JP2004211147A - 熱間プレス成形性に優れた亜鉛めっき鋼板および該鋼板を用いた熱間プレス成形部材の製法並びに高強度かつめっき外観に優れた熱間プレス成形部材 - Google Patents

熱間プレス成形性に優れた亜鉛めっき鋼板および該鋼板を用いた熱間プレス成形部材の製法並びに高強度かつめっき外観に優れた熱間プレス成形部材 Download PDF

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Abstract

【課題】強度が980MPa以上でめっき外観に優れた熱間プレス成形部材を製造するのに用いる、熱間プレス成形性に優れた亜鉛めっき鋼板を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.05%以上0.4%以下、Si:1.0%以下(0%を含まない)、Mn:2.5%以上8%以下を満たし、下記式(1)で表されるAc点が800℃以下である亜鉛めっき鋼板。
Ac(℃)=910−203×[C]1/2+44.7[Si]−30[Mn]−11[Cr]+31.5[Mo]−15.2[Ni]−20[Cu] …(1)
(式中の[ ]は各含有成分の質量%を示す)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱間プレス成形性に優れた亜鉛めっき鋼板、および該鋼板を用いた熱間プレス成形部材の製法、並びに高強度かつめっき外観に優れた熱間プレス成形部材に関するものであり、特に、熱間プレス成形性に優れた亜鉛めっき鋼板と、該鋼板のめっき外観を損ねることなく良好にプレス成形しかつ高強度を確保することのできる熱間プレス成形部材の製造方法と、該方法で得られるめっき外観が良好で強度が980MPa以上である熱間プレス成形部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、低燃費化を目的とする車両等の軽量化や安全性向上のため、該車両等を構成する部材には更なる高強度化が要求されており、自動車のピラー等には、980MPa以上もの高強度を発揮するプレス成形部材が適用されつつある。
【0003】
980MPa以上もの高強度を有するプレス成形部材を製造するにあたり、冷間プレス成形で該レベルの高強度を確保するには、設備等にかかる荷重負担が大きすぎるため、冷間プレス成形での製造は極めて困難である。そこで、鋼板をA変態点以上、即ちオーステナイト域まで加熱して、熱間でプレス形成するとともに、プレス成形時に常温の金型と接触させることで焼き入れを行い、高強度を達成する方法が採用されている。
【0004】
しかし、この様にA変態点以上の高温でプレス成形する場合、用いる鋼板が素地のままでは、多量のスケールが生ずるなど表面の変質が著しく、該スケールの除去処理等にコストと時間を要し、効率よくプレス成形部材を製造することができない。また多量のスケールが生じると、部材サイズの精度低下を招く原因にもなる。
【0005】
そこで熱間成形を行うに際し、スケール等が発生しないよう予め鋼板にZnめっきを施したり、例えば特許文献1〜3に示すようなAlめっきを施す等して表面を保護することが考えられる。しかしAlめっき鋼板の場合には、Alめっきにリン酸処理を施すことができないので、塗装の優れた密着性や耐食性を確保することができない等の問題がある。
【0006】
またこの様に保護層としてめっき層を形成しても、熱間プレス成形でA変態点以上もの高温に加熱すると、該めっき層が著しく変質して清浄な表面を維持することができず、依然としてショットブラスト等の変質部分を除去する工程が必要となる。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−49416号公報
【特許文献2】
特開平5−311379号公報
【特許文献3】
