JP2004205001A - ピアスナットの取付構造 - Google Patents

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博道 水野
Masahiko Hamada
政彦 浜田
Teishin Hasegawa
禎辰 長谷川
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Abstract

【課題】ピアスナットと被取付板との接触による電食を防止でき、また両者を強固に取り付けることができ、さらに全体的に軽量なピアスナットの取付構造を提供する。
【解決手段】ピアスナット1は、被取付板75と同種の非鉄金属材料で成形されているので、両者の取付後に電食が発生する心配がない上、リサイクルを効率よく行うことができる。また、両部材を鉄よりも比重の小さい金属材料で成形した場合には、全体的に軽量化できると共に各部材の取扱いをより容易にできる。また、ピアスナット1の座面3に形成された溝部7に凸部及び凹部21,22をその円周方向に対して均等に配設し、凸部21を、凹部22よりも円周方向に沿って長くなるように成形すれば、被取付板に対してピアスナット1に相対的な回転力がかかった場合にも、凸部21が剪断されてしまうのを確実に防止できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピアスナットを被取付板にかしめることによって取り付けるピアスナットの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、自動車等のパネル部材にナットを固定するのに、溶接によって固定する方法や、パネル部材にかしめることによって固定する所謂ピアスナットを用いる方法等が採用されている。このピアスナットは、一般的に、自身座面に形成された溝部と、その溝部に囲まれた筒型の打ち抜き部とを有した形状となっている。そして、打ち抜き部でパネル部材を打ち抜いて自らの取付孔を形成しつつ、打ち抜き部周囲の溝に、パネル部材の取付孔周辺部分をかしめることによってピアスナットがパネル部材に取り付けられるようになっている。また、昨今では、自動車の構造材料に鉄よりも軽量の非鉄金属材料が用いられることが多くなっており、必然的に非鉄金属製のパネル部材にピアスナットをかしめて固定することも多くなっている。
【0003】
ところで、非鉄金属材料は軟質で変形し易い材料である場合があり、例えばアルミニウム製パネル部材へのピアスナットの取り付けにあたっては、ピアスナットとパネル部材との接触面積をなるべく広くして、かしめ固定後にピアスナットに螺合されるボルトの締結力をより増大させることが要望されている。ボルトの締結力を増大させることにより、パネル部材に対する接触圧力が低減されるので、パネル部材が軟質のアルミニウム材料からなるものでも、その変形を防止することができるからである。そのような要望に対し、パネル部材に当接する座面部分を厚肉(幅広)形状に形成したピアスナットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特願2000−118940(第9−10段落)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術では、例えばアルミニウム製の被取付板に対して鉄製のピアスナットを取り付けるような場合には、異種金属同士の接触による電食の発生を防止するために、別工程として表面処理を施す必要があり、その工数が余分にかかるという問題があった。また、異種材料からなる部材同士を接合して使用していることにより、リサイクルして使用するためにはナットと被取付板とを分離しなければならず、リサイクル作業が困難であるという問題もあった。