JP2004207095A - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】簡単な回路構成で安価でありながら力率が良好で入力電流の高調波歪みの少ない放電灯点灯装置を提供する。
【構成】商用交流電源1を整流し、放電灯FLを高周波点灯させる降圧チョッパとチャージポンプを併用した部分平滑方式の放電灯点灯装置10であり、部分平滑電源4の電解コンデンサC7、C8に充電された電圧より、低い商用交流電源電圧になった時は、コンデンサC3、C4の力を借りて、商用交流電源1を利用することができて、商用交流電源1からの入力電流が急に途切れること無く、正弦波に近い入力電流が利用できる回路構成であり、力率が高く、高調波歪みが小さく、且つ簡単な回路構成で低コストである。
【選択図】 図1
【構成】商用交流電源1を整流し、放電灯FLを高周波点灯させる降圧チョッパとチャージポンプを併用した部分平滑方式の放電灯点灯装置10であり、部分平滑電源4の電解コンデンサC7、C8に充電された電圧より、低い商用交流電源電圧になった時は、コンデンサC3、C4の力を借りて、商用交流電源1を利用することができて、商用交流電源1からの入力電流が急に途切れること無く、正弦波に近い入力電流が利用できる回路構成であり、力率が高く、高調波歪みが小さく、且つ簡単な回路構成で低コストである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は入力電流の高調波歪みを改善した電源回路を備える放電灯点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、商用交流電源を使用する放電灯点灯装置などの機器の電源の高調波歪みに関する問題がクローズアップされている。
【0003】
日本においても、IEC規格(IEC61000-3-2)準拠の「家電・汎用品高調波抑制対策ガイドライン」(非特許文献1)が平成12年12月に出され、現在のところ行政指導による自主規制ではあるが、下記[表1]のようなクラス別(クラスA〜クラスD)の規格を設けている。
【0004】
【表1】
【0005】
照明機器としての蛍光灯等の放電灯点灯装置では最も厳しいクラスCが適用になる。
【0006】
また、放電灯点灯装置を冷蔵ショーケース等の業務用機器に使用する場合の適用規格は、現在のところ、照明機器としてではなくその他の機器として主に規格の緩いクラスAを満足すれば良いことになっているが、機器によっては照明機器の分類になることもあり、クラスCの要求を満たすことが要請されてきている。
【0007】
海外では、今後、照明機器ではないものでも放電灯点灯装置が内蔵されていればクラスCが適用されてしまう場合も有り得る。
【0008】
而して、放電灯点灯装置において、高い力率を維持しつつ高調波歪みを低減する電源回路の開発が鋭意為されている。
【0009】
商用交流電源を整流して放電灯を高周波点灯させる方式の従来の放電灯点灯装置のスイッチング電源回路については、例えば、社団法人照明学会が1999年5月に発行した照明用電子安定器における入力電流高調波問題研究調査委員会著の研究調査報告書「照明用電子安定器における入力電流高調波問題の研究」(JIER−063)に現況がまとめられている(非特許文献2)。
【0010】
上記研究報告書の55頁以下に従来の広義のアクティブフィルタ方式の放電灯点灯装置の基本回路例が多数記載されている。
【0011】
先ず、図8の(a)は独立型チョッパ方式の簡略化した回路図である。図8の(b)にそのチョッパ部のスイッチング波形を示す(詳細は非特許文献2の55−56頁参照。)。この回路方式は高調波抑制特性には優れるものの、回路が複雑、高価で、電源投入時の突入電流は防止できない。また、出力するまでの間に2段のスイッチング回路を通過するため、電力効率が低下する(昇圧チョッパ方式は原理的に突入電流抑制機能は無い。)。
【0012】
図9はスイッチング素子兼用型昇圧チョッパ方式の回路図である(詳細は非特許文献2の55−56頁参照。)。
【0013】
図10は高周波電圧源型チャージポンプ方式の回路図である(詳細は非特許文献2の58−61頁参照。)。
【0014】
図11は高周波電流源型チャージポンプ方式の回路図である(詳細は非特許文献2の61−62頁参照。)。
【0015】
図12は昇圧チョッパ、チャージポンプ併用方式の回路図である(詳細は非特許文献2の64−65頁参照。)。
【0016】
図13は降圧チョッパ、チャージポンプ併用方式の回路図である(詳細は非特許文献2の65頁参照。)。
【0017】
次に、本願出願人が先に創出した下記[特許文献1]に記載されている部分平滑電源方式の放電灯点灯装置は図14の放電灯点灯装置50のような構成であり、アクティブフィルタ回路のスイッチング電源としてインバータ回路の高周波出力を一部戻してインダクタを介して2個のコンデンサC3、C4に充電させることでアクティブフィルタ回路の正負2個のスイッチング電源とする点に特徴を有する。
【0018】
また、上記回路の簡略化した回路として図15に示される放電灯点灯装置60のような構成がある。この回路は図14の回路構成におけるインダクタL1、L2を1つのインダクタLiで共用させ、フライホイールダイオードD7、D8を省略している。そして、コンデンサC8への充電はスイッチング素子Q2、インダクタLi、ダイオードD7の経路を通って行われ、Il1のフライホイールダイオードとしてはQ1の内部ダイオードを利用している。また、コンデンサC7への充電は同様にQ1、Li、D6の経路をIl2が流れることにより行われる。前記同様Il2のフライホイールダイオードとしてはQ2の内部ダイオードを利用している。
【0019】
上記部分平滑方式の放電灯点灯装置(図14、図15)は2個のスイッチング素子Q1、Q2が均等に作用して部分平滑する。
【0020】
図15の部分平滑電源の主要部分の波形を図16の模式図を使用して簡単に説明する。
【0021】
図16の(1)の電圧波形は(非平滑電源電圧)+(部分平滑電源)の波形である。波形aは商用交流電源1の整流後の非平滑電源2の電圧波形であり、波形bは部分平滑電源4の2個の電解コンデンサC7、C8の電圧の総和電圧である。(2)の波形cは商用交流電源1からの入力電流であり、整流ブリッジD1の出力電流波形を示す。(3)の出力電流波形の波形dはスイッチングにより電解コンデンサC7、C8に蓄えた電力の電解コンデンサエネルギーを商用交流電源電圧が低くなった時に電解コンデンサから放電される電流波形である。これら波形図から電圧波形の谷を埋める網線部分は全て電解コンデンサエネルギーで賄われ、(2)の入力電流波形は完全に途切れていて、理想的な正弦曲線からはやや乖離したものとなっている。
【0022】
【特許文献1】
特開平6−30565号公報(特許第2622325号)。
【0023】
【非特許文献1】
通商産業省/資源エネルギー庁公益事業部発行、「家電・汎用品高調波抑制対策ガイドライン」、平成12年12月
【非特許文献2】
社団法人照明学会/照明用電子安定器における入力電流高調波問題研究調査委員会著、研究調査報告書「照明用電子安定器における入力電流高調波問題の研究」(JIER−063)、1999年5月、p.55−65。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
放電灯点灯装置の方式別の基本波100に対する高調波次数の割合(%)と入力力率を旧来の磁気回路式安定器と前述のクラスC規格と比較したものを下記[表2]に示す。
【0025】
【表2】
【0026】
