JP2004208802A - 椅子におけるフットレストの支持装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フットレストの前後方向における上下の角度を、着座者の足の角度になじませる。
【解決手段】フットレスト19を支承する部材15の上側に、弾性部材18を介してフットレスト19を備え、該フットレスト19が弾性部材18を支点とし、かつ、弾性部材18の弾性力に抗して前後方向において上下に回動できるようにする。前記弾性部材18を、防振用のゴムで形成する。前記フットレスト19を支承する部材15を、椅子のシート10に対して前後方向に移動可能に備える。
【選択図】 図4
【解決手段】フットレスト19を支承する部材15の上側に、弾性部材18を介してフットレスト19を備え、該フットレスト19が弾性部材18を支点とし、かつ、弾性部材18の弾性力に抗して前後方向において上下に回動できるようにする。前記弾性部材18を、防振用のゴムで形成する。前記フットレスト19を支承する部材15を、椅子のシート10に対して前後方向に移動可能に備える。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は椅子におけるフットレストの支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、椅子の前側に備えられて、着座者の足を乗せるフットレストとして、フットレストを支承する部材にフットレストを、前後方向における上下の角度を一定に設定して備えるものが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構造のように、フットレストを、前後方向における上下の角度を一定にして備えたものにおいては、着座者によっては、フットレストの角度が着座者の足の角度になじまない問題がある。
【0004】
そこで本発明は、前記の問題を解決する椅子におけるフットレストの支持装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、フットレストを支承する部材の上側に、弾性部材を介してフットレストを備え、該フットレストが弾性部材を支点とし、かつ、弾性部材の弾性力に抗して前後方向において上下に回動できるようにしたことを特徴とするものである。
【0006】
本発明においては、弾性部材の弾性作用によって、フットレストの前後方向における上下の角度を、これに乗せた足の角度になじませることができる。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記請求項1記載の発明において、前記弾性部材を、防振用のゴムで形成したものである。
【0008】
本発明のように弾性部材に防振用ゴムを使用することにより、その弾性が前記のようなフットレストと足とのなじみを一層良くする。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2記載の発明において、前記フットレストを支承する部材を、椅子のシートに対して前後方向に移動可能に備えたものである。
【0010】
本発明においては、フットレストの不使用時にはフットレストをシートの下部に収納し、使用時にはフットレストをシートの前方へ突出させて使用することができる。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記請求項3記載の発明において、前記フットレストを支承する部材をシートの前方へ付勢する付勢手段と、前記フットレストにおける前記弾性部材より後方の位置に設けたストッパと、前記シートの下面に設けた係止爪とを有し、フットレストの収納時には前記ストッパが前記係止爪に係止して収納状態が保持され、フットレストの前部を下圧することにより前記ストッパが上動して係止爪より外れて、前記フットレストを支承する部材が前記付勢手段により前進するようにしたものである。
【0012】
本発明においては、ストッパと係止爪からなるロック装置を解除することにより、付勢手段の付勢力によってフットレストが自動的に突出する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を図1乃至図9に示す実施例に基づいて説明する。
【0014】
椅子1の枠体を構成する左右の側枠2には脚部3と肘かけ4が固設され、また、前記両側枠2の後部には背受け枠5が起立状態で固設されている。
【0015】
