JP2004203741A - オゾン発生器 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極面の平面精度を高精度に確保し、モジュールの積層構造を容易に構築することができるオゾン発生器を得る。
【解決手段】オゾン発生器は、第1の電極と、第1の電極の主面に対向する第2の電極と、第1と第2の電極との間に設けられた誘電体板と、放電空隙を形成するスペーサとを有する電極モジュールが複数積層され、放電領域のギャップ間に放電を生じさせてオゾンガスを発生させ、第1の電極は、主面が電極を成し、内部に該放電領域で発生したオゾンガスを取り出すオゾンガス通路および冷媒を流通させる冷媒通路が形成された平板状の電極放電部と、電極放電部の辺の側部にくびれ部を介して設けられオゾンガス通路のガス取出口及び冷媒通路の冷媒入口、冷媒出口が形成された入出部とを有し、電極放電部、第2の電極、誘電体板およびスペーサと入出部およびマニホールドブロックとがそれぞれ別々の挟持機構で挟持される。
【選択図】図1

Description

この発明は、積層された複数の平板状の高圧電極及び低圧電極を有し、この間に交流電圧を印加し放電を生じさせオゾンガスを生成する平板積層型オゾン発生装置に関し、特にこの平板積層型オゾン発生装置の要部であって、高圧電極及び低圧電極を有し酸素ガスを含んだガスを供給されてオゾンガスを生成するオゾン発生器に関するものであって、特に、オゾン発生器の薄型、大容量化および装置の部品点数の削減をするとともに、装置の小型化を狙った構造に関するものである。
図49は例えば特公昭59−48761号公報に開示された従来の同軸円筒方式オゾン発生装置の側断面図である。図50は図49の同軸円筒方式オゾン発生装置のF−F線に沿った断面図である。図49及び図50において、同軸円筒方式オゾン発生装置は、高圧電極3へ高電圧を印加する電源1300と、径Φ40mm、長さ約1mのガラス誘電体管5と、このガラス誘電体管5の内周面に形成された導電膜層よりなる高圧電極3と、この高圧電極3が形成されたガラス誘電体管5と同軸に配置される外径Φ50mm、長さ約1.2mの円筒型接地電極管7と、この円筒型接地電極管7とガラス誘電体管5との間に形成される放電空隙106と、この放電空隙106を形成させるために両電極の対抗部に設置されたバネ状スペーサ113を有している。これらの構成部材を収納する容器1100には、酸素を含んだ原料ガスの供給口1010及び排出口111が設けられている。また、容器1100の円筒型接地電極管7の外周側には冷却空間109が設けられている。
ガラス誘電体管5は、円筒型接地電極管7と二重管構造をなし、円筒型接地電極と高圧電極3との間に誘電体が挿入された電極対を形成している。高圧電極3へ高電圧を印加することで放電空隙106に放電が起こり、オゾンガスが発生する。冷却空間109においては、流入口112aから流出口112bへ水(冷媒)を流し冷却する。
放電空隙106は、ガラス誘電体管5の外周の一部にバネ状スペーサ113を設置したものを円筒型接地電極管7に嵌め込むことで、この円筒型接地電極管7とガラス誘電体管5との間に略0.6mm程度の間隔(放電ギャップ)で形成される。この放電ギャップ間に、ガス圧力略0.1MPa程度の下で原料ガスである酸素もしくは空気を流し、装置を通過したガスを取出せる構成になっている。通常、上述の外径Φ50mm−長さ1.2mの1本のオゾン発生セルにおいては、効率良くオゾンを発生させるための電力注入密度は0.2W/cm以下である。
円筒型接地電極管7と内周面に高圧電極3を形成させたガラス誘電体管5とによって構成された電極間(ギャップ間)に交流高電圧を印加して電力密度0.2W/cm程度の誘電体バリヤー放電(無声放電)を発生させることで、原料ガスをオゾン濃度100g/m程度のオゾン化ガスに変換される。この生成したオゾン化ガスは原料ガスを流すことで、連続的に排出口111から取り出せる。通常、上述の外径Φ50mm−長さ1.2m程度の1本のオゾン発生セルでは、1本当たり約25g/hのオゾン発生量が得られる。1kg/hのオゾンガスを得るためのオゾン効率は約10kWh/kg程度である。また、この1本のオゾン発生装置の容積は2000cm程度である。
オゾン化ガスは半導体・液晶製造装置の洗浄、成膜やレジスト剥離工程で利用され、また、水処理装置やパルプ漂白装置にも利用され、この分野では大容量のオゾンが要求される。上述の半導体・液晶製造分野に利用されるオゾン発生量は単機当り数十g/h〜500g/h程度であり、装置はオゾン発生性能に加えコンパクト性が強く求められる。例えば、オゾン発生量250g/hのオゾン発生器部のみで幅20cm以下、高さ20cm以下、奥行き50cm以下で容積が20000cm(0.02m)以下が要求される。また、水処理やパルプ漂白分野では発生量が10〜60kg/hの大容量オゾンが必要である。この場合、上述に示したΦ50mm−1.2mのオゾン発生セルを多数本で60kg/h級のオゾン発生装置を構成すると、約2400本(=60000g/h/25g/h)のオゾン発生セルが必要となり、非常に大きくなり、製造コストやメンテナンスコストが高くなる。60kg/h級のオゾン発生装置の大きさは単純計算で約4.8m3(=2400本×2000cm)実際的には約6m3程度の大型装置になる。このオゾン発生セルを多管にした装置を図51及び図52に示す。この装置では8本のオゾン発生セルで構成した装置を示しているが、従来の大型装置は図53のように構成されており、60kg/h級のオゾン発生装置の実際装置では2400本のガラス誘電体管5を差込む構造になっている。
図51及び図52は円筒型接地電極管と内周面に高圧電極3を形成させたφ40mm−1mのガラス誘電体管5とによって構成された電極対を1つの容器1100に複数個収納した大型オゾン発生装置であり、図51はその側面断面図、図52は図51のJ−J線における断面図である。図51及び図52に示された装置は、上述の電極対を一つの円筒型接地電極管7に両側からガラス誘電体管5が挿入した突合せ構造(タンデム構造)を有しており、このタンデムに配置された2つの電極対を1組としたものが全部で4本、即ち合計8本の電極対から構成されている。(図52参照)。
図54及び図55は、図51及び図52で示されたΦ50mm−1.2mのオゾン発生セルを多数本で構成した装置をコンパクト構造にするために、平板状のオゾン発生セルを多段に積層した従来例であり、例えば特開平10−25104号公報「オゾン発生装置用放電セル」で提案された従来のオゾン発生装置の要部であり、図54は横断面図、図55は図54のG−G線縦断面図である。なお、図54は図55のH−H線を矢印の方向から見た場合を示している。図54、図55において、オゾン発生器1100には、オゾン発生器1100に電力を供給する高周波インバータ部1300a、1300b、1300cが接続されている。オゾン発生器1100の内部には、高周波インバータ部1300a、1300b、1300cと電気的に接続された過電流防止用ヒューズ177a、177b、177cが配設されている。過電流防止用ヒューズ177a、177b、177cは、低圧電極107x、107yの側面に絶縁ガイシを介して保持されている。
オゾン発生器1100は、有底円筒状を成し内部が機密構造とされた発生器カバー1110を有している。発生器カバー1110には、外部から発生器カバー1110の内部に原料ガス(酸素ガス)を供給する原料ガス導入口1010が設けられている。オゾン発生器1100の内部には、変形6角形平板状の2枚の低圧電極107x、107yが配設されている。低圧電極107x、107yは、機械加工された部材が溶接によって接合されて作製され内部が空洞とされている。そして、この内部空洞は、後で述べるように冷却水通路109として用いられている。つまり、低圧電極107x、107yは、内部に冷媒としての冷却水を流通させ、電極であるとともにヒートシンクの機能も兼ね備えている。
2枚の低圧電極107x、107yに挟まれた空間内において、低圧電極107xの低圧電極107y側の面には、3枚の円板状の低圧電極板107xa、107xb、(107xc図示せず)が接合されている。一方、低圧電極107yの低圧電極107x側の面には、3枚の円板状の低圧電極板107ya、107yb、(107yc図示せず)が接合されている。
さらに、2枚の低圧電極107x、107yに挟まれた空間内において、円板状の低圧電極板107xa、107xb、(107xc図示せず)に対向して、3枚の円板状の誘電体板105a、105b、105cがそれぞれ配設されている。一方、低圧電極107y側においても、低圧電極板107ya、107yb、(107yc図示せず)に対向して、3枚の円板状の誘電体板105a、105b、105cがそれぞれ配設されている。各々、2枚の誘電体板105a、105b、105cは、それぞれ対を成している。対をなす2枚の誘電体板105a、105b、105cのそれぞれの対向する側の面に、薄膜状の導電性膜115a、115b、115cが形成されている。
低圧電極板107xa、107xb、(107xc図示せず)と誘電体板105a、105b、105cとの間には、それぞれスペーサ113が挟まれている。そして、低圧電極板107xa、107xb、(107xc図示せず)と誘電体板105a、105b、105cの間に、スペーサ113によって、それぞれ、放電領域106が形成されている。この放電領域106は、微少な間隙として形成されている。同じようにして、低圧電極板107ya、107yb、(107yc図示せず)と誘電体板105a、105b、105cとの間も、スペーサ113によって、それぞれ、微少な間隙として放電領域106が形成されている。
対をなす2枚の誘電体板105a、105b、105cのそれぞれの間には、弾性を有するガスシール材131が縮設されている。また、対をなす2枚の誘電体板105a、105b、105cのそれぞれの間には、薄板電極である高圧電極103が配設されている。そしてさらに、高圧電極103と誘電体板105a、105b、105cとの間に、それぞれ金属バネ132が縮設されている。すなわち、高圧電極103は、弾性機能を有した2枚の誘電体板105a、105b、105cに挟まれた構造になっている。高圧電極103が、金属バネ132を介して誘電体板105a、105b、105cの導電性膜115a、115b、115c面に電気的に接続されることで、誘電体板105a、105b、105cに高電圧が供給される。
この従来技術では、変形6角形平板状の低圧電極107x、107yの中心から角度120度で3等分した低圧電極面に放電面となる高精度の平坦度を有する円板状の低圧電極板107xa、107xb、(107xc図示せず)をそれぞれ接合し、これらの低圧電極板107xa、107xb、(107xc図示せず)に3枚の誘電体板105a、105b、105cをそれぞれ対向させて配置している。このように、共通の低圧電極107x、107yと1つの誘電体板105aまたは105bまたは105cを有する放電部分を、それぞれオゾン発生放電セル199a、199b(、199c図示せず)と称する。この従来技術では共通の低圧電極107x、107yに3個の放電セル199a、199b、199cを有する放電体、すなわち放電ユニットを構成している。
誘電体板105a、105b、105cの中央には、オゾンガス取出孔128a、128b、128cが穿孔されている。また、低圧電極板107xa、107xb、(107xc図示せず)にもオゾンガス取出孔が形成され、このオゾンガス取出孔には、それぞれ低圧電極107xを貫通するオゾンガス排出管111a、111b、(111c図示せず)が連通されている。オゾンガスは、図55の矢印110に示されるように流れてオゾン発生器1100から取出される。
低圧電極107x、107yの内部には、冷媒としての冷却水が流通する冷却水通路109が形成されている。冷却水通路109は、冷却水の入口123aと出口123bとを有している。入口123a及び出口123bには、それぞれ配管122a、122bを介して冷却水給水ヘッダ121aと冷却水排水ヘッダ121aとが接続されている。さらに、冷却水給水ヘッダ121aには、外部からオゾン発生器1100に冷却水を供給するメイン冷却管の排出口112aが接続され、また、冷却水排水ヘッダ121aには、オゾン発生器1100から外部に冷却水を排出するメイン冷却管の吸入口112bが接続されている。冷却水は、図54の矢印120に示されるように流れオゾン発生器1100に供給される。
