JP2004209448A - フィルタ - Google Patents
フィルタ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004209448A JP2004209448A JP2003002691A JP2003002691A JP2004209448A JP 2004209448 A JP2004209448 A JP 2004209448A JP 2003002691 A JP2003002691 A JP 2003002691A JP 2003002691 A JP2003002691 A JP 2003002691A JP 2004209448 A JP2004209448 A JP 2004209448A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- filter
- case
- filter element
- hole
- opening
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Filtration Of Liquid (AREA)
Abstract
【解決手段】フィルタヘッド2と上部が開口した有底円筒状のケース3とフィルタエレメント14とから構成されるフィルタ1において、ケース3内の底面から上方に突出するようにドレイン部材25を配設し、フィルタエレメント14の下開口部18aとドレイン部材25の嵌合部25bとを嵌合させる。そして、ドレイン部材25に外周空間21と内周空間19とを連通するように水平方向に貫通した導出孔27と垂直方向に貫通した排出孔26とを形成し、ドレイン部材25の上端部(開放部25cの上端面)に開口した排出孔26の上端開口部をリリーフバルブ30の弁33で塞ぎ、外周空間21に導入された流体の圧力に応じて弁33を開閉可能なようにリリーフバルブ30を構成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オイル等の流体の濾過に用いられるフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、エンジンオイルの濾過に用いられるオイルフィルタの場合、エンジンケース等に形成されたフィルタヘッドと、このフィルタヘッドに着脱自在な有底円筒状のケース及び、このケース内に配設された円筒状のフィルタエレメントとから構成されている。フィルタヘッドには流入孔及び流出孔が形成されており、流入孔からケース内のフィルタエレメントより外側の空間(外側空間)に流入されたエンジンオイル(流体)をフィルタエレメントの外周面から内部を内周面に向かって通過させて、このフィルタエレメントが有する濾材で濾過して流体に含まれる固形物(燃焼生成物や金属粉)等を捕捉除去する。フィルタエレメントを通過したエンジンオイルは固形物等が除去された清浄な状態でフィルタエレメントの内部空間に流入する。そして、エンジンオイルをフィルタエレメントの内部空間から流出孔を通って外部に流出させてエンジンに供給する。
【0003】
この濾材で一定量以上の固形物等を捕捉すると濾材が目詰まりして、エンジンオイルが濾材を通過しにくくなり、エンジンに必要な油圧を確保できなくなる。また、粘性の高いエンジンオイルを使用している場合、エンジン始動時等の定温状態ではエンジンオイルの粘度が高くなり、この場合も、エンジンオイルが濾材を通過しにくくなる。
【0004】
そのため、フィルタ内(上述の例の場合外側空間)に導入されたエンジンオイルが濾材を通過しにくくなり内部の圧力が上昇したときに、フィルタエレメントをバイパスさせて内部空間に流して外部に流出させるリリーフバルブが設けられている。このリリーフバルブは、フィルタエレメントに取付けられたもの(例えば、特許文献1参照)や、フィルタヘッドに取付けられたもの(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−286707
【特許文献2】
特開平10−33909
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リリーフバルブをフィルタエレメントと一体に設けると、このフィルタエレメントを交換する際に、リリーフバルブも合わせて交換して廃棄しなければならず、フィルタエレメント交換のコストが高くなるとともに、廃棄物も増えるという課題があった。
【0007】
また、リリーフバルブをフィルタヘッドに設けた場合、このフィルタヘッドはエンジンケース等の限定された場所に取付けられるため、リリーフバルブを設置するスペースが少なくフィルタの取付け場所が制限されるという課題があった。