加えて、ナットを鉄材料で成形した場合、重量が大きくなり、取扱いが不便であるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ピアスナットと被取付板との接触による電食を防止でき、また両者を強固に取り付けることができ、さらに全体的に軽量なピアスナットの取付構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のピアスナットの取付構造は、ピアスナットを被取付板にかしめて取り付けるものであって、前記被取付板は、非鉄金属材料からなり、前記ピアスナットは、前記被取付板と同種の非鉄金属材料で成形され、筒型形状で、その軸心部に雌ねじ部が形成されたねじ孔を有し、軸心と直交する一方の端面が前記被取付板に対向する座面である本体部と、当該本体部の座面側から本体部と軸心を同じくして凸設され、前記本体部と内径がほぼ等しい薄肉の筒型形状であって、その内周面に前記ねじ孔に形成された雌ねじ部と連続する雌ねじ部を有し、前記被取付板の一部を打ち抜くための打ち抜き部と、前記座面において、前記打ち抜き部の周囲に円環状に形成された溝部とを備え、当該溝部に前記被取付板の一部がかしめられることにより、前記ピアスナットが前記被取付板に取り付けられることを特徴とする。
【0008】
この構成のピアスナットの取付構造では、ピアスナットと被取付板とが同種の非鉄金属で成形されている。これにより、ピアスナットの被取付板への取り付け後に、電食が発生するのを確実に防止することができ、一体化したナット及び被取付板を簡単にリサイクルすることができる。さらに、ピアスナットと被取付板とは共に非鉄の金属材料で成形されているので、その材料を適宜選定することによって、鉄製のピアスナット及び被取付板よりも耐久性、耐食性等を向上でき、また取付状態で全体的に軽量化することができる。
【0009】
また、請求項2に記載のピアスナットの取付構造では、請求項1に記載のピアスナットの取付構造の構成に加えて、前記溝部は、平面視で、前記ピアスナットの軸心方向に膨出した凸部と当該凸部の両脇に隣接して形成された凹部とを備えた歯形形状であり、複数の凹部及び凸部が、前記溝部の周方向に沿って任意の位置に配設されていることを特徴とする。
【0010】
この構成のピアスナットの取付構造では、請求項1に記載の発明の作用に加えて、ピアスナットの溝部は、平面視で、ピアスナットの軸心方向に膨出した凸部と、当該凸部の両脇に隣接して形成された凹部とを備えた歯形形状となっているので、ピアスナットを被取付板に取り付けた後、その被取付板に対して確実に回転止めすることができる。
【0011】
また、請求項3に記載のピアスナットの取付構造では、請求項1又は2に記載のピアスナットの取付構造の構成に加えて、前記溝部を平面視したとき、当該溝部の径方向任意の位置に、溝部とその中心を等しくして形成される任意径の円周上において、前記凸部の円周方向成分長さが、前記凹部の円周方向成分長さ以上であることを特徴とする。
【0012】
この構成のピアスナットの取付構造では、請求項1又は2に記載の発明の作用に加えて、溝部を平面視したとき、当該溝部の径方向任意の位置に、溝部とその中心を等しくして形成される任意径の円周上において、凸部の円周方向成分長さが、凹部の円周方向成分長さ以上となっているので、ピアスナットを被取付板に取り付け後に、その被取付板に対して確実に回転止めすることができると共に、被取付板に対するピアスナットの相対回転に伴って凸部が剪断されるのを防止することができる。
【0013】
また、請求項4に記載のピアスナットの取付構造では、請求項1又は2に記載のピアスナットの取付構造の構成に加えて、前記凹部及び凸部は、それぞれ平面視略台形形状を有し、前記溝部を平面視したとき、当該溝部の径方向における前記凹部及び凸部のほぼ中間位置に、溝部とその中心を等しくして形成される任意径の円周上において、前記凸部の円周方向成分長さが、前記凹部の円周方向成分長さ以上であることを特徴とする。
【0014】
この構成のピアスナットの取付構造では、請求項1又は2に記載の発明の作用に加えて、凹部及び凸部は、それぞれ平面視略台形形状を有し、溝部を平面視したとき、当該溝部の径方向における凹部及び凸部のほぼ中間位置に、溝部とその中心を等しくして形成される任意径の円周上において、凸部の円周方向成分長さが、凹部の円周方向成分長さ以上となっているので、ピアスナットを被取付板に取り付け後に、その被取付板に対して確実に回転止めすることができると共に、被取付板に対するナットの相対回転に伴って凸部が剪断されるのを防止することができる。
