JP2004209662A - Liquid tank - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッドに液体を供給するための液体タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
液体を吐出する装置として、例えば記録紙の対象物に対してヘッドチップよりインクを吐出させて、画像や文字を記録するプリンタ装置としてインクジェット方式を用いたものがある。このインクジェット方式を用いたプリンタ装置は、低ランニングコスト、装置の小型化、プリント画像のカラー化が容易という利点がある。
【0003】
インクジェット方式を用いたプリンタ装置では、例えばイエロー、マゼンダ、シアン、ブラック等のように複数の色のインクがそれぞれ充填されたインクタンクが、ヘッドチップまでのインクの供給路が形成されたインクヘッドカートリッジに装着され、それぞれの色に対応するインクタンクからそれぞれの供給路を経てヘッドチップにインクを供給する。そして、このプリンタ装置では、インクタンクから供給路を介して供給されたインクを、ヘッドチップに設けられた微小なインク吐出孔から吐出させて記録紙の対象物に対して画像や文字を印刷する。
【0004】
また、インクジェット方式を用いたプリンタ装置では、インクタンクが着脱可能に設けられており、インクタンク内にインクが無くなった場合に、インクタンクを取り外し、新しいインクタンクに交換するようにしている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特許第2801149号公報(第5−6図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したインクタンクは、通常、加工性のよいポリエチレンやポリプロピレン等のプラスチック系材料をモールド成形することで形成されており、その表面粗さは、いわゆる標準的な成型加工により12〜25μm程度とされている。
【0007】
ここで、インクタンクは、モールド成型された後や、環境配慮の観点から使用済みを回収した後に、内部の洗浄を行い、内部に溜まった細かな塵埃を除去し、また残留インクを除去してから、インクを封入して利用又は再利用するようにしている。
【0008】
しかしながら、従来のインクタンクでは、内面の表面粗さが標準的な12〜25μm程度とされているために、内部に溜まった数μm程度の細かな塵埃等が内面に付着したまま、洗浄によっても除去されないといった問題があった。
【0009】
そして、このような細かな塵埃が内面に付着したまま、インクタンク内にインクを封入して使用すると、ヘッドチップのインク吐出孔からインクを吐出した際に、インク内に混入した塵埃によって、インクの吐出が不安定となり印字品位が低下したり、インク吐出孔の目詰まり等を引き起こす虞が生じてしまう。
【0010】
そこで、本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、内部に塵埃等が付着しにくく、洗浄が容易な液体タンクを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明に係る液体タンクは、液体を吐出する液体吐出ヘッドに液体を供給するためのものであり、液体が収容される液体収容部と、液体収容部に収容された液体を液体吐出ヘッドに供給する液体供給部とを備える。液体収容部は、一面を開口部とする容器本体と、容器本体の開口部を閉塞する蓋体とが接合一体化されてなる。そして、容器本体及び蓋体は、液体収容部を形成する内面が外面よりも表面粗さが小さくなるように射出成形によって形成されており、互いの接合部分に沿って形成された溝部に樹脂が射出充填されることによって接合一体化されていることを特徴としている。
【0012】
以上のように、本発明に係る液体タンクでは、液体収容部を形成する容器本体及び蓋体の内面が射出成形によって外面よりも表面粗さが小さくなるように形成されていることから、内面に塵埃等が付着しにくく、内面に付着した塵埃や残留インクを洗浄によって適切に除去することができる。また、この液体タンクでは、互いに接合される容器本体と蓋体との接合部分に沿って溝部が形成され、この溝部に樹脂が射出充填されることによって、容器本体及び蓋体が強固に接合一体化されている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用されたインクジェットプリンタ装置について、図面を参照して説明する。
【0014】
図1に示すように、本発明が適用されたインクジェットプリンタ装置1は、対象物となる記録紙に対してインクを吐出して画像や文字を印刷するものである。また、このインクジェットプリンタ装置1は、記録紙の印刷幅に合わせてインク吐出孔を設けた、いわゆるライン型のプリンタ装置である。
【0015】
このインクジェットプリンタ装置1は、インクを吐出するインクジェットプリントヘッドカートリッジ(以下では、ヘッドカートリッジと記述する。)2と、このヘッドカートリッジ2を装着するプリンタ本体3とを備える。インクジェットプリンタ装置1は、ヘッドカートリッジ2がプリンタ本体3に対して着脱可能であり、更に、ヘッドカートリッジ2に対してインク供給源となるインクタンク11が着脱可能となっている。すなわち、このプリンタ装置1では、ヘッドカートリッジ2とインクタンク11が消耗品として取り扱われ交換可能となっている。
【0016】
先ず、上述したインクジェットプリンタ装置1を構成するプリンタ本体2に対して着脱可能なヘッドカートリッジ2について図面を参照して説明する。
【0017】
このヘッドカートリッジ2は、導電性の液体であるインクを、例えば電気熱変換式又は電気機械変換式などで微細に粒子化して吐出し、記録紙の記録媒体上にインク液滴を吹付ける。具体的に、ヘッドカートリッジ2は、図2及び図3に示すように、インク4が充填された容器であるインクタンク11が装着されるカートリッジ本体31を有する。
【0018】
インクタンク11は、図4に示すように、例えば樹脂材料等を射出成形することにより成形されるものであり、長手方向を使用する記録紙の幅方向の寸法と略同じ寸法となす略矩形状に形成され、カートリッジ本体31に対して着脱可能とされている。
【0019】
具体的に、インクタンク11は、インク4を収容するインク収容部12と、インク収容部12からカートリッジ本体31にインク4を供給するインク供給部13と、外部よりインク収容部12内に空気を取り込む外部連通孔14と、外部連通孔14より取り込まれた空気をインク収容部12内に導入する空気導入管15と、外部連通孔14と空気導入管15との間でインク4を一時的に貯留するインク貯留部16と、外部連通孔14から外部へのインク漏れを防ぐシール17と、インクタンク11をカートリッジ本体31に固定するための係止突部18及び係合段部19と、インクタンク11内におけるインク4の残量を検出するための端子部20と、インクタンク11を識別する識別突部21とを有している。
【0020】
インク収容部12は、気密性の高い材料によりインク4を収容するための空間を形成している。インク収容部12は、略矩形に形成され、長手方向の寸法が使用する記録紙の幅方向、すなわち記録紙の送り方向に対して直交する方向の寸法と略同じ寸法となるように形成されている。なお、インク収容部12は、インクと接する内面が外面より表面粗度が小さくなるように形成され、内部のクリーニングを行うときに、塵埃等の微小な異物が残存しないようにしている。
【0021】
インク供給部13は、インク収容部12の下側略中央部に設けられている。このインク供給部13は、インク収容部12と連通した略凸形状のノズルであり、このノズルの先端が後述するカートリッジ本体31の接続供給部37に嵌合されることによって、インクタンク11をカートリッジ本体31に接続される。なお、インク収容部12の底面は、インク供給部13が設けられた中央部が最も深くなるように形成され、収容しているインクがインク供給部13に集中するようになっている。
【0022】
なお、インク供給部13の先端部に設けられているインク供給口13bは、インクタンク11を装着部32に装着する際、インクヘッドカートリッジ2の装着部32に設けられた接続供給部37が円滑に嵌合するように、先端部に向かって直線状又は湾曲しながら拡径するように形成されている。
【0023】
具体的にインク供給部13は、図5及び図6に示すように、インクタンク11の底面13aと、インク4を供給する供給口13bと、供給口13bを開閉する弁13cと、弁13cを付勢するコイルバネ13dと、弁13cを開閉する開閉ピン13eとを有している。インク供給部13は、インクタンク11がカートリッジ本体31に装着される前において、図5に示すように、弁13cがコイルバネ13dの付勢力により供給口13dを閉じる方向に付勢されており、供給口13dを閉塞している。そして、インク供給部13は、インクタンク11がカートリッジ本体31に装着されると、図6に示すように、開閉ピン13eが後述するカートリッジ本体31の接続供給部37の上部により押し上げられて、コイルバネ13dの付勢力に抗して弁13cを押し上げて供給口13bを開放する。これにより、インクタンク11のインク供給部13が接続供給部37に装着され、インク収容部12と後述するカートリッジ本体31のインク溜め部51とが連通して、インク4の供給が可能となる。
【0024】
また、このインク供給部13は、図2及び図3に示すように、インクタンク11を接続供給部37から引き抜く場合に、上述した動作と逆の動作により、弁13cが供給口13bを閉塞する。これにより、インクタンク11をカートリッジ本体31に装着する直前にインク供給部13の先端部が下方を向いている状態であってもインク収容部12内のインク4が漏れることを防止することができる。また、インクタンク11をカートリッジ本体31から引き抜いたときには、直ちに弁13cが供給口13bを閉塞するので、インク供給部13の先端からインク4が漏れることを防止することができる。
【0025】
外部連通孔14は、インクタンク11外部からインク収容部12に空気を取り込む通気口である。外部連通孔14は、インクタンク11がカートリッジ本体31に装着されてインク収容部12からカートリッジ本体31側にインク4が流下した際に、インク収容部12内のインク4が減少した分に相当する分の空気を外部よりインクタンク11内に取り込むために、インクタンク11の外周面等に設けられている。
【0026】
空気導入管15は、外部連通孔14からインク収容部12の内部へと延長して設けられており、インク収容部12と外部連通孔14とを連通し、外部連通孔14より取り込まれた空気をインク収容部12内に導入する。これにより、このインクタンク11では、カートリッジ本体31に装着された際に、カートリッジ本体31にインク4が供給されてインク収容部12内がインク4の減少に伴い減圧状態となっても、空気導入管15によりインク収容部12に空気が導入されることから、内部の圧力が平衡状態に保たれてインク4をカートリッジ本体31に適切に供給することができる。
【0027】
インク貯留部16は、空気導入管15の中途部に設けられ、インク収容部12に連通する空気導入管15よりインク4が漏れ出た際に、いきなり外部に流出することがないようにインク4を一時的に貯留する。
【0028】
