JP6998261B2 - フィルタ装置 - Google Patents

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本発明は、燃料等の液体の濾過に用いられるフィルタ装置に関する。
従来の技術として、軽油、灯油、ガソリン等の液体を燃料として作動する動力機械の一部のエンジンには、この燃料を霧状にしてシリンダ内もしくは吸気ポート中に供給する燃料噴射システムが備えられている。この燃料噴射システムは、燃料タンク、燃料ポンプ及び噴射ノズルなどを備えて構成されており、燃料タンクと噴射ノズルとの間の燃料の流路中には、燃料タンク内の燃料中に含まれるごみや埃等の異物を捕捉除去するための燃料フィルタが設けられている(例えば、特許文献1を参照)。
上記特許文献に開示された燃料フィルタは、内部にエレメント配設空間を有したフィルタケースと、該エレメント配設空間を燃料の流入路に繋がる流入空間と燃料の流出路に繋がる流出路とに二分させて該エレメント配設空間内に着脱自在に取り付けられるフィルタエレメントとから構成されている。この燃料フィルタは、外部から流入路を通って流入空間内に導入された燃料を、フィルタエレメントが有する濾材で濾過して、燃料中に含まれる異物(燃焼生成物や金属粉)等を除去する。そして、燃料フィルタは、濾材により異物が除去された燃料を清浄な状態で流出空間に導入して、この流出空間から流出路を通って外部(燃料の流路)に流出させるようになっている。
特開2009-125737号公報
上記燃料フィルタに供給される燃料には、目に見えない位の微細な泡状の空気(気泡)が含まれており、この燃料がフィルタエレメント(濾材)を通過するときに燃料中の気泡が濾材の表面に付着し易い。濾材の表面に付着した微細な気泡は、次第に集合して大きな気泡となり、濾材の表面から離れて浮かび上がり、流入空間(濾材の外周側の空間)の上部に空気溜まりを形成する。このように燃料フィルタ内に空気溜まりが形成された状態で、エンジンの急加速などにより燃料の流速が急に勢いを増すと、フィルタエレメント(濾材)を通過するときの圧力損失が大きくなり、流出空間側が流入空間側に対して相対的に大きな負圧となるため、流入空間の上部に形成された空気溜まりは、一気にフィルタエレメント(濾材)を通過して流出空間側へと吸い込まれ、該燃料フィルタの下流の流路中に運ばれる。すると、この燃料の流路内が気泡で満たされることで、一時的に燃料の代わりに空気が供給されることになって燃料供給が不十分となり、エンジンの異常燃焼等の不具合が発生するおそれがあった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、空気溜まりの発生を抑制して、これに起因するエンジンの異常燃焼等の不具合を防止できるフィルタ装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係るフィルタ装置は、内部にエレメント配設空間を有し、前記エレメント配設空間と外部とを連通させる流入路および流出路が形成されたフィルタケースと、前記エレメント配設空間を前記流入路に繋がる流入空間と前記流出路に繋がる流出空間とに二分させて前記エレメント配設空間に取り付けられるフィルタエレメントとを備え、外部から前記流入路を通って前記流入空間に導入された液体を、前記フィルタエレメントを通過させて、前記流出空間から前記流出路を通って外部に流出させるように構成したフィルタ装置であって、前記フィルタケースは、一端側が前記流入路に開口して他端側が前記流出路に開口する連通孔と、前記連通孔内に設けられて通気性を有する多孔質の焼結金属体とを備え、前記流入空間内に溜まった空気を前記流入路から前記焼結金属体を介して前記流出路へ排出可能に構成されている
そのうえで、本発明に係るフィルタ装置は、前記フィルタケースは、上部が開口した有底円筒状に形成されて前記エレメント配設空間を有するエレメントケースと、前記流入路及び前記流出路が形成されて前記エレメントケースの上部に取り付けられるフィルタヘッドとを備え、前記フィルタヘッドは、内周側に上下方向に延びる前記流出路が形成される中空円筒状の第1円筒部と、前記第1円筒部の外周側に設けられて前記第1円筒部の外周側との間で上下方向に延びる前記流入路が形成される中空円筒状の第2円筒部とを備え、前記第1円筒部の上部に前記流入路と前記流出路とを繋ぐ前記連通孔が前記上下方向と直交する方向に貫通形成されるとともに、前記流入路の下部は他の部材を介在することなく前記流入空間の一部を隔てて前記フィルタエレメントの上部と上下方向に対向配置されていることを特徴とする。