【0015】
また、請求項5に記載のピアスナットの取付構造では、請求項1に記載のピアスナットの取付構造の構成に加えて、前記非鉄金属材料とは、アルミニウム、マグネシウム、チタン等の鉄よりも比重の小さい金属材料であることを特徴とする。
【0016】
この構成のピアスナットの取付構造では、請求項1に記載の発明の作用に加えて、被取付板とピアスナットとが、共にアルミニウム、マグネシウム、チタン等の鉄よりも比重の小さい材料で成形されているので、全体的に軽量にすることができる。また、被取付板及びナットが、同種の金属材料で成形されているので、ピアスナットの被取付板への取り付け後に、電食が発生するのを確実に防止することができ、一体化したナット及び被取付板を簡単にリサイクルすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化したピアスナットの取付構造の一実施形態について、図を参照して説明する。尚、本実施の形態では、非鉄金属材料で成形されたものとして、アルミニウム材料で成形されたピアスナット及び被取付板を例に挙げて説明する。ここで、図1は、ピアスナット1の斜視図であり、図2は、ピアスナット1を軸心Oに沿った面で切断した状態を示す断面図であり、図3は、ピアスナット1をその座面3側から見た底面図である。また、図4は、ピアスナット1の座面3に形成された溝部7の部分拡大図であり、図5は、ピアスナット1が被取付板75に取り付けられた状態を示す断面図である。
【0018】
まず、図1〜3を参照して、ピアスナット1の外観形状について説明する。ピアスナット1は、アルミニウム材料からなり、図1に示すように、円筒状の本体部2と、当該本体部2の座面3(図中上側面)側から凸設された薄肉略円筒状の打ち抜き部5とから構成されている。この打ち抜き部5は、本体部2と略同一の内径をもって本体部2と同心上に延びており、ピアスナット1と同様にアルミニウム材料で成形された被取付板75(図5参照)の一部分に打ち込まれることによって、被取付板75にピアスナット1の取付孔76(図5参照)を形成することになる。尚、本体部2の座面3とは、実質的にピアスナット1の座面である。
【0019】
また、本体部2の軸心O部分は、図示外のボルト等の雄ねじ部品が螺入されるための雌ねじ部11が形成されたねじ孔10によって貫通されており、この雌ねじ部11は、打ち抜き部5の内周面の一部の領域まで連続して形成されている。図1及び2に示すように、打ち抜き部5は、その外径が先端に向かって僅かに拡径した略円筒形状であって、内径は、その先端が円錐台形状のテーパ面15をもって外径よりも大きく拡径している。そして、本体部2のねじ孔10に形成された雌ねじ部11は、打ち抜き部5内周面のテーパ面15を除く領域まで連続して形成されている。また、本体部2において、ねじ孔10の打ち抜き部5とは反対側の端部(開口部)近傍には、テーパ面15よりもさらに急激に拡径した円錐台形状のテーパ面25が形成されている。
【0020】
また、図1及び3に示すように、本体部2の座面3には、打ち抜き部5を囲んで、かつ打ち抜き部5に隣接した状態で円環状の溝部7が形成されている。溝部7は、平面視で本体部2の軸心O上に中心(軸心)を持つ円形であり、その径方向に所定の幅を持ち、この幅をもって軸心O方向に所定の深さだけ凹んだ形状となっている。即ち、ピアスナット1の本体部2の座面3には、打ち抜き部5と溝部7とを除いた円環状の領域に前記軸心Oと垂直な平坦面18が取り残された状態となっている。この円環状の平坦面18は、その中心がやはり軸心O上に位置している。また、平坦面18は、被取付板75(図5参照)にピアスナット1を打ち込んだときに、円形の自身外側周縁が潰れてしまうことがないように、径方向に十分な長さ(幅長)を有している。
【0021】