【0008】
本発明は以上の課題に鑑みなされたものであり、リリーフバルブをケースに設けたフィルタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係るフィルタは、流入孔と流出孔を有してなるフィルタヘッドと、上端部が開口し下端部が閉塞したケースと、ケース内に着脱自在に配設されるフィルタエレメントとを有してなり、ケースの上端部がフィルタヘッドの下端部に着脱自在に取付けられる。このフィルタエレメントは、濾材で囲まれた内部空間と、上部に形成され内部空間に連通する上開口部と、底部に形成され内部に連通する下開口部とを有して形成される。また、ケース内の底面には、上方に突出して下開口部と嵌合可能な突出部(例えば、実施形態におけるドレイン部材25)が設けられている。そして、フィルタエレメントを内部に配設したケースがフィルタヘッドに取付けられた状態において、突出部が下開口部に挿入されて嵌合して下開口部を塞ぎ、流入孔及び流出孔のいずれか一方が上開口部に連通してフィルタエレメントの内部空間に連通し、他方がケース内におけるフィルタエレメントの外側空間に連通し、流入孔からケース内に導入された流体をフィルタエレメントの濾材を通過させて流出孔から外部に流出させるように構成される。この突出部には、内部空間と外側空間とを連通させる連通孔(例えば、実施形態における導出孔27及び排出孔26)と、連通孔を開閉する弁とから構成され、流入孔から流入した流体の圧力が高くなったときに、弁を開放して流体を連通孔からフィルタエレメントをバイパスして流し、流出孔から外部に流出させるリリーフバルブを有している。
【0010】
このような構成によると、フィルタエレメントにリリーフバルブを設ける必要が無いため、このフィルタエレメントの交換コストが下がり、また、フィルタエレメントの交換における廃棄物を減らすことができる。さらに、フィルタヘッドに設けずケースにリリーフバルブを設けることにより、フィルタヘッドの設計が容易となり、フィルタの取付け場所の自由度が高くなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1及び図2は本発明に係るフィルタを示しており、フィルタ1は、フィルタヘッド2とこのフィルタヘッド2に着脱自在に取付けられる有底円筒状で上部に開口部を有するとともに下部が閉塞して内部に空間が形成されたケース3とを有する。このケース3は有底円筒状のケース部材4と、ケース部材4の上部にある開口部の内周面に取付けられ、その内周面に雌ネジ部5aが形成された円筒状の雌ネジ部材5とから構成されている。さらに、この雌ネジ部材5の上部には内周面から上方に延びるフランジ部5bが形成されており、ケース部材4の上端面とフランジ部5bの上端面とが略同一平面上に位置するように配設されている。そして、このケース部材4とフランジ部5bで囲まれる空間にO−リング13が配設されている。O−リング13は、このO−リング13を保持するケース部材4と雌ネジ部材5(フランジ部5b)の面に密接するように配設されており、また、ケース3がフィルタヘッド2から取り外されているときは、O−リング13はケース部材4とフランジ部5bの上端面よりも上方に突出するように配設されている。
【0012】
上述のように、ケース3は、有底円筒状のケース部材4の内周面に円筒状の雌ネジ部材5の外周面を密接させて接合して構成されている。このように2つの部材を接合してケース3の雌ネジ部5aを形成することにより、簡単な構造で、ケース3の上部(雌ネジ部5aが形成される部分)の強度を高くすることができる。このケース部材4と雌ネジ部材5との接合には、例えば、雌ネジ部材5の下部に外周面からフランジ状に下方に延出する接合部5cを形成し、この接合部5cとケース部材4とをスポット溶接により接合することにより、接合作業が容易となる。
【0013】
また、ケース部材4の底部には上下に貫通したドレイン取付孔4aが形成されており、このドレイン取付孔4aにドレイン部材25が取付けられている。ドレイン部材25は、円筒状に形成されドレイン取付孔4aと嵌合する取付部25aと、その上面から上方に延びる円筒状の嵌合部25bと、さらに嵌合部25bの上面から上方に延び、嵌合部25bの直径より小さい直径の円筒状の開放部25cとから構成されている。また、取付部25aの外周面上には水平方向にフランジ状に延びる係止部25dが形成されている。
【0014】