特開平8−100217号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこの様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、熱間プレス成形性に優れた亜鉛めっき鋼板、および該鋼板を用いた熱間プレス成形部材の有用な製造方法、並びに該製法で得られる強度が980MPa以上でめっき外観に優れた熱間プレス成形部材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる熱間プレス成形性に優れた亜鉛めっき鋼板とは、質量%で(以下同じ)、C:0.05%以上0.4%以下、Mn:2.5%以上8%以下、Si:1.0%以下(0%を含まない)を満たし、下記式(1)で表されるAc点が800℃以下であるところに特徴を有する。
【0010】
Ac(℃)=910−203×[C]1/2+44.7[Si]−30[Mn]−11[Cr]+31.5[Mo]−15.2[Ni]−20[Cu] …(1)
(式中の[ ]は各含有成分の質量%を示す)
本発明の亜鉛めっき鋼板は、更に他の元素として、Crおよび/またはMoを合計で1%以下(0%を含まない)を含んでいてもよく、また、Ni:0.5%以下(0%を含まない),および/またはCu:0.5%以下(0%を含まない)を含んでいてもよい。
【0011】
更に、下記式(2)で表されるCeqが0.45以下となるよう亜鉛めっき鋼板の成分を調整すれば、スポット溶接性も確保できるので望ましい。
【0012】
Ceq=[C]+(1/30)[Si]+(1/20)[Mn]+2[P]+4[S]…(2)
(式中の[ ]は各含有成分の質量%を示す)
本発明は、この様な亜鉛めっき鋼板を用いた熱間プレス成形部材の製造方法も規定するものであり、該方法は、Ac点以上800℃以下で熱間プレス成形を行うところに特徴を有する。また本発明は、上記方法で製造された、強度が980MPa以上でめっき外観に優れた熱間プレス成形部材も保護対象に包含する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、前述した様な状況の下で、鋼板の亜鉛めっき(以下、単に「めっき」ということがある)外観を良好に維持したまま熱間プレス成形を行い、980MPa以上もの高強度を有する成形部材を得るべく様々な角度から検討を行った。その結果、Ac点の低い鋼板を用い、Ac点以上800℃以下の温度域で熱間プレス成形すれば、めっき外観を良好に維持したまま精度よく成形でき、かつ980MPa以上もの高強度を達成できることを見出し、上記本発明に想到した。
【0014】
以下、本発明で用いる鋼板およびこれを用いた熱間プレス成形部材の製法等を規定した理由について詳述する。
【0015】
まず、亜鉛めっき鋼板のめっき外観が劣化し始める加熱温度を知るべく、加熱温度とめっき外観の関係を調べた。その結果、700℃以下の加熱ではめっき層の変質はほとんど生じず、また700℃超〜800℃以下の加熱では、めっき外観に多少の変質はみられるものの除去を要する程度ではなかった。しかし、加熱温度が800℃を超えると、亜鉛めっきが本来の銀色から緑色または茶色へと著しく変色することが確認された。
【0016】
即ち、これまで熱間プレス成形に用いられてきた鋼板は、Ac点が800℃超を示すものであるため、Ac点以上で行う熱間プレス成形は、必然的に800を超える高温域で行わざるを得ず、めっき層の変質を招いていたのである。
【0017】
そこで本発明者らは、熱間プレス成形用として下記式(1)で表されるAc点が800℃以下の鋼板を使用すれば、熱間プレス成形をAc点以上800℃以下の比較的低温域で行うことができ、めっき外観を良好に維持しつつ、精度よくプレス成形でき、併せて高強度も達成できることを見出した。
【0018】
Ac(℃)=910−203×[C]1/2+44.7[Si]−30[Mn]−11[Cr]+31.5[Mo]−15.2[Ni]−20[Cu] …(1)
(式中の[ ]は各含有成分の質量%を示す)
そして具体的手段として、上記式(1)で示されるAc点の低下に寄与度が特に高いMnを2.5%以上含有させることによって、鋼板のAc点を800℃以下に抑えることとした。Mnを好ましくは3.0%以上、より好ましくは3.5%以上含有させると、Ac点のより低い鋼板とすることができるので望ましい。
【0019】
ところで、この様に比較的多量のMnを添加した場合の弊害として、
▲1▼Mnが偏析しやすいこと、
▲2▼必要以上に鋼板が硬くなること、が考えられる。
【0020】