次に、図1〜4を参照して、溝部7の形状について説明する。図1及び図2に示すように、溝部7は、実質的に打ち抜き部5の外周面である内側周面7aと、当該内側周面7aと全周に渡ってほぼ平行かつ軸心Oと平行で、内側周面7aよりも大きな径の外側周面7bと、内側及び外側周面7a,7bをその図中下側で接続する底面7cとの3つの面によって画成されている。また、溝部7の外側周面7bから内側周面7a方向に向かって、平面視(底面視)略台形形状の凸部21が凸設されている。詳細には、図3に示すように、凸部21は、平面視で、外側周面7bによって形成された円の周方向に円弧状の下底部分を有し、そこから溝部7の中心(軸心O)方向に向かって溝部7の径方向長さ(底面7cの幅長)の略3分の1強だけ進んだ位置に形成される仮想円の円周方向に、前記下底部分と平行で、かつ下底部分よりも長さの短い円弧状の上底部分を有している。
【0022】
凸部21は、図1に示すように、上述した台形を軸心O方向に引き延ばした形状を有しており、詳しくは、上記台形を、溝部7の底面7cから座面3に取り残された平坦面18近傍まで引き延ばした形状となっている。また、この凸部21は、溝部7の円周方向に対して均等に複数個配設されており、隣り合う凸部21に挟まれた部分が平面視略台形形状の凹部22となっている。凹部22は、凸部21によって画成されたものであるので、図3に示すように、平面視で、凸部21の上底部分が部分的に形成された仮想円周上には凹部22の下底部分が、凸部21の下底部分が部分的に形成された円(外側周面7bによって形成された円)周上には凹部22の上底部分がそれぞれ位置した状態となっている。尚、本実施の形態では、凸部21が溝部7の円周方向に対して均等に位置する場合について説明しているが、この凸部は、溝部7の円周方向任意の位置に例えば複数配設されていてもよい。
【0023】
また、図4に示すように、隣り合う2つの凸部21と、その間に挟まれた凹部22とについて平面視したとき、その各台形の高さ方向(溝部7の径方向)中間部において、溝部7と中心が等しい、即ち軸心O上に中心を持つ円C(図中に二点差線で示す)を仮想的に形成したとき、その仮想円Cの円周上における凸部21の円周方向成分長さは、凹部22の円周方向成分長さよりも大きくなっている。これにより、ピアスナット1を被取付板75(図5参照)にかしめて取り付けた後、被取付板75に対してピアスナット1に相対的な回転力がかかった場合に、その回転力により凹部22内に押し込まれてかしめられた部分が凸部21を剪断してしまうのを確実に防止している。
【0024】
ここで、本実施の形態のピアスナット1では、座面3に形成された溝部7に、平面視台形状の凸部及び凹部が形成されているが、凸部及び凹部の形状はこの形状に限られない。例えば、平面視で、円弧状の上下2つの辺はそのままに、台形を形成していた左右の斜辺をそれぞれ径方向と平行(円周方向に対して垂直)にすれば、略矩形の凸部及び凹部が形成される。凸部及び凹部が略矩形であれば、溝部7の径方向任意の位置において、溝部7と中心が等しい円の円周上に形成される凸部21の円周方向成分長さは、凹部22の円周方向成分長さよりも常に大きくなる。従って、この場合も、被取付板に対してピアスナット1に相対的な回転力がかかっても、その回転力で溝部内の凸部が剪断されてしまうのを確実に防止することができる。
【0025】
以上説明したピアスナット1は、図5に示すように、被取付板75にかしめることによって取り付けられる。詳細には、まず、ピアスナット1が図示外のピアスダイ上に載置された被取付板75に対してその上方から打ち込まれ、ピアスナット1の打ち抜き部5とピアスダイとで協働して被取付板75に取付孔76が形成される。それと共に、被取付板75の取付孔76周辺部76aは、ピアスナット1の打ち込みに伴って溝部7内に押し込まれてかしめられ、そして、被取付板75にピアスナット1が取り付けられることになる。ここで、周辺部76aとは、請求項における被取付板の一部に該当する部分をいう。
【0026】
本実施の形態では、被取付板75はアルミニウム製であり、ピアスナット1もまた被取付板75と同種のアルミニウム材料で成形されているので、両部材間で電食が発生する心配がない。ここで、被取付板75が、アルミニウム以外の非鉄材料、例えば、マグネシウム、チタン及び銅等で成形された場合も、ピアスナット1をそれと同種の金属材料で成形すれば、本実施の形態と同様な効果が得られることになる。また、両者を同種の材料で成形することにより、電食防止の効果だけでなく、一体化した両部材を分離させることなくリサイクルできるというリサイクルの容易化という効果をも奏することができる。
