JP2004209353A - 不凍液濃縮装置 - Google Patents

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JP2004209353A JP2002380426A JP2002380426A JP2004209353A JP 2004209353 A JP2004209353 A JP 2004209353A JP 2002380426 A JP2002380426 A JP 2002380426A JP 2002380426 A JP2002380426 A JP 2002380426A JP 2004209353 A JP2004209353 A JP 2004209353A
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Keiji Yoshimoto
圭司 吉本
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Shikoku Electric Power Co Inc
SHI Mechanical and Equipment Inc
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Shikoku Electric Power Co Inc
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Abstract

【課題】エネルギーコストの低減化を確保した上でブライン等の溶液の希釈率の変動に容易且つ迅速・確実に対応させ得るようにする。
【解決手段】水によって希釈された希釈ブラインB1を加熱するリボイラー32と、該リボイラー32によって濃縮された濃縮ブラインB2′を受け入れて加熱処理するとともに、濃縮ブラインB2′の一部が再生ブラインB2として抜き出される蒸留釜31と、前記リボイラー32内および蒸留釜31内で蒸発した蒸気でブラインBに蒸留処理を施して濃縮ブラインB2′と高純度水蒸気B4とに分離する蒸留塔33と、該蒸留塔33から導出された高純度水蒸気B4に圧縮処理を施して加圧蒸気B5を得るとともに、当該加圧蒸気B5を熱源として前記リボイラー32へ供給する圧縮機41とが備えられ、前記蒸留釜31に濃縮ブラインB2′を加熱する電気ヒーター34が設けられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばヒーティングタワー等の屋外熱交換器で外気と熱交換されるブライン等の溶液を脱水して濃縮処理し、当該溶液を再生するのに適した不凍液濃縮装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば空調用の熱媒体としてエチレングリコールやプロピレングリコールを主成分とした溶液(ブライン)である不凍液が好適に使用されることが知られている。かかるブラインは、ヒーティングタワーにおいて雨滴状態で大気と熱交換され、ヒートポンプとの熱交換に使用される。
【0003】
かかるブラインは、ヒーティングタワーにおいて大気と熱交換されるに際し、大気中の水分を吸収することによって希釈され、これによって氷点が上昇するなど性能が劣化するという不都合が発生する。性能が劣化したブラインは、熱媒体として良好に使用し得なくなるため、劣化したブラインに原液を補充することが行われていたが、定期的な補充で原液コストが嵩むばかりか、かかる原液の補充を見越してブライン貯留タンクの容量を大きくしなければならず、設備コストが嵩むという問題点を有していた。
【0004】
かかる問題点を解消するために、従来、例えば特開昭63−12301号公報に記載されているようなブラインを対象とした不凍液濃縮装置が採用される場合がある。この不凍液濃縮装置は、系内に取り入れた希釈ブライン(水を吸収して性能が劣化したブライン)を、圧縮機で圧縮されて高温になった熱媒体との熱交換で加熱し、この加熱で希釈ブライン中の水分を蒸発させて濃縮することにより再生するようになっている。前記熱媒体は、圧縮機を介して循環管路を循環するようになされており、前記熱交換は、所定の再生器内で循環管路を介して行われるようになっている。
【0005】
また、系内の各所には熱交換器が設けられ、系内に取り入れられた直後の希釈ブラインが再生器から導出される再生ブラインと事前に熱交換されたり、当該熱交換後の希釈ブラインが再生器内で希釈ブラインの加熱に供された後の熱媒体とさらに事前に熱交換されたりし、これによって不凍液濃縮装置の熱効率の向上が図られている。さらに、事前の熱交換に供された熱媒体は、膨張弁による断熱膨張で降温された後に再生器内で水蒸気の凝縮用に供され、その後圧縮機に戻されて循環使用されるようになっている。
【0006】
このように構成された不凍液濃縮装置によれば、希釈ブラインを蒸留して濃縮するための熱源として圧縮機による熱媒体の圧縮熱を使用するとともに、得られた熱を熱交換器による熱交換で有効に利用するようになされているため、希釈ブラインを効率的に再生ブラインにすることが可能であり、エネルギーコストの低減化に貢献することができる。
【0007】
【特許文献1】
特開昭63−12301号公報
【特許文献2】
特開昭63−7801号公報
【特許文献3】
特開昭63−242301号公報
【特許文献4】
