JP2004211820A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

車輪用軸受装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004211820A
JP2004211820A JP2003000109A JP2003000109A JP2004211820A JP 2004211820 A JP2004211820 A JP 2004211820A JP 2003000109 A JP2003000109 A JP 2003000109A JP 2003000109 A JP2003000109 A JP 2003000109A JP 2004211820 A JP2004211820 A JP 2004211820A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel
knuckle
groove
annular groove
bearing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003000109A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideji Tajima
英児 田島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2003000109A priority Critical patent/JP2004211820A/ja
Publication of JP2004211820A publication Critical patent/JP2004211820A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/14Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load
    • F16C19/18Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls
    • F16C19/181Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact
    • F16C19/183Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles
    • F16C19/184Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles in O-arrangement
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/58Raceways; Race rings
    • F16C33/583Details of specific parts of races
    • F16C33/586Details of specific parts of races outside the space between the races, e.g. end faces or bore of inner ring
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C35/00Rigid support of bearing units; Housings, e.g. caps, covers
    • F16C35/04Rigid support of bearing units; Housings, e.g. caps, covers in the case of ball or roller bearings
    • F16C35/06Mounting or dismounting of ball or roller bearings; Fixing them onto shaft or in housing
    • F16C35/067Fixing them in a housing
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2226/00Joining parts; Fastening; Assembling or mounting parts
    • F16C2226/10Force connections, e.g. clamping
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2326/00Articles relating to transporting
    • F16C2326/01Parts of vehicles in general
