JP2004209724A - 二重陽極接合による接合方法 - Google Patents

二重陽極接合による接合方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004209724A
JP2004209724A JP2002380042A JP2002380042A JP2004209724A JP 2004209724 A JP2004209724 A JP 2004209724A JP 2002380042 A JP2002380042 A JP 2002380042A JP 2002380042 A JP2002380042 A JP 2002380042A JP 2004209724 A JP2004209724 A JP 2004209724A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
glass substrate
bonding
flow path
ink flow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002380042A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatake Akaike
正剛 赤池
Tamayoshi Kurashima
玲伊 倉島
Takehiko Kawasaki
岳彦 川崎
Takatsugi Wada
隆亜 和田
Hideaki Nojiri
英章 野尻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2002380042A priority Critical patent/JP2004209724A/ja
Publication of JP2004209724A publication Critical patent/JP2004209724A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】二重陽極接合によって引き起こされる、最初の陽極接合界面での剥離を防止できる、二重陽極接合による接合方法を提供する。
【解決手段】溝部形成のプロセスを経た一方のSi基板1における接合面5に複数の凹部6あるいは多孔質(ポーラス)部7を形成し、接合面上にガラス基板8を載置し、この状態でガラス基板の軟化点まで加熱し、同時に加圧によって、接触しているガラス基板の一部を凹部または多孔質(ポーラス)部の孔の中に圧入し、圧入後、降温する過程でSi基板とガラス基板を陽極接合し、この後ガラス基板を薄片化し、同時に薄片化中すでに陽極接合済みのガラス基板の溝部直上部分にスルーホール部9を形成し、さらに予め薄片化プロセスによって振動板12を形成し、振動板上に振動の駆動源となる圧電体15を成膜した他方のSi基板10とガラス基板を陽極接合する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインク吐出用ヘッドにおいて、ノズル、インク流路、インク室を有するSi基板と振動板からなるSi基板を、すなわちSi基板同士をガラスを介して陽極接合により固層接合する接合法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(1)従来、固層接合法は通常、それぞれの接着表面を親水化処理し、その後両接着面を重ね合わせ、1000度Cから1200度Cの温度下で熱処理することにより行われていた(例えば、非特許文献1参照。)。
(2)あるいは、接合表面を清浄化し、超高真空中で荷重を印加し、直接接合することにより行われていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【非特許文献1】
ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Journal of AppliedPhysics)、1986年10月15日、60巻、8号、p.2987
【特許文献1】
特開昭56−53886号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術では次の様な不都合があった。
(1)接着面同士を重ね合わせた後、高温度での熱処理過程による接合は、形成済みの素子及び配線に悪影響を及ぼす。すなわち、形成済みの素子の破壊あるいは配線の断線を引き起こしやすく、かつ高温下で接合するので作業性が良くない。あるいは、溝形成等のプロセスを経た場合のSi基板の表面は無数の凹凸、及び段差を生ずるので、直接接合をすることは困難である。
(2)基板表面をイオンエッチングによって清浄化し、この後超高真空中で荷重印加により基板同士を接合するので、装置が大掛かりになり易く、かつアライメントが困難である。