前記左右の側枠2の内側には、図3に示すように夫々シート用の案内部材(これを第1の案内部材とする)6が側枠2にビス7により固設されている。図2において第1の案内部材6は図の手前側の図示しない側枠側に固着されている。該第1の案内部材6は椅子1の前後方向に配置され、該第1の案内部材6内には前後方向の案内穴6aが貫通形成されている。該第1の案内穴6aは、前側が若干上昇するように傾斜している。該前上がりの傾斜角θ1は、所望に設定するものであるが、実施に際しては水平面に対して約5°に設定した。
【0016】
前記第1の案内部材6の案内穴6a内にはシート用のロッド(これを第1のロッドとする)8が前後方向に摺動可能に貫通して備えられており、その前後端にシート保持部材9が固着されている。すなわち、シート保持部材9を、水平方向のシート取付片9aと、その前後端に垂設したロッド取付片9b,9cで形成し、そのロッド取付片9b,9cを前記第1のロッド8の前後端に固着している。
【0017】
なお、前記案内穴6aに、モリブデンのメッキを施した環状のブッシュや油を含浸させた環状のゴム等の支承体を配置し、この支承体内に前記ロッド8を挿通して、その支承体の潤滑性を利用して第1のロッド8がスムーズに摺動し、かつ、その第1のロッド8の任意な位置での停止を確保できるようになっている。
【0018】
前記シート保持部材9のシート取付片9aの上面にはシート10が載置固着されている。該シート10の上面も前記の傾斜角θ1と同等に形成されている。該シート10と前記シート保持部材9は、椅子1の側枠2と絶縁されており、側枠2に対して前後方向に移動可能に備えられている。すなわち、シート10とシート保持部材9は、前記第1のロッド8を介して前記案内部材6に案内されて前後方向(A−B方向)に移動できるようになっている。
【0019】
前記シート10の後端には背もたれ11が、該背もたれ11の下端をヒンジ12により連結して備えられており、該背もたれ11がヒンジ12を中心として前後方向に回転するようになっている。
【0020】
前記背受け枠5は、その前面5aを、上方が若干後方へ反った略垂直面にして略起立状態に形成されており、この前面5aにより、前記背もたれ11の後面を、略垂直に、上下に摺動可能に支承している。また、背もたれ11は、背受け枠5の前側において前後方向に移動可能に備えられている。
【0021】
更に、背受け枠5の上端5bは、シート10を後退して背もたれ11を起立状態にした場合の通常の形態時において、その背もたれ11の上端11aよりも高い位置に設定されている。
【0022】
また、前記背もたれ11の上部にはヘッドレスト13が、その下端を背もたれ11の上端に回転部25で前後方向に回転可能に連結して備えられている。また、該ヘッドレスト13も前記背受け枠5の前面5aに沿って上下方向に摺動可能に支承されている。
【0023】
また、前記背受け枠5の左右側には、前記背もたれ11とヘッドレスト13の左右側面を摺動可能に支承する側板5cが、背受け枠5に固着して設けられている。
【0024】
次にフットレスト部について説明する。
前記シート10の下面の左右にはフットレスト用の案内部材(これを第2の案内部材とする)14が固設されている。該第2の案内部材14内には前後方向に案内穴14a(図4参照)が貫通形成されている。該案内穴14aは前側が若干上昇するように傾斜している。該前上がり傾斜角θ2は所望に設定するものであるが、実施に際しては水平面に対して前記シート面よりも大きく設定されている。
【0025】
前記第2の案内部材14の案内穴14a内にはフットレストを支承する部材であるロッド(これを第2のロッドとする)15が摺動可能に貫通して備えられている。したがって、この第2のロッド15はシート10の下部の左右に設けられている。
【0026】
また、前記第2の案内部材14と前記第2のロッド15の後部間には、付勢手段である引張りスプリング16が架設されており、該引張りスプリング16によって第2のロッド15を常時前方へ付勢している。該付勢手段は引張りスプリング以外のものであってもよい。
【0027】
前記左右の第2のロッド15における前部間には支板17が架設されて固設されている。該支板17の上部には弾性部材18を介してフットレスト19が設けられている。
【0028】
前記弾性部材18は、図6に示すように、ゴムなどの弾性体18aの一端面に、雄ねじ18bを突設した取付板18cを接着し、弾性体18aの他端面に、雄ねじ18dを突設した取付板18eを接着して形成されている。該弾性体18aは、防振ゴムとして一般に使用されているゴムや、その他、コイルスプリングなどのバネ材でもよい。
【0029】
