JP2004205537A - 光導波路及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】交差部を有する光導波路において、交差部での光の漏れが低減した光導波路、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】コアが交差している光導波路において、交差領域のコアの屈折率が、交差領域以外のコアの屈折率よりも大きいことを特徴とする光導波路;光照射により屈折率が増加するポリマー材、又は光照射により屈折率が減少するポリマー材を用いて、2回以上の多重露光によりコア領域の露光量とコア領域以外の露光量を変化させ、コアの交差領域の屈折率がコアの交差領域以外の屈折率よりも大きい光導波路を作製する。
【選択図】 図1
【解決手段】コアが交差している光導波路において、交差領域のコアの屈折率が、交差領域以外のコアの屈折率よりも大きいことを特徴とする光導波路;光照射により屈折率が増加するポリマー材、又は光照射により屈折率が減少するポリマー材を用いて、2回以上の多重露光によりコア領域の露光量とコア領域以外の露光量を変化させ、コアの交差領域の屈折率がコアの交差領域以外の屈折率よりも大きい光導波路を作製する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、交差部を有する光導波路及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インターネットを中心とするコンピュータ通信の爆発的な普及に伴い、通信網を往来するデータ量が増大している。この増大したデータ量を円滑かつ高速に処理するための技術として、電気配線による信号伝送にかわり光配線による信号伝送が有用であるとされている。
これまでに、発光素子と受光素子とを光導波路を介して結合し、高速伝送を実現した光配線技術がある(例えば、非特許文献1参照)。この光導波路には安価で大量生産に適したポリマー材として感光性エポキシ樹脂が用いられている。
また、ポリマー光導波路の作製方法として、フォトリソグラフィとドライエッチングを用いる方法が知られている(例えば、非特許文献2参照)。
【0003】
【非特許文献1】
第16回エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集、20B−10(2002)
【非特許文献2】
Applied Optics、Vol.38、p.966(1999)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
光配線の高集積化のために、図4に示すような交差部を有する光導波路が必要とされるが、上述のようなポリマー材及び製法ではコア全体が一様な屈折率となるため、交差部を有する構造においては、図5に示すように交差部で光の漏れが生じる。そのため、信号光強度の損失が大きく、また、漏れた光が交差する光導波路に入り込むため、光クロストークが増大する。特にマルチモード光導波路では、高次モードの光ほど交差部での光の漏れが大きく、損失増加および光クロストーク劣化への影響が大きい。上述の光配線においては、受発光素子との接続の高効率化のため、コアサイズの大きなマルチモード光導波路を用いることが一般的である。そのため、交差部での光の漏れが生じやすく重大な課題となる。このような光の漏れを低減するためには、図6に示すようにコアの交差領域の屈折率をコアの交差領域以外の屈折率よりも大きくすることが有効であるが、屈折率の異なるコア材を接合するなど煩雑な工程が必要となる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、交差部での光の漏れを低減した光導波路及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の光導波路及びその製造方法を提供するものである。
1.コアが交差している光導波路において、交差領域のコアの屈折率が、交差領域以外のコアの屈折率よりも大きいことを特徴とする光導波路。
2.光照射により屈折率が変化するポリマー材からなるコア形成層を準備し、目的のコアパターンを形成するための少なくとも2種の露光マスクを介して少なくとも2回露光する工程を含み、コアの交差領域の全露光量がコアの交差領域以外の全露光量と異なるように露光し、コアの交差領域の屈折率をコアの交差領域以外の屈折率より大きくすることを特徴とする上記1記載の光導波路の製造方法。
