JP2004211569A - 垂直軸型風力発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】風の利用効率の向上を図り、高効率で小形の垂直軸型風力発電装置を実現すること。
【解決手段】風車部30の回転軸31が発電機22の入力軸に連結された垂直軸型風力発電装置10において、垂直軸形風車部は、風の進行方向に対して垂直方向に立設された回転軸31に固設され、風を受けることにより回転軸31に回転力を与える羽根32〜37と、羽根に向かって進行する風を増速させる増速部40と、増速部40を風の進行方向に基づいて位置決めする方向調整羽根38とを有する。
【選択図】 図2
【解決手段】風車部30の回転軸31が発電機22の入力軸に連結された垂直軸型風力発電装置10において、垂直軸形風車部は、風の進行方向に対して垂直方向に立設された回転軸31に固設され、風を受けることにより回転軸31に回転力を与える羽根32〜37と、羽根に向かって進行する風を増速させる増速部40と、増速部40を風の進行方向に基づいて位置決めする方向調整羽根38とを有する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、垂直軸型風力発電装置に係り、特に、垂直軸型風力発電装置の外周部に風速を増加することができる装置を設置し、風の利用度を上げ、より大きな出力を得られるようにした垂直軸型風力発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
風車には、水平軸形と垂直軸形があり、水平軸形のプロペラ風車は、技術的にかなり進んでいるが、風車の回転面を常に風向きに合わせる複雑な制御が必要であり、発電機、伝達機構、制御機構などの重量物を支持塔の上部に設置しなければならない。
【0003】
一方、垂直軸形風車は、無指向性であり、重量物なども地上に設置できる利点がある。その上、低風速からの始動が可能であり、騒音レベルも小さいという特徴を有している。
しかしながら、垂直軸形風車は、受風面の半分は回転力の源となるが、残りの半分は風上に向かって進むため、回転を抑制するように働いてしまうという問題がある。したがって、このような問題を解決するために効率の向上が要求されている。
【0004】
そこで、エネルギ変換効率の向上を主目的にこれまでにも、図8に示すように、垂直軸形風車60において回転軸61に設けられた羽根62の周囲に、風50を案内する案内板(導風板)63を配置することが提案されている(例えば、特許文献1、2、3参照。)。
これによって、風50の収束が行えるようになっているが、上述した受風面の半分に対する回転の抑制作用の問題は依然として残されたままである。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−240141号公報
【特許文献2】
特開平9−296774号公報
【特許文献3】
特開平11−62813号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、垂直軸形風車では、風のエネルギを受けて風車が回転する際に、回転する受風面の半分については風上に向かって羽根が進むため、回転力を減少させるように働き、エネルギ変換効率を向上させる際の阻害要因になっていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、上記のような垂直軸形風車を備えた風力発電装置が有する問題の解決を図ることができる高効率で小形の垂直軸型風力発電装置を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、垂直軸形風車部の回転軸が発電機の入力軸に連結された垂直軸型風力発電装置において、前記垂直軸形風車部は、風の進行方向に対して垂直方向に立設された回転軸に固設され、風を受けることにより前記回転軸に回転力を与える羽根と、前記羽根に向かって進行する風を増速させる増速部と、前記増速部を風の進行方向に基づいて位置決めする方向調整部とを有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の垂直軸型風力発電装置において、前記方向調整部は、前記回転軸に直交するように該回転軸に固定され風上に向かって正対する位置で停止する方向調整羽根を有し、前記増速部は、前記方向調整羽根に固定されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれかに記載の垂直軸型風力発電装置において、前記増速部は、前記回転軸に対して長手方向が平行であり、かつ幅方向が前記方向調整羽根の中心線に対して所定角度だけ前記回転軸に直交する平面内で傾斜するとともに、前記回転軸に前記羽根が固定されてなる風車部と所定距離だけ離間するように前記方向調整羽根