このドレイン部材25には内部に上下に貫通する円筒状の排出孔26が形成されており、排出孔26の下端開口部にはプラグ28が螺挿されている。このプラグ28にはシール部材29が配設されており、フィルタ1を使用中はこのプラグ28により排出孔26の下端開口部は塞がれている。また、嵌合部25bの下部には、この嵌合部25bの円周面から内部を略水平方向に十字に貫通して排出孔26に連通する導出孔27が形成されている。また、ドレイン部材25の開放部25cの上端面にはリリーフバルブ30が配設されており、このリリーフバルブ30は、ドレイン部材25として一体に形成されている。
【0015】
リリーフバルブ30は、円筒状で上端部が閉塞し下端部が開放したガイド部材31と、バネ32と、排出孔26の上端開口部を開閉する弁33とから構成されており、ガイド部材31の下端開口部からバネ32、弁33がこの順で挿入されて、ドレイン部材25の開放部25cの上端部に取付けられている。ガイド部材31の円周面には下端から上端に延びる切欠部31aが、相対して2箇所形成されている。また、弁33はガイド部材31の内径と略同一大きさに形成されている。さらに、ガイド部材31の下端開口部31bの内径と開放部25cの上端部の外径は略同一大きさに形成されており、下端開口部31bに開放部25bを挿入させてスポット溶接で取付けられている。このため、弁33がバネ32で開放部25cの上端面に付勢するため、開放部25cの上端面に形成された排出孔26の上端開口部がこの弁33により塞がれている。
【0016】
ドレイン部材25は、ケース部材4の下面から、嵌合部25b、開放部25c及びリリーフバルブ30がケース3内に位置するようにドレイン取付孔4aから挿入される。そして、ドレイン取付孔4aと取付部25aが嵌合するとともに、係止部25dとケース部材4の下面が当接した状態で取り付けれれている。なお、このドレイン部材25は、係止部25dの回りを溶接してケース部材4に固定されるとともに、ドレイン部材25とドレイン取付孔4aの間がこの溶接によりシールされる。よって、ケース3の内部には、底面からドレイン部材25が上方に突出して組付けられ、ケース3の内部は導出孔27及び排出孔26を通って、排出孔26の下端開口部より外部に連通する。
【0017】
一方、フィルタヘッド2の下面には、下方に突出した連結部6が形成されている。この連結部6は、外側円筒部7と内側円筒部8とを有して2重円筒状に形成されている。このため、外側円筒部7の内周面と内側円筒部8の外周面との間には上下に延びる断面リング状の外側通路9が形成され、この外側通路9の上部はフィルタ1の外部に連通する流入孔10に連通し、下部は開放されている。また、内側円筒部8内には上下に延びる円筒状の内側通路11が形成されており、上部においてフィルタ1の外部に連通する流出孔12に連通し、下部は開放されている。
【0018】
なお、図1に示すように、内側円筒部8の方が外側円筒部7より下方の突出量が多く、この内側円筒部8の外側円筒部7の下端より下方に突出した部分は上部8aより径が細くなったフィルタ取付部8bが形成されている。また、内側円筒部8の上部8aの下面には後述するフィルタエレメント14の上ガスケット20が当接する第2シール面8cが形成されており、この第2シール面8cと外側円筒部7の下面は略同一平面上に位置するように形成されている。さらに、外側円筒部7の外周面には雄ネジ部7aが形成されている。なお、外側円筒部7の外周側にあるフィルタヘッド2の下面には、フィルタヘッド2にケース3が取付けられたときに、O−リング13が当接する第1シール面2aが形成されている。
【0019】
このように構成されたフィルタ1は、ケース3の上部に形成された雌ネジ部5aにフィルタヘッド2に形成された雄ネジ部7aを螺挿することにより、フィルタヘッド2とケース3とを嵌合することができる。以上の説明のように、フィルタヘッド2の下部に形成された連結部6の外周面(外側円筒部7の外周面)に雄ネジ部7aを形成し、ケース3の内周面(雌ネジ部材5の内周面)に雌ネジ部5aを形成して螺合するように構成すると、この螺合部分(雌ネジ部5a及び雄ネジ部7a)の有効径を大きくすることができ、強度を高くすることができるため、高圧作動流体を濾過することができる。
【0020】
このフィルタヘッド2とケース3が螺合されて囲まれた空間にフィルタエレメント14が配設される。フィルタエレメント14は、その円周面に多数の小孔15aが形成された円筒状のインナーチューブ15と、インナーチューブ15の外周面に濾紙を蛇腹状に折り畳み円筒状に巻き付けられた断面菊花状の濾材16とを有し、このインナーチューブ15と濾材16の円筒軸方向両端面を円板状の上エンドプレート17及び下エンドプレート18で挟持して構成される。この上下エンドプレート17,18の中心部には上下に貫通する上開口部17a及び下開口部18aがそれぞれ形成されており、フィルタエレメント14の内部空間(インナーチューブ15の内周面と上下エンドプレート17,18で囲まれており、以降の説明では「内周空間19」と呼ぶ)に連通している。