また、本発明に係るフィルタ装置において、前記フィルタヘッドにおける前記第2円筒部の外周側には、雄ネジが形成され、前記エレメントケースにおける前記エレメント配設空間の内周側には、雌ネジが形成され、前記雄ネジが前記雌ネジに螺合することで、前記フィルタヘッドに前記エレメントケースが着脱自在に取り付けられることが好ましい。
本発明に係るフィルタ装置によれば、流入路と流出路とを繋ぐ連通孔に多孔質の焼結金属体を設けて、流入空間内に滞留する空気を焼結金属体の空孔を通じて流出路へ微量ずつ排出することで、流入空間内における空気溜まりの発生を防止することができる。その結果、濾過すべき液体をほぼ均一な流れでフィルタエレメントの濾材の表面全体に導入させることができる(濾材全体をほぼ均一に使用することができる)とともに、該空気溜まりによって引き起こされるエンジンの異常燃焼等の不具合を効果的に抑制することが可能となる。
また、本発明に係るフィルタ装置によれば、フィルタヘッドの第2円筒部の外周面に形成された雄ネジと、エレメントケースの内周面に形成された雌ネジとを螺合させることでフィルタヘッドとエレメントケースとを結合させる構造(つまり、エレメントケースの上端開口の最外周部のみを覆う構造)となるため、フィルタヘッドの流入路とエレメントケースの流入空間との間を遮るものが何も無く、空気の排出を阻害する油膜が発生し難くなるため、流入空間内において滞留する空気を流入路(焼結金属体)へ速やかに且つ確実に移動させることができるようになり、空気溜まりの発生を一層確実に防止することが可能となる。
本実施形態に係る燃料フィルタを示す正面図である。 図1における矢印II-IIに沿って示す断面図である。 上記燃料フィルタの平面図である。 図2における矢印IV‐IVに沿って示す断面図である。 図3における矢印V‐Vに沿って示す断面図である。 図3における矢印VI-VIに沿って示す断面図である。 上記燃料フィルタのフィルタヘッドの断面図である。 上記燃料フィルタの作用を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明に係るフィルタ装置を適用した燃料フィルタ1を図1~図7に示しており、まず、これらの図を参照して燃料フィルタ1の全体構成について説明する。
燃料フィルタ1は、燃料タンクと燃料ポンプとの間の燃料通路(負圧ライン)の途中に配設されるフィルタヘッド10と、フィルタヘッド10に着脱自在に取り付けられるエレメント組立体(カートリッジアッシー)30とを主体に構成される。
フィルタヘッド10は、例えばアルミや鋳鉄等の金属材料や樹脂材料を用いて円筒状に形成されたボディ11を基体として構成されている。ボディ11には、外部(燃料通路の上流側)に連通して燃料フィルタ1内に燃料を流入させるための入口ポート12と、外部(燃料通路の下流側)に連通して燃料フィルタ1外に燃料を流出させるための出口ポート13とを有する。このボディ11には、垂直下方に突出して二重円筒状に形成された外側円筒部14および内側円筒部15が設けられている。外側円筒部14の内周面と内側円筒部15の外周面との間には上下に延びる流入路(外側通路)16が形成され、この流入路16は上部において入口ポート12に連通している。内側円筒部15の内周面に囲まれて上下に延びる流出路(内側通路)17が形成され、この流出路17は上部において出口ポート13に連通している。流入路16および流出路17は下部において開放されており、エレメント組立体30の内部に形成されたエレメント配設空間42と上下に連通する。外側円筒部14の外周面には、エレメント組立体30を螺着するための雄ネジ18が形成されている。内側円筒部15は、小径部15aおよび大径部15bを有した段付円筒状に形成されている。内側円筒部15の小径部15aは、外側円筒部14の下端よりも下方に突出しており、エレメント組立体30に装着されたシールリング54に嵌挿可能に形成されている。ボディ11における外側円筒部14よりも外周側には、外方に向けて鍔状に突出してエレメント組立体30に装着されたシールリング44と密着するシール面19が形成されている。