そして、前記弾性部材18の雄ねじ18bを図4に示すように前記支板17に上方から挿通して、該雄ねじ18bにナット20を螺着し、また、雄ねじ18dに前記フットレスト19の基材19aに形成した孔19bを嵌合して雄ねじ18dにナット21を螺着し、弾性部材18を支板17とフットレスト19間に介在している。
【0030】
前記弾性部材18は、支板17の左右(図4の紙面の表裏方向)において計2個配設されている。
【0031】
前記フットレスト19は、前記基板19aの上面と前面にクッション材19cで被覆して形成されている。
【0032】
前記の構成により、フットレスト19は、弾性部材18により常時は第2のロッド15と略平行する状態に維持され、フットレスト19の前部あるいは後部に上方から荷重をかけると、弾性部材18を支点として、フットレスト19の前後が上下方向(図4の矢印方向)に弾性部材18の付勢力に抗して回動するようになっている。
【0033】
前記フットレスト19の基材19aの後部下面には、図5に示すようにストッパ22が固着されている。また、前記第2の案内部材14には、係止爪23が前方へ突出して固着されており、該係止爪23の前方上面は、先方が下降するテーパ状の案内面23aに形成され、該案内面23aの後端は、略垂直な係止面23bに形成されている。そして、常態においては、図5に示すように、係止面23bとストッパ22の前面が対向するようになっている。このストッパ22と係止爪23によりロック装置24が構成されている。
【0034】
次に使用状態について説明する。
図1及び図2はシート10を後退させ、フットレスト19をシート10の下部に収納した状態で通常に着席する状態である。
【0035】
この状態では、図2に示すように、背もたれ11及びヘッドレスト13が背受け枠5の前面5aに沿った略垂直姿勢におかれ、また、フットレスト19も邪魔にならないようにシート10の下に収納されている。
【0036】
この図2の状態から椅子1をリクライニング状態にする場合には、着座状態でシート10に前方への移動力を作用させると、シート10側に設けた第1のロッド8が第1の案内部材6に案内されて前進し、シート10が図7に示すように、当初に設定した角度θ1を保ったまま前進移動する。このシート10の前進により、該シート10の後端にヒンジ12により連結された背もたれ11の下端部が前方へ引き出される。これにより、図7に示すように背もたれ11は、その上部が背受け枠5の前面5aを摺動して下降するとともにその下部が前方へ移動し、図7に示すように、上方が後方へ傾斜した姿勢になる。また、ヘッドレスト13は背受け枠5の前面5aに沿って下降する。
【0037】
したがって、背もたれ11が、図2の姿勢より大きく後傾したリクライニング状態になる。また、この際、ヘッドレスト13の角度は略垂直状態で変らないため、背もたれ11が倒れたより寛いだ姿勢でも、ヘッドレスト13によって顔の角度を変えることなく、テレビを観賞したり、話し相手と顔を見ながら会話ができる。
【0038】
また、このリクライニング形態への変形は、背もたれ11の下部を前進させて背もたれ11を傾斜させるため、背もたれ11は背受け枠5よりも後方へ突出しない。したがって、椅子1を、図2に示す通常の姿勢状態で部屋の壁面30に近接して配置しても、図7に示すように背もたれ11が部屋の壁面30に当たることがない。そのため、椅子を壁面との間に大きな間隙を設ける必要がない。したがって、椅子1を壁面30に近接させて部屋を有効に活用することができる。
【0039】
次にフットレスト19について説明する。
図2のようにシート10が後退した状態であって、フットレスト19を収納した状態では、図5に示すように、フットレスト19の基材19aに設けたストッパ22が係止爪23の係止面23bに係止されて、フットレスト19の収納状態が保持されている。
【0040】
また、このフットレスト19の収納状態でシート10を前記図7に示すように前進させた場合には、フットレスト19は収納状態のままでシート10とともに前進する。
【0041】
次に、フットレスト19を使用する場合には、図5の状態において、フットレスト19の前部を手動あるいは足によって下方(D側)へ押圧する。これによりフットレスト19が弾性部材18を変形させて該弾性部材18を中心としてフットレスト19の前部がD方向へ回動するとともに後部が上方へ回動し、ストッパ22が係止爪23の係止面23bより上方へ離脱する。この離脱により、引張りスプリング16の付勢力によって図8に示すように第2のロッド15が前方(A方向)へ突出し、該第2のロッド15の先部に設けられたフットレスト19がシート10より前方へ突出する。これにより、着座者は足を伸ばしてフットレスト19上に載置することができる。