特開平6−79102号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来の不凍液濃縮装置にあっては、再生器において希釈ブラインの再生に使用される熱は、圧縮機の駆動により得られるものであるが、圧縮機は予め設定された所定の出力で行ういわゆる定格運転で駆動されるのが一般的であるため、希釈ブラインの水分含有率の変動に圧縮機の駆動を追随させることは難しく、これによって希釈ブラインB1から水分を常に確実に安定した状態で取り除くことができないという問題点を有していた。また、不凍液濃縮装置の始動時に、圧縮機の駆動のみで希釈ブライン加熱用の熱を迅速に得ることができず、不凍液濃縮装置の初期の立ち上げが困難であるという問題点も存在する。
【0009】
因みに、上記のような圧縮機の駆動で希釈ブライン再生用の熱源を得るものの他に、再生器中の希釈ブラインに対する直焚きのみで濃縮処理を行うものや、系外から導入された冷熱源や温熱源と、系内の各種の流体とを熱交換させるようにした不凍液濃縮装置も存在するが、これらは、投入エネルギーに対して回収エネルギー(希釈ブラインの再生に有効に使用されるエネルギー)が非常に少なく、熱効率の点で上記圧縮機熱源方式よりもさらに劣るものである。
【0010】
本発明は、上記のような従来の溶剤再生装置の問題点を解消するためになされたものであり、エネルギーコストの低減化を確保した上で、ブライン等の溶液の水による希釈率の変動に対応して希釈溶液から確実に水分を除去して当該溶液を常に安定的に再生することができ、加えて装置立ち上げ時などの非定常な運転にも容易に対応することができる不凍液濃縮装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、水で希釈された希釈溶液の濃縮処理で当該溶液を再生するように構成された不凍液濃縮装置であって、前記希釈溶液を加熱し蒸発させるリボイラーと、該リボイラーによって濃縮された濃縮溶液を気液分離状態で受け入れるとともに、濃縮溶液の一部が再生溶液として抜き出される蒸留釜と、前記リボイラー内および蒸留釜内で蒸発した蒸気を用いて導入された希釈溶液に蒸留処理を施し水蒸気を分離する蒸留塔と、該蒸留塔から導出された水蒸気に圧縮処理を施し加圧昇温された加圧蒸気を前記リボイラーへ熱源として供給する圧縮機とが備えられ、前記蒸留釜に濃縮溶液を加熱する加熱手段が設けられてなることを特徴とするものである。
【0012】
この発明によれば、圧縮機によって減圧された不凍液濃縮装置の系内において、リボイラーに供給された希釈溶液は、当該リボイラーでの加熱処理により含有水分が蒸発して分離される一方、水分が除去されることによって形成した濃縮溶液は、一旦蒸留釜に貯留された状態で一部が再生溶液として抜き出されるとともに、残部が加熱手段によって加熱され、これによって蒸発した蒸気は蒸留塔に導入され、蒸留に供されたのち高純度水蒸気として分離される。この分離された高純度水蒸気は圧縮機において圧縮され、この圧縮された高純度水蒸気はリボイラーにおける希釈溶液加熱用の熱源として利用される。
【0013】
そして、蒸留釜には、濃縮溶液を加熱する加熱手段が設けられているため、希釈溶液の水分含有率に応じてこの加熱手段による濃縮溶液への熱供給量を制御することにより、希釈溶液量やその水分量に応じた蒸留処理を迅速かつ確実に施すことができ、希釈溶液の水分含有量の変動に対する対応性を格段に向上させることができる。
【0014】
また、不凍液濃縮装置の稼働初期の立ち上げ時には、系内の流体バランスや熱バランスが定常化されるまでの間、主に加熱手段による熱供給で希釈ブラインの再生処理を行うことができるため、迅速な立ち上げ運転が実現する。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記リボイラーおよび蒸留塔は、それぞれ前記蒸留釜に並設状態で立設されてなることを特徴とするものである。
【0016】
この発明によれば、不凍液濃縮装置は、リボイラーおよび蒸留塔がそれぞれ立設状態で蒸留釜に並設されているため、リボイラーに蒸留塔が積み重ねられた状態で連設されてなる従来の不凍液濃縮装置に比較して高さ寸法を低くすることができ、不凍液濃縮装置の占有空間の容量を高さ寸法が低くなった分小さくすることが可能になり、これによって不凍液濃縮装置のコンパクト化を実現することができる。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記希釈溶液を、前記蒸留釜から導出された再生溶液との熱交換で第1次予熱する第1熱交換器と、該第1熱交換器から導出された希釈溶液を、前記リボイラーから導出された凝縮水との熱交換で第2次予熱する第2熱交換器とが設けられ、第2次予熱後の希釈溶液がリボイラーおよび蒸留塔に供給されるように構成されてなることを特徴とするものである。
【0018】
この発明によれば、希釈溶液は、まず最初に蒸留釜から導出される再生溶液との第1熱交換器における熱交換で第1次予熱され、引き続きリボイラーから導出された凝縮水との第2熱交換器における熱交換で第2次予熱される。したがって、発生した熱の用済み後のものがこれらの熱交換によって回収されるため、不凍液濃縮装置の熱効率が向上し省エネルギー化が実現する。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記リボイラーは、希釈溶液を筒体の内周面に沿わせて液膜状で流下させることにより筒体周壁を介した熱源との接触面積を増大させるように構成された縦型流下液膜式熱交換器を備えて構成されてなることを特徴とするものである。
【0020】
