の平面視例えば略T字状をなす自由端部は、駆動部収容溝23に対応してその真上に(図4において)に配置されている。図4(B)に示すように片持ち板ばね32の自由端部には、封止層12と対向する磁性板36が取付けられている。この磁性板36は磁性体例えば鉄系金属又は磁石等で作られている。なお、駆動アクチュエータ31全体を機器本体4上に搭載しない場合には、片持ち板ばね32の固定を、熱輸送装置1が組込まれる後述の機器本体に求めることも可能である。
【0047】
連動部33は、片持ち板ばね32の長手方向中間部とダイアフラム26とに夫々固定されて、これらを接続して設けられている。片持ち板ばね32及びダイアフラム26に対する連動部33に固定は例えば接着剤を介してなされている。電磁コイル34は駆動部収容溝23に収容されている。このコイル34の図示しない端末部は装置本体4外に引出されて図示しない駆動回路に接続されている。駆動回路は、電磁コイル34に交流などを印加するものであり、その印加電流の大きさや印加間隔を調整可能とすることはポンプの能力を調整できる点で好ましい。
【0048】
電磁コイル34に電流が印加されて、このコイル34が励磁されることにより、例えば磁性板36が電磁コイル34に封止層12を間に置いて磁気的に吸引される。このため、片持ち板ばね32が封止層12に近づくように弾性変形するので、ポンプ25のポンプ室20は加圧状態となる。この逆に、電磁コイル34の励磁が解除され前記磁気吸引作用が消失されることにより、片持ち板ばね32が自らの弾性力で封止層12から遠ざかるように変形するので、ポンプ25のポンプ室20は減圧状態となる。したがって、駆動回路により電流方向が交互に切換えられ電磁コイル34が繰返し励磁されるに伴い、ポンプ室20が加圧状態と減圧状態とを繰返して、ポンプ25が既述のポンプ作動を営むことができる。
【0049】
前記構成を備えた冷却装置1を電子機器41例えば携帯形のパーソナル・デジタル・アシスト(PDA)に組込んだ例が図5(A)(B)に示されている。図5(A)(B)中符号42で示す機器本体は、本体ベース43と本体カバー44とを備えている。本体カバー44は本体ベース43に対してヒンジ45を介して回動可能に連結されている。本体カバー44の回動により、電子機器41の非使用時には本体カバー44が本体ベース43に重なって閉じる姿勢を保持でき、電子機器41の使用時には本体カバー44が本体ベース43に対して斜め後方に起きる開き姿勢を保持できるようになっている。
【0050】
本体ベース43の上面にはキーボード等の操作部46が設けられている。本体ベース43には各種の電子部品が搭載された回路基板47および電池48が内蔵されている。回路基板47に搭載された電子部品には、発熱体例えば通電に伴い発熱する例えばMPU(マイクロ・プロセッシング・ユニット)等の電子部品49が含まれている。本体カバー44には、液晶ディスプレイユニット50が組込まれている。このユニット50の表示面は大気中への放熱ができるように本体カバー44の前面に露出している。
【0051】
図5(B)に示すように冷却装置1は、本体ベース43と本体カバー44とにわたって内蔵されている。冷却装置1の受熱部2は、発熱を伴う電子部品49に熱的に接続して、好ましくは直接接している。更に、冷却装置1の受熱部2側部分は回路基板47上に重ね合うように配置されている。冷却装置1の放熱部3は、液晶ディスプレイユニット50の裏面に沿うように配置されて、このユニット50に熱的に接続されている。したがって、液晶ディスプレイユニット50は放熱部3の熱を受けて本体カバー44の外に放出する放熱体として用いられるようになっている。
【0052】
以上のように冷却装置1が内蔵された電子機器41が使用されるときには、その本体ベース43内等に収容された前記駆動回路によってポンプ25が駆動される。ポンプ25のポンプ室20の出口弁22を通って吐き出された熱輸送流体は、流出側流路部分19bを通って、この部分19bに入口16aが一体に繋がっている第1流体流路16を流通するので、それに伴い電子部品49の熱が受熱部2において第1流体流路16を流通する熱輸送流体に伝熱する。こうして電子部品49を冷却した熱輸送流体は、第1流体流路16の出口16bから第3流体流路18を経て、この流路18が一体に繋がっている第2流体流路17を流通する。このため、放熱部3において熱輸送流体の熱が液晶ディスプレイユニット50に伝熱されて、外部に放出される。更に、こうして放熱部3で低温となった熱輸送流体は、第2流体流路17の出口17bに一体に繋がっている流入側流路部分19aから入口弁21を通ってポンプ室20に還流する。
【0053】
このように熱輸送流体をポンプ25の動作で繰返し強制循環させることにより、発熱を伴う電子部品49の熱を、効率よく放熱体であるディスプレイユニット50に輸送して、大気中に放出できる。このため、電子部品49を効率よく冷却して、この電子部品49の性能を発揮させることが可能であるとともに、冷却に伴う騒音も実質的には無視できる。
【0054】
前記構成の冷却装置1は、その全体の形状を決めている装置本体4が板状に作られていて、この板状部分にポンプ25とこれと連続した環状の流体流路16〜19が一体に形成されている。流体が通る部分のみがポンプ25に接続されている構成とは異なり、冷却装置1自体が可撓性を有するにも拘らず、冷却装置1としての形状は、装置本体4によって規定されるとともに、装置本体4の様々な部位をハンドリングすることが可能となり、かつ、その際に各部の自由な動きを抑制可能である。このため、装置本体4ひいて冷却装置1の取扱いが容易となり、更に装置本体4を重ねて保管した場合等においても第3流体流路18、19が絡み合うこと等がなくなる。したがって、冷却装置1を機器本体42内に容易に組込みことができる。
【0055】
更に、本体ベース43と本体カバー44とにわたっている冷却装置1は、既述のように可撓性を有している。このため、回路基板47に搭載されている各種電子部品の高さの差等に制約されることなく、回路基板47に沿わせて組込むこと等が可能であり、この点でも機器本体42への冷却装置1の組込みが容易である。これにより、冷却装置1の放熱部2と発熱する電子部品49との密接性を確保し易い。
