JP2004205255A - 電力使用量測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電力の需要先の自家用受電設備に本体装置1を設け、電力需給用複合計器(WHM)3と、前記WHM3からのパルス出力ポート4、および検知・記録装置10のパルス検出CT15を装着するパルス出力回路5とを設ける。前記本体装置1に記憶されたデータは、ハンディタイプのデータ収集装置20を用いて収集し、そのデータをパソコン25のようなデータ加工装置に入力して、使用電力の制御のためのデータとして活用し、自家用受電設備における省電力・省エネ、電力料金の低減化のためのデータとして活用できるようにする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自家用受電設備等において、消費電力の変化を一定時間毎に検知し、その検知したデータを容易に収集可能にする電力使用量測定装置と、その収集したデータを用いて、電気機器の稼働状況を把握して、電気機器の使用状態を改善する資料として利用可能にする装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自家用高圧電気設備等においては、電力測定装置等を取り付けておき、使用電力量のデータを管理している。前記高圧受電設備等においては、電力会社との電気料取り引きのためのメータとして、電力需給用複合計器(WHM)を需要家(お客)の自家用高圧電気設備等に取り付けておき、前記メータの表示にしたがって、使用電力量を計算している。前記電気料は、電力使用料と最大需要電力{30分間の平均需要電力[kW]:30分デマンド値}による基本料金から計算される。電気料金=最大需要電力(kW)×基本料金単価/kW+使用料kWh×電気料金単価/kWh……として計算される。そこで、電気料金を引き下げるためには、使わない機器の電源をこまめに切ることや、合理的な使い方による省エネも大切であるが、基本料金は最大需要電力に大きく影響するものであるから、最大需要電力を抑制することが、最も重要な条件となる。
【0003】
また、一般の家庭のような小規模の需要先においても、エアコン、テレビ、冷蔵庫や電灯(照明)等がそれぞれ大きな比率を占めているものであり、前記各機器の消費電力の合計に合わせて、遮断器(ブレーカ)を設けている。ところで、前記ブレーカの容量は、全部の機器を一度に作用させないことを仮定して設定しているものであるから、例えば、エアコンと電子レンジ、炊飯器等のような大容量の機器を一度に使用すると、ブレーカがきれる(オフになる)という問題がある。そこで、前記家庭での電気機器に対する配線をグループに分けて、メインのブレーカがオフにならず、分岐したブレーカのみをオフにする等の手段を設けている。また、前述したような配線を行った場合にも、全体の電気使用量のデータを管理しておき、その分岐線のグループでの使用電力が設定値に近付いたときに、警報を発する等の動作を行い、ブレーカがオフになる前に、使用者に危険状態を知らせるようにすることが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−69625号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記家庭用の消費電力の管理手段においても、電力会社に設置している制御装置により、警報を発したり、ブレーカをオフにする等の管理を行ったとしても、そのデータの収集と、そのデータにもとづく機器の管理を行い得ないと、有効なデータ管理ができないという問題がある。また、工場等の大量に電力を消費する場所でも、前記電力測定装置等を取り付けて測定して、電力使用量の管理を行う方式が用いられている。ところが、前記工場等においても、電力測定装置等によるデータと、取引用電力量計との差異を生じさせてしまい、最大電力や、使用電力量等を正確に把握することが困難である。その原因としては、測定箇所の相違による誤差、長時間計測による誤差の拡大、計測時刻の非同期問題等が挙げられる。そのために、最大需要電力を正確に把握する方法として、取引用電力量計から使用電力量に比例した出力パルスを検出して、最大電力や使用電力量に換算する装置を活用する方法を用いることが提案されている。
【0006】
また、前記従来例に示される家庭用の電力制御手段の他に、事業所等に適用されるDSMにおいては、取引用電力量計から使用電力量に比例した出力パルスを検出して、最大電力や使用電力量に換算する装置を活用するとともに、電力使用量のピークカットを目的として用いられることがある。そして、一定時間毎の使用電力量を監視して、設定したピーク電力値に近付くような、電力消費の曲線が出現した場合に警報を出力すること等の警報を出力することにより、需要家に緊急性のない設備の稼働を停止させるか、または、冷暖房の一時的な停止を指令する等の操作を要求するようにしている。しかしながら、そのようなコントロールを常時行うことは、自家用受電設備での操作が繁雑となり、効率良く機器のコントロールを行うことができないという欠点が発生する。