内側円筒部15の大径部15bの上部(出口ポート13の近傍)には、外側の流入路16と内側の流出路17との間を繋ぐ段付き円筒状の連通孔20が径方向に貫通形成されている。連通孔20は、図7に示すように、外側の流入路16に連通する第1連通孔部20aと、内側の流出路17に連通する第2連通孔部20bとから形成されている。第1連通孔部20aには、該第1連通孔部20aと略同一形状(円筒状)に形成されたエア抜き用の焼結金属体21が圧入固定されている。焼結金属体21は、金属粉末の接点同士が互いに繋がった状態で形成されている。この焼結金属体21は、その表面および内部において粉末金属間に多数の微細な空孔が形成された多孔質体であり、所定の孔径(例えば40μm程度)の空孔同士が等方的に連通することで通気性を発揮する。それにより、詳細は後述するが、燃料フィルタ1内において燃料との比重差により上方(流入路の上部)に浮上して溜まった滞留空気を、焼結金属体21の空孔を通じて、流入路16から流出路17へと微量ずつ排出することが可能となる。そのため、焼結金属体21は、最も空気(気泡)が溜まり易くなる流入路16の最上部近傍に配置されている。また、焼結金属体21は、出口ポート13の近傍に配置されて、この出口ポート13の負圧の作用を受けて滞留空気を効率良く排出できるようになっている。なお、焼結金属体21の空隙率(全体積に占める空孔の割合)は、空気の排出量等に応じて適宜に設定することができる。また、焼結金属体21を形成する金属粉末の材料は、特に限定されないが、例えば青銅、ステンレス、鉄、各種の合金およびこれらの複合素材を適用可能である。
エレメント組立体30は、フィルタヘッド10に着脱自在に取り付けられるエレメントケース40と、エレメントケース40内に挿入保持されたフィルタエレメント50とを備えて構成される。
エレメントケース40は、フィルタエレメント50を収容するケース本体41と、ケース本体41の上端に取り付けられた固定プレート43と、固定プレート43の下端に結合されたタッピングプレート45とを備えて構成されている。ケース本体41は、上方に開放された有底円筒状に形成されており、内部にフィルタエレメント50を収容可能なエレメント配設空間42を有している。このケース本体41の上端部には、その上端開口の一部を覆うようにして固定プレート43が接合されている。固定プレート43は、断面略U字状に屈曲して延びる薄肉の円盤状に形成されている。この固定プレート43の周縁部は、ケース本体41の上端部と共に外方へ向けて一体的に折り曲げられて接合されている。固定プレート43には、合成ゴム等の弾性部材によって形成されたシールリング44が装着されている。シールリング44は、固定プレート43の上端よりも上方に突出した状態で保持されている。固定プレート43の下端には、タッピングプレート45がスポット溶接により接合固定されている。タッピングプレート45は、ケース本体41と同軸の円環状に形成されており、その内周面にはフィルタヘッド10の雄ネジ18と螺合する雌ネジ46が形成されている。そのため、この雌ネジ18を雄ネジ46と螺合させることで、エレメント組立体30をフィルタヘッド10に組み付けることができる。
フィルタエレメント50は、多数の小孔51aを有したパンチシート等からなる薄肉円筒状の内筒51の周囲に、蛇腹状に折り曲げられた断面菊花状の濾材52が巻き付けられて形成され、その上端部には円盤状の上エンドプレート53が固着され、下端部には同じく円盤状の下エンドプレート55が固着されており、それにより内筒51および濾材52の円筒軸方向の両端が上下のエンドプレート53,55により挟持されて構成されている。
濾材52は、燃料中の異物を捕集可能な濾材シートを一定の折曲幅で蛇腹状にプリーツ成形(ひだ折り)したものを、略円筒形となるように巻回して構成される。なお、この濾材52については、例えば、所定の厚みを有したグラスファイバや不織布等によって円筒状に形成されたもの、これらの素材を組み合わせて形成されたもの、若しくは円筒状に形成された焼結品などでもよく、濾過する液体や除去する固形物等に合わせて最適な素材及び形状を選択することができる。
上エンドプレート53の中央部(中央開口)には、合成ゴム等の弾性部材によって形成されたシールリング54が装着されている。このシールリング54の内径部にフィルタヘッド10の小径部15aが挿入されると、シールリング54の弾性力によりフィルタヘッド10の小径部15aが嵌合保持される(フィルタエレメント50と小径部15aとの間が液密状態に保持される)。