【0056】
しかも、冷却装置1が可撓性を有しているので、本体ベース43に対する本体カバー44の回動を、冷却装置1が妨げないようにできるとともに、既述のように本体ベース43と本体カバー44とにわたる冷却装置1の配置が可能となる。なお、冷却装置1の一部に例えばくびれ部を設けるなどにより他の部分よりも狭くして、この狭くした部分の少なくとも一部を前記ヒンジ45に対応して位置させる場合には、更に本体カバー44の回動に対する冷却装置1に追従性を向上できる。
【0057】
図6は本発明の第2実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じ構成であるので、機能的に同一部分には第1実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。
【0058】
第2実施形態では、第1実施形態で採用した封止層13を省略する代わりに、ベース11の環状流路溝15の厚み方向一端がベース11の他面側部分で塞がれた構成としてある。
【0059】
この点以外の構成は第1実施形態と同じである。したがって、第2実施形態は、第1実施形態と同様な作用を得て、本発明の課題を解決できる。しかも、装置本体4がベース11と封止層12との2層構造であるので、部品点数及び製造工数を削減でき低コストで作ることが可能であるとともに、ベース11に対して剥れる恐れが考えられる封止層を、ベース11の片面側に集めて例えば単層にできる点で好ましい。
【0060】
図7は本発明の第3実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じ構成であるので、機能的に同一部分には第1実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。
【0061】
第3実施形態では、第1実施形態で採用した第2封止層を省略する代わりに、図7(B)に示すようにベース11の環状流路溝15の厚み方向一端をベース11の他面側部分で塞いでいるとともに、装置本体4の受熱部2と放熱部3との間での可撓変形をより容易にするために、受熱部2側を広く、放熱部3側を狭くしている。
【0062】
更に、第3実施形態では、補強部材61を第1流体流路16に重ねて設けているとともに、補強部材62を第2流体流路17に重ねて設けている。封止層12は、これら補強部材61、62を覆ってベース11の一面(この面には流体流路が開放されている。)に被着されている。補強部材61、62は、ベース11及び封止層12よりも強度が高い薄板で作られていて、ベース11よりも熱伝導性材料が優れた材料、例えばアルミニュームやその合金などのような良熱伝導性材料で好適に作ることができる。
【0063】
これらの点以外の構成は第1実施形態と同じである。したがって、第3実施形態は、第1実施形態と同様な作用を得て、本発明の課題を解決できる。しかも、装置本体4がベース11と封止層12との2層構造であるので、部品点数及び製造工数を削減でき低コストで作ることが可能であるとともに、ベース11に対して剥れる恐れが考えられる封止層の数を一層にできる点で好ましい。
【0064】
更に、受熱部2及び放熱部3が容易に変形しないようにする補強部材61、62を設けている。このため、装置本体4が可撓性を有しているにも拘らず、電子部品49(図5参照)に対して受熱部2を確実に面接触させて、これらの間の熱的結合を良好にすることが可能であるとともに、液晶ディスプレイユニット50(図5参照)に対して放熱部3を確実に例えば面接触させて、これらの間の熱的結合を良好にすることが可能である。しかも、受熱部2及び放熱部3をいずれも良熱伝導性材料で作ったので、電子部品49及び液晶ディスプレイユニット50への伝熱性能を向上させることが可能である。
【0065】
なお、この第3実施形態は、受熱部2用の補強部材61と放熱部3用の補強部材62との内のいずれか一方を省略して実施することが可能である。
【0066】
図8は本発明の第4実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じ構成であるので、機能的に同一部分には第1実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。
【0067】
第4実施形態では、第1流体流路16をベース11の一面側に形成して、その厚み方向一端をベース11の他面側部分で塞いでいるとともに、第2流体流路17をベース11の他面側に形成して、その厚み方向一端をベース11の一面側部分で塞いでいる。この構成に対応して第1、第2の流体流路16、17を連通している流体流路18は図8(B)に示すように途中に段差を有して形成され、同様に、第3流体流路19の例えば流入側流路部分19aもその途中に段差を有して形成されている。このため、流体流路18及び流入側流路部分19aは第1、第2の封止層12、13で覆われている。
【0068】
これらの点以外の構成は第1実施形態と同じである。したがって、第4実施形態は、第1実施形態と同様な作用を得て、本発明の課題を解決できる。しかも、受熱部2と放熱部3とを装置本体4の両面に分けて設けたので、発熱する電子部品等の発熱体と液晶ディスプレイユニット50などが、装置本体4の厚み方向にずれて配置されている場合等、装置本体4の同一面側に配置されていない場合に、好適に使用可能である。
【0069】
図9は本発明の第5実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じ構成であるので、機能的に同一部分には第1実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。
【0070】