【0042】
また、前記図7に示すように、シート10を前進させたリクライニング状態において、収納されたフットレスト19を使用する場合には、そのフットレスト19の前部を前記と同様に押圧することにより、前記のようにストッパ22が係止爪23より離間し、前記と同様に引張りスプリング16の付勢力によってフットレスト19が前方へ突出する。これにより、図9に示すように、前進したシート10より更に前方へフットレスト19が突出したリクライニング状態になる。
【0043】
また、フットレスト19の使用時には、弾性部材18の弾性作用によって、フットレスト19の上下方向の角度を、このフットレスト19上に乗せた足の角度になじませることができる。
【0044】
次に、前記のように突出したフットレスト19をシート10の下部に収納する場合には、図8又は図9の状態から、フットレスト19を手動あるいは足により、引張りスプリング16の付勢力に抗して後方(B方向)へ移動させる。これにより、ストッパ22が係止爪23のテーパ状の案内面23aに当接し、その後は、基材19aが弾性部材18を変形させながら回動してストッパ22が案内面23aに沿って上動し、ストッパ22が案内面23aを乗り越えると、弾性部材18の復元力によって基材19aが復帰してストッパ22が係止面23bの係止面23b側に下降し、ストッパ22が係止面23bに係止する。これにより、フットレスト19の収納状態が保持される。したがって、前記弾性部材18は、その弾性によってフットレスト19を着座者の足になじませる作用と、フットレスト19の収納状態をロックする作用と、フットレスト19を引き出す場合に変形して前記のロックを解除できるようにする作用を兼用する。
【0045】
【発明の効果】
以上のようであるから、請求項1記載の発明によれば、弾性部材の弾性作用によって、フットレストの前後方向における上下の角度を、着座者の足に対応して、その足の角度になじませることができる。
【0046】
請求項2記載の発明によれば、更に、前記のフットレストの足とのなじみを高めることができる。
【0047】
請求項3記載の発明によれば、更に、フットレストの不使用時にはフットレストをシートの下部に収納し、使用時にはフットレストをシートの前方へ突出させて使用することができる。
【0048】
請求項4記載の発明によれば、更に、フットレストを収納状態から突出させる操作が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す椅子の正面図。
【図2】図1におけるE−E線断面図で、通常形態を示す図。
【図3】図2におけるF−F線断面図。
【図4】図2におけるフットレスト部の拡大側断面図。
【図5】図2のフットレスト部におけるロック装置を示す側断面図。
【図6】図4における弾性部材を示すもので、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は側断面図。
【図7】図2の状態からシートを前進させたリクライニング状態を示す側断面図。
【図8】図2の状態でフットレストを突出させた状態の側断面図。
【図9】図7の状態でフットレストを突出させた状態の側断面図。
【符号の説明】
1 椅子
2 側枠(枠体)
5 背受け枠
6,14 案内部材
8,15 ロッド
10 シート
11 背もたれ
16 付勢手段
18 弾性部材
19 フットレスト
22 ストッパ
23 係止爪
24 ロック装置
【発明の属する技術分野】
本発明は椅子におけるフットレストの支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、椅子の前側に備えられて、着座者の足を乗せるフットレストとして、フットレストを支承する部材にフットレストを、前後方向における上下の角度を一定に設定して備えるものが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構造のように、フットレストを、前後方向における上下の角度を一定にして備えたものにおいては、着座者によっては、フットレストの角度が着座者の足の角度になじまない問題がある。
【0004】
そこで本発明は、前記の問題を解決する椅子におけるフットレストの支持装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、フットレストを支承する部材の上側に、弾性部材を介してフットレストを備え、該フットレストが弾性部材を支点とし、かつ、弾性部材の弾性力に抗して前後方向において上下に回動できるようにしたことを特徴とするものである。