この発明によれば、希釈溶液は、縦型流下液膜式熱交換器において大きな接触面積で熱源と効果的に熱交換されるため、エネルギー効率が向上し、エネルギーコストの低減化に貢献する。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記圧縮機は、多段メカニカル式圧縮機が採用されてなることを特徴とするものである。
【0022】
この発明によれば、蒸留塔の塔頂から導出された水蒸気は、多段メカニカル式圧縮機によって多段階で圧縮処理されるため、効率的な圧縮処理が実現し、安定した状態で当該多段メカニカル式圧縮機の上流側を低圧状態にすることができるとともに、同下流側を微加圧状態にすることができるなど、系内の圧力制御が容易になる。
【0023】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記加熱手段は、電気ヒーターであることを特徴とするものである。
【0024】
この発明によれば、電気ヒーターは、構造が簡単であるばかりか、発熱量の制御を電力供給量の調節で容易に行うことができるため、設備コストの低減化に貢献した上で、被加熱物の加熱制御構造を簡単なものにすることができる。
【0025】
特に電力供給量の調節をサイリスタ制御で行うようにすれば、不凍液濃縮装置の立ち上げ時の非定常な状態での運転に良好に対応することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明にかかる不凍液濃縮装置の一実施形態を示す系統図である。本実施形態の不凍液濃縮装置10は、ヒーティングタワー120とヒートポンプ121との間で循環使用されるブラインB(エチレングリコールやプロピレングリコールを主成分とする溶液)を再生するために使用されるものである。
【0027】
すなわち、屋外に設置されたヒーティングタワー120と、空調用に使用されるヒートポンプ121との間には、ブラインBを循環させるブライン集熱経路122が介設され、ヒーティングタワー120において外気との直接的な気液接触で冷却されたブラインBがヒートポンプ121に戻されるようになっている。かかるブラインBは、ヒーティングタワー120において大気と熱交換されるに際し、大気中の水分を吸収することによって希釈され、これによって氷点が上昇するなど品質が劣化するという不都合が発生する。品質が劣化したブラインは、熱媒体として良好に使用し得なくなるため、これを再生すべく不凍液濃縮装置10が使用される。
【0028】
かかる不凍液濃縮装置10は、ブライン集熱経路122を循環流通しているブラインBの一部を分流させ、この水で希釈されたブラインB(以下分流されたブラインBを希釈ブラインB1という)に対して水分を取り除く再生処理を施した後、得られた再生ブラインB2をブライン集熱経路122へ戻すように構成され、これによってブライン集熱経路122を循環流通するブラインBの濃度を一定の高い濃度に維持するようになっている。
【0029】
図1に示すように、不凍液濃縮装置10は、水を吸収することにより希釈されたブラインBの希釈溶液(希釈ブラインB1)を熱交換によって予熱する第1モジュール20と、この第1モジュール20で予熱された希釈ブラインB1に対して加熱処理および蒸留処理を施し当該希釈ブラインB1から余分な水分を取り除いて再生ブラインB2を得る第2モジュール30と、この第2モジュール30における水分除去操作のための環境を作り出す第3モジュール40とを備えた基本構成を有している。図1において、各モジュール20,30,40は、それぞれ二点鎖線で囲っている。
【0030】
第1モジュール20では、ブライン集熱経路122から分流された希釈ブラインB1は、予熱によって略15℃から最大で略68℃にまで昇温される一方、希釈ブラインB1との熱交換に使用される再生ブラインB2は略25℃にまで冷却されるとともに、同第2モジュール30で希釈ブラインB1から蒸発除去され、第3モジュール40での圧縮後に後述するリボイラー32で凝縮された抜取水B3は、略45℃にまで冷却されるようになっている。
【0031】
かかる第1モジュール20には、ブライン集熱経路122から分岐された希釈ブラインB1を分流させるための取入配管50(図1において太い実線で示している)と、第2モジュール30から送り出された再生ブラインB2をブライン集熱経路122へ戻すための戻し配管51(図1において細い実線で示している)と、第2モジュール30で希釈ブラインB1から蒸気として取り除かれた後に凝縮された抜取水B3を系外に排出するための排出配管52(図1において一点鎖線で示している)とが配設されている。
【0032】
そして、取入配管50と戻し配管51との交差位置には第1熱交換器21が設けられ、この第1熱交換器21での再生ブラインB2との熱交換によって取入配管50中の希釈ブラインB1に第1次の熱交換処理が施されて第1次予熱が実行されるようになっている。第1次予熱に使用された再生ブラインB2は、第1熱交換器21より下流側の戻し配管51を通って取入配管50の分岐点より下流側のブライン集熱経路122へ戻されるようになっている。
【0033】
また、第1熱交換器21より下流側の取入配管50と排出配管52との交差位置には第2熱交換器22が設けられ、第1次予熱処理が行われた希釈ブラインB1は、この第2熱交換器22における抜取水B3との間の第2次熱交換処理でさらに昇温される第2次予熱が実行されるようになっている。
【0034】