第5実施形態では、ベース11の一面側に複数例えば2層の封止層12A、12Bが被着されているとともに、ベース11の他面側にも複数例えば2層の封止層13A、13Bが被着されている。積層された封止層12A、12B又は13A、13Bは、いずれも同種又は異種の材料で作ることができる。積層された封止層12A、12B又は13A、13Bは、いずれもベース11の変形を妨げないように可撓性を有していることが好ましい。
【0071】
好ましい例として第5実施形態では、第1、第2の封止層12A、12B、及び第1、第2の封止層13A、13Bの内で、ベース11に直接被着された内側の第1封止層12A、13Aは、これらに個別に被着された外側の第2封止層12B、13Bよりも熱伝導性に優れた材料で作られている。外側の第2封止層12B、13Bは、内側の第1封止層12A、13Aよりも断熱性能に優れた良断熱性材料で作られている。
【0072】
更に、装置本体4の一面側の第2封止層12Bには受熱部2と対応する位置に開口12Cが作られており、装置本体4の他面側の第2封止層13Bには、放熱部3と対応する位置に開口13Cが作られている。これにより、装置本体4の一面側において受熱部2と対応する位置の封止層の層数を他の位置での封止層の層数より少なくして、受熱部2と対応する位置での熱伝導を他の位置より容易にしている。同様に、装置本体4の他面側において放熱部3と対応する位置の封止層の層数を他の位置での封止層の層数より少なくして、放熱部3と対応する位置での熱伝導を他の位置より容易にしている。
【0073】
封止層12Aの開口12Cから露出した部分には、発熱体である発熱する電子部品等が面接触する等により熱的に接続して設けられる。これにより、封止層の層の数が最も少ない封止層部分を通して発熱体から受熱部2への熱伝達がなされる。同様に、封止層13Aの開口13Cから露出した部分には、放熱体の一部が面接触する等により熱的に接続して設けられる。これにより、封止層の層の数が最も少ない封止層部分を通して放熱部3から放熱体への熱伝達がなされる。
【0074】
これらの点以外の構成は第1実施形態と同じである。したがって、第5実施形態は、第1実施形態と同様な作用を得て、本発明の課題を解決できる。
【0075】
しかも、積層された封止層12A、12B、13A、13Bを用いたことにより、各封止層の材料を適宜選定することにより、封止層が単層である構成に比較して、冷却装置1の機能の高度化や多様化を促進し易い。したがって、積層された各封止層の性能により、電気絶縁性能、形状保持性能、熱伝達性能、外力に対する保護性能などの複数の諸機能を、装置本体4に与えることが可能である。例えば第5実施形態の場合には、断熱と熱伝達との双方を兼ね備えた機能を発揮させることが可能であるので、冷却装置1全体からの熱の放散を抑制しつつ、熱の出入りの場所を受熱部2と放熱部3とに限定して、熱輸送の効率を向上できる。
【0076】
更に、第5実施形態では、受熱部2と放熱部3とを装置本体4の両面に分けて設けたので、発熱する電子部品等の発熱体と液晶ディスプレイユニット等の放熱体が、装置本体4の厚み方向にずれて配置されている場合等、装置本体4の同一面側に配置されていない場合に、好適に使用可能である。
【0077】
なお、第5実施形態において、発熱体と放熱体とが装置本体4の同一面側に配置される場合、装置本体4の他面についての封止層は、単層とすることができるとともに、複数層であっても、開口を省略して実施することができる。
【0078】
図10は本発明の第6実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じ構成であるので、機能的に同一部分には第1実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。
【0079】
第6実施形態では、第1実施形態で採用した第2封止層を省略する代わりに、図10(B)に示すようにベース11の環状流路溝15の厚み方向一端を、ベース11の他面側部分で塞いでいるとともに、装置本体4の受熱部2と放熱部3との間での可撓変形をより容易にするために、受熱部2側を広く、放熱部3側を狭くしてある。
【0080】
更に、第6実施形態では、ベース11の一面に複数例えば4層に積層した封止層12D〜12Gを被着している。これらの封止層12D〜12Gはいずれも同種の可撓性材料で作られていて、例えば断熱性を有する合成樹脂製フィルムを好適に使用できる。各封止層12D〜12Gの例えばベース11に直接被着された1層(封止層12D)を除いた他の封止層12E〜12Gには、夫々一対の開口12Cが開けられている。一方の開口12Cは、受熱部2に対応する位置に形成され、この部分の露出した封止層12Dには受熱体が熱的に接続される。他方の開口12Cは、放熱部3に対応する位置に形成され、この部分の露出した封止層12Dには放熱体が熱的に接続される。なお、以上のように受熱部2及び放熱部3に対向する位置の封止層の層数を少なくする構成については、少なくとも一層の封止層を残しておけば、各封止層12D〜12Gに開口12Cを形成してもよい。
【0081】
これらの点以外の構成は第1実施形態と同じである。したがって、第6実施形態は、第1実施形態と同様な作用を得て、本発明の課題を解決できる。しかも、積層された封止層12D〜12Gが同一材料であるにも拘らず、積層枚数に応じた断熱性を得ることができるに伴い、断熱と熱伝達との双方を兼ね備えた機能を発揮させることが可能である。つまり、冷却装置1全体からの熱の放散を抑制しつつ、熱の出入りの場所を受熱部2と放熱部3とに限定して、熱輸送の効率を向上できる。
【0082】
図11及び図12は本発明の第7実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じ構成であるので、機能的に同一部分には第1実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。
【0083】