しかし上記▲1▼の問題については、例えば、熱間圧延後の鋼板を700℃以下(A1点−50)℃以上の温度域で約20秒以上保持する、いわゆる焼き戻し熱処理を行うことによって抑制することができる。
【0021】
また前記▲2▼の問題については、鋼の高強度化に寄与するCやSi等の含有量を低減することで解消することができる。
【0022】
尚、Mn量が多過ぎると、上記改善処理にもかかわらず、上記▲1▼▲2▼の弊害が著しくなり、その抑制が困難となるので8%以下、好ましくは7.5%以下、より好ましくは7%以下に抑えるのがよい。
【0023】
その他の成分について規定した理由を以下に詳述する。
【0024】
C:0.05%以上0.4%以下
Cは、高強度を確保し、且つ、Ac点を低下させるのに有効な元素である。この様な作用を発揮させるには、Cを0.05%以上含有させることが必要であり、好ましくは0.10%以上である。但し過剰に含有させると、必要以上に強度化しすぎて熱間加工性が低下するばかりでなく溶接性等も劣化する。従ってC量は0.4%以下に抑えるのがよく、好ましくは0.3%以下である。
【0025】
Si:1.0%以下(0%を含まない)
Siは、脱酸元素である他、固溶強化元素としても有用である。この様な作用を有効に発揮させるには、Siを0.1%以上含有させることが好ましい。しかしSi量が過剰の場合、めっき層の形成が良好に行われず、またSi量の増加は鋼板のAc点を高めることにもなるので、1.0%以下に抑える。好ましくは0.5%以下とする。
【0026】
基本的成分組成は以上の通りであり、残部成分は実質的にFeであるが、該鋼中に微量の不可避不純物の含有が許容されるのは勿論のこと、前記本発明の作用に悪影響を与えない範囲で、更に下記の元素を含有させることも可能である。
【0027】
Crおよび/またはMoを合計で1%以下(0%を含まない)
CrおよびMoは、焼入れ性を向上させて、鋼の強度を高めるのに有効な元素であることから、Crおよび/またはMoを合計で0.1%以上添加することが推奨される。しかしながら、過剰に添加しても効果が飽和してしまい、延性が劣化する為、Crおよび/またはMoを合計で1%以下に抑えることが好ましい。より好ましくは合計で0.8%以下である。
【0028】
尚、これらの元素は夫々、単独で使用しても良いし、或いは併用しても構わない。
【0029】
Ni:0.5%以下(0%を含まない)および/または
Cu:0.5%以下(0%を含まない)
これらの元素は、強度−延性バランスを高く保持したまま、高強度化を実現するのに有効な元素であり、この様な作用を有効に発揮させるには、Ni:0.1%以上、および/またはCu:0.1%以上を添加することが推奨される。しかしながら、これらの元素を過剰に添加しても上記効果が飽和してしまう他、熱延時に割れが生じる等して生産性が低下することから、Ni:0.5%以下、および/またはCu:0.5%以下に抑えるのが良い。
【0030】
またP(リン)は、鋼中で粒界偏析を起こして熱間加工性やプレス成形性に悪影響を及ぼす有害元素である。従って本発明では、Pの含有量を0.02%以下に抑えることが好ましく、より好ましくは0.01%以下である。またS(硫黄)は、MnS等の硫化物系介在物を形成し、割れ発生の原因となりうる。よってS量は0.015%以下に抑えるのがよく、より好ましくは0.010%以下に抑える。
【0031】
更にその他の元素として、例えばTiやNbを析出強化や固溶強化等の目的で、それぞれ0.1%以下の範囲内で含有させてもよく、Bを0.005%以下の範囲内で添加したものにも本発明を適用することができる。
【0032】
また、本発明は、溶融亜鉛めっき鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板等の亜鉛めっき鋼板に適用することができる。
【0033】
本発明にかかる成形部材の製造方法は、上記の様に成分調製してAc点を800℃以下とした鋼板を用い、熱間プレス成形をAc点以上800℃以下で行うところに特徴を有する。
【0034】