このように、低圧電極107x、107yの主面に各々3つの放電領域106が設けられ、さらに高圧電極103の両面に放電領域106が形成されるため、合計6つの放電領域106が形成される。6つの放電領域106内に設けられた放電領域106形成用のスペーサ113、1組の低圧電極107x、107yと6枚の誘電体板105a、105b、105c、高圧電極103によって6組の放電セルが形成され、一対の低圧電極107x、107yで、6つの放電領域106を有したものになり、大容量のオゾン発生器を構成できる構造になっている。
また、放電セル構造体で、一対の低圧電極107x、107yの内部に冷却水通路109を形成するとともに、オゾンガス通路108を形成し、積層方向に3つのオゾンガス通路108を設ける構造になっている。
次に動作について説明する。高周波インバータ部1300a、1300b、1300cで発生した高電圧は、低圧電極107x、107yの側面に設置した過電流防止用ヒューズ177a、177b、177cを介して高圧電極103から金属バネ132を経て誘電体板105a、105b、105cに供給される。そして、発生器カバー1110に設けられた原料ガス導入口1010から、酸素を含む原料ガスを導入すると、オゾン発生放電セル199a、199b、199cの外周方向から放電空隙106に原料ガスが吸い込まれ、放電空隙106に無声放電を行うと、原料ガスはオゾンガスとなる。放電空隙106を出たオゾンガスはオゾンガス取出孔128a、128b、128cに導かれ、オゾンガス排出管111a、111b、111c内を矢印110の方向に排出され、外部に取り出される。
このような構成のオゾン発生器においては、放電面積を増やして大容量化する為に、共通の低圧電極107x、107yに対向して複数の誘電体板105a、105b、105cを配置することにより、所定精度の平坦度を得るために厚くしなければならない誘電体板105a、105b、105cを大型化することなく大容量化が可能となる。また、低圧電極107x、107y並びに低圧電極107x、107yに接続される冷却継手等の低圧電極部品数を減らせオゾン発生量の大容量化が図れる。
また、複数の放電セル199a、199b、199cを共通の低圧電極107x、107yに有効に配置することでコンパクトな装置を実現できる。なお、共通の低圧電極107x、107yは、放電面となる高精度の平坦度を有する円板状の低圧電極板107xa、107xb、107xcをそれぞれ接合したので、所定精度の平坦度が得られる。
一対の低圧電極107x、107yの主面に合計6個の高圧電極103を並べ、高圧電極103に交流高電圧を印加することにより誘電体板105a、105b、105cを介した電極間の放電領域106に誘電体バリヤー放電を発生させる。6つの高圧電極103と一対の低圧電極107x、107yのそれぞれに交流高電圧を印加して放電させるため、3対(6つ)の放電領域106が概略同一平面上に形成される。この放電によって酸素ガスが一旦酸素原子に解離し、ほぼ同時にこの酸素原子が、他の酸素分子或いは壁と三体衝突を引き起こし、6つの放電領域106から同時にオゾンガスが生成され、大量のオゾンガスが得られることとなる。
低圧電極107x、107yは、各々3つの放電領域106に対して共通であるため、1枚の低圧電極107x或いは107yに冷却水を流すと3つの放電領域106の電極をともに冷却できる。
尚、この従来技術においては、一対の低圧電極107x、107yのみ有しているが、一対の低圧電極107x、107yと両者の間に挟まれた複数の電極からなるモジュールを、主面に平行に複数積層して発生ガスの大容量化を図ることも一般に行われている。
特公昭59−48761号公報 特開平10−25104号公報(第4−5頁、第1−2図) 特開平11−292516号公報
しかしながら、このような構成のオゾン発生装置においては、低圧電極107x、107yは、機械加工と溶接で製作されており、頑強で重く装置のコンパクト化を阻むものとして問題であった。
また、オゾンガスを取出すための配管、及び低圧電極107x、107yを冷却する多数の配管を有するオゾン発生装置、特に一対の低圧電極107x、107yと両者の間に挟まれた複数の電極からなるモジュールが主面に平行に複数積層されたものにおいては、それぞれのモジュールから配管が延出され、配管の引き回しが複雑になって容易でない他、製造コストが高くなる、オゾン発生装置が大きくなる等の問題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、特に放電領域面積を増やしてオゾン発生量を増大させようとするものであり、1つの電極面に対して放電領域を増やしてもオゾン発生性能を損なわず且つ信頼性の高いものとすることができ、電極面の平面精度を高精度に確保することができ、モジュールの積層構造を容易に構築することができ、電極の冷却性が高く、小さく軽い装置とすることができ、配管を簡素な構造とすることができ、さらに製造コストを低減することができるオゾン発生器を得ることを目的とする。
また、平板電極の形状を細長くして、複数個のオゾン発生セルを数段積層したオゾン発生モジュールの発生容量を増し、オゾン発生モジュールの容器の外形を小さくすることにより、コンパクトでかつ軽く、ガス圧力容器として強度のあるオゾン発生器を得ることを目的とする。
さらに、複数の発生器を1つの容器に挿入して発生容量をさらに増やしたオゾン発生装置をコンパクト化して製造コスト、保守コストを低減することができるオゾン発生装置を得ることを目的とする。
この発明に係るオゾン発生器は、平板状の第1の電極と、上記第1の電極の主面に対向する平板状の第2の電極と、上記第1の電極と上記第2の電極との間に設けられた平板状の誘電体板と、放電空隙を形成するスペーサとを有する電極モジュールが複数積層され、上記第1の電極と上記第2の電極との間に交流電圧を印加され、少なくとも酸素ガスを含んだガスが注入された放電領域のギャップ間に放電を生じさせてオゾンガスを発生させ、上記第1の電極は、主面が電極を成し、内部に該放電領域で発生したオゾンガスを取り出すオゾンガス通路および冷媒を流通させる冷媒通路が形成された平板状の電極放電部と、上記電極放電部のいずれかの辺の側部にくびれ部を介して設けられ上記オゾンガス通路のガス取出口及び上記冷媒通路の冷媒入口、冷媒出口が形成された入出部と、を有し、上記電極放電部、上記第2の電極、上記誘電体板およびスペーサと上記入出部およびマニホールドブロックとがそれぞれ別々の挟持機構で挟持される。
この発明に係るオゾン発生器の効果は、低圧電極放電部、高圧電極、誘電体板及びスペーサを積み上げたことによって発生する累積誤差と、入出部とマニホールドブロックとを積み上げたことによって発生する累積誤差との相対的な差が原因で、発生する低圧電極放電部と入出部との間の曲げ応力が、両者の間に設けられている剛性の小さなくびれ部により吸収されるので、低圧電極放電部と入出部との間で、互いに他に対して応力を及ぼすことがない。そして、別々の挟持機構で挟持されることにより、非常に薄い隙間である放電領域の高さ(厚さ)を正確に管理する目的で非常に繊細に管理されている。
実施の形態1.
本発明のオゾン発生器を内蔵する平板積層型オゾン発生装置は、半導体製造装置や洗浄装置等の他の装置と共に併設されることが多い。各装置には一般に操作パネルや操作部が設けられるが、この操作パネルや操作部は、作業者の操作性を考慮して、各々が例えば通路等に面して並べられて設けられることが理想的である。一方、この操作パネル等が並べられた面に対して直角方向となる奥行きに関しては、比較的大きな長さ(面積)が許容される。このような理由により、各々の装置は、通路に面して幅が狭く奥行き方向に長さが長い細長形状にされることが多い。
水処理やパルプ漂白分野で、この平板積層型オゾン発生装置を大容量のオゾン装置として採用する場合、ガス圧力に対して十分強度のある容器にしなければならない。そして、放電セルの電極形状は細長矩形状にして電極面積を確保し、オゾン発生器を形成する容器においては、径が小さく筒状の容器の方が、圧力強度を強くすることができ、また、装置を軽くすることができ、さらに安価にすることができる。
このように、本願発明のオゾン発生器を内蔵する平板積層型オゾン発生装置は、一般に細長矩形形状とされることを要求される。一方、平板積層型オゾン発生装置は、オゾン発生器100の発生オゾンの大容量化を図る目的で、容積を最大に大きくすることを要求される。このような2つの要求から、平板積層型オゾン発生装置は、許容空間内で最大に広がる直方体形状とされ、さらに詳細には、水平面内において、断面細長長方形状とされることが理想である。
図1はこの発明のオゾン発生器を備えた平板積層型オゾン発生装置の概略の断面図である。図2は図1の平板積層型オゾン発生装置を上方から見た図である。図1及び図2において、平板積層型オゾン発生装置は、オゾンを発生させる要部構成としてのオゾン発生器100と、このオゾン発生器100に電力を供給するオゾントランス200及び高周波インバータ300から構成されている。
高周波インバータ300は、入力電源404から入力された電力を必要な周波数に変換してインバータ出力ケーブル403に出力する。オゾントランス200は、オゾントランス自身のインダクタンスで負荷の力率を改善し、この電力を所定の電圧まで昇圧させ、オゾン発生に必要な電力として高電圧ケーブル401を介してオゾン発生器100に供給する。高電圧ケーブル401は、高圧ブッシング120を貫通して、後述するオゾン発生器100内の高圧電極3に電気的に接続されている。高周波インバータ300は、電流/電圧を制御する機能を有しオゾン発生器100に供給する電力注入量を制御する。
オゾントランス200から供給される高電圧は、高電圧ケーブル401から高圧ブッシング120を通してオゾン発生器100の高圧電極3に供給される。一方、オゾントランス200から供給される低電圧は、低電圧ケーブル402から基台24を介して低圧電極7に供給される。
オゾン発生器100は、複数の電極モジュール102が積層されて構成されている。1つの電極モジュール102は、第1の電極としての低圧電極7及び第2の電極としての高圧電極3を有している。電極モジュール102の構造においては、後で詳細に説明する。所定の個数の電極モジュール102が基台24上に図1の上下方向に積層されてオゾン発生器電極101が構成されている。積層された複数の電極モジュール102は、最上部の電極モジュール102に重ねて設けられた電極押え板22と、電極押え板22及び各電極モジュール102を貫通する締め付けボルト21aによって、所定の締め付け力で基台24に締着されている。この締め付け力については後述する。
オゾン発生器電極101は、発生器カバー110で覆われている。発生器カバー110は一面を削除した概略の箱状を成し開口周縁部に設けられたフランジをカバー締付けボルト26で基台24に締着されている。発生器カバー110の開口周縁部と基台24との間には、Oリングが挟まれており発生器カバー110と基台24とが形成する内部空間は密閉構造とされている。
基台24には、この内部空間に、窒素、炭酸ガス等が微量含まれた酸素ガスを供給する酸素ガス入口130が設けられている。酸素ガス入口130から供給された酸素ガスは、発生器カバー110内に充満され、後述する放電領域の間隙に入り込む。基台24には、後述する放電領域にて生成されたオゾンガスをオゾン発生器100から外部に出すオゾンガス出口11と電極モジュール102を冷却する冷却水が出入りする冷却水出入口12が設けられている。つまり、オゾンガス出口11は、基台24に設けられたオゾンガス通路8の端部開口であり、冷却水出入口12は、基台24に設けられた冷却水通路9の端部開口である。
このような構成の平板積層型オゾン発生装置において、本発明は特にオゾン発生装置の要部であるオゾン発生器100に関するものであり、詳細には、オゾン発生器100の大容量化、装置のスペースファクター改善の目的で、オゾン発生器100を矩形形状にし、このオゾン発生器100の矩形化にともなう、電極モジュール102内の高圧電極、誘電体板、低圧電極のそれぞれの形状、冷却構造、オゾンガス取出し構造に関するものであり、さらには、効率よくオゾンを生成するための形状及び発生器のコンパクト化、製造コスト低減、軽量化および容器の圧力強度増大を図るための容器の密閉方法、容器形状等の構造と発生器を複数個設置した大容量オゾン発生器の構造に関するものである。
図3はこの発明の実施の形態1のオゾン発生器を示すオゾン発生器電極の模式的な詳細断面図である。図4は図3のE部分の拡大図である。図3及び図4において、オゾン発生器電極101は、第1の電極としての平板状の低圧電極7と、低圧電極7の主面に対向する第2の電極としての平板状の高圧電極3と、低圧電極7と高圧電極3との間に設けられた平板状の誘電体板5及び積層方向に厚さの薄い放電領域を形成するためのスペーサ13とを有する。1つの電極モジュール102は、高圧電極3、低圧電極7、誘電体板5、及びスペーサ13を組合せ、後で述べる放電領域を形成している。そして、この電極モジュール102が多段に積層されてオゾン発生器電極101が構成されている。