【0006】
本発明においては、弾性部材の弾性作用によって、フットレストの前後方向における上下の角度を、これに乗せた足の角度になじませることができる。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記請求項1記載の発明において、前記弾性部材を、防振用のゴムで形成したものである。
【0008】
本発明のように弾性部材に防振用ゴムを使用することにより、その弾性が前記のようなフットレストと足とのなじみを一層良くする。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2記載の発明において、前記フットレストを支承する部材を、椅子のシートに対して前後方向に移動可能に備えたものである。
【0010】
本発明においては、フットレストの不使用時にはフットレストをシートの下部に収納し、使用時にはフットレストをシートの前方へ突出させて使用することができる。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記請求項3記載の発明において、前記フットレストを支承する部材をシートの前方へ付勢する付勢手段と、前記フットレストにおける前記弾性部材より後方の位置に設けたストッパと、前記シートの下面に設けた係止爪とを有し、フットレストの収納時には前記ストッパが前記係止爪に係止して収納状態が保持され、フットレストの前部を下圧することにより前記ストッパが上動して係止爪より外れて、前記フットレストを支承する部材が前記付勢手段により前進するようにしたものである。
【0012】
本発明においては、ストッパと係止爪からなるロック装置を解除することにより、付勢手段の付勢力によってフットレストが自動的に突出する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を図1乃至図9に示す実施例に基づいて説明する。
【0014】
椅子1の枠体を構成する左右の側枠2には脚部3と肘かけ4が固設され、また、前記両側枠2の後部には背受け枠5が起立状態で固設されている。
【0015】
前記左右の側枠2の内側には、図3に示すように夫々シート用の案内部材(これを第1の案内部材とする)6が側枠2にビス7により固設されている。図2において第1の案内部材6は図の手前側の図示しない側枠側に固着されている。該第1の案内部材6は椅子1の前後方向に配置され、該第1の案内部材6内には前後方向の案内穴6aが貫通形成されている。該第1の案内穴6aは、前側が若干上昇するように傾斜している。該前上がりの傾斜角θ1は、所望に設定するものであるが、実施に際しては水平面に対して約5°に設定した。
【0016】
前記第1の案内部材6の案内穴6a内にはシート用のロッド(これを第1のロッドとする)8が前後方向に摺動可能に貫通して備えられており、その前後端にシート保持部材9が固着されている。すなわち、シート保持部材9を、水平方向のシート取付片9aと、その前後端に垂設したロッド取付片9b,9cで形成し、そのロッド取付片9b,9cを前記第1のロッド8の前後端に固着している。
【0017】
なお、前記案内穴6aに、モリブデンのメッキを施した環状のブッシュや油を含浸させた環状のゴム等の支承体を配置し、この支承体内に前記ロッド8を挿通して、その支承体の潤滑性を利用して第1のロッド8がスムーズに摺動し、かつ、その第1のロッド8の任意な位置での停止を確保できるようになっている。
【0018】
前記シート保持部材9のシート取付片9aの上面にはシート10が載置固着されている。該シート10の上面も前記の傾斜角θ1と同等に形成されている。該シート10と前記シート保持部材9は、椅子1の側枠2と絶縁されており、側枠2に対して前後方向に移動可能に備えられている。すなわち、シート10とシート保持部材9は、前記第1のロッド8を介して前記案内部材6に案内されて前後方向(A−B方向)に移動できるようになっている。
【0019】
前記シート10の後端には背もたれ11が、該背もたれ11の下端をヒンジ12により連結して備えられており、該背もたれ11がヒンジ12を中心として前後方向に回転するようになっている。
【0020】
前記背受け枠5は、その前面5aを、上方が若干後方へ反った略垂直面にして略起立状態に形成されており、この前面5aにより、前記背もたれ11の後面を、略垂直に、上下に摺動可能に支承している。また、背もたれ11は、背受け枠5の前側において前後方向に移動可能に備えられている。
【0021】
