JP2004209626A - 3次元微細構造体作製方法および作製装置 - Google Patents

3次元微細構造体作製方法および作製装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、加工を実行する際の諸条件に応じて変化するエッチング及びデポジション現象の影響を軽減し、設計形状に近い微細3次元構造体形成を実現する集束荷電粒子ビーム加工法並びにそれを実施する集束荷電粒子ビーム装置を提供することにある。
【解決手段】本発明の3次元微細構造作製方法は、荷電粒子の加速電圧、ビーム電流、走査速度、ドット間隔値及びドット待ち時間の加工条件を制御下において、3次元構造体の設計3次元形状データを基に仮加工を行って試作構造体を作り、該試作構造体の形状と前記設計形状との比較を行ない、その差を修正するように前記加工条件を補正しつつ本加工を行うようにしたものである。そして、3次元構造体の設計3次元形状データはCADデータを用い、微分によって複数の2次元形状データを求め、該複数の2次元形状データに基いて荷電粒子ビームの照射位置を制御して加工を実行する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料面に原料ガスを吹きつけつつ集束イオンビームや電子ビームを照射するCVD法、集束イオンビームを照射するエッチング法、及び試料面にエッチングガスを吹きつけつつ集束イオンビームや電子ビームを照射するエッチング法によって超微細な立体構造体を形成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
微細3次元構造物作製技術としては、合成樹脂材を用いた光重合反応を利用した所謂マイクロ光造形法による微細3次元構造物作製が試みられている。しかし、この方法ではμmオーダー以上のサイズであり、サブμm〜ナノオーダの制御を行うことは難しい。また、対象材料は光硬化性樹脂に限られるなど制約が多い。ところで、サブμm〜ナノオーダの超微細な立体構造体としては顕微鏡試料の加工に用いられるナイフやドリルやマニピュレータプローブ、スプリングコイル、プローブ顕微鏡の触針、精細電子回路用のコイル等に対して必要性が高く、その製造技術の提供には大きな期待が寄せられている。また、このナノ・マイクロマシンについては医療・バイオ、オーディオ、IT、通信、自動車に至るまで広い分野でその応用が想定され、その実用化が期待されている。集束荷電粒子ビームを用いたCVD微細加工装置において、任意形状の3次元構造を形成する試みがなされている。因みに非特許文献1にはパターンジェネレータからの信号を徐々に変化させ、3次元の回転対称構造物を作製する方法が、非特許文献2にはビットマップの階調に合わせて荷電粒子のドーズ量を変えて、3次元構造体を作製する方法が紹介されている。
【0003】
集束イオンビームによる加工はエッチングにしてもデポジションにしても基本的には照射される荷電粒子のドーズ量に比例した加工が行なわれると考えられる。ところが、上記した従来の方法では、必要とする微細な3次元形状を正確に作製することは困難である。その原因の1つに、エッチング速度が、試料に対する照射角度や材質の違いにより変化することや再付着現象の問題があり、2次元の加工と異なり必ずしもドーズ量に比例した形状にはならないということがある。
また、デポジションにおいても、3次元構造体は高さ方向に照射断面積が変化するため、たとえドーズ量を一定にしてもガスの吸着量が異なり、デポジション速度が変化してしまい、正確な3次元形状を形成することができない。
【0004】
【非特許文献1】
S.Matsui,T.Kaito,J.Fujita 他, Three−dimensional nanostructurefabrication by focused−ion−beam chemical vapor deposition,“Journal Vacuum Society”Technol.B18,2000年,3168巻
【非特許文献2】