【0005】
上述の従来技術の欠点を回避するため、本発明の目的は、二重陽極接合によって引き起こされる、最初の陽極接合界面での剥離を防止できる、二重陽極接合による接合方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の欠点を回避する接合法を提供するものであり、二重陽極接合において、すなわち、溝部形成のプロセスを経た一方のSi基板における接合面に複数の凹部あるいは多孔質(ポーラス)部を形成し、接合面上にガラス基板を載置し、この状態でガラス基板の軟化点まで加熱し、同時に加圧によって、接触しているガラス基板の一部を凹部または多孔質(ポーラス)部の孔の中に圧入し、圧入後、降温する過程でSi基板とガラス基板を陽極接合し、この後ガラス基板を薄片化し、同時に薄片化中すでに陽極接合済みのガラス基板の溝部直上部分にスルーホールを形成し、さらに予め薄片化プロセスによって振動板を形成し、振動板上に振動の駆動源となる圧電体を成膜した他方のSi基板とガラス基板を陽極接合する。すなわち、二重陽極接合する。
【0007】
上記方法によって、二重陽極接合によって引き起こされる、最初の陽極接合界面での剥離を防止できる。すなわち、複数の凹状、あるいは多孔質状(ポーラス状)の孔を形成した一方のSi基板の接合面上に、ガラス基板を載置し、ガラス基板の軟化点での熱処理中に、ガラス基板が接合面の表面形態に沿って変形し、同時にガラス基板の表面の一部が変形によって孔の中に入り込むことによって、Si基板とガラス基板は互いに密着面積を高める状態になり、さらに降温過程中に両基板を陽極接合することから、接合面積を大きくすることが可能になり、この後薄片化研磨過程で平坦化したガラス基板表面と他方のSi基板を密着し、二重陽極接合するため、最初の陽極接合界面での剥離を防止できる。さらに本方法によると、他方のSi基板に振動板を形成し、振動板上に予め圧電体を形成した後、最初に陽極接合したガラス基板に他方のSi基板を二重陽極接合できるため、圧電体のSi基板上への成膜及び熱処理を二重陽極接合前に、すなわち個別に形成することが可能になる。そして、最初の陽極接合後、すなわち一方のSi基板とガラス基板との陽極接合後、ガラス基板の薄片化過程で、あるいは超音波洗浄過程で一方のSi基板のインク室直上部分のガラス基板に穴あけした後、ガラス基板に他方のSi基板を陽極接合するので、インク液が穴あけ部分を通って振動板までの空間を満たすことになるので、両Si基板に、そして個別にそれぞれインク室及び振動板を形成することが可能になることから、プロセスが簡便になる。
【0008】
上記方法でSi基板/ガラス基板/Si基板の二重陽極接合による振動板接合法及びインク吐出の構造体を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
(発明の第1の実施の形態)
図1乃至図8は本発明の特徴を最も良く表す図面であり、同図において1は一方のSi基板であり、2はSi基板1に形成したインク室であり、3はSi基板1に形成したインク流路であり、4はSi基板1に形成したノズルであり、5は陽極接合するための接合面であり、6は接合面5に形成した凹部であり、8はガラス基板であり、9はガラス基板に穴あけしたスルーホール部であり、10は他方のSi基板であり、11はSi基板10に形成した薄片化溝部であり、12はSi基板10に形成した振動板の機能を果たす薄片部であり、14は薄片部12上に形成した下電極であり、15は下電極14上に形成した振動の駆動源となる圧電体であり、16は圧電体15上に形成した上電極である。
【0010】
次に上記構成において、一方のSi基板1上にガラス基板8を載置し、この後ガラス基板の軟化点まで加熱し、凹部6にガラス基板の一部が入り込み易い様に両基板を両側から荷重印加した。この場合、軟化したガラスが重力あるいは荷重印加でインク室2、インク流路3及びノズル4の中に深く入り込まない様に、ガラス基板8を下側にした状態で荷重を印加した。この後降温し、400度Cで両基板間を陽極接合した。すなわち、最初の陽極接合を行った。さらに、接合状態にあるガラス基板8を図2の矢視部分Bを除去し、約2μmまで薄片化研磨し、この後超音波洗浄した。この工程で、一方のSi基板の溝部であるインク室2、インク流路3及びノズル4の直上のガラスは破断し、結果として穴を形成した。そして、図4に見るように他方のSi基板10に薄片化溝部11をエッチングにより形成することにより、振動板となる薄片部12を設け、薄片部12に図4に見るように白金からなる下電極14、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる圧電体15及び白金からなる上電極16を順次成膜する。この後、図5に見るようにSi基板1及びSi基板10を対向し、インク流路と薄片部が互いに相対向するように整合し、この状態で図5に見るように二回目の接合、すなわち二重陽極接合する。二重陽極接合後図5の矢視部分Eをカットし、ノズル4を開通する。