具体的に、インクタンク11では、常温、常圧時においてインク貯留部16にインク4がない状態となる。しかしながら、インクタンク11においては、外部圧力の低下又は外部温度の上昇が起こると、インク収容部12内の空気が膨張し、膨張した空気がインク4をインク収容部12より空気導入管15を介してインク貯留部16に押し出してしまう。このとき、インクタンク11では、インク収容部12より押し出されたインク4をインク貯留部16で貯留することから外部連通孔14よりインク4が漏れ出ることを防止できる。
【0029】
インク貯留部16は、空気導入管15の中途部に設けられ、長い方の対角線をインク収容部12の長手方向とした略菱形状の内部空間を形成している。そして、このインク貯留部16は、上側に位置する頂部が外部連通孔14を介して外部と連通されると共に、下側に位置する頂部が空気導入管15を介してインク収容部と連通されている。これにより、空気導入管15を通してインク収容部12から逆流したインクを一時的に貯留し、外部連通孔14から漏れ出すことなく、再度インク収容部12側に戻すことが可能となっている。更に、この空気導入管15がインク供給部13上に位置するように設けられ、インク収容部12内のインク残量が少なくなったときにも、インク貯留部16のインクを効率良くインク供給部13に供給できるようにしている。
【0030】
シール17は、出荷時等に外部連通孔14までインク4が逆流してしまった場合でもインク4がインクタンク11の外部に漏れてしまうことを防止する部材である。なお、シール17は、使用時、外部連通孔14を開放するようにインク収容部12より剥離される。勿論、外部連通孔14は、インク収容部12の上面に設けられていることから、使用時にインクが外部連通孔14より外部に漏れることはない。
【0031】
係止突部18は、図7に示すように、インクタンク11の長手方向の一方の側面に設けられた突部であり、後述するカートリッジ本体31のラッチレバー34に形成された係合孔34aと係合する。この係止突部18は、上面がインク収容部12の側面に対して略直交するような平面で形成されるとともに、下面は側面から上面に向かって傾斜するように形成されている。
【0032】
係合段部19は、図8に示すように、インクタンク11の係止突部18が設けられた側面の反対側の面の上部に設けられ、インクタンク11の上面と一端を接する傾斜面19aと、この傾斜面19aの他端と接し、上面と平行な平面19bとからなる。インクタンク11は、係合段部19が設けられていることで、平面19bが設けられた側面の高さが、係止突部18が設けられた側面の高さに対して低くなるように形成され、この係合段部19で後述するカートリッジ本体31の係合片33と係合する。係合段部19は、ヘッドカートリッジ2の装着部32に挿入されるとき、挿入端側の側面に設けられ、装着部32側の係合片33に係合することで、インクタンク11を装着部32に装着する際の回動支点部となる。
【0033】
端子部20は、図8に示すように、インクタンク11の係合段部19が設けられた側面に、高さ方向に並設された電極端子であり、インクタンク11内のインク収容部12からインクタンク11の外部に引き出されている。端子部20は、後述するカートリッジ本体31のインク残量検出部36に接続される。すなわち、インク収容部12内に臨まされた一対の端子が、ここでは、高さ方向に3段設けられている。インク収容部12内に臨まされた一対の端子は、インク収容部12内のインクに浸漬しているとき、インクが導電性を有することから、抵抗値が小さくなる。これに対して、インク収容部12内のインクが減り、インク収容部12内に臨まされた一対の端子が空気に晒されたときには、抵抗値が高くなる。
【0034】
このような端子部20は、インク収容部12のインクが満杯のとき、全ての段の端子間の抵抗が小さくなる。そして、インクが使用されるに連れて、上段から順に端子間の抵抗値が高く変化する。ここでは、インク残量検出部36が各段の抵抗値が高くなることを検出することで、インク収容部12内のインク残量を検出することができるようにしている。なお、インク収容部20の高さ方向に設ける端子部20の段数は、3段に限定されるものではなく、2段でも良くまた、より正確な残量検出を行う場合には、この段数を更に増やすようにすればよい。
【0035】
なお、この端子部20は、インクタンク11の内部から外部に引き出されているため内部のインク4が漏れ出してしまわないように接着剤で固定されている。このとき、端子部20は、内部の圧力が例えば150mmH2O以下であればインク4が漏れないように設計されている。
【0036】
識別突部21は、インクタンク11の種類を識別するための突部であり、後述するカートリッジ本体31の識別凹部43に挿入されるようになっている。
【0037】
ここで、具体的なインクタンク11の種類としては、図2に示すように、例えばイエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの4色に対応するインクタンク11y,11m,11c,11kがある。これらインクタンク11y,11m,11c,11kを全てカートリッジ本体31に装着することで、ヘッドカートリッジ2は、カラー印刷に対応するようになっている。ここで、インクタンク11は、通常、印刷時にブラックのインクの消費量が最も多いので、インクタンク11kが他のインクタンク11y、11m、11cに比してインク収容部12の容量が大きいものとされている。カートリッジ本体31には、インクタンク11y,11m,11c,11kを全て装着することとなるため、カートリッジ本体31に各インクタンク11を装着する際に、装着位置を間違えるおそれがある。
【0038】
そこで、識別突部21は、上述したように各インクタンク11を所定の位置に間違いなく装着するために、識別凹部43にあわせてインクタンク11y,11m,11c,11kのそれぞれにおいて突部の位置が異なるようにしている。
【0039】
識別突部21は、インクタンク11y,11m,11c,11kを製造する際に、全て同じ位置に複数の突部を有するように形成した後に、インクタンク11y,11m,11c,11kのそれぞれぞれで異なる位置の突部を切り取るようにすることが好ましい。このように識別突部21を形成することで、インクタンク11y,11m,11c,11kを全て別工程で作製することなく上述した突部を切り取る工程までは同一の工程とすることができるため、製造効率を向上させることができる。
【0040】
このように構成されたインクタンク11は、上述したように各色に対応したインクタンク11y,11m,11c,11kがあり、それぞれヘッドカートリッジ2を構成するカートリッジ本体31に装着されてインク4をカートリッジ本体31側に供給することができる。
【0041】
ところで、上述したインクタンク11は、図23に示すように、一面を開口部とする容器本体22と、この容器本体22の開口部を閉塞する蓋体23とを有しており、これら容器本体22と蓋体23とが接合一体化されることで、上述したインク4が収容されるインク収容部12が形成されている。
【0042】
具体的に、容器本体22は、図24に示すように、耐インク性を有する、例えばポリプロピレン等のプラスチック系材料を射出成形することで形成される。また、この容器本体22は、一面を開口部22aとする略矩形箱状を為すと共に、記録紙の幅方向に対応して長尺状に形成されている。また、この容器本体22は、インクと接する内面が外面よりも表面粗さが小さくなるように形成されている。
【0043】
また、この容器本体22の内面には、底面略中央部を略菱形状に囲むようにして、上述したインク貯留部16を形成する立上り周壁24が立設されている。さらに、この立上り周壁24の先端部には、後述する蓋体23側の係合孔28と係合される係合突部25が突出形成されている。また、容器本体22の内部には、上述した外部連通孔14が立上り周壁24の内側と連通するように形成されており、上述した空気導入管15が外部連通孔14から立上り周壁24の内側と外側とを連通するように形成されている。
【0044】
また、この容器本体22の内面には、立上り周壁24の外側に位置して、後述する蓋体23側の位置決め穴30に係合される一対の位置決め突部26が突出形成されている。また、この容器本体22には、外部連通孔14の近傍及び外部連通孔14を挟んだ両側に位置して、後述する内部の洗浄を行うための複数の孔部27が設けられている。
【0045】
一方、蓋体23は、図25及び図26に示すように、容器本体22と同一材料、すなわち耐インク性を有する、例えばポリプロピレン等のプラスチック系材料を射出成形することで形成される。この蓋体23は、略矩形平板状を為すと共に、容器本体22の開口部22aに対応した形状を有している。また、この蓋体23は、インクと接する内面が外面よりも表面粗さが小さくなるように形成されている。
【0046】
また、この蓋体23には、上述した容器本体22側の係合突部25が係合される係合孔28が、立上り周壁24の形状に沿って略菱形状に形成されている。また、この蓋体23には、係合孔28によって分断される内側と外側とを連結する複数の連結部29が所定の間隔で設けられている。また、この蓋体23の内面には、上述した容器本体22側の一対の位置決め突部26が係合される一対の位置決め穴30が設けられている。
【0047】
そして、このインクタンク11は、図27に示すように、容器本体22の開口部22aを蓋体23が閉塞することによって、容器本体22側の係合突部25及び一対の位置決め突部26が、それぞれ蓋体23側の係合孔28及び一対の位置決め穴30に係合された状態となる。
【0048】
ここで、容器本体22及び蓋体23には、図28に示すように、互いの接合部分に沿って段差部22b,23aが形成されており、これら段差部22b,23aの間に溝部11aが形成されている。また、容器本体22及び蓋体23には、図29に示すように、係合突部25と係合孔28との係合部分に沿って段差部22c,23bが形成されており、これら段差部22c,23bの間に溝部11bが形成されている。
【0049】
そして、容器本体22と蓋体23とは、図23及び図30に示すように、互いの接合部分に沿って形成された溝部11aに、上述した容器本体22及び蓋体23と同一材料からなる樹脂5が射出充填されることによって接合一体化されている。また、容器本体22及び蓋体23は、図23及び図31に示すように、係合突部25と係合孔28との係合部分に沿って形成された溝部11bに樹脂5が射出充填されることによって、上述したインク貯留部16を形成している。なお、これら溝部11a,11bに樹脂5を充填する際は、容器本体22の開口部22aを蓋体23が閉塞した状態で一方の金型で位置決め固定し、蓋体23側に樹脂5を流し込む流路が形成されたもう一方の金型を配置して、これら金型と蓋体23との間の溝部11a,11bに樹脂5を射出充填させる。
【0050】
このように、インクタンク11では、容器本体22と蓋体23との接合部分に沿って形成された溝部11a及び係合突部25と係合孔28との係合部分に沿って形成された溝部11bに、上述した容器本体22及び蓋体23と同一材料からなる樹脂5が射出充填されることによって、これら容器本体22及び蓋体23を強固に接合一体化することが可能である。
【0051】
また、このインクタンク11は、インク収容部12内にインクが無くなった後に、回収して再利用することも可能である。したがって、このインクタンク11では、製造後或いは使用後に洗浄を行った後、インクの充填が行われる。具体的に、このインクタンク11に対しては、洗浄剤として界面活性剤等を上述した複数の孔部27から充填し、超音波洗浄等により洗浄を行う。そして、このような洗浄を複数回繰り返すことで、このインクタンク11内の塵埃や残留インク等を除去するようにしている。なお、洗浄後は、インクタンク11を乾燥させてから、インクタンク11の複数の孔部27をキャップやシール等により封止する。