【0007】
本発明は、前述したような従来のデータ処理方法と、データ収集装置の欠点を解消しようとするもので、一定時間毎に電力使用量と、温度・湿度等の環境のデータとを計測してデータとして保管しておき、そのデータを受電設備から定期的に収集して、パソコン等の処理手段を用いて容易に処理することの可能な電力使用量測定装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、自家用受電設備の電力需給用複合計器のパルス出力ポートに接続して構成する電力使用量測定装置に関する。請求項1の発明は、検知・記録装置と、前記検知・記録装置に設けたパルス検出CTおよび温度計と、を配置した本体装置と、前記本体装置の検知・記録装置の記録・データ保持部には、記録しているデータを発信する手段を設け、前記データ保持部に記録しているデータを、データ収集装置に向けて出力し、前記データ収集装置により収集したデータにもとづいて、電力使用状況を判断することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、前記自家用受電設備の電力需給用複合計器には、パルス出力ポート、および検知・記録装置のパルス検出CTを装着するパルス出力回路とを設けた本体装置と、前記本体装置のパルス出力回路に対して、データを所定の時間毎に収集するために、パルス検出CTを取付ける検知・記録装置においては、記録・データ保持部と温度センサおよび、出力ポートを設けているものであることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、前記本体装置の記録・データ保持部においては、所定の時間間隔で測定した電力使用量とその測定時の気温とのデータを蓄積し、データを収集する手段からの要求に応じて、前記蓄積しているデータを発信することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、前記本体装置の検知・記録装置の記録・データ保持部には、記録しているデータを、任意の信号経路を用いてデータ収集装置に向けて伝達可能とし、前記データ収集装置に収集されたデータにもとづいて、気温に関連させた電力使用状況を判断可能にすることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、前記本体装置の記録・データ保持部からのデータを収集するために、ハンディタイプのデータ収集装置を用い、前記本体装置からのデータを有線または無線により、前記データ収集装置に収集することを特徴とする。
【0013】
前述したように構成した装置を用いることにより、任意の時間間隔で測定した情報を用いて、電力の使用量とその変化の状態を知ることができる。そして、前記自家用受電設備の電力需給用複合計器から、データを収集するために、ハンディタイプの収集装置を用いる場合には、本体装置の記録・データ保持部からのデータを任意のタイミングで収集できるので、全体の装置の構成を簡素化することができる。また、前記本体装置からのデータの収集のためには、信号ケーブルを敷設して行うことも可能であり、そのような有線信号伝達方式を用いる場合には、データを随時処理できることになる。したがって、自家用受電設備での電力使用状況を正確に把握して、電力需要側での節電のための対策を講じる基礎資料として用いることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図示する例にしたがって、本発明の電力使用量測定装置を説明する。図1に示す例は、本発明を適用する装置の全体の構成を説明しているもので、電力の需要先の自家用受電設備に付属させて本体装置1を取り付けて、パルス検出CT15を受電計器箱2の内部に収納している。前記本体装置1においては、電力需給用複合計器(WHM)3と、前記WHM3からのパルス出力ポート4、および検知・記録装置10のパルス検出CT15を装着するパルス出力回路5とを設けている。前記本体装置1は、例えば、6kVモールド型計器用変圧変流器(以下、「計器用変圧変流器」と呼ぶ)とともに取付け、電力の取り引き用として使用するもので、後で説明する図4のように、二次側三相3線式の機構を用いる。前記本体装置1を取付ける位置は、高圧受電柱(第1柱)・キュービクル屋側・建物の屋側・電気室内等の任意の位置に設けたものを使用するもので、前記本体装置1には、次の計器を一体化した電子式電力需給用複合計器として構成する。
【0015】