下エンドプレート55の下部には、エレメント配設空間42内に収容されたフィルタエレメント50を上方に向けて付勢するためのコイルバネ(圧縮コイルバネ)47が当接されている。このコイルバネ56は、ケース本体41のエレメント配設空間42の底部に立設されたバネ受け部48に支持されている。
次に、本実施形態に係る燃料フィルタ1において、フィルタエレメント50をエレメントケース40内に組み付ける手順(エレメント組立体30を組み立てる手順)について説明する。
まず、フィルタエレメント50をケース本体40のエレメント配設空間42内に挿入して、フィルタエレメント50をコイルバネ47上に載置する。続いて、予めスポット溶接等の接合手段により一体化した状態の二枚のプレート(固定プレート43およびタッピングプレート45)をケース本体41の上端開口に宛がい、固定プレート43の周縁部をケース本体41の上端部と一体的に外方へ折り曲げて接合することで、フィルタエレメント50がケース本体41内に抜け止め状態で組み付けられ、エレメント組立体30が完成する。このとき、固定プレート43の下端部がフィルタエレメント50の上端部(上エンドプレート53)に当接して下方に向けて押圧することで、コイルバネ47が軸方向に圧縮変形される。それにより、フィルタエレメント50がコイルバネ47の弾性力を受けて上方に向けて付勢され、フィルタエレメント50の上端部(上エンドプレート53)がタッピングプレート45の下端部に当接した状態でしっかりと保持される。
その結果、エレメントケース40内のエレメント配設空間42は、フィルタエレメント50の外周側の空間(「流入空間42A」と呼称する)と、フィルタエレメント50の内周側の空間(「流出空間42B」と呼称する)とに分割される。流入空間42Aは濾過前の燃料が流通するダーティサイドとなり、流出空間42Bは濾過後の燃料が流通するクリーンサイドとなる。
次に、エレメント組立体30をフィルタヘッド10に取り付ける手順について説明する。まず、フィルタヘッド10に対してエレメント組立体30をほぼ同軸状に位置合わせして、フィルタヘッド10の下部にエレメント組立体30の上部を近接させる。そして、エレメント組立体30の上部をフィルタヘッド10の下部に押し当てながら中心軸回りに回動させて、フィルタヘッド10の雄ネジ18をエレメント組立体30の雌ネジ46に螺合させることで、フィルタヘッド10にエレメント組立体30が取り付けられる。フィルタヘッド10にエレメント組立体30が取り付けられる際に、フィルタエレメント50がコイルバネ47の付勢力に抗してフィルタヘッド10によって下方に押圧されることで(フィルタエレメント50がエレメントケース40に対して相対的に下方に移動することで)、タッピングプレート45の下端と上エンドプレート53の上端との当接が離れてその間に隙間が生じるため、フィルタヘッド10の流入路16とエレメント組立体30の流入空間42Aとが上下に連通するとともに、内側円筒部15の小径部15aがシールリング54に嵌合することで、フィルタヘッド10の流出路17とエレメント組立体30の流出空間42Bとが上下に連通する。このとき、フィルタヘッド10の内側円筒部15がフィルタエレメント50のシールリング54と弾性的に嵌合して、両者の間が液密にシールされるため、流入空間42A内の燃料は濾材52を通過しない限りは流出空間42Bに到達できないようになっている。また、フィルタヘッド10のシール面19がエレメント組立体30のシールリング44に弾性的に密着することで、両者の間が液密にシールされて、フィルタヘッド10とエレメントケース40との結合部分から内部燃料が外部に漏出することがないようになっている。
次に、燃料フィルタ1により濾過される燃料の流れについて、図8を追加参照しながら説明する。図8では、燃料の流れを実線の矢印で表し、燃料中の空気(滞留空気)の流れを破線の矢印で表す。
不図示の燃料ポンプの吸引作動により燃料フィルタ1に負圧が作用すると、図8中の実線の矢印で示すように、外部(燃料タンク側)からの燃料が、入口ポート12を通って流入路16を経由して流入空間42A内に導入され、フィルタエレメント50の濾材52を外側から内側へ通過することになり、このときに燃料に含まれるゴミ等の異物が濾材52により捕捉除去されて清浄化される。濾材52により濾過された燃料は、内筒51に形成された多数の小孔51aを通って流出空間42Bに流れ込む。なお、濾材52は、その内周部が内筒52の外周部と当接しているため、外周方向から燃料が流入しても変形することがない。流出空間42Bに流入した燃料は、流出路17を経由して出口ポート13から外部(燃料ポンプ側)へ流出される。