に固定されている板体であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の垂直軸型風力発電装置において、前記増速部は、前記風車部に対面する側の面が湾曲するように形成されており、かつ他の面が平坦になるように形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1または2のいずれかに記載の垂直軸型風力発電装置において、前記方向調整羽根は、鉛直面にほぼ平行になるように平板状に形成された羽根部と、該羽根部の末端から該羽根部の中心線に対して左右対称に二又状に分岐する分岐部とを有し、前記増速部は、一の面が平坦面に、かつ他の面が湾曲面で矩形状に形成された一対の板体を有し、該一対の板体は、前記羽根の周縁部の回転通路における上下端近傍に前記一対の板体の幅方向に沿う側面の一端が位置し、該幅方向に沿う側面は前記方向調整羽根の羽根部の側面に対して垂直で、かつ前記一対の板体の長手方向に沿う側面が前記前記羽根部の中心線に対して所定角度、外方に傾斜するとともに、前記一対の板体の前記湾曲面が内側となり、かつ該湾曲面は前記羽根部の中心線と平行な面内で湾曲するように、取付部材により前記方向調整羽根に固設されていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
〈第1実施形態〉
本発明の第1実施形態に係る垂直軸型風力発電装置の構成を図1及び図2に示す。本発明の第1実施形態に係る垂直軸型風力発電装置は、風の進行方向に対して垂直方向に立設された回転軸に固設され、風を受けることにより前記回転軸に回転力を与える羽根と、前記羽根に向かって進行する風を増速させる増速部と、前記増速部を風の進行方向に基づいて位置決めする方向調整部とを有することを特徴としている。
【0013】
図1は本実施形態に係る垂直軸型風力発電装置の平面図、図2はその正面図である。これらの図において、垂直軸型風力発電装置(以下、風力発電装置と略称する場合がある。)10は、風車部30を支持する支持部20と、垂直円筒形の風車部30と、羽根に向かって進行する風を増速させる増速部40とを有している。
支持部20は、台座21と、この台座21内に設けられた発電機22とを有している。
【0014】
風車部30は、台座21に対し回転自在に支持されるとともに、前述した発電機22の入力軸に連結され、風の進行方向に対して垂直方向に立設された回転軸31と、この回転軸31の周囲に沿って配置され、風を受けることにより回転軸31に回転力を与える複数の羽根32〜37とを備えている。
増速部40は、台座21及び回転軸31に対し、回転自在に支持されている。
【0015】
増速部40は、湾曲するように形成された湾曲面41と平坦に形成された平坦面42を有する板体であり、湾曲部分で風の流入速度が上がる機能を有している。 ここで、増速部40は、風車部30に対面する側の面が湾曲面となり、かつ他の面が平坦面となるように方向調整部としての方向調整羽根38に固定されている。
方向調整羽根38は、回転軸31に直交するように回転軸31に固定され、風上に向かって正対する位置で停止するように機能する。
【0016】
また、増速部40は、回転軸31に対して長手方向が平行であり、かつ幅方向が方向調整部としての方向調整羽根38の中心線に対して所定角度φだけ回転軸31に直交する平面内で傾斜するとともに、回転軸31に羽根32〜37が固定されてなる風車部30と所定距離Dだけ離間するように方向調整羽根38に取付部材39により固定されている。
ここで、増側部40の作用について説明する。増速部40において、スプーンのように膨らんでいる湾曲面41は、一方の平坦面に比べ、空気の流通する方向の長さが長いので、空気の流れのスピードを速くすることができる。なぜならば、曲面と直面に2方向に分岐した風は、同じ時間をかけて表面を通過し、後方で同時に合流するが、曲面は直面より長いので、曲面上を流れる風は、より長い距離を速い速度で流れなければならないからである。これにより、通常の回転力の他に、増速部40による力を羽根に伝えることができ、回転軸31は大きな回転力を得ることができる。
【0017】
なお、増速部40の形状については、図3(A)〜(E)に示すように様々な形状が考えられ、図3(A)、図3(B)に示す飛行機の翼型モデルや、図3(C)、(D)に示す三角形モデル、図3(E)に示す鍔付モデルなどがある。なお、図3(A)〜図3(E)は、それぞれ、増速部40の平面図及び正面図を各例について示している。
【0018】
次に図3(A)の翼型モデルの増速部を図1、図2における増速部40として用いた場合における、風車部30と増速部40との間隔Dに対する増速部40の全長Lの比率L/D、傾斜角度φによる増速率Qの相違について図4及び図5を参照して説明する。ここで、増速率Qとは、羽根に向かって吹く風の羽根と増速部40との間隙に流入する直前の風速をV1、羽根と増速部40との間隙を通過後の風速をV2としたときにQ=V2/V1である。