【0011】
上記で作製した素子をインク吐出系(図示無し)に組み込み、下電極14及び上電極16間にパルス電圧を印加したところノズル4からインクの吐出を見た。
【0012】
尚、本実施の形態において、ガラス基板はPyrexガラス(コーニング社の商用登録)を用いたが、この他にも、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、アルミノケイ酸ガラス、感光性ガラスであっても良い。
【0013】
尚、本実施の形態において最初の陽極接合を400度Cで行ったが、印加電圧を大きくすることにより200度Cでも可能である。
【0014】
(発明の第2の実施の形態)
図9乃至図13は本発明の特徴を良く表したものであり、同図において1は一方のSi基板であり、2はSi基板1に形成したインク室であり、3はSi基板1に形成した流路であり、4はSi基板1に形成したノズルであり、5は陽極接合するための接合面であり、7はSi基板1の接合面に形成した無数の孔からなる多孔質(ポーラス)部であり、8はガラス基板であり、9はガラス基板8に穴あけしたスルーホール部であり、10はSOI(Si on Insulator)基板のSi基板であり、12はSOI基板のSi酸化膜上のSiからなり振動板として機能するための薄片部であり、13はSOI基板のSi酸化膜であり、14は下電極であり、15は振動の駆動源となる圧電体であり、16は上電極である。
【0015】
次に、上記構成において、一方のSi基板1の接合面5に陽極酸化によって多孔質部7を形成し、多孔質7上にガラス基板8を載置し、この状態でガラス基板の軟化点まで加熱し、多孔質部7の孔の中にガラス基板の一部が入り込み易い様に両基板を両側から荷重印加した。この場合、軟化したガラス基板が重力及び荷重印加でインク室2、インク流路3及びノズル4の中に深く入り込まない様に、ガラス基板8を下側にした状態で荷重を印加した。この後降温し、400度Cで両基板間を陽極接合した。すなわち、最初の陽極接合を行った。さらに、接合状態にあるガラス基板8を約2μmまで薄片化研磨し、この後超音波洗浄した。この工程で、一方のSi基板の溝部であるインク室2、インク流路3及びノズル4の直上のガラスは破断し、結果としてスルーホール部を形成した。そして、図9に見るようにSOI基板からなる薄片部12とガラス8を対向し、互いに位置を整合した状態で両者を密着し、二回目の接合、すなわち二重陽極接合をした。そして、図12に見るようにSOI基板のSi基板10及びSi酸化膜13をエッチングにより除去し、さらにインク流路3の直上の薄片部12に白金からなる下電極14、ZnO(酸化亜鉛)からなる圧電体15及び上電極16を順次成膜した。この後、図13の矢視部分Gをカットし、ノズル4を開通した。
【0016】
上記で作成した素子をインク吐出系(図示無し)に組み込み、下電極14及び上電極16間にパルス電圧を印加したところ、ノズル4からインク吐出した。
【0017】
以上、本発明の2つの実施の形態が示され説明されたが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は本明細書内特定の説明と図に限定されるのではなく、本特許請求の範囲に全て述べられた様々の修正と変更に及ぶことが理解されるであろう。
【0018】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0019】
本発明の実施態様は、一方のSi基板に溝部、及び、凹部または多孔質(ポーラス)部を、そして他方のSi基板に薄片部を、それぞれ形成し、両Si基板を二重陽極接合することによってインク流路及び振動板を形成する、次の各工程から成る接合方法、すなわち、
(1)一方のSi基板にインク室、インク流路及びノズルとなる溝部を形成し、他方のSi基板に振動板となる薄片部を形成し、
(2)さらに、一方のSi基板の接合面に凹部または多孔質(ポーラス)部を形成し、
(3)ガラス基板を一方のSi基板に載置し、この状態でガラス基板の軟化点まで加熱し、さらに該軟化点で熱処理し、
(4)ガラス基板と一方のSi基板を陽極接合し、
(5)陽極接合後、ガラス基板を薄片化研磨し、
(6)薄片化研磨過程で、溝部直上のガラス基板にスルーホール部を形成し、
(7)他方のSi基板の薄片部の直上に振動の駆動源となる圧電体を成膜し、
(8)この後、一方のSi基板及び他方のSi基板を対向し、インク流路と薄片部が互いに相対向するように両Si基板を整合し、