前記本体装置1のパルス出力回路5に対して、データを所定の時間毎に収集するために、パルス検出CT15を取付ける検知・記録装置10においては、後で詳細に説明するが、記録・データ保持部11と温度センサ16および、出力ポート18等を設けている。また、前記検知・記録装置10に蓄積されたデータを収集するために、ハンディタイプのデータ収集装置20を用いており、前記データ収集装置20においては、データ入力ポート21と出力ポート24等を設けて、前記検知・記録装置10からのデータの収集を、赤外線を用いて伝送する手段を用いている。そして、前記データ収集装置20により収集したデータは、パソコン25等に入力して、電力使用量とピーク電力の制御のためのデータとして活用し、自家用受電設備における省電力・省エネのため、ひいては電力料金の低減化のためのデータとして活用する。
【0016】
前記電力使用量測定装置において、本体装置1として構成する電子式電力需給用複合計器には、 普通電力量計(全日電力量測定用)と、 普通電力量計(昼間力率測定用)、 無効電力量計(夜間力率測定用)、 最大需要電力計、および、 時間帯切替用タイムスイッチを組み合わせて構成する。また、前記本体装置1の定格は、 電気方式:三相3線式普通電力量計(昼間力率測定用)、 定格電圧:110V、 定格電流:5A、 定格周波数:50Hzまたは60Hz、 形の記号:HM3E6−K40形等、 計器定数:1000パルス/kWsまたは1000パルス/kvars等、 パルス定数:50000パルス/kWh等、 パルス記号:HM、 乗率:10、100等、として構成する。その他に、前記本体装置1により測定する需要電力は、30分間の平均需要電力[kW]を測定するものとして構成するが、その他に、測定時間の設定は、任意の時間に亘って行うことも可能である。
【0017】
図2には検知・記録装置10の外観を示しているもので、前記検知・記録装置10の入力ポート14には、パルス出力回路5に取付けるパルス検出CT15と温度センサ16が接続されて、電力使用量と外気温度の情報が収集される。また、前記検知・記録装置10は前記本体装置1に対して取付けているものであるから、屋外に配置されるものとして、防水ケース7内部で取付板8に固定支持され、前記防水ケースの蓋またはカバーを閉じることで、密閉保持できるようにされる。前記検知・記録装置10の内部には前記パルス検出CT15と温度センサ16により定期的に測定されるデータを貯蔵する記録装置が内蔵されるが、その正面側には、操作ボタン部12および表示窓13を配置して、記録・データ保持部が保持しているデータを表示窓13に表示すること、および、操作ボタン部12の操作により、別の装置に向けて出力することができるようにする。
【0018】
その他に、前記記録・データ保持部が保持しているデータをデータ収集装置20に向けて出力するためのデータ転送ポート17および、必要に応じて有線で出力するための出力ポート18とを設けている。前記出力ポート18としては、角形コネクタ「RS」18a、USB18bを設けることができ、それ等の出力ポートからの出力は、データ収集装置20を用いずに、他のパソコンのようなデータ受信手段に対して直接伝達させる際にも用いられる。なお、前記検知・記録装置10は、100Vの商用電源を用いることを基本とするが、必要に応じて乾電池等を電源として用いることができ、2電源方式の装置として構成することで、ACアダプタ19から100Vの電源を接続して使用できない場所でも、前記検知・記録装置10を設置して、データの収集を可能にする。
【0019】
図3に示すデータ収集装置20は、検知・記録装置10に蓄積されているデータを収集するために用いるもので、乾電池等の電源を内蔵し、検知・記録装置10から赤外線によりデータ入力ポート21を介してデータを受信する。前記データ収集装置20には、操作ボタン部22と表示窓23を設けて、データの収集と、動作の制御を操作ボタン部22により制御し、装置に設けた表示部21に示される動作の種類に応じて、メモリにデータを蓄積する。また、前記データ収集装置20が保持しているデータ情報は、出力ポート24のRS24a、USB24bを介して、パソコン25のようなデータ加工手段に伝達して、大量のデータを蓄積することが可能であり、そのデータを用いて、パソコン25においては、以下に説明するように、月別の使用実績や、1日の中での時間毎の使用実績、その他のデータの加工を行うことができる。したがって、前記データ収集装置20には、検知・記録装置10のデータを一時保持するメモリ回路と、受信・発信する回路を設けるのみで良く、小型の装置として構成することができる。
【0020】
前記本体装置1においては、図4に示すように、計器用変圧変流器(電力需給用)の電源側と負荷側との接続部に、計器用変圧変流器6を配置して、パルス検出CT15の出力をWHMの各端子に接続する。前記WHM3においては、図4(b)に示すように、端子1S、P1、……時限パルス、計量パルス等が配列されているもので、前記各端子のうちのC1、C2の端子を用いて、両端子間をリード線で短絡した時、リード線を流れる電流を前記パルス検出CT15により、消費電力量に比例したパルス数として検出する。
【0021】