【0019】
まず、風車部30と増速部40との間隔Dに対する増速部40の全長Lの比率L/Dと増速率Qとの関係については、図4に示すように、L/Dが大きくなるにしたがって、次第に増速率Qが増加し、すなわち、羽根に向かって吹く風の風速は増速していき、L/Dが2以上で2倍以上の増速効果を実現している。
一方、傾斜角度φについては、図5に示すように、φが4〜10°の範囲において、増速率1.5以上を実現している。なお、図4は、φ=4°のときの特性を、図5はL/D=2のときの特性を、それぞれ示している。
【0020】
この増速部40を効果的に作用させるために、風力発電装置10の一番上部には上述した方向調整羽根38が取り付けられている。方向調整羽根38は、鉛直面にほぼ平行になるように平板状に形成された羽根部38Aと、該羽根部38Aの末端から羽根部38Aの中心線に対して左右対称に二又状に分岐する分岐部38Bとを有している。
【0021】
この方向調整羽根38と増速部40を取付部材39で固定することにより、風向が変化しても分岐部38Bに風が吹き込むことにより瞬時に方向調整羽根38の羽根部38Aが回転し、増速部40が常に最適な位置に向くように向きを変えることができる。
【0022】
このように構成された風力発電装置10では、回転軸31に取リ付けられた複数の羽根32,33に風50が当たることにより、回転軸31に回転力が与えられ、発電機22の作動により低速で発電が開始される。これと同時に風50は方向調整羽根38の分岐部38Bに当たり、増速部40を羽根32,33に増速効果を与える位置に回転移動させる。これにより、通常の回転力以上の力を羽根32,33に加えることができる。このため、通常の垂直軸型風力発電装置の性能を損なうことなく、回転力を向上させることができる。
【0023】
〈第2実施形態〉
本発明の第2実施形態に係る垂直軸型風力発電装置を図6及び図7に示す。図6は本実施形態に係る垂直軸型風力発電装置の平面図を、図7はその側面図を、それぞれ示している。本実施形態が第1実施形態と構成上、異なるのは、回転軸31に取り付けられた羽根の周縁部の回転通路の上下端近傍に湾曲面が位置するように一対の増速部(板体)40,40を設け、羽根にあたる風のうち、羽根の上下端近傍の風を増速するように構成した点であり、その他の構成は第1実施形態と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0024】
図6及び図7において、本実施形態に係る垂直軸型風力発電装置10は、一対の増速部40,40は、羽根の周縁部の回転通路における上下端近傍に一対の増速部40、40の幅方向に沿う側面の一端が位置し、該幅方向に沿う側面は方向調整羽根38の羽根部38Aの側面に対して垂直で、かつ一対の増速部40、40の長手方向に沿う側面が羽根部38Aの中心線に対して所定角度、外方に傾斜するとともに、一対の増速部40,40の湾曲面41が内側となり、かつ該湾曲面41は羽根部38Aの中心線と平行な面内で湾曲するように、ロッド70、取付ボルト71、72等の取付部材により方向調整羽根38に固設されている。
【0025】
また、図7上、下方に位置する増速部40は、回転軸31に設けられた固定部53にボルト74により固定されている。これにより、一対の増速部40、40は一体的に方向調整羽根38に固定されている。
本実施形態に係る垂直軸型風力発電装置によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本発明は、クロスフロー型、サボニウス型等、風車の羽根の形状に関わらず、いずれの垂直軸型風力発電装置についても適用することができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、垂直軸形風車部の回転軸が発電機の入力軸に連結された垂直軸型風力発電装置において、前記垂直軸形風車部は、風の進行方向に対して垂直方向に立設された回転軸に固設され、風を受けることにより前記回転軸に回転力を与える羽根と、前記羽根に向かって進行する風を増速させる増速部と、前記増速部を風の進行方向に基づいて位置決めする方向調整部とを有するので、風の利用度の向上が図れ、高効率で小形の垂直軸型風力発電装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る垂直軸型風力発電装置の平面図。
【図2】本発明の第1実施形態に係る垂直軸型風力発電装置の正面図。
【図3】増速部の各種形状の例を示す平面図及び正面図。
【図4】本発明の第1実施形態に係る垂直軸型風力発電装置における風車部と増速部との間隔Dに対する増速部の全長Lの比率L/Dと増速率Qとの関係を示す特性図。