上記Ac点を800℃以下とした鋼板を用いることで、800℃以下の低温域でも支障なく熱間プレス成形を行うことができ、得られる成形部材のめっき外観や性状の劣化を抑え、良好な状態を維持することができる。その結果、従来技術の如く、めっき表面の変質部分を除去するためのショットブラスト等を行う必要がなく、また上述の通りめっき層は清浄なまま維持されるので、優れた耐食性等を発揮し、その後の塗装処理も容易に行うことができる。
【0035】
Ac点以上で成形するのは、プレス成形を円滑に実施するとともに、該高温域の鋼板をプレス成形時に常温の金型と接触させることで焼き入れを行い、強度を高めるためである。熱間プレス成形は、好ましくは(Ac点+10)℃以上、より好ましくは(Ac点+20)℃以上の温度域で行えば、より成形し易くなり、かつ高強度を確保し易くなる。しかし成形温度の上限は、本発明の目的に照らして800℃以下に抑える必要がある。本発明法における熱間プレス成形温度の下限は、Ac点以上であれば750℃以下であってもよく、更には700℃以下でもよい。
【0036】
本発明の方法は、上記要件を満たす製造条件を定めたところに特徴を有するものであり、鋼材の溶製や鋳造、鋼板を得るための熱間圧延等といった基本的な製造条件、更にはめっき処理条件等についてまで規定するものでなく、これらについては一般的な条件や方法を採用することができる。また、熱間プレス成形についてもその他の条件についてまで特に規定するものでない。
【0037】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものでなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0038】
実施例
表1に示す成分組成の鋼材を溶製し、熱間圧延を仕上圧延温度:(A3−50)℃以上、巻取温度:600℃以上の条件で行って2.5mm厚の鋼板とした後に、冷間圧延を行い1.0mm厚の鋼板を得た。そして460℃で該鋼板に亜鉛めっき処理を施し、次に500℃以上で合金化処理を行って、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得た。
【0039】
得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を用い、熱間プレス成形を想定して、大気炉で前記鋼板を表2に示す加熱温度まで昇温し、該加熱温度で約5分間加熱保持した後、図1(断面説明図)に示すようにプレス成形(45mm角の角筒絞り)を行い、その後に放冷(空冷)して成形試料を得た。
【0040】
この様にして得られた成形試料の強度、めっき表面外観、耐パウダリング性およびスポット溶接性を評価した。
【0041】
成形試料の強度は、成形試料の壁部および底部のビッカース硬さ(Hv、荷重:9.8N)を測定し、強度(Hv×3)[MPa]を求めた。尚、成形試料の壁部および底部の強度がともに980MPa以上示す場合を所望の高強度を有すると判断した。
【0042】
また、成形試料のめっき外観は、目視で観察して下記基準で評価し、下記3〜5の場合にめっき外観が維持されていると判断した。
【0043】
5:めっき表面が熱間プレス成形前と同じ銀色
4:めっき表面が薄茶色または薄緑色
3:めっき表面が茶色
2:めっき表面がこげ茶色
1:めっき表面が黒色
耐パウダリング性については、曲げ角60°、曲げ半径1mmのV型パンチおよびダイスを用いて曲げ試験を行い、曲げ内側のめっき剥離部をテープ剥離し、下記基準で目視にて評価し、下記2の場合に耐パウダリング性を確保でき、下記3または4の場合に耐パウダリング性に優れていると評価した。
【0044】
4:めっき剥離幅が5mm未満
3:めっき剥離幅が5mm以上10mm未満
2:めっき剥離幅が10mm以上15mm未満
1:めっき剥離幅が15mm以上
更に、各成分組成から上記式(2)で表されるCeqを求め、該Ceqが0.45超の場合をスポット溶接性に劣るとし、Ceqが0.45以下の場合をスポット溶接性が確保されていると判断した。
【0045】
【表1】
Figure 2004211147
【0046】
【表2】
Figure 2004211147
【0047】
表1および表2から次のように考察することができる。尚、以下のNo.は表2における実験No.を示す。
【0048】