第7実施形態では、第1実施形態で採用した封止層13を省略する代わりに、図11(B)に示すようにベース11の環状流路溝15の厚み方向一端が四角形状のベース11の他面側部分で塞がれた構成としてある。更に、図11(A)(B)に示すように第7実施形態では、環状の流路溝15に沿って流体溜まり部65、66がベース11の一面を窪ませて設けられていて、これら流体溜まり部65、66の開口は封止層12で塞がれている。一方の流体溜まり部65は環状流路溝15の内周に沿って形成され、他方の流体溜まり部66は環状流路溝15の外周に沿って形成されている。なお、いずれか一方の流体溜まり部は省略することが可能である。
【0084】
更に、環状の流路溝15の途中に設けられたポンプ室20の一端部に入口20aが設けられ、ポンプ室20の他端部に出口20bが設けられている。ダイアフラム駆動式の容積型流体ポンプポンプ25は、ポンプ室20を含んで作られている。詳しくは、図12に例示するようにポンプ25は、ポンプ室20と、封止層12の一部で作られるダイアフラム26と、入口弁21と、出口弁22とを備えている。ポンプ25はその入口弁21及び出口弁22を除いて第1実施形態と同じ構成であり、又ポンプ25を駆動する駆動アクチュエータ31の構成も第1実施形態と同じである。
【0085】
入口弁21及び出口弁22は、いずれも薄片状をなすとともに可撓性を有する金属又は合成樹脂製であり、その一端部はベース11に一体に形成した弁固定部11A又は11Bに固定されている。入口弁21及び出口弁22の他端部(自由端部)は、封止層12の裏面に突設された弁座部26C又は26Dに接離自在に配置されている。この配置によって、入口弁21及び出口弁22は、いずれもダイアフラム26と略平行に寝た姿勢(図12において)で同方向を向いて設けられている。
【0086】
このように入口弁21及び出口弁22をダイアフラム26と略平行に設置する構成は、装置本体4の厚み範囲内で入口弁21及び出口弁22を配置できることから、ポンプ25の薄形化、ひいては装置本体4の薄形化を促進するのに交換できる。なお、この第7実施形態において、ダイアフラム26と略平行とは、ダイアフラム26と平行である形態を含むことは勿論であるが、ベース11の厚み範囲では斜めとなる横向きの姿勢である形態も含んでいる。
【0087】
ダイアフラム26を、ポンプ室20を片側から覆っている可撓性合成樹脂フィルム製の封止層12の一部で兼ねた構成は、特別にダイアフラムを用意する必要がないため、ポンプを構成する上での部品点数及び組立工数を削減できる等の点で有利であり、コストダウンを図る上での貢献が可能である。
【0088】
前記構成の薄形ポンプ25のダイアフラム26がベース11の装置本体4の厚み方向に沿ってポンプ室20内に押込まれるように可撓変形する場合は、ポンプ室20の内圧が高まるので、ポンプ室20内の流体が出口弁22を通って流出側流路部分19bに排出される。この時、入口弁21にはこれを弁座部26Cに押付けて閉弁するようにポンプ室20の内圧が作用するので、この入口弁21は閉じている。又、ポンプ25のダイアフラム26が装置本体4の厚み方向に沿ってポンプ室20外に持ち上がるように可撓変形する場合は、ポンプ室20の内圧が低くなるので、流入側流路部分19a内の流体が入口弁21を通ってポンプ室20に吸込まれる。この時、出口弁22にはこれを弁座部26Dに押付けて閉弁するようにポンプ室20の内圧が作用するので、この出口弁22は閉じている。このようにダイアフラム26をその膜厚方向に振動させることにより、ポンプ25は冷却装置1の環状流体流路に熱輸送流体を強制的に循環させるポンプ動作を営むことができる。
【0089】
これらの点以外の構成は第1実施形態と同じである。したがって、第7実施形態は、第1実施形態と同様な作用を得て、本発明の課題を解決できる。しかも、装置本体4がベース11と封止層12との2層構造であるので、部品点数及び製造工数を削減でき低コストで作ることが可能であるとともに、ベース11に対して剥れる恐れが考えられる封止層を、ベース11の片面側に集めて例えば単層にできる点で好ましい。
【0090】
環状流路溝15を流れる熱輸送流体の圧力が何らかの原因で異常に上昇することがあると、それに伴い封止層12の一部がベース11から剥れる恐れが考えられる。この場合、受熱部2の第1流体流路16及び放熱部3の第2流体流路17は、いずれも蛇行状に作られていて、これらの部分についての封止層12の接合面積が小さいので、前記異常圧力で封止層12が剥がされる可能性が考えられる。
【0091】
仮に、そのような事態に至ったとしても、封止層12の一部が剥れることに伴い、環状流路溝15といずれかの流体溜まり部65、66とが連通するので、流路溝15から溢れた熱輸送流体を流体溜まり部に逃がすことができる。これにより、前記異常圧力で封止層12が破損することが未然に防止され、熱輸送流体が冷却装置1外に漏れる恐れをなくすことができる。
【0092】
図13(A)(B)は本発明の第8実施形態を示している。この実施形態は基本的には第7実施形態と同じ構成であるので、機能的に同一部分には第7実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。
【0093】
第8実施形態では、ダイアフラム駆動式の容積型流体ポンプ25が、ベース11に形成されたポンプ室20と、ポンプ室20を片側から覆っているダイアフラム26と、入口弁21と、出口弁22とを備えている。ダイアフラム26は可撓性合成樹脂フィルム製の封止層12の一部で作られている。薄片状をなすとともに可撓性を有する金属又は合成樹脂製の入口弁21と出口弁22とは、装置本体4の厚み方向に沿って立つように配置されていて、その一端部がダイアフラム26の裏面に設けた固定部26A、26Bに個別に固定されていると共に、自由端部がベース11に設けた弁座部11E、11Fに個別に接離するように設けられている。
【0094】