(9)一方のSi基板と他方のSi基板との間を陽極接合する、
上記各工程から成る、インク室、インク流路及びノズルの形成及び振動板取り付けを二重陽極接合による接合方法である。
【0020】
本実施態様によれば、最初に陽極接合した接合界面での接合力を大きくすることができるので、二重陽極接合の際に、最初に陽極接合した接合界面での剥離を防止できる。
【0021】
また、二重陽極接合の際の温度は200度Cから400度Cの間で可能であるので、圧電体のキューリー点以下の温度で接合可能である。
【0022】
また、薄片化したガラスを介在としたSi基板同士の接合形態をとるので、インク室、インク流路、ノズル、及び振動板をSiプロセスを用いて形成可能である。
【0023】
また、別々のSi基板にそれぞれインク流路、インク室、ノズル及び薄片部を形成可能であるので、プロセスが容易である。
【0024】
また、本発明においては、凹部または多孔質(ポーラス)部は、インク室、インク流路及びノズル以外の、すなわち一方のSi基板の接合面に形成することが好ましい。
【0025】
また、本発明においては、凹部は複数から成ることが好ましい。
【0026】
また、本発明においては、軟化点でガラス基板の一部を一方のSi基板の凹部または多孔質(ポーラス)部に圧入することが好ましい。
【0027】
また、本発明においては、ガラス基板の薄片化研磨過程において、インク室、インク流路及びノズルの直上のガラス基板にスルーホール部を形成することが好ましい。
【0028】
本発明の他の実施態様は、一方のSi基板に溝部、及び、凹部または多孔質(ポーラス)部を、そして他方のSi基板に薄片部を、それぞれ形成し、両Si基板を二重陽極接合することによってインク流路及び振動板を形成する、次の各工程から成る接合方法、すなわち、
(1)一方のSi基板にインク室、インク流路及びノズルとなる溝部を形成し、他方のSi基板に振動板となる薄片部を形成し、
(2)さらに、一方のSi基板の接合面に凹部または多孔質(ポーラス)部を形成し、
(3)ガラス基板を一方のSi基板に載置し、この状態でガラス基板の軟化点まで加熱し、さらに軟化点で熱処理し、
(4)ガラス基板と一方のSi基板を陽極接合し、
(5)陽極接合後、ガラス基板を薄片化研磨し、
(6)薄片化研磨過程で、溝部直上のガラス基板にスルーホール部を形成し、
(7)この後、一方のSi基板及び他方のSi基板を対向し、インク流路と薄片部が互いに相対向するように両Si基板を整合し、
(8)一方のSi基板と他方のSi基板との間を陽極接合し、
(9)この後、他方のSi基板を薄片化し、
(7)他方のSi基板の薄片部の直上に、かつ、インク流路の直上に、振動の駆動源となる圧電体を成膜する、
上記各工程から成る、インク室、インク流路及びノズルの形成及び振動板取り付けを二重陽極接合による接合方法である。
【0029】
また、本発明においては、ガラス基板は可動性イオンを有する絶縁体基板であり、ホウケイ酸ガラスまたはソーダ石灰ガラスまたはアルミノケイ酸ガラスまたは感光性ガラスであることが好ましい。
【0030】
本発明の他の実施態様は、一方のSi基板に溝部、及び、凹部または多孔質(ポーラス)部を、そして他方のSi基板に薄片部を、それぞれ形成し、両Si基板を二重陽極接合することによってインク流路(圧力室を含む、以後インク流路と呼ぶ)及び振動板を形成する、次の各工程から成る接合方法、すなわち、
(1)一方のSi基板にインク室、インク流路及びノズルとなる溝部を形成し、他方のSi基板に振動板となる薄片部を形成し、
(2)さらに、一方のSi基板の接合面に凹部または多孔質(ポーラス)部を形成し、
(3)ガラス基板を一方のSi基板に載置し、この状態でガラス基板の軟化点まで加熱し、さらに該軟化点で熱処理し、
(4)ガラス基板と前記一方のSi基板を陽極接合し、
(5)陽極接合後、ガラス基板を薄片化研磨し、
(6)薄片化研磨過程で、溝部直上の前記ガラス基板にスルーホール部を形成し、
(7)他方のSi基板の薄片部の直上に振動の駆動源となる圧電体を成膜し、
(8)この後、一方のSi基板及び他方のSi基板を対向し、インク流路と薄片部が互いに相対向するように両Si基板を整合し、
(9)一方のSi基板と他方のSi基板との間を陽極接合する、
上記各工程から成る、インク室、インク流路及びノズルの形成及び振動板取り付けを二重陽極接合による接合方法によって形成されたことを特徴とする、二重陽極接合による接合構造体である。
【0031】
本発明の他の実施態様は、一方のSi基板に溝部、及び、凹部または多孔質(ポーラス)部を、そして他方のSi基板に薄片部を、それぞれ形成し、両Si基板を二重陽極接合することによってインク流路及び振動板を形成する、次の各工程から成る接合方法、すなわち、