No.3,4,6〜8,10〜18,20は、本発明で規定する化学成分組成を満足する鋼板を用い、かつ規定の方法で成形を行った結果を示しており、得られた成形試料は、強度が980MPa以上と高く、めっき外観と耐パウダリング性に優れていることがわかる。また、No.12および13に示される結果から、スポット溶接性を確保するには、更に本発明で規定するCeqの範囲を満たすようにするのが有効であることがわかる。
【0049】
これに対し、No.1,2,5,9,19,21は、本発明で規定する要件を満たすものでなく、得られた部材は、強度が不足しているか、めっき外観または耐パウダリング性が好ましくないものとなっている。
【0050】
即ちNo.1および2は、Mn量が少なすぎてAc点が800℃を超えている鋼板を熱間成形に用い、Ac点以上の800℃を超える高温で成形加工を行ったため、めっき層が変質してめっき外観に劣るものとなった。No.5は、C量が少なすぎるため、所望の強度を確保することができなかった。No.9は、Si量が多過ぎるため、めっき層が良好に形成されなかった。No.19は、Ac点を下回る低温で成形したため、所望の強度を確保することができなかった。No.21は、Ac点が690℃の鋼板を用いたものであるが、プレス成形を800℃以上の高温で行ったため、めっき層が変質してめっき外観に劣るものとなった。
【0051】
尚、図2は、規定する条件で製造した成形試料(No.7)のめっき表面の観察写真であり、熱間成形後も良好なめっき外観を維持できていることがわかる。これに対し図3は、規定する条件で製造しなかった成形試料(No.21)のめっき表面の観察写真であり、熱間成形後にめっき表面が変質していることがわかる。
【0052】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されており、本発明で規定する亜鉛めっき鋼板を用い規定の方法で熱間プレス成形を行うことで、980MPa以上もの高強度を有し、かつめっき外観に優れた、自動車のピラーやダイヤフラムスプリング、二輪車用のブレーキディスク等のプレス成形部材を効率よく供給できることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における角筒絞り実験を説明する図(断面図)である。
【図2】本発明例(No.7)の熱間プレス成形試料のめっき外観を示す観察写真である。
【図3】比較例(No.21)の熱間プレス成形試料のめっき外観を示す観察写真である。

Claims (6)

  1. 質量%で(以下同じ)、
    C :0.05%以上0.4%以下、
    Mn:2.5%以上8%以下、
    Si:1.0%以下(0%を含まない)、
    を満たし、下記式(1)で表されるAc点が800℃以下であることを特徴とする熱間プレス成形性に優れた亜鉛めっき鋼板。
    Ac(℃)=910−203×[C]1/2+44.7[Si]−30[Mn]−11[Cr]+31.5[Mo]−15.2[Ni]−20[Cu] …(1)
    (式中の[ ]は各含有成分の質量%を示す)
  2. 更に、
    Crおよび/またはMoを合計で1%以下(0%を含まない)
    を含有するものである請求項1に記載の亜鉛めっき鋼板。
  3. 更に、
    Ni:0.5%以下(0%を含まない),および/または
    Cu:0.5%以下(0%を含まない)
    を含有するものである請求項1または2に記載の亜鉛めっき鋼板。
  4. 更に、下記式(2)で表されるCeqが0.45以下である請求項1〜3のいずれかに記載の亜鉛めっき鋼板。
    Ceq=[C]+(1/30)[Si]+(1/20)[Mn]+2[P]+4[S]…(2)
    (式中の[ ]は各含有成分の質量%を示す)
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の亜鉛めっき鋼板を用いて、Ac点以上800℃以下で熱間プレス成形を行うことを特徴とする熱間プレス成形部材の製造方法。
  6. 請求項5に記載の製造方法で得られた強度が980MPa以上でめっき外観に優れた熱間プレス成形部材。
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