【0027】
以上説明したように、本実施の形態のピアスナットの取付構造では、ピアスナット1及び被取付板75が共に同種のアルミニウム材料で成形されているので、各部材の取扱いがし易く、全体として軽量にすることができる。また、ピアスナット1と被取付板75とが同種材料で成形されているので、両者間で電食が発生する心配がなく、各部材に表面処理等を施す必要がない。軽量化は、両者がアルミニウム材料である場合に限られず、鉄よりも比重の小さい材料からなる場合であれば同様に実現されることはいうまでもない。
【0028】
また、ピアスナット1の座面3に形成された溝部7には凸部及び凹部21,22が円周方向に沿って複数設けられているので、被取付板に対してピアスナット1に相対的な回転力がかかった場合にも容易に回転してしまうことがない。特に、本実施の形態では、凸部21及び凹部22が円周方向に対して均等に配設されているので、被取付板に対してピアスナット1に相対的な回転力がかかった場合のナットの回転をより確実に防止することができる。さらに、溝部7において、凸部21は、凹部22よりも円周方向に沿って長くなるように成形されているので、被取付板に対してピアスナット1に相対的な回転力がかかった場合にも、凹部22に押し込められた取付孔76の周辺部76aによって凸部21が剪断されてしまうのを確実に防止できる。
【0029】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。例えば、本実施の形態では、ピアスナットとその被取付板とをアルミニウム材料で成形した場合を例に挙げて説明したが、両部材の材質がアルミニウムに限られず、他の各種金属材料に変更可能なことは上述したとおりである。また、これに加え、材質が同種であるか否かに関わらず、ピアスナットと被取付板との硬さがほぼ同等の場合も、ピアスナットを上述したような形状にすることにより、本発明に係る取付構造で得られた効果と同様の効果を得ることができる。さらには、ピアスナットと被取付板とが鉄製であって、被取付板が高張力鋼板の場合にも、本発明に係るピアスナットと同形状のナットを適用することによって、両者を強固に取り付けることができ、本発明に係るピアスナットの取付構造で得られた効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載のピアスナットの取付構造では、ピアスナットと被取付板とが同種の非鉄金属で成形されている。これにより、ピアスナットの被取付板への取り付け後に、電食が発生するのを確実に防止することができ、一体化したナット及び被取付板を簡単にリサイクルすることができる。さらに、ピアスナットと被取付板とは共に非鉄金属材料で成形されているので、その材料を適宜選定することによって、鉄製のピアスナット及び被取付板よりも耐久性、耐食性等を向上でき、また軽量化することができる。
【0031】
また、請求項2に係る発明のピアスナットの取付構造では、請求項1に記載の発明の効果に加えて、ピアスナットの溝部は、平面視で、ピアスナットの軸心方向に膨出した凸部と、当該凸部の両脇に隣接して形成された凹部とを備えた歯形形状となっているので、ピアスナットを被取付板に取り付けた後、その被取付板に対して確実に回転止めすることができる。
【0032】
また、請求項3に係る発明のピアスナットの取付構造では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、溝部を平面視したとき、当該溝部の径方向任意の位置に、溝部とその中心を等しくして形成される任意径の円周上において、凸部の円周方向成分長さが、凹部の円周方向成分長さ以上となっているので、ピアスナットを被取付板に取り付け後に、その被取付板に対して確実に回転止めすることができると共に、被取付板に対するピアスナットの相対回転に伴って凸部が剪断されるのを防止することができる。
【0033】
