JP2004208132A - 色不良領域補正方法、色不良領域補正処理プログラム、画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】様々な撮影条件下において撮影された様々な画像において、色不良領域をより容易にかつ確実に補正する色不良領域補正方法、色不良領域補正処理プログラム、および、色不良領域補正処理プログラムの実行が可能な画像処理装置を提供すること。
【解決手段】パソコン1上において、赤目現象が生じている画像データを読みこんでその画像をモニタ3に表示し、赤目領域に対応する領域を特定する。特定された領域に対して、妥当性の評価・領域の変更を行い、最終的な赤目領域に対応する領域を特定する。この最終的に特定された領域に対して、各画素のRGBの各色成分の色情報を使用し、色不良領域の色補正を行う。
【選択図】 図2
【解決手段】パソコン1上において、赤目現象が生じている画像データを読みこんでその画像をモニタ3に表示し、赤目領域に対応する領域を特定する。特定された領域に対して、妥当性の評価・領域の変更を行い、最終的な赤目領域に対応する領域を特定する。この最終的に特定された領域に対して、各画素のRGBの各色成分の色情報を使用し、色不良領域の色補正を行う。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理において、色不良領域を補正する色不良領域補正方法、色不良領域補正処理プログラム、および、色不良領域補正処理プログラムの実行が可能な画像処理装置に関する。特に、フラッシュ撮影時の赤目現象による色不良を改善する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
フラッシュ撮影をしたとき、人の目が赤くなったり金色になったりするいわゆる赤目現象が知られている。この赤目を修正する装置が、特開平7−13274号公報に開示されている。この赤目修正装置では、色不良となった瞳を含むなるべく小さな矩形領域をユーザーが指定する。そして、指定された領域内部全体において、色度の平均値等のパラメータから、赤目の場合、金目の場合、それぞれについてしきい値処理を行うことにより色不良画素を見つけて補正するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−13274号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、瞳の色不良を単純に赤目といっても、撮影環境や照明条件などの影響によって、普通の赤色をした赤目、明るい赤色をした金目と呼ばれるもの、またはグラデーションを持った赤目など、様々な種類のものが存在する。よって、完全な赤目領域の色修正を考えると被写体によっては赤目周辺の瞼付近にはみ出して補正してしまうことがある。
【0005】
本発明は、様々な撮影条件下において撮影された様々な画像において、色不良領域をより容易にかつ確実に補正する色不良領域補正方法、色不良領域補正処理プログラム、および、色不良領域補正処理プログラムの実行が可能な画像処理装置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、複数の画素で構成された画像内で特定された領域の色不良を補正する色不良領域補正方法において適用され、特定された領域の色情報に基づき、特定された領域が色不良を補正するのに妥当であるか否かを評価し、妥当でないと評価された場合、特定された領域を変更し、変更された領域の色不良を補正するものである。
請求項2の発明は、複数の画素で構成された画像内で特定された領域の赤目現象を補正する色不良領域補正方法において適用され、特定された領域の色情報に基づき、特定された領域が赤目現象を補正するのに妥当であるか否かを評価し、妥当でないと評価された場合、特定された領域を変更し、変更された領域の赤目現象を補正するものである。
請求項3の発明は、請求項2記載の色不良領域補正方法において、特定された領域を構成する複数の画素が実質的に肌または白目を表すか否かを判定し、特定された領域を構成する複数の画素のうち少なくとも一部の画素群が実質的に肌または白目を表すと判定された場合、特定された領域が妥当でないと評価して、実質的に肌または白目を表すと判定された画素群のうち少なくとも一部の画素を特定された領域より除外することにより、特定された領域を変更するものである。請求項4の発明は、請求項3記載の色不良領域補正方法において、画素群のうち少なくとも一部の画素を特定された領域より除外するとき、画素群のうち特定された領域の境界部分の画素を含む注目画素について、その注目画素の左右隣に位置する画素の両方または上下隣に位置する画素の両方が特定された領域に含まれるか否かを判定し、注目画素の左右隣に位置する画素の両方または上下隣に位置する画素の両方が特定された領域に含まれると判定された場合は、その注目画素を特定された領域より除外しないものである。
請求項5の発明は、請求項3記載の色不良領域補正方法において、画素群のうち少なくとも一部の画素を特定された領域より除外する処理は、画素群のうち特定された領域の境界部分の画素を含む注目画素について順次行うこととし、注目画素について、その注目画素の左右隣に位置する画素の両方または上下隣に位置する画素の両方が特定された領域に含まれるか否かを判定し、注目画素の左右隣に位置する画素の両方または上下隣に位置する画素の両方が特定された領域に含まれると判定された場合は、その注目画素を特定された領域より除外しないこととし、除外しないこととされた注目画素以外の注目画素を特定された領域より除外し、注目画素を除外することにより変更された特定された領域の境界部分の画素を新たな注目画素とし、特定された領域より除外される注目画素がなくなるまで、画素群のうち少なくとも一部の画素を特定された領域より除外する処理を繰り返し行うものである。
請求項6の発明は、色不良領域補正処理プログラムに適用され、請求項1〜5いずれか1項に記載の色不良領域補正方法をコンピュータに実行させるものである。
請求項7の発明は、コンピュータ読みとり可能な記録媒体に適用され、請求項6の色不良領域補正処理プログラムを記録したものである。
請求項8の発明は、画像処理装置に適用され、請求項6の色不良領域補正処理プログラムを搭載し、その色不良領域補正処理プログラムを実行するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の色不良領域補正方法を実施する一実施の形態を示す図である。符号1は、一般に市販されているパーソナルコンピュータ(以下パソコンと言う)である。パソコン1は、CPU、メモリ、ハードディスク、I/Oポート、各種のインターフェース等からなる制御装置2と、各種画像や情報を表示するモニタ3と、キーボード4と、マウス5と、CD−ROM駆動装置6とからなる。CD−ROM駆動装置6は、CD−ROMやDVDなどの記録媒体7が搭載され、各種のデジタルデータを読み込むことができる。制御装置2は、USB等のインターフェースを介してデジタルカメラ(電子カメラ)8と接続可能である。また、モデムやLANボード等を介してインターネット9とも接続可能である。
【0008】
本実施の形態のパソコン1は、記録媒体7、デジタルカメラ8、あるいはインターネット9を介した他のコンピュータ10等から、デジタルカメラ等で撮像して得られた画像データを取得することができる。パソコン1は、画像処理プログラムを実行することが可能であり、取得した画像データに各種の画像処理を加えることが可能である。本実施の形態では、画像処理の1つとして赤目現象を補正する処理を行うことができる。
【0009】
画像処理プログラムは、制御装置2内部のハードディスクに格納され、制御装置2のメモリに読みこまれて、制御装置2により実行される。画像処理プログラムは、記録媒体7等に格納されて、あるいは、インターネット9などの電気通信回線を通じてデータ信号としてパソコン1に提供される。提供された画像処理プログラムは、制御装置2内部のハードディスクに格納される。インターネット9を通じて画像処理プログラムが提供される場合、インターネット9を介して接続されるサーバコンピュータから提供される。図1において、例えば、コンピュータ10がサーバコンピュータとなり得る。サーバコンピュータ10は、内部のハードディスク等の記録媒体に提供すべき画像処理プログラムを格納している。
【0010】
以下、本実施の形態における赤目現象の補正処理について説明する。赤目現象とは、カメラ等を使用して人物をフラッシュ撮影したとき、撮影された人物の目がウサギの目のように赤く写る現象をいう。目が赤くなるのは、目の網膜の毛細血管が写るためであり、正確には目の瞳孔部分が赤くなる。撮影条件によっては金色になる場合もあり、このような金目も、まとめて赤目現象と言う。すなわち、赤目現象とは、フラッシュ撮影などにより人物の目が違和感のある色になっている場合を言い、言いかえれば瞳孔あたりの領域で色不良が生じている場合を言う。また、動物の目においても赤目現象が生じる場合もある。
【0011】
図2(a)は、本実施の形態における赤目補正処理のフローチャートを示す図である。赤目補正処理は、パソコン1で実行される画像処理プログラムの一部である。前述したように、赤目領域は色不良領域であり、赤目補正処理は色不良領域補正処理と言える。通常、画像処理プログラムは、画像データを取得し、取得した画像データを使用して画像をモニタに表示した後、ユーザが各種の画像処理コマンドを選択する。そのコマンドの1つとして赤目補正が選択されると、赤目補正処理に入る。しかし、ここでは画像データの取得から赤目補正処理として説明する。