    • F16C2326/02Wheel hubs or castors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】軽量化を図るために軽合金製ナックルを採用しても軸受クリープおよびスティックスリップ音の発生がない車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】一端部に車輪取付フランジ4と、この車輪取付フランジ4から軸方向に延びる小径段部を形成したハブ輪3と、小径段部5に外嵌した複列の転がり軸受1と、軽合金からなるナックル2とを備え、このナックル2に複列の転がり軸受1を内嵌し、ナックル2に対してハブ輪3を回転自在に支承してなる車輪用軸受装置において、外輪7の外周に周方向溝21を形成すると共に、ナックル2にこの周方向溝21に連通する環状溝22と、この環状溝22に連通する通孔23とを形成し、これら周方向溝21と環状溝22および通孔23からなる密閉空間に合成樹脂を充填した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輪用軸受装置、詳しくは、自動車等の車両の車輪用軸受装置、特に駆動輪側の車輪用軸受装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両のエンジン動力を車輪に伝達する動力伝達装置は、エンジンから車輪への動力伝達と車輪からの径方向および軸方向変位やモーメント変位に対応する必要があるため、例えば、図4に示すように、ドライブシャフト100の一端を摺動型等速自在継手101を介してディファレンシャル102に連結し、他端を固定型等速自在継手103を含む車輪用軸受装置104を介して駆動輪ホイール105に連結している。
【0003】
前述のドライブシャフト100の他端と駆動輪ホイール105とを連結する車輪用軸受装置104は、図5に示すように、ブレーキロータと共に駆動輪ホイール105に連結されるハブ輪106、そのハブ輪106を回転自在に支持し、一対の内輪109および外輪110を有する車輪用軸受107、この車輪用軸受107を車体に支持するナックル108、およびハブ輪106と連結されてドライブシャフト100の動力をこのハブ輪106に伝達する等速自在継手103を主要部として構成されている。しかし、係る先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の車輪用軸受装置104を構成する部品、特にナックル108には、線膨張係数が車輪用軸受107と同一の可鍛鋳鉄等の鉄系金属が採用されてきたが、近年、装置の軽量化を狙ってアルミ合金等の軽合金製を採用する傾向がある。しかしながら、ナックル108をこうした軽合金で形成した場合、ナックル108と外輪110の線膨張係数の違いにより、例えば、走行時の温度上昇によってナックル108と外輪110との嵌合シメシロが少なくなったり、あるいは解放されると恐れがあった。その結果、組立時の軸受予圧が維持できなくなる、所謂予圧抜けといった不具合が発生した。
【0005】
さらに、外輪110がクリープを起こし、焼付いたり、短寿命を誘発する恐れがあった。ここで、クリープとは、嵌合シメシロ不足や嵌合面の加工精度不良等により軸受が周方向に微動し、嵌合面が鏡面化し、場合によっては、かじりを伴い焼付きや溶着する現象をいう。
【0006】
また、旋回走行時に、ナックル108に対して車輪用軸受107が軸方向へ移動することもあり、ナックル108と外輪110の嵌合面間で急激なスリップによりスティックスリップ音が発生する恐れもあった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軽量化を図るために軽合金製ナックルを採用しても軸受クリープおよびスティックスリップ音の発生がない車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから軸方向に延びる円筒状の小径段部を形成したハブ輪と、このハブ輪の小径段部に外嵌した複列の転がり軸受と、車体に固定された軽合金からなるナックルとを備え、このナックルに前記複列の転がり軸受を内嵌し、当該ナックルに対して前記ハブ輪を回転自在に支承してなる車輪用軸受装置において、前記複列の転がり軸受の外輪の外周に周方向溝を形成すると共に、前記ナックルにこの周方向溝に連通する環状溝と、この環状溝に連通する通孔とを形成し、これら周方向溝と環状溝および通孔からなる密閉空間に合成樹脂を充填した構成を採用した。
【0009】
このように、複列の転がり軸受の外輪の外周に周方向溝を形成すると共に、ナックルにこの周方向溝に連通する環状溝と、この環状溝に連通する通孔とを形成し、これら周方向溝と環状溝および通孔からなる密閉空間に合成樹脂を充填したので、少なくとも周方向溝と環状溝からなる密閉空間内の合成樹脂が樹脂リングを構成する。合成樹脂は軽合金よりも線膨張係数が大きいため、温度上昇によってナックルが膨張しても、逆にこの樹脂リングがそれ以上に膨張することになる。したがって、温度上昇によって、ナックルと複列の転がり軸受との嵌合シメシロは大きくなり、組立時の軸受予圧が維持できるだけでなく、軸受の密閉空間内に充填された合成樹脂のせん断力と相俟って複列の転がり軸受のクリープを防止すると共に、複列の転がり軸受の軸方向の移動によるスティックスリップ音の発生を防止することができる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明のように、前記周方向溝が環状溝であれば、全周に亙って合成樹脂のせん断力が働き、複列の転がり軸受の軸方向の移動を強固に防止することができる。