更に、第8実施形態ではポンプ25を駆動する駆動アクチュエータ31が、2枚の圧電素子をバイモルフで貼り付けた振動子72と、電極73、74とを備えている。振動子72は、ダイアフラム26の表面に装着されていて、この振動子72への通電方向を繰返し切換えることにより厚み方向に湾曲する反転動作を繰返すようになっている。電極73、74はいずれもダイアフラム26の表面に取付けられている。一方の電極73は、図13(B)に示すようにリング部を有していて、振動子72の一方の極に電気的に接続されている。他方の電極74はジャンパーワイヤ75を介して振動子72の他方の極に電気的に接続されている。
【0095】
これらの点以外の構成は第7実施形態と同じである。したがって、第8実施形態は、第7実施形態と同様な作用を得て、本発明の課題を解決できる。しかも、振動子72を有した駆動アクチュエータ31を備えることにより、このアクチュエータ31をダイアフラム26上に殆ど積層して設けることができ、駆動アクチュエータ31によって冷却装置1全体が厚くなることを抑制し易い点で好ましい。
【0096】
図14は本発明の第9実施形態を示している。この実施形態は基本的には第7実施形態と同じ構成であるので、機能的に同一部分には第7実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。
【0097】
第9実施形態では、ダイアフラム駆動式の容積型流体ポンプ25が、ベース11に形成されたポンプ室20と、ポンプ室20を片側から覆っているダイアフラム26と、入口弁21と、出口弁22とを備えている。ダイアフラム26は可撓性合成樹脂フィルム製の封止層12の一部で作られている。薄片状をなすとともに可撓性を有する金属又は合成樹脂製の入口弁21と出口弁22とは、装置本体4の厚み方向に沿って立つように配置されていて、その一端部がダイアフラム26の裏面に設けた固定部26A、26Bに個別に固定されていると共に、自由端部がベース11に設けた弁座部11E、11Fに個別に接離するように設けられている。
【0098】
この点以外の構成は第7実施形態と同じである。したがって、第9実施形態は、第7実施形態と同様な作用を得て、本発明の課題を解決できる。
【0099】
図15(A)〜(C)は本発明の第10実施形態を示している。この実施形態は基本的には第7実施形態と同じ構成であるので、機能的に同一部分には第7実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。
【0100】
第10実施形態では、装置本体4がその流体溜まり部65への流体の流入を検出する流体検出手段77を備えている。この手段77は、流体溜まり部65内に互いに接近して配置された複数の検出電極77a、77bと、これらに個別に電気的に接続された端子78、79とを備えている。検出電極77a、77bは相互間の電気的特性の変化を検出するために設けられている。端子78、79は装置本体4の外部に導出されており、図示しない検出回路に接続されている。この導出のために、装置本体4のベース11の一部には延出部11Gが設けられていて、この延出部11Gの裏面に導電路78a、79aを端子78、79と一体に設けている。導電路78a、79aはスルーホールを介して検出電極77a、77bに個別に接続されている。スルーホールには必要に応じて防水措置が講じられる。
【0101】
この点以外の構成は第7実施形態と同じである。したがって、第10実施形態は、第7実施形態と同様な作用を得て、本発明の課題を解決できる。しかも、流体検出手段77を設けたことにより、何らかの異常で熱輸送流体が流体溜まり部66に浸入した場合には、端子78、79間の電気的特性の変化を検出可能である。これにより、流体溜まり部66への熱輸送流体の液漏れを検出することができるとともに、この検出にしたがって冷却装置1のメンテナンス等を早期に促すことが可能である。又、液漏れ検出を複数の端子78、79を設けて行う構成は、簡単でかつ検出の信頼性が高い点で優れている。なお、外側の流体溜まり部67にも流体検出手段77を設けることが可能である。
【0102】
図16(A)(B)は本発明の第11実施形態を示している。この実施形態は基本的には第4実施形態と同じ構成であるので、機能的に同一部分には第4実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。
【0103】
第11実施形態では、装置本体4の流体流路16〜19等を封止する封止層として、装置本体4を内包する封止袋14を用いている。この封止袋14は装置本体4全体を収容して、ベース11の各面に接着されるものである。
【0104】
この点以外の構成は第4実施形態と同じである。したがって、第11実施形態は、第4実施形態と同様な作用を得て、本発明の課題を解決できる。しかも、封止袋14を用いたことにより、ベース11に対する封止層の積層を、ベース11の表裏同時に行うことができる。その上、封止袋14の一部が何らかの原因でベース11の表面から剥れて、それに伴い環状流路溝15外に液漏れをした場合であっても、漏れた熱輸送流体を封止袋14内に封じ込めて冷却装置1外に漏れないようにできる点で優れている。
【0105】
図17〜図20は本発明の第12実施形態を示している。この実施形態は基本的には第2実施形態と同じ構成であるので、機能的に同一部分には第2実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。
【0106】
第12実施形態では、図17及び図18などに示すように環状に連続する流路溝15に、この溝15よりも幅広の凹部からなる受熱部品収容部91、放熱部品収容部92、及びポンプ収容部95を設けている。これらの収容部91、92の夫々には、受熱部品93又は放熱部品94が個別に収容されている。受熱部品93及び放熱部品94は、いずれも硬質材料、例えば金属、より好ましくは良熱伝導性金属材料、具体的にはアルミニュームやその合金等により作られている。
【0107】
図19(A)(B)に例示するように受熱部品93は、ボディ93aとカバー93bとを連結して構成されているとともに、蛇行状の第1流体流路16を有している。この受熱部品93は受熱部品収容部91に収容配置されている。この配置に伴い、第1流体流路16の一端(入口)16aが流出側流路部分19bに連通され、第1流体流路16の他端(出口)16bが流体流路18の一端18aに連通される。