3.コア形成層が光照射により屈折率が増加するポリマー材からなり、目的のコア形成領域の全部又は一部が開口した少なくとも2種の露光マスクを用いて、少なくとも2回露光することを特徴とする上記2記載の光導波路の製造方法。
4.コア形成層が光照射により屈折率が減少するポリマー材からなり、目的のコア形成領域以外の領域の全部又は一部が開口した少なくとも2種の露光マスクを用いて、少なくとも2回露光することを特徴とする上記2記載の光導波路の製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、コアが交差している光導波路において、交差領域のコアの屈折率が、交差領域以外のコアの屈折率よりも大きいことを特徴とする光導波路であり、これにより交差部での光の漏れを低減できる。
交差領域のコアの屈折率n1と、交差領域以外のコアの屈折率n2との差は、Δn=(n1^2 − n2^2) / (2*n1^2) で定義される比屈折率差Δnにおいて、好ましくは0.4%以上、さらに好ましくは0.6%以上、最も好ましくは0.8%以上である。
【0007】
本発明の光導波路の実施の形態について図1を用いて説明する。図1(a)は本発明の光導波路の一実施例を示す上面図、図1(b)は図1(a)のA−A’断面図、図1(c)は図1(a)のB−B’断面図である。コア2(屈折率n2)が交差し形成されるコアの交差領域1(屈折率n1)およびクラッド3(屈折率n3)の屈折率の大小関係はn1>n2>n3である。
ここで交差部の角度および交差部において交差するコアの数は限定されない。また、交差するそれぞれのコアの屈折率は同じでなくてもよく、例えば水平方向のコアと垂直方向のコアの屈折率をそれぞれn2、n2’としたとき、n1>n2、n2’>n3の関係が成り立てばよい。さらに、クラッドの屈折率は、コアの側部とコアの上部および下部で同じである必要はなく、例えばコアの側部のクラッドの屈折率をn3、上部のクラッドの屈折率をn3’、下部のクラッドの屈折率をn3’’としたとき、n1>n2>n3、n3’、n3’’の関係が成り立てばよい。
【0008】
本発明の光導波路は光照射により屈折率が増加するポリマー材、例えばApplied Physics Letters、Vol.24、p.72(1974)記載のフォトロッキング反応を利用したポリマー材(エチル2-(1-ナフチル)アクリル酸モノマーを含有する、メチルメタクリレートとケイ皮酸及びフマル酸のモノエチルエステルによって反応性が付与されたグリシジルメタクリレートの共重合ポリマー)、あるいは光照射により屈折率が減少するポリマー材、例えばApplied Optics、Vol.19、p.3124(1980)記載の選択光重合反応を利用したポリマー材(メチルメタクリレートモノマーおよびベンゾインエチルエーテルを含有するポリカーボネート)、または日本化学会誌、No.12、p.831 (1998)記載のフォトブリーチング反応を利用したポリマー材(4-[N-エチル-N-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4'ニトロアゾベンゼンを含有するポリメチルメタクリレート)等を用いて簡易に作製できる。
すなわち、光照射により屈折率が増加するポリマー材を用いた場合にはコア領域が開口した露光マスク(図2(a)又は(b)の露光マスク11)を使用し、光照射により屈折率が減少するポリマー材を用いた場合にはコア領域以外の領域が開口した露光マスク(図3(a)又は(b)の露光マスク11)を使用し、2回以上の多重露光を行うことで、コアの交差領域の屈折率をコアの交差領域以外の屈折率よりも大きくすることができ、露光工程の追加のみの簡易な方法にて上述の光導波路を作製できる。
【0009】
光照射により屈折率が増加するポリマー材を使用した場合、図2(a)に示すように、露光マスク11は、目的とするコア形成領域の一部が開口した第1の露光マスクと、目的とするコア形成領域の他の一部領域が開口した第2の露光マスクを組み合わせて使用することができる。この際、第1の露光マスクと第2の露光マスクは、コアの交差領域がいずれも開口しており、それぞれの露光の際に露光されるため、露光量は第1の露光量と第2の露光量の和になる。