【0052】
ところで、上述した容器本体22及び蓋体23は、インクタンク11を形成する内面が外面よりも表面粗さが小さくなるように射出成形によって形成されており、その内面の表面粗さRmaxは、塵埃等が付着しにくくなるように、6.3μm以下とされ、外面の表面粗さRmaxは、いわゆる標準的な12〜25μm程度とされている。
【0053】
このように、上述した容器本体22及び蓋体23の内面を外面よりも表面粗さが小さくなるようにするためには、例えば一対の成形金型を用いて容器本体22及び蓋体23を射出成形する際に、容器本体22及び蓋体23の内面側を成形する一方の金型の内面を鏡面加工することによって、成形される容器本体22及び蓋体23の内面側の表面粗さを外面側よりも小さくすることが可能である。なお、ブロー成形では、インクタンク11の内面の表面粗さRmaxを6.3μm以下とすることは困難である。
【0054】
ここで、本発明のように、容器本体及び蓋体の内面を外面よりも表面粗さが小さくしたインクタンクと、従来のように、容器本体及び蓋体の内面を外面と同じ表面粗さとしたインクタンクとを用意した。そして、これら本発明のインクタンクと従来のインクタンクとについて、それぞれインクタンク内の洗浄を行った後に残ったゴミの数を測定した。以下、測定結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
なお、表1は、インクタンク内の洗浄前において、5μm以上のゴミの数が60000個以上である場合に、1回目の洗浄後に残ったゴミの数と、5回目の洗浄後に残ったゴミの数とを示している。また、本発明のインクタンクの内面の表面粗さは、射出成形により6.3μm程度とされており、従来のインクタンクの内面の表面粗さは、ブロー成形により25μm程度とされている。
【0057】
表1の測定結果から、従来のインクタンクでは、1回目の洗浄後に残ったゴミの数が20000〜60000個であり、5回目の洗浄後に残ったゴミの数が7000個であった。これに対して、本発明のインクタンクでは、1回目の洗浄後に残ったゴミの数が4500〜4800個となり、従来よりも一度に多くのゴミが洗浄により除去されたことがわかる。さらに、5回目の洗浄後に残ったゴミの数は、500個となり、従来よりもゴミの数が大幅に削減されたことがわかる。
【0058】
以上のように、このインクタンク11では、インクと接する内面が外面より表面粗度が小さくなるように形成されていることから、塵埃等が内面に付着しにくく、作製後や回収後の洗浄によって内面に付着した塵埃や残留インクを適切且つ容易に除去することが可能である。
【0059】
以上のようなインクタンク11が装着されるカートリッジ本体31は、図2及び図3に示すように、インクタンク11が装着される装着部32と、インクタンク11を固定する係合片33及びラッチレバー34と、インクタンク11を付勢する付勢部材35と、インクタンク11内におけるインク残量を検出するインク残量検出部36と、インク供給部13と接続されてインク4が供給される接続供給部37と、接続供給部37内におけるインク4の有無を検出するインク検出部38,39と、カートリッジ本体31をプリンタ本体3から取り外すための取手部40と、インクを吐出するヘッドチップ41と、ヘッドチップ41を保護するヘッドキャップ42とを有している。
【0060】
インクタンク11が装着される装着部32は、インクタンク11が装着されるように略凹形状となっており、ここでは4本のインクタンク11が並列に収納される。装着部32は、インクタンク11が収納されることから、インクタンク11と同様に印刷幅の方向に長く設けられている。
【0061】
装着部32は、図9に示すように、インクタンク11が装着される部分であり、イエロー用のインクタンク11yが装着される装着部32y、マゼンタ用のインクタンク11mが装着される装着部32m、シアン用のインクタンク11cが装着される装着部32c、ブラック用のインクタンク11kが装着される装着部32kからなり、装着部32y,32m,32c,32kが隔壁32aによりそれぞれ隣接するように区画されている。
【0062】
なお、上述したようにブラックのインクタンク11kは、インク4の内容量が大きいため、長手方向に対して垂直方向の幅が他のインクタンク11y,11m,11cよりも広く設けられており、これに合わせて装着部32kの幅も他の装着部32y,32m,32cよりも広く設けられている。
【0063】
装着部32の開口端に設けられる係合片33は、図10に示すように、装着部32の長手方向の一端縁に設けられており、インクタンク11の係合段部19と係合する。具体的に、係合片33は、図11に示すように、インクタンク11の係合段部19と係合する。インクタンク11は、インクタンク11の係合段部19側を挿入端として斜めに装着部32内に挿入し、係合段部19と係合片33との係合位置を回動支点として、図11に示すように、インクタンク11の係合段部19が設けられていない側を装着部32側に回動させるようにして、図3に示すように、装着部32に装着することができる。これによって、インクタンク11は、装着部32に容易に装着することができる。
【0064】
ラッチレバー34は、図10及び図12に示すように、装着部32の係合片33に対して反対側の側面、すなわち長手方向の他端の側面に設けられており、略長方形状の係合孔34aを有している。ラッチレバー34は、基端部が装着部32を構成する長手方向の他端の側面の底面側に一体的に設けられ、先端側がこの側面に対して近接離間する方向に弾性変位するように形成され、先端側に係合孔33aが形成されている。ラッチレバー34は、インクタンク11が装着部32に装着されると同時に、図10中に示す矢印A方向に弾性変位し、係合孔34aがインクタンク11の係止突部18と係合するように矢印A方向とは逆方向に付勢力が働き、装着部32に装着されたインクタンク11が装着部32より脱落しないようにする。
【0065】
また、ラッチレバー34は、インクタンク11を取り外すとき、矢印A方向に弾性変位されることで、係合孔34aと係止突部18との係合状態が解除されて、インクタンク11が取り外し可能となる。
【0066】
付勢部材35は、インクタンク11の係合段部19に対応する側面側の底面上にインクタンク11を取り外す方向に付勢する付勢部材である。付勢部材35は、インクタンク11を取り外す方向に弾性変位可能とされた、例えば板バネが用いられている。付勢部材35は、その板バネを折曲し、折曲することにより形成された頂部でインクタンク11の底面を押圧し、装着部32に装着されているインクタンク11を装着部32より取り外す方向に付勢するようにしている。これにより付勢部材35は、ラッチレバー34を弾性変位させて装着部32からインクタンク11を取り外すとき、インクタンク11を取り外す方向にインクタンク11の底面を押圧するため、インクタンク11の取り外しを容易とすることができる。
【0067】
インク残量検出部36は、図13に示すように、インクタンク11内のインク4の残量を段階的に検出するための3つの導電性を有する部材36a,36b,36cがそれぞれ一対に設けられ、図示しない制御回路と接続された導体板36dに接続された検出部であり、各色のインクタンク11y,11m,11c,11kの装着部32y,32m,32c,32kに設けられている。
【0068】
インク残量検出部36は、インクタンク11がヘッドカートリッジ2に装着されたとき、インクタンク11内の側面の高さ方向に並設された端子部20に接触し電気的に接続される。インク残量検出部36は、インクタンク11を装着するとき、インクタンク11側へ付勢する図示しない弾性体により押圧されており、これによりインクタンク11を押圧されインクタンク11の端子部20に密着され確実に端子部20と電気的に接続されるようにしている。
【0069】
このようなインク残量検出部36は、一対の部材36a,36b,36c間の電気抵抗値を検出することで後述する制御回路がインクタンク11内におけるインク4の残量を検出する。具体的にインク残量検出部36では、インクタンク11内におけるインク4が導電性を有しているため、インクタンク11内におけるインク4の残量により一対の部材36a,36b,36c間の電気抵抗値が異なるようになっている。つまり、インク残量検出部36では、インクタンク11内にインク4があれば検出される電気抵抗値が下がり、インク4が無ければ空気が絶縁物質であるので検出される電気抵抗値が大きくなることを検出するようにしている。
【0070】
接続供給部37は、インク供給部13が接続されて、ヘッドチップ41にインク4を供給する供給路を形成する。接続供給部37は、インクタンク11が装着される際に、インクタンク11のインク供給部13と係合することで、インクタンク11の位置決めを行う。接続供給部37は、インク供給部13と嵌合し易くするため、先端部に向かって縮径するように形成されている。
【0071】
以上の例では、インク供給部13を先端部に向かって拡径するように形成し、接続供給部37を先端部に縮径するように形成する例を説明したが、インク供給部13の拡径部と接続供給部37の縮径部は何れか一方に設けるようにしてもよい。また、イン供給部13を縮径部とし接続供給部37を拡径部としても同様な効果を得ることができる。
【0072】
ここで、接続供給部37の構成について具体的に説明すると、接続供給部37は、図14に示すように、インクタンク11から供給されるインク4を溜めるインク溜め部51と、接続供給部37に連結されるインク供給部13をシールするシール部材52と、インク4内の不純物を除去するフィルタ53と、ヘッドチップ41側への供給路を開閉する弁機構54とを有している。
【0073】
インク溜め部51は、インク供給部13と接続されインクタンク11から供給されるインク4を溜める空間である。
【0074】
シール部材52は、インク溜め部51の上端に設けられたシール部材であり、インクタンク11のインク供給部13が接続供給部37のインク溜め部51に接続されるとき、インク4が外部に漏れないようインク溜め部51とインク供給部13との間を密閉するシール部材である。
【0075】
フィルタ53は、インクタンク11の着脱時等にインク4に混入してしまった塵や埃等のごみを取り除くフィルタである。フィルタ53は、インク検出部38,39よりも下部に設けられている。
【0076】
弁機構54は、図15及び図16に示すように、インク溜め部51からインクが供給される流入路61と、流入路61からインク4が流入するインク室62と、インク室62からインク4を流出する流出路63と、インク室62を流入路61側と流出路63側とを分割するように設けられた開口部64と、開口部64を開閉する弁65と、弁65を付勢するバネ66と、バネ66の強さを調節する負圧調整ネジ67と、弁65と接続される弁シャフト68と、弁シャフト68と接続されるダイアフラム69とを有している。
【0077】
インク流入路61は、インク溜め部51を介してインクタンク11のインク収容部12内のインク4をヘッドチップ41に供給可能にインク収容部12と連結する供給路である。インク流入路61は、インク溜め部51の底面側からインク室62まで延在されている。
【0078】