【0108】
図20(A)(B)に例示するように放熱部品94は、ボディ94aとカバー94bとを連結して構成されているとともに、蛇行状の第2流体流路17を有している。この放熱部品94は放熱部品収容部92に収容配置されている。この配置に伴い、第2流体流路17の一端(入口)17aが流体流路18の他端18bに連通され、第2流体流路16の他端(出口)17bが流入側流路部分19a一端に連通される。
【0109】
ポンプ収容部95には、図17に示すようにユニットとして構成されている流体ポンプ25が収容配置される。このポンプ25に代えて、図12に示す装置本体4と一体構造のポンプを用いることもできる。前記受熱部品92、放熱部品93、及び流体ポンプ95は、ベース11に被着された封止層12で覆われている。
【0110】
これらの点以外の構成は第2実施形態と同じである。したがって、第12実施形態は、第2実施形態と同様な作用を得て、本発明の課題を解決できる。しかも、受熱部として機能する受熱部品92及び放熱部として機能する放熱部品93は、いずれも硬質であるので、ベース11及び封止層12が可撓性を有しているにも拘らず、電子部品49(図5参照)と受熱部品92とを封止層12を介して確実に面接触させて、これらの間の熱的結合を良好にすることが可能であるとともに、液晶ディスプレイユニット50(図5参照)と放熱部品93とを封止層12を介して確実に面接触させて、これらの間の熱的結合を良好にすることが可能である。しかも、受熱部品92及び放熱部品93は、いずれも良熱伝導性材料で作られていて、蛇行状の流体流路16、17が個々に占める延べ面積よりも広い伝熱面積を有しているので、電子部品49及び液晶ディスプレイユニット50への伝熱性能を更に向上させることが可能である。
【0111】
図21は本発明の第13実施形態を示している。この実施形態は基本的には第4実施形態と同じ構成であるので、機能的に同一部分には第4実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。
【0112】
第13実施形態では、熱輸送流体を循環させるための駆動用の熱輸送装置本体(装置本体)4Aと、受熱・放熱用の装置本体4Bと、これら両本体4A、4Bを連結する連結手段4Cを有している。
【0113】
装置本体4Aは、ポンプ25と第3流体流路19とを備えている。第3流体流路19は流入側流路部分19aと流出側流路部分19bとを含んでいる。この装置本体4Aは、ベース11とこの両面に被着された封止層12、13(なお、封止層13は図示されない。)とを有している。この装置本体4Aは冷却装置1が半製品の状態では、独立して取扱うことができる。この場合、流入側流路部分19aと流出側流路部分19bとが自由に動揺することはベース11等により抑制されるので、装置本体4Aの取扱いが容易である。
【0114】
装置本体4Bは、既述の装置本体4Aを第4実施形態の構成において除去した構成と同じである。この装置本体4Bは好ましくは可撓性を有するベース11cとこれに被着された封止層12c、13cとを有し、これらにより蛇行状の第1、第2の流体流路16、17と、第1流体流路16の出口16bと第2流体流路17の入口17aとを一体に連通する流体流路18が形成されている。
【0115】
これらの装置本体4A、4Bは、流入側流路部分19aの入口19cと第2流体流路17の出口17bとを連通させるとともに、流出側流路部分19bの出口19dと第1流体流路16の入口16aとを連通させて、連結手段4Cで連結されている。連結手段4Cには両装置本体4A、4Bの接合部分に接着剤等を用いて被着されるベルト状の封止テープを好適に使用可能である。この連結により、第4実施形態の構成と同様構成の冷却装置1を組立てることができる。
【0116】
これらの点以外の構成は第4実施形態と同じである。したがって、第13実施形態は、第4実施形態と同様な作用を得て、本発明の課題を解決できる。この第13実施形態において、受熱部2と放熱部3の内の一方を装置本体4Aに設けることも可能である。
【0117】
なお、本発明は前記各実施形態には制約されない。例えば、各実施形態の夫々で説明した技術的事項を、他の実施形態に適用して、それを本発明の新たな実施形態とすることが可能である。更に、本発明では、電子機器の筐体がチタン合金などで作られている場合、この筐体を放熱体として用いることも可能である。
【0118】
【発明の効果】
本発明に係る熱輸送装置によれば、少なくとも熱輸送装置本体の様々な部位をハンドリングできるとともに、仮に重ねて保管しても流体流路が絡み合うことがなくなる等取扱い易いので、機器に容易に組込むことが可能である。
【0119】
本発明に係る電子機器によれば、流体を強制循環させて冷却等を担う既述の熱輸送装置を備えているので、発熱体の冷却効率が良いだけではなく、この熱輸送装置を機器本体に容易に組込むことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1実施形態に係る冷却装置を自由状態で示す斜視図。(B)は図1(A)の冷却装置を撓ませた状態で示す斜視図。
【図2】図1の冷却装置が備える熱輸送装置本体を分解して示す斜視図。
【図3】図2の熱輸送装置本体の流体注入口周りを示す側面図。
【図4】(A)は図1の冷却装置に組み付けられた駆動アクチュエータ周りを示す平面図。(B)は図4(A)中F4−F4線に沿って示す断面図。
【図5】(A)は図1の冷却装置を組込んだ電子機器を例示する斜視図。(B)は図5(A)の電子機器を示す側面図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る冷却装置が備える熱輸送装置本体を分解して示す斜視図。
【図7】(A)は本発明の第3実施形態に係る冷却装置が備える熱輸送装置本体を一部切欠いて示す平面図。(B)は図7(A)中F7−F7線に沿って示す断面図。