R.A.Lee,P.J.Wolpert,FIB Micromachining and Nano−Structure Fabrication,“International Symposium for Testing and Failure Analysis”,1999年11月14日〜18日
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、加工を実行する際の諸条件に応じて変化するエッチング及びデポジション現象の影響を軽減し、設計形状に近い微細3次元構造体形成を実現する集束荷電粒子ビーム加工法並びにそれを実施する集束荷電粒子ビーム装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の3次元微細構造作製方法は、荷電粒子の加速電圧、ビーム電流、走査速度、ドット間隔値及びドット待ち時間の加工条件を制御下において、3次元構造体の設計3次元形状データを基に仮加工を行って試作構造体を作り、該試作構造体の形状と前記設計形状との比較を行ない、その差を修正するように前記加工条件を補正しつつ本加工を行うようにしたものである。そして、3次元構造体の設計3次元形状データはCADデータを用い、微分によって複数の2次元形状データを求め、該複数の2次元形状データに基いて荷電粒子ビームの照射位置を制御して加工を実行するものである。
また、本発明の3次元微細構造作製方法は、荷電粒子ビームについての加工条件は、予め加工面積とデポレートの関係を示す特性データを複数取得しておき、(1)デポレートの減少に応じてビームスキャンの待ち時間を「減少レート値/最大レート値」だけ調整して同じ回数のスキャンを実行する方法
(2)まず大ビーム電流の折れ線部までの最大レート領域を用いて加工を行ない、その部分で次に大きい一つ下のビーム電流に切り替え、そのビーム電流での折れ線部までその最大レート領域を用い、以下順次同様の切り替えを行う方法
(3)デポレートの減少に応じてビームスキャンの繰り返し回数を「減少レート値/最大レート値」だけ増加調整してスキャンを実行する方法
を提示する。
さらに、本発明の3次元微細構造作製用集束荷電粒子ビーム装置は、3次元構造体の設計3次元形状データを取得する手段と、該形状データに基き荷電粒子ビームの照射位置を制御する手段と、加速電圧、ビーム電流、走査速度、ドット間隔値及びドット待ち時間の加工条件を制御する手段と、加工構造体の3次元形状を把握する画像を取得する手段と、該画像と前記設計形状との比較を行う手段とを備え、形状差分に基いて前記加工条件を補正することにより設計形状に近い構造体を加工することを特徴とする。更には、CADデータを入力して3次元構造体の設計3次元形状データを取得する手段と、該3次元データを微分してビーム軸方向に直交する2次元形状データを複数求める手段とを備えるようにした。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の基本概念図を図1に示す。まず、作製したい微細構造体の雛型の3次元形状データを取得する必要がある。この場合において、既に標準構造体がある場合はその画像を雛型としてもよいが、一般には作製しようとする構造体の形状寸法設計値、例えば図に示すようなCADデータが用いられる。次にその寸法の構造体(図中の原画)を作製するために行う加工方法の決定をする。すなわちスパッタエッチングであるか、ガスアシストエッチングであるか、原料ガスを噴射しつつ集束荷電粒子ビームを照射して行うデポジション(以下単にCVDという。)であるかを選択する。いまここではCVDによって微細構造体を作製するものとして説明する。先のCADデータから雛型を荷電粒子ビーム軸に垂直な面で輪切りにした、微小厚みの断面形状である多数の2次元形状情報(図中複数のBitmap)を算出する。この微小厚みの多数断面形状体を順次重ねて形成すると雛型形状のものが形成される。この個々の微小厚みの断面形状体を形成するために必要な原料ガスの選定、集束荷電粒子ビームの加速電圧、ビーム電流、走査速度、ドット間隔値及びドット待ち時間といった加工データを設定する。この設定された加工データの下で前記2次元形状情報に基づいて照射位置が制御され仮加工が実行される。