第2熱交換器22より下流側の排出配管52には第3熱交換器23が設けられ、第2熱交換器22で希釈ブラインB1の予熱に供された抜取水B3は、この第3熱交換器23でさらに略45℃にまで降温させられたのち、系外に排出されるようになっている。因みに第3熱交換器23で抜取水B3との熱交換に使用される冷熱源は、本実施形態では系外の適所から(例えば上水道から)調達される。
【0035】
加えて、第1モジュール20には、第2モジュール30から排出配管52を介して導出されてくる抜取水B3を一時貯留するためのドレンタンク24が設けられ、このドレンタンク24のバッファー機能によって第2熱交換器22に供給される抜取水B3の定流量を確保し得るようになされている。
【0036】
前記第2モジュール30には、蒸留釜31と、この蒸留釜31の天板に立設されたリボイラー32と、同天板にリボイラー32と平行に並設された蒸留塔33と、蒸留釜31付設された電気ヒーター(加熱手段)34とが設けられている。
【0037】
一方、前記取入配管50は、第2モジュール30において下流端側が2つに分岐され、リボイラー32の頂部に接続された第1分岐支管50aと、蒸留塔33の上下方向の略中間位置に接続された第2分岐支管50bとに分かれている。
【0038】
前記蒸留釜31は、第1分岐支管50aを介して供給された希釈ブラインB1がリボイラー32で濃縮されて形成した濃縮ブラインB2′を一時貯留するとともに、当該濃縮ブラインB2′を電気ヒーター34によって加熱し、得られた加熱蒸気を蒸留塔33に導くためのものであるとともに、リボイラー32で蒸発された水分(気体)と、濃縮ブラインB2′(液体)とを気液分離するためのものである。再生ブラインB2は、戻し配管51を通ってブライン集熱経路122へ戻されるようになっている。
【0039】
また、戻し配管51からは循環配管53が分岐されているとともに、その先端部がリボイラー32の頂部に接続されている。そして、蒸留釜31から抜き出された再生ブラインB2の一部がこの循環配管53を通ってリボイラー32の頂部に還流され、リボイラー32における希釈ブラインB1からの水分離の熱源の一部を担うようになされている。
【0040】
前記リボイラー32は、第1分岐支管50aから供給された希釈ブラインB1に対して加熱処理を施すことにより、エチレングリコールなどより沸点の低い水を気化させて当該希釈ブラインB1を濃縮するためのものである。かかる濃縮処理の熱源としては、第3モジュール40から供給される加圧蒸気B5が採用されるが、これに加えて蒸留釜31から循環配管53を介して供給される前述の再生ブラインB2も熱源としての役割を担っている。
【0041】
図2は、本実施形態で採用されているリボイラー32の一実施形態を示す縦断面図である。また、図3は、リボイラー32に適用される加熱パイプの要部を示す部分拡大図であり、(イ)は斜視図、(ロ)は、(イ)のX−X線断面図である。まず、図2に示すように、リボイラー32は、加熱パイプ35が内装されるリボイラー本体321と、このリボイラー本体321の頂部に被せられる蓋体322とを備えて構成されている。
【0042】
リボイラー本体321は、円筒状の周壁321aと、この周壁321aの底部を封鎖した底板321bと、同頂部を封鎖した天板321cとからなっている。かかるリボイラー本体321の底板321bと天板321cとの間に複数本の前記加熱パイプ35が貫設されている。周壁321aの上方部には、第3モジュール40からの加圧蒸気B5をリボイラー本体321内に導入するための加圧蒸気導入口321dが設けられているとともに、同下方部には加熱パイプ35を介して希釈ブラインB1との熱交換の結果得られた抜取水B3を導出するための抜取水導出口321eが設けられている。
【0043】
また、周壁321aの下縁部には天板321cと一体的に下部フランジ321fが設けられているとともに、同上縁部には底板321bと一体的に上部フランジ321gが設けられ、下部フランジ321fを蒸留釜31の天板にボルト止めすることによりリボイラー本体321が蒸留釜31に固定されるとともに、上部フランジ321gを蓋体322にボルト止めすることにより蓋体322がリボイラー本体321に固定されるようになっている。
【0044】
前記蓋体322は、伏せた椀状に形成され、下端縁部に前記上部フランジ321gに対応したフランジ322aが設けられ、このフランジ322aをリボイラー本体321の上部フランジ321gに合わせた状態で両者がボルト止めされるようになっている。
【0045】
かかる蓋体322の周壁322bには、希釈ブラインB1を第1分岐支管50aを介して導入するための希釈ブライン導入口322cと、蒸留釜31からの再生ブラインB2を循環配管53を介して導入するための再生ブライン導入口322dとが設けられている。
【0046】
そして、希釈ブライン導入口322cを介して蓋体322内に導入された希釈ブラインB1、および再生ブライン導入口322dを介して蓋体322内に導入された再生ブラインB2は、互いに混合された状態で加熱パイプ35内を流下しながら加圧蒸気導入口321dを介してリボイラー本体321内に導入された加圧蒸気B5とリボイラー本体321の壁面を介して接触され、これによる凝縮熱を含む加圧蒸気B5との熱交換で希釈ブラインB1中の水分が蒸発分離されるようになっている。この熱交換で加圧蒸気B5が凝縮することにより形成された濃縮ブラインB2′は、分離された水蒸気を同伴して蒸留釜31内に供給されることになる。
【0047】