更に、背受け枠5の上端5bは、シート10を後退して背もたれ11を起立状態にした場合の通常の形態時において、その背もたれ11の上端11aよりも高い位置に設定されている。
【0022】
また、前記背もたれ11の上部にはヘッドレスト13が、その下端を背もたれ11の上端に回転部25で前後方向に回転可能に連結して備えられている。また、該ヘッドレスト13も前記背受け枠5の前面5aに沿って上下方向に摺動可能に支承されている。
【0023】
また、前記背受け枠5の左右側には、前記背もたれ11とヘッドレスト13の左右側面を摺動可能に支承する側板5cが、背受け枠5に固着して設けられている。
【0024】
次にフットレスト部について説明する。
前記シート10の下面の左右にはフットレスト用の案内部材(これを第2の案内部材とする)14が固設されている。該第2の案内部材14内には前後方向に案内穴14a(図4参照)が貫通形成されている。該案内穴14aは前側が若干上昇するように傾斜している。該前上がり傾斜角θ2は所望に設定するものであるが、実施に際しては水平面に対して前記シート面よりも大きく設定されている。
【0025】
前記第2の案内部材14の案内穴14a内にはフットレストを支承する部材であるロッド(これを第2のロッドとする)15が摺動可能に貫通して備えられている。したがって、この第2のロッド15はシート10の下部の左右に設けられている。
【0026】
また、前記第2の案内部材14と前記第2のロッド15の後部間には、付勢手段である引張りスプリング16が架設されており、該引張りスプリング16によって第2のロッド15を常時前方へ付勢している。該付勢手段は引張りスプリング以外のものであってもよい。
【0027】
前記左右の第2のロッド15における前部間には支板17が架設されて固設されている。該支板17の上部には弾性部材18を介してフットレスト19が設けられている。
【0028】
前記弾性部材18は、図6に示すように、ゴムなどの弾性体18aの一端面に、雄ねじ18bを突設した取付板18cを接着し、弾性体18aの他端面に、雄ねじ18dを突設した取付板18eを接着して形成されている。該弾性体18aは、防振ゴムとして一般に使用されているゴムや、その他、コイルスプリングなどのバネ材でもよい。
【0029】
そして、前記弾性部材18の雄ねじ18bを図4に示すように前記支板17に上方から挿通して、該雄ねじ18bにナット20を螺着し、また、雄ねじ18dに前記フットレスト19の基材19aに形成した孔19bを嵌合して雄ねじ18dにナット21を螺着し、弾性部材18を支板17とフットレスト19間に介在している。
【0030】
前記弾性部材18は、支板17の左右(図4の紙面の表裏方向)において計2個配設されている。
【0031】
前記フットレスト19は、前記基板19aの上面と前面にクッション材19cで被覆して形成されている。
【0032】
前記の構成により、フットレスト19は、弾性部材18により常時は第2のロッド15と略平行する状態に維持され、フットレスト19の前部あるいは後部に上方から荷重をかけると、弾性部材18を支点として、フットレスト19の前後が上下方向(図4の矢印方向)に弾性部材18の付勢力に抗して回動するようになっている。
【0033】
前記フットレスト19の基材19aの後部下面には、図5に示すようにストッパ22が固着されている。また、前記第2の案内部材14には、係止爪23が前方へ突出して固着されており、該係止爪23の前方上面は、先方が下降するテーパ状の案内面23aに形成され、該案内面23aの後端は、略垂直な係止面23bに形成されている。そして、常態においては、図5に示すように、係止面23bとストッパ22の前面が対向するようになっている。このストッパ22と係止爪23によりロック装置24が構成されている。
【0034】
次に使用状態について説明する。
図1及び図2はシート10を後退させ、フットレスト19をシート10の下部に収納した状態で通常に着席する状態である。
【0035】
この状態では、図2に示すように、背もたれ11及びヘッドレスト13が背受け枠5の前面5aに沿った略垂直姿勢におかれ、また、フットレスト19も邪魔にならないようにシート10の下に収納されている。
【0036】
この図2の状態から椅子1をリクライニング状態にする場合には、着座状態でシート10に前方への移動力を作用させると、シート10側に設けた第1のロッド8が第1の案内部材6に案内されて前進し、シート10が図7に示すように、当初に設定した角度θ1を保ったまま前進移動する。このシート10の前進により、該シート10の後端にヒンジ12により連結された背もたれ11の下端部が前方へ引き出される。これにより、図7に示すように背もたれ11は、その上部が背受け枠5の前面5aを摺動して下降するとともにその下部が前方へ移動し、図7に示すように、上方が後方へ傾斜した姿勢になる。また、ヘッドレスト13は背受け枠5の前面5aに沿って下降する。