【0011】
好ましくは、請求項3に記載の発明のように、前記周方向溝の幅寸法を前記ナックルに形成した環状溝の幅寸法よりも大きく、かつこの環状溝の幅寸法を前記通孔の直径よりも大きくすれば、周方向溝に対して環状溝および通孔の形成位置が左右に少々ずれても周方向溝と環状溝および通孔による密閉空間を形成することができる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明のように、前記周方向溝が螺旋溝であれば、この螺旋溝に充填された合成樹脂が複列の転がり軸受の幅全域に亙って樹脂リングを構成することになり、合成樹脂は軽合金よりも線膨張係数が大きいため、温度上昇によってナックルが膨張しても、逆に樹脂リングがそれ以上に膨張する。したがって、ナックルと複列の転がり軸受との嵌合シメシロは大きくなり、クリープの発生を防止することができる。
【0013】
さらに、ナックルに形成する通孔および環状溝は、別段この螺旋溝の位置に拘らずどの位置に設けても、ナックルの環状溝と複列の転がり軸受の螺旋溝とが交差することになり、通孔と環状溝および螺旋溝による密閉空間を構成することができる。したがって、ナックルの通孔や環状溝の加工が簡便になり量産性が格段に向上する。
【0014】
好ましくは、請求項5に記載の発明のように、前記周方向溝の中心が、前記複列の転がり軸受の軸心に対して所定量だけ偏心していれば、この偏心溝内に充填された合成樹脂は偏心リングを構成することになる。したがって、複列の転がり軸受が周方向に微小でも移動しようとしても、この偏心リングと偏心溝とが強固な楔構造を形成して移動することはない。
【0015】
好ましくは、請求項6に記載の発明のように、前記密閉空間内に熱可塑性合成樹脂を射出成形により充填すれば、軸受組立後にクリープ防止手段を構成することができため、組立性が向上し、ガタ等の組立誤差を防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す部分断面図、図2はその車輪用軸受装置を構成する車輪用軸受の断面図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で、車両の外側寄りとなる側をアウトボード側(図面左側)、中央寄り側をインボード側(図面右側)という。
【0017】
図1に示す車輪用軸受装置は、車輪用軸受1と、この車輪用軸受1をナックル2に対して回転自在に支承するハブ輪3とを主たる構成としている。ハブ輪3には、アウトボード側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ4と、この車輪取付フランジ4から軸方向に延びる円筒状の小径段部5を形成している。車輪取付フランジ4には車輪を締結するハブボルト4aを周方向等配に植設している。また、小径段部5の外周面には後述する車輪用軸受1を圧入している。さらに、ハブ輪3の内周面にはセレーション(またはスプライン)6を形成している。
【0018】
車輪用軸受1は、外輪7と一対の内輪8、8と複列の転動体9、9とを備え、外輪7の内周面には複列の外側転走面7a、7aを一体に形成している。内輪8の外周面には、外側転走面7a、7aに対向する内側転走面8aを形成している。複列の転動体9、9をこれら転走面7a、8a間にそれぞれ収容し、保持器10、10で転動自在に保持している。車輪用軸受1の端部にはシール11、11を装着し、軸受内部に封入した潤滑グリースの漏洩と、外部からの雨水やダスト等の侵入を防止している。ここでは、車輪用軸受1は転動体9、9をボールとした複列アンギュラ玉軸受を例示したが、これに限らず転動体に円すいころを使用した複列円すいころ軸受であっても良い。
【0019】
ハブ輪3に圧入された車輪用軸受1は、等速自在継手(図示せず)を構成する外側継手部材12の肩部13とハブ輪3とで挟持された状態で固定している。外側継手部材12は、肩部13から軸方向に延びる軸部14を一体に形成している。この軸部14の外周面には、ハブ輪3のセレーション6に噛合するセレーション(またはスプライン)15とねじ部16を形成し、エンジンからのトルクを図示しないドライブシャフトおよび等速自在継手、そしてこのセレーション6、15を介してハブ輪3に伝達している。また、軸部14の端部に形成したねじ部16に固定ナット17を所定の締付トルクで締結することにより、所望の軸受予圧を得ることができるように設定している。すなわち、車輪用軸受1は、ナックル2に対しては、完全強タイトな締り嵌めに設定すると共に、ハブ輪3に対しては、軸受クリープを防止し、かつ所望の予圧量になるように、所定のシメシロで圧入している。
【0020】
ナックル2は、アルミ合金等の軽合金で形成している。これにより、従来の鋳鉄等に比べ、剛性不足を補うため肉厚に設計したとしてもその重量は半減する。さらに、車輪用軸受1をナックル2に対して完全強タイトな締り嵌めに嵌合することにより、ナックル2と車輪用軸受1の線膨張係数の違いにより、例えば、走行時の温度上昇によってナックル2と車輪用軸受1との嵌合シメシロが少なくなったり、あるいは解放されて組立時の軸受予圧が維持できなくなるといった不具合発生を防止することができ、安定して長寿命を発揮することができる。一方、従来課題であった軸受クリープに対しては、以下に説明する手段で解消することができる。