その結果としての試作品の画像を角度を変えて複数枚取得しその3次元形状を測定する。この画像取得は走査型電子顕微鏡を備えた集束イオンビーム(以下FIBという。)装置であれば電子顕微鏡画像を、備えていない装置であればイオン顕微鏡像として取得する。この段階で試作品と雛型との寸法比較を行ない、差データを取得する。この差データから差が生じた原因を究明解析し、その差分を修正するため必要な加工データに補正を加えて再設定を実行する。この状態で本加工を実行する。以上が本発明思想の基本概念である。なお、本加工において未だ十分な修正がなされておらず寸法差が大きい場合は再度加工データに補正を加えて再々設定をして本加工を実行することもある。
【0008】
【実施例1】
本発明の1実施例を図9に示し説明する。このシステムはイオン源1、イオン光学系3、デフレクタ4と二次荷電粒子検出器5、ガス銃6そして5軸駆動機構を備えた試料ステージ7からなるFIB装置本体、走査型電子顕微鏡筒8、FIB装置本体と走査型電子顕微鏡に対する制御信号を生成し送信するコンピュータ10、ディスプレイ11及びCADシステム12とから構成されている。作製する微細3次元構造体の寸法情報から、多数の2次元形状に変換する操作をCADシステム12で行ない、変換データをコンピュータ10に送る。この際のCAD情報に示された雛型は例えば図2のAに示されるような円錐形状の構造体であったとする。このような構造体を作製するため、本例ではCVDによるデポジション形成モードを選択し、この構造体をカーボンで形成させるものとし、ガス銃6にはフェナントレンを充填する。なお、本実施例ではガスアシストエッチングのためのガス銃や他の材料や濃度の異なる原料ガス用に複数のガス銃を備えている。CADシステム12上で雛型の3次元情報をZ軸(イオンビーム軸)方向に微分して複数の2次元データを作成する。これが微小厚みの断面形状である多数の2次元形状情報(図1中の複数のBitmap)に相当する。この2次元データを装置本体のコンピュータ10に送信してFIBの制御に用いる。照射するFIBによってそれぞれの部分構造体を形成するための加工条件すなわち、ビームエネルギー(加速電圧や電流)、走査速度やドット間隔、更には走査回数などを加工サイズや加工精度から決める。下層の部分のものから上層部分のものまで順次の設定をすることで、一連の加工プログラムとなる。本システムではこのプログラムに従って自動的に仮加工を実行することが可能で、試作品が形成加工される。加工条件の設定やプログラムの作成は制御コンピュータ10にて行う。
【0009】
次に試作した3次元構造体の外形観察を電子鏡筒8を用いた走査型電子顕微鏡機能を使って行う。図2のBに試作品画像の例を示す。必要に応じて、ビーム照射角を変えて複数枚の外形観察を行ない、試作品の3次元寸法を割り出す。3次元CADデータと試作した3次元構造体の寸法比較を行ない、形状の差を求める。今、図3のAに示したように試作品の円錐高さが設計寸法(CAD図形・元絵)aより高く形成されbであったとする。図中斑点を施した部分が元絵と比較して過剰構造部分である。これは部分構造体の各微小厚み分が想定量より厚く形成されたことを意味している。したがって、補正としては各部分構造体の厚み寸法をa/bとすればよく、一般的には照射されるFIBのドーズ量を調整してやればよく、この実施例では走査回数で調整する。勿論、この他原料ガスの濃度とかビームエネルギーを調整する方法も無いわけではない。この現象は比較的単純であるから、加工条件において走査回数をa/bに調整し直して本加工を実行すると、図2のCや図3のBに示されるようなCAD図形の元絵に近似した円錐形状の微細構造体が形成される。
【0010】
次に、試作品の形状が図4のAに示したように円錐体のある高さb以上部分で設計寸法(CAD図形・元絵)より細身に形成されていたとする。図中において斑点を施した部分が元絵と比較して欠落構造部分である。この変形の原因は、断面積が小さくなり走査サイクルが短くなって電流密度が高くなったために、デポジション形成されるレートが遅くなった現象であると解される。