なお、前記本体装置1における定格負荷とは、(計器用変圧変流器におけるVT比6600/110V、CT比20/5A)とした場合に、力率=1とすれば、定格負荷=31/2 ×6600×20=228.6[kW]となる。なお、この数値は、各計器に明示されている値である。前記出力パルスは、パルス定数50000パルス/kWhの有効電力パルスを出力し、定格負荷時の30分間の有効電力パルス計算により求めるが、電力需要先の電力使用状態によっては、前記測定時間間隔と測定する時間は、任意に設定できるようにする。例えば、定格負荷(228.6kW)時の有効電力パルス数は23,815.7個である。(50000パルス×31/2 ×110V×5A×1×10-3)/2=23,815.7個となる。前記定格負荷と出力パルスの関係は、定格出力パルス数23,815.7個を基準とし、測定時の現在需要電力値と有効電力パルス数は比例する。ここで、現在需要電力値は、現在計量画面において、00分から30分(30分間)までの全日電力量[kWh]を0.5で割った値[kW]であり、本体装置1の現在計量画面(表示部)に表示される。
【0022】
前記本体装置1において、計器用変圧変流器6の出力をWHM3の各端子に接続して、パルス検出CT15により計測されたパルス数の情報と、温度センサ16から得られる温度の情報とを、前記検知・記録装置10からデータ収集装置20に伝達し、その情報をパソコン25に集める。前記パソコン25に収集されたデータは、以下に説明するような処理が行われて、需要先の電力使用量の実績として表示される。なお、以下の説明において、電力使用量測定装置により得られる使用電力量(以下、「デマンド値」と表現する)が、30分間、または10分間の設定したデータとして得られるもので、そのデータを単位時間毎に収集しておき、そのデータを総合して月毎、1週間毎等の任意の期間に亘って解析できるようにするものである。
【0023】
なお、以下に説明する電力使用量測定装置により収集されたデータの解析に際して、デマンド値とそれに関連する条件としては、次のように考えられている。
(1)デマンド値……業種によって負荷パターンが大きく異なるが、最低および最高、平均デマンド値から、需要先の設備稼働率や動作状況等を把握することができ、同一の条件の下で他の需要先での電力消費の傾向を想定することが可能である。
(2)気温……空調設備の負荷、冷凍冷蔵庫の負荷、保温設備の他、熱効率に影響の大きい装置の負荷等の占める割合が大きい事業所等では、デマンド値との相関が深い。
(3)曜日……休日の電力使用状態を把握することにより、無駄の有無が確認できる。また、工場、ビル等の電力使用状態(負荷パターン)がわかる。
(4)使用電力量……月負荷および日負荷のデータから、無駄の有無について確認ができる。デマンド値と時間の積に使用電力量が相似であれば、負荷変動が少ない、あるいは、負荷の平準化が行われていると推定できる。
【0024】
前述したような条件を想定して、前記電力使用量測定装置で得られたデータを処理すると、図5のグラフに示すような1か月間のデータを得ることができた。
【0025】
【表1】
前記図5に示す月負荷曲線においては、30分デマンド値[kW]が、日最高の平均値…95、最高…160、最低…12であって、
1日の使用電力量[kWH]は、平均…1044、最高…1817、最低…94、1か月の累計…31322、であった。
また、その月の1日の最高気温[℃]は、平均…26、最高…33、最低…18であった。なお、その需要先の変圧器容量[kVA]は、単相…200、三相…200であり、過去12か月間における30分デマンド値[kW]の最大値は、180であった。
【0026】
前記図5に示される例においては、土曜、日曜には、電力の使用量が非常に少ないことは当然のことであり、月曜から金曜までの通常の工場の稼働日では、電力の使用量はその日の最高気温に、ほぼ比例したデータとして示されていることが読み取られる。また、図6に示される例では、その月の最高のデマンド値が発生した日の状態を示しているもので、その日の作業時間内では、気温とデマンド値との増減の状態がほぼ比例しているものとして説明できる。前記図6とは別に、その月の任意の日を選んで、気温とデマンド値とを比較した図7、8においては、デマンド値と最高気温との相関性が認められる。
【0027】
前記各図に示される例とは別に、図9に示す休業日の測定例では、気温が大きく変化しても、デマンド値はほとんど変化が見られず、非常に低い値で推移している。これは、工場等の稼働日には、モータやその他の電力に依存する機器、照明器具が多数用いられているので、その日のうちの昼間等の休み時間以外は、電力を大量に消費していることが良くわかる。また、気温に比例して電力の使用量が変化するということは、空調機が稼働している状態を表示していることが読み取られるものであって、その需要先のデマンド値の変化が、エアコン等の空調機の消費電力に大きく影響されることがわかる。
【0028】