【図8】(A)は本発明の第4実施形態に係る冷却装置が備える熱輸送装置本体を一部切欠いて示す平面図。(B)は図8(A)中F8−F8線に沿って示す断面図。
【図9】本発明の第5実施形態に係る冷却装置が備える熱輸送装置本体を分解して示す斜視図。
【図10】(A)は本発明の第6実施形態に係る冷却装置が備える熱輸送装置本体を一部切欠いて示す平面図。(B)は図10(A)中F10−F10線に沿って示す断面図。
【図11】(A)は本発明の第7実施形態に係る冷却装置が備える熱輸送装置本体を一部切欠いて示す平面図。(B)は図11(A)中F11−F11線に沿って示す断面図。
【図12】第7実施形態に係る冷却装置が備える流体ポンプ周りを示す断面図。
【図13】(A)は本発明の第8実施形態に係る冷却装置が備える流体ポンプ周りを示す断面図。(B)は図13(A)の流体ポンプ周りを示す平面図。
【図14】本発明の第9実施形態に係る冷却装置が備える流体ポンプ周りを示す断面図。
【図15】(A)は本発明の第10実施形態に係る冷却装置が備える熱輸送装置本体を一部切欠いて示す平面図。(B)は図15(A)の熱輸送装置本体を示す裏面図。(C)は図15(A)中F15−F15線に沿って示す断面図。
【図16】(A)は本発明の第11実施形態に係る冷却装置が備える熱輸送装置本体を一部切欠いて示す平面図。(B)は図16(A)中F16−F16線に沿って示す断面図。
【図17】(A)は本発明の第12実施形態に係る冷却装置が備える熱輸送装置本体を一部切欠いて示す平面図。(B)は図17(A)中F17−F17線に沿って示す断面図。
【図18】(A)は図17の冷却装置が備えるベースを示す平面図。(B)は図18(A)中F18−F18線に沿って示す断面図。
【図19】(A)は図17の冷却装置が備える受熱部品を示す断面図。(B)は図19(A)の受熱部品を示す側面図。
【図20】(A)は図17の冷却装置が備える放熱部品を示す断面図。(B)は図20(A)の放熱部品を示す側面図。
【図21】(A)は本発明の第13実施形態に係る冷却装置が備える熱輸送装置本体を一部切欠いて示す平面図。(B)は図21(A)中F21−F21線に沿って示す断面図。
【符号の説明】
1…冷却装置(熱輸送装置)
2…受熱部
3…放熱部
4、4A…装置本体(熱輸送装置本体)
11…ベース
12、13…封止層
12A、12B、12D〜12G…封止層
13A、13B、13D〜13G…封止層
12C、13C…封止層の開口
14…封止袋
15…環状流路溝
16…第1流体流路
16a…第1流体流路の入口
16b…第1流体流路の出口
17…第2流体流路
17a…第2流体流路の入口
17b…第2流体流路の出口
18…流体流路
19…第3流体流路
19a…第3流体流路の流入側流路部分
19b…第3流体流路の流出側流路部分
20…ポンプ室
20a…ポンプ室の入口
20b…ポンプ室の出口
21…入口弁
22…出口弁
24…流体注入口
25…流体ポンプ
26…ダイアフラム
31…駆動アクチュエータ
32…片持ち板ばね
33…連動部
34…電磁コイル
35…台座
36…磁性板
41…電子機器
42…機器本体
47…回路基板
49…電子部品(発熱体)
50…液晶ディスプレイユニット(放熱体)
61、62…補強部材
65、66…流体溜まり部
71…振動子
72、73…電極
77…流体検出手段
77a、77b…検出電極
78、79…端子
91…受熱部品収容部
92…放熱部品収容部
93…受熱部品
94…放熱部品

Claims (26)

  1. 第1流体流路を有して発熱体に熱的に接続される受熱部と、
    前記第1流体流路に連通される第2流体流路を有して放熱体に熱的に接続される放熱部と、
    前記第1流体流路の端部及び前記第2流体流路の端部に両端を連通する第3流体流路、及び前記受熱部と放熱部とに熱輸送流体を強制的に循環させる流体ポンプを有する熱輸送装置本体と、を具備する熱輸送装置であって、
    前記熱輸送装置本体の一部に前記第3流体流路を一体に形成した熱輸送装置。
  2. 第1流体流路を有して発熱体に熱的に接続される受熱部と、
    前記第1流体流路に連通される第2流体流路を有して放熱体に熱的に接続される放熱部と、
    前記第1流体流路の端部及び前記第2流体流路の端部に両端を連通する第3流体流路、及び前記受熱部と放熱部とに熱輸送流体を強制的に循環させる流体ポンプを有する熱輸送装置本体と、を具備する熱輸送装置であって、
    前記受熱部及と前記放熱部との少なくとも一方並びに前記熱輸送装置本体が一体に作られているとともに、一部に前記第1流体流路と第2流体流路と第3流体流路を環状に連続して一体に形成した熱輸送装置。
  3. 第1流体流路を有して発熱体に熱的に接続される受熱部品と、
    第2流体流路を有して放熱体に熱的に接続される放熱部品と、
    前記受熱部品の収容部及び前記放熱部品の収容部を有して、前記第1流体流路の端部と前記第2流体流路の端部とを連通するとともに前記第1流体流路の端部と前記第2流体流路の端部を連通して環状に連続する環状流体流路、及び前記受熱部品と放熱部品とに熱輸送流体を強制的に循環させる流体ポンプを備える熱輸送装置本体と、を具備する熱輸送装置であって、
    この本体の一部に環状の前記流体流路を一体に形成した熱輸送装置。
  4. 請求項1から3の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、前記熱輸送装置本体が、流路溝を有する板状のベースと、前記流路溝を覆って前記ベースの少なくとも一面に被着された封止層とを備えていて、前記流路溝と前記封止層とで前記第1ないし第2ないし第3の流体流路の内の少なくとも前記第3流体流路又は前記環状流体流路が形成されている。
  5. 請求項1から4の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、前記熱輸送装置は板状であって、前記受熱部又は前記受熱部品と前記放熱部又は前記放熱部品との内の一方が、前記熱輸送装置本体の一面側に設けられ、他方が前記熱輸送装置本体の他面側に設けられている。