【図5】本発明の第1実施形態に係る垂直軸型風力発電装置における増速部の傾斜角度φと増速率Qとの関係を示す特性図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る垂直軸型風力発電装置の平面図。
【図7】本発明の第2実施形態に係る垂直軸型風力発電装置の側面図。
【図8】従来の垂直軸型風力発電装置の構成を示す説明図。
【符号の説明】
10…風力発電装置
20…支持部
21…台座
22…発電機
30…風車部
31…回転軸
32〜37…羽根
38…方向調整羽根
38A…羽根部
38B…分岐部
39…取付部材
40…増速部
41…湾曲面
42…平坦面
50…風
60…垂直軸風車
61…回転軸
62…羽根
63…案内板
【発明の属する技術分野】
本発明は、垂直軸型風力発電装置に係り、特に、垂直軸型風力発電装置の外周部に風速を増加することができる装置を設置し、風の利用度を上げ、より大きな出力を得られるようにした垂直軸型風力発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
風車には、水平軸形と垂直軸形があり、水平軸形のプロペラ風車は、技術的にかなり進んでいるが、風車の回転面を常に風向きに合わせる複雑な制御が必要であり、発電機、伝達機構、制御機構などの重量物を支持塔の上部に設置しなければならない。
【0003】
一方、垂直軸形風車は、無指向性であり、重量物なども地上に設置できる利点がある。その上、低風速からの始動が可能であり、騒音レベルも小さいという特徴を有している。
しかしながら、垂直軸形風車は、受風面の半分は回転力の源となるが、残りの半分は風上に向かって進むため、回転を抑制するように働いてしまうという問題がある。したがって、このような問題を解決するために効率の向上が要求されている。
【0004】
そこで、エネルギ変換効率の向上を主目的にこれまでにも、図8に示すように、垂直軸形風車60において回転軸61に設けられた羽根62の周囲に、風50を案内する案内板(導風板)63を配置することが提案されている(例えば、特許文献1、2、3参照。)。
これによって、風50の収束が行えるようになっているが、上述した受風面の半分に対する回転の抑制作用の問題は依然として残されたままである。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−240141号公報
【特許文献2】
特開平9−296774号公報
【特許文献3】
特開平11−62813号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、垂直軸形風車では、風のエネルギを受けて風車が回転する際に、回転する受風面の半分については風上に向かって羽根が進むため、回転力を減少させるように働き、エネルギ変換効率を向上させる際の阻害要因になっていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、上記のような垂直軸形風車を備えた風力発電装置が有する問題の解決を図ることができる高効率で小形の垂直軸型風力発電装置を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、垂直軸形風車部の回転軸が発電機の入力軸に連結された垂直軸型風力発電装置において、前記垂直軸形風車部は、風の進行方向に対して垂直方向に立設された回転軸に固設され、風を受けることにより前記回転軸に回転力を与える羽根と、前記羽根に向かって進行する風を増速させる増速部と、前記増速部を風の進行方向に基づいて位置決めする方向調整部とを有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の垂直軸型風力発電装置において、前記方向調整部は、前記回転軸に直交するように該回転軸に固定され風上に向かって正対する位置で停止する方向調整羽根を有し、前記増速部は、前記方向調整羽根に固定されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれかに記載の垂直軸型風力発電装置において、前記増速部は、前記回転軸に対して長手方向が平行であり、かつ幅方向が前記方向調整羽根の中心線に対して所定角度だけ前記回転軸に直交する平面内で傾斜するとともに、前記回転軸に前記羽根が固定されてなる風車部と所定距離だけ離間するように前記方向調整羽根に固定されている板体であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の垂直軸型風力発電装置において、前記増速部は、前記風車部に対面する側の面が湾曲するように形成されており、かつ他の面が平坦になるように形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1または2のいずれかに記載の