(1)一方のSi基板にインク室、インク流路及びノズルとなる溝部を形成し、他方のSi基板に振動板となる薄片部を形成し、
(2)さらに、一方のSi基板の接合面に凹部または多孔質(ポーラス)部を形成し、
(3)ガラス基板を一方のSi基板に載置し、この状態でガラス基板の軟化点まで加熱し、さらに該軟化点で熱処理し、
(4)ガラス基板と一方のSi基板を陽極接合し、
(5)陽極接合後、ガラス基板を薄片化研磨し、
(6)薄片化研磨過程で、溝部直上の前記ガラス基板にスルーホール部を形成し、
(7)この後、一方のSi基板及び他方のSi基板を対向し、インク流路と薄片部が互いに相対向するように両Si基板を整合し、
(8)一方のSi基板と他方のSi基板との間を陽極接合し、
(9)この後、他方のSi基板を薄片化し、
(7)他方のSi基板の薄片部の直上に、かつ、インク流路の直上に、振動の駆動源となる圧電体を成膜する、
上記各工程から成る、インク室、インク流路及びノズルの形成及び振動板取り付けを二重陽極接合による接合方法によって形成されたことを特徴とする、二重陽極接合による接合構造体である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、以下の効果がある。
【0033】
本発明によれば、最初の陽極接合においてSi基板の接合面に凹状の窪み、あるいは多孔質(ポーラス)状の層を形成し、この後接合面とガラスを密着し、この状態でガラス基板の軟化点まで加熱し、この熱処理過程中にガラス基板が凹部、あるいは多孔質の孔に入り込ませてミクロレベルで密着し、かつ密着面積を大きくした後、降温過程中に陽極接合を行い、この後ガラス基板の薄片化研磨によってガラス基板を平坦化し、同時にこの過程でガラス基板にスルーホールを形成し、さらに振動板としての機能を有する薄片部に圧電体を設けたSi基板を二重陽極接合する。あるいは、薄片化したSi基板の上に圧電体を形成することによって、インク吐出用素子の構造体を形成することから、
1.最初に陽極接合した接合界面での接合力を大きくすることができるので、二重陽極接合の際に、最初に陽極接合した接合界面での剥離を防止できる。
2.二重陽極接合の際の温度は200度Cから400度Cの間で可能であるので、圧電体のキューリー点以下の温度で接合可能である。
3.薄片化したガラスを介在としたSi基板同士の接合形態をとるので、インク室、インク流路、ノズル、及び振動板をSiプロセスを用いて形成可能である。
4.別々のSi基板にそれぞれインク流路、インク室、ノズル及び薄片部を形成可能であるので、プロセスが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるインクの流路を有するSi基板にガラス基板を陽極接合する前の断面図である。
【図2】第1の実施の形態におけるインクの流路を有するSi基板にガラス基板を陽極接合した時の断面図である。
【図3】第1の実施の形態におけるインクの流路を有するSi基板にガラス基板を陽極接合した後、ガラス基板を薄片化研磨し、同時に流路部分のガラス基板に穴あけした断面図である。
【図4】第1の実施の形態において、一方の基板、すなわち圧電体を成膜したSi基板から成る成膜用基板と、他方の基板、すなわちガラス基板を陽極接合したSi基板を、二重陽極接合する前、相対向してアライメントした状態の断面図である。
【図5】第1の実施の形態において、一方の基板、すなわち圧電体を成膜したSi基板から成る成膜用基板と、他方の基板、すなわちガラス基板を陽極接合したSi基板を二重陽極接合した時の断面図である。
【図6】第1及び第2の実施の形態における図1のA矢視図である。
【図7】第1及び第2の実施の形態における図3のC矢視図である。
【図8】第1の実施の形態における図4のD矢視図である。
【図9】第2の実施の形態における一方の基板、すなわちSOI基板を、他方の基板、すなわちガラス基板を陽極接合したSi基板に二重陽極接合する前、相対向してアライメントした状態の断面図である。
【図10】第2の実施の形態における図9のF矢視図である。
【図11】第2の実施の形態における一方の基板、すなわちSOI基板を、他方の基板、すなわちガラス基板を陽極接合したSi基板に二重陽極接合した時の断面図である。
【図12】第2の実施の形態における二重陽極接合後、振動板を形成した時の断面図である。
【図13】第2の実施の形態における振動板上に圧電体を形成した時の断面図である。
【符号の説明】
1 Si基板
2 インク室
3 インク流路
4 ノズル
5 接合面
6 凹部
7 多孔質(ポーラス)部
8 ガラス基板
9 ガラス基板のスルーホール部
10 Si基板
11 薄片化溝部
12 薄片部(振動板)
13 Si酸化膜
14 下電極
15 圧電体