【0012】
ステップS1において、赤目を補正すべき画像の画像データを取得する。画像データは、記録媒体7、デジタルカメラ8、あるいはインターネット9を介した他のコンピュータ10等から取得し、制御装置2内部のハードディスクに格納されている。そこから、制御装置2内部のメモリに読みこまれる。ステップS2において、制御装置2はメモリに読みこんだ画像データをモニタ3に表示する。ここでは、フラッシュ撮影された人物像が表示される。その人物像は赤目現象が生じている。ステップS3では、図2(b)に示すサブルーチンを実行し、モニタ3に表示された表示画像中に、補正すべき赤目領域を抽出する。
【0013】
以下に、図2(b)に示すサブルーチンの処理を説明する。ステップS31では、モニタ3に表示された表示画像上で、ユーザがマウス5等を使用して赤目領域の内部の点を指定するのを待つ。
【0014】
図3および図4を使用して赤目領域内部の点を指定する様子を説明する。図3は、赤目が生じている黒目部分を拡大した図である。符号101は黒目部分である。黒目部分とは白目以外の部分で、虹彩および瞳孔部分である。人の目は、明るさに応じて虹彩が調整され、瞳孔の大きさが調整される。この瞳孔部分に赤目現象が生じる。瞳孔は円形をしているが、赤目領域は必ずしも円形を呈するものではない。目の撮影角度やフラッシュライトの反射の具合により必ずしも円形にはならない。図3において、符号102で示される領域が、赤目現象が生じている領域である。
【0015】
ユーザは、図3のような黒目部分が表示された画像上で、マウス5等のポインティングデバイスで赤目領域102の内部の任意の点を指定する。図3では、点103が指定されたとする。
【0016】
図4は、画像データを画素が認識できる程度にまで拡大した図である。画像データは、格子状に配列された複数の画素から構成される。データ自体が格子状に並んでいるものではないが、撮像素子を構成する画素、あるいは、画像を表示する場合の表示画素が格子状に配列されている。画像データの各画素は、表色系で規定される色成分の色情報を有する。例えば、RGB表色系の場合、各画素は、R(赤)成分の色情報と、G(緑)成分の色情報と、B(青)成分の色情報を有する。
【0017】
デジタルカメラ等で撮影する場合、例えば単板式RGBベイア配列の撮像素子で撮像された画像データは、各画素には1つの色成分の色情報しか有しない。このようにして得られた画像データに、各種の補間処理を施すことにより、各画素にRGBの色成分の色情報を有するようになる。本実施の形態で処理する画像データでは、各画素はすでにRGBの色成分の色情報を有している。すなわち、表色系で規定される複数の色成分の色情報を有している。また、ここでいう色情報とは、各色のフィルターを通して照射された光に対応して撮像素子の各画素で蓄積された電荷に対応した値である。本実施の形態では、色情報の値を8ビットのデータとして表す。具体的には、0〜255の値で表すものとする。
【0018】
ステップS31では、ユーザがマウス5で赤目領域102の内部の点103を指定すると、制御装置2は、点103に対応する画素111のRGBの各色成分の色情報の値をそれぞれR0、G0、B0としたときに、これらが式(1)または(1)’を満たすか否かを判定する。式(1)または(1)’を満たす場合、ユーザにより指定された点は赤目領域内部の点であると判断して、画素111を指定する。ここで、式(1)は赤目領域であることを表し、式(1)’はキャッチライトであることを表す。キャッチライトは赤目領域に含まれるが、式(1)では表すことができないため、式(1)’が用いられる。さらに、本実施の形態では、画素111の周辺(近傍)の画素112〜115も指定する。式(1)または(1)’を満たさない場合、ユーザにより指定された点は赤目領域内部の点ではないと判断して、再度ユーザにより点を指定されるのを待つ。
R0≧(G0+B0) (1)
R0>200 かつ G0>200 かつ B0>200 (1)’
【0019】
ステップS32では、ステップS31で指定された点を起点に、赤目領域102のエッジ、すなわち赤目領域102の境界を探索する。図3を参照してさらに説明する。指定された点に対応する画素111を起点に符号104で示される8つの方向にエッジを探索する。水平方向、垂直方向、45度方向、135度方向の、それぞれにおいて相反する2方向の計8方向である。図4で指定された周辺の他の画素112〜115についても、同様に、それぞれの画素を起点に8方向にエッジを探索する。
【0020】
図4で指定された5つの画素を起点とする8方向は、それぞれ重複しない方向である。すなわち、8×5=40方向が重複しないように、かつ、1画素ずつずれて設定されるように、画素111および周辺の画素112〜115が選択されている。画素111のみを起点に8方向について探索するだけでもよいが、上記のように40方向について探索することにより、より精度よくエッジを探索することができる。
【0021】
図5は、エッジ探索の様子を説明する図である。エッジ探索は、探索方向121に並ぶ隣り合った画素群の色情報の値の比較により行う。図5(a)は、画素群が1画素の場合を示す。図5(b)は、画素群が3画素の場合を示す。
【0022】
図5(a)において、注目画素122とその隣接画素123との間で、色情報の比較を行う。注目画素122のRGBの各色成分の色情報の値をそれぞれR、G、Bとし、隣接画素123のRGBの各色成分の色情報の値をそれぞれR’、G’、B’とする。注目画素122と隣接画素123が、式(2)または式(3)を満たすか否かを判断し、探索方向121に画素を順次ずらして判断を繰り返す。そして、注目画素122と隣接画素123が、式(2)または式(3)を満たしたとき、注目画素122をエッジ(境界)画素とする。式(2)(3)のt、lは条件(4)によるものとする。
R/(R+G+B)−R’/(R’+G’+B’)≧t (2)
(R+G+B)/3−(R’+G’+B’)/3≧l (3)
0.1≦t≦0.12、l≒30 (4)
【0023】
式(2)は赤目領域102(図3)のエッジを見つけるための式である。基本的には、赤目領域102のエッジは、黒目部分101の内部にある。しかし、場合によってはエッジを見つけることができずに白目部分へと探索が広がることもある。式(3)は、輝度変化の大きい白目部分と黒目部分の境界をエッジとして抽出するものである。この式により、黒目部分101を超えてエッジを見つけるという誤探索を防止することができる。なお、条件(4)は、各種の実験やシミュレーションによって算出したものである。また、各色成分の色情報の値が8ビット、0〜255の値であることを前提とした値である。条件(4)以外の値であっても、赤目領域102のエッジ、および、黒目部分101のエッジを的確に見つけることができる値であればよい。
【0024】
図5(a)のように、1画素の比較でも赤目領域102のエッジを見つけることが可能である。しかし、エッジがある程度鮮明である必要がある。図5(b)の3画素群比較は、エッジが少々不鮮明であってもエッジを検出することが可能である。注目画素を符号124とし、注目画素124を含む注目画素群125と、注目画素124に隣接する隣接画素群126との間で、色情報の比較を行う。図5(b)の例では、注目画素群125と隣接画素群126は隣接するが、構成画素は重複しない。しかし、注目画素群と隣接画素群の画素を、重複するように設定してもよい。3画素群の場合、1画素あるいは2画素重複させるようにしてもよい。
【0025】
各画素群において各色成分の色情報の3つの画素の平均を計算する。注目画素群125のRGBの各色成分の色情報の平均値をそれぞれR、G、Bとし、隣接画素群126のRGBの各色成分の色情報の平均値をそれぞれR’、G’、B’とする。注目画素群125と隣接画素群126が、前述した式(2)または式(3)を満たすか否かを判断し、探索方向121に画素を順次ずらして判断を繰り返す。そして、注目画素群125と隣接画素群126が、式(2)または式(3)を満たしたとき、注目画素群125の注目画素124をエッジ(境界)画素とする。
【0026】
なお、各種実験の結果、3画素の画素群で比較を行うのが最も効果的であった。ただし、2画素や4画素や5画素等の3画素以外の複数の画素でもよい。
【0027】
図5は、探索方向が水平方向の例を示すものである。垂直方向においても同様である。探索方向が、45度方向や135度方向の場合は、その斜め方向に並ぶ画素を選択する。例えば、45度方向であれば、注目画素とその右斜め上の画素との比較を行う。画素群の場合は、注目画素とその斜め左下の画素、さらにその斜め左下の画素を注目画素群とし、注目画素の斜め右上の画素と、さらにその斜め右上の画素と、さらにまたその斜め右上の画素を隣接画素群とする。
【0028】
式(2)で赤目領域102のエッジが検出できなかった場合に備えて、式(3)で黒目部分101を検出するようにした。しかし、黒目部分101も検出できない場合も生じる。そのような場合、何ら制限を設けなければ画像の端部まで探索することになる。これを、防止するために、起点から所定数の画素範囲を探索することにする。目の大きさ等を考慮して例えば40画素までとする。この値は、適宜変更してもよい。このようにすることにより、無駄な探索を防止することができる。
【0029】