前記図6〜9とは別に、特定の日を選んで測定した電力使用量の実績は、例えば、表2に示すように記録される。
【0029】
【表2】
前記表2に示す実績のデータにもとづいて、デマンド値と最高気温、デマンド値と使用電力量の相関関係を図10、11に示している。前記図10、11に示している実績値においては、デマンド値と最高気温、デマンド値と使用電力量とは、それぞれほぼ比例するものとなっている。前記1日の中でのデマンド値の変化の他に、前記実績値を、1か月の間でのデマンド値と、気温・使用電力量の関係として示しているものが、表2と図5、12のデータとして説明される。
【0030】
前記図5、12に見られる例において、図5に関しては先に説明したが、図12に示されるように、デマンド値と使用電力量とは、ほぼ比例していることが読み取られる。
したがって、前述したように、工場、または大規模事務所等の稼働時間内では、照明やモータ等の各種の装置はほぼ一定の電力を消費するものと考えることができ、そのデマンド値に大きく影響するファクターとしては、例えば、空調機等が考えられる。つまり、気温が高くなれば、冷房機がフルに稼働される状態となり、消費電力は気温に比例して増大する。また、気温が低くなれば、空調機はフルに稼働されないので、当然消費電力は少なくなることが判明する。
【0031】
前述したような測定データにもとづいて、電力の使用実績を分析する際には、前記気温と電力使用量の実績データに加えて、各測定時間に対応させて、照明器具、モータ、空調機器、その他の機器の消費電力の比率を正確に把握しておくことが必要である。そのためには、電灯用の配線と、モータ類の配線、空調機器、その他の機器類のそれぞれに対して、消費電力を測定するメータを取付けておく。そして、その需要家での各機器類の電力使用比率を、電力使用量が最大の時と、平均的な電力使用時、その他の任意の時間等で、デマンド値と気温とのデータに関連づけて、どのような変化を示すものかを把握しておくと良いことはもちろんである。
【0032】
前述したように、本体装置に取付けたデータ記録装置で、一定の時間間隔で測定したデータを貯留しておき、そのデータを収集装置を用いて集めるようにして、実際に消費した電力の傾向を知ることで、省電力のための機器の動作の制御を、主要設備等を停止させることなしに、容易に行うことができるものとされる。例えば、気温の高い時期での空調機の電力使用比率が大きい場合には、蓄熱式の空調機を用いる等の対応策を講じるようにして、単価の安い夜間電力を利用して、冷気を蓄積しておくことや、昼休みの時間に空調機を稼働させること等の対策がとられる。前記空調機を別の方式の装置に変更する場合は、もちろん、費用対効果を厳密に計算してのことであり、その他に、特定の設備のモータが大量に電力を使用するということが判明した場合には、その設備の動作時間を他のモータ類の稼働時間と時間差を設定する等の、対策を講じることも有効である。
【0033】
したがって、一般の自家用受電設備を有する需要家においては、電気料金を引き下げるためには、使わない機器の電源をこまめに切ること等の労力を多く必要とせずに、最大需要電力を抑制することが可能となる。また、前記最大消費電力を引き下げるために、前記データ収集装置で集めたデータを用いて、電力需要の傾向を正確に把握し、その対策を講じることが可能となる。さらに、前記データを収集する時間を、1時間、30分毎の他に、非常に短い間隔で設定し、連続して収集できるのであるから、省エネの目的等のために、前述したようにして収集したデータを有効に利用できるようにする。
【0034】
なお、前記検知装置において、本体装置2に付属させて設ける記録装置10では、パソコンのようなデータ加工装置に接続して、コントロールセンターからの遠隔操作により、操作ボタン12の操作を、随時行い得るように構成することも可能である。その他に、データの収集をパソコンとの間に接続するデータ伝達経路を介して、直接行うことが可能であり、ハンディタイプのデータ収集装置のみによらず、連続したデータの収集を行うこともできる。そして、前記収集した電力消費とデマンド値、気温等のデータと関連させて、需要側の負荷設備の消費電力の傾向を知ることで、需要側での最大消費電力の引き下げの方策を講じることが、容易にできることになる。
【0035】
【発明の効果】
前述したように構成した装置を用いることにより、任意の時間間隔で測定した情報を用いて、電力の使用量とその変化の状態を知ることができる。そして、前記自家用受電設備の電力需給用複合計器から、データを収集するために、ハンディタイプの収集装置を用いる場合には、本体装置の記録・データ保持部からのデータを任意のタイミングで収集できるので、全体の装置の構成を簡素化することができる。また、前記本体装置からのデータの収集のためには、信号ケーブルを敷設して行うことも可能であり、そのような有線信号伝達方式を用いる場合には、データを随時処理できることになる。したがって、自家用受電設備での電力使用状況を正確に把握して、電力需要側での節電のための対策を講じる基礎資料として用いることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の構成を示す説明図である。