【0021】
この上エンドプレート17の上開口部17aの直径は上述のフィルタ取付部8bの外径よりやや大きく形成されており、上開口部17aの内周面に密接して上エンドプレート17の上下の面に突出するように断面コの字状でリング状の上ガスケット20が配設されている。この上ガスケット20を配設した際の上開口部17aの内径(上ガスケット20の内径)はフィルタ取付部8bの外径よりやや小さくなるように上ガスケット20が形成されている。
【0022】
一方、下エンドプレート18の下開口部18aの直径は上述のドレイン部材25を構成する嵌合部25bの外径よりやや大きく形成されており、下開口部18aの内周面に密接して下エンドプレート18の上下の面に突出するように断面コの字状でリング状の下ガスケット24が配設されている。この下ガスケット24を配設した際の下開口部18aの内径(下ガスケット24の内径)は嵌合部25bの外径よりやや小さくなるように下ガスケット24が形成されている。
【0023】
ケース3内の底部にはバネ23が配設されており、このバネ23にドレイン部材25が挿入され、バネ23と取付部25aの外周面とが嵌合して、バネ23が保持されている。フィルタエレメント14をフィルタ1に取付けるときは、まず、フィルタエレメント14を下エンドプレート18からケース3に挿入し、ドレイン部材25が下開口部18aからフィルタエレメント14の内周空間19に挿入されるように配置する。このとき、フィルタエレメント14の下エンドプレート18はバネ23に当接しており、下開口部18aはドレイン部材25の嵌合部25bより上方(開放部25cと略同一高さ)に位置している。そのため、下開口部18a(下ガスケット24の内周面)とドレイン部材25(開放部25cの外周面)との間には空間が形成されている。なお、ドレイン部材25をフィルタエレメント14の下開口部18aに挿入することにより、ドレイン部材25は、このフィルタエレメント14をケース3内に配置するときのガイドとして作用する。
【0024】
そして、上エンドプレート17に形成された上開口部17aからフィルタヘッド2のフィルタ取付部8bを挿入するようにしてケース3及びフィルタエレメント14をフィルタヘッド2に取付ける。このとき、上述のように上ガスケット20の内径はフィルタ取付部8bの外径よりやや小さく形成されているため、上ガスケット20とフィルタ取付部8bの外周面は密接する。そして、上述のようにケース3に形成された雌ネジ部5aとフィルタヘッド2に形成された雄ネジ部7aとを螺合すると、ケース3の上部に保持されたO−リング13が第1シール面2aに当接するとともに、フィルタエレメント14がバネ23に押し上げられてフィルタエレメント14の上エンドプレート17に配設された上ガスケット20の上部が内側円筒部8に形成された第2シール面8cに当接する。また、下エンドプレート18の下開口部18aはドレイン部材25の嵌合部25bの上部と嵌合し、下開口部18aの内周面が下ガスケット24を挟んで嵌合部25bの外周面に密接する。このとき、下開口部18aは嵌合部25bの下部に形成された導出孔27の開口部より上方で嵌合部25bと嵌合するようにフィルタ1が構成されている。
【0025】
フィルタエレメント14の直径はケース3の内径よりやや小さく形成されているため、ケース3内にはフィルタエレメント14より外側の空間、つまり、ケース3の内面とフィルタエレメント14の外周面に囲まれた外周空間21が形成される。また、上ガスケット20は上エンドプレート17の上下の面に突出するように形成されているため、フィルタエレメント14がフィルタ1に取付けられた状態では、フィルタヘッド2の下面と上エンドプレート17の上面の間には上ガスケット20により空間22が形成される。そのため、フィルタヘッド2に形成された外側通路9と外周空間21は空間22を介して連通することとなる。また、内側円筒部7のフィルタ取付部8bが、フィルタエレメント14の内周空間19に突出するため、内側通路11はフィルタエレメント14の内周空間19に連通する。このとき、上ガスケット20は、第2シール面8c及びフィルタ取付部8bに密接しているため、上エンドプレート17の上開口部17aは空間22に対してシールされている。
【0026】