また、図2(b)に示すように、露光マスク11は、目的とするコア形成領域の全部が開口した第1の露光マスクと、目的とするコアの交差領域のみが開口した第2の露光マスクを組み合わせて使用することができる。この場合も、第1の露光マスクと第2の露光マスクは、コアの交差領域がいずれも開口しており、それぞれの露光の際に露光されるため、露光量は第1の露光量と第2の露光量の和になる。
【0010】
また、光照射により屈折率が減少するポリマー材を使用した場合、図3(a)に示すように、露光マスク11は、目的とするコア形成領域の一部を除く領域が開口した第1の露光マスクと、目的とするコア形成領域の他の一部を除く領域が開口した第2の露光マスクを組み合わせて使用することができる。この際、第1の露光マスクと第2の露光マスクは、コアの交差領域がいずれも遮蔽されており、それぞれの露光の際に露光されないため、この部分の屈折率は減少しない。
また、図3(b)に示すように、露光マスク11は、目的とするコア形成領域の全部を除く領域が開口した第1の露光マスクと、目的とするコアの交差領域を除く領域が開口した第2の露光マスクを組み合わせて使用することができる。この場合も、第1の露光マスクと第2の露光マスクは、コアの交差領域がいずれも遮蔽されており、それぞれの露光の際に露光されないため、この部分の屈折率は減少しない。
【0011】
【実施例】
実施例1
本発明の光導波路の実施例1について図2を用いて説明する。図2(a)および図2(b)は、光照射により屈折率が増加するポリマー材を用いて光導波路を作製する方法を説明する図である。図2(a)または図2(b)のようにコア形成領域の一部又は全部が開口した2種の露光マスクを用いて2段階の露光を行うことにより、コアの交差領域の露光量はコアの交差領域以外の露光量よりも多くなるため、コアの交差領域の屈折率がコアの交差領域以外の屈折率より大きい、すなわち、両者の比屈折率差が、波長830nmにおいて1%以上の光導波路を作製できる。光照射により屈折率が増加するポリマー材として、例えばフォトロッキングにより屈折率が増加するポリマー材を用いることができる。
【0012】
実施例2
本発明の光導波路の実施例2について図3を用いて説明する。図3(a)および図3(b)は、光照射により屈折率が減少するポリマー材を用いて光導波路を作製する方法を説明する図である。図3(a)または図3(b)のようにコア形成領域以外の領域の一部又は全部が開口した少なくとも2種の露光マスクを用いて2段階の露光を行うことにより、コアの交差領域は露光されないため、コアの交差領域の屈折率がコアの交差領域以外の屈折率より大きい、すなわち両者の比屈折率差が、波長830nmにおいて0.8%以上の光導波路を作製できる。光照射により屈折率が減少するポリマー材として、例えば選択光重合により屈折率が減少するポリマー材、またはフォトブリーチングにより屈折率が減少するポリマー材を用いることができる。
このように、本発明においては、コアの交差部の屈折率が大きく、光の漏れが少ない光導波路を容易に作製できる。
【0013】
【発明の効果】
上述してきたように、本発明によれば、交差部を有する光導波路において、交差部での光の漏れが小さい光導波路を、光照射により屈折率が増加あるいは減少するポリマー材を用い簡易に作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の実施の形態を示す光導波路の上面図、図1(b)は図1(a)のA−A’断面図、図1(c)は図1(a)のB−B’断面図である。
【図2】図2(a)および図2(b)は、光照射により屈折率が増加するポリマー材を用いて光導波路を作製する方法を説明する図である。
【図3】図3(a)および図3(b)は、光照射により屈折率が減少するポリマー材を用いて光導波路を作製する方法を説明する図である。
【図4】図4は交差部を有する光導波路を説明する図である。
【図5】図5はコアの交差領域の屈折率が交差領域以外のコアの屈折率と等しい光導波路における光の伝搬状態を説明する図である。
【図6】図6はコアの交差領域の屈折率がコアの交差領域以外の屈折率より大きい本発明の光導波路における光の伝搬状態を説明する図である。
【符号の説明】
1・・・コアの交差領域、2・・・コア、3・・・クラッド、4・・・光導波路、11・・・露光マスク、12・・・マスク開口部、13・・・マスク遮光部
【発明の属する技術分野】