本願出願人が先に創出した[特許文献1]の発明(特願平4−124823号)のような部分平滑方式では、入力力率の改善には優れた効果を得て、前記クラスAの規格を満足することはできるが、クラスCの規格に対しては厳しくなっている。
【0027】
入力電流波形の高調波歪み問題に対しては昇圧型のアクティブフィルタ方式が理想的な力率を実現しつつクラスC規格をクリアするものであるが、回路構成が複雑であって高コストとなっているのが現状である。
【0028】
また、前述のように種々の電源回路方式の放電灯点灯装置の提案が為されているが、コスト低減の要求が非常に厳しい照明機器の分野では、高い入力力率を有しつつクラスC規格を満足するまで高調波歪みを低減した電源回路を十分な低コストで提供するまでには至っていない。
【0029】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、簡単で安価な回路構成でありながら高い入力力率を有し、且つ商用交流電源の入力電流の高調波歪みが少なくIEC規格準拠のクラスCの高調波規制を十分に満足する電源回路を備えた放電灯点灯装置を提供するものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成するために、
(1)降圧チョッパとチャージポンプを併用した部分平滑方式の放電灯点灯装置であって、
商用交流電源を整流し、直列接続した2個の小容量のコンデンサに充電した電源を非平滑電源とし、
出力回路は、直列接続された2個のスイッチング素子を有するとともに該2個のスイッチング素子の接続点を一方の出力端1とし、2個のスイッチング素子の他端は各々、部分平滑電源のプラス端とマイナス端に接続され、他方の出力端2は前記非平滑電源の2個のコンデンサの接続点から供給するものであり、
前記出力回路の2個のスイッチング素子の接続点に一端が接続されたインダクタと、該インダクタの他端にそれぞれアノード側、カソード側が接続された2個のダイオードと、前記2個のダイオードの他端間に接続された直列接続の2個の電解コンデンサと、前記2個の電解コンデンサの接続点と電源ラインのプラス側及びマイナス側との間にそれぞれ接続された2個のコンデンサと、前記2個の電解コンデンサと電源ラインのプラス側及びマイナス側間に2個の放電用ダイオードがカソード側が電源ラインのプラス側、アノード側が電源ラインのマイナス側になるように接続された構成として、前記出力回路の2個のスイッチング素子により交互に前記非平滑電源より電解コンデンサに充電して電源とする部分平滑電源を有し、
負荷回路は、放電灯と、これに直列接続されたインダクタと、並列接続されたコンデンサと、からなる直列共振回路を構成するものであり、
前記非平滑電源と前記部分平滑電源のプラス側とマイナス側は、極性を非平滑電源から部分平滑電源へ充電可能な向きとしたダイオードとフィルムコンデンサの並列接続したものによって各々接続されていることを特徴とする放電灯点灯装置を提供する。
(2)上記(1)の放電灯点灯装置における前記部分平滑電源に代えて、前記出力回路の2個のスイッチング素子の接続点に一端が接続されたインダクタと、該インダクタの他端にそれぞれアノード側、カソード側が接続された2個のダイオードと、前記2個のダイオードの他端間に接続された1個の電解コンデンサと、前記電解コンデンサの各端と電源ラインのプラス側及びマイナス側との間にそれぞれ接続された2個のコンデンサと、前記電解コンデンサと電源ラインのプラス側及びマイナス側間に2個の放電用ダイオードがカソード側が電源ラインのプラス側、アノード側が電源ラインのマイナス側になるように接続された構成として、前記出力回路の2個のスイッチング素子により交互に前記非平滑電源より電解コンデンサに充電して電源とする部分平滑電源を有することを特徴とする放電灯点灯装置を提供する。
(3)非平滑電源から供給の出力端2の供給点を、非平滑電源のプラス側にフィルムコンデンサの片端を接続し、該フィルムコンデンサの他端を出力端の出力端2とする上記(1)または(2)に記載の放電灯点灯装置を提供する。
(4)非平滑電源から供給の出力端2の供給点を、非平滑電源のマイナス側にフィルムコンデンサの片端を接続し、該コンデンサの他端を出力端2とする上記(1)または(2)に記載の放電灯点灯装置を提供する。
(5)非平滑電源の電圧波形または前記商用交流電源の交流波形を監視する電圧波形監視回路と、出力回路のスイッチング素子を駆動する発振回路及びその動作周波数を前記電圧波形監視回路の監視信号に基づき制御する制御回路と、を備える上記(1)または(2)に記載の放電灯点灯装置を提供する。
(6)負荷回路が、直列接続されたインダクタと並列接続されたコンデンサとを有して直列共振回路を構成する放電灯を複数個並列接続してなることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の放電灯点灯装置を提供する。
(7)部分平滑電源の電解コンデンサの接続点に商用交流電源の入力端の片端を接続し、商用交流電源の他端を極性を順方向に直列接続した2個の整流ダイオードの接続点に接続した倍電圧整流回路の構成であることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れかに記載の放電灯点灯装置を提供する。
(8)出力回路の出力端と負荷回路との間に出力絶縁トランスが挿入されていることを特徴とする上記(1)〜(7)の何れかに記載の放電灯点灯装置を提供する。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明に係る放電灯点灯装置の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0032】
図1は本発明に係る第1の放電灯点灯装置の回路図である。
【0033】
図2は本発明に係る第2の倍電圧整流方式の放電灯点灯装置の回路図である。
【0034】
図3は本発明に係る第3の放電灯点灯装置の回路図である。
【0035】
図4は本発明に係る第4の放電灯点灯装置の回路図である。
【0036】
図5は本発明に係る第1の放電灯点灯装置の主要部の波形の模式図である。
【0037】
図6は本発明に係る第1の放電灯点灯装置の商用交流電源の入力電流波形(実測)である。
【0038】
図7は本発明に係る第1の放電灯点灯装置における蛍光灯1灯分の出力電流波形(実測)である。
【0039】
図1において、放電灯点灯装置10の構成を、電気的動作を含めて以下説明する。
【0040】
先ず、負荷回路は、放電灯の典型である1乃至複数の蛍光灯FLと、各蛍光灯FLに並列接続されたコンデンサCfと、直列接続されたインダクタCHn(n=1、2、・・・)と、から構成され、出力端は部分平滑電源4間に直列接続されたスイッチング素子Q1、Q2の接続点を出力の片端子(出力端1)とし、入力電源は商用交流電源1をダイオードブリッジD1で全波整流し、非平滑電源2の直列接続された2個の小容量のコンデンサC1、C2に充電し、該コンデンサC1、C2同士の接続点を出力他端の出力端子(出力端2)としている。
【0041】
部分平滑電源4の平滑部分は、前記の2個のスイッチング素子Q1、Q2で交互にインダクタL1を通してダイオードD6、D7により、プラス側、マイナス側の電解コンデンサC7、C8の双方に充電する。更に前記電解コンデンサに充電する為の経路を構成するために、直列接続された電解コンデンサC7、C8の中点に各々コンデンサC5、C6が接続され、各々コンデンサC5、C6の他端は各々部分平滑電源4のプラスライン、マイナスラインに接続され、前記直列接続された2個の電解コンデンサC7、C8の電源側のプラス側とマイナス側に放電用ダイオードD4、D5を各々接続し、各ダイオードD4、D5の他端はカソード側を部分平滑電源4のプラス側に、他のダイオードのアノード側を部分平滑電源4のマイナス側になるように接続し、前記部分平滑電源4のプラスライン、マイナスラインにスイッチング素子Q1、Q2の電源側を各々接続し、スイッチング素子Q1、Q2を前記負荷回路への出力用と部分平滑電源4用とで併用する。
【0042】
また、非平滑電源2と部分平滑電源4との接続は、ダイオードD2、D3とコンデンサC3、C4の2組みのダイオードとコンデンサの並列回路がプラス側、マイナス側に各々挿入された構成としている。上記ダイオードD2、D3の極性は各々非平滑電源2から部分平滑電源4へと充電できる極性とする。
【0043】
実際に試作実験した図1の回路図の放電灯点灯装置10は、負荷として蛍光灯FL40S×10灯の並列接続とした。
【0044】
各灯の負荷回路は各々の管毎に蛍光灯と直列接続されたインダクタCH1、CH2・・・と各管に並列接続されたコンデンサCfの直列共振回路で構成されている。
【0045】
出力段のスイッチング素子Q1、Q2は2個のFETを直列接続した所謂ハーフブリッジ方式を採用している。
【0046】
スイッチング素子Q1、Q2への電源供給端は部分平滑電源4にも接続されているので、出力はスイッチング素子Q1、Q2のスイッチング動作により、負荷回路への供給と共に部分平滑電源4にも交互に充電する。
【0047】
本発明の放電灯点灯装置10は負荷として多灯用(大容量)も射程に置いている。そのため、回路の電力損失を極力少なくするべく、回路設計時にハーフブリッジ回路の上下バランスの十分な配慮が肝要である。
【0048】
電源は商用交流電源(200/220V)を整流し、非平滑になる程度の小容量のコンデンサ(フィルムコンデンサ)C1、C2を充電する。
【0049】
この非平滑電源2の直列接続された小容量のコンデンサC1、C2の中点を出力端2とし、複数の蛍光灯FLを擁する負荷回路への電力供給端の共通(コモン)ラインとする。
【0050】
上記コンデンサC1、C2の容量は、試作実験では、C1=4.4μF、C2=4.4μFとした。
【0051】
前記非平滑電源2と前記部分平滑電源4とは、極性を非平滑電源2から部分平滑電源4へ順方向に電流を流せる方向としたダイオードD2、D3とコンデンサC3、C4の並列接続の2組を、電源ラインのプラス側、マイナス側に各々1組みづつ挿入して互いに接続されている。上記ダイオードD2、D3の効果で、部分平滑電源4から非平滑電源2へは電流方向が逆になるため、流れることはない。よって部分平滑電源4の電解コンデンサC7、C8に充電された電圧より、低い商用交流電源電圧になった時は、コンデンサC3、C4の力を借りて、商用交流電源1を利用することができて、商用交流電源1からの入力電流が急に途切れること無く、正弦波に近い入力電流が利用できることになる。
【0052】
コンデンサC3、C4の容量は商用交流電源1の周波数に対してはインピーダンスが大きく、スイッチング動作周波数の高周波(例えば55KHz)に対しては有効になる容量とする。試作実験では、0.078μFでC3、C4同容量とした。
【0053】
以下、動作原理をより詳細に図1の回路図と図5の主要部の波形模式図を用いて説明する。
【0054】
非平滑電源2の電圧波形を図5の(1)の波形eに示す(ハッチング部分の電圧を削除した波形。)。但し、出力のスイッチング素子Q1、Q2にはハッチング部分も含んだ電圧が印加される。
【0055】
商用交流電源1の高調波が抑制された入力電流(整流ブリッジ出力の波形)は図5の(2)の波形gに示す。
【0056】
試作実験の実際に測定した入力電流波形を図6に示す。図6より明らかなように概ね正弦波に近いものとなっており、力率が高く、高調波歪みが少ないものであることが判る。
【0057】
また、部分平滑電源4の電解コンデンサ(C7+C8)から放電する電流波形は図5の(3)の波形hのようになり、電解コンデンサ(C7+C8)の放電電流は、図から判るように図16の従来型と比べると、考案の放電電流は約50%の電流になっている(C3、C4の容量で放電電流値を調整する。)。その理由は、不足の約50%の電流は商用交流電源1から供給されているためである(商用交流周波数のタイミング)。
【0058】
よって、商用交流電源1からの供給電流波形は途切れること無く供給し、高調波歪みを抑制することができるのである。
【0059】
部分平滑電源4の電解コンデンサ(C7+C8)の総和電圧以上の電圧が商用交流電源1から供給される時は、併用のスイッチング素子Q1、Q2により高周波の交番電流が負荷回路へ出力されると共に、部分平滑電源4の電解コンデンサC7、C8にインダクタL1、ダイオードD6、D7を通して充電される。
【0060】
部分平滑電源4の電解コンデンサ(C7+C8)の総和電圧以下に商用交流電源1の電圧がなった時、出力する電圧が不足するため、電解コンデンサ(C7+C8)の充電エネルギーが必要になり、電解コンデンサ(C7+C8)の放電経路はコンデンサC3を通りD4、C7、C8、D5、Q2(動作時)の順に電流が流れ、負荷回路へと供給される。
【0061】
その時、コンデンサC3の容量は小さい(0.078μF)ので、動作周波数の1サイクルで、部分平滑電源4側のコンデンサC3の電位がマイナスに充電される。充電が進むとC3+C7+C8の電位の総和は動作周波数に同期し、電圧が下がり、C6のプラス電源側の電圧も下がることになり、その電圧変化により、コンデンサC4を通して非平滑電源2からも電流供給を受けることになる。
【0062】
電解コンデンサ(C7+C8)の電圧より非平滑電源2の電圧が低い度合いが少ない間はダイオードD3に流れる電流が多く、非平滑電源電圧が0になると当然、ダイオードD3に流れる電流は0となる。反面、コンデンサC4に流れる電流は最大となる。つまり、この時に電解コンデンサ(C7+C8)から放電される電流が最大になる。ダイオードD3の働きとダイオードD2の働きは同じで、機能するタイミングが異なる。動作周波数の交番電流の行きと帰りのタイミングで機能するのである。
【0063】
供給を受ける電流はコンデンサC3、C4の容量が同じことから、電解コンデンサC7、C8からと、非平滑電源2からの供給電流が同じになる。よってコンデンサC1、C2の中点電圧が保たれつつ、非平滑電源2より電流供給を受けられて、図5の(3)の電流波形になる。
【0064】
前記電流方向の電圧解除(リセット)はスイッチング素子Q1が動作することにより成立する。
【0065】
出力電流が途切れない様にしているエネルギーは電解コンデンサ(C7+C8)の電荷であり、1灯当たりの実際の出力電流の様子を図7の出力電流波形図に示す。なお、試作実験での電解コンデンサC7、C8の容量は330μFである。
【0066】
下記[表3]に試作実験の放電灯点灯装置10の一般電気特性と高調波電流成分の実測値(%)をガイドラインのクラスCの規格と比較して示す。これより本発明の放電灯点灯装置がガイドラインのクラスCの規格を十分に満足することが判る。
【0067】
【表3】
【0068】
次に、図2の回路図の放電灯点灯装置20は、商用交流電源の電圧が100V等で、倍電圧整流したい場合に有効な方式である。
【0069】
商用交流電源1の片相を部分平滑電源4の電圧中点に接続し、商用交流電源1の他相を2個の整流ダイオードD1a、D1bの接続点に接続した所謂倍電圧整流構成にしている。
【0070】
次に、図3の回路図の放電灯点灯装置30では、商用交流電源1が200V、220Vと高い電圧の場合で、負荷が1灯〜4灯程度と比較的軽い場合に経済性を高めるため、部分平滑電源4の電解コンデンサをC7の1個にした構成としている。
【0071】
次に、図4の回路図の放電灯点灯装置40では、出力回路の出力端1、2と負荷回路との間に安全回路として出力絶縁トランスT1が挿入されている構成である。負荷回路側に異常が発生して異常電流が流れた場合に、感電、火災防止に効果が得られる。
【0072】
なお、図1〜図4の放電灯点灯装置10、20、30、40では、全てスイッチング素子Q1、Q2のゲートに絶縁トランス5を介して発振回路/制御回路6が接続されており、電源入力の電圧波形監視回路3の監視信号Sを受けてスイッチング素子Q1、Q2の高周波スイッチング駆動を制御している構成としている。上記発振回路/制御回路6や電圧波形監視回路3については既存の回路がそのまま適用することができる。然し、装置毎に多少の特性調整が必要なことは当然である。また、絶縁トランスについては絶縁の機能さえあれば狭義のトランスに限るものではない。
【0073】
ところで、前述の放電灯点灯装置50、60以外で本発明に係る放電灯点灯装置10、20、30、40と動作的に近いと思われる回路方式として、従来技術で示した図13の降圧チョッパ、チャージポンブ併用方式が有るが、これと比較して本発明の放電灯点灯装置の特徴は下記(イ)〜(ホ)の点にある。
(イ)電源のプラス、マイナスに対して対称の回路構成になっていて、2個のスイッチング素子Q1、Q2に均等に電流負担させることができるため、経済的な素子を選定できる。
(ロ)電源に対して対称の回路構成になっている為、倍電圧回路への変換が容易である。また、全波整流方式、倍電圧整流方式の共通基板にすることも可能になり、経済性に優れている。
(ハ)部分平滑電源電圧より入力電圧が低い期間の非平滑電源2からの電流吸い上げ方法が電源のプラス、マイナス双方に入っているため、従来方法はチャージポンプ用のコンデンサCinの充電が完了してから非平滑電源から電流を吸い上げることになるのに対して、本発明の所謂電流吸い上げ方式では、部分平滑電源4からの放電電流制限用のコンデンサC3が充電開始し始めると同時に非平滑電源2からの電流吸い上げ用コンデンサC4の吸い上げが始まり、急激な入力電流の吸い上げモードヘの移行を和らげられ、高周波リップルを減少できる。
(ニ)電源の回路全体がプラス側、マイナス側で対称の為、対地電圧が高い電源の場合に、非平滑電源2の電圧中点から出力の出力端2を出すことができて、他端の出力端1に直流阻止コンデンサC9を入れることにより、実質の対地電圧を半分にできて、感電に対する安全性が高い放電灯点灯装置が実現できる(図1、図3参照)。
(ホ)電源回路全体がプラス側、マイナス側で対称の為、ハーフブリッジ方式の自励式放電灯点灯装置にも適用が容易である。
【0074】
【発明の効果】
本発明に係る放電灯点灯装置は、上記のように構成されているため、
(1)部分平滑電源にはプラス側とマイナス側が対称の回路を構成し、更に高調波歪み改善のための回路を含めた電源回路全体がプラス側とマイナス側で対称の回路構成にすることにより、2個のスイッチング素子に均等に回路電流を負担させることができ、経済性、回路の信頼性が高い、電源入力電流の高調波が少ない多灯用の大容量の蛍光灯点灯装置が実現できる。
(2)部分平滑方式の原理が降圧チョッパ方式の応用の為、電源投入時の突入電流が非常に少ない。
(3)電源入力電流の高調波のガイドライン(クラスC)を満足することができて、力率も0.98を越え、高効率、高力率の高調波歪みの少ない回路構成となり、1灯〜複数灯を対象に、自励から他励を問わず、業務用から家庭用まで、幅広い分野に展開でき、低コストで省エネルギー効果の高い放電灯点灯装置が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の放電灯点灯装置の回路図である。
【図2】本発明に係る第2の放電灯点灯装置の回路図である。
【図3】本発明に係る第3の放電灯点灯装置の回路図である。
【図4】本発明に係る第4の放電灯点灯装置の回路図である。
【図5】本発明に係る第1の放電灯点灯装置の主要部の波形の模式図である。
【図6】本発明に係る第1の放電灯点灯装置の商用交流電源の入力電流波形(実測)である。
【図7】本発明に係る第1の放電灯点灯装置における蛍光灯1灯分の出力電流波形(実測)である。
【図8】(a)は従来の独立型チョッパ方式の簡略化した回路図であり、(b)はそのチョッパ部のスイッチング波形である。
【図9】従来のスイッチング素子兼用型昇圧チョッパ方式の回路図である。
【図10】高周波電圧源型チャージポンプ方式の回路図である。
【図11】高周波電流源型チャージポンプ方式の回路図である。
【図12】昇圧チョッパ、チャージポンプ併用方式の回路図である。
【図13】従来の降圧チョッパ、チャージポンプ併用方式の放電灯点灯装置の回路図である。
【図14】従来の部分平滑電源方式の放電灯点灯装置の回路図である。
【図15】従来の部分平滑電源方式の簡略化した放電灯点灯装置の回路図である。
【図16】従来の部分平滑電源方式の放電灯点灯装置における部分平滑電源の主要部分の波形の模式図である。
【符号の説明】
1 商用交流電源
2 非平滑電源
3 非平滑電源の入力電圧波形の監視回路
4 部分平滑電源
5 絶縁トランス
6 発振回路/制御回路
7 高周波出力段(スイッチング素子部)
D1 整流ブリッジ
C1、C2、C3、C4、C5、C6、C9 (フィルム)コンデンサ
C7、C8 電解コンデンサ
D2〜D7 ダイオード
Q1、Q2 スイッチング素子(FET)
L1 インダクタ
CH1、CH2・・・ チョークコイル
Cf 蛍光灯始動用コンデンサ
FL 蛍光灯(FL40S)
S 監視信号
10、20、30、40、50、60 放電灯点灯装置
【発明の属する技術分野】
本発明は入力電流の高調波歪みを改善した電源回路を備える放電灯点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、商用交流電源を使用する放電灯点灯装置などの機器の電源の高調波歪みに関する問題がクローズアップされている。
【0003】
日本においても、IEC規格(IEC61000-3-2)準拠の「家電・汎用品高調波抑制対策ガイドライン」(非特許文献1)が平成12年12月に出され、現在のところ行政指導による自主規制ではあるが、下記[表1]のようなクラス別(クラスA〜クラスD)の規格を設けている。
【0004】
【表1】
【0005】
照明機器としての蛍光灯等の放電灯点灯装置では最も厳しいクラスCが適用になる。
【0006】
また、放電灯点灯装置を冷蔵ショーケース等の業務用機器に使用する場合の適用規格は、現在のところ、照明機器としてではなくその他の機器として主に規格の緩いクラスAを満足すれば良いことになっているが、機器によっては照明機器の分類になることもあり、クラスCの要求を満たすことが要請されてきている。
【0007】
海外では、今後、照明機器ではないものでも放電灯点灯装置が内蔵されていればクラスCが適用されてしまう場合も有り得る。
【0008】
而して、放電灯点灯装置において、高い力率を維持しつつ高調波歪みを低減する電源回路の開発が鋭意為されている。
【0009】
商用交流電源を整流して放電灯を高周波点灯させる方式の従来の放電灯点灯装置のスイッチング電源回路については、例えば、社団法人照明学会が1999年5月に発行した照明用電子安定器における入力電流高調波問題研究調査委員会著の研究調査報告書「照明用電子安定器における入力電流高調波問題の研究」(JIER−063)に現況がまとめられている(非特許文献2)。
【0010】
上記研究報告書の55頁以下に従来の広義のアクティブフィルタ方式の放電灯点灯装置の基本回路例が多数記載されている。
【0011】
先ず、図8の(a)は独立型チョッパ方式の簡略化した回路図である。図8の(b)にそのチョッパ部のスイッチング波形を示す(詳細は非特許文献2の55−56頁参照。)。この回路方式は高調波抑制特性には優れるものの、回路が複雑、高価で、電源投入時の突入電流は防止できない。また、出力するまでの間に2段のスイッチング回路を通過するため、電力効率が低下する(昇圧チョッパ方式は原理的に突入電流抑制機能は無い。)。
【0012】
図9はスイッチング素子兼用型昇圧チョッパ方式の回路図である(詳細は非特許文献2の55−56頁参照。)。
【0013】
図10は高周波電圧源型チャージポンプ方式の回路図である(詳細は非特許文献2の58−61頁参照。)。
【0014】
図11は高周波電流源型チャージポンプ方式の回路図である(詳細は非特許文献2の61−62頁参照。)。
【0015】
図12は昇圧チョッパ、チャージポンプ併用方式の回路図である(詳細は非特許文献2の64−65頁参照。)。
【0016】
図13は降圧チョッパ、チャージポンプ併用方式の回路図である(詳細は非特許文献2の65頁参照。)。
【0017】
次に、本願出願人が先に創出した下記[特許文献1]に記載されている部分平滑電源方式の放電灯点灯装置は図14の放電灯点灯装置50のような構成であり、アクティブフィルタ回路のスイッチング電源としてインバータ回路の高周波出力を一部戻してインダクタを介して2個のコンデンサC3、C4に充電させることでアクティブフィルタ回路の正負2個のスイッチング電源とする点に特徴を有する。
【0018】
また、上記回路の簡略化した回路として図15に示される放電灯点灯装置60のような構成がある。この回路は図14の回路構成におけるインダクタL1、L2を1つのインダクタLiで共用させ、フライホイールダイオードD7、D8を省略している。そして、コンデンサC8への充電はスイッチング素子Q2、インダクタLi、ダイオードD7の経路を通って行われ、Il1のフライホイールダイオードとしてはQ1の内部ダイオードを利用している。また、コンデンサC7への充電は同様にQ1、Li、D6の経路をIl2が流れることにより行われる。前記同様Il2のフライホイールダイオードとしてはQ2の内部ダイオードを利用している。
【0019】
上記部分平滑方式の放電灯点灯装置(図14、図15)は2個のスイッチング素子Q1、Q2が均等に作用して部分平滑する。
【0020】
図15の部分平滑電源の主要部分の波形を図16の模式図を使用して簡単に説明する。
【0021】
図16の(1)の電圧波形は(非平滑電源電圧)+(部分平滑電源)の波形である。波形aは商用交流電源1の整流後の非平滑電源2の電圧波形であり、波形bは部分平滑電源4の2個の電解コンデンサC7、C8の電圧の総和電圧である。(2)の波形cは商用交流電源1からの入力電流であり、整流ブリッジD1の出力電流波形を示す。(3)の出力電流波形の波形dはスイッチングにより電解コンデンサC7、C8に蓄えた電力の電解コンデンサエネルギーを商用交流電源電圧が低くなった時に電解コンデンサから放電される電流波形である。これら波形図から電圧波形の谷を埋める網線部分は全て電解コンデンサエネルギーで賄われ、(2)の入力電流波形は完全に途切れていて、理想的な正弦曲線からはやや乖離したものとなっている。
【0022】
【特許文献1】
特開平6−30565号公報(特許第2622325号)。
【0023】
【非特許文献1】
通商産業省/資源エネルギー庁公益事業部発行、「家電・汎用品高調波抑制対策ガイドライン」、平成12年12月
【非特許文献2】
社団法人照明学会/照明用電子安定器における入力電流高調波問題研究調査委員会著、研究調査報告書「照明用電子安定器における入力電流高調波問題の研究」(JIER−063)、1999年5月、p.55−65。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
放電灯点灯装置の方式別の基本波100に対する高調波次数の割合(%)と入力力率を旧来の磁気回路式安定器と前述のクラスC規格と比較したものを下記[表2]に示す。
【0025】
【表2】
【0026】
本願出願人が先に創出した[特許文献1]の発明(特願平4−124823号)のような部分平滑方式では、入力力率の改善には優れた効果を得て、前記クラスAの規格を満足することはできるが、クラスCの規格に対しては厳しくなっている。
【0027】
入力電流波形の高調波歪み問題に対しては昇圧型のアクティブフィルタ方式が理想的な力率を実現しつつクラスC規格をクリアするものであるが、回路構成が複雑であって高コストとなっているのが現状である。
【0028】
また、前述のように種々の電源回路方式の放電灯点灯装置の提案が為されているが、コスト低減の要求が非常に厳しい照明機器の分野では、高い入力力率を有しつつクラスC規格を満足するまで高調波歪みを低減した電源回路を十分な低コストで提供するまでには至っていない。
【0029】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、簡単で安価な回路構成でありながら高い入力力率を有し、且つ商用交流電源の入力電流の高調波歪みが少なくIEC規格準拠のクラスCの高調波規制を十分に満足する電源回路を備えた放電灯点灯装置を提供するものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成するために、
(1)降圧チョッパとチャージポンプを併用した部分平滑方式の放電灯点灯装置であって、
商用交流電源を整流し、直列接続した2個の小容量のコンデンサに充電した電源を非平滑電源とし、
出力回路は、直列接続された2個のスイッチング素子を有するとともに該2個のスイッチング素子の接続点を一方の出力端1とし、2個のスイッチング素子の他端は各々、部分平滑電源のプラス端とマイナス端に接続され、他方の出力端2は前記非平滑電源の2個のコンデンサの接続点から供給するものであり、
前記出力回路の2個のスイッチング素子の接続点に一端が接続されたインダクタと、該インダクタの他端にそれぞれアノード側、カソード側が接続された2個のダイオードと、前記2個のダイオードの他端間に接続された直列接続の2個の電解コンデンサと、前記2個の電解コンデンサの接続点と電源ラインのプラス側及びマイナス側との間にそれぞれ接続された2個のコンデンサと、前記2個の電解コンデンサと電源ラインのプラス側及びマイナス側間に2個の放電用ダイオードがカソード側が電源ラインのプラス側、アノード側が電源ラインのマイナス側になるように接続された構成として、前記出力回路の2個のスイッチング素子により交互に前記非平滑電源より電解コンデンサに充電して電源とする部分平滑電源を有し、
負荷回路は、放電灯と、これに直列接続されたインダクタと、並列接続されたコンデンサと、からなる直列共振回路を構成するものであり、
前記非平滑電源と前記部分平滑電源のプラス側とマイナス側は、極性を非平滑電源から部分平滑電源へ充電可能な向きとしたダイオードとフィルムコンデンサの並列接続したものによって各々接続されていることを特徴とする放電灯点灯装置を提供する。
(2)上記(1)の放電灯点灯装置における前記部分平滑電源に代えて、前記出力回路の2個のスイッチング素子の接続点に一端が接続されたインダクタと、該インダクタの他端にそれぞれアノード側、カソード側が接続された2個のダイオードと、前記2個のダイオードの他端間に接続された1個の電解コンデンサと、前記電解コンデンサの各端と電源ラインのプラス側及びマイナス側との間にそれぞれ接続された2個のコンデンサと、前記電解コンデンサと電源ラインのプラス側及びマイナス側間に2個の放電用ダイオードがカソード側が電源ラインのプラス側、アノード側が電源ラインのマイナス側になるように接続された構成として、前記出力回路の2個のスイッチング素子により交互に前記非平滑電源より電解コンデンサに充電して電源とする部分平滑電源を有することを特徴とする放電灯点灯装置を提供する。
(3)非平滑電源から供給の出力端2の供給点を、非平滑電源のプラス側にフィルムコンデンサの片端を接続し、該フィルムコンデンサの他端を出力端の出力端2とする上記(1)または(2)に記載の放電灯点灯装置を提供する。
(4)非平滑電源から供給の出力端2の供給点を、非平滑電源のマイナス側にフィルムコンデンサの片端を接続し、該コンデンサの他端を出力端2とする上記(1)または(2)に記載の放電灯点灯装置を提供する。
(5)非平滑電源の電圧波形または前記商用交流電源の交流波形を監視する電圧波形監視回路と、出力回路のスイッチング素子を駆動する発振回路及びその動作周波数を前記電圧波形監視回路の監視信号に基づき制御する制御回路と、を備える上記(1)または(2)に記載の放電灯点灯装置を提供する。
(6)負荷回路が、直列接続されたインダクタと並列接続されたコンデンサとを有して直列共振回路を構成する放電灯を複数個並列接続してなることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の放電灯点灯装置を提供する。
(7)部分平滑電源の電解コンデンサの接続点に商用交流電源の入力端の片端を接続し、商用交流電源の他端を極性を順方向に直列接続した2個の整流ダイオードの接続点に接続した倍電圧整流回路の構成であることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れかに記載の放電灯点灯装置を提供する。
(8)出力回路の出力端と負荷回路との間に出力絶縁トランスが挿入されていることを特徴とする上記(1)〜(7)の何れかに記載の放電灯点灯装置を提供する。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明に係る放電灯点灯装置の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0032】
図1は本発明に係る第1の放電灯点灯装置の回路図である。
【0033】
図2は本発明に係る第2の倍電圧整流方式の放電灯点灯装置の回路図である。
【0034】
図3は本発明に係る第3の放電灯点灯装置の回路図である。
【0035】
図4は本発明に係る第4の放電灯点灯装置の回路図である。
【0036】
図5は本発明に係る第1の放電灯点灯装置の主要部の波形の模式図である。
【0037】
図6は本発明に係る第1の放電灯点灯装置の商用交流電源の入力電流波形(実測)である。
【0038】
図7は本発明に係る第1の放電灯点灯装置における蛍光灯1灯分の出力電流波形(実測)である。
【0039】
図1において、放電灯点灯装置10の構成を、電気的動作を含めて以下説明する。
【0040】
先ず、負荷回路は、放電灯の典型である1乃至複数の蛍光灯FLと、各蛍光灯FLに並列接続されたコンデンサCfと、直列接続されたインダクタCHn(n=1、2、・・・)と、から構成され、出力端は部分平滑電源4間に直列接続されたスイッチング素子Q1、Q2の接続点を出力の片端子(出力端1)とし、入力電源は商用交流電源1をダイオードブリッジD1で全波整流し、非平滑電源2の直列接続された2個の小容量のコンデンサC1、C2に充電し、該コンデンサC1、C2同士の接続点を出力他端の出力端子(出力端2)としている。
【0041】
部分平滑電源4の平滑部分は、前記の2個のスイッチング素子Q1、Q2で交互にインダクタL1を通してダイオードD6、D7により、プラス側、マイナス側の電解コンデンサC7、C8の双方に充電する。更に前記電解コンデンサに充電する為の経路を構成するために、直列接続された電解コンデンサC7、C8の中点に各々コンデンサC5、C6が接続され、各々コンデンサC5、C6の他端は各々部分平滑電源4のプラスライン、マイナスラインに接続され、前記直列接続された2個の電解コンデンサC7、C8の電源側のプラス側とマイナス側に放電用ダイオードD4、D5を各々接続し、各ダイオードD4、D5の他端はカソード側を部分平滑電源4のプラス側に、他のダイオードのアノード側を部分平滑電源4のマイナス側になるように接続し、前記部分平滑電源4のプラスライン、マイナスラインにスイッチング素子Q1、Q2の電源側を各々接続し、スイッチング素子Q1、Q2を前記負荷回路への出力用と部分平滑電源4用とで併用する。
【0042】
また、非平滑電源2と部分平滑電源4との接続は、ダイオードD2、D3とコンデンサC3、C4の2組みのダイオードとコンデンサの並列回路がプラス側、マイナス側に各々挿入された構成としている。上記ダイオードD2、D3の極性は各々非平滑電源2から部分平滑電源4へと充電できる極性とする。
【0043】
実際に試作実験した図1の回路図の放電灯点灯装置10は、負荷として蛍光灯FL40S×10灯の並列接続とした。
【0044】
各灯の負荷回路は各々の管毎に蛍光灯と直列接続されたインダクタCH1、CH2・・・と各管に並列接続されたコンデンサCfの直列共振回路で構成されている。
【0045】
出力段のスイッチング素子Q1、Q2は2個のFETを直列接続した所謂ハーフブリッジ方式を採用している。
【0046】
スイッチング素子Q1、Q2への電源供給端は部分平滑電源4にも接続されているので、出力はスイッチング素子Q1、Q2のスイッチング動作により、負荷回路への供給と共に部分平滑電源4にも交互に充電する。
【0047】
本発明の放電灯点灯装置10は負荷として多灯用(大容量)も射程に置いている。そのため、回路の電力損失を極力少なくするべく、回路設計時にハーフブリッジ回路の上下バランスの十分な配慮が肝要である。
【0048】
電源は商用交流電源(200/220V)を整流し、非平滑になる程度の小容量のコンデンサ(フィルムコンデンサ)C1、C2を充電する。
【0049】
この非平滑電源2の直列接続された小容量のコンデンサC1、C2の中点を出力端2とし、複数の蛍光灯FLを擁する負荷回路への電力供給端の共通(コモン)ラインとする。
【0050】
上記コンデンサC1、C2の容量は、試作実験では、C1=4.4μF、C2=4.4μFとした。
【0051】
前記非平滑電源2と前記部分平滑電源4とは、極性を非平滑電源2から部分平滑電源4へ順方向に電流を流せる方向としたダイオードD2、D3とコンデンサC3、C4の並列接続の2組を、電源ラインのプラス側、マイナス側に各々1組みづつ挿入して互いに接続されている。上記ダイオードD2、D3の効果で、部分平滑電源4から非平滑電源2へは電流方向が逆になるため、流れることはない。よって部分平滑電源4の電解コンデンサC7、C8に充電された電圧より、低い商用交流電源電圧になった時は、コンデンサC3、C4の力を借りて、商用交流電源1を利用することができて、商用交流電源1からの入力電流が急に途切れること無く、正弦波に近い入力電流が利用できることになる。
【0052】
コンデンサC3、C4の容量は商用交流電源1の周波数に対してはインピーダンスが大きく、スイッチング動作周波数の高周波(例えば55KHz)に対しては有効になる容量とする。試作実験では、0.078μFでC3、C4同容量とした。
【0053】
以下、動作原理をより詳細に図1の回路図と図5の主要部の波形模式図を用いて説明する。
【0054】
非平滑電源2の電圧波形を図5の(1)の波形eに示す(ハッチング部分の電圧を削除した波形。)。但し、出力のスイッチング素子Q1、Q2にはハッチング部分も含んだ電圧が印加される。
【0055】
商用交流電源1の高調波が抑制された入力電流(整流ブリッジ出力の波形)は図5の(2)の波形gに示す。
【0056】
試作実験の実際に測定した入力電流波形を図6に示す。図6より明らかなように概ね正弦波に近いものとなっており、力率が高く、高調波歪みが少ないものであることが判る。
【0057】
また、部分平滑電源4の電解コンデンサ(C7+C8)から放電する電流波形は図5の(3)の波形hのようになり、電解コンデンサ(C7+C8)の放電電流は、図から判るように図16の従来型と比べると、考案の放電電流は約50%の電流になっている(C3、C4の容量で放電電流値を調整する。)。その理由は、不足の約50%の電流は商用交流電源1から供給されているためである(商用交流周波数のタイミング)。
【0058】
よって、商用交流電源1からの供給電流波形は途切れること無く供給し、高調波歪みを抑制することができるのである。
【0059】
部分平滑電源4の電解コンデンサ(C7+C8)の総和電圧以上の電圧が商用交流電源1から供給される時は、併用のスイッチング素子Q1、Q2により高周波の交番電流が負荷回路へ出力されると共に、部分平滑電源4の電解コンデンサC7、C8にインダクタL1、ダイオードD6、D7を通して充電される。
【0060】
部分平滑電源4の電解コンデンサ(C7+C8)の総和電圧以下に商用交流電源1の電圧がなった時、出力する電圧が不足するため、電解コンデンサ(C7+C8)の充電エネルギーが必要になり、電解コンデンサ(C7+C8)の放電経路はコンデンサC3を通りD4、C7、C8、D5、Q2(動作時)の順に電流が流れ、負荷回路へと供給される。
【0061】
その時、コンデンサC3の容量は小さい(0.078μF)ので、動作周波数の1サイクルで、部分平滑電源4側のコンデンサC3の電位がマイナスに充電される。充電が進むとC3+C7+C8の電位の総和は動作周波数に同期し、電圧が下がり、C6のプラス電源側の電圧も下がることになり、その電圧変化により、コンデンサC4を通して非平滑電源2からも電流供給を受けることになる。
【0062】
電解コンデンサ(C7+C8)の電圧より非平滑電源2の電圧が低い度合いが少ない間はダイオードD3に流れる電流が多く、非平滑電源電圧が0になると当然、ダイオードD3に流れる電流は0となる。反面、コンデンサC4に流れる電流は最大となる。つまり、この時に電解コンデンサ(C7+C8)から放電される電流が最大になる。ダイオードD3の働きとダイオードD2の働きは同じで、機能するタイミングが異なる。動作周波数の交番電流の行きと帰りのタイミングで機能するのである。
【0063】
供給を受ける電流はコンデンサC3、C4の容量が同じことから、電解コンデンサC7、C8からと、非平滑電源2からの供給電流が同じになる。よってコンデンサC1、C2の中点電圧が保たれつつ、非平滑電源2より電流供給を受けられて、図5の(3)の電流波形になる。
【0064】
前記電流方向の電圧解除(リセット)はスイッチング素子Q1が動作することにより成立する。
【0065】
出力電流が途切れない様にしているエネルギーは電解コンデンサ(C7+C8)の電荷であり、1灯当たりの実際の出力電流の様子を図7の出力電流波形図に示す。なお、試作実験での電解コンデンサC7、C8の容量は330μFである。
【0066】
下記[表3]に試作実験の放電灯点灯装置10の一般電気特性と高調波電流成分の実測値(%)をガイドラインのクラスCの規格と比較して示す。これより本発明の放電灯点灯装置がガイドラインのクラスCの規格を十分に満足することが判る。
【0067】
【表3】
【0068】
次に、図2の回路図の放電灯点灯装置20は、商用交流電源の電圧が100V等で、倍電圧整流したい場合に有効な方式である。
【0069】
商用交流電源1の片相を部分平滑電源4の電圧中点に接続し、商用交流電源1の他相を2個の整流ダイオードD1a、D1bの接続点に接続した所謂倍電圧整流構成にしている。
【0070】
次に、図3の回路図の放電灯点灯装置30では、商用交流電源1が200V、220Vと高い電圧の場合で、負荷が1灯〜4灯程度と比較的軽い場合に経済性を高めるため、部分平滑電源4の電解コンデンサをC7の1個にした構成としている。
【0071】
次に、図4の回路図の放電灯点灯装置40では、出力回路の出力端1、2と負荷回路との間に安全回路として出力絶縁トランスT1が挿入されている構成である。負荷回路側に異常が発生して異常電流が流れた場合に、感電、火災防止に効果が得られる。
【0072】
なお、図1〜図4の放電灯点灯装置10、20、30、40では、全てスイッチング素子Q1、Q2のゲートに絶縁トランス5を介して発振回路/制御回路6が接続されており、電源入力の電圧波形監視回路3の監視信号Sを受けてスイッチング素子Q1、Q2の高周波スイッチング駆動を制御している構成としている。上記発振回路/制御回路6や電圧波形監視回路3については既存の回路がそのまま適用することができる。然し、装置毎に多少の特性調整が必要なことは当然である。また、絶縁トランスについては絶縁の機能さえあれば狭義のトランスに限るものではない。
【0073】
ところで、前述の放電灯点灯装置50、60以外で本発明に係る放電灯点灯装置10、20、30、40と動作的に近いと思われる回路方式として、従来技術で示した図13の降圧チョッパ、チャージポンブ併用方式が有るが、これと比較して本発明の放電灯点灯装置の特徴は下記(イ)〜(ホ)の点にある。
(イ)電源のプラス、マイナスに対して対称の回路構成になっていて、2個のスイッチング素子Q1、Q2に均等に電流負担させることができるため、経済的な素子を選定できる。
(ロ)電源に対して対称の回路構成になっている為、倍電圧回路への変換が容易である。また、全波整流方式、倍電圧整流方式の共通基板にすることも可能になり、経済性に優れている。
(ハ)部分平滑電源電圧より入力電圧が低い期間の非平滑電源2からの電流吸い上げ方法が電源のプラス、マイナス双方に入っているため、従来方法はチャージポンプ用のコンデンサCinの充電が完了してから非平滑電源から電流を吸い上げることになるのに対して、本発明の所謂電流吸い上げ方式では、部分平滑電源4からの放電電流制限用のコンデンサC3が充電開始し始めると同時に非平滑電源2からの電流吸い上げ用コンデンサC4の吸い上げが始まり、急激な入力電流の吸い上げモードヘの移行を和らげられ、高周波リップルを減少できる。
(ニ)電源の回路全体がプラス側、マイナス側で対称の為、対地電圧が高い電源の場合に、非平滑電源2の電圧中点から出力の出力端2を出すことができて、他端の出力端1に直流阻止コンデンサC9を入れることにより、実質の対地電圧を半分にできて、感電に対する安全性が高い放電灯点灯装置が実現できる(図1、図3参照)。
(ホ)電源回路全体がプラス側、マイナス側で対称の為、ハーフブリッジ方式の自励式放電灯点灯装置にも適用が容易である。
【0074】
【発明の効果】
本発明に係る放電灯点灯装置は、上記のように構成されているため、
(1)部分平滑電源にはプラス側とマイナス側が対称の回路を構成し、更に高調波歪み改善のための回路を含めた電源回路全体がプラス側とマイナス側で対称の回路構成にすることにより、2個のスイッチング素子に均等に回路電流を負担させることができ、経済性、回路の信頼性が高い、電源入力電流の高調波が少ない多灯用の大容量の蛍光灯点灯装置が実現できる。
(2)部分平滑方式の原理が降圧チョッパ方式の応用の為、電源投入時の突入電流が非常に少ない。
(3)電源入力電流の高調波のガイドライン(クラスC)を満足することができて、力率も0.98を越え、高効率、高力率の高調波歪みの少ない回路構成となり、1灯〜複数灯を対象に、自励から他励を問わず、業務用から家庭用まで、幅広い分野に展開でき、低コストで省エネルギー効果の高い放電灯点灯装置が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の放電灯点灯装置の回路図である。
【図2】本発明に係る第2の放電灯点灯装置の回路図である。
【図3】本発明に係る第3の放電灯点灯装置の回路図である。
【図4】本発明に係る第4の放電灯点灯装置の回路図である。
【図5】本発明に係る第1の放電灯点灯装置の主要部の波形の模式図である。
【図6】本発明に係る第1の放電灯点灯装置の商用交流電源の入力電流波形(実測)である。
【図7】本発明に係る第1の放電灯点灯装置における蛍光灯1灯分の出力電流波形(実測)である。
【図8】(a)は従来の独立型チョッパ方式の簡略化した回路図であり、(b)はそのチョッパ部のスイッチング波形である。
【図9】従来のスイッチング素子兼用型昇圧チョッパ方式の回路図である。
【図10】高周波電圧源型チャージポンプ方式の回路図である。
【図11】高周波電流源型チャージポンプ方式の回路図である。
【図12】昇圧チョッパ、チャージポンプ併用方式の回路図である。
【図13】従来の降圧チョッパ、チャージポンプ併用方式の放電灯点灯装置の回路図である。
【図14】従来の部分平滑電源方式の放電灯点灯装置の回路図である。
【図15】従来の部分平滑電源方式の簡略化した放電灯点灯装置の回路図である。
【図16】従来の部分平滑電源方式の放電灯点灯装置における部分平滑電源の主要部分の波形の模式図である。
【符号の説明】
1 商用交流電源
2 非平滑電源
3 非平滑電源の入力電圧波形の監視回路
4 部分平滑電源
5 絶縁トランス
6 発振回路/制御回路
7 高周波出力段(スイッチング素子部)
D1 整流ブリッジ
C1、C2、C3、C4、C5、C6、C9 (フィルム)コンデンサ
C7、C8 電解コンデンサ
D2〜D7 ダイオード
Q1、Q2 スイッチング素子(FET)
L1 インダクタ
CH1、CH2・・・ チョークコイル
Cf 蛍光灯始動用コンデンサ
FL 蛍光灯(FL40S)
S 監視信号
10、20、30、40、50、60 放電灯点灯装置
Claims (8)
- 降圧チョッパとチャージポンプを併用した部分平滑方式の放電灯点灯装置であって、
商用交流電源を整流し、直列接続した2個の小容量のコンデンサに充電した電源を非平滑電源とし、
出力回路は、直列接続された2個のスイッチング素子を有するとともに該2個のスイッチング素子の接続点を一方の出力端1とし、2個のスイッチング素子の他端は各々、部分平滑電源のプラス端とマイナス端に接続され、他方の出力端2は前記非平滑電源の2個のコンデンサの接続点から供給するものであり、
前記出力回路の2個のスイッチング素子の接続点に一端が接続されたインダクタと、該インダクタの他端にそれぞれアノード側、カソード側が接続された2個のダイオードと、前記2個のダイオードの他端間に接続された直列接続の2個の電解コンデンサと、前記2個の電解コンデンサの接続点と電源ラインのプラス側及びマイナス側との間にそれぞれ接続された2個のコンデンサと、前記2個の電解コンデンサと電源ラインのプラス側及びマイナス側間に2個の放電用ダイオードがカソード側が電源ラインのプラス側、アノード側が電源ラインのマイナス側になるように接続された構成として、前記出力回路の2個のスイッチング素子により交互に前記非平滑電源より電解コンデンサに充電して電源とする部分平滑電源を有し、
負荷回路は、放電灯と、これに直列接続されたインダクタと、並列接続されたコンデンサと、からなる直列共振回路を構成するものであり、
前記非平滑電源と前記部分平滑電源のプラス側とマイナス側は、極性を非平滑電源から部分平滑電源へ充電可能な向きとしたダイオードとフィルムコンデンサとを並列接続したものによって各々接続されていることを特徴とする放電灯点灯装置。 - 請求項1の放電灯点灯装置における前記部分平滑電源に代えて、前記出力回路の2個のスイッチング素子の接続点に一端が接続されたインダクタと、該インダクタの他端にそれぞれアノード側、カソード側が接続された2個のダイオードと、前記2個のダイオードの他端間に接続された1個の電解コンデンサと、前記電解コンデンサの各端と電源ラインのプラス側及びマイナス側との間にそれぞれ接続された2個のコンデンサと、前記電解コンデンサと電源ラインのプラス側及びマイナス側間に2個の放電用ダイオードがカソード側が電源ラインのプラス側、アノード側が電源ラインのマイナス側になるように接続された構成として、前記出力回路の2個のスイッチング素子により交互に前記非平滑電源より電解コンデンサに充電して電源とする部分平滑電源を有することを特徴とする放電灯点灯装置。
- 非平滑電源から供給の出力端2の供給点を、非平滑電源のプラス側にフィルムコンデンサの片端を接続し、該フィルムコンデンサの他端を出力端の出力端2とする請求項1または請求項2に記載の放電灯点灯装置。
- 非平滑電源から供給の出力端2の供給点を、非平滑電源のマイナス側にフィルムコンデンサの片端を接続し、該コンデンサの他端を出力端2とする請求項1または請求項2に記載の放電灯点灯装置。
- 非平滑電源の電圧波形または前記商用交流電源の交流波形を監視する電圧波形監視回路と、出力回路のスイッチング素子を駆動する発振回路及びその動作周波数を前記電圧波形監視回路の監視信号に基づき制御する制御回路と、を備える請求項1または請求項2に記載の放電灯点灯装置。
- 負荷回路が、直列接続されたインダクタと並列接続されたコンデンサとを有して直列共振回路を構成する放電灯を複数個並列接続してなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放電灯点灯装置。
- 部分平滑電源の電解コンデンサの接続点に商用交流電源の入力端の片端を接続し、商用交流電源の他端を極性を順方向に直列接続した2個の整流ダイオードの接続点に接続した倍電圧整流回路の構成であることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の放電灯点灯装置。
- 出力回路の出力端と負荷回路との間に出力絶縁トランスが挿入されていることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載の放電灯点灯装置。
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JP2002376041A JP2004207095A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | 放電灯点灯装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022135744A1 (en) * | 2020-12-23 | 2022-06-30 | Eaton Intelligent Power Limited | Switchable bidirectional power converter with single power factor correction circuit and on board charger therewith |
-
2002
- 2002-12-26 JP JP2002376041A patent/JP2004207095A/ja active Pending
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