  6. 請求項4又は5に記載の熱輸送装置において、前記ベース及び封止層が自在に変形し得る材料で作られている。
  7. 請求項1から6の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、いずれかの前記流体流路に連通する流体注入口を備えている。
  8. 請求項1から7の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、前記封止層が2層以上である。
  9. 請求項1から7の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、前記封止層が複数層であって、前記受熱部又は前記受熱部品と前記放熱部又は前記放熱部品との内の少なくとも一方に対応する位置の封止層の層数が、他の位置での封止層の層数より少ない。
  10. 請求項9に記載の熱輸送装置において、前記封止層が第1、第2の封止層を備え、前記第2封止層が前記第1封止層よりも良断熱性材料で作られているとともに、前記第1封止層が前記第2封止層よりも熱伝導性に優れた材料で作られていて、前記第2封止層が、前記受熱部又は前記受熱部品と前記放熱部又は前記放熱部品との内の少なくとも一方に対応する位置に開口を有している。
  11. 請求項9又は10に記載の熱輸送装置において、前記受熱部又は前記受熱部品が、他より層の数が少ない封止層部分を介して前記発熱体に熱的に接続されている。
  12. 請求項9から11の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、前記放熱部又は前記放熱部品が、他より層の数が少ない封止層部分を介して前記放熱体に熱的に接続されている。
  13. 請求項4から9の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、少なくとも1層の前記封止層が前記熱輸送装置本体を内包する袋状である。
  14. 請求項4から13の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、前記流体ポンプが、ダイアフラム駆動式の容積型流体ポンプであって、前記ベースに作られたポンプ室と、このポンプ室を閉じるダイアフラムと、前記ポンプ室の入口とこれに連通する前記第3流体流路との間に設けられ前記第3流体流路から前記入口への前記熱輸送流体の流れのみを許す入口弁と、前記ポンプ室の出口とこれに連通する前記第3流体流路との間に設けられ前記出口から前記第3流体流路への前記熱輸送流体の流れのみを許す出口弁とを備えている。
  15. 請求項14に記載の熱輸送装置において、前記ダイアフラムが、前記ポンプ室を覆っている前記封止層の一部で作られている。
  16. 請求項14又は15に記載の熱輸送装置において、前記入口弁及び出口弁が固定端部を支点に可動し得る薄片状であって、これら両弁が前記ダイアフラムと略平行に配置されている。
  17. 請求項14から16の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、前記流体ポンプを動作させる駆動アクチュータが前記熱輸送装置本体に搭載されている。
  18. 請求項17に記載の熱輸送装置において、前記駆動アクチュータが、固定端部及び自由端部を有する可撓性の片持ち板ばねと、このばねと前記ダイアフラムとを接続して設けられた連動部と、前記自由端部に取付けられたマグネットと、このマグネットに対応させて前記熱輸送装置本体に内蔵された電磁コイルとを具備している。
  19. 請求項17又は18に記載の熱輸送装置において、前記駆動アクチュータと電気的に接続して前記封止層に取付けられた電極とを具備している。
  20. 請求項1から19の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、前記熱輸送装置本体が前記流体流路に沿う流体溜まり部を有している。
  21. 請求項20に記載の熱輸送装置において、前記流体溜まり部への流体の流入を検出する流体検出手段を備えている。
  22. 請求項21に記載の熱輸送装置において、前記流体検出手段が、前記流体溜まり部内に配置されて相互間の電気的特性の変化を検出する複数の電極と、これら電極に接続されて前記熱輸送装置本体外に導出された端子とを有している。
  23. 請求項1から23の内のいずれか1項に記載の熱輸送装置において、前記受熱部又は前記受熱部品と前記放熱部又は前記放熱部品との内の少なくとも一方に対応する前記熱輸送装置本体の位置に、補強部材が設けられている。
  24. 請求項23に記載の熱輸送装置において、前記補強部材が良熱伝導性であって、前記受熱部又は前記受熱部品と前記放熱部又は前記放熱部品との内の少なくとも一方が、前記補強部材を介して前記発熱体又は前記放熱体に熱的に接続されている。
  25. 発熱体を内蔵する機器本体と、
    この機器本体に設けられたディスプレイユニットと、
    前記機器本体に内蔵された前記請求項1から24の内のいずれか1項の記載の熱輸送装置とを具備し、
    前記熱輸送装置の受熱部又は受熱部品が前記発熱体に熱的に接続されているとともに、前記熱輸送装置の放熱部又は放熱部品が、前記ディスプレイユニットの裏面に沿うように配置されてこのディスプレイユニットに熱的に接続されている電子機器。
  26. 発熱体を内蔵するとともに放熱体を有する機器本体と、
    この機器本体に内蔵された前記請求項1から24の内のいずれか1項の記載の熱輸送装置であって、この熱輸送装置の受熱部又は受熱部品が前記発熱体に熱的に接続されているとともに、前記熱輸送装置の放熱部又は放熱部品が、前記放熱体に熱的に接続されている熱輸送装置と、
    を具備した電子機器。
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