16 上電極

Claims (1)

  1. 一方のSi基板に溝部、及び、凹部または多孔質(ポーラス)部を、そして他方のSi基板に薄片部を、それぞれ形成し、両Si基板を二重陽極接合することによってインク流路(圧力室を含む、以後インク流路と呼ぶ)及び振動板を形成する、次の各工程から成る接合方法、すなわち、
    (1)一方のSi基板にインク室、インク流路及びノズルとなる溝部を形成し、他方のSi基板に振動板となる薄片部を形成し、
    (2)さらに、前記一方のSi基板の接合面に凹部または多孔質(ポーラス)部を形成し、
    (3)ガラス基板を前記一方のSi基板に載置し、この状態で前記ガラス基板の軟化点まで加熱し、さらに該軟化点で熱処理し、
    (4)前記ガラス基板と前記一方のSi基板を陽極接合し、
    (5)前記陽極接合後、前記ガラス基板を薄片化研磨し、
    (6)該薄片化研磨過程で、前記溝部直上の前記ガラス基板にスルーホール部を形成し、
    (7)前記他方のSi基板の前記薄片部の直上に振動の駆動源となる圧電体を成膜し、
    (8)この後、前記一方のSi基板及び前記他方のSi基板を対向し、前記インク流路と前記薄片部が互いに相対向するように両Si基板を整合し、
    (9)前記一方のSi基板と前記他方のSi基板との間を陽極接合する、
    上記各工程から成る、インク室、インク流路及びノズルの形成及び振動板取り付けを二重陽極接合によることを特徴とする、二重陽極接合による接合方法。
JP2002380042A 2002-12-27 2002-12-27 二重陽極接合による接合方法 Pending JP2004209724A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002380042A JP2004209724A (ja) 2002-12-27 2002-12-27 二重陽極接合による接合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002380042A JP2004209724A (ja) 2002-12-27 2002-12-27 二重陽極接合による接合方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004209724A true JP2004209724A (ja) 2004-07-29

Family

ID=32816371

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002380042A Pending JP2004209724A (ja) 2002-12-27 2002-12-27 二重陽極接合による接合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004209724A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005037558A3 (en) * 2003-10-10 2005-07-21 Spectra Inc Print head with thin membrane
US7425465B2 (en) 2006-05-15 2008-09-16 Fujifilm Diamatix, Inc. Method of fabricating a multi-post structures on a substrate
JP2008265339A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Samsung Electro Mech Co Ltd インクジェットヘッド及びその製造方法
US7686432B2 (en) 2006-01-20 2010-03-30 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Inkjet printer head and fabricating method thereof
JP2011056939A (ja) * 2009-08-12 2011-03-24 Rohm Co Ltd インクジェットプリンタヘッド
JP2011224979A (ja) * 2010-04-16 2011-11-10 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd インクジェットヘッドアセンブリー及びその製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005037558A3 (en) * 2003-10-10 2005-07-21 Spectra Inc Print head with thin membrane