垂直軸型風力発電装置において、前記方向調整羽根は、鉛直面にほぼ平行になるように平板状に形成された羽根部と、該羽根部の末端から該羽根部の中心線に対して左右対称に二又状に分岐する分岐部とを有し、前記増速部は、一の面が平坦面に、かつ他の面が湾曲面で矩形状に形成された一対の板体を有し、該一対の板体は、前記羽根の周縁部の回転通路における上下端近傍に前記一対の板体の幅方向に沿う側面の一端が位置し、該幅方向に沿う側面は前記方向調整羽根の羽根部の側面に対して垂直で、かつ前記一対の板体の長手方向に沿う側面が前記前記羽根部の中心線に対して所定角度、外方に傾斜するとともに、前記一対の板体の前記湾曲面が内側となり、かつ該湾曲面は前記羽根部の中心線と平行な面内で湾曲するように、取付部材により前記方向調整羽根に固設されていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
〈第1実施形態〉
本発明の第1実施形態に係る垂直軸型風力発電装置の構成を図1及び図2に示す。本発明の第1実施形態に係る垂直軸型風力発電装置は、風の進行方向に対して垂直方向に立設された回転軸に固設され、風を受けることにより前記回転軸に回転力を与える羽根と、前記羽根に向かって進行する風を増速させる増速部と、前記増速部を風の進行方向に基づいて位置決めする方向調整部とを有することを特徴としている。
【0013】
図1は本実施形態に係る垂直軸型風力発電装置の平面図、図2はその正面図である。これらの図において、垂直軸型風力発電装置(以下、風力発電装置と略称する場合がある。)10は、風車部30を支持する支持部20と、垂直円筒形の風車部30と、羽根に向かって進行する風を増速させる増速部40とを有している。
支持部20は、台座21と、この台座21内に設けられた発電機22とを有している。
【0014】
風車部30は、台座21に対し回転自在に支持されるとともに、前述した発電機22の入力軸に連結され、風の進行方向に対して垂直方向に立設された回転軸31と、この回転軸31の周囲に沿って配置され、風を受けることにより回転軸31に回転力を与える複数の羽根32〜37とを備えている。
増速部40は、台座21及び回転軸31に対し、回転自在に支持されている。
【0015】
増速部40は、湾曲するように形成された湾曲面41と平坦に形成された平坦面42を有する板体であり、湾曲部分で風の流入速度が上がる機能を有している。 ここで、増速部40は、風車部30に対面する側の面が湾曲面となり、かつ他の面が平坦面となるように方向調整部としての方向調整羽根38に固定されている。
方向調整羽根38は、回転軸31に直交するように回転軸31に固定され、風上に向かって正対する位置で停止するように機能する。
【0016】
また、増速部40は、回転軸31に対して長手方向が平行であり、かつ幅方向が方向調整部としての方向調整羽根38の中心線に対して所定角度φだけ回転軸31に直交する平面内で傾斜するとともに、回転軸31に羽根32〜37が固定されてなる風車部30と所定距離Dだけ離間するように方向調整羽根38に取付部材39により固定されている。
ここで、増側部40の作用について説明する。増速部40において、スプーンのように膨らんでいる湾曲面41は、一方の平坦面に比べ、空気の流通する方向の長さが長いので、空気の流れのスピードを速くすることができる。なぜならば、曲面と直面に2方向に分岐した風は、同じ時間をかけて表面を通過し、後方で同時に合流するが、曲面は直面より長いので、曲面上を流れる風は、より長い距離を速い速度で流れなければならないからである。これにより、通常の回転力の他に、増速部40による力を羽根に伝えることができ、回転軸31は大きな回転力を得ることができる。
【0017】
なお、増速部40の形状については、図3(A)〜(E)に示すように様々な形状が考えられ、図3(A)、図3(B)に示す飛行機の翼型モデルや、図3(C)、(D)に示す三角形モデル、図3(E)に示す鍔付モデルなどがある。なお、図3(A)〜図3(E)は、それぞれ、増速部40の平面図及び正面図を各例について示している。
【0018】
次に図3(A)の翼型モデルの増速部を図1、図2における増速部40として用いた場合における、風車部30と増速部40との間隔Dに対する増速部40の全長Lの比率L/D、傾斜角度φによる増速率Qの相違について図4及び図5を参照して説明する。ここで、増速率Qとは、羽根に向かって吹く風の羽根と増速部40との間隙に流入する直前の風速をV1、羽根と増速部40との間隙を通過後の風速をV2としたときにQ=V2/V1である。
【0019】
まず、風車部30と増速部40との間隔Dに対する増速部40の全長Lの比率L/Dと増速率Qとの関係については、図4に示すように、L/Dが大きくなるにしたがって、次第に増速率Qが増加し、すなわち、羽根に向かって吹く風の風速は増速していき、L/Dが2以上で2倍以上の増速効果を実現している。