【0021】
ナックル2の内周一端部には鍔18を形成している。また、他端部には止め輪溝19を形成し、車輪用軸受1を鍔18に当接させた状態で止め輪20を装着し、この車輪用軸受1を位置決め固定している。図2に示すように、車輪用軸受1において、外輪7の外周には環状の偏心溝21を幅方向略中央に形成している。ここで、偏心溝とは、車輪用軸受1の軸心に対して、環状溝の軸心を所定量偏心させて形成した溝を言う。また、ナックル2の内周面には、この偏心溝21に対応する位置に環状溝22を形成すると共に、この環状溝22に連通する通孔23を穿設している。
【0022】
車輪用軸受1をナックル2に固定した後、ナックル2に穿設した通孔23から溶融したPA(ポリアミド)66等の熱可塑性の合成樹脂を注入し、ナックル2の内周面に形成した環状溝22および車輪用軸受1の外輪7に形成した偏心溝21にそれぞれ射出成形により充填している。
【0023】
本実施形態では、偏心溝21と環状溝22で形成される密閉空間内の合成樹脂が樹脂リングを構成する。合成樹脂は軽合金よりも線膨張係数が大きいため、温度上昇によってナックル2が膨張しても、逆にこの樹脂リングがそれ以上に膨張することになる。したがって、温度上昇によって、ナックル2と複列の転がり軸受1との嵌合シメシロは大きくなり、密閉空間内に充填された合成樹脂のせん断力と相俟って車輪用軸受1のクリープを防止すると共に、車輪用軸受1の軸方向の移動によるスティックスリップ音の発生を防止することができる。
【0024】
さらに、本実施形態では、外輪7の外周に環状の偏心溝、すなわち、車輪用軸受1の軸心に対して所定量偏心した環状溝を形成しているため、この偏心溝21内に充填された合成樹脂は偏心リングを構成することになる。したがって、車輪用軸受1が周方向に微小に移動しようとしても、この偏心リングと偏心溝21とが強固な楔構造を形成して移動することはない。
【0025】
偏心溝21の幅寸法W0は、ナックル2に形成した環状溝22の幅寸法W1および通孔23の直径φdよりも大きく形成している(W0>W1>φd)。したがって、偏心溝21に対して環状溝22および通孔23の形成位置が左右に少々ずれても前述した偏心溝21、環状溝22、および通孔23による密閉空間を形成することができる。
【0026】
なお、本実施形態では、車輪用軸受1において、外輪7の外周に偏心溝21を形成したものを例示したが、偏心溝21に限らず単なる環状溝であっても、樹脂リングの熱膨張によって嵌合シメシロ不足を補い、そのせん断力と相俟って所望の耐クリープ力を有すると共に、車輪用軸受1の軸方向の移動を防止してスティックスリップ音の発生を防止することができる。
【0027】
図3は、本発明に係る車輪用軸受の第2の実施形態を示し、(a)は断面図で、(b)は平面図である。この第2の実施形態は前述した第1の実施形態と溝形状が異なるのみで、その他同一部品同一部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0028】
車輪用軸受24は、外輪25と一対の内輪8、8と複列の転動体9、9とを備えている。外輪25の外周には一本の螺旋溝26を形成している。言うなれば、この螺旋溝26に充填された合成樹脂が外輪25の幅全域に亙って樹脂リングを構成することになる。合成樹脂はアルミ合金等の軽合金よりも線膨張係数が大きいため、温度上昇によってナックル2が膨張しても、逆に樹脂リングがそれ以上に膨張する。したがって、ナックル2と車輪用軸受24との嵌合シメシロは大きくなり、クリープの発生を防止することができる。なお、螺旋溝26が前述したような偏心溝であれば、その楔効果によってさらに耐クリープ力を増大させることができる。
【0029】
また、本実施形態では、外輪25に螺旋溝26を形成したため、ナックル2に形成する通孔23および環状溝22は、別段この螺旋溝26の位置に拘らずどの位置に設けても、ナックル2の環状溝22と外輪25の螺旋溝26とが交差することになり、通孔23と環状溝22および螺旋溝26による密閉空間を構成することができる。したがって、この交差部および螺旋状樹脂リングのせん断力によって耐クリープ力が増大すると共に、車輪用軸受24の軸方向への移動も防止することができ、スティックスリップ音を防止することができる。さらに、ナックル2の通孔23等の加工が簡便になり量産性が格段に向上する。
【0030】
さらに、本実施形態では、外輪25の幅面から全面に螺旋溝26を形成したため、通孔23と環状溝22および螺旋溝26によって形成される密閉空間に溶融樹脂を注入しても内部の空気が外輪25の螺旋溝26から幅面を介して外部に排出される。したがって、溶融樹脂の充填によって内部圧力が異常に上昇して不充足や空孔等を発生するようなことはなく、密閉空間内を完全に溶融樹脂で効率良く充填することができ、安定したクリープ防止手段を提供することができる。