インク室62は、流入路61、インク流出路63及び開口部64と一体となって形成された略直方体をなすインク収容室であり、流入路61からインク4が流入し、開口部64を介して流出路63からインク4が流出するようにしている。
【0079】
インク流出路63は、インク室62から開口部64を介してインク4が供給されて、さらにヘッドチップ41と連結された供給路である。インク流出路63は、インク室62の底面側からヘッドチップ41まで延在されている。
【0080】
弁65は、インク流入路61側とインク流出路63側とで分割する開口部64を開閉する弁である。弁65は、バネ66の付勢力と、弁シャフト68を介して接続されたダイアフラム69の復元力と、流出路63側のインク4の負圧によって上下に移動するようになっている。弁65は、下端に位置するとき、インク室62をインク流入路61側とインク流出路63側とを分割するように開口部64を閉じ、インク4の供給を停止する。弁65は、上端に位置するとき、インク室62をインク流入路61側とインク流出路63側とを分割せずに、ヘッドチップ41へインク4の供給を可能とする。
【0081】
なお、弁65を構成する材質は、その種類を問わないが、例えばゴム弾性体、いわゆるエラストマーから形成されれば、高い閉塞性を有するので好ましい。
【0082】
バネ66は、付勢力により弁65を下方向に付勢する圧縮コイルバネであり、弁65の上面とインク室62の上面との間を連結するように取り付けられている。
【0083】
負圧調整ネジ67は、バネ66の付勢力を調整するネジであり、負圧調整ネジ67を調整することでバネ66の付勢力を調整することができるようにしている。これにより、負圧調整ネジ67は、開口部64を開閉する弁65を動作させるインク4の負圧を調整することができる。
【0084】
弁シャフト68は、一端に接続された弁65と、他端に接続されたダイアフラム69とを連結して運動するように設けられたシャフトである。
【0085】
ダイアフラム69は、弁シャフト68の他端に接続された付勢力を有する薄い弾性板である。このダイアフラム69は、インク室62の流出路63側の一主面と、外気と接する他主面とからなり、大気圧とインク4の負圧により外気側と流出路63側に弾性変位する。
【0086】
以上のような弁機構54では、弁65がバネ66の付勢力とダイアフラム69の付勢力とによってインク室62の開口部64を閉塞するように押圧されている。そして、ヘッドチップ41からインク4が吐出された際に、開口部64分割された流出路63側のインク室62のインク4の負圧が高まる。そして、インク4の負圧によりダイアフラム69が大気圧により押し上げられて、弁シャフト68とともに弁65を押し上げる。このとき、インク室62の流入路61側と流出路63側と間の開口部64が開放され、インク4が流入路61側から流出路63側に供給される。そして、インク4の負圧が低下してダイアフラム69が復元力により元の形状にもどり、バネ66の付勢力により弁シャフト68とともに弁65をインク室62が閉塞するように引き下げる。以上のようにして弁機構54では、インク4を吐出する度にインク4の負圧が高まると、上述の動作を繰り返す。
【0087】
また、この接続供給部37では、インク収容部12内のインク4がインク室62に供給されると、インク収容部12内のインク4が減少するが、このとき、空気導入管15から外気がインクタンク11内に入り込む。インクタンク11内に入り込んだ空気は、インクタンク11の上方に送られる。これにより、インク4が後述するヘッドチップ41のノズル104aから吐出される前の状態に戻り、平衡状態となる。このとき、空気導入管15内にインク4がほとんどない状態で平衡状態となる。
【0088】
なお、接続供給部37は、図示しない先端部が、上述したインク供給部13の開閉ピン13eを兼ねるようにしてもよく、この場合にインクタンク11がカートリッジ本体31に装着されると、この先端部が上述したインク供給部13の弁13cを押し上げてインク4の供給を可能とする。
【0089】
このように接続供給部37は、インクタンク11からヘッドチップ41へ適切な量のインク4を供給することができる。
【0090】
インク検出部38,39は、接続供給部37内におけるインク4の有無を検出する一対の導電性を有する線状部材であり、先端部が接続供給部37内に臨ませるように配設されている。インク検出部38,39は、接続供給部37のインク溜め部51の側面に接続供給部37の内部から外部に貫通するように設けられ、それぞれヘッドチップ41に接続されている。
【0091】
インク検出部38,39は、接続供給部37内におけるフィルタ53よりも上部に設けられている。これは、インク4がフィルタ53以下となる場合に、ヘッドチップ41側におけるインク4の負圧が高まり、装置の故障の原因となることを防止するためである。インク検出部38,39は、インク4をフィルタ53よりもインクタンク11側で検出することで、インク4がフィルタ53からヘッドチップ41側においてなくなってしまうことを防止することができる。
【0092】
さらに、インク検出部38,39は、インク残量検出部36と組み合わせて用いることでより詳細にインクタンク11内のインク4の残量を検出することが可能となる。具体的にインク検出部38,39では、インク4が導電性を有しているため、接続供給部37内におけるインク4の有無により両者間の電気抵抗値が異なるようになっている。つまり、インク検出部38,39では、接続供給部37内にインク4があれば検出される電気抵抗値が下がり、インク4が無ければ空気が絶縁物質であるので検出される電気抵抗値が大きくなる。
【0093】
このようにインク検出部38,39は、インクタンク11内におけるインク4の残量が無い状態であっても、接続供給部37内におけるインク4の有無を検出することができるため、装置全体としてより正確にインク4の残量を検出することができる。
【0094】
取手部40は、カートリッジ本体31が消耗する等して交換の必要がある場合や、インクジェットプリンタ装置1を修理する際等に、カートリッジ本体31の取り外しを容易にする。
【0095】
ヘッドチップ41は、接続供給部37から供給されるインク4を吐出するインク吐出孔であるノズル104aを多数有している。
【0096】
ヘッドキャップ42は、ヘッドチップ41を保護するために設けられたカバーであり、インク4を吐出する際には、後述するプリンタ本体3のヘッドキャップ開閉機構83により開閉される。ヘッドキャップ42は、図2に示すように、開閉方向に設けられた溝部71と、長手方向に設けられヘッドチップ41の吐出面41aに付着した余分なインクを吸い取る清掃ローラ72とを有している。
【0097】
ヘッドキャップ42は、開閉動作時にこの溝部71に沿って開閉するようにされており、このとき清掃ローラ72がヘッドチップ41の吐出面41aに当接しながら回転することで、余分なインク4を吸い取り、ヘッドチップ41の吐出面41aを清掃する。この清掃ローラ72は、例えば吸水性の高い部材が用いられる。また、ヘッドキャップ42は、ヘッドチップ41内のインク4が乾燥しないようにする。
【0098】
上述したヘッドチップ41は、各色のインク4に対応して、図17に示すように、ベースとなる回路基板101と、インク4を加熱する発熱抵抗体102と、インク4の漏れを防ぐフィルム103と、インク4が吐出されるノズル104aが多数設けられたノズルシート104と、これらに囲まれてインク4が供給される空間であるインク加圧室105と、インク加圧室105にインクを供給するインク流路部106とを備えている。
【0099】
回路基板101は、シリコン等の半導体基板からなるものであり、その一主面101aに、発熱抵抗体102が形成されており、この発熱抵抗体102と回路基板101上の図示しない制御回路とが接続されている。この制御回路は、ロジックIC(Integrated Circuit)やドライバートランジスタ等からなる。
【0100】
発熱抵抗体102は、制御回路から供給される電力により発熱し、インク加圧室105内のインク4を加熱して内圧を高める。これにより加熱されたインクは、後述するノズルシート104に設けられたノズル104aから吐出する。
【0101】
フィルム103は、回路基板101の一主面101aに積層されている。フィルム103は、例えば露光硬化型のドライフィルムレジストからなるものであり、回路基板101の一主面101aの略全体に積層された後、フォトリソプロセスによって不要部分が除去されて所定形状に形成される。これにより、フィルム103は各発熱抵抗体102の周囲部を略凹状に囲むように形成される。フィルム103により発熱抵抗体102を囲む部分がインク加圧室105の一部を形成している。
【0102】
ノズルシート104は、インク4を吐出させるためのノズル104aが形成されたシート状部材であり、フィルム103の回路基板101と反対側に積層されている。ノズル104aは、ノズルシート104に円形状に開口された孔であり、各発熱抵抗体102の下側に位置するように配置されている。なお、ノズルシート104はインク加圧室105の一部を形成している。
【0103】
インク加圧室105は、回路基板101、発熱抵抗体102、フィルム103及びノズルシート104に囲まれた空間であり、インク流路部106から供給されるインク4を発熱抵抗体102により加熱させて内圧を上昇させる。
【0104】
インク流路部106は、上述した接続供給部37の流出路63と連通されており、接続供給部37により供給されるインク4を各インク加圧室105に送り込む流路を形成している。
【0105】
以上のように構成されるヘッドチップ41は、図14に示すように、例えばイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各インクタンク11に対応するインク流路部106がそれぞれ記録紙の幅方向に渡って設けられ、図18に示すように、各色のインク4が供給されるインク流路部106に対応して、それぞれ印刷幅方向にノズル104aが略直線状に並設されている。
【0106】
具体的には、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックのインクタンク11y,11m,11c,11kの直下に各色に対応する接続供給部37が設けられており、この接続供給部37の下部にインク流路部106が記録紙の印刷幅にわたって設けられているため、ヘッドチップ41は、吐出面41aにおいて、各色のノズル104aが、このインク流路部106に沿って設けられている。
【0107】
ヘッドチップ41は、各色のノズル104aが略直線上に並設されているが、所定の数のノズル104aを組として、このノズル104aの組が印刷方向に前後するように設けられている。
【0108】
このようなヘッドチップ41は、発熱抵抗体102によりインク加圧室105が加圧されて、インク液滴iが記録紙に対して吐出される。
【0109】
このような構成とされたカートリッジ本体31において、ヘッドチップ41がインク液滴iを吐出する原理を説明する。
【0110】
まず、図示しない制御回路からの指令によって選択された発熱抵抗体102に短時間、例えば1〜3マイクロ秒程度、電流パルスが流されることにより、発熱抵抗体102が急速に加熱される。この結果、図19に示すように、発熱抵抗体102に接する部分にインク気泡Bが発生し、図20に示すように、そのインク気泡Bの膨張によってインク気泡Bの膨張分の体積と等しい体積のインク4が押しのけられる。これによって、ノズル104aに接する部分の押しのけられたインク4と同等の体積のインク液滴iがノズル104aから吐出され、記録紙の対象物に着弾される。