以上の探索により、赤目領域102のエッジを適切に検出できた場合、黒目部分101のエッジしか検出できなかった場合、さらにいずれも検出できなかった場合が生じる。図6は、その様子を説明する図である。ただし、説明の便宜上8方向しか記載していない。水平方向131、135度方向134、45度方向136、垂直方向137では、赤目領域102のエッジ139、140、142、143が検出できた。水平方向135では、黒目部分101のエッジ141が検出できた。45度方向132、垂直方向133、135度方向138では、いずれのエッジも検出できなかった。
【0030】
このようにいずれのエッジも検出できない場合が生じるが、本実施の形態では、所定の数以上のエッジが検出できた場合、探索が成功したとする。所定の数とは探索方向数のn倍とする。nは1/2程度あるいはそれ以上の値が適当である。例えば、n=1/2とすると、探索方向の半分以上においてエッジが検出できれば探索が成功したとする。8方向の場合は4個以上であり、40方向の場合は20個以上である。
【0031】
ステップS32においてエッジ画素(境界点)が検出されると、すなわち、エッジが抽出できると、ステップS33において、検出されたエッジ情報に基づき赤目領域102に対応する領域を特定する。領域の特定とは、検出されたエッジ情報に基づく楕円や多角形などの幾何学的図形を当てはめることにより行う。図形を当てはめることにより、検出できなかったエッジの箇所を補うことができ、一つの閉じた領域として指定することができる。図形を当てはめるとは、数学的には、検出されたエッジ情報に基づく楕円や多角形などの幾何学的図形の領域指定関数を求めることである。
【0032】
本実施の形態では、当てはめる図形を楕円とする。図7は、その様子を説明する図である。図6で説明したように、エッジ画素(境界点)139〜143の5つが検出できたとする。この5つのエッジ画素139〜143をすべて含む最小の長方形151を求める(図7(a))。次に、求められた長方形151に内接する楕円152を求める(図7(b))。このようにして求めた楕円152を、赤目領域102に対応する領域として当てはめ、赤目領域102に対応する領域を特定する。すなわち、エッジ画素139〜143をすべて含む最小の長方形151に内接する楕円152の領域指定関数を求める。ここで、長方形151と、それに内接する楕円152を求めることは、すなわち楕円152の中心の位置と、長軸および短軸の長さとを求めることと同義である。
【0033】
なお、上記のように楕円152で赤目領域102を近似すると、図7(b)における領域153のように、本来赤目領域102の一部であるにもかかわらず、特定された領域152に含まれない場合が生じる。このような現象を極力防止するために、図2(b)のステップS31〜S33を複数回繰り返すようにする。すなわち、ユーザは赤目領域102の内部の点を少しずらしながら複数指定する。複数の指定により、複数の形状の異なる楕円が特定される。この、形状が異なる複数の楕円の論理和を取った領域を特定する。このようにすることにより、より一層実際の赤目領域102に近似した領域を特定することができる。なお、ステップS31で、ユーザが複数の点を一度に指定するようにしてもよい。
【0034】
なお、当てはめる図形を楕円としたのは、瞳孔が円形であること、また実際に生じている赤目領域の形状や、各種の実験結果等を考慮して判断したものである。ただし、楕円以外の形状、例えば円形にしてもよい。また、単に検出したエッジを直線で結んだ多角形や、最小2乗法によって検出したエッジすべてに近い境界線で規定される図形で当てはめてもよい。
【0035】
以上説明したようにして、図2(a)のステップS3において、図2(b)に示すサブルーチンの処理が終わる。次に、図2(a)のステップS4においては、ステップS3で特定した赤目領域に対応する領域が、妥当であるかどうかを評価する。妥当でなければ、この領域を変更する処理を行う。
【0036】
以下に、ステップS3で特定した赤目領域に対応する領域が、妥当であるかどうかを評価する方法を、図8を用いて説明する。図8は、赤目現象が生じている目の部分の画像例を示している。符号160に示す領域は、黒目161の内部に存在する赤目領域である。なお、符号162に示す部分は、白目を表す。ステップS3において、赤目領域160に対し、符号163で示す楕円型の領域が特定されたとする。
【0037】
特定された楕円型の領域163は、次の3つの領域に分割することができる。1つ目の領域は、黒目161上にある、符号164に示す領域である。2つ目の領域は、黒目161および白目162のどちらからもはみ出している領域、すなわち肌(瞼)の部分に当たる、符号165に示す領域である。3つ目の領域は、白目162にはみ出している、符号166に示す領域である。これらの領域のうち、2つ目の領域165、および3つ目の領域166は、黒目の部分ではない。そのため、領域165および166に対して、後述するステップS6における赤目を黒目に補正するための色修正を行うと、本来の肌または白目の色とは異なる色となり、不自然な結果となる。したがって、赤目領域に対応する領域として領域165および166は妥当でないと評価する。一方、1つ目の領域164は、黒目の部分であり、後述するステップS6における赤目を黒目に補正するための色修正を行うことによって、赤目領域160が黒目に補正される。したがって、赤目領域に対応する領域として領域164は妥当であると評価する。
【0038】
図9(a)は、図8の領域163を含む一部分を、画像を構成する各画素が確認できる程度にまで拡大した図である。図9(a)の網掛け部に示す画素群170は、図8の領域163の一部である。画素群170のうち符号171〜177に示す画素のそれぞれに対して、上記に説明した領域の妥当性の評価を、次に説明する方法によって行う。ここで、画素171〜177は、図8の領域163の境界部分(周囲の部分)に当たる画素である。
【0039】
例として、画素172に注目して説明する。注目画素172のRGBの各色成分の色情報の値をそれぞれR1、G1、B1とし、注目画素172が式(5)または(6)を満たすか否かを判定する。式(5)および(6)におけるα、r、g、bの値は、条件(7)によるものとする。注目画素172が式(5)または(6)を満たす場合は、赤目領域に対応する領域として注目画素172は妥当でないとし、注目画素172を次に説明する領域変更の処理の対象とする。注目画素172が式(5)および(6)を満たさない場合は、赤目領域に対応する領域として注目画素172は妥当であるとし、注目画素172を領域変更の処理の対象とはしない。
α(G1+B1)≧R1 (5)
R1>r かつ G1>g かつ B1>b (6)
α≒1.05 、70≦r,g,b≦100 (7)
【0040】
式(5)は、注目画素172が肌の部分(図8の領域165)を表すか否かを判定するための式である。式(6)は、注目画素172が白目の部分(図8の領域166)を表すか否かを判定するための式である。注目画素172が式(5)または(6)を満たすことにより、赤目領域に対応する領域として妥当でないと判別できる。ただし、式(5)によって判別されるのは肌の部分には限定されず、また、式(6)によって判別されるのは白目の部分に限定されない。たとえば、白っぽい肌の場合には、式(6)によって肌の部分が判別されることもある。なお、条件(7)は、各種の実験やシミュレーションによって算出したものである。また、各色成分の色情報の値が8ビット、0〜255の値であることを前提とした値である。条件(7)以外の値であっても、肌あるいは白目であるか否かを的確に判定できる値であればよい。
【0041】
式(5)、(6)により注目画素172が赤目領域に対応する領域として妥当でないと評価された場合、注目画素172に対して領域変更の処理を次の方法によって行う。画像全体における注目画素172の位置を、横軸をi、縦軸をjとして(i,j)と表したとき、注目画素172が式(8)または(9)を満たすか否かを判定する。ここで、式(8)および(9)における関数f(x,y)は、式(10)によって表される。注目画素172が式(8)および(9)を満たさない場合は、注目画素172を画素群170から除外する。注目画素172が式(8)または(9)を満たす場合は、注目画素172を画素群170から除外しない。
f(i+1,j)=1 かつ f(i−1,j)=1 (8)
f(i,j+1)=1 かつ f(i,j−1)=1 (9)
f(x,y)=1(赤目領域に対応する領域内であるとき)
=0(赤目領域に対応する領域外であるとき)(10)
【0042】
式(10)で表される関数f(x,y)は、画素の座標位置によって決まる関数である。関数f(x,y)は、座標(x,y)で表される画素が赤目領域に対応する領域にあるかどうかによって、1または0のどちらかの値をとる。例として、図9(a)の画素のいずれかを、画像全体における横軸の座標をx1、縦軸の座標をy1として、座標(x1,y1)で表すとする。この画素が、画素群170、すなわち図2(a)のステップS3において特定された赤目領域に対応する領域にある場合、f(x1,y1)=1となる。逆に、この画素が画素群170にない場合は、f(x1,y1)=0となる。
【0043】
すなわち、式(8)は、注目画素172の左右隣に位置する画素の両方が画素群170にあるか否かを判別するものであり、式(9)は、注目画素172の上下隣に位置する画素の両方が画素群170にあるか否かを判別するものである。式(8)および(9)により、図8の領域163の一部が、領域変更の処理によってえぐれて凹形状にならないようにする。これは、領域163は赤目領域160を含んだ黒目161上にあれば補正する必要はなく、X方向、Y方向の両方で比較すれば無用に領域を変更されるのを防ぐことができ、凹形状になることはないからである。これにより、赤目補正処理をするべき画素まで誤って領域から除外してしまうのを防ぐことができる。