JP2007508163A (ja) * 2003-10-10 2007-04-05 ディマティクス インコーポレーテッド 薄膜を有するプリントヘッド
US7566118B2 (en) 2003-10-10 2009-07-28 Fujifilm Dimatix, Inc. Print head with thin membrane
US7686432B2 (en) 2006-01-20 2010-03-30 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Inkjet printer head and fabricating method thereof
US7425465B2 (en) 2006-05-15 2008-09-16 Fujifilm Diamatix, Inc. Method of fabricating a multi-post structures on a substrate
JP2008265339A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Samsung Electro Mech Co Ltd インクジェットヘッド及びその製造方法
JP2011056939A (ja) * 2009-08-12 2011-03-24 Rohm Co Ltd インクジェットプリンタヘッド
US8807712B2 (en) 2009-08-12 2014-08-19 Rohm Co., Ltd. Inkjet printer head
JP2011224979A (ja) * 2010-04-16 2011-11-10 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd インクジェットヘッドアセンブリー及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4028017B2 (ja) 薄膜を最初の基体から目的の基体上に移動させる方法
US6858517B2 (en) Methods of producing a heterogeneous semiconductor structure
CN103037984A (zh) 机电换能器及其制造方法
WO2003083912A2 (en) Field-assisted fusion bonding
KR100325521B1 (ko) 유체 분사 장치의 제조 방법 및 그에 의해 제조되는 유체 분사장치
JP2004209724A (ja) 二重陽極接合による接合方法
JP2007168344A (ja) ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法及びデバイスの製造方法
JP2000289202A (ja) 圧電体薄膜素子及びこれを用いたインクジェット式記録ヘッド並びにこれらの製造方法
JP2001113701A (ja) 静電型インクジェットヘッドおよびその製造方法
JP3133171B2 (ja) インクジェットヘッドの製造方法
JPH11334088A (ja) インクジェット記録ヘッドの製造方法
KR100325520B1 (ko) 유체 분사 장치의 제조 방법_
JP4363150B2 (ja) 液滴吐出ヘッドの製造方法
JP2005354846A (ja) 電極基板の製造方法、ならびに、電極基板、静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、および液滴吐出装置
JPWO2009031463A1 (ja) 陽極接合方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法
JP2001026105A (ja) インクジェットヘッド
KR100325524B1 (ko) 유체 분사 장치 및 그 제조 방법
JPH10270406A (ja) 超音波発生装置およびその製法
JP2000203023A (ja) 静電型アクチュエ―タ及びその製造方法並びにインクジェットヘッド
JP2831334B2 (ja) 超音波振動装置およびそれを用いた超音波洗浄装置
JPH11138826A (ja) インクジェットヘッドの製造方法
JPH10244667A (ja) インクジェットヘッド及びその製造方法
JP2830435B2 (ja) インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法
CN116833079A (zh) 电容式微机械超声换能器
JPH09267479A (ja) インクジェットヘッドの製造方法