一方、傾斜角度φについては、図5に示すように、φが4〜10°の範囲において、増速率1.5以上を実現している。なお、図4は、φ=4°のときの特性を、図5はL/D=2のときの特性を、それぞれ示している。
【0020】
この増速部40を効果的に作用させるために、風力発電装置10の一番上部には上述した方向調整羽根38が取り付けられている。方向調整羽根38は、鉛直面にほぼ平行になるように平板状に形成された羽根部38Aと、該羽根部38Aの末端から羽根部38Aの中心線に対して左右対称に二又状に分岐する分岐部38Bとを有している。
【0021】
この方向調整羽根38と増速部40を取付部材39で固定することにより、風向が変化しても分岐部38Bに風が吹き込むことにより瞬時に方向調整羽根38の羽根部38Aが回転し、増速部40が常に最適な位置に向くように向きを変えることができる。
【0022】
このように構成された風力発電装置10では、回転軸31に取リ付けられた複数の羽根32,33に風50が当たることにより、回転軸31に回転力が与えられ、発電機22の作動により低速で発電が開始される。これと同時に風50は方向調整羽根38の分岐部38Bに当たり、増速部40を羽根32,33に増速効果を与える位置に回転移動させる。これにより、通常の回転力以上の力を羽根32,33に加えることができる。このため、通常の垂直軸型風力発電装置の性能を損なうことなく、回転力を向上させることができる。
【0023】
〈第2実施形態〉
本発明の第2実施形態に係る垂直軸型風力発電装置を図6及び図7に示す。図6は本実施形態に係る垂直軸型風力発電装置の平面図を、図7はその側面図を、それぞれ示している。本実施形態が第1実施形態と構成上、異なるのは、回転軸31に取り付けられた羽根の周縁部の回転通路の上下端近傍に湾曲面が位置するように一対の増速部(板体)40,40を設け、羽根にあたる風のうち、羽根の上下端近傍の風を増速するように構成した点であり、その他の構成は第1実施形態と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0024】
図6及び図7において、本実施形態に係る垂直軸型風力発電装置10は、一対の増速部40,40は、羽根の周縁部の回転通路における上下端近傍に一対の増速部40、40の幅方向に沿う側面の一端が位置し、該幅方向に沿う側面は方向調整羽根38の羽根部38Aの側面に対して垂直で、かつ一対の増速部40、40の長手方向に沿う側面が羽根部38Aの中心線に対して所定角度、外方に傾斜するとともに、一対の増速部40,40の湾曲面41が内側となり、かつ該湾曲面41は羽根部38Aの中心線と平行な面内で湾曲するように、ロッド70、取付ボルト71、72等の取付部材により方向調整羽根38に固設されている。
【0025】
また、図7上、下方に位置する増速部40は、回転軸31に設けられた固定部53にボルト74により固定されている。これにより、一対の増速部40、40は一体的に方向調整羽根38に固定されている。
本実施形態に係る垂直軸型風力発電装置によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本発明は、クロスフロー型、サボニウス型等、風車の羽根の形状に関わらず、いずれの垂直軸型風力発電装置についても適用することができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、垂直軸形風車部の回転軸が発電機の入力軸に連結された垂直軸型風力発電装置において、前記垂直軸形風車部は、風の進行方向に対して垂直方向に立設された回転軸に固設され、風を受けることにより前記回転軸に回転力を与える羽根と、前記羽根に向かって進行する風を増速させる増速部と、前記増速部を風の進行方向に基づいて位置決めする方向調整部とを有するので、風の利用度の向上が図れ、高効率で小形の垂直軸型風力発電装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る垂直軸型風力発電装置の平面図。
【図2】本発明の第1実施形態に係る垂直軸型風力発電装置の正面図。
【図3】増速部の各種形状の例を示す平面図及び正面図。
【図4】本発明の第1実施形態に係る垂直軸型風力発電装置における風車部と増速部との間隔Dに対する増速部の全長Lの比率L/Dと増速率Qとの関係を示す特性図。
【図5】本発明の第1実施形態に係る垂直軸型風力発電装置における増速部の傾斜角度φと増速率Qとの関係を示す特性図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る垂直軸型風力発電装置の平面図。
【図7】本発明の第2実施形態に係る垂直軸型風力発電装置の側面図。
【図8】従来の垂直軸型風力発電装置の構成を示す説明図。
【符号の説明】
10…風力発電装置