【0111】
インク液滴iが吐出されると、インク液滴iを吐出したインク加圧室105内に吐出された量と同量のインク4がインク流路部106から直ちに補充され、図17に示すように、もとの状態に戻る。このインク4は、接続供給部37を通じてインクタンク11から供給される。
【0112】
インク4がノズル104aから吐出される前、すなわちインク加圧室105内にインク気泡が発生する前は、インクタンク11の空気導入管15内と空気導入管15外でインク液面が同一の高さになった際にインク4が平衡状態にある。
【0113】
ここで、カートリッジ本体31にインクタンク11を装着する動作について説明する。カートリッジ本体31にインクタンク11を装着する際には、インクタンク11の係合段部19を係合片33に係合させ、この係合片33が回動支点となるようにインクタンク11を回動させて係止突部18とラッチレバー34の係合孔34aとを係合させる。このときに、付勢部材35がインクタンク11を取り外し方向に付勢することで、インクタンク11がカートリッジ本体31に固定される。
【0114】
カートリッジ本体31は、インクタンク11が装着された際に、インクタンク11のインク供給部13に対応する部分に、インク供給部13と接続される接続供給部37が設けられている。接続供給部37は、カートリッジ本体31の装着部32内の底面部に設けられたヘッドチップ41上から底面部の一部に設けられた係合孔13fから突出するように形成され、凸状のインク供給口13bに係合する凸状のインク供給調整部であり、インクジェットプリントヘッドのヘッドチップ41へのインク供給路を構成している。
【0115】
以上のように、インクジェットプリンタ装置1では、インクタンク11をヘッドカートリッジ2の装着部32に容易に脱着することができると共に、適切に位置決め固定することができる。
【0116】
また、インクジェットプリンタ装置1では、短いサイクルで消耗されるインクタンク11にラッチレバーを設けずに済むことから、インクタンク11の取り扱いが容易となり、インクタンク11の製造コストを低減することができる。
【0117】
また、ヘッドカートリッジ2では、各色に対応するヘッドチップ41が、ライン状のノズル104aを有するため、各色に対応するインク流路部106が記録紙の幅方向に延在されている。このようなヘッドチップ41にインク4を効率よく供給するために、幅方向の略中央にインク4を供給するための接続供給部37があることが好ましく、これにともないインクタンク11の供給部13も幅方向の略中央とされている。
【0118】
このようなヘッドカートリッジ2では、ヘッドチップ41を小型化するために、各色に対応するノズル104aのライン及びノズル104a上のインク流路部106の間隔を狭め、これにともない各色に対応する接続供給部37同士の間隔も狭めている。
【0119】
したがってインクタンク11の形状は、上述したように記録紙の幅方向に延在した形状とすることがインク4の容量の上で最も好ましい。インクタンク11をこのような形状とすることで、インクタンク11の高さ及び厚みを抑えてインク4の容量を確保することができる。
【0120】
ここで、ヘッドカートリッジ2では、上述した記録紙の幅方向に延在されたインクタンク11を用いることから、取り付けられるプリンタ本体3が傾いている場合に、インクタンク11の長手方向の一端に設けられた端子部20と当接するインク残量検出部36だけでインク4の残量を検出すると検出誤差が大きくなってしまう場合がある。しかし、ヘッドカートリッジ2では、インク残量検出部36だけでなく、接続供給部37内においてインク検出部38,39により、インク4の有無を検出しているため、より正確にインク4の残量を検出することができる。
【0121】
次に、以上のように構成されたヘッドカートリッジ2が装着されるインクジェットプリンタ装置1を構成するプリンタ本体3について図面を参照して説明する。
【0122】
プリンタ本体3は、図1に示すように、ヘッドカートリッジ2が装着されるヘッドカートリッジ装着部81と、ヘッドカートリッジ2を着脱するためのヘッドカートリッジ着脱機構82と、ヘッドキャップを開閉するヘッドキャップ開閉機構83と、記録紙を給排紙する給排紙機構84と、給排紙機構84に記録紙を供給する給紙口85と、給排紙機構84から記録紙が出力される排紙口86とを有する。
【0123】
ヘッドカートリッジ装着部81は、ヘッドカートリッジ2が装着される凹部であり、ヘッドカートリッジ2がヘッドカートリッジ着脱機構82により着脱できるようになっている。
【0124】
ヘッドカートリッジ着脱機構82は、ヘッドカートリッジ装着部81にヘッドカートリッジ2を着脱するための機構であり、例えばレバー等によりヘッドカートリッジ2を固定、開放するようになっている。
【0125】
ヘッドキャップ開閉機構83は、ヘッドカートリッジ2のヘッドキャップ42を開閉する駆動部を有しており、印刷を行うときにヘッドキャップ42を開放してチップヘッド41が記録紙に対して露出するようにし、印刷が終了したときにヘッドキャップ42を閉塞してチップヘッド41を保護する。
【0126】
給排紙機構84は、記録紙を搬送する駆動部を有しており、供給口85から供給される記録紙をヘッドカートリッジ2のチップヘッド41まで搬送し、インク4が吐出された記録紙を排紙部85に搬送して装置外部へ出力するようになっている。給紙口85は、給排紙機構84に記録紙を供給する開口部であり、トレー85a等に複数枚の記録紙を積層してストックすることができる。排紙口86は、インク4が吐出された記録紙が給排紙機構84により搬送されて排出される。
【0127】
次に、以上のように構成されたインクジョットプリンタ装置1の制御回路について図面を参照して説明する。なお、インクジェットプリンタ装置1において各部を制御する制御回路は、ヘッドカートリッジ2、プリンタ本体3のどちらに設けられていてもよいが、以下ではヘッドカートリッジ2に設けられているものとして説明する。
【0128】
制御回路は、図21に示すように、プリンタ本体3の各駆動部を駆動するプリンタ駆動部111と、各色のインク4に対応するヘッドチップ41の発熱抵抗体102を駆動するヘッド駆動部112と、各色のインク4の残量を警告する警告部113と、外部装置と信号の入出力を行う入出力端子114と、制御プログラム等が記録されたROM(Read Only Memory)115と、読み出された制御プログラム等が読み出されるRAM(Random Access Memory)116と、各部の制御を行う制御部117とを有している。
【0129】
プリンタ駆動部111は、制御部117からの制御信号に基づき、ヘッドキャップ開閉機構83を駆動させてヘッドキャップ42を開閉する。また、プリンタ駆動部111は、制御部117からの制御信号に基づき、給排紙機構84を駆動させてプリンタ本体3の給紙口85から記録紙を給紙し、記録後に排紙口86から排紙する。
【0130】
ヘッド駆動部112は、各色に対応するチップヘッド41の発熱抵抗体102を駆動して、所望のノズル104aから各色のインク4を吐出する。
【0131】
警告部113は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の表示手段であり、プリント条件、プリント状態、インク残量等の情報を表示する。また、警告部113は、例えばスピーカ等の音声出力手段であってもよく、この場合は、プリント条件、プリント状態、インク残量等の情報を音声で出力する。なお、警告部113は、表示手段及び音声出力手段をともに有するように構成してもよい。
【0132】
入出力端子114は、上述したプリント条件、プリント状態、インク残量等の情報をインターフェースを介して外部の情報処理装置118等に送信することができるようにする。また、入出力端子114は、外部の情報処理装置118等から、上述したプリント条件、プリント状態、インク残量等の情報を出力する制御信号や、画像データ等が入力される。ここで、上述した情報処理装置118は、例えば、パーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)等の電子機器である。
【0133】
情報処理装置118等と接続される入出力端子114は、インターフェースとして、例えばシリアルインターフェイスやパラレルインターフェイス等を用いることができ、具体的にUSB(Universal Serial Bus)、RS232C、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394等の規格に準拠したものである。また入出力端子114は、インターフェースから有線通信及び無線通信のどちらでデータの通信を行うようにしてもよい。この無線通信規格としては、IEEE802.11a,802.11b,802.11g等がある。
【0134】
ROM115は、例えばEP−ROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)等のメモリであり、制御部117が行う各処理のプログラムが格納されている。この格納されているプログラムは、制御部117によりRAM116にロードされる。
【0135】
RAM116は、制御部117によりROM115から読み出されたプログラムや、インクジェットプリンタ装置1の各種状態を記憶する。
【0136】
入出力端子114と情報処理装置118との間に、例えばインターネット等のネットワークが介在していてもよく、この場合に入出力端子114は、例えばLAN(Local Area Network)、ISDN(Integrated Services Digital Network)、xDSL(Digital Subscriber Line)、FTTH(Fiber To The Home)、CATV(Community Antenna TeleVision)、BS(Broadcasting Satellite)等のネットワーク網に接続され、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の各種プロトコルによりデータの送受信を行うことができる。
【0137】
制御部117は、入出力端子114から入力された画像データ及び制御信号や、インク検出部38,39による電気抵抗値の変化や、インク残量検出手部36による電気抵抗値の変化等に基づき、各部を制御する。制御部117、このような処理プログラムとしてROM115から読み出してRAM116に記憶し、このプログラムに基づき各処理を行う。
【0138】
具体的に、制御部117は、1対の導電線であるインク検出部38,39間の電気抵抗値の変化を、ヘッドチップ41を介して検出する検出手段を構成し、この電気抵抗値の変化を検出することで、インク検出部38,39がインク4に浸っている状態か否かを検出し、これにより接続供給部37内のインク4の有無を判断する。すなわち、制御部117は、インク検出部38,39の抵抗値が閾値以上となった否かを判断する。
【0139】
制御部117は、電気抵抗値が閾値以上となり、接続供給部37内にインク4がないと判断した場合に、インクタンク11内のインク4もないと判断する。
【0140】
この場合、制御部117は、警告部113にインク4が無い状態である旨を表示、すなわち警告表示するようにするとともに、プリント動作を禁止するようにプリンタ駆動部111及びヘッド駆動部112を制御する。
【0141】