前記加熱パイプ35には、図3の(イ)に示すように、その上縁部と天板321cとの間に筒心側に向けて筒心と平行になるように切り起しで形成された周方向等ピッチの複数の整流片35aが設けられているとともに、当該押し起しの結果得られた矩形孔35bが形成されている。
【0048】
前記整流片35aは、図3の(ロ)に示すように、周方向であって時計回り方向の先端側が加熱パイプ35の内周面と平行になるように曲折処理されている。したがって、蓋体322内に導入された希釈ブラインB1と再生ブラインB2との混合液は、矩形孔35bを通って加熱パイプ35内に導入されるに際し、整流片35aに誘導されることによって加熱パイプ35の内周面に沿うように誘導される。したがって、加熱パイプ35内に導入された前記混合液は、加熱パイプ35の内周面全面に液膜を形成した状態で流下するため、リボイラー本体321内に存在する加圧蒸気B5との加熱パイプ35を介した接触面積が極めて大きくなり、これによって両者間での極めて効率的な熱交換が実現する。
【0049】
ついで図1に戻り前記蒸留塔33について説明する。蒸留塔33は、リボイラー32によって希釈ブラインB1から加熱分離された水蒸気や、電気ヒーター34による加熱で蒸留釜31内の濃縮ブラインB2′から気化した水蒸気を熱源として希釈ブラインB1に蒸留処理を施し、気液の平衡関係から希釈ブラインB1中の水を取り除いて当該希釈ブラインB1を濃縮処理する一方、水蒸気中に僅かに含まれているエチレングリコール等を取り除いて当該水蒸気から高純度水蒸気B4を得るためのものである。
【0050】
かかる蒸留塔33は、低圧力損失で高性能の規則充填物(本実施形態においては、住友重機械工業株式会社製の商品名「メラパック」を使用)が上下方向の略中央部より下方位置に充填されることによって形成された下部充填層33aと、同充填物が前記中央部より上方位置に充填されることによって形成した上部充填層33bとを備えて構成されている。
【0051】
そして、ブライン集熱経路122から取入配管50を通して抜き出された希釈ブラインB1は、第2分岐支管50bを介して蒸留塔33の下部充填層33aと上部充填層33bとの間に供給され、リボイラー32によって分離除去されたエチレングリコール等を若干含む高温の水蒸気および蒸留釜31から上昇する高温の蒸気によって蒸留処理に付されるようになっている。この蒸留処理によって、希釈ブラインB1中のエチレングリコール等より沸点の低い水は精留され高純度水蒸気B4となって塔頂から抜き出される一方、希釈ブラインB1は濃縮されつつ下部充填層33a内を流下し、蒸留釜31内に一時貯留されることになる。
【0052】
因みに、高純度水蒸気B4が凝縮して得られる抜取水B3は、系外の排水溝などに排出される直前のものを実測した結果、pH(水素イオン指数)が6.81〜7.06、BOD(生物学的酸素要求量)が3〜6mg/l、およびエチレングリコールが4.6mg/lであり、pH、BODおよびCOD(化学的酸素要求量)が下水道法によって規定された基準値以下になっていることを確認することができた。
【0053】
前記第3モジュール40は、第2モジュール30における希釈ブラインB1の蒸留環境を整えるとともに、当該蒸留処理に必要な熱源を供給するためのものであり、蒸留塔33の塔頂から吸引配管54を通って導出された水蒸気に対し圧縮処理を施す圧縮機41を備えて構成されている。
【0054】
そして、高純度水蒸気B4が圧縮機41で圧縮されることにより加圧され、且つ圧縮熱で高温になった加圧蒸気B5は、圧縮機41の下流端とリボイラー32の加圧蒸気導入口321d(図2)間に配設された加圧蒸気配管55を通ってリボイラー本体321内に供給され、ここで加熱パイプ35内を流下する希釈ブラインB1と熱交換することにより当該希釈ブラインB1を加熱処理するようになされている。
【0055】
本実施形態においては、圧縮機41として多段メカニカル式のものが採用されている。かかる圧縮機41の駆動による吸引処理で、吸引配管54を介して蒸留釜31、リボイラー32および蒸留塔33内を真空に近い極低圧(真空度100〜300Тorr)にすることができ、これによる水の沸点の降下で蒸留処理を円滑に行い得るようにすることができる一方、圧縮機41の駆動による圧縮処理で加圧蒸気配管55側を微加圧状態(0.1kg/cmG)にすることができるなど、第2モジュール30の蒸留環境が良好なものになる。
【0056】
なお、以上の説明において参照した図1に示す取入配管50、戻し配管51、排出配管52、循環配管53、吸引配管54および加圧蒸気配管55の各適所には、開閉弁や流量調節を行うための制御弁、さらには流体の流量や温度を検出するための各種のセンサー等が設けられているとともに、センサーからの検出信号に基いて制御弁の開度を調節するための制御信号を出力する制御装置が設けられているが、これらの図示は省略している。
【0057】
以下、図1を基に必要に応じて図2または図3を参照しながら本発明の作用について説明する。不凍液濃縮装置10を運転するに際しては、まず最初に圧縮機41が運転され、これによる吸引処理で蒸留釜31、リボイラー32および蒸留塔33内が所定の減圧状態とされる。また、電気ヒーター34に通電され、蒸留釜31内に貯留している濃縮ブラインB2′の温度が所定の温度となるように加熱される。
【0058】