【0044】
以上説明した処理内容により、注目画素172は、次のように処理される。ここで、画素群170は、図8の肌の部分の領域165に含まれるものとする。このとき、注目画素172は肌を表す画素であり、式(5)(または(6))を満たす。よって、注目画素172は、赤目領域に対応する領域として妥当でないと評価される。次に、注目画素172の上下左右の画素178〜181のうち、画素178および画素181は、図9(a)に示すように、画素群170に含まれない。そのため、注目画素172は、式(8)および(9)を満たさない。よって、注目画素172は、領域変更の処理により画素群170から除外される。
【0045】
画素171および173〜177に対しても、画素172と同様の処理が行われる。これらの画素のうち、画素171、174、175および177は、左右隣に位置する画素の両方、または上下隣に位置する画素の両方のいずれかが画素群170に含まれることはなく、式(8)および(9)を満たさない。したがって、画素171、174、175および177も、画素172と同様に、画素群170から除外される。その結果、図9(b)に示すように、画素群170、すなわち図8の領域165が変更される。
【0046】
次に、図9(b)においても、上記に説明した図9(a)と同様の処理を繰り返す。このときには、画素179、180、173、182、176および184が、新たな注目画素(領域の境界部分にあたる画素)として処理の対象となる。このようにして、式(5)または(6)を満たす画素のうち、領域変更の処理によって新たに注目画素となる画素に対して、順次処理を行う。注目画素の全てが式(8)または(9)を満たすと判定され、最終的に画素群170から除外される画素がなくなるまで、この領域変更の処理を繰り返す。
【0047】
以上説明した領域の妥当性の評価および領域変更の処理により、図8の領域163が変化していく様子を、図10(a)に示す。領域163のうち、肌の部分にはみ出した領域165と、白目部分にはみ出した領域166とは、処理を繰り返すことにより、矢印201に示す方向に境界が変更されていく。そして、最終的には図10(b)に示すように、領域165および166は消失し、領域163に代わる新たな赤目領域に対応する領域202が特定される。
【0048】
以上説明したようにして図2(a)のステップS4が終わると、ステップS4で最終的に特定された領域を、ステップS5において最終的な補正領域として特定する。次のステップS6では、ステップS5において特定された領域の色を変更(補正)する。色の補正は、例えば、黒やグレイ(灰色)などの一色の色で塗りつぶすなど各種の方法が考えられる。しかし、一色の色で塗りつぶすと、キャッチライトまで塗りつぶすことになってしまい、非常に不自然な補正となってしまう。そこで、本実施の形態では、キャッチライトを残したままの自然な補正とするために、補正領域の輝度の濃淡情報を残したままの補正を考える。領域内の各画素において、RGBそれぞれの色成分の色情報を最小値Min(R,G,B)で統一する。あるいは、各画素において、RGBそれぞれの色成分の色情報を、輝度情報Y=(R+G+B)/3に統一する方法にしてもよい。これらの場合、各画素において複数の色成分の色情報の最小値あるいはそれよりも大きな値で統一することになる。また、画像が明るすぎる場合は、最小値Min(R,G,B)や輝度情報Y=(R+G+B)/3に所定の比率(例えば1/2)を掛けた値で統一してもよい。すなわち、各画素において複数の色成分の元の色情報に基づいた値で統一する。これにより、補正領域の輝度の濃淡情報を残したまま、赤色をなくすことができる。すなわち、キャッチライトを残しながら、赤色や金色を無彩色に変更することができる。
【0049】
なお、以上の手順で赤目補正を行うが、楕円で近似する場合、どうしても赤目領域の一部が補正できない場合が生じる。上記に説明したように、ステップS31〜S33を複数回繰り返しても赤目領域が残る場合が生じる。そのような場合には、赤目補正処理後の画像データを使用して、再度図2(a)の処理を行うようにすればよい。例えば、図7(b)の領域153の赤目領域がどうしても残る場合、補正後の画像データを使用して再度赤目補正処理を行う。その場合、領域153が赤目領域とされ、領域153と楕円152のエッジが検出されるようになるので、確実に領域153の赤目が補正されるようになる。このとき、図2(a)のステップS4における、領域の妥当性の評価および領域変更の処理については、補正前の原画像を用いて行うようにする。
【0050】
以上説明したような本実施の形態の赤目補正処理方法を実施すると、次のような効果を奏する。
(1)補正すべき赤目領域などの色不良領域を、自然な色状態へ、容易に、短時間で、確実に補正することができる。
(2)一度特定された領域を変更するようにしているので、様々な色不良補正方法に適用することができる。
(3)特定された領域が肌や白目であることを判定し、赤目領域に対応する領域として妥当であるかどうか評価することとしているので、肌や白目部分にはみ出した領域を変更して、確実に補正することができる。
(4)赤目領域に対応する領域として妥当でないと評価された画素でも、その左右隣に位置する画素の両方、または上下隣に位置する画素の両方がともに領域内である場合、その画素に対しては領域から除外しないこととしているので、赤目補正処理の対象とするべき画素まで誤って領域から除外してしまうのを防ぐことができる。
【0051】
上記の実施の形態では、パソコン1で赤目補正処理を行う例を説明をしたが、この内容に限定する必要はない。デジタルカメラ上でそのような処理プログラムを搭載し処理するようにしてもよい。また、カメラから直接画像データを取得してプリントするプリンタにおいて、そのような処理プログラムを搭載し処理するようにしてもよい。すなわち、画像データを処理するあらゆる画像処理装置に本発明を適用することができる。
【0052】
上記の実施の形態では、領域の妥当性の評価および領域変更の処理をする対象として、領域163を例にして説明した。この領域163は、ユーザが指定した点に基づき検出された赤目領域のエッジにより、特定された領域である。しかし、対象とする領域を、この内容に限定する必要はない。例えば、ユーザが画像上で領域を指定し、その指定された領域内部全体において赤目による色不良画素を見つけ、これを補正するようなものに適用することもできる。すなわち、赤目を補正する領域として特定された領域であれば、どのような方法によって特定された領域を対象としてもよい。
【0053】
上記の実施の形態では、RGB表色系の例で説明をしたが、この内容に限定する必要はない。その他の表色系の画像データであってもよい。
【0054】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成しているので、補正すべき色不良領域を、自然な色状態へ、容易に、短時間で、確実に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色不良領域補正方法を実施する一実施の形態を示す図である。
【図2】本実施の形態における赤目補正処理のフローチャートを示す図であり、(a)はメインの処理、(b)はサブルーチンの処理を示している。
【図3】赤目が生じている黒目部分を拡大した図である。
【図4】画像データを画素が認識できる程度にまで拡大した図である。
【図5】エッジ探索の様子を説明する図である。
【図6】探索結果の様子を説明する図である。
【図7】楕円図形をあてはめる様子を説明する図である。
【図8】赤目領域に対応する領域として特定された領域が、妥当であるかどうかを評価する方法を説明する図である。
【図9】領域変更の処理によって特定された領域から画素を除外する様子を説明する図であり、(a)は除外する前の様子、(b)は除外した後の様子を示している。
【図10】赤目領域に対応する領域を変更していく様子を説明する図であり、(a)は変更前の様子、(b)は変更後の様子を示している。
【符号の説明】
1 パーソナルコンピュータ
2 制御装置
3 モニタ
4 キーボード
5 マウス
6 CD−ROM駆動装置
7 記録媒体
8 デジタルカメラ
9 インターネット
10 コンピュータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理において、色不良領域を補正する色不良領域補正方法、色不良領域補正処理プログラム、および、色不良領域補正処理プログラムの実行が可能な画像処理装置に関する。特に、フラッシュ撮影時の赤目現象による色不良を改善する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
フラッシュ撮影をしたとき、人の目が赤くなったり金色になったりするいわゆる赤目現象が知られている。この赤目を修正する装置が、特開平7−13274号公報に開示されている。この赤目修正装置では、色不良となった瞳を含むなるべく小さな矩形領域をユーザーが指定する。そして、指定された領域内部全体において、色度の平均値等のパラメータから、赤目の場合、金目の場合、それぞれについてしきい値処理を行うことにより色不良画素を見つけて補正するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−13274号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、瞳の色不良を単純に赤目といっても、撮影環境や照明条件などの影響によって、普通の赤色をした赤目、明るい赤色をした金目と呼ばれるもの、またはグラデーションを持った赤目など、様々な種類のものが存在する。よって、完全な赤目領域の色修正を考えると被写体によっては赤目周辺の瞼付近にはみ出して補正してしまうことがある。
【0005】
本発明は、様々な撮影条件下において撮影された様々な画像において、色不良領域をより容易にかつ確実に補正する色不良領域補正方法、色不良領域補正処理プログラム、および、色不良領域補正処理プログラムの実行が可能な画像処理装置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、複数の画素で構成された画像内で特定された領域の色不良を補正する色不良領域補正方法において適用され、特定された領域の色情報に基づき、特定された領域が色不良を補正するのに妥当であるか否かを評価し、妥当でないと評価された場合、特定された領域を変更し、変更された領域の色不良を補正するものである。
請求項2の発明は、複数の画素で構成された画像内で特定された領域の赤目現象を補正する色不良領域補正方法において適用され、特定された領域の色情報に基づき、特定された領域が赤目現象を補正するのに妥当であるか否かを評価し、妥当でないと評価された場合、特定された領域を変更し、変更された領域の赤目現象を補正するものである。
請求項3の発明は、請求項2記載の色不良領域補正方法において、特定された領域を構成する複数の画素が実質的に肌または白目を表すか否かを判定し、特定された領域を構成する複数の画素のうち少なくとも一部の画素群が実質的に肌または白目を表すと判定された場合、特定された領域が妥当でないと評価して、実質的に肌または白目を表すと判定された画素群のうち少なくとも一部の画素を特定された領域より除外することにより、特定された領域を変更するものである。請求項4の発明は、請求項3記載の色不良領域補正方法において、画素群のうち少なくとも一部の画素を特定された領域より除外するとき、画素群のうち特定された領域の境界部分の画素を含む注目画素について、その注目画素の左右隣に位置する画素の両方または上下隣に位置する画素の両方が特定された領域に含まれるか否かを判定し、注目画素の左右隣に位置する画素の両方または上下隣に位置する画素の両方が特定された領域に含まれると判定された場合は、その注目画素を特定された領域より除外しないものである。
請求項5の発明は、請求項3記載の色不良領域補正方法において、画素群のうち少なくとも一部の画素を特定された領域より除外する処理は、画素群のうち特定された領域の境界部分の画素を含む注目画素について順次行うこととし、注目画素について、その注目画素の左右隣に位置する画素の両方または上下隣に位置する画素の両方が特定された領域に含まれるか否かを判定し、注目画素の左右隣に位置する画素の両方または上下隣に位置する画素の両方が特定された領域に含まれると判定された場合は、その注目画素を特定された領域より除外しないこととし、除外しないこととされた注目画素以外の注目画素を特定された領域より除外し、注目画素を除外することにより変更された特定された領域の境界部分の画素を新たな注目画素とし、特定された領域より除外される注目画素がなくなるまで、画素群のうち少なくとも一部の画素を特定された領域より除外する処理を繰り返し行うものである。
請求項6の発明は、色不良領域補正処理プログラムに適用され、請求項1〜5いずれか1項に記載の色不良領域補正方法をコンピュータに実行させるものである。
請求項7の発明は、コンピュータ読みとり可能な記録媒体に適用され、請求項6の色不良領域補正処理プログラムを記録したものである。
請求項8の発明は、画像処理装置に適用され、請求項6の色不良領域補正処理プログラムを搭載し、その色不良領域補正処理プログラムを実行するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の色不良領域補正方法を実施する一実施の形態を示す図である。符号1は、一般に市販されているパーソナルコンピュータ(以下パソコンと言う)である。パソコン1は、CPU、メモリ、ハードディスク、I/Oポート、各種のインターフェース等からなる制御装置2と、各種画像や情報を表示するモニタ3と、キーボード4と、マウス5と、CD−ROM駆動装置6とからなる。CD−ROM駆動装置6は、CD−ROMやDVDなどの記録媒体7が搭載され、各種のデジタルデータを読み込むことができる。制御装置2は、USB等のインターフェースを介してデジタルカメラ(電子カメラ)8と接続可能である。また、モデムやLANボード等を介してインターネット9とも接続可能である。
【0008】
本実施の形態のパソコン1は、記録媒体7、デジタルカメラ8、あるいはインターネット9を介した他のコンピュータ10等から、デジタルカメラ等で撮像して得られた画像データを取得することができる。パソコン1は、画像処理プログラムを実行することが可能であり、取得した画像データに各種の画像処理を加えることが可能である。本実施の形態では、画像処理の1つとして赤目現象を補正する処理を行うことができる。
【0009】
画像処理プログラムは、制御装置2内部のハードディスクに格納され、制御装置2のメモリに読みこまれて、制御装置2により実行される。画像処理プログラムは、記録媒体7等に格納されて、あるいは、インターネット9などの電気通信回線を通じてデータ信号としてパソコン1に提供される。提供された画像処理プログラムは、制御装置2内部のハードディスクに格納される。インターネット9を通じて画像処理プログラムが提供される場合、インターネット9を介して接続されるサーバコンピュータから提供される。図1において、例えば、コンピュータ10がサーバコンピュータとなり得る。サーバコンピュータ10は、内部のハードディスク等の記録媒体に提供すべき画像処理プログラムを格納している。
【0010】
以下、本実施の形態における赤目現象の補正処理について説明する。赤目現象とは、カメラ等を使用して人物をフラッシュ撮影したとき、撮影された人物の目がウサギの目のように赤く写る現象をいう。目が赤くなるのは、目の網膜の毛細血管が写るためであり、正確には目の瞳孔部分が赤くなる。撮影条件によっては金色になる場合もあり、このような金目も、まとめて赤目現象と言う。すなわち、赤目現象とは、フラッシュ撮影などにより人物の目が違和感のある色になっている場合を言い、言いかえれば瞳孔あたりの領域で色不良が生じている場合を言う。また、動物の目においても赤目現象が生じる場合もある。
【0011】
図2(a)は、本実施の形態における赤目補正処理のフローチャートを示す図である。赤目補正処理は、パソコン1で実行される画像処理プログラムの一部である。前述したように、赤目領域は色不良領域であり、赤目補正処理は色不良領域補正処理と言える。通常、画像処理プログラムは、画像データを取得し、取得した画像データを使用して画像をモニタに表示した後、ユーザが各種の画像処理コマンドを選択する。そのコマンドの1つとして赤目補正が選択されると、赤目補正処理に入る。しかし、ここでは画像データの取得から赤目補正処理として説明する。
【0012】
ステップS1において、赤目を補正すべき画像の画像データを取得する。画像データは、記録媒体7、デジタルカメラ8、あるいはインターネット9を介した他のコンピュータ10等から取得し、制御装置2内部のハードディスクに格納されている。そこから、制御装置2内部のメモリに読みこまれる。ステップS2において、制御装置2はメモリに読みこんだ画像データをモニタ3に表示する。ここでは、フラッシュ撮影された人物像が表示される。その人物像は赤目現象が生じている。ステップS3では、図2(b)に示すサブルーチンを実行し、モニタ3に表示された表示画像中に、補正すべき赤目領域を抽出する。
【0013】
以下に、図2(b)に示すサブルーチンの処理を説明する。ステップS31では、モニタ3に表示された表示画像上で、ユーザがマウス5等を使用して赤目領域の内部の点を指定するのを待つ。
【0014】
図3および図4を使用して赤目領域内部の点を指定する様子を説明する。図3は、赤目が生じている黒目部分を拡大した図である。符号101は黒目部分である。黒目部分とは白目以外の部分で、虹彩および瞳孔部分である。人の目は、明るさに応じて虹彩が調整され、瞳孔の大きさが調整される。この瞳孔部分に赤目現象が生じる。瞳孔は円形をしているが、赤目領域は必ずしも円形を呈するものではない。目の撮影角度やフラッシュライトの反射の具合により必ずしも円形にはならない。図3において、符号102で示される領域が、赤目現象が生じている領域である。
【0015】
ユーザは、図3のような黒目部分が表示された画像上で、マウス5等のポインティングデバイスで赤目領域102の内部の任意の点を指定する。図3では、点103が指定されたとする。
【0016】
図4は、画像データを画素が認識できる程度にまで拡大した図である。画像データは、格子状に配列された複数の画素から構成される。データ自体が格子状に並んでいるものではないが、撮像素子を構成する画素、あるいは、画像を表示する場合の表示画素が格子状に配列されている。画像データの各画素は、表色系で規定される色成分の色情報を有する。例えば、RGB表色系の場合、各画素は、R(赤)成分の色情報と、G(緑)成分の色情報と、B(青)成分の色情報を有する。
【0017】
デジタルカメラ等で撮影する場合、例えば単板式RGBベイア配列の撮像素子で撮像された画像データは、各画素には1つの色成分の色情報しか有しない。このようにして得られた画像データに、各種の補間処理を施すことにより、各画素にRGBの色成分の色情報を有するようになる。本実施の形態で処理する画像データでは、各画素はすでにRGBの色成分の色情報を有している。すなわち、表色系で規定される複数の色成分の色情報を有している。また、ここでいう色情報とは、各色のフィルターを通して照射された光に対応して撮像素子の各画素で蓄積された電荷に対応した値である。本実施の形態では、色情報の値を8ビットのデータとして表す。具体的には、0〜255の値で表すものとする。
【0018】
ステップS31では、ユーザがマウス5で赤目領域102の内部の点103を指定すると、制御装置2は、点103に対応する画素111のRGBの各色成分の色情報の値をそれぞれR0、G0、B0としたときに、これらが式(1)または(1)’を満たすか否かを判定する。式(1)または(1)’を満たす場合、ユーザにより指定された点は赤目領域内部の点であると判断して、画素111を指定する。ここで、式(1)は赤目領域であることを表し、式(1)’はキャッチライトであることを表す。キャッチライトは赤目領域に含まれるが、式(1)では表すことができないため、式(1)’が用いられる。さらに、本実施の形態では、画素111の周辺(近傍)の画素112〜115も指定する。式(1)または(1)’を満たさない場合、ユーザにより指定された点は赤目領域内部の点ではないと判断して、再度ユーザにより点を指定されるのを待つ。
R0≧(G0+B0) (1)
R0>200 かつ G0>200 かつ B0>200 (1)’
【0019】
ステップS32では、ステップS31で指定された点を起点に、赤目領域102のエッジ、すなわち赤目領域102の境界を探索する。図3を参照してさらに説明する。指定された点に対応する画素111を起点に符号104で示される8つの方向にエッジを探索する。水平方向、垂直方向、45度方向、135度方向の、それぞれにおいて相反する2方向の計8方向である。図4で指定された周辺の他の画素112〜115についても、同様に、それぞれの画素を起点に8方向にエッジを探索する。
【0020】
図4で指定された5つの画素を起点とする8方向は、それぞれ重複しない方向である。すなわち、8×5=40方向が重複しないように、かつ、1画素ずつずれて設定されるように、画素111および周辺の画素112〜115が選択されている。画素111のみを起点に8方向について探索するだけでもよいが、上記のように40方向について探索することにより、より精度よくエッジを探索することができる。
【0021】
図5は、エッジ探索の様子を説明する図である。エッジ探索は、探索方向121に並ぶ隣り合った画素群の色情報の値の比較により行う。図5(a)は、画素群が1画素の場合を示す。図5(b)は、画素群が3画素の場合を示す。
【0022】
図5(a)において、注目画素122とその隣接画素123との間で、色情報の比較を行う。注目画素122のRGBの各色成分の色情報の値をそれぞれR、G、Bとし、隣接画素123のRGBの各色成分の色情報の値をそれぞれR’、G’、B’とする。注目画素122と隣接画素123が、式(2)または式(3)を満たすか否かを判断し、探索方向121に画素を順次ずらして判断を繰り返す。そして、注目画素122と隣接画素123が、式(2)または式(3)を満たしたとき、注目画素122をエッジ(境界)画素とする。式(2)(3)のt、lは条件(4)によるものとする。
R/(R+G+B)−R’/(R’+G’+B’)≧t (2)
(R+G+B)/3−(R’+G’+B’)/3≧l (3)
0.1≦t≦0.12、l≒30 (4)
【0023】
式(2)は赤目領域102(図3)のエッジを見つけるための式である。基本的には、赤目領域102のエッジは、黒目部分101の内部にある。しかし、場合によってはエッジを見つけることができずに白目部分へと探索が広がることもある。式(3)は、輝度変化の大きい白目部分と黒目部分の境界をエッジとして抽出するものである。この式により、黒目部分101を超えてエッジを見つけるという誤探索を防止することができる。なお、条件(4)は、各種の実験やシミュレーションによって算出したものである。また、各色成分の色情報の値が8ビット、0〜255の値であることを前提とした値である。条件(4)以外の値であっても、赤目領域102のエッジ、および、黒目部分101のエッジを的確に見つけることができる値であればよい。
【0024】
図5(a)のように、1画素の比較でも赤目領域102のエッジを見つけることが可能である。しかし、エッジがある程度鮮明である必要がある。図5(b)の3画素群比較は、エッジが少々不鮮明であってもエッジを検出することが可能である。注目画素を符号124とし、注目画素124を含む注目画素群125と、注目画素124に隣接する隣接画素群126との間で、色情報の比較を行う。図5(b)の例では、注目画素群125と隣接画素群126は隣接するが、構成画素は重複しない。しかし、注目画素群と隣接画素群の画素を、重複するように設定してもよい。3画素群の場合、1画素あるいは2画素重複させるようにしてもよい。
【0025】
各画素群において各色成分の色情報の3つの画素の平均を計算する。注目画素群125のRGBの各色成分の色情報の平均値をそれぞれR、G、Bとし、隣接画素群126のRGBの各色成分の色情報の平均値をそれぞれR’、G’、B’とする。注目画素群125と隣接画素群126が、前述した式(2)または式(3)を満たすか否かを判断し、探索方向121に画素を順次ずらして判断を繰り返す。そして、注目画素群125と隣接画素群126が、式(2)または式(3)を満たしたとき、注目画素群125の注目画素124をエッジ(境界)画素とする。
【0026】
なお、各種実験の結果、3画素の画素群で比較を行うのが最も効果的であった。ただし、2画素や4画素や5画素等の3画素以外の複数の画素でもよい。
【0027】
図5は、探索方向が水平方向の例を示すものである。垂直方向においても同様である。探索方向が、45度方向や135度方向の場合は、その斜め方向に並ぶ画素を選択する。例えば、45度方向であれば、注目画素とその右斜め上の画素との比較を行う。画素群の場合は、注目画素とその斜め左下の画素、さらにその斜め左下の画素を注目画素群とし、注目画素の斜め右上の画素と、さらにその斜め右上の画素と、さらにまたその斜め右上の画素を隣接画素群とする。
【0028】
式(2)で赤目領域102のエッジが検出できなかった場合に備えて、式(3)で黒目部分101を検出するようにした。しかし、黒目部分101も検出できない場合も生じる。そのような場合、何ら制限を設けなければ画像の端部まで探索することになる。これを、防止するために、起点から所定数の画素範囲を探索することにする。目の大きさ等を考慮して例えば40画素までとする。この値は、適宜変更してもよい。このようにすることにより、無駄な探索を防止することができる。
【0029】
以上の探索により、赤目領域102のエッジを適切に検出できた場合、黒目部分101のエッジしか検出できなかった場合、さらにいずれも検出できなかった場合が生じる。図6は、その様子を説明する図である。ただし、説明の便宜上8方向しか記載していない。水平方向131、135度方向134、45度方向136、垂直方向137では、赤目領域102のエッジ139、140、142、143が検出できた。水平方向135では、黒目部分101のエッジ141が検出できた。45度方向132、垂直方向133、135度方向138では、いずれのエッジも検出できなかった。
【0030】
このようにいずれのエッジも検出できない場合が生じるが、本実施の形態では、所定の数以上のエッジが検出できた場合、探索が成功したとする。所定の数とは探索方向数のn倍とする。nは1/2程度あるいはそれ以上の値が適当である。例えば、n=1/2とすると、探索方向の半分以上においてエッジが検出できれば探索が成功したとする。8方向の場合は4個以上であり、40方向の場合は20個以上である。
【0031】
ステップS32においてエッジ画素(境界点)が検出されると、すなわち、エッジが抽出できると、ステップS33において、検出されたエッジ情報に基づき赤目領域102に対応する領域を特定する。領域の特定とは、検出されたエッジ情報に基づく楕円や多角形などの幾何学的図形を当てはめることにより行う。図形を当てはめることにより、検出できなかったエッジの箇所を補うことができ、一つの閉じた領域として指定することができる。図形を当てはめるとは、数学的には、検出されたエッジ情報に基づく楕円や多角形などの幾何学的図形の領域指定関数を求めることである。
【0032】
本実施の形態では、当てはめる図形を楕円とする。図7は、その様子を説明する図である。図6で説明したように、エッジ画素(境界点)139〜143の5つが検出できたとする。この5つのエッジ画素139〜143をすべて含む最小の長方形151を求める(図7(a))。次に、求められた長方形151に内接する楕円152を求める(図7(b))。このようにして求めた楕円152を、赤目領域102に対応する領域として当てはめ、赤目領域102に対応する領域を特定する。すなわち、エッジ画素139〜143をすべて含む最小の長方形151に内接する楕円152の領域指定関数を求める。ここで、長方形151と、それに内接する楕円152を求めることは、すなわち楕円152の中心の位置と、長軸および短軸の長さとを求めることと同義である。
【0033】
なお、上記のように楕円152で赤目領域102を近似すると、図7(b)における領域153のように、本来赤目領域102の一部であるにもかかわらず、特定された領域152に含まれない場合が生じる。このような現象を極力防止するために、図2(b)のステップS31〜S33を複数回繰り返すようにする。すなわち、ユーザは赤目領域102の内部の点を少しずらしながら複数指定する。複数の指定により、複数の形状の異なる楕円が特定される。この、形状が異なる複数の楕円の論理和を取った領域を特定する。このようにすることにより、より一層実際の赤目領域102に近似した領域を特定することができる。なお、ステップS31で、ユーザが複数の点を一度に指定するようにしてもよい。
【0034】
なお、当てはめる図形を楕円としたのは、瞳孔が円形であること、また実際に生じている赤目領域の形状や、各種の実験結果等を考慮して判断したものである。ただし、楕円以外の形状、例えば円形にしてもよい。また、単に検出したエッジを直線で結んだ多角形や、最小2乗法によって検出したエッジすべてに近い境界線で規定される図形で当てはめてもよい。
【0035】
以上説明したようにして、図2(a)のステップS3において、図2(b)に示すサブルーチンの処理が終わる。次に、図2(a)のステップS4においては、ステップS3で特定した赤目領域に対応する領域が、妥当であるかどうかを評価する。妥当でなければ、この領域を変更する処理を行う。
【0036】
以下に、ステップS3で特定した赤目領域に対応する領域が、妥当であるかどうかを評価する方法を、図8を用いて説明する。図8は、赤目現象が生じている目の部分の画像例を示している。符号160に示す領域は、黒目161の内部に存在する赤目領域である。なお、符号162に示す部分は、白目を表す。ステップS3において、赤目領域160に対し、符号163で示す楕円型の領域が特定されたとする。
【0037】
特定された楕円型の領域163は、次の3つの領域に分割することができる。1つ目の領域は、黒目161上にある、符号164に示す領域である。2つ目の領域は、黒目161および白目162のどちらからもはみ出している領域、すなわち肌(瞼)の部分に当たる、符号165に示す領域である。3つ目の領域は、白目162にはみ出している、符号166に示す領域である。これらの領域のうち、2つ目の領域165、および3つ目の領域166は、黒目の部分ではない。そのため、領域165および166に対して、後述するステップS6における赤目を黒目に補正するための色修正を行うと、本来の肌または白目の色とは異なる色となり、不自然な結果となる。したがって、赤目領域に対応する領域として領域165および166は妥当でないと評価する。一方、1つ目の領域164は、黒目の部分であり、後述するステップS6における赤目を黒目に補正するための色修正を行うことによって、赤目領域160が黒目に補正される。したがって、赤目領域に対応する領域として領域164は妥当であると評価する。
【0038】
図9(a)は、図8の領域163を含む一部分を、画像を構成する各画素が確認できる程度にまで拡大した図である。図9(a)の網掛け部に示す画素群170は、図8の領域163の一部である。画素群170のうち符号171〜177に示す画素のそれぞれに対して、上記に説明した領域の妥当性の評価を、次に説明する方法によって行う。ここで、画素171〜177は、図8の領域163の境界部分(周囲の部分)に当たる画素である。
【0039】
例として、画素172に注目して説明する。注目画素172のRGBの各色成分の色情報の値をそれぞれR1、G1、B1とし、注目画素172が式(5)または(6)を満たすか否かを判定する。式(5)および(6)におけるα、r、g、bの値は、条件(7)によるものとする。注目画素172が式(5)または(6)を満たす場合は、赤目領域に対応する領域として注目画素172は妥当でないとし、注目画素172を次に説明する領域変更の処理の対象とする。注目画素172が式(5)および(6)を満たさない場合は、赤目領域に対応する領域として注目画素172は妥当であるとし、注目画素172を領域変更の処理の対象とはしない。
α(G1+B1)≧R1 (5)
R1>r かつ G1>g かつ B1>b (6)
α≒1.05 、70≦r,g,b≦100 (7)
【0040】
式(5)は、注目画素172が肌の部分(図8の領域165)を表すか否かを判定するための式である。式(6)は、注目画素172が白目の部分(図8の領域166)を表すか否かを判定するための式である。注目画素172が式(5)または(6)を満たすことにより、赤目領域に対応する領域として妥当でないと判別できる。ただし、式(5)によって判別されるのは肌の部分には限定されず、また、式(6)によって判別されるのは白目の部分に限定されない。たとえば、白っぽい肌の場合には、式(6)によって肌の部分が判別されることもある。なお、条件(7)は、各種の実験やシミュレーションによって算出したものである。また、各色成分の色情報の値が8ビット、0〜255の値であることを前提とした値である。条件(7)以外の値であっても、肌あるいは白目であるか否かを的確に判定できる値であればよい。
【0041】
式(5)、(6)により注目画素172が赤目領域に対応する領域として妥当でないと評価された場合、注目画素172に対して領域変更の処理を次の方法によって行う。画像全体における注目画素172の位置を、横軸をi、縦軸をjとして(i,j)と表したとき、注目画素172が式(8)または(9)を満たすか否かを判定する。ここで、式(8)および(9)における関数f(x,y)は、式(10)によって表される。注目画素172が式(8)および(9)を満たさない場合は、注目画素172を画素群170から除外する。注目画素172が式(8)または(9)を満たす場合は、注目画素172を画素群170から除外しない。
f(i+1,j)=1 かつ f(i−1,j)=1 (8)
f(i,j+1)=1 かつ f(i,j−1)=1 (9)
f(x,y)=1(赤目領域に対応する領域内であるとき)
=0(赤目領域に対応する領域外であるとき)(10)
【0042】
式(10)で表される関数f(x,y)は、画素の座標位置によって決まる関数である。関数f(x,y)は、座標(x,y)で表される画素が赤目領域に対応する領域にあるかどうかによって、1または0のどちらかの値をとる。例として、図9(a)の画素のいずれかを、画像全体における横軸の座標をx1、縦軸の座標をy1として、座標(x1,y1)で表すとする。この画素が、画素群170、すなわち図2(a)のステップS3において特定された赤目領域に対応する領域にある場合、f(x1,y1)=1となる。逆に、この画素が画素群170にない場合は、f(x1,y1)=0となる。
【0043】
すなわち、式(8)は、注目画素172の左右隣に位置する画素の両方が画素群170にあるか否かを判別するものであり、式(9)は、注目画素172の上下隣に位置する画素の両方が画素群170にあるか否かを判別するものである。式(8)および(9)により、図8の領域163の一部が、領域変更の処理によってえぐれて凹形状にならないようにする。これは、領域163は赤目領域160を含んだ黒目161上にあれば補正する必要はなく、X方向、Y方向の両方で比較すれば無用に領域を変更されるのを防ぐことができ、凹形状になることはないからである。これにより、赤目補正処理をするべき画素まで誤って領域から除外してしまうのを防ぐことができる。
【0044】
以上説明した処理内容により、注目画素172は、次のように処理される。ここで、画素群170は、図8の肌の部分の領域165に含まれるものとする。このとき、注目画素172は肌を表す画素であり、式(5)(または(6))を満たす。よって、注目画素172は、赤目領域に対応する領域として妥当でないと評価される。次に、注目画素172の上下左右の画素178〜181のうち、画素178および画素181は、図9(a)に示すように、画素群170に含まれない。そのため、注目画素172は、式(8)および(9)を満たさない。よって、注目画素172は、領域変更の処理により画素群170から除外される。
【0045】
画素171および173〜177に対しても、画素172と同様の処理が行われる。これらの画素のうち、画素171、174、175および177は、左右隣に位置する画素の両方、または上下隣に位置する画素の両方のいずれかが画素群170に含まれることはなく、式(8)および(9)を満たさない。したがって、画素171、174、175および177も、画素172と同様に、画素群170から除外される。その結果、図9(b)に示すように、画素群170、すなわち図8の領域165が変更される。
【0046】
次に、図9(b)においても、上記に説明した図9(a)と同様の処理を繰り返す。このときには、画素179、180、173、182、176および184が、新たな注目画素(領域の境界部分にあたる画素)として処理の対象となる。このようにして、式(5)または(6)を満たす画素のうち、領域変更の処理によって新たに注目画素となる画素に対して、順次処理を行う。注目画素の全てが式(8)または(9)を満たすと判定され、最終的に画素群170から除外される画素がなくなるまで、この領域変更の処理を繰り返す。
【0047】
以上説明した領域の妥当性の評価および領域変更の処理により、図8の領域163が変化していく様子を、図10(a)に示す。領域163のうち、肌の部分にはみ出した領域165と、白目部分にはみ出した領域166とは、処理を繰り返すことにより、矢印201に示す方向に境界が変更されていく。そして、最終的には図10(b)に示すように、領域165および166は消失し、領域163に代わる新たな赤目領域に対応する領域202が特定される。
【0048】
以上説明したようにして図2(a)のステップS4が終わると、ステップS4で最終的に特定された領域を、ステップS5において最終的な補正領域として特定する。次のステップS6では、ステップS5において特定された領域の色を変更(補正)する。色の補正は、例えば、黒やグレイ(灰色)などの一色の色で塗りつぶすなど各種の方法が考えられる。しかし、一色の色で塗りつぶすと、キャッチライトまで塗りつぶすことになってしまい、非常に不自然な補正となってしまう。そこで、本実施の形態では、キャッチライトを残したままの自然な補正とするために、補正領域の輝度の濃淡情報を残したままの補正を考える。領域内の各画素において、RGBそれぞれの色成分の色情報を最小値Min(R,G,B)で統一する。あるいは、各画素において、RGBそれぞれの色成分の色情報を、輝度情報Y=(R+G+B)/3に統一する方法にしてもよい。これらの場合、各画素において複数の色成分の色情報の最小値あるいはそれよりも大きな値で統一することになる。また、画像が明るすぎる場合は、最小値Min(R,G,B)や輝度情報Y=(R+G+B)/3に所定の比率(例えば1/2)を掛けた値で統一してもよい。すなわち、各画素において複数の色成分の元の色情報に基づいた値で統一する。これにより、補正領域の輝度の濃淡情報を残したまま、赤色をなくすことができる。すなわち、キャッチライトを残しながら、赤色や金色を無彩色に変更することができる。
【0049】
なお、以上の手順で赤目補正を行うが、楕円で近似する場合、どうしても赤目領域の一部が補正できない場合が生じる。上記に説明したように、ステップS31〜S33を複数回繰り返しても赤目領域が残る場合が生じる。そのような場合には、赤目補正処理後の画像データを使用して、再度図2(a)の処理を行うようにすればよい。例えば、図7(b)の領域153の赤目領域がどうしても残る場合、補正後の画像データを使用して再度赤目補正処理を行う。その場合、領域153が赤目領域とされ、領域153と楕円152のエッジが検出されるようになるので、確実に領域153の赤目が補正されるようになる。このとき、図2(a)のステップS4における、領域の妥当性の評価および領域変更の処理については、補正前の原画像を用いて行うようにする。
【0050】
以上説明したような本実施の形態の赤目補正処理方法を実施すると、次のような効果を奏する。
(1)補正すべき赤目領域などの色不良領域を、自然な色状態へ、容易に、短時間で、確実に補正することができる。
(2)一度特定された領域を変更するようにしているので、様々な色不良補正方法に適用することができる。
(3)特定された領域が肌や白目であることを判定し、赤目領域に対応する領域として妥当であるかどうか評価することとしているので、肌や白目部分にはみ出した領域を変更して、確実に補正することができる。
(4)赤目領域に対応する領域として妥当でないと評価された画素でも、その左右隣に位置する画素の両方、または上下隣に位置する画素の両方がともに領域内である場合、その画素に対しては領域から除外しないこととしているので、赤目補正処理の対象とするべき画素まで誤って領域から除外してしまうのを防ぐことができる。
【0051】
上記の実施の形態では、パソコン1で赤目補正処理を行う例を説明をしたが、この内容に限定する必要はない。デジタルカメラ上でそのような処理プログラムを搭載し処理するようにしてもよい。また、カメラから直接画像データを取得してプリントするプリンタにおいて、そのような処理プログラムを搭載し処理するようにしてもよい。すなわち、画像データを処理するあらゆる画像処理装置に本発明を適用することができる。
【0052】
上記の実施の形態では、領域の妥当性の評価および領域変更の処理をする対象として、領域163を例にして説明した。この領域163は、ユーザが指定した点に基づき検出された赤目領域のエッジにより、特定された領域である。しかし、対象とする領域を、この内容に限定する必要はない。例えば、ユーザが画像上で領域を指定し、その指定された領域内部全体において赤目による色不良画素を見つけ、これを補正するようなものに適用することもできる。すなわち、赤目を補正する領域として特定された領域であれば、どのような方法によって特定された領域を対象としてもよい。
【0053】
上記の実施の形態では、RGB表色系の例で説明をしたが、この内容に限定する必要はない。その他の表色系の画像データであってもよい。
【0054】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成しているので、補正すべき色不良領域を、自然な色状態へ、容易に、短時間で、確実に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色不良領域補正方法を実施する一実施の形態を示す図である。
【図2】本実施の形態における赤目補正処理のフローチャートを示す図であり、(a)はメインの処理、(b)はサブルーチンの処理を示している。
【図3】赤目が生じている黒目部分を拡大した図である。
【図4】画像データを画素が認識できる程度にまで拡大した図である。
【図5】エッジ探索の様子を説明する図である。
【図6】探索結果の様子を説明する図である。
【図7】楕円図形をあてはめる様子を説明する図である。
【図8】赤目領域に対応する領域として特定された領域が、妥当であるかどうかを評価する方法を説明する図である。
【図9】領域変更の処理によって特定された領域から画素を除外する様子を説明する図であり、(a)は除外する前の様子、(b)は除外した後の様子を示している。
【図10】赤目領域に対応する領域を変更していく様子を説明する図であり、(a)は変更前の様子、(b)は変更後の様子を示している。
【符号の説明】
1 パーソナルコンピュータ
2 制御装置
3 モニタ
4 キーボード
5 マウス
6 CD−ROM駆動装置
7 記録媒体
8 デジタルカメラ
9 インターネット
10 コンピュータ
Claims (8)
- 複数の画素で構成された画像内で特定された領域の色不良を補正する色不良領域補正方法において、
前記特定された領域の色情報に基づき、前記特定された領域が色不良を補正するのに妥当であるか否かを評価し、
妥当でないと評価された場合、前記特定された領域を変更し、
前記変更された領域の色不良を補正することを特徴とする色不良領域補正方法。 - 複数の画素で構成された画像内で特定された領域の赤目現象を補正する色不良領域補正方法において、
前記特定された領域の色情報に基づき、前記特定された領域が赤目現象を補正するのに妥当であるか否かを評価し、
妥当でないと評価された場合、前記特定された領域を変更し、
前記変更された領域の赤目現象を補正することを特徴とする色不良領域補正方法。 - 請求項2記載の色不良領域補正方法において、
前記特定された領域を構成する複数の画素が実質的に肌または白目を表すか否かを判定し、
前記特定された領域を構成する複数の画素のうち少なくとも一部の画素群が実質的に肌または白目を表すと判定された場合、前記特定された領域が妥当でないと評価して、前記実質的に肌または白目を表すと判定された画素群のうち少なくとも一部の画素を前記特定された領域より除外することにより、前記特定された領域を変更することを特徴とする色不良領域補正方法。 - 請求項3記載の色不良領域補正方法において、
前記画素群のうち少なくとも一部の画素を前記特定された領域より除外するとき、前記画素群のうち前記特定された領域の境界部分の画素を含む注目画素について、その注目画素の左右隣に位置する画素の両方または上下隣に位置する画素の両方が前記特定された領域に含まれるか否かを判定し、
前記注目画素の左右隣に位置する画素の両方または上下隣に位置する画素の両方が前記特定された領域に含まれると判定された場合は、その注目画素を前記特定された領域より除外しないことを特徴とする色不良領域補正方法。 - 請求項3記載の色不良領域補正方法において、
前記画素群のうち少なくとも一部の画素を前記特定された領域より除外する処理は、前記画素群のうち前記特定された領域の境界部分の画素を含む注目画素について順次行うこととし、
前記注目画素について、その注目画素の左右隣に位置する画素の両方または上下隣に位置する画素の両方が前記特定された領域に含まれるか否かを判定し、
前記注目画素の左右隣に位置する画素の両方または上下隣に位置する画素の両方が前記特定された領域に含まれると判定された場合は、その注目画素を前記特定された領域より除外しないこととし、
前記除外しないこととされた注目画素以外の前記注目画素を前記特定された領域より除外し、
前記注目画素を除外することにより変更された前記特定された領域の境界部分の画素を新たな注目画素とし、
前記特定された領域より除外される注目画素がなくなるまで、前記画素群のうち少なくとも一部の画素を前記特定された領域より除外する処理を繰り返し行うことを特徴とする色不良領域補正方法。 - 請求項1〜5いずれか1項に記載の色不良領域補正方法をコンピュータに実行させるための色不良領域補正処理プログラム。
- 請求項6の色不良領域補正処理プログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体。
- 請求項6の色不良領域補正処理プログラムを搭載し、その色不良領域補正処理プログラムを実行する画像処理装置。
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