本実施例においてとるべき対応策の一つは、デジタルスキャンを行っているので、ビームが同じ場所に照射されるまでの待ち時間を制御できることに鑑み、全てのポイントの待ち時間を一定にするようにデポジションレートをほぼ一定に設定してから、試作加工を行う。具体的には高さb位置での断面においてその後の加工で照射の必要が無くなったポイント位置をブランキングするようにして同じサイクルで走査を実行する。そして、その時の試作品の出来具合を見て基本的な補正を行う。補正の手法としては補正が不十分な場合には、十分に原料ガスが表面に吸着できるように、待ち時間を長くした加工条件にする。
【0011】
本実施例においてとるべき他の対応策は、走査速度を変更して待ち時間を調整するのではなく、電流密度を下げるために、直接ビーム電流を減らして加工する手法である。ブランキングの時間といった無駄時間を使わないので加工時間を短く出来る長所がある半面、電流を落すタイミングの取り方が難しいという問題がある。この場合、電流を変えた所の継ぎ目ができるだけ分からないように、ビーム位置の把握を正確に行う必要がある。具体的には、試作品の画像から画像処理(パターンマッチング)の技術を使って正確な位置測定を行う。
上記したいずれかの手法で加工条件を補正することにより、図4のBに示されるようなCAD図形の元絵に近似した円錐形状の微細構造体が形成される。
【0012】
以上の説明ではFIBを使ったCVDによる微細構造体の形成を説明してきたが、本発明においてはブロック状の素材や薄片化加工して板状にした素材をエッチング加工して微細構造体の形成を行うことも可能である。その場合にも荷電粒子のビームエネルギー、走査速度及びドット間隔値といった加工条件を制御下において、3次元構造体の設計3次元形状データを基に仮加工を行ってまず、試作構造体を作り、該試作構造体の形状と前記設計形状との比較を行ない、その差を修正するように前記加工条件を補正しつつ本加工を行うようにする。
【0013】
本発明による加工をさらに精緻に行うため加工条件の補正手法について具体的に説明する。精緻な加工を行うためには加工に使用するビーム電流の異なるデータについて、加工面積とデポレートの関係を示す特性データを予め複数取得しておき、その特性を把握した上でそれを用い加工を行うことが効果的である。この特性は一般に図5に示すような折れ線形態を示し、このグラフから分かるように、それぞれのビーム電流ともある加工面積を境に、面積の小さい領域でのデポレートの低下する現象がみられる。そして、最終領域ではデポ形成が行われずにビーム照射によるエッチングが行われるようになる。なお、この特性は加工条件としてスキャン回数はそれぞれ同じとして得たものである。この特性データを把握した上で加工条件を調整しイオンビーム加工を行えば、最初の予備加工でも、かなり正確な加工が可能になる。
この特性を利用し加工条件を変える方法としては
▲1▼この減少特性データからビームの待ち時間を算出する方法
▲2▼減少する領域を使用しないように、いくつかのビーム電流を組み合わせて加工する方法
▲3▼減少分だけビームの走査回数(テポ時間)を増やして加工する方法
が考えられる。この方法を使って加工条件を調整しつつ加工を行えば、複雑な3次元微細構造をCADデータを基に作製することが可能となる。
【0014】
まず、▲1▼のこの減少特性データからビームの待ち時間を算出して調整する方法について説明する。デポジションによって形成される膜厚とスキャン回数(ドーズ量)は比例する。デポレートが落ちる現象は加工断面積が小さくなり走査サイクルが短くなって電流密度が高くなることに起因すると考えられるから、この方法では1回のスキャンを終えてから次のスキャンに入るまでビームに待ち時間を与えるようにしてガス吸着の不足を補いデポジションの形成を促すようにする。今、デポ加工が行われる箇所の断面積がSであったとすると、図6に示すような特性では大電流におけるデポレートがデポ面積の大きな箇所でのデポレートaに比べbだけ落ちている。この場合に不足分bを補うための補正待ち時間をb/aに応じてとるようにすることで、aの最大デポレートを維持することができる。