オゾン発生器電極101は、低圧電極7と高圧電極3との間に交流電圧を印加され、酸素ガスを含んだガス(原料ガス)が注入された放電領域に放電を生じさせオゾンガスを発生させる。図1に示したオゾントランス200から高圧ブッシング120を介して高圧電極3の給電端子4に電力が供給される。高圧電極3は、ステンレス、アルミ等の金属で作製されている。誘電体板5の主面は、後述する導電性膜を介して高圧電極3に密着している。誘電体板5は、セラミック、ガラス、シリコン等の材料で作製されている。誘電体板5と低圧電極7との間には、スペーサ13によって放電領域が形成されている。本実施の形態においては、放電領域は、図2に破線で示される6つの放電領域27a〜27fに分割されている。各放電領域27a〜27fは、4角が丸くされた概略正方形状に形成されており、図1の発生器カバー110に充満された原料ガスは、図2中破線矢印で示すように各放電領域の全周囲から各放電領域中心方向に向かって進入する。
そして、高圧電極3と低圧電極7との間に交流・高電圧を印加することで、放電領域27a〜27fに流れる原料ガスをオゾンに変換する。各放電領域27a〜27fでオゾン化酸素に変換されたオゾンガスは、後述するオゾンガス取出孔28a〜28fから低圧電極7の内部に入り、低圧電極7内に設けられたオゾンガス通路8を経由してオゾンガス出口11に導かれる。
低圧電極7は、ステンレス鋼板等からなる4枚の金属板を接合して板間にオゾンガス通路8を形成した薄板状の導電性剛体である。低圧電極7には、オゾンガス通路8以外にオゾン発生効率を上げるための冷却水通路9が設けられている。そして、この冷却水通路9に冷媒としての冷却水を流すことで、放電領域27a〜27f内のガス温度を下げる。
低圧電極7内に形成されたオゾンガス通路8は、マニホールドブロック23に形成されたオゾンガス通路8を経由して基台24に設けられたオゾンガス出口11に連通している。一方、低圧電極7に形成された冷却水通路9はマニホールドブロック23に形成された冷却水通路9を経由して基台24に設けられた冷却水出入口12に連通している。
特に図示はしないが、低圧電極7とマニホールドブロック23あるいは基台24間における冷却水の水密対策としてOリング等のガスケット材が挟み込まれている。また、オゾンガスの気密対策としてもOリング等のガスケット材が挟み込まれている。
低圧電極7、高圧電極3、誘電体板5、スペーサ13からなる電極モジュール102は、各構成要素を貫通する締め付けボルト21aによって、電極押え板22と基台24との間で締着されて固定されている。
次に、低圧電極7の構造を詳細に説明する。図5は低圧電極の上面図である。図6は図5のA−A線に沿う矢視断面図である。図7は図5のB−B線に沿う矢視断面図である。図8は図5のC−C線に沿う矢視断面図である。図9は図5のD−D線に沿う矢視断面図である。
低圧電極7は、耐オゾン性の高い金属材質で作製され、大面積を確保する目的で、発生器カバー110の水平断面内に全域に広がる概略矩形(長方形)平板状の形状を成している。
低圧電極7は、主面が電極を成し内部にオゾンガス通路8及び冷却水通路(冷媒通路)9が形成された矩形平板状の低圧電極放電部700と、低圧電極放電部700の一側の辺の側部に設けられオゾンガス通路8のガス取出口8a及び冷却水通路9の冷却水入口(冷媒入口)9a、冷却水出口(冷媒出口)9bが形成された入出部710とを有する。低圧電極放電部700内に設けられた冷媒通路としての冷却水通路9は、冷媒としての冷却水が低圧電極放電部700の全体をくまなく巡るように低圧電極放電部700の全体に渡って形成されている。
低圧電極放電部700は、高圧電極3、誘電体板5、及びスペーサ13とともに電極モジュール102を構成し、基台24上に積層され、締め付けボルト21aによって締着されている。一方、入出部710は、高圧電極3、誘電体板5、及びスペーサ13が作る積層方向の高さを補間するために、隣り合う上下間に各々マニホールドブロック23を挟んで積層され、締め付けボルト21bによって締着されている。このマニホールドブロック23には、積層方向に延びるオゾンガス通路8と冷却水通路9とが形成されている。
低圧電極放電部700と入出部710との間には、くびれ部720が設けられている。くびれ部720は、低圧電極放電部700と入出部710とが、それぞれ締め付けボルト21aと締め付けボルト21bで締着される際に、低圧電極放電部700と入出部710のいずれかで発生する変形が、他方の締着力に影響を与えないよう剛性の小さな部分として形成されている。
すなわち、低圧電極放電部700は、高圧電極3、誘電体板5及びスペーサ13とともに、締め付けボルト21aによって、所定の締め付け力で基台24に締着されているが、この締め付け力は、非常に薄い隙間である放電領域27a〜27fの高さ(厚さ)を正確に管理する目的で非常に繊細に管理されている。
一方、入出部710は、マニホールドブロック23とともに締め付けボルト21bによって、基台24に締着されている。入出部710とマニホールドブロック23とは、高度な寸法管理により作製されているが、作製誤差はゼロにはできない為、理想の高さとの間には若干の誤差が発生する。
そして、低圧電極放電部700、高圧電極3、誘電体板5及びスペーサ13を積み上げたことによって発生する累積誤差と、入出部710とマニホールドブロック23とを積み上げたことによって発生する累積誤差の相対的な差が原因で、低圧電極放電部700と入出部710との間に曲げ応力が発生するが、この曲げ応力を吸収する目的で、両者の間に剛性の小さなくびれ部720が設けられている。この剛性の小さなくびれ部720によって、低圧電極放電部700と入出部710とは、互いに他に対して応力を及ぼすことがない。
低圧電極放電部700の上下の両主面には、上述のオゾンガス通路を中心とした径方向の流速分布を略均一化する目的で、低圧電極放電部700面の放電領域内に各々6つのオゾンガス取出孔28a〜28fが穿孔されている。その穿孔された6つの孔にそれぞれ均等にオゾンガスが流れ込むことで低圧電極放電部700面のオゾン発生量が均一化され、高濃度のオゾンを得ることができ、オゾンガスの取出し効率が良くなる。さらに6つのオゾンガス取出孔28a〜28fに加え、オゾンガス取出孔の周りで高圧電極を6つに分割することで、放電領域を分散させ、各放電領域の周囲から流れ込む原料ガスの均等化を図る。本実施の形態においては、上述のように、6つの放電領域27a〜27fに分けられている。そして、6つの放電領域27a〜27fの略中央部に位置するようにオゾンガス取出孔28a〜28fが設けられており、各放電領域27a〜27fで発生したオゾンガスは、このオゾンガス取出孔28a〜28fから低圧電極7内に吸い込まれる。オゾンガス取出孔28a〜28fから低圧電極7内に進入したオゾンガスは、低圧電極7内に形成されたオゾンガス通路8によって、低圧電極7内で1つに合流され入出部710に形成されたオゾンガス通路8に向かう。
低圧電極7は、図6から図9に示されるように2枚の第1の金属電極7aと、2枚の第2の金属電極7bの合計4枚の金属電極が張り合わされて作製されている。各々の金属電極7a、7bの片側主面には、予めハーフエッチングもしくは機械加工によって深さ数mmの断面コ字型の溝が多数本形刻されている。そして、まず、2枚の第1の金属電極7aが溝を向き合うように貼り合わせられて作製され内部にオゾンガス通路8が形成され、続いて、2枚の第2の金属電極7bが、溝が形成された面を各々電極7aの外側面に向けて貼り合わせられて冷却水通路9が形成される。これらの4枚の金属電極7a、7bはロウ付け或いはホットプレス等で重ね合わせて接合され内部が機密構造とされる。
また、入出部710には、積層方向に延びるオゾンガス通路8及び冷却水通路9が形成されている。ここで冷却水通路9は、冷却水入口(冷媒入口)9aと冷却水出口(冷媒出口)9bとに分かれて設けられている。冷却水入口9a及び冷却水出口9bに連通する冷却水通路9は、図5に点線で示されるように低圧電極7の内部において、ほぼ全体にわたって形成されている。すなわち、冷却水通路9は、矩形平板状の低圧電極放電部700に中央部から外周部まで全体にわたって同心状に複数形成されている。尚、隣り合う同心状の冷却水通路9は、幅の細いリブにて仕切られている。冷却水は、この冷却水通路9を図5中の破線矢印で示されるように流れる。
一方、低圧電極放電部700の内部に形成されるオゾンガス通路8は、入出部710に形成された積層方向に延びる通路から低圧電極放電部700の内部に枝状に分岐して延び、枝の先端で両側主面に形成されたオゾンガス取出孔28a〜28fに連通している。このオゾンガス取出孔28a〜28fは、低圧電極放電部700を6等分し、その6等分した領域27a〜27fのそれぞれ中心に設けている。この6等分した放電領域ではそれぞれ中心に設けたオゾンガス取出孔28a〜28fに向けて原料ガスが流れることとなり、周囲から略均一のガスがオゾンガス取出孔28a〜28fへ流れ込む。そして、低圧電極7に形成されたオゾンガス取出孔28a〜28fと枝状のオゾンガス通路8は、複数の放電領域27a〜27fで発生したオゾンガスを集合させて取出す集合取出手段を構成している。本実施の形態では低圧電極放電部を6等分し、それに伴いオゾンガス取出し孔を28a〜28fの6つ設けたものを示したが、低圧電極放電部700を2以上のn等分し、n個のオゾンガス取出し孔を設けても良い。
入出部710に形成された積層方向に延びるオゾンガス通路8及び冷却水通路9は、マニホールドブロック23に設けられたオゾンガス通路及び冷却水通路と各々直線状となるようにつながり、最終的に基台24に設けられたオゾンガス出口11及び冷却水出入口12につながっている。
発生したオゾンガスは、複数の放電領域27a〜27fの中央部から低圧電極放電部700内に設けられたオゾンガス通路8を通って合流し、入出部710に設けられた積層方向に延びるオゾンガス通路8に至る。一方、低圧電極放電部700内の全体を流れる冷却水は、入出部710の冷却水入口穴9aから低圧電極7に入り、低圧電極放電部700の全面を冷却し、入出部710の冷却水出口穴9bへ抜ける。
低圧電極7の一側の辺の側部に設けられた入出部710のオゾンガス通路8と冷却水通路9の通路集合構造は、入出部710の上下に隣接して設けられたマニホールドブロック23に同じように形成された通路集合構造と協同して、積層方向に直線状に延びるオゾンガス通路8と冷却水通路9を形成し、この協同して形成されたオゾンガス通路8と冷却水通路9は、基台24に設けられたオゾンガス出口11及び冷却水出入口12につながっている。
このように本実施の形態においては、低圧電極7及びマニホールドブロック23内にオゾンガス通路8と冷却水通路9とを形成することにより、従来用いられていた集合継手及び配管部材を無くし、これら継手、配管部材によるスペースを削減することによりコンパクトで簡素化したオゾン発生器を実現している。
また、本実施の形態においては、低圧電極7をエッチングもしくは機械加工によって数mm以内で凹凸加工した4枚の金属板を貼り合わせることで気密流通空間を構成し、オゾンガス通路8及び冷却水通路9とを気密分離させて形成したので、低圧電極7の厚みを薄くすることができ、装置の小型化を図ることができる。また、冷却水及びオゾンガス取出し用配管が不要となるため、組立て、分解が簡単に行え、安価なオゾン発生器を提供することができる。
尚、本実施の形態においては、4枚の金属電極7a、7bが接合されて低圧電極7が作製されているが、4枚以上の電極が接合されて内部にオゾンガス通路8及び冷却水通路9が形成されるようにしても良い。
また、本実施の形態においては、低圧電極7と誘電体板5との間に放電領域27a〜27fを設け、低圧電極7内にオゾンガス通路8を形成しているが、高圧電極3と誘電体板5との間に放電領域を設け、高圧電極3内にオゾンガス通路を形成しても良い。
尚、本実施の形態は、高圧電極3と低圧電極7との間に無声(誘電体バリヤー)放電に必要な誘電体板5を設け、そしてこの誘電体板5と低圧電極7との間にスペーサを配置して放電領域27a〜27fを設けている。しかし、高圧電極3と誘電体板5との間にスペーサを配置して放電領域27a〜27fを設けても良い。
図10は高圧電極の上面図、図11は高圧電極の正面図、図12は高圧電極の側面図である。高圧電極3は、ステンレス鋼板等の導電性薄板からなり、その一部は給電端子4として突出している。高圧電極3は、矩形平板状の材料から不要な部分が機械加工により削除されて片側面に6つの扁平状の凸部3a〜3fが形成されている。つまり、両側面で12個の凸部3a〜3fが形成されている。凸部3a〜3fの頂面の平坦部に電極面が形成されている。上述の6つの放電領域27a〜27fは、一つにはこの高圧電極3の6つの凸部3a〜3fに基づいて形成されている。