また、制御部117は、インク残量検出部36の電気抵抗値の変化を検出し、電気抵抗値が変化したことが検出された場合にこの電気抵抗値が変化した端子部20のインクタンク11の高さ方向に位置に応じて警告部113に異なるレベルのインク残量表示を行う。すなわち、制御部117は、インクタンク11の高さ方向に複数段設けられた一対端子間の電気抵抗値が変化し、閾値以上に成ったか否かを判断する。
【0142】
また、制御部117は、情報処理装置がインターフェースを介して入出力端子114に接続されている場合、インク無しの情報及びインク残量の情報等を入出力端子114からインターフェースを介して外部の情報処理装置に出力するように制御する。
【0143】
なお、以上のように構成された制御回路においてROM115にプログラムを格納するようにしたが、プログラムを格納する媒体としては、ROMに限定されるものでなく、例えばプログラムが記録された光ディスクや、磁気ディスク、光磁気ディスク、ICカード等の各種記録媒体を用いることができる。この場合に制御回路は、各種記録媒体を駆動するドライブと接続されてこれら記録媒体からプログラムを読み出すように構成する。
【0144】
以下で、制御回路の各動作を図22に示すフローチャートを用いて説明する。なお、本動作はROM115等の記憶手段に格納されたプログラムに基づいて制御部117内の図示しないCPU(Central Processing Unit)の処理に基づいて実行されるものである。
【0145】
まず、ステップS101において、制御部117は、インク残量検出部36の電気抵抗値の変化を検出し、電気抵抗値が変化したことが検出された場合に、この電気抵抗値が変化したインク残量検出部36の導体板にインクタンク11の高さ方向の位置に応じて警告部113に異なるレベルのインク残量表示を行う。すなわち、ここでは、インク残量検出部36がインクタンク11の高さ方向に3段設けられていことから、警告部113に3段階で残量表示を行うことができる。制御部117は、インクダンク11のインクが満杯のとき、全ての段のインク残量検出部36の電気抵抗値が閾値より小さくなっており、これに基づいて、警告部113に行くが満杯である旨を表示する。そして、インクが使用され、最上段のインク残量検出部36の電気抵抗値が変化し、閾値以下になると、警告部113に、インクが1レベル減ったことを表示する。更にインクが使用され、中段のインク残量検出部36の電気抵抗値が変化し、閾値以下になると、警告部113に、インクが更に1レベル減ったことを表示する。更にインクが使用され、最下段のインク残量検出部36の電気抵抗値が変化し、閾値以下になると、警告部113に、インク残量が残り僅かであることを表示する。
【0146】
次に、ステップS102において、制御部117は、接続供給部37内のインク4が所定量以下、すなわちインク無し状態であるか否かを判断し、インク無し状態であると判断された場合には、ステップS103において、警告部113にその旨を表示、すなわち警告表示を行い、ステップS104において、プリント動作を禁止する。
【0147】
上述した処理により、本発明を適用したインクジェットプリンタ装置1は、インクタンク11からヘッドカートリッジ2へのインク供給路である接続供給部37の側面にインク供給調整部37の内部からインク供給調整部37の外部に貫通する少なくとも1対の導電線であるインク検出部38,39を設け、インク検出部38,39間の電気抵抗値の変化を検出し多彩にインクタンク11内のインク無し状態を判断し、警告表示を行うようにしたので、インク吐出量が使用温度等の使用環境に応じて変化しても、インクタンク11の交換時期を正確に知らせることができる。
【0148】
以上のように、本発明を適用したインクタンク11では、内面に細かな塵埃等が付着しにくく、インクタンク11内に塵埃等が付着したり、残留インクが残っていたとしても、洗浄により容易に除去することが可能である。したがって、このインクタンク11では、洗浄回数を少なくし、コストを削減することが可能であると共に、このインクタンク11を再利用することが可能である。
【0149】
また、このインクジェットプリンタ装置1では、本発明を適用したインクタンク11をヘッドカートリッジ1に装着して使用すれば、ヘッドチップ41のノズル104aからインク4を吐出した際に、インク4内に混入した塵埃によって、インク4の吐出が不安定となり印字品位が低下したり、ノズル104aの目詰まり等を引き起こすといった問題を回避することが可能である。
【0150】
なお、上述したインクジェットプリンタ装置1では、ヘッドカートリッジ2をプリンタ本体3に対して着脱可能としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ヘッドチップ41等が本体部3に固定されている場合にも適用できる。
【0151】
また、上述したインクジェットプリンタ装置1では、ヘッドチップ41が発熱抵抗体102によりインク4を加熱する電気熱変換方式について説明したが、圧電素子により機械的にインク4を押し出す圧電素子等電気機械変換素子を用いたヘッドチップとしてもよい。
【0152】
さらに、上述したインクジェットプリンタ装置1では、ヘッドチップ41等が設けられたヘッドカートリッジ2がプリンタ本体3に対して着脱自在としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ヘッドチップ41等がプリンタ本体3に設けられている場合にも適用できる。
【0153】
さらにまた、本発明は、インクジェットプリンタ装置に適用されるインクタンクに限定されるものではなく、微少量の液体を吐出する他の装置に広く適用することができる。具体的に、本発明は、例えば液体中のDNA等を微少量だけ吐出したり、プリント配線基板の配線パターンを形成するための導電性粒子を含む液体を吐出したりする液体吐出装置に装着される液体タンクに適用してもよい。
【0154】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る液体タンクによれば、内面に塵埃等が付着しにくく、内面に付着した塵埃や残留液等を洗浄によって適切且つ容易に除去することが可能なことから、再利用が可能であり、この液体タンクが使用される液体吐出ヘッドにおいて、液体内に塵埃等が混入することによる吐出孔からの不安定な液体の吐出や吐出孔の目詰まり等を回避することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンタ装置の構成を示す斜視図である。
【図2】インクジェットプリンタ装置が備えるインクジェットプリントヘッドカートリッジの構成を示す斜視図である。
【図3】インクジェットプリンタ装置が備えるインクジェットプリントヘッドカートリッジの構成を示す断面図である。
【図4】ヘッドカートリッジに装着されるインクタンクの構成を示す断面図である。
【図5】ヘッドカートリッジに装着されるインクタンクの供給部における供給口が閉塞された状態を説明するための模式図である。
【図6】ヘッドカートリッジに装着されるインクタンクの供給部における供給口が開放された状態を説明するための模式図である。
【図7】ヘッドカートリッジに装着されるインクタンクの係合突部を説明するための模式図である。
【図8】ヘッドカートリッジに装着されるインクタンクの端子部を説明するための模式図である。
【図9】ヘッドカートリッジの構成を説明するための平面図である。
【図10】インクジェットプリンタ装置が備えるインクジェットプリントヘッドカートリッジの構成を示す断面図である。
【図11】インクジェットプリンタ装置が備えるインクジェットプリントヘッドカートリッジの構成を示す断面図であり、インクタンクを装着するときの動作を説明する図である。
【図12】インクジェットプリンタ装置が備えるインクジェットプリントヘッドカートリッジのラッチレバーを説明するための図である。
【図13】ヘッドカートリッジにおけるインク残量検出部の構成を説明するための平面図である。
【図14】インクタンク及びヘッドカートリッジの構成を説明するための断面図である。
【図15】ヘッドカートリッジの接続供給部における弁機構を説明するための断面図である。
【図16】ヘッドカートリッジの接続供給部における弁機構を説明するための断面図である。
【図17】ヘッドカートリッジのヘッドチップを説明するための断面図である。
【図18】ヘッドカートリッジのヘッドチップを説明するための平面図である。
【図19】ヘッドカートリッジのヘッドチップにおいて、気泡が発生した状態を説明するための断面図である。
【図20】ヘッドカートリッジのヘッドチップにおいて、発生した気泡によりインク液滴が吐出される状態を説明するための断面図である。
【図21】インクジェットプリンタ装置の制御回路を説明するためのブロック図である。
【図22】インクジェットプリンタ装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図23】インクタンクを構成する容器本体及び蓋体が接合一体化された状態を示す斜視図である。
【図24】容器本体を内面側から見た斜視図である。
【図25】蓋体を内面側から見た斜視図である。
【図26】蓋体を外面側から見た斜視図である。
【図27】容器本体の開口部を蓋体が閉塞した状態を示す斜視図である。
【図28】図27中線分X1−X1’による断面である。
【図29】図27中線分Y1−Y1’による断面である。
【図30】図23中線分X2−X2’による断面である。
【図31】図23中線分Y2−Y2’による断面である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ装置、2 ヘッドカートリッジ、3 プリンタ本体、4 インク、5 樹脂、11 インクタンク、11a,11b 溝部、12インク収容部、13 インク供給部、13a 底面、13b 供給口、13c弁、13d コイルバネ、13e 開閉ピン、14 外部連通孔、15 空気導入管、16 インク貯留部、17 シール、18 係止突部、19 係合段部、19a 斜面部、19b 平面、20 端子部、21 識別突部、22 容器本体、23 蓋体、24 立上り周壁、25 係合突部、26 位置決め突部、28 係合孔、30 位置決め穴、31 カートリッジ本体、32 装着部、33 係合片、34 ラッチレバー、34a 係合孔、35 付勢部材、36 インク残量検出部、37 接続供給部、38,39 インク検出部、40 取手部、41 ヘッドチップ、42 ヘッドキャップ、43 識別凹部、51 インク溜め部、52 シール部材、53 フィルタ、54 弁機構、61 流入路、62 インク室、63 流出路、64 開口部、65 弁、66 バネ、67 負圧調整ネジ、68 弁シャフト、69 ダイアフラム、71 溝部、72 清掃ローラ、81 ヘッドカートリッジ装着部、82 ヘッドカートリッジ着脱機構、83 ヘッドキャップ開閉機構、84 給排紙機構、85 給紙口、86 排紙口、101 回路基板、101a 一主面、102 発熱抵抗体、103 フィルム、104 ノズルシート、104a ノズル、105 インク加圧室、106 インク流路部、111 プリンタ駆動部、112 ヘッド駆動部、113警告部、114 入出力端子、115 ROM、116 RAM、117 制御部、118 情報処理装置[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a liquid tank for supplying liquid to a liquid discharge head that discharges liquid.