すなわち、デポ面積Sが小さくなるに応じてb値が徐々に大きくなるのでその分待ち時間を多くとるようにしてデポレートaを維持すればよいのである。なお、この場合、当然のことながら加工条件としてスキャン回数は同じとすることが前提となる。
【0015】
次に、デポレートが減少する領域を使用しないように、いくつかのビーム電流の最大デポレート部分を組み合わせて加工する▲2▼の方法の具体的調整を説明する。この方法はいくつかのビーム電流値切り替えを可能にし、それぞれの特性におけるデポレートが減少する領域を使わないで、デポ面積が狭くなるところではビーム電流を低く切り替えてその電流における最大デポレートを使って効率のよい加工をしようというものである。この方法は図7に模式的に示すようにまず大ビーム電流の折れ線部までの最大レート領域を用いて加工を行ない、その部分で次に大きい一つ下のビーム電流に切り替え、そのビーム電流での折れ線部までその最大レート領域を用い、以下順次同様の切り替えを行うものである。なお、この場合も、当然のことながら加工条件として各ビーム電流におけるスキャン回数は同じとすることが前提となる。
【0016】
最後に、減少分だけビームの走査回数(デポ時間)を増やして加工する▲3▼の方法について説明する。前述したようにデポジションによって形成される膜厚とスキャン回数(ドーズ量)は比例する。今、デポ加工が行われる箇所の断面積がSであったとすると、図8に示すような特性では大電流におけるデポレートがデポ面積の大きな箇所でのデポレートaに比べbだけ落ちている。したがって、同じ回数のスキャンで加工を行った場合この部分に形成されるデポ膜厚は、デポ面積が広い箇所でのデポ膜厚に比較して(a−b)/aだけのものとなる。これを同じ厚さとするにはスキャン回数をb/aだけ増やすことでこの不足分を補うことができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明の3次元微細構造作製方法は、荷電粒子のビームエネルギー、走査速度及びドット間隔値の加工条件を制御下において、3次元構造体の設計3次元形状データを基に仮加工を行って試作構造体を作り、該試作構造体の形状と前記設計形状との比較を行ない、その差を修正するように前記加工条件を補正しつつ本加工を行うようにしたものであるから、設計形状に忠実なサブμm〜ナノオーダの3次元微細構造体を作製することが出来る。
また、3次元構造体の設計3次元形状データはCADデータを取り込み、微分によって加工すべき複数の2次元形状データを容易に求めることができ、該複数の2次元形状データに基づいて荷電粒子ビームの照射位置を制御して3次元微細構造体の形成加工を容易に実行することができる。
【0018】
本発明の3次元微細構造体作製方法は、予め加工面積とデポレートの関係を示す特性データを複数取得しておき、荷電粒子ビームについての加工条件として、(1)デポレートの減少に応じてビームスキャンの待ち時間を減少レート値/最大レート値だけ調整して同じ回数のスキャンを実行する方法、
(2)まず大ビーム電流の折れ線部までの最大レート領域を用いて加工を行ない、その部分で次に大きい一つ下のビーム電流に切り替え、そのビーム電流での折れ線部までその最大レート領域を用い、以下順次同様の切り替えを行う方法、
(3)あるいはデポレートの減少に応じてビームスキャンの繰り返し回数を、減少レート値/最大レート値だけ増加調整してスキャンを実行する方法、
を採用するものであるから、加工条件に対応した加工状態を把握した上での精緻な加工が確実に実行できる。
したがって、何度も試作加工を繰り返すこともなく効率的に設計形状に近い3次元構造体を加工することができる。
【0019】
本発明の3次元微細構造作製用集束イオンビーム装置は、3次元構造体の設計3次元形状データを取得する手段と、該形状データに基づき荷電粒子ビームの照射位置を制御する手段と、ビームエネルギー、走査速度及びドット間隔値の加工条件を制御する手段と、加工構造体の3次元形状を把握する画像を取得する手段と、該画像と前記設計形状との比較を行う手段とを備え、形状差分に基いて前記加工条件を補正することにより設計形状に近いサブμm〜ナノオーダの3次元構造体を加工することができる。