20…支持部
21…台座
22…発電機
30…風車部
31…回転軸
32〜37…羽根
38…方向調整羽根
38A…羽根部
38B…分岐部
39…取付部材
40…増速部
41…湾曲面
42…平坦面
50…風
60…垂直軸風車
61…回転軸
62…羽根
63…案内板
Claims (5)
- 垂直軸形風車部の回転軸が発電機の入力軸に連結された垂直軸型風力発電装置において、
前記垂直軸形風車部は、
風の進行方向に対して垂直方向に立設された回転軸に固設され、風を受けることにより前記回転軸に回転力を与える羽根と、
前記羽根に向かって進行する風を増速させる増速部と、
前記増速部を風の進行方向に基づいて位置決めする方向調整部と、
を有することを特徴とする垂直軸型風力発電装置。 - 前記方向調整部は、前記回転軸に直交するように該回転軸に固定され風上に向かって正対する位置で停止する方向調整羽根を有し、
前記増速部は、前記方向調整羽根に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の垂直軸型風力発電装置。 - 前記増速部は、前記回転軸に対して長手方向が平行であり、かつ幅方向が前記方向調整羽根の中心線に対して所定角度だけ前記回転軸に直交する平面内で傾斜するとともに、前記回転軸に前記羽根が固定されてなる風車部と所定距離だけ離間するように前記方向調整羽根に固定されている板体であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の垂直軸型風力発電装置。
- 前記増速部は、前記風車部に対面する側の面が湾曲するように形成されており、かつ他の面が平坦になるように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の垂直軸型風力発電装置。
- 前記方向調整羽根は、鉛直面にほぼ平行になるように平板状に形成された羽根部と、該羽根部の末端から該羽根部の中心線に対して左右対称に二又状に分岐する分岐部とを有し、
前記増速部は、一の面が平坦面に、かつ他の面が湾曲面で矩形状に形成された一対の板体を有し、
該一対の板体は、前記羽根の周縁部の回転通路における上下端近傍に前記一対の板体の幅方向に沿う側面の一端が位置し、該幅方向に沿う側面は前記方向調整羽根の羽根部の側面に対して垂直で、かつ前記一対の板体の長手方向に沿う側面が前記前記羽根部の中心線に対して所定角度、外方に傾斜するとともに、前記一対の板体の前記湾曲面が内側となり、かつ該湾曲面は前記羽根部の中心線と平行な面内で湾曲するように、取付部材により前記方向調整羽根に固設されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の垂直軸型風力発電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002379878A JP2004211569A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 垂直軸型風力発電装置 |
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ID=32816256
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JP2002379878A Withdrawn JP2004211569A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 垂直軸型風力発電装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004211569A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100784345B1 (ko) | 2006-08-22 | 2007-12-13 | 김선수 | 수평형 풍력 발전기 |
KR100980471B1 (ko) * | 2009-11-17 | 2010-09-07 | 한성웰텍 (주) | 이열구조의 날개부를 구비한 풍력발전기 |
JP5080698B1 (ja) * | 2012-03-06 | 2012-11-21 | 佐藤工業株式会社 | 流体誘導パネル及び発電装置 |
JP5421498B1 (ja) * | 2013-10-01 | 2014-02-19 | 康典 前田 | 垂直軸型風車 |
-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002379878A patent/JP2004211569A/ja not_active Withdrawn
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