本発明は、交差部を有する光導波路及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インターネットを中心とするコンピュータ通信の爆発的な普及に伴い、通信網を往来するデータ量が増大している。この増大したデータ量を円滑かつ高速に処理するための技術として、電気配線による信号伝送にかわり光配線による信号伝送が有用であるとされている。
これまでに、発光素子と受光素子とを光導波路を介して結合し、高速伝送を実現した光配線技術がある(例えば、非特許文献1参照)。この光導波路には安価で大量生産に適したポリマー材として感光性エポキシ樹脂が用いられている。
また、ポリマー光導波路の作製方法として、フォトリソグラフィとドライエッチングを用いる方法が知られている(例えば、非特許文献2参照)。
【0003】
【非特許文献1】
第16回エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集、20B−10(2002)
【非特許文献2】
Applied Optics、Vol.38、p.966(1999)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
光配線の高集積化のために、図4に示すような交差部を有する光導波路が必要とされるが、上述のようなポリマー材及び製法ではコア全体が一様な屈折率となるため、交差部を有する構造においては、図5に示すように交差部で光の漏れが生じる。そのため、信号光強度の損失が大きく、また、漏れた光が交差する光導波路に入り込むため、光クロストークが増大する。特にマルチモード光導波路では、高次モードの光ほど交差部での光の漏れが大きく、損失増加および光クロストーク劣化への影響が大きい。上述の光配線においては、受発光素子との接続の高効率化のため、コアサイズの大きなマルチモード光導波路を用いることが一般的である。そのため、交差部での光の漏れが生じやすく重大な課題となる。このような光の漏れを低減するためには、図6に示すようにコアの交差領域の屈折率をコアの交差領域以外の屈折率よりも大きくすることが有効であるが、屈折率の異なるコア材を接合するなど煩雑な工程が必要となる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、交差部での光の漏れを低減した光導波路及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の光導波路及びその製造方法を提供するものである。
1.コアが交差している光導波路において、交差領域のコアの屈折率が、交差領域以外のコアの屈折率よりも大きいことを特徴とする光導波路。
2.光照射により屈折率が変化するポリマー材からなるコア形成層を準備し、目的のコアパターンを形成するための少なくとも2種の露光マスクを介して少なくとも2回露光する工程を含み、コアの交差領域の全露光量がコアの交差領域以外の全露光量と異なるように露光し、コアの交差領域の屈折率をコアの交差領域以外の屈折率より大きくすることを特徴とする上記1記載の光導波路の製造方法。
3.コア形成層が光照射により屈折率が増加するポリマー材からなり、目的のコア形成領域の全部又は一部が開口した少なくとも2種の露光マスクを用いて、少なくとも2回露光することを特徴とする上記2記載の光導波路の製造方法。
4.コア形成層が光照射により屈折率が減少するポリマー材からなり、目的のコア形成領域以外の領域の全部又は一部が開口した少なくとも2種の露光マスクを用いて、少なくとも2回露光することを特徴とする上記2記載の光導波路の製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、コアが交差している光導波路において、交差領域のコアの屈折率が、交差領域以外のコアの屈折率よりも大きいことを特徴とする光導波路であり、これにより交差部での光の漏れを低減できる。
交差領域のコアの屈折率n1と、交差領域以外のコアの屈折率n2との差は、Δn=(n1^2 − n2^2) / (2*n1^2) で定義される比屈折率差Δnにおいて、好ましくは0.4%以上、さらに好ましくは0.6%以上、最も好ましくは0.8%以上である。
【0007】
本発明の光導波路の実施の形態について図1を用いて説明する。図1(a)は本発明の光導波路の一実施例を示す上面図、図1(b)は図1(a)のA−A’断面図、図1(c)は図1(a)のB−B’断面図である。コア2(屈折率n2)が交差し形成されるコアの交差領域1(屈折率n1)およびクラッド3(屈折率n3)の屈折率の大小関係はn1>n2>n3である。