CADデータを入力して3次元構造体の設計3次元形状データを取得する手段と、該3次元データを微分してビーム軸方向に直交する2次元形状データを複数求める手段とを備え下層の部分構造から上層部分構造まで順次の加工条件を設定することで、一連の加工プログラムとなり、本システムではこのプログラムに従って自動的に仮加工を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本概念を説明する図である。
【図2】本発明の元図、試作品、作製された形成加工品を示す図である。
【図3】本発明の実施において起こる1現象とその対応を説明する図である。
【図4】本発明の実施において起こる他の現象とその対応を説明する図である。
【図5】使用するデポ面積とデポレートの関係特性を説明する図である。
【図6】減少特性データからビームスキャンの待ち時間調整量を算出する説明図である。
【図7】最大デポレートだけを使用するビーム電流切り替え方式を説明図である。
【図8】減少特性データからビームスキャン回数調整量を算出する説明図である。
【図9】本発明の1実施例を説明する図である。
【符号の説明】
1 イオン源 7 試料ステージ
2 イオンビーム 8 電子鏡筒
3 イオン光学系 9 試料
4 デフレクタ 10 コンピュータ
5 二次荷電粒子検出器 11 ディスプレイ
6 ガス銃 12 CADシステム

Claims (8)

  1. 荷電粒子ビームについての加工条件を制御下において、3次元構造体の設計3次元形状データを基に仮加工を行って試作構造体を作り、該試作構造体の形状と前記設計形状との比較を行ない、その差を修正するように前記加工条件を補正しつつ本加工を行うようにした3次元微細構造体作製方法。
  2. 荷電粒子ビームについての加工条件は、加速電圧、ビーム電流、走査速度、ドット間隔値及びドット待ち時間である請求項1に記載の3次元微細構造体作製方法。
  3. 荷電粒子ビームについての加工条件は、予め加工面積とデポレートの関係を示す特性データを複数取得しておき、デポレートの減少に応じてビームスキャンの待ち時間を減少レート値/最大レート値だけ調整して同じ回数のスキャンを実行する請求項2に記載の3次元微細構造体作製方法。
  4. 荷電粒子ビームについての加工条件は、予め加工面積とデポレートの関係を示す特性データを複数取得しておき、まず大ビーム電流の折れ線部までの最大レート領域を用いて加工を行ない、その部分で次に大きい一つ下のビーム電流に切り替え、そのビーム電流での折れ線部までその最大レート領域を用い、以下順次同様の切り替えを行う請求項2に記載の3次元微細構造体作製方法。
  5. 荷電粒子ビームについての加工条件は、予め加工面積とデポレートの関係を示す特性データを複数取得しておき、デポレートの減少に応じてビームスキャンの繰り返し回数を、減少レート値/最大レート値だけ増加調整してスキャンを実行する請求項2に記載の3次元微細構造体作製方法。
  6. 3次元構造体の設計3次元形状データはCADデータを用い、微分によって複数の2次元形状データを求め、該複数の2次元形状データに基いて荷電粒子ビームの照射位置を制御して加工を実行するものである請求項1から5のいずれかに記載の3次元微細構造体作製方法。
  7. 3次元構造体の設計3次元形状データを取得する手段と、該形状データに基き荷電粒子ビームの照射位置を制御する手段と、ビームエネルギー、ビーム電流、走査速度、ドット間隔値及びドット待ち時間の加工条件を制御する手段と、加工構造体の3次元形状を把握する画像を取得する手段と、該画像と前記設計形状との比較を行なう手段とを備え、形状差分に基いて前記加工条件を補正することにより設計形状に近い構造体を加工することを特徴とする3次元微細構造体作製用集束荷電粒子ビーム装置。
  8. CADデータを入力して3次元構造体の設計3次元形状データを取得する手段と、該3次元データを微分してビーム軸方向に直交する2次元形状データを複数求める手段とを備えた請求項7に記載の3次元微細構造体作製用集束荷電粒子ビーム装置。
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