一方、上述の通り、下エンドプレート18の下開口部18aは下ガスケット24を挟んでドレイン部材25の嵌合部25bと嵌合しているため、下開口部18aはこの下ガスケット24によりシールされている。また、ドレイン部材25に形成された排出孔26は導出孔27によって外周空間21と連通しているが、排出孔26の上端開口部はリリーフバルブ30で塞がれているため、外周空間21と内周空間19とは連通していない。よって、フィルタヘッド2とケース3とで形成される空間は、フィルタエレメント14により内周空間19と外周空間21とに分離されている。
【0027】
以上のように構成されたフィルタ1の流入孔10からエンジンオイル等の流体を外周空間21に導入すると、この流体はフィルタエレメント14の外周面から濾材16を通過してインナーチューブ15の小孔15aから内周空間19に流入する。この濾材16を流体が通過するとき、流体に含まれる固形物等が捕捉されて除去されるため、内周空間19に流入した流体は清浄な状態となっている。そして、内周空間19にある清浄な流体は流出孔12から外部に流出する。
【0028】
なお、濾材16が目詰まりしたときや、エンジン始動直後の流体(エンジンオイル)の粘性が高いときに、外周空間21に流体が導入されると、この流体は濾材16を通過しにくくなり、外周空間21内の流体の圧力が高くなる。上述のように、ドレイン取付部25の嵌合部25bと下開口部18aが嵌合している状態では、リリーフバルブ30は内周空間19内に位置しており、外周空間21に導入された流体の圧力は導出孔27及び排出孔26を通って、リリーフバルブ30の弁33を上方に押し上げるように作用している。この弁33はバネ32によりドレイン部材25の開放部25cの上端面に付勢して排出孔26の上端開口部を塞でいる。しかし、外周空間21内に導入された流体の圧力が所定以上の大きさになって、弁33に作用する力がバネ32の付勢力より大きくなると、図3に示すように、弁33は上方に押し上げられ、排出孔26の上端開口部は開放される。すると、外周空間21に導入された流体は、導出孔27及び排出孔26を通って、排出孔26の上端開口部からリリーフバルブ30のガイド部材31内に流入し、ガイド部材31に形成された切欠部31aから内周空間19に流出する。このように、外周空間21内に導入された流体の圧力が所定以上の大きさになると、リリーフバルブ30の弁33が開き、フィルタエレメント15をバイパスして、外周空間21に導入された流体を内周空間19に流出させるように構成されている。
【0029】
以上のように構成されたフィルタ1において、フィルタ1内に導入された流体は、ケース部材4と雌ネジ部材5との接合面及び雌ネジ部5aと雄ネジ部7aの螺合面から外部に流出しようとする。本発明に係るフィルタ1では、ケース部材4の内周面と雌ネジ部材5のフランジ部5bで囲まれる空間にO−リング13を保持しているため、フィルタヘッド2にケース3が取付けられた状態において、O−リング13は、ケース部材4の内周面と第1シール面2aに当接し、ケース部材4と雌ネジ部材5の接合面及び雌ネジ部5aと雄ネジ部7aの螺合面の両方をこのO−リング13だけで外部に対してシールすることができるため、簡単な構造となる。このO−リング13は、フィルタヘッド2とケース3の螺合部分の近傍にあるため、上述のようにフィルタヘッド2とケース3の螺合部分の強度が高いことから、このO−リング13もフィルタヘッド2及びケース3で確実に保持されてシール効果が高くなる。
【0030】
フィルタ1で流体を濾過すると、この流体に含まれる固形物等がフィルタエレメント14の濾材16に捕捉除去されるが、一定量以上の固形物等を捕捉すると濾材16が目詰まりし濾過能力が低下する。また、目詰まりした濾材16を使用すると、上述のようにリリーフバルブ30が開いて、燃焼生成物や金属粉等の固形物が含まれた流体(エンジンオイル)が濾材16で濾過されずに外部に流出するため、このような固形物がふくまれる流体(エンジンオイル)が供給されるとエンジンの摩耗や腐食を早めてしまう。そのため、フィルタエレメント14を新しい物に取替える必要がある。このフィルタエレメント14をフィルタ1から取り外す手順は、上述の取り付ける手順を逆に行う。
【0031】