[0002]
[Prior art]
As a device for discharging a liquid, for example, there is a device using an ink jet method as a printer device for recording an image or a character by discharging ink from a head chip to an object of recording paper. A printer device using this ink jet system has advantages of low running cost, downsizing of the device, and easy colorization of a printed image.
[0003]
In a printer device using an ink jet method, an ink tank filled with inks of a plurality of colors such as yellow, magenta, cyan, and black is used as an ink head cartridge in which an ink supply path to a head chip is formed. And supplies ink from the ink tanks corresponding to the respective colors to the head chip via the respective supply paths. In this printer, ink supplied from an ink tank via a supply path is ejected from minute ink ejection holes provided in a head chip to print an image or a character on a recording paper target. .
[0004]
Further, in a printer device using an ink jet system, an ink tank is provided so as to be detachable, and when there is no ink in the ink tank, the ink tank is removed and replaced with a new ink tank (for example, , Patent Document 1).
[0005]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 2801149 (FIG. 5-6)
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, the above-mentioned ink tank is usually formed by molding a plastic material such as polyethylene or polypropylene having good workability, and its surface roughness is about 12 to 25 μm by so-called standard molding. It has been.
[0007]
Here, after the ink tank is molded or after collecting used from the viewpoint of environmental consideration, the inside is washed, fine dust accumulated inside is removed, and residual ink is also removed. Therefore, the ink is sealed and used or reused.
[0008]
However, in the conventional ink tank, since the inner surface has a standard surface roughness of about 12 to 25 μm, fine dust or the like having a size of about several μm accumulated inside adheres to the inner surface. There was a problem that it was not removed.
[0009]
If such fine dust adheres to the inner surface and the ink is sealed in the ink tank and is used, when the ink is ejected from the ink ejection hole of the head chip, the dust mixed in the ink causes Ejection becomes unstable, and the print quality is degraded, and the ink ejection holes may be clogged.
[0010]
Therefore, the present invention has been proposed in view of such conventional circumstances, and an object of the present invention is to provide a liquid tank in which dust and the like hardly adhere to the inside and which can be easily cleaned.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve this object, a liquid tank according to the present invention is for supplying a liquid to a liquid discharge head that discharges a liquid, and includes a liquid storage portion that stores the liquid, and a liquid storage portion that is stored in the liquid storage portion. A liquid supply unit for supplying the liquid to the liquid discharge head. The liquid container is formed by integrally joining a container body having an opening on one surface and a lid closing the opening of the container body. The container body and the lid are formed by injection molding such that the inner surface forming the liquid storage portion has a smaller surface roughness than the outer surface, and the resin is formed in a groove formed along a joint portion between the two. It is characterized by being integrated by being injected and filled.
[0012]
As described above, in the liquid tank according to the present invention, since the inner surfaces of the container body and the lid forming the liquid storage portion are formed by injection molding so that the surface roughness is smaller than the outer surface, Dust and the like hardly adhere, and dust and residual ink adhered to the inner surface can be appropriately removed by washing. Further, in this liquid tank, a groove is formed along a joint portion between the container body and the lid, which are joined to each other, and the resin is injected and filled into the groove, so that the container body and the lid are firmly joined together. Has been
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, an inkjet printer to which the present invention is applied will be described with reference to the drawings.
[0014]
As shown in FIG. 1, an
[0015]
The
[0016]
First, a
[0017]
The
[0018]
As shown in FIG. 4, the
[0019]
Specifically, the
[0020]
The
[0021]
The
[0022]
When the
[0023]
Specifically, as shown in FIGS. 5 and 6, the
[0024]
In addition, as shown in FIGS. 2 and 3, when the
[0025]
The
[0026]
The
[0027]
The
[0028]
Specifically, the
[0029]
The
[0030]
The
[0031]
As shown in FIG. 7, the locking
[0032]
As shown in FIG. 8, the engaging
[0033]
As shown in FIG. 8, the
[0034]
In such a
[0035]
Since the
[0036]
The
[0037]
Here, specific types of the
[0038]
Therefore, the
[0039]
When manufacturing the
[0040]
The
[0041]
By the way, as shown in FIG. 23, the above-described
[0042]
Specifically, as shown in FIG. 24, the
[0043]
On the inner surface of the
[0044]
A pair of
[0045]
On the other hand, as shown in FIGS. 25 and 26, the
[0046]
The
[0047]
Then, as shown in FIG. 27, when the
[0048]
Here, as shown in FIG. 28, the
[0049]
As shown in FIGS. 23 and 30, the
[0050]
As described above, in the
[0051]
Further, the
[0052]
Incidentally, the
[0053]
As described above, in order to make the inner surfaces of the above-described
[0054]
Here, the ink tank in which the inner surfaces of the container body and the lid are smaller in surface roughness than the outer surface as in the present invention, and the inner surfaces of the container body and the lid have the same surface roughness as the outer surface as in the related art. An ink tank was prepared. Then, for each of the ink tank of the present invention and the conventional ink tank, the number of dusts remaining after cleaning the inside of the ink tank was measured. Hereinafter, the measurement results are shown in Table 1.
[0055]
[Table 1]
[0056]
Table 1 shows that the number of dust particles remaining after the first cleaning and the number of dust particles remaining after the fifth cleaning are shown when the number of dust particles having a size of 5 μm or more before the cleaning in the ink tank is 60,000 or more. Shows the number. The surface roughness of the inner surface of the ink tank of the present invention is about 6.3 μm by injection molding, and the surface roughness of the inner surface of the conventional ink tank is about 25 μm by blow molding.
[0057]
From the measurement results in Table 1, in the conventional ink tank, the number of dusts remaining after the first cleaning was 20,000 to 60,000, and the number of dusts remaining after the fifth cleaning was 7,000. On the other hand, in the ink tank of the present invention, the number of dusts remaining after the first cleaning is 4500 to 4800, and it can be seen that more dusts are removed at once than in the conventional case. Further, the number of dusts remaining after the fifth cleaning was 500, which indicates that the number of dusts was significantly reduced as compared with the conventional case.
[0058]
As described above, in the
[0059]
As shown in FIGS. 2 and 3, the cartridge
[0060]
The mounting
[0061]
As shown in FIG. 9, the mounting
[0062]
As described above, the
[0063]
As shown in FIG. 10, the engaging
[0064]
As shown in FIGS. 10 and 12, the
[0065]
When the
[0066]
The biasing
[0067]
As shown in FIG. 13, the ink remaining
[0068]
When the
[0069]
Such an ink remaining
[0070]
The
[0071]
In the above example, the example in which the
[0072]
Here, the configuration of the
[0073]
The
[0074]
The
[0075]
The
[0076]
As shown in FIGS. 15 and 16, the
[0077]
The
[0078]
The
[0079]
The
[0080]
The
[0081]
The material constituting the
[0082]
The
[0083]
The negative
[0084]
The
[0085]
The
[0086]
In the
[0087]
In the
[0088]
The
[0089]
As described above, the
[0090]
The
[0091]
The
[0092]
Further, the
[0093]
As described above, the
[0094]
The
[0095]
The
[0096]
The
[0097]
The
[0098]
The above-described
[0099]
The
[0100]
The
[0101]
The
[0102]
The
[0103]
The
[0104]
The
[0105]
In the
[0106]
Specifically,
[0107]
In the
[0108]
In such a
[0109]
The principle in which the
[0110]
First, a current pulse is applied to the
[0111]
When the ink droplet i is ejected, the same amount of
[0112]
Before the
[0113]
Here, the operation of mounting the
[0114]
The cartridge
[0115]
As described above, in the
[0116]
In addition, in the ink
[0117]
In the
[0118]
In such a
[0119]
Therefore, the shape of the
[0120]
Since the
[0121]
Next, the printer
[0122]
As shown in FIG. 1, the printer
[0123]
The head
[0124]
The head cartridge attachment /
[0125]
The head cap opening /
[0126]
The paper supply /
[0127]
Next, a control circuit of the
[0128]
As shown in FIG. 21, the control circuit includes a
[0129]
The
[0130]
The
[0131]
The warning unit 113 is a display unit such as an LCD (Liquid Crystal Display), and displays information such as a printing condition, a printing state, and a remaining amount of ink. In addition, the warning unit 113 may be a voice output unit such as a speaker, for example, and in this case, outputs information such as a print condition, a print state, and a remaining amount of ink by voice. Note that the warning unit 113 may be configured to have both a display unit and a sound output unit.