【0031】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【0032】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る車輪用軸受装置は、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから軸方向に延びる円筒状の小径段部を形成したハブ輪と、このハブ輪の小径段部に外嵌した複列の転がり軸受と、車体に固定された軽合金からなるナックルとを備え、このナックルに前記複列の転がり軸受を内嵌し、当該ナックルに対して前記ハブ輪を回転自在に支承してなる車輪用軸受装置において、前記複列の転がり軸受の外輪の外周に周方向溝を形成すると共に、前記ナックルにこの周方向溝に連通する環状溝と、この環状溝に連通する通孔とを形成し、これら周方向溝と環状溝および通孔からなる密閉空間に合成樹脂を充填したので、少なくとも周方向溝と環状溝からなる密閉空間内の合成樹脂が樹脂リングを構成し、温度上昇によってナックルが膨張しても、逆にこの樹脂リングがそれ以上に膨張することになる。したがって、温度上昇によって、ナックルと複列の転がり軸受との嵌合シメシロは大きくなり、組立時の軸受予圧が維持できるだけでなく、軸受密閉空間内に充填された合成樹脂のせん断力と相俟って複列の転がり軸受のクリープを防止すると共に、複列の転がり軸受の軸方向の移動によるスティックスリップ音の発生を防止することができる。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す部分断面図である。
【図2】同上、車輪用軸受を示す断面図である。
【図3】(a)は、本発明に係る車輪用軸受の第2の実施形態を示す断面図である。
(b)は、同上平面図である。
【図4】従来の車輪用軸受装置を組み込んだ動力伝達装置を示す部分断面図である。
【図5】従来の車輪用軸受装置を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1、24・・・・・・車輪用軸受
2・・・・・・・・・ナックル
3・・・・・・・・・ハブ輪
4・・・・・・・・・車輪取付フランジ
4a・・・・・・・・ハブボルト
5・・・・・・・・・小径段部
6、15・・・・・・セレーション
7、25・・・・・・外輪
7a・・・・・・・・外側転走面
8・・・・・・・・・内輪
8a・・・・・・・・内側転走面
9・・・・・・・・・転動体
10・・・・・・・・保持器
11・・・・・・・・シール
12・・・・・・・・外側継手部材
13・・・・・・・・肩部
14・・・・・・・・軸部
16・・・・・・・・ねじ部
17・・・・・・・・固定ナット
18・・・・・・・・鍔
19・・・・・・・・止め輪溝
20・・・・・・・・止め輪
21・・・・・・・・偏心溝
22・・・・・・・・環状溝
23・・・・・・・・通孔
26・・・・・・・・螺旋溝
100・・・・・・・ドライブシャフト
101・・・・・・・摺動型等速自在継手
102・・・・・・・ディファレンシャル
103・・・・・・・固定型等速自在継手
104・・・・・・・車輪用軸受装置
105・・・・・・・駆動輪ホイール
106・・・・・・・ハブ輪
107・・・・・・・車輪用軸受
108・・・・・・・ナックル
109・・・・・・・内輪
110・・・・・・・外輪
W0・・・・・・・・偏心溝の幅寸法
W1・・・・・・・・環状溝の幅寸法
φd・・・・・・・・通孔の直径

Claims (6)

  1. 一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから軸方向に延びる円筒状の小径段部を形成したハブ輪と、このハブ輪の小径段部に外嵌した複列の転がり軸受と、車体に固定された軽合金からなるナックルとを備え、このナックルに前記複列の転がり軸受を内嵌し、当該ナックルに対して前記ハブ輪を回転自在に支承してなる車輪用軸受装置において、
    前記複列の転がり軸受の外輪の外周に周方向溝を形成すると共に、前記ナックルにこの周方向溝に連通する環状溝と、この環状溝に連通する通孔とを形成し、これら周方向溝と環状溝および通孔からなる密閉空間に合成樹脂を充填したことを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記周方向溝が環状溝である請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記周方向溝の幅寸法を前記ナックルに形成した環状溝の幅寸法よりも大きく、かつこの環状溝の幅寸法を前記通孔の直径よりも大きくした請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記周方向溝が螺旋溝である請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記周方向溝の中心が、前記複列の転がり軸受の軸心に対して所定量だけ偏心している請求項1乃至4いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  6. 前記密閉空間内に熱可塑性合成樹脂を射出成形により充填した請求項1乃至5いずれかに記載の車輪用軸受装置。