フィルタエレメント14を交換する際には、フィルタ1内に溜まった流体を排出孔26から外部に抜き取る作業を行う。このフィルタ1内に溜まった流体を外部に抜き取る手順について説明する。まず、ドレイン部材25に螺挿されているプラグ28を取り外す。すると、外周空間21内に溜まった流体が導出孔27及び排出孔26を通って、排出孔26の下端開口部から外部に排出される。このとき、フィルタエレメント14の内周空間19に溜まった流体は、濾材16に囲まれているため外周空間21に流出するには時間がかかり内周空間19に留まっている。この状態で、ケース3をフィルタヘッド2から外すと、フィルタエレメント14がバネ23に押されて上方に移動するため、下エンドプレート18も上方に移動してドレイン部材25の嵌合部25bと下開口部18aの嵌合が解除され、下開口部18aとドレイン部材25(開放部25c)との間に空間が形成される。すると、この空間を通って内周空間19内の流体が外周空間21に流出し、さらに導出孔27及び排出孔26を通って排出孔26の下端開口部から外部に排出されるため、簡単な構成で、内周空間19に溜まった流体を短時間で外部に排出することができる。
【0032】
以上の手順でフィルタ1内に溜まった流体を排出孔26から外部に排出した状態で、ケース3からフィルタエレメント14を取り出して交換する。フィルタエレメント14の交換において、廃棄する部分はインナーチューブ15、濾材16、上下エンドプレート17,18及び上下ガスケット20,24で構成されるフィルタエレメント14だけであり、特にインナーチューブ15や上下エンドプレート17,18等を樹脂等で形成することにより、廃棄が容易になり環境に与える影響も少なくすることができる。
【0033】
このように、ケース3内の底面に上方に突出する突出部(ドレイン部材25)を形成し、その先端部にリリーフバルブ30を配設することにより、フィルタヘッド2やフィルタエレメント14にリリーフバルブ30を設ける必要がなく、フィルタエレメント14及びフィルタヘッド2が簡単な構造となる。そのため、フィルタエレメント14の交換に際して交換コストを低くし、廃棄物を少なくすることができる。また、フィルタヘッド1の取付場所、つまり、フィルタ1の取付場所の自由度が上がる。また、ケース3内の流体を外部に排出するための導出孔27及び排出孔26と、フィルタエレメント14の下開口部18aを開閉する嵌合部25b及び開放部25cと、リリーフバルブ30を一体にしてドレイン部材25として構成することにより、フィルタ1の構成部材が少なくなり、フィルタ1の製造コストが下がるとともに、組立も容易となる。
【0034】
以上の実施例において、フィルタエレメント14の上開口部17aと嵌合するフィルタ取付部8bの外径と、下開口部18aと嵌合する嵌合部25bの外径を略同一大きさに形成すると、上下開口部17a,18aは同一形状とすることができるため、上下エンドプレート17,18及び上下ガスケット20,24は同一形状のものを利用することができる。このように上下エンドプレート17,18及び上下ガスケット20,24を同一形状のものにすると、部材の共通化が図れるためフィルタエレメント14の製造コストが安くなるとともに、このフィルタエレメント14をフィルタ1に取付けるときに、フィルタエレメント14の上下の別を確認する必要がなく、取付作業が容易となる。
【0035】
なお、上述の実施例では、排出孔26と下開口部18aを形成する突出部を一体にしてドレイン部材25として構成した場合について説明したが、排出孔と突出部を別個に形成するように構成することも可能である。また、フィルタエレメント14の外周空間21に導入した流体を濾材16の外周面から内部を通過させて内周空間19に流出させて濾過するように構成した例で説明をおこなったが、フィルタエレメント14の内周空間19から濾材16を通過させて外周空間21に流出させて濾過するように構成することも可能である。このとき、上述のリリーフバルブ30は、内周空間19に導入された流体の圧力が高くなったときに、弁33を開放して、外周空間21に流体を流出させるように構成する。
【0036】
さらに、濾材16を断面菊花状の濾紙で構成する場合について説明を行ったが、不織布やグラスペーパをインナーチューブ15に巻き付けて円筒状に形成したものやグラス濾材を円筒状に成型したもの、あるいは、これらの素材を組み合わせたものなど、濾過する流体の特性に合わせて適切な濾材の素材及び形状等を選択することにより、良好な濾過性能を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係るフィルタは、ケース内の底面に上方に突出する突出部を有するように形成し、フィルタエレメントの下面に形成された下開口部と嵌合するように構成するとともに、この突出部にフィルタエレメントの外側空間と内部空間を連通する連通孔とこの連通孔を開閉する弁とから構成されるリリーフバルブを設けることにより、フィルタエレメント及びフィルタヘッドの構造が簡単となる。そのため、フィルタエレメントの交換におけるフィルタエレメントの交換コストが下がり、また、廃棄物を減らすことができる。さらに、フィルタを構成するケースにリリーフバルブを設けることにより、フィルタヘッドの設計が容易となり、フィルタの取付け箇所の自由度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフィルタを示す断面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】リリーフバルブを構成する弁が開いて外周空間の流体が内周空間に流れる状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 フィルタ