[0132]
The input /
[0133]
As the input /
[0134]
The
[0135]
The
[0136]
For example, a network such as the Internet may be interposed between the input /
[0137]
The
[0138]
Specifically, the
[0139]
The
[0140]
In this case, the
[0141]
Further, the
[0142]
Further, when the information processing apparatus is connected to the input /
[0143]
In the control circuit configured as described above, the program is stored in the
[0144]
Hereinafter, each operation of the control circuit will be described with reference to the flowchart shown in FIG. This operation is executed based on the processing of a CPU (Central Processing Unit) (not shown) in the
[0145]
First, in step S101, the
[0146]
Next, in step S102, the
[0147]
With the above-described processing, the ink-
[0148]
As described above, in the
[0149]
In addition, in the
[0150]
In the above-described
[0151]
Also, in the above-described ink
[0152]
Further, in the above-described ink
[0153]
Furthermore, the present invention is not limited to the ink tank applied to the ink jet printer device, but can be widely applied to other devices that discharge a small amount of liquid. Specifically, for example, the present invention is mounted on a liquid ejecting apparatus that ejects a very small amount of DNA or the like in a liquid or ejects a liquid containing conductive particles for forming a wiring pattern of a printed wiring board. It may be applied to a liquid tank.
[0154]
【The invention's effect】
As described above, according to the liquid tank of the present invention, dust and the like hardly adhere to the inner surface, and dust and residual liquid and the like adhered to the inner surface can be appropriately and easily removed by washing. It is possible to reuse the liquid tank, and in a liquid discharge head using the liquid tank, avoid unstable discharge of liquid from the discharge holes or clogging of the discharge holes due to dust or the like entering the liquid. Is possible.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing a configuration of an ink jet printer device according to the present invention.
FIG. 2 is a perspective view illustrating a configuration of an ink jet print head cartridge included in the ink jet printer device.
FIG. 3 is a cross-sectional view illustrating a configuration of an ink jet print head cartridge included in the ink jet printer device.
FIG. 4 is a cross-sectional view illustrating a configuration of an ink tank mounted on a head cartridge.
FIG. 5 is a schematic diagram illustrating a state in which a supply port of a supply unit of an ink tank mounted on the head cartridge is closed.
FIG. 6 is a schematic diagram for explaining a state in which a supply port of a supply unit of an ink tank mounted on a head cartridge is opened.
FIG. 7 is a schematic diagram for explaining an engagement protrusion of an ink tank mounted on a head cartridge.
FIG. 8 is a schematic diagram illustrating a terminal portion of an ink tank mounted on a head cartridge.
FIG. 9 is a plan view illustrating the configuration of a head cartridge.
FIG. 10 is a cross-sectional view illustrating a configuration of an inkjet print head cartridge included in the inkjet printer device.
FIG. 11 is a cross-sectional view illustrating a configuration of an ink jet print head cartridge included in the ink jet printer device, illustrating an operation when an ink tank is mounted.
FIG. 12 is a view for explaining a latch lever of the ink jet print head cartridge provided in the ink jet printer device.
FIG. 13 is a plan view illustrating a configuration of an ink remaining amount detection unit in the head cartridge.
FIG. 14 is a cross-sectional view illustrating a configuration of an ink tank and a head cartridge.
FIG. 15 is a sectional view for explaining a valve mechanism in a connection supply section of the head cartridge.
FIG. 16 is a cross-sectional view for explaining a valve mechanism in a connection supply section of the head cartridge.
FIG. 17 is a sectional view for explaining a head chip of the head cartridge.
FIG. 18 is a plan view illustrating a head chip of a head cartridge.
FIG. 19 is a cross-sectional view illustrating a state in which bubbles are generated in the head chip of the head cartridge.
FIG. 20 is a cross-sectional view illustrating a state in which ink droplets are ejected by generated bubbles in a head chip of the head cartridge.
FIG. 21 is a block diagram illustrating a control circuit of the inkjet printer.
FIG. 22 is a flowchart illustrating a control method of the inkjet printer.
FIG. 23 is a perspective view showing a state in which a container body and a lid constituting an ink tank are joined and integrated.
FIG. 24 is a perspective view of the container body as viewed from the inner surface side.
FIG. 25 is a perspective view of the lid viewed from the inner surface side.
FIG. 26 is a perspective view of the lid viewed from the outer surface side.
FIG. 27 is a perspective view showing a state in which an opening of the container main body is closed by a lid.
FIG. 28 is a line segment X in FIG. 1 -X 1 Cross section by '.
FIG. 29 is a line segment Y in FIG. 1 -Y 1 Cross section by '.
30 is a line segment X in FIG. 2 -X 2 Cross section by '.
FIG. 31 is a line segment Y in FIG. 2 -Y 2 Cross section by '.
[Explanation of symbols]
REFERENCE SIGNS LIST 1 inkjet printer device, 2 head cartridge, 3 printer body, 4 ink, 5 resin, 11 ink tank, 11 a, 11 b groove, 12 ink storage unit, 13 ink supply unit, 13 a bottom surface, 13 b supply port, 13 c valve, 13 d coil spring , 13e opening / closing pin, 14 external communication hole, 15 air introduction pipe, 16 ink storage section, 17 seal, 18 locking projection, 19 engagement step, 19a slope, 19b plane, 20 terminal, 21 identification projection , 22 container body, 23 lid, 24 rising peripheral wall, 25 engaging projection, 26 positioning projection, 28 engaging hole, 30 positioning hole, 31 cartridge body, 32 mounting section, 33 engaging piece, 34 latch lever, 34a engagement hole, 35 urging member, 36 ink remaining amount detecting section, 37 connection supply section, 38, 39 ink detecting section, 40 handle section, 4 Head chip, 42 head cap, 43 identification recess, 51 ink reservoir, 52 seal member, 53 filter, 54 valve mechanism, 61 inflow path, 62 ink chamber, 63 outflow path, 64 opening, 65 valve, 66 spring, 67 Negative pressure adjusting screw, 68 valve shaft, 69 diaphragm, 71 groove, 72 cleaning roller, 81 head cartridge mounting section, 82 head cartridge attaching / detaching mechanism, 83 head cap opening / closing mechanism, 84 paper feeding / discharging mechanism, 85 paper feeding port, 86 discharging Paper mouth, 101 circuit board, 101a one main surface, 102 heating resistor, 103 film, 104 nozzle sheet, 104a nozzle, 105 ink pressurizing chamber, 106 ink flow path section, 111 printer drive section, 112 head drive section, 113 Warning unit, 114 input / output terminal, 115 ROM, 116 RAM, 117 control unit , 118 Information processing device
Claims (3)
上記液体が収容される液体収容部と、
上記液体収容部に収容された液体を上記液体吐出ヘッドに供給する液体供給部とを備え、
上記液体収容部は、一面を開口部とする容器本体と、上記容器本体の開口部を閉塞する蓋体とが接合一体化されてなり、
上記容器本体及び上記蓋体は、上記液体収容部を形成する内面が外面よりも表面粗さが小さくなるように射出成形によって形成されており、互いの接合部分に沿って形成された溝部に樹脂が射出充填されることによって接合一体化されていることを特徴とする液体タンク。In a liquid tank for supplying liquid to a liquid discharge head that discharges liquid,
A liquid storage section in which the liquid is stored,
A liquid supply unit that supplies the liquid stored in the liquid storage unit to the liquid ejection head,
The liquid container is formed by joining and integrating a container body having an opening on one surface and a lid closing the opening of the container body,
The container body and the lid are formed by injection molding such that an inner surface forming the liquid storage portion has a smaller surface roughness than an outer surface, and a resin formed in a groove formed along a joint portion between the container body and the lid. Characterized by being integrated by being injected and filled.
上記外部連通孔から上記液体収容部の内部へと延長して設けられ、上記外部連通孔より取り込まれる外部の空気を上記液体収容部へと導く空気導入管と、
上記空気導入管の中途部に設けられ、上記空気導入管を通して上記液体収容部から逆流した液体を一時的に貯留する液体貯留部とを備え、
上記容器本体は、内面に所定の領域に亘って周囲を囲むように立設された立上り周壁と、上記立上り周壁の先端部に上記蓋体に向かって突出形成された係合突部とを有し、
上記蓋体は、上記係合突部が係合される係合孔を有し、
上記容器本体及び上記蓋体は、上記係合孔に上記係合突部が係合された状態で記係合突部と上記係合孔との係合部分に沿って形成された溝部に樹脂が射出充填されることによって上記液体貯留部を形成していることを特徴とする請求項1記載の液体タンク。An external communication hole for communicating the liquid container with the outside,
An air introduction pipe that is provided extending from the external communication hole to the inside of the liquid storage unit, and guides external air taken in from the external communication hole to the liquid storage unit,
A liquid storage unit that is provided in the middle of the air introduction pipe and temporarily stores the liquid that has flowed back from the liquid storage unit through the air introduction pipe,
The container main body has a rising peripheral wall provided on an inner surface thereof so as to surround a predetermined area, and an engaging projection formed at a tip end of the rising peripheral wall toward the lid. And
The lid has an engagement hole with which the engagement protrusion is engaged,
The container body and the lid are formed in a groove formed along an engagement portion between the engagement projection and the engagement hole in a state where the engagement projection is engaged with the engagement hole. The liquid tank according to claim 1, wherein the liquid storage portion is formed by injection-filling.
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