各々の凸部3a〜3fは、4角が丸くされた概略正方形状に形成されている。6つの凸部のうち4個の凸部3a、3c、3d、3fは、高圧電極3の四隅に2辺を一致させて形成されている。他の2個の凸部3b、3eのうち、凸部3bは、凸部3a、3cの間に設けられている。また、凸部3eは、凸部3d、3fの間に設けられている。隣り合う凸部は各々所定の間隔だけ離されている。この間隔においては、後で言及する。
各々の凸部3a〜3fの主面は、同一の平面上に存在するように形成され、且つ各々高精度の平坦度を有するように形成されている。図11の正面図及び図12の側面図から解るように、各々の凸部3a〜3fの外周部は、断面円弧状に面取りされて滑らかな形状とされている。
矩形平板状の高圧電極3の一側の辺には、給電端子4が突設されている。給電端子4は、凸部3a〜3fと同じように、機械加工によって削りだされて形成されても良いし、また、小さな板状部材片が溶接、ネジ止め等によって接合されて形成されても良い。
上述の6つの放電領域27a〜27fは、凸部3a〜3fが形成されている領域に発生する。凸部3a〜3f水平面内長手方向の辺の長さとこれに直交する辺の長さの比(水平面内の縦横比、すなわちアスペクト比、以後アスペクト比と称する)は、概ね1:1とされている。すなわち、概略正方形状とされている。そのため、上述6つの放電領域27a〜27fのアスペクト比も概ね1:1となる。アスペクト比を1:1とする放電領域の中心にオゾンガス取出し孔を設ければ、オゾンガス取出し孔を中心とする径方向のガスの流れ込みを均一とすることができる。
放電領域のアスペクト比を種々変えながらオゾン濃度及びオゾン発生効率を測定した結果、アスペクト比が1.5:1.0以内であれば、オゾンガス取出し孔を中心とする径方向のガス流れ込み時のガス流速V(または流量Q)の分布が水平面内の縦横方向で大きな差がないものとなる。その結果、オゾン濃度及びオゾン発生効率を80%以上確保できることが確認され、その他、顕著な性能低下は見られなかった。一方、アスペクト比が1.5:1.0をこえると、顕著にオゾン濃度及びオゾン発生効率の低下が見られ、面積増加の効果が少なくなることが確認された。
一般に、放電領域が1つの大きな面積のものにされると、放電領域の中央部と周辺部とで放電電力密度のバラツキが大きくなり、オゾン濃度及びオゾン発生効率が低下する。ここで、所定のオゾン濃度及びオゾン発生効率を得ることができる放電領域の面積である最大許容放電面積について言及する。放電領域がこの最大許容放電面積より小さいと、オゾン濃度及びオゾン発生効率が良くなり、一方、放電領域がこの最大許容放電面積より大きいと、オゾン濃度及びオゾン発生効率が極端に悪くなり、装置は所定の性能を維持することができない。
最大許容放電面積は、放電領域の形状(アスペクト比)によって多少ことなる。形状の変化にともない、最大許容放電面積が最大となるのは、放電領域の中央部にオゾンガス取出孔があり、かつ放電領域が円形の場合である。放電領域が円形であると、原料ガスが円周の周囲から入り、中央部に設けたオゾンガス取出孔へと流れ、原料ガスの流れが放電領域の周囲のどこから入っても均一となるためである。
長方形の放電領域の場合、たとえ最大許容放電面積以下の場合でも、アスペクト比が悪くなれば、放電領域でのオゾンガス取出し孔を中心とする径方向のガスの流れ込みの流れが不均一となり、ガス流れの遅い部分では放電空間のガス温度が上がりオゾン発生能率が低下する。そして、装置全体のオゾン発生性能が悪くなる。
最大許容放電面積は、以下の式によって求めることができる。すなわち、
最大許容放電面積S0[cm]は、
放電領域のギャップ長をd[cm]、
放電ガス圧力をP[MPa]、
(P[MPa]=7500(0.1+P)[Torr]=p[Torr])
放電電圧をVp[V]、(尚、放電波形は交流であり、ここで言う放電電圧は交流波形のピーク値を示すので符号としてVpを用いる。)
放電電力密度をW[W/cm
としたとき、
S0=(A×d×P×Vp)/W (式1)
A:比例定数
の式により求めることができる。
ここで、Aは放電領域の形状(アスペクト比)によって決まる比例定数であり、放電領域の形状によって、10〜30程度の範囲で変化する。
そして、本実施の形態の放電領域27a〜27fに関しては、
放電領域のギャップ長が0.01[cm]、
放電ガス圧力が0.25[MPa]、
放電電圧が5000[V]、
放電電力密度が1[W/cm
とされている。ここで、比例定数を仮に20とすれば、最大許容放電面積S0は、
S0=(20×0.01×0.25×5000)/1.0=250cm
となり、250cmと求められる。この最大許容放電面積S0以内にすることに加え、オゾン装置の全体構成に基づき、本実施の形態の各々1つの放電領域27a〜27fの面積Sは75cm(φ200)としている。この面積の設定は、一つには、高圧電極3の凸部3a〜3fの面積Sを75cmとすることにより、設定されている。尚、放電領域27a〜27fの面積Sは、この高圧電極3の凸部3a〜3fの面積に基づく他に、後で詳しく述べる誘電体板の表面に形成された導電性膜の面積にも関係する。
上述したように、誘電体バリヤー放電(無声放電)においては、一般的には放電電圧の増大に比例して電極面で均一に電力密度が大きくなる放電であるが、実際には放電ギャップ形成時の寸法誤差等が原因で、放電領域のより間隔の小さい部分から放電が始まり、この間隔の小さい部分において電力密度が高くなる。そして、放電領域が大きくなると、電極面での電力密度分布において較差が大きくなり、オゾン発生能力低下の原因になる。放電領域が1つの大きな面積のものにされると、放電領域の中央部(一般に、放電領域において間隔の最も小さい部分となることが多い)と周辺部とで放電電力密度の較差が大きくなってしまう。また、放電領域が1つの大きな面積のものにされると、矩形の電極の形状によっては、アスペクト比が1:1より大きく離れた値となってしまう。この放電電力密度とアスペクト比の理想から離れた値は、オゾン発生効率の低下やオゾン濃度の低減を生み出す原因となる。
この問題を解消するために、本実施の形態においては、放電領域を6つの放電領域27a〜27fに分けている。上述の高圧電極3に設けられた6つの凸部3a〜3fは、この放電領域27a〜27fに対応している。本実施の形態においては、このようにして1つの放電領域を最適放電面積S0以内に制限し、また、最適放電領域のアスペクト比を一定値以内に確保し、さらにオゾンガス取出し孔の位置を分散して配置している。
上述の最大許容放電面積S0の関係式(式1)において、放電電圧Vpは、以下の式によって求めることができる。すなわち、
放電電圧Vpは、
放電領域ギャップ長をd[cm]、
放電ガス圧力をp[Torr]
としたとき、
Vp=B×p×d (式2)
B:比例定数
の式により求めることができる。
ここで、Bは放電電圧値へ換算するための比例定数で、実際の値は188程度であるが、放電ガス種、電極の材質によって若干異なる。
ここで上述の式1を放電領域ギャップ長をd[cm]と放電ガス圧力をp[Torr]を使って書き換えると、
S0=(A×d×P×Vp)/W (式1)
=A×d×(p/7500−0.1)×B×p×d/W
={A×B/7500(p×d)2/W}−{A×B×(p×d)×d/W}
={0.5×(p×d)2/W}−{376.0×(p×d)×d/W}
(式3)
となる。
放電領域ギャップ長dの最小値0.001cmは、電極面の機械工作精度で決まる値であるが、電極面を加工誤差±10μm以下で製作すれば、電極の加工コストが増大する要因になり、一方、放電領域ギャップ長dを0.001cmとし電極面の加工誤差を±10μm以上にすると、放電ギャップの精度が±10%以上になり、放電ギャップのバラツキによるオゾン性能の低下をまねく。
図13は積p×dと放電電圧の関係を示す特性図である。また、図14は放電電圧と高電圧の絶縁距離との関係を示す特性図である。また、図15は積p×dの値を可変した場合の積p×dと放電セルの容積比との関係の1例を示す特性図である。図16は放電電力密度を可変した場合の放電電力密度の放電セルの容積比との関係の1例を示す特性図である。各図とも実装置を測定して或いは測定した値から演算して得られたデータに基づくものであり、各図とも黒四角で示された領域は、それぞれ効率の良い領域である。
放電領域ギャップ長dの増加や放電ガス圧力pの増加は、積p×dの値を大きくすることとなり、図13に示すようにオゾンを発生させるための放電電圧が高くなってしまう。また、放電電圧が高くなると、図14に示すように装置内での絶縁距離を大きく確保しなければならなくなり、そのためオゾン装置の容積が大きくなり、電源も大きなものが必要となる。
また、図15は放電電力密度を一定にして積p×dの値を変えた場合の放電セルの容積比を絶縁距離の確保を考慮して概算算出したグラフである。積p×dの値が例えば20Torr・cmから50Torr・cmになると、放電セルの容積比が2.5倍になり、放電電圧Vpも9.5kV以上になる。そして、それ以上になると、高電圧の規制や高圧力容器の規制等の制約条件が発生し、製作コストが大幅に増大する要因になる。
また、図16は積p×dの値を一定にして放電電力密度を変えた場合の放電セルの容積比を概算算出したグラフである。放電電力密度が0.3W/cmから4W/cmになると、放電セルの容積比を約0.3倍に低減できる。また、放電電力密度は電極の冷却能力に依存しており、4W/cm以上の放電になると、放電部のガス温度が急激に高くなり、オゾンの発生性能を急激に悪くするため、所定のオゾン発生量を確保することが困難になる。そして、図16から解るように1W/cm〜3W/cmの範囲が最も装置として効率の良い領域であることが解る。
以上のように実際の装置における知見から本実施の形態のオゾン発生器においては、放電領域ギャップ長d、放電ガス圧力p、両者の積p×d、および放電電力密度Wは、装置の大きさ、容積率、経済性を考慮すると、図13から図16の黒四角で示された領域、つまり以下の表1の範囲から選択されることが望ましい。
[表1]
放電領域ギャップ長d 0.001〜0.06[cm]
放電ガス圧力p 0.1〜0.4[MPa]
1500〜3750[Torr]
積p×d 15〜50[Torr×cm]
放電電力密度W 0.3〜4[W/cm
上述の式3と表1の範囲から最大許容放電面積を演算すると、以下の条件を導き出すことができる。
放電領域ギャップ長d 0.06[cm]以下
積p×d 50[Torr×cm]以下
放電電力密度W 0.3[W/cm]以上
であり、このときの最大許容放電面積は、
最大許容放電面積S0 3038[cm]以下
となる。
これを実験によって検証すると、例えば、
放電領域ギャップ長d 0.06[cm]以下
積p×d 50[Torr×cm]以下
放電電力密度W 0.3[W/cm]以上
最大許容放電面積S0 3000[cm]以下
のとき、オゾン発生効率が80%であった。一方、この条件が崩れると、顕著にオゾン濃度及びオゾン発生効率の低下が見られた。つまり、面積増加の効果が少なくなることが確認された。
図17は誘電体板の上面図、図18は誘電体板の正面図、図19は誘電体板の側面図である。オゾン発生装置は、オゾン発生器100の大容量化、及び装置のスペースファクターを良くするため、矩形断面の外形にされている。誘電体板5はガラスもしくはセラミック等の材質で作製され、大面積を確保する目的で、発生器カバー110の水平断面内に全域に広がる概略矩形(長方形)平板状の形状を成し、高圧電極3を両側から挟み込む構成とされている。
誘電体板5は矩形平板状を成し、高圧電極3と接触する側の面に6つの導電性膜5a〜5fが形成されている。各々の導電性膜5a〜5fは、4角が丸くされた概略正方形状に形成されている。つまり、各々の導電性膜5a〜5fは、アスペクト比が概ね1:1にされている。各々の導電性膜5a〜5fは、高圧電極3の凸部3a〜3fに対応した位置に設けられ、この凸部3a〜3fと概略同じ形状とされている。隣り合う導電性膜は各々所定の間隔だけ離されている。各々の導電性膜5a〜5fの主面は、同一の平面上に存在するように形成され、各々高精度の平坦度を有するように形成されている。また、隣り合う導電性膜の間には、原料ガスが各々放電領域27a〜27fに均等に流れるように大小の原料ガス均等供給孔5g、5hが穿孔されている。