ここで、燃料が濾材52を通過するときに、燃料中に含まれる小さな泡状の空気(気泡)が濾材52の表面に付着しやすく、これが凝集されて次第に大きな気泡へと成長することで濾材52の表面から分離すると、その気泡は燃料との比重差(浮力)により上方に移動して、流入サイド(流入路16および流出空間42A)の上部において空気溜まりを形成することがある。そして、この空気溜まりが膨張して流入サイド内における空気溜まりの占有容積が増大していくと、流入空間42A内の燃料の流れを阻害して、この空気溜まりが形成された部分において燃料が濾材52を通過できなくなる(燃料が濾材52の一部の領域(下部領域)のみでしか通過できなくなる)おそれがある。しかしながら、本実施形態の燃料フィルタ1では、流入サイドの上部にて滞留する空気(滞留空気)は、流出サイド(流出路17および流出空間42B)側の負圧の作用を受けて、図8中の破線の矢印で示すように、流入路16と流出路17との間を仕切る内側円筒部15に設けられた焼結金属体51の空孔を通じて、流入路16から流出路17へ微量ずつ排出されるので、流入サイド側に空気溜まりが発生するのを防止することができる。それにより、流入空間42A内における燃料の流通が空気溜まり(気泡)によって阻害されることもなく、燃料が濾材52の表面全体に導入されることになるため、濾材52の濾過面積を有効に活用することができる。なお、焼結金属体21の空孔を通って流出路17に排出された空気は、該流出路17を流れる燃料(清浄化された燃料)内に細かな気泡として混入し、そのまま燃料ポンプに供給される。そのため、燃料中の空気が大きな気泡の状態で燃料ポンプに供給されることがなくなり、燃料ポンプへの燃料供給が一時的に停止することもなくなるため、エンジンにノッキング等の異常燃焼が発生するのを防止することができる。
以上、本実施形態に係る燃料フィルタ1によれば、流入路16と流出路17とを繋ぐ連通孔20に多孔質の焼結金属体21を設けて、流入空間42A内に滞留する空気を焼結金属体21の空孔を通じて流出路17へ微量ずつ排出することで、流入空間42A内における空気溜まりの発生を防止することができる。その結果、濾過すべき燃料をほぼ均一な流れで濾材52の表面全体に導入させることができる(濾材52全体をほぼ均一に使用することができる)とともに、たとえ一時的であっても燃料の代わりに空気が供給される(供給燃料に大きな気泡が混入する)といった事態が発生するのを防止して、それに起因するエンジンの異常燃焼等の不具合を効果的に抑制することが可能となる。
なお、従来技術(特許文献1)の構造では、フィルタヘッドの内側円筒部の外周面に形成された雄ネジと、エレメント組立体のタッピングプレートの内周面に形成された雌ネジとを螺合させることで、フィルタヘッドとエレメント組立体とを結合させる構造(つまり、タッピングプレートがケース本体の上端開口の中央部以外をほぼ覆う構造)であったため、フィルタヘッドの流入路とエレメント組立体の流入空間との間に、上下に貫通する通油口が形成されたタッピングプレートが介在し、燃料はこの通油口を通って流入空間から流入空間へ流れるものの、通油口を通過できなかった燃料はタッピングプレートの上部に滞留して該通油口に油膜(燃料の層)を形成してしまうことがある。通油口に油膜が形成されると、流入空間から流入路への空気の移動(上昇)が阻害されることになる。そのため、この従来構造(特許文献1)において、焼結金属体を設けたとしても、流入空間内の空気が通油口を通って流入路まで移動できず、空気を流入路から流出路へ排出することができない結果となる。これに対して、本実施形態に係る燃料フィルタ1では、フィルタヘッド10の外側円筒部14の外周面に形成された雄ネジ18と、エレメント組立体30のタッピングプレート45の内周面に形成された雌ネジ46とを螺合させることで、フィルタヘッド10とエレメント組立体30とを結合させる構造(つまり、タッピングプレート45がケース本体41の上端開口の最外周部のみを覆う構造)となるため、フィルタヘッド10の流入路16とエレメント組立体30の流入空間42Aとの間を遮るものが何も無く、空気の排出を阻害する油膜が発生し難くなるため、流入空間42A内において滞留する空気を流入路16(焼結金属体21)へ速やかに且つ確実に移動させることができるようになり、空気溜まりの発生を一層確実に防止することが可能となる。