【0037】
したがって、背もたれ11が、図2の姿勢より大きく後傾したリクライニング状態になる。また、この際、ヘッドレスト13の角度は略垂直状態で変らないため、背もたれ11が倒れたより寛いだ姿勢でも、ヘッドレスト13によって顔の角度を変えることなく、テレビを観賞したり、話し相手と顔を見ながら会話ができる。
【0038】
また、このリクライニング形態への変形は、背もたれ11の下部を前進させて背もたれ11を傾斜させるため、背もたれ11は背受け枠5よりも後方へ突出しない。したがって、椅子1を、図2に示す通常の姿勢状態で部屋の壁面30に近接して配置しても、図7に示すように背もたれ11が部屋の壁面30に当たることがない。そのため、椅子を壁面との間に大きな間隙を設ける必要がない。したがって、椅子1を壁面30に近接させて部屋を有効に活用することができる。
【0039】
次にフットレスト19について説明する。
図2のようにシート10が後退した状態であって、フットレスト19を収納した状態では、図5に示すように、フットレスト19の基材19aに設けたストッパ22が係止爪23の係止面23bに係止されて、フットレスト19の収納状態が保持されている。
【0040】
また、このフットレスト19の収納状態でシート10を前記図7に示すように前進させた場合には、フットレスト19は収納状態のままでシート10とともに前進する。
【0041】
次に、フットレスト19を使用する場合には、図5の状態において、フットレスト19の前部を手動あるいは足によって下方(D側)へ押圧する。これによりフットレスト19が弾性部材18を変形させて該弾性部材18を中心としてフットレスト19の前部がD方向へ回動するとともに後部が上方へ回動し、ストッパ22が係止爪23の係止面23bより上方へ離脱する。この離脱により、引張りスプリング16の付勢力によって図8に示すように第2のロッド15が前方(A方向)へ突出し、該第2のロッド15の先部に設けられたフットレスト19がシート10より前方へ突出する。これにより、着座者は足を伸ばしてフットレスト19上に載置することができる。
【0042】
また、前記図7に示すように、シート10を前進させたリクライニング状態において、収納されたフットレスト19を使用する場合には、そのフットレスト19の前部を前記と同様に押圧することにより、前記のようにストッパ22が係止爪23より離間し、前記と同様に引張りスプリング16の付勢力によってフットレスト19が前方へ突出する。これにより、図9に示すように、前進したシート10より更に前方へフットレスト19が突出したリクライニング状態になる。
【0043】
また、フットレスト19の使用時には、弾性部材18の弾性作用によって、フットレスト19の上下方向の角度を、このフットレスト19上に乗せた足の角度になじませることができる。
【0044】
次に、前記のように突出したフットレスト19をシート10の下部に収納する場合には、図8又は図9の状態から、フットレスト19を手動あるいは足により、引張りスプリング16の付勢力に抗して後方(B方向)へ移動させる。これにより、ストッパ22が係止爪23のテーパ状の案内面23aに当接し、その後は、基材19aが弾性部材18を変形させながら回動してストッパ22が案内面23aに沿って上動し、ストッパ22が案内面23aを乗り越えると、弾性部材18の復元力によって基材19aが復帰してストッパ22が係止面23bの係止面23b側に下降し、ストッパ22が係止面23bに係止する。これにより、フットレスト19の収納状態が保持される。したがって、前記弾性部材18は、その弾性によってフットレスト19を着座者の足になじませる作用と、フットレスト19の収納状態をロックする作用と、フットレスト19を引き出す場合に変形して前記のロックを解除できるようにする作用を兼用する。
【0045】
【発明の効果】
以上のようであるから、請求項1記載の発明によれば、弾性部材の弾性作用によって、フットレストの前後方向における上下の角度を、着座者の足に対応して、その足の角度になじませることができる。
【0046】
請求項2記載の発明によれば、更に、前記のフットレストの足とのなじみを高めることができる。
【0047】
請求項3記載の発明によれば、更に、フットレストの不使用時にはフットレストをシートの下部に収納し、使用時にはフットレストをシートの前方へ突出させて使用することができる。