2 フィルタヘッド
3 ケース
10 流入孔
12 流出孔
14 フィルタエレメント
16 濾材
17a 上開口部
18a 下開口部
25 ドレイン部材(突出部)
26 排出孔(連通孔)
27 導出孔(連通孔)
30 リリーフバルブ
33 弁
Claims (1)
- 流入孔及び流出孔を有してなるフィルタヘッドと、上端部が開口し下端部が閉塞したケースと、前記ケース内に着脱自在に配設されるフィルタエレメントとを有してなり、前記ケースの上端部が前記フィルタヘッドの下端部に着脱自在に取付けられるフィルタであって、
前記フィルタエレメントが濾材で囲まれた内部空間と、上部に形成され前記内部空間に連通する上開口部と、底部に形成され前記内部空間に連通する下開口部とを有して形成され、
前記ケース内の底面に上方に突出して前記下開口部と嵌合可能な突出部が設けられており、
前記フィルタエレメントを内部に配設した前記ケースが前記フィルタヘッドに取付けられた状態において、
前記突出部が前記下開口部に挿入されて嵌合して前記下開口部を塞ぎ、前記流入孔及び前記流出孔のいずれか一方が前記上開口部に連通して前記フィルタエレメントの内部空間に連通し、他方が前記ケース内における前記フィルタエレメントの外側空間に連通し、前記流入孔から前記ケース内に導入された流体を前記フィルタエレメントの前記濾材を通過させて前記流出孔から外部に流出させるように構成されたフィルタにおいて、
前記突出部に、前記内部空間と前記外側空間とを連通する連通孔と前記連通孔を開閉する弁とから構成され、前記流入孔から流入した前記流体の圧力が高くなったときに、前記弁を開放して前記流体を前記連通孔から前記フィルタエレメントをバイパスして流し、前記流出孔から外部に流出させるリリーフバルブを有することを特徴とするフィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003002691A JP4180387B2 (ja) | 2003-01-09 | 2003-01-09 | フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003002691A JP4180387B2 (ja) | 2003-01-09 | 2003-01-09 | フィルタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004209448A true JP2004209448A (ja) | 2004-07-29 |
JP4180387B2 JP4180387B2 (ja) | 2008-11-12 |
Family
ID=32820351
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003002691A Expired - Fee Related JP4180387B2 (ja) | 2003-01-09 | 2003-01-09 | フィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4180387B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009125737A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-11 | Wako Filter Technology Kk | プレ燃料フィルタ |
CN107575560A (zh) * | 2017-10-26 | 2018-01-12 | 瑞安市蓝星宇汽车科技有限公司 | 一种可更换滤芯的自动变速箱滤油器总成 |
-
2003
- 2003-01-09 JP JP2003002691A patent/JP4180387B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009125737A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-11 | Wako Filter Technology Kk | プレ燃料フィルタ |