また、従来から、燃料の液面の高さに応じて上下動するエア抜き用のフロート部材(例えば、特開2006-46142号公報)が公知であるが、このフロート部材は車両の振動等によって上下に挙動する(暴れる)ことで、流入サイドから流出サイドへのダストの流出(ダスト抜け)を引き起こすおそれがあった。これに対して、本実施形態の焼結金属体21は連通孔20内に固定された状態で使用に供されるため、車両の振動等によって挙動するおそれもなく、また、焼結金属体21自体が異物(不純物)を捕捉除去する濾過性能を有しているため、ダスト抜けが発生することもない。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。
上記実施形態では、フィルタヘッド10の内側円筒部15にエア抜き用の焼結金属体21(連通孔20)を1個のみ設けた構成を例示して説明したが、この構成に限定されるものではなく、焼結金属体21(連通孔20)を円周方向又は上下方向に複数個設けて構成してもよい。
上述の実施形態では、本発明に係るフィルタ装置を燃料フィルタに適用した場合を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、燃料以外の他の液体(例えば潤滑油、作動油、水など)の濾過を行うフィルタ装置、例えば、オイルフィルタ、サクションフィルタ、リターンフィルタ等に適用しても、同様の効果を奏することができる。
1 燃料フィルタ(フィルタ装置)
10 フィルタヘッド
11 ボディ
12 入口ポート
13 出口ポート
14 外側円筒部(第2円筒部)
15 内側円筒部(第1円筒部)
16 流入路
17 流出路
18 雄ネジ
20 連通孔
21 焼結金属体
30 エレメント組立体
40 エレメントケース
41 ケース本体
42 エレメント配設空間
42A 流入空間
42B 流出空間
43 固定プレート
45 タッピングプレート
46 雌ネジ
50 フィルタエレメント
51 内筒
52 濾材
53 上エンドプレート
55 下エンドプレート

Claims (2)

  1. 内部にエレメント配設空間を有し、前記エレメント配設空間と外部とを連通させる流入路および流出路が形成されたフィルタケースと、
    前記エレメント配設空間を前記流入路に繋がる流入空間と前記流出路に繋がる流出空間とに二分させて前記エレメント配設空間に取り付けられるフィルタエレメントとを備え、
    外部から前記流入路を通って前記流入空間に導入された液体を、前記フィルタエレメントを通過させて、前記流出空間から前記流出路を通って外部に流出させるように構成したフィルタ装置であって、
    前記フィルタケースは、一端側が前記流入路に開口して他端側が前記流出路に開口する連通孔と、前記連通孔内に設けられて通気性を有する多孔質の焼結金属体とを備え、
    前記流入空間内に溜まった空気を前記流入路から前記焼結金属体を介して前記流出路へ排出可能に構成されており、
    前記フィルタケースは、上部が開口した有底円筒状に形成されて前記エレメント配設空間を有するエレメントケースと、前記流入路及び前記流出路が形成されて前記エレメントケースの上部に取り付けられるフィルタヘッドとを備え、
    前記フィルタヘッドは、内周側に上下方向に延びる前記流出路が形成される中空円筒状の第1円筒部と、前記第1円筒部の外周側に設けられて前記第1円筒部の外周側との間で上下方向に延びる前記流入路が形成される中空円筒状の第2円筒部とを備え、
    前記第1円筒部の上部に前記流入路と前記流出路とを繋ぐ前記連通孔が前記上下方向と直交する方向に貫通形成されるとともに、前記流入路の下部は他の部材を介在することなく前記流入空間の一部を隔てて前記フィルタエレメントの上部と上下方向に対向配置されていることを特徴とするフィルタ装置。
  2. 前記フィルタヘッドにおける前記第2円筒部の外周側には、雄ネジが形成され、
    前記エレメントケースにおける前記エレメント配設空間の内周側には、雌ネジが形成され、
    前記雄ネジが前記雌ネジに螺合することで、前記フィルタヘッドに前記エレメントケースが着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
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