ここで交差部の角度および交差部において交差するコアの数は限定されない。また、交差するそれぞれのコアの屈折率は同じでなくてもよく、例えば水平方向のコアと垂直方向のコアの屈折率をそれぞれn2、n2’としたとき、n1>n2、n2’>n3の関係が成り立てばよい。さらに、クラッドの屈折率は、コアの側部とコアの上部および下部で同じである必要はなく、例えばコアの側部のクラッドの屈折率をn3、上部のクラッドの屈折率をn3’、下部のクラッドの屈折率をn3’’としたとき、n1>n2>n3、n3’、n3’’の関係が成り立てばよい。
【0008】
本発明の光導波路は光照射により屈折率が増加するポリマー材、例えばApplied Physics Letters、Vol.24、p.72(1974)記載のフォトロッキング反応を利用したポリマー材(エチル2-(1-ナフチル)アクリル酸モノマーを含有する、メチルメタクリレートとケイ皮酸及びフマル酸のモノエチルエステルによって反応性が付与されたグリシジルメタクリレートの共重合ポリマー)、あるいは光照射により屈折率が減少するポリマー材、例えばApplied Optics、Vol.19、p.3124(1980)記載の選択光重合反応を利用したポリマー材(メチルメタクリレートモノマーおよびベンゾインエチルエーテルを含有するポリカーボネート)、または日本化学会誌、No.12、p.831 (1998)記載のフォトブリーチング反応を利用したポリマー材(4-[N-エチル-N-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4'ニトロアゾベンゼンを含有するポリメチルメタクリレート)等を用いて簡易に作製できる。
すなわち、光照射により屈折率が増加するポリマー材を用いた場合にはコア領域が開口した露光マスク(図2(a)又は(b)の露光マスク11)を使用し、光照射により屈折率が減少するポリマー材を用いた場合にはコア領域以外の領域が開口した露光マスク(図3(a)又は(b)の露光マスク11)を使用し、2回以上の多重露光を行うことで、コアの交差領域の屈折率をコアの交差領域以外の屈折率よりも大きくすることができ、露光工程の追加のみの簡易な方法にて上述の光導波路を作製できる。
【0009】
光照射により屈折率が増加するポリマー材を使用した場合、図2(a)に示すように、露光マスク11は、目的とするコア形成領域の一部が開口した第1の露光マスクと、目的とするコア形成領域の他の一部領域が開口した第2の露光マスクを組み合わせて使用することができる。この際、第1の露光マスクと第2の露光マスクは、コアの交差領域がいずれも開口しており、それぞれの露光の際に露光されるため、露光量は第1の露光量と第2の露光量の和になる。
また、図2(b)に示すように、露光マスク11は、目的とするコア形成領域の全部が開口した第1の露光マスクと、目的とするコアの交差領域のみが開口した第2の露光マスクを組み合わせて使用することができる。この場合も、第1の露光マスクと第2の露光マスクは、コアの交差領域がいずれも開口しており、それぞれの露光の際に露光されるため、露光量は第1の露光量と第2の露光量の和になる。
【0010】
また、光照射により屈折率が減少するポリマー材を使用した場合、図3(a)に示すように、露光マスク11は、目的とするコア形成領域の一部を除く領域が開口した第1の露光マスクと、目的とするコア形成領域の他の一部を除く領域が開口した第2の露光マスクを組み合わせて使用することができる。この際、第1の露光マスクと第2の露光マスクは、コアの交差領域がいずれも遮蔽されており、それぞれの露光の際に露光されないため、この部分の屈折率は減少しない。
また、図3(b)に示すように、露光マスク11は、目的とするコア形成領域の全部を除く領域が開口した第1の露光マスクと、目的とするコアの交差領域を除く領域が開口した第2の露光マスクを組み合わせて使用することができる。この場合も、第1の露光マスクと第2の露光マスクは、コアの交差領域がいずれも遮蔽されており、それぞれの露光の際に露光されないため、この部分の屈折率は減少しない。
【0011】
【実施例】
実施例1