また、請求項4に係る発明のピアスナットの取付構造では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、凹部及び凸部は、それぞれ平面視略台形形状を有し、溝部を平面視したとき、当該溝部の径方向における凹部及び凸部のほぼ中間位置に、溝部とその中心を等しくして形成される任意径の円周上において、凸部の円周方向成分長さが、凹部の円周方向成分長さ以上となっているので、ピアスナットを被取付板に取り付け後に、その被取付板に対して確実に回転止めすることができると共に、被取付板に対するナットの相対回転に伴って凸部が剪断されるのを防止することができる。
【0034】
また、請求項5に係る発明のピアスナットでは、請求項1に記載の発明の効果に加えて、被取付板とピアスナットとが、共にアルミニウム、マグネシウム、チタン等の鉄よりも比重の小さい材料で成形されているので、全体的に軽量にすることができる。また、被取付板及びナットが、同種の金属材料で成形されているので、ピアスナットの被取付板への取り付け後に、電食が発生するのを確実に防止することができ、一体化したナット及び被取付板を簡単にリサイクルすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ピアスナット1の斜視図である。
【図2】図2は、ピアスナット1を軸心Oに沿った面で切断した状態を示す断面図である。
【図3】図3は、ピアスナット1の底面図である。
【図4】図4は、溝部7の部分拡大図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ピアスナット
2 本体部
3 座面
5 打ち抜き部
7 溝部
10 ねじ孔
11 雌ねじ部
21 凸部
22 凹部
75 被取付板
76 取付孔
76a 周辺部
O 軸心

Claims (5)

  1. ピアスナットを被取付板にかしめて取り付けるピアスナットの取付構造であって、
    前記被取付板は、非鉄金属材料からなり、
    前記ピアスナットは、
    前記被取付板と同種の非鉄金属材料で成形され、
    筒型形状で、その軸心部に雌ねじ部が形成されたねじ孔を有し、軸心と直交する一方の端面が前記被取付板に対向する座面である本体部と、
    当該本体部の座面側から本体部と軸心を同じくして凸設され、前記本体部と内径がほぼ等しい薄肉の筒型形状であって、その内周面に前記ねじ孔に形成された雌ねじ部と連続する雌ねじ部を有し、前記被取付板の一部を打ち抜くための打ち抜き部と、
    前記座面において、前記打ち抜き部の周囲に円環状に形成された溝部と
    を備え、
    当該溝部に前記被取付板の一部がかしめられることにより、前記ピアスナットが前記被取付板に取り付けられることを特徴とするピアスナットの取付構造。
  2. 前記溝部は、平面視で、前記ピアスナットの軸心方向に膨出した凸部と当該凸部の両脇に隣接して形成された凹部とを備えた歯形形状であり、
    複数の凹部及び凸部が、前記溝部の周方向に沿って任意の位置に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のピアスナットの取付構造。
  3. 前記溝部を平面視したとき、
    当該溝部の径方向任意の位置に、溝部とその中心を等しくして形成される任意径の円周上において、
    前記凸部の円周方向成分長さが、前記凹部の円周方向成分長さ以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のピアスナットの取付構造。
  4. 前記凹部及び凸部は、それぞれ平面視略台形形状を有し、
    前記溝部を平面視したとき、
    当該溝部の径方向における前記凹部及び凸部のほぼ中間位置に、溝部とその中心を等しくして形成される任意径の円周上において、
    前記凸部の円周方向成分長さが、前記凹部の円周方向成分長さ以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のピアスナットの取付構造。
  5. 前記非鉄金属材料とは、アルミニウム、マグネシウム、チタン等の鉄よりも比重の小さい金属材料であることを特徴とする請求項1に記載のピアスナットの取付構造。
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