【図2】本体装置の外観図である。
【図3】ハンディタイプのデータ収集装置の構成を示す説明図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図4】本体装置の配線を示し、(a)は計器用変圧変流器の配線図、(b)は電力需給用複合計器端子の配置説明図である。
【図5】1か月のデマンド値と気温のデータを示すグラフである。
【図6】月の最高デマンド値を示した日の時間毎の気温との関連を示すグラフである。
【図7】任意の日の時間毎の気温との関連を示すグラフである。
【図8】任意の日の時間毎の気温とデマンド値とを関連させて示すグラフである。
【図9】休業日のデマンド値と気温のデータを示すグラフである。
【図10】1日のデマンド値と気温のデータを示すグラフである。
【図11】1日のデマンド値と使用電力量の変化のデータを示すグラフである。
【図12】1か月のデマンド値と使用電力量の変化のデータを示すグラフである。
【符号の説明】
1 検知装置、 2 受電計器箱、 3 電力需給用複合計器、
4 パルス出力ポート、 5 パルス出力回路、
6 計器用変圧変流器、 7 防水ケース、 8 取付板、
10 検知・記録装置、 11 記録・データ保持部、
12 操作ボタン、 13 表示窓、 14 入力ポート、
15 パルス検出CT、 16 温度センサ、
17 データ転送ポート、 18 出力ポート、
19 ACアダプタ、 20 データ収集装置、
21 データ入力ポート、 22 操作ボタン部、 23 表示窓、
24 出力ポート、 25 パソコン。
Claims (5)
- 自家用受電設備の電力需給用複合計器のパルス出力ポートに接続し、
検知・記録装置と、前記検知・記録装置に設けたパルス検出CTおよび温度計と、を配置した本体装置と、
前記本体装置の検知・記録装置の記録・データ保持部には、記録しているデータを発信する手段を設け、
前記データ保持部に記録しているデータを、データ収集装置に向けて出力し、前記データ収集装置により収集したデータにもとづいて、電力使用状況を判断することを特徴とする電力使用量測定装置。 - 前記自家用受電設備の電力需給用複合計器には、パルス出力ポート、および検知・記録装置のパルス検出CTを装着するパルス出力回路とを設けた本体装置と、
前記本体装置のパルス出力回路に対して、データを所定の時間毎に収集するために、パルス検出CTを取付ける検知・記録装置においては、記録・データ保持部と温度センサおよび、出力ポートを設けているものであることを特徴とする請求項1に記載の電力使用量測定装置。 - 前記本体装置の記録・データ保持部においては、所定の時間間隔で測定した電力使用量とその測定時の気温とのデータを蓄積し、
データを収集する手段からの要求に応じて、前記蓄積しているデータを発信することを特徴とする請求項1または2に記載の電力使用量測定装置。 - 前記本体装置の検知・記録装置の記録・データ保持部には、記録しているデータを、任意の信号経路を用いてデータ収集装置に向けて伝達可能とし、
前記データ収集装置に収集されたデータにもとづいて、気温に関連させた電力使用状況を判断可能にすることを特徴とする請求項3に記載の電力使用量測定装置。 - 前記本体装置の記録・データ保持部からのデータを収集するために、ハンディタイプのデータ収集装置を用い、
前記本体装置からのデータを有線または無線により、前記データ収集装置に収集することを特徴とする請求項4に記載の電力使用量測定装置。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015106952A (ja) * | 2013-11-28 | 2015-06-08 | 富士通株式会社 | 推定プログラム、推定方法および推定装置 |
KR101598979B1 (ko) * | 2014-10-07 | 2016-03-02 | 주식회사 인코어드 테크놀로지스 | 온도에 따른 전기 사용량 추정 방법 및 장치 |
JP2020112361A (ja) * | 2019-01-08 | 2020-07-27 | 大崎電気工業株式会社 | パルス検出器 |
KR20220055116A (ko) * | 2020-10-26 | 2022-05-03 | 재단법인 한국기계전기전자시험연구원 | 전기차량 충전장치의 오차 측정 방법 및 이를 이용한 충전 관리시스템 |
-
2002
- 2002-12-24 JP JP2002371938A patent/JP2004205255A/ja active Pending
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