この導電性膜5a〜5fの大きさも、上述した6つの放電領域27a〜27fの大きさに関係する。すなわち、6つの放電領域27a〜27fの大きさは、高圧電極3の凸部3a〜3fの大きさと、この導電性膜5a〜5fの大きさとによって決まる。
このようにして誘電体板5の表面に直接導電性膜5a〜5fを形成し、この導電性膜5a〜5fを介して誘電体板5と高圧電極3と接触する。すなわち、高圧電極3の凸部3a〜3fと誘電体板5の導電性膜5a〜5fとが接触する。このような構成とすることで、高圧電極3の凸部3a〜3fの表面と導電性膜5a〜5fの表面との間で一部分の接触不良があっても、導電性膜5a〜5fと高圧電極3の電位は同電位となり、一部分の接触不良による不正放電が発生することが無くなり、オゾン発生器100の効率低下が防止され、オゾン発生装置の寿命も長くなる。
誘電体板5の導電性膜5a〜5fが形成された面と反対側の面、すなわち、誘電体板5の低圧電極7側(放電領域側)面に放電領域27a〜27fを形成する為のスペーサ13が設けられている。スペーサ13は、アスペクト比が1:1の非常に薄い空間を形成する。本実施の形態においては、スペーサ13は、0.1mm厚の細長い棒状または円板状を成している。スペーサ13は、例えば、板状の誘電体板5を機械加工して周囲を削ることにより、スペーサ13が相対的に凸形状に削り出されることにより形成されている。このように、誘電体板5とスペーサ13とを1つの材料から一体に削りだすことにより、誘電体板5とスペーサ13を別々に作製して接合する手順と較べ、スペーサ13単体の部品が無くなり部品点数が減り、さらに、スペーサ13の位置決め工程が不要になりオゾン発生器の組立が容易になる。
以上のように、両主面に各々6つの凸部3a〜3fが形成された高圧電極3の両側に、一側面に導電性膜5a〜5fが形成され他側面にスペーサ13が設けられた2枚の誘電体板5が、各々凸部3a〜3fに導電性膜5a〜5fを接触させて高圧電極3を挟み込むように配置され、さらにその両面に各々低圧電極7が配置されている。そして、誘電体板5と低圧電極7との間にスペーサ13によって6つの放電領域27a〜27f形成される。そして、このように重ねられた高圧電極3、低圧電極7、誘電体板5、及びスペーサ13によって、電極モジュール102が構成され、この電極モジュール102が複数積層され、一方、低圧電極7の入出部710の上下間にマニホールドブロック23それぞれ配置され、これらが締め付けボルト21a、21bによって、所定の締め付け力で基台24に締着されている。
次に動作について説明する。高圧電極3と低圧電極7に交流・高電圧を印加すると、放電領域27a〜27fで無声(誘電体バリヤー)放電が発生する。このとき、放電領域27a〜27fに酸素ガスを含むガス(原料ガス)を通すと酸素が変換されオゾンが発生する。発生器カバー110に充満された原料ガスは、図2中破線矢印で示すように各放電領域27a〜27fの全周囲から中心方向に向かって進入する。酸素ガスは、低圧電極7と誘電体板5との間に形成された放電領域27a〜27fを通過し、その間にオゾンに変換される。本実施の形態においては、誘電体板5、高圧電極3及び両者間に形成された放電領域27a〜27fは、各々概略正方形状を成している。そして、原料ガスは正方形の全周囲から中心に向かって流れ放電領域27a〜27fでオゾンガス(オゾン化酸素ガス)となる。
オゾンガスを効率よく発生させるには、非常に厚さの薄い空間である放電領域27a〜27fを精度良く保つ必要がある。電極モジュール102の積層体を、電極押え板22と基台24との間で、片側にマニホールドブロック23を配置して積層方向に貫通する複数本の締め付けボルト21a、21bにより締め付けることにより、所定の空隙精度を得られるようにしている。
そして、放電領域27a〜27fは、低圧電極7の表面に配置した放電領域作製用のスペーサ13によって形成している。つまり、放電領域27a〜27fの厚さ(積層方向の高さ)は、この放電領域作製用のスペーサ13で設定している。この放電領域作製用のスペーサ13の高さを均一に加工すること及び締め付けボルト21a、21bで各電極モジュール102を所定の力で締め付けることで、放電領域27a〜27fの精度を確保している。
オゾンガスを効率よく生成するもう一つの手段として、放電領域27a〜27f内の温度を下げる方法がある。電極として高圧電極3と低圧電極7が設けられており、この両電極を水またはガス等で冷却する方法が考えられる。水とガスの冷却効果は水の方が大きいが、水を用いる場合、高圧電極3には高電圧が印加されるため、冷却水の電気伝導率を小さく(イオン交換水を用いる等)する必要がある。一方、ガスを用いる場合はその必要は無いが構造が複雑、騒音が大きい、または冷媒の熱容量が小さい等一長一短がある。
本実施の形態においては、低圧電極7に隣接して放電領域27a〜27fが形成されており、低圧電極7内に冷却水通路9を設けることで、放電領域27a〜27fを冷却している。また、高圧電極3を冷却するため、低圧電極7内に冷却水通路9を設け、これにより高圧電極3の熱を逃がす構成にしている。高圧電極3で発生した熱は、冷却水でヒートシンクされた低圧電極7により冷却される。このように放電領域27a〜27fと高圧電極3とを同時に冷却することで、放電領域27a〜27fのガス温度を低く保つことができる。
本実施の形態においては、低圧電極7に冷却水を流すことで、放電領域27a〜27f内のガス温度を下げている。生成されたオゾンガスは、低圧電極7内のオゾンガス通路8を通り、低圧電極7の側部を通って、さらに積層された入出部710とマニホールドブロック23とが形成するオゾンガス通路8を通って、基台24に設けられたオゾンガス出口11に至る。
一方、冷媒としての冷却水は、基台24に設けられた冷却水入口12からオゾン発生器100内に入り、積層された入出部710とマニホールドブロック23とが形成する冷却水通路9を通り、入出部710の冷却水入口穴9aから低圧電極7に入り、低圧電極放電部700の全面を巡回した後、入出部710の冷却水出口穴9bを経て、入出部710とマニホールドブロック23とが形成する冷却水通路9を通り、基台24に設けられた冷却水出口12から外へでる。
そして、本実施の形態においては、高圧電極3を低圧電極7で冷却できる構成にしたので、低圧電極7に流す冷却水の電気伝導率を小さくする必要は無く、一般の水道水程度のものを使用することができる。そのため、冷却水を安価なものとすることができる。
このようなことから、本実施の形態においては、放電領域27a〜27fの冷却効率を向上させ、また放電領域27a〜27fの温度を良好に下げることができる。これにより、オゾン発生効率を低下させずに放電電力密度を上げることができ、電極モジュール102の数の減少が可能となり装置の小型化及び低価格化を図ることができる。さらに、高圧電極3を低圧電極7を介して冷却するため、冷却水として電気伝導率の小さいイオン交換水等を使用せずに済み、一般の水道水程度の冷却水を用いることができる。そのため、電気伝導度の監視装置やイオン交換水の循環設備等が不要となり、装置構成点数の削減による低価格化や、維持費用の低減を図ることができる。
本実施の形態においては、オゾン発生器100のオゾン発生量(容量)を大きくするため、1つの電極モジュール102の放電面積を大きくし、さらにその電極モジュール102を多段に積層して大容量化を実現している。また、オゾン発生器100のスペースファクターを改善させる観点から1つの電極モジュール102形状は長方形状にしている。
このように、1つの電極モジュール102の面積を大きくすることに対応して、放電領域の面積も単純に大きくして電極モジュール102の全面に放電領域を形成しようとすると、中央部と周辺部で放電電力密度の差が大きくなってしまう。また、放電領域が大きくなると原料ガスを放電面で均等に流せなくなるなどの問題点が生じる。
放電電力密度のバラツキや原料ガス流不均一の問題点が生じると、オゾン濃度が低下し、またオゾン発生効率が悪くなる。さらに、オゾン発生器100のスペースファクターを良くしようとして電極形状を長方形の平板にすると、放電領域も長方形状となるため、アスペクト比が1:1から大きくずれることとなり、放電領域内でのガス流量分布がさらに悪化するので、さらにオゾン濃度が低下し、さらにオゾン発生効率が悪くなる。
本実施の形態では、電極形状を長方形にし、1つの電極に対する放電領域を大きくしたが、高圧電極3に6つの凸部3a〜3fを形成することにより、この大きな放電領域を6つの小さな放電領域27a〜27fに分割し、各々の放電領域27a〜27fのほぼ中央の位置となる低圧電極7の主面にオゾンガス取出孔28a〜28fを設けた。
このような構成とすることにより、高圧電極3に6つの凸部3a〜3fに対向する部分の放電領域のみ放電が生じるため、1つの放電領域のアスペクト比と放電領域増大の問題を改善することができる。そして、原料ガスは、放電領域27a〜27fの全周囲から供給され、各領域の中央部の低圧電極7に設けられたオゾンガス取出孔28a〜28fから取出される。そのため、各放電領域において、ほぼ均等に原料ガスを流せるようになる。
1つの電極モジュール102から発生したオゾンガスは、低圧電極7の入出部710に積層方向に貫通して設けられたオゾンガス取出孔28a〜28fに集合してここから取出すことができ、また、低圧電極7を冷却する冷媒としての冷却水は、入出部710に設けられた冷却水入口穴9aから供給され、低圧電極7内を循環して低圧電極7を冷却した後、入出部710に設けられた冷却水出口穴9bに戻る。
本実施の形態においては、放電領域を6つの領域27a〜27fに分割するために、高圧電極3の隣り合う凸部3a〜3f間の距離を約3mmとした。また、誘電体板5の隣り合う導電性膜5a〜5f間の距離も約3mmとした。しかしながら、距離を種々に変更しながら実験をすると1.5mm以上開ければ十分でることが解った。一方、1.5mm以下にすると、隣り合う放電領域27a〜27f間の空間で不正放電が発生した。そして、不正放電による電極の損傷やオゾン発生効率の低下等の不具合が生じた。
本実施の形態においては、各放電領域27a〜27fの中央部から低圧電極7内に設けられたオゾンガス通路8を経由して低圧電極7の端部に設けられた入出部710からオゾンガスを取り出せるようにしている。そのため、各放電領域27a〜27fで発生したオゾンガスは、そのまま取出すことができ、従来装置のように、オゾンガス部と原料ガス部と隔てる構造を設ける必要がなく、従来装置におけるオゾンガスに原料ガスが混入して取出すオゾン濃度が低下するという「ガスのショートパス」現象を防ぐことができ、高濃度のオゾンガスを取出すことができる。
また、第1の電極としての低圧電極7は、主面が電極を成し内部にオゾンガス通路8及び冷媒通路としての冷却水通路9が形成された矩形平板状の電極放電部700と、電極放電部700のいずれかの辺の側部に設けられオゾンガス通路8のガス取出口8a及び冷却水通路9の冷却水入口9a、冷却水出口9bが形成された入出部710とを有するので、オゾンガス取出し用の配管及び冷媒の供給・排出のための配管を簡素にすることができる。
また、本実施の形態においては、平板状の第1の電極7と、第1の電極7の主面に対向する平板状の第2の電極3と、第1の電極7と第2の電極3との間に設けられた平板状の誘電体板5及び放電領域を形成するスペーサ13とを有する電極モジュール102が複数積層され、第1の電極7と第2の電極3との間に交流電圧を印加され、原料ガスが注入された放電領域に放電を生じさせてオゾンガスを発生させ、第1の電極7は、放電領域に対向する電極面と側部との間に放電領域で発生したオゾンガスを取り出すオゾンガス通路8が形成され、オゾンガス通路8を中心とした径方向の流速分布を略均一化するため、第1電極の放電領域内に複数個のオゾンガス通路を分散配設し、複数個のオゾンガス通路8は、第1の電極7の内部にて各々の放電区間で発生したオゾンガスを集合させて取り出すので、オゾン発生性能を損なわずに放電領域を増大させることができ、1つの電極面に対して放電領域を増やしてもオゾン発生性能を損なわず且つ信頼性の高いものとすることができ、モジュールの積層構造を容易に構築することができ、オゾンガス取出し用の配管を簡素にすることができる。
また、オゾンガス通路8を中心とした径方向の流速分布が略均一となるように、複数個のオゾンガス通路8に対応して、放電領域が第1の電極7と第2の電極3との間で複数個に分割されているので、オゾン発生性能を損なわずにさらに放電領域を増大させることができ、1つの電極面に対して放電領域を増やしてもオゾン発生性能を損なわず且つ信頼性の高いものとすることができ、電極面の平面精度を高精度に確保することができ、モジュールの積層構造を容易に構築することができ、オゾンガス取り出し用の配管を簡素にすることができる。
実施の形態2.