本発明の光導波路の実施例1について図2を用いて説明する。図2(a)および図2(b)は、光照射により屈折率が増加するポリマー材を用いて光導波路を作製する方法を説明する図である。図2(a)または図2(b)のようにコア形成領域の一部又は全部が開口した2種の露光マスクを用いて2段階の露光を行うことにより、コアの交差領域の露光量はコアの交差領域以外の露光量よりも多くなるため、コアの交差領域の屈折率がコアの交差領域以外の屈折率より大きい、すなわち、両者の比屈折率差が、波長830nmにおいて1%以上の光導波路を作製できる。光照射により屈折率が増加するポリマー材として、例えばフォトロッキングにより屈折率が増加するポリマー材を用いることができる。
【0012】
実施例2
本発明の光導波路の実施例2について図3を用いて説明する。図3(a)および図3(b)は、光照射により屈折率が減少するポリマー材を用いて光導波路を作製する方法を説明する図である。図3(a)または図3(b)のようにコア形成領域以外の領域の一部又は全部が開口した少なくとも2種の露光マスクを用いて2段階の露光を行うことにより、コアの交差領域は露光されないため、コアの交差領域の屈折率がコアの交差領域以外の屈折率より大きい、すなわち両者の比屈折率差が、波長830nmにおいて0.8%以上の光導波路を作製できる。光照射により屈折率が減少するポリマー材として、例えば選択光重合により屈折率が減少するポリマー材、またはフォトブリーチングにより屈折率が減少するポリマー材を用いることができる。
このように、本発明においては、コアの交差部の屈折率が大きく、光の漏れが少ない光導波路を容易に作製できる。
【0013】
【発明の効果】
上述してきたように、本発明によれば、交差部を有する光導波路において、交差部での光の漏れが小さい光導波路を、光照射により屈折率が増加あるいは減少するポリマー材を用い簡易に作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の実施の形態を示す光導波路の上面図、図1(b)は図1(a)のA−A’断面図、図1(c)は図1(a)のB−B’断面図である。
【図2】図2(a)および図2(b)は、光照射により屈折率が増加するポリマー材を用いて光導波路を作製する方法を説明する図である。
【図3】図3(a)および図3(b)は、光照射により屈折率が減少するポリマー材を用いて光導波路を作製する方法を説明する図である。
【図4】図4は交差部を有する光導波路を説明する図である。
【図5】図5はコアの交差領域の屈折率が交差領域以外のコアの屈折率と等しい光導波路における光の伝搬状態を説明する図である。
【図6】図6はコアの交差領域の屈折率がコアの交差領域以外の屈折率より大きい本発明の光導波路における光の伝搬状態を説明する図である。
【符号の説明】
1・・・コアの交差領域、2・・・コア、3・・・クラッド、4・・・光導波路、11・・・露光マスク、12・・・マスク開口部、13・・・マスク遮光部
Claims (4)
- コアが交差している光導波路において、交差領域のコアの屈折率が、交差領域以外のコアの屈折率よりも大きいことを特徴とする光導波路。
- 光照射により屈折率が変化するポリマー材からなるコア形成層を準備し、目的のコアパターンを形成するための少なくとも2種の露光マスクを介して少なくとも2回露光する工程を含み、コアの交差領域の全露光量がコアの交差領域以外の全露光量と異なるように露光し、コアの交差領域の屈折率をコアの交差領域以外の屈折率より大きくすることを特徴とする請求項1記載の光導波路の製造方法。
- コア形成層が光照射により屈折率が増加するポリマー材からなり、目的のコア形成領域の全部又は一部が開口した少なくとも2種の露光マスクを用いて、少なくとも2回露光することを特徴とする請求項2記載の光導波路の製造方法。
- コア形成層が光照射により屈折率が減少するポリマー材からなり、目的のコア形成領域以外の領域の全部又は一部が開口した少なくとも2種の露光マスクを用いて、少なくとも2回露光することを特徴とする請求項2記載の光導波路の製造方法。
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JP2002370899A JP2004205537A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | 光導波路及びその製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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