JP2003000109A 2003-01-06 2003-01-06 車輪用軸受装置 Pending JP2004211820A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003000109A JP2004211820A (ja) 2003-01-06 2003-01-06 車輪用軸受装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003000109A JP2004211820A (ja) 2003-01-06 2003-01-06 車輪用軸受装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004211820A true JP2004211820A (ja) 2004-07-29

Family

ID=32818532

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003000109A Pending JP2004211820A (ja) 2003-01-06 2003-01-06 車輪用軸受装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004211820A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006153097A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Ntn Corp 車輪用軸受装置
JP2006316804A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Ntn Corp 車輪用軸受装置
JP2007010041A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Ntn Corp 車輪用軸受装置
KR101420572B1 (ko) 2013-07-12 2014-08-13 현대위아 주식회사 차량의 허브와 아웃트레이스의 결합구조
CN105317834A (zh) * 2014-06-30 2016-02-10 Skf公司 用于可更换的轮轴承单元的滚动轴承单元

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006153097A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Ntn Corp 車輪用軸受装置
JP2006316804A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Ntn Corp 車輪用軸受装置
JP2007010041A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Ntn Corp 車輪用軸受装置
KR101420572B1 (ko) 2013-07-12 2014-08-13 현대위아 주식회사 차량의 허브와 아웃트레이스의 결합구조
CN105317834A (zh) * 2014-06-30 2016-02-10 Skf公司 用于可更换的轮轴承单元的滚动轴承单元
CN105317834B (zh) * 2014-06-30 2019-05-10 Skf公司 用于可更换的轮轴承单元的滚动轴承单元

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4557223B2 (ja) 駆動車輪用軸受装置
JP2005180681A (ja) 車輪用軸受装置
JP4940027B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP2007046703A (ja) 駆動車輪用軸受装置
WO2006095603A1 (ja) 車輪用軸受装置
JP2006161856A (ja) 車輪用軸受装置
JP3335251B2 (ja) 車輪支持用軸受
JP4817409B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP2004211820A (ja) 車輪用軸受装置
JP2006316804A (ja) 車輪用軸受装置
JP2007331509A (ja) 駆動車輪用軸受装置
JP2007290591A (ja) 駆動車輪用軸受装置
JP6239310B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP2006118611A (ja) 車輪用軸受装置
JP2008247274A (ja) 車輪用軸受装置
JP2006312459A5 (ja)
JP4397921B2 (ja) 駆動車輪用軸受ユニット
JP2008155692A (ja) 車輪用軸受装置
JP2006312459A (ja) 駆動車輪用軸受ユニット
JP2006153096A (ja) 車輪用軸受装置
JP6261846B2 (ja) 車輪用軸受装置および車輪用軸受装置の製造方法
JP2001233005A (ja) アクスルモジュール
JP2007326503A (ja) 駆動車輪用軸受装置
JP2006153097A (ja) 車輪用軸受装置
JP2005127450A (ja) 車輪支持用ハブユニット軸受