【0048】
請求項4記載の発明によれば、更に、フットレストを収納状態から突出させる操作が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す椅子の正面図。
【図2】図1におけるE−E線断面図で、通常形態を示す図。
【図3】図2におけるF−F線断面図。
【図4】図2におけるフットレスト部の拡大側断面図。
【図5】図2のフットレスト部におけるロック装置を示す側断面図。
【図6】図4における弾性部材を示すもので、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は側断面図。
【図7】図2の状態からシートを前進させたリクライニング状態を示す側断面図。
【図8】図2の状態でフットレストを突出させた状態の側断面図。
【図9】図7の状態でフットレストを突出させた状態の側断面図。
【符号の説明】
1 椅子
2 側枠(枠体)
5 背受け枠
6,14 案内部材
8,15 ロッド
10 シート
11 背もたれ
16 付勢手段
18 弾性部材
19 フットレスト
22 ストッパ
23 係止爪
24 ロック装置
Claims (4)
- フットレストを支承する部材の上側に、弾性部材を介してフットレストを備え、該フットレストが弾性部材を支点とし、かつ、弾性部材の弾性力に抗して前後方向において上下に回動できるようにしたことを特徴とする椅子におけるフットレストの支持装置。
- 前記弾性部材を、防振用のゴムで形成した請求項1記載の椅子におけるフットレストの支持装置。
- 前記フットレストを支承する部材を、椅子のシートに対して前後方向に移動可能に備えた請求項1又は2記載の椅子におけるフットレストの支持装置。
- 前記フットレストを支承する部材をシートの前方へ付勢する付勢手段と、前記フットレストにおける前記弾性部材より後方の位置に設けたストッパと、前記シートの下面に設けた係止爪とを有し、フットレストの収納時には前記ストッパが前記係止爪に係止して収納状態が保持され、フットレストの前部を下圧することにより前記ストッパが上動して係止爪より外れて、前記フットレストを支承する部材が前記付勢手段により前進するようにした請求項3記載の椅子におけるフットレストの支持装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002379683A JP2004208802A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 椅子におけるフットレストの支持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002379683A JP2004208802A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 椅子におけるフットレストの支持装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004208802A true JP2004208802A (ja) | 2004-07-29 |
Family
ID=32816115
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002379683A Pending JP2004208802A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 椅子におけるフットレストの支持装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004208802A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012125438A (ja) * | 2010-12-16 | 2012-07-05 | Maluici Selling Inc | 腰掛け構造物のリクライニング機構 |
JP2014534003A (ja) * | 2011-10-21 | 2014-12-18 | リ, ジェ ヒョンLEE, Jae hyun | スライダー方式を利用した矯正椅子 |
-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002379683A patent/JP2004208802A/ja active Pending
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