そして準備が整ったら、ブライン集熱経路122を流通するブラインBから取入配管50を通して希釈ブラインB1が分流される。この分流された希釈ブラインB1は、まず、第1モジュール20において系内で発生した熱源との熱交換により第2モジュール30に導入されるまでに所定の温度にまで昇温される予熱処理が施される。具体的には、希釈ブラインB1は、第1熱交換器21において蒸留釜31から抜き出された再生ブラインB2との熱交換で第1次の昇温処理がなされた後、第2熱交換器22においてボイラー32から導出されドレンタンク24を介し排出配管52を通って排出される抜取水B3との熱交換で第2次の昇温処理が施される。
【0059】
ついで、前記予熱処理で所定の温度にまで昇温した希釈ブラインB1に対し、第2モジュール30において水分を取り除くことによる濃縮処理が施され、これによって再生ブラインB2が得られるとともに、取り除かれた水分は抜取水B3として系外に排出される。
【0060】
具体的には、第2モジュール30に導入された希釈ブラインB1は、一部が第1分岐支管50aを介してリボイラー32の頂部の蓋体322(図2)内に供給されるとともに、残部が第2分岐支管50bを介して蒸留塔33の中央部に供給される。そして、蓋体322内に供給された希釈ブラインB1は、蒸留釜31から抜き出され循環配管53を介して蓋体322内に導入された再生ブラインB2ととともに加熱パイプ35内を内周面に沿うように膜状で流下し、圧縮機41から加圧蒸気配管55を介してリボイラー本体321内に導入された熱源としての加圧蒸気B5との熱交換で加熱処理される。
【0061】
この加熱パイプ35内を流下しながらの加熱処理で希釈ブラインB1から成分のエチレングリコールなどより沸点の低い水が順次蒸発除去され、当該希釈ブラインB1は、その濃縮処理が進行し、最後に濃縮ブラインB2′となって蒸留釜31内に滴下し貯留される。このとき、希釈ブラインB1から分離された水は、水蒸気となって濃縮ブラインB2′と同伴し蒸留釜31内の上部空間に導入される。
【0062】
これに対しリボイラー本体321内に導入された加圧蒸気B5は、希釈ブラインB1との熱交換で凝縮により液化された状態で排出配管52を通り、一旦ドレンタンク24に貯留された後、第2熱交換器22で希釈ブラインB1の予熱に荷担してさらに降温し、最後に第3熱交換器23で最終的な降温処理が施されてから系外へ排出される。
【0063】
一方、第2分岐支管50bを介して蒸留塔33の中央部に供給された希釈ブラインB1は、下部充填層33aを流下しながら蒸留釜31内から上昇してくる蒸気と向流接触することにより水分が蒸発除去され濃縮ブラインB2′となって蒸留釜31内に流下する。そして、希釈ブラインB1から取り除かれた気化状態の水(すなわち水蒸気)は、上部充填層33bを上昇中に不純物として含有しているエチレングリコール等が分離除去され、高純度水蒸気B4となって塔頂から吸引配管54を介して抜き出される。
【0064】
抜き出された高純度水蒸気B4は、圧縮機41により圧縮処理され、圧縮熱による昇温を得て希釈ブライン濃縮用の熱源としての加圧蒸気B5となる。この加圧蒸気B5は、加圧蒸気配管55を介してリボイラー32に供給される。
【0065】
このような希釈ブラインB1の濃縮処理において、蒸留釜31に一時貯留された再生ブラインB2は、戻し配管51を介して抜き出され、第1熱交換器21でブライン集熱経路122から分留された直後の希釈ブラインB1との間の第1熱交換器21を介した熱交換に使用され、その後ブライン集熱経路122へ戻される。
【0066】
なお、排出配管52には、第3熱交換器23の下流側で分岐された分岐管56が設けられている。この分岐管56は、蒸留塔33の頂部に接続され、熱バランスおよび物質バランスの調整を行うために当該分岐管56を介して抜取水B3の一部を還流用として蒸留塔33内に供給し得るようになされている。
【0067】
本発明の不凍液濃縮装置10は、以上詳述したように、ヒーティングタワー120とヒートポンプ121との間を循環するブラインBに吸収された水分を、当該ブラインBから分取された希釈ブラインB1の加熱処理による蒸留処理で除去して再生ブラインB2とするように構成されたものであり、希釈ブラインB1を加熱するリボイラー32と、該リボイラー32によって濃縮された濃縮ブラインB2′を受け入れて加熱処理するとともに、濃縮ブラインB2′の一部が再生ブラインB2として抜き出される蒸留釜31と、前記リボイラー32内および蒸留釜31内で蒸発した蒸気でブラインBに蒸留処理を施して濃縮ブラインB2′と高純度水蒸気B4とに分離する蒸留塔33と、該蒸留塔33から導出された高純度水蒸気B4に圧縮処理を施して加圧蒸気B5を得るとともに、当該加圧蒸気B5を熱源として前記リボイラー32へ供給する圧縮機41とが備えられ、前記蒸留釜31に濃縮ブラインB2′を加熱する電気ヒーター34が設けられてなるものである。
【0068】
このように構成された不凍液濃縮装置10によれば、圧縮機41により圧縮された系内においてリボイラー32に供給された希釈ブラインB1は、当該リボイラー32での加熱処理により含有水分が蒸発して分離される一方、水分が除去されることによって形成した濃縮ブラインB2′は、蒸留釜31で気液分離された後、一旦一部が再生ブラインB2として抜き出されるとともに、残部が電気ヒーター34によって加熱され、これによって蒸発した蒸気は、蒸留塔33に導入されて蒸留処理に供されたのち高純度水蒸気B4として分離される。
【0069】
この分離された高純度水蒸気B4は、圧縮機41において圧縮され、この圧縮された高純度の加圧蒸気B5は、リボイラー32における希釈ブラインB1加熱用の熱源として利用される。
【0070】
そして、蒸留釜31には、濃縮ブラインB2′を加熱する電気ヒーター34が設けられているため、希釈ブラインB1の水分含有率に応じてこの電気ヒーター34による濃縮ブラインB2′への熱供給量を制御することにより、当該水分含有率に応じた蒸留処理を迅速かつ確実に施すことができる。
【0071】
そして、リボイラー32および蒸留塔33は、それぞれ前記蒸留釜31に立設されているため、リボイラー32に蒸留塔33が積み重ねられた状態で両者が連設されている従来の不凍液濃縮装置に比較して高さ寸法を低くすることができ、蒸留釜31の占有面積によって決定されてしまう不凍液濃縮装置10の占有空間を高さ寸法が低くなった分小さくすることが可能になり、これによって不凍液濃縮装置10のコンパクト化を実現することができる。
【0072】
また、希釈ブラインB1を、蒸留釜31から導出された再生ブラインB2との熱交換で第1次予熱する第1熱交換器21と、該第1熱交換器21から導出された希釈ブラインB1を、前記リボイラー32で加熱されることにより分離した抜取水B3との熱交換で第2次予熱する第2熱交換器22とが設けられ、第2次熱交換後の希釈ブラインB1がリボイラー32に供給されるように構成されているため、これらの熱交換で系内で発生した熱が有効に回収され、これによって不凍液濃縮装置10の全体的な熱効率が向上し、エネルギーコストの低減化に貢献することができる。
【0073】
さらに、リボイラー32は、希釈ブラインB1を加熱パイプ35の内周面に沿わせて液膜状で流下させることにより熱源との接触表面積を増大させるようにした、いわゆる縦型流下液膜式熱交換器が採用されているため、希釈ブラインB1は、熱源としての加圧蒸気B5と加熱パイプ35を介してより効果的に熱交換され、これによるエネルギー効率の向上によってもエネルギーコストの低減化に貢献することができる。
【0074】
これらに加えて圧縮機41として多段メカニカル式圧縮機が採用されているため、蒸留塔33の塔頂から導出された高純度水蒸気B4は、多段階で圧縮処理されることによってより効率的に圧縮処理され、安定した状態で当該圧縮機41の上流側を真空状態に近い減圧状態にすることができるとともに、同下流側を微加圧状態にすることができるなど、系内の適正な圧力制御を容易に達成することができる。
【0075】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0076】
(1)上記の実施形態においては、ヒーティングタワー120およびヒートポンプ121間でブライン集熱経路122を介して循環しているブラインBから取入配管50を介してブラインB(希釈ブラインB1)を常時抜き出して濃縮処理し、得られた再生ブラインB2を常時ブライン集熱経路122へ戻し、これによってブライン集熱経路122を循環しているブラインBが常に一定の性能を維持するようにした、いわゆる常時再生方式を採用しているが、本発明は、不凍液濃縮装置10を常時再生方式で使用することに限定されるものではなく、例えばブライン集熱経路122にブラインBの水分含有率を検出する水分センサーを設け、この水分センサーが検出した水分値が予め設定された上限値を越えたときのみ不凍液濃縮装置10を運転する、いわゆる必要時再生方式を採用してもよい。
【0077】
必要時再生方式を採用することにより、大気の温度や湿度によって大きく変動するブラインBの水分含有率対応して、必要なときのみ不凍液濃縮装置10が自動的に稼働される一方、不必要なときには不凍液濃縮装置10の運転が自動的に停止されるため、エネルギーコストの低減化が達成された上でブラインBは、常に適正な性能が保持されることになる。
【0078】
(2)また、ブラインBの水分含有率が予め設定された上限値を越えたときに、ヒーティングタワー120およびヒートポンプ121の運転を一旦中断させた上で当該ブラインBをブライン集熱経路122から全量抜き出し、この抜き出された希釈ブラインB1に対してバッチ処理で濃縮処理を施し、得られた再生ブラインB2をブライン集熱経路122へ戻す、いわゆるバッチ方式を採用してもよい。
【0079】
かかるバッチ方式によれば、ヒーティングタワー120、ヒートポンプ121およびブライン集熱経路122からなる一組の熱交換システム毎に不凍液濃縮装置10を付設しなくても、一個所に設けられた不凍液濃縮装置10を複数の熱交換システムで共用することが可能になるため、その分設備コストの低減化に貢献することができる。
【0080】
(3)上記の実施形態においては、不凍液濃縮装置10が処理対象とする溶液としてブラインBが採用されているが、本発明は、処理対象の溶液がブラインBであることに限定されるものではなく、水分除去を目的とした各種の溶液に適用することができる。
【0081】
(4)上記の実施形態においては、蒸留釜31に設けられる加熱手段として電気ヒーター34が採用されているが、本発明は、加熱手段が電気ヒーター34であることに限定されるものではなく、燃料を燃焼させることにより得られた熱で濃縮ブラインB2′を加熱するものであってもよいし、近隣に例えば煙道排ガスのような廃棄されるべき廃熱が存在するような場合には、当該廃熱を熱源として利用してもよい。
【0082】
(5)上記の実施形態においては、リボイラー32として、リボイラー本体321内に多数の加熱パイプ35が配設されてなる、いわゆる縦型流下膜式熱交換器を採用しているが、本発明は、リボイラー32が縦型流下膜式熱交換器であることに限定されるものではなく、例えば、コイル状の配管内に希釈ブラインB1および加圧蒸気B5のいずれか一方を流通させた状態で、当該コイル状配管を沈めた他方との熱交換を行うように構成されたものなどの通常の熱交換器を採用してもよい。
【0083】
(6)上記の実施形態においては、圧縮機41として多段メカニカル式圧縮機を採用しているが、本発明は、圧縮機41が多段メカニカル式圧縮機であることに限定されるものではなく、例えば通常のスクリュー式の圧縮機などを採用してもよい。
【0084】
【発明の効果】
本発明の不凍液濃縮装置によれば、リボイラーに供給された希釈溶液は、当該リボイラーでの加熱処理により含有水分が蒸発して分離される一方、水分が除去されることによって形成した濃縮溶液は、一旦蒸留釜に貯留された状態で一部が再生溶液として抜き出されるとともに、残部が加熱手段によって加熱され、これによって蒸発した蒸気は、圧縮機によって減圧された蒸留塔に導入されて蒸留処理に供されたのち高純度水蒸気として回収することができる。この回収された高純度の水蒸気は、圧縮機により圧縮されることにより圧縮熱により昇温された加圧蒸気としてリボイラーでの希釈溶液加熱用の熱源として利用することができる。
【0085】
このように、系内で発生した熱を希釈溶液からの水分除去の熱源として利用されるため、別途用意した熱媒体の循環使用で熱源を確保するようにした従来のものに比べて前記熱媒体が不要であるため、その分材料コストおよび設備コストの低減化に貢献することができる。
【0086】
また、熱交換器を使用した間接加熱に比べ、直接加熱であるため、回収エネルギーのロスが少なく、その分エネルギーの回収効率が向上し、省エネルギーを図る上で好都合である。
【0087】
そして、蒸留釜には、濃縮溶液を加熱する加熱手段が設けられているため、希釈溶液の水分含有率に応じてこの加熱手段による濃縮溶液への熱供給量を制御することが可能になり、これによって水分含有率に応じた蒸留処理を迅速かつ確実に行うことができ、従来のように圧縮機による圧縮熱のみを蒸留熱源として使用しているものに比較し、希釈溶液の水分含有量の変動に対する対応性を格段に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる不凍液濃縮装置の一実施形態を示す系統図である。
【図2】本実施形態で採用されているリボイラーの一実施形態を示す縦断面図である。
【図3】リボイラーに適用される加熱パイプの要部を示す部分拡大図であり、(イ)は斜視図、(ロ)は、(イ)のX−X線断面図である。
【符号の説明】
10 不凍液濃縮装置 20 第1モジュール
21 第1熱交換器 22 第2熱交換器
23 第3熱交換器 24 ドレンタンク
30 第2モジュール 31 蒸留釜
32 リボイラー 32 リボイラー
321 リボイラー本体 321a 周壁
321b 底板 321c 天板
321d 加圧蒸気導入口 321e 抜取水導出口
321f 下部フランジ 321g 上部フランジ
321g 前記上部フランジ 322 蓋体
322a フランジ 322b 周壁
322c 希釈ブライン導入口
322d 再生ブライン導入口
33 蒸留塔 33a 下部充填層
33b 上部充填層 34 電気ヒーター
35 加熱パイプ 35a 整流片
35b 矩形孔 40 第3モジュール
41 圧縮機 50 取入配管
50a 第1分岐支管 50b 第2分岐支管
51 戻し配管 52 排出配管
53 循環配管 54 吸引配管
55 加圧蒸気配管 56 分岐管
122 ブライン集熱経路 B ブライン
B1 希釈ブライン B2 再生ブライン
B2′ 濃縮ブライン B3 抜取水
B4 高純度水蒸気 B5 加圧蒸気

Claims (6)

  1. 水で希釈された希釈溶液の濃縮処理で当該溶液を再生するように構成された不凍液濃縮装置であって、前記希釈溶液を加熱し蒸発させるリボイラーと、該リボイラーによって濃縮された濃縮溶液を気液分離状態で受け入れるとともに、濃縮溶液の一部が再生溶液として抜き出される蒸留釜と、前記リボイラー内および蒸留釜内で蒸発した蒸気を用いて導入された希釈溶液に蒸留処理を施し水蒸気を分離する蒸留塔と、該蒸留塔から導出された水蒸気に圧縮処理を施し加圧昇温された加圧蒸気を前記リボイラーへ熱源として供給する圧縮機とが備えられ、前記蒸留釜に濃縮溶液を加熱する加熱手段が設けられてなることを特徴とする不凍液濃縮装置。
  2. 前記リボイラーおよび蒸留塔は、それぞれ前記蒸留釜に並設状態で立設されてなる請求項1記載の不凍液濃縮装置。
  3. 前記希釈溶液を、前記蒸留釜から導出された再生溶液との熱交換で第1次予熱する第1熱交換器と、該第1熱交換器から導出された希釈溶液を、前記リボイラーから導出された凝縮水との熱交換で第2次予熱する第2熱交換器とが設けられ、第2次予熱後の希釈溶液がリボイラーおよび蒸留塔に供給されるように構成されてなる請求項1または2記載の不凍液濃縮装置。
  4. 前記リボイラーは、希釈溶液を筒体の内周面に沿わせて液膜状で流下させることにより筒体周壁を介した熱源との接触面積を増大させるように構成された縦型流下液膜式熱交換器を備えて構成されてなる請求項1乃至3のいずれかに記載の不凍液濃縮装置。
  5. 前記圧縮機は、多段メカニカル式圧縮機が採用されてなる請求項1乃至4のいずれかに記載の不凍液濃縮装置。
  6. 前記加熱手段は、電気ヒーターである請求項1乃至5のいずれかに記載の不凍液濃縮装置。
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