CN107575560A (zh) * | 2017-10-26 | 2018-01-12 | 瑞安市蓝星宇汽车科技有限公司 | 一种可更换滤芯的自动变速箱滤油器总成 |
CN107575560B (zh) * | 2017-10-26 | 2023-09-12 | 瑞安市蓝星宇汽车科技有限公司 | 一种可更换滤芯的自动变速箱滤油器总成 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4180387B2 (ja) | 2008-11-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
USRE48122E1 (en) | Filter element endplate defining inflow and outflow flow paths | |
US8540080B2 (en) | Fluid filter system | |
US8419938B2 (en) | Fluid filter system | |
US5006235A (en) | Barrier flange filter assembly including cover | |
JP3804949B2 (ja) | 流体フィルタ及びそのドレン機構、流体フィルタに使用されるドレン用冶具並びに流体フィルタのドレン方法 | |
JP2010540210A (ja) | フィルタカートリッジハウジング取付けシステム | |
US20020100720A1 (en) | Filter arrangement for liquids | |
JP2013063437A (ja) | フィルタ要素と協働するドレンを有するキャニスタフィルタシステム | |
JP5340867B2 (ja) | スピンオンフィルタおよびそのフィルタ用エレメント組立体 | |
JP2006226289A (ja) | 流体フィルタ | |
JP2014509256A (ja) | フィルタ部品 | |
US20160332095A1 (en) | Filtration System with Anti Drain Valve and Drain X-Seal | |
AU2008242369B2 (en) | Improved sealing for liquid filter | |
JP2004255310A (ja) | フィルタ | |
JP4784551B2 (ja) | 流体フィルタ | |
JP3684770B2 (ja) | オイルフィルタハウジング | |
CA2758905A1 (en) | Combination of a filter element and a core element, and a filter element | |
CN114173901B (zh) | 具有阀启动特征的滤筒 | |
JP4180387B2 (ja) | フィルタ | |
JP4189241B2 (ja) | 燃料フィルタ | |
US10201771B2 (en) | Gasket having an integral drain | |
JP2004195311A (ja) | フィルタ | |
JP2004195437A (ja) | 流体フィルタ及びそのドレン機構、並びに流体フィルタのドレン方法 | |
JP6998261B2 (ja) | フィルタ装置 | |
JP2005254103A (ja) | スピンオンフィルタ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051201 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080125 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080201 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080331 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080815 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080827 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140905 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |