JP2004206268A - 硬貨処理機 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品コストを低減することができる硬貨処理機の提供。
【解決手段】上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bを重なり合った状態で連結させる連結状態と連結を解除する連結解除状態とで切り換えられる連結切換手段339,352と、上部シャッタ14Aを取引口を覆う閉塞位置でロックするロック状態とロックを解除するロック解除状態とで切り換えられる上部シャッタロック切換手段と、下部シャッタ14Bを取引口を覆う閉塞位置でロックするロック状態とロックを解除するロック解除状態とで切り換えられる下部シャッタロック切換手段352と、上部シャッタを取引口を覆う閉塞位置と該取引口を開放する開放位置との間で移動させる上部シャッタ駆動手段とを有する。
【選択図】 図16

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬貨の受け入れおよび受け渡しを行う取引口を二重シャッタで覆う硬貨処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】
硬貨の受け入れおよび受け渡しを行う取引口を二重シャッタで覆う硬貨処理機に関して、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−334305号公報
【0004】
上記特許文献1に記載された硬貨処理機は、硬貨の受け入れおよび受け渡しを行う取引口と、この取引口を開閉可能な位置に上下二重に設けられた上部シャッタおよび下部シャッタとを有し、下部シャッタに硬貨投入孔を形成している。そして、上部シャッタと下部シャッタとを共に取引口を覆う位置に位置させて取引口を完全に閉塞させることにより取引口へのアクセスを不可とする状態と、上部シャッタと下部シャッタとを共に取引口を開放する位置に位置させて取引口を完全に開放させることにより取引口から硬貨を一括して取出可能とする状態と、下部シャッタを取引口を覆う位置に位置させるとともに上部シャッタを取引口を開放する位置に位置させて取引口を下部シャッタの硬貨投入孔を介してのみ開放させることにより取引口への硬貨の少数ずつの投入を可能とする状態とに切り換えられる。
【0005】
特許文献1に記載された硬貨処理機は、共通の駆動モータの駆動軸にそれぞれトルクリミッタを介して上部シャッタ用の駆動部と下部シャッタ用の駆動部が設けられており、上部シャッタおよび下部シャッタを取引口を閉塞させる状態でロックするソレノイドと、下部シャッタのみを取引口を閉塞させる状態でロックするソレノイドとを有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成の硬貨処理機は、上部シャッタと下部シャッタとにそれぞれ高価なトルクリミッタが必要であることから、コストが高くなってしまうという問題があった。
【0007】
したがって、本発明は、部品コストを低減することができる硬貨処理機の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、硬貨の受け入れおよび受け渡しを行う取引口(例えば実施の形態における入出金口11)と、該取引口を開閉可能な位置に上下二重に設けられた上部シャッタ(例えば実施の形態における上部シャッタ14A)および下部シャッタ(例えば実施の形態における下部シャッタ14B)とを有し、前記下部シャッタに硬貨投入孔(例えば実施の形態における硬貨投入孔16)を形成してなる硬貨処理機において、前記上部シャッタおよび前記下部シャッタを重なり合った状態で連結させる連結状態と連結を解除する連結解除状態とで切り換えられる連結切換手段(例えば実施の形態における連結機構339および下部シャッタロック切換機構352)と、前記上部シャッタを前記取引口を覆う閉塞位置でロックするロック状態とロックを解除するロック解除状態とで切り換えられる上部シャッタロック切換手段(例えば実施の形態における上部シャッタロック切換機構351)と、前記下部シャッタを前記取引口を覆う閉塞位置でロックするロック状態とロックを解除するロック解除状態とで切り換えられる下部シャッタロック切換手段(例えば実施の形態における下部シャッタロック切換機構352)と、前記上部シャッタを前記取引口を覆う閉塞位置と該取引口を開放する開放位置との間で移動させる上部シャッタ駆動手段(例えば実施の形態における上部シャッタ駆動機構331)と、を有することを特徴としている。
【0009】
これにより、上部シャッタと下部シャッタとを共に取引口を覆う位置に位置させて取引口を完全に閉塞させる際には、下部シャッタを取引口を覆う閉塞位置でロックするロック状態に下部シャッタロック切換手段をするとともに、上部シャッタを取引口を覆う閉塞位置でロックするロック状態に上部シャッタロック切換手段をする。また、上部シャッタと下部シャッタとを共に取引口を開放する位置に位置させて取引口を完全に開放させる際および開放後戻す際には、下部シャッタのロックを解除するロック解除状態に下部シャッタロック切換手段をし、上部シャッタのロックを解除するロック解除状態に上部シャッタロック切換手段をするとともに、上部シャッタおよび下部シャッタを重なり合った状態で連結させる連結状態に連結切換手段をする。この状態で上部シャッタ駆動手段で上部シャッタを移動させれば上部シャッタを介して下部シャッタも移動する。加えて、下部シャッタを取引口を覆う位置に位置させるとともに上部シャッタを取引口を開放する位置に位置させて取引口を下部シャッタの硬貨投入孔を介してのみ開放させる際および上部シャッタを開放後戻す際には、下部シャッタをロックをするロック状態に下部シャッタロック切換手段をし、上部シャッタのロックを解除するロック解除状態に上部シャッタロック切換手段をするとともに、上部シャッタおよび下部シャッタを重なり合った状態での連結を解除する連結解除状態に連結切換手段をする。この状態で上部シャッタ駆動手段で上部シャッタを移動させれば上部シャッタのみが移動する。以上により、上部シャッタを介して下部シャッタが駆動されるため、トルクリミッタを駆動源と上部シャッタとの間のみに設ければ、上部シャッタおよび下部シャッタのいずれが開閉途中で停止する事態が生じても、トルクリミッタで駆動系に無理な力が加わることを防止できる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記上部シャッタおよび前記下部シャッタを重なり合った状態で連結および連結解除可能な連結手段(例えば実施の形態における連結機構339)を有しており、前記下部シャッタロック切換手段は、前記下部シャッタを前記取引口を覆う閉塞位置でロックしつつ前記連結手段による前記上部シャッタおよび前記下部シャッタの連結を解除するロック・連結解除状態と、前記下部シャッタのロックを解除しつつ前記連結手段により前記上部シャッタおよび前記下部シャッタを連結させるロック解除・連結状態とで切り換えられることにより、前記連結切換手段を兼ねることを特徴としている。
【0011】
これにより、上部シャッタと下部シャッタとを共に取引口を覆う位置に位置させて取引口を完全に閉塞させる際には、下部シャッタを取引口を覆う閉塞位置でロックしつつ連結手段による上部シャッタおよび下部シャッタの連結を解除するロック・連結解除状態に下部シャッタロック切換手段をするとともに、上部シャッタを取引口を覆う閉塞位置でロックするロック状態に上部シャッタロック切換手段をする。また、上部シャッタと下部シャッタとを共に取引口を開放する位置に位置させて取引口を完全に開放させる際および開放後戻す際には、下部シャッタのロックを解除しつつ連結手段により上部シャッタおよび下部シャッタを連結させるロック解除・連結状態に下部シャッタロック切換手段をするとともに、上部シャッタのロックを解除するロック解除状態に上部シャッタロック切換手段をする。この状態で上部シャッタ駆動手段で上部シャッタを移動させれば上部シャッタを介して下部シャッタも移動する。加えて、下部シャッタを取引口を覆う位置に位置させるとともに上部シャッタを取引口を開放する位置に位置させて取引口を下部シャッタの硬貨投入孔を介してのみ開放させる際および上部シャッタを開放後戻す際には、下部シャッタを取引口を覆う閉塞位置でロックしつつ連結手段による上部シャッタおよび下部シャッタの連結を解除するロック・連結解除状態に下部シャッタロック切換手段をするとともに、上部シャッタのロックを解除するロック解除状態に上部シャッタロック切換手段をする。この状態で上部シャッタ駆動手段で上部シャッタを移動させれば上部シャッタのみが移動する。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記連結手段は、前記上部シャッタに設けられて下部シャッタに形成された開口部(例えば実施の形態における係合穴338)に進入可能な連結部材(例えば実施の形態における連結部材334)と、該連結部材を前記開口部へ進入する方向に付勢する付勢手段(例えば実施の形態におけるネジリバネ335)とを有しており、前記下部シャッタロック切換手段は、前記下部シャッタの開口部に進入して前記連結部材を開口部から押し出す状態と、該開口部から退避する状態とに切り換えられることを特徴としている。
【0013】
これにより、下部シャッタロック切換手段が開口部から退避する状態になると、上部シャッタに設けられた連結部材は下部シャッタの開口部へ付勢手段の付勢力で進入して上部シャッタを下部シャッタに連結させるとともに、下部シャッタロック切換手段が開口部から退避することで下部シャッタのロックを解除する。つまり、ロック解除・連結状態となる。また、下部シャッタロック切換手段が開口部に進入する状態になると、上部シャッタに設けられた連結部材は付勢手段の付勢力に抗して下部シャッタロック切換手段で開口部から押し出されて上部シャッタと下部シャッタとの連結を解除するとともに、下部シャッタロック切換手段が下部シャッタの開口部へ進入して下部シャッタをロックする。つまり、ロック・連結解除状態となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の硬貨処理機の一実施形態である硬貨入出金機を図面を参照して以下に説明する。
【0015】
本実施形態の硬貨入出金機は、硬貨の入金および出金を行うもので、紙幣入出金機と組み合わせて使用されることから機体10の幅方向(操作者から見て左右方向)に薄く、機体10の前後方向(操作者から見て手前から奥の方向)に比較的長い略直方体形状をなしている。
【0016】
まず、硬貨入出金機の全体構成について図1〜図3を参照しつつ説明する。
硬貨入出金機は、機体前側(操作者側、図1における右側)の上部に、機外からの硬貨の入金および機外への硬貨の出金等、操作者との硬貨の取引を行うための入出金口(取引口)11を有する取引部12が設けられている。この取引部12は、上下に開口するとともに上部が入出金口11を構成する略筒状の周囲壁部13と、この周囲壁部13の入出金口11を開閉させるスライド可能なシャッタ14と、周囲壁部13の下側に設けられた硬貨受皿15とを有している。シャッタ14は、二重構造の上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bを有しており、下部シャッタ14Bには少量の硬貨のみを通過可能な硬貨投入孔16が形成されている。
【0017】
硬貨受皿15は、下部の機体後側(操作者に対し反対側)に機体左右方向に軸線を配置して設けられた回動軸17を中心に回動可能であって底部開口19を開閉可能な底板18を有している。つまり、硬貨受皿15の底板18は、その回動軸17に対し反対側が機体前方にほぼ水平に延在して底部開口19を閉塞させる閉状態と、回動軸17に対し反対側がほぼ鉛直下方に延在して底部開口19を開放させる開状態との間で回動させられる。
【0018】
上記取引部12の直下位置には、硬貨受皿15の底板18の開放で取引部12から落下させられた硬貨を受け入れるとともに、受け入れた硬貨を一枚ずつ分離して繰り出す硬貨供給装置21が設けられている。この硬貨供給装置21は、下部が閉塞され上側が開口する略容器状をなして内側に硬貨を受け入れる受入空間22を形成する硬貨受入部23を有している。この硬貨受入部23の機体前方側の下部所定範囲には異物除去口24が設けられており、この異物除去口24にはこれを開閉させる開閉板25が設けられている。
【0019】
開閉板25は、その上部に機体左右方向に軸線を配置して設けられた回動軸26を中心として回動可能に設けられている。つまり、開閉板25は、異物除去口24を閉塞させる閉状態と、回動軸26を中心に下部が機体前方側に揺動して異物除去口24を開放させて下側に設けられた異物回収部27に異物を落下させる開状態との間で回動させられる。異物回収部27は受け入れた異物の除去のため、機体から引き出し可能となっている。
【0020】
硬貨供給装置21の硬貨受入部23の壁部の機体後側の一部は、機体前後方向に沿いかつ鉛直方向に沿う面内に回転中心軸線が配置されるとともに、上部ほど機体後側に位置するように傾斜配置されて硬貨を一枚ずつに分離して繰り出す回転円盤30で構成されている。なお、この回転円盤30は鉛直方向に対し鋭角をなしており、軸線方向における受入空間22側の支持面31に硬貨の軸線方向における一側の面を当接させた状態で硬貨を支持する。回転円盤30による硬貨の分離および繰り出しについては後ほど詳述する。
【0021】
また、硬貨供給装置21は、この回転円盤30の接線方向に沿って上部ほど機体後側に位置するように傾斜配置されるとともに、回転円盤30から一枚ずつ繰り出された硬貨を上部ほど機体後側に位置するように斜め上方に搬送する第1揚高搬送部(揚高搬送部)35を有している。第1揚高搬送部35は、機体上部の取引部12の機体後側に近接して配置された硬貨の判別および選別等を行う硬貨選別搬送部33に硬貨を受け渡す。第1揚高搬送部35は、傾斜配置されて回転円盤30から一枚ずつ繰り出された硬貨を案内する揚高案内通路36と、揚高案内通路36の通路面37に硬貨を押し付けながら硬貨をこの揚高案内通路36に沿って移動させる無端の揚高搬送ベルト38等(図1においては揚高搬送ベルト38のみを図示)とを有している。なお、硬貨は、揚高案内通路36の通路面37に軸線方向における一側の面を当接させた状態で搬送される。
【0022】
ここで、硬貨供給装置21の回転円盤30および第1揚高搬送部35が上記のように傾斜させられているのは、機体前後方向のスペース効率を向上させるため機体上部において取引部12の機体後側に近接して配置された硬貨選別搬送部33に良好に硬貨を搬送するためと、回転円盤30および第1揚高搬送部35の自らの配置による機体前後方向のスペース効率を向上させるためである。
【0023】
硬貨選別搬送部33は、通路面41上に軸線を上下に配置した状態で受け入れた硬貨をその姿勢のまま案内する硬貨案内通路42と、硬貨案内通路42の通路面41に硬貨を押し付けながらこの硬貨案内通路42に沿って硬貨を移動させる硬貨搬送部43とを有しており、硬貨搬送部43は複数具体的には四本の無端の搬送ベルト(搬送手段)44〜47を有している。
【0024】
ここで、硬貨案内通路42は同方向に沿う二以上具体的には二つの第1直線部(直線部、一の直線部)48および第2直線部(直線部、他の直線部)49と隣り合うこれら第1直線部48および第2直線部49同士を延在方向の同側である機体後側で連結させる連結直線部50とで構成されており、機体前側から機体後側に延在し、機体左右方向に位置をずらした後、機体前側に180°折り返す形状をなしている。
【0025】
そして、搬送ベルト44は、第1直線部48に沿って延在して第1直線部48の案内で硬貨を搬送することになり、搬送ベルト45は、連結直線部50に沿って延在し搬送ベルト44で搬送される硬貨を受け取って連結直線部50の案内で搬送することになる。また、搬送ベルト46は、第2直線部49に沿って延在し、搬送ベルト45で搬送される硬貨を受け取って第2直線部49の案内で搬送することになる。搬送ベルト47は、第2直線部49に沿って延在し、搬送ベルト46で搬送される硬貨を受け取って第2直線部49の案内で搬送することになる。つまり、硬貨選別搬送部33では、ベルト受け渡し方式による90°ターンを2回行うようになっており、機体前部に設けられた取引部12に投入され硬貨供給装置21から一枚ずつに分離して繰り出された硬貨を、機体前側から機体後側への往路として第1直線部48に沿って搬送し、その後、機体左方向に位置をずらした後、機体後側から機体前側への復路として第2直線部49に沿って搬送する。
【0026】
硬貨案内通路42には、最も第1揚高搬送部35側(機体前側)である第1直線部48の最上流部に、硬貨案内通路42上の硬貨を搬送中に判別する判別部(判別手段)54が設けられている。この判別部54は、硬貨案内通路42の通路面41の一部を構成しその上側を通過する硬貨すべてを判別可能であって、硬貨の真偽、正損および金種等を判別し、かつ金種毎の計数を行う。
【0027】
第1直線部48には、判別部54の機体後側に、判別部54の判別結果に基づいて取り扱うすべての金種のうちの一部の金種の金種選別を行う第1金種選別部(第1金種選別手段)55が設けられており、第1金種選別部55は、入金確定された硬貨を選別して硬貨案内通路42から落下させ、下側に配置された出金収納繰出部57の直列に並べられた各金種別の硬貨貯留筒(硬貨収納部)58a〜58fの対応するものに収納させる。出金収納繰出部57は、全金種の硬貨貯留筒58a〜58fが直列に並べられており、これら硬貨貯留筒58a〜58fの上部から硬貨を受け入れて上下方向に集積させるとともに、下部に設けられた出金繰出部59によって必要金種の硬貨を一枚ずつ必要枚数だけ繰り出す。
【0028】
第1金種選別部55は、第1直線部48の延在方向すなわち機体前後方向に直列に並べられた選別部61a,61b,61cの三つを有しており、最も機体前側の選別部61aは、機体前後方向に直列に並べられた各金種別の硬貨貯留筒58a〜58fのうち、機体前側から二番目の硬貨貯留筒58aに、機体前側から二番目の選別部61bは機体前側から四番目の硬貨貯留筒58bに、機体前側から三番目の選別部61cは機体前側から六番目の硬貨貯留筒58cに、それぞれ硬貨を落下させて収納させる。
【0029】
第1直線部48には、第1金種選別部55の下流側である機体後側に、判別部54の判別結果に基づいて、対象となる硬貨を硬貨案内通路42から落下させて排除する選別部(排除手段)61gが設けられている。この選別部61gは、入金処理時に返却される入金リジェクト硬貨以外のリジェクト硬貨および回収処理時に回収する硬貨等を選別し硬貨案内通路42から落下させる。
【0030】
選別部61gの下側であって、硬貨貯留筒58a〜58fの機体後側には、選別部61gで落下させられた硬貨を振り分けるリジェクト/回収振分部62が設けられている。このリジェクト/回収振分部62の下側には、装填処理時のリジェクト硬貨を収納させる装填RJボックス部63、回収処理時のリジェクト硬貨を収納させる回収RJボックス部64および取り忘れ硬貨を収納させる取忘回収ボックス部65を機体前後方向に直列に並べたリジェクトボックス66が設けられており、このリジェクトボックス66の下側には、装填処理時や回収処理時に硬貨を収納する機体10に対し着脱可能な硬貨カセット67が設けられている。ここで、リジェクトボックス66は、機体10に対し着脱可能であって硬貨を繰り出し不可とされている。
【0031】
硬貨カセット67は、その底部を構成する回転円盤69と、その機体前側下部に設けられた払出口70と、その上部に設けられてリジェクト/回収振分部62で振り分けられた硬貨を受け入れる受入口71と、電気的に駆動されて払出口70を開閉させる開閉ゲート72と、機械的に駆動されて受入口71を開閉させる開閉ゲート73とを有している。ここで、受入口71を開閉させる開閉ゲート73は、硬貨カセット67の機体10への装填時に装填作動に連動して自動的に開き、機体10からの硬貨カセット67の取り外し時に取出作動に連動して自動的に閉じる。また、硬貨カセット67は、開閉ゲート72が開放された状態での回転円盤69の回転により硬貨を払出口70から機体前方に払い出し可能とされている。この硬貨カセット67には、上部に、機体外に取り出された状態で硬貨の出し入れの際に開閉させられる図示略の鍵付きの開閉扉が設けられている。
【0032】
リジェクト/回収振分部62は、選別部61gで硬貨案内通路42から落下させられた硬貨を、装填RJボックス部63、回収RJボックス部64、取忘回収ボックス部65および硬貨カセット67に選択的に振り分ける。このリジェクト/回収振分部62は、選別部61gの下側にあって選別部61gで硬貨案内通路42から落下させられた硬貨を案内する振分シュート75と、振分シュート75で案内する硬貨を電気的に駆動されて振り分ける開閉可能な振分部76A〜76Cとを有している。
【0033】
具体的に、振分部76Aは、開状態でリジェクトボックス66に閉状態で硬貨カセット67に硬貨をそれぞれ振り分けることになり、また、振分部76Aが開状態で、振分部76Bが開状態となることで装填処理時のリジェクト硬貨を装填RJボックス部63に案内し、振分部76Aが開状態で、振分部76Bが閉状態かつ振分部76Cが開状態となることで回収処理時のリジェクト硬貨を回収RJボックス部64に案内し、振分部76Aが開状態で、振分部76Bおよび振分部76Cがともに閉状態となることで、取り忘れ硬貨を取忘回収ボックス部65に案内する。
【0034】
そして、選別部61gの機体後側には、硬貨の搬送方向を90°換えるための方向転換部としての上記した連結直線部50が機体左右方向に延在しており、その機体左側には、さらに硬貨の搬送方向を90°換えるための方向転換部としての上記した第2直線部49が機体前後方向に延在している。
【0035】
第2直線部49には、機体後側に、判別部54の判別結果に基づいて取り扱うすべての金種のうちの残りの一部の金種の金種選別を行う第2金種選別部(第2金種選別手段)78が設けられており、第2金種選別部78も、入金確定された硬貨を選別して硬貨案内通路42から落下させ、図示せぬシュートを介して、直列に並べられた各金種別の硬貨貯留筒58a〜58fの対応するものに収納させる。
【0036】
具体的に、第2金種選別部78は、第2直線部49の延在方向すなわち機体前後方向に直列に並べられた選別部61d,61e,61fの三つを有しており、最も機体後側の選別部61dは、機体前後方向に直列に並べられた各金種別の硬貨貯留筒58a〜58fのうち、機体前側から五番目の硬貨貯留筒58dに、機体後側から二番目の選別部61eは機体前側から三番目の硬貨貯留筒58eに、機体後側から三番目の選別部61fは機体前側から一番目の硬貨貯留筒58fに、それぞれ硬貨を落下させて収納させる。
【0037】
第2直線部49には、第2金種選別部78の下流側である機体前側に、第1金種選別部55および第2金種選別部78で金種選別せずに搬送した硬貨を選別し硬貨案内通路42から落下させて受け入れる選別部(受入手段)61hが設けられている。この選別部61hは、入金処理時に判別部54にて真であると判別された硬貨を入金確定まで一時的に貯留させておくために選別して硬貨案内通路42から落下させたり、金種別の硬貨貯留筒58a〜58fのいずれかに収納しきれなくなったオーバーフロー硬貨を選別して硬貨案内通路42から落下させるものである。
【0038】
ここで、選別部61hの下側であって、硬貨貯留筒58a〜58fの下側には、硬貨を一時的に貯留させておくため一時貯留搬送部80が設けられており、この一時貯留搬送部80の機体前側かつ硬貨供給装置21の下側には、オーバーフロー硬貨を収納する機体10に対し着脱不可のオーバーフローボックス81が設けられている。
【0039】
選別部61hの下側には選別部61hで硬貨案内通路42から落下させられた硬貨を、一時貯留搬送部80およびオーバーフローボックス81に選択的に振り分ける入金振分部83が設けられている。この入金振分部83は、選別部61hの下側にあって選別部61hで硬貨案内通路42から落下させられた硬貨を案内する振分シュート84と、この振分シュート84で案内する硬貨を、電気的に駆動されて一時貯留搬送部80およびオーバーフローボックス81に選択的に振り分ける揺動可能な振分部85とを有している。
【0040】
オーバーフローボックス81は、その上部にあって振分シュート84から硬貨を受け入れる受入口86と、その底部を構成する回転円盤87と、その機体後側下部に設けられた払出口88と、電気的に駆動されてこの払出口88を開閉させる開閉ゲート89とを有しており、開閉ゲート89が開放された状態での回転円盤87の回転により硬貨を機体後方に払出口88から払い出し可能とされている。なお、オーバーフロー硬貨をオーバーフローボックス81に加えて硬貨カセット67に収納させるようにすることも可能である。
【0041】
なお、選別部61a〜61hは、それぞれ、硬貨案内通路42の通路面41に形成された落下孔91a〜91hと電気的に駆動されて落下孔91a〜91hを開閉可能な通路開閉ゲート92a〜92hとで構成されている。なお、各選別部61a〜61hのそれぞれの搬送方向上流側の直前位置には、各選別部61a〜61hで選別する硬貨を検出する図1において図示略の硬貨通過センサが設けられている。
【0042】
そして、第2直線部49の機体前面側の末端部は、取引部12内に連通されており、選別部61a〜61hのいずれでも選別落下させなかった入金リジェクト硬貨等を取引部12に投入する。
【0043】
一時貯留搬送部80は、オーバーフローボックス81の機体後方側において機体前後方向に水平延在する無端の第1貯留搬送ベルト95と、硬貨カセット67の機体前方側において機体前後方向に水平延在する無端の第2貯留搬送ベルト96とを有しており、これら第1貯留搬送ベルト95および第2貯留搬送ベルト96は、その上面上に硬貨を載置させるとともに、載置させた硬貨を機体前後方向に搬送する。なお、図2および図3に示すように、第1貯留搬送ベルト95と第2貯留搬送ベルト96とは機体左右方向に位置をずらしており、また第1貯留搬送ベルト95は第2貯留搬送ベルト96よりも上側に配置されている。
【0044】
第1貯留搬送ベルト95は、オーバーフローボックス81の払出口88から払い出された硬貨を載置させるとともに、入金振分部83で振り分けられた入金確定前の硬貨を一時貯留のため載置させるもので、載置された硬貨を機体後方側に移動させて案内部97で案内させて第2貯留搬送ベルト96の水平部96A上に受け渡す。この第2貯留搬送ベルト96は、水平配置された水平部96Aにおいて、第1貯留搬送ベルト95からの硬貨を載置させるとともに硬貨カセット67の払出口70から払い出された装填用硬貨を載置させる。さらに第2貯留搬送ベルト96の水平部96Aは、出金収納繰出部57から繰り出された出金用硬貨を載置させる。
【0045】
第2貯留搬送ベルト96の水平部96Aよりも機体前方側には、第2貯留搬送ベルト96の水平部96Aで機体前方側に搬送された硬貨を上側の硬貨供給装置21の受入空間22に搬送する第2揚高搬送部98が設けられている。この第2揚高搬送部98は、水平部96Aよりも下流側で上部ほど機体前側に位置するように傾斜配置された第2貯留搬送ベルト96の傾斜部96Bと、この傾斜部96Bに対向する揚高搬送ベルト99とを有しており、これらで硬貨を挟持して上部ほど機体前側に位置するように斜め上方に搬送して硬貨供給装置21の受入空間22に搬送する。これら第2貯留搬送ベルト96の傾斜部96Bおよび揚高搬送ベルト99は鉛直に対する傾斜角度が鋭角となっている。なお、図2および図3に示すように、揚高搬送ベルト99は、第1貯留搬送ベルト95とともに共通の駆動源であるモータ101で駆動されることになり、第2貯留搬送ベルト96は揚高搬送ベルト99に接触して連れ回りする。
【0046】
そして、一時貯留搬送部80の下側には、外部電源に接続されて各部に電力を供給する電源部100が設けられている。
【0047】
次に、上記構成の硬貨入出金機の全体的な作動について各処理別に説明する。
【0048】
「装填処理」
業務の開始に際して、硬貨入出金機内に硬貨を供給する装填処理を行う。操作者は、機体10外で硬貨カセット67の図示せぬ鍵付き開閉扉を開いて、硬貨カセット67の内部に硬貨を投入し、鍵付き開閉扉を閉じる。勿論、硬貨カセット67は、この鍵付き開閉扉以外の開口部である払出口70および受入口71は開閉ゲート72,73で閉塞されている。このようにして硬貨が充填された硬貨カセット67を機体10内の所定の装填位置に装填する。この装填により、硬貨カセット67の上部の開閉ゲート73は機械的に駆動されて開状態となり受入口71が開放されて、リジェクト/回収振分部62からの硬貨を受け入れ可能となる。
【0049】
そして、操作者が装填処理開始のための操作(図示せぬスタートスイッチの押下操作)を行うと、図示せぬ制御部は、硬貨カセット67の下側の開閉ゲート72および硬貨カセット67内の回転円盤69の図示せぬ各駆動源に駆動信号を出力して、開閉ゲート72を開作動させて払出口70を開放させるとともに回転円盤69を駆動する。これと同時に制御部は、一時貯留搬送部80の第1貯留搬送ベルト95、第2貯留搬送ベルト96、第2揚高搬送部98の揚高搬送ベルト99、硬貨供給装置21の回転円盤30、第1揚高搬送部35の揚高搬送ベルト38および硬貨選別搬送部33の搬送ベルト44〜46の各駆動源に駆動信号を出力して、これらを駆動させる。
【0050】
これにより、回転円盤69の回転によって硬貨カセット67内の硬貨が払出口70から第2貯留搬送ベルト96の水平部96Aに投出され、この水平部96Aで機体前方側に送られて、第2揚高搬送部98を構成する第2貯留搬送ベルト96の傾斜部96Bおよび揚高搬送ベルト99で揚高搬送されて硬貨供給装置21の受入空間22に投入される。そして、硬貨供給装置21の回転円盤30によって一枚ずつに分離されて第1揚高搬送部35の揚高搬送ベルト38で揚高搬送され、硬貨選別搬送部33の第1直線部48に送られて、硬貨選別搬送部33で直列に並べられた状態で搬送される。硬貨は、まず搬送ベルト44で駆動され第1直線部48で案内される搬送中に、判別部54で、真偽、真である場合の金種および正損が判別され、さらに金種毎に計数される。この判別結果に基づいて、制御部は、硬貨を、第1直線部48に設けられた第1金種選別部55の選別部61a,61b,61cおよび選別部61gと、第2直線部49に設けられた第2金種選別部78の選別部61d,61e,61fおよび選別部61hとの中のそれぞれ該当する場所に選別落下させる。
【0051】
具体的には、硬貨貯留筒58aに収納されるべき金種の真の汚損のない正硬貨については、搬送ベルト44の駆動による第1直線部48での搬送中に、当該硬貨を選別部61aの直前位置の硬貨通過センサ(図1において図示略)が検出したタイミングを基に、選別部61aの通路開閉ゲート92aのソレノイド(図1において図示略)を駆動することで、選別部61aの落下孔91aに落下させて硬貨貯留筒58aに収納させる。同様に、硬貨貯留筒58bに収納されるべき金種の真の正硬貨は選別部61bの開作動で硬貨貯留筒58bに、硬貨貯留筒58cに収納されるべき金種の真の正硬貨は選別部61cの開作動で硬貨貯留筒58cに、それぞれ収納させる。また、硬貨貯留筒58dに収納されるべき金種の真の正硬貨については、第1直線部48から連結直線部50を介して第2直線部49に至らせることで、180°搬送方向を変換させた後、搬送ベルト46の駆動による第2直線部49での搬送中に、選別部61dの開作動で硬貨貯留筒58dに収納させることになる。同様に、硬貨貯留筒58eに収納されるべき金種の真の正硬貨は選別部61eの開作動で硬貨貯留筒58eに、硬貨貯留筒58fに収納されるべき金種の真の正硬貨は選別部61fの開作動で硬貨貯留筒58fに収納させる。
【0052】
他方、硬貨貯留筒58a〜58fのうち、少なくともいずれかの一つが満杯になったことが図示せぬセンサにより検出されると、制御部は、満杯となった金種の真の正硬貨を選別部61a〜61fでは選別せずにこれらを通過させ、選別部61hの開作動で入金振分部83に選別落下させるとともに、入金振分部83の振分部85を制御することによりオーバーフローボックス81に案内し収納させる。
【0053】
一方、判別部54にて、偽と判別された偽硬貨および真かつ汚損のある硬貨と判別された硬貨については、第1金種選別部55の選別部61a,61b,61cでは選別せずにこれらを通過させる。そして、制御部は、該当硬貨については、選別部61gを開作動させて、リジェクト/回収振分部62に選別落下させるとともに、振分部76A,76Bを制御することによりリジェクトボックス66の装填RJボックス部63に案内し収納させる。
【0054】
そして、以上のようにして、硬貨カセット67内に投入されたすべての硬貨が繰り出され、硬貨貯留筒58a〜58f、オーバーフローボックス81および装填RJボックス部63のいずれかに収納されると、制御部は、各駆動源に停止信号を出力する。これにより、開閉ゲート72で払出口70が閉じられ、回転円盤69、第2貯留搬送ベルト96、揚高搬送ベルト99、回転円盤30、揚高搬送ベルト38および搬送ベルト44〜46が停止させられる。
【0055】
「入金処理」
操作者が入金処理開始のための操作(図示せぬ入金動作スイッチの押下操作)を行うと、図示せぬ制御部は、取引部12のシャッタ14に上部シャッタ14Aのみを開くように信号を送り、この上部シャッタ14Aを開かせて下部シャッタ14Bの硬貨投入孔16を介して操作者が硬貨を硬貨受皿15上に投入するのを待つ。その後、硬貨が硬貨受皿15上に投入され、操作者により計数開始のための操作(図示せぬスタートスイッチの押下等)がなされると、制御部は、上部シャッタ14Aを閉じ、硬貨供給装置21の回転円盤30、揚高搬送ベルト38および硬貨選別搬送部33の搬送ベルト44〜46の各駆動源を駆動するように駆動信号を出力して、これらを駆動させる。
【0056】
次いで、制御部は、硬貨受皿15の底板18を開くように信号を発し、底板18を開かせる。これによって、硬貨受皿15内に投入された硬貨は、下方に設けられた硬貨供給装置21の硬貨受入部23に落とされる。そして、硬貨受皿15内に投入された硬貨がすべて硬貨受入部23に落とされるのに十分な時間が経過すると、制御部は、硬貨受皿15の底板18を閉じるように信号を発し、底板18を閉める。その後、硬貨受皿15を有する取引部12は、入金リジェクト硬貨の返却口として入金リジェクト硬貨の受け入れに備える。
【0057】
一方、硬貨受入部23に落とされた硬貨は、この硬貨受入部23の下方が窄む形状で案内される結果、傾斜状態で回転している回転円盤30によって1枚ずつ分離されて、第1揚高搬送部35に繰り出され、第1揚高搬送部35の揚高搬送ベルト38で硬貨選別搬送部33の第1直線部48に搬送される。
【0058】
第1直線部48に送り込まれた硬貨は、その軸線方向を通路面41に直交させた姿勢で通路面41に載置され、搬送ベルト44によって第1直線部48を機体前方から後方に搬送される。すると、搬送中に、まず判別部54にて、金種、真偽、正損等が判別されるとともに金種毎に計数される。そこでの判別結果は、一旦、RAM等の記憶手段に記憶される。
【0059】
判別部54にて真と判別された硬貨は、搬送ベルト44の駆動および第1直線部48の案内で機体前方から後方に搬送されながら第1金種選別部55の選別部61a〜61cおよび選別部61gの閉状態の通路開閉ゲート92a〜92cおよび通路開閉ゲート92gを通過し、搬送ベルト45の駆動および連結直線部50の案内で機体側方に搬送され、さらに搬送ベルト46の駆動および第2直線部49の案内で機体後方から前方に搬送されながら第2金種選別部78の選別部61d〜61fの閉状態の通路開閉ゲート92d〜92fを通過して、選別部61hで選別されて落下させられる。選別部61hは、該当する真と判別された硬貨が搬送されてくると、通路開閉ゲート92hの直前に設けられた硬貨通過センサ(図1において図示略)がこれを検知し、これに基づいてソレノイド(図1において図示略)が駆動されることによって通路開閉ゲート92hが開いて落下孔91hから該当硬貨を落下させる。ここで、選別部61hの下方の入金振分部83の振分部85は、硬貨が第1貯留搬送ベルト95上へと導かれるように制御される。これによって、搬送されてきた真と判別された硬貨は、第1貯留搬送ベルト95上へと導かれ、この第1貯留搬送ベルト95上で一時貯留される。
【0060】
一方、判別部54にて、真と判別されなかった硬貨は、搬送ベルト44〜47の駆動と第1直線部48、連結直線部50および第2直線部49の案内とで搬送されながら、選別部61a〜61hをすべて通過して、第2直線部49の末端部から取引部12の硬貨受皿15内へと搬送される。
【0061】
このようにして、入金のために投入されたすべての硬貨が、第1貯留搬送ベルト95および硬貨受皿15のいずれか一方へと搬送されると、上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bを開き、入金リジェクト硬貨を返却するとともに、操作者に対して、入金金額の確認およびその後の処理について、すなわち入金確定するか、追加計数するか、作業を中止するか等の確認を促す。この時、硬貨受皿15内のリジェクト硬貨が取り除かれると、上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bは自動的に閉まるようになっている。
【0062】
操作者が、追加計数を選択した場合、制御部は、再び取引部12の上部シャッタ14Aを開くように信号を送り、この上部シャッタ14Aを開かせて、操作者が硬貨を下部シャッタ14Bの硬貨投入孔16を介して取引部12に投入するのを待つ。その後、硬貨が投入され、操作者により計数開始のための操作(図示せぬスタートスイッチの押下等)がなされると、制御部は、上部シャッタ14A、硬貨供給装置21の回転円盤30および第1揚高搬送路35の揚高搬送ベルト38、硬貨選別搬送部33の搬送ベルト44〜46の各駆動源を駆動するように駆動信号を出力して、上部シャッタ14Aを閉じ、回転円盤30、揚高搬送ベルト38および搬送ベルト44〜46を駆動させる。以降、前述と同様に判別、計数等を行い、投入されたすべての硬貨が、第1貯留搬送ベルト95および硬貨受皿15のいずれかへと搬送されると、上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bを開き、入金リジェクト硬貨を返却するとともに、操作者に対して、入金金額の確認、およびその後の処理について、すなわち入金確定するか、追加計数するか、作業を中止するか等の確認を促す。
【0063】
「収納処理」
操作者が、入金確定を選択した場合、制御部は、第1貯留搬送ベルト95、これと同期して逆回転させられる第2貯留搬送ベルト96、第2揚高搬送部98の揚高搬送ベルト99、硬貨供給装置21の回転円盤30、第1揚高搬送部35の揚高搬送ベルト38および硬貨選別搬送部33の搬送ベルト44〜46の各駆動源を駆動するように駆動信号を出力して、これらを駆動させる。
【0064】
すると、第1貯留搬送ベルト95上に一時貯留されていた硬貨は、入金確定硬貨として、第2貯留搬送ベルト96、揚高搬送ベルト38、回転円盤30および揚高搬送ベルト99によって硬貨選別搬送部33へと搬送される。硬貨選別搬送部33へと搬送されてきた硬貨は、搬送ベルト44の駆動および第1直線部48の案内で機体前方から後方に搬送され、その途中、判別部54にて再度、金種、真偽、正損等が判別される。そして、この判別結果を基に、各硬貨は、搬送ベルト44〜46による第1直線部48での機体前方から後方への移動、連結直線部50での側方への移動および第2直線部49での機体後方から前方への移動のルート上に順に配置された第1金種選別部55の選別部61a,61b,61cおよび選別部61g、第2金種選別部78の選別部61d,61e,61fおよび選別部61hのいずれか該当する一つで選別されて落下させられる。
【0065】
詳しくは、選別部61a〜61fのいずれかに収納される金種の真の正硬貨の場合、選別部61a〜61fは、それぞれ、該当する真と判別された硬貨が搬送されてくると、通路開閉ゲート92a〜92fのうち該当するものの直前に設けられた硬貨通過センサ(図1において図示略)がこれを検知し、これに基づいてソレノイド(図1において図示略)が駆動されることによって、通路開閉ゲート92a〜92fのうち該当するものを開かせる。すると、搬送されてきた硬貨は、それぞれ、落下孔91a〜91fの該当するものから硬貨貯留筒58a〜58fのうちの該当する一つへと収納される。
【0066】
また、この時、硬貨貯留筒58a〜58fのいずれかが満杯になってしまうと、制御部は、以降の該当硬貨を選別部61hで選別して落下させ、入金振分部83の振分部85を制御することによりオーバーフローボックス81へ収納させる。つまり、該当硬貨は、選別部61a〜61gにおいては閉状態の通路開閉ゲート92a〜92gを通過することになり、該当する選別部61hにおいて選別される。選別部61hは、該当硬貨が搬送されてくると、通路開閉ゲート92hの直前に設けられた硬貨通過センサ(図1において図示略)がこれを検知し、これに基づいてソレノイド(図1において図示略)が駆動されることによって、通路開閉ゲート92hを開いて落下孔91hから該当硬貨を落下させる。そして、入金振分部83の振分部85によって、硬貨貯留筒58a〜58fのうち対応するものが満杯になってしまった該当硬貨をオーバーフローボックス81内へ収納する。
【0067】
一方、判別部54にて、真ではあるが汚損と判別された汚損硬貨は、第1金種選別部55の選別部61a〜61cを通過した後、選別部61gで落下させられる。つまり、選別部61gは、該当する真の汚損硬貨が搬送されてくると、通路開閉ゲート92gの直前に設けられた硬貨通過センサ(図1において図示略)がこれを検知し、これに基づいてソレノイド(図1において図示略)を駆動することによって通路開閉ゲート92gを開いて落下孔91gから該当硬貨を落下させる。また、リジェクト/回収振分部62の振分部76A〜76Cが、硬貨を回収RJボックス部64内へと導かれる状態に制御されることになり、搬送されてきた該当硬貨は回収RJボックス部64内へと収納される。
【0068】
以上のようにして、第1貯留搬送べルト95上に一時貯留されていた入金確定硬貨がすべて繰り出され、硬貨貯留筒58a〜58f、オーバーフローボックス81および回収RJボックス部64のいずれかに収納されると、制御部は、各駆動源に停止信号を出力して駆動を停止させる。これにより、第1貯留搬送ベルト95、第2貯留搬送ベルト96、揚高搬送ベルト99、回転円盤30、揚高搬送ベルト38および搬送ベルト44〜46が停止させられて、収納処理を終了させる。なお、この収納処理終了後に、硬貨受入部23の開閉板25を開閉させて残存する異物を異物除去口24から異物回収部27に落下させる。
【0069】
「返却処理」
一方、操作者が、入金確定ではなく、入金の中止を選択した場合、制御部は、第1貯留搬送べルト95、第2貯留搬送ベルト96、第2揚高搬送部98の揚高搬送ベルト99、硬貨供給装置21の回転円盤30、第1揚高搬送部35の揚高搬送ベルト38、硬貨選別搬送部33の搬送ベルト44〜46の各駆動源に駆動信号を出力して、これらを駆動させる。すると、第1貯留搬送ベルト95上に一時貯留されていた入金確定前の硬貨が、第2貯留搬送べルト96、揚高搬送ベルト99、回転円盤30、揚高搬送ベルト38を介して硬貨選別搬送部33の第1直線部48へと搬送される。第1直線部48へと搬送されてきた硬貨は、搬送ベルト44の駆動により第1直線部48で案内されて搬送され、その途中、確認のため判別部54にて判別および計数されながら、搬送ベルト45の駆動により連結直線部50で案内されて搬送され、さらに搬送ベルト46,47の駆動により第2直線部49で案内されて搬送され、取引部12の硬貨受皿15内へと搬送される。このようにして、第1貯留搬送ベルト95上に一時貯留されていた入金確定前の硬貨がすべて繰り出され、硬貨受皿15内に搬送されると、制御部は、各駆動源に停止信号を出力して駆動を停止させる。これにより、第1貯留搬送べルト95、第2貯留搬送ベルト96、第2揚高搬送部98の揚高搬送ベルト99、硬貨供給装置21の回転円盤30、第1揚高搬送部35の揚高搬送ベルト38、硬貨選別搬送部33の搬送ベルト44〜46が停止させられる。その後、制御部は、上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bを開くように信号を出力してこれらを開かせ、操作者に入金硬貨を返却する。操作者によって、硬貨受皿15内の全ての硬貨が取り除かれたのが確認されると、制御部は、上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bを閉じるように信号を出力して、これらを閉状態として、返却処理を終了させる。
【0070】
「出金処理」
操作者が硬貨の出金のための操作(出金金額の入力およびスタートスイッチの押下等)を行うと、制御部は、第2貯留搬送ベルト96、第2揚高搬送部98の揚高搬送ベルト99、硬貨供給装置21の回転円盤30、第1揚高搬送部35の揚高搬送ベルト38、硬貨選別搬送部33の搬送ベルト44〜46の各駆動源に駆動信号を出力して、これらを駆動させる。そして、出金繰出部59を制御して、硬貨収納筒58a〜58fから必要な金種の硬貨を必要な枚数だけ繰り出させる。出金繰出部59によって第2貯留搬送ベルト96上に繰り出された硬貨は、第2貯留搬送ベルト96の水平部96Aによって機体前方に搬送され、第2貯留搬送ベルト96の傾斜部96Bおよび揚高搬送ベルト99にて硬貨供給装置21の硬貨受入部23まで揚高搬送される。硬貨受入部23に送り込まれた硬貨は、回転円盤30の回転によって1枚ずつ第1揚高搬送部35に繰り出され、揚高搬送ベルト38で硬貨選別搬送部33の第1直線部48に向けて搬送される。第1直線部48に送られた出金硬貨は、搬送ベルト44および第1直線部48で搬送され、その途中、判別部54にて、判別および計数が行われ、さらに下流へと搬送される。出金硬貨は、判別部54の判別結果より、出金に必要な金種の正貨の場合には、選別部61a〜61hをすべて通過して、第2直線部49の末端に設けられた取引部12の硬貨受皿15に送られる。
【0071】
一方、汚損硬貨の場合には、選別部61gにて回収される。つまり、判別部54にて汚損硬貨と判別された硬貨は、第1金種選別部55の選別部61a〜61cを通過して、選別部61gへと搬送される。選別部61gでは、該当する硬貨が搬送されてくると、通路開閉ゲート92gの直前に設けられた硬貨通過センサ(図1において図示略)がこれを検知し、この検知に基づいてソレノイド(図1において図示略)を駆動することによって、通路開閉ゲート92gを開かせる。また、リジェクト/回収振分部62では振分部76A〜76Cは、硬貨が回収RJボックス部64内へと導かれるように制御される。こうすることによって、搬送されてきた該当硬貨は、選別部61gから回収RJボックス部64内へと収納される。
【0072】
なお、汚損硬貨が検出されて、回収RJボックス部64内へとリジェクトされた場合には、リジェクトした分の硬貨を、再度、出金繰出部59を制御して出金させる。
【0073】
このようにして、出金用として繰り出されたすべての硬貨が硬貨受皿15および回収RJボックス部64のいずれかへと搬送されると、制御部は、各駆動源に停止信号を出力して、第2貯留搬送ベルト96、揚高搬送ベルト99、回転円盤30、揚高搬送ベルト38、搬送ベルト44〜46を停止させる。その後、制御部は、上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bを共に開くように信号を出力して、これらを開かせ、操作者が、硬貨受皿15内の出金硬貨を取り除くのを待つ。
【0074】
操作者によって、硬貨受皿15内のすべての硬貨が取り除かれたのが図示せぬ残留センサで確認されると、制御部は、上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bを閉じるように信号を出力して、これらを閉じ、入金作業を終了する。
【0075】
なお、一定時間を越えても、硬貨受皿15内の硬貨が取り除かれない場合、制御部は、取り忘れと判断し、上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bを閉じ、取忘回収ボックス部65への回収作業を開始する。この回収作業は、入金処理と同様に、硬貨受皿15の底板18を開き、硬貨受皿15内に残された取り忘れ硬貨を、硬貨供給装置21に落とすことに始まり、硬貨供給装置21の回転円盤30、揚高搬送ベルト38を介して、硬貨選別搬送部33に向けて搬送し、選別部61gにて回収する。つまり、取り忘れ硬貨が搬送されてくると、選別部61gは、その通路開閉ゲート92gの直前に設けられた硬貨通過センサ(図1において図示略)がこれを検知し、この検知結果に基づいてソレノイド(図1において図示略)を駆動することによって、通路開閉ゲート92gを開かせ、リジェクト/回収振分部62内の振分部76Aを硬貨が取忘回収ボックス部65内へと導かれるように制御する。こうすることによって、搬送されてきた取り忘れ硬貨は、選別部61gから取忘回収ボックス部65内へと収納される。
【0076】
「補充処理」
出金処理中に、硬貨貯留筒58a〜58fのいずれかの貯留硬貨が、規定の枚数以下になった時は、その出金処理の終了後に、オーバーフローボックス81より不足硬貨の補充を行う。
【0077】
この場合、制御部は、予めオーバーフローボックス81内に収納されている硬貨のデータを読み出し、目的の金種の硬貨がオーバーフローボックス81内に収納されていることを確認した上で、処理を開始させる。
【0078】
目的の金種の硬貨がオーバーフローボックス81内に収納されていることが確認された場合、制御部は、第1貯留搬送ベルト95、これと同期する第2貯留搬送ベルト96、第2揚高搬送部98の揚高搬送ベルト99、硬貨供給装置21の回転円盤30、第1揚高搬送部35の揚高搬送ベルト38、硬貨選別搬送部33の搬送ベルト44〜46の各駆動源に駆動信号を出力して、これらを駆動させる。
【0079】
同時に、制御部は、オーバーフローボックス81内の回転円盤87を駆動する駆動源、開閉ゲート89を駆動する駆動源に駆動信号を出力して、回転円盤87を回転させ、開閉ゲート89を開く。
【0080】
回転円盤87の回転によってオーバーフローボックス81から外に投げ出された硬貨は、第1貯留搬送ベルト95を介して第2貯留搬送ベルト96に搬送され、第2貯留搬送ベルト96の水平部96Aによって機体前方に搬送されて、第2貯留搬送ベルト96の傾斜部96Bおよび揚高搬送ベルト99にて、硬貨供給装置21の硬貨受入部23まで揚高搬送される。そして、硬貨受入部23に送り込まれた硬貨は、回転円盤30の回転によって1枚ずつ第1揚高搬送部35に繰り出され、揚高搬送ベルト38で硬貨選別搬送部33の第1直線部48に向けて搬送される。硬貨は、第1直線部48に送り込まれると、搬送ベルト44および第1直線部48で搬送され、まず判別部54にて、金種、真偽、正損等が判別される。そして、この判別結果を基に、目的の金種の硬貨が目的の金種の硬貨貯留筒58a〜58fのいずれか対応するものへと運ばれ、補充される。この時、目的の金種以外の硬貨は、選別部61hから入金振分部83の振分部85を介して、オーバーフローボックス81内へ戻される。このようにして、硬貨貯留筒58a〜58fのうち、規定の枚数以下になったものが満杯になったこと、もしくは補充予定枚数(オーバーフローボックス81内の枚数に基づき自動的に設定される枚数)の補充、または第2の規定枚数(補充を判断した規定枚数より多い予め規定された枚数)になったことが確認されると、制御部は、オーバーフローボックス81内の回転円盤87および開閉ゲート89を駆動する各駆動源に停止信号を出力して、回転円盤87の回転を停止させ、開閉ゲート89を閉塞させる。そして、所定時間経過後(第1貯留搬送ベルト95上に放出された硬貨が再度オーバーフローボックス81内に戻されるのに充分な時間が経過した後)、第1貯留搬送ベルト95、第2貯留搬送ベルト96、揚高搬送ベルト99、回転円盤30、揚高搬送ベルト38、搬送ベルト44〜46の各駆動源にも停止信号を出力して、これらを停止させる。
【0081】
なお、この補充動作時に、規定の枚数以下になった目的の金種以外の硬貨についても、各硬貨貯留筒58a〜58f内が満杯になるまで同時に補充するようにしても良い。
【0082】
一方、目的の金種の硬貨がオーバーフローボックス81内に収納されていることが確認されなかった場合、制御部は、硬貨不足エラーの信号を出力し、装置を停止させるとともに、図示せぬ表示画面等にその旨の説明表示を行って、管理者に不足硬貨の補充を促す。
【0083】
「精査処理」
硬貨入出金機内に存在する硬貨の枚数等を再確認する精査処理を行う時には、操作者が精査処理開始のための操作(スタートスイッチの押下等)を行うと、制御部は、まず硬貨カセット67内が空であることを図示せぬ残留センサの検出等により確認する。
【0084】
ここで、硬貨カセット67内に硬貨が確認された場合、前述の装填動作を行い、硬貨カセット67内を空にする。これは、硬貨カセット67内の硬貨は、機械側が認識していない硬貨であることによる。
【0085】
一方、硬貨カセット67内が空であることが確認されると、第1貯留搬送ベルト95、第2貯留搬送ベルト96、揚高搬送ベルト99、回転円盤30、揚高搬送ベルト38、搬送ベルト44〜46の各駆動源に駆動信号を出力して、これらを駆動させ、さらに、選別部61gの通路開閉ゲート92gを開くようにソレノイド(図1において図示略)を制御する。
【0086】
その後、出金繰出部59に、全金種の全収納硬貨の出金指令を発し、すべての硬貨貯留筒58a〜58f内に貯留されている出金用硬貨を、第2貯留搬送ベルト96上に繰り出させる。そして、第2貯留搬送ベルト96上に繰り出された硬貨は、第2貯留搬送ベルト96、揚高搬送ベルト99、回転円盤30、揚高搬送ベルト38を介して、硬貨選別搬送部33の第1直線部48に搬送される。第1直線部48に搬送された硬貨は、搬送ベルト44の駆動により第1直線部48で搬送されて、判別部54にて金種、真偽、正損等を判別されるとともに金種毎に計数される。そして、さらに下流へと搬送され、第1金種選別部55の選別部61a〜61cを通過し、選別部61gの開けられた通路開閉ゲート92gによってリジェクト/回収振分部62に落とされ、このリジェクト/回収振分部62内に設けられた振分部76Aによって、硬貨カセット67内へと導かれる。
【0087】
このようにしてすべての硬貨貯留筒58a〜58f内のすべての硬貨が硬貨カセット67内に移されると、制御部は、出金繰出部59の出金指令を停止し、次いで、オーバーフローボックス81内の硬貨を硬貨カセット67内に移動させるベく、オーバーフローボックス81内の回転円盤87および開閉ゲート89を駆動する各駆動源に駆動信号を出力して、回転円盤87を回転させ開閉ゲート89を開く。そして、オーバーフローボックス81内の硬貨を、硬貨貯留筒58a〜58fの硬貨と同様に、第1貯留搬送ベルト95、第2貯留搬送ベルト96、揚高搬送ベルト99、回転円盤30、揚高搬送ベルト38によって、硬貨選別搬送部33に搬送し、判別部54にて判別および計数しながら、硬貨カセット67内へと収納していく。
【0088】
このようにしてオーバーフローボックス81内のすべての硬貨が硬貨カセット67内に移されると、制御部は、オーバーフローボックス81内の回転円盤87を駆動する駆動源、開閉ゲート89を駆動する駆動源に停止信号を出力して、回転円盤87の回転を停止させ、開閉ゲート89を閉じる。
【0089】
以上のようにして、各硬貨貯留筒58a〜58f内およびオーバーフローボックス81内のすべての硬貨が硬貨カセット67内に収納されると、制御部は、上述の装填処理を開始する。そして、装填処理が終了すると、硬貨入出金機内の硬貨の情報(収納場所毎の金種毎の枚数等)が確定され、精査処理を終了する。
【0090】
「回収処理」
業務の終了時等、硬貨入出金機内のリジェクトボックス66以外の硬貨をすべて機体10外へ回収する時には、操作者が回収動作開始のための操作(スタートスイッチの押下等)を行うと、制御部は、まず硬貨カセット67内が空である事を残留センサ等で確認する。ここで硬貨カセット67内に硬貨が確認された場合、前述の装填動作を行い、硬貨カセット67内を空にする。これは、硬貨カセット67内の硬貨は、機械側が確定していない硬貨であることによる。
【0091】
硬貨カセット67内が空であることが確認されると、第2貯留搬送ベルト96、揚高搬送ベルト99、回転円盤30、揚高搬送ベルト38および搬送ベルト44〜46の各駆動源に駆動信号を出力して、これらを駆動させ、さらに、選別部61gの通路開閉ゲート92gを開くようにソレノイド(図1において図示略)を制御する。
【0092】
その後、出金繰出部59に、全金種の全貯留硬貨の出金指令を発し、すべての硬貨貯留筒58a〜58f内に貯留されている硬貨を、第2貯留搬送べルト96上に繰り出させる。そして、第2貯留搬送ベルト96上に繰り出された出金用硬貨は、第2貯留搬送ベルト96、揚高搬送ベルト99、回転円盤30、揚高搬送ベルト38を介して、硬貨選別搬送部33の第1直線部48に搬送される。第1直線部48に搬送された硬貨は、搬送ベルト44の駆動および第1直線部48の案内で機体後方に搬送されながら、残留検知のため判別部54にて計数される。そして、第1金種選別部55の選別部61a〜61cを通過し、選別部61gに来たところで、選別部61gの開けられた通路開閉ゲート92gによってリジェクト/回収振分部62内に落とされ、リジェクト/回収振分部62内に設けられた振分部76Aによって、硬貨カセット67内へと導かれる。
【0093】
このようにしてすべての硬貨貯留筒58a〜58f内のすべての硬貨が硬貨カセット67内に移されると、制御部は、出金繰出部59の出金指令を停止し、次いで、オーバーフローボックス81内の硬貨を硬貨カセット67内に移動させるべく、オーバーフローボックス81内の回転円盤87および開閉ゲート89をそれぞれ駆動する駆動源に駆動信号を出力して、回転円盤87を回転させ、開閉ゲート89を開く。そして、同様に、オーバーフローボックス81内の硬貨を、第1貯留搬送ベルト95、第2貯留搬送ベルト96、揚高搬送ベルト99、回転円盤30、揚高搬送ベルト38を介して、硬貨選別搬送部33に搬送し、判別部54にて計数しながら、硬貨カセット67内へと収納していく。
【0094】
このようにしてオーバーフローボックス81内のすべての硬貨が硬貨カセット67内に移されると、制御部は、オーバーフローボックス81内の回転円盤87を停止させ、開閉ゲート89を閉じ、さらに、第1貯留搬送ベルト95、第2貯留搬送ベルト96、揚高搬送ベルト99、回転円盤30、揚高搬送ベルト38、搬送ベルト44〜46の各駆動源の動作を停止させて、回収作業を終了する。
【0095】
その後、硬貨カセット67は操作者により機体10外に取り外され、上部の鍵付き開閉扉を開けられることで内部に収納された硬貨が取り出され、回収される。
【0096】
次に、硬貨供給装置21について図4および図5を主に参照してさらに説明する。
【0097】
硬貨供給装置21は、上述したように、硬貨受入部23(図4および図5においては図示略)の硬貨を受け入れる受入空間22の壁部となる傾斜配置された回転円盤30と、この回転円盤30の上側にこれと同様に傾斜配置された第1揚高搬送部35と、回転円盤30の正逆回転の駆動源となるモータ105と、このモータ105の駆動力を回転円盤30に伝達する回転駆動力伝達機構106とを有している。ここで、回転円盤30は、その軸線が機体前後方向に沿いかつ鉛直方向に沿う平面内で後方ほど下側に位置するように傾斜しており、軸線の水平方向に対する角度は鋭角をなしている。なお、回転円盤30は正面から見て時計回り方向が硬貨の繰り出し時の回転方向である正回転とされ、反時計回り方向が逆回転とされる。
【0098】
第1揚高搬送部35は、回転円盤30の受入空間22側かつ外径側の支持面31に対し同一平面に配置される通路面37を有して上方に延出する揚高案内通路36と、この揚高案内通路36の機体前方側に設けられて硬貨をこの揚高案内通路36の通路面37に押し付けながら上方に搬送する左右一対の揚高搬送ベルト38と、揚高搬送ベルト38を駆動する駆動源であるモータ107と、このモータ107の駆動力を一対の揚高搬送ベルト38に伝達する揚高駆動力伝達機構108とを有している。ここで、揚高案内通路36および揚高搬送ベルト38は機体正面から見て鉛直方向に沿っている。
【0099】
回転円盤30は、中心軸線上に設けられた回転軸110を中心に回転するようになっており、回転円盤30を駆動するモータ105は、回転円盤30の裏側つまり受入空間22に対し反対側に配置されている。ここで、設置スペースの関係からモータ105で回転円盤30の回転軸110を直接駆動するのではなく、回転駆動力伝達機構106の無端の駆動ベルト111を介して回転軸110を駆動するようになっている。
【0100】
回転円盤30の表側つまり受入空間22側には、回転円盤30より小径の支持円盤113が同軸に重ね合わせられてネジ114の締結で一体化されている。この支持円盤113は、外径側が薄板部115とされており、中央が受入空間22側に若干厚みを増した厚板部116とされている。なお、外径側の薄板部115の厚さは、取り扱う最も薄い硬貨(1円硬貨)の厚さよりもわずかに薄く設定されている。この支持円盤113の外径側の外周面は、回転円盤30の支持面31に面当たりする硬貨の外径側の外周面を支持する支持外径部117とされている。
【0101】
また、支持円盤113の薄板部115の受入空間22側には、厚板部116側に近接して、頂点側を切り欠いた円錐状の突起部118が複数具体的には三カ所設けられている。これら突起部118は、支持円盤113の中心軸線からの距離を等しくしており、また支持円盤113の回転方向に等間隔をあけて配置されている。ここで、突起部118には、中心軸線側に収納穴119が形成されており、この収納穴119に支持円盤113を回転円盤30に固定する上記ネジ114が収納されている。
【0102】
回転円盤30は、上記のようにその受入空間22側の中央が支持円盤113で覆われることにより、この支持円盤113より外径側のみが受入空間22側に露出することになり、この部分が硬貨を支持するための支持面31となっている。その結果、支持面31は円環状をなしている。そして、この支持面31に支持面31上の硬貨を支持する支持突起部121が複数具体的には8カ所形成されている。これら支持突起部121は、回転円盤30の中心軸線からの距離を等しくしており、また回転円盤30の回転方向に等間隔をあけて配置されている。
【0103】
ここで、支持突起部121は、それぞれ、支持面31から立ち上がる円筒面122Aを有する第1突起部122と、回転円盤30の正回転時における第1突起部122の後側に近接配置されるとともに支持面31から立ち上がる円錐面123Aを有する第2突起部123との組で構成されている。なお、第1突起部122および第2突起部123は、ともに取り扱う最も薄い硬貨(1円硬貨)の厚さの半分ほどの高さとされている。
【0104】
ここで、回転円盤30は、その周囲に配置されるベース部124の配置穴125内に設けられており、この配置穴125の内径側は、回転円盤30の外周部に沿って支持面31よりも受入空間22側に一段突出する円筒状の支持内径部126とされている。
【0105】
そして、回転円盤30を正回転させると、受入空間22にある硬貨は、硬貨受入部23の下部の形状で回転円盤30側に移動するように案内されることになり、回転円盤30の回転とそれに伴う支持突起部121の旋回移動とで姿勢が変更され、回転円盤30の支持面31に面当たりする状態になると、下側が下方から移動してくる支持突起部121の第1突起部122に支持されると同時に、支持内径部126で支持されて、支持面31に面当たりした状態のまま回転円盤30の正回転(図4における時計回り回転)にともなって旋回し上昇する。そして、回転円盤30の上側半分側に移動すると支持突起部121および支持面31で支持された状態のまま自重により支持円盤113の支持外径部117に支持される状態となってさらに旋回する。
【0106】
ここで、上記した支持円盤113に設けられた突起部118は、回転円盤30の回転時に硬貨に接触してその姿勢を変化させることになり、その結果、硬貨の滞留を防止する。加えて、これら突起部118の内側にネジ114を収納することでネジ114の頭部の硬貨への引っ掛かり等を防止する。
【0107】
また、支持突起部121は、支持面31から立ち上がる円筒面122Aを有する正回転時先側の第1突起部122で硬貨を下側から確実に支持することになる一方、正回転時後側の第2突起部123は、それより一つ正回転時下流側の第1突起部122で支持された硬貨にさらに硬貨が支持されるような状態になることを防止するために、このような不要な硬貨を載り上げさせて支持面31から離間させて落下させる。これにより、硬貨は第1突起部122で確実に間隔をあけて一枚ずつ移動させることになる。
【0108】
硬貨供給装置21は、回転円盤30よりも外側のベース部124から回転円盤30の上半分において支持外径部117の頂上位置よりも正回転時下流側にほぼ水平に延出するストッパ部材130と、ストッパ部材130をベース部124に固定するためのネジ131とを有する受渡部132を具備している。ストッパ部材130は回転円盤30との間に微小の隙間を設けた状態で配置されている。
【0109】
受渡部132のストッパ部材130は、上記のように回転円盤30の支持面31と支持突起部121の第1突起部122と支持円盤113の支持外径部117とで支持されて回転円盤30の正回転で支持突起部121の第1突起部122により旋回移動させられる硬貨を支持外径部117の頂上位置より正回転時下流側で下側から受け取るとともに、さらなる回転円盤30の正回転により移動する第1突起部122で押出される当該硬貨を支持面31とで支持しつつ回転円盤30の外径側に横方向に案内して第1揚高搬送部35に受け渡す。
【0110】
すなわち、受渡部132のストッパ部材130は、第1突起部122の旋回によりこの第1突起部122で押出される硬貨の移動を、旋回運動から回転円盤30の外径側への横方向移動、つまり第1揚高搬送部35の揚高案内通路36と揚高搬送ベルト38の下部との間への強制挿入移動に換える。そして、硬貨は第1揚高搬送部35の揚高案内通路36と揚高搬送ベルト38とで揚高搬送されることになる。ここで、ストッパ部材130は、支持突起部121の第1突起部122により旋回移動させられる硬貨を水平延在する上端縁部130Aで受け取るとともにこの上端縁部130Aでそのまま回転円盤30の外径側に案内する。
【0111】
ストッパ部材130の回転円盤30の支持面31との隙間は、取り扱う最も薄い硬貨(1円硬貨)の厚さよりも狭くされて硬貨を確実に受け止めて横方向に案内可能とされており、しかも支持突起部121の第1突起部122および第2突起部123を通過させることが可能な大きさとされている。具体的には、取り扱う最も薄い硬貨(1円硬貨)の厚さの3/4程度の隙間とされている。
【0112】
回転円盤30の正回転時におけるストッパ部材130の下流側すなわち第1揚高搬送部35に対し反対側には、回転円盤30に対し反対側に傾斜面134が形成されている。この傾斜面134は、正回転時下流側ほど支持面31からの高さが低くなるように傾斜している。
【0113】
ここで、回転円盤30は、硬貨詰まり解消や残留硬貨の姿勢変更等のために、逆回転させることがあるが、このような逆回転時には、支持突起部121のうち回転方向先側となる第2突起部123が支持面31から立ち上がるテーパ面形状をなしており、また、ストッパ部材130にも支持面31から離れる方向に傾斜する傾斜面134が形成されていることから、硬貨は第2突起部123およびストッパ部材130のいずれかに容易に載り上げることになって、支持面31から容易に離れることになる。その結果、硬貨が第2突起部123とストッパ部材130とで噛み込まれたり、無理にストッパ部材130と回転円盤30との隙間に入り込んだりすることなく落下する。なお、このような逆回転は、回転円盤30による硬貨の繰り出し中に数秒間硬貨が繰り出されなかったことが図示せぬ硬貨通過センサで検出された場合等に実行される。
【0114】
硬貨供給装置21は、回転円盤30の上半分において、回転円盤30の正回転時における支持外径部117の頂上位置より上流側で支持面31上の硬貨を回転円盤30の外径側から押圧する押圧部136が設けられている。この押圧部136は、回転円盤30を基準とした場合、受渡部132に対し左右逆となる位置に設けられている。
【0115】
押圧部136は、回転円盤30の正回転時における支持外径部117の頂上位置より上流側の外側に回転円盤30の軸線と平行に設けられた回動軸138と、この回動軸138に回動可能に支持された規制部材139とを有している。この規制部材139は、回転円盤30側の先端に直線状の規制面140が形成されており、この直線状の規制面140が、回転円盤30の外径部における接線方向に沿う退避状態と、回転円盤30の中心側に若干突出して前記接線方向に対し鋭角をなして回転円盤30の正回転時先側が回転円盤30の中心側に近接するように傾斜する突出状態との間で回動する。そして、突出状態となる方向に回動軸138に設けられた図示せぬネジリバネで付勢されている。
【0116】
そして、硬貨が、例えば、何らかの理由で支持面31との摩擦係数が大きい状態であって、支持突起部121の第1突起部122から離間し回転円盤30の支持面31と支持円盤113の支持外径部117とだけで支持された状態で旋回移動してくることがあっても、押圧部136が規制部材139の規制面140で硬貨をネジリバネの付勢力で押圧し、その結果、硬貨を第1突起部122に当接させることになる。このため、硬貨は一枚ずつ確実に間隔をあけた状態で整然と受渡部132に送り込まれることになる。なお、第1突起部122に当接した硬貨については、規制部材139がネジリバネの付勢力に抗して退避して硬貨の通過を許容する。
【0117】
第1揚高搬送部35の揚高案内通路36は、回転円盤30の径方向外側かつ受渡部132の上側に上方に延出するように配置されており、回転円盤30の支持面31と同一平面に配置される直線状の通路面37を通路面37から立ち上がる機体左右方向両側の壁部142で挟んだ断面凹形状をなしている。
【0118】
そして、通路面37に平行をなして対向するように、揚高搬送ベルト38が左右一対配置されている。ここで、左右一対の揚高搬送ベルト38の上端部は、通路面37の上端部よりも上側まで延出している。また、左右一対の揚高搬送ベルト38の下端部は、受渡部132に近接しており、上記のように受渡部132のストッパ部材130で案内されて横方向に移動する硬貨に接触可能となっている。その結果、回転円盤30の支持面31から揚高案内通路36の通路面37に横移動させられた硬貨を一対の揚高搬送ベルト38は通路面37に押し付けながら通路面37に沿って揚高搬送する。
【0119】
通路面37の上端部の上側には、左右一対のゴム等からなる搬送ローラ144が配置されており、さらに、これら搬送ローラ144と一部重なり合いこれら搬送ローラ144から機体後方に延出するように無端の搬送ベルト145がこれら搬送ローラ144の間に配置されている。一対の揚高搬送ベルト38で揚高搬送される硬貨を鉛直に近い角度で傾斜する揚高案内通路36の通路面37からその上側の搬送ローラ144および搬送ベルト145で受け取り、受け取った硬貨をこれらの回転で円弧状に移動させることによりその姿勢を水平に近づけて、硬貨選別搬送部33の水平延在する硬貨案内通路42上に受け渡す。ここで、搬送ローラ144および搬送ベルト145の上側には、一対の揚高搬送ベルト38から受け渡された硬貨をこれら搬送ローラ144および搬送ベルト145との間に挟持して搬送する無端の上側搬送ベルト147が設けられている。そして、搬送ベルト145および上側搬送ベルト147が機体後側つまり下流側の硬貨選別搬送部33の硬貨案内通路42の通路面41上に硬貨を投出する硬貨投出口148となっている。
【0120】
そして、上記した一対の揚高搬送ベルト38、搬送ローラ144、搬送ベルト145および上側搬送ベルト147は、揚高駆動力伝達機構108により一つのモータ107の駆動力で駆動されることになる。
【0121】
この揚高駆動力伝達機構108について説明する。
揚高案内通路36の裏側つまり機体後側には、通路面37に対し平行かつ揚高案内通路36による硬貨の搬送方向に対し直交する方向つまり機体左右方向に駆動軸150を配置してモータ107が図示せぬフレームに位置固定で支持されており、このモータ107の駆動軸150には駆動ギア151が固定されている。この駆動ギア151の揚高案内通路36側かつ揚高案内通路36における硬貨搬送方向下流側には、駆動軸150と平行に支持軸153が位置固定で設けられており、この支持軸153には、駆動ギア151に噛み合う中間従動ギア154と通路面37下に配置されるプーリ155とが固定されている。
【0122】
また、この中間従動ギア154の揚高案内通路36に対し反対側かつ揚高案内通路36における硬貨搬送方向下流側には、支持軸153と平行に支持軸157が位置固定で設けられており、この支持軸157には、中間従動ギア154に噛み合う従動ギア158とプーリ159とが固定されている。
【0123】
さらに、この従動ギア158の揚高案内通路36側かつ揚高案内通路36における硬貨搬送方向下流側には、支持軸157と平行に支持軸161が位置固定で設けられており、この支持軸161には、上記した搬送ローラ144とプーリ162とが固定されている。加えて、これら搬送ローラ144およびプーリ162のやや上側かつ機体後方側には、支持軸161と平行に支持軸164が位置固定で設けられており、この支持軸164には、プーリ165が固定されている。
【0124】
そして、プーリ155とプーリ162とプーリ165とに上記した搬送ベルト145が掛けられており、その結果、モータ107の駆動力で駆動ギア151および中間従動ギア154が回転すると、中間従動ギア154と同じ支持軸153に固定されたプーリ155が回転し、これに一側が掛けられた搬送ベルト145、この搬送ベルト145の他側が掛けられたプーリ162およびプーリ165、プーリ162と同軸の搬送ローラ144が回転する。ここで、搬送ベルト145は、プーリ155とプーリ162との間が揚高案内通路36の通路面37上に突出している。
【0125】
一方、通路面37の上下端位置近傍に、一対の支持軸168,169が通路面37に対し平行かつ揚高案内通路36による硬貨の搬送方向に対し直交する方向つまり機体左右方向に延在して位置固定で設けられており、支持軸168にそれぞれ左右に離間してプーリ171が支持され支持軸169にそれぞれ左右に離間してプーリ172が支持されている。そして、上下の左側のプーリ171,172同士に一方の揚高搬送ベルト38が掛けられ、上下の右側のプーリ171,172同士に他方の揚高搬送ベルト38が掛けられている。なお、これら揚高搬送ベルト38で揚高案内通路36の通路面37に硬貨を押し付けて搬送可能なようにプーリ171,172の通路面37からの高さが設定されている。
【0126】
また、上側の支持軸169の上側かつ機体後方側に、これと平行に位置固定で支持軸174が設けられており、この支持軸174に回動自在に支持されたフレーム175には、支持軸174の下側かつ機体後方側となる位置に、この支持軸174と平行に支持軸176が設けられている。
【0127】
そして、支持軸169には上記プーリ172同士の間にプーリ177が支持されており、このプーリ177と軸方向の位置を合わせて支持軸174にはプーリ178が支持軸176にはプーリ179がそれぞれ支持されている。そして、これら三つのプーリ177〜179に上記した上側搬送ベルト147が掛けられている。また、支持軸169には別のプーリ181が支持されており、このプーリ181とプーリ159とに無端の伝達ベルト182が掛けられている。支持軸169,176は、上側搬送ベルト147が搬送ローラ144および搬送ベルト145との間で硬貨を挟持して搬送可能に高さが設定されている。
【0128】
そして、モータ107を駆動すると、駆動ギア151が回転し中間従動ギア154が回転する。すると、中間従動ギア154と同じ支持軸153に固定されたプーリ155が回転し、これに一側が掛けられた搬送ベルト145と、この搬送ベルト145が他側で掛けられたプーリ162およびプーリ165と、プーリ162と同じ支持軸161に固定された搬送ローラ144とが同じ方向に回転する。ここで、モータ107の回転方向は、搬送ベルト145の揚高案内通路36から突出する部分および搬送ローラ144の上部を硬貨の搬送方向に移動させる方向であり、具体的には、搬送ベルト145、プーリ155、搬送ローラ144、プーリ162およびプーリ165を図5における反時計回り方向に回転させる方向である。
【0129】
また、同じモータ107の駆動で中間従動ギア154に噛み合う従動ギア158は回転方向が反転させられ、この従動ギア158と同じ支持軸157に固定されたプーリ159、これに一側で掛けられた伝達ベルト182およびこの伝達ベルト182が他側で掛けられたプーリ181が回転する。そして、このプーリ181と同じ支持軸169に固定された三つのプーリ172およびプーリ177が回転し、そのうちの両側のプーリ172にそれぞれ一側が掛けられた一対の揚高搬送ベルト38およびこれら揚高搬送ベルト38に他側が掛けられたプーリ171が回転するとともに、中央のプーリ177に一側が掛けられた上側搬送ベルト147およびこの上側搬送ベルト147の他側が掛けられたプーリ178,179が回転する。ここで、回転方向が中間従動ギア154に対し反転させられていることで、揚高搬送ベルト38の揚高案内通路36に対向する側、上側搬送ベルト147の搬送ベルト145に対向する側が硬貨の搬送方向に移動する。
【0130】
以上により、第1揚高搬送部35は、受渡部132から横方向に送られた硬貨が揚高搬送ベルト38と揚高案内通路36との間に入り込むと、揚高搬送ベルト38が硬貨を揚高案内通路36の通路面37に押し付けながら摩擦力で揚高移動させ、下側の搬送ローラ144および搬送ベルト145と上側搬送ベルト147との間に受け渡して、これら搬送ローラ144および搬送ベルト145と上側搬送ベルト147とで硬貨を挟持して下流側の硬貨選別搬送部33に受け渡す。
【0131】
以上に述べた硬貨供給装置21によれば、受入空間22に硬貨を受け入れた状態で、壁部を構成する傾斜配置された回転円盤30を正回転させると、回転円盤30の受入空間22側の支持面31上の硬貨を、回転円盤30の支持面31と支持突起部121の第1突起部122と支持円盤113の支持外径部117とで支持しながら第1突起部122で押圧し回転させることになる。そして、受渡部132が支持外径部117の頂上位置より下流側で、第1突起部122により押出されて旋回移動する硬貨を下側から受け取った後、さらに第1突起部122により押出される当該硬貨を支持面31とともに支持した状態で回転円盤30の外径側に案内する。そして、このように回転円盤30の外径側に案内された硬貨を第1揚高搬送部35に受け渡す。以上のように、傾斜配置された回転円盤30の遠心力で硬貨を第1揚高搬送部35に繰り出すのではなく、傾斜配置された回転円盤30の第1突起部122で硬貨を一枚ずつに分離するとともにこの第1突起部122と外径支持部117と支持面31とで硬貨を支持しながら受渡部132まで移動させ、支持面31と受渡部132とで支持しながら第1突起部122で押出して第1揚高搬送部35に硬貨を受け渡すため、回転円盤30から第1揚高搬送部35に硬貨を確実に受け渡すことができる。そして、この第1揚高搬送部35で斜め上側に搬送される硬貨が上記した硬貨案内通路42に導かれることになる。したがって、回転円盤30および第1揚高搬送部35を傾斜配置することで、硬貨供給装置21をも合わせて特に硬貨案内通路42の第1直線部48の延在方向についての機体の小型化を図ることができ、しかも回転円盤30から第1揚高搬送部35に硬貨を確実に受け渡すことができる。
【0132】
また、受渡部132まで硬貨を搬送するため回転円盤30を正回転させると、支持突起部121の正転時前側に設けられた第1突起部122が支持面31から立ち上がる円筒面122Aで硬貨を確実に支持して受渡部132まで搬送することができる。他方、例えば受入空間22において回転円盤30での搬送が困難な姿勢の硬貨についてその姿勢変更等のため回転円盤30を逆回転させると、支持突起部121の逆転時前側に設けられた第2突起部123が支持面31から立ち上がる円錐面123Aで硬貨を支持面31から離間させ第1突起部122で支持不可な状態とする。したがって、逆回転時に硬貨が第1突起部122で支持されて搬送されることに起因して生じるジャム等を防止できる。
【0133】
さらに、正回転時に押圧部136が支持外径部117の頂上位置より上流側で支持面31上の硬貨を回転円盤30の外径側から押圧するため、支持面31、支持突起部121の第1突起部122および支持外径部117で確実に支持された硬貨以外の硬貨を回転円盤30から脱落させることができる。したがって、支持面31、第1突起部122および支持外径部117で確実に支持された硬貨以外の不安定な硬貨を受渡部132まで搬送してしまうことがなく、このような不安定な硬貨に起因して生じるジャム等を防止できる。
【0134】
次に、硬貨選別搬送部33について主に図1,図6〜図8を参照してさらに説明する。
【0135】
硬貨選別搬送部33の硬貨案内通路42は、図6に示すように、水平に配置される通路面41と通路面41の左右両側から上側に立ち上がる一対の壁部201とを有する断面凹形状をなしている。なお、通路面41は全長にわたって同一水平面内に配置されている。また、一対の壁部201の間隔は下流側の硬貨が上流側の硬貨を追い抜くことができないように、最小径の硬貨(1円硬貨)の直径の2倍より間隔が狭く設定されている。
【0136】
そして、上述したように、硬貨案内通路42は互いに平行をなす第1直線部48および第2直線部49とこれら第1直線部48および第2直線部49同士をそれぞれの延在方向の同側である機体後側で連結させる連結直線部50とで構成されている。なお、第1直線部48は機体10の一側の側面に沿い、第2直線部49は機体10の逆側の側面部に沿い、連結直線部50は機体10の後面に沿っている。また、硬貨案内通路42に沿って硬貨を搬送する硬貨搬送部43は、図1に示すように硬貨に接触して硬貨を移動させる部分がすべて搬送ベルト44〜47のいずれかで構成されている。ここで、第1直線部48と連結直線部50との境界部分が搬送方向を90°変更する第1屈曲部198とされ、連結直線部50と第2直線部49との境界部分が搬送方向をさらに90°変更する第2屈曲部199とされている。
【0137】
第1直線部48に沿う搬送ベルト44は、第1直線部48の案内で硬貨を搬送することになり、連結直線部50に沿う搬送ベルト45は、搬送ベルト44で搬送されてきた硬貨を受け取って連結直線部50の案内で搬送することになって、第2直線部49に沿う搬送ベルト46は、搬送ベルト45で搬送されてきた硬貨を受け取って第2直線部49の案内で搬送することになり、第2直線部49に沿う搬送ベルト47は、搬送ベルト46で搬送されてきた硬貨を受け取って第2直線部49の案内でさらに搬送することになる。なお、これら搬送ベルト44〜47は、硬貨案内通路42の通路面41に対して平行に軸を配置した搬送プーリ(搬送手段)202A〜202Hのうち搬送前後方向に対をなすもの同士にそれぞれ掛けられている。つまり、搬送ベルト44は搬送プーリ202A,202Bに、搬送ベルト45は搬送プーリ202C,202Dに、搬送ベルト46は搬送プーリ202E,202Fに、搬送ベルト47は搬送プーリ202G,202Hにそれぞれ掛けられている。また、最も下流側の搬送ベルト47の下流側の搬送プーリ202Hには、図7に示すように、円周方向に等ピッチで設けられて硬貨を掃き出すための複数の羽根209が軸線方向の両側に形成されている。
【0138】
図6に示すように、第1直線部48には、最上流部に判別部54が設けられており、判別部54の下流側に、第1金種選別部55の各金種別の選別部61a,61b,61cが設けられていて、第1金種選別部55の下流側に選別部61gが設けられている。
【0139】
判別部54は、第1揚高搬送部35から受け入れた直後の硬貨の材質を磁気的性質により検出する材質検出センサを含む第1判別部203と、第1判別部203で判別した硬貨の画像を検出する画像検出部を含む第2判別部204とで構成されており、これら第1判別部203および第2判別部204はそれぞれの上面が通路面41の一部を構成している。
【0140】
第1金種選別部55の選別部61aは、硬貨案内通路42から選別した硬貨を図7に示すシュート205aを介して硬貨収納筒58aに収納させることになり、選別部61bは、選別した硬貨をシュート205bを介して硬貨収納筒58bに、選別部61cは、選別した硬貨をシュート205cを介して硬貨収納筒58cに収納させることになる。なお、硬貨貯留筒58a〜58cはそれぞれ対応金種の硬貨を軸線方向を上下方向に沿わせた状態で上下に集積させて収納する。
【0141】
図6に示すように、第1直線部48の下流側の連結直線部50では、硬貨の選別等は行われず、硬貨の搬送のみが行われるようになっている。
【0142】
第2直線部49には、上流側に第2金種選別部78の各金種別の選別部61d,61e,61fが設けられていて、第2金種選別部78の下流側に選別部61hが設けられている。
【0143】
第2金種選別部78の選別部61dは、硬貨案内通路42から選別した硬貨を図8に示すシュート205dを介して硬貨収納筒58dに収納させることになり、選別部61eは、選別した硬貨をシュート205eを介して硬貨収納筒58eに、選別部61fは、選別した硬貨をシュート205fを介して硬貨収納筒58fに収納させることになる。なお、硬貨貯留筒58d〜58fもそれぞれ対応金種の硬貨を軸線方向を上下方向に沿わせた状態で上下に集積させて収納する。
【0144】
以上により、各金種別の選別部61a〜61fは、第1直線部48および第2直線部49の二つに跨って設けられている。
【0145】
図6に示すように、選別部61aは、硬貨案内通路42の通路面41に形成された落下孔91aとこの落下孔91aを開閉可能な通路開閉ゲート92aと通路開閉ゲート92aを電気的に開閉駆動するソレノイド206aとで構成されており、同様に、選別部61bは落下孔91bと通路開閉ゲート92bとソレノイド206bとで、選別部61cは落下孔91cと通路開閉ゲート92cとソレノイド206cとで、選別部61dは落下孔91dと通路開閉ゲート92dとソレノイド206dとで、選別部61eは落下孔91eと通路開閉ゲート92eとソレノイド206eとで、選別部61fは落下孔91fと通路開閉ゲート92fとソレノイド206fとで、選別部61gは落下孔91gと通路開閉ゲート92gとソレノイド206gとで、選別部61hは落下孔91hと通路開閉ゲート92hとソレノイド206hとで、それぞれ構成されている。
【0146】
これらの各落下孔91a〜91hはすべての硬貨を落下可能な大きさとされている。これにより、選別部61a〜61fには、設定を変更することによっていずれの金種の硬貨を選別して落下させることも可能である。これに合わせて、硬貨貯留筒58a〜58fもすべての金種の硬貨を収納可能とすることも可能である。
【0147】
ここでは、選別部が硬貨の径に応じた選別孔を有していて小径の硬貨から落下させるタイプの装置に使用されていた硬貨貯留筒58a〜58fを用いることとし、その結果、例えば、選別部61aおよび硬貨貯留筒58aは10円硬貨を、選別部61bおよび硬貨貯留筒58bは5円硬貨を、選別部61cおよび硬貨貯留筒58cは1円硬貨を、選別部61dおよび硬貨貯留筒58dは50円硬貨を、選別部61eおよび硬貨貯留筒58eは100円硬貨を、選別部61fおよび硬貨貯留筒58fは500円硬貨を、それぞれ選別および収納するように設定されている。
【0148】
選別部61aの搬送方向上流側の直前位置には、選別部61aで選別する硬貨を検出する硬貨通過センサ207aが、選別部61bの搬送方向上流側の直前位置つまり選別部61aとの間には、選別部61bで選別する硬貨を検出する硬貨通過センサ207bが、選別部61cの搬送方向上流側の直前位置つまり選別部61bとの間には、選別部61cで選別する硬貨を検出する硬貨通過センサ207cが、選別部61gの搬送方向上流側の直前位置つまり選別部61cとの間には、選別部61gで選別する硬貨を検出する硬貨通過センサ207gが、選別部61dの搬送方向上流側の直前位置つまり選別部61gとの間には、選別部61dで選別する硬貨を検出する硬貨通過センサ207dが、選別部61eの搬送方向上流側の直前位置つまり選別部61dとの間には、選別部61eで選別する硬貨を検出する硬貨通過センサ207eが、選別部61fの搬送方向上流側の直前位置つまり選別部61eとの間には、選別部61fで選別する硬貨を検出する硬貨通過センサ207fが、選別部61hの搬送方向上流側の直前位置つまり選別部61fとの間には、選別部61hで選別する硬貨を検出する硬貨通過センサ207hが、それぞれ通路面41に設けられている。さらに、選別部61hの下流側にも第2直線部49から取引部12に投入される硬貨を検出する硬貨通過センサ207iが通路面41に設けられている。
【0149】
なお、第1揚高搬送部35から硬貨を受け入れて搬送させる硬貨案内通路42は、硬貨案内通路42の通路面41に直交する方向つまり上から見たとき、第1揚高搬送部35への接続側である第1直線部48が第1揚高搬送部35の揚高案内通路36と同一直線をなしている。
【0150】
以上に述べた硬貨選別搬送部33によれば、硬貨を金種別に選別する全金種用の金種選別部を第1金種選別部55および第2金種選別部78の二つに分け、これらを二つの第1直線部48および第2直線部49にまたがって配置しているため、全金種用の金種選別部が直列に並べられた場合に比して、第1金種選別部55および第2金種選別部78の各金種毎の選別に用いることができる硬貨の移動距離を長くできる。つまり、各金種毎の選別部61a〜61fのそれぞれについて、隣り合うものとの間隔を大きくできる。したがって、各金種用のすべての硬貨収納筒58a〜58fが直列に並べられる場合であっても、各選別部61a〜61fのそれぞれが、金種選別を確実に行うことができ、金種選別の精度を向上させることができる。
【0151】
また、硬貨選別搬送部33に、判別部54、入金リジェクト硬貨以外のリジェクト硬貨を排除する選別部61g、金種選別のための選別部61a〜61fおよび金種選別のための選別部61a〜61fで金種選別しないオーバーフロー硬貨等を受け入れるための選別部61hを設ける場合であっても、これらを第1直線部48および第2直線部49の二つにまたがって配置しているため、第1直線部48および第2直線部49の延在方向における機体10の長さを短くできる。したがって、第1直線部48および第2直線部49の延在方向について機体10の小型化を図ることができる。
【0152】
さらに、硬貨案内通路42を全長にわたって同一水平面内に配置することにより、硬貨案内通路42の高さを最小限にすることができるため、機体10の高さ方向についての大型化も防止できる。したがって、高さ方向についても機体10の小型化を図ることができる。
【0153】
加えて、判別および金種選別を行う硬貨選別搬送部33において、硬貨に接触し移動させる部分がすべて搬送ベルト44〜47で構成されていることから搬送速度を速くすることができる。したがって、処理能力を向上させることができる。しかも、すべての搬送ベルト44〜47は硬貨案内通路42の通路面41に対して平行に軸線を配置した搬送プーリ202A〜202Hのうち対をなすもの同士に掛けられているため、搬送ベルト44〜47が硬貨からの反力を受けても搬送プーリ202A〜202Hから外れ難い。したがって、搬送ベルト44〜47が搬送プーリ202A〜202Hから外れるという不具合を防止することができる。
【0154】
ここで、上記構成により、硬貨案内通路42は、隣り合うもの同士が交差する状態で直列につながれた三つの第1直線部48、連結直線部50および第2直線部49で構成される折返形状をなしており、この硬貨案内通路42に沿って硬貨を移動させる三本の搬送ベルト44,45,46は、硬貨案内通路42の通路面41に対して平行に軸線を配置するとともに第1直線部48、連結直線部50および第2直線部49のそれぞれに対し上流側および下流側に対をなして配置された三対の搬送プーリ202A〜202Fのうちの各対をなすものに掛けられることになる。
【0155】
次に、上記した折り返し形状に配置される三本の搬送ベルト44,45,46を一つのモータ(駆動源)221の駆動力で駆動する搬送駆動力伝達機構(駆動力伝達手段)222について、主に図1,図7〜図11を参照して以下に説明する。なお、搬送駆動力伝達機構222は、これら搬送ベルト44,45,46に加えて搬送ベルト47も同じモータ221で駆動する。
【0156】
まず、図1、図7および図8を参照して、搬送ベルト44〜47を支持する搬送プーリ202A〜202Hの配置について説明する。
【0157】
搬送ベルト44の上流側端部を支持する搬送プーリ202Aは、硬貨案内通路42の始点となる第1判別部203よりも上流側に配置されており、これを回転自在に支持する支持軸224が第1直線部48と直交する方向に沿いかつ通路面41に平行にしかも高さ調整可能となるように図示せぬベース部材に設けられている。また、この搬送ベルト44の下流側端部を支持する搬送プーリ202Bは、第1直線部48の連結直線部50の手前に配置されており、支持軸224と平行でしかも高さ調整可能な支持軸225に回転自在に支持されている。
【0158】
搬送ベルト45の上流側を支持する搬送プーリ202Cは、連結直線部50の最も第1直線部48側に配置されており、これを回転自在に支持する支持軸226が連結直線部50と直交する方向に沿いかつ通路面41に平行にしかも高さ調整可能に設けられている。また、この搬送ベルト45の下流側を支持する搬送プーリ202Dは、連結直線部50の最も第2直線部49側に配置されており、支持軸226と平行でしかも高さ調整可能な支持軸227に回転自在に支持されている。
【0159】
搬送ベルト46の上流側を支持する搬送プーリ202Eは、第2直線部49の最も連結直線部50側に配置されており、これを回転自在に支持する支持軸229が第2直線部49と直交する方向に沿いかつ通路面41に平行にしかも高さ調整可能となるように設けられている。また、この搬送ベルト46の下流側を支持する搬送プーリ202Fは、第2直線部49の連結直線部50に対し反対側の所定位置に配置されており、支持軸229と平行でしかも高さ調整可能となるように図示せぬベース部材に設けられた支持軸230に回転自在に支持されている。
【0160】
搬送ベルト47の上流側を支持する搬送プーリ202Gは、搬送プーリ202Fと一体で同じ支持軸230にされており、この搬送ベルト47の下流側を支持する搬送プーリ202Hは、第2直線部49の連結直線部50に対し反対側の末端位置つまり硬貨案内通路42の終点である入出金口11の直前に配置されており、支持軸230と平行でしかも高さ調整可能となるように図示せぬベース部材に設けられた支持軸231に回転自在に支持されている。ここで、搬送プーリ202F,202Gは、選別部61a〜61hのうちの最も下流側の選別部61hの直後位置に配置されている。
【0161】
搬送駆動力伝達機構222について、主に図9〜図11を参照して説明する。
上記したモータ221は、折り返し形状をなす硬貨案内通路42の第1直線部48、連結直線部50および第2直線部49の平面視内側において、連結直線部50側に近接しつつ第1直線部48および第2直線部49の中央位置に配置されている。しかも、モータ221は、その駆動軸233が連結直線部50に直交する方向に沿いかつ通路面41と平行をなす状態(つまり機体前後方向に沿う状態)で連結直線部50側に突出する姿勢となっている。言い換えれば、駆動軸233は、中間の連結直線部50に対して設けられた一対の搬送プーリ202C,202Dの軸線に沿って配置されている。なお、モータ221は図示せぬベース部材に支持されている。
【0162】
そして、駆動軸233には、先端側から順に、第1駆動プーリ235、第2駆動プーリ236および第3駆動プーリ237が同軸をなして固定されている。なお、第1駆動プーリ235と第2駆動プーリ236とは一体に形成されている。
【0163】
第1駆動プーリ235の機体右方つまり第1直線部48側には、通路面41に垂直をなす支持軸239が図示せぬベース部材に支持されて設けられており、この支持軸239には上下一対の第1屈曲プーリ240が同軸をなして回転自在に支持されている。これら第1屈曲プーリ240の機体前方側には、第1直線部48に直交する方向に沿いかつ通路面41と平行をなして図示せぬベース部材に支持軸242が設けられており、この支持軸242には一体の第1従動プーリ243および第1伝達プーリ244が同軸をなして回転自在に支持されている。そして、第1駆動プーリ235と第1従動プーリ243とには、中間部分が上下一対の第1屈曲プーリ240で屈曲させられた状態の無端の第1駆動ベルト245の両側が掛けられている。つまり、第1駆動ベルト245は、第1駆動プーリ235と第1屈曲プーリ240との間が機体左右方向に沿い、第1屈曲プーリ240と第1従動プーリ243との間が機体前後方向に沿うように屈曲する。
【0164】
支持軸242は、高さ調整部材246を揺動可能に支持しており、この高さ調整部材246には、第1伝達プーリ244の機体後方側かつ下側となる位置に、支持軸242と平行に上記した搬送プーリ202Bを支持する支持軸225が設けられている。そして、この支持軸225には搬送プーリ202Bと一体の第1中間プーリ248が同軸をなして支持されており、第1伝達プーリ244と第1中間プーリ248とには無端の第1伝達ベルト249が掛けられている。
【0165】
以上により、モータ221の駆動軸233の回転で第1駆動プーリ235が回転させられると、第1駆動ベルト245を介して第1従動プーリ243が回転し、これと一体の第1伝達プーリ244が回転して第1伝達ベルト249を介して第1中間プーリ248が回転し、これと一体の搬送プーリ202Bが回転する。
【0166】
つまり、第1駆動プーリ235の駆動力は、中間部分が一対の第1屈曲プーリ240で屈曲させられることで第1駆動プーリ235と上流側の第1直線部48に対し設けられた搬送プーリ202Bの軸線に沿って軸線が配置された第1従動プーリ243とに掛けられた第1駆動ベルト245と、第1従動プーリ243に同軸の第1伝達プーリ244と上流側の第1直線部48に対し設けられた搬送プーリ202Bに同軸の第1中間プーリ248とに掛けられた第1伝達ベルト249とを介して上流側の第1直線部48に対し設けられた搬送ベルト44および搬送プーリ202Aに伝達されることになる。
【0167】
ここで、第1駆動プーリ235をモータ221に対し反対側から見て反時計回りに回転させると、第1駆動ベルト245、第1従動プーリ243、第1伝達プーリ244、第1伝達ベルト249、第1中間プーリ248、搬送プーリ202B、搬送ベルト44および搬送プーリ202Aは、すべて機体右方から見て反時計回りに回転し、搬送ベルト44の通路面41側を機体前方から機体後方に移動させる。
【0168】
なお、上記高さ調整部材246は、図示せぬネジ部材のねじ込み量によってその揺動下限が規制されることになり、その結果、支持軸225の搬送プーリ202Bの高さを調整する。ここでは、搬送ベルト44が、通路面41に硬貨を押し付けながら硬貨との間に生じる摩擦力で硬貨を搬送できる高さとなるように、高さ調整部材246等により、搬送プーリ202Bおよび搬送プーリ202Aの高さを調整する。
【0169】
第2駆動プーリ236の機体左方つまり第2直線部49側には、通路面41に垂直をなす支持軸252が図示せぬベース部材に支持されて設けられており、この支持軸252には上下一対の第2屈曲プーリ253が同軸をなして回転自在に支持されている。これら第2屈曲プーリ253の機体前方側には、第2直線部49に直交する方向に沿いかつ通路面41と平行をなして支持軸255が図示せぬベース部材に設けられており、この支持軸255には一体の第2従動プーリ256および第2伝達プーリ257が同軸をなして回転自在に支持されている。そして、第2駆動プーリ236と第2従動プーリ256とには、中間部分が上下一対の第2屈曲プーリ253で屈曲させられた状態の無端の第2駆動ベルト258の両側が掛けられている。つまり、第2駆動ベルト258は、第2駆動プーリ236と第2屈曲プーリ253との間が機体左右方向に沿い、第2屈曲プーリ253と第2従動プーリ256との間が機体前後方向に沿うように屈曲する。
【0170】
支持軸255は、高さ調整部材259を揺動可能に支持しており、この高さ調整部材259には、第2伝達プーリ257の機体後方側かつ下側となる位置に、支持軸255と平行に上記した搬送プーリ202Eを支持する支持軸229が設けられている。そして、この支持軸229には搬送プーリ202Eと一体の第2中間プーリ261が同軸をなして支持されており、第2伝達プーリ257と第2中間プーリ261とには無端の第2伝達ベルト262が掛けられている。
【0171】
以上により、モータ221の駆動軸233の回転で第2駆動プーリ236が回転させられると、第2駆動ベルト258を介して第2従動プーリ256が回転し、これと一体の第2伝達プーリ257が回転して第2伝達ベルト262を介して第2中間プーリ261が回転し、これと一体の搬送プーリ202Eが回転する。
【0172】
つまり、第2駆動プーリ236の駆動力は、中間部分が一対の第2屈曲プーリ253で屈曲させられることで第2駆動プーリ236と下流側の第2直線部49に対し設けられた搬送プーリ202Eの軸線に沿って軸線が配置された第2従動プーリ256とに掛けられた第2駆動ベルト258と、第2従動プーリ256に同軸の第2伝達プーリ257と下流側の第2直線部49に対し設けられた搬送プーリ202Eに同軸の第2中間プーリ261とに掛けられた第2伝達ベルト262とを介して下流側の第2直線部49に対し設けられた搬送ベルト46および搬送プーリ202Fに伝達される。そして、さらに搬送プーリ202Fと一体の搬送プーリ202Gを介して、搬送ベルト47および搬送プーリ202Hにも伝達される。
【0173】
ここで、第2駆動プーリ236をモータ221に対し反対側から見て反時計回りに回転させると、第2駆動ベルト258、第2従動プーリ256、第2伝達プーリ257、第2伝達ベルト262、第2中間プーリ261、搬送プーリ202E、搬送ベルト46、搬送プーリ202F、搬送プーリ202G、搬送ベルト47および搬送プーリ202Hは、すべて機体左方から見て反時計回りに回転し、搬送ベルト46、搬送ベルト47および搬送プーリ202Hの羽根209のそれぞれ通路面41側が機体後方から機体前方に移動する。
【0174】
なお、上記高さ調整部材259は、図示せぬネジ部材のねじ込み量によってその揺動下限が規制されることになり、その結果、支持軸229の搬送プーリ202Eの高さを調整する。ここでは、搬送ベルト46,47が、通路面41に硬貨を押し付けながら硬貨との間に生じる摩擦力で硬貨を搬送できる高さとなるように、高さ調整部材259等によって搬送プーリ202E〜搬送プーリ202Hの高さを調整する。
【0175】
モータ221の駆動軸233には、機体右方および機体左方にそれぞれ延出する一対の高さ調整アーム265,266が揺動可能に支持されており、一方の高さ調整アーム265の先端側に上記した搬送プーリ202Cを支持する支持軸226が設けられており、他方の高さ調整アーム266の先端側に上記した搬送プーリ202Dを支持する支持軸227が設けられている。
【0176】
そして、モータ221の駆動軸233に固定された第3駆動プーリ237と搬送プーリ202Cと搬送プーリ202Dとに連結直線部50に沿う搬送ベルト45が掛けられている。
【0177】
以上により、モータ221の駆動軸233の回転で第3駆動プーリ237が回転させられると、搬送ベルト45が搬送プーリ202C,202Dとともに回転する。
【0178】
つまり、第3駆動プーリ237の駆動力は、中間の連結直線部50に対して設けられた搬送ベルト45が第3駆動プーリ237に掛けられることで搬送ベルト45に伝達される。
【0179】
ここで、第3駆動プーリ237をモータ221に対し反対側(機体後側)から見て反時計回りに回転させると、搬送プーリ202C,202Dおよび搬送ベルト45は、すべて機体前方から見て時計回りに回転し、搬送ベルト45の通路面41側を機体右方から機体左方に移動させる。
【0180】
なお、上記高さ調整アーム265,266は、それぞれに取り付けられたネジ部材271のねじ込み量によってそれぞれの下端部が硬貨案内通路42のガイドまたはその近傍の部材の上面に接触することで揺動下限が規制されることになり、その結果、支持軸226,227の搬送プーリ202C,202Dの高さを調整する。ここでは、搬送ベルト45が、通路面41に硬貨を押し付けながら硬貨との間に生じる摩擦力で硬貨を搬送できる高さとなるように、高さ調整アーム265,266によって搬送プーリ202Cおよび搬送プーリ202Dの高さを調整する。
【0181】
以上により、搬送駆動力伝達機構222は、第1駆動プーリ235、第2駆動プーリ236、第3駆動プーリ237、一対の第1屈曲プーリ240、第1従動プーリ243,第1伝達プーリ244、第1中間プーリ248、一対の第2屈曲プーリ253、第2従動プーリ256、第2伝達プーリ257、第2中間プーリ261および8つの搬送プーリ202A〜202Hの合計21個のプーリと、第1駆動ベルト245、第1伝達ベルト249、第2駆動ベルト258、第2伝達ベルト262および4本の搬送ベルト44〜47の合計8本のベルトとで硬貨を搬送することになる。
【0182】
また、搬送駆動力伝達機構222は、一つのモータ221の駆動力を、支持軸224〜227,229〜231,239,242,252,255と、第1駆動プーリ235、第2駆動プーリ236、第3駆動プーリ237、一対の第1屈曲プーリ240、第1従動プーリ243、第1伝達プーリ244、第1中間プーリ248、一対の第2屈曲プーリ253、第2従動プーリ256、第2伝達プーリ257、第2中間プーリ261および搬送プーリ202A〜202Hと、第1駆動ベルト245、第1伝達ベルト249、第2駆動ベルト258および第2伝達ベルト262とだけで、四本の搬送ベルト44〜47に伝達することになる。なお、第1駆動ベルト245、第1伝達ベルト249、第2駆動ベルト258および第2伝達ベルト262は、硬貨に接触することはなく直接硬貨を搬送するためのものではない。また、図示は略すが、硬貨を通路面41に押し付けて搬送する距離の長い搬送ベルト44,46については、下方に押圧する力が弱くなることを防止するため、複数の中間部分において硬貨に接触する下側部分を下方に押圧するバックアップローラが設けられている。
【0183】
上記のように、折返形状の硬貨案内通路42の第1直線部48、連結直線部50および第2直線部49のそれぞれに、硬貨案内通路42の通路面41に対して平行に軸線を配置する搬送プーリ202A〜202Hを配置し、上流側および下流側で対をなす搬送プーリ202A,202Bに搬送ベルト44を、上流側および下流側で対をなす搬送プーリ202C,202Dに搬送ベルト45を、上流側および下流側で対をなす搬送プーリ202E,202Fに搬送ベルト46を、上流側および下流側で対をなす搬送プーリ202G,202Hに搬送ベルト47を、それぞれ掛けている。このため、硬貨の厚みによる搬送ベルト44〜47の変形方向と搬送プーリ202A〜202Hから外れる方向とを異ならせることができる。したがって、折返形状の硬貨案内通路42で案内しながら搬送ベルト44〜47で硬貨を搬送する場合であっても、搬送ベルト44〜47が搬送プーリ202A〜202Hから外れてしまうことを防止できる。しかも、搬送駆動力伝達機構222が第1直線部48、連結直線部50および第2直線部49にそれぞれ設けられる四本の搬送ベルト44〜47を一つのモータ221の駆動力で駆動するため、コスト増を抑制することができる。
【0184】
また、搬送駆動力伝達機構222は、一つのモータ221の駆動力を、支持軸224〜227,229〜231,239,242,252,255と、第1駆動プーリ235、第2駆動プーリ236、第3駆動プーリ237、一対の第1屈曲プーリ240、第1従動プーリ243、第1伝達プーリ244、第1中間プーリ248、一対の第2屈曲プーリ253、第2従動プーリ256、第2伝達プーリ257、第2中間プーリ261および搬送プーリ202A〜202Hと、第1駆動ベルト245、第1伝達ベルト249、第2駆動ベルト258および第2伝達ベルト262とだけ、つまりプーリおよびベルトのみで、硬貨に接触して硬貨を搬送する四本の搬送ベルト44〜47に伝達する。よって、さらにコスト増を抑制することができる。
【0185】
さらに、モータ221の駆動軸233が中間の連結直線部50に対して設けられた一対の搬送プーリ202C,202Dの軸線に沿って配置されており、駆動軸233の第3駆動プーリ237の駆動力は、この第3駆動プーリ237に中間の連結直線部50の搬送ベルト45が掛けられることでこの搬送ベルト45に伝達される。このため、駆動軸233からの駆動力を連結直線部50の搬送プーリ202C,202Dおよび搬送ベルト45に伝達することが、第3駆動プーリ237のみを用いることで簡易かつ確実にできる。また、第1駆動プーリ235の駆動力は、中間部分が一対の第1屈曲プーリ240で屈曲させられることでこの第1駆動プーリ235と上流側の第1直線部48の搬送プーリ202A,202Bの軸線に沿って軸線が配置された第1従動プーリ243とに掛けられた第1駆動ベルト245と、第1従動プーリ243に同軸の第1伝達プーリ244と第1直線部48の搬送プーリ202Bに同軸の第1中間プーリ248とに掛けられた第1伝達ベルト249とを介して第1直線部48の搬送プーリ202A,202Bおよび搬送ベルト44に伝達される。このため、駆動軸233からの駆動力を第1直線部48の搬送プーリ202A,202Bおよび搬送ベルト44に伝達することが、第1駆動プーリ235、第1屈曲プーリ240および第1従動プーリ243と、これらに掛けられる第1駆動ベルト245と、第1伝達プーリ244および第1中間プーリ248と、これらに掛けられる第1伝達ベルト249とのみを用いることで簡易かつ確実にできる。さらに、第2駆動プーリ236の駆動力は、中間部分が一対の第2屈曲プーリ253で屈曲させられることでこの第2駆動プーリ236と下流側の第2直線部49の搬送プーリ202E,202Fの軸線に沿って軸線が配置された第2従動プーリ256とに掛けられた第2駆動ベルト258と、第2従動プーリ256に同軸の第2伝達プーリ257と第2直線部49の搬送プーリ202Eに同軸の第2中間プーリ261とに掛けられた第2伝達ベルト262とを介して第2直線部49の搬送プーリ202E,202Fおよび搬送ベルト46に伝達されるため、駆動軸233からの駆動力を第2直線部49の搬送プーリ202E,202Fおよび搬送ベルト46に伝達することが、第2駆動プーリ236、第2屈曲プーリ253および第2従動プーリ256と、これらに掛けられる第2駆動ベルト258と、第2伝達プーリ257および第2中間プーリ261と、これらに掛けられる第2伝達ベルト262とのみを用いることで簡易かつ確実にできる。したがって、一つのモータ221の駆動力を簡易かつ確実に三本の搬送ベルト44〜46に伝達することができる。
【0186】
なお、中間部分が一対の第1屈曲プーリで屈曲させられることで、駆動軸233に沿って(つまり同軸または平行に)軸線が配置された第1駆動プーリ235と上流側の第1直線部48に対し設けられた搬送プーリ202A,202Bの軸線に沿って(つまり同軸または平行に)軸線が配置された第1従動プーリ243とに掛けられる第1駆動ベルト245と、中間部分が一対の第2屈曲プーリ253で屈曲させられることで、駆動軸233に沿って(つまり同軸または平行に)軸線が配置された第2駆動プーリ236と下流側の第2直線部49に対し設けられた搬送プーリ202E,202Fの軸線に沿って(つまり同軸または平行に)軸線が配置された第2従動プーリ256とに掛けられる第2駆動ベルト258とを有していれば、第1従動プーリ243から搬送ベルト44までの搬送経路と、第2従動プーリ256から搬送ベルト46までの搬送経路は、上記構成に限定されることなく種々の変更が可能である。
【0187】
次に、スライドすることにより取引部12の入出金口11を開閉させるシャッタ14を駆動するシャッタ駆動機構301について主に図12〜図17を参照して説明する。
【0188】
図12に示すように、シャッタ14は、上下二重に設けられた上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bを有しており、外部および機内から放出された硬貨を受け入れる周囲壁部13および硬貨受皿15の上部に形成されて硬貨の受け入れおよび受け渡しを行う入出金口11を機体前後にスライドすることで開閉させる。ここで、上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bは、それぞれ単独で入出金口11を閉塞可能な大きさとされており、それぞれ機体前方に移動することで入出金口11を閉塞させる閉塞位置に位置する一方、機体後方に移動することで入出金口11を開放させる開放位置に位置する。なお、下部シャッタ14Bには、図13に示すようにゴミ等の混入を防止するため少量(1〜2枚)の硬貨のみを通過させることが可能な硬貨投入孔16がほぼ中央に形成されている。
【0189】
図13に示す前ガイド板303は、周囲壁部13の機体前後方向における前部を構成するもので、この前ガイド板303の左右両側には、入出金口11(図13においては図示略)の機体左右方向における両外側となる位置に配置される左右一対の機体フレーム304,305が前ガイド板303の左右両側から機体後方に延びるように設けられている。これら機体フレーム304,305は、機体前後方向に沿いかつ鉛直方向に沿っている。
【0190】
そして、図14にも示すように、機体左右方向一側具体的には右側の機体フレーム304の内側には、入出金口11よりもやや高い位置で機体前後方向に延在するように摺動軸307が固定されている。この摺動軸307には、この摺動軸307に沿って摺動自在となるように摺動ブロック308が嵌合されており、この摺動ブロック308は、図14および図15に示すように、上部シャッタ14Aの左右方向一側具体的には右側の端部の機体後側に一体に設けられている。そして、上部シャッタ14Aには、この摺動ブロック308と下面を一致させてギアベース309が機体前方に延出するように形成されている。これら摺動軸307、摺動ブロック308およびギアベース309の下側には、上面が水平方向に沿って機体前後方向に延在するガイド板部311を有するガイド部材312が機体フレーム304の内側に固定されて設けられている。
【0191】
機体左右方向逆側具体的には左側の機体フレーム305の内側には、入出金口11よりもやや高い位置で機体前後方向に延在することで摺動軸307とほぼ高さを合わせて平行するガイドレール314が固定されており、このガイドレール314は、摺動軸307側にガイド溝315が形成された断面コ字状をなしている。
【0192】
下部シャッタ14Bには、機体左右方向における一端縁部に斜め下方に延出するガイド部317が形成されており、このガイド部317がガイド部材312のガイド板部311に載置されている。また、下部シャッタ14Bの他端縁部はガイドレール314のガイド溝315に入り込んでおり、ガイドレール314の下側のガイド板部318に載置されている。これにより、下部シャッタ14Bはガイド部材312のガイド板部311およびガイドレール314のガイド板部318に載置されている。
【0193】
左右方向一側の摺動ブロック308で摺動軸307に案内される上部シャッタ14Aの逆側の端縁部には、他の部分よりも厚みの薄い切欠形状の挿入部320が前後方向に延在形成されており、この挿入部320がガイドレール314の上側のガイド板部319と下部シャッタ14Bとの間に入り込んでいる。これにより、上部シャッタ14Aは機体左右方向一側が摺動軸307に支持されるとともに、全体的に下部シャッタ14Bに載置されている。
【0194】
ここで、上部シャッタ14Aは、機体左右方向一側の摺動ブロック308が摺動軸307に嵌合されることで機体上下左右方向の移動が規制されており、逆側の挿入部320がガイドレール314のガイド溝315に下部シャッタ14Bとともに上下にほぼ隙間なく挿入されることで機体上下方向の移動が規制されている。
【0195】
また、下部シャッタ14Bは、機体左右方向一側のガイド部317の下端部が左右方向外側に突出する挿入部321とされており、この挿入部321が摺動ブロック308およびギアベース309とガイド板部311との間に上下にほぼ隙間なく挿入されることで機体上下方向の移動が規制されている。加えて、逆側がガイドレール314のガイド溝315に上部シャッタ14Aとともに上下にほぼ隙間なく挿入されることで機体上下方向の移動が規制されている。
【0196】
以上により、機体左右方向一側の摺動ブロック308が摺動軸307に案内され、逆側の挿入部320が下部シャッタ14Bの上面とガイドレール314の上側のガイド板部319とで案内されることで、上部シャッタ14Aは機体前後方向にスライドする。また、機体左右方向一側のガイド部317の挿入部321が上部シャッタ14Aの摺動ブロック308およびギアベース309とガイド板部311とに案内され、逆側が上部シャッタ14Aの下面とガイドレール314の下側のガイド板部318とで案内されることで、下部シャッタ14Bは機体前後方向にスライドする。
【0197】
上部シャッタ14Aの摺動ブロック308およびギアベース309の下面側には、下部シャッタ14Bの挿入部321よりも外側位置に機体前後方向に延在するラックギア324が固定されている。このラックギア324はその下面側に歯が機体前後方向に配列されるように形成されている。
【0198】
このラックギア324の下側には、ガイド部材312および機体フレーム304に固定された状態のモータ325が配置されており、このモータ325の駆動軸326にトルクリミッタ327を介して駆動ギア328が取り付けられ、この駆動ギア328がラックギア324に噛み合わされている。
【0199】
そして、モータ325を駆動すると、トルクリミッタ327を介して駆動ギア328が回転させられることになり、この駆動ギア328に噛み合うラックギア324とこれが固定された上部シャッタ14Aとが機体前後方向に移動する。つまり、モータ325、トルクリミッタ327、駆動ギア328およびラックギア324が、上部シャッタ14Aを入出金口11を覆う閉塞位置と入出金口11を開放する開放位置との間で移動させる上部シャッタ駆動機構(上部シャッタ駆動手段)331を構成している。なお、トルクリミッタ327が設けられているため、例えば上部シャッタ14Aが何らかの理由で移動途中に停止するようなことがあっても、トルクリミッタ327が滑ることでモータ325に過剰な負荷がかからないようになっている。
【0200】
上部シャッタ14Aの下面側には、図16に示すように、機体後方側に機体左右方向に沿う支持軸333を中心に揺動可能な連結部材334が支持軸333から機体後方側に延出するように取り付けられている。この連結部材334は、水平に沿って全体が上部シャッタ14Aの下面から上側に位置する格納状態と、先端が上部シャッタ14Aの下面から下側に突出する突出状態との間で揺動可能となっている。支持軸333にはネジリバネ(付勢手段)335が取り付けられていて、このネジリバネ335が連結部材334を突出状態となる方向に常時付勢している。
【0201】
一方、下部シャッタ14Bには、突出状態にある連結部材334を進入させる係合穴338が形成されている。ここで、上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bが互いの前端部同士を一致させ互いに重なり合った状態にあるとき、連結部材334が係合穴338に入り込むように、これら連結部材334および係合穴338の位置が決められている。なお、連結部材334が係合穴338に入り込むと係合穴338の機体後方側の端縁部に係合することになる。ここで、係合穴338に入り込んだ状態で連結部材334は、機体後方に下部シャッタ14Bを押圧して一体に移動可能となり、下部シャッタ14Bと上部シャッタ14Aとを連結させた状態となる。
【0202】
上記した上部シャッタ14Aに設けられて下部シャッタ14Bに形成された係合穴338に進入可能な連結部材334と、この連結部材334を係合穴338へ進入する方向に付勢するネジリバネ335とが、上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bを重なり合った状態で連結および連結解除可能な電気的に駆動されない連結機構(連結手段)339を構成している。
【0203】
上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bは、入出金口11の機体前端縁側を画成する前ガイド板303に当接することで機体前方つまり閉方向へのそれ以上の移動が規制されることになり、この位置が閉方向の移動限界位置となっている。また、上部シャッタ14Aは、図13に示すように、摺動軸307の機体後方側端部に設けられたストッパ341に摺動ブロック308が当接することで機体後方つまり開方向へのそれ以上の移動が規制されることになり、この位置が開方向の移動限界位置となっている。また、上部シャッタ14Aの機体後方側には、下方に突出する図示せぬ規制部材が設けられており、この規制部材で下部シャッタ14Bは重なり合った状態にある上部シャッタ14Aを超えてさらに機体後方側に移動することが規制されている。このため、開方向の移動限界位置にある上部シャッタ14Aの規制部材に当接することで下部シャッタ14Bは機体後方つまり開方向へのそれ以上の移動が規制されることになり、この位置が開方向の移動限界位置となっている。
【0204】
上部シャッタ14Aの機体前後方向における後部には、図14に示すように、機体前後方向移動時に他の部材に干渉しない位置に検知片343が下方に突出するように設けられている。また、下部シャッタ14Bの機体前後方向における後部にも、機体前後方向移動時に他の部材に干渉しない位置に検知片344が下方に突出するように設けられている。
【0205】
機体側には、図14および図15に示すように、検知片343を検知することで上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bがそれぞれ開放位置および閉塞位置にあることを検出するためのセンサ346〜349が設けられている。つまり、検知片343を検知することで上部シャッタ14Aが開放位置にあることを検出するセンサ346と、検知片343を検知することで上部シャッタ14Aが閉塞位置にあることを検出するセンサ347と、検知片344を検知することで下部シャッタ14Bが開放位置にあることを検出するセンサ348と、検知片344を検知することで下部シャッタ14Bが閉塞位置にあることを検出するセンサ349とが設けられている。
【0206】
図12に示すように、共に閉塞位置にある上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bの機体後方側には、上部シャッタ14Aを入出金口11を覆う閉塞位置でロックするロック状態とロックを解除するロック解除状態とに電気的に駆動されて切り換えられる上部シャッタロック切換機構(上部シャッタロック切換手段)351と、下部シャッタ14Bを入出金口11を覆う閉塞位置でロックするロック状態とロックを解除するロック解除状態とに電気的に駆動されて切り換えられるとともに、上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bを重なり合った状態で連結させる連結状態と連結を解除する連結解除状態とに電気的に駆動されて切り換えられる連結切換機構兼用の下部シャッタロック切換機構(連結切換手段、下部シャッタロック切換手段)352とが設けられている。
【0207】
上部シャッタロック切換機構351は、図12および図15に示すように、プランジャ354を機体前後方向に移動するように配置した状態で機体側の支持部材355に固定されたソレノイド356と、このソレノイド356のプランジャ354の先端と機体左右方向に沿う連結ピン357で回動可能に連結された回動部材358と、この回動部材358を付勢するバネ部材359とを有している。ここで、回動部材358は、連結ピン357の上側において機体左右方向に沿う状態で機体側の支持部材355に固定された支持軸360にも回動可能に支持されており、そのソレノイド356に対し反対側には機体左右方向に沿う支持軸361を中心に回転可能に支持された規制ローラ362が設けられている。なお、バネ部材359は、規制ローラ362を上側に位置させる方向に回動部材358を付勢する。
【0208】
上部シャッタロック切換機構351は、ソレノイド356が駆動されるとプランジャ354を引き込んで回動部材358をバネ部材359の付勢力に抗して規制ローラ362を下側に移動させるように支持軸360を中心に回動させるロック解除状態となる一方、ソレノイド356の駆動が解除されるとバネ部材359の付勢力で回動部材358が規制ローラ362を上側に移動させるように支持軸360を中心に回動しプランジャ354を突出させるロック状態となる。
【0209】
そして、上部シャッタロック切換機構351は、上部シャッタ14Aが機体前側の閉塞位置にある状態でロック状態になると、規制ローラ362が上昇し上部シャッタ14Aの後面に当接して、上部シャッタ14Aの機体後方つまり開方向への移動を規制する。また、ロック解除状態になると、規制ローラ362が下降し上部シャッタ14Aの後方から退避して、上部シャッタ14Aの機体後方つまり開方向への移動を許容する。
【0210】
下部シャッタロック切換機構352は、図15〜図17に示すように、プランジャ364を機体前後方向に移動するように配置した状態で機体側の支持部材355に固定されたソレノイド366と、このソレノイド366のプランジャ364の先端と機体左右方向に沿う連結ピン367で回動可能に連結された回動部材368と、この回動部材368を付勢するバネ部材369とを有している。ここで、回動部材368は、連結ピン367の上側において機体左右方向に沿う状態で機体側の支持部材355に固定された、上記回動部材358と共通の支持軸360にも回動可能に支持されており、そのソレノイド366に対し反対側には上方に突出する係合部371が形成されている。なお、バネ部材369は、係合部371を上側に位置させる方向に回動部材368を付勢する。
【0211】
下部シャッタロック切換機構352は、ソレノイド366が駆動されるとプランジャ364を引き込んで回動部材368をバネ部材369の付勢力に抗して係合部371を下側に移動させるように支持軸360を中心に回動させるロック解除状態となる一方、ソレノイド366の駆動が解除されるとバネ部材369の付勢力で回動部材368が係合部371を上側に移動させるように支持軸360を中心に回動しプランジャ364を突出させるロック状態となる。
【0212】
そして、下部シャッタロック切換機構352は、下部シャッタ14Bが機体前側の閉塞位置にある状態でロック状態になると、係合部371が上昇し下部シャッタ14Bの係合穴338に入り込んで下部シャッタ14Bの機体後方つまり開方向への移動を規制する。また、ロック解除状態になると、係合部371が下降し、下部シャッタ14Bの係合穴338から抜け出て、下部シャッタ14Bの機体後方つまり開方向への移動を許容する。
【0213】
ここで、下部シャッタ14Bが機体前側の閉塞位置にある状態では図示せぬ規制部材により上部シャッタ14Aも機体前側の閉塞位置にあって下部シャッタ14Bと重なり合う状態になり、この状態では上部シャッタ14Aの連結機構339の連結部材334がネジリバネ335の付勢力で係合穴338に上側から入り込む方向に付勢される。その結果、下部シャッタロック切換機構352がロック状態になると、係合部371が上昇し下部シャッタ14Bの係合穴338に下方から進入して下部シャッタ14Bを閉塞状態でロックするとともに係合部371で連結機構339の連結部材334を押し出して連結機構339による上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bの連結を解除する状態つまりロック・連結解除状態になる。
【0214】
また、下部シャッタロック切換機構352がロック解除状態になると、係合部371が下降し下部シャッタ14Bの係合穴338から退避して下部シャッタ14Bのロックを解除するとともに、係合部371による連結部材334の押し上げの解除で連結部材334をネジリバネ335の付勢力で係合穴338に入り込ませて上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bを連結させる状態つまりロック解除・連結状態になる。なお、下部シャッタロック切換機構352は、ソレノイド366の駆動が解除されてバネ部材369の付勢力で回動部材368をその係合部371を上側に移動させるように回動させることになるが、このときに、ネジリバネ335の付勢力に抗して連結部材334を回動させるようにバネ部材369の付勢力がネジリバネ335の付勢力より大きく設定されている。
【0215】
下部シャッタロック切換機構352と上部シャッタロック切換機構351とは、図15に示すように機体左右方向に並列に配置されており、下部シャッタロック切換機構352のソレノイド366の回動部材368には、上部シャッタロック切換機構351の回動部材358の方向に延出して、この回動部材358の上面に当接可能な延出片373が固定されている。この延出片373は、下部シャッタロック切換機構352のソレノイド366が駆動されて回動部材368が回動しロック解除・連結状態になると、上部シャッタロック切換機構351のソレノイド356が非駆動状態にあっても、回動部材368と一対に回動する延出片373で上部シャッタロック切換機構351の回動部材358を押圧して回動させロック解除状態にする。
【0216】
また、この状態から下部シャッタロック切換機構352のソレノイド366の駆動が解除されて回動部材368がバネ部材369の付勢力で回動しロック状態になると、回動部材368と一対に回動する延出片373による上部シャッタロック切換機構351の回動部材358への押圧を解除し、その結果、上部シャッタロック切換機構351の回動部材358がバネ部材359により回動しロック状態になる。
【0217】
つまり、延出片373は、下部シャッタロック切換機構352のロックおよびロック解除に連動させて機械的に上部シャッタロック切換機構351のロックおよびロック解除を行うことを可能とする部材である。
【0218】
次に、シャッタ14およびシャッタ駆動機構301の作動を説明する。
上記した入金処理時においては、始めに上部シャッタ14Aのみを開放位置に移動させる上部シャッタ開放作動を実行する(図16参照)。つまり、操作者が入金処理開始のための操作を行うと、図示せぬ制御部は、上部シャッタロック切換機構351のソレノイド356に駆動信号を出力しソレノイド356を駆動する。これにより、ソレノイド356が回動部材358をバネ部材359の付勢力に抗して回動させ、規制ローラ362を下側に退避させて上部シャッタ14Aの機体後方つまり開方向への移動を許容するロック解除状態とする。このとき、下部シャッタロック切換機構352は駆動されずにロック・連結解除状態が維持されており下部シャッタ14Bは閉塞状態および上部シャッタ14Aとの連結解除状態が維持されている。
【0219】
この状態で、制御部は、モータ325にシャッタ14を開作動させる駆動信号を発しモータ325を正回転で駆動する。すると、モータ325の駆動軸326が回転しトルクリミッタ327を介して駆動ギア328が回転してラックギア324を機体後方に移動させて、ロック解除状態にある上部シャッタ14Aのみを開方向に移動させる。そして、上部シャッタ14Aは開放位置まで移動すると摺動ブロック308をストッパ341に当接させてそれ以上の移動が規制されることになり、また、この当接時点で上部シャッタ14Aに設けられた検知片343がセンサ346に検知されることになって、制御部は、このセンサ346の検知でモータ325の駆動を停止させる。
【0220】
ここで、以上の上部シャッタ開放作動時に、例えば上部シャッタ14A上に荷物が載せられていて余計な負荷がかかった場合には、モータ325に付設されたトルクリミッタ327が滑りを生じることでモータ325に余計な負荷がかかることを防止する。また、このときは、上部シャッタ開放作動に必要以上の時間がかかることになるため、この時間が予め設定された所定時間を超えてもセンサ346で検知片343が検出されなければ、モータ325の駆動を停止して警報を発したり、一旦モータ325を逆回転させて上部シャッタ閉塞作動(後述)を行った後に、上部シャッタ開放作動を再度行うようにしても良い。
【0221】
そして、正常に上部シャッタ開放作動が完了すると、上部シャッタ14Aのみが開放状態にあって下部シャッタ14Bは閉塞状態にあり、入出金口11は下部シャッタ14Bのみで覆われた状態となって下部シャッタ14Bの硬貨投入孔16が露出する。操作者は、この硬貨投入孔16を介して硬貨を少数枚ずつに分けて投入する。このように少数枚ずつに分けて投入する際に操作者は硬貨と混在しているゴミ等を認識することになり、硬貨のみが投入されることになって、ゴミ等の投入が防止される。
【0222】
次に、硬貨の投入が終わり、操作者が計数開始のための操作を入力すると、制御部は、上部シャッタ14Aのみを閉塞位置に移動させる上部シャッタ閉塞作動を実行する。つまり、上部シャッタロック切換機構351のソレノイド356への駆動信号の出力を維持したまま、モータ325にシャッタ14を閉作動させる駆動信号を発しモータ325を逆回転で駆動する。すると、モータ325が回転しトルクリミッタ327および駆動ギア328を介してラックギア324を機体前方に移動させて、ロック解除状態にある上部シャッタ14Aのみを閉方向に移動させる。そして、上部シャッタ14Aは閉塞位置まで移動すると前端部を前ガイド板303に当接させてそれ以上の移動が規制されることになり、また、この当接時点で上部シャッタ14Aに設けられた検知片343がセンサ347に検知されることになって、制御部は、このセンサ347の検知でモータ325の駆動を停止させる。
【0223】
ここで、以上の上部シャッタ閉塞作動時に、例えば上部シャッタ14Aに物が挟まり余計な負荷がかかった場合には、モータ325に付設されたトルクリミッタ327が滑りを生じることでモータ325に余計な負荷がかかることを防止する。また、このときは、上部シャッタ閉塞作動に必要以上の時間がかかることになるため、この時間が予め設定された所定時間を超えてもセンサ347で検知片343が検出されなければ、モータ325の駆動を停止して警報を発したり、一旦モータ325を正回転させて上部シャッタ開放作動を行った後に、上部シャッタ閉塞作動を再度行うようにしても良い。
【0224】
そして、正常に上部シャッタ閉塞作動が完了すると、制御部は、上部シャッタロック切換機構351のソレノイド356への駆動信号を停止しソレノイド356の駆動を解除する。これにより、バネ部材359が回動部材358を付勢力で回動させ規制ローラ362を上側に位置させて、上部シャッタ14Aの機体後方つまり開方向への移動を規制するロック状態となる。
【0225】
一方、上述した返却処理時および出金処理時においては、始めに上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bを開放位置に移動させる上下シャッタ開放作動を実行する(図17参照)。つまり、図示せぬ制御部は、上記した返却処理または出金処理において取引部12の硬貨受皿15にすべての硬貨が送り込まれたことが確認されると、下部シャッタロック切換機構352のソレノイド366に駆動信号を出力しソレノイド366を駆動するとともに、上部シャッタロック切換機構351のソレノイド356に駆動信号を出力しソレノイド356を駆動する。これにより、下部シャッタロック切換機構352のソレノイド366が回動部材368をバネ部材369の付勢力に抗して回動させ係合部371を係合穴338から下方に退避させるとともに、連結部材334への押圧を解除して連結部材334をネジリバネ335の付勢力で係合穴338に入り込ませる。その結果、下部シャッタ14Bの機体後方つまり開方向への移動を許容するとともに下部シャッタ14Bと上部シャッタ14Aとを連結させるロック解除・連結状態となる。また、上部シャッタロック切換機構351は上述と同様に上部シャッタ14Aの機体後方つまり開方向への移動を許容するロック解除状態となる。
【0226】
この状態で、制御部は、モータ325にシャッタ14を開作動させる駆動信号を発しモータ325を正回転で駆動する。すると、モータ325が回転しトルクリミッタ327および駆動ギア328を介してラックギア324を機体後方に移動させて、ロック解除状態にある上部シャッタ14Aを開方向に移動させる。すると、下部シャッタ14Bはロックが解除され上部シャッタ14Aに連結されているため、下部シャッタ14Bも上部シャッタ14Aと一体に開方向に移動する。そして、上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bが開放位置まで移動すると上部シャッタ14Aが摺動ブロック308をストッパ341に当接させてそれ以上の移動が規制されることになり、また、この当接時点で上部シャッタ14Aに設けられた検知片343がセンサ346に下部シャッタ14Bに設けられた検知片344がセンサ348に検知されることになって、制御部は、これらセンサ346,348の検知でモータ325の駆動を停止させる。なお、上部シャッタ14Aの検知片343のセンサ346による検知および下部シャッタ14Bの検知片344のセンサ348による検知のいずれか一方のみでモータ325の駆動を停止させるようにしても良い。
【0227】
ここで、以上の上下シャッタ開放作動時においても、上部シャッタ14Aまたは下部シャッタ14Bに余計な負荷がかかった場合には、トルクリミッタ327でモータ325に余計な負荷がかかることを防止する。また、上下シャッタ開放作動に必要以上の時間がかかったときも、上部シャッタ開放作動と同様の処置が可能である。
【0228】
そして、正常に上下シャッタ開放作動が完了すると、上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bが共に開放状態にあって、入出金口11は開放された状態となって硬貨受皿15が露出する。その結果、操作者は、入出金口11を介して硬貨を硬貨受皿15から取り出す。
【0229】
次に、硬貨の取り出しが終わったことが図示せぬ残留センサで検出されると、制御部は、上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bを一体に閉塞位置に移動させる上下シャッタ閉塞作動を実行する。つまり、下部シャッタロック切換機構352のソレノイド366および上部シャッタロック切換機構351のソレノイド356への駆動信号の出力を維持したまま、モータ325にシャッタ14を閉作動させる駆動信号を発しモータ325を逆回転で駆動する。すると、モータ325が回転しトルクリミッタ327および駆動ギア328を介してラックギア324を機体前方に移動させて、ロック解除状態にある上部シャッタ14Aを閉方向に移動させる。すると、下部シャッタ14Bは、上部シャッタ14Aの機体後方側に設けられた図示せぬ規制部材で押圧されて上部シャッタ14Aと一体に閉方向に移動する。
【0230】
そして、上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bは閉塞位置まで移動すると前端部を前ガイド板303に当接させてそれ以上の移動が規制されることになり、また、この当接時点で上部シャッタ14Aに設けられた検知片343がセンサ347に下部シャッタ14Bに設けられた検知片344がセンサ349にそれぞれ検知されることになって、制御部は、これらセンサ347,349の検知でモータ325の駆動を停止させる。なお、上部シャッタ14Aの検知片343のセンサ347による検知および下部シャッタ14Bの検知片344のセンサ349による検知のいずれか一方のみでモータ325の駆動を停止させるようにしても良い。
【0231】
ここで、以上の上下シャッタ閉塞作動時においても、上部シャッタ14Aまたは下部シャッタ14Bに余計な負荷がかかった場合には、トルクリミッタ327でモータ325に余計な負荷がかかることを防止する。また、上下シャッタ閉塞作動に必要以上の時間がかかったときも、上部シャッタ閉塞作動と同様の処置が可能である。
【0232】
そして、正常に上下シャッタ閉塞作動が完了すると、制御部は、上部シャッタロック切換機構351のソレノイド356への駆動信号を停止しソレノイド356の駆動を解除する。これにより、バネ部材359が回動部材358を付勢力で回動させ規制ローラ362を上側に位置させて、上部シャッタ14Aの機体後方つまり開方向への移動を規制するロック状態となる。それとともに、下部シャッタロック切換機構352のソレノイド366への駆動信号を停止しソレノイド366の駆動を解除する。これにより、バネ部材369が回動部材368を付勢力で回動させ係合部371を上側に位置させて下部シャッタ14Bの係合穴338に入り込ませるとともに連結部材334を係合穴338から押し出して、下部シャッタ14Bの機体後方つまり開方向への移動を規制するとともに上部シャッタ14Aと下部シャッタ14Bとの連結を解除するロック・連結解除状態となる。
【0233】
なお、以上の上下シャッタ開放作動および上下シャッタ閉塞作動時に、下部シャッタロック切換機構352のソレノイド366のみを上記と同様に作動させても、下部シャッタロック切換機構352の回動部材368の延出片373の作動により、上部シャッタロック切換機構351を上記と同様に作動させることができる。
【0234】
つまり、下部シャッタロック切換機構352のソレノイド366が駆動されて回動部材368が回動しロック解除・連結状態になると、延出片373が上部シャッタロック切換機構351の回動部材358を押圧して機械的に回動させロック解除状態にすることになり、また、この状態から下部シャッタロック切換機構352のソレノイド366の駆動が解除されて回動部材368が逆に回動しロック状態になると、延出片373が上部シャッタロック切換機構351の回動部材368への押圧を解除し、上部シャッタロック切換機構351の回動部材358をバネ部材359により機械的にロック状態にする。これにより、上記した上下シャッタ開放作動および上下シャッタ閉塞作動が下部シャッタロック切換機構352のソレノイド366の駆動および駆動解除のみで可能となる。つまり、上部シャッタロック切換機構351と下部シャッタロック切換機構352とで駆動源であるソレノイドを兼用できるのである。
【0235】
なお、この延出片373は、図15に示すように、側方の機体フレーム305より突出しており、メンテナンス時等に手動で操作可能であり、手動で押し下げれば下部シャッタロック切換機構352の回動部材368および上部シャッタロック切換機構351の回動部材358を同時に押し下げることができ、上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bを同時に手動開閉させることが可能な状態にできる。
【0236】
以上に述べたシャッタ駆動機構301によれば、上部シャッタ14Aと下部シャッタ14Bとを共に入出金口11を覆う位置に位置させて入出金口11を完全に閉塞させる際には、下部シャッタ14Bを入出金口11を覆う閉塞位置でロックしつつ連結機構339による上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bの連結を解除するロック・連結解除状態に下部シャッタロック切換機構352をするとともに、上部シャッタ14Aを入出金口11を覆う閉塞位置でロックするロック状態に上部シャッタロック切換機構351をする。また、上部シャッタ14Aと下部シャッタ14Bとを共に入出金口11を開放する位置に位置させて入出金口11を完全に開放させる際および開放後戻す際には、下部シャッタ14Bのロックを解除しつつ連結機構339により上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bを連結させるロック解除・連結状態に下部シャッタロック切換機構352をするとともに、上部シャッタ14Aのロックを解除するロック解除状態に上部シャッタロック切換機構351をする。この状態で上部シャッタ駆動機構331で上部シャッタ14Aを移動させれば上部シャッタ14Aを介して下部シャッタ14Bも移動する。加えて、下部シャッタ14Bを入出金口11を覆う位置に位置させるとともに上部シャッタ14Aを入出金口11を開放する位置に位置させて入出金口11を下部シャッタ14Bの硬貨投入孔16を介してのみ開放させる際および上部シャッタ14Aを開放後戻す際には、下部シャッタ14Bを入出金口11を覆う閉塞位置でロックしつつ連結機構339による上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bの連結を解除するロック・連結解除状態に下部シャッタロック切換機構352をするとともに、上部シャッタ14Aのロックを解除するロック解除状態に上部シャッタロック切換機構351をする。この状態で上部シャッタ駆動機構331で上部シャッタ14Aを移動させれば上部シャッタ14Aのみが移動する。
【0237】
以上により、上部シャッタ14Aを介して下部シャッタ14Bが駆動されるため、トルクリミッタ327をモータ325と上部シャッタ14Aとの間のみに設ければ、上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bのいずれが開閉途中で停止する事態が生じても、トルクリミッタ327で駆動系に無理な力が加わることを防止できる。したがって、高価なトルクリミッタ327を減らすことができるため、部品コストを低減することができる。
【0238】
また、下部シャッタロック切換機構352が上部シャッタ14Aおよび下部シャッタ14Bの連結状態を切り換える連結切換機構を兼ねるため、さらに部品コストを低減することができる。
【0239】
さらに、下部シャッタロック切換機構352が係合穴338から退避する状態になると、上部シャッタ14Aに設けられた連結部材334は下部シャッタ14Bの係合穴338へネジリバネ335の付勢力で進入して上部シャッタ14Aを下部シャッタ14Bに連結させるとともに、下部シャッタロック切換機構352が係合穴338から退避することで下部シャッタ14Bのロックを解除する。つまり、ロック解除・連結状態となる。また、下部シャッタロック切換機構352が係合穴338に進入する状態になると、上部シャッタ14Aに設けられた連結部材334はネジリバネ335の付勢力に抗して下部シャッタロック切換機構352で係合穴338から押し出されて上部シャッタ14Aと下部シャッタ14Bとの連結を解除するとともに、下部シャッタロック切換機構352が下部シャッタ14Bの係合穴338へ進入して下部シャッタ14Bをロックする。つまり、ロック・連結解除状態となる。このように、連結機構339は、下部シャッタ14Bに係合穴338を形成するとともに、上部シャッタ14Aに連結部材334を設け、連結部材334を付勢するネジリバネ335を設ければ良いため、構成が簡素でさらに部品コストを低減することができる。
【0240】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に係る発明によれば、上部シャッタと下部シャッタとを共に取引口を覆う位置に位置させて取引口を完全に閉塞させる際には、下部シャッタを取引口を覆う閉塞位置でロックするロック状態に下部シャッタロック切換手段をするとともに、上部シャッタを取引口を覆う閉塞位置でロックするロック状態に上部シャッタロック切換手段をする。また、上部シャッタと下部シャッタとを共に取引口を開放する位置に位置させて取引口を完全に開放させる際および開放後戻す際には、下部シャッタのロックを解除するロック解除状態に下部シャッタロック切換手段をし、上部シャッタのロックを解除するロック解除状態に上部シャッタロック切換手段をするとともに、上部シャッタおよび下部シャッタを重なり合った状態で連結させる連結状態に連結切換手段をする。この状態で上部シャッタ駆動手段で上部シャッタを移動させれば上部シャッタを介して下部シャッタも移動する。加えて、下部シャッタを取引口を覆う位置に位置させるとともに上部シャッタを取引口を開放する位置に位置させて取引口を下部シャッタの硬貨投入孔を介してのみ開放させる際および上部シャッタを開放後戻す際には、下部シャッタをロックをするロック状態に下部シャッタロック切換手段をし、上部シャッタのロックを解除するロック解除状態に上部シャッタロック切換手段をするとともに、上部シャッタおよび下部シャッタを重なり合った状態での連結を解除する連結解除状態に連結切換手段をする。この状態で上部シャッタ駆動手段で上部シャッタを移動させれば上部シャッタのみが移動する。以上により、上部シャッタを介して下部シャッタが駆動されるため、トルクリミッタを駆動源と上部シャッタとの間のみに設ければ、上部シャッタおよび下部シャッタのいずれが開閉途中で停止する事態が生じても、トルクリミッタで駆動系に無理な力が加わることを防止できる。したがって、高価なトルクリミッタを減らすことができるため、部品コストを低減することができる。
【0241】
請求項2に係る発明によれば、上部シャッタと下部シャッタとを共に取引口を覆う位置に位置させて取引口を完全に閉塞させる際には、下部シャッタを取引口を覆う閉塞位置でロックしつつ連結手段による上部シャッタおよび下部シャッタの連結を解除するロック・連結解除状態に下部シャッタロック切換手段をするとともに、上部シャッタを取引口を覆う閉塞位置でロックするロック状態に上部シャッタロック切換手段をする。また、上部シャッタと下部シャッタとを共に取引口を開放する位置に位置させて取引口を完全に開放させる際および開放後戻す際には、下部シャッタのロックを解除しつつ連結手段により上部シャッタおよび下部シャッタを連結させるロック解除・連結状態に下部シャッタロック切換手段をするとともに、上部シャッタのロックを解除するロック解除状態に上部シャッタロック切換手段をする。この状態で上部シャッタ駆動手段で上部シャッタを移動させれば上部シャッタを介して下部シャッタも移動する。加えて、下部シャッタを取引口を覆う位置に位置させるとともに上部シャッタを取引口を開放する位置に位置させて取引口を下部シャッタの硬貨投入孔を介してのみ開放させる際および上部シャッタを開放後戻す際には、下部シャッタを取引口を覆う閉塞位置でロックしつつ連結手段による上部シャッタおよび下部シャッタの連結を解除するロック・連結解除状態に下部シャッタロック切換手段をするとともに、上部シャッタのロックを解除するロック解除状態に上部シャッタロック切換手段をする。この状態で上部シャッタ駆動手段で上部シャッタを移動させれば上部シャッタのみが移動する。以上により、下部シャッタロック切換手段が連結切換手段を兼ねるため、さらに部品コストを低減することができる。
【0242】
請求項3に係る発明によれば、下部シャッタロック切換手段が開口部から退避する状態になると、上部シャッタに設けられた連結部材は下部シャッタの開口部へ付勢手段の付勢力で進入して上部シャッタを下部シャッタに連結させるとともに、下部シャッタロック切換手段が開口部から退避することで下部シャッタのロックを解除する。つまり、ロック解除・連結状態となる。また、下部シャッタロック切換手段が開口部に進入する状態になると、上部シャッタに設けられた連結部材は付勢手段の付勢力に抗して下部シャッタロック切換手段で開口部から押し出されて上部シャッタと下部シャッタとの連結を解除するとともに、下部シャッタロック切換手段が下部シャッタの開口部へ進入して下部シャッタをロックする。つまり、ロック・連結解除状態となる。このように、連結手段は、下部シャッタに開口部を形成するとともに、上部シャッタに連結部材を設け、連結部材を付勢する付勢手段を設ければ良いため、構成が簡素でさらに部品コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である硬貨入出金機の全体構成を概略的に示す図であって、(a)は機体左方から見た側断面図、(b)は平断面図である。
【図2】本発明の一実施形態である硬貨入出金機の一時貯留搬送部および第2揚高搬送部を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施形態である硬貨入出金機の一時貯留搬送部および第2揚高搬送部を示す機体左方から見た側面図である。
【図4】本発明の一実施形態である硬貨入出金機の第1揚高搬送部を示す正面図である。
【図5】本発明の一実施形態である硬貨入出金機の第1揚高搬送部を示す機体左方から見た側面図である。
【図6】本発明の一実施形態である硬貨入出金機の硬貨選別搬送部を示す平面図である。
【図7】本発明の一実施形態である硬貨入出金機の硬貨選別搬送部を示す機体右方から見た側面図である。
【図8】本発明の一実施形態である硬貨入出金機の硬貨選別搬送部を示す機体左方から見た側面図である。
【図9】本発明の一実施形態である硬貨入出金機の搬送駆動力伝達機構を示す平面図である。
【図10】本発明の一実施形態である硬貨入出金機の搬送駆動力伝達機構を示す機体左方から見た側面図である。
【図11】本発明の一実施形態である硬貨入出金機の搬送駆動力伝達機構を示す機体後方から見た図である。
【図12】本発明の一実施形態である硬貨入出金機の取引部近傍を示す機体左方から見た側断面図である。
【図13】本発明の一実施形態である硬貨入出金機の取引部近傍を示す平面図であって上部シャッタが開かれ下部シャッタが閉じられた状態を示すものである。
【図14】本発明の一実施形態である硬貨入出金機の取引部近傍を示す正断面図である。
【図15】本発明の一実施形態である硬貨入出金機の取引部近傍を示す平面図であって上部シャッタおよび下部シャッタが共に閉じられた状態を示すものである。
【図16】本発明の一実施形態である硬貨入出金機の上部シャッタのみを開作動させる際の動作説明図であって、(a)は上部シャッタおよび下部シャッタが閉じられた状態、(b)は上部シャッタが開かれかつ下部シャッタが閉じられた状態を示すものである。
【図17】本発明の一実施形態である硬貨入出金機の上部シャッタおよび下部シャッタを共に閉作動させる際の動作説明図であって、(a)は上部シャッタおよび下部シャッタが閉じられた状態、(b)は上部シャッタおよび下部シャッタが開かれた状態を示すものである。
【符号の説明】
11 入出金口(取引口)
14A 上部シャッタ
14B 下部シャッタ
16 硬貨投入孔
331 上部シャッタ駆動機構(上部シャッタ駆動手段)
334 連結部材
335 ネジリバネ(付勢手段)
338 係合穴(開口部)
339 連結機構(連結切換手段,連結手段)
351 上部シャッタロック切換機構(上部シャッタロック切換手段)
352 下部シャッタロック切換機構(連結切換手段,下部シャッタロック切換手段)

Claims (3)

  1. 硬貨の受け入れおよび受け渡しを行う取引口と、該取引口を開閉可能な位置に上下二重に設けられた上部シャッタおよび下部シャッタとを有し、前記下部シャッタに硬貨投入孔を形成してなる硬貨処理機において、
    前記上部シャッタおよび前記下部シャッタを重なり合った状態で連結させる連結状態と連結を解除する連結解除状態とで切り換えられる連結切換手段と、
    前記上部シャッタを前記取引口を覆う閉塞位置でロックするロック状態とロックを解除するロック解除状態とで切り換えられる上部シャッタロック切換手段と、
    前記下部シャッタを前記取引口を覆う閉塞位置でロックするロック状態とロックを解除するロック解除状態とで切り換えられる下部シャッタロック切換手段と、
    前記上部シャッタを前記取引口を覆う閉塞位置と該取引口を開放する開放位置との間で移動させる上部シャッタ駆動手段と、
    を有することを特徴とする硬貨処理機。
  2. 前記上部シャッタおよび前記下部シャッタを重なり合った状態で連結および連結解除可能な連結手段を有しており、
    前記下部シャッタロック切換手段は、前記下部シャッタを前記取引口を覆う閉塞位置でロックしつつ前記連結手段による前記上部シャッタおよび前記下部シャッタの連結を解除するロック・連結解除状態と、前記下部シャッタのロックを解除しつつ前記連結手段により前記上部シャッタおよび前記下部シャッタを連結させるロック解除・連結状態とで切り換えられることにより、前記連結切換手段を兼ねることを特徴とする請求項1記載の硬貨処理機。
  3. 前記連結手段は、前記上部シャッタに設けられて下部シャッタに形成された開口部に進入可能な連結部材と、該連結部材を前記開口部へ進入する方向に付勢する付勢手段とを有しており、
    前記下部シャッタロック切換手段は、前記下部シャッタの開口部に進入して前記連結部材を開口部から押し出す状態と、該開口部から退避する状態とに切り換えられることを特徴とする請求項2記載の硬貨処理機。
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