図20はこの発明のオゾン発生器を備えた平板積層型オゾン発生装置の他の例を示す概略の断面図である。図21は図20の平板積層型オゾン発生装置を上方から見た図である。本実施の形態においては、オゾン発生器100は、大容量化を図るとともに、オゾン発生装置のスペースファクター良くする目的で、長方形断面の外形にされている。そして、本実施の形態においては、オゾン発生器100に電力を供給するオゾントランス200及び高周波インバータ300がオゾン発生器100と平行に設置されている。そのため、オゾン発生器100は細長の矩形形状にされている。これにともない内部に収納される高圧電極3、低圧電極7、誘電体板5は、実施の形態1よりさらに、細長の矩形形状にされている。そのため、高圧電極3と低圧電極7に形成される放電領域は、3つの放電領域27a〜27cに分割されている。これにともない、高圧電極3に設けられる凸部や誘電体板5に設けられる導電性膜も3つに形成されている。
その他の構成は実施の形態1と同様である。
尚、図21、図22、図27のオゾン発生装置の低圧電極の構造図については省略するが、冷却水の流れ方は、基本的には図5の流れ方と同様である。また、オゾンガス取り出し孔は、図5では低圧電極7内で通路が枝分かれして、先端部にオゾンガス取り出し孔28a〜28fが設けられた構造になっているが、図21、図22、図27のオゾン発生装置の低圧電極のオゾンガス取り出し孔は、低圧電極の中心線に沿って設けられており、通路は低圧電極の中心線上に1本設けた構造とされている。図21、図22、図27のオゾン発生装置の中心線上に3個が設けられているが、必ずしも中心線上に設ける必要はなく、例えば中心線上を離れて千鳥状に配置してもよい。
本実施の形態の放電領域は、実施の形態1よりさらに細長の矩形形状にされ、3つの放電領域27a〜27cに分割されている。しかしながら、3つの放電領域27a〜27cのアスペクト比は、実施の形態1と同じように概略1:1にされている。そのため、オゾン発生効率の低下を防ぐことができ、オゾン濃度の低減を防ぐことができる。
図22は本実施の形態の他の例を示す図20の平板積層型オゾン発生装置を上方から見た図である。図21に示した装置は、放電領域を27a〜27cに3つに分割したものであるが、放電領域が細長く、オゾンガス取出し孔28a〜28cが1列で形成された場合は、図22に示す装置のように放電領域を分割せずに、放電領域をアスペクト比がほぼ1となるように等分割すると仮定したときの各々の領域の中央にオゾンガス取出し孔28a〜28cを設けるのみで、オゾンガス取出し孔28a〜28cを中心とした径方向のオゾンガスの流速分布を略均一となるように流すことができる。そして、図21の装置に対して遜色の無い性能を得ることができる。
実施の形態3.
図23はこの発明の実施の形態3のオゾン発生器を備えた平板積層型オゾン発生装置の正面断面図である。図24は図23のオゾン発生装置のガス出入り口側の側面図である。図25は図23のオゾン発生装置の高電圧供給部側の側面図である。図26は図23のオゾン発生装置のオゾン発生器モジュールの正面断面図である。図27は図23のオゾン発生装置のオゾン発生器モジュールの平面図である。図28は図23のオゾン発生装置のオゾン発生器モジュールのガス出入り口側の側面図である。図29は図23の平板積層型オゾン発生装置のオゾン発生器モジュールの高電圧供給部側の側面図である。
本実施の形態の装置は、円筒状の筒容器1100を有している。筒容器1100は、両端面を溶接によって接続された端面フタ24a、24bで塞がれて密閉構造とされている。本実施の形態は、細長い平板積層型オゾン発生器101をモジュール台24cを介して約φ100mmの円筒状の筒容器1100内に収めたものである。冷却水の出口配管112aは、端面フタ24aを貫通して外部に延びている。出口配管112aが端面フタ24aを貫通する部分の周囲は、中央部に孔が形成された配管キャップC3にて端面フタ24aに密閉固定されている。出口配管112aと配管キャップC3とは接合部W7にて接合されている。この接合には、ロー付けもしくは溶接にて行われている。冷却水の入口配管112bは、端面フタ24aを貫通して外部に延びている。入口配管112bが端面フタ24aを貫通する部分の周囲は、中央部に孔が形成された配管キャップC1にて端面フタ24aに密閉固定されている。出口配管112aと配管キャップC1とは接合部W5にて接合されている。
筒容器1100に連通する原料ガス取り入れ配管1010から原料ガスを供給し、筒容器1100内に原料ガスを充満させる。このようにして、原料ガスを連続的に供給し、オゾンガスをオゾンガス取出し配管111から取り出す。オゾンガス取出し配管111は、端面フタ24aを貫通して外部に延びている。オゾンガス取出し配管111が端面フタ24aを貫通する部分の周囲は、中央部に孔が形成された配管キャップC2にて端面フタ24aに密閉し固定されている。オゾンガス取出し配管111と配管キャップC2とは接合部W6にて接合されている。
高圧ブッシング120は、端面フタ24bを貫通して外部に延びている。高圧ブッシング120が端面フタ24bを貫通する部分の周囲は、高圧給電用フランジ120aにて端面フタ24aに密閉し固定されている。
図23、図24、及び図25の平板積層型オゾン発生装置は、細長い平板積層型オゾン発生器101をモジュール台を介して約φ100mm程度の円筒状の筒容器1100に収め、筒容器1100の両端部にオゾンガス通路8に連通するオゾンガス取出配管111、及び冷却水通路9の冷却水の入口配管112a、冷却水の入口配管112b出口9bが形成されているので、オゾンガス取出し用配管111と原料ガス取り入れ配管1010および高圧ブッシング120を設け、冷却水の入口配管112b、出口配管112aとオゾンガス取出し配管111に配管キャップC1,C2,C3を被せ密閉溶接を行う。また高圧ブッシング120は高圧給電用フランジ120aを介して周りを密閉溶接されている。さらに、両端の端面フタ24a、24bと円筒状の筒容器1100は、溶接部W2、W3にて周りを密閉溶接されている。
実施の形態2の装置では冷却水の出入口配管とオゾンガスの取出し配管および高電圧給電端子は底に設けた基台面から取出す構造にされているが、本実施の形態では、装置のスペースファクター、筒容器1100との組込み易さを考慮して、端面フタ24bに入口配管112b、出口配管112aとオゾンガス取出し配管111を設けるようにした。
このようにして、平板積層型オゾン発生装置101を筒状の容器1100に納めることで、オゾン発生器のコンパクト化、大容量化を図ることができるとともに、容器1100を円筒容器としたため、容器の圧力強度を強くまた軽くすることができる。また、装置の組立作業、溶接作業が容易になり、組み立てラインの自動化が容易にできるようになる。
例として、従来の図49及び図50に示した円筒型オゾン発生器でφ100mm−長さ500mm程度の発生器を構成すると、円筒管状の高圧電極空間が無駄な空間となり、φ40mmの円筒管を6本程度挿入して、0.04cmの放電ギャップを設けた構造で、オゾンを200g/h程度しか発生できない。これに対して、本実施の形態のオゾン発生器は、幅6cm、長さ50cmの電極を6放電面程度となるように積層構造にし、電極の冷却構造を両面冷却にし、放電ギャップを0.01cmにしてφ100mm−長さ50cmの円筒容器300にすると、オゾン発生器は1本の発生器で約0.5kg/hの量を発生し、また高濃度のオゾンを発生する。
実施の形態4.
図30はこの発明の実施の形態4のオゾン発生器を備えた平板積層型オゾン発生装置の概略の縦断面図であり図31のK−K線に沿う矢視断面図である。図31は平板積層型オゾン発生装置の横断面図であり図30のL−L線に沿う矢視断面図である。本実施の形態は、角型のオゾン発生器を備えた平板積層型オゾン発生装置であり、1つの容器に複数個の平板積層型オゾン発生器101a、101b、101c、101dを挿入し、大容量のオゾン発生装置を実現させたものである。図において、本実施の形態の装置は、円筒状の筒容器1100を有している。筒容器1100は、両端面を端面フタ24a、24bで塞がれて密閉構造とされている。本装置は棚状のモジュール台24cを有している。また、複数個の平板積層型オゾン発生器101a、101b、101c、101dの冷却水の出入口配管112aa、112ab、112ac、112ad、112ba、112bb、112bc、112bdと複数個のオゾンガス取出し配管111a、111b、111c、111dを有している。
さらに、複数個の平板積層型オゾン発生器へ分散させるための分岐管を兼ねた冷却水ヘッダ管112a−p(複数個のオゾン発生モジュールへ冷媒を分岐させて送り出す手段)と、複数個の平板積層型オゾン発生器から集合させるための集合管を兼ねた冷却水ヘッダ管112b−p(複数個のオゾン発生モジュールから冷媒を集合させて取出す手段)とが設けられている。そして、筒容器1100には、装置全体の冷却水の入出口として、入口配管112b、出口配管112aが設けられ、また、装置全体のオゾン取出し口111p(複数個のオゾン発生モジュールからオゾンガスを集合させて取出す手段)と、装置全体の原料ガス取り入れ配管1010と、高圧ブッシング120(複数個のオゾン発生モジュールの高圧電極へ電圧を供給する手段)が設けられている。
本実施の形態においては、1つの容器1100内のモジュール台24に細長い平板積層型オゾン発生器101を複数個並べて設置し、平板積層型オゾン発生器101の冷却水の出入口配管とオゾンガス取出し配管を冷却水ヘッダ管112b−p,112b−pとオゾン取出し口111pを介して取出すようにしている。
複数個の平板積層型オゾン発生器101を1つの筒状の大きな容器に納めるようにしたことで、数十kg/h級の大型オゾン発生器が従来の1/5以下の大きさで出来、コンパクト化を図ることができる。
例として、本実施の形態は、φ800mmで500mmの容器(容積0.25cm)60mm角、長さ500mmの平板積層型オゾン発生器101が100個程度納められる。すなわち、平板積層型オゾン発生器101で約0.5kg/h程度とすると、50kg/h程度の大容量のオゾン発生装置が得られる。図53のような従来の円筒型オゾン発生装置に比べ、非常に小さく、大容量で高濃度オゾン発生装置を実現することが可能となる。
実施の形態5.
図32はこの発明のオゾン発生器を備えた平板積層型オゾン発生装置のさらに他の例を示す概略の断面図である。本実施の形態においては、高圧電極3の裏面側に絶縁と冷却機能を兼ね備えた絶縁板2を設け、さらに絶縁板2に重ねて高圧電極冷却板1を設け、高圧電極冷却板1面に冷媒を流すことで、絶縁板2を介して高圧電極3を冷却できる構造にしている。
高圧電極冷却板1は、2枚の金属板が張り合わされて作製されている。2枚の金属板の片側主面にはあらかじめハーフエッチングもしくは機械加工によって深さ数mmの断面コ字型の溝が多数本形刻されている。そして、2枚の金属板が溝を向き合うように貼り合わせられて作製され内部に冷却水通路が形成される。2枚の金属板は、ロウ付け或いはホットプレス等で重ね合わせて接合され内部が機密構造とされている。
高圧電極冷却板1の側部に設けられた入出部には、低圧電極7と同じように積層方向に延びるオゾンガス通路及び冷却水通路が形成されている。ここで冷却水通路は、冷却水入口(冷媒入口)と冷却水出口(冷媒出口)とに分かれて設けられている。冷却水入口及び冷却水出口に連通する冷却水通路は、低圧電極7と同じように、高圧電極冷却板1の内部において、ほぼ全体にわたって形成されている。すなわち、冷却水通路は、矩形平板状の高圧電極冷却板1に中央部から外周部まで全体にわたって同心状に複数形成されている。尚、隣り合う同心状の冷却水通路は、幅の細いリブにて仕切られている。
入出部に形成された積層方向に延びるオゾンガス通路及び冷却水通路は、マニホールドブロック23に設けられたオゾンガス通路及び冷却水通路と各々直線状となるようにつながり、最終的に基台24に設けられたオゾンガス出口11及び冷却水出入口12につながっている。
本実施の形態のオゾン発生器においては、低圧電極7だけでなく、高圧電極3も冷却する両電極冷却の構造にすることで、装置に注入する放電電力密度を向上を図ることができ、また、装置のコンパクト化を図ることもできる。また、高圧電極3は絶縁板2で電気的に絶縁されているため、高圧電極3を冷却する冷却水は低圧電極7の冷却水と共有することができる。また、装置の配管が増えることなく、両電極冷却の構造とすることができる。
実施の形態6.
図33はこの発明のオゾン発生器を備えた平板積層型オゾン発生装置のさらに他の例を示す概略の断面図である。本実施の形態は、オゾン発生装置の部品点数の削減、装置の原料ガス空間領域の縮小、及び発生器カバー110と基台24との接合部の縮小、及び発生器カバー110の取り付け作業性の改善を目的としてなされたものである。
本実施の形態においては、低圧電極7、高圧電極3、誘電体板5、及び図示しないスペーサ13からなり複数個が積層された電極モジュール102を所定の押圧力で基台24側に押し付ける機能を、発生器カバー110に持たせている。発生器カバー110は、厚さの薄いステンレス鋼板を用いて絞り加工によって作製され、天井部内側に複数の押さえブロック110aを有している。押さえブロック110aは、天井部の裏面に高さが所定の高さとなるように管理されて突設されている。そして、発生器カバー110には、実施の形態1のものが有する開口周縁部に形成された締着用のフランジが設けられていない。
一方、電極モジュール102が積層されてなるオゾン発生器電極101を載置する基台24の周囲には全周にわたって断面L字型のL字部材24aがロウ付けによって取り付けられている。そして、発生器カバー110は、オゾン発生器電極101に被せられて、オゾン発生器電極101を覆うとともに、押さえブロック110aで積層された電極モジュール102を上方から基台24側に押圧する。そして、発生器カバー110の開口周縁部と基台22の外周部に設けられたL字部材24aとが突合せ接合によって接合され、さらにその周囲部分にロウ材が流されロウ付けもしくは溶接がされて一体構造とされている。そして、発生器カバー110と基台24とは内部に密閉空間を形成している。
このような構成のオゾン発生器においては、装置のコンパクト化を図ることができるとともに、部品点数の削減、及び組み立て作業工程の改善を行うことができる。さらに装置の自動化組立を図ることもできる。
実施の形態7.
図34はこの発明のオゾン発生器のさらに他の例を示す低圧電極の模式図である。本実施の形態の低圧電極17は、主面が電極を成し内部にオゾンガス通路8及び冷却水通路9が形成された矩形平板状の低圧電極放電部1700と、低圧電極放電部1700の一側の辺の側部に設けられオゾンガス通路8のガス取出口8a及び冷却水通路9の冷却水入口(冷媒入口)9a、冷却水出口(冷媒出口)9bが形成された入出部1710とを有する。低圧電極放電部1700に設けられた冷媒通路としての冷却水通路9は、冷媒としての冷却水が低圧電極放電部1700の全体をくまなく巡るように低圧電極放電部1700の全体に渡って形成されている。
低圧電極放電部1700と入出部1710との間には、くびれ部1720が設けられている。くびれ部1720は、低圧電極放電部1700と入出部1710とが、それぞれ締め付けボルト21aと締め付けボルト21bで締着される際に、低圧電極放電部1700と入出部1710のいずれかで発生する変形が、他方の締着力に影響を与えないよう剛性の小さな部分として形成されている。
低圧電極17は、図示しない2枚の金属電極が張り合わされて作製されている。各々の金属電極の片側主面にはあらかじめハーフエッチングもしくは機械加工によって深さ数mmの断面コ字型の溝が多数本形刻されている。そして、2枚の金属電極が溝を向き合うように貼り合わせられて作製され内部にオゾンガス通路8と冷却水通路9が形成される。すなわち、各々の金属電極の片側主面には、オゾンガス通路8が形成されるための断面コ字型の溝と冷却水通路9が形成されるための断面コ字型の溝の両方が形成されている。2枚の金属電極は、ロウ付け或いはホットプレス等で重ね合わせて接合され内部が機密構造とされている。
その他の構成は実施の形態1と同じである。
このように、本実施の形態の第1の電極としての低圧電極17は、主面に溝が形成された2枚の金属製の平板が、溝を向き合うようにして貼り合わせられて作製され内部にオゾンガス通路8と冷却水通路9が形成され、貼り合わされた主面には、オゾンガス通路形成用の溝と冷媒通路形成用の溝の両方が形成されているので、低圧電極17を安価に作製することができ、また薄い電極とすることができる。
各々の金属電極は、実施の形態1と同じように主面に6つのオゾン取出し孔28a〜28fが穿孔されている。各々のオゾン取出し孔28a〜28fは、オゾンガス通路8に連通されている。そして、オゾン取出し孔28a〜28fから低圧電極7内に進入したオゾンガスは、低圧電極17内で合流し、入出部1710に設けられたオゾンガス通路8に導かれる。
一方、冷媒としての冷却水は、入出部1710に設けられた冷却水入口(冷媒入口)9aから低圧電極17内に進入し、低圧電極17内を全体にわたって巡ったのち、入出部1710に設けられた冷却水出口(冷媒出口)9bから外に出る。
このような構成のオゾン発生器においては、第1の電極としての低圧電極17は、主面に溝が形成された2枚の金属製の平板が、溝を向き合うようにして貼り合わせられて作製され内部にオゾンガス通路8と冷却水通路9が形成され、貼り合わされた主面には、オゾンガス通路形成用の溝と冷媒通路形成用の溝の両方が形成されているので、安価とすることができ、また薄い電極とすることができる。
実施の形態8.
図35はこの発明のオゾン発生器のさらに他の例を示す低圧電極の模式図である。本実施の形態の低圧電極27は、主面が電極を成し内部にオゾンガス通路8及び冷却水通路9が形成された矩形平板状の低圧電極放電部2700と、低圧電極放電部2700の第1の辺の側部に設けられオゾンガス通路8のガス取出口8a及び冷却水通路9の冷却水入口(冷媒入口)9aが形成された第1の入出部2710と、低圧電極放電部2700の第1の辺と反対側の第2の辺の側部に設けられ冷却水通路9の冷却水出口(冷媒出口)9bが形成された第2の入出部2730とを有する。
上述の実施の形態7では、1本の冷却水通路9が設けられていたが、本実施の形態においては、2本の冷却水通路9が設けられている。低圧電極放電部2700に設けられた冷媒通路としての冷却水通路9は、冷媒としての冷却水が低圧電極放電部2700の全体をくまなく巡るように低圧電極放電部2700の全体に渡って形成されている。
低圧電極放電部2700と入出部2710、2730との間には、それぞれくびれ部2720が設けられている。くびれ部2720は、低圧電極放電部2700と入出部2710、3730とが、それぞれ締め付けボルト21aと締め付けボルト21bで締着される際に、低圧電極放電部2700と入出部2710、2730のいずれかで発生する変形が、他方の締着力に影響を与えないよう剛性の小さな部分として形成されている。
その他の構成は実施の形態1と同じである。
本実施の形態の低圧電極27においては、低圧電極放電部2700の第1の辺の側部に設けた第1の入出部2710に、オゾンガスのガス取出口8aと冷却水入口9aが形成され、低圧電極放電部2700の第1の辺と反対側の第2の辺の側部に設けた第2の入出部2730に、冷却水出口9bが形成されている。
このような構成のオゾン発生器においては、第1の電極としての低圧電極27は、主面が電極を成し内部にオゾンガス通路8及び冷却水通路9が形成された矩形平板状の電極放電部2700と、電極放電部2700の第1の辺の側部に設けられオゾンガス通路8のガス取出口8a及び冷却水通路9の冷却水入口9aが形成された第1の入出部2710と、電極放電部2700の第1の辺に対向する第2の辺の側部に設けられ冷却水通路9の冷却水出口9bが形成された第2の入出部2730とを有するので、冷却水の流れが1方向のみとなり、ハーフエッチングのパターンが単純化されるとともに、冷却水が低圧電極27内を通過する際の圧力損失を小さくできるため、装置に流せる冷却水の流量を増やすことができ、冷却能力を向上させることができる。
実施の形態9.
図36はこの発明のオゾン発生器のさらに他の例を示す低圧電極の模式図である。本実施の形態の低圧電極37は、主面が電極を成し内部にオゾンガス通路8及び冷却水通路9が形成された矩形平板状の低圧電極放電部3700と、低圧電極放電部3700の第1の辺の側部に設けられオゾンガス通路8のガス取出口8aが形成された第1の入出部3710と、低圧電極放電部3700の第1の辺と反対側の第2の辺の側部に設けられ冷却水通路9の冷却水入口(冷媒入口)9aが形成された第2の入出部3730と、同じく低圧電極放電部3700の第2の辺の側部に設けられ冷却水通路9の冷却水出口(冷媒出口)9bが形成された第2の入出部3740とを有する。圧電極放電部3700に設けられた冷媒通路としての冷却水通路9は、冷媒としての冷却水が低圧電極放電部3700の全体をくまなく巡るように低圧電極放電部3700の全体に渡って形成されている。
低圧電極放電部3700と入出部3710、3730、3740との間には、それぞれくびれ部3720が設けられている。くびれ部3720は、低圧電極放電部3700と入出部3710、3730、3740とが、それぞれ締め付けボルト21aと締め付けボルト21bで締着される際に、低圧電極放電部3700と入出部3710、3730、3740のいずれかで発生する変形が、他方の締着力に影響を与えないよう剛性の小さな部分として形成されている。
その他の構成は実施の形態1と同じである。
本実施の形態の低圧電極37においては、低圧電極放電部3700の第1の辺の側部に設けた第1の入出部3710に、オゾンガスのガス取出口8aが形成され、低圧電極放電部3700の第2の辺の側部に設けた2個の第2の入出部3730、3740に、それぞれ冷却水入口9aと冷却水出口9bとが形成されている。尚、本実施の形態においては、冷却水入口9aと冷却水出口9bとが形成された第2の入出部は、入出部3730と入出部3740の2個に分割されているが、1つにまとめられてもよい。
このような構成のオゾン発生器においては、第1の電極としての低圧電極37は、主面が電極を成し内部にオゾンガス通路8及び冷却水通路9が形成された矩形平板状の電極放電部3700と、電極放電部3700の第1の辺の側部に設けられオゾンガス通路8のガス取出口8aが形成された第1の入出部3710と、電極放電部3700の第1の辺に対向する第2の辺の側部に設けられ冷却水通路9の冷却水入口9a、冷却水出口9bが形成された第2の入出部3730、3740とを有するので、オゾンガス通路8の設けられた入出部と冷却水通路の設けられた入出部とを分離することができ、これらに連通するオゾン発生器外部のオゾンガス配管と冷却水配管も互いに分離することができ配管の引き回しが容易となる。
実施の形態10.
図37はこの発明のオゾン発生器のさらに他の例を示す高圧電極の上面図、図38は高圧電極の正面断面図、図39は高圧電極の側断面面図である。本実施の形態の高圧電極33においては、ステンレス鋼板等の導電性薄板を2枚重ね合わせて接合して作製している。一枚の導電性薄板は、表面に複数の扁平状の凸部、裏面に複数の扁平状の凹部が形成されるようにプレス加工され、裏面同士が重ね合わされて接合される。そして、高圧電極33においては、両主面に各々6つの概略正方形の凸部33a〜33fが形成されている。このように作製された高圧電極33は、外形においては、実施の形態1の高圧電極と概略同じである。
このような構成のオゾン発生器においては、第2の電極としての高圧電極33は、表面に凸部が形成されるとともに裏面の凸部に対応する位置に凹部が形成された2枚の金属製の平板が、凹部を向き合うようにして貼り合わせられて作製されているので、高圧電極33を軽くすることができる。また、材料が削減されてコストダウンをすることができ、さらには、分割された放電領域の構成を容易に構築することができる。また、凸部の頂面の形状が概略正方形であるので、これに対応して形成される分割された放電領域のアスペクト比を概略1:1とすることができる。
実施の形態11.
図40はこの発明のオゾン発生器のさらに他の例を示す高圧電極の上面図、図41は高圧電極の正面断面図、図42は高圧電極の側断面面図である。本実施の形態の高圧電極43においては、ステンレス鋼板等の導電性薄板を2枚重ね合わせて接合して作製している。一枚の導電性薄板は、表面に凸部、裏面に凹部が形成されるようにプレス加工され、裏面同士が重ね合わされて接合される。そして、高圧電極43においては、両主面に各々6つの円形の凸部43a〜43fが形成されている。その他の構成は実施の形態10と同じである。
このような構成のオゾン発生器においては、凸部43a〜43fの頂面の形状が概略円形であるので、これに基づいて形成される放電領域27a〜27cも円形となる。これにより、放電領域27a〜27c内のオゾンガスの流速を一定にすることができ、オゾン濃度の低下を防ぎ、またオゾン発生効率を向上させることができる。
尚、上述実施の形態10の高圧電極33に形成された凸部33a〜33fは、概略正方形、本実施の形態の高圧電極43に形成された凸部43a〜43fは、円形に形成されている。そして、高圧電極に形成される凸部は、正方形や円形に限定されることなく、正方形と円形の中間の形状とされてもよい、重要なことは、アスペクト比が1.5:1.0以内にされることである。
実施の形態12.
図43はこの発明のオゾン発生器のさらに他の例を示す誘電体板の上面図、図44は誘電体板の正面図、図45は誘電体板の側面図である。本実施の形態の誘電体板35においては、高圧電極3と接触する側の面に形成された6つの導電性膜35a〜35fは、円形を成している。そのため、この6つの導電性膜35a〜35fの対応した位置に形成される6つの放電領域27a〜27fも概略円形状に形成され、放電領域内のオゾンガスの流速を一定にすることができ、オゾン濃度の低下を防ぎ、またオゾン発生効率を向上させることができる。尚、隣り合う導電性膜35a〜35fの間には、原料ガスが各々放電領域27a〜27fに均等に流れるように大小の原料ガス均等供給孔35g、35hが穿孔されている。
また、本実施の形態の誘電体板35においては、誘電体板35の導電性膜35a〜35fが形成された面と反対側の面、すなわち、誘電体板5の低圧電極7側(放電領域側)面に放電領域27a〜27fを形成する為のスペーサ14が設けられている。スペーサ14は、例えば、0.1mmの高さの径の小さい円筒形状の複数の突起として形成されている。スペーサ14は、例えば、板状の誘電体板35を機械加工して周囲を削ることにより、スペーサ14が相対的に凸形状に削り出されることにより形成されている。このように、誘電体板35とスペーサ14とを1つの材料から一体に削りだすことにより、誘電体板35とスペーサ14を別々に作製して接合する手順と比べ、スペーサ14単体の部品が無くなり部品点数が減り、さらに、スペーサ14の位置決め工程が不要になりオゾン発生器の組立が容易になる。
すなわち、このような構成のオゾン発生器においては、誘電体板35は、高圧電極3側の主面に設けられた導電性膜35a〜35fを有しており、この導電性膜35a〜35fを高圧電極3に密着させて高圧電極3と電気的に接合され、これらの導電性膜35a〜35fは、複数に分割された放電領域27a〜27fに対応して分割されているので、分割された放電領域27a〜27fの構成を容易に実現することができる。
導電性膜35a〜35fの形状が円形であるので、対応して形成される分割された放電領域の形状も概略円形状となり、放電領域内のオゾンガスの流速を一定にすることができ、オゾン濃度の低下を防ぎ、またオゾン発生効率を向上させることができる。さらに、誘電体板35の導電性膜35a〜35fと反対側の主面に、スペーサ14が一体に設けられているので、部品点数を削減することができるとともに、スペーサ14の位置決め工程が不要になり組み立て作業を容易にすることができる。
尚、本実施の形態においては、スペーサ14は、誘電体板35の導電性膜35a〜35fが形成された面と反対側の面において、導電性膜35a〜35fに対応する円の内側に設けられているが、スペーサ14が設けられる位置は、この円の内側に限られるものではなく、この円の外側に設けられてもよい。
また、導電性膜の形状は、正方形や円形に限定されることなく、正方形と円形の中間の形状とされてもよい、重要なことは、アスペクト比が1.5:1.0以内にされることである。
実施の形態13.
図46はこの発明のオゾン発生器のさらに他の例を示す電極モジュールの断面図である。図47は38の電極モジュールの誘電体板の上面図である。本実施の形態の誘電体板45は、6つの放電領域27a〜27fに対応して6個に分割されている。そして、概略正方形平板状の誘電体板45は、主面に矩形の導電性膜45aを有している。導電性膜45aと反対側の面には、0.1mm厚の細長い棒状のスペーサ13が、誘電体板45と一体に設けられている。
このような構成とすることにより、誘電体板45は、板上に1つの導電性膜45aが形成された単純な構造となるため、製作が容易となり、コストダウンすることができるとともに、量産性も向上する。
実施の形態14.
図48はこの発明のオゾン発生器のさらに他の例を示す誘電体板の上面図である。本実施の形態の誘電体板55は、6つの放電領域27a〜27fに対応して6個に分割されている。そして、円板状の誘電体板55は主面に円形の導電性膜55aを有している。導電性膜55aと反対側の面には、スペーサ14が径の小さい円筒形状の複数の突起として形成されている。
このような構成とすることにより、誘電体板55の製作が容易となり、コストダウンすることができるとともに、量産性も向上し、さらに、放電領域27a〜27fが概略円形状に形成されるので、放電領域内のオゾンガスの流速を一定にすることができ、オゾン濃度の低下を防ぎ、またオゾン発生効率を向上させることができる。
この発明の実施の形態1のオゾン発生器を備えた平板積層型オゾン発生装置の概略の断面図である。 図1の平板積層型オゾン発生装置を上方から見た図である。 この発明の実施の形態1のオゾン発生器を示すオゾン発生器電極の模式的な詳細断面図である。 図3のE部分の拡大図である。 この発明の実施の形態1のオゾン発生器の低圧電極の上面図である。 図5のA−A線に沿う矢視断面図である。 図5のB−B線に沿う矢視断面図である。 図5のC−C線に沿う矢視断面図である。 図5のD−D線に沿う矢視断面図である。 この発明の実施の形態1のオゾン発生器の高圧電極の上面図である。 図10の高圧電極の正面図である。 図10の高圧電極の側面図である。 実施の形態1の積p×dと放電電圧の関係を示す特性図である。 実施の形態1の放電電圧と高電圧の絶縁距離との関係を示す特性図である。 実施の形態1の積p×dの値を可変した場合の積p×dと放電セルの容積比との関係の1例を示す特性図である。 実施の形態1の放電電力密度を可変した場合の放電電力密度の放電セルの容積比との関係の1例を示す特性図である。 この発明の実施の形態1のオゾン発生器の誘電体板の上面図である。 図17の誘電体板の正面図である。 図17の誘電体板の側面図である。 この発明の実施の形態2のオゾン発生器を備えた平板積層型オゾン発生装置の概略の断面図である。 図20の平板積層型オゾン発生装置を上方から見た図である。 この発明の実施の形態2のオゾン発生器を備えた平板積層型オゾン発生装置の他の例を示す図20の平板積層型オゾン発生装置を上方から見た図である。 この発明の実施の形態3のオゾン発生器を備えた平板積層型オゾン発生装置の正面断面図である。 図23の平板積層型オゾン発生装置のガス出入り口側の側面図である。 図23の平板積層型オゾン発生装置の高電圧供給部側の側面図である。 図23の平板積層型オゾン発生装置のオゾン発生器モジュールの正面断面図である。 図23の平板積層型オゾン発生装置のオゾン発生器モジュールの平面図である。 図23の平板積層型オゾン発生装置のオゾン発生器モジュールのガス出入り口側の側面図である。 図23の平板積層型オゾン発生装置のオゾン発生器モジュールの高電圧供給部側の側面図である。 この発明の実施の形態4のオゾン発生器を備えた平板積層型オゾン発生装置の概略の縦断面図であり図31のK−K線に沿う矢視断面図である。 この発明の実施の形態4のオゾン発生器を備えた平板積層型オゾン発生装置の横断面図であり図30のL−L線に沿う矢視断面図である。 この発明の実施の形態5のオゾン発生器を備えた平板積層型オゾン発生装置の概略の断面図である。 この発明の実施の形態6のオゾン発生器を備えた平板積層型オゾン発生装置の概略の断面図である。 この発明の実施の形態7のオゾン発生器の低圧電極の模式図である。 この発明の実施の形態8のオゾン発生器の低圧電極の模式図である。 この発明の実施の形態9のオゾン発生器の低圧電極の模式図である。 この発明の実施の形態10のオゾン発生器の高圧電極の上面図である。 図37の高圧電極の正面断面図である。 図37の高圧電極の側面断面図である。 この発明の実施の形態11のオゾン発生器の高圧電極の上面図である。 図40の高圧電極の正面断面図である。 図40の高圧電極の側面断面図である。 この発明の実施の形態12のオゾン発生器の誘電体板の上面図である。 図43の誘電体板の正面図である。 図43の誘電体板の側面図である。 この発明の実施の形態13のオゾン発生器の電極モジュールの断面図である。 図46の電極モジュールの誘電体板の上面図である。 この発明の実施の形態14のオゾン発生器の誘電体板の上面図である。 従来の同軸円筒方式オゾン発生装置の側断面図である。 図49の同軸円筒方式オゾン発生装置のF−F線に沿った断面図である。 従来の同軸円筒方式オゾン発生装置の他の例を示す側断面図である。 図51の同軸円筒方式オゾン発生装置のJ−J線に沿った断面図である。 従来の大型の同軸円筒方式オゾン発生装置を示す一部を断面とする側面図である。 従来のオゾン発生装置のさらに他の例を示す要部の横断面図であり図55のH−H線に沿う矢視断面図である。 従来のオゾン発生装置の要部の縦段面図であり図54のG−G線に沿う矢視断面図である。
符号の説明
1 高圧電極冷却板、3,33,43 高圧電極(第2の電極)、3a〜3f,33a〜33f,43a〜43f 凸部、5,35,45,55 誘電体板、5a〜5f,35a〜35f,45a,55a 導電性膜、7,17,27,37 低圧電極(第1の電極)、8 オゾンガス通路、9 冷却水通路(冷媒通路)、13 スペーサ、24 基台、24a L字部材、27a〜27f 放電領域、28a〜28f オゾンガス取出孔、100 オゾン発生器、102 電極モジュール、110 発生器カバー、110a 押さえブロック、700,1700,2700,3700 電極放電部、710 入出部、720 くびれ部、710,1710 入出部、720,1720,2710,3710 くびれ部、2710,3710 入出部(第1の入出部)、2730,3730,3740 入出部(第2の入出部)。

Claims (3)

  1. 平板状の第1の電極と、上記第1の電極の主面に対向する平板状の第2の電極と、上記第1の電極と上記第2の電極との間に設けられた平板状の誘電体板と、放電空隙を形成するスペーサとを有する電極モジュールが複数積層され、
    上記第1の電極と上記第2の電極との間に交流電圧を印加され、少なくとも酸素ガスを含んだガスが注入された放電領域のギャップ間に放電を生じさせてオゾンガスを発生させ、
    上記第1の電極は、主面が電極を成し、内部に該放電領域で発生したオゾンガスを取り出すオゾンガス通路および冷媒を流通させる冷媒通路が形成された平板状の電極放電部と、
    上記電極放電部のいずれかの辺の側部にくびれ部を介して設けられ上記オゾンガス通路のガス取出口及び上記冷媒通路の冷媒入口、冷媒出口が形成された入出部と、
    を有し、
    上記電極放電部、上記第2の電極、上記誘電体板およびスペーサと上記入出部およびマニホールドブロックとがそれぞれ別々の挟持機構で挟持されることを特徴とするオゾン発生器。
  2. 平板状の第1の電極と、上記第1の電極の主面に対向する平板状の第2の電極と、上記第1の電極と上記第2の電極との間に設けられた平板状の誘電体板と、放電空隙を形成するスペーサとを有する電極モジュールが複数積層され、
    上記第1の電極と上記第2の電極との間に交流電圧を印加され、少なくとも酸素ガスを含んだガスが注入された放電領域のギャップ間に放電を生じさせてオゾンガスを発生させ、
    上記第1の電極は、主面が電極を成し、内部に該放電領域で発生したオゾンガスを取り出すオゾンガス通路および冷媒を流通させる冷媒通路が形成された平板状の電極放電部と、
    上記電極放電部の第1の辺の側部に第1のくびれ部を介して設けられ上記オゾンガス通路のガス取出口及び上記冷媒通路の冷媒入口が形成された第1の入出部と、
    上記電極放電部の上記第1の辺に対向する第2の辺の側部に第2のくびれ部を介して設けられ上記冷媒通路の冷媒出口が形成された第2の入出部と、
    を有し、
    上記電極放電部、上記第2の電極、上記誘電体板およびスペーサと上記第1の入出部、上記第2の入出部およびマニホールドブロックとがそれぞれ別々の挟持機構で挟持されることを特徴とするオゾン発生器。
  3. 平板状の第1の電極と、上記第1の電極の主面に対向する平板状の第2の電極と、上記第1の電極と上記第2の電極との間に設けられた平板状の誘電体板と、放電空隙領域を形成するスペーサとを有する電極モジュールが複数積層され、
    上記第1の電極と上記第2の電極との間に交流電圧を印加され、少なくとも酸素ガスを含んだガスが注入された放電領域のギャップ間に放電を生じさせてオゾンガスを発生させ、
    上記第1の電極は、主面が電極を成し、内部に該放電領域で発生したオゾンガスを取り出すオゾンガス通路および冷媒を流通させる冷媒通路が形成された平板状の電極放電部と、
    上記電極放電部の第1の辺の側部に第1のくびれ部を介して設けられ上記オゾンガス通路のガス取出口が形成された第1の入出部と、
    上記電極放電部の上記第1の辺に対向する第2の辺の側部に第2のくびれ部を介して設けられ上記冷媒通路の冷媒入口、冷媒出口が形成された第2の入出部と、
    を有し、
    上記電極放電部、上記第2の電極、上記誘電体板およびスペーサと上記第1の入出部、上記第2の入出部およびマニホールドブロックとがそれぞれ別々の挟持機構で挟持されることを特徴とするオゾン発生器。
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